JP2005317886A - 光電変換装置とこれを用いた太陽電池素子、並びに太陽電池モジュール - Google Patents

光電変換装置とこれを用いた太陽電池素子、並びに太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】表集電極と半導体領域間のコンタクト抵抗を低減することによって、出力特性を向上させた光電変換装置を提供する。
【解決手段】光入射面を有する半導体領域3と、光入射面への光照射によって半導体領域3で生じた光生成キャリアを電流として集める光入射面に配設された略線状の表集電極1、2と、表集電極1、2と半導体領域3とが接触したコンタクト部2aと、表集電極1、2を流れる電流方向Iと略垂直な面Jとこの表集電極1、2が構成するコンタクト部2aの外郭線2bとの交点を電流方向に対して連続的に移動したときの軌跡線2bと、を備え、この軌跡線2bは、その接線方向と電流方向とが一致しない領域、例えば、凹凸状の屈曲領域を少なくとも一部に含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、略線状の表集電極を有した光電変換装置とこの光電変換装置を用いた太陽電池素子、並びに太陽電池モジュールに関するものである。
現在、太陽電池の主流製品は結晶シリコン基板を用いたバルク型シリコン太陽電池である。特許文献1に記載されているバルク型シリコン太陽電池110の一般的な構成を図7に示す。図7(a)は、断面構造を示す図である。図に示すように、p型シリコンの半導体基板からなるp型バルク領域105の光入射面側にP(リン)原子などが高濃度に拡散され、p型バルク領域との間にpn接合を形成した逆導電型領域104が形成され、さらに窒化シリコン膜や酸化シリコン膜などからなる反射防止膜106が設けられている。また、光入射面の反対側には、アルミニウムなどのp型半導体不純物を多量に含んだp領域であるp型領域107が設けられている。
光入射面から光が入射すると、逆導電型領域104とp型バルク領域105とp型領域107とからなる半導体領域103で光生成キャリアが発生するが、これらを電流として集めて出力端子にまで導くために、光入射面側には銀などの金属材料を主成分とする表集電極(バスバー電極101、フィンガー電極102(後述))が設けられ、反対側にはアルミニウムからなる裏面集電極108、銀を主成分とする裏面出力電極109が設けられている。
図7(b)は光入射面(表面)側から表集電極を見た図である。同図において101はバスバー電極、102はフィンガー電極を示す。このように、表集電極は、一般的には線幅の狭いフィンガー電極102(枝電極)とそれらフィンガー電極102の少なくとも一端が接続される線幅が太いバスバー電極101(幹電極)とからなっている。
この表集電極での電力ロスをできるだけ低減するために、表集電極には、通常、金属材料が使われ、とりわけ抵抗率の低い銀を主成分とすることが一般的であり、例えば、スクリーン印刷法などにより銀ペーストなどを塗布した後、焼成して形成される。
また、表集電極は光入射面に配置されるため、必然的に表集電極の面積分の光学ロス(反射ロス)が生じる。そのため表集電極のフィンガー電極102やバスバー電極101は極力細線化する必要があるが、一方で該細線化は、フィンガー電極102やバスバー電極101の線抵抗を増大させるため、電力の抵抗ロスを増大させる方向にあるので、両者(光学ロス側面と抵抗ロス側面)のバランスを考慮して最適設計をする必要がある。また、フィンガー電極102に集められた電子をできる限り損失なくバスバー電極101に運ぶため(フィンガー電極長を最短にするため)、フィンガー電極102はバスバー電極101と直交して設けられることが一般的である。図7(b)のC部の拡大図を図7(c)に示す。図7(c)に示すように通常、フィンガー電極102はほぼ直線的に設けられる。これは、フィンガー電極長に起因した電気的ロス(抵抗ロス)を抑えるとともに、光学ロスを抑えるという目的にかなっている。
特開平8−274356号公報 特開平5−75152号公報 特開平9−102625号公報 特開平11−31265号公報
上述のように、表集電極は、光学的なロスとフィンガー電極長に起因した電気的ロスの狭間で最適にバランスするような設計が必要であるが、これらはトレードオフの関係にあるため自ずと限界がある。そこで発明者は、フィンガー電極長に起因した電気的ロス以外に存在する電気的ロスを低減することができないかと鋭意考察し、表集電極と半導体領域103との間の接触抵抗(コンタクト抵抗)の改善という課題に着目した。
表集電極/半導体領域103間のコンタクト抵抗は、太陽電池特性のうち、特に曲線因子(FF)に影響する直列抵抗成分のひとつで、コンタクト抵抗の増大はFF特性を低下させて変換効率を低下させる。ここで変換効率η∝短絡電流密度Jsc×開放電圧Voc×曲線因子FFである。なお、シャント抵抗Rshが充分に大きくない、すなわちリーク電流が充分小さくない場合は、その程度に比例して特に開放電圧Vocに影響を及ぼす。
そこで、現在市場に売り出されている結晶シリコン系モジュールに使われている多結晶シリコン基板を用いた変換効率15%程度の太陽電池素子について、表集電極/半導体領域103のコンタクト部を起源とするコンタクト抵抗が太陽電池の変換効率に及ぼす影響を計算したところ、これまでに蓄積されている様々な実験データから、変換効率に換算して約0.3%程度のロス量と見積もられた。したがって、このようなコンタクト抵抗を低減することができれば、さらに太陽電池の変換効率を向上させることが可能となる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、表集電極と半導体領域間のコンタクト抵抗を低減することによって、出力特性を向上させた光電変換装置を提供するとともに、これを用いた高い変換効率を有する太陽電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1にかかる光電変換装置は、光入射面を有する半導体領域と、前記光入射面への光照射によって前記半導体領域で生じた光生成キャリアを電流として集める前記光入射面に配設された略線状の表集電極と、前記表集電極と前記半導体領域とが接触したコンタクト部と、を備え、前記表集電極を流れる電流方向と略垂直な面とこの表集電極が構成する前記コンタクト部の外郭線との交点を前記電流方向に対して連続的に移動したときの軌跡線は、この軌跡線の接線方向と前記電流方向とが一致しない領域を少なくとも一部に含む。
本発明の請求項2にかかる光電変換装置は、請求項1に記載の光電変換装置において、前記軌跡線の接線方向と前記電流方向とが一致しない領域には、凹凸状の屈曲が設けられている。
本発明の請求項3にかかる光電変換装置は、請求項1又は請求項2に記載の光電変換装置において、前記表集電極は、フィンガー電極と、このフィンガー電極の少なくとも一端部が接続されるとともにこのフィンガー電極よりも線幅を太くした、出力取出用のバスバー電極と、を含む。
