JP2005317412A - 電子ビームの強度分布測定方法及び強度分布測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子ビームの強度分布を直接測定でき、測定精度が高い電子ビームの強度分布の測定ができる方法及び装置を提供する。
【解決手段】まず、遮蔽手段32のナイフエッジ32cに垂直な方向(u方向)に電子ビーム15で走査して(ステップS10)、センサ36で検出された電子ビーム15の電流強度のv方向の積算値を測定する(ステップS12)。次に、ステップS12で求めた積算値を電子ビームの走査ステップ(u)ごとに微分し、p(u,θ)を算出する(ステップS14)。その次に、遮蔽手段32及びセンサ36を同期回転させ(ステップS16)、ステップS10からステップS14を繰り返して、すべてのθについて積算値p(u,θ)を求める(ステップS18)。そして、F(Rcosθ,Rsinθ)(=F(X,Y))を計算し、逆フーリエ変換して電子ビームの強度分布f(x,y)を算出する(ステップS20)。
【選択図】 図4
【解決手段】まず、遮蔽手段32のナイフエッジ32cに垂直な方向(u方向)に電子ビーム15で走査して(ステップS10)、センサ36で検出された電子ビーム15の電流強度のv方向の積算値を測定する(ステップS12)。次に、ステップS12で求めた積算値を電子ビームの走査ステップ(u)ごとに微分し、p(u,θ)を算出する(ステップS14)。その次に、遮蔽手段32及びセンサ36を同期回転させ(ステップS16)、ステップS10からステップS14を繰り返して、すべてのθについて積算値p(u,θ)を求める(ステップS18)。そして、F(Rcosθ,Rsinθ)(=F(X,Y))を計算し、逆フーリエ変換して電子ビームの強度分布f(x,y)を算出する(ステップS20)。
【選択図】 図4
Description
本発明は電子ビームを使用する装置における電子ビームの強度分布測定方法及び強度分布測定装置に関する。
電子ビームを使用する装置において、電子ビームの強度分布はビーム系の特性を議論するうえで重要な基本量のひとつである。特に、特許文献1に開示されているような電子ビームリソグラフィに用いられる装置にあっては、電子ビームの径が数百μm〜1mm程度と大きい。このため、電子ビームの強度分布を高い精度で測定して、電子ビーム光学系の調整を行うことは生産性を高めるためにも重要である。
従来、電子ビームの強度分布を測定する際には、硫化亜鉛や硫化カドミウムを主成分とする蛍光剤に電子ビームを照射して現れる像を目視やテレビシステム等により観察して強度分布を測定していた。また、銀塩写真乳剤(感光材)や電子線レジスト等の塗布された部材に電子ビームを照射して、写った像を現像処理して目視により観察して強度分布を測定していた。
また、開口の小さなファラデーカップと電子ビームとを相対的に動かしてファラデーカップの電流変化から電子ビームの電流分布を直接求める方法も用いられている。
上述の電子ビームの強度分布測定方法は、いずれも下記の非特許文献1に開示されている。
特許第2951947号公報
日本学術振興会第132委員会編、「電子・イオンビームハンドブック」、第3版、日刊工業新聞社、平成10年10月、392−395頁
しかしながら、上記の蛍光剤や感光剤を用いた電子ビームの強度分布測定方法は、測定精度が高くないという問題がある。また、感光剤や電子線レジストを用いた方法では、測定の都度、レジストを塗布した部材を取り外してレジストを現像処理しなければならず、手間がかかるという問題がある。
また、ファラデーカップを用いた測定方法では、電子ビームの電流値が最大で20μA程度と小さいにもかかわらず、ファラデーカップの開口の径(一例で10μm)が電子ビームの径と比べて小さいため、ファラデーカップによって検出される電流値が非常に小さくなり、S/Nが悪くなるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、電子ビームの強度分布を直接測定でき、測定精度が高い電子ビームの強度分布の測定ができる方法及び装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明に係る電子ビームの強度分布測定方法は、(a)電子ビーム源から出射された電子ビームを、所定の形状の開口が形成された遮蔽手段上に照射又は照射して走査するステップと、(b)前記遮蔽手段の下流に配置された電子ビーム検出手段を用いて、前記遮蔽手段の開口を通過した電子ビームの強度の、前記遮蔽手段における任意の領域における積算値を検出するステップと、(c)前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させて、各回転角度位置ごとに前記ステップ(a)からステップ(b)を繰り返し実行するステップと、(d)前記ステップ(c)で求めた前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出するステップと、を備えることを特徴とする。
また、上記の方法を実現するため、本発明の電子ビームの強度分布測定装置は、電子ビームを出射する電子ビーム源と、前記電子ビームの光軸に直交するxy平面上に前記電子ビームを照射又は走査する電子ビーム照射手段と、所定の形状の開口を有し、前記電子ビーム源から出射された電子ビームの一部を遮蔽する遮蔽手段と、前記遮蔽手段の開口を通過した電子ビームの、前記遮蔽手段における任意の領域における積算値を検出する電子ビーム検出手段と、前記遮蔽手段を回転させる回転手段と、前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させて、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとに前記電子ビームを、前記遮蔽手段上に照射又は照射して走査し、前記電子ビームの強度の積算値を検出すべく、前記電子ビーム源、電子ビーム照射手段、電子ビーム検出手段および回転手段を制御する制御手段と、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出する演算手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、電子ビーム検出手段で検出された電子ビームの強度分布の前記遮蔽手段における任意の領域における積算値を用いるのでS/Nを向上させ、もって強度分布の測定精度を高めることができる。
