JP2005317528A - 導電性ポリアニリン分散液から形成された導電性基板並びにその基板を用いた光電変換素子及び色素増感太陽電池 - Google Patents

導電性ポリアニリン分散液から形成された導電性基板並びにその基板を用いた光電変換素子及び色素増感太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 安価かつ高収率で容易に得ることができる、有機溶媒に安定的に分散した導電性ポリアニリンの分散液を用いて従来と同等以上の性能を有する導電基板を提供すること。
【解決手段】 (A)アニリン又はアニリン誘導体を重合させて得られるポリアニリン、(B)スルホン酸及び/又は(C)プロトン酸基を有する有機重合体、(D)分子量調整剤並びに(E)スルホン酸(B)、プロトン酸基を有する有機重合体(C)並びに分子量調整剤(D)を溶解する有機溶媒を含んでなる、有機溶媒(E)に安定的に分散した導電性ポリアニリン分散液を、基板上に塗布して得られる導電基板並びにそれを用いた導電基板、光電交換素子及び色素増感太陽電池。
【選択図】 図1

Description

本発明は有機溶媒に安定的に高分散した電気電導性の高い導電性ポリアニリンの分散液から形成された導電性基板並びにそれを用いた光電変換素子及び色素増感太陽電池に関する。
アニリン又はアリニン誘導体は化学酸化重合することによって、電解質イオンをドーパントとして含む導電性高分子が得られることは知られている。しかしながら、導電性ポリアニリンは、一般に、有機溶媒に不溶性であり、また不融性でもあるため、成形加工性に劣り、その応用開発が困難であった。然るに、ドデシルベンゼンスルホン酸やジノニルナフタレンスルホン酸のようなスルホン酸とアニリン又はアニリン誘導体からなるアニリン塩を重合することによって有機溶媒に溶解するポリアニリン及びポリアニリン誘導体が得られることが報告されている(特許文献1〜3参照)。しかしながら、ポリアニリン又はその誘導体の有機溶媒に対する溶解性は必ずしも高くなく、例えばポリアニリンのドデシルベンゼンスルホン酸塩のキシレン又はトルエンに対する溶解度は最高でも0.5%未満であり、更に溶解性の高いポリアニリンの製造方法が求められている。また置換又は非置換のポリアニリン、プロトン酸及び有機溶媒からなる導電性高分子組成物が報告されているが(特許文献2)、アニリンの重合時の酸化剤/アニリン(モル比)が0.5であるため、ポリアニリンの収率は30〜40%であるという問題があり、酸化剤/アニリン(モル比)を1.0以上にすると分散安定性が不十分であった。またアニリンの側鎖に置換基を導入することにより、溶解性の向上が図られているが、汎用品ではなく、低収率、導電性が低下するため好ましくない。ここで言う有機溶媒に対するポリアニリン及びその誘導体の溶解性あるいは溶解というのは、ポリアニリン及びその誘導体の微粒子が溶媒中に分散している状態とポリアニリン及びその誘導体が溶媒中に溶解している状態とが混在している状態に関して述べている。
光電変換素子は、光エネルギーを電気エネルギーへ変換する素子であり、例えば太陽電池として利用されている。このような太陽電池の例としては、シリコン系太陽電池、化合物半導体太陽電池などが挙げられるが、最近、これらの太陽電池よりも安価に製造できる色素増感太陽電池が注目されている。光電変換素子は光電極と対極から構成されており、従来、対極として、透明導電膜上に白金を真空蒸着法で蒸着させた膜が積層された電極が用いられている。しかしながら、真空蒸着法には高価な真空設備が必要であり、しかも基板の大きさが非常に制限されてしまうため、大面積基板上に白金層を積層させることは困難であった。
色素増感太陽電池は、スイスのグレツェルらが開発したもので、有機材料を用いた太陽電池の中では光電変換効率が高く、シリコン系太陽電池と比較して、製造コストが安いなどの利点があり、新しいタイプの太陽電池として注目を集めている。図1に色素増感太陽電池の代表に構成の一例を示す。色素増感型太陽電池の代表的な例としては、ルテニウム錯体色素増感型二酸化チタン太陽電池が挙げられる。以下、このルテニウム錯体色素増感型二酸化チタン太陽電池を例にとり電池の構成を説明すると、図1に示すように、ガラスなどの透明基板11の一面に透明導電膜12(例えば、フッ素をドープした酸化スズ膜)が形成され、この透明導電膜12の上に、酸化チタンなどの酸化物半導体微粒子からなり、光増感色素(ルテニウム錯体色素)が担持された酸化物半導体多孔質膜13が形成され、透明基板11、透明導電膜12及び酸化物半導体多孔値膜13が光電極14を構成している。光電極14に対向して対向電極15が配置されており、これらの光電極14と対向電極15との間には、ヨウ素/ヨウ素イオンなどのレドックス対を含む非水溶液からなる電解液が満たされた電解質層16が設けられている。
この色素増感太陽電池においては、太陽光などの光が透明基板11側から入射されると、光電極14と対向電極15との間に起電力が生じ、光電極14から対向電極15に電子が流れ、発電が行われる。対向電極15は、金属板などの導電性基板又はガラス板などの非導電性基板上に白金、金、炭素などの導電膜を形成したもの又はガラス板などの非導電性基板上にフッ素をドープした酸化スズ膜などの導電性金属酸化物膜、白金、金、炭素などの導電膜を順次積層したものが用いられる。特に白金は対向電極15から電解質16への電子移動を円滑に行える触媒作用が大きいため、白金薄膜を有する対向電極15が多く用いられる。
白金薄膜を有する対向電極15は、従来、真空蒸着法又はスパッタリング法によって基板上に白金薄膜を形成させることによって得られる(特許文献4及び5参照)。しかしながら、白金は金よりも高価な貴金属であり、スパッタリング法や真空蒸着法によって白金薄膜を有する対向電極15を形成した場合、材料の消費において無駄が多く、生産性が低く、真空設備を必要とし、設備費も高く、製造コストが高くなる。また、白金薄膜を有する対向電極15は、塩化白金酸溶液等の白金溶液に基板を浸漬し、基板上に白金溶液を塗布した後、焼成処理する方法や白金溶液をスプレー法にて基板に塗布した後、焼成処理することによっても形成される(特許文献6参照)。浸漬法、スプレー法ともに真空設備を必要しないため簡便な方法と言えるが、基板上に塗布された白金溶液を白金薄膜に変換するためには400℃程度の焼成処理が必要であり、熱に弱い基板には適用できないという欠点があった。
