JP2005295299A - 圧電部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】精度よく空洞を形成することができ、しかも薄型化及び小型化にも適した圧電部品の製造方法を提供する。
【解決手段】上下面に振動電極2を有する圧電基板1の上下面に、振動電極2を囲繞して未硬化の樹脂を塗布・硬化して圧電基板1の上下面に第一,第二の封止材4a,bを形成する。次に圧電基板1の上下方に、第一の封止基板3aと第二の封止基板3bを、第一,第二の封止材4a,bの各頂部が第一の封止基板3aの下面,第二の封止基板3bの上面に当接され、かつ各封止基板3a,b上の未硬化の樹脂が第一,第二の封止材4a,bの全周にわたり接触するように重ね合わせる。そして未硬化の樹脂を硬化させて、圧電基板1と第一の封止基板3aとの間に第三の封止材を第一の封止材4aと一体的に形成し、圧電基板1と第二の封止基板3bとの間に第四の封止材を第二の封止材4bと一体的に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばチップ型圧電共振子等の圧電部品の製造方法に関するものである。
従来の圧電部品としては、例えば図3(a)、(b)に示す構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
図3(a)は、上下面の中央部に振動電極22を有する圧電基板21の上下面に、圧電基板21の振動電極22と対向する位置に振動空間形成用の凹部25を有する封止基板23を封止材24で接合することにより、圧電基板21および封止基板23間に密閉した振動空間を形成して成るチップ型圧電共振部品の断面図である。
このような従来の圧電部品は、振動空間の面積および高さが封止基板23の凹部25の面積および深さによりあらかじめ決定されており、また、封止材の厚みを薄くすることができるため、振動電極22と封止材24や封止基板23との距離を保つことができ振動電極22の振動がダンピングされることはなく、その結果、信頼性に優れるという利点を有している。
また、図3(b)は、上下面の中央部に振動電極22を有する圧電基板21の上下面に、振動電極22を取り囲む封止材24で平板状の封止基板23を、圧電基板21と封止基板23と封止材24とで密閉した振動空間を形成するように接合して成るチップ型圧電共振部品の断面図である。
このような従来の圧電部品は、圧電基板21上面に未硬化の封止材24を振動電極22を取り囲むように塗布するとともに、その上に封止基板23を載置し、しかる後、封止材24を硬化させることによって製作される。かかる製法によって製作される従来の圧電部品は、振動空間の高さを封止材24の厚みとすることができることから、低背化に適しており、また、封止基板23の中央部に凹部を形成する必要もないので工数を減らすことができるという利点がある。
特開平3−167913号公報
しかしながら、図3(a)に示す従来の圧電部品においては、封止基板23にあらかじめ凹部25を形成しておく必要がある。このため、例えば、平板状の第一の封止基板に枠状の第二の封止基板を積層接着することにより封止基板23の中央部に凹部25を形成する、あるいは厚めの封止基板23の中央部を機械的に研削して、または化学的に除去して凹部25を形成する等の煩雑な工程が必要になるという課題を有していた。また、凹部25の深さ分だけチップ型圧電共振部品の厚みが厚いものとなってしまい、昨今の電子部品の軽薄短小化の要求に十分応えることができないという課題も有していた。