また、本発明の電子ビームの強度分布測定方法は、(a)電子ビーム源から出射された電子ビームで、ナイフエッジを有する形状の開口又は単スリット状の開口が形成された遮蔽手段を、該ナイフエッジ又は単スリットの長さ方向に対して垂直な方向に走査するステップと、(b)前記遮蔽手段の下流に配置された電子ビーム検出手段を用いて、前記電子ビームの走査位置ごとに前記遮蔽手段の開口を通過した電子ビームの強度の、前記ナイフエッジ又は単スリットの長さ方向に沿った方向の積算値を検出するステップと、(c)前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させて、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとに前記ステップ(a)からステップ(b)を繰り返し実行するステップと、(d)前記ステップ(c)で求めた前記電子ビームの走査位置及び前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出するステップと、を備えることを特徴とする。
また、上記の方法を実現するため、本発明の電子ビームの強度分布測定装置は、電子ビームを出射する電子ビーム源と、前記電子ビームの光軸に直交するxy平面上で前記電子ビームを走査する電子ビーム走査手段と、ナイフエッジを有する形状の開口又は単スリット状の開口が形成された、前記電子ビーム源から出射された電子ビームの一部を遮蔽する遮蔽手段と、前記電子ビームの走査位置ごとに前記遮蔽手段の開口を通過した電子ビームの強度の、前記ナイフエッジ又は単スリットの長さ方向に沿った積算値を検出する電子ビーム検出手段と、前記遮蔽手段を回転させる回転手段と、前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させ、各回転角度位置ごとに、前記遮蔽手段を前記ナイフエッジ又は単スリットの長さ方向に対して垂直な方向に前記電子ビームを走査して前記電子ビームの強度の積算値を検出すべく、前記電子ビーム源、電子ビーム走査手段、電子ビーム検出手段及び回転手段を制御する制御手段と、前記電子ビームの走査位置及び前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出する演算手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の電子ビームの強度分布測定方法は、(a)電子ビーム源から出射された電子ビームを、ナイフエッジを有する略同一形状の開口又はスリット状の開口が各ナイフエッジ又はスリットの長さ方向と垂直な方向に複数配列された遮蔽手段に照射するステップと、(b)前記遮蔽手段の下流に配置された電子ビーム検出手段を用いて、前記遮蔽手段の各開口ごとに、該開口を通過した電子ビームの強度の、前記ナイフエッジ又はスリットの長さ方向に沿った積算値を検出するステップと、(c)前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させて、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとに前記ステップ(a)からステップ(b)を繰り返し実行するステップと、(d)前記ステップ(c)で求めた前記遮蔽手段の各開口及び各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出するステップと、を備えることを特徴とする。
また、上記の方法を実現するため、本発明の電子ビームの強度分布測定装置は、電子ビームを出射する電子ビーム源と、前記電子ビームの光軸に直交するxy平面上に前記電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、ナイフエッジを有する略同一形状の開口又はスリット状の開口が各ナイフエッジ又はスリットと垂直な方向に複数配列された、前記電子ビーム源から出射された電子ビームの一部を遮蔽する遮蔽手段と、前記遮蔽手段の開口ごとに、該開口を通過した電子ビームの強度の、前記ナイフエッジ又はスリットの長さ方向に沿った積算値を検出する電子ビーム検出手段と、前記遮蔽手段を回転させる回転手段と、前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させ、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとに、前記電子ビームの強度の積算値を検出すべく、前記電子ビーム源、電子ビーム照射手段、電子ビーム検出手段及び回転手段を制御する制御手段と、前記遮蔽手段の各開口及び各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出する演算手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の電子ビームの強度分布測定方法は、(a)電子ビーム源から出射された電子ビームで、ナイフエッジを有する略同一形状の開口又はスリット状の開口が各ナイフエッジ又はスリットの長さ方向と垂直な方向に複数配列された遮蔽手段を、該ナイフエッジ又はスリットの長さ方向に対して垂直な方向に走査するステップと、(b)前記電子ビームの照射位置を前記長さ方向に移動させて、前記ステップ(a)を繰り返し実行し、前記開口全体を走査するステップと、(c)前記遮蔽手段の下流に配置された電子ビーム検出手段を用いて、前記遮蔽手段の各開口ごとに、該開口を通過した電子ビームの強度の、前記ナイフエッジ又はスリットの長さ方向に沿った積算値を検出するステップと、(d)前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させて、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとに前記ステップ(a)からステップ(c)を繰り返し実行するステップと、(e)前記ステップ(d)で求めた前記遮蔽手段の各開口及び各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出するステップと、を備えることを特徴とする。
