JP2005319583A - 積層フィルム、シーラントフィルム及び包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メタロセン触媒またはシングルサイト系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(a)30〜60質量%、低密度ポリエチレン(b)10〜30質量%ならびにエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体及びポリブテン−1からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂(c)10〜40質量%[但し、(a)+(b)+(c)=100質量%]を含む樹脂組成物層〔(A)層〕と密度0.950〜0.970g/cm3の高密度ポリエチレン(d)を含む高密度ポリエチレン層〔(B)層〕との少なくとも2層からなる積層フィルム。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、易開封性、白化性、水蒸気バリヤー性及び低温ヒートシール性に優れ、ヒートシール温度幅が広い食品用及び医療用包装材料として好適な積層フィルム、シーラントフィルム、包装体及び医療用用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリオレフィンフィルムは、安価で、耐熱性、耐薬品性及び易ヒートシール性などの特徴を生かし各種食品包装材料や各種医療用包装材料として用いられている。
食品包装においては、アルミ箔や塩化ビニリデン樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂鹸化物等をガスバリヤー層とし、ポリアミド樹脂層及びポリエステル樹脂層等と組み合わせ、シーラント層にポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂が用いられている。一方、医療用包装においても同様にシーラント層としてポリオレフィン系樹脂が用いられている。
【0003】
易開封性のシーラントフィルムとしては、シーラント層にポリプロピレンとポリエチレンを混合した樹脂組成物を用いる方法やポリオレフィン系樹脂にスチレンをグラフト重合した樹脂などを用いる方法が知られている。
【0004】
医療用器具包装体などのローレットシールを行う包装体のシーラントフィルムとしては、従来低融点のポリプロピレンに直鎖状低密度ポリエチレンを混合した樹脂組成物をシーラント層とし、この層に基材層としてホモポリプロピレンを積層したものが用いられている。
【0005】
このシーラントフィルムは、包装体を開封したときにヒートシール部分が白化するため包装体が確実にヒートシールされていたことが視認できるという特徴を有している。
しかし、ヒートシール強度(ヒートシール部の剥離強度)が11.8N/15mm幅以上と強いため、開封しずらかった。また、ヒートシール温度幅が狭いためローレットシール機の温度調整が不良になったり、ヒートシール圧力に変動があるとホモポリプロピレン同士がヒートシールされるため開封できないという問題があった。なお、ここで、ヒートシール温度幅が狭いとは、ヒートシール温度、ヒートシール圧力などのヒートシール条件が変化した時のヒートシール強度の変化の程度が大きいことである。
【0006】
易開封性のシーラントフィルムに関する先行文献の例としては、例えばメルトインデックスが2〜100g/10分の結晶性ポリプロピレン系樹脂とメルトインデックスが2〜50g/10分のポリエチレンを50:50〜95:5の重量比で含有する厚み5〜25μmの樹脂組成物層からなる熱封緘性樹脂層を備えた包装体(特開昭58−1672号公報)、耐熱樹脂層からなる最上層、ポリプロピレンからなる中間層、及び該中間層の下に積層されたポリプロピレン−ポリエチレンブレンドポリマーからなる凝集破壊性シーラント層の3層からなる易開封性落し蓋(実用新案公告昭61−37647号公報)、結晶性ポリプロピレンないしは結晶性プロピレン−エチレン共重合体からなるベース樹脂と酢酸ビニル含有量8ないし5重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体8ないし30重量%とのブレンド物から形成されたフィルム層で加熱殺菌後の開封強度が100ないし1700g/cmである容器(特開昭57−28777号公報)、プロピレン系樹脂層とプロピレン−エチレンランダム共重合体及び/またはプロピレン−エチレン−ブテン−1三元共重合体と高圧法ポリエチレン及び/または直鎖状低密度ポリエチレンとの樹脂組成物層からなる複合フィルム(特開昭63−179741号公報)等を挙げることができる。
これらは低温ヒートシール性に劣るとか、開封強度が強すぎる、開封時にヒートシール部分の白化性が劣り、著しい場合は全く白化しないなどの問題があった。
【0007】
