JP2005315707A - 温度計測装置、露光装置、およびデバイス製造方法 - Google Patents
温度計測装置、露光装置、およびデバイス製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 校正データの入力作業を行うことなく高速且つ高精度な温度計測を実現する。
【解決手段】 温度センサ211、温度センサ211に電気的に接続されたコネクタ213、およびコネクタ213内に設けられた温度センサ211の固有の校正データが予め記憶された記憶部214を有する計測ユニット210と、計測開始に先立ち記憶部214から校正データを一括的に読み出し、当該校正データに基づいて温度センサ211により検出される温度情報を補正して計測結果とする演算処理部226を有する本体ユニット220とを備えて構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】 温度センサ211、温度センサ211に電気的に接続されたコネクタ213、およびコネクタ213内に設けられた温度センサ211の固有の校正データが予め記憶された記憶部214を有する計測ユニット210と、計測開始に先立ち記憶部214から校正データを一括的に読み出し、当該校正データに基づいて温度センサ211により検出される温度情報を補正して計測結果とする演算処理部226を有する本体ユニット220とを備えて構成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、マスクのパターンを介してウエハ等の基板を露光する露光装置、該露光装置等に用いて好適な温度計測装置、および該露光装置を用いて半導体素子や液晶表示素子等のデバイスを製造するデバイス製造方法に関する。
白金等を用いた測温抵抗体やサーミスタ、熱伝対等の温度センサにおいては、製造誤差等により個体間で特性が異なるため、その出力と実際の温度変化との関係を予め計測して、校正データ(特性データ、補正データ等)として保持しておき、当該センサからの出力を該校正データに基づいて補正することにより、より真値に近い計測結果を得るようにしている。このような補正は、温度センサからの出力(電圧)を計測結果としての温度に相当する信号ないし情報に変換するための変換器(温度コントローラや温度測定ユニット)により行われ、校正データの変換器への入力は人手により行われているのが実情である。しかし、温度センサは交換される場合があるため、交換の度に校正データを入力する煩雑さや誤入力を防止する観点から、特開2002−318142号公報に開示されているような技術が提案されている。
この技術では、本体ユニットに対して交換可能に構成された、温度センサを有するセンサユニットに当該温度センサについての校正データを保持した保持手段を設けておき、本体ユニットが温度センサの測定値に応じた値を用いて、当該保持手段に問い合わせを行い、当該保持手段から真値(補正後の値)を受信することにより測定結果を得るようにしたものである。
ところで、半導体装置の製造に用いられる露光装置においては、0.01℃程度あるいはそれ以下の精密温調が必要とされ、これまで、装置立上げ時に温度センサの校正データを作業者がキーボードから手入力し、ホストコンピュータや温度制御ユニット/温度モニタユニットの記憶用ディスクやメモリに記憶させるようにしていた。
特開2002−318142号公報
しかしながら、特開2002−318142号公報で示される技術では、センサユニットから温度センサの出力を受け取った本体ユニットが、センサユニットの保持手段に逐次問い合わせを行い、センサユニットの保持手段から真値(補正後の値)を受信する構成であり、本体ユニットとセンサユニットとは互いに独立した別ユニットとして例えばケーブルで接続されるため、本体ユニットとセンサユニット間の通信にある程度の時間を要し、高速処理の妨げとなる場合があり、例えばバス接続におけるCPUとメインメモリ間の通信のような高速のアクセス(例えば数十nsec)は困難であった。また、本体ユニットとセンサユニット間をシリアルインターフェースではなく、パラレルインタフェースで接続することにより、ある程度の高速化は見込めるが、ケーブルの本数が増大する等の問題を生じる。
また、最近の露光装置においては、照明光の短波長化、高精度化、高スループット化に伴い、温度制御ないし温度モニタする箇所の数が非常に増えてきた。したがって、従来のように、校正データを作業者が手動で入力していたのでは、工数が増加する上、データ入力を間違えたり、複数のセンサがある場合に校正データのチャンネルを間違えたりするヒューマンエラーによる入力ミスの可能性が増大し、信頼性の維持は難しくなってきた。さらに、リペアパーツ(交換部品)としての温度センサについて、校正データをこれに関係づけて管理する必要もあり、部品管理が煩雑であった。なお、温度検出を高精度且つ高速に実施する必要があるため、特開2002−318142号公報で示される技術では速度的に問題があり、対応することはできない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、校正データの入力作業を行うことなく高速且つ高精度な温度計測を実現することを目的とする。また、高精度、高品質なデバイス等を製造できるようにすることを目的とする。
以下、この項に示す説明では、本発明を、実施形態を表す図面に示す部材符号に対応付けて説明するが、本発明の各構成要件は、これら部材符号を付した図面に示す部材に限定されるものではない。
本発明の第1の観点によると、温度検出手段(211)、前記温度検出手段に電気的に接続された電気回路手段(213)、および前記電気回路手段内に設けられた前記温度検出手段の固有の校正データが予め記憶された第1記憶手段(214)を有する計測ユニット(210)と、計測開始に先立ち前記第1記憶手段から前記校正データを一括的に読み出し、当該校正データに基づいて前記温度検出手段により検出される温度情報を補正して計測結果とする計測制御手段(226)を有する本体ユニット(220)とを備える温度計測装置が提供される。
この場合において、前記本体ユニット(220)は、前記第1記憶手段(214)から読み出した前記校正データを記憶可能な第2記憶手段(225)をさらに有することができる。また、前記計測ユニット(210)は、前記第1記憶手段(214)を含む前記電気回路手段が収納された第1コネクタ手段(213)、および前記電気回路手段と前記温度検出手段(211)とを電気的に接続するケーブル手段(212)を有し、前記本体ユニット(220)は、前記第1コネクタ手段(213)が着脱自在に電気的に接続可能な第2コネクタ手段(221)を有することができる。
本発明では、計測開始に先立ち計測ユニットの第1記憶手段から校正データを一括的に読み出して、読み出した校正データに基づいて温度情報を補正して計測結果としている。従って、計測ユニットの装着ないし交換時に、校正データを手入力する必要が無く、作業工数を大幅に削減でき、入力ミスもないので信頼性を向上することができるとともに、校正データの管理も不要となる。また、計測に先立ち、校正データを一括的に読み出すようにしたので、従来技術のように、計測ユニットと本体ユニットとの間で校正データを逐次転送する必要がなく、校正データに基づく補正処理を高速に行うことができる。また、計測中(計測データの転送中)に校正データを転送するものではないため、校正データをそれほど高速転送する必要がないので、校正データ転送用の配線として、パラレルインターフェースではなく、シリアルインターフェースを用いることができ、配線の本数も節約することができる。