また、上記の方法を実現するため、本発明の電子ビームの強度分布測定装置は、電子ビームを出射する電子ビーム源と、前記電子ビームの光軸に直交するxy平面上で前記電子ビームを走査する電子ビーム走査手段と、ナイフエッジを有する略同一形状の開口又はスリット状の開口が各ナイフエッジ又はスリットと垂直な方向に複数配列された、前記電子ビーム源から出射された電子ビームの一部を遮蔽する遮蔽手段と、前記各遮蔽手段の開口ごとに、該開口を通過した電子ビームの強度の、前記ナイフエッジ又はスリットの長さ方向に沿った積算値を検出する電子ビーム検出手段と、前記遮蔽手段を回転させる回転手段と、前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させ、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとに、前記遮蔽手段を前記ナイフエッジ又はスリットの長さ方向に対して垂直な方向の前記電子ビームの走査を前記長さ方向の位置をずらしながら繰り返し行って、前記開口全体を走査して前記電子ビームの強度の積算値を検出すべく、前記電子ビーム源、電子ビーム走査手段、電子ビーム検出手段及び回転手段を制御する制御手段と、前記遮蔽手段の各開口及び各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出する演算手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、遮蔽手段の全面にわたって電子ビームの強度分布を測定することができるので、上記した効果に加え、電子ビームを走査した領域における照度ムラを測定することができる。
本発明の電子ビームの強度分布測定方法は、(a)電子ビーム源から出射された電子ビームで、前記電子ビームの入射角を制限する開口を有する遮蔽手段に照射するステップと、(b)前記遮蔽手段の下流に配置された電子ビーム検出手段を用いて、前記遮蔽手段の開口を通過した電子ビームの強度の、所定の一次元方向に沿った積算値を検出するステップと、(c)前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させて、各回転角度位置ごとに前記ステップ(a)からステップ(b)を繰り返し実行するステップと、(d)前記ステップ(c)で求めた前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出するステップと、を備えることを特徴とする。
また、上記の方法を実現するため、本発明の電子ビームの強度分布測定装置は、電子ビームを出射する電子ビーム源と、前記電子ビームの光軸に直交するxy平面上に前記電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、前記電子ビームの入射角を制限する開口を有する遮蔽手段と、前記遮蔽手段の開口を通過した電子ビームの強度の、所定の一次元方向に沿った積算値を検出する電子ビーム検出手段と、前記遮蔽手段を回転させる回転手段と、前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させ、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとに、前記電子ビーム検出手段上の所定の一次元方向に沿った前記電子ビームの強度の積算値を検出すべく、前記電子ビーム源、電子ビーム照射手段、電子ビーム検出手段及び回転手段を制御する制御手段と、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出する演算手段と、を備えることを特徴とする。
上記の電子ビームの強度分布測定方法及び装置においては、前記遮蔽手段を、所定の厚さを有し複数の筒状の開口が形成された板状の部材とすることができる。
上記の電子ビームの強度分布測定方法及び装置においては、前記遮蔽手段を、複数の開口が設けられた複数枚の板状の部材が各板に設けられた開口が重ね合わさるように所定の間隔で複数枚配置されたものとすることができる。
上記の電子ビームの強度分布測定方法及び装置においては、前記遮蔽手段と前記電子ビームの光軸とがなす角度を変更する手段を備えるものとすることができる。
本発明によれば、電子ビーム検出手段に対する電子ビームの所定の角度で入射する電子ビームのみを測定することができるため、電子ビームの入射角ごとの強度分布(角度分布)を測定することができる。
本発明によれば、レジストを塗布した部材を取り外して現像処理する等の手間を省いて、直接電子ビームの強度分布を測定することができる。また、本発明によれば、電子ビーム検出手段によって検出された電流値の積算値を使用するため、検出された電流値のS/Nを向上させ、測定精度を高めることができる。
以下添付図面に従って本発明に係る電子ビームの強度分布測定方法及び装置の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子ビームの強度分布測定装置の基本構成を示す図である。この電子ビームの強度分布測定装置30は、電子ビーム露光装置10のウェハステージ又はマスクステージ付近に取り付けられる。図1に示す電子ビーム露光装置10は、主として電子ビーム15を発生する電子ビーム源14、電子ビーム15を平行ビームにするレンズ16及び整形アパーチャ18を含む電子銃12と、主偏向器22、24及び副偏向器26、28を含み、電子ビームを光軸に平行に走査する電子ビーム走査手段20とから構成されている。なお、図1では、マスクステージ、ウェハステージ等は省略されている。
電子ビームの強度分布測定装置30は、所定の開口が形成された遮蔽手段32と、電子ビーム検出手段(センサ)36と、この遮蔽手段32及びセンサ36の位置を制御する位置制御手段34と、位置制御手段34及びセンサ36を制御し、電子ビームの強度分布を計算する制御手段38とから構成されている。
上記のセンサ36としては、ファラデーカップを平面上に複数配置したものやCCD(Charge Coupled Device)、マルチチャンネルプレート等を用いることができる。