また、図3(b)に示す従来の圧電部品においては、振動空間の高さが封止材24の高さにより決定されることから、未硬化の封止材24上に封止基板23を載置する際に封止材24に加わる荷重バラツキや製品の取り扱いによって封止材24の厚みがバラツいてしまい、封止材24の厚みが極端に薄くなった場合には振動電極22が封止基板23と接触してしまい、その結果、振動電極22の振動がダンピングされてしまうという課題を有していた。あるいは、未硬化の封止材24が振動電極22の上まで広がり、振動電極22の振動が封止材24によってダンピングされてしまい、良好な共振特性を得ることができなくなるという課題も有していた。さらにこの場合、未硬化の封止材24の広がりをコントロールすることが困難であることから、振動電極22と未硬化の封止材24の塗布位置との間隔を余裕をもたせて大きくする必要があり、チップ型圧電共振部品の面積を小さくすることが困難であるという課題も有していた。
本発明は上記課題に鑑み案出されたもので、その目的は、精度よく空洞を形成することができ、しかも薄型化及び小型化にも適した圧電部品を得ることができる圧電部品の製造方法を提供することにある。
本発明の圧電部品の製造方法は、上下両面の中央域に振動電極を有する圧電基板を準備するとともに、該圧電基板の上下両面に、前記振動電極を囲繞するようにして未硬化の樹脂を塗布し、これを硬化させることによって圧電基板の上面に第一の封止材を、下面に第二の封止材を形成する工程Aと、前記圧電基板の上方および下方に、下面に未硬化の樹脂が塗布されている第一の封止基板と上面に未硬化の樹脂が塗布されている第二の封止基板を、前記第一の封止材および第二の封止材の各頂部が前記第一の封止基板の下面および第二の封止基板の上面に当接され、かつ各封止基板上の未硬化の樹脂が前記第一,第二の封止材の全周にわたり接触するようにして重ね合わせる工程Bと、前記第一,第二の封止基板と前記圧電基板との間に配されている未硬化の樹脂を硬化させることにより、前記圧電基板と前記第一の封止基板との間に第三の封止材を第一の封止材と一体的に形成するとともに、前記圧電基板と前記第二の封止基板との間に第四の封止材を第二の封止材と一体的に形成する工程Cとを含むことを特徴とするものである。
また本発明の圧電部品の製造方法は、前記工程Cにおいて、前記第三の封止材の硬化と前記第四の封止材の硬化とが同時に行われることを特徴とするものである。
更に本発明の圧電部品の製造方法は、上記構成において、前記第一の封止材、第二の封止材、第三の封止材および第四の封止材が同一材料からなることを特徴とするものである。
また更に本発明の圧電部品の製造方法は、上記構成において、前記第一の封止基板および第二の封止基板の少なくとも一方が未硬化の樹脂からなる接着シートであることを特徴とするものである。
本発明に係る圧電部品の製造方法によれば、下面に未硬化の樹脂が塗布されている第一の封止基板と上面に未硬化の樹脂が塗布されている第二の封止基板を、第一の封止材および第二の封止材の各頂部が第一の封止基板の下面および第二の封止基板の上面に当接し、かつ各封止基板上の未硬化の樹脂が第一,第二の封止材の全周にわたり接触するようにして圧電基板に重ね合わせた後、第一,第二の封止基板と圧電基板との間に配されている未硬化の樹脂を硬化させることにより、圧電基板と第一の封止基板との間に第三の封止材を第一の封止材と一体的に形成するとともに、圧電基板と第二の封止基板との間に第四の封止材を第二の封止材と一体的に形成するようにしたことから、振動空間の高さおよび面積を封止基板を重ね合わせる前に硬化した第一の封止材および第二の封止材によりコントロールすることができる。これにより、封止基板を圧電基板に接合した後、封止材や封止基板が振動電極に接触して振動電極の振動がダンピングされるのを有効に防止することができ、これによって信頼性に優れた圧電部品と得ることが可能となる。
また本発明に係る圧電部品の製造方法によれば、封止基板を第一および第二の封止材の硬化後に圧電基板に重ね合わせるようにしたことから、第一および第二の封止材が封止基板を重ね合わせる際に圧電基板の振動電極上へ広がって、これらが振動電極の振動をダンピングすることはない。その結果、第一および第二の封止材を振動電極に近接して塗布できるので振動空間の面積を小さくすることができ、小型の圧電部品を製作することができるようになる。さらに、封止基板の振動電極と対向する部位に振動空間形成用の凹部を形成する必要がないので、封止基板を製作する際の工数を減らすことができる。この場合、凹部の深さ分だけ封止基板の厚みを厚くする必要もない。
