JP2005318694A - ステータ鉄心の巻線装置、及びステータの製造方法 - Google Patents

ステータ鉄心の巻線装置、及びステータの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005318694A
JP2005318694A JP2004131999A JP2004131999A JP2005318694A JP 2005318694 A JP2005318694 A JP 2005318694A JP 2004131999 A JP2004131999 A JP 2004131999A JP 2004131999 A JP2004131999 A JP 2004131999A JP 2005318694 A JP2005318694 A JP 2005318694A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
slot
discharge device
period
stator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004131999A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Tomita
雅明 富田
Kiyoshi Iga
清 伊賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004131999A priority Critical patent/JP2005318694A/ja
Publication of JP2005318694A publication Critical patent/JP2005318694A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 内歯形状のステータ鉄心に巻線を巻き付けている途中で、第1,第2スロット内に既に配置した巻線(第1,第2スロット挿入部)が、そのスロット内から径方向内側にはみ出してしまう虞を小さくできるステータ鉄心の巻線装置、及びステータの製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の巻線装置1000は、第1期間における第1スロット挿入部61の第1スロット51から径方向内側へのはみ出しの規制と、第2期間における第1スロット挿入部61の第1スロット51から径方向内側へのはみ出しの規制と、第3期間における第2スロット挿入部62の第2スロット52から径方向内側へのはみ出しの規制と、第4期間における第2スロット挿入部62の第2スロット52から径方向内側へのはみ出しの規制と、のうち少なくともいずれかの規制をする規制手段(第1,第2兼用規制部110,120)を有する。
【選択図】 図10

Description

本発明は、内歯形状のステータ鉄心に巻線を巻き付けてコイルを形成するステータ鉄心の巻線装置、及びステータの製造方法に関する。
電動のモータに用いるステータの形式として、内歯形状のステータ鉄心を用意し、内歯にステータ鉄心の径方向内側から巻線を巻き付けてコイルを形成したものがある。しかし、外歯形式のステータ鉄心に巻線を巻くのに比して、この内歯形式のステータ鉄心に巻線を巻くのは困難である。そこで、例えば、特許文献1には、ステータ巻線機が提案されている。即ち、ステータ鉄心を載置した回転台を往復回転させると共に、ニードルアーム(巻線吐出装置)からのマグネットワイヤ(巻線)を、ワイヤ引き出しアームによって外方へ引き出し、一対のフック間に案内することによってスロットを飛び越して巻線を巻回し、スロットに対する分布巻きを達成する装置が示されている。
特開2002−199673号公報
このように、特許文献1のステータ巻線機では、コイルを形成するための装置として、巻線を外方に引き出すワイヤ引き出しアームの他に、別途、引き出した巻線を固定するための一対のフックを有するフック治具を設けていた。さらには、詳細に説明されていないが、このフック治具を往復直動及び回転させるための装置などが設けられており、大型で複雑な巻線装置となっていた。また、この巻線機のワイヤ引き出しアームは、ステータの径方向に往復移動するだけであるため、巻線を多数巻回した場合には、ワイヤ引き出しアームとコイルエンドが干渉してしまう危険性があり、適切にコイルを成形できない虞があった。
これに対し、本発明者は、引き出した巻線を固定するためのフックを用いることなく、第1〜第4アームだけで、巻線を引き出すと共に所定の位置で保持し、コイルを成形することを可能とした巻線装置及びステータの製造方法を提案している(例えば、特願2003−177139参照)。具体的には、ステータ鉄心の表面側に所定の間隙を設けて配置された第1,第4アーム、及びステータ鉄心の裏面側に所定の間隙を設けて配置された第2,第3アームの合計4本のアームを、巻線吐出装置の動きに合わせ、ステータの径方向への往復移動させることによってコイルを成形する。しかも、この第1〜第4アーム(第1〜第4巻線保持部材)は、巻線吐出装置が自身に接近するときは巻線吐出装置と接触しないように退避位置に移動(図26参照)し、巻線吐出装置が通過した後はセット位置に復帰するように構成されている。
しかしながら、例えば、第1アーム501が巻線を保持している所定の位置(第1保持位置ともいう)から離れ、巻線吐出装置1200と接触しないように退避位置に移動したときには、保持していた巻線6(コイルエンド)を離してしまう。このため、スプリングバック作用により、保持していた巻線6にたるみが生じ、第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまう虞があった(図26参照)。さらには、第1スロット51からはみ出した巻線部分が、軸線方向に移動する巻線吐出装置1200とステータ鉄心3の内歯4との間に挟まれて、巻線6の絶縁被膜が傷ついたり、断線する危険性もあった。このようなことは、第1〜第4アーム501〜504のいずれについても、同様に言えることであった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、内歯形状のステータ鉄心に巻線を巻き付けている途中で、第1,第2スロット内に既に配置した巻線が、そのスロット内から径方向内側にはみ出してしまう虞を小さくできるステータ鉄心の巻線装置、及びステータの製造方法を提供することを目的とする。
その解決手段は、表面とこれに平行な裏面とを有する筒状で内歯形状のステータ鉄心について、互いに隣接する上記内歯で構成され、上記ステータ鉄心の内周面に開口するスロットのうち、第1スロット内及び第2スロット内に、1本または複数本の素線からなる巻線を挿入し、上記第1スロットと第2スロットとの間に上記巻線を渡らせてコイルを形成するステータ鉄心の巻線装置であって、上記ステータ鉄心の軸線方向のうち、上記裏面から上記表面に向かう方向を第1軸線方向とし、この逆を第2軸線方向としたとき、上記巻線を吐出する巻線吐出装置であって、上記第1スロットに対向して上記第2軸線方向に移動しつつ上記第1スロット内に上記巻線を挿入するのと、上記第2スロットに対向して上記第1軸線方向に移動しつつ上記第2スロット内に上記巻線を挿入するのとを交互に繰り返す巻線吐出装置と、上記巻線のうち上記第1スロット内に挿入された第1スロット挿入部より上記第1軸線方向に位置する巻線を、第1保持位置で保持する第1巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第1巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第1巻線保持部材と、上記第1スロット挿入部より上記第2軸線方向に位置する巻線を、第2保持位置で保持する第2巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第2巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第2巻線保持部材と、上記巻線のうち上記第2スロット内に挿入された第2スロット挿入部より上記第2軸線方向に位置する巻線を、第3保持位置で保持する第3巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第3巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第3巻線保持部材と、上記第2スロット挿入部より上記第1軸線方向に位置する巻線を、第4保持位置で保持する第4巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第4巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第4巻線保持部材と、を備え、上記第1巻線保持部材が上記第1保持位置から離間している期間を第1期間とし、上記第2巻線保持部材が上記第2保持位置から離間している期間を第2期間とし、上記第3巻線保持部材が上記第3保持位置から離間している期間を第3期間とし、上記第4巻線保持部材が上記第4保持位置から離間している期間を第4期間としたとき、上記第1期間における、上記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、上記第2期間における、上記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、上記第3期間における、上記第2スロット挿入部の上記第2スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、上記第4期間における、上記第2スロット挿入部の上記第2スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、のうち少なくともいずれかの規制をする規制手段と、を有するステータ鉄心の巻線装置である。
前述のように、従来の巻線装置では、第1巻線保持部材が第1保持位置から離間している期間(第1期間)に、スプリングバック作用により巻線にたるみが生じ、第1スロット挿入部(巻線のうち第1スロット内に挿入されている巻線部分)が第1スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞があった。さらに、第2巻線保持部材が第2保持位置から離間している期間(第2期間)にも、同様に、第1スロット挿入部が第1スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞があった。
同様に、従来の巻線装置では、第3巻線保持部材が第3保持位置から離間している期間(第3期間)、及び第4巻線保持部材が第4保持位置から離間している期間(第4期間)にも、スプリングバック作用により巻線にたるみが生じ、第2スロット挿入部(巻線のうち第2スロット内に挿入されている巻線部分)が、第2スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞があった。
これに対し、本発明の巻線装置は、第1期間における第1スロット挿入部の第1スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、第2期間における第1スロット挿入部の第1スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、第3期間における第2スロット挿入部の第2スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、第4期間における第2スロット挿入部の第2スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、のうち少なくともいずれかの規制をする規制手段を有している。このため、第1〜第4期間の少なくともいずれかの期間において、第1スロット挿入部及び第2スロット挿入部の少なくともいずれかについて、第1,第2スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を小さくすることができる。
さらに、上記のステータ鉄心の巻線装置であって、前記規制手段は、少なくとも前記第1期間及び前記第2期間において、前記第1スロット挿入部の前記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制し、少なくとも前記第3期間及び前記第4期間において、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制するように構成されてなるステータ鉄心の巻線装置とすると良い。
本発明の巻線装置における規制手段は、少なくとも第1期間及び第2期間において、第1スロット挿入部の第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。すなわち、第1スロット側の巻線を保持する第1,第2巻線保持部材のいずれか一方が巻線を離している期間は、いずれも、第1スロット挿入部の第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。このため、第1スロット挿入部が第1スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を極めて小さくできる。また、第1,第2期間において巻線にたるみが生じた場合でも、その後、第1,第2巻線保持部材が第1,第2保持位置に復帰して巻線を保持することにより、容易に巻線のたるみを解消することができる。
さらに、少なくとも第3,第4期間において、第2スロット挿入部の第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。すなわち、第2スロット側の巻線を保持する第3,第4巻線保持部材のいずれか一方が巻線を離している期間は、いずれも、第2スロット挿入部の第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。このため、第2スロット挿入部が第2スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を極めて小さくできる。また、第3,第4期間において巻線にたるみが生じた場合でも、その後、第3,第4巻線保持部材が第3,第4保持位置に復帰して巻線を保持することにより、容易に巻線のたるみを解消することができる。
さらに、上記のステータ鉄心の巻線装置であって、前記規制手段は、前記第1期間の開始時から前記第2期間の終了時までの間、継続して、前記第1スロット挿入部の前記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制し、前記第3期間の開始時から前記第4期間の終了時までの間、継続して、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制するステータ鉄心の巻線装置とすると良い。
本発明の巻線装置における規制手段は、第1期間の開始時から第2期間の終了時までの間、継続して、第1スロット挿入部の第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。すなわち、第1,第2期間のみならず、巻線吐出装置によって第1スロット内に巻線を挿入している期間にわたり、継続して、第1スロット挿入部の第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。このため、第1スロット挿入部が第1スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を、極めて小さくすることができる。
さらに、本発明の巻線装置における規制手段は、第3期間の開始時から第4期間の終了時までの間、継続して、第2スロット挿入部の第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。すなわち、第3,第4期間のみならず、巻線吐出装置によって第2スロット内に巻線を挿入している期間にわたり、継続して、第2スロット挿入部の第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。このため、第2スロット挿入部が第2スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を、極めて小さくすることができる。
さらに、上記いずれかのステータ鉄心の巻線装置であって、前記規制手段は、少なくとも前記第1期間において、前記巻線吐出装置より前記第2軸線方向の位置で、上記巻線吐出装置と同期して前記第2軸線方向に移動しつつ、前記第1スロット挿入部の前記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第1規制部と、少なくとも前記第2期間において、上記巻線吐出装置より前記第1軸線方向の位置で、上記巻線吐出装置と同期して上記第2軸線方向に移動しつつ、上記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第2規制部と、少なくとも前記第3期間において、上記巻線吐出装置より上記第1軸線方向の位置で、上記巻線吐出装置と同期して上記第1軸線方向に移動しつつ、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第3規制部と、少なくとも前記第4期間において、上記巻線吐出装置より上記第2軸線方向の位置で、上記巻線吐出装置と同期して上記第1軸線方向に移動しつつ、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第4規制部と、のうち少なくともいずれかを有してなるステータ鉄心の巻線装置とすると良い。
本発明の巻線装置における規制手段は、第1規制部、第2規制部、第3規制部、第4規制部のうち少なくともいずれかの規制部を有している。この第1〜第4規制部は、いずれも、巻線吐出装置と同期して、巻線吐出装置と同一の方向(第1軸線方向または第2軸線方向)に移動する。このため、第1〜第4規制部が巻線吐出装置と干渉(接触)してしまう虞がなく、第1〜第4規制部によって、適切に、第1,第2スロット挿入部について、第1,第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制することができる。また、巻線吐出装置も、第1〜第4規制部に妨げられることなく、適切に、第1,第2スロット内に巻線を挿入することができる。
