JP4439289B2 - 圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置 - Google Patents

圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置 Download PDF

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本発明は、内部に圧電振動子を収納するための圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置に関するものである。
従来、内部に水晶等の圧電振動子を収容するための圧電振動子収納用パッケージは、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミック材料から成り、その上面中央部に圧電振動子を収納するための四角形状の凹部を有する絶縁基体と、凹部の底面の隅部に形成された、絶縁基体と同様のセラミック材料から成る段差部と、段差部の上面に形成され圧電振動子の電極が接続されるメタライズ層と、絶縁基体の上面の凹部の周囲に凹部を覆うように取着される蓋体とから構成されている。なお、通常、段差部の上面に形成されたメタライズ層から絶縁基体の外側面や下面等の外表面に配線導体が導出されている。
この圧電振動子収納用パッケージの凹部内に圧電振動子を収容するとともに、圧電振動子の電極を段差部の上面のメタライズ層に導電性接着剤等を介して電気的,機械的に接続し、その後、絶縁基体の上面の凹部の周囲に蓋体をろう材やガラス等を介して取着して凹部を塞ぐことにより、凹部内に圧電振動子が気密封止されて圧電装置となる。そして、絶縁基体の外表面に導出された配線導体を外部電気回路に接続することにより圧電振動子が外部電気回路と接続され、圧電振動子から外部電気回路に時間や周波数の基準信号等が出力される。
なお、段差部を形成して、その上面に圧電振動子の電極を接続するためのメタライズ層を形成するのは、圧電振動子と絶縁基体の凹部の底面との間に空間を確保し、圧電振動子の振動を確実にするためである。
近年、この圧電装置は、市場の要求に伴い、圧電振動子用パッケージの薄型化、小型化が進んできており、これに対応するため、圧電振動子を取着するための段差部をより低くする動きがある。
しかしながら、従来のようにセラミック材料から成る段差部の上面にメタライズ層を形成した構造では、段差部を薄くすると寸法精度が悪くなる等のセラミック材料の加工性の問題が生じるため、段差部を薄くすることが難しく、圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置の薄型化が困難であるという問題があった。
また、段差部を形成するセラミック材料は、上面に形成されたメタライズ層を絶縁基体の外表面に導出するための配線導体を段差部内に形成する必要があるため、小型化が困難であり、生産性も良好でないという問題もあった。
このような問題に対し、セラミック材料から成る段差部のかわりに、上下2段から成るメタライズ層を凹部の底面の隅部に形成することで、接続用メタライズ層と段差部とを兼ねることのできる圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置が提案されている。
この圧電振動子収納用パッケージは、図2(a)および図2(b)に示すように、上側主面に圧電振動子31を収納するための凹部32を有する絶縁基体33と、凹部32の底面の隅部に形成された、上側メタライズ層34と下側メタライズ層35とから成るとともに上側メタライズ層34の上面に平板状の圧電振動子31の下面の端部が取着される段差部36を具備している。
このような圧電振動子収納用パッケージによれば、段差部36が2層のメタライズ層34,35により形成されており、メタライズ層は厚さをセラミック材料に比べて容易に薄くすることができるため、圧電振動子収納用パッケージの薄型化が容易になる。また、段差部36そのものが導電性のメタライズ層から成るため、別途配線導体を段差部36内に形成する必要はなく、圧電振動子収納用パッケージの小型化が容易で、生産性を良好にすることができる。