更に本発明に係る圧電部品の製造方法によれば、上記の工程Cにおいて第三の封止材の硬化と第四の封止材の硬化とが同時に行われる場合には、工程を短縮できるので生産性を高めることができるとともに安価な圧電部品を提供することができる。
また更に本発明に係る圧電部品の製造方法によれば、上記構成において第一の封止材、第二の封止材、第三の封止材および第四の封止材が同一材料からなる場合は、第一の封止材と第三の封止材との結合および第二の封止材と第四の封止材との結合が強固なものとなり、圧電基板、封止基板および封止材とで気密性の良好な振動空間を形成することができる。
更にまた本発明に係る圧電部品の製造方法によれば、上記構成において、第一の封止基板および第二の封止基板の少なくとも一方が未硬化の樹脂からなる接着シートである場合には、第一の封止基板または第二の封止基板に未硬化の樹脂をあらたに塗布する必要がないので工数を減少させることができ、その結果、生産性を高めることができるとともに安価な圧電部品を提供することができる。
以下、本発明の圧電部品の製造方法を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
最初に、本発明の製造方法を用いて製作される圧電部品について説明する。図1(a)は本発明の圧電部品の製造方法を用いて製作される電子部品の実施の形態の一例を示す断面図、図1(b)は図1(a)に示す圧電部品より上側の封止基板を取り除いた状態を示す上面図である。
図1(a)(b)において、1は圧電基板、2は振動電極、3は封止基板、4は封止材であり、主にこれらで本発明の圧電部品の製造方法によって製作される圧電部品が構成される。なお、5は引き出し電極であり、実線で示す5aは圧電基板1の上面側に形成されており、点線で示す5bは圧電基板1の下面側に形成されている。
圧電基板1は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛(PT)等の圧電セラミック材料や、水晶(SiO)やニオブ酸リチウム(LiNbO)等の圧電単結晶材料から成る、縦・横の長さが数mm×数mm、厚みが数10μm〜数mmの四角形状の基板である。なお、圧電基板1がセラミック材料から成る場合は、基板形成後に基板に分極処理を施すことにより所望の圧電特性が付与される。また、圧電基板1が圧電単結晶材料から成る場合は、圧電基板1となる圧電単結晶材料のインゴット(母材)を所定の結晶方向となるように切断することにより、所望の圧電特性を有する圧電基板1を得ることができる。
圧電基板1の上下面の中央部には、振動電極2がそれぞれ形成されている。振動電極2は、圧電基板1と一体となって圧電共振子や圧電振動子,圧電フィルタ等の素子を形成するものであり、圧電基板1の上下面中央部に金や銀,銅,アルミニウム等の良導電性の金属を真空蒸着法やスパッタリング法を用いて被着することにより形成される。なお、圧電基板1にセラミック材料と密着性のよいクロム(Cr)等の金属をあらかじめ被着させておき、その上に上記金属を被着させてもよい。
振動電極2は、その形状が縦・横方向の長さが数10μm〜数mmの円形状,四角形状等であり、共振特性やその他所望の電気特性によってその大きさや位置が決められる。また、振動電極2は、その厚みが数μm〜数10μmであり、共振周波数等により決められる。さらに振動電極2は、圧電基板1の上面または下面に複数の電極が形成された、すなわち分割電極であってもよい。なお、製品によっては、振動電極2周辺に容量電極(図示せず)が配置される場合もある。
なお、このような振動電極2は、この端部と電気的に接続するとともに圧電基板1の外周にむかって形成された引出し電極5a,5bにより圧電基板1の端面に形成される外部電極(図示せず)と電気的に接続している。また、このような引出し電極5a,5bは、通常は振動電極2と同時に形成される。
