JP2005318501A - 圧電部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 薄型・小型で気密信頼性に優れた空洞構造を有する圧電部品を提供する。
【解決手段】 一対の振動電極2が被着されている圧電基板1の上下両面に、振動電極2を囲繞する一対の封止材4を介して一対の封止基板3を接着させるとともに、封止基板3及び圧電基板1の側面に、振動電極2から圧電基板1の外周に向けて延出した引出部8と電気的に接続する外部電極7を被着させてなる圧電部品において、一対の封止材4は、その接着幅が圧電基板1側から各封止基板3側に向かって漸次広く形成されており、且つ封止基板3に対する接着部の内周が圧電基板1に対する接着部の内周よりも内側に位置させてある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばチップ型圧電共振子等の圧電部品に関するものである。
従来、空洞構造を有するチップ型圧電共振子等の圧電部品としては、例えば図5(a)、(b)に示す構造のものが知られている(特許文献1参照)。
図5(a)は、上下面の中央部に振動電極22を有する圧電基板21の上下面に、圧電基板21の振動電極22と対向する位置に振動空間形成用の凹部25を有する封止基板23を封止材24で接合することにより、圧電基板21および封止基板23間に密閉した振動空間を形成して成るチップ型圧電共振部品の断面図である。
この構造の製品は、振動空間の面積および高さが封止基板23の凹部25の面積および深さによりあらかじめ決定されており、また、封止材の厚みを薄くすることができるので、振動電極22と封止材24や封止基板23との距離を保つことができ振動電極22の振動がダンピングされることはなく、その結果、信頼性に優れるという特徴を有する。
また、図5(b)は、上下面の中央部に振動電極22を有する圧電基板21の上下面に、振動電極22を取り囲む封止材24で平板状の封止基板23を、圧電基板21と封止基板23と封止材24とで密閉した振動空間を形成するように接合して成るチップ型圧電共振部品の断面図である。
この構造の製品は、圧電基板21上面に未硬化の封止材24を振動電極22を取り囲んで塗布し、その後その上に封止基板23を載置し、しかる後に封止材24を硬化させることにより製作される。この構造の製品は、振動空間の高さを封止材24の厚みとすることができるので低背化が可能であり、また、封止基板23の中央部に凹部を形成する必要もないので工数を低減できるという特徴を有する。
なお、これらの圧電部品は搭載される電子機器の小型化にともない、縦・横の長さが1mm〜3mm程度となっており、封止材24の接着幅が数10μm〜数100μmと狭いものとなってきている。また、封止基板23に容量電極を形成し部品を高機能化させるために、封止基板23にはチタン酸バリウム(BaTiO)等の高誘電率セラミックスが用いられる。さらに、圧電部品に強度をもたせる場合には、酸化アルミニウム(Al)等のセラミックスが用いられる。
特開平3−167913号公報
しかしながら、図5(a)に示す従来の圧電部品においては、封止基板23にあらかじめ凹部25を形成しておく必要がある。このため、例えば、平板状の第一の封止基板に枠状の第二の封止基板を積層接着することにより封止基板23の中央部に凹部25を形成する、あるいは厚めの封止基板23の中央部を機械的に研削して、または化学的に除去して凹部25を形成する等の煩雑な工程が必要になるという課題を有していた。また、凹部25の深さ分だけチップ型圧電共振部品の厚みが厚いものとなってしまい、昨今の電子部品の軽薄短小化の要求に十分応えることができないという課題も有していた。
また、図5(b)に示す従来の圧電部品においては、振動空間の高さを封止材24の厚みとすることができることから低背化に供することが可能であるものの、封止材の接着幅が数10μm〜数100μmと狭いものとなってきており、例えば、製造工程中で圧電部品同士が衝突した際に、封止基板が圧電部品の外側に位置することからその外周部にチッピングやクラックが発生し、封止材の接着幅によっては振動空間の気密封止が破れ、振動電極が外気に晒されることによって酸化・腐食されてしまい、信頼性の低下を招く欠点を有していた。なお、封止材の接着幅をチッピングやクラックが発生した場合においても気密封止が破れない幅とした場合には、部品の面積が大きくなってしまうという課題を、封止材を振動電極との間隔を狭くして配置した場合には、封止材が振動電極上に広がり振動電極の振動をダンピングしてしまうという課題をそれぞれ有していた。
