JP2005316225A - 画像形成方法 - Google Patents

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【課題】 耐摩耗性の高い感光体を用い、ブレードクリーニングを用いて転写残余のトナーを感光体上から除去させる画像形成方法において、画像流れ、感光体の傷、ブレードへの負荷を抑制させることで、耐久性の高い画像形成方法を提供する。
【解決手段】 保護層を有する感光体に部材を接触させる帯電工程、静電潜像形成工程、現像工程、転写工程、転写残トナーをクリーニングする工程を有する画像形成方法において、保護層のユニバーサル硬さ値HUが150以上240以下(N/mm2)であり、かつ弾性変形率が44%以上65%以下であり、トナーが少なくとも粒子形状が概略立方体または直方体である一次粒子の平均粒径が80nm〜220nmであり、凝集体の粒径が800nm以上の粒子が1個数%以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は電子写真方法、静電記録法などを利用した記録方法に用いられる画像形成方法に関するものである。詳しくは、静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像した後、転写材上に転写させて画像形成を行う複写機、プリンター、ファックスに用いられる画像形成方法に関するものである。
従来の電子写真の帯電装置としては、コロナ帯電器が使用されてきたが、コロナ帯電器を用いる場合、帯電器が大型化し、高電圧の印加が必要になり電源コストが高くなる、さらに多量のオゾンを発生させるのでそれを除去するためのフィルター等が必要になり、機械の大型化、高い電力消費が問題となる。
近年、これに代って、小型化、低オゾン、低電力を達成できる感光体と接触する帯電装置が実用化されてきている。帯電部材としてはローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材を被帯電体に接触させ、帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して被帯電体の表面を所定の極性、電位に帯電させるものである。
しかしながら、これらの接触帯電装置は感光体と非接触の帯電装置(コロナ)に比べて、感光体と帯電部材との微少な空間で帯電を行う、つまり感光体により近い位置で帯電を行うので、従来の非接触型の帯電装置に比べて感光体表面の変化、酸化劣化が激しく生じる傾向にあり、また、帯電工程で生じるオゾンが空気中の窒素と反応して窒素酸化物となり、さらに空気中の水分と反応して硝酸になり、感光体の表面に付着して感光体の表面抵抗を低下させ、画像流れを生じやすい傾向にある。
さらに、帯電工程が感光体に接触した状態で行うことにより、帯電部材の表面が汚染し、帯電不良、帯電ムラが生じやすい傾向にある。
一方、電子写真感光体は、電気的及び機械的特性の双方を満足するために、電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型の感光体として利用される場合が多い。当然のことながら、電子写真感光体には適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、更には光学的特性を備えていることが要求される。特に繰り返し使用される感光体の表面には、帯電、画像露光、トナー現像、紙への転写、クリーニングといった様々な電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。
具体的には、摺擦による表面の摩耗や傷の発生に対する耐久性、更には感度低下、電位低下等の電気特性の劣化に対する耐久性も要求される。
このような従来の電子写真感光体が有していた問題点を解決し、膜強度を高くすることによって耐摩耗性及び耐傷性を向上させることで高耐久な感光体、さらに、繰り返し使用時における残留電位の上昇等の感光体特性の変化や劣化が非常に少なく、繰り返し使用時も安定した性能を発揮することができる電子写真感光体として、硬化性樹脂を表面層に含有した感光体を用いることで達成されるという提案がなされている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、特に高湿環境での使用やプロセススピードが速い機械に用いた場合、これらの耐摩耗性の高い感光体は、感光体の削れが少ないために、表面に付着した帯電生成物を、例えばクリーニングブレードなどで、感光体の表面を削ることで除去させることが困難であり、上述したような問題がさらに顕著に発生しやすい傾向にある。
これらの問題に対して、トナー中に研磨作用を有する粒子を添加し、前記の如き感光体表面に付着した帯電生成物を剥ぎ取ることによって改善させることがしられている。しかしながら従来用いられていた研磨粒子は粒径が大きく、粒度分布もブロードなため感光体表面を均一に研磨するには、トナーに多量に添加する必要があるが、多量に添加すると現像特性(特に飛散や反転かぶり、研磨粒子の蓄積)への問題が発生しやすかった。この点を改良したものとして、粒径を細かく疎粒を少なくしたチタン酸ストロンチウムを提案し、少量添加で優れた研磨効果がある無機微粉体を提案しているものもある(例えば特許文献2参照)。
しかし、それでも特に、高湿環境での使用の場合、耐摩耗性の高い感光体を用いた場合には、帯電生成物の除去には不十分であった。
また、耐摩耗性の高い感光体を用いた場合、転写残トナーのクリーニング工程において、ブレードクリーニングを行った場合、帯電生成物の除去が難しいために感光体表面の滑り性が悪化し、ブレードがビビリ易く、それらの粒度が細かい研磨粒子がすりぬけやすく、感光体に接触している接触帯電部材を汚染し、そのために一次帯電ムラや帯電不良による画像ムラ、不良が発生すやすく、さらには、放電生成物の堆積により感光体の滑りが悪化し、研磨粒子などの無機微粉体がすり抜ける事により、ブレード近傍部での粒子の滞留が無くなることで、ブレードと感光体との潤滑作用が低減し、ブレードが捲れたり、滑り性の悪化によってブレードへの負荷が高くなり、ブレードが欠けたり、ブレード自身が削れ、最終的にはすり抜けによる画像不良の発生の問題が生じる傾向にある。
また、耐摩耗性の高い感光体の場合、それらの研磨粒子のすり抜けによる感光体の傷が、発生し、感光体の寿命が感光体の全面の摩耗よりもすり抜けによる局所的な傷により、画像上にスジ発生し、耐久性が低下する問題も生じた。
特開2002−82469号公報 特開平10−10770号公報
本発明は上述の如き問題点を解決した画像形成方法を提供することである。具体的には耐摩耗性の高い感光体を用い、転写残余のトナーを感光体上から除去させる工程において、簡易なクリーニング構成であるブレードクリーニングを用いても、画像流れ、感光体の傷、ブレードへの負荷を抑制させることで、より簡易な構成で、さらに高湿環境での使用、プロセススピードが速い機械に用いた場合でも、耐久性の高い画像形成方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために本発明は、像担持体である支持体上に感光層と保護層を有する感光体に部材を接触させて帯電させる工程、帯電された感光体に、静電潜像を形成させる静電潜像形成工程と、トナー担持体上に担持させたトナーを前記静電潜像に転移させて可視化する現像工程と、像担持体上に形成されたトナー像を転写材に静電転写させる転写工程、転写工程後に感光体上に残った転写残余トナーを感光体上から除去するクリーニング工程を少なくとも有する画像形成方法において、
該保護層のユニバーサル硬さ値HUが150以上240以下(N/mm2)であり、かつ弾性変形率が44%以上65%以下であり、
該トナーが少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有し、さらに少なくとも粒子形状が概略立方体または直方体である一次粒子の平均粒径が80nm〜220nmであり、凝集体の粒径が800nm以上の粒子が1個数%以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を含有したことを特徴とする画像形成方法に関する。
本発明によれば、像担持体である支持体上に感光層と保護層を有する感光体に部材を接触させて帯電させる工程、帯電された感光体に、静電潜像を形成させる静電潜像形成工程と、トナー担持体上に担持させたトナーを前記静電潜像に転移させて可視化する現像工程と、像担持体上に形成されたトナー像を転写材に静電転写させる転写工程、転写工程後に感光体上に残った転写残余トナーを感光体上から除去するクリーニング工程を少なくとも有する画像形成方法において、
該保護層のユニバーサル硬さ値HUが150以上240以下(N/mm2)であり、かつ弾性変形率が44%以上65%以下であり、
該トナーが少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有し、さらに少なくとも粒子形状が概略立方体または直方体である一次粒子の平均粒径が80nm〜220nmであり、凝集体の粒径が800nm以上の粒子が1個数%以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を含有したことを特徴とする画像形成方法により、耐久による摩耗量の少ない高耐久なドラムを用いた場合でも、ドラム表面に付着した放電生成物をクリーニングブレード部で良好に掻き取ることが可能になり、そのため、ドラム表面の滑り性が確保されるので、クリーニングブレードの摩耗、欠けが低減され、また画像流れ、ドラム傷の発生も抑制されるので、より簡易な構成でも高耐久な画像形成方法を提供することが可能となる。
