JPH0922860A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JPH0922860A
JPH0922860A JP7196005A JP19600595A JPH0922860A JP H0922860 A JPH0922860 A JP H0922860A JP 7196005 A JP7196005 A JP 7196005A JP 19600595 A JP19600595 A JP 19600595A JP H0922860 A JPH0922860 A JP H0922860A
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JP
Japan
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mask
optical system
reticle
projection optical
exposure apparatus
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JP7196005A
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English (en)
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Tetsuo Taniguchi
哲夫 谷口
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces
    • GPHYSICS
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レチクルホルダ上でのレチクルの有無及びレ
チクルステージRSTの位置変化により投影光学系の周
囲の温度が変化しても、安定した結像特性及び高い重ね
合わせ精度が得られる走査型投影露光装置を提供する 【構成】 温度調節された空気流201を装置上方から
流動させて温度安定化されている走査型投影露光装置で
ある。マスクRのマスクホルダRH上での有無を検知す
る判別器7と、マスクの走査方向位置を検出する干渉計
6と、検出されたマスク位置及びマスクの有無に基づい
て投影光学系の結像特性の変化量を求める変動計算機2
0とを備える。マスクのマスクホルダRH上での有無に
よる結像特性の変化等を予め測定して記憶しておく。記
憶されていた変化特性と変動計算機20の計算結果に基
づき、露光しながら投影光学系PLのレンズエレメント
25を光軸方向に移動して倍率を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路や
液晶デバイス製造用の投影露光装置に関し、さらに詳細
には、高精度な結像特性及び露光重ね合わせ特性を有す
る投影露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路や液晶基板の回路パター
ンをフォトリソグラフィー技術により半導体ウエハ上に
形成するための装置として投影露光装置が使用されてい
る。かかる投影露光装置は、照明系から射出された照明
光をレチクル(マスク)に照射してレチクルパターン像
を投影光学系を介して感光性基板上に結像する。この種
の装置は、微細な回路パターンを形成するために、高精
度な結像特性が要求され、さらに、基板上の同一領域に
複数のパターンを重ね合わせて露光するために、露光処
理する層と前回露光処理された層との間で高い重ね合わ
せ精度が要求される。一方、複数のレンズエレメント群
から構成された投影光学系は、周囲温度により倍率等の
結像特性が変化するために、上記のような高精度な結像
特性及び重ね合わせ特性を維持するには、周囲温度に対
して装置の安定性が必要となる。このため、従来より投
影露光装置は、温度コントロールされた恒温チャンバー
の中に設置されている。とりわけ、温度安定性が要求さ
れる投影光学系では、一層高精度に温度調節された流体
等を投影光学系の周囲に循環させることによって温度安
定化が計られている。
【0003】投影光学系は、さらに、大気圧変動、照明
光吸収等により結像特性が変動するために、従来の投影
露光装置では、例えば、特開昭60−78454号公報
及び特開昭60−28613号公報に開示されたよう
に、露光動作の間に大気圧、照明光照射量等を検出し、
それらの検出結果に基づいて結像特性の変化量を計算し
て、変化量に応じて結像特性を補正する機能を有するも
の知られている。
【0004】また、基板の同一領域に複数のパターンが
重合わせて露光される場合、感光基板上に予め形成され
た重合わせ位置計測用マークを検出光学系で検出し、今
回露光すべき位置を決定している。かかる検出光学系
は、通常、投影光学系とは別の光学系を一部もしくは全
て使用するため、投影光学系と検出光学系の位置関係は
完全に固定されているものではなく、温度等の周囲条件
で変化することがある。このため、両光学系の位置関係
を定期的に計測して位置関係を修正する必要がある。こ
の位置関係も投影光学系の温度安定性によりその安定度
が決まってくるため、投影光学系の温度を安定化するこ
とが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように投影露光
装置では、特に、投影光学系の温度安定化に多大な努力
がされてきた。しかしながら、投影光学系の光軸方向の
両側は露光光束が通過するために上記のように温度コン
トロールされた流体を循環させることはできない。ま
た、投影光学系はその結像特性の補正のため、内部のレ
ンズエレメントを駆動する機構等が装備されているもの