この絶縁基体33の凹部32内に圧電振動子31を収容するとともに、圧電振動子31の端部に形成されている電極(図示せず)を、上側メタライズ層34に導電性接着剤39等を介して電気的、機械的に接続し、そして絶縁基体33の上面の凹部32の周囲に低融点ガラス等のろう材38を介して金属やセラミックス等から成る蓋体37を取着することによって、絶縁基体33と蓋体37とから成る容器の内部に圧電振動子31が気密に封止された圧電装置となる。
この場合、圧電振動子31の電極と、上側メタライズ層34との位置決めは、画像認識装置で上側メタライズ層34の外周部を認識し、その結果から上側メタライズ層34の高さが高い部分(通常は上側メタライズ層34の中央部)を算出し、この高い部分に圧電振動子31の電極の中央部が位置するように圧電振動子31を移動させることにより行なわれる。
なお、上側メタライズ層34および下側メタライズ層35は、通常、下側メタライズ層35が圧電振動子31の寸法等に応じた大きさで、凹部32の底面の隣接する隅部にそれぞれ四角形状に形成されるとともに、この2つの下側メタライズ層35間で互いに対向する2辺が平行とされており、さらに下側メタライズ層35の上面には、上側メタライズ層34が下側メタライズ層35よりも小さく形成されている。
特開2003−60475号公報
しかしながら、上記のように上側メタライズ層34と下側メタライズ層35とにより圧電振動子31の電極が接続される段差部36を形成することで圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置を薄型化することができるものの、下側メタライズ層35の上面に上側メタライズ層34が下側メタライズ層35よりも小さく、上側メタライズ層34の外周が全周にわたって下側メタライズ層35の外周よりも内側に位置するように形成されているとともに、上側メタライズ層34と下側メタライズ層35との色調差が小さいため、画像認識装置等による上側メタライズ層34の外周部の認識精度が悪くなるという問題点を有していた。その結果、上側メタライズ層34の最も高い部分を特定することがきわめて困難となり、圧電振動子31を圧電振動子収納用パッケージの内部に実装する際に圧電振動子31の電極を正確に上側メタライズ層34上に位置決めすることが難しくなり、圧電振動子31の接続不良が発生したり、圧電振動子31がずれて実装された際に、段差部36と圧電振動子31の電極とを接続する導電性接着剤39が隣接する段差部36に流れ出して電気的短絡等の実装不良が発生するという問題点を有していた。
本発明は、かかる問題点に鑑み案出されたものであり、圧電振動子収納用パッケージを薄型化、小型化した場合に、圧電振動子の電極を上側メタライズ層に位置精度良く、かつ電気的,機械的に良好に接続することができる圧電振動子収納用パッケージ、およびこの圧電振動子収納用パッケージを用いた接続信頼性の高い圧電装置を提供することにある。
本発明の圧電振動子収納用パッケージは、上側主面に圧電振動子を収納するための凹部を有する絶縁基体と、前記凹部の底面の隅部に形成された、上側メタライズ層と下側メタライズ層とから成るとともに前記上側メタライズ層の上面に平板状の前記圧電振動子の下面の端部が取着される段差部とを具備しており、前記下側メタライズ層は、隣接する2つの前記隅部にそれぞれ四角形状に形成されているとともに、前記2つの下側メタライズ層間で互いに対向する2辺が平行とされており、2つの前記上側メタライズ層は、平面視で前記下側メタライズ層の一部を覆うとともに前記2つの下側メタライズ層の前記対向する辺から外側にはみ出ていることを特徴とする。
また、前記上側メタライズ層は、好ましくは、中心部から外周部にかけてその高さが低くなっていることを特徴とする。
また、前記上側メタライズ層は、好ましくは、前記圧電振動子の下面の端部が取着される部位の表面の算術平均粗さが5μm以下であることを特徴とする。
また、本発明の圧電装置は、上記構成の圧電振動子収納用パッケージと、前記凹部の内部に収容されているとともに前記上側メタライズ層に電気的に接続された圧電振動子と、前記絶縁基体の上面の前記凹部の周囲に前記凹部を覆うように取着された蓋体とを具備していることを特徴とする。
本発明の圧電振動子収納用パッケージによれば、絶縁基体の凹部の底面の隅部に、上側メタライズ層と下側メタライズ層とから成るとともに上側メタライズ層の上面に平板状の圧電振動子の下面の端部が取着される段差部が形成されていることから、段差部はメタライズ層から成るため段差部が薄くなるとともに、段差部そのものが導電性のメタライズ層から成るため、別途配線導体を段差部内に形成する必要はなく、圧電振動子収納用パッケージを薄型化、小型化することができる。