次に、本発明の画像形成方法を添付図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本発明の画像形成方法を実施するために用いることができる具体的な装置の一例を示す。
図1において、1は感光ドラムで、その周囲に一次帯電ローラー6、現像器7、転写帯電ローラー2が設けられている。そして感光体1は感光体に接触する一次帯電ローラー6によって帯電される。そして、レーザー発生装置によりレーザー光Lを感光体1に照射する事によって露光される。感光体1上の静電潜像は現像器7によってトナーで現像され、転写材を介して感光体に当接された転写ローラー2により転写材1上へ転写される。トナー画像をのせた転写材は搬送ガイドを経て定着器3へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部感光体上に残されたトナーは感光体に接触するクリーニング弾性ブレード4により感光体表面上から除去される画像形成方法である。
本発明の特徴は図1で示す感光体1が、ユニバーサル硬さ値HUが150以上240以下(N/mm2)であり、かつ弾性変形率が44%以上65%以下の保護層を有し、トナーが少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有し、さらに少なくとも粒子形状が概略立方体または直方体である一次粒子の平均粒径が80nm〜220nmであり、凝集体の粒径が800nm以上の粒子が1個数%以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を含有したことである。
保護層を有する感光体のユニバーサル硬さ値(以下HU)が150以上240以下(N/mm2)であり、かつ弾性変形率が44%以上65%以下の感光体を用いることで、感光体表面の機械的劣化が抑制され、表面層の摩耗量、感光体の傷が低減され、感光体の高耐久化が図られる。
一般的に膜の硬度は外部応力に対する変形量が小さいほど高く、電子写真感光体も当然の如く鉛筆硬度やビッカース硬度が高いものが機械的劣化に対する耐久性が向上すると考えられている。しかしながら、これらの測定により得られる硬度が高いものが必ずしも耐久性の向上を望めたわけではなく、上記の範囲が良好であることが分かった。
HUと弾性変形率を切り離してとらえることはできないが例えばHUが240N/mm2を超えるものであるとき、弾性変形率が44%未満であるとクリーニングブレードや帯電、転写ローラに挟まれた紙粉やトナー等が感光体の弾性力が不足しているが故に、また、弾性変形率が65%より大きいと弾性変形率は高くても弾性変形量は小さくなってしまうが故に、結果として局部的に大きな圧力がかかり傷が発生しやすくなり、感光体の摩耗量も増大してしまう。よって、HUが高いものが必ずしも感光体として最適ではないと考えられる。
また、HUが150N/mm2未満で弾性変形率が65%を超えるもの場合、たとえ弾性変形率が高くても塑性変形量も大きくなってしまいクリーニングブレードや帯電、転写ローラに挟まれた紙粉やトナーが擦られることで削れたり細かい傷が発生し、耐久寿命が短くなってしまう。
HU(ユニバーサル硬さ値)、及び弾性変形率は、圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読し連続的硬さを求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した。圧子は対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用した。
出力チャートの概略を図2に、本発明の電子写真感光体を測定した例を図3に示す。図2は縦軸は荷重(mN)で横軸は押し込み深さh(μm)であり、図3は段階的(各点0.1sの保持時間で273点)に荷重を増加させ6mNまで荷重をかけ、その後同様に段階的に荷重を減少させた結果である。
本発明の保護層のHU(ユニバーサル硬さ値:以下HUと呼ぶ)は、2mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式(1)によって規定される。
HU=試験荷重(N)/試験荷重でのビッカース圧子の表面積(mm2
=0.002/26.43h2(N/mm2) (1)
また、弾性変形率はHUと同様に2mNで押し込んだ圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めたものであり、下記式(2)からその値は求まる。全仕事量Wt(nW)は図2中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表され、弾性変形の仕事量W(nW)はC−B−D−Cで囲まれる面積で表される。
弾性変形率We=W/Wt×100(%) (2)
上記のような高耐久な感光体を接触帯電による画像形成方法で用いる場合に、感光体表面に付着した放電生成物の影響により、画像流れ、帯電部材の汚染、クリーニングブレードへのダメージが発生しやすいために、それらの放電生成物を除去させることが必要になってくる。
そのためには、少なくとも粒子形状が概略立方体または直方体である一次粒子の平均粒径が80nm〜220nmであり、凝集体の粒径が800nm以上の粒子が1個数%以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を含有したトナーを用いることが必要である。
先に説明したように、特開平10−10770号公報、特許3047900号公報に開示されているチタン酸ストロンチウムは焼結工程を経て製造されており、粒子の形状が球状、または球状に近い多面体状であるために、摩耗量の少ない感光体を用いた場合、感光体との接触面積が小さく、また形状が球形に近いために、クリーニングブレードからより、すり抜けやすく、ブレード近傍に滞留しにくいので、帯電生成物の除去には不十分であり、またブレード近傍に滞留しにくいので、ブレードと感光体との間の摩擦力が高くなり、ブレード捲れ、ブレード自体の摩耗、欠けが生じやすくなると推測される。
そこで、粒子形状が概略立方体または直方体であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を用いることで、形状が角張っているため球状に近い多面体状のものと比べてクリーニングブレードからのすり抜けが生じにくく、帯電部材の汚染による画像不良の発生が抑制され、またブレード近傍に滞留し、また感光体との接触面積も増し、立方体、直方体の稜線が感光体に接触することで、帯電生成物の除去、掻き取りが効果的に行うことが可能になる。
発明において用いる無機微粉体はペロブスカイト型の結晶を持つものが好ましい。ペロブスカイト型無機微粉体の中でも更に好ましいものは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウムであるが、その中でもチタン酸ストロンチウムが更に好ましい。
本発明において使用されるペロブスカイト型結晶の無機微粉体は一次粒子の平均粒径が80nm以上220nm以下でなければならず、100nm以上180nm以下であるものが更に好ましい
平均粒径が80nm未満ではクリーナー部における当該粒子の研磨効果が不十分であり、また、クリーナー部からのすり抜けも多くなり、帯電部材の汚染を促進させるので好ましくなく、一方、220nm超では、クリーナー部での研磨効果が強すぎるためにドラムに傷が発生したり、またクリーニングブレードでの堰き止め効果が高くなり、ブレードと感光体との潤滑作用が低下するために、ブレードへの負荷が高くなり、ブレードが捲れたり、ブレード自身が欠け、摩耗したりする問題が生じる。
また、該無機微粉体は着色粒子表面に必ずしも一次粒子として存在するとは限らず、凝集体として存在する場合もあるが、その場合でも凝集体の粒径が800nm以上の粒子が1個数%以下でなければならない。800nm以上の凝集体を含有した場合、一次粒径が220nm未満であっても感光体キズ、またブレード欠けが発生し、トナーすり抜けによる画像不良の問題が生じる。
なお、本発明における無機微粉体の粒径については、電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真から100個の粒径を測定して求めた。
なお、概略立方体、直方体である無機微粉体の粒径は、微粉体の形状の中で最も長い長辺の長さ(T1)と最も短い短辺の長さ(S1)としたとき、以下の式を持って無機微粉体の粒径とした。(図6参照)
無機微粉体の粒径=(T1+S1)/2
また本発明の無機微粉体中の、粒子形状が概略立方体または直方体であるものの含有率を60個数%以上含有することで更に効率的に帯電生成物の除去が行えるため好ましい。
該無機微粉体の概略立方体、直方体(サイコロ、キュービック状の形状)形状は、図5に電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真を示すような形状を示す。
さらに本発明において、無機微粉体の着色粒子に対する遊離率が40体積%以下であることが好ましい。
ここで遊離率とは、着色粒子から遊離した無機微粉体の割合を体積%で求めたものであり、パーティクルアナライザー(PT1000:横河電機(株)製)により測定されたものである。