また、圧電基板1の上下面には、振動電極2を取り囲む封止材4を介して封止基板3(3a,3b)が接合されている。封止基板3は、これと圧電基板1と封止材4とで振動電極2を気密に封止するとともに振動空間を形成する機能を有する。また、検査工程等で圧電部品同士が接触したりする際に加わる外力から振動電極2や圧電基板1を保護する機能を有する。このような封止基板3の材料としては、酸化アルミニウムや酸化珪素,チタン酸バリウム等のセラミック材料,ガラス等の無機材料、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のエンジニアリングプラスチック、液晶ポリマーやエポキシ系樹脂等の耐熱性樹脂が用いられる。なお、電子部品に要求される特性によっては、封止基板3の材料として鉄−ニッケル合金等の金属を用いてもよい。また、封止基板3は、その縦・横の長さは圧電基板1の縦・横の長さと略同一であり、厚みは材料により異なるが数十μm〜数mmである。
なお、圧電基板1の上面側の封止基板3aと下面側の封止基板3bの材料とを異ならせて用いることも可能であり、例えば、封止基板3aにチタン酸バリウムから成る基板を用いるとともに容量電極を形成し、封止基板3bに弾力性のある樹脂から成る基板を用いることにより、容量内蔵型でかつ耐衝撃性の圧電部品とすることができる。
また、封止材4は、圧電基板1と封止基板3とを接合するとともにこれらと振動電極2を気密封止する振動空間を形成する機能を有する。封止材4には、通常はエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。エポキシ系樹脂は緻密な3次元網目構造を有していることから気密性に優れており、振動空間を長期にわたって気密に密閉することができる。なお、封止材4の粘度や熱膨張係数を調節するために、封止材4は酸化珪素等のセラミックスから成るフィラーを含有してもよい。フィラーの粒子径は、0.1μm〜15μmであり、好適には1μm〜10μmである。粒子径が0.1μm未満となるフィラーが凝集しやすくなり良好に分散させることが困難となる傾向があり、15μmを超えるとフィラーが封止材4中で沈降しやすくなり、やはり良好に分散させることが困難となる傾向がある。また、紫外線によって硬化するタイプの接着性樹脂を用いてもよい。
なお、封止材4の高さは5μm〜100μmであり、好適には振動電極2と封止基板3との間隔が20μm〜60μmとなるような高さが好ましい。振動電極2と封止基板3との間隔が20μm未満となると、圧電部品に不要な外力が加わった際に封止基板3が撓んで封止基板3と振動電極2とが接触して、振動電極2の振動をダンピングする危険性があり、60μmを超えると圧電部品の厚みが不要に厚いものとなってしまい、薄型化することが困難となる傾向がある。
また、封止材4の幅は、通常封止材4の高さの5〜25倍程度に設定されている。封止材4の幅をその高さの5倍以上とすることにより振動空間の気密信頼性がより高まる傾向があり、25倍以下とすることにより封止材4の幅が不要に厚いものとなることを防止して圧電部品を小型化することが可能となる。
次に、上述した圧電部品の製造方法について図2(a)〜(e)を用いて詳細に説明する。
図2(a)〜(e)は、本発明の圧電部品の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。なお、ここでは1個の圧電部品を製造する方法について説明を行なうが、30mm角〜100mm角の1枚の圧電基板の上下面に多数の振動電極を縦・横の格子状に配置した母基板およびこの圧電基板と縦・横の長さが略同一の封止基板を用い、圧電基板と封止基板とを封止材を用いて接着した後に、これらを個片に切断して多数の圧電部品を同時に製造することも可能である。図2(a),(b)はA工程を、図2(c),(d)はB工程を、図2(e)はC工程を示している。