また、白金薄膜の代わりに導電性高分子薄膜を形成させた対向電極も報告されている(特許文献7及び8参照)。導電性高分子薄膜を形成させる方法としては、電解重合法により基板上に導電性高分子薄膜を形成させる方法や導電性高分子分散液又は溶液を基板上に塗布する方法が挙げられる。ここで言う導電性高分子溶液は、導電性高分子微粒子が溶媒中に分散している状態と導電性高分子が溶媒中に溶解している状態とが混在しているものを、便宜上導電性高分子溶液としている。電解重合法は、使用できる基板が導電基板に制限されることや使用可能な基板面積に制限があるため基板上に大面積な導電性高分子薄膜を形成させることは困難である。また、導電性高分子微粒子分散液または導電性高分子溶液としては、例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水分散液(バイエル社製バイトロンP)、ポリアニリン水溶液(三菱レイヨン(株)製アクアセーブ)等が挙げられるが、単量体の合成が煩雑であった。また、ポリアニリン溶液としては、ポリアニリンのN−メチルピロリドン溶液が報告されているが、溶液調製法が煩雑であることやポリアニリン溶液から得られるポリアニリン薄膜が絶縁体であり、ドーピングにより導電体へと変換する操作が必要となり簡便ではなかった(特許文献9及び10参照)。また、導電性ポリアニリンの有機溶媒分散液は、前記特許文献1や特許文献11で報告されているが、有機溶媒に対する分散性が必ずしも高くないこと(特許文献1参照)や分散液の調製法が煩雑であった。また、上記導電性高分子微粒子分散液または導電性高分子溶液から形成された導電性高分子薄膜は、白金薄膜ほどの性能を示さなかった。
特開平6−279584号公報 特開2003−176409号公報 米国特許第5232631号明細書 特開2000−173680号公報 特開2000−36330号公報 特開2001−250595号公報 特開平7−226527号公報 特開2003−313317号公報 特開平3−28229号公報 米国特許第5728321号明細書 特開2003−277500号公報
従って、本発明の目的は安価かつ高収率で容易に得ることができる、有機溶媒に安定的に分散した導電性ポリアニリンの分散液を用いて白金薄膜を有する従来の対向電極と同等以上の性能を有する導電基板を提供することにある。
本発明の目的は、また、白金薄膜を有する対向電極と同等の性能を有しながら、製造コストが安価かつ低温下で形成できる対向電極及びこの対向電極を組み込んだ色素増感太陽電池を提供することにある。
本発明に従えば、(A)アニリン又はアニリン誘導体を重合させて得られるポリアニリン、(B)スルホン酸及び/又は(C)プロトン酸基を有する有機重合体、(D)分子量調整剤並びに(E)スルホン酸(B)、プロトン酸基を有する有機重合体(C)並びに分子量調整剤(D)を溶解する有機溶媒を含んでなる、有機溶媒(E)に安定的に分散した導電性ポリアニリン分散液を、基板上に塗布して得られる導電基板が提供される。
本発明に従えば、また、透明導電膜と金属酸化物半導体多孔質膜からなる光電極と、この光電極に対向して配置された対向電極から構成され、両電極間に酸化還元対を含む電解質層が介在する光電変換素子において、対向電極を上記導電基板で構成した光電交換素子が提供される。
本発明に従えば、更に上記光電交換素子の金属酸化物半導体多孔質膜に、光増感色素を担持させて成る色素増感太陽電池が提供される。
本発明によれば、安価にかつ高収率で容易に製造できる有機溶媒に安定に分散した導電性ポリアニリン分散液を用いることによって、導電基板を得ることができ、この導電基板は従来の白金薄膜を有する対向電極と同等以上の性能を生ずる。
本発明者は、先きにアニリン又はアニリン誘導体から、ポリアニリン(A)を製造する際に、有機スルホン酸(B)及び/又はプロトン酸基を有する高分子重合体(C)の存在下に、4位に置換基を有するアニリン誘導体などの分子量調整剤(D)を共存させて酸化重合することにより、有機溶媒に安定的に分散できる導電性ポリアニリンを高収率で合成することを可能にした。本発明者らは更に研究を進め、このポリアニリン分散液を、透明導電性ガラス基板であるFTOガラス(ガラス一面にフッ素ドープした酸化スズの透明導電膜が形成されているガラス)基板上に塗布、乾燥し、FTOガラス基板上にポリアニリン(PAn)導電膜を積層したFTO−PAn電極を作製することに成功し、またこのFTO−PAn電極を対極とした色素増感太陽電池は、FTOガラスのみを対極としたセルと比較して、短絡電流、開放電圧が大きくなり、発電効率が高くなることを見出した。
本発明に係る導電性ポリアニリン分散液を構成するポリアニリン(A)は、通常、アニリンもしくはその誘導体又はこれらの任意の混合物を酸化重合することによって得られる。アニリン誘導体としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基を置換基として有するアニリン誘導体が例示できる。好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、好ましくは炭素数6〜10のアリール基を置換基として有するアニリン誘導体が例示できる。
アニリンの酸化重合のための酸化剤としては、上記アニリン又はその誘導体を重合し得うるものであれば特に限定はなく、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸類、過酸化水素、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、重クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過酸化水素−第一鉄塩等のレドックス開始剤等が好ましく用いられる。これら酸化剤は単独で使用しても2種以上併用してもよい。これら酸化剤の用いる量としては、上記アニリン又はその誘導体を酸化重合し得うる量であれば特に限定はないが、アニリン又はその誘導体1モルに対して好ましくは0.01〜10モル、より好ましくは0.1〜5モルである。
本発明においては、アニリン又はその誘導体の酸化重合に際して、スルホン酸(B)及び/又はプロトン酸を有する有機高分子化合物(C)の存在下に、分子量調整剤(D)及び、必要に応じ、相間移動触媒を共存させ、重合は水層及び有機層の混合層で実施する。
本発明において使用するスルホン酸(B)としては従来からアニリンの酸化重合に使用されている任意のスルホン酸を用いることができ、具体的には一つ又は複数のスルホン酸基を有する脂肪族又は芳香族スルホン酸及びこれらの塩であり、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、高級脂肪酸エステルのスルホン酸、(ジ)アルキルスルホコハク酸、高級脂肪酸アミドのスルホン酸、カンファースルホン酸及びこれらの塩類をあげることができる。これらのスルホン酸の使用量には特に限定はないが、アニリン又はその誘導体1モル当り0.0.1〜5モル使用するのが好ましく、0.1〜3モル使用するのが更に好ましい。前記重合に際しては、スルホン酸を加えて、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸などの無機酸、m−ニトロ安息香酸、トリクロロ酢酸などの有機酸等のプロトン酸を必要に応じて添加してもよい。