本発明の第2の観点によると、マスク(R)のパターンを介して基板(W)を露光する露光装置(10)において、本発明の第1の観点に係る温度計測装置(210,220)と、前記温度計測装置により計測された当該露光装置内の温度制御対象の温度に基づいて、該温度制御対象の温度を制御する温度制御装置(70)とを備える露光装置が提供される。この発明では、本発明の第1の観点に係る温度計測装置を備えているので、計測ユニットの装着ないし交換に伴う作業工数を大幅に低減することができるとともに、温度計測の処理速度及び信頼性が向上するため、露光処理の生産性や露光精度を向上することができる。
本発明の第3の観点によると、本発明の第2の観点に係る露光装置(10)を用いて、前記マスク(R)のパターンを前記基板(W)上に露光転写する工程を含むデバイス製造方法が提供される。この発明では、本発明の第2の観点に係る露光装置を用いて露光処理がなされるので、高性能、高品質なデバイスを安定的に製造することができるようになる。
本発明によると、温度計測を高い信頼性をもって高速に行うことができるとともに、計測ユニットの装着ないし交換も容易且つ高効率的に行うことができるようになるとう効果がある。また、高精度、高品質なデバイス等を製造できるという効果もある。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
[温度計測装置]
図1は本発明の実施形態に係る温度計測装置の構成を示すブロック図である。この温度計測装置は、計測ユニット(センサユニット)210、及び本体ユニット220を備えて構成されている。本体ユニット220は、例えば、温度コントローラに組み込まれる。後述するように、計測ユニット210は本体ユニット220に対して交換可能な構成となっている。
図1は本発明の実施形態に係る温度計測装置の構成を示すブロック図である。この温度計測装置は、計測ユニット(センサユニット)210、及び本体ユニット220を備えて構成されている。本体ユニット220は、例えば、温度コントローラに組み込まれる。後述するように、計測ユニット210は本体ユニット220に対して交換可能な構成となっている。
計測ユニット210は、温度センサ211、ケーブル212及びコネクタ213を備えて構成されている。温度センサ211は、例えば測温抵抗体、熱伝対、水晶素子等を検出素子としたセンサである。温度センサ211とケーブル212、ケーブル212とコネクタ213とは、それぞれ半田付けなどにより互いに切れ離せない構造をもって接続されている。コネクタ213の内部には、記憶部214が収容されている。コネクタ213は、これと嵌合接続可能なコネクタ221を介して本体ユニット220に着脱自在に接続される。ケーブル212は温度センサ211からの検出信号(アナログ信号)を電送する2〜4本からなるシールド線である。
記憶部214は温度センサ211の固有の特性に基づく校正データ(特性データ、補正データ)が予め記憶されたメモリを備え、このメモリは、特に限定されないが、電源バックアップが不要である不揮発性メモリ、例えばEPROM(Erasable Programmable Read−Only Memory)やフラッシュメモリ等を採用することができる。記憶部214には、計測ユニット210の出荷時あるいは必要に応じて、温度センサ211の校正データの計測作業が実施され、その計測結果に基づく校正データが記憶されている。なお、校正データは、データ形式は特に限定されないが、温度センサ211が温度による抵抗値変化を利用して検出するセンサである場合であって、1点校正の場合には温度のオフセット値、2点校正の場合には温度の感度誤差と温度のオフセット(1次補正式)とすることができる。また、サーミスタのように非線形性が強いセンサを用いる場合にはマップデータとすることができる。
本体ユニット220は、計測ユニット210のコネクタ213が着脱自在に嵌合接続されるコネクタ221、アナログ信号を処理する信号処理部224、デジタル伝送のインタフェイス部を含む記憶部225、及び演算処理部(CPU)226を備えて構成されている。信号処理部224、記憶部225及び演算処理部226は、筐体227内に収容されており、コネクタ221は、その一部(接続部)が外部に露出するように筐体227に取り付けられている。信号処理部224は、温度センサ211からのアナログ信号を増幅する回路、フィルタリング処理する回路、デジタル信号に変換するA/D変換回路等を含んで構成される。記憶部225が備えるメモリとしては、ここでは演算処理部226との通信速度が高速であるという観点から揮発性メモリとしてのDRAMを用いるものとするが、不揮発性メモリであってもよい。
温度センサ211からケーブル212及びコネクタ213を介して送られるアナログ信号を信号処理部224に伝送するため、コネクタ221と信号処理部224はアナログ信号線(2〜4本)で接続されている。また、コネクタ213内の記憶部214に記憶された校正データを記憶部225に転送するため、コネクタ221と記憶部225はデジタル信号線で接続されている。このデジタル信号線は、伝送速度をそれ程考慮する必要がないので、その本数が少ないシリアルインターフェースを採用すれば十分である。
信号処理部224及び記憶部225は、それぞれ演算処理部226にデジタル信号線により接続されており、記憶部225と演算処理部226との接続は、データ転送の高速化を図るためバス接続(外部バス)とすることが望ましい。
本体ユニット220は、電源投入時やリセット時のイニシャルシーケンスにおいて、計測ユニット210の記憶部214から、温度センサ211の校正データを読み出し、本体ユニット220内の記憶部225に当該校正データを展開(所謂メモリダンプ)する。イニシャルシーケンスの終了後の温度計測シーケンスにおいては、演算処理部226は記憶部225に記憶された校正データ(オフセット、1次補正式、マップデータ等)に基づいて、温度センサ211からの検出結果(信号処理部224から出力されるデジタル信号)を補正し、高精度な温度計測結果として記憶保持し、又は他の処理装置(温度コントローラ等)に通知する。
計測ユニット210の記憶部214から本体ユニット220の記憶部225への校正データの転送を、イニシャルシーケンスで(即ち計測に先立って)行い、実際の温度計測シーケンスにおいては、演算処理部226が記憶部225から校正データを読み出して温度センサ210からの検出結果を補正演算するようにしており、演算処理部226と記憶部225との間の通信速度は極めて高速であるため、補正演算を高速処理することが可能である。