も多く、流体の循環ができない部分もあるため、完全な
温度安定化は困難である。
【0006】近年、投影露光装置のチャンバー内のゴミ
が装置に付着するのを嫌いチャンバーの天井から投影光
学系の光軸に平行に空気を流す所謂ダウンフロー型のチ
ャンバーが採用されている。ところが、投影露光装置の
構造として、通常、レチクルが投影光学系の上方に配置
され、感光基板が投影光学系の下方に配置されており、
空気流に対し投影光学系は断面積が小さい面を向けるよ
うに設置されている。このため、投影光学系にとっては
空気流との接触効率があまりよくない。さらに、空気流
はチャンバー上方から流れてくるため、レチクルホルダ
上にレチクルを載置しているときと、レチクル交換等の
ために載置していないときでは、投影光学系に対する空
気流の接触量が大きく変化する。また、レチクルホルダ
上のレチクルの有無により投影光学系の周囲の空気の流
れも変化し、投影光学系の周囲にある発熱源、例えば重
ね合わせ露光の際に重ね合わせ位置を調整するために使
用されるウエハマーク位置検出用のレーザ光源、電気基
板等に対する空気の流れが変化する結果、ウエハアライ
メント系の温度が変化する。アライメント系の温度が変
化すると、その近傍に存在する投影光学系の温度が変化
して、前記のように投影光学系の結像特性を変化させる
という問題がある。また、アライメント系自体が温度変
化するために、ウエハマークを検出する検出系の基準位
置がずれ、露光重ね合わせ精度が悪化することも起こり
得る。
【0007】ところで、投影光学系の長方形エリアを照
明し、レチクルと感光基板を相対的に走査しながら露光
するステップアンドスキャン露光方法が考案されてい
る。本方式によれば、投影光学系のフィールドサイズを
拡大することなく広い面積が露光可能で、かつ、投影光
学系の一部しか露光に使用しないためディストーショ
ン、照度均一性等の調整が容易であるという利点があ
る。しかしながら、本方式ではレチクルがレチクルステ
ージにより投影光学系に対して相対的に移動するため、
特に前記ダウンフロー型の投影露光装置では、レチクル
位置により投影光学系に対する空気の流れ方が大きく変
化する。このため、走査型の投影露光装置では、投影光
学系の温度変化による結像特性の変化及びアライメント
系の基準位置のずれという問題がより顕著に現れる。
【0008】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてな
されたもので、本発明は、レチクル交換時等、レチクル
ホルダ上でのレチクルの有無により投影光学系の周囲の
温度が変化しても、常に安定した結像特性及び高い重ね
合わせ精度が得られる投影露光装置を提供することを目
的とする。
【0009】また、本発明は、走査型露光装置におい
て、レチクルステージの移動によりレチクルの走査方向
の位置が変化して投影光学系周辺の温度が変化しても、
常に安定した結像特性及び高い重ね合わせ精度が得られ
る投影露光装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、マスクステージ上に載置されたマスクを照明光で
照明して前記マスクのパターンの像を投影光学系を介し
て感光基板上に結像する投影露光装置において、マスク
ステージ上のマスクの有無を判別する手段と、前記判別
されたマスクの有無に基づいて投影光学系の結像特性の
変化量を求める演算手段と、前記演算手段の演算結果に
基づいて前記投影光学系の結像特性を補正する補正手段
を備えたことを特徴とする上記投影露光装置が提供され
る。
【0011】本発明の第2の態様に従えば、マスクステ
ージ上に載置されたマスクを照明光で照明しながら前記
マスク上の照明領域に対して前記マスクと感光基板とを
同期して走査することにより前記マスクのパターンの像
を投影光学系を介して前記感光基板上に結像する投影露
光装置において、前記マスクの走査方向位置を検出する
マスク位置検出手段と、前記検出されたマスク位置に基
づいて投影光学系の結像特性の変化量を求める演算手段
と、前記演算手段の演算結果に基づき前記投影光学系の
結像特性を補正する補正手段を備えたことを特徴とする
上記投影露光装置が提供される。
【0012】第2の態様の投影露光装置は、前記マスク
ステージ上のマスクの有無を判別する手段をさらに備
え、前記演算手段が、前記判別されたマスクの有無と前
記検出されたマスク位置に基づいて投影光学系の結像特
性の変化量を求めることが好ましい。これにより、走査
型の投影露光装置において、マスクステージの移動に起
因するだけでなく、マスクの脱着により生じる投影光学
系の周囲温度の変化に基づく結像特性の変化をも同時に
補正することができる。
【0013】前記本発明の第1及び第2の態様における
投影露光装置において、投影光学系の結像特性を実測す
る手段をさらに備え、前記補正手段が、前記実測された
結像特性及び前記演算手段により演算された結像特性の
変化量に基づいて投影光学系の結像特性を補正すること
ができる。このように実測手段と演算手段による予測計
算を組み合わせ用いることにより、結像特性等の変動分
が大きいときや一層結像特性の精度が要求されるときに
より高精度な補正が可能となる。
【0014】本発明の投影露光装置において、像倍率、
ディストーション、焦点位置等の結像特性が、投影光学
系の周囲温度により影響を受けやすいために、それらの
結像特性のうちの少なくとも一種を本発明に従って補正
することが好ましい。結像特性が像倍率である場合に
は、投影光学系のレンズエレメントを駆動する手段によ
り像倍率を補正することができる。
【0015】本発明の第3の態様に従えば、マスクステ
ージ上に載置されたマスクを照明光で照明して前記マス