本発明において使用するプロトン酸基を有する水不溶性有機高分子化合物(C)は、プロトン酸基を有する複数の側鎖と有機溶媒に対して親和性を示す複数の側鎖が主鎖に結合した構造のものである。プロトン酸基は側鎖末端に限らず、側鎖の途中に複数存在していてもよい。プロトン酸基としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、硫酸基が挙げられ、好ましくはスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基である。プロトン酸基を有する水不溶性高分子化合物としては、上記構造を満たしていれば時に限定されないが、プロトン酸基を有するエチレン系不飽和モノマーと有機溶媒に対して親和性を示す側鎖を有するエチレン系不飽和モノマーとの共重合体を挙げることができる。プロトン酸基を有するエチレン系不飽和モノマーとしては、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸基、メタリルスルホン酸、2−メタクリロイルオキシエチル−1−スルホン酸、3−メタクリロイルオキシプロパン−1−メチル−1−スルホン酸、3−メタクリロイルオキシプロパン−1−スルホン酸、4−メタクリロイルオキシブタン−1−スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノエチルヘキシル、マレイン酸ヒドロキシプロピル、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、りん酸エチル(メタ)アクリレート、りん酸ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、りん酸プロピレングルコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、これらプロトン酸基を有するエチレン系不飽和モノマーのプロトン酸基がアンモニウム基、アルカリ金属塩もしくは有機アミン基の塩になっていてもよい。有機溶媒に対して親和性を示す側鎖を有するエチレン系不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル及び炭素数1〜30で、ヘテロ原子を含んでも良い炭化水素基を有するスチレン誘導体、(メタ)アクリル酸エステル誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエーテル誘導体、カルボン酸ビニルエステル誘導体を挙げることができる。
上記共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。上記重合体は公知の重合法を用いることにより得ることができる。プロトン酸基を有する水不溶性有機高分子化合物として、市販されている水不溶性の顔料分散剤を用いることも可能である。上記市販品としては、例えばディスパービック−110、ディスパービック−111、ディスパービック171、ディスパービック174、BYK−P104(ビックケミー製)、ソルスパース26000、ソルスパース32000(アビシア製)等を挙げることができる。これらのプロトン酸を有す有機高分子化合物の使用量にも特に限定はないが、アニリン又はその誘導体1モル当りプロパン酸性基が0.05〜20モルの比となるように有機高分子化合物を使用するのが好ましく、0.1〜10モル使用するのが更に好ましい。
本発明において使用する分子量調整剤(D)としては、4位に置換基を有するアニリン誘導体、チオール化合物、ジスルフィド化合物及び/又はα−メチルスチレンダイマーが挙げられる。
4位に置換基Xを有するアニリン誘導体としては、式(I):
Figure 2005317528
で示される化合物をあげることができる。式(I)において、Xはアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基、ハロゲン基を表し、Yは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基、ハロゲン基を表し、nは0〜4の整数を表し、nが2〜4の整数の場合、Yは同一であっても異なっていても良い。好ましい置換基Xは、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基であり、好ましい置換基Yは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基である。
本発明において使用するチオール化合物及び/又はジスルフィド化合物(D)としては、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−メチレンチオールなどのチオール化合物、ジエチルジスルフィド、ジブチルジスルフィド等のアルキルジスルフィド類、ジフェニルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド等の芳香族ジスルフィド類、ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類などのジスルフィド化合物をあげることができ、またα−メチルスチレンダイマー等を併用してもよい。これらは公知の化合物であり、その多くは一般に市販されている。これらの化合物の使用量にも特に限定はないが、アニリン又はその誘導体1モル当り5.0×10-6〜5.0×10-1モル使用するのが好ましく、2.0×10-4〜2.0×10-1モル使用するのが更に好ましい。
本発明の好ましい態様において使用する相間移動触媒としては、一般に相間移動触媒として用いられているものであれば特に限定されないが、具体的には、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムアイオダイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハライド類;テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド類のテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイド類;メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド類のテトラアルキルホスホニウムハライド類;12−クラウン−4,15−クラウン−5,18−クラウン−6等のクラウンエーテル類等が挙げられ、このうち反応後の触媒の除去等の取り扱い易さの点でテトラアルキルアンモニウムハライド類が好ましく、特には工業的に安価に入手できるテトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド又はテトラ−n−ブチルアンモニウムクロライドが好ましい。相間移動触媒の量は、特に限定されないが、酸化剤に対して、通常、0.0001モル倍量以上、好ましくは0.005モル倍量以上用いられるが、相間移動触媒を過剰に用いすぎると反応終了後の単離、精製工程が困難になるため、通常、5モル倍量以下、好ましくは、等モル量以下の範囲で用いられる。