さらに、上記のステータ鉄心の巻線装置であって、前記第1規制部は、前記第1スロット内に自身の少なくとも一部が挿入されて、前記第1スロット挿入部を前記ステータ鉄心の径外方向に押圧可能とされてなり、前記第2規制部は、前記第1スロット内に自身の少なくとも一部が挿入されて、前記第1スロット挿入部を前記ステータ鉄心の径外方向に押圧可能とされてなり、前記第3規制部は、前記第2スロット内に自身の少なくとも一部が挿入されて、前記第2スロット挿入部を前記ステータ鉄心の径外方向に押圧可能とされてなり、前記第4規制部は、前記第2スロット内に自身の少なくとも一部が挿入されて、前記第2スロット挿入部を前記ステータ鉄心の径外方向に押圧可能とされてなるステータ鉄心の巻線装置とすると良い。
本発明の巻線装置における第1規制部及び第2規制部は、第1スロット内に自身の少なくとも一部が挿入されて、第1スロット挿入部をステータ鉄心の径外方向に押圧可能とされている。このため、第1規制部及び第2規制部の少なくともいずれかを用いることにより、第1スロット挿入部を第1スロットの径方向外側(奥側)に押し込むことができ、より一層、第1スロット挿入部が第1スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を小さくすることができる。
また、本発明の巻線装置における第3規制部及び第4規制部は、第2スロット内に自身の少なくとも一部が挿入されて、第2スロット挿入部をステータ鉄心の径外方向に押圧可能とされている。このため、第3規制部及び第4規制部の少なくともいずれかを用いることにより、第2スロット挿入部を第2スロットの径方向外側(奥側)に押し込むことができ、より一層、第2スロット挿入部が第2スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を小さくすることができる。
さらに、上記いずれかのステータ鉄心の巻線装置であって、前記第1規制部は、前記ステータ鉄心の軸線方向及び径方向に直交する第1回転軸部材と、この第1回転軸部材の周りに回転自在に保持された円板状の第1ローラであって、前記第1スロット挿入部の前記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第1ローラと、を有し、前記第2規制部は、上記ステータ鉄心の軸線方向及び径方向に直交する第2回転軸部材と、この第2回転軸部材の周りに回転自在に保持された円板状の第2ローラであって、上記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第2ローラと、を有し、前記第3規制部は、上記ステータ鉄心の軸線方向及び径方向に直交する第3回転軸部材と、この第3回転軸部材の周りに回転自在に保持された円板状の第3ローラであって、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第3ローラと、を有し、前記第4規制部は、上記ステータ鉄心の軸線方向及び径方向に直交する第4回転軸部材と、この第4回転軸部材の周りに回転自在に保持された円板状の第4ローラであって、上記第2スロット挿入部の上記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第4ローラと、を有してなるステータの製造装置とすると良い。
本発明の巻線装置における第1規制部は、ステータ鉄心の軸線方向及び径方向に直交する第1回転軸部材と、第1回転軸部材の周りに回転自在に保持された円板状の第1ローラであって、第1スロット挿入部の第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第1ローラとを有している。このため、本発明の第1規制部では、第1ローラが回転しながら第1スロット挿入部と接触して、第1スロット挿入部のはみ出しを規制することができる。従って、第1規制部(第1ローラ)が第1スロット挿入部と接触した場合に生じる摩擦を抑制することができ、巻線の絶縁被覆を傷付けてしまう虞を小さくできる。
さらに、第2〜第4規制部についても、上記の第1規制部と同様の構成であるため、第2〜第4規制部(第2〜第4ローラ)が第1,第2スロット挿入部と接触した場合に生じる摩擦を抑制することができ、巻線の絶縁被覆を傷付けてしまう虞を小さくできる。
なお、第1〜第4規制部が、第1,第2スロット内に自身の少なくとも一部が挿入されて、第1,第2スロット挿入部をステータ鉄心の径外方向に押圧可能とされている場合には、第1〜第4ローラが回転しながら第1,第2スロット挿入部と当接して、第1,第2スロット挿入部を第1,第2スロット内の径方向外側(奥側)に押し込むことができる。従って、巻線(第1,第2スロット挿入部)が第1〜第4規制部(第1〜第4ローラ)によって擦れにくくなり、巻線の絶縁被覆を傷付けにくくなる。
さらに、上記いずれかのステータ鉄心の巻線装置であって、前記規制手段は、前記巻線吐出装置より前記第2軸線方向に位置し、上記巻線吐出装置との間に軸線方向にわたる間隙を空けて上記巻線吐出装置に連結された、前記第1規制部及び前記第4規制部を兼ねる第1兼用規制部と、上記巻線吐出装置より前記第1軸線方向に位置し、上記巻線吐出装置との間に軸線方向にわたる間隙を空けて上記巻線吐出装置に連結された、前記第2規制部及び前記第3規制部を兼ねる第2兼用規制部と、のうち少なくともいずれかを有してなるステータ鉄心の巻線装置とすると良い。
前述のように、本発明の巻線装置では、巻線吐出装置が、第1スロットに対向して第2軸線方向に移動しつつ第1スロット内に巻線を挿入する動作と、第2スロットに対向して第1軸線方向に移動しつつ第2スロット内に巻線を挿入する動作とを交互に繰り返す。このため、巻線吐出装置に規制部を連結すれば、適切に、規制部を巻線吐出装置に同期させて移動させることができる。しかも、第1スロット挿入部を規制する規制部と第2スロット挿入部を規制する規制部とを兼用することができ、部品点数を削減することもできる。
そこで、本発明では、第1規制部及び第4規制部を兼ねる第1兼用規制部と、第2規制部及び第3規制部を兼ねる第2兼用規制部とのうち少なくともいずれかを、巻線吐出装置に連結するようにした。
第1兼用規制部を巻線吐出装置に連結した場合には、第1兼用規制部を巻線吐出装置と共に移動させることができる。このため、第1兼用規制部のみによって、少なくとも第1期間及び第4期間において、第1スロット挿入部及び第2スロット挿入部のいずれについても、はみ出しを規制することができる。あるいは、第2兼用規制部を巻線吐出装置に連結した場合には、第2兼用規制部を巻線吐出装置と共に移動させることができる。このため、第2兼用規制部のみによって、少なくとも第2期間及び第3期間において、第1スロット挿入部及び第2スロット挿入部のいずれについても、はみ出しを規制することができる。また、規制部の部品点数を半分に削減できるので、低コストで製造することができる。
また、第1兼用規制部及び第2兼用規制部は、巻線吐出装置との間に軸線方向にわたる間隙を空けて設けられている。この間隙を利用して、第1〜第4巻線保持部材を移動(第1〜第4保持位置からの離間及び第1〜第4保持位置への復帰)させることにより、第1〜第4巻線保持部材が、第1,第2兼用規制部及び巻線吐出装置と接触してしまう虞がない。
さらに、上記のステータ鉄心の巻線装置であって、前記規制手段は、前記第1兼用規制部及び前記第2兼用規制部を有してなるステータ鉄心の巻線装置とすると良い。
本発明の巻線装置における規制手段は、第1兼用規制部及び第2兼用規制部を有している。このため、少なくとも第1,第2期間において、第1スロット挿入部のはみ出しを規制することができるので、第1スロット挿入部が第1スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を極めて小さくすることができる。さらに、第3,第4期間において、第2スロット挿入部のはみ出しを規制することができるので、第2スロット挿入部が第2スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を極めて小さくすることができる。
ところで、図26に示す従来の巻線装置では、巻線吐出装置1200が、巻線6を吐出しつつ第1軸線方向に移動(上昇)し、ステータ鉄心3の表面から第1軸線方向(上方)に最も離れた上死点に達したときには、後に表面側のコイルエンド部をなす巻線部分及び第1スロット内に挿入される巻線部分(第1既吐出未巻回部6b)が、巻線吐出装置1200から既に吐出されている。従って、その後、巻線吐出装置1200が上死点から第2軸線方向に反転移動(下降)して、第1既吐出未巻回部6bがコイルエンド部や第1スロット51内の所定の位置に配置されるまでの間、第1既吐出未巻回部6bに張力が掛からない。
このため、第1スロット51内に挿入した巻線6にたるみが生じ、第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまう虞があった(図27参照)。さらには、第1スロット51からはみ出した巻線部分が、軸線方向に移動する巻線吐出装置1200とステータ鉄心3の内歯4との間に挟まれて、巻線6の絶縁被膜を傷つけたり、断線させてしまう危険性もあった。このようなことは、巻線吐出部が下死点から第1軸線方向に移動する第2スロット側でも、同様に言えることであった。
これに対し、本発明の巻線装置における規制手段は、第1兼用規制部及び第2兼用規制部を有している。このため、例えば、巻線吐出装置が第1スロット内に巻線を挿入しつつ第2軸線方向に移動するときは、巻線吐出装置に遅れて、第2兼用規制部が第2軸線方向に移動することとなる。従って、第2兼用規制部が、先行する巻線吐出装置から吐出されて第1スロット内に挿入された巻線について、第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制しつつ、第2軸線方向に移動する。このため、第1スロット内に挿入した巻線が、第1スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を小さくできる。
また、巻線吐出装置が第2スロット内に巻線を挿入しつつ第1軸線方向に移動するときは、巻線吐出装置に遅れて、第1兼用規制部が第1軸線方向に移動することとなる。従って、第1兼用規制部が、先行する巻線吐出装置から吐出されて第2スロット内に挿入された巻線について、第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制しつつ、第1軸線方向に移動する。このため、第2スロット内に挿入した巻線が、第2スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を小さくできる。
さらに、上記のステータ鉄心の巻線装置であって、前記第1巻線保持部材は、前記第1兼用規制部が前記ステータ鉄心の前記表面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、前記第1スロット挿入部のはみ出しを規制した後、前記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第1保持位置から移動して、当該第1巻線保持部材に接近する上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避し、上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の上記表面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入した後、上記第1兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から前記裏面側に抜け出る前に、前記第2兼用規制部と接触しないタイミングで、上記第1保持位置に復帰して前記巻線を保持し、前記第2巻線保持部材は、上記第2兼用規制部が上記ステータ鉄心の上記表面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、上記第1スロット挿入部のはみ出しを規制した後、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第2保持位置から移動して、当該第2巻線保持部材に接近する上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避し、上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の筒内から上記裏面側に抜け出た後、上記第2兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から上記裏面側に抜け出る前に、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで、上記第2保持位置に復帰して上記巻線を保持し、前記第3巻線保持部材は、上記第2兼用規制部が上記ステータ鉄心の上記裏面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、前記第2スロット挿入部のはみ出しを規制した後、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第3保持位置から移動して、当該第3巻線保持部材に接近する上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避し、上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の上記裏面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入した後、上記第2兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から上記表面側に抜け出る前に、上記第1兼用規制部と接触しないタイミングで、上記第3保持位置に復帰して前記巻線を保持し、前記第4巻線保持部材は、前記第1兼用規制部が上記ステータ鉄心の上記裏面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、上記第1スロット挿入部のはみ出しを規制した後、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第4保持位置から移動して、当該第4巻線保持部材に接近する上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避し、上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の筒内から上記表面側に抜け出た後、上記第1兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から上記表面側に抜け出る前に、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで、上記第4保持位置に復帰して上記巻線を保持するように構成されてなるステータ鉄心の巻線装置とすると良い。
本発明の巻線装置では、第1〜第4巻線保持部材が、上記のようなタイミングで移動することにより、巻線吐出装置の進路を妨げる虞がないので、適切に、巻線を巻回することができる。さらに、第1巻線保持部材が第1保持位置から離間している期間(第1期間)及び第2巻線保持部材が第2保持位置から離間している期間(第2期間)のいずれの期間においても、第1兼用規制部及び第2兼用規制部の少なくともいずれかはステータ鉄心の筒内に位置し、第1スロット挿入部のはみ出しを規制する。このため、第1スロット挿入部のはみ出しを適切に規制することができる。
また、第3巻線保持部材が第3保持位置から離間している期間(第3期間)及び第4巻線保持部材が第4保持位置から離間している期間(第4期間)のいずれの期間においても、第1兼用規制部及び第2兼用規制部の少なくともいずれかはステータ鉄心の筒内に位置し、第2スロット挿入部のはみ出しを規制する。このため、第2スロット挿入部のはみ出しを適切に規制することができる。
ここで、第1,第2兼用規制部が連結された巻線吐出装置が、第1軸線方向に移動して、ステータ鉄心の表面側からステータ鉄心の筒内に進入するときの様子を代表例として、具体的に説明する。
第1,第2兼用規制部が連結された巻線吐出装置が第2軸線方向に移動すると、まず、第1兼用規制部がステータ鉄心の筒内に進入して、第1スロット挿入部のはみ出しを規制する。この間、第1巻線保持部材は、第1保持位置で、継続して巻線を保持している。また、このとき、巻線吐出装置は、第1巻線保持部材より第1軸線方向の位置に位置している。次いで、巻線吐出装置が第1巻線保持部材に接近してくると、第1巻線保持部材は、巻線吐出装置と接触しないタイミングで第1保持位置から移動して、巻線吐出装置と接触しない位置に退避する。このとき、第1巻線保持部材に保持されていた巻線が解放されてしまうが、既に、第1兼用規制部によって第1スロット挿入部のはみ出しを規制しているため、第1スロット挿入部が第1スロットからはみ出してしまう虞がない。
そして、巻線吐出装置がステータ鉄心の筒内に進入した後、第1巻線保持部材は、第2兼用規制部と接触しないタイミングで、退避位置から移動して、巻線吐出装置から吐出された巻線をたぐりつつ、第1保持位置に復帰して巻線を保持する。
なお、第1巻線保持部材は、第2兼用規制部が通過(ステータ鉄心の筒内に進入)した後に、第1保持位置に復帰させるようにしても良い。しかし、巻線吐出装置と第2兼用規制部との間隙を利用して、巻線吐出装置がステータ鉄心の筒内に進入した後、直ちに、(このとき、第2兼用規制部は、第1巻線保持部材より第1軸線方向の位置に位置している)第1保持位置に復帰して巻線を保持するように移動させたほうが好ましい。第1巻線保持部材が巻線を離している期間をできる限り短くすることにより、第1スロット挿入部がはみ出してしまう虞を小さくできるからである。