図2は本発明の実施形態に係る温度計測装置の他の構成を示すブロック図である。図1と実質的に同一の構成部分については同一の番号を付し、その説明は省略する。この温度計測装置では、計測ユニット210を2つ接続できるように、本体ユニット220は、2つのコネクタ221を備えているとともに、本体ユニット220の筐体227には、2つの端子台223が設けられている。なお、2つの計測ユニット210は同一の構成であるので、ここでは一方のみについて説明する。コネクタ221と端子台223とは、それぞれケーブル222を介して接続されている。ケーブル222は、各計測ユニット210の温度センサ211からコネクタ213及びコネクタ221を介して送られるアナログ信号を伝送するアナログ信号線、及びコネクタ213内の記憶部214内の校正データを読み出すためのデジタル信号線で構成されている。アナログ信号線は、2〜4本の信号線で構成され、ノイズによる影響を避けるため、シールドすることが望ましい。デジタル信号線は、その本数を少なくするためにシリアルインターフェースを採用することが望ましく、アナログ信号線にノイズを載せないためにも一括シールド線を使用することが望ましい。記憶部225内には、一方の計測ユニット210の校正データが格納される領域と、他方の計測ユニット210の校正データが格納される領域が確保されている。本体ユニット220内において、2つの端子台223と信号処理部224とは、それぞれアナログ信号線を介して接続されており、端子台223,223と記憶部225はそれぞれデジタル信号線を介して接続されている。
なお、本体ユニット220には、ここでは2個の計測ユニット210を接続できるようにしたものを例示したが、演算処理部226の速度や本体ユニット220の筐体227の寸法が許す範囲で、さらに多数の計測ユニットを接続できるように、コネクタ221、ケーブル222及び端子台223を多数設けてもよい。また、端子台223のデジタル部分は通信用コネクタでもよい。さらに、端子台223のアナログ部分も十分に接触抵抗の低いコネクタを使用してもよい。また、図2ではケーブル222と端子台223とを設けることで、温度センサ211(即ち、温度測定対象)と本体ユニット220との距離調整を行う構成となっているが、端子台223の代わりにコネクタ221を本体ユニット220に設け、そのコネクタ221に直接、コネクタ213を接続するようにしてもよい。
本体ユニット220は、電源投入時やリセット時のイニシャルシーケンスにおいて、各計測ユニット210のそれぞれの記憶部214から、それぞれ対応する温度センサ211についての校正データを読み出し、本体ユニット220内の記憶部225の対応する領域に当該校正データを展開(所謂メモリダンプ)する。イニシャルシーケンスの終了後の温度計測シーケンスにおいては、演算処理部226は記憶部225に記憶された校正データ(オフセット、1次補正式、マップデータ等)に基づいて、各温度センサ211からの検出結果(信号処理部224から出力されるデジタル信号)を補正し、高精度な温度計測結果として記憶保持し、または他の処理装置(温度コントローラ等)に通知する。
計測ユニット210の記憶部214から本体ユニット220の記憶部225への校正データの転送は、イニシャルシーケンスで行うようにしたので、多少時間を要したとしても、温度計測の際のサンプリング速度を落とすことなく、校正データによる検出結果の補正が可能である。また、校正データの転送をイニシャルシーケンスで行うようにしたので、ケーブル222の本数を減らすために、計測ユニット210の記憶部214と本体ユニット220の記憶部225との間の通信に、通信速度が比較的に遅いシリアルインタフェースを採用しても何ら問題がない。さらに、校正データの転送をイニシャルシーケンスで行い、実際の温度計測シーケンスにおいては、演算処理部226が記憶部225から校正データを読み出して温度センサ210からの検出結果を補正演算するようにしており、演算処理部226と記憶部225との間の通信速度は極めて高速であるため、補正演算を高速処理することが可能である。
[露光装置]
次に、上述した温度計測装置を採用した露光装置について説明する。まず、露光装置の全体構成及び主として空調系について図3を参照して説明し、その後に露光装置の液体温調系について図4を参照して説明する。
次に、上述した温度計測装置を採用した露光装置について説明する。まず、露光装置の全体構成及び主として空調系について図3を参照して説明し、その後に露光装置の液体温調系について図4を参照して説明する。
まず、図3を参照する。この露光装置10は、クリーンルーム内の床面F上に設置された本体チャンバ12と、この本体チャンバ12に隣接して配置された機械室14とを備えている。
本体チャンバ12の内部は、環境条件(清浄度、温度、圧力、湿度等)がほぼ一定に維持され、その内部空間内には、機械室14側の1つの大部屋16と、この大部屋16の機械室14とは反対側に上下2段に配置された2つの小部屋18,20とが設けられている。この内、大部屋16は、その内部に露光装置本体22が収納された露光室となっている。以下においては、この大部屋16を、露光室16と呼ぶ。
上記一方の小部屋18は、その内部に、複数枚のマスクとしてのレチクルを保管するレチクルライブラリ80及び水平多関節型ロボットから成るレチクルローダ82によって、レチクルRが露光装置本体22を構成する後述するレチクルステージRST上に搬入され、かつレチクルステージRST上から搬出される。本実施形態では、これらレチクルライブラリ80とレチクルローダ82とによってマスク搬送系としてのレチクルローダ系が構成され、このレチクルローダ系が小部屋18に収納されている。すなわち、小部屋18によってマスク搬送系としてのレチクルローダ系を収納するマスク搬送系収納室が構成されている。以下においては、小部屋18を、便宜上、レチクルローダ室18と呼ぶものとする。
なお、マスク搬送系としてのレチクルローダ系は、上記構成に限られるものではなく、例えば複数枚のレチクルを収納可能なボトムオープンタイプの密閉式カセット(コンテナ)をレチクルライブラリ80の代わりに用いても良いし、あるいはレチクルローダとして搬送アームをスライドさせる機構を用いても良い。また、レチクル保管部(レチクルライブラリ80)とレチクルローダ82とを異なる部屋に配置しても良いし、あるいは前述の密閉式カセットをレチクルローダ室18の上部に載置し、その気密性を維持した状態でボトムオープンにてレチクルをレチクルローダ室18内に搬入するようにしても良い。要は、小部屋18にはレチクルローダのみが配置されていても良い。
また、他方の小部屋20は、その内部に、複数枚の基板としてのウエハを保管するウエハキャリア84、ウエハキャリア84に対してウエハを出し入れする水平多関節型ロボット86及び該ロボット86と露光装置本体22を構成するウエハステージWSTとの間でウエハを搬送するウエハ搬送装置88とが収納されている。本実施形態では、これらウエハキャリア84、ロボット86及びウエハ搬送装置88によって基板搬送系としてのウエハローダ系が構成され、このウエハローダ系が小部屋20に収納されている。すなわち、小部屋20によって基板搬送系としてのウエハローダ系を収納する基板搬送系収納室が構成されている。以下においては、小部屋20を、便宜上、ウエハローダ室20と呼ぶものとする。
なお、基板搬送系としてのウエハローダ系は、上記構成に限られるものではなく、例えば多関節型のロボットのみでウエハローダ系を構成しても良いし、ウエハローダ室20内にウエハローダのみを配置しても良い。