パーティクルアナライザーはJapan Hardcopy97論文集の65〜68頁に記載の原理で測定を行う。具体的には、前記装置はトナー等の微粒子を一個づつプラズマへ導入し、微粒子の発光スペクトルから発光物の元素、粒子数、粒子の粒径を知ることができる。
この中で、「遊離率」とは、結着樹脂の構成元素である炭素原子の発光と、無機微粉体の構成原子の発光の同時性から次式により求めたものと定義する。
遊離率(体積%)=(無機微粉体の構成原子のみの発光体積)×100/(炭素原子と同時に発光した無機微粉体の構成原子の発光体積+無機微粉体の構成原子のみの発光体積)
ここで、「同時発光」とは、炭素原子の発光から2.6msec以内に発光した無機微粉体の構成原子の発光を同時発光とし、それ以降の無機微粉体の構成原子の発光は無機微粉体の構成原子のみの発光とする。本発明では炭素原子と同時に発光した無機微粉体の構成原子の発光は着色粒子表面に付着した無機微粉体を測定しており、無機微粉体の構成原子のみの発光は、着色粒子から遊離した無機微粉体を測定していることになる。
具体的な測定方法としては、0.1%酸素含有のヘリウムガスを用い、23℃で湿度60%の環境にて測定を行い、トナーサンプルは同環境下にて1晩放置し、調湿したものを測定に用いる。また、チャンネル1で炭素原子(測定波長247.860nm)、チャンネル2で無機微粉体の構成原子(たとえばチタン酸ストロンチウムであればストロンチウム原子:測定波長407.770nm)を測定し、一回のスキャンで炭素原子の発光数が1000から1400個となるようにサンプリングを行い、炭素原子の発光数が総数で10000個以上となるまでスキャンを繰り返し、発光数を積算する。この時、炭素元素の発光個数を縦軸に、炭素元素の三乗根電圧を横軸にとった分布において、前記分布が極大を一つ有し、更に、谷が存在しない分布となるようにサンプリングし、測定を行う。そして、このデータを元に、全元素のノイズカットレベルを1.50Vとし、上記計算式を用い遊離率を算出する。
本発明に用いる無機微粉体で、クリーニングブレードからすり抜けるものは、着色粒子から遊離して、単独で存在しているものが多いことが確認された。
従って、無機微粉体の着色粒子に対する遊離率を10体積%以下にすることで、さらにクリーニングブレードから無機微粉体がすり抜け難くなり、そのため帯電部材の汚染の防止に効果があり、さらに、より、該無機微粉体がブレード近傍に滞留しやすくなり、ブレード部分での帯電生成物の除去の効果が増し、流れ、さらにはブレード捲れ、ブレード欠けに効果があるので好ましい。
本発明に用いるペロブスカイト型結晶の無機微粉体は、たとえば硫酸チタニル水溶液を加水分解して得た含水酸化チタンスラリーのpHを調整して得たチタニアゾルの分散液に、ストロンチウムの水酸化物を添加して、反応温度まで加温することで合成することができる。該含水酸化チタンスラリーのpHは0.5〜1.0とすることで、良好な結晶化度、および粒径のチタニアゾルが得られる。
また、チタニアゾル粒子に吸着しているイオンを除去する目的で、該チタニアゾルの分散液に、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質を添加することが好ましい。このとき、ナトリウムイオン等を含水酸化チタン表面に吸着させないために、該スラリーのpHを7以上にしないことが好ましい。また、反応温度は60℃〜100℃程度が好ましく、所望の粒度分布を得るためには、昇温速度を30℃/時間以下にすることが好ましく、反応時間は3〜7時間であることが好ましい。
また、該無機微粉体の結晶構造がペロブスカイト型(3種類の異なる元素で構成された面心立方格子)であることを確認するには、X線回折測定を行うことで確認することができる。
さらに、該無機微粉体は現像特性を考慮し、摩擦帯電極性、環境による摩擦帯電量を制御、またドラム傷の防止の点から、微粉体の表面を処理したほうが好ましい。
表面処理剤としては、カップリング剤やシリコーンオイル、脂肪酸金属塩などの処理剤が挙げられる。
表面処理を行うことで、例えば、親水基と疎水基を有する化合物であるカップリング剤の場合、親水基側が無機微粉体表面を覆うことで疎水基側が外側になるので、微粉体の疎水化処理がなされ、環境による摩擦帯電量の変動を抑制させることができ、また、アミノ基、フッ素などの官能基を導入したカップリング剤により、摩擦帯電量の制御も容易にできる。
さらに、上述のような表面処理剤で表面を処理することにより、無機微粉体中に含まれるドラム傷の原因となる、遊離している平均粒径よりも小さいかけらなどの微粉を無機微粉体表面に固定する担持作用があるので、ドラム傷の防止効果もあるので好ましい。
また、上述のような表面処理剤の場合には分子レベルでの表面処理のために、該無機微粉体の形状がほとんど変化せず、概略立方体、直方体形状による掻き取り力が維持されるのでより好ましい。
カップリング剤としてはチタネート系、アルミニウム系、シラン系カップリング剤等が挙げられ、脂肪酸金属塩としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられ、また脂肪酸であるステアリン酸などでも同様の効果が得られる。
処理の方法は、処理する表面処理剤などを溶媒中に溶解、分散させ、その中に無機微粉体を添加した、撹拌しながら溶媒を除去して処理する湿式方法や、カップリング剤、脂肪酸金属塩と無機微粉体を直接混合して撹拌しながら処理を行う乾式方法などが挙げられる。
また、表面処理については無機微粉体を完全に処理、被覆する必要は無く、効果が得られる範囲で無機微粉体が露出していても良い。つまり表面の処理が不連続に形成されていても良い。
本発明において着色粒子に対するペロブスカイト型無機微粉体の添加量は、0.05質量%以上5質量%以下が好ましく、0.2質量%以上4質量%以下が更に好ましい。
0.05質量%未満では放電生成物の除去効果が低減し、5質量%を超えると該無機微粉体の遊離率が高くなり、ブレードからのすり抜けが多くなることで、帯電部材の汚染が発生しやすい傾向になる。
本発明のトナーの製造方法は特に限定されず、懸濁重合法、乳化重合法、会合重合法、混錬粉砕法などが用いられる。
以下、懸濁重合法における本発明のトナーの製造方法について説明する。
まず重合性単量体中に、低軟化点物質、極性樹脂、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤、その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解または分散せしめた単量体系を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモジナイザー、ホモミキサー等により分散せしめる。この際、好ましくは単量体液滴が所望の現像剤粒子のサイズを有するように、撹拌速度、時間を調整し造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行なえばよい。重合温度は40℃以上、一般的には50℃〜90℃の温度に設定して行なうのがよい。また、重合反応後半に昇温してもよく、さらに、現像剤定着時の臭いの原因等になる未反応重合性単量体、副生成物等を除去するために、反応後半または反応終了時に一部水系媒体を留去してもよい。反応終了後、生成した現像剤粒子を洗浄、濾過により回収し乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100質量部に対して水300質量部〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
トナーの粒度分布制御や粒径の制御は、造粒時の系のpH調整、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法や、機械的装置条件、例えばローターの周速、パス回数、撹拌羽根形状等の撹拌条件や、容器形状または水溶液中での固形分濃度等を制御することにより行なえる。
本発明に用いられる重合性単量体としては、スチレン、o−(m−、p−)メチルスチレン、m−(p−)エチレンスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキサン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミド等の単量体が好ましく用いられる。
また重合時に添加する極性樹脂としては、スチレン(メタ)アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
また、本発明で使用される低軟化点物質としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロプッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス及びこれらの誘導体、またはこれらのグラフト/ブロック化合物等が好ましく用いられる。
本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが使用できるが、重合阻害性がなく水系への可溶化物のない荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、ネガ系としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸、それらの誘導体の金属化合物、スルホン酸を側鎖に持つ高分子化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、珪素化合物、カリックスアレン等が利用でき、ポジ系としては4級アンモニウム塩、該4級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。該荷電制御剤は重合性単量体100質量部に対し0.2〜10質量部が好ましい。