本発明の請求項4にかかる光電変換装置は、請求項3に記載の光電変換装置において、前記コンタクト部は、前記表集電極の前記フィンガー電極と前記半導体領域とが接触して構成され、このコンタクト部の外郭線によって囲まれた面積をS、前記コンタクト部の前記外郭線を前記フィンガー電極の電流方向に略垂直な複数の切断面で切断して形成されるそれぞれの切断面内における2つの交点間距離の平均値をd、および前記コンタクト部の前記外郭線の全長をLとしたときに、これらが次式の関係を有するフィンガー電極を少なくとも一つ有する。
0.5L(S・d −1+d−1>1.2・・・(1)
本発明の請求項5にかかる光電変換装置は、請求項3又は請求項4に記載の光電変換装置において、前記コンタクト部の外郭線の形状は、このコンタクト部を形成する表集電極の中心線であって、この表集電極の電流方向と同方向をなす中心線を挟んで非対称となるようにした部分を少なくとも一部に有する。
本発明の請求項6にかかる光電変換装置は、請求項3に記載の光電変換装置において、前記コンタクト部は、前記表集電極の前記バスバー電極と前記半導体領域とが接触して構成され、このコンタクト部を光入射面の鉛直方向から平面視したときの、外郭線の全長の総和をL、面積をSとし、前記光入射面全体を光入射面の鉛直方向から平面視したときの面積をSとしたときに、これらが次式の関係を有する。
>5S 1/2・・・(2)
0.015<S/S<0.050・・・(3)
本発明の請求項7にかかる太陽電池素子は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の本発明の光電変換装置を用いている。
本発明の請求項8にかかる太陽電池モジュールは、所定間隔で配列されるとともに互いに電気的に接続された、複数枚の板状の太陽電池素子を有する太陽電池モジュールであって、前記複数枚の太陽電池素子は、請求項7に記載の本発明の太陽電池素子を含む。
なお、本発明において、電極と半導体領域とが接触したコンタクト部は、必ずしも電極と半導体領域とが全面で接触していることを指すものではなく、半導体領域に電極が設けられ、電極と半導体領域間において相互に導通が取れていればよい。
また、これらの各請求項は互いに組み合わせても本発明の作用効果を奏する。
本発明によれば、表集電極を流れる電流方向と略垂直な面とこの表集電極が構成する前記コンタクト部の外郭線との交点を前記電流方向に対して連続的に移動したときの軌跡線は、この軌跡線の接線方向と前記電流方向とが一致しない領域を少なくとも一部に含むようにしている。これによって、表集電極のエッジ部分(該電極が半導体領域となすコンタクト領域の外郭線)が、直線形状のときに比べて長さが増大する。したがって、Rc=Rcs/(Wc×Dc)におけるWcが実質的に増大し、その結果としてコンタクト面積が増大してコンタクト抵抗を低減せしめることができる。
このように本発明の光電変換装置によれば、表集電極と半導体の実質的なコンタクト面積が増えるので両者接触部のコンタクト抵抗を有効に低減することができ、この光電変換装置を用いた太陽電池は高効率なものとなる。
以下、本発明にかかる光電変換装置の一例である太陽電池素子の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1(a)は本発明にかかる太陽電池素子の光入射面側(受光面側、表面側)の電極形状の一例を示す図であり、図1(b)は図1(a)のA部において図2(a)のB−B方向の断面で切ったときの部分拡大図である。また、図2(a)は本発明にかかる太陽電池素子の断面構造を示す図であり、図2(b)は非光入射面側(非受光面側、裏面側)の電極形状の一例を示す図である。
構造について簡単に説明する。図2(a)に示すように、p型シリコンの半導体基板からなるp型バルク領域5の光入射面側にP(リン)原子などが高濃度に拡散され、p型バルク領域との間にpn接合を形成した逆導電型領域4が形成され、さらに窒化シリコン膜や酸化シリコン膜などからなる反射防止膜6が設けられている。また、光入射面の反対側には、アルミニウムなどのp型半導体不純物を多量に含んだp領域であるp型領域7が設けられて、本発明にかかる太陽電池素子10が構成されている。そして、図1(a)、図2(b)に示すように太陽電池素子10の光入射面側には銀などの金属材料を主成分とする表集電極(バスバー電極1、フィンガー電極2)が設けられ、反対側にはアルミニウムからなる裏面集電極8、銀を主成分とする裏面出力電極9が設けられている。
太陽電池素子10の光入射面側である反射防止膜6の側から入射から光が入射すると、逆導電型領域4とp型バルク領域5とp型領域7とからなる半導体領域3で吸収・光電変換されて電子−正孔対(電子キャリアおよび正孔キャリア)が生成される。この光励起起源の電子キャリアおよび正孔キャリア(光生成キャリア)によって、太陽電池素子10の表側に設けられた略線状の表集電極と、裏側に設けられた裏側電極との間に光起電力を生じ、発生した光生成キャリアはこれらの電極で集められて、出力端子にまで導かれる。
図1(a)は光入射面(表面)側から見た表集電極の一例を示す図である。同図において1はバスバー電極、2はフィンガー電極を示す。表集電極は、一般的には線幅の狭いフィンガー電極2(枝電極)とそれらフィンガー電極2の少なくとも一端が接続される線幅が太いバスバー電極1(幹電極)とからなっている。この表集電極での電力ロスをできるだけ低減するために、表集電極には、通常、金属材料が使われ、とりわけ抵抗率の低い銀を主成分とすることが一般的であり、例えば、スクリーン印刷法などにより銀ペーストなどを塗布した後、焼成して形成される。
裏側電極は、図2(b)に示されるように、裏面集電極8と裏面出力電極9とからなる。裏面集電極8は、通常、半導体基板であるシリコンに対して、p型化ドーピング元素として作用するアルミニウムを用いて形成され、シリコン基板の裏面側表層部にp型領域7を形成する。このp型領域7はBSF(Back Surface Field)領域とも呼ばれ、光生成電子キャリアが裏面集電極8に到達して再結合損失する割合を低減する役割を果たし、光電流密度Jscが向上する。またこのp型領域7では少数キャリア(電子)密度が低減されるので、このp型領域7および裏面集電極8に接する領域でのダイオード電流量(暗電流量)を低減する働きをし、開放電圧Vocが向上する。
ここで、図1(b)に示すように、本発明にかかる表集電極において、太陽電池素子10の表集電極(図1(b)に示した例ではフィンガー電極2)と半導体領域3とが接触したコンタクト部2aを有し、表集電極を流れる電流方向Iと略垂直な面Jが、この表集電極と逆導電型領域4とのコンタクト部2aの外郭線2bと交わる交点を電流方向Iに対して連続的に移動したときの軌跡線(本図面の例においては外郭線2bと一致)の少なくとも一部に凹凸状の屈曲が設けられている。このようにコンタクト部2aの外郭線2bに凹凸状の屈曲を設けたことによって、表集電極と半導体領域3との間の接触抵抗(コンタクト抵抗)を低減させることができる。
以下、その理由について考察する。図6にフィンガー電極2(特にそのエッジ部分)における電流経路を模式的に示したものを示す。図6において2はフィンガー電極、3は半導体領域、4は逆導電型領域、5はp型バルク領域、6は反射防止膜、7はp型領域である。