前記露光室16、レチクルローダ室18及びウエハローダ室20のそれぞれは、ステンレス(SUS)あるいはポリテトラフルオロエチレン等の脱ガスの少ない素材から成る給気管路24及び該給気管路24の前記露光室16、レチクルローダ室18及びウエハローダ室20との反対側の端部に接続された接続部26を介して機械室14に接続されている。接続部26は、少なくとも給気管路24(本体チャンバ12)に対して着脱自在となっており、ここでは、伸縮可能な蛇腹状部材によって形成されている。このため、本実施形態では、機械室14内部に収納された後述する空調装置を構成する送風機で発生した振動が、接続部26の伸縮によって吸収され、その振動が本体チャンバ12側に与える影響が効果的に軽減されるようになっている。なお、本実施形態では、給気管路24及び接続部26によって、給気経路が構成されている。また、機械室14を露光室16に隣接して設置しなくてもよく、例えば本体チャンバ12が設置されるクリーンルームとは別のスペース(床下など)に機械室14を設けても良い。
なお、ケミカルフィルタCF3の上流側の流路(接続部26を含む)も脱ガスの少ない材料で構成し、ケミカルフィルタCF3等の寿命を延ばすようにしても良い。
前記露光室16に収納された露光装置本体22は、ミラーM1,M2を含む照明光学系28、この照明光学系28の下方に配置された投影光学系PL、この投影光学系PLと照明光学系28とに間に配置され、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学系PLの下方に配置され、基板としてのウエハWを保持するウエハステージWST、及び投影光学系PLを保持するとともにウエハステージWSTが搭載された本体コラム30等を備えている。
照明光学系28は、ミラーM1,M2の他、オプチカルインテグレータ、視野絞り(いずれも図示省略)等を含み、これらの光学部材が不図示の照明系ハウジング内に所定の位置関係で収納されて成る。この照明光学系28と同様の構成の照明光学系は、例えば特開平1−259533号公報及びこれに対応する米国特許第5,307,207号などに開示されている。
照明光学系28は、不図示の引き回し光学系(リレー光学系)を介して不図示の光源としてのKrFエキシマレーザ(出力波長248nm)あるいはArFエキシマレーザ(出力波長193nm)等のエキシマレーザに接続されている。上記の引き回し光学系は、その少なくとも一部にビーム・マッチング・ユニットと呼ばれる、光源と照明光学系28との間の光軸調整用の光学系を含む。また、図示は省略されているが、照明光学系28が収納される照明系ハウジング、及び光源(本実施形態では上記エキシマレーザ)と照明光学系28との間に配置され、少なくとも一部にビーム・マッチング・ユニットを含む上記引き回し光学系が収納される筐体(鏡筒)は、それぞれ内部が不活性ガス(例えば窒素、ヘリウムなど)でパージされ、清浄度が極めて良好に維持されるようになっている。
なお、照明光学系28の少なくとも一部を露光室16の外部に配置しても良いし、これに加えて、あるいは単独で、光源、引き回し光学系、及び照明光学系28を除く残りの一部(例えばウエハステージWSTなど)を露光室16とは別の筐体内に配置しても良い。この場合、上記別の筐体は、露光室16の内部に配置しても良いし、露光室16外に配置しても良い。要は、露光室16内には露光装置本体22の少なくとも一部が配置されていれば良く、露光室16内に配置する部材やその構成は任意で構わない。また、上記光源は本体チャンバ12が設置されるクリーンルームに配置してもよいし、あるいはそのクリーンルームとは別のスペース(床下など)に配置しても良い。
前記本体コラム30は、本体チャンバ12の底面上に設置されたベースプレートBPの上方に複数の防振台32を介して支持されている。本体コラム30は、防振台32によって支持されたメインコラム34と、このメインコラム34上部に立設されたサポートコラム36とを有している。メインコラム34の天井面を成すメインフレームに、ファーストインバと呼ばれる不図示の保持部材を介して投影光学系PLが保持されている。この場合、投影光学系PLは、その光軸方向が上下方向(Z軸方向)とされている。投影光学系PLとしては、ここでは、投影倍率が1/4あるいは1/5の縮小光学系が用いられている。サポートコラム36は、不図示の照明系ハウジングの少なくとも一部を下方から支持している。
投影光学系PLには、温度モニタ用の温度センサ94,95,96が配置されている。これらの温度センサ94,95,96は、図2に示した温度計測装置の計測ユニット210の温度センサ211に相当するセンサであり、当該温度センサ94,95,96をそれぞれ含む計測ユニット210の一部である。温度センサ94,95,96についての校正データは、それぞれ対応する計測ユニット210の記憶部214に予め記憶されている。温度センサ94,95,96の検出値は、図2に示す本体ユニット220に相当する機能を備える温度モニタ用のESユニット71(図3では図示せず、図6参照)に供給される。
ウエハステージWSTは、メインコラム34の底板を構成するステージベース上で不図示の平面モータやリニアモータ等の駆動装置によって2次元方向に駆動される。このウエハステージWSTの上面には、ウエハホルダ38を介してウエハWが真空吸着等によって固定される。ウエハステージWSTのXY面内の位置、及び回転量は、ウエハステージWSTに設けられた不図示の移動鏡及びレーザ干渉計IF1を有する干渉計システムによって例えば0.5〜1nm程度の分解能で計測されている。
図3では図示を簡略化しているが、より具体的には、ウエハステージWSTに設けられる移動鏡はX軸に垂直な反射面を有する平面鏡及びY軸に垂直な反射面を有する平面鏡より構成されている。また、レーザ干渉計IF1は、X軸に沿って移動鏡にレーザビームを照射する2個のX軸用のレーザ干渉計及びY軸に沿って移動鏡にレーザビームを照射するY軸用のレーザ干渉計より構成されており、X軸用の1個のレーザ干渉計及びY軸用の1個のレーザ干渉計により、ウエハステージWSTのX座標及びY座標が計測される。さらに、X軸用の2個のレーザ干渉計の計測値の差により、投影光学系PLの光軸(Z軸)周りのウエハステージWSTの回転角が計測される。レーザ干渉計IF1により計測されたX座標、Y座標、及び回転角の情報が不図示のステージ制御系に供給され、該ステージ制御系は、供給された座標をモニターしつつ、ウエハステージWSTの移動を制御する。
ここで、レーザ干渉計IF1から射出されるレーザビームは、その光路の温度や大気圧の変化により波長が変化し、位置計測の誤差要因となるため、各X軸用及びY軸用のレーザ干渉計IF1の光路近傍には、波長補正用の温度センサとしてX軸用の温度センサ97及びY軸用の温度センサ98(図3では温度センサ97のみを表示)が配置されており、これらの温度センサ97,98の計測結果に基づいて補正することにより、正確な位置計測を行えるようにしている。なお、ここでは、X軸用の温度センサ97はX軸用の2個のレーザ干渉計IF1について1個だけ設けるものとしているが、それぞれについて温度センサ97を設けても良い。また、ウエハステージWSTのX軸又はY軸周りの回転量を計測するピッチング干渉計やその他のレーザ干渉計を設ける場合には、これらについても同様に温度センサを設けることができる。