また、第2〜第4巻線保持部材についても、同様に、巻線吐出装置と第1兼用規制部との間隙を利用して、または巻線吐出装置と第2兼用規制部との間隙を利用して、巻線吐出装置がステータ鉄心の筒内に進入した後、または巻線吐出装置がステータ鉄心の筒内から抜け出た後、直ちに、第2〜第4保持位置に復帰して巻線を保持するように移動させると良い。第2〜第4巻線保持部材が巻線を離している期間をできる限り短くすることにより、第1スロット挿入部及び第2スロット挿入部がはみ出してしまう虞を小さくできる。
他の解決手段は、表面とこれに平行な裏面とを有する筒状で内歯形状のステータ鉄心について、互いに隣接する上記内歯で構成され、上記ステータ鉄心の内周面に開口するスロットのうち、第1スロット内及び第2スロット内に、1本または複数本の素線からなる巻線を挿入し、上記第1スロットと第2スロットとの間に上記巻線を渡らせてコイルを形成するステータの製造方法であって、上記ステータ鉄心の軸線方向のうち、上記裏面から上記表面に向かう方向を第1軸線方向とし、この逆を第2軸線方向としたとき、上記巻線を吐出する巻線吐出装置であって、上記第1スロットに対向して上記第2軸線方向に移動しつつ上記第1スロット内に上記巻線を挿入するのと、上記第2スロットに対向して上記第1軸線方向に移動しつつ上記第2スロット内に上記巻線を挿入するのとを交互に繰り返す巻線吐出装置と、上記巻線のうち上記第1スロット内に挿入された第1スロット挿入部より上記第1軸線方向に位置する巻線をたぐり、これを第1保持位置で保持する第1巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第1巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第1巻線保持部材と、上記第1スロット挿入部より上記第2軸線方向に位置する巻線をたぐり、これを第2保持位置で保持する第2巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第2巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第2巻線保持部材と、上記巻線のうち上記第2スロット内に挿入された第2スロット挿入部より上記第2軸線方向に位置する巻線をたぐり、これを第3保持位置で保持する第3巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第3巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第3巻線保持部材と、上記第2スロット挿入部より上記第1軸線方向に位置する巻線をたぐり、これを第4保持位置で保持する第4巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第4巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第4巻線保持部材と、を用いて上記コイルを形成するコイル形成工程を備え、上記第1巻線保持部材が上記第1保持位置から離間している期間を第1期間とし、上記第2巻線保持部材が上記第2保持位置から離間している期間を第2期間とし、上記第3巻線保持部材が上記第3保持位置から離間している期間を第3期間とし、上記第4巻線保持部材が上記第4保持位置から離間している期間を第4期間としたとき、上記コイル形成工程では、上記第1期間における、上記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、上記第2期間における、上記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、上記第3期間における、上記第2スロット挿入部の上記第2スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、上記第4期間における、上記第2スロット挿入部の上記第2スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、のうち少なくともいずれかの規制をするステータの製造方法である。
従来の製造方法では、コイル形成工程において、第1巻線保持部材が第1保持位置から離間している期間(第1期間)に、スプリングバック作用により巻線にたるみが生じ、第1スロット挿入部(巻線のうち第1スロット内に挿入されている巻線部分)が第1スロットからはみ出してしまう虞があった。また、第2巻線保持部材が第2保持位置から離間している期間(第2期間)にも、同様に、第1スロット挿入部が第1スロットからはみ出してしまう虞があった。
さらに、第3巻線保持部材が第3保持位置から離間している期間(第3期間)、及び第4巻線保持部材が第4保持位置から離間している期間(第4期間)にも、スプリングバック作用により巻線にたるみが生じ、第2スロット挿入部(巻線のうち第2スロット内に挿入されている巻線部分)が第2スロットからはみ出してしまう虞があった。
これに対し、本発明の製造方法では、コイル形成工程において、第1期間における第1スロット挿入部の第1スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、第2期間における第1スロット挿入部の第1スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、第3期間における第2スロット挿入部の第2スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、第4期間における第2スロット挿入部の第2スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、のうち少なくともいずれかの規制をする。このため、第1〜第4期間の少なくともいずれかの期間において、第1スロット挿入部及び第2スロット挿入部の少なくともいずれかについて、第1,第2スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を小さくすることができる。
さらに、上記のステータの製造方法であって、前記コイル形成工程では、少なくとも前記第1期間及び前記第2期間において、前記第1スロット挿入部の前記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制し、少なくとも前記第3期間及び前記第4期間において、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制するステータの製造方法とすると良い。
本発明の製造方法では、コイル形成工程において、少なくとも第1期間及び第2期間において、第1スロット挿入部の第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。すなわち、第1スロット側の巻線を保持する第1,第2巻線保持部材のいずれか一方が巻線を離している期間は、いずれも、第1スロット挿入部の第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。このため、第1スロット挿入部が第1スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を極めて小さくできる。また、第1,第2期間において巻線にたるみが生じた場合でも、その後、第1,第2巻線保持部材が第1,第2保持位置に復帰して巻線を保持することにより、容易に巻線のたるみを解消することができる。
さらに、少なくとも第3,第4期間において、第2スロット挿入部の第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。すなわち、第2スロット側の巻線を保持する第3,第4巻線保持部材のいずれか一方が巻線を離している期間は、いずれも、第2スロット挿入部の第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。このため、第2スロット挿入部が第2スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を極めて小さくできる。また、第3,第4期間において巻線にたるみが生じた場合でも、その後、第3,第4巻線保持部材が第3,第4保持位置に復帰して巻線を保持することにより、容易に巻線のたるみを解消することができる。
さらに、上記のステータの製造方法であって、前記コイル形成工程では、前記第1期間の開始時から前記第2期間の終了時までの間、継続して、前記第1スロット挿入部の前記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制し、前記第3期間の開始時から前記第4期間の終了時までの間、継続して、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制するステータの製造方法とすると良い。
本発明の製造方法では、コイル形成工程において、第1期間の開始時から第2期間の終了時までの間、継続して、第1スロット挿入部の第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。すなわち、第1,第2期間のみならず、巻線吐出装置によって第1スロット内に巻線を挿入している期間にわたり、継続して、第1スロット挿入部の第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。このため、第1スロット挿入部が第1スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を、極めて小さくすることができる。
また、第3期間の開始時から第4期間の終了時までの間、継続して、第2スロット挿入部の第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。すなわち、第3,第4期間のみならず、巻線吐出装置によって第2スロット内に巻線を挿入している期間にわたり、継続して、第2スロット挿入部の第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。このため、第2スロット挿入部が第2スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を、極めて小さくすることができる。
さらに、上記いずれかのステータの製造方法であって、前記コイル形成工程では、第1規制部を用い、これを少なくとも前記第1期間において、前記巻線吐出装置より前記第2軸線方向の位置で上記巻線吐出装置と同期させて前記第2軸線方向に移動させて、前記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制するのと、第2規制部を用い、これを少なくとも前記第2期間において、前記巻線吐出装置より前記第1軸線方向の位置で上記巻線吐出装置と同期させて前記第2軸線方向に移動させて、前記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制するのと、第3規制部を用い、これを少なくとも前記第3期間において、前記巻線吐出装置より前記第1軸線方向の位置で上記巻線吐出装置と同期させて上記第1軸線方向に移動させて、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制するのと、第4規制部を用い、これを少なくとも前記第4期間において、前記巻線吐出装置より上記第2軸線方向の位置で上記巻線吐出装置と同期させて上記第1軸線方向に移動させて、上記第2スロット挿入部の上記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制するのと、のうち少なくともいずれかの規制をするステータの製造方法とすると良い。
本発明の製造方法では、コイル形成工程において、第1規制部、第2規制部、第3規制部、第4規制部のうち少なくともいずれかの規制部を用い、これを巻線吐出装置と同期させて、巻線吐出装置と同一の方向(第1軸線方向または第2軸線方向)に移動させる。このため、第1〜第4規制部が巻線吐出装置と干渉(接触)してしまう虞がなく、第1〜第4規制部によって、適切に、第1,第2スロット挿入部について、第1,第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制することができる。また、巻線吐出装置も、第1〜第4規制部に妨げられることなく、適切に、第1,第2スロット内に巻線を挿入することができる。
さらに、上記のステータの製造方法であって、前記第1規制部を用いた規制は、上記第1規制部の少なくとも一部を前記第1スロット内に挿入させて、前記第1スロット挿入部を前記ステータ鉄心の径外方向に押圧する押圧規制であり、前記第2規制部を用いた規制は、上記第2規制部の少なくとも一部を上記第1スロット内に挿入させて、上記第1スロット挿入部を上記ステータ鉄心の径外方向に押圧する押圧規制であり、前記第3規制部を用いた規制は、上記第3規制部の少なくとも一部を前記第2スロット内に挿入させて、前記第2スロット挿入部を上記ステータ鉄心の径外方向に押圧する押圧規制であり、前記第4規制部を用いた規制は、上記第4規制部の少なくとも一部を上記第2スロット内に挿入させて、上記第2スロット挿入部を上記ステータ鉄心の径外方向に押圧する押圧規制であるステータの製造方法とすると良い。
本発明の製造方法では、コイル形成工程において、第1規制部によって第1スロット挿入部を径外方向へ押圧する押圧規制と、第2規制部によって第1スロット挿入部を径外方向への押圧する押圧規制と、第3規制部によって第2スロット挿入部を径外方向へ押圧する押圧規制と、第4規制部によって第2スロット挿入部を径外方向へ押圧する押圧規制と、のうち少なくともいずれかの押圧規制をする。
このため、第1規制部及び第2規制部の少なくともいずれかを用いることにより、第1スロット挿入部を第1スロットの径方向外側(奥側)に押し込むことができ、より一層、第1スロット挿入部が第1スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を小さくすることができる。あるいは、第3規制部及び第4規制部の少なくともいずれかを用いることにより、第2スロット挿入部を第2スロットの径方向外側(奥側)に押し込むことができ、より一層、第2スロット挿入部が第2スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を小さくすることができる。
さらに、上記いずれかのステータの製造方法であって、前記コイル形成工程では、前記巻線吐出装置より前記第2軸線方向に位置し、上記巻線吐出装置との間に軸線方向にわたる間隙を空けて上記巻線吐出装置に連結された、前記第1規制部及び前記第4規制部を兼ねる第1兼用規制部を用いての、前記第1規制部を用いた規制及び前記第4規制部を用いた規制と、上記巻線吐出装置より前記第1軸線方向に位置し、上記巻線吐出装置との間に軸線方向にわたる間隙を空けて上記巻線吐出装置に連結された、前記第2規制部及び前記第3規制部を兼ねる第2兼用規制部を用いての、前記第2規制部を用いた規制及び前記第3規制部を用いた規制と、のうち少なくともいずれかの規制を行うステータの製造方法とすると良い。
前述のように、本発明では、コイル形成工程において、巻線吐出装置が、第1スロットに対向して第2軸線方向に移動しつつ第1スロット内に巻線を挿入する動作と、第2スロットに対向して第1軸線方向に移動しつつ第2スロット内に巻線を挿入する動作とを交互に繰り返す。このため、巻線吐出装置に規制部を連結すれば、適切に、規制部を巻線吐出装置に同期させて移動させることができる。しかも、第1スロット挿入部を規制する規制部と第2スロット挿入部を規制する規制部とを兼用することができ、部品点数を削減することもできる。
そこで、本発明の製造方法では、第1規制部及び第4規制部を兼ねる第1兼用規制部と、第2規制部及び第3規制部を兼ねる第2兼用規制部とのうち少なくともいずれかを、巻線吐出装置に連結するようにした。第1兼用規制部を巻線吐出装置に連結した場合には、第1兼用規制部を巻線吐出装置と共に移動させることができる。従って、第1兼用規制部により、第1規制部を用いた規制及び第4規制部を用いた規制をすることができる。すなわち、第1兼用規制部のみによって、少なくとも第1期間及び第4期間において、第1スロット挿入部及び第2スロット挿入部のいずれについても、はみ出しを規制することができる。
あるいは、第2兼用規制部を巻線吐出装置に連結した場合には、第2兼用規制部を巻線吐出装置と共に移動させることができる。従って、第2兼用規制部により、第2規制部を用いた規制及び第3規制部を用いた規制をすることができる。すなわち、第2兼用規制部のみによって、少なくとも第2期間及び第3期間において、第1スロット挿入部及び第2スロット挿入部のいずれについても、はみ出しを規制することができる。 また、規制部の部品点数を半分に削減できるので、低コストで製造することができる。
また、第1兼用規制部及び第2兼用規制部は、巻線吐出装置との間に軸線方向にわたる間隙を空けて設けられている。このため、この間隙を利用して、第1〜第4巻線保持部材を移動(第1〜第4保持位置からの離間及び第1〜第4保持位置への復帰)させることにより、第1〜第4巻線保持部材が、第1,第2兼用規制部及び巻線吐出装置と接触してしまう虞がない。
さらに、上記のステータの製造方法であって、前記コイル形成工程では、前記第1兼用規制部を用いて、前記第1規制部を用いた規制及び前記第4規制部を用いた規制を行い、前記第2兼用規制部を用いて、前記第2規制部を用いた規制及び前記第3規制部を用いた規制を行うステータの製造方法とすると良い。
本発明の製造方法では、コイル形成工程において、第1兼用規制部により、第1規制部を用いた規制及び第4規制部を用いた規制をする。すなわち、第1兼用規制部によって、少なくとも第1期間及び第4期間において、第1スロット挿入部及び第2スロット挿入部のいずれについても、はみ出しを規制する。さらに、第2兼用規制部により、第2規制部を用いた規制及び第3規制部を用いた規制をする。すなわち、第2兼用規制部によって、少なくとも第2期間及び第3期間において、第1スロット挿入部及び第2スロット挿入部のいずれについても、はみ出しを規制する。このように、少なくとも第1期間及び第2期間において第1スロット挿入部のはみ出しを規制し、少なくとも第3期間及び第4期間において第2スロット挿入部のはみ出しを規制するので、第1,第2スロット挿入部が、第1,第2スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を極めて小さくすることができる。