本発明のようなポリエチレンとポリブテン−1との組み合わせに関する先行文献としては、例えば、ポリエチレン製のびん、パイプ、電線被覆等と粘性液体との接触による歪み割れ防止のためにポリエチレンとポリブテン−1とをブレンドする方法(特公昭39−22351号)が挙げられる。しかし、この先行文献には本発明の目的や解決方法に関しては何等開示も示唆もされていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、易開封性、白化性、水蒸気バリヤー性及び低温ヒートシール性に優れ、ヒートシール温度幅が広く、ローレットシールにも適合する食品包装材料及び医療用包装材料として好適な積層フィルム、シーラントフィルム及び包装体を提供することを主な課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定の樹脂組成物層と高密度ポリエチレン層を積層することにより上記課題を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下の(1)〜(11)に示される積層フィルム、シーラントフィルム及び包装体に関する。
(1)メタロセン触媒またはシングルサイト系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(a)30〜60質量%、低密度ポリエチレン(b)10〜30質量%ならびにエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体及びポリブテン−1からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂(c)10〜40質量%[但し、(a)+(b)+(c)=100質量%]を含む樹脂組成物層〔(A)層〕と密度0.950〜0.970g/cm3の高密度ポリエチレン(d)を含む高密度ポリエチレン層〔(B)層〕との少なくとも2層からなる積層フィルム。
(2)直鎖状低密度ポリエチレン(a)は、密度0.890〜0.935g/cm3でありメルトフローレートが2〜20g/10分であることを特徴とする(1)に記載の積層フィルム。
(3)高密度ポリエチレン(c)は、メルトフローレートが1〜15g/10分であることを特徴とする(1)または(2)に記載の積層フィルム。
【0011】
(4)メタロセン触媒またはシングルサイト系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(e)を含む層〔(C)層〕を(B)層の(A)層が有る側とは反対側に有することを特徴とする積層フィルム。
(5)押出温度160〜250℃で成膜し、冷却温度40〜80℃で冷却して製造することを特徴とする(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の積層フィルムの製造方法。
(6)(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の積層フィルムの(A)層をシーラント層とすることを特徴とするシーラントフィルム。
【0012】
(7)ガスバリヤー層及び/または保護層と、(6)記載のシーラントフィルムとからなることを特徴とする包装材料。
(8)(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の積層フィルムの(A)層をシーラント層として用いたことを特徴とする包装体。
(9)(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の積層フィルムの(A)層同士が融着されていることを特徴とする(8)に記載の包装体。
【0013】
(10)(8)または(9)に記載の包装体により包装されたことを特徴とする医療用用具。
(11)血糖値測定電極である(10)に記載の医療用用具。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における樹脂組成物層〔(A)層〕に用いられる直鎖状低密度ポリエチレン(a)〔以下「(a)成分」ということもある。〕及び(C)層に用いられる直鎖状低密度ポリエチレン(e)〔以下「(e)成分」ということもある。〕は、メタロセン触媒またはシングルサイト系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(以下「mLLDPE」ということもある。)である。
【0015】
なお、ここでメタロセン触媒は、例えば「メタロセン触媒による次世代ポリマー工業化技術」(原田哲彌、株式会社ジスク、P.13、1994年)や“オレフィン系、スチレン系樹脂の高機能化”(株式会社技術情報協会、P.13、2000年)等に代表的定義が記載されているが、ここでは一般に定義されるが如く、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等の金属原子と少なくとも1個のシクロペンタジエニル環を有する化合物との錯体即ちシクロペンタジエニル錯塩からなる触媒を挙げることができる。助触媒としては、トリフェニル(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリスー(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレート等の硼素化合物、メチルアルモキサン等のアルモキサンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。なお、ある種のメタロセン触媒はシングルサイト系触媒の代表的なものであり、これ以降、本発明においてメタロセン触媒とはメタロセン触媒及び/またはシングルサイト系触媒を意味する。