図6において、主にp型バルク領域5で生成した電子および正孔キャリアがpn接合によって分離されて電子キャリアが逆導電型領域4に掃き集められ(正孔キャリアはp領域側に掃き集められ:不図示)、この掃き集められた電子キャリアが逆導電型領域4を横方向(基板面に水平な方向)に流れて、電子電流としてフィンガー電極2に流れ込む様子を矢印で示している。ここで図中にも示したように、電子電流はフィンガー電極2のエッジ付近に集中して流れる傾向にある。この集中の程度は逆導電型領域4のシート抵抗と表集電極/逆導電型領域4のコンタクト抵抗の大小関係によって決まる。すなわち逆導電型領域4からフィンガー電極2に電子が流れ込む位置(電子が両者の界面を横切る位置)が異なる任意の電流経路を考えた場合に、この電流経路の全抵抗に占めるシート抵抗起源の抵抗に比べて、コンタクト抵抗起源の抵抗が充分に小さければ(通常は大なり小なりこの条件が実現している)、電流は最も抵抗ロスが少ない経路を選んで流れるので、電子電流は図6に示したようにフィンガー電極2のエッジ部分に集中して流れる。一方、もし経路全抵抗に占めるコンタクト抵抗起源の抵抗が非常に大きければ(まれにコンタクト特性が悪い不良セルなどの場合)、電子電流がエッジ部分に集中する程度は弱まり、より広い接触範囲に渡って流れるようになる(不図示)。
ここで、本発明においては、図1(b)に示すように、上述した軌跡線(外郭線2b)の少なくとも一部に凹凸状の屈曲が設けられている。このような構成としたので、図6に示したように、フィンガー電極のエッジ部分のフィンガー電極線方向への長さ、すなわち電極エッジ部分の電子電流が集中して流れる領域(面積)を実質的に拡張(増大)することができ、その結果、表集電極と半導体領域3との間の接触抵抗(コンタクト抵抗)を低減させることができるものと思われる。
なお、本件が関わる通常のコンタクト特性が実現している場合について言えば、コンタクト抵抗Rc[Ω]は面コンタクト抵抗Rcs[Ω・cm]とコンタクト面積Sc[cm]とによって、次のように書ける。
Rc=Rcs/Sc
ここでコンタクト面積Scをコンタクト幅Wc(図6において紙面に垂直な方向)とコンタクト奥行きDc(図6においてコンタクトエッジからフィンガー電極2の内部に向かう紙面に平行な方向)によってSc=Wc×Dcと書き表せば、前式は次のように表現される。ここでDcは図6中のコンタクト有効幅に対応している。
Rc=Rcs/(Wc×Dc)
すなわちWcを増大させればRcを低減させることができ、本発明によればこのWcを有効に増大させることが可能になる。
なお、一般にDcの値を知ることは非常に困難であるが、この場合はRcの代わりにRc×Dcを用いて[Ω・cm]の単位で議論するのが好都合である。このようにすれば、測定可能なRcsとWcだけでRcに比例した量の大小を議論できるからである(Rcsは四探針測定法により容易に測定することができる)。これによれば上述の軌跡線(外郭線2b)に凹凸状の屈曲を設けない従来の構造では、Rc×Dcの物理量において2〜4Ω・cm程度と見積もられる。これは、現在市場に売り出されている結晶シリコン系モジュールに使われている多結晶シリコン基板を用いた変換効率15%程度の太陽電池素子について、変換効率に換算して約0.2〜0.3%程度のロス量と見積もられる。それに対して本発明にかかる上述の軌跡線(外郭線2b)に凹凸状の屈曲を設けた構成では、コンタクト部の抵抗は、このRc×Dcの物理量において、50%前後程度低減させることは比較的容易であり、これは変換効率に換算して、従来の構造よりも約0.1〜0.15%程度の改善となる。
次いで、図2(a)に示した本発明にかかる太陽電池素子を形成するプロセスを説明する。
まずp型シリコン基板を用意する。図2(a)中、少なくともp型バルク領域5は基板に含まれる。このときp型化ドーピング元素としてはB(ボロン)を用いることが望ましく、濃度は1×1016〜1×1017/cm程度とし、このとき基板の比抵抗値は0.2〜2Ω・cm程度となる。
基板厚は500μm以下にし、より好ましくは350μm以下にする。基板としては、キャスト法で鋳造された多結晶シリコンインゴットをスライスして基板にした多結晶シリコン基板や単結晶シリコン基板などを用いる。なおドーピングはドーピング元素単体を適量シリコンインゴット製造時に含ませてもよいし、既にドープ濃度の分かっているB含有シリコン塊を適量含ませてもよい。その後、基板のスライスにともなう基板表層部の機械的ダメージ層を除去するために、この基板の表面側および裏面側の表層部をNaOHやKOHあるいは、フッ酸やフッ硝酸などでそれぞれ10〜20μm程度エッチングし、その後、純水などで洗浄する。
次に光入射面となる基板表面側に光反射率低減機能を有する凹凸構造を形成する(不図示)。この凹凸構造の形成にあたっては、上述の基板表層部を除去する際に用いるNaOHなどのアルカリ液による異方性ウェットエッチング法を適用することができるが、シリコン基板がキャスト法などによる多結晶シリコン基板である場合は、基板面内での結晶面方位が結晶粒ごとにランダムにばらつくので、基板全域にわたって光反射率を効果的に低減せしめる良好な凹凸構造を一様に形成することは非常に困難である。この場合は、例えばRIE(Reactive Ion Etching)法などによるガスエッチングを行えば比較的容易に良好な凹凸構造を基板全域にわたって形成することができる(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4などを参照)。
次にn型の逆導電型領域4を形成する。n型化ドーピング元素としてはP(リン)を用いることが望ましく、ドーピング濃度は1×1018〜5×1021/cm程度とし、シート抵抗が30〜300Ω/□程度のn型とする。これによって上述のp型バルク領域5との間にpn接合が形成される。
製法としてはPOCl(オキシ塩化リン)を拡散源とした熱拡散法を用いて温度700〜1000℃程度で、p型シリコン基板の表層部にドーピング元素を拡散させることによって形成する。このとき拡散層厚は0.2〜0.5μm程度とするが、これは拡散温度と拡散時間を調節することで、所望の厚さとすることができる。
通常の拡散法では、目的とする面とは反対側の面にも拡散領域が形成されるが、その部分は後からエッチングして除去すればよい。このとき、この基板の表面側以外の逆導電型領域4の除去は、シリコン基板の表面側にレジスト膜を塗布し、フッ酸と硝酸の混合液を用いてエッチング除去した後、レジスト膜を除去することにより行う。また、後述するように、裏面のp型領域7(BSF領域)をアルミニウムペーストによって形成する場合は、p型ドープ剤であるアルミニウムを充分な濃度で充分な深さまで拡散させることができるので、既に拡散してあった浅い領域のn型拡散層の影響は無視できるようにすることができ、この裏面側に形成されたn型拡散層を特に除去する必要はない。
なお、逆導電型領域4の形成方法は熱拡散法に限定されるものではなく、例えば薄膜技術および条件を用いて水素化アモルファスシリコン膜や微結晶シリコン層を含む結晶質シリコン膜などを基板温度400℃程度以下で形成してもよい。ただし薄膜技術を用いて形成する場合は、以下に述べる各プロセスの温度を考慮して後段プロセス程低いプロセス温度となるようにその形成順序を決めることが必要である。
ここで水素化アモルファスシリコン膜を用いて逆導電型領域4を形成する場合はその厚さは50nm以下、好ましくは20nm以下とし、結晶質シリコン膜を用いて形成する場合はその厚さは500nm以下、好ましくは200nm以下とする。