本発明は上記課題に鑑み案出されたもので、その目的は、薄型・小型で気密信頼性に優れた空洞構造を有する圧電部品を提供することにある。
本発明の圧電部品は、一対の振動電極が被着されている圧電基板の上下両面に、前記振動電極を囲繞する一対の封止材を介して一対の封止基板を接着させるとともに、該封止基板及び前記圧電基板の側面に、前記振動電極から前記圧電基板の外周に向けて延出した引き出し電極と電気的に接続する外部電極を被着させてなる圧電部品において、前記一対の封止材は、その接着幅が圧電基板側から各封止基板側に向かって漸次広く形成されており、且つ前記封止基板に対する接着部の内周が前記圧電基板に対する接着部の内周よりも内側に位置させてあることを特徴とするものである。
また本発明の圧電部品は、前記一対の封止材が同一材料から成ることを特徴とするものである。
更に本発明の圧電部品は、前記圧電基板と前記封止基板との間で、前記封止材の内壁よりも外側に形成させた接続導体層を介して前記引き出し電極と前記外部電極とを電気的に接続したことを特徴とするものである。
また更に本発明の圧電部品は、前記接続導体層及び前記外部電極が、樹脂及び金属粒子を含む導電性樹脂からなることを特徴とするものである。
更にまた本発明の圧電部品は、前記接続導体層に含まれる金属粒子の粒径が、前記外部電極に含まれる金属粒子の粒径よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の圧電部品。
本発明の圧電部品によれば、圧電基板と封止基板を接着する一対の封止材は、その接着幅が圧電基板側から各封止基板側に向かって漸次広く形成され、且つ封止基板に対する接着部の内周が圧電基板に対する接着部の内周よりも内側に位置させてあるので、封止基板の外周部における封止材の接着面積が広くなり封止基板の外周部にチッピングやクラックが発生した場合においても封止材が振動空間の気密封止を保つことができ、圧電部品の信頼性を高く保つことが可能となる。
然も、封止基板に対する接着部の内周が圧電基板に対する接着部の内周よりも内側に位置させてあることから、封止材を振動電極との間隔を狭くして圧電基板上に配置する必要はなく、封止材が振動電極上に広がり振動電極の振動をダンピングしてしまうことを有効に防止することができる。
また本発明の圧電部品によれば、上記構成において一対の封止材が同一材料から成る場合は、封止材を塗布する工程を統一できるので工程の削減となり、製造原価を低減することもできる
更に本発明の圧電部品によれば、封止材の内壁よりも外側に形成させた接続導体層を介して引き出し電極と外部電極とを電気的に接続したことから、振動電極と外部電極との導通性が高められるとともに、気密性を保つことができる。
また更に本発明の圧電部品によれば、接続導体層及び外部電極が、樹脂及び金属粒子を含む導電性樹脂からなることから、接続導体層及び外部電極の接合部付近では、圧電振動による応力が緩和され、その接合力の劣化を抑制することが可能となる。
更にまた本発明の圧電基板によれば、接続導体層に含まれる金属粒子の粒径が、外部電極に含まれる金属粒子の粒径よりも大きいことから、接続導体層の外部電極に対する電気的な接続性が高まるとともに、外部電極へのメッキ等の形成が行われやすくなる。
以下、本発明の圧電部品を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の圧電部品の実施の形態の一例を示す斜視図であり、図2(a)は、図1のA−A’線断面図であり、図2(b)は、図1に示す圧電部品の、上側の封止基板を取り除いた状態での上面図である。
図中の1は圧電基板、2は振動電極、3は封止基板、4は封止材、5は引き出し電極、7は外部電極である。