【0016】
mLLDPEは、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンから選択された一種以上のオレフィンを主成分とする共重合体である。この炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜12のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。共重合体に占める炭素数3〜20のα−オレフィンの含有量は、通常30モル%以下、好ましくは2〜20モル%の範囲である。
【0017】
本発明に用いられるmLLDPEの密度(JIS K 7112 D法に準拠して測定)は、0.890〜0.935g/cm3が好ましく、より好ましくは0.892〜0.933g/cm3であり、特に好ましくは0.894〜0.931g/cm3である。密度が、0.890g/cm3以下の場合は、ヒートシール強度が強すぎることがあり、一方、0.935g/cm3を超えると開封時のフェザリング(毛羽立ち)現象が起こりやすくなる。
【0018】
一方、メルトフローレート(以下「MFR」という。)は2〜25g/10分の範囲が好ましく、6〜22g/10分の範囲がより好ましく、7〜20g/10分の範囲がさらにより好ましい。MFRが2g/10分以下になるとヒートシール強度が強すぎ、白化性に劣る傾向がある。一方、20g/10分を超えるとポリブテンとの相溶性に劣り、フェザリング現象が生じたり、白化性が劣る傾向がある。なお、MFRはJIS K 7210 試験条件4により、温度190℃、荷重21.18Nで測定した値である。
【0019】
本発明で用いられる低密度ポリエチレン(b)(以下「LDPE」または単に(b)成分ということもある。)は、特に制限はないがJIS K7112 D法に準拠して測定される密度が0.910〜0.925g/cm3であり、JIS K7210、試験条件4に準拠して測定されるMFRが20g/10分以下であるものがよい。密度としては0.912〜0.924g/cm3が好ましく、とりわけ0.915〜0.923g/cm3が好適である。MFRとしては15g/10分以下が好ましく、とりわけ0.1〜10g/10分が好適である。
【0020】
本発明の(A)層は、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体及びポリブテン−1からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂〔以下(c)成分ということもある。〕を含有する。これらの樹脂のうちエチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体及びポリブテン−1のブテン系共重合体が好ましく、ポリブテン−1がより好ましい。
【0021】
本発明で用いられるエチレン−プロピレン共重合体は、エチレン含有量が65〜85質量%、JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nで測定したMFRが0.2〜20g/10分のものがよい。エチレン含有量が60質量%以下の場合は、低温シール性および白化性が劣り好ましくない。一方、85質量%を超えると易開封性が劣り好ましくない。好ましくは、65〜82質量%、より好ましくは70〜80質量%である。MFRが0.2g/10分以下の場合は、易開封性に劣り好ましくない。一方、20g/10分を超えると白化性、成形性が劣り好ましくない。好ましくは、0.2〜18g/10分、より好ましくは0.5〜15g/10分である。
【0022】
本発明で用いられるエチレン−ブテン共重合体は、エチレン含有量が70〜98質量%、JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nで測定したMFRが0.1〜20g/10分のものがよい。エチレン含有量が70質量%以下の場合は耐熱性、剥離外観および白化性が劣り好ましくない。一方、98質量%を超えると易開封性および白化性が劣り好ましくない。好ましくは、72〜96質量%、より好ましくは75〜95質量%である。MFRについては、0.1g/10分以下の場合は易開封性が劣り好ましくない。一方、10分/10分を超えると剥離外観および白化性が劣り好ましくない。好ましくは、0.2〜9g/10分、より好ましくは0.5〜8g/10分である。
【0023】
本発明で用いられるプロピレン−ブテン共重合体は、プロピレン含有量75〜98質量%、JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nで測定したMFRが0.1〜20g/10分のものがよい。プロピレン含有量が75質量%以下の場合は易開封性および水蒸気バリヤー性が劣り好ましくない。一方、98質量%を超えると、易開封性、白化性および低温ヒートシール性が劣り好ましくない。MFRが0.1g/10分以下の場合は、易開封性に劣り好ましくない。一方、20g/10分を超えると剥離外観、白化性に劣り好ましくない。好ましくは、0.5〜18g/10分、より好ましくは1〜15g/10分である。
【0024】
本発明で用いられるエチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体(以下「PEB」ということもある。)は、プロピレン、エチレン及びブテン−1を主成分とする共重合体であり、通常多段共重合法で得られる樹脂である。