ところで、図27に示したように、従来のコイル形成工程では、第1スロット51内に挿入した巻線6にたるみが生じ、第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまう虞があった。さらには、第1スロット51からはみ出した巻線部分がステータ鉄心3の内歯4の角部で擦れ、巻線6の絶縁被膜を傷つけてしまう虞もあった。このようなことは、第2スロット側でも、同様に言えることであった。
これに対し、本発明の製造方法では、コイル形成工程において、第1兼用規制部及び第2兼用規制部を用いて、第1スロット挿入部の第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する。
このため、例えば、巻線吐出装置が第1スロット内に巻線を挿入しつつ第2軸線方向に移動するときは、巻線吐出装置に遅れて、第2兼用規制部が第2軸線方向に移動することとなる。従って、第2兼用規制部が、先行する巻線吐出装置から吐出されて第1スロット内に挿入された巻線について、第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制しつつ、第2軸線方向に移動する。このため、第1スロット内に挿入した巻線が、第1スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を小さくできる。
また、巻線吐出装置が第2スロット内に巻線を挿入しつつ第1軸線方向に移動するときは、巻線吐出装置に遅れて、第1兼用規制部が第1軸線方向に移動することとなる。従って、第1兼用規制部が、先行する巻線吐出装置から吐出されて第2スロット内に挿入された巻線について、第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制しつつ、第1軸線方向に移動する。このため、第2スロット内に挿入した巻線が、第2スロットから径方向内側にはみ出してしまう虞を小さくできる。
さらに、上記のステータの製造方法であって、前記コイル形成工程では、前記第1兼用規制部が前記ステータ鉄心の前記表面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、前記第1スロット挿入部のはみ出しを規制した後、前記第1巻線保持部材を、前記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第1保持位置から移動させて、当該第1巻線保持部材に接近する前記巻線吐出装置と接触しない位置に退避させ、上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の上記表面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入した後、上記第1兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から前記裏面側に抜け出る前に、上記第1巻線保持部材を、前記第2兼用規制部と接触しないタイミングで、上記第1保持位置に復帰させて前記巻線を保持させ、上記第2兼用規制部が前記ステータ鉄心の上記表面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、前記第1スロット挿入部のはみ出しを規制した後、前記第2巻線保持部材を、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第2保持位置から移動させて、当該第2巻線保持部材に接近する上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避させ、上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の筒内から上記裏面側に抜け出た後、上記第2兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から上記裏面側に抜け出る前に、上記第2巻線保持部材を、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで、上記第2保持位置に復帰させて上記巻線を保持させ、上記第2兼用規制部が上記ステータ鉄心の上記裏面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、前記第2スロット挿入部のはみ出しを規制した後、前記第3巻線保持部材を、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第3保持位置から移動させて、当該第3巻線保持部材に接近する上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避させ、上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の上記裏面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入した後、上記第2兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から上記表面側に抜け出る前に、上記第3巻線保持部材を、上記第1兼用規制部と接触しないタイミングで、上記第3保持位置に復帰させて上記巻線を保持させ、上記第1兼用規制部が上記ステータ鉄心の上記裏面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、上記第2スロット挿入部のはみ出しを規制した後、前記第4巻線保持部材を、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第4保持位置から移動させて、当該第4巻線保持部材に接近する上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避させ、上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の筒内から上記表面側に抜け出た後、上記第1兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から上記表面側に抜け出る前に、上記第4巻線保持部材を、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで、上記第4保持位置に復帰させて上記巻線を保持させるステータの製造方法とすると良い。
本発明の製造方法では、コイル形成工程において、第1〜第4巻線保持部材を、上記のようなタイミングで移動させることにより、巻線吐出装置の進路を妨げる虞がないので、適切に、巻線を巻回することができる。さらに、第1巻線保持部材が第1保持位置から離間している期間(第1期間)及び第2巻線保持部材が第2保持位置から離間している期間(第2期間)のいずれの期間においても、第1兼用規制部及び第2兼用規制部の少なくともいずれかを、ステータ鉄心の筒内に位置させることができる。このため、第1スロット挿入部のはみ出しを適切に規制することができる。
また、第3巻線保持部材が第3保持位置から離間している期間(第3期間)及び第4巻線保持部材が第4保持位置から離間している期間(第4期間)のいずれの期間においても、第1兼用規制部及び第2兼用規制部の少なくともいずれかを、ステータ鉄心の筒内に位置させることができる。このため、第2スロット挿入部のはみ出しを適切に規制することができる。
なお、第1〜第4巻線保持部材は、第1兼用規制部または第2兼用規制部が通過(ステータ鉄心の筒内に進入または筒内から脱出)した後に、第1〜第4保持位置に復帰させるようにしても良い。しかし、巻線吐出装置と第1兼用規制部との間隙を利用して、または巻線吐出装置と第2兼用規制部との間隙を利用して、巻線吐出装置がステータ鉄心の筒内に進入した後、または巻線吐出装置がステータ鉄心の筒内から抜け出た後、直ちに、第1〜第4保持位置に復帰して巻線を保持するように移動させると良い。第1〜第4巻線保持部材が巻線を離している期間をできる限り短くすることにより、第1スロット挿入部及び第2スロット挿入部がはみ出してしまう虞を小さくできるからである。
次に、本発明の実施例について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施例にかかるステータ2を備えたモータ1について、図1を参照して説明する。このモータ1は、ロータ9とステータ2とからなる三相モータである。このうち、ロータ9は、回転軸91を中心とする円筒形のロータ本体92と、永久磁石93とからなる8極の永久磁石ロータである。永久磁石93は、ロータ本体92に、平面視花びらのように、外周面近傍に沿ってジグザグに配置固着されてなる。一方、ステータ2はこのロータ9を包囲するように配置されている。
図2及び図3に示すこのステータ2は、3相8極の分布巻きステータである。このステータ2は、図4に示すように、平面視リング状で、48ヶのティース(内歯)4、及び隣り合うティース4で構成される48ヶのスロット5を有するステータ鉄心3を備える。
また、それぞれ8ヶのU相コイル7u,V相コイル7v,W相コイル7wを備える。これらのコイルは、U相,V相,W相の各相毎に、16本の素線(ペア素線)6Pを1組とした巻線6を用い、U相巻線6u,V相巻線6v,W相巻線6wを所定のスロット5(U相,V相,W相スロット5u,5v,5w)に挿入し、各ティース4に分布巻きによって巻き付けて形成してなる。
具体的には、図2及び図5〜図7に示すように、U相コイル7uは、スロット5のうちU相スロット5uに挿入されて、その間のティース4に巻回される。同様に、V相コイル7vは、V相スロット5vに挿入されてその間のティース4に、W相コイル7wは、W相スロット5wに挿入されてその間のティース4にそれぞれ巻回される。従って、U相,V相,W相スロット5u,5v,5wは、2つのU相スロット5u、2つのV相スロット5v、及び2つのW相スロット5wが、この順にステータ2(ステータ鉄心3)の周方向(図2において時計回り)に繰り返し並ぶように配置される。
なお、図1及び図2では、U相コイル7u,V相コイル7v,W相コイル7wにおける各相の巻線6u,6v,6wの巻き方(時計回りと反時計回り、正巻きと逆巻き)の違いを示すため、各相のコイル7u等の側部に「ドット(・印)」及び「クロス(×印)」を示した。各相のコイル7u等のうち、「クロス」で示される側は、各相の外部接続端子65u,65v,65wに近く、「ドット」で示される側は中性点Nに近いことを示している。これにより理解できるように、各相の8ヶのコイル7u,7v,7wは、それぞれ巻き付け方が交互に逆向きになっており、隣り合うコイルで発生する磁界が互いに逆極性となることが判る。
さて、図4に示すステータ鉄心3は、既に説明したように、平面視リング状で、径方向内側に向かって延びる48ヶのティース4、及びこれらのティース4同士の間に位置する同じく48ヶのスロット5を有している。このステータ鉄心3は、例えば方向性珪素鋼板をプレス打ち抜きして形成した鋼板39を積み重ね互いに固着して構成されている。
なお、本実施例では、図4(b)に矢印で示すように、ステータ鉄心3の軸線(中心軸)3Xに沿う方向(軸線方向3XPとする)のうち、ステータ鉄心3の裏面3Bから表面3Aに向かう方向を第1軸線方向3X1とする。この逆に、ステータ鉄心3の表面3Aから裏面3Bに向かう方向を第2軸線方向3X2とする。また、ステータ鉄心3の径方向(径方向3YPとする)のうち、内側に向かう方向を径内方向3Y1とし、この逆に、外側に向かう方向を径外方向3Y2とする。また、図4(a)に矢印で示すように、ステータ鉄心3を主面3A側から見て、ステータ鉄心3の周方向(3TPとする)のうち、時計回り方向を第1周方向3T1、その逆方向を第2周方向3T2とする。
このステータ鉄心3のティース4に、U相巻線7u,V相巻線7v,W相巻線7wをそれぞれ巻き付け、ステータ2を製造するのであるが、本実施例では、図8及び図9にその概要を示すステータ鉄心の巻線装置1000を用いて、ステータ鉄心3に巻線を施し、ステータ2を製造する。なお、図8は、第1軸線方向3X1に移動する第1巻線吐出装置210及び第2巻線吐出装置220が、ステータ鉄心3の筒内から抜け出すときの様子を、ステータ鉄心3の表面3A側から見た図である。また、図9は、第2軸線方向3X2に移動する第1巻線吐出装置210及び第2巻線吐出装置220が、ステータ鉄心3の筒内に進入するときの様子を、ステータ鉄心3の表面3A側から見た図である。
また、本実施例の巻線装置1000では、ステータ鉄心3(ステータ2)が所定のセット位置に位置するようにセットされる。具体的には、このステータ鉄心3は、その表面3Aが上方を、裏面3Bが下方を向き、軸線3Xが鉛直線にほぼ一致するように配置される。なお、図8〜図23では、図示を省略しているが、ステータ鉄心3(ステータ2)は、ステータホルダ4によって固定されている(図26参照)。
本実施例の巻線装置1000は、図8,図9に示すように、巻線6を吐出する第1巻線吐出装置210及び第2巻線吐出装置220と、これらを移動させる移動機構400とを有している。このうち、第1巻線吐出装置210は、後に詳述するが、第1兼用規制部110及び第2兼用規制部120と共に、第1コイル形成ユニット101を構成している(図10参照)。また、第2巻線吐出装置220も、後に詳述するが、第1兼用規制部310及び第2兼用規制部320と共に、第2コイル形成ユニット301を構成している(図10参照)。
第1,第2コイル形成ユニット101,301は、移動機構400の直線走行ユニット412,422(図8参照)に保持され、ステータ鉄心3の筒内を挿通して軸線方向3XPに延びる直線状レール411,421に沿って軸線方向3XPに直線状に移動することができる。これにより、第1,第2巻線吐出装置210も、直線状レール411,421に沿って軸線方向3XPに直線状に移動することができる。
その上、移動機構400のうち図示しない機構によって、直線状レール411,421を軸線3Xの周りに回動させることで、第1,第2コイル形成ユニット101,301(第1巻線吐出装置210及び第2巻線吐出装置220)を、水平方向に対称に回動(揺動)させることができる。具体的には、図8と図9とを対比すると理解できるように、これらは、軸線3Xを通る仮想対称平面AS(図8参照)について対称を保ちつつ回動する。
また、図8,図9に示すように、ステータ鉄心3の水平方向周囲には、第1〜第4アーム501〜504及びこれらを駆動する第1〜第4アーム駆動機構511〜514が配置されている。一方、ステータ鉄心3について、これらのアームと対称の位置には、対称第1〜第4アーム505〜508及びこれらを駆動する対称第1〜対称第4アーム駆動機構515〜518が配置されている。第1アーム駆動機構511等は、第1スロット51(あるいは第2スロット52、対称第1スロット55、対称第2スロット56)に沿って径方向3YPに、第1アーム501等を進退させる機構である。
第1アーム駆動機構511等により、第1アーム501等は、第1スロット51等に沿って径外方向3Y2に進行する。これにより、第1〜第4アーム501〜504は、吐出された巻線6のうちステータ鉄心3の表面3Aあるいは裏面3Bよりも外側に位置する部分をたぐり、これを第1〜第4保持位置(例えば、図8における第1アーム501の位置が第1保持位置)で保持する。このとき、第1ヘッド部501H等で巻線6を径外方向3Y2に押圧し、巻線6の形を整えて表面側コイルエンド部7Hまたは裏面側コイルエンド部を成形することができる(図8,図9参照)。
このほか、第1アーム駆動機構511等は、第1アーム501等と第1巻線吐出装置210との干渉(衝突)を避けるため、第1アーム501等を所定の退避位置(例えば、図9における第1アーム501の位置)に移動させる退避動作を行うことができる。具体的には、第1アーム501等を径方向内側に進行させた状態で、第1アーム501等をステータ鉄心3から離すように所定の軸線の周りに回動させ、退避位置に位置させる。
第1〜第4アーム501〜504及び対称第1〜第4アーム505〜508は、第1〜第4アーム駆動機構511〜518により、上述の移動機構400と同期して、第1スロット51等に沿って径方向3YPに移動する進退動作、及び所定の軸線の周りに回動する退避動作を行う。
これにより、第1巻線吐出装置210から吐出された巻線6を、それぞれステータ鉄心3の第1,第2スロット51,52内に挿入し、また、第1スロット51と第2スロット52との間で、ステータ鉄心3の表面3A上及び裏面3B上を渡らせて表面側コイルエンド部7Hまたは裏面側コイルエンド部とすることにより、各相のコイル7(7u等)が形成される。また、第2巻線吐出装置220から吐出された巻線6も、同様に対称第1,第2スロット55,56に挿入し、表面側コイルエンド部7H及び裏面側コイルエンド部を形成することによって、コイル7(7u等)が形成される。
このようにして、U相,V相,W相の各相のコイルを順次形成(図5〜図7参照)して、ステータ2、さらには、モータ1を製造する。
次に、第1,第2コイル形成ユニット101,301(第1,第2巻線吐出装置210,220を含む)と、この第1,第2コイル形成ユニット101,301を用いてコイル7を形成するコイル形成工程について説明する。本実施例では、複数の素線6Pからなる巻線6を、第1巻線吐出装置210と第2巻線吐出装置220との2つの装置から吐出させることができる。このため、同時に2つのコイル7をステータ鉄心3に巻回、形成することができる。なお、第1コイル形成ユニット101と第2コイル形成ユニット301とは、図8に示すように、軸線3Xを通る仮想対称平面ASについて、対称な構造を有しているので、以下において、主として第1コイル形成ユニット101について説明する。