また、圧電振動子が直接搭載されるため画像認識装置等で認識される上側メタライズ層が、平面視で下側メタライズ層の一部を覆うとともに下側メタライズ層から外側にはみ出ていることから、上側メタライズ層の下側メタライズ層からはみ出た部分の外周部は、上側メタライズ層と色調差の大きい絶縁基体とで画像認識装置等による認識をすることで識別が容易になり認識精度が向上し、その上側メタライズ層の外周部を基準として圧電振動子の電極を接続する上側メタライズ層の高さが高い部分を精度よく、かつ容易に特定することができる。その結果、圧電振動子の電極の位置決めを正確かつ容易にすることができる。
また、従来の上側メタライズ層を下側メタライズ層よりも小さく形成したものに比べ、圧電振動子と上側メタライズ層との接続面積、および上側メタライズ層と下側メタライズ層との接続面積を大きくすることができるため、圧電振動子を段差部に一層安定して搭載することが可能となるとともに、各々の接続部の機械的強度を強くすることができ、さらに電気抵抗を小さくすることができる。その結果、機械的、電気的な接続信頼性に優れた圧電振動子収納用パッケージを提供することができる。
さらに、圧電振動子の電極が接続される上側メタライズ層の最も高い部位の面積を大きくすることができるため、ディスペンサー等によるろう材等の導電性接着剤の塗布作業が容易になり、生産性のよい圧電振動子収納用パッケージを提供することができる。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージによれば、下側メタライズ層は、隣接する2つの隅部にそれぞれ四角形状に形成されているとともに、2つの下側メタライズ層間で互いに対向する2辺が平行とされており、2つの上側メタライズ層は、2つの下側メタライズ層の対向する辺からはみ出して形成されていることから、圧電振動子の電極が上側メタライズ層に接続される際に導電性接着剤が圧電振動子の振動に重要である圧電振動子の中央部に流れ出て圧電振動子の振動を妨げるのを効果的に抑制でき、圧電振動子の振動がきわめて正確な圧電振動子収納用パッケージを提供することができる。
さらに、上側メタライズ層は圧電振動子の中央部側の側面が下側メタライズ層の外周より内側にあるため、この上側メタライズ層の上記側面に沿った下側メタライズ層と圧電振動子との空間に導電性接着剤の溜まりを形成することができ、この溜まりによって圧電振動子の振動による応力を有効に吸収することができる。その結果、圧電振動子の振動による応力で圧電振動子と上側メタライズ層との接続部にクラックや剥がれ等の不良が生じるのを有効に抑制し、圧電振動子と上側メタライズ層との接続信頼性を向上させることができる。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージによれば、好ましくは、上側メタライズ層は、中央部から外周部にかけてその高さが低くなっていることから、上側メタライズ層の中央部から外周部にかけて、漸次、上側メタライズ層と圧電振動子との間の距離を大きくすることができ、導電性接着剤を上側メタライズ層の表面に必要量塗布した後、圧電振動子を上側メタライズ層上に導電性接着剤を介して電気的、機械的に接続する際に、導電性接着剤を上側メタライズ層の中央部から外周部にかけて良好に流動させることができ、導電性接着剤がかみ込んだ空気を上側メタライズ層の中央部から外周部にかけて効率よく逃がすことができる。その結果、導電性接着剤の中に発生するボイドをより確実に防止することができる。
また、上側メタライズ層と圧電振動子との間により大きな導電性接着剤の溜まりを形成することができ、この溜まりによって圧電振動子の振動による応力を有効に吸収することができる。その結果、圧電振動子の振動による応力で圧電振動子と上側メタライズ層との接続部にクラックや剥がれ等の不良が生じるのをより有効に抑制し、圧電振動子と上側メタライズ層との接続信頼性をより向上させることができる。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージによれば、好ましくは、上側メタライズ層は、圧電振動子の下面の端部が取着される部位の表面の算術平均粗さが5μm以下であることから、圧電振動子の端部を段差部に導電性接着剤により接着する場合において、上側メタライズ層の表面に対する導電性接着剤の濡れ性を良好に確保しボイド等の不具合の発生を効果的に防止することができ、圧電振動子と上側メタライズ層との接続信頼性をより一層向上させることができる。