上記した遮蔽手段32は、電子ビーム検出手段36に近接するように配置される。また、電子ビーム走査手段20は、電子ビーム15が遮蔽手段32の全面を走査するように電子ビーム15を偏向制御する。遮蔽手段32の形状等については他の図面を参照して後述する。
ここで、本発明に係る電子ビームの強度分布測定方法の原理について説明する。図2は、本発明に係る電子ビームの強度分布測定方法の原理を説明するための図である。f(x,y)はセンサ36に照射された電子ビームの強度分布を模式的に示したものである。図2において電子ビームはu方向に走査される。また、p(u,θ)はf(x,y)のv方向の積算値であり、v方向に垂直な積算投影面上に模式的に示してある。
図2に示すように、xy座標系から角θ傾いたuv座標系を考えると、x=ucosθ−vsinθ、y=usinθ+vcosθなので、f(x,y)のv方向の積算値p(u,θ)は式(1)のようになる。
よって、すべてのθ(0°≦θ≦360°)についてF(Rcosθ,Rsinθ)(=F(X,Y))を数値計算によって求め、求めたF(X,Y)を逆フーリエ変換すれば、電子ビームの電流強度の分布f(x,y)を求めることができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法について図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法を説明するための図である。図3には、図3(A)の遮蔽手段32上の電子ビーム15の走査位置と検出された電流値等のグラフ(図3(B)及び図3(C))の関係が模式的に示されている。
まず、本実施形態に係る遮蔽手段32について説明する。図3(A)は、本発明の第1の実施形態に係る遮蔽手段を示す平面図である。図3(A)に示す遮蔽手段32は、円盤状の部材32aに半円状の開口32bが設けられたものである。開口32bの直線部分はナイフエッジ32cである。この遮蔽手段32は、例えばステンレス板を加工して作成することができる。図3(A)に示す遮蔽手段32の直径R1は5〜10mm程度で、半円開口32bの半径r1は2〜3mm程度である。
次に、図4を参照して本実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法について説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法を示すフローチャートである。まず、図3(A)に示す遮蔽手段32のナイフエッジ32cに垂直な方向(u方向)に電子ビーム15で走査して(ステップS10)、センサ36で検出された電子ビーム15の電流強度を測定する(ステップS12)。なお、この場合のセンサ36としては、例えば、ナイフエッジ32cに沿って検出素子が一次元方向に配列されたラインセンサが適用される。ステップS12では、電流強度のv方向の積算値を算出する。次に、ステップS12で求めた電子ビーム15の電流強度のv方向積算値を電子ビームの走査ステップ(u)ごとに微分し、電子ビームの強度分布のv方向積算値p(u,θ)を算出する(ステップS14)。
図3(B)は、ステップS12で得られた電子ビームの電流強度のv方向積算値の例を示すグラフであり、図3(C)は、図3(B)の電流強度を走査ステップ(u)で微分して求めたp(u,θ)の例を示すグラフである。図3(B)に示す電流強度は、開口32bを通過してセンサ36に照射された電子ビームの累積値であるので、これを電子ビームの走査ステップ(u)で微分することにより、電子ビームの強度分布のv方向積算値p(u,θ)を求めることができる。
その次に、位置制御手段34を用いて遮蔽手段32及びセンサ36を、電子ビーム15の照射方向に平行な回転軸回りに同期回転させ(ステップS16)、ステップS10からステップS14を繰り返して、すべてのθについて積算値p(u,θ)を求める(ステップS18)。ステップS18では、例えば、θをある角度間隔Δθ(例えば、30°、60°)ごとに0°から360°まで変化させて、各θごとにp(u,θ)を求める。
そして、上述の式(4)からF(Rcosθ,Rsinθ)(=F(X,Y))を計算し、このF(X,Y)を逆フーリエ変換して電子ビームの強度分布f(x,y)を算出する(ステップS20)。これにより、電子ビームの強度分布f(x,y)が得られる。
なお、本実施例においては、開口32bは半円であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つのナイフエッジを有し、電子ビームの径よりも大きければ矩形等の他の形状でもかまわない。
また、本実施例においては、センサ36としてナイフエッジ32cに沿った一次元方向に検出素子が配置されたラインセンサを用いているが、電子ビームを電流値として検出できるものであれば何でもかまわない。また、遮蔽手段32とセンサ36とを同期回転させているが、センサ36として2次元に検出素子が配置されたエリアセンサを用いて、遮蔽手段32のみを回転させる構成とすることもできる。
さらに、本実施例においては、遮蔽手段32を静止させ、電子ビーム15で遮蔽手段32を走査する構成となっているが(図4のステップS10)、電子ビーム15を走査せずに、遮蔽手段32をナイフエッジ32cに垂直な方向(u方向)に走査してもよい。
上述のように、本発明では、センサ36によって検出された電子ビームの電流値のv方向の積分値を用いることによりS/Nの向上を図っている。
以下、本発明の第2の実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法について図5及び図6を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法の原理及び計算式については、上述の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法を説明するための図である。図5には、図5(A)の遮蔽手段32上の電子ビーム15の走査位置と検出された電流値のグラフ(図5(B))の関係が模式的に示されている。