クのパターンの像を投影光学系を介して感光基板上に結
像する投影露光装置において、前記感光基板上の位置合
わせマークを検出するマーク検出手段と、マスクステー
ジ上のマスクの有無を判別する手段と、前記判別された
マスクの有無に基づいてマーク検出手段の基準位置の変
化量を求める演算手段と、前記演算手段の演算結果に基
づいて前記マーク検出手段の基準位置を補正する補正手
段を備えたことを特徴とする上記投影露光装置が提供さ
れる。
【0016】本発明の第4の態様に従えば、マスクステ
ージ上に載置されたマスクを照明光で照明しながら上記
マスク上の照明領域に対して前記マスクと感光基板とを
同期して走査することにより前記マスクのパターンの像
を投影光学系を介して感光基板上に結像する投影露光装
置において、前記感光基板上の位置合わせマークを検出
するマーク検出手段と、前記マスクの走査方向位置を検
出するマスク位置検出手段と、前記検出されたマスク位
置に基づいて前記マーク検出手段の基準位置の変化量を
求める演算手段と、前記演算手段の演算結果に基づき前
記マーク検出手段の基準位置を補正する補正手段を備え
たことを特徴とする上記投影露光装置が提供される。
【0017】上記発明の第4の態様の投影露光装置にお
いて、前記マスクステージ上のマスクの有無を判別する
手段をさらに備え、前記演算手段が、前記判別されたマ
スクの有無と前記検出されたマスク位置に基づいて検出
光学系の基準位置の変化量を求めることが好ましい。こ
れにより、走査型の投影露光装置において、マスクステ
ージの移動に起因するだけでなく、マスクの脱着により
生じる投影光学系の周囲温度の変化に基づく前記マーク
検出手段の基準位置の変化をも同時に補正することがで
きる。
【0018】投影露光装置のうち、温度安定化用の気体
を上記投影光学系の光軸に沿って流動させるタイプの投
影露光装置は、マスクの有無や走査型露光装置における
マスクの移動による投影光学系の周囲温度の変化に結像
特性やウエハマーク検出系の基準位置が影響され易いた
めに、本発明を適用するのが望ましい。
【0019】
【作用】本発明においては、レチクル(マスク)のレチ
クルホルダ上の有無に応じて変化する結像特性の変化あ
るいはマーク検出光学系の基準位置の変化を予め測定
し、その変化特性を数式、テーブル等の形で記憶してお
き、実際の露光時にはその数式を用いてレチクルのレチ
クルホルダ上での着脱操作時刻の前後で結像特性等がど
のように変化するかを演算により予測計算する。上記数
式は、一般に、結像特性等の変化が投影光学系を介する
熱伝導を伴うために、時間遅れの特性を考慮した式とな
る。演算手段での計算結果に基づき、結像特性の変化は
その変化量を補償するように補正を行い、マーク検出光
学系の基準位置変化は、露光時の基準位置に位置に関す
るオフセット分を加えることによって補正を行う。これ
により、レチクルの有無あるいはレチクルの着脱からの
経過時間によらず、結像特性及び露光重合わせ精度を高
精度に保つことができる。
【0020】さらに本発明においては、レチクルと感光
基板をレチクル上の照明領域に対して相対走査しながら
露光する走査型投影露光装置において、レチクル(レチ
クルステージ)の走査方向位置に応じて変化する結像特
性の変化またはウエハマーク検出光学系の基準位置の変
化を予め記憶しておき、実際の露光時にはその数式を用
いてレチクルの位置に応じて結像特性またはウエハマー
ク検出光学系の基準位置がどのように変化するかを演算
により予測計算する。そして、予測計算された結像特性
や前記基準位置の変化量に応じて結像特性等の補正を行
う。このため、走査型投影露光装置においてもレチクル
位置あるいはレチクル位置の履歴によらず結像特性及び
露光重合わせ精度を高精度に保つことができる。さら
に、本発明の走査型露光装置において、レチクルの走査
方向位置の変化のみならずレチクルホルダ上のレチクル
の有無による結像特性やウエハマーク検出光学系の基準
位置を同時に補正することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明による投影露光装置の一実施例
を添付図面を参照して説明する。図1に示した投影露光
装置は、レチクルと感光基板をレチクル上の照明領域に
対して同期して走査しながら露光する走査型の投影露光
装置の一例である。図1に示したように、一般に、投影
露光装置は、恒温チャンバ1の中に設置されている。恒
温チャンバ1内では、通常のクリーンルームよりも精度
の高い温度制御がなされており、例えば、クリーンルー
ムの温度制御が±2〜3℃の範囲であるのに対して、恒
温チャンバ1内では±0.1℃程度に保たれている。ま
た、図示した投影露光装置は、ダウンフロー型の投影露
光装置であり、空気中に浮遊する粒子が装置に付着する
のを防止するためにチャンバ1の天井に空気流吹き出し
口2が設置されており、吹き出し口2から投影光学系P
Lの光軸に沿って床方向に温度制御された空気流が流動
する。チャンバ1、特に投影光学系を含む露光装置本体
部に、クリーンルーム内に浮遊する異物(ゴミ)、硫酸
イオンやアンモニウムイオン等が流入するのを防止する
ため、HEPA(またはULPA)フィルター及びケミ
カルフィルターが、チャンバ1の空気取り入れ口または
吹き出し口2の近傍に配置されている。なお、吹き出し
口2から送出する気体は空気に限られるものでなく、ヘ
リウム等の不活性ガスを用いてもよい。
【0022】図1の走査型投影露光装置は、光源及び照
明光学系(図示しない)、レチクルRを走査方向に移動
するレチクルステージRST、投影光学系PL、ウエハ
Wを移動するウエハステージWST、ウエハの位置合わ
せ用のアライメント系(14〜18)等から主に構成さ