まず、図2(a)に示すように、上下両面の中央域に振動電極2を有する圧電基板1を準備する。圧電基板1は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛(PT)等の圧電セラミック材料や、水晶(SiO)やニオブ酸リチウム(LiNbO)等の圧電単結晶材料から成る。圧電基板1が、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる場合は、酸化チタン(TiO),酸化ジルコニウム(ZrO),酸化鉛(Pb)の主原料に酸化マンガン(MnO)や酸化ニオブ(Nb)等の副原料を加えた粉末を、水、分散剤とともにボールミルを用いて混合した後乾燥して一次原料を得、しかる後この一次原料に適当なバインダ,溶剤,可塑剤等を加えた泥漿をドクターブレード法により成型して圧電材料から成るシートを得る。次にこのシートに打ち抜き加工を施し所望の大きさとし、1100℃〜1400℃のピーク温度で数10分〜数時間焼成することにより圧電基板1が得られる。なお、一次原料を焼成温度以下の温度で仮焼きして二次原料とし、しかる後この二次原料をシート成型してもよい。
次に、圧電基板1の上下の略全面に真空蒸着法を用いて、例えば振動電極2が銀からなる場合であれば、厚み0.1μm〜数10μmの銀から成る蒸着膜を被着させる。さらに上下面の蒸着膜間に80℃程度の温度下で3〜5kV/mmの直流電圧を数分〜数10分印加し圧電基板1を分極する。しかる後、上下の蒸着膜上に振動電極2および引き出し電極2a,2bの形状にレジストインクを例えばスクリーン印刷法を用いて印刷する。その後、露出した蒸着膜をエッチングして除去し、さらに溶剤でレジストインクを除去することにより、圧電基板1上下面に、振動電極2とこの端部と電気的に接続するとともに圧電基板1の外周にむかって形成された引き出し電極5a,5bとが形成される。
次に図2(b)に断面図で示すように、上下両面に振動電極2を囲繞するようにして未硬化の樹脂を塗布し、これを硬化させることによって圧電基板1の上面に第一の封止材4aを、下面に第二の封止材4bを形成する。なお、第一の封止材4aおよび第二の封止材4bの塗布・硬化はどちらを先に行なってもよい。
このような封止材4a,4bは例えばエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂からなり、圧電基板1と封止基板3a,3bとの間隔、すなわち振動空間の高さを調整する機能を有する。なお、封止材4a,4bは、通常は硬化後の高さが5μm〜100μmとなるように、好ましくは振動電極2と封止基板3との間隔が20μm〜60μmとなるように塗布される。また、第一の封止材4aおよび第二の封止材4bの幅は、通常、これらの高さの5〜25倍程度に設定されている。なお、ここで第一の封止材4aおよび第二の封止材4bの幅とは、圧電部品の振動電極2を含む縦断面(図2(d)の断面)をみたときに、第一の封止材4a(または第二の封止材4b)の圧電基板1との振動電極2側の接合端部から反対側の接合端部までの長さをいう。
このような第一の封止材4aおよび第二の封止材4bは、例えばエポキシ系樹脂を従来周知のスクリーン印刷法を用いて圧電基板1の上下面に振動電極2を取り囲んで枠状に印刷・塗布し、しかる後室温であるいは加熱して乾燥することにより形成される。なお、エポキシ系樹脂は、その粘度が50〜300Pa・s、好ましくは90Pa・s〜180Pa・sであり、90Pa・s〜180Pa・sの範囲に設定することにより滲みがなく印刷性を良好とすることができる。また、第一の封止材4aおよび第二の封止材4bは、スクリーン印刷に用いる製版の厚みを適宜選択することにより所望の高さとすることができ、スクリーンの開口部の幅を適宜調節することにより所望の幅とすることができる。なお、前述したように、第一の封止材4aおよび第二の封止材4bは酸化珪素等のフィラーを含有してもよい。また、接着性を向上させるために、硬化した第一の封止材4aおよび第二の封止材4bの表面を粗面となるように改質してもよい。