なお、逆導電型領域4を上記薄膜技術で形成するときは、p型バルク領域5と逆導電型領域4との間にi型シリコン領域(不図示)を厚さ20nm以下で形成すると特性向上に有効である。
次に反射防止膜6を形成する。反射防止膜6の材料としては、Si膜、TiO膜、SiO膜、MgO膜、ITO膜、SnO膜、ZnO膜などを用いることができる。厚さは材料によって適宜選択され入射光に対する無反射条件を実現する(材料の屈折率をnとし、無反射にしたいスペクトル領域の波長をλとすれば、(λ/n)/4=dが反射防止膜の最適膜厚となる)。例えば、一般的に用いられるSi膜(n=約2)の場合は、無反射目的波長を600nmとすれば、膜厚を75nm程度とすればよい。
製法としては、PECVD法、蒸着法、スパッタ法などを用い、温度400〜500℃程度で形成する。なお反射防止膜6は後述する表集電極1、2を形成するために所定のパターンでパターニングしておく。パターニング法としてはレジストなどマスクに用いたエッチング法(ウェットあるいはドライ)や、反射防止膜6形成時にマスクをあらかじめ形成しておき、反射防止膜6形成後にこれを除去する方法を用いることができる。また別の方法として、反射防止膜6の上に直接電極材料を塗布し焼き付けることによって表集電極1、2と逆導電型領域4を接触させるいわゆるファイヤースルー法も一般的であり、この場合は前記パターニングの必要はない。このSi膜には、形成の際には表面パッシベーション効果、その後の熱処理の際にはバルクパッシベーション効果があり、反射防止の機能と併せて、太陽電池素子の電気特性を向上させる効果がある。
次に、基板の表面に銀ペーストを、裏面にはアルミニウムペーストおよび銀ペーストを塗布して焼成することにより(以後、印刷焼成法と呼ぶ)、表集電極および裏側電極を形成する。
まず、裏面集電極8として、アルミニウム粉末と有機ビヒクルとガラスフリットをアルミニウム100重量部に対してそれぞれ10〜30重量部、0.1〜5重量部を添加してペースト状にしたアルミニウムペーストを、例えばスクリーン印刷法で印刷し、乾燥後に同時に600〜850℃で1〜30分程度焼成することにより焼き付けられる。このときにシリコン基板中にアルミニウムが拡散して、裏面で発生したキャリアが再結合することを防ぐp型領域7(BSF領域)が同時に形成される。このときp型領域のアルミニウムドープ濃度は、1×1018〜5×1021/cm程度とする。なお、p型化ドーピング元素としてはB(ボロン)を用いることもできる。
なお、印刷焼成法を用いてこのp型領域7を形成する場合は、既に述べたように基板表面側の逆導電型領域4形成時に同時に基板裏面側にも形成されているn型の領域を除去する必要もなくすことができる。
また、このペースト中の金属成分のうちp型領域7の形成に使われずこのp型領域7の上に残存したものはそのまま裏側電極の一部として使うこともでき、この場合は残存成分を塩酸などで特に除去する必要はない。なお、本明細書では、このp型領域7の上に残存したアルミニウムを主成分とする裏面集電極8が存在するものとして扱うが、除去した場合は代替電極材料を形成すればよい。この代替電極材料としては、後述する裏面集電極8となる銀ペーストを使うことが、裏面に到達した長波長光の反射率を高めるために望ましい。
なお、このp型領域7(裏面側)は、印刷焼成法に代えて、ガス拡散法で形成することも可能である。この場合は、BBrを拡散源として温度800〜1100℃程度で形成する。このとき、既に形成してある逆導電型領域4(表面側)には酸化膜などの拡散バリアをあらかじめ形成しておく。また、このプロセスによって反射防止膜6にダメージが生じる場合は、このプロセスを反射防止膜形成プロセスの前に行うことができる。またドーピング元素濃度は1×1018〜5×1021/cm程度とする。これによってp型バルク領域5とこのp型領域7との間にLow−High接合を形成することができる。
なおまた、p型領域7の形成方法は、印刷焼成法やガス拡散法に限定されるものではなく、例えば薄膜技術を用いて水素化アモルファスシリコン膜や微結晶シリコン相を含む結晶質シリコン膜などを基板温度400℃程度以下で形成してもよい。このとき膜厚は10〜200nm程度とする。このとき、p型領域7とp型バルク領域5との間にi型シリコン領域(不図示)を厚さ20nm以下で形成すると特性向上に有効である。ただし薄膜技術を用いて形成する場合は、以下に述べる各プロセスの温度を考慮して後段プロセス程低いプロセス温度となるようにその形成順序を決めることが必要である。
次に本発明の表集電極1、2および裏面出力電極9を形成する。これらは、銀粉末と有機ビヒクルとガラスフリットを銀100重量部に対してそれぞれ10〜30重量部、0.1〜5重量部を添加してペースト状にした銀ペーストを、例えばスクリーン印刷法で印刷、乾燥後に同時に600〜800℃で1〜30分程度焼成することにより印刷面に焼き付けられる。
これらの電極材料としては、銀、Cu、アルミニウムといった低抵抗金属を少なくとも1種含む材料を用いることが望ましいが、抵抗率の関係から銀が最も好ましい。製法としてはこれら金属を含んだペーストを用いた印刷焼成法以外にも、スパッタ法、蒸着法などの真空製膜法を用いることができる。特にペーストを用いた印刷焼成法では、いわゆるファイヤースルー法によって、反射防止膜6をパターニングすることなしに、表集電極1、2となる金属含ペーストを反射防止膜6上に直接印刷し焼成処理をすることによって表集電極1、2と逆導電型領域4との間に電気的コンタクトをとることができ、製造コスト低減に非常に有効である。なお、表集電極1、2の形成は、裏面側のp型領域7の形成に先立って行われてもよい。
さらに電極と半導体領域との接着強度を特に高めるため、ペーストを用いた印刷焼成法ではTiOなどの酸化物成分をペースト中にわずかに含ませ、また真空製膜法では電極と半導体領域との界面にTiを主成分とした金属層を挿入するとよい。なお、裏側電極の場合は、Ti主成分金属層の厚さは5nm以下として金属層が挿入されることによる反射率低減を抑制することが望ましい。裏面集電極8は基板裏面全面に形成することが裏面に到達した長波長光の反射率を高めるために望ましい。
なお、裏面集電極8と裏面出力電極9とは重なり合って厚くなると割れが生じやすいので、出力取出用の裏面出力電極9を形成した後、裏面集電極8は、裏面出力電極9をできるだけ覆わないように導通が取れる程度の状態で形成するのが望ましい。なお、この裏面出力電極9と裏面集電極8を形成する順番はこの逆でもよい。また、裏側電極においては上記構造をとらず、表集電極と同様の銀を主成分とするバスバー部とフィンガー部で構成された構造としてもよい。
本発明にかかる光電変換装置においては、表集電極のパターンは、既に図1(b)で示したように、逆導電型領域4と集電電極のコンタクト部2aの外郭線2bが、電流方向Iと略垂直な面Jに対して交わる点がI方向に向かって形成する連続した軌跡線の少なくとも一部に凹凸状の屈曲が設けられている。具体的には、例えばペーストを用いた印刷焼成法を用いる場合には、図1(b)に示したような、コンタクト部2aの外郭線2bがジグザグ形状になるような所定の開口パターンを有するスクリーンを用いてスクリーン印刷を行い、上述したように焼き付ければよい。このようにすれば、既に述べたように集電電極のコンタクト部2aの外郭線2bの長さが長くなり、逆導電型領域4との実質的なコンタクト領域が増大するのでコンタクト抵抗を有効に低減することができる。