れている。光源は、一般に、水銀ランプの紫外域の輝線
(g線、i線)、KrF,ArF等のエキシマレーザ光
等が用いられる。また、照明光学系はフライアイレン
ズ、コンデンサレンズ等からなり、最終的にコンデンサ
レンズ3を介してレチクルRを照明している。照明光学
系は、光源からの照明光で、回路パターン等が描かれた
マスクであるレチクルRをほぼ照度均一且つ所定の立体
角で照明する。これらの図示しない光源及び照明光学系
は、一般に、図中、レチクルステージRSTの上方また
は光学反射系を用いる場合にはレチクルステージRST
の側方に配置されている。特に、光源はチャンバ1の外
側に配置される。
【0023】レチクルステージRSTは、投影光学系P
Lの光軸AX上であって投影光学系PLとコンデンサレ
ンズ3との間に設置され、リニアモータ等で構成された
レチクル駆動部(図示しない)により、走査方向(X方
向)に所定の走査速度で移動可能である。レチクルステ
ージRSTはレチクルRのパターンエリア全面が少なく
とも投影光学系の光軸AXを横切るだけのストロークで
移動する。レチクルステージRSTは、X方向端部に、
干渉計6からのレーザビームを反射する移動鏡5を固定
して備え、レチクルステージRSTの走査方向の位置は
干渉計6によって例えば0.01μm単位で測定され
る。干渉計6による測定結果は、ステージ制御系(図示
しない)及び後述する変動計算機20に送られ、常時レ
チクルステージRSTの高精度な位置決めが行われる。
レチクルステージRST上には、レチクルホルダRHが
設置され、レチクルRがレチクルホルダRH上に載置さ
れる。レチクルステージRSTは、内部に真空配管22
を備え、真空配管22は一方の開放端がレチクルホルダ
RHの表面に現れるように屈曲されている。レチクルR
は、真空配管22の該開放端により真空吸着されてレチ
クルホルダRHに保持されている。真空配管22の他端
部には圧力センサ(判別器)7が連結され、レチクルR
の有無を真空圧力より判別し、判別信号を変動計算機2
0に送る。また、レチクルステージRSTの上方には、
光軸AXを挟んで対向するレチクルアライメント顕微鏡
4が装着されている。この2組の顕微鏡4によりレチク
ルRに形成された基準マークを観察して、レチクルRが
所定の基準位置に精度良く位置決められるようにレチク
ルステージRSTの初期位置を決定する。従って、移動
鏡5と干渉計6によりレチクルRの位置を測定するだけ
でレチクルRの位置を十分高精度に調整できる。レチク
ルステージRSTの駆動部は、図示しないレチクルステ
ージ制御系により制御される。
【0024】レチクルRは、レチクルステージRST上
で、レチクルRの走査方向(X方向)に対して垂直な方
向(Y方向)を長手とする長方形(スリット状)の照明
領域で照明される。この照明領域は、レチクルステージ
の上方であって且つレチクルRと共役な面またはその近
傍に配置された視野絞り(図示しない)により画定され
る。
【0025】レチクルRを通過した照明光は投影光学系
PLに入射し、投影光学系PLによるレチクルRの回路
パターン像がウエハW上に形成される。投影光学系PL
には、複数のレンズエレメントが光軸AXを共通の光軸
とするように収容されている。投影光学系PLは、その
外周部上であって光軸方向の中央部にフランジ部24を
備え、フランジ部24により露光装置本体の架台23に
固定されている。
【0026】ウエハW上に投影されるレチクルRのパタ
ーン像の投影倍率はレンズエレメントの倍率及び配置に
より決定される。投影光学系PLは、投影倍率を補正す
るため、最もレチクルRに近いレンズエレメント25を
光軸AX方向に駆動する装置、例えば、特開平4−12
7514号公報、特開平4−134813号公報に開示
されているように、ピエゾ等の駆動系とエンコーダ等に
よる位置センサによりレンズエレメント25を所定の位
置に制御する装置(図示しない)を備える。この装置を
駆動して、大気圧(チャンバ1の内圧)変化による倍率
等の結像特性を補正する。大気圧が変化した場合に、セ
ンサ26を通じて測定された大気圧変化が変動計算機2
0に送られ、倍率等の結像特性の変化量が変動計算器2
0で計算される。そして、その変動量に応じて結像特性
制御系21を通じてレンズエレメント25を駆動して倍
率が補正される。本発明においては、倍率等の結像特性
は、大気圧変化のみならず、チャンバ1内の温度(さら
には湿度)及び後述するレチクルRのレチクルホルダR
H上の有無やレチクルステージの位置変化により発生す
る投影光学系PLの温度変化によっても補正される。
【0027】レチクルR上のスリット状の照明領域(中
心は光軸AXにほぼ一致)内のレチクルパターンは、投
影光学系PLを介してウエハW上に投影される。ウエハ
Wは投影光学系PLを介してレチクルRとは倒立像関係
にあるため、レチクルRが露光時に−X方向(または+
X方向)に速度Vrで走査されると、ウエハWは速度V
rの方向とは反対の+X方向(または−X方向)にレチ
クルRに同期して速度Vrで走査され、ウエハW上のシ
ョット領域の全面にレチクルRのパターンが逐次露光さ
れる。走査速度の比(Vr/Vw)は投影光学系PLの
縮小倍率で決定される。
【0028】ウエハWは、ウエハステージWST上に保
持されたウエハホルダ(図示しない)に真空吸着されて
いる。ウエハステージWSTは前述の走査方向(X方
向)の移動のみならず、複数のショット領域をそれぞれ
走査露光できるよう、走査方向と垂直な方向(Y方向)
にも移動可能に構成されており、ウエハW上の各ショッ
ト領域へ走査する動作と、次のショット領域の露光開始
位置まで移動する動作を繰り返す。モータ等のウエハス
テージ駆動部(図示しない)によりウエハステージWS