まず、本実施形態に係る遮蔽手段32について説明する。図5(A)は、本発明の第2の実施形態に係る遮蔽手段を示す平面図である。図5(A)に示す遮蔽手段32は、円盤状の部材32aに単スリット状の開口32bが設けられたものである。この遮蔽手段32は、例えばステンレス板を加工して作成することができる。図5(A)に示す遮蔽手段32の直径R2は5〜10mm程度である。また、スリット状の開口32bの幅d2は任意であり、電子ビームの強度分布の所望の測定精度(分解能)に応じて適当な値を選択する。例えば、強度分布を高い分解能で測定したい場合には、スリット幅d2を小さくすればよい。
次に、図6を参照して本実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法について説明する。図6は、本発明の第2の実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法を示すフローチャートである。まず、図5(A)に示す遮蔽手段32のスリット状開口32bに垂直な方向(u方向)に電子ビーム15で走査して(ステップS30)、センサ36を用いて電子ビーム15の電流強度のv方向積算値p(u,θ)を測定する(ステップS32)。なお、この場合のセンサ36としては、例えば、スリット状開口32bに沿って検出素子が一次元方向に配列されたラインセンサが適用される。図5(B)は、ステップS32で得られた電子ビームの強度分布のv方向積算値p(u,θ)の例を示すグラフである。
その次に、位置制御手段34を用いて遮蔽手段32及びセンサ36を、電子ビーム15の照射方向に平行な回転軸回りに同期回転させ(ステップS34)、ステップS30からステップS32を繰り返して、すべてのθについて前記積算値p(u,θ)を求める(ステップS36)。ステップS36では、例えば、θをある角度間隔Δθ(例えば、30°、60°)ごとに0°から360°まで変化させて、各θごとにp(u,θ)を求める。
そして、上述の式(4)からF(Rcosθ,Rsinθ)(=F(X,Y))を計算し、このF(X,Y)を逆フーリエ変換して電子ビームの強度分布f(x,y)を算出する(ステップS38)。これにより、電子ビームの強度分布f(x,y)が得られる。
なお、本実施例においては、センサ36としてスリット状開口32bに沿った一次元方向に検出素子が配置されたラインセンサを用いているが、電子ビームを電流値として検出できるものであれば何でもかまわない。また、遮蔽手段32とセンサ36とを同期回転させているが、センサ36として2次元に検出素子が配置されたエリアセンサを用いて、遮蔽手段32のみを回転させる構成とすることもできる。
また、本実施例においては、上述の第1の実施形態と同様に、遮蔽手段32を静止させ、電子ビーム15で遮蔽手段32を走査する構成となっているが(図6のステップS30)、電子ビーム15を走査せずに遮蔽手段32をu方向に走査してもよい。
以下、本発明の第3の実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法について図7から図9を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法の原理及び計算式については、上述の実施形態と同様であるため説明を省略する。
まず、本実施形態に係る遮蔽手段32について説明する。図7は、本発明の第3の実施形態に係る遮蔽手段を示す平面図である。図7に示す遮蔽手段32は、円盤状の部材32aに複数のスリット状の開口32bが設けられたものである。この遮蔽手段32は、例えばステンレス板を加工して作成することができる。図7に示す遮蔽手段32の直径R3は5〜10mm程度であり、各スリット状の開口の幅d3は約200μmである。
次に、図8及び図9を参照して本実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法について説明する。図8は、本発明の第3の実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法を示すフローチャートであり、図9は、電子ビームの走査経路の例を示す平面図である。まず、図7に示す遮蔽手段32のスリット状開口32bに垂直な方向(u方向)に電子ビーム15で走査する(ステップS50)。図9に示すように、ステップS50においては、電子ビーム15で遮蔽手段32の全面をカバーするように、電子ビームを偏向走査する。次に、センサ36で検出された電子ビーム15の電流強度のv方向積算値p(u,θ)を各スリットごとに求める(ステップS52)。なお、この場合のセンサ36としては、例えば、複数のスリット状の開口32bに沿って検出素子が一次元方向に配列された複数本のラインセンサが適用される。
その次に、位置制御手段34を用いて遮蔽手段32及びセンサ36を、電子ビーム15の照射方向に平行な回転軸回りに同期回転させ(ステップS54)、ステップS50からステップS52を繰り返して、すべてのθについて前記積算値p(u,θ)を求める(ステップS56)。ステップS56では、例えば、θをある角度間隔Δθ(例えば、30°、60°)ごとに0°から360°まで変化させて、各θごとにp(u,θ)を求める。
そして、上述の式(4)からF(Rcosθ,Rsinθ)(=F(X,Y))を計算し、このF(X,Y)を逆フーリエ変換して電子ビームの強度分布f(x,y)を算出する(ステップS58)。これにより、本実施形態では、複数のスリットを電子ビームで走査して、スリットの配置されている範囲内における強度分布f(x,y)が測定できるため、電子ビームの照度ムラを測定することができる。
なお、本実施例においては、センサ36として複数のスリット状の開口32bに沿った一次元方向に検出素子が配置されたラインセンサを用いているが、電子ビームを電流値として検出できるものであれば何でもかまわない。また、遮蔽手段32とセンサ36とを同期回転させているが、センサ36として2次元に検出素子が配置されたエリアセンサを用いて、遮蔽手段32のみを回転させる構成とすることもできる。
また、本実施例においては、遮蔽手段32を静止させ、電子ビーム15で遮蔽手段32を走査する構成となっているが(図8のステップS50)、電子ビーム15を走査せずに遮蔽手段32を走査してもよい。
さらに、図8のステップS50において、遮蔽手段32に電子ビーム15を走査せずに照射して、後のステップを実行すれば、上述の第1及び第2の実施形態と同様に電子ビーム15の強度分布f(x,y)を得ることができる。