本発明に従ってアニリン又はその誘導体を酸化重合させる方法については、前記反応成分を使用することも必須の要件とする以外は従来通りの方法を採用することができ、その他の汎用添加剤も本発明の目的を損なわない限り、従来通りとすることができる。本発明の重合媒体は、水及び有機溶媒といった2種類の液体媒体を溶媒として用いる。上記有機溶媒としては、アニリン又はその誘導体とを溶解し、非水溶性であれば特に限定されず、その具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジクロロエタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等のエステル類が挙げられ、このうち好ましくは、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類及びハロゲン化炭化水素類であり、特に好ましくは、安価で毒性の低いトルエン及びキシレンである。上記有機溶媒は、2種以上を混合して用いても良い。液体媒体の使用量としては撹拌可能な量であれば良く、通常は、アニリン又はその誘導体に対して、1〜500重量倍量用いられ、好ましくは2〜300重量倍量である。ここで、有機溶剤の使用量は、水に対して、0.05〜30重量倍量用いられ、好ましくは、0.1〜10重量倍量用いられる。反応温度には特に制限はないが、好ましくは−10〜80℃である。
本発明に従って酸化重合されたポリアニリンは収率が非常に高く、通常は80%以上であり、またその電気伝導度は10-9Scm-1以上である。本発明の有機溶媒に安定的に分散するポリアニリンは、以下操作を行うことにより単離できる。
(a)得られた反応溶液から有機溶媒を蒸発等により除去して、ポリアニリンを沈殿させた後、水を除去することによりポリアニリンを単離する方法。
(b)得られた反応溶液に水および/または極性有機溶媒を添加し、有機層および水層に分離した反応溶液から水層のみを除去することにより有機溶媒に分散しているポリアニリンを単離する方法。
(c)得られた反応溶液に極性有機溶媒を過剰量添加してポリアニリンを沈殿させた後、ろ過またはデカンデーション等により溶媒を除去することによりポリアニリンを単離する方法。好ましい単離方法は(a),(b)法であり、より好ましくは(b)法である。
また、ポリアニリン分散液は、前記(b)法に加えて以下操作を行うことによっても調製できる。
(d)(a)または(c)で単離されたポリアニリンをアニリン又はアニリン誘導体を酸化重合する際に用いた有機溶媒に分散させる方法。
(e)(b)法で調製されたポリアニリン分散液に分散液を調製する際に用いた有機溶媒及び/またはこの有機溶媒と相溶する有機溶媒を添加する方法。
上記ポリアニリン分散液を調整する際、サンドミル、ビーズミル、ボールミル、3本ロールミル、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ヘンシェルミキサー、ジェットミル等の分散機を用いても良い。
本発明によれば、以上のようにして得た(A)、(B)及び/又は(C)、(D)成分を含む有機溶媒(E)の分散液を導電基板上に通常の方法(例えば公知の湿式成膜法によって透明導電膜を有する基板上に導電性ポリアニリン薄膜を形成できる。湿式成膜法としては、特に制限はなく例えば、ディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ロールコート法、ブレードコート法、バーコート法等が挙げられる。)で例えば0.01〜100μm厚に塗布して本発明に係る導電基板を得ることができる。分散液中の各成分の濃度には特に限定はないが、ポリアニリン分散液の分散安定性、分散液から形成されるポリアニリン薄膜の導電性及び強度の観点から、ポリアニリン(A)0.01〜90重量%、スルホン酸0〜80重量%、プロトン酸基を有する有機重合体(C)0〜80重量%、4位に置換基を有するアニリン誘導体、チオール化合物及び/又はジチオール化合物、ジスルフィド化合物、α−メチルスチレンダイマー(D)0.01〜20重量%であるのが好ましい。
本発明のポリアニリン分散液を塗布する基板としては導電基板及び非導電基板を用いることができる。導電基板としては、従来通り、例えば金属;表面に導電膜を有するガラスまたは樹脂基板等などを用いることができる。金属としては、白金を除く金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、チタン等の金属などを用いることができる。樹脂基板としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、環状オレフィンポリマー、ポリエーテルサルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、ポリメタクリル酸メチルなどを用いることができる。樹脂基板としては透明樹脂基板に加えて、不透明又は透明性に劣る一般的な樹脂基板も用いることができる。表面に設ける導電膜としては、白金を除く金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、チタン等の金属、酸化ルテニウム、アンチモンやフッ素がドープされた酸化スズ、アルミニウムやガリウムがドープされた酸化亜鉛、スズがドープされた酸化インジウム等の導電性金属酸化物、炭素等が挙げられる。導電膜の厚さは、好ましくは0.01〜10μm程度である。導電膜を設けるための方法も従来通りとすることができ、例えば塗布法、スパッタリング法、真空蒸着法、スプレーパイロリシス法、化学気相成長法(CVD)、ゾルゲル法等が挙げられる。
本発明の導電基板は、上記例示した導電基板にポリアニリン分散液を塗布することによって得られるが、上記例示したガラス又は樹脂基板等の非導電性基板に直接ポリアニリン分散液を塗布したものを導電基板として用いても良い。また、本発明のポリアニリン分散液から通常湿式成膜法として知られるキャスティング法やスピンコーティング法等を用いて形成された自立性フィルム等を導電基板として用いることもできる。
本発明に従った導電基板は従来の白金薄膜を有する対向電極に代えて光電交換素子や色素増感太陽電池の対向電極15として用いることもできる。
以下、図1に示す光電変換素子及び色素増感太陽電池について更に説明する。
光電極14は、透明基板11と透明導電膜12と酸化物半導体多孔質膜13により構成されている。透明基板11は、ガラス板、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンスルフィド、環状オレフィンポリマー、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、トリアセチルセルロースなどの樹脂基板を用いることができ、光透過性が良好なものが良い。
透明導電膜12としては、アンチモンやフッ素がドープされた酸化スズ、アルミニウムやガリウムがドープされた酸化亜鉛、スズがドープされた酸化インジウム等の導電性金属酸化物が挙げられる。導電膜の厚さは、好ましくは0.01〜10μm程度である。導電膜を設けるための方法も従来通りとすることができ、例えば塗布法、スパッタリング法、真空蒸着法、スプレーパイロリシス法、化学気相成長法(CVD)、ゾルゲル法等が挙げられる。