第1コイル形成ユニット101は、図10に示すように、第1巻線吐出装置210と、第1兼用規制部110と、第2兼用規制部120とを有している。換言すれば、第1巻線吐出装置210に、第1兼用規制部110及び第2兼用規制部120が連結されて、第1コイル形成ユニット101を構成している。このうち、第1巻線吐出装置210は、巻線6を吐出する第1巻線吐出部230と、この第1巻線吐出部230の両側に配置された第1,第2巻線押圧部250,260とを有する。このうち、第1巻線吐出部230は、巻線6を吐出する第1ノズル231を有している。
第2コイル形成ユニット301は、図10にかっこ書きで示すように、第2巻線吐出装置220と、第1兼用規制部310と、第2兼用規制部320とを有している。換言すれば、第2巻線吐出装置220に、第1兼用規制部310及び第2兼用規制部320が連結されて、第2コイル形成ユニット301を構成している。このうち、第2巻線吐出装置220は、第1巻線吐出装置210と同様に、第2巻線吐出部240と、この第2巻線吐出部240の両側に配置された対称第1,第2巻線押圧部270,280とを有している。この第2巻線吐出部240も、巻線6を吐出する第2ノズル241を有している。
ところで、第1コイル形成ユニット101と第2コイル形成ユニット301とは、図8と図9を対比すると理解できるように、移動機構400によって、軸線3Xの周りを水平方向(図8において紙面沿う方向)にコイル開角α(本実施例では、37.5度)だけ、互いに逆相に回動(揺動)する。即ち、ステータ鉄心3の表面3A側から見て、第1コイル形成ユニット101が反時計回りにコイル開角αだけ回動(図8の位置からと図9の位置に回動)した場合、第2コイル形成ユニット301は時計回りにコイル開角αだけ回動する。
従って、第1巻線吐出装置210と第2巻線吐出装置220とは、軸線3Xの周りを水平方向(図8において紙面沿う方向)にコイル開角α(本実施例では、37.5度)だけ、互いに逆相に回動(揺動)する。即ち、ステータ鉄心3の表面3A側から見て、第1巻線吐出装置210が反時計回りにコイル開角αだけ回動(図8の位置からと図9の位置に回動)した場合、第2巻線吐出装置220は時計回りにコイル開角αだけ回動する。
これにより、第1巻線吐出部230の第1ノズル231は、第2スロット52(第2U相スロット52u)に対向する位置(図8に示す位置)と、この第2スロット52から、第2周方向3T2にスロット5つ分だけ離れた(間に4つのスロット5が介在する)第1スロット51(第1U相スロット51u)に対向する位置(図9に示す位置)との間を揺動することとなる。同様に、第2巻線吐出部240の第2ノズル241は、対称第2スロット56(対称第2U相スロット56u)に対向する位置(図8に示す位置)と、対称第1スロット55(対称第1U相スロット55u)に対向する位置(図9に示す位置)との間を揺動することとなる。
さらに、図8,図9に示すように、第1,第2コイル形成ユニット101,301は、直線走行ユニット412,422にそれぞれ固着されている。この直線走行ユニット412,422は、ステータ鉄心3の筒内を挿通して軸線方向3XPに延びる直線状レール411,421に案内されて直線状に移動する。これにより、第1巻線吐出装置210を有する第1コイル形成ユニット101と、第2巻線吐出装置220を有する第2コイル形成ユニット301とは、それぞれ軸線方向3XPにスムーズに移動可能となる。
従って、本実施例では、第1巻線吐出装置210と第2巻線吐出装置220とが、軸線3Xの周りにコイル開角αに亘り揺動して、軸線方向3XPに移動する動作を繰り返すことにより、同時に2つのコイル7(U相コイル7u等)を形成することができる。
具体的には、第1巻線吐出装置210は、図8に示すように、第1ノズル231を第2スロット52に対向させて第1軸線方向3X1に移動する。これにより、第1ノズル231から吐出された巻線6が、第2スロット52内に挿入される。さらに、第1巻線吐出装置210は、第1軸線方向3X1に移動してステータ鉄心3の筒内から表面3A側に抜け出し、ステータ鉄心3の表面3Aから第1軸線方向3X1側に最も離れた上死点にまで移動する。その後、第2軸線方向3X2に移動して、再びステータ鉄心3の表面3Aの位置に戻る。この間、第1巻線吐出装置210は、第2周方向3T2にコイル開角αだけ揺動するので、図9に示すように、第2スロット52から第1スロット51に亘り、ステータ鉄心3の表面3A上に巻線6を渡らせることができる。
次いで、第1巻線吐出装置210は、第1ノズル231を第1スロット51に対向させて、第2軸線方向3X2に移動する。これにより、第1ノズル231から吐出された巻線6が、第1スロット51内に挿入される。さらに、第1巻線吐出装置210は、第2軸線方向3X2に移動して、ステータ鉄心3の筒内から裏面3B側に抜け出し、ステータ鉄心3の裏面3Bから第2軸線方向3X2側に最も離れた下死点にまで移動する。その後、第1軸線方向3X1に移動して、再びステータ鉄心3の裏面3Bに戻る。この間、第1巻線吐出装置210は、第1周方向3T1にコイル開角αだけ揺動するので、第2スロット52から第1スロット51に亘り、ステータ鉄心3の裏面3B上に巻線6を渡らせることができる。
このように、第1巻線吐出装置210が、上述した動きを繰り返すことにより、ステータ鉄心3に巻線6を巻き付けて、コイル7(U相コイル7u等)を形成することができる。
また、第2巻線吐出装置220は、仮想対称平面AS(図8参照)について、上述した第1巻線吐出装置210とは対称の動きを繰り返す。このため、第1巻線吐出装置210と第2巻線吐出装置220とにより、同時に、2つのコイル7(U相コイル7u等)を形成することができる。
さらに、第1巻線吐出装置210は、図8,図9に示すように、第1巻線吐出部230の左右に、第1,第2巻線押圧部250,260を有している。第1,第2巻線押圧部250,260は、第1,第2押圧ローラ251,261をそれぞれ有する。この第1,第2押圧ローラ251,261は、径方向3YPのうち自身(第1,第2押圧ローラ251,261)を通る方向と軸線方向3XPとに直交する回転軸の周りに回転するように設けられている。このうち、第1押圧ローラ251は、第1ノズル231に対し、コイル開角αだけ第2周方向3T2に偏向した位置に配置されている。一方、第2押圧ローラ261は、第1ノズル231に対し、コイル開角αだけ第1周方向3T1に偏向した位置に配置されている。
このため、図8に示すように、第1巻線吐出部230を第1軸線方向3X1(図8において、紙面奥から手前に向かう方向)に移動させ、第1ノズル231で第2スロット52内に巻線6(素線6P)を挿入している間、第1巻線押圧部250の第1押圧ローラ251が、第1スロット51内にステータ鉄心3の内周面3I側から挿入される。これにより、図11に示すように、第1スロット51内に既に挿入された巻線6(第1スロット挿入部61)を、径外方向3Y2(図11において上方)に押し込み、次に第1スロット51内に巻線6を挿入するためのスペースを作り出すことができる。また、第1スロット挿入部61をなす素線6Pが、第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまうのを抑制することができる。さらには、第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまった素線6Pを、第1スロット51内に戻すこともできる。
このことは、図9に示すように、第1巻線吐出部230を第2軸線方向3X2(図9において、紙面手前から奥に向かう方向)に移動させ、第1ノズル231で第1スロット51内に巻線6(素線6P)を挿入する間も、同様に当てはまる。すなわち、この間には、第2巻線押圧部260の第2押圧ローラ261で、第2スロット52内に既に挿入された巻線6(第2スロット挿入部62)を、径外方向3Y2に押圧する(図11参照)。これにより、第2スロット52内に、次に巻線6を挿入するためのスペースを作り出すことができる。また、第2スロット挿入部62をなす素線6Pが、第2スロット52から径方向内側にはみ出してしまうのを抑制し、さらには、第2スロット52からはみ出してしまった素線6Pを第2スロット52内に戻すこともできる。
しかも、このようにすることで、第1スロット51及び第2スロット52のいずれについても、巻線6(素線6P)の挿入と押し込みとを交互に行うこととなるため、第1,第2スロット51,52内に多数の素線6Pを挿入することができる。
また、第2巻線吐出装置220の左右にも、対称第1,第2押圧ローラ271,281を有する対称第1,第2巻線押圧部270,280が設けられている。この対称第1,第2押圧ローラ271,281も、上述した第1,第2押圧ローラ251,261と同様に、既に対称第1,対称第2スロット55,56内に挿入された巻線6(素線6P)を、径外方向3Y2に押圧することができる。
しかしながら、上述のような手法では、第1アーム501〜第4アーム504が第1〜第4保持位置から離間すると、巻線6が解放されてしまうので、スプリングバック作用により巻線6(第1,第2スロット挿入部61,62など)にたるみが生じてしまう虞がある。これにより、第1,第2スロット挿入部61,62が、第1,第2スロット51,52から径方向内側にはみ出してしまう虞がある。
具体的には、第1アーム501が第1保持位置から離間(巻線6を解放)している期間(第1期間とする)に、第1スロット挿入部61が第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまう虞がある。また、第2アーム502が第2保持位置から離間している期間(第2期間とする)にも、同様に、第1スロット挿入部61が第1スロット51からはみ出してしまう虞がある。
また、第3アーム503が第3保持位置から離間している期間(第3期間とする)にも、スプリングバック作用により巻線にたるみが生じ、第2スロット挿入部62が第2スロット51からはみ出してしまう虞がある。また、第4アーム504が第4保持位置から離間している期間(第4期間とする)にも、同様に、第2スロット挿入部62が第2スロット51からはみ出してしまう虞がある。
これに対し、本実施例の第1コイル形成ユニット101は、前述のように、第1巻線吐出装置210に連結された、第1兼用規制部110及び第2兼用規制部120を有している(図10参照)。詳細には、第1兼用規制部110は、第1巻線吐出装置210より第2軸線方向3X2に位置し、第1巻線吐出装置210との間に軸線方向3XPにわたる間隙G1を空けて、第1巻線吐出装置210に連結されている。また、第2兼用規制部120は、第1巻線吐出装置210より第1軸線方向3X1に位置し、第1巻線吐出装置210との間に軸線方向3XPにわたる間隙G2を空けて、第1巻線吐出装置210に連結されている。なお、本実施例では、G1=G2としている。
ここで、第1兼用規制部110及び第2兼用規制部120について、図10〜図23を参照しつつ説明する。図10に示すように、第1兼用規制部110は、第1回転軸部材112と、この第1回転軸部材112の周りに回転自在に保持された円板状の第1規制ローラ111とを有している。同様に、第2兼用規制部120は、第2回転軸部材122と、この第2回転軸部材122の周りに回転自在に保持された円板状の第2規制ローラ121とを有している。
また、第1兼用規制部110は、軸線方向3XPに見て、第1規制ローラ111が第1巻線吐出装置210の第1ノズル231と同一直線上に位置するように、第1巻線吐出装置210に連結されている。しかも、第1回転軸部材112が、第1ノズル131の延びる方向(軸線方向3XP)に直交するように連結されている。同様に、第2兼用規制部120は、軸線方向3XPに見て、第2規制ローラ121が第1ノズル231と同一直線上に位置するように、第1巻線吐出装置210に連結されている。しかも、第2回転軸部材122が、第1ノズル131の延びる方向(軸線方向3XP)に直交するように連結されている。
このため、図13〜図22に示すように、第1コイル形成ユニット101がステータ鉄心3の筒内を第2軸線方向3X2に移動する期間は、第1規制ローラ111及び第2規制ローラ121の少なくともいずれかを、第1スロット51内に挿入させることができる(図11参照)。同様に、第1コイル形成ユニット101がステータ鉄心3の筒内を第1軸線方向に移動する期間も、第1規制ローラ111及び第2規制ローラ121の少なくともいずれかを、第2スロット52内に挿入させることができる(図11参照)。
ここで、コイル形成工程における第1コイル形成ユニット101(第1規制ローラ111及び第2規制ローラ121)の動きを、第1,第2アーム501,502の動きと共に、図12〜図23を参照しつつ説明する。なお、第2コイル形成ユニット301(第1規制ローラ311及び第2規制ローラ321)は、仮想対称平面AS(図8参照)について、第1コイル形成ユニット101と対称の動きをするため、説明を割愛する。
図12は、第1コイル形成ユニット101が、ステータ鉄心3の表面3Aより上方で、第1巻線吐出装置210から巻線を吐出しつつ、第2軸線方向3X2に移動しているときの様子を示している。このとき、図12に示すように、第1,第2アーム501,502は、第1,第2保持位置で巻線6(コイルエンド部7H,7R)を保持している。このため、第1スロット挿入部61が、第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまう虞が小さい。また、図示していないが、第3,第4アーム503,504も、第3,第4保持位置で巻線6を保持している。このため、第2スロット挿入部62が、第2スロット52から径方向内側にはみ出してしまう虞が小さい。
次いで、図13に示すように、第1コイル形成ユニット101が第2軸線方向3X2に進行すると、第1兼用規制部110がステータ鉄心3の筒内に進入し、第1規制ローラ111の一部が第1スロット51内に挿入される(図11参照)。このため、第1規制ローラ111によって、第1スロット挿入部61が第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまうのを規制できる。しかも、第1規制ローラ111によって、第1スロット挿入部61を径外方向3Y2に押圧して、第1スロット挿入部61を第1スロット51の径方向外側(奥側)に押し込むことができる(図11参照)。従って、第1スロット挿入部61が第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまう虞を、極めて小さくできる。
なお、第1兼用規制部110がステータ鉄心3の筒内に進入するにあたり、第1アーム501は、第1規制ローラ111との接触を避けるために退避することなく、継続して、第1保持位置で巻線6(表面側コイルエンド部7H)を保持することができる。これは、第1アーム501の先端部に、第1規制ローラ111及び第2規制ローラ121が挿通可能な溝部501bが形成されているからである(図14参照)。すなわち、第1アーム501が第1保持位置に位置している場合でも、第1規制ローラ111は、第1アーム501と接触することなく、溝部501b内を挿通して、ステータ鉄心3の筒内に進入することができる。また、第2〜第4アーム502〜504にも、同様に、第1規制ローラ111及び第2規制ローラ121が挿通可能な溝部502b〜504bが形成されている。
次いで、第1コイル形成ユニット101が第2軸線方向3X2に進行し、第1巻線吐出装置210が第1アーム501に接近すると、図14に示すように、第1保持位置で巻線6を保持していた第1アーム501が、第1巻線吐出装置210と接触しない位置に退避する。このとき、第1アーム501に保持されていた巻線6が解放されるために、第1スロット挿入部61にたるみが生じ、第1スロット挿入部61が第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまうように思われる。しかしながら、既に、第1規制ローラ111によって第1スロット挿入部61のはみ出しを規制しているため、第1スロット挿入部61が第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまう虞は小さい。
次いで、第1コイル形成ユニット101が第2軸線方向3X2に進行すると、図15に示すように、第1巻線吐出装置210がステータ鉄心3の筒内に進入する。その後、図16に示すように、第1アーム501が、第1巻線吐出装置210から吐出された巻線6を径外方向3Y2にたぐりつつ、第1保持位置に復帰して、再び、巻線6(表面側コイルエンド部7H)を保持する。これにより、第1スロット挿入部61にたるみが生じていた場合でも、巻線6を径外方向3Y2にたぐることにより、そのたるみを解消することができる。
ここで、図13〜図16を互いに比較するとわかるように、第1規制ローラ111は、第1アーム501が第1保持位置から離間する前から、第1スロット51内に挿入されて第1スロット挿入部61のはみ出しを規制している。そして、第1アーム501が第1保持位置から離間してから、第1アーム501が第1保持位置に復帰するまで、継続して、第1スロット51内に挿入されて第1スロット挿入部61のはみ出しを規制している。すなわち、第1アーム501が第1保持位置から離間している期間(第1期間)において、第1規制ローラ111は、継続して、第1スロット挿入部61の第1スロット51から径方向内側へのはみ出しを規制している。このため、第1アーム501が保持していた巻線6を解放したときのスプリングバック作用により、巻線6にたるみが生じていた場合でも、第1期間において、第1スロット挿入部61が第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまう虞が小さい。
また、図13と図14とを比較するとわかるように、第1兼用規制部110(第1規制ローラ111)と第1巻線吐出装置210との間隙G1を利用して、第1アーム501の第1保持位置からの退避動作を行っている。具体的には、第1アーム501は、第1規制ローラ111がステータ鉄心3の筒内に進入した後、第1巻線吐出装置210と接触しないタイミングで第1保持位置から移動して、接近する第1巻線吐出装置210と接触しない位置に退避する。このようなタイミングで、第1アーム501の退避動作を行うことにより、第1アーム501が第1コイル形成ユニット101と接触してしまう虞がない。