Tは駆動される。ウエハステージWSTは、前記速度比
Vr/Vwに従って移動速度が調節され、レチクルステ
ージRSTと同期されて移動する。ウエハステージWS
Tの端部には移動鏡8が固定され、干渉計9からのレー
ザビームを移動鏡8により反射し、反射光を干渉計9に
よって検出することによってウエハステージWSTのX
Y平面内での座標位置が常時モニタされる。移動鏡8か
らの反射光は干渉計9により、例えば0.01μm程度
の分解能で検出される。干渉計9及び前述の干渉計6
は、投影光学系PL等装置の他の部品と相対的に振動す
ることを防止するために架台23上に設置されている。
振動を回避するためできるだけ装置の中心に近い場所に
設置するのが望ましく、一般に投影光学系PLに近いと
ころに設置される。ウエハステージ駆動部は図示しない
ウエハステージ制御部により制御されて、レチクルステ
ージRSTと同期するようにウエハステージが移動され
る。また、前述のレチクルステージ制御部、ウエハステ
ージ制御部、変動計算機等は、投影露光装置の制御部
(ホストコンピュータ)と連結されており、各ステージ
の走査や投影光学系PLの調整等はすべてこの制御部で
一括して管理される。尚、干渉計6,9の光源は前述の
ように配置しなくてもよく、例えば、投影光学系PLか
らできる限り離して(極端にはチャンバ1の外側に)配
置し、ファイバー等でレーザビームを干渉計に導くよう
にしてもよい。
【0029】本実施例の装置においては、投影光学系P
Lの周囲を囲むように温調部10,11を設けて、例え
ば±0.02℃程度に高度に温度調節された流体を注入
部10a,11aより温調部10,11に注入し、排出
部10b,11bより排出して温度安定化を計ってい
る。これは、チャンバ1の温度制御の揺らぎや、オペレ
ータによるチャンバ1の扉の開閉等による投影光学系P
Lの微少な温度変化を軽減することによって、投影光学
系PLの結像特性を高精度に保つためである。しかしな
がら、投影光学系PLの周囲すべてを囲むことは不可能
で、例えば、図1に示したように投影光学系PLの光軸
方向端部であって光線が入射及び射出する部分、あるい
はフランジ部分24は温調できない。また、本実施例の
投影光学系PLでは、前記のように最もレチクルRに近
いレンズエレメント25を光軸AX方向に駆動する装置
を設けている。この装置の駆動系の存在により、その周
囲も温調はできない。このため温度調節された流体の循
環による温度調節は完全ではなく、以下に説明するよう
に本発明に従い温度変化に起因する結像特性等を補正す
ることが有効となる。
【0030】投影露光装置では、ウエハW上にすでに露
光により形成されたパターンに対して、新たなパターン
を精度よく重ねて露光する機能がある。この機能を実行
するため、投影露光装置はウエハW上の位置合わせ用の
マークの位置を検出して、重ね合わせ露光を行う位置を
決定する機能(所謂ウエハアライメント)を備える。本
実施例では、このウエハアライメント系として、投影光
学系PLとは別に設けられたオフアクシス方式の光学式
アライメント系(14〜18)を備えている。光源13
としてレーザ、あるいはハロゲンランプ等で、通常ウエ
ハW上のフォトレジスト膜に対して非感光性の波長の光
を発生するものが用いられる。光源13から照射された
照明光は、ハーフミラー16、ミラー17を介して、ミ
ラー18によりウエハW上の位置合わせマークを照明す
る。図1では省略したが、光源13からウエハW面の間
には、レンズ、調整用プリズム等が装着される。ウエハ
Wの位置合わせマークからの反射光(例えば、回折光)
は、照明光と逆の経路を通り、ハーフミラー16を通っ
て受光部14により光電変換される。受光部14からの
信号は、アンプ15で十分な出力に増幅されて、図示し
ないアライメント制御系に信号が送られる。投影光学系
PLの光軸AXとアライメント系の光軸AX2は、出来
るだけ近くに設定され、一定の間隔dで隔てられてい
る。この距離は、アライメント系と露光系の関係を表す
もので、通常ベースライン(間隔d)と呼ばれ、露光重
ね合わせ精度を維持するためには、このベースラインの
安定性が重要である。また、干渉計用レーザ12と同様
にアライメント系の光源13、受光部14は振動等の対
策のため、できるだけ装置の中心に近い場所に設置する
のが望ましく、通常、投影光学系PLに近いところに設
置される。また、アンプ15も信号ノイズが入るのを嫌
い、受光部14の近くに設置されるのが一般的である。
尚、光源13はその発熱のため、投影光学系PLからで
きる限り離して配置し、ファイバ等で光源13からの光
をアライメント系に導くように構成してもよい。
【0031】上記のような装置構成の下で、空気流吹き
出し口2から空気の流れ及び投影光学系PLの周囲の温
度分布について考察する。図2は、レチクルRがレチク
ルステージRST上に存在している時と、存在しないと
きの投影光学系PL及びウエハアライメント系13〜1
6の周囲の空気の流れ及び熱の流れを模式的に示した図
である。アライメント系13〜16等の斜線を付した部
分は発熱源を示している。発熱源は投影光学系PL及び
ウエハアライメント系13〜16からできるだけ隔離す
るのが望ましいが、前記の様に、振動等の理由により、
実際は図の様に投影光学系PLの近くに配置されてい
る。レチクルRがレチクルホルダRH上に載置されてい
るとき、図2(a) に示したように、チャンバ1から吹き
出した空気流201は、レチクルRに遮られ、投影光学
系PL、アライメント系13〜16付近には直接流れ込
まない。このため、投影光学系PL近傍の発熱体(アラ
イメント光源13、受光部14、アンプ15、干渉計レ
ーザ12)からの熱は暖かい空気流202となり、周囲