本発明に用いるPEBは、示差走査型熱量計(DSC)による結晶化ピーク温度(Tcp)が75〜90℃、結晶化エネルギー(△H)が55〜80J/gであるものを用いるとよい。
【0025】
融解温度(Tmp)については、特に限定するものではないが125〜145℃の範囲のものがよい。
なお、ここでTcp及び△Hは、精秤した約3〜5mgの試料をDSCにセットし、試料温度230℃まで昇温し、5分間保持した後、20℃/分の速度で30℃まで降温することにより求めた。
【0026】
PEBの組成割合に関しては、プロピレン含有量が96〜72質量%、エチレン含有量が1〜10質量%、ブテン−1含有量が3〜18質量%であるものがよい。プロピレン含有量としては95.3〜75質量%が好ましく、特に94.5〜77質量%が好適である。エチレン含有量としては1.2〜8質量%が好ましく、特に1.5〜7質量%が好適である。また、ブテン−1含有量としては3.5〜17質量%が好ましく、特に4.0〜16質量%が好適である
【0027】
本発明で用いられるポリブテン−1(以下、「PB」という。)は、ブテン−1モノマーを原料として重合されるものであり、ポリエチレンやポリプロピレンと同種のポリオレフィンである。一般に、PBは分子量が高く、高アイソタクティシティーを有する。重合方法については、チーグラー・ナッタ触媒を用い、ブテン−1モノマーを溶媒として重合する方法や、ヘキサンまたはヘプタンなどの炭化水素系溶媒を用いる溶液重合法が用いられている。
【0028】
PBは、ポリプロピレンより低い二次転移点を有するため、室温ないし低温における弾性率がポリプロピレンより高い〔D.G.Natta et.al:J.Polymer Sci. Vol.25 p119(1957)〕のでゴム弾性を有するポリマーとして知られている。
【0029】
PBは、ポリエチレンやポリプロピレンよりも引っ張り強度、衝撃強度、引き裂き強度等の機械的特性に優れているため、パイプ原料やチューブ、改質材として用いられている。
フィルム分野においてはPBは、他の樹脂とブレンドすることにより低温ヒートシール性を付与したりイージーピール性を付与するなどの目的で用いられている。
これらPBの性質や用途に関しては、例えば「最新ラミネート加工便覧」861〜866頁(1989)加工技術研究会発行や”I.D.Rubin,Poly(1−Butene)−its Preparation and Properties”,Gordon and Breach Science Publishers,inc.,New York(1968)等に詳細に記載されている。
【0030】
本発明に用いるPBのASTM D1238EによるMFRは、0.5〜15g/10分の範囲のものが好ましく、0.8〜12g/10分の範囲がより好ましく、1〜10g/10分の範囲がさらにより好ましい。MFRが、0.5g/10分以下の場合は、ヒートシール強度が高くなりすぎることがあり、一方、15g/10分を超えるとシール部分を剥離すると剥離部分のフェザリング現象が発生したり、剥離時の白化性に劣ることがある。
【0031】
PBの融点については、示差走査型熱量計(DSC)による方法で100〜140℃の範囲のものが良い。融点が100℃以下の場合は、シール部分を剥離すると剥離部分のフェザリング現象が発生したり、剥離時の白化性に劣りやすい。一方、140℃を超えるヒートシール強度及び白化性が劣る傾向がある。
これらPBは、例えばシェル化学社及び三井化学社から「商品名:ビューロン」として販売されておりこれらを好適に利用できる。
【0032】
(A)層を構成する(a)成分、(b)成分及び(c)成分の配合割合については、(a)成分30〜60質量%、(b)成分10〜30質量%及び(c)成分10〜40質量%〔但し、(a)+(b)+(c)=100質量%〕の範囲である。好ましくは、(a)成分35〜55質量%、(b)成分13〜28質量%及び(c)成分15〜38質量%の範囲、特に好ましくは(a)成分40〜52質量%、(b)成分15〜25質量%及び(c)成分18〜35質量%の範囲の範囲がよい。
(a)成分が30質量%未満の場合は、水蒸気バリアー性の低下やヒートシール強度の低下及び白化性の低下を起こし好ましくない。また、剥離時にフェザリング現象を起こしやすくなり好ましくない。一方、60質量%を超えると白化性やヒートシールしたとき、シール部分の近傍までシールされてしまい包装体の外観を損ねたり、内容物が取り出しにくいなどの問題を起こし好ましくない。
(b)成分が10質量%未満の場合は、白化性および易開封性が劣り好ましくない。また、剥離時のフェザリングを起こし易くなり好ましくない。一方、30質量%を超えると、成形性およびヒートシール強度の低下を起こし好ましくない。
(c)成分が10質量%未満の場合は、易開封性に劣り好ましくない。一方、40質量%を超えると剥離時のフェザリングを起こしやすく、また水蒸気バリヤー性が劣り好ましくない。
【0033】
高密度ポリエチレン層〔(B)層〕に用いられる高密度ポリエチレン(d)(以下、「HDPE」ということもある。)は、密度が0.950〜0.970g/cm3であり、0.952〜0.965g/cm3の範囲が好ましく、0.953〜0.962g/cm3の範囲がより好ましい。密度が、0.950g/cm3以下の場合は、水蒸気バリヤー性が低下したり、剥離時の白化性が劣る。一方、0.970g/cm3を超えると低温ヒートシール性や白化性が損なわれる問題がある。