最後に、必要に応じて半田ディップ処理によって表集電極および裏側電極上に半田領域を形成する(不図示)。なお、半田材料を用いない半田レス電極とする場合は半田ディップ処理を省略する。
以上によって本発明の太陽電池素子が実現される。
なお、このようにして形成された太陽電池素子は、通常、太陽電池素子一枚では発生する電気出力が小さいため、一般的に複数の太陽電池素子を直並列に接続した太陽電池モジュールとして用いられる。そして、さらにこの太陽電池モジュールを複数枚組み合わせることによって、実用的な電気出力が取り出せるように構成される。
ここで本発明にかかる太陽電池モジュールの構造とこれを形成するプロセスについて、図8を用いて説明する。
透光性パネル12としては、ガラスやポリカーボネート樹脂などが用いられる。ガラスとしては白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラスなどが用いられるが、一般的には厚さ3mm〜5mm程度の白板強化ガラスが多く使用される。ポリカーボネート樹脂の場合、厚みが5mm程度のものが多く使用される。
充填材13としては、透光性、耐熱性、電気絶縁性を有する素材が好適に用いられ、酢酸ビニル含有量20〜40%のエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)のほか、ポリビニルブチラール(PVB)などを主成分とする、厚さ0.4〜1mm程度のシート状形態のものが用いられる。充填材13は、太陽電池モジュール17の作製に当たっては、太陽電池素子の表側と裏側の双方に配されることが多く、これらは減圧下でのラミネート工程において、熱架橋融着して他の部材と一体化する。
裏面保護材14は、水分を透過しないようにアルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂シートやアルミナまたはシリカを蒸着したポリエチレンテレフタレ−ト(PET)シートなどが用いられる。
タブ11は、例えば、銅箔を主体としその表面に半田がコートされた導電性の材質からなる。これを所定の長さに切断し、太陽電池素子10の出力取出電極であるバスバー電極1および裏側の裏面出力電極9に半田付けして用いる。
実際にタブ11を配線するには、まず、タブ11の一端を太陽電池素子10のバスバー電極1にホットエアーやホットプレートなどにより半田付けで接着する。続いて、このタブ11の他端をモジュールにしたときに隣接する太陽電池素子10の裏側の裏面出力電極9に同様にして半田付け接着する。なお、並列接続の場合は隣接する太陽電池素子10のバスバー電極1同士を接着すればよい。これを繰り返して複数の太陽電池素子10を接続した太陽電池素子群を作製する。
なお、太陽電池素子群の中に、本発明の太陽電池素子10が少なくとも1つ含まれていれば効果を奏するが、発明の効果を良好に奏するためには、太陽電池素子群を構成する太陽電池素子全てが本発明の太陽電池素子10であることがより望ましい。
出力配線15は、タブ11によって接続された太陽電池素子10の群からの電気出力を端子ボックス16のターミナルに伝えるもので、通常厚さ0.1mm〜0.5mm程度、幅6mm程度の銅箔の表面全体に20〜70μm程度の半田を被覆したものを、所定の長さに切断し、太陽電池素子10の電極に半田付けされている。
ここで、上述のような透光性パネル12、表側の充填材13、複数の太陽電池素子10にタブ11や出力配線15が接続された太陽電池素子群、裏側の充填材13、裏面保護材14の積層体を接着一体化する。すなわち、各部材の積層体をラミネータと呼ばれる減圧状態で加熱しながら加圧する装置にセットした後、太陽電池モジュール17の内部の空気を除去するために50〜150Pa程度に減圧し、100〜200℃の温度で15分〜1時間加熱しながら加圧する。これによって、表側と裏側にそれぞれ配された充填材13が軟化し架橋融着するため、各部材を接着し一体化し、太陽電池モジュール17のパネル部を作製することができる。
さらに、上述の方法によって作製された太陽電池モジュール17のパネル部の裏面に端子ボックス16を接着剤により取り付ける。端子ボックス16は、太陽電池素子10からの出力配線15と外部回路に接続するためのケーブル(不図示)の接続を行うものであり、変性PPE樹脂などで紫外線などに対する耐光性を考慮して通常黒色に造られる。また端子ボックス16の概略の大きさは、出力約160W程度の一般的な太陽電池モジュールでは100×60×20mm程度のものが多い。
また、通常、太陽電池モジュール17のパネル部の各辺部に対してモジュール枠(不図示)が設けられることが多い。モジュール枠は、アルミニウムの押し出し成形で造られることが多く、その表面にはアルマイト処理などが施される。そしてこのモジュール枠を太陽電池のパネル部の外周各辺に嵌め込み、各コーナー部をビスなどにより固定する。このようなモジュール枠を設けることによって、機械的強度や耐候性能を付与し、さらに、太陽電池モジュールを設置する場合などに取り扱いやすくすることができる。
以上によって、本発明の太陽電池モジュールが実現される。
次に本発明にかかる電極の他の実施形態について説明する。
図1(b)に示した例では、表集電極と半導体領域3とが接触したコンタクト部2aの外郭線2bに設けた凹凸状の屈曲として、三角形を連続的につけた三角波状のジグザグとなった形状としたが、例えば、図3(a)に示すように、外郭線2bが三角形を断続的につけた形状や、図3(b)に示すように、曲線によって形成されていてもよい。このように多角形、矩形、曲線、あるいはこれらの組合せによって外郭線2bを形成することが可能である。
また、コンタクト部2aの外郭線の形状は、コンタクト部2aを形成する表集電極の中心線であって、この表集電極の電流方向Iと同方向をなす中心線を挟んで非対称となるようにしたほうがよい。わかりやすくするため、図4は表集電極のうちフィンガー電極2と半導体領域3とのコンタクト部2aの形状とその外郭線2bで示す。図4(a)に示す例は、この外郭線2bと、電流が流れる方向と同方向の中心線Kを挟んで対向する外郭線2bとのジグザグ形状は、位相がずれた状態であり、互いに非対称の位置関係となっている。このようにすれば、フィンガー電極2の幅が特に狭くなる部分をなくすことができるのでフィンガー電極2の線抵抗を高めることもなく非常に有効である。図にはフィンガー電極2の中心線を挟んで対称位置にあるエッジ形状の位相差が半周期とした場合について示したが、位相差は半周期に限る必要はなく、フィンガー電極2の括れ部分を少なくすることができれば、その程度に応じて特性向上が期待できる。この場合にもジグザグ形状ばかりでなく、図4(b)、図4(c)に示すように多角形、矩形、曲線、あるいはこれらの組合せによって、その外郭線が、電流が流れる方向を挟んで非対称となるように形成することが可能である。
また、図5に示すように、フィンガー電極2と半導体領域3が接触して構成されるコンタクト部2aの外郭線2bによって囲まれた面積をS、外郭線2bを電流が流れる方向Iに略垂直な複数の面で切断したとき、これらそれぞれの切断面中の2つの切断交点間の距離の平均値をd、および外郭線2bの周囲の長さをLとしたときに、これらが、次式の関係を有していることが望ましい。