圧電基板1は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛(PT)等の圧電セラミック材料や、水晶(SiO)やニオブ酸リチウム(LiNbO)等の圧電単結晶材料から成る、縦・横の長さが数mm×数mm、厚みが数10μm〜数mmの四角形状の基板である。なお、圧電基板1がセラミック材料から成る場合は、基板形成後に基板に分極処理を施すことにより所望の圧電特性が付与される。また、圧電基板1が圧電単結晶材料から成る場合は、圧電基板1となる圧電単結晶材料のインゴット(母材)を所定の結晶方向となるように切断することにより、所望の圧電特性を有する圧電基板1を得ることができる。
圧電基板1の上下面の中央部には、一対の振動電極2a,2bが形成されている。一対の振動電極2a,2bは、圧電基板1と一体となって圧電共振子や圧電振動子,圧電フィルタ等の素子を形成するものであり、圧電基板1の上下面中央部に金や銀,銅,アルミニウム等の良導電性の金属を真空蒸着法やスパッタリング法を用いて被着することにより形成される。なお、圧電基板1にセラミック材料と密着性のよいクロム(Cr)等の金属をあらかじめ被着させておき、その上に上記金属を被着させてもよい。
振動電極2は、その形状が縦・横方向の長さが数10μm〜数mmの円形状,四角形状等であり、共振特性やその他所望の電気特性によってその大きさや位置が決められる。また、振動電極2は、その厚みが数μm〜数10μmであり、共振周波数等により決められる。さらに振動電極2は、圧電基板1の上面または下面に複数の電極が形成された、すなわち分割電極であってもよい。なお、製品によっては、振動電極2周辺に容量電極(図示せず)が配置される場合もある。
そして、一対の振動電極2が被着されている圧電基板1の上下両面に、振動電極2を囲繞する一対の封止材4a,4bを介して一対の封止基板3a,3bが接着されている。封止基板3は、これと圧電基板1と封止材4とで振動電極2を気密に封止するとともに振動空間を形成する機能を有する。また、検査工程等で圧電部品同士が接触したりする際に加わる外力から振動電極2や圧電基板1を保護する機能を有する。このような封止基板3の材料としては、酸化アルミニウムや酸化珪素,チタン酸バリウムなどのセラミック材料,ガラス等の無機材料、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のエンジニアリングプラスチック、液晶ポリマーやエポキシ系樹脂等の耐熱性樹脂が用いられる。なお、圧電部品に要求される特性によっては、封止基板3の材料として鉄−ニッケル合金等の金属を用いてもよい。また、封止基板3は、その縦・横の長さは圧電基板1の縦・横の長さと略同一であり、厚みは材料により異なるが数十μm〜数mmである。
なお、圧電基板1の上面側の封止基板3aと下面側の封止基板3bの材料とを異ならせて用いることも可能であり、例えば、封止基板3aにチタン酸バリウムから成る基板を用いるとともに容量電極を形成し、封止基板3bに弾力性のある樹脂から成る基板を用いることにより、容量内蔵型でかつ耐衝撃性の圧電部品とすることができる。
また、封止材4は、圧電基板1と封止基板3とを接着するとともにこれらと振動電極2を気密封止する振動空間を形成する機能を有する。封止材4には、通常はエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。エポキシ系樹脂は緻密な3次元網目構造を有していることから気密性に優れており、振動空間を長期にわたって気密に密閉することができる。なお、封止材4の粘度や熱膨張係数を調節するために、封止材4は酸化珪素等のセラミックスから成るフィラーを含有してもよい。フィラーの粒子径は、0.1μm〜15μmであり、好適には1μm〜10μmである。粒子径が0.1μm未満となるフィラーが凝集しやすくなり良好に分散させることが困難となる傾向があり、15μmを超えるとフィラーが封止材4中で沈降しやすくなり、やはり良好に分散させることが困難となる傾向がある。また、紫外線によって硬化するタイプの接着性樹脂を用いてもよい。
そして、一対の封止材4は、その接着幅が圧電基板1側から各封止基板3側に向かって漸次広く形成されており、且つ封止基板3に対する接着部の内周が圧電基板1に対する接着部の内周よりも内側に位置させてある。
このように、圧電基板1と封止基板3を接着する一対の封止材4の接着幅を圧電基板1側から各封止基板3側に向かって漸次広く形成するとともに、封止基板3に対する接着部の内周を圧電基板1に対する接着部の内周よりも内側に位置させておくことにより、封止基板3の外周部の封止材4の接着面積を広く確保することができ、封止基板4の外周部にチッピングやクラックが発生した場合においても封止材4が振動空間の気密封止を保つことができる。これにより、振動電極2の酸化・腐食を有効に防止することができるようになり、圧電部品の信頼性を向上させることが可能となる。