以下、本発明の第4の実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法について図10から図12を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法の原理及び計算式については、上述の実施形態と同様であるため説明を省略する。
まず、本実施形態に係る遮蔽手段32について説明する。図10は、本発明の第4の実施形態に係る遮蔽手段を示す図である。図10(A)は斜視図であり、図10(B)は断面図である。図10に示す遮蔽手段32は、円形の開口32bが設けられた板状の部材32aが互いの開口32bが重なり合うように3枚所定の間隔を開けて配置されている。なお、各円形開口32bの中心を結ぶ軸(中心軸)は、板状の部材32aの法線に平行となっている。
この遮蔽手段32は、例えばステンレス板を加工して作成することができる。図10に示す遮蔽手段32の高さD41は約10mmで、開口32bの直径r41は約0.5μmである。
図10(B)に示すように遮蔽手段32は、センサ36に到達する電子ビーム15の入射角を制限する。本実施形態では、遮蔽手段32を通ってセンサ36に入射可能な入射角の範囲(図10(B)のδ)は、約5μradである。
次に、図11及び図12を参照して本実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法について説明する。図11は、遮蔽手段32の動作の例を示す断面図であり、図12は、本発明の第4の実施形態に係る電子ビームの強度分布測定方法を示すフローチャートである。
まず、遮蔽手段32の光軸に対する角度を設定する(ステップS60)。図11に示すように、遮蔽手段32の法線Mと電子ビーム15の光軸Lとのなす角度(図11のφ)を適当な値に設定して、以下のステップを実行し電子ビームの強度分布を測定する。
次に、遮蔽手段32に電子ビーム15を照射し(ステップS62)、センサ36で検出された電子ビーム15の電流強度の、所定の一次元方向(図2におけるv方向とする)の積算値p(u,θ)を求める(ステップS64)。なお、ステップS64においては、センサ36として、例えば、v方向に沿って検出素子が配列されたラインセンサが適用される。
また、ステップS64においては、複数のuについてp(u,θ)を求めてもよい。この場合のセンサ36としては、u方向に所定の間隔で所定の数(例えば、電子ビーム15の径以上の範囲)配列されたラインセンサが適用される。そして、各ラインセンサごとに検出された電流強度の積算値p(u,θ)を求める。
その次に、位置制御手段34を用いて遮蔽手段32及びセンサ36を、遮蔽手段32の法線(図11の直線M)回りに同期回転させ(ステップS66)、ステップS62からステップS64を繰り返して、すべてのθについて積算値p(u,θ)を求める(ステップS68)。ステップS68では、例えば、θをある角度間隔Δθ(例えば、30°、60°)ごとに0°から360°まで変化させて、各θごとにp(u,θ)を求める。
そして、上述の式(4)からF(Rcosθ,Rsinθ)(=F(X,Y))を計算し、このF(X,Y)を逆フーリエ変換して電子ビームの強度分布f(x,y)を算出する(ステップS70)。
本実施形態においては、異なるφごとに上記のステップを繰り返し行うことで、電子ビーム強度が最大になるφを見つけ出すことができる。これにより、電子ビーム走査手段20(図1参照)によって偏向された電子ビーム15の光軸の角度のずれを検出することができ、例えば、電子ビーム走査手段20等光学系の較正に役立てることができる。
なお、本実施例においては、センサ36としてv方向に沿った一次元方向に検出素子が配置されたラインセンサを用いているが、電子ビームを電流値として検出できるものであれば何でもかまわない。また、遮蔽手段32とセンサ36とを同期回転させているが、センサ36として2次元に検出素子が配置されたエリアセンサを用いて、遮蔽手段32のみを回転させる構成とすることもできる。また、図11においては、センサ36が遮蔽手段32に合わせて光軸に対して動いているが、エリアセンサを用いる場合、センサ36は固定されていてもよい。
本実施形態においては、遮蔽手段32はスリット板3枚から構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、スリット板の枚数は2枚でも4枚以上でもよい。また、図10及び図11においては、3枚のスリット板が略等間隔で配置されているが、等間隔でなくてもよい。
なお、本実施形態の遮蔽手段としては、図13に示すものを用いることができる。図13は、本発明の第4の実施形態の遮蔽手段の別の例を示す断面図である。図13に示す遮蔽手段32は、厚さD42の板状の部材32aに直径r42の筒状の開口32bを複数設けたものである。なお、各筒状開口32bの中心を結ぶ軸(中心軸)は、板状の部材32aの法線に平行となっている。この遮蔽手段32は、例えばステンレス板を加工して作成することができる。図13に示す遮蔽手段32の厚さD42は約10mmで、開口32bの直径r42は約0.5μmである。
30…電子ビームの強度分布測定装置、32…遮蔽手段、34…位置制御手段、36…電子ビーム検出手段、38…制御手段
Claims (16)
- 電子ビームの強度分布を測定する方法であって、
(a) 電子ビーム源から出射された電子ビームを、所定の形状の開口が形成された遮蔽手段上に照射又は照射して走査するステップと、
(b) 前記遮蔽手段の下流に配置された電子ビーム検出手段を用いて、前記遮蔽手段の開口を通過した電子ビームの強度の、前記遮蔽手段における任意の領域における積算値を検出するステップと、
(c) 前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させて、各回転角度位置ごとに前記ステップ(a)からステップ(b)を繰り返し実行するステップと、
(d) 前記ステップ(c)で求めた前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出するステップと、
を備えることを特徴とする電子ビームの強度分布測定方法。 - 電子ビームの強度分布を測定する方法であって、