0.5L(S・d −1+d−1>1.2・・・(1)
(1)式の意味について説明する。フィンガー電極2と半導体領域3が接触して構成されるコンタクト部2aの外郭線2bによって囲まれた面積Sは、別の表現をすれば、コンタクト部2aの外郭線を鉛直方向から平面視したときの面積と言い換えることもできる。したがって、フィンガー電極2の形状を矩形状と仮定した場合に、2(S・d −1+d)はこの矩形の外周の周囲の長さと等しくなる。したがって、Lをこれで割った0.5L(S・d −1+d−1は、本発明にかかるコンタクト部2aの外郭線2b(凹凸状の屈曲部を有している)の周囲の長さと、凹凸状の屈曲のない場合(矩形状の場合)の周囲の長さとの比であるから、これはすなわち凹凸状の屈曲によって長くなっている比率を意味する。このように特に表集電極の中でも集電の役割を主として果たすフィンガー電極2と半導体領域3とのコンタクト部2aにおいて、その外郭線2bの周囲の長さLが、同面積の矩形とした場合の外郭線の周囲の長さに対して1.2倍以上にすることにより、コンタクト部2aの有効面積を明らかに増加させて、コンタクト抵抗の低減を図ることができるため、光電変換素子の出力特性を向上させることができる。
なお、この凹凸状の屈曲によって長くすべき比率の上限としては、3〜5とすることが望ましく、より望ましくは3である。すなわち、外郭線2bが2次元構造をなす場合は、比率が値よりも大きくなると、表集電極の面積の増大を招かないためには必然的に、この凹凸状の凸部の線幅が細くなりすぎ線切れなどの問題を招来する。また、外郭線2bを表集電極下の半導体領域表面の凹凸構造を反映させて3次元構造で形成する場合は、比率が値よりも大きくなると、該半導体表面の凹凸構造のアスペクト比(凹凸高さ/凹凸ピッチ)が大きくなりすぎることに対応するため該凹凸構造の凸部でリークが発生しやすくなる。上記に示した範囲においては、これらのバランスが取れており発明の効果を良好に奏する。
なお、フィンガー電極2の幅を測定する場合は、その長さ方向にm等分(m≧6)して、これらの平均値を求めればよい。例えば、図5の場合、d1〜d5の5箇所で切断して6等分したものであり、これらの5箇所の平均値をdとすればよい。
なお、上述の説明では、表集電極として半導体領域3と接触してコンタクト部2aを構成するフィンガー電極2と、このフィンガー電極2の少なくとも一端部が接続されるとともにこのフィンガー電極2よりも線幅を太くした、出力取出用のバスバー電極1と、を含んだ例によって説明した。このような構成とすることによって、光電変換装置の光入射面積を最大限に増加させ、抵抗を最大限に減らすことができるので望ましい。
また、このように表集電極として半導体領域と接触してコンタクト部を構成するのは、フィンガー電極に限るものではなく、バスバー電極に対しても同様に、半導体領域と接触して本発明に係るコンタクト部を構成するようにすれば、さらに優れた効果を奏するので望ましい。
以下、本発明にかかるバスバー電極1の好ましい態様について、図9を用いて説明する。
図9(a)は本発明の太陽電池素子の光入射面側から表集電極を見た図であり、図1(a)と比べて、バスバー電極が1本多い状態である。図9(b)は図9(a)のD部の部分拡大図である。
図9の場合では、表集電極からフィンガー電極2を除いた部分、すなわちバスバー電極1は3本であり、図9(b)に示すように、これらのバスバー電極1と半導体領域3(図2(a)の断面構造図に示した)とが接触して構成されるコンタクト部1aについて、外郭線を平面視したときの全長の総和をL、コンタクト部1aの外郭線を光入射面の鉛直方向から平面視したときの面積をS、光入射面全体を光入射面の鉛直方向から平面視したときの面積をSとしたときに以下の式が成り立つように構成すると望ましい。
>5S 1/2・・・(2)
0.015<S/S<0.050・・・(3)
まず、(2)式について説明する。これは、図9(b)に示すように、コンタクト部1aを平面視したときの、外郭線1bの全長の総和Lが、この太陽電池素子の光入射面全体を平面視したときの面積Sの平方根(1/2乗)の5倍よりも大きいことを表す。図に示した例はバスバー電極1の一部分を拡大して示したものであり、実際の外郭線の全長は、バスバー電極1の全長に渡るものであり、さらに、この外郭線の長さの総和Lは、バスバー電極の本数の分だけ足し合わせる必要がある。
本発明において、このコンタクト部1aを平面視したとき外郭線1bの長さが大きいことは、このバスバー電極1のエッジ部分の電子電流が集中して流れる領域(面積)を実質的に拡張(増大)することに相当する。これは、既に図6の説明において述べた推測のとおりである。この結果、バスバー電極1と半導体領域3との間の接触抵抗(コンタクト抵抗)を低減させることができ、太陽電池素子の変換効率を上げることができる。
この外郭線の全長の総和Lとしては、この太陽電池素子の光入射面全体の面積Sの平方根(1/2乗)の5倍よりも大きいことが望ましいが、これは、図9(a)に示したように略正方形の太陽電池素子で、一辺の長さよりわずかに小さいバスバー電極1が設けられている場合には、バスバー電極1を3本以上とすれば達成できるが、単に増やしただけでは、光入射面を遮ってしまい、逆に光の入射量を減少させることになる。したがって、(3)式に示すように、コンタクト部1aの外郭線を鉛直方向から平面視したときの面積Sが、光入射面を平面視したときの面積Sにの対して、比率が0.050(5%)よりも小さくなるにする。なお、それぞれ「平面視」という限定を付けているのは、表面の凹凸やうねりを除去するためである。
コンタクト部1aの外郭線を平面視したときの面積Sは、バスバー電極1の面積に対応する。この面積を光入射面の全面積に対して、所定範囲よりも小さく抑えることによって、変換効率を下げることを抑制できるということを意味するものである。なお、この比率は0.015(1.5%)以下にしてしまうと、バスバー電極1の幅が狭くなるなどの理由から導電抵抗が上がってしまい望ましくない。
なお、上式による作用効果は、太陽電池素子の形状が不規則な場合にも良好に発揮される。図10に示す例は、不規則な形状の太陽電池素子の一例を示すものである。図10(a)は横長の太陽電池素子10aの長手方向にフィンガー電極2を設け、短手方向にバスバー電極1を設けた例であり、図10(b)は縦長の太陽電池素子10bの長手方向にバスバー電極1を設け、短手方向にフィンガー電極2を設けた例である。
例えば、図10(a)の場合には、バスバー電極1の1本当たりの長さは短くなるが、(2)式によって、バスバー電極1の本数を増加させるような構成とする。このような横長の太陽電池素子10aの場合、フィンガー電極2の長さが大きくなり、抵抗が高くなって、素子特性に悪影響を及ぼすが、このように(2)式に示すようにバスバー電極1の本数を増加させることによって、フィンガー電極2からバスバー電極1までの距離を短くすることができ、高抵抗化による悪影響を回避できる。
また、図10(b)の場合には、バスバー電極1の1本当たりの長さが長くなるので、(2)式にしたがえば、バスバー電極1の本数は減少する構成となる可能性がある。このような縦長の太陽電池素子10aの場合、フィンガー電極2の長さも短くなるから、バスバー電極1の本数が少なくても、フィンガー電極2の抵抗による悪影響が少ない。