前記レチクルステージRSTは、メインコラム34の上面に設けられた不図示のセカンドインバと呼ばれる支持部材の天井部を構成するレチクルステージベース上に載置されている。レチクルステージRSTは、露光装置本体22が、例えば特開平5−21314号公報及びこれに対応する米国特許第5,243,195号などに開示される静止露光を行うタイプの場合には、水平面内で微小駆動可能に構成される。また、露光装置本体22が、例えば特開平4−196513号公報及びこれに対応する米国特許第5,473,410号などに開示される走査露光を行うタイプの場合には、レチクルステージRSTは、上記に加え、所定の走査方向に所定ストローク範囲で駆動可能に構成される。
レチクルステージRSTの位置は、ウエハステージWSTの場合と同様に、レーザ干渉計IF2を有する干渉計システムにより計測され、計測結果に基づいてレチクルステージRSTの移動が制御されるようになっている。また、ウエハステージWSTの干渉計システムと同様に、レーザ干渉計IF2から射出されるレーザビームの光路近傍には、波長補正用の温度センサ99が配置されており、該温度センサ99の計測結果に基づいて補正することにより、正確な位置計測を実現できるようにしている。なお、図3では、温度センサ99は1個だけ表示しているが、レーザ干渉計IF2が複数設けられている場合には、これらにそれぞれ対応して設けることができる。
ここで、温度センサ97,98,99は、図2に示した温度計測装置の計測ユニット210の温度センサ211に相当するセンサであり、当該温度センサ97,98,99をそれぞれ含む計測ユニット210の一部である。温度センサ97,98,99についての校正データは、それぞれ対応する計測ユニット210の記憶部214に予め記憶されている。温度センサ97,98,99の検出値は、図2に示す本体ユニット220に相当する機能を備えるESユニット71(図1では図示せず、図6参照)に供給され、干渉計システムによる検出値の補正に用いられる。
このようにして構成された露光装置本体22によると、不図示のエキシマレーザから出射されたパルス紫外光が、各種レンズやミラー等からなる照明光学系28により、必要な形状(大きさを含む)に整形されるとともにその照度が均一化されて、所定のパターンが形成されたレチクルRを照明する。これにより、レチクルRに形成されたパターンが投影光学系PLを介してウエハステージWST上に保持されたウエハW上の各ショット領域に縮小転写されるようになっている。
本実施形態では、ウエハWとして、その表面に感光剤としてポジ型の化学増幅型のレジストが塗布されたものが使用される。
本体チャンバ12内の前記給気管路24の一端(機械室14側の端部)には、化学物質除去フィルタとしてのケミカルフィルタCF3が配置されている。給気管路24の他端側は、2つに分岐され、その一方の分岐路24aはレチクルローダ室18に接続されている。そのレチクルローダ室18側の空調用気体としての空気の噴き出し口の部分には、レチクルローダ室18内に流入する空気中のパーティクルを除去するエアフィルタとしてのULPAフィルタ(ultra low penetration air−filter)及びフィルタプレナムから成るフィルタボックスAF1が設けられている。また、レチクルローダ室18のフィルタボックスAF1と反対側には、リターン部40が設けられている。このリターン部40の外側の部分に排気経路としてのリターンダクト42の一端が接続され、このリターンダクト42の他端側は機械室14の底面の一部に接続されている。
前記分岐路24aには、その末端部に別の分岐路24cが設けられ、この分岐路24cは、ウエハローダ室20に接続されている。そのウエハローダ室20側の空気の噴き出し口の部分には、ウエハローダ室20内に流入する空気中のパーティクルを除去するエアフィルタとしてのULPAフィルタ及びフィルタプレナムから成るフィルタボックスAF2が設けられている。また、ウエハローダ室20のフィルタボックスAF2と反対側には、リターン部44が設けられている。このリターン部44のウエハローダ室20と反対側には、リターンダクト42に連通する排気口が設けられている。
また、前記他方の分岐路24bは、レチクルローダ室18の露光室16との境界部に形成された噴き出し口90のレチクルローダ室18側に配置されたフィルタボックスAF3に接続されている。このフィルタボックスAF3は、露光室16内に流入する空気中のパーティクルを除去するエアフィルタとしてのULPAフィルタ及びフィルタプレナムから成る。そして、この場合、噴き出し口90から均一な気流がサイドフローにて露光室16の上部空間に送り込まれるようになっている。
また、露光室16の底部の機械室14側には、図3に示されるように、リターン部46が設けられている。このリターン部46下方のチャンバ12底壁には、排気経路としてのリターンダクト48の一端側に連通する排気口が形成され、リターンダクト48の他端側は機械室14の底面の一部に接続されている。
前記機械室14底部の本体チャンバ12とは反対側には、外気取り入れ口としてのOA口50が形成され、このOA口50部分に対向して化学物質除去フィルタとしてのケミカルフィルタCF2が配置されている。
前記本体チャンバ12内、特に露光室16内は、清浄度を保つために、外部に対して常に陽圧に保たれている。そのため、本体チャンバ12の前面等や不図示のインラインインターフェイス部等から空気が外部に漏れている。この漏れ分の外気を取り入れるため、OA口50が設けられている。また、本実施形態では、化学増幅型レジストのいわゆるTシェイプ対策のため等の目的で、OA口50を介して装置内部に取り込まれる空気中の化学物質(不純物)を除去して清浄な空気のみを装置内に取り入れるため、ケミカルフィルタCF2がOA口50部分に設けられている。
機械室14内部の該機械室14の高さ方向中央やや下側の位置には、冷却装置としてのクーラー(ドライコイル)52が設けられらている。このクーラー52の出口部分には、クーラー表面の温度を検出する温度センサ54が配置されている。
機械室14内の空気通路のクーラー52上方には、該クーラー52に対して所定間隔を隔てて加熱装置としての第1ヒータ56が配置されている。この第1ヒータ56上方の機械室14の出口部分には、第1送風機58が配置されている。この場合、クーラー52、第1ヒータ56及び第1送風機58によって、第1空調装置が構成されている。
また、機械室14内の空気通路の第1ヒータ56の下方には、クーラー52を下方から上方に通過した空気の約1/5が流れ込む分岐路60が設けられている。この分岐路60の機械室14側の端部は、伸縮可能な蛇腹状部材60aにより構成されている。この場合も、前述と同様に、この蛇腹状部材60aによって機械室14側の振動が本体チャンバ12側に与える影響が効果的に軽減されるようになっている。
前記分岐路60の蛇腹状部材60aより機械室14とは反対側の部分は、露光室16内に配置されている。分岐路60内には、加熱装置としての第2ヒータ62、第2送風機64が順次配置されている。この場合、クーラー52、第2ヒータ62及び第2送風機64によって第2空調装置が構成されている。ここで、第2送風機64は、露光室16内に配置されているが、第2送風機64は第1送風機58の1/4程度の噴き出し流量の小型の送風機であるから、その振動は殆ど問題にならない。