また、本発明の圧電装置は、上記構成の圧電振動子収納用パッケージと、凹部の内部に収容されているとともに上側メタライズ層に電気的に接続された圧電振動子と、絶縁基体の上面の凹部の周囲に凹部を覆うように取着された蓋体とを具備していることから、小型化,薄型化が可能で、圧電振動子収納用パッケージと内部に収納する圧電振動子との電気的,機械的な接続信頼性を高いものとすることができるとともに、圧電振動子を長期にわたって正確に振動させることができる。
次に、本発明の圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置を添付の図面を基に説明する。
図1(a)は本発明の圧電振動子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す平面図であり、図1(b)はそのA−A’線における断面図である。同図において1は圧電振動子、2は圧電振動子1が収納される凹部、3は絶縁基体、4は上側メタライズ層、5は下側メタライズ層、6は段差部、7は蓋体である。
そして、主として絶縁基体3、上側メタライズ層4、下側メタライズ層5、蓋体7で本発明の圧電振動子収納用パッケージが構成されている。
絶縁基体3は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミック材料から成るセラミック層を積層して成り、例えば一辺の長さが2〜20mm程度で厚みが0.5〜2mm程度の四角形状である。そして、その上面中央部に圧電振動子1を収納するための四角形状の凹部2が設けられている。
このような絶縁基体3は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム等の原料粉末をシート状に成形したグリーンシートを複数枚準備し、このグリーンシートの一部のものについて打ち抜き加工を施して凹部を形成するための開口や、貫通導体,キャスタレーション導体を形成するための貫通穴を設けるとともに、グリーンシートの表面および絶縁基体3の外側面のキャスタレーション導体となる貫通孔の内面にタングステン等の金属粉末ペーストを所定の配線導体のパターンに印刷し、その後、これらのグリーンシートを順次に積層、焼成することによって作製される。
本発明の圧電振動子収納用パッケージによれば、絶縁基体3の凹部2の底面の隅部に、上側メタライズ層4と下側メタライズ層5とから成るとともに上側メタライズ層4の上面に平板状の圧電振動子1の下面の端部が取着される段差部6が形成されている。これにより、圧電振動子1を取着するための段差部6そのものが導電性のメタライズ層から成るために段差部6を薄くすることができるとともに、別途配線導体等を段差部6内に形成する必要がないために圧電振動子収納用パッケージを小型化,薄型化することができる。
また、上側メタライズ層4、および下側メタライズ層5は、それぞれ、凹部2の内側から絶縁基体3の外表面にかけて導出された配線導体10と電気的に接続されている。
これらの上側メタライズ層4、下側メタライズ層5、および配線導体10は、タングステンやモリブデン,銅,銀等の金属材料から成り、例えば、タングステンから成る場合であれば、タングステンの金属ペーストを絶縁基体3や上側メタライズ層4、下側メタライズ層5を形成するグリーンシートに印刷しておくことにより形成される。さらに、このようなメタライズ層の段差部6を形成するためには、絶縁基体3を形成するグリーンシートに、まず下側メタライズ層5となる金属ペーストを印刷して十分に乾燥させた後、上側メタライズ層4を印刷することにより形成することができる。
そして、上側メタライズ層4に圧電振動子1の電極(図示せず)が、導電性接着剤9を介して電気的,機械的に接続される。例えば、圧電振動子1の電極を上側メタライズ層4の上に位置決めして載せ、この部分にディスペンサー(図示せず)から導電性接着剤9を供給することにより圧電振動子1の電極と上側メタライズ層4とが電気的、機械的に接続される。