本発明で使用される重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロキシペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が用いられる。
該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には単量体に対して0.5質量%〜20質量%添加されて用いられる。重合開始剤の種類は重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に単独または混合し利用される。
懸濁重合を利用する場合に用いる分散剤としては、例えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、磁性体、フェライト等が挙げられる。また有機系化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が水相に分散させて使用される。
これらの分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜2.0質量部を使用するのが好ましい。
これらの分散剤は市販のものをそのまま用いてもよいが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生成させて得ることもできる。例えばリン酸カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合法に好ましい分散剤を得ることができる。
またこれらの分散剤の微細化のために、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を併用してもよい。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が使用でき、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
次に混錬粉砕法におけるトナーの製造方法について説明する。
本発明の粉砕法トナーに用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等を単独または混合して使用できるが、中でもスチレン−アクリル、スチレン−メタクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
また本発明の粉砕法トナーを正帯電性に制御する場合は、脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩;アミン及びポリアミン系化合物;高級脂肪酸の金属塩;アセチルアセトン金属錯体;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート等を添加する。また、負帯電性に制御する場合は、有機金属錯体、キレート化合物が有効で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体を用いることができる。使用量は結着樹脂100質量部に対して0.1〜15質量部、好ましくは0.1〜10質量部である。
本発明の粉砕法トナーには、必要に応じて離型剤を添加することができる。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスまたはその酸化物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪族エステルを主成分とするワックスまたは、その一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。また、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族ビスアミド類;ステアリン酸亜鉛などの脂肪酸金属塩;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンなどのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化物なども用いることができる。添加量は結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
次にこれらの結着樹脂、離型剤、荷電制御剤、着色剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により十分混合してから、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して、樹脂類を互いに相溶せしめた中に荷電制御剤、着色剤を分散または溶解せしめ、冷却固化後、機械的に所望の粒度に微粉砕し、さらに分級によって粒度分布をシャープにする。あるいは、冷却固化後、ジェット気流下でターゲットに衝突させて得られた微粉砕物を、熱または機械的衝撃力によって球形化する。
着色粒子としては、粒子自体が比較的硬く、そのためにドラム表面の放電生成物の掻き取り力が高い磁性体を含有した磁性粒子のほうがより好ましい。
このようにして得られた着色粒子に、本発明に用いるペロブスカイト型無機微粉体を外添してトナーとする。
さらに本発明においては、現像性、耐久性を向上させるためにさらに次の無機粉体を添加することもできる。マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモン等の金属酸化物;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム等の金属塩;カオリン等の粘土鉱物;アパタイト等のリン酸化合物;炭化珪素、窒化珪素等の珪素化合物;カーボンブラックやグラファイト等の炭素粉末が挙げられる。
同様の目的で以下の有機粒子や複合粒子を添加することもできる。ポリアミド樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、シリコンゴム粒子、ウレタン粒子、メラミン−ホルムアルデヒド粒子、アクリル粒子等の樹脂粒子;ゴム、ワックス、脂肪酸系化合物、樹脂等と金属、金属酸化物、塩、カーボンブラック等の無機粒子とからなる複合粒子;ポリ弗化エチレン、ポリ弗化ビニリデン等のフッ素樹脂;弗化カーボン等のフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステル等の脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸及びアミノ酸誘導体等が挙げられる。
該感光体の保護層の特性を上述したような範囲にするには、電荷輸送物質を含有した熱硬化性樹脂により形成された保護層であることが好ましい。硬化性樹脂を用いることで、硬化性樹脂の硬化度を調整することで、感光体のHU、特に弾性変形率を上述した範囲にすることが容易になるからである。硬化、重合の形態としては、熱や放射線、光による付加、縮合反応による形態があるが、より簡易という点で熱による形態が好ましい。
また、電荷輸送物質を含有させることで、感度低下、残留電位上昇を抑制させることが出来るので含有させた方が好ましい。電荷輸送性物質の混合割合は、質量比で電荷輸送性物質/硬化性樹脂=0.5/10〜10/10が好ましい。電荷輸送性物質/硬化性樹脂=0.5/10よりも電荷輸送性物質の割合が少ないと、残留電位低下の効果が小さくなり、逆に10/10より多くなると硬化性樹脂の硬化を阻害するので膜の強度が低下するので好ましくない。
また、樹脂の構造の骨格中に電荷輸送機能を有する硬化性樹脂を用いても構わない。この場合、硬化性を阻害するような電荷輸送性物質を意図的に添加する必要がなく、電荷輸送材の添加による膜特性の低下は抑制できるので、より好ましい。
また保護層にはフッ素系樹脂粉体を含有している方が好ましい。フッ素系樹脂粉体を含有させることにより、感光体表面の滑り性が増すことでブレードへの負荷が小さくなりブレード欠けやブレード自身の摩耗低減に効果があるので好ましい。
フッ素樹脂粉体の含有量は保護層全体の質量中の5〜40質量%であることが好ましい。5%未満であると、滑り性の効果がほとんど見られず、ブレードへの負荷が増し、捲れやすくなり、40%超では硬化性樹脂の効果を阻害してしまうので膜強度が低下、また感光体が滑りすぎるの、クリーニングブレードも感光体上で滑ってしまい、放電生成物の除去が、特に耐久初期で困難になり、画像流れが生じやすいので好ましくない。
また、保護層に含有されるフッ素樹脂粉体の分散状態が断面透過型電子顕微鏡観察(以下TEM)による観察で保護層中の上層部が10%以上40%未満であり、下層部が30%以上80%未満である事が好ましい。また、保護層中の上層部、下層部は図4に示すように、総膜厚の1/2より表面、帯電部材が存在する方向の部分を上層部、1/2より基板の方向を下層部とする。
接触帯電の場合、感光体の滑り性は放電生成物の蓄積が増えるので耐久とともに徐々に悪化する傾向にある。従って耐久初期ではフッ素樹脂粉体の量が少なくても、滑り性は確保できるのでフッ素樹脂粉体の量が上層部では10〜40%の範囲が好ましい。40%を超えると、クリーニングブレードと感光体が滑りすぎてしまい、ブレード自身が滑るために、放電生成物の掻き取りが効率よくできず、初期画像流れが発生しやすく、10%未満では滑り性が悪くブレードへの負荷が増すので好ましくない。