このように、本発明にかかるバスバー電極は、(2)式と(3)式による構成とすることによって、その長さと面積を最適なものとすることができるので、本発明の光電変換装置(太陽電池素子)は良好な変換効率を得ることができる。
なお、半導体領域3に対してRIE法などのガスエッチングなどによって微細な凹凸を多数設けるようにすれば、コンタクト部1aを平面視して得られる外郭線よりも、真の外郭線は実質的に長くなるため、さらに高い効果を得ることができる。
なお、本発明の実施形態は上述の例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはもちろんである。
例えば、上述では、出力取出用のバスバー電極1に対して、フィンガー電極2の一端部が略直交して接続された例によって説明したが、直交していなくても構わないし、さらにフィンガー電極の両端部がバスバー電極1に接続され、閉じた形状となっていても構わない。そして、フィンガー電極2にかかるコンタクト部2aの外郭線2bとして、そのエッジ形状が互いに相似となった例によって説明したが、これらの形状は相似形状でなくてもよい。
さらに表集電極が略直線状となった例によって説明したが、略曲線状であってもよい。そして半導体基板が平坦な場合(外郭線2bが2次元構造である場合)を例にとって説明したが、これに限るものではなく、例えば、半導体基板表面が、凹凸状(例えばアルカリエッチングによって形成されるピラミッド構造やRIE処理によって形成される微細凹凸形状など)や、曲面状(例えば球形状)であっても(すなわち外郭線2bが3次元構造を有する場合であっても)、本発明の原理・構成によれば、全く同様の効果を奏することは言うまでもない。これらの場合、電流が流れる方向やコンタクト部2a自体も電極形状にしたがって略曲線状あるいは曲面状となるが、この電流が流れる方向に対して略垂直方向を求めるには、電流が流れる方向を示す曲線において、求めたい部分における法線に対して垂直な方向とすればよい。
また上述の説明では、p型シリコン基板を用いた太陽電池について説明したが、n型シリコン基板を用いた場合にも、説明中の極性を逆にすれば同様のプロセスによって本発明の効果を得ることができる。
そして上述の説明では、シングル接合の場合について説明したが、半導体多層膜からなる薄膜接合層をバルク基板使用接合素子に積層して形成した多接合型であっても、本発明を適用することができる。
さらに上述の説明では、キャスティング法を用いた多結晶シリコン基板を例にとったが、基板はキャスティング法によるものに限る必要はなく、また多結晶シリコンに限る必要はない。また、半導体基板に限定されることもなく、半導体薄膜であってもよい。またシリコン材料に限定されることもなく、半導体一般に適用できる。すなわち、化合物系や有機物系の太陽電池にも適用できる。
また、上述の説明では、バルク型シリコン太陽電池を例にとったが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の原理・目的を逸脱しない限り任意の形態とすることができる。すなわち、光入射面を有する半導体領域を備えた光電変換装置であって、前記光入射面への光照射によって前記半導体領域で生じた光生成キャリアを電流として集める、この光入射面に配設された略線状の表集電極と、前記表集電極と前記半導体領域とが接触したコンタクト部であって、このコンタクト部の外郭線は、前記電流が流れる方向と略垂直方向に対して交わる部分の少なくとも一部に凹凸状の屈曲が設けられたコンタクト部と、を備えていれば、太陽電池以外の光センサなどの光電変換装置一般に適用できる。
さらに、上述の説明では、本発明の光電変換装置にかかる軌跡線(上述した例においては外郭線と一致)の少なくとも一部に凹凸状の屈曲が設けられている例によって説明したが、この軌跡線の領域の少なくとも一部に、その接線方向と電流方向とが一致しない領域を含むように構成すれば、本発明の効果を奏する。接線方向と電流方向とが一致しない領域とは、例えば、凹凸状の屈曲形状の例では、凹部から凸部あるいは凸部から凹部への移行部などが含まれる。
以下、上述の実施形態に沿って作製した光電変換装置であるバルク型結晶シリコン太陽電池について、表集電極のフィンガー形状と特性との関係を調べた実験結果について説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
基板としては、キャスト法で製造された150mm×155mmサイズの平板状のp型多結晶シリコン基板を用い、図2(a)に示した構成で太陽電池素子を形成した。
本発明の光電変換装置にかかる表集電極は、銀を主成分としたペーストを用いて印刷焼成した。表集電極の全体パターンは、図1において、基板の向きを縦方向150mm・横方向155mmとしたときに、基板縦中心線に対して線対称に配置されたバスバー電極1の長さを147.5mm、バスバー電極1の幅を2mm、二つのバスバー電極1の中心線間距離を77.5mm、バスバー電極1に対して垂直(基板横方向)に配置され基板縦中心線に対して線対称に配置されたフィンガー電極2の基板一端から他端までの長さ(途中で横切るバスバー電極1の幅を含むとしたとき)を152.8mm、フィンガー電極2の平均の幅を165μm、隣接するフィンガー電極2の中心線間の平均距離を2.38mmとした。なお、フィンガー電極2の平均の幅は、上述したようにバスバー電極1に接続した一端から他端までの長さを10等分して、各々の位置(9ポイント)における幅を求め、平均値を求めた。
この全体パターンを共通条件として、図1(b)および図3、図4に示すフィンガー電極形状の効果を確認する実験を行った。
まず、図1(b)に示すような本発明の光電変換装置にかかる軌跡線、すなわちフィンガー電極2と半導体領域3のコンタクト部2aの外郭線2bに対して、凹凸状の屈曲を設けた場合について実験を行った。実験結果を表1に示す。ここで凹凸状の屈曲は、いずれの形状条件であっても表集電極の光入射面に占める面積割合がほぼ同一になるようにしてある。また、表1には、フィンガー電極2のコンタクト部2aの外郭線2bが凹凸状の屈曲ではない場合(すなわち略直線状の場合)の外周長さを1に規格化したときの凹凸状の屈曲の度合いに対応した外周長さの比率を示している。これはすなわち本発明の請求項3で説明した、
0.5L(S・d −1+d−1
の式で表される値に該当する。ここで凹凸状の屈曲の1周期距離はおよそ10〜20μm程度とした。
Figure 2005317886
表1より、本発明によって特性向上がなされていることが明らかである。すなわちフィンガー電極2のコンタクト部2aの外郭線2bに凹凸状の屈曲を設けたことにより、実質的なコンタクト面積が増大した結果、コンタクト抵抗成分が低減されて特性が向上したと考えられる。
次に、図4に示すフィンガー形状の効果を把握するための実験を行った。表2には、上述の表1の規格化外周長さが1.4の場合について、図4に示すようにフィンガー電極2の電流が流れる方向と同方向の中心線を挟んで対称位置にある凹凸状の屈曲のエッジ形状の位相を半周期ずらして、非対称としたときの実験結果を示す。
Figure 2005317886