第2送風機64の機械室14とは反対側に、ウエハステージWST近傍に対する空気の噴き出し口が形成され、この噴き出し口部分にケミカルフィルタCF4,ULPAフィルタ及びフィルタプレナムから成るフィルタボックスAF4が配置されている。これらケミカルフィルタCF4、フィルタボックスAF4が設けられた噴き出し口に対向して、露光室16のウエハローダ室20寄りの部分には、排気経路としてのリターンダクト66の一端側の開口端が配置され、このリターンダクト66の他端側は機械室14の底面の一部に接続されている。
前記3つのリターンダクト42,48,66が接続された機械室14の底面の一部には、開口が形成され、この開口部に対向して化学物質除去フィルタとしてのケミカルフィルタCF1が設けられている。このケミカルフィルタCF1は、機械室14に設けられた不図示の開閉扉を介して容易に出し入れできるようになっている。
本実施形態で用いられるケミカルフィルタCF1,CF2,CF3,CF4としては、クリーンルーム内に存在するアンモニアガス等の塩基性ガスの他、シロキサン、シラザン等のシリコン系の有機物、ハイドロカーボンは勿論、可塑剤や難燃剤その他の化学的不純物をも除去するものが用いられている。具体的には、ケミカルフィルタCF1,CF2,CF3,CF4として活性炭フィルタ(例えば、ニッタ(株)製のギガソープ)やゼオライトフィルタが用いられる。
更に、機械室14内のクーラー52の下方には、ドレインパン68が配置されている。このドレインパン68には、配管系は接続されていない。
前記本体チャンバ12内の前記給気管路24の分岐部の機械室14寄りの部分には、給気管路24内部の空気の温度を検出する温度センサ72が配置されている。また、ケミカルフィルタCF4の上流側には、第2送風機64から送り出される空気の温度を検出する温度センサ74が配置されている。
ここで、温度センサ54,72,74は、図2に示した温度計測装置の計測ユニット210の温度センサ211に相当するセンサであり、当該温度センサ54,72,74をそれぞれ含む計測ユニット210の一部である。温度センサ54,72,74についての校正データは、それぞれ対応する計測ユニット210の記憶部214に予め記憶されている。温度センサ54,72,74の検出値は、図2に示す本体ユニット220に相当する機能を備える温度コントローラ70(図3では不図示、図6参照)に供給され、温度コントローラ70がクーラー52、第1ヒータ56、第2ヒータ62、第1送風機58及び第2送風機64を適宜に制御する。
次に、露光装置10に設けられる液体温調系について図4を参照して説明する。液体温調系は、冷媒を用いて投影光学系PL及びアライメント系ALを制御対象として温度制御・管理する第1制御系161と、冷媒を用いてレチクルステージRST及びウエハステージWSTを制御対象として温度制御・管理する第2制御系162を備えている。各制御系161,162により、レチクルステージRSTとウエハステージWSTの駆動用のリニアモータを液体冷却している。尚、温度調節用の冷媒としては、HFE(ハイドロ・フルオロ・エーテル)やフロリナートを用いることができるが、本実施形態では地球環境保護の観点から、地球温暖化係数が低く、オゾン破壊係数がゼロであるHFEを用いている。
第1制御系161において温度調節が施されたタンク163内の冷媒は、ポンプ164を経た後にアライメント系AL及び投影光学系PLを順次循環する循環系C1と、蒸発器165で冷却される冷却系C2とに分岐される。ポンプ164から吐出された直後の冷媒温度は温度センサ166で検出されて温度コントローラ70に出力される。循環系C1に関して、投影光学系PLは、鏡筒168の周りを螺旋状に配管されることで冷媒による温度調節範囲が広く設定されている。本実施形態では、図4において、冷媒が鏡筒168の周りを螺旋状に上から下へ循環されるように構成したが、これに限らず下から上へ螺旋状に循環するように構成しても良い。また、この循環系C1では、投影光学系PLを循環する前の冷媒温度を検出する温度センサ169が設けられており、その検出結果はコントローラ70に出力される。ここで、温度センサ166及び温度センサ169は、図2に示した温度計測装置の計測ユニット210の温度センサ211に相当するセンサであり、当該温度センサ166,169をそれぞれ含む計測ユニット210の一部である。温度センサ166,169についての校正データは、それぞれ対応する計測ユニット210の記憶部214に予め記憶されている。尚、本実施形態では上述の如く、鏡筒168の周りをほぼ全面に渡って螺旋状に配管することで投影光学系PLの温調を行うが、投影光学系PLを保持する部材(前述のメインコラム34)あるいは鏡筒168のフランジに配管して温調を行う(フランジ温調方式)ようにしても良い。
オフアクシス系のアライメント系ALとしては、LSA(Laser Step Alignment)方式、FIA(Field Image Alignment)方式、又はLIA(Laser Interferometric Alignment)方式のアライメントセンサを用いることができる。LSA方式は、He−Ne等のレーザ光をウエハW上のドット列状のアライメントマークに照射し、そのマークにより回折又は散乱された光を用いてマーク位置を検出する方式である。また、FIA方式は、ハロゲンランプ等を光源とする波長帯域幅の広い光で照明し、CCDカメラなどで撮像したアライメントマークの画像データを画像処理してマーク位置を計測する方式である。更に、LIA方式は、ウエハW上の回折格子状のアライメントマークにピッチ方向に対照的に傾斜した2つのコヒーレントビーム(半導体レーザ等)を照射し、発生した2つの回折光を干渉させ、その位相からアライメントマークの位置を計測する方式である。尚、アライメントセンサとしては、例えばWO98/39689に開示されているような方式、即ちウエハ上のアライメントマークに対して、アライメント検出光(He−NeやYAGレーザ光等)を垂直に照射し、マークから発生した同一次数の回折光を検出する方式のものを用いることも可能である。本実施形態においては、上記のうちのFIA方式のアライメントセンサを用いているものとする。
上記の循環系C1ではアライメント系ALの中、アライメント光源に対して冷媒を循環させて温度調節を行っている。循環方式としては、例えば投影光学系PLと同様に、光源を収納する筐体に螺旋状に配管することが可能である。尚、アライメント系ALにおいて、アライメント光源のみならず、アライメント用光学系を収納する筐体に対しても冷媒を循環させて温度調節を実施する構成としてもよい。また、オフアクシス系ではなく、投影光学系PLを介してウエハW上のマークを検出するTTR(Through The Reticle)方式やTTL(Through The Lens)方式においても同様に、アライメント光源や筐体に対して冷媒を循環させて温度調節を行うことができる。循環系C1でアライメント系AL及び投影光学系PLを循環した冷媒は、上下2段に連通して仕切られたタンク163の上側チャンバに環流する。
尚、TTR方式及びTTL方式のアライメントセンサは、投影光学系PLを介してウエハWに形成されたアライメントマークの位置を計測するため、投影光学系PLの物体面(レチクル)側において投影光学系PLの開口部に対して進退可能に構成されている。よって、これらのアライメントセンサを備える場合には、アライメントセンサを進退させるためのモータ等を含む駆動機構が設けられる。