酸化物半導体多孔質膜13は、酸化物半導体微粒子の分散液を透明導電膜12上に塗布することによって得られる。酸化物半導体微粒子としては、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ等が挙げられ、単独又は2種以上混合して用いても良い。酸化物半導体微粒子の分散液は、上記半導体微粒子と分散媒をサンドミル、ビーズミル、ポールミル、3本ロールミル、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ヘンシェルミキサー、ジェットミル等の分散機で混合することにより得られる。また、分散液中の微粒子の再凝集を防ぐために、アセチルアセトン、塩酸、硝酸、界面活性剤、キレート剤などを添加しても良い。また、分散液の増粘を目的としてポリエチレンオキシドやポリビニルアルコールなどの高分子、セルロース系の増粘剤など、各種増粘剤を添加することもできる。
半導体微粒子分散液として市販品(昭和電工(株)製酸化チタンペーストSP100,SP200など、ソーラロニクス社製酸化チタン微粒子Ti−Nanoxide T、ペクセル・テクノロジーズ社製チタニア塗布ベーストPECC01)を用いることも可能である。半導体微粒子の分散液を透明導電膜に塗布する方法としては、例えば公知の湿式成膜法を用いることができる。湿式成膜法としては、特に制限はなく例えば、ディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ロールコート法、ブレードコート法、バーコート法等が挙げられる。
また、酸化物半導体微粒子の分散液を透明導電膜上に塗布後、微粒子間の電子的なコンタクトの向上、透明導電膜との密着性の向上、膜強度の向上を目的として加熱処理、化学処理、プラズマあるいはオゾン処理を行うことが好ましい。加熱処理の温度としては、好ましくは40℃〜700℃であり、より好ましくは40℃〜650℃である。また、処理時間としては特に制限はないが、通常は10秒〜24時間程度である。化学処理としては、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理、カルボン酸誘導体を用いた化学吸着処理、三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理等が挙げられる。
また、上記酸化物半導体多孔質膜13に光増感色素を担持させた光電変換素子が色素増感太陽電池である。光増感色素としては、可視光領域及び/又は赤外光領域に吸収を持つ色素であれば特に限定されなく、金属錯体又は有機色素等を用いることができる。具体的には、ビピリジン構造やターピリジン構造などの配位子が配位したルテニウム錯体色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素等を用いることができる。担持させる方法に特には制限はないが、上記色素を、例えば水、アルコール類に溶解させ、色素溶液に上記多孔質膜13を浸漬するか、又は色素溶液を上記多孔質膜に塗布することにより、担持させる。ルテニウム色素として市販品(ソーラロニクス社製ルテニウム錯体色素Ruthenium 535,Ruthenium 535bis−TBA、ペクセルテクノロジーズ社製ルテニウム色素PECD03,PECD07)を用いることもできる。
電解質層16を形成させるための電解液としては、レドックス対を含む有機溶媒やイオン性液体などを用いることができる。前記有機溶媒としては例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル類、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル等のエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、シアノエチルエーテル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン極性溶媒類等が挙げられる。また、これら溶媒は単独でも2種又はそれ以上の混合物を用いてもよい。
また、イオン性液体には特に限定はなく、従来からの電解質として使用されている任意のイオン性液体を用いることができる。具体的には大野弘幸編「イオン性液体−開発の最前線と未来−」CMC出版(2003)、「イオン性液体の機能創製と応用」エヌ・ティー・エス(2004)等に記載されている第4級アンモニウム塩類、イミダゾリウム塩類、ピリジニウム塩類、ピロリジニウム塩類、ピペリジニウム塩類等(塩としては、例えばI-,BF4 -,PF6 -,CF3COO-,CF3SO3 -,N(CF3SO22 -,N(CN)2 -,C(CN)3 -等のアニオンよりなる塩を挙げることができる)が挙げられる。好ましいイオン性液体としては、脂肪族4級アンモニウム塩類、イミダゾリウム塩類、ピリジニウム塩類、ピロリジニウム塩類であり、特に好ましいのは、下記式(II)に示すイミダゾリウム塩類である。
Figure 2005317528
(式中、R5はメチル基又はエチル基、R6は炭素数1〜8の炭化水素基、XはI-,BF4 -,PF6 -,CF3COO-,CF3SO3 -,N(CF3SO22 -,N(CN)2 -,C(CN)3 -等のアニオンを示す。)
電解液に含まれるレドックス対は、特に限定はなく、ヨウ素/ヨウ化物イオン、臭素/臭化物イオンなどを用いることができる。例えばヨウ素とLiI、NaI,KI等の金属ヨウ化物、ヨウ素と4級イミダゾリウム化合物のヨウ化物塩、4級ピリジニウム化合物のヨウ化物塩、テトラアルキルアンモニウム化合物のヨウ化物塩などのヨウ素/ヨウ化物イオン対や臭素とLiBr,NaBr,KBr等の金属臭化物、臭素と4級イミダゾリウム化合物の臭化物塩、4級ピリジニウム化合物の臭化物塩、テトラアルキルアンモニウム化合物の臭化物塩などの臭素/臭化物イオン、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウム塩等の金属錯体、ジスルフィド化合物とメルカプト化合物の硫黄化合物、ヒドロキノンとキノンなどが挙げられる。好ましくは、ヨウ素とヨウ化物塩のレドックス対が好ましい。これらレドックス対は、単独でも2種以上混合して用いても良い。
また、光電変換素子の短絡電流を向上させる目的で無機塩及び/又は有機塩を添加してもよい。好ましい無機塩及び/又は有機塩としてはアルカリ金属、アルカリ土類金属塩であり、具体的にはヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、トリフルオロ酢酸リチウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、チオシアン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、大フッ化りん酸リチウム、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられ、単独でも2種類以上を併用してもよい。また、光電変換素子の開放電圧を向上させる目的でピリジン類、ベンズイミダゾール類を添加してもよく、具体的には、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン等のアルキルピリジン塁、メチルイミダゾール、エチルイミダゾール、プロピルイミダゾール類が挙げられる。その添加量にも特に制限はなく、本発明の目的を損なわない限り、従来通りとすることができる。