の温度を上昇させる。また、これらの発熱体12〜15
自体の温度も空気流201がそれらの発熱体12〜15
の周囲に流れ込まないため上昇し、金属部材を介する熱
伝導等で発熱体12〜15の周囲の温度を上昇させる。
一方、レチクルRが載置されていないときは、図2(b)
に示したように、投影光学系PL上に空気流201に対
する開口部が形成されるため、そこから空気流201が
投影光学系PL、アライメント系13〜16近傍に流れ
込む。このため、発熱体12〜15からの熱は暖かい空
気流202となり、装置下方に移動して、投影光学系P
L、アライメント系13〜16近傍の温度は上昇しな
い。また、発熱体12〜15自体の温度も空気流201
に直接触れるため、低下する。さらに、レチクルR上の
レチクルアライメント用の顕微鏡4の熱の流れ方も変化
し、レチクルアライメント顕微鏡4の温度が変化する可
能性もある。上記の様に、レチルクホルダRH上のレチ
クルRの有無により、投影光学系PL、アライメント系
13〜16、レチクルアライメト系4の温度は異なる。
【0032】従って、レチクルRのレチクルホルダRH
上の有無により、投影光学系PLの結像特性(例えば、
焦点位置、ディストーション等)が異なり、レチクルR
がレチクルホルダRH上で着脱されることによって結像
特性が変化する。また、レチクルRの着脱の際に、アラ
イメント系13〜16の温度が変化することにより、ア
ライメント系の位置が変化したり、さらに、ミラー16
の角度が変化し光線がずれて、前記のベースライン(間
隔d)が変化することになる。ベースラインは、通常、
レチクル搭載時に測定するが、測定後このように変化す
ると露光時の重ね合わせ誤差を生じる。以上のように、
レチクルRのレチクルホルダRH上での有無により、結
像特性、重ね合わせ位置等の投影露光装置に重要な特性
の精度の悪化をもたらす。この問題は、本実施例のよう
な走査型の投影露光装置だけでなく、従来の一括露光タ
イプの投影露光装置にも同様の問題がある。本発明では
この問題を、以下に詳述するようにレチクルRの有無に
よる結像特性の変化量及びベースラインの変動量を予測
計算して、補正を行うことで対処している。
【0033】また、本実施例のような走査型の投影露光
装置においては、レチクルステージRSTが移動するた
めに、レチクルRのレチクルホルダ上の有無だけではな
く、レチクルステージRSTの移動によっても投影光学
系PLの周囲温度が変化する。図3を用いて、レチクル
ステージRSTの移動に伴う空気流の流れ及び熱の流れ
を考察する。図3(a) は、レチクルステージRSTが図
中左側(−X方向)に位置している状態を示している。
図のように、レチクルステージRSTは、通常の露光に
おいても、ステージの最大ストロークにより投影光学系
PLの上方を開放する位置まで走査方向に移動する。こ
れは、露光中にレチクルステージRSTが一定速度で走
査するために、ある程度の助走距離が必要になるためで
ある。図の様にレチクルステージRSTが左にあると
き、投影光学系PLの上方右側から下方に空気流201
が流れ込むため、空気流201が干渉計レーザ12に当
たるが、アライメント系13〜16には当たらない。一
方、図3(b) に示したように、レチクルステージRST
が図中右側(+X方向)に位置しているときは、投影光
学系PLの上方左側から下方に空気流201が流れ込む
ため、空気流201が干渉計レーザ12に当たらずに、
アライメント系13〜16に当たる。レチクルステージ
RSTが中央にあるときは、投影光学系PLはレチクル
ステージRST上のレチクルRによって空気流201か
ら遮られことになる。このため、レチクルステージRS
Tの位置により、投影光学系PLでは周囲の温度が変化
し、アライメント系13〜16ではやはり温度が上下す
るという問題が発生する。
【0034】図3の例では、レチクルステージRSTの
駆動系を省略したが、駆動系がレチクルステージRST
の左右どちらかに装着されている場合、装着されている
側の下方には、空気流201が流れ込まないことになり
得る。前記のような問題を解決する方法として、例えば
ダクト等を用いて空気流201が流れ込まない箇所に空
調機から温度調節された空気流を送る方法も考えられる
が、移動するレチクルステージRST等が空間的な制限
を加えるために容易ではない。また、振動源となるダク
トを装置中心部へ持ってくるのは好ましくない。同様の
理由で発熱源にダクトをつないで排熱するのも困難であ
る。また、各部の温度を測定して投影光学系PLの結像
特性を補正したり、アライメント系のオフセットを補正
する方法も考えられるが、測定点を多く取らないと温度
分布が判らないという問題と、温度が移動するのに時間
がかかるため、現在の各部の温度を知っても補正するこ
とができないという問題もあり、現実的ではない。この
ため、本発明では、以下に詳述するように、走査型投影
露光装置において、レチクルステージRSTの位置によ
り結像特性の変化量を予測計算して補正している。
【0035】本発明の投影露光装置においては、前記の
ように、真空配管22に連結された判別器7によりレチ
クルの有無の情報が変動計算器20に常に送られる。変
動計算機22のメモリには、後述するようにレチクルR
の有無による投影光学系PLの倍率等の結像特性の変化
特性、ウエハアライメント系のベースラインの変動特性
を予め実験あるいはシミュレーション計算等で求めて数
式、テーブル等の形で記憶している。結像特性は複数の
結像特性の変化をそれぞれ記憶させてもよい。それぞれ
の変化特性(ディストーション、焦点位置等)は、投影
レンズ内の複数のレンズのうち温度変化に支配的に効く
部分は異なる。よって、その部分へび熱伝導速度とその