耐久後半は感光体の滑り性が放電生成物の蓄積によって悪化してくるので、フッ素樹脂粉体の量が下層部では30〜80%の範囲が好ましい。30%未満では滑り性が悪くブレードへの負荷が増すので好ましくなく、80%を超えると、硬化性樹脂の効果を阻害し、膜強度が低下するので好ましくない。
フッ素樹脂粉体の分散状態を変える方法としては、フッ素樹脂粉体の異なる含有量の塗料を積層させて保護層を形成させたり、塗工前の塗料の段階で塗料中のフッ素樹脂粉体の分散状態を調整させて作製する方法がある。
フッ素樹脂粉体の分散状態の範囲は、たとえば、TEM観察を行った保護層の写真の画像情報を元に、たとえば、Image Analyzer V10(東洋紡績株式会社製)により、画像解析した結果の算術平均値である。
解析の詳細は、まず、TEM写真より、上層部と下層部それぞれを実体顕微鏡を経由した画像信号を解析装置に入力し、画像情報をフッ素樹脂粉体(明部)とそれ以外の部分(暗部)を2値化し、2値化された画像情報を元に明部の面積(H)と暗部の面積(L)を測定し、以下の計算でフッ素樹脂粉体の分散状態を面積比率で算出した。
フッ素樹脂粉体量%=100×H/(H+L)
フッ素樹脂粉体としては四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂およびこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に、四フッ化エチレン樹脂およびフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
本発明の感光体は、支持体上に感光層として電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を、この順に積層した構成あるいは逆に積層した構成、また電荷発生物質と電荷輸送物質を同一層中に分散した単層からなる構成のいずれの構成をとることも可能である。前者の積層型においては電荷輸送層が二層以上の構成、また後者の単層型においては電荷発生物質と電荷輸送物質を同一に含有する感光層上に更に電荷輸送層を構成してもよく、更には電荷発生層あるいは電荷輸送層上に保護層を形成することも可能である。
電子写真感光体が有する支持体は、導電性を有するものであればよい。例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金をドラム状またはシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅等の金属泊をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
本発明においては、支持体と感光層の間にバリアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることができる。下引き層は感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。
下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチン等が挙げられる。下引き層は、これらの材料をそれぞれに適した溶剤に溶解した溶液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成される。膜厚は、0.1〜2μmであることが好ましい。
上述のように、積層型の感光層は、電荷発生層及び電荷輸送層を有する。
電荷発生物質としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属及び結晶系、具体的には例えば、α、β、γ、ε及びX型等の結晶型を有するフタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン及び特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコン等が挙げられる。
電荷発生層は、前記電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アドライダー及びロールミル等の方法でよく分散し、得られた分散液を塗布し、乾燥することによって形成されるか、前記電荷発生物質の蒸着膜等、単独組成の膜として形成される。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1〜2μmであることが好ましい。
結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明に係わる感光体としては、支持体より最も離れた層に、硬化性樹脂を用いた保護層を有し、該保護層の硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられるが、特にこの中で好ましいのはフェノール樹脂である。
上述のような硬化性樹脂を用いることによって、架橋度の高い硬化膜を作製することが可能になり、上述したような膜特性を有する保護層を形成させやすくなる。
また、フェノール樹脂の中でも、ポリヒドロキシメチルビスフェノール化合物は、加熱処理を施すことにより、ヒドロキシメチル基同士の縮合反応によりエーテル結合、若しくは更に縮合反応が進みメチレン結合を形成したり、あるいはヒドロキシメチル基とフェノール性水酸基のオルト位やパラ位の水素原子との縮合反応によりメチレン結合を形成するが、これらの縮合反応が種々の分子間で起こることにより、架橋密度の高い三次元硬化膜を得ることができる。
これらの縮合反応は、本質的に空気中の水分や酸素により阻害されることもなく、また電荷輸送材料を添加した系においても十分に進行する反応である。
また、本発明のポリヒドロキシメチルビスフェノール化合物は、硬化触媒を加える必要が無いことや、ヒドロキシメチル基自体が、イソシアネートやシリコーン樹脂とは異なり水分に対する安定性も十分にあるため、塗工液の安定性においても優れており、より好ましいフェノール樹脂である。
上述のビスフェノール化合物の骨格は、下記式(1)で示される構造を有する。
Figure 2005316225
(式(1)中、X11は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、又はCRsRt基(該式中Rs及びRtは同じか又は異なっておりかつ水素原子、置換又は無置換アルキル基を表し、該アルキル基は相互に結合して環を形成しても良い)で表される2価の結合基を示す。R1〜R4はそれぞれ独立に、ヒドロキシメチル基、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R4の少なくとも2個はヒドロキシメチル基である。)
上述の化合物の例としては以下のものが挙げられる。
Figure 2005316225
上記の中でも、より好ましいのは化合物の骨格中にフッ素原子を含有することで、樹脂の滑り性が向上することから、B−14に示されるものである。
本発明の保護層は、硬化性フェノール樹脂等を溶剤などで溶解または希釈して得た塗料を感光層上に塗工して成形するが、塗工後に重合反応が起こり硬化層を形成する。重合の形態として、上述したように熱等による付加および縮合反応により進行し、保護層を塗工後、加熱などをすることで重合反応を起こし高分子保護層を生成する。
また、本発明のヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシ基または置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基を有する電荷輸送物質は、トリフェニルアミン誘導体であることが好ましい。
なお、上記ヒドロキシフェニル基が有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン原子、置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などのアルキル基、置換基を有してもよいメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびブトキシ基などのアルコキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基およびピレニル基などのアリール基、または置換基を有してもよいピリジル基、チエニル基、フリル基およびキノリル基などの複素環基が挙げられる。
まず、本発明に用いられる電荷輸送物質のうち、ヒドロキシアルキル基またはヒドロキシアルコキシ基を有する電荷輸送物質は、下記式(3)で表される特定の構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2005316225
式中、R11、R12およびR13はそれぞれ炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表し、α、βおよびγはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を表し、a1、b1およびc1は1または0であり、m1およびn1は0または1である。
例えば以下のような構造を有する化合物が例として挙げられる。
Figure 2005316225
また、電荷輸送機能を有する正孔輸送化合物として、以下に好ましい例を下記の一般式(4)で示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005316225