さらに、図15と図16とを比較するとわかるように、第1巻線吐出装置210と第2兼用規制部120(第2規制ローラ121)との間隙G2を利用して、第1アーム501の第1保持位置への復帰動作を行っている。具体的には、第1巻線吐出装置210がステータ鉄心3の筒内に進入した後、直ちに、接近する第2規制ローラ121と接触しないタイミングで、第1保持位置に復帰して巻線6(表面側コイルエンド部7H)を保持する。このようなタイミングで、第1アーム501の復帰動作を行うことにより、第1アーム501が巻線6(表面側コイルエンド部7H)を離している期間を短くすることができので、第1スロット挿入部61がはみ出してしまう虞を小さくできる。
次いで、第1コイル形成ユニット101が第2軸線方向3X2に進行すると、図17に示すように、第2兼用規制部120がステータ鉄心3の筒内に進入し、第2規制ローラ121の一部が第1スロット51内に挿入される。この第2規制ローラ121は、先行する第1巻線吐出装置210から吐出されて第1スロット内に挿入された巻線6(以下、第1吐出挿入巻線6cともいう)と共に第1スロット挿入部61を、第1スロット51内で径外方向3Y2に押圧する(図11参照)。このため、第2規制ローラ121によって、第1スロット挿入部61のみならず、第1吐出挿入巻線6cについても、第1スロット51から径方向内側へのはみ出しを規制できる。
しかも、第2規制ローラ121によって、第1吐出挿入巻線6c及び第1スロット挿入部61を第1スロット51の径方向外側(奥側)に押し込むことができる(図11参照)。従って、第1吐出挿入巻線6c及び第1スロット挿入部61が、第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまう虞を小さくできる。さらには、次に、第1スロット51内に巻線6を挿入するためのスペースを作り出すことができるため、適切に、巻線6を巻回することが可能となる。なお、第2兼用規制部120がステータ鉄心3の筒内に進入するにあたり、第1アーム501は、第2規制ローラ121との接触を避けるために退避することなく、継続して、第1保持位置で巻線6(表面側コイルエンド部7H)を保持している。また、第1規制ローラ111は、その一部を第1スロット51内に挿入させて、第1スロット挿入部61を径外方向3Y2に押圧しつつ、第2軸線方向に進行している。
さらに、第1コイル形成ユニット101は第2軸線方向3X2に進行し、図18に示すように、第1巻線吐出装置210によって巻線6を第1スロット51内に挿入していく。この間、第1規制ローラ111は、その一部を第1スロット51内に挿入させて、第1スロット挿入部61を径外方向3Y2に押圧しつつ、第1巻線吐出装置210と共に第2軸線方向に進行している。また、第2規制ローラ121は、その一部を第1スロット51内に挿入させて、第1吐出挿入巻線6c及び第1スロット挿入部61を径外方向3Y2に押圧しつつ、第1巻線吐出装置210と共に第2軸線方向に進行している。このため、第1吐出挿入巻線6c及び第1スロット挿入部61が、第1スロット51から径方向内側へはみ出してしまう虞が小さい。
次いで、第1コイル形成ユニット101が第2軸線方向3X2に進行すると、図19に示すように、第1規制ローラ111がステータ鉄心3の筒内から裏面3B側へ抜け出る。このとき、第2アーム502は、第1規制ローラ111との接触を避けるために退避することなく、継続して、第2保持位置で巻線6(裏面側コイルエンド部7R)を保持している。また、第2規制ローラ121は、継続して、第1吐出挿入巻線6c及び第1スロット挿入部61を径外方向3Y2に押圧している。
次いで、第1コイル形成ユニット101が第2軸線方向3X2に進行し、第1巻線吐出装置210が第2アーム502に接近すると、図20に示すように、第2保持位置で巻線6(裏面側コイルエンド部7R)を保持していた第2アーム502が、第1巻線吐出装置210と接触しない位置に退避する。このとき、第2アーム502に保持されていた巻線6が解放されるために、第1スロット挿入部61にたるみが生じ、第1スロット挿入部61が第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまうように思われる。しかしながら、既に、第2規制ローラ121によって第1スロット挿入部61のはみ出しを規制しているため、第1スロット挿入部61が第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまう虞は小さい。
次いで、第1コイル形成ユニット101が第2軸線方向3X2に進行すると、図21に示すように、第1巻線吐出装置210がステータ鉄心3の筒内から裏面3B側へ抜け出る。このとき、第2アーム502は、依然として、第1巻線吐出装置210と接触しない位置に退避している。一方、第2規制ローラ121は、継続して、第1スロット51内に挿入されており、第1スロット挿入部61を径外方向3Y2に押圧している。
その後、図22に示すように、第2規制ローラ121がステータ鉄心3の筒内から裏面3B側に抜け出る前に、第2アーム502が、第1巻線吐出装置210から吐出された巻線6を径外方向3Y2にたぐりつつ、第2保持位置に復帰して、再び、巻線6(裏面側コイルエンド部7R)を保持する。これにより、第1スロット挿入部61にたるみが生じていた場合でも、巻線6を径外方向3Y2にたぐることにより、そのたるみを解消することができる。
ここで、図19〜図22を相互に比較するとわかるように、第2規制ローラ121は、第2アーム502が第2保持位置から離間する前から、第1スロット51内に挿入されて第1スロット挿入部61のはみ出しを規制している。そして、第2アーム502が第2保持位置から離間してから、第2アーム501が第1保持位置に復帰するまで、継続して、第1スロット51内に挿入されて第1スロット挿入部61のはみ出しを規制している。すなわち、第2アーム502が第2保持位置から離間している期間(第2期間)において、第2規制ローラ121は、継続して、第1スロット挿入部61の第1スロット51から径方向内側へのはみ出しを規制している。このため、第2アーム502が保持していた巻線6を解放したときのスプリングバック作用により、巻線6にたるみが生じていた場合でも、第2期間において、第1スロット挿入部61が第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまう虞が小さい。
以上説明したように、第1規制ローラ111は、第1期間が開始する前から、ステータ鉄心3の筒内に進入して第1スロット挿入部61を径外方向3Y2に押圧し、その後、ステータ鉄心3の筒内から抜け出るまで、継続して、第1スロット挿入部61を径外方向3Y2に押圧する。また、第2規制ローラ121は、第1規制ローラ111がステータ鉄心3の筒内から抜け出る前から、ステータ鉄心3の筒内に進入して第1スロット挿入部61を径外方向3Y2に押圧し、その後、第2期間が終了するまで、継続して、第1スロット挿入部61を径外方向3Y2に押圧する。従って、第1期間の開始時から第2期間の終了時までの間、継続して、第1スロット挿入部61の第1スロット51から径方向内側へのはみ出しを規制する。このため、第1スロット挿入部61が第1スロット51から径方向内側にはみ出してしまう虞を、極めて小さくすることができる。
また、図19と図20とを比較するとわかるように、第1兼用規制部110(第1規制ローラ111)と第1巻線吐出装置210との間隙G1を利用して、第2アーム502の第2保持位置からの退避動作を行っている。具体的には、第2アーム501は、第2規制ローラ111が第1スロット挿入部61のはみ出しを規制した後、第1規制ローラ111及び第1巻線吐出装置210と接触しないタイミングで第2保持位置から移動して、接近する第1巻線吐出装置210と接触しない位置に退避する。このようなタイミングで、第2アーム502の退避動作を行うことにより、第2アーム502が第1コイル形成ユニット101と接触してしまう虞がない。
さらに、図21と図22とを比較するとわかるように、第1巻線吐出装置210と第2兼用規制部120(第2規制ローラ121)との間隙G2を利用して、第2アーム502の第2保持位置への復帰動作を行っている。具体的には、第1巻線吐出装置210が第2アーム502より第2軸線方向3X2へ移動した後(第2規制ローラ121がステータ鉄心3の筒内から抜け出る前)、直ちに、第2保持位置に復帰して巻線6(裏面側コイルエンド部7R)を保持する。このように、第2アーム502が巻線6(裏面側コイルエンド部7R)を離している期間をできる限り短くすることにより、第1スロット挿入部61がはみ出してしまう虞を小さくできる。
次いで、第1コイル形成ユニット101が第2軸線方向3X2に進行すると、図23に示すように、第2規制ローラ121がステータ鉄心3の筒内から裏面3B側へ抜け出る。このとき、第2アーム502は、第2規制ローラ121との接触を避けるために退避することなく、継続して、第2保持位置で巻線6(裏面側コイルエンド部7R)を保持している。このため、第1スロット挿入部61が、第1スロット51から径方向内側へはみ出してしまう虞が小さい。
ところで、上述したように、第1規制ローラ111及び第2規制ローラ121は、その一部を第1スロット51内に挿入させて、第1スロット挿入部61(及び第1吐出挿入巻線6c)を径外方向3Y2に押圧しつつ、第2軸線方向に進行している。このため、第1規制ローラ111及び第2規制ローラ121と第1スロット挿入部61(及び第1吐出挿入巻線6c)との間に摩擦力が生じ、この摩擦力が大きい場合には、巻線6の絶縁被覆を傷付けてしまう虞がある。これに対し、第1規制ローラ111及び第2規制ローラ121は、前述のように、第1回転軸部材112及び第2回転軸部材122を回転軸として回転可能に設けられているので、回転しながら第1スロット挿入部61(及び第1吐出挿入巻線6c)と当接する。従って、第1スロット挿入部61(及び第1吐出挿入巻線6c)をなす巻線6が擦れにくく、巻線6の絶縁被覆を傷付けてしまう虞がない。
その後、図示していないが、第1コイル形成ユニット101は、第2軸線方向3X2に移動して下死点に達した後、反転して、第1軸線方向3X1に移動する。このとき、第1コイル形成ユニット101は、第1周方向3T1にコイル開角αだけ回動(揺動)する。その後、第1コイル形成ユニット101は、裏面3B側からステータ鉄心3の筒内に進入し、第1巻線吐出装置201によって第2スロット52内に巻線6を挿入しつつ、第1軸線方向3X1に移動する。
第1コイル形成ユニット101が第2スロット52側を移動する場合も、上述した第1スロット51側を移動する同様にして、第2スロット挿入部62の第2スロット52から径方向内側へのはみ出しを規制する。具体的には、第3期間(第3アーム503が第3保持位置から離間している期間)において、第2規制ローラ121が、継続して、第2スロット挿入部62を径外方向3Y2に押圧する(図11参照)。このため、第3期間において、第2スロット挿入部62が、第2スロット52から径方向内側へはみ出してしまう虞が小さい。
さらに、第4期間(第4アーム504が第4保持位置から離間している期間)において、第1規制ローラ111が、継続して、先行する第1巻線吐出装置210から吐出されて第2スロット52内に挿入された巻線6(以下、第2吐出挿入巻線ともいう)と共に第2スロット挿入部62を、第2スロット52内で径外方向3Y2に押圧する(図11参照)。このため、第4期間において、第2スロット挿入部62及び第2吐出挿入巻線が、第2スロット52から径方向内側へはみ出してしまう虞が小さい。
なお、図示していないが、第3アーム503及び第4アーム504は、第1巻線吐出装置210と第2兼用規制部120(第2規制ローラ121)との間隙G2を利用して、第3保持位置及び第4保持位置からの退避動作を行う。また、第1兼用規制部110(第1規制ローラ111)と第1巻線吐出装置210との間隙G1を利用して、第3保持位置及び第4保持位置への復帰動作を行う。このように、間隙G1,G2を利用して、第3アーム503及び第4アーム504の退避動作及び復帰動作を行うことにより、第3アーム503及び第4アーム504が、第1コイル形成ユニット101と接触してしまう虞がない。また、第3アーム503及び第4アーム504について、上記のタイミングで退避動作及び復帰動作を行うことにより、第3アーム503が巻線6を離している期間、及び第4アーム504が巻線6を離している期間を短くできる。このため、第2スロット挿入部62が第2スロット52から径方向内側へはみ出してしまう虞を、より一層小さくできる。
また、第2規制ローラ121は、第3期間が開始する前から、ステータ鉄心3の筒内に進入して第2スロット挿入部62を径外方向3Y2に押圧し、その後、ステータ鉄心3の筒内から抜け出るまで、継続して、第2スロット挿入部62を径外方向3Y2に押圧する。また、第1規制ローラ111は、第2規制ローラ121がステータ鉄心3の筒内から抜け出る前から、ステータ鉄心3の筒内に進入して第2スロット挿入部62を径外方向3Y2に押圧し、その後、第4期間が終了するまで、継続して、第2スロット挿入部62を径外方向3Y2に押圧する。従って、第3期間の開始時から第4期間の終了時までの間、継続して、第2スロット挿入部62の第2スロット52から径方向内側へのはみ出しを規制する。このため、第2スロット挿入部62が第2スロット52から径方向内側にはみ出してしまう虞を、極めて小さくすることができる。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例では、第1,第2規制ローラ111,121の一部を、第1,第2スロット51,52内に挿入させて、第1,第2スロット挿入部61,62を径外方向3Y2に押圧するようにした。しかし、図24に一点鎖線で示すように、第1,第2規制ローラ111,121を、第1,第2スロット51,52内に挿入させることなく、軸線方向3XPに移動させるようにしても良い。あるいは、図24に実線で示すように、第1スロット51の第1開口部51b(第2スロット51の第2開口部52b)よりも幅広の第1,第2規制ローラ711,721を用いて、ステータ鉄心の内周面3Iに接触させて、軸線方向3XPに移動させるようにしても良い。このような形態でも、適切に、第1,第2スロット挿入部61,62が、第1,第2スロット51,52から径方向内側にはみ出してしまうのを規制することができる。
また、実施例では、第1,第2兼用規制部110,120として、第1,第2規制ローラ111,121を用いたが、このような形態に限定されるものではない。第1,第2スロット挿入部61,62が、第1,第2スロット51,52から径方向内側にはみ出してしまうのを規制することができれば、いずれの形態でも良い。但し、第1,第2規制ローラ111,121の如く、回転しながら第1、第2スロット挿入部61,62と当接する形態にすると、巻線6に対する摩擦力を小さくできる点で好ましい。
また、第1兼用規制部110と第2兼用規制部120とを設けたが、いずれか一方だけを設けるようにしても良い。但し、両規制部を設けた方が、第1,第2スロット挿入部61,62が、第1,第2スロット51,52から径方向内側にはみ出してしまう虞を小さくできる点で好ましい。
また、実施例では、第1コイル形成ユニット101について、第1巻線吐出部230の両側に第1,第2巻線押圧部250,260を設けたが、このような形態に限定されるものではない。例えば、図25に示すように、第1兼用規制部110の両側及び第2兼用規制部120の両側にも、第1,第2巻線押圧部250,260を設けるようにしても良い。このように、第1,第2巻線押圧部250,260を追加することにより、第1,第2スロット挿入部61,62が、第1,第2スロット51,52から径方向内側にはみ出してしまう虞を、より一層小さくすることができる。反対に、第1巻線吐出部230の両側に位置する第1,第2巻線押圧部250,260を無くしても良い。
実施例にかかるステータ2を用いたモータ1の模式図である。 実施例にかかるステータ2の模式図である。 実施例にかかるステータ2の斜視図である。 (a)はステータ鉄心3の平面図、(b)はステータ鉄心3の縦断面図である。 ステータ鉄心3にU相巻線6uを巻き付けた状態を示す部分拡大斜視図である。 ステータ鉄心3にU相巻線6u及びV相巻線6vを巻き付けた状態を示す部分拡大斜視図である。 ステータ鉄心にU相巻線6u、V相巻線及6vびW相巻線6wを巻き付けた状態を示す部分拡大斜視図である。 第1軸線方向3X1に移動する第1,第2巻線吐出装置210、220が、ステータ鉄心3の筒内から抜け出すときの様子を、ステータ鉄心3の表面3A側から見た説明図である。 第2軸線方向3X2に移動する第1,第2巻線吐出装置210,220が、ステータ鉄心3の筒内に進入するときの様子を、ステータ鉄心3の表面3A側から見た説明図である。 実施例にかかる第1コイル形成ユニット101(第1巻線吐出装置210及び第1兼用規制部110及び第2兼用規制部120)の斜視図である。 第1兼用規制部110及び第2兼用規制部120の第1規制ローラ111(第2規制ローラ121)、あるいは、第1巻線吐出装置210の第1押圧ローラ251(第2押圧ローラ261)が、第1スロット挿入部61(第2スロット挿入部62)を径外方向3Y2に押圧する様子を示す断面図である。 実施例にかかる第1コイル形成ユニット101が、ステータ鉄心3の表面3A側を第2軸線方向3X2に移動しているときの様子を示す断面図である。 実施例にかかる第1コイル形成ユニット101が第2軸線方向3X2に移動し、第1兼用規制部110及び第2兼用規制部120の第1規制ローラ111がステータ鉄心3の筒内に進入したときの様子を示す断面図である。 実施例にかかる第1コイル形成ユニット101の第1巻線吐出装置210が第1アーム501に接近し、第1アーム501が第1保持位置から離間したときの様子を示す断面図である。 実施例にかかる第1コイル形成ユニット101が第2軸線方向3X2に移動し、第1巻線吐出装置210がステータ鉄心3の筒内に進入したときの様子を示す断面図である。 実施例にかかる第1コイル形成ユニット101の第1巻線吐出装置210がステータ鉄心3の筒内に進入した後、第1アーム501が第1保持位置に復帰したときの様子を示す断面図である。 実施例にかかる第1コイル形成ユニット101が第2軸線方向3X2に移動し、第1兼用規制部110及び第2兼用規制部120の第2規制ローラ121がステータ鉄心3の筒内に進入したときの様子を示す断面図である。 実施例にかかる第1コイル形成ユニット101が、第1スロット51に対向して第2軸線方向3X2に移動するときの様子を示す断面図である。 実施例にかかる第1コイル形成ユニット101が第2軸線方向3X2に移動し、、第1兼用規制部110及び第2兼用規制部120の第1規制ローラ111がステータ鉄心3の筒内から抜け出た後の様子を示す断面図である。 実施例にかかる第1コイル形成ユニット101の第1巻線吐出装置210が第2アーム502に接近し、第2アーム502が第2保持位置から離間したときの様子を示す断面図である。 実施例にかかる第1コイル形成ユニット101が第2軸線方向3X2に移動し、第1巻線吐出装置210がステータ鉄心3の筒内から抜け出たときの様子を示す断面図である。 実施例にかかる第1コイル形成ユニット101の第1巻線吐出装置210がステータ鉄心3の筒内から抜け出た後、第2アーム501が第2保持位置に復帰したときの様子を示す断面図である。 実施例にかかる第1コイル形成ユニット101が第2軸線方向3X2に移動し、第1兼用規制部110及び第2兼用規制部120の第2規制ローラ121がステータ鉄心3の筒内から抜け出た後の様子を示す断面図である。 本発明の変形例にかかる第1,第2規制ローラ711,721が、第1スロット挿入部61(第2スロット挿入部62)を径外方向3Y2に押圧する様子を示す断面図である。 本発明の変形例にかかる第1コイル形成ユニット701の斜視図である。 従来の巻線装置による巻線方法を説明する説明図であり、ステータ鉄心3の表面3A側から見た斜視説明図である。 従来の巻線装置にかかる巻線吐出装置1200が、第1スロット51に対向して第2軸線方向3X2に移動するときの様子を示す断面図である。