次に、図2(c)に断面図で示すように、下面に未硬化の樹脂4cが塗布されている第一の封止基板3aと上面に未硬化の樹脂4dが塗布されている第二の封止基板3bを準備する。第一の封止基板3aおよび第二の封止基板3bは、これらと圧電基板1と封止材4とで振動電極2a,2bを気密に封止するとともに振動空間を形成する機能を有する。また、検査工程等で圧電部品同士が接触したりする際に加わる外力から振動電極2や圧電基板1を保護する機能を有する。このような封止基板3a,3bとしては、前述した材料が用いられ、例えば封止基板3がポリブチレンテレフタレート(PBT)等のエンジニアリングプラスチックからなる場合、ポリブチレンテレフタレートのペレットを射出成型機で所定厚みの薄板状に成型し、しかる後所望の寸法に切断することにより製作される。
未硬化の樹脂4c,4dは、例えばエポキシ樹脂を従来周知のスクリーン印刷法により第一の封止基板3aの下面および第二の封止基板3bの上面で、次の工程で圧電基板1と封止基板3とを重ねあわせる際に未硬化の樹脂4c,4dが第一の封止材4a,第二の封止材4bと当接する位置に印刷・塗布される。なお、未硬化の樹脂4c,4dを第一の封止基板3aの下面全面および第二の封止基板3bの上面全面に印刷・塗布してもよい。未硬化の樹脂4c,4dを第一の封止基板3aの下面全面および第二の封止基板3bの上面全面に印刷・塗布する場合には、振動電極2の形状や面積に係わらずスクリーン印刷時に同一の製版を用いることができるので製造コストを軽減することができるとともに、製版を交換する必要がないので製造時間を短縮することができる。なお、未硬化の樹脂4c,4dは、転写方式などの方法で塗布してもよい。
また、未硬化の樹脂4c,4dの高さは、それぞれ第一の封止材4a,第二の封止材4bの高さよりも低く設定することが好ましい。未硬化の樹脂4c,4dの高さが第一の封止材4a,第二の封止材4bの高さよりも高いと、後述するように第一の封止材4a,第二の封止材4bと未硬化の封止材4c,4dが当接するように重ね合わせた際に、未硬化の封止材4c,4dが圧電基板1表面の振動電極2まで広がってしまう危険性がある。なお、第一の封止材4aおよび第二の封止材4bと同様に、第三の封止材4c,第四の封止材4dは酸化珪素等のフィラーを含有してもよい。
次に、図2(d)に断面図で示すように、第一の封止材4aおよび第二の封止材4bの各頂部が第一の封止基板3aの下面および第二の封止基板3bの上面に当接され、かつ各封止基板3a,3b上の未硬化の樹脂4c,4dが第一,第二の封止材4a,4bの全周にわたり接触するようにして重ね合わせる。
なお、ここで第一の封止材4aおよび第二の封止材4bの各頂部が第一の封止基板3aの下面および第二の封止基板3bの上面に当接するとは、第一の封止材4aの頂部と第一の封止基板3aとが、および第二の封止材4bの頂部と第二の封止基板3bとが直接接触している場合の他、これらの間に数μm〜数10μm程度の厚みの未硬化の樹脂が存在する場合も含む。
また、第一の封止材4a,第二の封止材4bの断面形状を、図2(c),(d)に示すような蒲鉾型あるいは三角形状等の中央域が突出した凸形状としておくと、未硬化の樹脂4c,4dが第一の封止材4a,第二の封止材4bの頂部から下方に向かって滑らかに流動していくので隙間が生じて封止材4に気泡を巻きこむことはなく、その結果、気密性に優れた振動空間を形成することができる。
このような断面形状は、第一の封止基板3a,第二の封止基板3b表面にそれぞれ第一の封止材4a,第二の封止材4bをスクリーン印刷法で印刷・塗布する場合の、スクリーンの材質,乳剤厚,スキージ圧,印刷速度,スキージの角度等を適切に選択することにより、所望の蒲鉾型あるいは三角形状等の中央域が突出した凸形状とすることができる。
次に、図2(d)に示すように、第一,第二の封止基板3a,3bと圧電基板1との間に配されている未硬化の樹脂4c,4dを硬化させることにより、圧電基板1と第一の封止基板3aとの間に第三の封止材4cを第一の封止材4aと一体的に形成するとともに、圧電基板1と第二の封止基板3bとの間に第四の封止材4cを第二の封止材4bと一体的に形成する。