本発明において上側メタライズ層4は、平面視で下側メタライズ層5の一部を覆うとともに下側メタライズ層5から外側にはみ出ている。これにより、上側メタライズ層4の下側メタライズ層5からはみ出た部分の外周部は、上側メタライズ層4と色調差の大きい絶縁基体3とで画像認識装置等による認識ができ、識別が容易なものとなることから、認識精度が向上する。よって、圧電振動子1の電極を接続する上側メタライズ層4の最も高い部分を精度よく、かつ容易に特定することができる。その結果、圧電振動子1の電極の位置決めが正確かつ容易になる。
さらに、圧電振動子1と上側メタライズ層4との接続面積、および上側メタライズ層4と下側メタライズ層5との接続面積を大きくすることができるため、圧電振動子1を段差部に一層安定して搭載することが可能となるとともに、各々の接続部の機械的強度を強くすることができ、さらに電気抵抗を小さくすることができるため、接続信頼性の高い圧電装置とすることができる。
た、圧電振動子1の電極が接続される上側メタライズ層4の最も高い部分の面積を大きくすることができるため、ディスペンサー等によるろう材等の導電性接着剤9の塗布作業がきわめて容易になる。
また、上側メタライズ層4が下側メタライズ層5から外側にはみ出る部位の形状は四角形状がよく、下側メタライズ層5からはみ出す距離は0.05mm以上が好ましい。これにより画像認識装置等による認識の際に誤認識を防ぐことができる。
本発明の圧電振動子収納用パッケージは、下側メタライズ層5は、凹部2の底面の隣接する2つの隅部にそれぞれ四角形状に形成されているとともに、2つの下側メタライズ層5間で互いに対向する2辺が平行とされており、2つの上側メタライズ層4は、2つの下側メタライズ層5の対向する辺からはみ出して形成されている。
これにより、圧電振動子1の電極が上側メタライズ層4に接続される際に、導電性接着剤9が圧電振動子1の振動に重要である圧電振動子1の中央部に流れ出て、振動を妨げることを効果的に抑制でき、きわめて正確に圧電振動子1を振動させることができるとともに、圧電振動子1がずれて実装された際に段差部6と圧電振動子1の電極とを導電性接着剤9が隣接する段差部6に流れ出して電気的短絡等の実装不良が発生するのを防ぐことができる。
また、上側メタライズ層4は圧電振動子1の中央部側の側面が下側メタライズ層5の外周より内側あるため、上側メタライズ層4の上記側面に沿った下側メタライズ層5と圧電振動子1との空間に導電性接着剤9の溜まりを形成することができ、この溜まりによって圧電振動子1の振動による応力を有効に吸収することができる。これにより圧電振動子1と上側メタライズ層4との接続信頼性を向上させることができる。
また、上側メタライズ層4は、下側メタライズ層5から外側にはみ出た部位の高さが、圧電振動子1と接続される部分より低くなっているのがよい。これにより圧電振動子1の電極と上側メタライズ層4の下側メタライズ層5からはみ出た部位との間に空間が確保され、導電性接着剤9の量が適正以上に多い場合に、余分な導電性接着剤9がその空間に溜まることで、隣接する段差部6に流れ出して電気的短絡を発生させることをより効果的に防ぐことができる。
また、上側メタライズ層4は、中央部から外周部にかけてその高さが低くなっていることが好ましい。これにより、上側メタライズ層4の中央部から外周部にかけて、漸次、上側メタライズ層4と圧電振動子1との間の距離を大きくすることができ、導電性接着剤9を上側メタライズ層4の表面に必要量塗布した後、圧電振動子1を上側メタライズ層4上に導電性接着剤9を介して電気的、機械的に接続する際に、導電性接着剤9を上側メタライズ層4の中央部から外周部にかけて良好に流動させることができ、導電性接着剤9がかみ込んだ空気を上側メタライズ層4の中央部から外周部にかけて効率よく逃がすことができる。その結果、導電性接着剤9の中に発生するボイドをより確実に防止することができる。
このような中央部から外周部にかけてその高さが低くなっている上側メタライズ層4は、例えば、上側メタライズ層4となる金属ペーストの粘度を調整し、この金属ペーストを下側メタライズ層5を跨ぐように印刷した際に金属ペーストを流動させることによって、中央部から外周部にかけてその高さが低くなるように形成される。
また、上側メタライズ層4と圧電振動子1との間により大きな導電性接着剤9の溜まりを形成することができ、この溜まりによって圧電振動子1の振動による応力を有効に吸収することができる。その結果、圧電振動子1の振動による応力で圧電振動子1と上側メタライズ層4との接続部にクラックや剥がれ等の不良が生じるのをより有効に抑制し、圧電振動子1と上側メタライズ層4との接続信頼性をより向上させることができる。