1及びP2は不飽和重合性官能基を示し、P1とP2は同一でも異なってもよい。Zは置換基を有してもよい有機残基を示し、Yは水素原子を示す。a、b及びdは、0または1以上の整数を示す。但し、a=0の場合はb+dは3以上の整数、bまたはdが0の場合はaは2以上の整数、その他の場合はa+b+dは3以上の整数を示す。また、aが2以上の場合P1は同一でも異なってもよく、dが2以上の場合P2は同一でも異なってもよく、またbが2以上の場合、Zは同一でも異なってもよい。
ここで、「aが2以上の場合P1は同一でも異なってもよく」とは、それぞれ異なるn種類の不飽和重合性官能基をP11、P12、P13、P14、P15…plnと示した場合、例えばa=3の時に正孔輸送性化合物Aに直接結合する不飽和重合性官能基P1は3つとも同じものでも、二つ同じで一つは違うもの(例えば、P11とP11とP12とか)でも、それぞれ3つとも異なるもの(例えば、P12とP15とP17とか)でもよいということを意味するものである(「dが2以上の場合P2は同一でも異なってもよく」というのも、「bが2以上の場合、Zは同一でも異なってもよい」というのもこれを同様なことを意味するものである)。
上記一般式(1)のAは正孔輸送性基を示し、正孔輸送性を示すものであればいずれのものでもよく、P1やZを水素原子に置き換えた水素付加化合物(正孔輸送性化合物)として示せば、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体及びN−フェニルカルバゾール誘導体等が挙げられる。
以下に正孔輸送性化合物の好ましい例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005316225
上記の正孔輸送化合物の硬化は、重合開始剤を必要としない放射線による硬化により非常に高純度な三次元感光層マトリックスの作製が可能となり、良好な電子写真特性を確保することができる。
更に、放射線は透過性に優れるので、添加剤等の遮蔽物質が層中に存在したり厚い層を形成する際の硬化阻害の影響が非常に小さい。
使用する放射線としては、電子線及びγ線が挙げられるが、効率の点では電子線が好ましい。電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びラミナー型等いずれの形式も使用することができる。また、電子線を照射する場合に、本発明においては、電気特性及び耐久性能を発現させる上で照射条件が非常に重要である。加速電圧は300KV以下が好ましく、最適には150KV以下である。また、線量は好ましくは10〜1000kGyの範囲である。線量が10kGyよりも少ない場合には架橋が不十分となり易く、1000kGyを超えると感光体の劣化が起こり易いので注意が必要である。
また、保護層の表面の表面十点平均粗さRzjisが0.1〜1.5μmであることが好ましい。
表面が粗れていることで、ブレードと感光体との接触面積が低下するので、滑り性が増し、ブレード捲れ、ブレードへのダメージが低減、さらにトナーの付着力も低減するので保護層へのトナー融着も低減できるので好ましい。
Rzjisが0.1μm未満であると、滑り性向上の効果が低く、ブレードへの負荷低減効果が現われにくく、1.5μmを超えるとトナーのすり抜けが発生しやすくなるので好ましくない。
表面を粗す方法としては、表面ブラスト処理、保護層中への粗し剤の添加などが挙げられるが、ラッピングテープの番訂を変えることで、表面粗さの制御が容易で、安定的に粗すことが可能な保護層の表面を感光体を回転駆動だせながら、500〜4000番のラッピングテープを保護層表面に接触させて、表面の祖面化を行うことが好ましい。
表面十点平均粗さRzjisの測定は、JIS B0601(2001)に基づき、サーフコーダーSE−3500(小坂研究所製)にて、カットオフを0.8mm、測定長さを8mmとして測定を行った。
本発明の接触帯電部材としてはローラ、ブラシ、プレート型など感光体に接触して帯電を行う部材であれば特に選ばれないが、この中でもローラ型の帯電部材が、帯電に使用される面積が広く確保できるので、帯電部材表面の汚染という観点からはより好ましい。
ローラ形状の接触式帯電部材としては、導電性芯金の回りに、弾性を有する中抵抗層がされた構造になっている場合が多く、中抵抗層の中に抵抗を調整する抵抗制御層や、表面層を積層した構成などがある。弾性を有する中抵抗層の材料としては、例えばウレタン、SBR、EVA、SBS、SEBS、SIS、TPO、EPDM、EPM、NBR、IR、BR、シリコンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の樹脂やゴム類などがあり、必要な抵抗値に応じて、例えばカーボンブラック、カーボン繊維、金属酸化物、金属粉、過塩素酸塩等の固体電解質や界面活性剤等の導電性付与剤を添加したものなどがある。
以下に本発明の実施例を具体的に示すが、これらに限られるものではない。まず本発明の画像形成方法に使用される感光体とトナーについての製造例を示す。なお実施例中の部は質量部を表す。
(感光体製造例1)
直径30mm×357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とし、それに、以下の材料より構成される塗料を支持体上に浸漬コーティング法で塗布し、140℃で30分熱硬化して、膜厚が18μmの導電層を形成した。
導電性顔料:SnO2コート処理硫酸バリウム 10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部
バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部
レベリング材:シリコーンオイル 0.001部
溶剤:メタノール、メトキシプロパノール0.2/0.8 15部
次に、この上に、N−メトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部をメタノール65部およびnブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬コーティング法で塗布して、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
次にCuKα特性X線回折のブラック角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン4部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学製)2部およびシクロヘキサノン80部を直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、酢酸エチル80部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬コーティング法で塗布して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次いで下記構造式のスチリル化合物7部
Figure 2005316225
およびポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)10部をモノクロロベンゼン105部よびジクロロメタン35部の混合溶媒中に溶解して調整した電荷輸送層用塗料を用いて、前記電荷発生層上に膜厚13μmの電荷輸送層を形成し、基体(導電層)、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層からなる4層の感光体(α)を得た。
次に保護層として、B−14で示されるビスフェノールのフェノール性水酸基のオルト位水素原子が全てヒドロキシメチル基で置換されたテトラヒドロキシメチル−ビスフェノール化合物を100部、電荷輸送材として前記化合物1−41を80部、フッ素樹脂粉体(商品名LS−1090、信越化学工業(株)製)を32部、エタノールを150部を混合し、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた溶液(1)と、(1)の塗工液でフッ素樹脂粉体の添加量を110部とした以外は(1)と同様の溶液(2)を用いて、感光体(α)上にまず溶液(2)を浸積塗布方法により膜厚1.5μmの膜を形成させた後に、150℃で30分加熱乾燥させ、ついでその上に、溶液(1)を同様の方法で膜厚1.5μmの膜を形成させた後に150℃で1時間加熱乾燥させてフッ素樹脂分散状態の異なる2層の保護層を形成させた感光体(a)を作製した。断面TEMでフッ素樹脂粉体の分散状態を測定したところ、上層部は20%、下層部は50%であった。
(感光体製造例2)
保護層として、溶液(1)のフッ素樹脂粉体の添加量を67部とした溶液(3)を用い、浸積塗布方法により膜厚3μmの保護層を形成させた後に150℃で1時間加熱乾燥させた感光体(b)を作製した。断面TEMでフッ素樹脂粉体の分散状態を測定したところ、上層部、下層部ともに37%であった。
(感光体製造例3)
保護層として溶液1のフッ素樹脂粉体量の添加量を150部とした以外は感光体bと同様の感光体cを作製した。フッ素樹脂粉体の分散状態は上層部、下層部ともに85%であった。
(感光体製造例4)
保護層として溶液1のフッ素樹脂粉体量の添加量を8部とした以外は感光体bと同様の感光体dを作製した。フッ素樹脂粉体の分散状態は上層部6%、下層部7%であった。
(感光体製造例5)