符号の説明
3 ステータ鉄心
3A (ステータ鉄心の)表面
3B (ステータ鉄心の)裏面
3X (ステータ鉄心の)軸線
3XP 軸線方向
3X1 第1軸線方向
3X2 第2軸線方向
3YP ステータ鉄心3の径方向
3Y1 ステータ鉄心3の径内方向(径方向内側に向かう方向)
3Y2 ステータ鉄心3の径外方向(径方向外側に向かう方向)
3T1 第1周方向
3T2 第2周方向
5 (ステータ鉄心の)スロット
6 巻線
37 コイル
51 第1スロット
52 第2スロット
51b 第1開口部
52b 第2開口部
61 第1スロット挿入部
62 第2スロット挿入部
110 第1兼用規制部
111 第1規制ローラ(第1ローラ、第4ローラ)
112 第1回転軸部材
120 第2兼用規制部
121 第2規制ローラ(第2ローラ、第3ローラ)
122 第2回転軸部材
210 第1巻線吐出装置
231 第1ノズル
501 第1アーム(第1巻線保持部材)
502 第2アーム(第2巻線保持部材)
503 第3アーム(第3巻線保持部材)
504 第4アーム(第4巻線保持部材)
1000 巻線装置(ステータ鉄心の巻線装置)
G1 第1兼用規制部110と第1巻線吐出装置210との間隙
G2 第2兼用規制部120と第1巻線吐出装置210との間隙

Claims (17)

  1. 表面とこれに平行な裏面とを有する筒状で内歯形状のステータ鉄心について、互いに隣接する上記内歯で構成され、上記ステータ鉄心の内周面に開口するスロットのうち、第1スロット内及び第2スロット内に、1本または複数本の素線からなる巻線を挿入し、上記第1スロットと第2スロットとの間に上記巻線を渡らせてコイルを形成するステータ鉄心の巻線装置であって、
    上記ステータ鉄心の軸線方向のうち、上記裏面から上記表面に向かう方向を第1軸線方向とし、この逆を第2軸線方向としたとき、
    上記巻線を吐出する巻線吐出装置であって、上記第1スロットに対向して上記第2軸線方向に移動しつつ上記第1スロット内に上記巻線を挿入するのと、上記第2スロットに対向して上記第1軸線方向に移動しつつ上記第2スロット内に上記巻線を挿入するのとを交互に繰り返す巻線吐出装置と、
    上記巻線のうち上記第1スロット内に挿入された第1スロット挿入部より上記第1軸線方向に位置する巻線を、第1保持位置で保持する第1巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第1巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第1巻線保持部材と、
    上記第1スロット挿入部より上記第2軸線方向に位置する巻線を、第2保持位置で保持する第2巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第2巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第2巻線保持部材と、
    上記巻線のうち上記第2スロット内に挿入された第2スロット挿入部より上記第2軸線方向に位置する巻線を、第3保持位置で保持する第3巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第3巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第3巻線保持部材と、
    上記第2スロット挿入部より上記第1軸線方向に位置する巻線を、第4保持位置で保持する第4巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第4巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第4巻線保持部材と、を備え、
    上記第1巻線保持部材が上記第1保持位置から離間している期間を第1期間とし、
    上記第2巻線保持部材が上記第2保持位置から離間している期間を第2期間とし、
    上記第3巻線保持部材が上記第3保持位置から離間している期間を第3期間とし、
    上記第4巻線保持部材が上記第4保持位置から離間している期間を第4期間としたとき、
    上記第1期間における、上記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、
    上記第2期間における、上記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、
    上記第3期間における、上記第2スロット挿入部の上記第2スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、
    上記第4期間における、上記第2スロット挿入部の上記第2スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、
    のうち少なくともいずれかの規制をする規制手段と、を有する
    ステータ鉄心の巻線装置。
  2. 請求項1に記載のステータ鉄心の巻線装置であって、
    前記規制手段は、
    少なくとも前記第1期間及び前記第2期間において、前記第1スロット挿入部の前記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制し、
    少なくとも前記第3期間及び前記第4期間において、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制するように構成されてなる
    ステータ鉄心の巻線装置。
  3. 請求項2に記載のステータ鉄心の巻線装置であって、
    前記規制手段は、
    前記第1期間の開始時から前記第2期間の終了時までの間、継続して、前記第1スロット挿入部の前記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制し、
    前記第3期間の開始時から前記第4期間の終了時までの間、継続して、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する
    ステータ鉄心の巻線装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のステータ鉄心の巻線装置であって、
    前記規制手段は、
    少なくとも前記第1期間において、前記巻線吐出装置より前記第2軸線方向の位置で、上記巻線吐出装置と同期して前記第2軸線方向に移動しつつ、前記第1スロット挿入部の前記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第1規制部と、
    少なくとも前記第2期間において、上記巻線吐出装置より前記第1軸線方向の位置で、上記巻線吐出装置と同期して上記第2軸線方向に移動しつつ、上記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第2規制部と、
    少なくとも前記第3期間において、上記巻線吐出装置より上記第1軸線方向の位置で、上記巻線吐出装置と同期して上記第1軸線方向に移動しつつ、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第3規制部と、
    少なくとも前記第4期間において、上記巻線吐出装置より上記第2軸線方向の位置で、上記巻線吐出装置と同期して上記第1軸線方向に移動しつつ、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第4規制部と、
    のうち少なくともいずれかを有してなる
    ステータ鉄心の巻線装置。
  5. 請求項4に記載のステータ鉄心の巻線装置であって、
    前記第1規制部は、前記第1スロット内に自身の少なくとも一部が挿入されて、前記第1スロット挿入部を前記ステータ鉄心の径外方向に押圧可能とされてなり、
    前記第2規制部は、前記第1スロット内に自身の少なくとも一部が挿入されて、前記第1スロット挿入部を前記ステータ鉄心の径外方向に押圧可能とされてなり、
    前記第3規制部は、前記第2スロット内に自身の少なくとも一部が挿入されて、前記第2スロット挿入部を前記ステータ鉄心の径外方向に押圧可能とされてなり、
    前記第4規制部は、前記第2スロット内に自身の少なくとも一部が挿入されて、前記第2スロット挿入部を前記ステータ鉄心の径外方向に押圧可能とされてなる
    ステータ鉄心の巻線装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載のステータ鉄心の巻線装置であって、
    前記第1規制部は、
    前記ステータ鉄心の軸線方向及び径方向に直交する第1回転軸部材と、
    この第1回転軸部材の周りに回転自在に保持された円板状の第1ローラであって、前記第1スロット挿入部の前記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第1ローラと、を有し、
    前記第2規制部は、
    上記ステータ鉄心の軸線方向及び径方向に直交する第2回転軸部材と、
    この第2回転軸部材の周りに回転自在に保持された円板状の第2ローラであって、上記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第2ローラと、を有し、
    前記第3規制部は、
    上記ステータ鉄心の軸線方向及び径方向に直交する第3回転軸部材と、
    この第3回転軸部材の周りに回転自在に保持された円板状の第3ローラであって、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第3ローラと、を有し、
    前記第4規制部は、
    上記ステータ鉄心の軸線方向及び径方向に直交する第4回転軸部材と、
    この第4回転軸部材の周りに回転自在に保持された円板状の第4ローラであって、上記第2スロット挿入部の上記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する第4ローラと、を有してなる
    ステータの製造装置。
  7. 請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載のステータ鉄心の巻線装置であって、
    前記規制手段は、
    前記巻線吐出装置より前記第2軸線方向に位置し、上記巻線吐出装置との間に軸線方向にわたる間隙を空けて上記巻線吐出装置に連結された、前記第1規制部及び前記第4規制部を兼ねる第1兼用規制部と、
    上記巻線吐出装置より前記第1軸線方向に位置し、上記巻線吐出装置との間に軸線方向にわたる間隙を空けて上記巻線吐出装置に連結された、前記第2規制部及び前記第3規制部を兼ねる第2兼用規制部と、
    のうち少なくともいずれかを有してなる
    ステータ鉄心の巻線装置。
  8. 請求項7に記載のステータ鉄心の巻線装置であって、
    前記規制手段は、前記第1兼用規制部及び前記第2兼用規制部を有してなる
    ステータ鉄心の巻線装置。
  9. 請求項8に記載のステータ鉄心の巻線装置であって、
    前記第1巻線保持部材は、
    前記第1兼用規制部が前記ステータ鉄心の前記表面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、前記第1スロット挿入部のはみ出しを規制した後、前記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第1保持位置から移動して、当該第1巻線保持部材に接近する上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避し、
    上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の上記表面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入した後、上記第1兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から前記裏面側に抜け出る前に、前記第2兼用規制部と接触しないタイミングで、上記第1保持位置に復帰して前記巻線を保持し、
    前記第2巻線保持部材は、
    上記第2兼用規制部が上記ステータ鉄心の上記表面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、上記第1スロット挿入部のはみ出しを規制した後、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第2保持位置から移動して、当該第2巻線保持部材に接近する上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避し、
    上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の筒内から上記裏面側に抜け出た後、上記第2兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から上記裏面側に抜け出る前に、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで、上記第2保持位置に復帰して上記巻線を保持し、
    前記第3巻線保持部材は、
    上記第2兼用規制部が上記ステータ鉄心の上記裏面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、前記第2スロット挿入部のはみ出しを規制した後、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第3保持位置から移動して、当該第3巻線保持部材に接近する上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避し、
    上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の上記裏面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入した後、上記第2兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から上記表面側に抜け出る前に、上記第1兼用規制部と接触しないタイミングで、上記第3保持位置に復帰して前記巻線を保持し、
    前記第4巻線保持部材は、
    前記第1兼用規制部が上記ステータ鉄心の上記裏面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、上記第1スロット挿入部のはみ出しを規制した後、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第4保持位置から移動して、当該第4巻線保持部材に接近する上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避し、
    上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の筒内から上記表面側に抜け出た後、上記第1兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から上記表面側に抜け出る前に、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで、上記第4保持位置に復帰して上記巻線を保持するように構成されてなる
    ステータ鉄心の巻線装置。
  10. 表面とこれに平行な裏面とを有する筒状で内歯形状のステータ鉄心について、互いに隣接する上記内歯で構成され、上記ステータ鉄心の内周面に開口するスロットのうち、第1スロット内及び第2スロット内に、1本または複数本の素線からなる巻線を挿入し、上記第1スロットと第2スロットとの間に上記巻線を渡らせてコイルを形成するステータの製造方法であって、
    上記ステータ鉄心の軸線方向のうち、上記裏面から上記表面に向かう方向を第1軸線方向とし、この逆を第2軸線方向としたとき、