【0034】
HDPEのJIS K7210に準拠し、温度190℃、荷重21.18Nで測定したMFRは、1〜15g/10分の範囲が好ましく、2〜13g/10分の範囲がより好ましく、3〜12g/10分の範囲がさらにより好ましい。MFRが、1g/10分以下の場合は低温ヒートシール性、白化性が劣る傾向があり。一方、15g/10分を超えるとフィルムが縦方向に裂けやすくなったり、剥離時のフェザーリング現象が発生することがある。
【0035】
本発明の積層フィルムの製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の成形方法を用いてよい。例えば、積層フィルムの各層の樹脂成分に必要に応じて添加剤を添加し、ミキシングロール、バンバリミキサー、ヘンシェル、タンブラー及びリボンブレンダー等の混合機で各成分を混合した後、押出機を用い混練処理してペレット化または直接ドライブレンドした後、押出ラミネショーン成形法、共押出インフレーション成形方法及び共押出Tダイ成形法等でフィルム化する方法が挙げられる。
これらのうち共押出成形法で本発明の(A)層と(B)層との少なくとも2層からなる積層フィルム及び該積層フィルムの(B)層側に(C)層を有するフィルムを得る場合は、押出温度160〜250℃で成膜し、冷却温度40〜80℃で冷却することにより、水蒸気バリヤー性、白化性に優れるものが得られ好ましい。
【0036】
本発明の積層フィルムの厚みについては、20〜70μmの範囲のものが本発明の目的を満足し使用できる。好ましくは、20〜60μm、特に好ましくは25〜50μmである。層構成としては、(A)層/(B)層、(A)層/(B)層/(A)層、(A)層/(B)層/(C)層、などが挙げられる。特に(A)層/(B)層/(C)層の3種3層の層構成からなる積層フィルムは、カーリングが少なく好ましい。
(A)層の厚みは、包装体としたとき包装体端面からの水分の進入を考慮し3〜15μmにするとよい。
(A)層と(B)層の厚み比については、(A)層:(B)層=0.05〜0.3:0.95〜0.7の範囲が好適である。好ましくは(A)層:(B)層=0.07〜0.25:0.93〜0.75の範囲である。より好ましくは(A)層:(B)層=0.1〜0.2:0.9〜0.8の範囲である。
【0037】
(A)層の厚み比が0.05以下の場合、ヒートシールを施したとき、部分的に(B)層同士がヒートシールされる箇所が発生し、ヒートシール強度が高くなったり、包装体の開封時にヒートシール端部で切れ、内容物を取り出しにくくなるという問題が生じる場合がある。一方、(A)層の厚み比が0.3以上の場合は、フェザリングを起こしたり、包装体の水蒸気バリヤー性の低下を伴うことがある。(C)層の厚みは、カーリング抑制の面から適宜選択することが可能であり、例えば、具体的には(A)層と同程度の厚みであることが好ましい。
【0038】
本発明のシーラントフィルムは、(A)層と(B)層と少なくとも2層からなる積層フィルム及び該積層フィルムの(B)層側に(C)層を有する積層フィルムにおいて(A)層をシーラント層とするものである。
樹脂組成物からなる(A)層をシーラント層とする包装体を剥離した場合、凝集破壊による凝集剥離が(a)成分、(b)成分及び(c)成分が特定量含有されてなる樹脂組成物層内で生じることとなり、易開封性に優れ、白化性に優れる性質を示す。
【0039】
特に、本発明の効果のひとつである白化性に優れる理由は定かではないが、樹脂組成物層を構成する(c)成分が他の成分よりも分子量が大きく、凝集エネルギーが大きいため、包装体を剥離したとき、(c)成分と他の成分の界面で微細なボイドが生じることによるものと推測される。
【0040】
また、本発明のシーラントフィルムは、シーラント層にHDPEからなる層が積層されていることが必要である。
HDPEからなる層がシーラント層に積層されていない場合、水蒸気バリヤー性の低下やヒートシール強度の安定性が劣ったものになり、また、著しい場合、ヒートシール部分の近傍が溶融して密着を起こし、包装体の内容物を取り出すことが困難になるからである。
したがって、本発明の目的のひとつである、易開封性、白化性、水蒸気バリヤー性及び低温ヒートシール性に優れ、ヒートシール温度幅が広い包装体は、シーラント層にHDPEからなる層が積層された積層フィルムを用いることで達成することができるのである。
【0041】
本発明の包装材料は、本発明のシーラントフィルムと、ガスバリヤー層及び/または保護層とからなるものである。ガスバリヤー層及び保護層は、シーラントフィルムに、接着剤を介してまたは介さずに積層することにより得ることが出来る。ガスバリヤー層としては、アルミ箔、金属蒸着フィルム、酸化珪素蒸着フィルム、塩化ビニルデン樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物などからなる層が挙げられる。保護層としては具体的にポリエステル樹脂層、ポリアミド樹脂層及びポリカーボネート樹脂層などが挙げられる。また、本発明の目的を損なわない範囲で他のポリオレフィン系樹脂層をさらに積層して用いてもよい。本発明の包装材料を得る方法としては公知の押出ラミネート成形法、ドライラミネート成形法などを用いることができる。