一方、冷却系C2の冷媒は、蒸発器165で冷却された後にタンク163の上側チャンバに環流する経路C3と、熱交換器170に向かう経路C4とに分岐される。尚、蒸発器165は、気体冷媒を循環させる冷凍機173により冷却されている。冷却された冷媒は、経路C4で熱交換器170で熱交換に使用された後に、タンク163の上側チャンバに環流し改めて冷却される。
タンク163の下側チャンバにはコントローラ70に制御されるヒータ171が配設されている。この温度コントローラ70は、温度センサ166,169の検出結果に基づいてヒータ171の駆動を制御することで、冷媒を介してアライメント系AL及び投影光学系PLの温度を、例えば23℃±0.01℃に制御(管理)する。尚、温度コントローラ70は、フィードフォワード制御及びフィードバック制御を行ってアライメント系AL及び投影光学系PLの温度を制御する。
第2制御系162では、熱交換器170で冷却された冷媒は、ポンプ174を経た後に、レチクルステージRSTを循環する循環系C5と、ウエハステージWSTを循環する循環系C6とに分岐される。尚、第2制御系162における冷媒は、タンク163に環流せずに閉じた系で循環する構成になっている。循環系C5には、ポンプ174の下流の位置にヒータ175が設けられるとともに、レチクルステージRSTに循環させる前の冷媒温度及びレチクルステージRSTを循環させた後の冷媒温度をそれぞれ検出する温度センサ176a,176bが設けられており、温度センサ176a,176bの検出結果は温度コントローラ70に出力される。温度コントローラ70は、温度センサ176a,176bから出力される検出結果を単純平均又は加重平均し、得られた冷媒温度に基づいてヒータ175をフィードバック制御することで、レチクルステージRSTの温度を例えば23℃±0.1℃に制御(管理)する。尚、本実施形態では熱交換器170で冷却した冷媒をポンプ174へ循環させるように構成したが、熱交換器170の圧力損失が大きい場合には、ポンプ174を熱交換器170よりも上流に配置し、そして循環系C5,C6の戻り冷媒(各ステージを冷却した後の冷媒)の合流地点をポンプ174よりも上流の位置とするように構成すれば良い。
循環系C6には、ポンプ174の下流の位置にヒータ178が設けられるとともに、ウエハステージWSTに循環させる前の冷媒温度及びウエハステージWSTを循環させた後の冷媒温度をそれぞれ検出する温度センサ179a,179bが設けられており、温度センサ179a,179bの検出結果は温度コントローラ70に出力される。ウエハステージWSTはX軸とY軸のリニアモータを独立して温度制御するとさらに望ましく、その場合には温度センサ179a,179bと同様な温度センサが追加される。温度コントローラ70は、温度センサ179a,179bから出力される検出結果を平均又は加重平均し、得られた冷媒温度に基づいてヒータ178をフィードバック制御することで、ウエハステージWSTの温度を例えば23℃±0.1℃に制御(管理)する。循環系C5によってレチクルステージRSTを循環した冷媒及び循環系C6によってウエハステージWST5を循環した冷媒は、それぞれ熱交換器170で冷却された後に合流する。
ここで、温度センサ176a,176b,179a,179bは、図2に示した温度計測装置の計測ユニット210の温度センサ211に相当するセンサであり、当該温度センサ176a,176b,179a,179bをそれぞれ含む計測ユニット210の一部である。温度センサ176a,176b,179a,179bについての校正データは、それぞれ対応する計測ユニット210の記憶部214に予め記憶されている。
上述したように、本露光装置には、空調用の温度センサとして温度センサ54,72,74が、投影光学系PLの温度モニタ用として温度センサ94,95,96が、干渉計システム用の温度モニタ用として温度センサ97,98,99が、液体温調用の温度センサとして温度センサ166,169,176a,176b,179a,179bが設けられており、これらの温度センサは、図2に示した温度計測装置の計測ユニット210の一部として構成されている。なお、空調用及び干渉計システムの温度モニタ用の温度センサ54,72,74,97、98,99では0.01℃単位の分解能が要求され、液体温調系及び投影光学系の温度モニタ用の温度センサ94,95,96、166,169、176a,176b,179a,179bでは0.001℃単位の分解能が要求される。
図5は温度コントローラ70による空調系及び液体温調系の制御系を示すブロック図であり、図6はESユニット71による環境モニタ系の構成を示すブロック図である。温度コントローラ70及びESユニット71には、図2に示した温度計測装置の本体ユニット220に相当する機能を実現する温度モニタ基板が収容されている。但し、図2では計測ユニット210を2個接続可能な2チャンネルのものを示しているが、温度コントローラ70は計測ユニット210を9個接続可能な9チャンネルの構成となっており、ESユニット71は計測ユニット210を6個接続可能な6チャンネルの構成となっている。
温度コントローラ70及びESユニット71は、この露光装置の運転開始時に最初に実施されるイニシャルシーケンス(初期処理)において、各温度センサ54,72,74,94,95,96,97,98,99,166,169,176a,176b,179a,179bのそれぞれに係る計測ユニット210のコネクタ213内の記憶部214から当該センサについての校正データ(オフセット値、補正式又は補正マップ等)を読み出し、温度コントローラ70、ESユニット71内の本体ユニット220の記憶部225にそのままの形式であるいは適宜に変換して書き込む。
このイニシャルシーケンスの後、通常運転のシーケンスにおいて、温度コントローラ70は、各温度センサ54,72,74,166,169,176a,176b,179a,179bから送られる検出値(計測値)を本体ユニット220の記憶部225に記憶された対応する校正データに基づいて補正し、その補正後の計測結果に基づいて、クーラー52、第1ヒータ56、第2ヒータ62、第1送風機58、第2送風機64、冷凍機173、ヒータ171,175,178、ポンプ164,174を制御することにより、空調ないし温調を実施する。また、ESユニット71も同様に、イニシャルシーケンスの後、通常運転のシーケンスにおいて、各温度センサ94,95,96,97,98,99から送られる検出値(計測値)を本体ユニット220の記憶部225に記憶された対応する校正データに基づいて補正する。この補正後の計測結果は、アライメント時や露光処理時などにおける干渉計システムの計測値の補正に利用し、あるいは投影光学系PLの状態などの監視に利用して露光エラー(フォーカス異常やディストーション異常など)の警告に使用される。