表2より、凹凸状の屈曲の位相差を半周期ずらしたことによる特性向上効果が明らかである。すなわち、凹凸状の屈曲の位相差を半周期ずらして、非対称としたことによりフィンガー電極2の括れた部分が解消されてフィンガー電極2の線抵抗が有効に低減され、特性向上が図れたものと考えられる。
次に、図9に示すバスバー電極の形状の効果を把握するための実験を行った。
基板としては、キャスト法で製造された150mm×150mmサイズの平板状のp型多結晶シリコン基板を用い、図2(a)に示した構成で太陽電池素子を形成した。
本発明にかかる表集電極は、銀を主成分としたペーストを用いて印刷焼成した。表集電極の基本パターンとしては、バスバー電極の本数は三本とし、以下に示す寸法とした。
基板縦中心線に1本、それに対して線対称に2本の計3本配置されたバスバー電極1の長さを148.8mm、バスバー電極1の幅を1.3mm、二つのバスバー電極1の中心線間距離を50mm、バスバー電極1に対して垂直(基板横方向)に配置され基板縦中心線に対して線対称に配置されたフィンガー電極2の基板一端から他端までの長さ(途中で横切るバスバー電極1の幅を含むとしたとき)を149mm、フィンガー電極2の幅を80μm、隣接するフィンガー電極2の中心線間の平均距離を2.4mmとした。
またコンタクト部1aを鉛直方向から平面視したときの外郭線1bの長さと、面積Sについては、太陽電池素子を鉛直方向から撮影して、表面画像をデジタル化した後、電極とそれ以外の部分とが分離されるような閾値によって二値化することによって、電極の箇所とそれ以外の箇所とを分離し、面積Sと外郭線1bの長さを求めた。
なお、上述の面積Sと外郭線1bの長さを求めるに当たっては、各測定値はいずれも棄却検定として有意水準0.05でt検定を行い、妥当性を確認済である。
この太陽電池素子について各種特性を測定した結果を表3に示す。なお、太陽電池の特性として、JIS C 8913(1998)で規定される短絡電流値(Isc)と曲線因子(FF)については、この規格に基づいて測定を行った。
なお、図10(a)、(b)に示す横長、縦長の形状を有する多結晶シリコン基板(面積は上記の150mm角と同じとして)についても、同様の実験を行った。なお、バスバー電極1については、横長形状の場合は三本、四本の2種類とし、縦長形状の場合は、二本、三本の二種類とした。
Figure 2005317886
表3より、本発明の(2)式、(3)式の条件を満たす、試料No.2〜6、試料No.9,10は特性向上効果が明らかであった。
(a)は、本発明にかかる光電変換装置の一例である太陽電池素子の光入射面側(表面側)の電極形状の一例を示す図であり、(b)は(a)のA部において図2(a)のB−B方向の断面で切ったときの部分拡大図である。 (a)は本発明にかかる光電変換装置の一例である太陽電池素子の断面構造を示す図であり、(b)は非光入射面側(裏面側)の電極形状の一例を示す図である。 (a)、(b)は、本発明にかかるコンタクト部の実施形態の例を示す図であり、図1(a)のA部において図2(a)のB−B方向の断面で切ったときの部分拡大図である。 (a)、(b)、(c)は、本発明にかかるコンタクト部の実施形態の例を示す図であり、図1(a)のA部において図2(a)のB−B方向の断面で切ったときの部分拡大図である。 本発明にかかるフィンガー電極の寸法構成において好ましい態様を説明するための図である。 一般的なフィンガー電極(特にそのエッジ部分)における電流経路を模式的に示す図である。 バルク型シリコン太陽電池の一般的な構成を示し、(a)は断面構造図であり、(b)は光入射面(表面)側からの表集電極の上視図であり、(c)は(b)のC部の部分拡大図である。 本発明の太陽電池モジュールの断面構造を示す図である。 (a)、(b)は、本発明にかかるバスバー電極の寸法構成において好ましい態様を説明するための図であり、(b)は(a)のD部の部分拡大図である。 (a)、(b)は、不規則な形状の太陽電池素子における、本発明にかかるバスバー電極を示す図である。
符号の説明
1:表集電極であるバスバー電極
1a:コンタクト部
1b:外郭線
2:表集電極であるフィンガー電極
2a:コンタクト部
2b:外郭線
3:半導体領域
4:逆導電型領域
5:p型バルク領域
6:反射防止膜
7:p型領域
8:裏面集電極
9:裏面出力電極
10:太陽電池素子

Claims (8)

  1. 光入射面を有する半導体領域と、
    前記光入射面への光照射によって前記半導体領域で生じた光生成キャリアを電流として集める前記光入射面に配設された略線状の表集電極と、
    前記表集電極と前記半導体領域とが接触したコンタクト部と、を備え、
    前記表集電極を流れる電流方向と略垂直な面とこの表集電極が構成する前記コンタクト部の外郭線との交点を前記電流方向に対して連続的に移動したときの軌跡線は、この軌跡線の接線方向と前記電流方向とが一致しない領域を少なくとも一部に含む光電変換装置。
  2. 前記軌跡線の接線方向と前記電流方向とが一致しない領域には、凹凸状の屈曲が設けられている請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記表集電極は、フィンガー電極と、このフィンガー電極の少なくとも一端部が接続されるとともにこのフィンガー電極よりも線幅を太くした、出力取出用のバスバー電極と、を含む請求項1又は請求項2に記載の光電変換装置。
  4. 前記コンタクト部は、前記表集電極の前記フィンガー電極と前記半導体領域とが接触して構成され、
    このコンタクト部の外郭線によって囲まれた面積をS、前記コンタクト部の前記外郭線を前記フィンガー電極を流れる電流方向に略垂直な複数の切断面で切断して形成されるそれぞれの切断面内における2つの交点間距離の平均値をd、および前記コンタクト部の前記外郭線の全長をLとしたときに、これらが次式の関係を有するフィンガー電極を少なくとも一つ有する請求項3に記載の光電変換装置。
    0.5L(S・d −1+d−1>1.2・・・(1)
  5. 前記コンタクト部の外郭線の形状は、このコンタクト部を形成する表集電極の中心線であって、この表集電極の電流方向と同方向をなす中心線を挟んで非対称となるようにした部分を少なくとも一部に有する請求項3又は請求項4に記載の光電変換装置。
  6. 前記コンタクト部は、前記表集電極の前記バスバー電極と前記半導体領域とが接触して構成され、
    このコンタクト部を光入射面の鉛直方向から平面視したときの、外郭線の全長の総和をL、面積をSとし、前記光入射面全体を光入射面の鉛直方向から平面視したときの面積をSとしたときに、これらが次式の関係を有する請求項3に記載の光電変換装置。
    >5S 1/2・・・(2)
    0.015<S/S<0.050・・・(3)
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光電変換装置を用いた太陽電池素子。
  8. 所定間隔で配列されるとともに互いに電気的に接続された、複数枚の板状の太陽電池素子を有する太陽電池モジュールであって、
    前記複数枚の太陽電池素子は、請求項7に記載の太陽電池素子を含む太陽電池モジュール。
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