また、上記電解液に適当なゲル化剤、凝固剤を添加して電解液をゲル化、固体化してもよい。また、電解質層6を電解液に替えてp型半導体などの固体の正孔輸送材料を用いることもできる。前記p型半導体としては、例えばヨウ化銅、チオシアン化銅などの一価銅化合物が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
標準例1〜3、実施例1〜6及び比較例1〜9
ポリアニリントルエン分散液の調製
ポリアニリントルエン分散液1〜7の調製
ポリアニリントルエン分散液1の調製
トルエン100gに表Iに示すように、アニリン2g、ドデシルベンゼンスルホン酸4.2g、ポリアクリル酸誘導体(ソルスパース26000、アビシア製)1.0g、4−メチルアニリン0.03gを溶解させた後、6N塩酸3.58mLを溶解した蒸留水50gを加えた。この混合溶液にテトラブチルアンモニウムブロマイド180mg添加し、5℃以下に冷却した後、過硫酸アンモニウム5.4gを溶解させた蒸留水30gを加えた。5℃以下の状態で5時間酸化重合を行った後、トルエン50g、ついでメタノール水混合溶媒(水/メタノール=2/3(重量比))を加え撹拌を行った。撹拌終了後、有機(トルエン)層と水層に分離した反応溶液のうち、水層のみを除去することによりポリアニリントルエン分散液1を得た。ポリアニリントルエン分散液を一部採取し、トルエンを真空留去したところ分散液中に固形分4.1重量%(ポリアニリン含有量1.3重量%)が含まれていた。また、この分散液を孔径1.0μmのフィルターでろ過したところ目詰まりすることはなく、上記分散液は室温1年間経過した後も凝集、沈殿することなく安定であった。元素分析からドデシルベンゼンスルホン酸のアニリンモノマーユニット当りのモル比は0.45であり、得られたポリアニリンの収率は96%だった。また、ポリアニリントルエン分散液からトルエンを真空留去し、圧縮成型機でペレットを作製し、4端子法、室温下で測定した電気伝導度は0.26Scm-1であった。
ポリアニリントルエン分散液2の調製
分子量調整剤として4−メチルアニリンの替わりにドデカンチオール0.05gを用いた以外は、ポリアニリントルエン分散液1と同じ方法でポリアニリントルエン分散液2を得た。ポリアニリントルエン分散液を一部採取し、トルエンを真空留去したところ、分散液中に固形分4.1重量%(ポリアニリン含有量1.3重量%)が含まれていた。また、この分散液を孔径1.0μmのフィルターでろ過したところ目詰まりすることはなく、この分散液は室温1年間経過した後も凝集、沈殿することなく安定であった。元素分析からドデシルベンゼンスルホン酸のアニリンモノマーユニット当りのモル比は0.45であり、ポリアニリンの収率は95%であった。また、分散液からトルエンを真空留去し、圧縮成型機でペレットを作製し、4端子法、室温下で測定した電気伝導度は0.25Scm-1であった。
ポリアニリントルエン分散液3の調製
分子量調整剤として4−メチルアニリンの替わりにα−メチルスチレンダイマー0.05gを用いた以外は、ポリアニリントルエン分散液1と同じ方法でポリアニリントルエン分散液3を得た。ポリアニリントルエン分散液を一部採取し、トルエンを真空留去したところ分散液中に固形分4.1重量%(アニリン含有量1.3重量%)が含まれていることがわかった。また、この分散液を孔径1.0μmのフィルターでろ過したところ目詰まりすることはなかった。上記分散液は室温1年間経過した後も凝集沈殿することなく安定であった。元素分析からドデシルベンゼンスルホン酸のアニリンモノマーユニット当りのモル比は0.45であり、ポリアニリンの収率は96%であった。また、分散液からトルエンを真空留去し、圧縮成型機でペレットを作製し、4端子法、室温下で測定した電気伝導度は0.25Scm-1であった。
ポリアニリントルエン分散液4の調製
ポリアクリル酸誘導体を使用せずに、ポリアニリントルエン分散液1と同じ方法でポリアニリントルエン分散液4を得た。ポリアニリントルエン分散液を一部採取し、トルエンを真空留去したところ、分散液中に固形分3.4重量%(ポリアニリン含有量1.3重量%)が含まれていた。また、この分散液を孔径1.0μmのフィルターでろ過したところ目詰まりすることなく、この分散液は室温1年間経過した後も凝集沈殿することなく安定であった。元素分析からドデシルベンゼンスルホン酸のアニリンモノマーユニット当りのモル比が0.45であり、ポリアニリンの収率96%であった。また、分散液からトルエンを真空留去し、圧縮成型機でペレットを作製し、4端子法、室温下で測定した電気伝導度は0.25Scm-1であった。
ポリアニリントルエン分散液5の調製
ドデシルベンゼンスルホン酸を使用せずに、ポリアニリントルエン分散液1と同じ方法でポリアニリントルエン分散液5を得た。ポリアニリントルエン分散液を一部採取し、トルエンを真空留去したところ、分散液中に固形分2.0重量%(ポリアニリン含有量1.3重量%)が含まれていた。また、この分散液を孔径1.0μmのフィルターでろ過したところ目詰まりすることなく、この分散液は室温1年間経過した後も凝集沈殿することなく安定であった。ポリアニリン収率は96%であった。また、分散液からトルエンを真空留去し、圧縮成型機でペレットを作製し、4端子法、室温下で測定した電気伝導度は0.21Scm-1であった。
ポリアニリントルエン分散液6の調製
テトラブチルアンモニウムブロマイドを使用せずに、ポリアニリントルエン分散液1と同じ方法でポリアニリントルエン分散液6を得た。ポリアニリントルエン分散液を一部採取し、トルエンを真空留去したところ、分散液中に固形分2.7重量%(ポリアニリン含有量0.8重量%)が含まれていた。また、この分散液を孔径1.0μmのフィルターでろ過したところ目詰まりすることはなかった。上記分散液は室温1年間経過した後も凝集沈殿することなく安定であった。元素分析からドデシルベンゼンスルホン酸のアニリンモノマーユニット当りのモル比は0.45であり、ポリアニリンの収率は60%であった。また、分散液からトルエンを真空留去し、圧縮成型機でペレットを作製し、4端子法、室温下で測定した電気伝導度は0.25Scm-1であった。
ポリアニリントルエン分散液7の調製
4−メチルアニリン、テトラブチルアンモニウムプロマイドを使用せずに、ポリアニリントルエン分散液1と同じ方法でポリアニリントルエン分散液7を得た。ポリアニリントルエン分散液を一部採取し、トルエンを真空留去したところ、分散液中に固形分2.7重量%(ポリアニリン含有量0.7重量%)が含まれていた。また、この分散液を孔径1.0μmのフィルターでろ過したところ目詰まりをした。この分散液は室温1年間放置したところ、ポリアニリンの沈殿物が形成された。元素分析からドデシルベンゼンスルホン酸のアニリンモノマーユニット当りのモル比が0.45であり、ポリアニリンの収率は55%であった。また、分散液からトルエンを真空留去し、圧縮成型機でペレットを作製し、4端子法、室温下で測定した電気伝導度は0.20Scm-1であった。