また、封止基板3に対する接着部の内周を圧電基板1に対する接着部の内周よりも内側に位置させたことにより、封止材4を振動電極2との間隔を狭くして圧電基板1上に配置する必要はなくなり、その結果、封止材4が振動電極2上に広がって振動電極2の振動をダンピングするといった不都合も有効に防止されるようになる。
なお、封止材4の高さは、例えば5μm〜100μmに設定され、振動電極2と封止基板3との間隔が20μm〜60μmとなるような高さに設定することが好ましい。ここで振動電極2と封止基板3との間隔が20μm未満となると、圧電部品に不要な外力が加わった際に封止基板3が撓んで封止基板3と振動電極2とが接触して、振動電極2の振動をダンピングする危険性があり、60μmを超えると圧電部品の厚みが不要に厚いものとなってしまい、薄型化することが困難となる傾向がある。従って、封止材4の高さを、振動電極2と封止基板3との間隔が20μm〜60μmとなるような高さに設定しておくことが好ましい。
また、封止材4の幅は、例えば、封止材4の高さの5〜25倍に相当する寸法に設定される。封止材4の幅をその高さの5倍以上とすることにより振動空間の気密信頼性がより高まる傾向があり、25倍以下とすることにより封止材4の幅が不要に厚いものとなることを防止して圧電部品を小型化することが可能となる。従って、封止材4の幅を、封止材4の高さの5〜25倍に相当する寸法に設定しておくことが好ましい。
なお、一対の封止材4が同一材料から成る場合は、封止材4を塗布する工程を統一できるので工数の削減となり、製造原価を低減することができるので、一対の封止材4を同一材料とすることが好ましい。
封止基板及び前記圧電基板の側面に被着される外部電極7は、振動電極2から圧電基板1の外周に向けて延出して形成された引き出し電極5a,5bと電気的に接続し、圧電部品を外部の電気回路と接続する機能を有する。
また本実施の形態においては、圧電基板1と封止基板3との間で、接続導体層6を介して引き出し電極5と外部電極7とを電気的に接続しているので、接続導体層6の追加形成によって、振動電極2と外部電極7との導通性が高められる。そしてこのような構造であっても、接続導体層6の形成位置を、封止材4の内壁よりも外側に形成させたことにより、振動空間の気密性は保たれたものとなっている。
尚、接続導体層6及び外部電極7は、樹脂及び金属粒子を含む導電性樹脂を用いており、接続導体層6及び外部電極7の接合部付近での圧電振動による応力を緩和し、その接合力の劣化が抑制されたものとなっている。具体的な材料としては、エポキシ系、ポリイミド系、シリコン系の樹脂にAg等の導電性に優れる金属フィラーを80〜90重量部含有させたものが用いられる。
この場合、接続導体層6と外部電極7は、同一材料を用いても構わないが、接続導体層6に含まれる金属粒子の粒径は、外部電極7に含まれる金属粒子の粒径よりも大きくしておくことが望ましい。このような構成にしておくことで、接続導体層6の外部電極7に対する電気的な接続性が高まるとともに、外部電極へのメッキ等の形成が行われやすくなる。
以上のような圧電部品は、例えば、以下に述べる方法により製作される。
図3(a)〜(e)は、本発明の圧電部品の製造方法を説明するための工程毎の圧電部品の断面図である。
まず、図3(a)に示すように、上下両面の中央域に振動電極2を有する圧電基板1を準備する。圧電基板1は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛(PT)等の圧電セラミック材料や、水晶(SiO)やニオブ酸リチウム(LiNbO)等の圧電単結晶材料から成る。圧電基板1が、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる場合は、酸化チタン(TiO),酸化ジルコニウム(ZrO),酸化鉛(Pb)の主原料に酸化マンガン(MnO)や酸化ニオブ(Nb)等の副原料を加えた粉末を、水,分散剤とともにボールミルを用いて混合した後乾燥して一次原料を得、しかる後この一次原料に適当なバインダ,溶剤,可塑剤等を加えた泥漿をドクターブレード法により成型して圧電材料から成るシートを得る。次にこのシートに打ち抜き加工を施し所望の大きさとし、1100〜1400℃のピーク温度で数10分〜数時間焼成することにより圧電基板1が得られる。なお、一次原料を焼成温度以下の温度で仮焼きして二次原料とし、しかる後この二次原料をシート成型してもよい。