本発明の圧電部品の製造方法によれば、上記工程A〜工程Cにより圧電部品を製造することから、振動空間の高さおよび面積を封止基板3を重ね合わせる前に硬化した第一の封止材4aおよび第二の封止材4bによりコントロールすることができるので、封止基板3を圧電基板1に接合後に封止材4や封止基板3が振動電極2に接触して振動電極2の振動がダンピングされることはなく、その結果、信頼性に優れた圧電部品とすることができる。
また、封止基板3を第一および第二の封止材4a,4bの硬化後に圧電基板1に重ね合わせるので、第一および第二の封止材4a,4bが封止基板3を重ね合わせる際に圧電基板1の振動電極2上へ広がって、これらが振動電極2の振動をダンピングすることはない。その結果、第一および第二の封止材4a,4bを振動電極2に近接して塗布できるので振動空間の面積を小さくすることができ、小型の圧電部品を製作することができる。さらに、封止基板3の振動電極2と対向する部位に振動空間形成用の凹部を形成する必要がないので、封止基板3を製作する際の工数を低減できる。また、凹部の深さ分だけ封止基板3の厚みを厚くする必要もない。
なお、未硬化の樹脂4c,4dの硬化は、未硬化の樹脂4c,4dが熱硬化性のエポキシ系樹脂からなる場合であれば、80〜150℃の範囲の温度で数分から数時間加熱することにより行なわれる。また、常温で硬化するタイプのエポキシ系樹脂を用いてもよい。
また、これらの封止を真空中で行ない、振動電極2を振動空間内に真空気密してもよい。振動電極2を振動空間内に真空気密した場合、振動電極2の酸化腐食が防止されより信頼性の優れた圧電部品とすることができる。また、圧電部品を回路基板等に実装する際に圧電部品に半田リフロー等の高熱が印加されたとしても、振動空間内に空気等のガスが存在しないのでこのガスが膨張して封止材4の気密封止を破壊することもないので、より気密信頼性の高い電子部品とすることができる。
また、本発明の圧電部品の製造方法においては、第三の封止材4cの硬化と第四の封止材4dの硬化とを同時に行なってもよい。上記の工程Cにおいて第三の封止材4cの硬化と第四の封止材4dの硬化とを同時に行なった場合には、工程を短縮できるので生産性を高めることができるとともに安価な圧電部品を提供できる。
さらに、本発明の圧電部品の製造方法においては、第一の封止材4a、第二の封止材4b、第三の封止材4cおよび第四の封止材4dが同一材料からなる場合は、第一の封止材4aと第三の封止材4cとの結合および第二の封止材4bと第四の封止材4dとの結合が強固なものとなり、圧電基板1、封止基板3および封止材4とで気密性の良好な振動空間を形成することができる。
また、本発明の圧電部品の製造方法において、第一の封止基板3aおよび第二の封止基板3bの両方を、あるいは第一の封止基板3aおよび第二の封止基板3bのいずれか一方を未硬化の樹脂からなる接着シートを用いて形成してもよい。なお、ここでいう接着シートとは、例えば未硬化状態の熱硬化性エポキシ系樹脂をシートとしたものであり、一般的にはその取り扱いを容易とするために一方の面には剥離フィルムが付着している。接着シートは、その厚みが数10〜数100μmであり、例えばエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂からなる場合、加熱することによりいったん柔らかくなって接着性を増し、その後硬化する特性を有する。また、ガラス布やアラミド繊維などに接着性樹脂を含有した接着シートを利用しても良く、さらに、フィラーを含有した接着シートでも良い。このような接着シートを第一の封止基板3aおよび第二の封止基板3bとして用いる場合は、圧電基板1に第一の封止材4aを塗布・硬化後、圧電基板1と略同一形状の接着シートを貼り合わせ、しかる後、加圧・加熱することにより振動電極2が気密に封止された振動空間が形成される。