表IIに示す通り、本発明のポリアニリン1〜5は、導電性が比較例であるポリアニリン8と同等以上であるにもかかわらず、収率並びにトルエンに対する分散性及び分散安定性が優れていることがわかる。なお、ポリアニリン6は収率は必ずしも良好ではないがトルエンに対する分散性及び分散安定性が優れていることがわかる。
Figure 2005317528
電池の作製
対向電極の作製
白金対向電極の作製
透明ガラス基板(日本板硝子(株)製導電面がフッ素をドープした酸化スズ、シート抵抗8Ω/□)表面にスパッタリング法で厚さ約100nmの白金薄膜を形成させ、この電極を対向電極として用いた。
ポリアニリン導電基板1の作製
ポリアニリントルエン分散液1を透明導電性ガラス基板(日本板硝子(株)製、導電膜がフッ素をドープした酸化スズ、シート抵抗8Ω/□)表面に塗布後、真空乾燥することによりポリアニリン導電基板1を作製した。ガラス基板上のポリアニリン薄膜の膜厚は、白金対向電極上の白金薄膜の膜厚と同程度とした。
ポリアニリン導電基板2の作製
ポリアニリントルエン分散液1の替わりにポリアニリントルエン分散液4を用いる以外は、ポリアニリン導電基板1と同じにポリアニリン導電基板2を作製した。
ポリアニリン導電基板3の作製
アニリンを電解重合することにより透明導電性ガラス基板(日本板硝子(株)製、導電膜がフッ素をドープした酸化スズ、シート抵抗8Ω/□)表面上にポリアニリン薄膜を形成した。1.0mol/Lの塩酸水溶液にアニリンの濃度が0.5mol/Lになるように溶解した。得られた重合溶液に透明導電性ガラス基板(日本板硝子(株)製、導電膜がフッ素をドープした酸化スズ、シート抵抗8Ω/□)を浸漬し、0.5mAで2時間かけてアニリンの電解重合を行った。ポリアニリン薄膜が形成したガラス電極を、0.1mol/Lの塩酸水溶液中に10分間浸漬する洗浄操作を3回繰り返した後、乾燥させることによりポリアニリン導電基板3を作製した。
ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)導電基板の作製
ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水分散液(固形分1.3重量%、バイエル社製バイトロンP)を透明導電性ガラス基板(日本板硝子(株)製、導電膜がフッ素をドープした酸化スズ、シート抵抗8Ω/□)表面に塗布後、真空乾燥することによりポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)導電基板を作製した。ガラス基板上のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)薄膜の膜厚は、白金対向電極上の白金薄膜の膜厚と同程度とした。
スルホン化ポリアニリン導電基板の作製
スルホン化ポリアニリン水溶液(固形分5重量%、Aldrich社製)を透明導電性ガラス基板(日本板硝子(株)製、導電膜がフッ素をドープした酸化スズ、シート抵抗8Ω/□)表面に塗布後、真空乾燥することによりスルホン化ポリアニリン導電基板を作製した。ガラス基板上のスルホン化ポリアニリン薄膜の膜厚は、白金対向電極上の白金薄膜の膜厚と同程度とした。
光電極の作製
透明導電性ガラス基板(日本板硝子(株)製、導電膜がフッ素をドープした酸化スズ、シート抵抗8Ω/□)表面に、二酸化チタン粉末(AEROXIDE TiO2 P25、平均粒径25nm、日本アエロジル(株)製)とアセチルアセトン、蒸留水及び界面活性剤(TritonX100、Acros Organics社製)とを乳鉢で混合して作製したペーストを塗布、乾燥後、460℃で45分間焼結することにより、透明導電性ガラス基板上に多孔質酸化チタン薄膜を形成させた。この多孔質酸化チタン薄膜を有するガラス基板をルテニウム錯体色素(シス−ジ(チオシアナート)−N,N’−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシリックアシッド)ルテニウム(II)錯体、ソーラロニクス社製Ruthenium 535)のエタノール溶液(濃度3×10-4mol/L)に12時間浸漬させた。アセトニトリルで洗浄後、暗所、窒素気流下で乾燥することにより多孔質酸化チタン薄膜に増感色素を担持させ、光電極として用いた。
電解液の調製
イオン性液体1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドの調製
トルエン中、1−メチルイミダゾール(8.2g、Aldrich社製)とヨウ化プロピル(16.9g、関東化学(株)製)を75℃、15時間撹拌を行った。反応終了後、トルエン層とイオン性液体層の2層に分離した。反応溶液からトルエン層を除去することによりイオン性液体を採取した、得られたイオン性液体をトルエンで3回洗浄することにより精製を行った。トルエンを減圧留去することによりイオン性液体1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド(23.8g)を得た。
イオン性液体1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの調製
水中、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド(5g、東京化成工業(株)製)とリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(6g、関東化学(株)製)を室温下、5時間撹拌を行った。反応終了後、水層とイオン性液体層の2層に分離した。反応溶液から水層を除去することによりイオン性液体を得、得られたイオン性液体を水で3回洗浄することにより精製を行った。水を減圧留去することによりイオン性液体1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド7.8gを得た。
1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドの調製
トルエン中、1,2−ジメチルイミダゾール(7.2g、Aldrich社製)とヨウ化プロピル(12.7g、関東化学(株)製)を75℃、15時間撹拌を行った。反応終了後、室温まで冷却して形成された粗結晶を回収した。トルエンとイソプロパノールの混合溶媒にて再結晶を行い真空下で乾燥することにより1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド(18.3g)を得た。
イオン性液体電解質1の調製
イオン性液体1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドに0.1mol/Lヨウ化リチウム、0.15mol/Lヨウ素、0.5mol/L4−tert−ブチルピリジンを溶解させることによりイオン性液体電解質1を調製した。
イオン性液体電解質2の調製