部分の熱容量が異なるため、それぞれの変化特性は異な
る。例えば、倍率変化は速いが、焦点位置変化は遅いと
いうことがある。従って、それぞれの変化に効く場所毎
に変化特性を記憶しておく必要がある。ここでは、それ
らを代表して、投影光学系PLの倍率変化について説明
するが、他の結像特性、ベースライン変化についても全
く同様の方法を用いることができる。
【0036】図4を参照しながら温度変化による倍率の
変化特性を説明する。なお、この実施例では説明を簡単
にするためレチクルステージが移動しない場合を想定し
て説明する。図4(a)は、レチクルホルダ上のレチク
ルRの有無による投影光学系PLの周囲の温度変化(実
線)を示した図である。時刻t0からt1においてレチクル
RはレチクルホルダRH上に載置されており、時刻t1
らt2の間にはレチクルRはレチクルホルダRHから外さ
れ、時刻t2以後は再びレチクルホルダRH上に載置され
るとする。このとき投影光学系PLの周囲の空気温度は
実線T1 のようにレチクルRのレチクルホルダR上での
存在に応答して瞬時に変化する。これに対して投影光学
系PL、特にレンズエレメントの温度は投影光学系PL
の鏡筒、レンズ支持部材及びレンズエレメントの熱伝導
を伴って変化するのでT2 のようにゆるやかに変化する
(破線)。図4(b) に、図4(a)に示したようなタイ
ムスケジュールに従って、レチクルRの有無により変化
する投影光学系PLの倍率(Mag)を示している。こ
の例では、投影光学系PLの周囲温度が下がると倍率が
正の方向に変化する例を示している。レチクルRがレチ
クルホルダRH上に置かれていたときの投影光学系PL
の倍率をM0 とする。レチクルRをレチクルホルダから
外すと図4(a)に従って投影光学系PLの温度が変化
する。この状態で十分時間が経過すると投影光学系PL
の温度は投影光学系PLの周囲温度と等しくなるまで低
下し、それに伴って倍率もM1 に上昇し、ΔM=M1
0 だけ倍率が増加する。しかし、図4(a) に示したよ
うに時刻t2においてレチクルRが再びレチクルホルダR
H上に置かれると、倍率は図4(b) 中の実線のように変
化することになる。この倍率変化は以下のようにして計
算により求めることができる。すなわち、最初に、レチ
クルRがレチクルホルダRH上に載置されている状態に
おける投影光学系PLの倍率及びレチクルRがレチクル
ホルダRH上に載置されていない状態における投影光学
系PLの倍率並びにそれらの状態間における倍率の変化
を予備的な露光実験等を通じて求めておく。これらの特
性を時間の関数として数式化して変動計算器20内のメ
モリに記憶しておき、実際の露光操作の際、レチクルR
がレチクルホルダRH上に載置されまたは退去される場
合に、それらの着脱時刻の前後における倍率の変化量を
上記数式から計算して求める。上記数式化される変化特
性は一般に一次遅れ系と呼ばれ、一次の微分方程式で表
すことができる。本実施例では、変動計算機20の内部
でこの微分方程式を数値解法により逐次計算して倍率の
変化量を求めことができる。
【0037】倍率の変化に複数の要因、例えば、投影光
学系PL内部の複数のレンズエレメント、鏡筒の伸び等
の要因が存在することにより変化特性は上記一次遅れの
複数の和の形のモデルで表される場合があるが、そのよ
うな場合でも上記と同様の方法で変化量を算出すること
ができる。以上により倍率変化が計算されると、従来行
われていた結像倍率を補正するための倍率変化の計算、
例えば、大気圧変化や照明光吸収による倍率の変化分と
加算されて全体としての倍率変化量を求めることができ
る。大気圧変化や照明光吸収による倍率変化の計算方法
及び補正方法については前述の特開昭60−28163
号公報、特開昭60−78454号公報を参照すること
ができる。倍率変化量が求められると、その変化を補償
する倍率変化を発生させるために結像特性制御系21に
指令を送り、結像特性制御系21はこの指令値に応じて
レンズエレメント25を駆動して倍率を補正する。以上
により、倍率は、レチクルRのレチクルホルダ上での有
無に応じて、すなわち、投影光学系PLの周囲温度の変
化に応じて適正に補正されて、レチクルRの着脱に拘ら
ず常に一定に保つことが可能になる。
【0038】次に、走査型投影露光装置において、レチ
クルステージRSTの移動に伴う投影光学系PLの周囲
温度変化に伴う結像特性やウエハアライメント系のベー
スラインの変動を補正することを示す。ここでも、レチ
クルRのレチクルホルダRH上での有無による結像特性
等の変化を同時に考慮する。この例では、判別器7によ
るレチクル有無の情報に加え、レーザ干渉計6よりレチ
クルステージRSTの位置に関する情報が常に変動計算
機20に供給されている。前記図4で説明した例と同様
に、倍率の変化を例とした結像特性の調整法について説
明する。図5(a) はレチクルステージRSTにより走査
方向(X方向)に移動するレチクルの位置と投影光学系
PL周囲の空気温度との関係を示す。図中、実線T
3 は、レチクルRがレチクルホルダRH上に載置されて
いるときの投影光学系PL周囲の空気温度を示し、破線
4 はレチクルRがレチクルホルダRH上に載置されて
いないときの投影光学系PL周囲の空気温度を示す。実
線T3 において、レチクルステージRSTの中心が投影
光学系PLの光軸AX上、すなわち、x0 にあるとき、
レチクルステージRSTの上方から投影光学系PLに向
かう空気流201がレチクルステージRST(レチクル
R)により遮断されるために、投影光学系PL周囲の空
気温度が上昇する。レチクルRがレチクルステージRS
Tにより移動されて、レチクルステージの中心がX方向
の最大移動点x1 及び−x1 にあるとき、レチクルRが