さらに、上側メタライズ層4は、圧電振動子1の下面の端部が取着される部位の表面の算術平均粗さが5μm以下であることが好ましい。これにより、圧電振動子1の端部を段差部に導電性接着剤9により接着する場合において、上側メタライズ層4の表面に対する導電性接着剤9の濡れ性を良好に確保しボイド等の不具合の発生を効果的に防止することができ、圧電振動子1と上側メタライズ層4との接続信頼性をより一層向上させることができる。
このような圧電振動子1の下面の端部が取着される部位の算術平均粗さが5μm以下の上側メタライズ層4は、例えば、上側メタライズ層4となる金属ペーストに含まれる金属粉末の粒径を調整することによって、あるいは、金属ペーストを印刷した後に所望の粗さの表面を有する金型等で押し付ける等の方法によって形成される。
さらに、上側メタライズ層4と下側メタライズ層5はともに四角形状で、上側メタライズ層4の外周と下側メタライズ層5の外周とは4カ所で直交し、平面視で上側メタライズ層と下側メタライズ層が十字形状になることが好ましい。これにより、上側メタライズ層4と色調差の大きい絶縁基体3とで画像認識装置等による認識ができる箇所が4カ所となり、認識がきわめて容易で正確なものとなり、その認識の結果から上側メタライズ層4の最も高い部分をきわめて精度よく、かつ容易に特定することができる。その結果、圧電振動子1の電極の位置決めがさらに正確かつ容易になる。
そして、このような圧電振動子収納用パッケージの凹部2の内部に圧電振動子1を収容するとともに、圧電振動子1の電極と上側メタライズ層4とを導電性接着剤9を介して電気的に接続し、次に、絶縁基体3の上面の凹部2の周囲8に凹部2を覆うように、蓋体7を銀ろうや低融点ガラス等のろう材等を介して取着することにより、絶縁基体3の凹部2と蓋体7とで形成される容器の内部に圧電振動子1が気密封止され、圧電装置として形成される。
この圧電装置は、配線導体10の絶縁基体3の外表面に導出された部位を外部電気回路に接続することにより、気密封止された圧電振動子1の電極が配線導体10を介して外部電気回路と電気的に接続される。
このような圧電装置において、配線導体10の露出表面には、酸化腐食を防止するとともに配線導体10と圧電振動子1の各電極との接続および外部電気回路基板との接続を強固なものとするために、通常であれば、1〜20μm程度の厚みのニッケルめっき層と0.1〜3μm程度の厚みの金めっき層とを順次被着させておくことが好ましい。これらのめっき層は、従来周知の電解法や無電解法等のめっき法により形成することができる。
次に、本発明の圧電振動子収納用パッケージおよび圧電装置の好適条件について、実施の一例を挙げて具体的に説明する。
まず、酸化アルミニウムを主成分とし、酸化ケイ素、酸化マグネシウムを添加して成る原料粉末を、有機溶剤、バインダーとともに混練し、スラリーを作製した後、そのスラリーをドクターブレード法でシート状に成形して複数のグリーンシートを形成した。
次に、グリーンシートの一部に金型を用いた打ち抜き加工を施して、所定の寸法に切断するとともに、一部のものを枠状に打ち抜いて、凹部2を形成するための枠状のグリーンシートを作製した。
次に、タングステンの粉末に有機溶剤、バインダーを添加、混練して金属ペースト(タングステンのペースト)を作製し、この金属ペーストを、グリーンシートの表面のうち凹部2の底面となる部位に、下側メタライズ層5のパターン、上側メタライズ層4のパターンの順にスクリーン印刷法で印刷塗布した。
下側メタライズ層5は、正方形状のパターンで絶縁基体3の凹部2の底面の隣接する2つの隅部に形成され、また、上側メタライズ層4は、長方形状のパターンで長手方向の両端部がそれぞれ下側メタライズ層5から外側にはみ出るようにして形成された。なお、上側メタライズ層4は、2つの下側メタライズ層5同士の対向する辺と、その辺に平行な辺の2辺において、下側メタライズ層5から外側にはみ出すように形成された。
次に、複数のグリーンシートを枠状のものが上層に位置するようにして位置合わせして積層し、1600℃で焼成することにより圧電振動子収納用パッケージを作製した。