次に、圧電基板1の上下の略全面に真空蒸着法を用いて、例えば振動電極2が銀からなる場合であれば、厚みが0.1μm〜数μmの銀の蒸着膜を被着する。さらに上下面の蒸着膜間に80℃程度の温度下で3〜5kV/mmの直流電圧を数分〜数10分印加し圧電基板1を分極する。しかる後、上下の蒸着膜上に振動電極2および引き出し電極5の形状にレジストインクを例えばスクリーン印刷法を用いて印刷する。その後、露出した蒸着膜をエッチングして除去し、さらに溶剤でレジストインクを除去することにより、圧電基板1上下面に、振動電極2とこの端部と電気的に接続するとともに圧電基板1の外周にむかって形成された引き出し電極5とが同時に形成される。
次に図3(b)に断面図で示すように、上下両面に振動電極2を取り囲むようにして未硬化の樹脂を塗布し、これを硬化させることによって圧電基板1の上面に第一の封止材4aを、下面に第二の封止材4bを形成する。なお、第一の封止材4aおよび第二の封止材4bの塗布・硬化はどちらを先に行なってもよい。
このような封止材4a,4bは、例えばエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂からなり、圧電基板1と封止基板3a,3bとの間隔、すなわち振動空間の高さを調整する機能を有する。なお、封止材4a,4bは、通常は硬化後の高さが5μm〜100μmとなるように、好ましくは振動電極2と封止基板3との間隔が20μm〜60μmとなるように塗布される。また、第一の封止材4aおよび第二の封止材4bの幅は、通常これらの高さの5〜25倍程度に設定されている。なお、ここで第一の封止材4aおよび第二の封止材4bの幅とは、圧電部品の振動電極2を含む縦断面(図3(d)の断面)をみたときに、第一の封止材4a(または第二の封止材4b)の圧電基板1との振動電極2側の接着端部から反対側の接着端部までの長さをいう。
このような第一の封止材4aおよび第二の封止材4bは、例えばエポキシ系樹脂を従来周知のスクリーン印刷法を用いて圧電基板1の上下面に振動電極2を取り囲んで枠状に印刷・塗布し、しかる後室温であるいは加熱して乾燥することにより形成される。なお、エポキシ系樹脂は、その粘度が50〜300Pa・s、好ましくは90〜180Pa・sであり、90〜180Pa・sの範囲とすることにより滲みがなく印刷性を良好とすることができる。また、第一の封止材4aおよび第二の封止材4bは、スクリーン印刷に用いる製版の厚みを適宜選択することにより所望の高さとすることができ、スクリーンの開口部の幅を適宜調節することにより所望の幅とすることができる。なお、前述したように、第一の封止材4aおよび第二の封止材4bは酸化珪素等のフィラーを含有してもよい。また、後述する第三の封止材4cまたは第四の封止材4dとの接着性を向上させるために、硬化した第一の封止材4aおよび第二の封止材4bの表面を粗化してもよい。
また封止材4a,4bには、引き出し電極5が露出するように窓部が設けられており、この窓部にエポキシ系の樹脂にAg等の金属粒子を含む導電性樹脂6を充填形成する。形成された導電性樹脂6は、封止材4a,4bとほぼ同じ高さに設定する。
次に、図3(c)に断面図で示すように、下面に未硬化の樹脂4cが塗布されている第一の封止基板3aと上面に未硬化の樹脂4dが塗布されている第二の封止基板3bを準備する。第一の封止基板3aおよび第二の封止基板3bは、これらと圧電基板1と封止材4とで振動電極2a,2bを気密に封止するとともに振動空間を形成する機能を有する。また、検査工程等で圧電部品同士が接触したりする際に加わる外力から振動電極2や圧電基板1を保護する機能を有する。このような封止基板3a,3bとしては、前述した材料が用いられ、例えば封止基板3がポリブチレンテレフタレート(PBT)等のエンジニアリングプラスチックからなる場合、ポリブチレンテレフタレートのペレットを射出成型機で所定厚みの薄板状に成型し、しかる後所望の寸法に切断することにより製作される。