    上記巻線を吐出する巻線吐出装置であって、上記第1スロットに対向して上記第2軸線方向に移動しつつ上記第1スロット内に上記巻線を挿入するのと、上記第2スロットに対向して上記第1軸線方向に移動しつつ上記第2スロット内に上記巻線を挿入するのとを交互に繰り返す巻線吐出装置と、
    上記巻線のうち上記第1スロット内に挿入された第1スロット挿入部より上記第1軸線方向に位置する巻線をたぐり、これを第1保持位置で保持する第1巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第1巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第1巻線保持部材と、
    上記第1スロット挿入部より上記第2軸線方向に位置する巻線をたぐり、これを第2保持位置で保持する第2巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第2巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第2巻線保持部材と、
    上記巻線のうち上記第2スロット内に挿入された第2スロット挿入部より上記第2軸線方向に位置する巻線をたぐり、これを第3保持位置で保持する第3巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第3巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第3巻線保持部材と、
    上記第2スロット挿入部より上記第1軸線方向に位置する巻線をたぐり、これを第4保持位置で保持する第4巻線保持部材であって、上記巻線吐出装置が当該第4巻線保持部材に接近するときには、保持している巻線を離し、上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避する第4巻線保持部材と、
    を用いて上記コイルを形成するコイル形成工程を備え、
    上記第1巻線保持部材が上記第1保持位置から離間している期間を第1期間とし、
    上記第2巻線保持部材が上記第2保持位置から離間している期間を第2期間とし、
    上記第3巻線保持部材が上記第3保持位置から離間している期間を第3期間とし、
    上記第4巻線保持部材が上記第4保持位置から離間している期間を第4期間としたとき、
    上記コイル形成工程では、
    上記第1期間における、上記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、
    上記第2期間における、上記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、
    上記第3期間における、上記第2スロット挿入部の上記第2スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、
    上記第4期間における、上記第2スロット挿入部の上記第2スロットから径方向内側へのはみ出しの規制と、
    のうち少なくともいずれかの規制をする
    ステータの製造方法。
  11. 請求項10に記載のステータの製造方法であって、
    前記コイル形成工程では、
    少なくとも前記第1期間及び前記第2期間において、前記第1スロット挿入部の前記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制し、
    少なくとも前記第3期間及び前記第4期間において、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する
    ステータの製造方法。
  12. 請求項11に記載のステータの製造方法であって、
    前記コイル形成工程では、
    前記第1期間の開始時から前記第2期間の終了時までの間、継続して、前記第1スロット挿入部の前記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制し、
    前記第3期間の開始時から前記第4期間の終了時までの間、継続して、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制する
    ステータの製造方法。
  13. 請求項10〜請求項12のいずれか一項に記載のステータの製造方法であって、
    前記コイル形成工程では、
    第1規制部を用い、これを少なくとも前記第1期間において、前記巻線吐出装置より前記第2軸線方向の位置で上記巻線吐出装置と同期させて前記第2軸線方向に移動させて、前記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制するのと、
    第2規制部を用い、これを少なくとも前記第2期間において、前記巻線吐出装置より前記第1軸線方向の位置で上記巻線吐出装置と同期させて前記第2軸線方向に移動させて、前記第1スロット挿入部の上記第1スロットから径方向内側へのはみ出しを規制するのと、
    第3規制部を用い、これを少なくとも前記第3期間において、前記巻線吐出装置より前記第1軸線方向の位置で上記巻線吐出装置と同期させて上記第1軸線方向に移動させて、前記第2スロット挿入部の前記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制するのと、
    第4規制部を用い、これを少なくとも前記第4期間において、前記巻線吐出装置より上記第2軸線方向の位置で上記巻線吐出装置と同期させて上記第1軸線方向に移動させて、上記第2スロット挿入部の上記第2スロットから径方向内側へのはみ出しを規制するのと、
    のうち少なくともいずれかの規制をする
    ステータの製造方法。
  14. 請求項13に記載のステータの製造方法であって、
    前記第1規制部を用いた規制は、上記第1規制部の少なくとも一部を前記第1スロット内に挿入させて、前記第1スロット挿入部を前記ステータ鉄心の径外方向に押圧する押圧規制であり、
    前記第2規制部を用いた規制は、上記第2規制部の少なくとも一部を上記第1スロット内に挿入させて、上記第1スロット挿入部を上記ステータ鉄心の径外方向に押圧する押圧規制であり、
    前記第3規制部を用いた規制は、上記第3規制部の少なくとも一部を前記第2スロット内に挿入させて、前記第2スロット挿入部を上記ステータ鉄心の径外方向に押圧する押圧規制であり、
    前記第4規制部を用いた規制は、上記第4規制部の少なくとも一部を上記第2スロット内に挿入させて、上記第2スロット挿入部を上記ステータ鉄心の径外方向に押圧する押圧規制である
    ステータの製造方法。
  15. 請求項13または請求項14に記載のステータの製造方法であって、
    前記コイル形成工程では、
    前記巻線吐出装置より前記第2軸線方向に位置し、上記巻線吐出装置との間に軸線方向にわたる間隙を空けて上記巻線吐出装置に連結された、前記第1規制部及び前記第4規制部を兼ねる第1兼用規制部を用いての、前記第1規制部を用いた規制及び前記第4規制部を用いた規制と、
    上記巻線吐出装置より前記第1軸線方向に位置し、上記巻線吐出装置との間に軸線方向にわたる間隙を空けて上記巻線吐出装置に連結された、前記第2規制部及び前記第3規制部を兼ねる第2兼用規制部を用いての、前記第2規制部を用いた規制及び前記第3規制部を用いた規制と、
    のうち少なくともいずれかの規制を行う
    ステータの製造方法。
  16. 請求項15に記載のステータの製造方法であって、
    前記コイル形成工程では、
    前記第1兼用規制部を用いて、前記第1規制部を用いた規制及び前記第4規制部を用いた規制を行い、
    前記第2兼用規制部を用いて、前記第2規制部を用いた規制及び前記第3規制部を用いた規制を行う
    ステータの製造方法。
  17. 請求項16に記載のステータの製造方法であって、
    前記コイル形成工程では、
    前記第1兼用規制部が前記ステータ鉄心の前記表面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、前記第1スロット挿入部のはみ出しを規制した後、前記第1巻線保持部材を、前記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第1保持位置から移動させて、当該第1巻線保持部材に接近する前記巻線吐出装置と接触しない位置に退避させ、
    上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の上記表面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入した後、上記第1兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から前記裏面側に抜け出る前に、上記第1巻線保持部材を、前記第2兼用規制部と接触しないタイミングで、上記第1保持位置に復帰させて前記巻線を保持させ、
    上記第2兼用規制部が前記ステータ鉄心の上記表面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、前記第1スロット挿入部のはみ出しを規制した後、前記第2巻線保持部材を、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第2保持位置から移動させて、当該第2巻線保持部材に接近する上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避させ、
    上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の筒内から上記裏面側に抜け出た後、上記第2兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から上記裏面側に抜け出る前に、上記第2巻線保持部材を、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで、上記第2保持位置に復帰させて上記巻線を保持させ、
    上記第2兼用規制部が上記ステータ鉄心の上記裏面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、前記第2スロット挿入部のはみ出しを規制した後、前記第3巻線保持部材を、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第3保持位置から移動させて、当該第3巻線保持部材に接近する上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避させ、
    上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の上記裏面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入した後、上記第2兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から上記表面側に抜け出る前に、上記第3巻線保持部材を、上記第1兼用規制部と接触しないタイミングで、上記第3保持位置に復帰させて上記巻線を保持させ、
    上記第1兼用規制部が上記ステータ鉄心の上記裏面側から上記ステータ鉄心の筒内に進入して、上記第2スロット挿入部のはみ出しを規制した後、前記第4巻線保持部材を、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで前記第4保持位置から移動させて、当該第4巻線保持部材に接近する上記巻線吐出装置と接触しない位置に退避させ、
    上記巻線吐出装置が上記ステータ鉄心の筒内から上記表面側に抜け出た後、上記第1兼用規制部が上記ステータ鉄心の筒内から上記表面側に抜け出る前に、上記第4巻線保持部材を、上記巻線吐出装置と接触しないタイミングで、上記第4保持位置に復帰させて上記巻線を保持させる
    ステータの製造方法。
JP2004131999A 2004-04-27 2004-04-27 ステータ鉄心の巻線装置、及びステータの製造方法 Pending JP2005318694A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004131999A JP2005318694A (ja) 2004-04-27 2004-04-27 ステータ鉄心の巻線装置、及びステータの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004131999A JP2005318694A (ja) 2004-04-27 2004-04-27 ステータ鉄心の巻線装置、及びステータの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005318694A true JP2005318694A (ja) 2005-11-10

Family

ID=35445525

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004131999A Pending JP2005318694A (ja) 2004-04-27 2004-04-27 ステータ鉄心の巻線装置、及びステータの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005318694A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009268219A (ja) * 2008-04-24 2009-11-12 Denso Corp 回転電機の固定子およびその製造方法
JP2012257422A (ja) * 2011-06-10 2012-12-27 Honda Motor Co Ltd ステータ製造用治具及び製造方法
CN103441627A (zh) * 2013-08-20 2013-12-11 江苏经纬轨道交通设备有限公司 一种定子钳线翻转装置
JP2019024278A (ja) * 2017-07-24 2019-02-14 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 ステータの組立方法およびステータの組立装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009268219A (ja) * 2008-04-24 2009-11-12 Denso Corp 回転電機の固定子およびその製造方法
JP4502041B2 (ja) * 2008-04-24 2010-07-14 株式会社デンソー 回転電機の固定子およびその製造方法
JP2012257422A (ja) * 2011-06-10 2012-12-27 Honda Motor Co Ltd ステータ製造用治具及び製造方法
CN103441627A (zh) * 2013-08-20 2013-12-11 江苏经纬轨道交通设备有限公司 一种定子钳线翻转装置
JP2019024278A (ja) * 2017-07-24 2019-02-14 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 ステータの組立方法およびステータの組立装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20040098856A1 (en) Motor production method and coil insertion apparatus
US7311284B2 (en) Coil forming method and coil forming device
US20140201979A1 (en) Manufacturing device and manufacturing method for stator of rotating electrical machine
US20140215806A1 (en) Stator manufacturing method and stator manufacturing apparatus
US7275299B2 (en) Motor manufacturing process
US20180040421A1 (en) Winding method
EP1526630B1 (en) Motor manufacturing method
JP2002142417A (ja) 巻線機および巻線方法
JP2017046373A (ja) コイルのスロットへの挿入方法、及びコイル挿入装置
JP2005318694A (ja) ステータ鉄心の巻線装置、及びステータの製造方法
JP2005237167A (ja) ステータ鉄心の巻線装置
JP4134887B2 (ja) ステータの製造装置、ステータの製造方法
JP6202961B2 (ja) ステータ及びその製造方法
JP2005318695A (ja) ステータ鉄心の巻線装置、及びステータの製造方法
JP3850187B2 (ja) コイル巻線方法
JP2008312349A (ja) 多角形コイルへの予備成形法及び予備成形した多角形コイルを用いた蛇行部を有する環状巻線コイルの成形方法
JP2008125354A (ja) ステータの製造方法、ステータ鉄心の巻線装置、およびその使用方法
US6565032B1 (en) Winding method and apparatus of armature
JP3554673B2 (ja) 電気子の巻線方法および装置
JP2003333809A (ja) ステータコアの巻線方法及びその装置
JP4996359B2 (ja) 予備成形された多角形環状巻線を用いた蛇行環状巻線コイル成形手法
JP2009240018A (ja) 環状蛇行巻線の製造方法および環状蛇行巻線の成形機
JP2004274878A (ja) ステータコアへの巻線方法及び同方法によって巻線されたコイル付きステータコア
JP3916896B2 (ja) 直流電動機の電機子
JP4120508B2 (ja) ステータ鉄心の巻線装置、ステータの製造方法