なお、絶縁基体3は、平面視で外寸が5mm×3.2mmの長方形状であり、凹部2は、平面視で内寸が4mm×2.2mmの長方形状であった。
この圧電振動子収納用パッケージの段差部6に厚さ5μm〜20μmのニッケルめっき層と、厚さ0.1μm〜1μmの金めっき層とを順次被着させた後、凹部2内に圧電振動子1として水晶振動子を収納し、その端部を段差部6上に導電性接着剤9を介して電気的、機械的に接続した。なお、水晶振動子の端部には一対の電極が形成されており、この各電極が、段差部6の上側メタライズ層4に導電性接着剤9を介して電気的、機械的に接続された。
そして、水晶振動子を接続した圧電振動子収納用パッケージについて、上側メタライズ層4の表面粗さを表1に示すように種々に変えて、水晶振動子の接続信頼性を比較した。なお、上側メタライズ層4の表面粗さは、金属ペースト中のタングステンの粒径を変えることにより調整した。
また、水晶振動子の接続信頼性において、電気的な接続信頼性は、温度サイクル試験により水晶振動子の電極間の短絡や断線の有無による電気特性の劣化により確認した。また、機械的な接続の強度は、同様に温度サイクル試験での破壊モードにより確認した。その結果を表1に示す。
Figure 0004439289
表1の結果からわかるように、上側メタライズ層4の表面の算術平均粗さ(Ra)が5μmを超えると、導電性接着剤9の内部にボイドを生じやすくなり、水晶振動子の接着強度が低下する傾向があることがわかった。
これに対し、上側メタライズ層4の表面の算術平均粗さが5μm以下の場合には、水晶振動子の接着強度および電気的な接続信頼性のいずれも極めて優れたものとすることができることがわかった。
なお、本発明は以上の実施の形態の例および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えても何ら差し支えない。例えば、この例では段差部6は2層のメタライズ層を積層することにより形成されているが、段差部6は3層や4層のメタライズ層を積層することにより形成されていてもよいのは言うまでもない。
(a)は本発明の圧電振動子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す平面図、(b)は(a)の圧電振動子収納用パッケージのA−A’線における断面図である。 (a)は従来の圧電振動子収納用パッケージの平面図、(b)は(a)の圧電振動子収納用パッケージのB−B’線における断面図である。
符号の説明
1・・・・・圧電振動子
2・・・・・凹部
3・・・・・絶縁基体
4・・・・・上側メタライズ層
5・・・・・下側メタライズ層
6・・・・・段差部
7・・・・・蓋体
8・・・・・凹部の周囲
9・・・・・導電性接着剤
10・・・・・配線導体

Claims (4)

  1. 上側主面に圧電振動子を収納するための凹部を有する絶縁基体と、前記凹部の底面の隅部に形成された、上側メタライズ層と下側メタライズ層とから成るとともに前記上側メタライズ層の上面に平板状の前記圧電振動子の下面の端部が取着される段差部とを具備しており、前記下側メタライズ層は、隣接する2つの前記隅部にそれぞれ四角形状に形成されているとともに、前記2つの下側メタライズ層間で互いに対向する2辺が平行とされており、2つの前記上側メタライズ層は、平面視で前記下側メタライズ層の一部を覆うとともに前記2つの下側メタライズ層の前記対向する辺から外側にはみ出ていることを特徴とする圧電振動子収納用パッケージ。
  2. 前記上側メタライズ層は、中心部から外周部にかけてその高さが低くなっていることを特徴とする請求項1記載の圧電振動子収納用パッケージ。
  3. 前記上側メタライズ層は、前記圧電振動子の下面の端部が取着される部位の表面の算術平均粗さが5μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項記載の圧電振動子収納用パッケージ。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の圧電振動子収納用パッケージと、前記凹部内に収容されるとともに前記上側メタライズ層に電気的に接続された圧電振動子と、前記絶縁基体の上面の前記凹部の周囲に前記凹部を覆うように取着された蓋体とを具備していることを特徴とする圧電装置。
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