【0042】
本発明の包装体は、本発明の積層フィルムの(A)層をシーラント層として用いたことを特徴とする。(A)層と接着する被シール物は、フィルムであっても容器であってもよい。また、被シール物の材料は(A)層と接着可能なものであれば特に限定されないが、ポリオレフィンであることが望ましい。ポリオレフィンとしては、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1等のオレフィンの単独重合体、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィンとエチレンまたはプロピレンとの共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン,プロピレン等のオレフィンと無水マレイン酸,無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−[2,2,1]−ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物等の不飽和ジカルボン酸無水物との共重合体(グラフト共重合体を含む。)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等エチレンとの不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体等のエチレン系三元共重合体などが挙げられる。
【0043】
さらに、本発明の包装体の好ましい態様として、本発明の積層フィルム同士を用いて(A)層同士が融着された包装体がある。この包装体は易開封性、白化性、水蒸気バリヤー性及び低温ヒートシール性に極めて優れ、ヒートシール温度幅が広い良好な包装体である。
【0044】
本発明を構成する各層の構成材料に対しては、熱可塑性樹脂に慣用の他の添加剤(例えば、酸化防止剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロックキング防止剤、防曇剤、染料、顔料、オイル、ワックス、充填剤等)やその他の熱可塑性樹脂を本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合できる。
【0045】
例えば、このような添加剤の例としては、酸化防止剤として2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル3−(3’,5’−ジ−t−ブチルー1’−ヒドロキシフェニル)プロピネート、4,4’−チオビス−(6−ブチルフェノール)、紫外線吸収剤としてはエチル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、可塑剤としてフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、ワックス、流動パラフィン、りん酸エステル、帯電防止剤としてはペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化オレイン酸、ポリエチレンオキシド、カーボンワックス、滑剤としてエチレンビスステアロアミド、ブチルステアレート、脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等)、着色剤としてカーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、酸化チタン、ベンガラ等、充填剤としてグラスファイバー、アスベスト、マイカ、ワラストナイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ブロッキング防止剤として、ケイ酸塩系(ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等)、シリコーン系、ゼオライト系、タルク、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子などが挙げられる。具体的な、添加方法及び添加量の例として、(A)層にケイ酸塩6000〜12000ppm、PMMA粒子2,000〜6,000ppm、脂肪酸アミド300〜1,000ppm、(C)層にケイ酸塩4,000〜8,000ppm添加することにより、本発明の主な課題を満足し、かつ、さらに耐ブロッキング性にも優れた積層フィルムを得ることができる。さらに、上記添加剤が粒状のものであれば、その平均粒径は0.05μm〜20μmが好ましく、0.1〜10μm以下がより好ましい。
【0046】
本発明の積層フィルムを用いた包装体は、包装体を開封したときにヒートシール部分が白化するため包装体が確実にヒートシールされていたことが容易に視認できるという特徴を有しているため、食品及び医療用包装材料として好適に使用することができる。とりわけ白化性に加え、易開封性、水蒸気バリヤー性が必要であり、厳密な管理が要求される医療用器具の包装材料として好ましく使用することができる。このような医療用用具の例としては例えば、血糖値測定電極が挙げられ、ローレットシールにより包装された血糖値測定電極が本発明の好ましい態様の一例として挙げることができる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0048】