イオン性液体1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに、1.5mol/L1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド(東京化成工業(株)製)0.1mol/Lヨウ化リチウム、0.15mol/Lヨウ素、0.5mol/L4−tert−ブチルピリジンを溶解させることによりイオン性液体電解質2を調製した。
有機溶媒電解質の調製
3−メトキシプロピオニトリルに0.3mol/L1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾゾリウムアイオダイド、0.1mol/Lヨウ化リチウム、0.05mol/Lヨウ素、0.5mol/L4−tert−ブチルピリジンを溶解させることにより有機溶媒電解質を調製した。
標準例1
上記光電極と白金対向電極と重ね合せた後、電極間の隙間に有機溶媒電解質を注入することにより標準例1の電池を作製した。
標準例2
上記光電極にイオン性液体電解質1を塗りつけ、これと上記白金対向電極とを重ね合せた後、クリップで固定することにより標準例2の電池とした。
標準例3
イオン性液体電解質1の替わりにイオン性液体電解質2を使用した以外は、標準例2と同じ操作で標準例3の電池を作製した。
実施例1
ポリアニリン導電基板1を対向電極として用い、上記光電極と重ね合せた後、電極間の隙間に有機溶媒電解質を注入することにより実施例1の電池を作製した。
実施例2
上記光電極にイオン性液体電解質1を塗りつけ、対向電極としてポリアニリン導電基板1とを重ね合せた後、クリップで固定することにより実施例2の電池を作製した。
実施例3
イオン性液体電解質1の替わりにイオン性液体電解質2を使用した以外は、実施例2と同じ操作で実施例3の電池を作製した。
実施例4
ポリアニリン導電基板1の替わりにポリアニリン導電基板2を対向電極として使用した以外は、実施例1と同じ操作で実施例4の電池を作製した。
実施例5
ポリアニリン導電基板1の替わりにポリアニリン導電基板2を対向電極として使用した以外は、実施例2と同じ操作で実施例5の電池を作製した。
実施例6
ポリアニリン導電基板1の替わりにポリアニリン導電基板2を対向電極として使用した以外は、実施例3と同じ操作で実施例6の電池を作製した。
比較例1
ポリアニリン導電基板1の替わりにポリアニリン導電基板3を対向電極として使用した以外は、実施例1と同じ操作で比較例1の電池を作成した。
比較例2
ポリアニリン導電基板1の替わりにポリアニリン導電基板3を対向電極として使用した以外は、実施例2と同じ操作で比較例2の電池を作成した。
比較例3
ポリアニリン導電基板1の替わりにポリアニリン導電基板3を対向電極として使用した以外は、実施例3と同じ操作で比較例3の電池を作成した。
比較例4
ポリアニリン導電基板1の替わりにポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)導電基板を対向電極として使用した以外は、実施例1と同じ操作で比較例4の電池を作成した。
比較例5
ポリアニリン導電基板1の替わりにポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)導電基板を対向電極として使用した以外は、実施例2と同じ操作で比較例5の電池を作成した。
比較例6
ポリアニリン導電基板1の替わりにポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)導電基板を対向電極として使用した以外は、実施例3と同じ操作で比較例6の電池を作成した。
比較例7
ポリアニリン導電基板1の替わりにスルホン化ポリアニリン導電基板を対向電極として使用した以外は、実施例1と同じ操作で比較例7の電池を作成した。
比較例8
ポリアニリン導電基板1の替わりにスルホン化ポリアニリン導電基板を対向電極として使用した以外は、実施例2と同じ操作で比較例8の電池を作成した。
比較例9
ポリアニリン導電基板1の替わりにスルホン化ポリアニリン導電基板9を対向電極として使用した以外は、実施例3と同じ操作で比較例9の電池を作成した。
電池の評価
上記標準例1〜3、実施例1〜6、比較例1〜9の電池に光源としてソーラーシミュレータを用い、AM1.5の擬似太陽光源から光強度100mW/cm2の光を光電極側から照射し、電流電圧測定装置(ケースレーインスツルメンツ社製デジタルソースメーター2400)を用いて短絡電流、開放電圧、曲線因子、変換効率を求めた。各電池の結果を表IIに示す。
Figure 2005317528
表IIの結果から明らかなように、実施例1と4の電池は、光照射下において白金対向電極を用いた標準例1の電池と同等の短絡電流密度、開放電圧、変換効率を示すのに対して、他の導電性高分子薄膜を用いた比較例1,4と7の電池では、短絡電流密度、開放電圧、変換効率が小さかった。
また、実施例2と5の電池は、光照射下において白金対向電極を用いた標準例2の電池と同等の短絡電流密度、開放電圧、変換効率を示すのに対して、他の導電性高分子薄膜を用いた比較例2,5と8の電池では、短絡電流密度、開放電圧、変換効率が小さかった。
更に、実施例3と6の電池は、光照射下において白金対向電極を用いた標準例1の電池と同等の短絡電流密度、開放電圧、変換効率を示すのに対して、他の導電性高分子薄膜を用いた比較例3,6と9の電池では、短絡電流密度、開放電圧、変換効率が小さかった。
以上の結果から、ポリアニリントルエン分散液から作製したポリアニリン導電基板、光電変換素子の対向電極として機能し、その性能は光電変換素子の対向電極として通常用いられている白金対向電極と同等の性能を示す。
本発明によれば、導電性ポリアニリンの有機溶媒に安全な分散液を用いることによって、基板上に従来の白金薄膜を同等以上の性能を有する対向電極を安価に得ることができるので、色素増感太陽電池などに用いるのに有用である。
色素増感太陽電池の構成の一例を示す図面である。
符号の説明
11 透明基板
12 透明導電膜
13 酸化物半導体多孔質膜
14 光電極
15 対向電極
16 電解質層

Claims (3)

  1. (A)アニリン又はアニリン誘導体を重合させて得られるポリアニリン、(B)スルホン酸及び/又は(C)プロトン酸基を有する有機重合体、(D)分子量調整剤並びに(E)スルホン酸(B)、プロトン酸基を有する有機重合体(C)並びに分子量調整剤(D)を溶解する有機溶媒を含んでなる、有機溶媒(E)に安定的に分散した導電性ポリアニリン分散液を、基板上に塗布して得られる導電基板。
  2. 透明導電膜と金属酸化物半導体多孔質膜からなる光電極と、この光電極に対向して配置された対向電極から構成され、両電極間に酸化還元対を含む電解質層が介在する光電変換素子において、対向電極を請求項1に記載の導電基板で構成した光電交換素子。
  3. 請求項2に記載の光電交換素子の金属酸化物半導体多孔質膜に、光増感色素を担持させて成る色素増感太陽電池。
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