未硬化の樹脂4c,4dは、例えばエポキシ系樹脂を従来周知のスクリーン印刷法により第一の封止基板3aの下面および第二の封止基板3bの上面で、第一の封止材4a,第二の封止材4bと当接する位置に印刷・塗布される。なお、未硬化の樹脂4c,4dは、第一の封止基板3aおよび第二の封止基板3bに対する接着部の内周および外周が、第一の封止材3aおよび第二の封止材3bの圧電基板1に対する接着部の内周および外周よりもそれぞれ内側および内側に位置するように印刷・塗布されている。
また、未硬化の樹脂4c,4dの高さは、それぞれ第一の封止材4a,第二の封止材4bの高さよりも低く設定することが好ましい。未硬化の樹脂4c,4dの高さが第一の封止材4a,第二の封止材4bの高さよりも高いと、後述するように第一の封止材4a,第二の封止材4bと未硬化の封止材4c,4dが当接するように重ね合わせた際に、未硬化の封止材4c,4dが圧電基板1表面の振動電極2まで広がってしまう危険性がある。なお、第一の封止材4aおよび第二の封止材4bと同様に、第三の封止材4c,第四の封止材4dは酸化珪素等のフィラーを含有してもよい。
次に、図3(d)に断面図で示すように、第一の封止材4aおよび第二の封止材4bの各頂部が第一の封止基板3aの下面および第二の封止基板3bの上面に当接され、かつ各封止基板3a,3b上の未硬化の樹脂4c,4dが第一,第二の封止材4a,4bの全周にわたり接触するようにして重ね合わせる。未硬化の樹脂4c,4dは、第一の封止基板3aおよび第二の封止基板3bに対する接着部の内周および外周が圧電基板1に対する接着部の内周および外周よりもそれぞれ内側および外側に位置するように印刷・塗布されていることから、圧電基板1と封止基板2とを重ね合わせて圧電部品とした際に、封止材4は、その接着幅が圧電基板1側から各封止基板3側に向かって漸次広く形成され、且つ封止基板3に対する接着部の内周が圧電基板1に対する接着部の内周よりも内側に位置するように形成される。
なお未硬化の樹脂4c,4dを第一の封止基板3aの下面全面および第二の封止基板3bの上面全面に印刷・塗布してもよい。未硬化の樹脂4c,4dを第一の封止基板3aの下面全面および第二の封止基板3bの上面全面に印刷・塗布する場合には、振動電極2の形状や面積に係わらずスクリーン印刷時に同一の製版を用いることができるので製造コストを軽減することができるとともに、製版を交換する必要がないので製造時間を短縮することができる。また、重ね合わせた際に圧電基板1と封止基板3との間で多少の位置のずれが生じても封止材と未硬化の樹脂との間に位置のずれは生じなくなる。
また、第一の封止材4a,第二の封止材4bの断面形状を、図2(c),(d)に示すような蒲鉾型あるいは三角形状等の中央域が突出した凸形状としておくと、未硬化の樹脂4c,4dが第一の封止材4a,第二の封止材4bの頂部から下方に向かって滑らかに流動していくので隙間が生じて封止材4に気泡を巻きこむことはなく、その結果、気密性に優れた振動空間を形成することができる。
このような断面形状は、第一の封止基板3a,第二の封止基板3b表面にそれぞれ第一の封止材4a,第二の封止材4bをスクリーン印刷法で印刷・塗布する場合の、スクリーンの材質,乳剤厚,スキージ圧,印刷速度,スキージの角度等を適切に選択することにより、所望の蒲鉾型あるいは三角形状等の中央域が突出した凸形状とすることができる。
次に、図3(d)に示すように、第一,第二の封止基板3a,3bと圧電基板1との間に配されている未硬化の樹脂4c,4dを硬化させることにより、圧電基板1と第一の封止基板3aとの間に第三の封止材4cを第一の封止材4aと一体的に形成するとともに、圧電基板1と第二の封止基板3bとの間に第四の封止材4cを第二の封止材4bと一体的に形成する。
なお、未硬化の樹脂4c,4dの硬化は、未硬化の樹脂4c,4dが熱硬化性のエポキシ系樹脂からなる場合であれば、80〜150℃の温度で数分から数時間加熱することにより行なわれる。
また、これらの封止を真空中で行ない、振動電極2を振動空間内に真空気密してもよい。振動電極2を振動空間内に真空気密した場合、振動電極2の酸化腐食が防止されより信頼性の優れた圧電部品とすることができる。また、圧電部品を回路基板等に実装する際に圧電部品に半田リフロー等の高熱が印加されたとしても、振動空間内に空気等のガスが存在しないのでこのガスが膨張して封止材4の気密封止を破壊することもないので、より気密信頼性の高い圧電部品とすることができる。