[用いた樹脂]
PE1:MFRが15g/10分、密度0.912g/cm3のシングルサイト系触媒直鎖状低密度ポリエチレン。
PE2:MFRが8g/10分、密度0.907g/cm3のシングルサイト系触媒直鎖状低密度ポリエチレン。
PE3:MFRが5.0g/10分、密度0.918g/cm3の過酸化物を用いた高圧法低密度ポリエチレン。
PE4:MFRが2g/10分、密度0.929g/cm3のチグラーナッタ系直鎖状低密度ポリエチレン。
【0049】
PE5:MFRが3.5g/10分、密度0.924g/cm3の過酸化物を用いた高圧法低密度ポリエチレン。
PE6:MFRが3.5g/10分、密度0.921g/cm3のシングルサイト系触媒直鎖状低密度ポリエチレン。
PE7:MFRが3.5g/10分、密度0.915g/cm3のシングルサイト系触媒直鎖状低密度ポリエチレン。
PE8:MFRが2.8g/10分、密度0.932g/cm3のチグラーナッタ系直鎖状低密度ポリエチレン。
【0050】
HDPE1:MFRが7.6g/10分、密度0.958g/cm3の高密度ポリエチレン。
HDPE2:MFRが10.8g/10分、密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン。
HDPE3:MFRが3.6g/10分、密度0.964g/cm3の高密度ポリエチレン。
HDPE4:MFRが8.6g/10分、密度0.945g/cm3の高密度ポリエチレン。
HDPE5:MFRが8.5g/10分、密度0.960g/cm3の高密度ポリエチレン。
【0051】
PB1:MFRが1.8g/10分、密度0.915g/cm3、融点125℃のポリブテン−1である三井化学(株)製「商品名:ビューロンBL4000」。
PB2:MFRが20g/10分、密度0.917g/cm3、融点123℃のポリブテン−1である三井化学(株)製「商品名:ビューロンBL7000」。
PB3:MFRが1.0g/10分、密度0.900g/cm3、融点75℃のポリブテン−1である三井化学(株)製「商品名:ビューロンM2181」。
【0052】
PEP:MFRが5.4g/10分、密度0.87g/cm3のエチレン−プロピレン共重合体である三井化学(株)製「商品名:タフマーP」。
PEB:MFRが3.6g/10分、密度0.88g/cm3のエチレン−ブテン共重合体である三井化学(株)製「商品名:タフマーA」。
PPB:MFRが10g/10分、密度0.90g/cm3のプロピレン−ブテン共重合体であるサンアロマー(株)製「商品名:Clyrell722RCXP」。
PEPB:MFRが5.5g/10分、密度0.90g/cm3のエチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体であるサンアロマー(株)製「商品名:Adsyl5C37F」。
【0053】
PP1:エチレン含有量が6.5重量%、温度230℃、荷重2.16KgのMFRが20g/10分のプロピレン−エチレンランダムコポリマーを用い
PP2:MFRが8.5g/10分のホモポリプロピレン。
た。
【0054】
〔試験片の作成〕
[混練処理]
(A)層構成材料の(a)成分、(b)成分及び(c)成分をタンブラーで混合した後、(株)神戸製鋼所製二軸押出機(KTX37型)を用いて、温度190〜210℃でペレット化した。なお、このときブロッキング防止剤としてPMMA粒子を4,000ppm添加した。
【0055】
[Tダイ成形]
上記、混練処理した各ペレットを用い、口径65mmφ、ダイス幅1,300mmである東芝機械(株)製Tダイフィルム成形機を用い、ダイス温度210℃、冷却温度70℃で、総厚みを適宜変更しフィルムを作成した。なお、フィルムの層構成は(A)層/(B)層/(C)層からなる3種3層構成とした。厚みに関しては、(A)層/(B)層/(C)層=6μm/28μm/6μmとした。
次に、各フィルムに厚み12μmのポリエステルフィルム及び厚み15μmのアルミ箔をドライラミネート法で積層した。このようにして得た積層フィルムの(A)層と(A)層とをヒートシールし以下の評価を行った。
【0056】
[ヒートシール]
テスター産業(株)製ヒートシーラーを用い、凹凸傾斜角度が55度の綾目形状ヒートシールバーで圧力0.2MPa、時間1秒で、ヒートシールを行った。
【0057】
〔物性測定方法〕
[ヒートシール強度]
ヒートシール後のフィルムを幅15mmに切り出しオリエンテック社製引張り試験機(RTA−100型)を用いて、引張り速度300mm/分の条件で180度剥離強度を求めた。なお、試験は10点行い、その平均値を求めた。なお、シール温度は適宜変更した。
[白化性]
ヒートシール強度測定後の試験片について、ヒートシール部分の剥離部分の白化状態を目視で観察した。なお、評価は以下の基準で行った。
○・・・十分白化しており、白化の確認が容易である。
△・・・薄らと白化しており、確認しずらい。
×・・・全く白化していない。
【0058】
[外観]
ヒートシール強度測定後の剥離した部分について、フェザリング(毛羽立ち)がないか以下の基準で目視判定した。
○・・・フェザリングが全く認められない。
△・・・フェザリングが部分的に認められる。
×・・・フェザリングが著しく外観が劣る。