保護層としてフッ素樹脂粉体の添加を行わなかった以外は感光体bと同様の感光体eを作製した。フッ素樹脂粉体の分散状態は上層部、下層部ともに0%であった。
(感光体製造例6)
保護層として溶液1のフッ素樹脂粉体量の添加量を90部、前記化合物1−41を110部とした以外は感光体bと同様の感光体fを作製した。フッ素樹脂粉体の分散状態は上層部、下層部ともに36%であった
(感光体製造例7)
保護層として溶液1のフッ素樹脂粉体量の添加量を44部、前記化合物1−41を3部とした以外は感光体bと同様の感光体gを作製した。フッ素樹脂粉体の分散状態は上層部、下層部ともに41%であった
(感光体製造例8)
保護層として溶液1のフッ素樹脂粉体量の添加量を52部、前記化合物1−41を20部とした以外は感光体bと同様の感光体hを作製した。フッ素樹脂粉体の分散状態は上層部、下層部ともに39%であった。
(感光体製造例9)
保護層として溶液1を浸積塗布により3μmの膜厚に形成させた以外は感光体bと同様の感光体Iを作製した。フッ素樹脂粉体の分散状態は、上層部56%、下層部58%であった。
(感光体製造例10)
保護層として溶液3のフッ素樹脂粉体の分散をサンドミルにした以外は感光体bと同様の感光体Jを作製した。フッ素樹脂粉体の分散状態は、上層部35%、下層部48%であった。
(感光体製造例11)
保護層として、電荷輸送材、フッ素樹脂粉体を添加しない塗工溶液を用いた以外は感光体bと同様の感光体kを作製した。
(感光体製造例12)
保護層として下記構造式
Figure 2005316225
の正孔輸送性化合物45部をn−プロピルアルコール55部に溶解し、さらにフッ素樹脂粉体を5部添加して、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた表面保護層用塗料を調製した。この塗料を用いて、感光体α上に保護層を塗布したのち、加速電圧150KV、線量250kGyの条件で電子線を照射し、膜厚3μmの保護層を形成し、電子写真感光体lを得た。
(感光体製造例13)
保護層として下記構造式
Figure 2005316225
の正孔輸送性化合物45部をn−プロピルアルコール55部に溶解し、さらにフッ素樹脂粉体を5部添加して、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた表面保護層用塗料を調製した。この塗料を用いて、感光体α上に保護層を塗布したのち、酸素濃度10ppmの雰囲気下で、加速電圧150KV、線量250kGyの条件で電子線を照射し、その後、その雰囲気下で100℃、15分の加熱処理を行って、膜厚3μmの保護層を形成し、電子写真感光体Mを得た。
(感光体製造例14)
保護層として下記構造式
Figure 2005316225
の正孔輸送性化合物45部をn−プロピルアルコール55部に溶解し、さらにフッ素樹脂粉体を5部添加して、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた表面保護層用塗料を調製した。この塗料を用いて、感光体α上に保護層を塗布したのち、加速電圧150KV、線量40kGyの条件で電子線を照射し、膜厚3μmの保護層を形成し、電子写真感光体Nを得た。
下記の表1に感光体特性をまとめる。
Figure 2005316225
(ペロブスカイト型無機微粉体の製造例1)
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンを純水で濾液の電気伝導度が2200μS/cmになるまで洗浄した。該含水酸化チタンスラリーにNaOHを添加して吸着している硫酸根をSO3として0.24質量%になるまで洗浄した。次に該含水酸化チタンスラリーに塩酸を添加してスラリーのpHを1.0としてチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを6.0として上澄み液の電気伝導度が120μS/cmになるまで純水を用いてデカンテーションによって洗浄した。得られた含水酸化チタンをX線回折により調べたところアナターゼ型TiO2のピークのみを示した。
以上のようにして得られた含水率91%のメタチタン酸533g(0.6モル)をSUS製反応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応容器内を窒素ガス置換した。Sr(OH)2・8H2O(純度95.5%)183.6g(0.66モル)を加え、さらに蒸留水を加えて0.3モル/リットル(SrTiO3換算)、SrO/TiO2モル比1.10のスラリーに調製した。
窒素雰囲気中で該スラリーを90度まで18℃/1時間で昇温し、沸点で3時間反応を行った。反応後40℃まで冷却し、窒素雰囲気下において上澄み液を除去し、2.5リットルの純水を加えてデカンテーションを行うという操作を2回繰り返して洗浄を行った後、ヌッチェで濾過を行った。得られたケーキを110℃の大気中で4時間乾燥した。
得られたチタン酸ストロンチウムは、一次粒子の平均径が150nmで800nm以上の凝集体は0.2個数%であり、粒子形状が概略立方体または直方体であるものの含有率は70個数%であった。このチタン酸ストロンチウムを無機微粉体A−1とする。
(ペロブスカイト型無機微粉体の製造例2〜3、比較製造例1〜3)
製造例1でチタン酸ストロンチウムの反応温度、温度までの昇温速度、反応時間、分散液のpHを調整して、以下の特性をもつペロブスカイト型無機微粉体を作製した。以下の表2にまとめる。
Figure 2005316225
(ペロブスカイト型無機微粉体の製造例4)
脂肪酸金属塩であるステアリン酸ナトリウム水溶液(ステアリン酸ナトリウム7部と水100部)中に無機微粉体A−1を100部添加し、撹拌しながら硫酸アルミニウム水溶液を滴下し、無機微粉体A−1の表面にステアリン酸アルミニウムを析出、吸着させて表面を処理した無機微粉体A−4を作製した。A−4の平均粒径は160nm、800nm以上の個数%は0.6%、概略立方体の個数%は80%であった。
(着色粒子製造例1)
スチレンアクリル樹脂 100部
(スチレン−ブチルアクリレート共重合比=78:22)
磁性体 100部
サリチル酸金属化合物 2部
上記を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押し出し混練機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後、分級して平均粒径7μmの着色粒子Xを得た。
(着色粒子製造例2)
スチレンアクリル樹脂 100部
(スチレン−ブチルアクリレート共重合比=78:22)
カーボンブラック 10部
サリチル酸金属化合物 5部
上記を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押し出し混練機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後、分級して平均粒径6.8μmの着色粒子Yを得た。
(トナー製造例1〜4)
着色粒子X100部に対し、一次粒径約7nmのシリカ100部にジメチルシリコーンオイル20部で表面処理した疎水性シリカ(BET=130m2/g)1.2部と、無機微粉体A−1〜4を1.8部をヘンシェルミキサーFM10Bにて外添して、トナーC−1〜4を得た。
(トナー比較製造例1〜3)
着色粒子X100部に対し、一次粒径約7nmのシリカ100部にジメチルシリコーンオイル20部で表面処理した疎水性シリカ(BET=130m2/g)1.2部と、無機微粉体B−1〜3を1.8部をヘンシェルミキサーFM10Bにて外添して、トナーD−1〜3を得た。
(トナー製造例5)
着色粒子Y100部に対し、一次粒径約7nmのシリカ100部にジメチルシリコーンオイル20部で表面処理した疎水性シリカ(BET=130m2/g)1.5部と、無機微粉体A−1を1.8部をヘンシェルミキサーFM10Bにて外添して、トナーC−5を得た。
(トナー製造例6)
トナーC−1の外添時間を1/3に短くした以外はC−1と同様のC−6を作製した。
以下にトナーの特性をまとめた表3を示す。
Figure 2005316225
<実施例1〜17、比較例1〜6>
本発明の画像形成方法を実施するための画像形成装置として、レーザービームを用いた有機感光体デジタル複写機(キヤノン社製:GP405)を用意した。該装置の概略は、感光体の帯電手段として帯電ローラを備え、現像手段として現感光体上の現像剤と感光体が非接触であって一成分ジャンピング現像方法を採用した一成分現像器を備え、転写手段として帯電ローラを備え、ブレードクリーニング手段、帯電前露光手段を備える。また、感光体帯電器及び、クリーニング手段、感光体は一体型のユニットとなっている。プロセススピードは210mm/sである。該装置を以下のように改造を施した。
まず、現像部分非磁性トナーを用いる場合のみ、磁性キャリア(Cu−Znフェライトの表面をシリコーン樹脂で被覆した体積平均粒径45μmのコートキャリア)とトナーで構成され、感光体と接触し、現像工程を行う2成分現像器(現像剤に含まれるトナー量は約8%に調整)に改造し、現像スリーブを現像部で感光体の回転方向と同方向になるようにし、回転速度は250mm/sとした。この場合の現像の周波数は4kHz、1.8kVppの矩形波の一定定電圧とした。
磁性トナーの場合は、GP405の現像器を用い、トナーのみを入れ換えた。
ドラム上電位の設定は、現像コントラストで250V、バックコントラストは150Vとなるようにドラム上の暗、明電位から、帯電、現像の直流電圧を変えることにより調整した。なお一次帯電の交流電圧の制御は周波数は1.8kHzのサイン波で、初期に交流電流が2.1mAとなるようにVppを設定し、その交流電圧の一定定電圧で評価を行った。