そして、図3(e)に示すように、端面に引き出し電極5及び接続導体層6と電気的に接続する外部電極7が形成される。外部電極7は、導電性樹脂ペーストをスクリーン印刷やローラー転写等により塗布し、乾燥・硬化させることにより形成される。また、外部電極7は、樹脂及び金属粒子を含む導電性樹脂などで形成され、所望により、その表面にニッケル,スズなどのメッキが施される。これを配線基板等の配線導体に半田等のろう材を用いて電気的に接続することにより振動電極2が配線基板上の半導体素子等の電極パッドと接続されることとなる。
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良が可能である。
例えば、上述した実施の形態の圧電部品の製造方法においては、1個の圧電部品を製造する方法について説明しているが、このような形態に限らず例えば、上下面に多数の振動電極を縦・横の格子状に配置した30mm角〜100mm角の1枚の母圧電基板およびこの母圧電基板と縦・横の長さが略同一の母封止基板を用い、母圧電基板と母封止基板とを封止材を用いて接着した後に、これらを個片に切断して多数の圧電部品を同時に製造することも可能である。
また、上述した実施の形態の圧電部品においては、外部電極7を一対の対向する2側面に全面形成し、この2側面に隣接する側面に一部を回り込ませるようにしているが、これ以外の形態とすることも可能である。例えば、図4(a)に示すように、一対の対向する他の2側面の両端のみに形成するようにしても良い。このような実施の形態において接続導体層6は、図4(b)に示すように、圧電基板1の隅部のみに形成しておけばよい。
本発明の圧電部品の実施の形態の一例を示す外観斜視図である。 (a)は図1の圧電部品のA−A‘線断面図であり、(b)は図1の圧電部品より上側の封止基板を取り除いた状態を示す上面図である。 (a)〜(e)は本発明の実施の形態に係る圧電部品の製造方法を説明するための工程毎の圧電部品の断面図である。 (a)は本発明の他の実施の形態に係る圧電部品の概観斜視図であり、(b)は(a)の圧電部品より上側の封止基板を取り除いた状態を示す上面図である。 (a)、(b)は、空洞構造を有する従来の圧電部品の断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・圧電基板
2,2a,2b・・・・・・・・振動電極
3,3a,3b・・・・・・・・封止基板
4,4a,4b,4c,4d・・封止材
5,5a,5b・・・・・・・・引き出し電極
6・・・・・・・・・・・・・・接続導体層
7・・・・・・・・・・・・・・外部電極

Claims (5)

  1. 一対の振動電極が被着されている圧電基板の上下両面に、前記振動電極を囲繞する一対の封止材を介して一対の封止基板を接着させるとともに、該封止基板及び前記圧電基板の側面に、前記振動電極から前記圧電基板の外周に向けて延出した引き出し電極と電気的に接続する外部電極を被着させてなる圧電部品において、
    前記一対の封止材は、その接着幅が圧電基板側から各封止基板側に向かって漸次広く形成されており、且つ前記封止基板に対する接着部の内周が前記圧電基板に対する接着部の内周よりも内側に位置させてあることを特徴とする圧電部品。
  2. 前記一対の封止材が同一材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の圧電部品。
  3. 前記圧電基板と前記封止基板との間で、前記封止材の内壁よりも外側に形成させた接続導体層を介して前記引き出し電極と前記外部電極とを電気的に接続したことを特徴とする請求項1に記載の圧電部品。
  4. 前記接続導体層及び前記外部電極が、樹脂及び金属粒子を含む導電性樹脂からなることを特徴とする請求項3に記載の圧電部品。
  5. 前記接続導体層に含まれる金属粒子の粒径が、前記外部電極に含まれる金属粒子の粒径よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の圧電部品。
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