【0059】
[水蒸気透過量]
ASTM E96に準拠し、モダンコントロール社製「水蒸気透過試験機PERMATRAN−W」を用い、温度37.8℃、相対湿度90%の水蒸気透過量を測定した。
[耐ブロッキング性評価]
フィルムを重ね合わせ、この上に98N/100cm2の荷重を掛けて温度40℃で2日間保管し、その後23℃に冷却し引張試験機を用い500mm/分の剥離速度で剥離強度を求めた。ちなみにこの剥離強度が大きい程、フィルム同士がブロッキング強度が悪いことを示す。
【0060】
(実施例1〜13、比較例1〜4)
表1に示す積層フィルムを用いて、ヒートシール性、水蒸気透過量及び耐ブロッキング性を測定した。結果を表1に示した。なお、(A)層には平均粒径0.8μmの珪酸アルミニウム塩を8,000ppmおよび平均粒径2μmのPMMA粒子4,000ppmおよびエルカ酸アミド600ppm配合した。また、(C)層には、平均粒径0.8μmの珪酸アルミニウム塩を6,000ppm配合した。
【0061】
(実施例14)
(A)層に珪酸アルミニウム塩を配合量4,500ppm、PMMA粒子の配合量を3,000ppmおよびエルカ酸アミド配合量を350ppm配合し、(C)層に平均粒径0.8μmの珪酸アルミニウム塩を4,500ppm配合した以外は、以下実施例5と同様に行った。結果を表1に示した。
【0062】
(実施例15)
(A)層に珪酸アルミニウム塩の配合量を10,500ppm、PMMA粒子の配合量を5,500ppm、およびエルカ酸アミド配合量を950ppm(C)層に平均粒径0.8μmの珪酸アルミニウム塩を7,500ppm配合した以外は、以下実施例5と同様に行った。結果を表1に示した。
【0063】
(実施例16〜19、比較例5〜6)
実施例5、比較例2及び比較例4の積層フィルムの総厚みと各層の厚み構成を変更し、積層フィルムの(A)層同士をヒートシールした。以下、実施例5と同様に行った。結果を表2に示した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】
本発明の積層フィルム、シーラントフィルム及び包装体は、シーラントフィルムとして用いた時、従来のものよりも易開封性に優れ、白化性、水蒸気バリヤー性及び低温ヒートシール性に優れ、ヒートシール温度幅が広く食品包装材料及び医療用包装材料として好適なものである。
特に、血糖値測定電極用包装体などのローレットシールを行う包装体のシーラントフィルムとして好適なものである。
Claims (11)
- メタロセン触媒またはシングルサイト系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(a)30〜60質量%、低密度ポリエチレン(b)10〜30質量%ならびにエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体及びポリブテン−1からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂(c)10〜40質量%[但し、(a)+(b)+(c)=100質量%]を含む樹脂組成物層〔(A)層〕と密度0.950〜0.970g/cm3の高密度ポリエチレン(d)を含む高密度ポリエチレン層〔(B)層〕との少なくとも2層からなる積層フィルム。
- 直鎖状低密度ポリエチレン(a)は、密度0.890〜0.935g/cm3でありメルトフローレートが2〜20g/10分であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
- 高密度ポリエチレン(c)は、メルトフローレートが1〜15g/10分であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層フィルム。
- メタロセン触媒またはシングルサイト系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(e)を含む層〔(C)層〕を(B)層の(A)層が有る側とは反対側に有することを特徴とする積層フィルム。
- 押出温度160〜250℃で成膜し、冷却温度40〜80℃で冷却して製造することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の積層フィルムの製造方法。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の積層フィルムの(A)層をシーラント層とすることを特徴とするシーラントフィルム。
- ガスバリヤー層及び/または保護層と、請求項6記載のシーラントフィルムとからなることを特徴とする包装材料。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の積層フィルムの(A)層をシーラント層として用いたことを特徴とする包装体。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の積層フィルムの(A)層同士が融着されていることを特徴とする請求項8に記載の包装体。
- 請求項8または請求項9に記載の包装体により包装されたことを特徴とする医療用用具。
- 血糖値測定電極である請求項10に記載の医療用用具。
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