(a) 電子ビーム源から出射された電子ビームで、ナイフエッジを有する形状の開口又は単スリット状の開口が形成された遮蔽手段を、該ナイフエッジ又は単スリットの長さ方向に対して垂直な方向に走査するステップと、
(b) 前記遮蔽手段の下流に配置された電子ビーム検出手段を用いて、前記電子ビームの走査位置ごとに前記遮蔽手段の開口を通過した電子ビームの強度の、前記ナイフエッジ又は単スリットの長さ方向に沿った方向の積算値を検出するステップと、
(c) 前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させて、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとに前記ステップ(a)からステップ(b)を繰り返し実行するステップと、
(d) 前記ステップ(c)で求めた前記電子ビームの走査位置及び前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出するステップと、
を備えることを特徴とする電子ビームの強度分布測定方法。 - 電子ビームの強度分布を測定する方法であって、
(a) 電子ビーム源から出射された電子ビームを、ナイフエッジを有する略同一形状の開口又はスリット状の開口が各ナイフエッジ又はスリットの長さ方向と垂直な方向に複数配列された遮蔽手段に照射するステップと、
(b) 前記遮蔽手段の下流に配置された電子ビーム検出手段を用いて、前記遮蔽手段の各開口ごとに、該開口を通過した電子ビームの強度の、前記ナイフエッジ又はスリットの長さ方向に沿った積算値を検出するステップと、
(c) 前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させて、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとに前記ステップ(a)からステップ(b)を繰り返し実行するステップと、
(d) 前記ステップ(c)で求めた前記遮蔽手段の各開口及び各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出するステップと、
を備えることを特徴とする電子ビームの強度分布測定方法。 - 所望の面内における電子ビームの強度分布を測定する方法であって、
(a) 電子ビーム源から出射された電子ビームで、ナイフエッジを有する略同一形状の開口又はスリット状の開口が各ナイフエッジ又はスリットの長さ方向と垂直な方向に複数配列された遮蔽手段を、該ナイフエッジ又はスリットの長さ方向に対して垂直な方向に走査するステップと、
(b) 前記電子ビームの照射位置を前記長さ方向に移動させて、前記ステップ(a)を繰り返し実行し、前記開口全体を走査するステップと、
(c) 前記遮蔽手段の下流に配置された電子ビーム検出手段を用いて、前記遮蔽手段の各開口ごとに、該開口を通過した電子ビームの強度の、前記ナイフエッジ又はスリットの長さ方向に沿った積算値を検出するステップと、
(d) 前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させて、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとに前記ステップ(a)からステップ(c)を繰り返し実行するステップと、
(e) 前記ステップ(d)で求めた前記遮蔽手段の各開口及び各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出するステップと、
を備えることを特徴とする電子ビームの強度分布測定方法。 - 電子ビームの強度分布を測定する方法であって、
(a) 電子ビーム源から出射された電子ビームで、前記電子ビームの入射角を制限する開口を有する遮蔽手段に照射するステップと、
(b) 前記遮蔽手段の下流に配置された電子ビーム検出手段を用いて、前記遮蔽手段の開口を通過した電子ビームの強度の、所定の一次元方向に沿った積算値を検出するステップと、
(c) 前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させて、各回転角度位置ごとに前記ステップ(a)からステップ(b)を繰り返し実行するステップと、
(d) 前記ステップ(c)で求めた前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出するステップと、
を備えることを特徴とする電子ビームの強度分布測定方法。 - 前記遮蔽手段が、所定の厚さを有し複数の筒状の開口が形成された板状の部材であることを特徴とする請求項5記載の電子ビームの強度分布測定方法。
- 前記遮蔽手段が、複数の開口が設けられた複数枚の板状の部材が各板に設けられた開口が重ね合わさるように所定の間隔で複数枚配置されたものであることを特徴とする請求項5記載の電子ビームの強度分布測定方法。
- 前記遮蔽手段が前記電子ビームの光軸となす角度を変更して、前記電子ビームの強度分布を測定することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項記載の電子ビームの強度分布測定方法。
- 電子ビームの強度分布を測定する装置であって、
電子ビームを出射する電子ビーム源と、
前記電子ビームの光軸に直交するxy平面上に前記電子ビームを照射又は走査する電子ビーム照射手段と、
所定の形状の開口を有し、前記電子ビーム源から出射された電子ビームの一部を遮蔽する遮蔽手段と、
前記遮蔽手段の開口を通過した電子ビームの、前記遮蔽手段における任意の領域における積算値を検出する電子ビーム検出手段と、
前記遮蔽手段を回転させる回転手段と、
前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させて、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとに前記電子ビームを、前記遮蔽手段上に照射又は照射して走査し、前記電子ビームの強度の積算値を検出すべく、前記電子ビーム源、電子ビーム照射手段、電子ビーム検出手段および回転手段を制御する制御手段と、
前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出する演算手段と、