このように露光装置では、多数の高精度な温度センサを使用しており、これまでは各温度センサのそれぞれについて、個別に作業者が校正データを温度コントローラやESユニットに手作業で入力していたため、校正データの数値の入力ミスや当該温度センサの校正データとは異なる他の温度センサの校正データを入力してしまう等のヒューマンエラーが発生する可能性があったが、本実施形態のように構成することにより、そのような問題を解消することができる。さらに、校正データとの対応のためにトレーザビリティが要求されるなど、部品管理上も煩雑であったが、その点も改善される。なお、前述の露光装置内における温度センサの設置箇所は上記実施形態に限定されるものではなく任意で構わない。例えば、レチクルステージ、ウエハステージ、レチクル又はウエハを保持するホルダ、レチクル、ウエハ、及び照明光学系や投影光学系を構成する光学素子などの温度を測定するために、それぞれに密着してあるいはそれぞれの近傍に配置することができる。
なお、半導体デバイス等のマイクロデバイスは、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルRを製作するステップ、シリコン材料からウエハWを製造するステップ、前述した実施形態の露光装置10によりレチクルRのパターンをウエハWに投影露光し、そのウエハWを現像する露光処理ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
本発明は、レチクルRとウエハWとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)、あるいはレチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)の何れにも適用することができる。
また、露光用照明光の光源としては、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(波長436nm)、i線(波長365nm))、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2レーザ(波長157nm)の何れを用いてもよい。
さらに、例えば国際公開(WO)99/46835号に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
また、レーザプラズマ光源、又はSORから発生する軟X線領域、例えば波長13.4nm、又は11.5nmのEUV(Extreme Ultra Violet)光を用いるようにしてもよい。さらに、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いてもよい。また、投影光学系は、反射光学系、屈折光学系、及び反射屈折光学系のいずれを用いてもよいし、縮小系、等倍系、及び拡大系のいずれを用いてもよい。
さらに、半導体素子の製造に用いられるデバイスパターンをウエハ上に転写する露光装置だけでなく、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられるデバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置等にも本発明を適用することができる。また、露光装置で使用するマスク(レチクル)の製造に用いられる露光装置にも本発明を適用することができる。さらに、例えば国際公開(WO)99/49504号に開示される液浸型露光装置にも本発明を適用することができる。特に液浸型露光装置では、投影光学系とウエハとの間に供給される液体(純水など)あるいはその供給・排出機構などの温度測定に本発明を適用してもよい。また、例えば国際公開(WO)98/24115号、98/40791号に開示されているように、露光動作とアライメント動作(マーク検出動作)とをほぼ並行に可能な2つのウエハステージを備える露光装置にも本発明を適用することができる。
本実施形態の露光装置10は、各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
尚、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
10…露光装置
22…露光装置本体
54,72,74,94,95,96,97,98,99,166,169,176a,176b,179a,179b…温度センサ
70…温度コントローラ(本体ユニット、温度制御装置)
71…ESユニット(本体ユニット)
R…レチクル(マスク)
W…ウエハ(基板)
RST…レチクルステージ
WST…ウエハステージ
IF1,IF2…レーザ干渉計
210…計測ユニット(計測ユニット)
211…温度センサ(温度検出手段)
212…ケーブル(ケーブル手段)
213…コネクタ(電気回路手段)
214…記憶部(第1記憶手段)
220…本体ユニット(本体ユニット)
221…コネクタ
222…ケーブル
223…端子台
224…信号処理部
225…記憶部(第2記憶手段)
226…演算処理部(計測制御手段)
22…露光装置本体
54,72,74,94,95,96,97,98,99,166,169,176a,176b,179a,179b…温度センサ
70…温度コントローラ(本体ユニット、温度制御装置)
71…ESユニット(本体ユニット)
R…レチクル(マスク)
W…ウエハ(基板)
RST…レチクルステージ
WST…ウエハステージ
IF1,IF2…レーザ干渉計
210…計測ユニット(計測ユニット)
211…温度センサ(温度検出手段)
212…ケーブル(ケーブル手段)
213…コネクタ(電気回路手段)
214…記憶部(第1記憶手段)
220…本体ユニット(本体ユニット)
221…コネクタ
222…ケーブル
223…端子台
224…信号処理部
225…記憶部(第2記憶手段)
226…演算処理部(計測制御手段)
Claims (5)
- 温度検出手段、前記温度検出手段に電気的に接続された電気回路手段、および前記電気回路手段内に設けられた前記温度検出手段の固有の校正データが予め記憶された第1記憶手段を有する計測ユニットと、
計測開始に先立ち前記第1記憶手段から前記校正データを一括的に読み出し、当該校正データに基づいて前記温度検出手段により検出される温度情報を補正して計測結果とする計測制御手段を有する本体ユニットとを備えることを特徴とする温度計測装置。 - 前記本体ユニットは、前記第1記憶手段から読み出した前記校正データを記憶可能な第2記憶手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の温度計測装置。
- 前記計測ユニットは、前記第1記憶手段を含む前記電気回路手段が収納された第1コネクタ手段、および前記電気回路手段と前記温度検出手段とを電気的に接続するケーブル手段を有し、
前記本体ユニットは、前記第1コネクタ手段が着脱自在に電気的に接続可能な第2コネクタ手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の温度計測装置。 - マスクのパターンを介して基板を露光する露光装置において、
請求項1〜3の何れか一項に記載の温度計測装置と、
前記温度計測装置により計測された当該露光装置内の温度制御対象の温度に基づいて、該温度制御対象の温度を制御する温度制御装置とを備えることを特徴とする露光装置。 - 請求項4に記載の露光装置を用いて、前記マスクのパターンを前記基板上に露光転写する工程を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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