上記の画像形成装置を用いて、以下に示す評価方法に従い評価を行った。
(評価1)
32℃/85%環境下で感光体上にトナーを30秒に1秒間、ドラム長手全域に現像させるように現像、バックコントラストの時間制御を現像バイアスで調整し、転写を解除した状態で一次帯電を印加して2時間の空回転を行い、500倍の光学顕微鏡を用いてブレード長手方向全域を観察し、以下の評価項目に従い評価を行った。以下の評価項目に従い評価を行った。
◎:ブレードが捲れず、かつ耐久後のブレードも欠け、摩耗が10μm未満
○:ブレードは捲れず、しかし耐久後のブレード欠けは、摩耗が10μm以上
△:ブレードの両端部のみ捲れ発生も全域での捲れは未発生、
×:評価途中でブレードが捲れた
(評価2)
15℃/10%環境下で感光体上にトナーを5秒に1秒間、ドラム長手全域に現像させるように現像、バックコントラストの時間制御を現像バイアスで調整し、転写を解除した状態で一次帯電を印加して1時間の空回転を行い、空回転前後の一定交流電圧印加で帯電ローラの帯電交流電流値を測定し(トナーがすり抜けて帯電ローラが汚れると抵抗が高くなり帯電電流が低下する現象が生じる)空回転後の電流の低下量を評価することで以下の評価項目に従いランクわけを行った。
◎:耐久後の帯電電流の低下電流が0.05mA未満
○:耐久後の帯電電流の低下電流が0.05以上0.10mA未満
△:耐久後の帯電電流の低下電流が0.10mA以上0.3mA未満
×:耐久後の帯電電流の低下電流が0.3mA以上
(評価3)
耐久初期のドラムと、23℃/5%環境下で画像比率2%A4横通紙5万枚耐久を行ったドラムを、32℃/85%環境下で感光体上にトナーを30秒に1秒間、ドラム長手全域に現像させるように現像、バックコントラストの時間制御を現像バイアスで調整し、転写を解除した状態で一次帯電を印加して10分間の空回転を行い、1mm2の大きさの平仮名文字画像、100μm2のドット画像の画出しを行い、その画像を50倍の光学顕微鏡を用いて観察し、以下の評価項目に従い評価を行った。
◎:文字、ドットともに再現している。
○:文字は再現しているが、ドットがややにじみ、ぼけているレベル
△:文字がややにじみ、ぼけて、ドットはほとんど再現していないレベル
×:文字、ドットともに再現せず、文字が読めないレベル。
(評価4)
23℃/5%環境下で画像比率2%A4横通紙10万枚耐久を行い、ベタ黒、ハーフトーン画像、一次帯電の印加直流電圧を現像の直流電圧とほぼ同じにして、画像露光を行わないで、ハーフトーン濃度の画像(アナログハーフトーン)の画出しを行い、ドラム傷を以下の評価項目に従い評価を行った。
◎:傷による縦スジ画像は未発生
○:傷による縦スジ画像がアナログハーフトーンのみで僅かに確認される。
△:ベタ黒に僅かに確認される。アナログハーフトーンでは多数確認される。
×:ベタ黒、ハーフトーン画像に多数確認される。
(評価5)
15℃/10%環境下でA3画像において感光体一周分(本実施例では約94mm)以内がベタ黒、その直後がベタ白、ベタ黒、ハーフトーン画像の画出しを行い、残留電位の上昇によるゴースト画像を以下の評価項目に従い評価を行った。
◎:ベタ白、ベタ黒、ハーフトーン部が均一画像でゴースト未発生
○:ハーフトーン部にのみゴーストが僅かに確認される。
△:ベタ白、ベタ黒画像部にもゴーストが確認される。
以下の表4に、実施例、比較例に用いられたトナー、ドラム、評価結果を示す。
Figure 2005316225
本発明の具体的な画像形成装置の例を示す図である。 膜特性出力チャートの一例を示す図である。 感光体保護層の膜特性測定の一例を示す図である。 保護層の上層部、下層部の説明図である。 無機微粉体の電子顕微鏡写真(5万倍)の一例に基づく図である。 無機微粉体の粒径測定における長辺と短辺の概略図である。
符号の説明
1:感光ドラム
6:一次帯電ローラー
7:現像器
8:転写帯電ローラー
L:レーザー光L
3:定着器
4:クリーニング弾性ブレード
2:枠体
5:転写材

Claims (16)

  1. 像担持体である支持体上に感光層と保護層を有する感光体に部材を接触させて帯電させる工程、帯電された感光体に、静電潜像を形成させる静電潜像形成工程と、トナー担持体上に担持させたトナーを前記静電潜像に転移させて可視化する現像工程と、像担持体上に形成されたトナー像を転写材に静電転写させる転写工程、転写工程後に感光体上に残った転写残余トナーを感光体上から除去するクリーニング工程を少なくとも有する画像形成方法において、
    該保護層のユニバーサル硬さ値HUが150以上240以下(N/mm2)であり、かつ弾性変形率が44%以上65%以下であり、
    該トナーが少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有し、さらに少なくとも粒子形状が概略立方体または直方体である一次粒子の平均粒径が80nm〜220nmであり、凝集体の粒径が800nm以上の粒子が1個数%以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を含有したことを特徴とする画像形成方法。
  2. 該無機微粉体中に粒子形状が概略立方体または直方体であるものが60個数%以上含有していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 該無機微粉体のトナー中の遊離率が40体積%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 該無機微粉体がチタン酸ストロンチウム又はチタン酸バリウムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 該無機微粉体が表面処理を施してあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 該トナーが磁性体を含有する磁性トナーであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 該感光体の保護層が電荷輸送物質を含有した硬化性樹脂により形成された保護層であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成方法。
  8. 該保護層の硬化性樹脂と電荷輸送性物質の混合割合は質量比で電荷輸送性物質/硬化性樹脂=0.5/10〜10/10であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 該保護層が硬化性フェノール樹脂と、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシ基及び置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基からなる群より選択される基の少なくとも1つを有する電荷輸送物質を含有していることを特徴とする1乃至8のいずれかに記載の画像形成方法。
  10. 該保護層の熱硬化フェノール樹脂が、ヒドロキシメチル基2個以上を有するポリヒドロキシメチル化されたビスフェノール化合物であり、該ビスフェノール化合物が下記式で示される請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成方法。
    Figure 2005316225
    (式(1)中、X11は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、又はCRsRt基(該式中Rs及びRtは同じか又は異なっておりかつ水素原子、置換又は無置換アルキル基を表し、該アルキル基は相互に結合して環を形成しても良い)で表される2価の結合基を示す。R1〜R4はそれぞれ独立に、ヒドロキシメチル基、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R4の少なくとも2個はヒドロキシメチル基である。)
  11. 前記式(1)のビスフェノール化合物において、結合基Xが下記式(2)である請求項10に記載の画像形成方法。
    Figure 2005316225
  12. 該感光体の保護層が、樹脂骨格中に電荷輸送機能を有する硬化性樹脂により形成された保護層であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成方法。
  13. 該保護層にフッ素系樹脂粉体を含有していることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の画像形成方法。
  14. 該保護層に含有されるフッ素樹脂粉体の含有量が保護層全体の質量中の5〜40質量%であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法。
  15. 該保護層に含有されるフッ素樹脂粉体の分散状態が、断面の透過型電子顕微鏡観察(TEM)による保護層中のフッ素樹脂粉体の占める面積が、保護層の上層部が10%以上40%未満であり、下層部が30%以上80%未満であることを特徴とする請求項13又は14に記載の画像形成方法。
  16. 該感光体に接触して帯電を行う接触帯電部材がローラ形状であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の画像形成方法。
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