を備えることを特徴とする電子ビームの強度分布測定装置。 - 電子ビームの強度分布を測定する装置であって、
電子ビームを出射する電子ビーム源と、
前記電子ビームの光軸に直交するxy平面上で前記電子ビームを走査する電子ビーム走査手段と、
ナイフエッジを有する形状の開口又は単スリット状の開口が形成された、前記電子ビーム源から出射された電子ビームの一部を遮蔽する遮蔽手段と、
前記電子ビームの走査位置ごとに前記遮蔽手段の開口を通過した電子ビームの強度の、前記ナイフエッジ又は単スリットの長さ方向に沿った積算値を検出する電子ビーム検出手段と、
前記遮蔽手段を回転させる回転手段と、
前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させ、各回転角度位置ごとに、前記遮蔽手段を前記ナイフエッジ又は単スリットの長さ方向に対して垂直な方向に前記電子ビームを走査して前記電子ビームの強度の積算値を検出すべく、前記電子ビーム源、電子ビーム走査手段、電子ビーム検出手段及び回転手段を制御する制御手段と、
前記電子ビームの走査位置及び前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出する演算手段と、
を備えることを特徴とする電子ビームの強度分布測定装置。 - 電子ビームの強度分布を測定する装置であって、
電子ビームを出射する電子ビーム源と、
前記電子ビームの光軸に直交するxy平面上に前記電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、
ナイフエッジを有する略同一形状の開口又はスリット状の開口が各ナイフエッジ又はスリットと垂直な方向に複数配列された、前記電子ビーム源から出射された電子ビームの一部を遮蔽する遮蔽手段と、
前記遮蔽手段の開口ごとに、該開口を通過した電子ビームの強度の、前記ナイフエッジ又はスリットの長さ方向に沿った積算値を検出する電子ビーム検出手段と、
前記遮蔽手段を回転させる回転手段と、
前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させ、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとに、前記電子ビームの強度の積算値を検出すべく、前記電子ビーム源、電子ビーム照射手段、電子ビーム検出手段及び回転手段を制御する制御手段と、
前記遮蔽手段の各開口及び各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出する演算手段と、
を備えることを特徴とする電子ビームの強度分布測定装置。 - 所望の面内における電子ビームの強度分布を測定する装置であって、
電子ビームを出射する電子ビーム源と、
前記電子ビームの光軸に直交するxy平面上で前記電子ビームを走査する電子ビーム走査手段と、
ナイフエッジを有する略同一形状の開口又はスリット状の開口が各ナイフエッジ又はスリットと垂直な方向に複数配列された、前記電子ビーム源から出射された電子ビームの一部を遮蔽する遮蔽手段と、
前記各遮蔽手段の開口ごとに、該開口を通過した電子ビームの強度の、前記ナイフエッジ又はスリットの長さ方向に沿った積算値を検出する電子ビーム検出手段と、
前記遮蔽手段を回転させる回転手段と、
前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させ、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとに、前記遮蔽手段を前記ナイフエッジ又はスリットの長さ方向に対して垂直な方向の前記電子ビームの走査を前記長さ方向の位置をずらしながら繰り返し行って、前記開口全体を走査して前記電子ビームの強度の積算値を検出すべく、前記電子ビーム源、電子ビーム走査手段、電子ビーム検出手段及び回転手段を制御する制御手段と、
前記遮蔽手段の各開口及び各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出する演算手段と、
を備えることを特徴とする電子ビームの強度分布測定装置。 - 電子ビームの強度分布を測定する装置であって、
電子ビームを出射する電子ビーム源と、
前記電子ビームの光軸に直交するxy平面上に前記電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、
前記電子ビームの入射角を制限する開口を有する遮蔽手段と、
前記遮蔽手段の開口を通過した電子ビームの強度の、所定の一次元方向に沿った積算値を検出する電子ビーム検出手段と、
前記遮蔽手段を回転させる回転手段と、
前記遮蔽手段を所定の角度範囲にわたって回転させ、前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとに、前記電子ビーム検出手段上の所定の一次元方向に沿った前記電子ビームの強度の積算値を検出すべく、前記電子ビーム源、電子ビーム照射手段、電子ビーム検出手段及び回転手段を制御する制御手段と、
前記遮蔽手段の各回転角度位置ごとの前記電子ビームの強度の積算値を逆フーリエ変換して、前記電子ビームの強度分布を算出する演算手段と、
を備えることを特徴とする電子ビームの強度分布測定装置。 - 前記遮蔽手段が、所定の厚さを有し複数の筒状の開口が形成された板状の部材であることを特徴とする請求項13記載の電子ビームの強度分布測定装置。
- 前記遮蔽手段が、複数の開口が設けられた複数枚の板状の部材が各板に設けられた開口が重ね合わさるように所定の間隔で複数枚配置されたものであることを特徴とする請求項13記載の電子ビームの強度分布測定装置。
- 前記遮蔽手段と前記電子ビームの光軸とがなす角度を変更する手段を備えることを特徴とする請求項13から15のいずれか1項記載の電子ビームの強度分布測定装置。
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JP2004135124A JP2005317412A (ja) | 2004-04-30 | 2004-04-30 | 電子ビームの強度分布測定方法及び強度分布測定装置 |
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