本発明の圧電部品の製造方法において、第一の封止基板3aおよび第二の封止基板3bの両方を、あるいは第一の封止基板3aおよび第二の封止基板3bのいずれか一方を未硬化の樹脂からなる接着シートを用いて形成することにより、接着シート自体が未硬化の樹脂からなるため第一の封止基板または第二の封止基板に未硬化の樹脂をあらたに塗布する必要がないので工数を減少させることができ、その結果、生産性を高めることができるとともに安価な圧電部品を提供できる。
なお、一方の封止基板に接着シートからなる基板を用い、他方の封止基板にチタン酸バリウム等の高誘電率材料から成る基板を用いるとともに容量電極を形成することにより、接着シートは硬化後も良好な弾力性を有することから、容量内蔵型でかつ耐衝撃性の圧電部品とすることができる。
そして、本発明の製造方法により製作された圧電部品は、端面に引き出し電極5と電気的に接続する外部電極が形成される。外部電極は、銀などの導体膜,導電性接着剤などで形成され、所望により、その表面にニッケル,スズなどのメッキが施される。これを配線基板等の配線導体に半田等のろう材を用いて電気的に接続することにより振動電極2が配線基板上の半導体素子等の外部電極と接続されることとなる。
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良が可能である。
(a)は本発明の圧電部品の製造方法を用いて製作される電子部品の実施の形態の一例を示す断面図、(b)は図1の圧電部品より上側の封止基板を取り除いた状態を示す上面図である。 (a)〜(e)は本発明の圧電部品の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。 (a)(b)は、空洞構造を有する従来の圧電部品の断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・圧電基板
2,2a,2b・・・・・・・・振動電極
3,3a,3b・・・・・・・・封止基板
4,4a,4b,4c,4d・・封止材
5,5a,5b・・・・・・・・引き出し電極

Claims (4)

  1. 上下両面の中央域に振動電極を有する圧電基板を準備するとともに、該圧電基板の上下両面に、前記振動電極を囲繞するようにして未硬化の樹脂を塗布し、これを硬化させることによって圧電基板の上面に第一の封止材を、下面に第二の封止材を形成する工程Aと、
    前記圧電基板の上方および下方に、下面に未硬化の樹脂が塗布されている第一の封止基板と上面に未硬化の樹脂が塗布されている第二の封止基板を、前記第一の封止材および第二の封止材の各頂部が前記第一の封止基板の下面および第二の封止基板の上面に当接され、かつ各封止基板上の未硬化の樹脂が前記第一,第二の封止材の全周にわたり接触するようにして重ね合わせる工程Bと、
    前記第一,第二の封止基板と前記圧電基板との間に配されている未硬化の樹脂を硬化させることにより、前記圧電基板と前記第一の封止基板との間に第三の封止材を第一の封止材と一体的に形成するとともに、前記圧電基板と前記第二の封止基板との間に第四の封止材を第二の封止材と一体的に形成する工程Cと、
    を含むことを特徴とする圧電部品の製造方法。
  2. 前記工程Cにおいて、前記第三の封止材の硬化と前記第四の封止材の硬化とが同時に行われることを特徴とする請求項1に記載の圧電部品の製造方法。
  3. 前記第一の封止材、第二の封止材、第三の封止材および第四の封止材が同一材料からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の圧電部品の製造方法。
  4. 前記第一の封止基板および第二の封止基板の少なくとも一方が未硬化の樹脂からなる接着シートであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の圧電部品の製造方法。
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