投影光学系PLの上方に存在しないために、空気流20
1はレチクルステージRST上方から投影光学系PLに
流れ込み、投影光学系PL周囲の空気温度が低下する。
一方、レチクルRがレチクルホルダRH上に載置されて
いないときは、破線T4 で示されるように、レチクルス
テージの位置に拘らず、投影光学系PL周囲の空気温度
に大きな変化は見られない。この場合、レチクルステー
ジの中心がX方向の最大移動点x1 及び−x1 に位置す
るときの投影光学系PL周囲の空気温度は、レチクルR
がレチクルホルダRH上に有る場合と同じ温度を示す。
レチクル位置による投影光学系PL周囲の空気温度の変
化量ΔTは投影露光装置の構造上の差により変わるが、
レチクルステージRSTの走査によりレチクルRの位置
が走査方向に変化するタイプの走査型露光装置ではいず
れもレチクルRの位置により投影光学系PL周囲の空気
温度が変化する。従って、レチクルRの走査露光の間、
レチクルRの位置による結像特性等の補正が必要とな
る。
【0039】図5(b) は、図5(a) に示した投影光学系
PL周囲温度の変化に応じて変化する投影光学系PLの
倍率を示している。但し、図5(b) に示した倍率(Ma
g.S)は、レチクルステージ(レチクルR)がX方向
の各位置に留まって十分時間が経過したときに到達する
倍率(飽和値)を示している。実線のM3 はレチクルR
がレチクルホルダ上に載置されている場合の倍率(飽和
値)を示し、破線のM4 はレチクルRがレチクルホルダ
上に載置されていない場合の倍率(飽和値)を示してい
る。温度変化と倍率の変化の関係では、この例も実施例
1と同様に投影光学系PLの周囲空気温度が低下すると
倍率が正に変化する場合を示している。図5では、レチ
クルRがレチクルステージRSTにより移動する場合の
レチクルの位置に関する倍率の変化を調べたが、この場
合も図4(b) と同様に倍率は時間遅れを伴って変化す
る。この倍率変化特性を、レチクルRがレチクルホルダ
上に載置されている場合とそうでない場合についてそれ
ぞれ変動計算器20のメモリ中に数式化して記憶してお
く。
【0040】ここで、図4及び図5の場合の組み合わせ
として、レチクルRがレチクルステージRSTにより移
動しており且つレチクルRが途中でレチクルホルダから
外される場合の動作を想定する。この場合の温度変化を
図6(a) に示す。図中、RXはレチクルステージRST
の走査方向(X方向)の座標位置を示し、Rはレチクル
ホルダRH上のレチクルRの有無を示し、t0〜 t5 はレ
チクルRの走査の間の経過時間を示す。図中の温度は、
図4(a) 及び図5(a) よりレチクルRの位置及び有無に
基づいてプロットしてある。このような動作が行われる
場合の投影光学系PLの倍率を、前記数式化して記憶し
たレチクルRの有無における倍率の変化特性及びレチク
ルRの位置における倍率の変化特性を用いて、変動計算
器20にて予測計算した。その結果を図6(b) に示す。
ここで、変動計算器20は図5(b) の関係と変動特性を
記憶して逐次計算を行う。すなわち、判別器7によりレ
チクルRの有無を判別することによって、倍率の飽和値
(Mag.S)が図5(b)のM4 の曲線かまたはM5
曲線のいずれに従って変化するかを選択し、干渉計6の
座標(+x1 〜−x1 )より各位置での倍率の飽和値を
求める。そして、各位置において倍率が飽和値に向かっ
て変化するように変動計算し、解法することによって図
6(b) に示したような時間に対する倍率の変化を求める
ことができる。こうして得られた倍率変化を、実施例1
と同様に、大気圧変化や照明光吸収による倍率変化と加
算して、投影光学系PL全体としての倍率変化量を求め
る。その変化量を補償するだけの倍率変化を発生させる
ように結像特性制御系21を通じてレンズエレメント2
5を駆動して倍率を補正する。以上により、レチクルR
が走査方向に移動する走査型露光装置においても、レチ
クルRの位置及びレチクルRの有無に拘らず、倍率を常
に一定に保つことができる。
【0041】上記実施例では結像特性として倍率を例に
して説明したが、本発明ではこれに限らず、焦点位置、
ディストーション等についてもレチクルRの有無やレチ
クルRの走査方向位置に基づいて同様の手法で調整でき
る。焦点位置の調整手段として、ウエハWのZ方向の位
置を測定してウエハWのZ方向の位置決めをする、いわ
ゆる、オートフォーカス機構が知られている。本発明に
おいては、予め実験を行うかあるいはシュミレーション
によりレチクルRがレチクルホルダ上に存在する場合と
存在しない場合で焦点位置がどのように変化するかにつ
いてのデータを求めて変動計算機20に記憶させてお
く。実際の走査露光の際には、レチクルRの有無を判別
器7を通じて判別し、記憶されたデータに基づいてレチ
クルRの有無により焦点位置の変化量を計算し、目標値
にオフセットを加えるようにウエハをZ方向に移動する
ことで補正する。また、ディストーションの補正につい
ては、予め実験を行うかシュミレーションによりレチク
ルRがレチクルホルダ上に存在する場合と存在しない場
合でディストーションがどのように変化するかについて
のデータを求めて変動計算機中に記憶させておき、実際
の走査露光の際に、判別器7を通じて、記憶されたデー
タに基づいてディストーションの変化分を変動計算器2
0で予測計算し、その変化分を補正する。ディストーシ
ョンの補正は、例えば、特開平6−45217号公報に
開示されているように、両側テレセントリックな投影光
学系においてレチクルRと投影光学系PLの光路長を変
更することで実行することができる。この他、特開平4
−192317号に開示されているように、投影光学系
PL内のレンズエレメントを光軸AXの方向に駆動した
り、レンズエレメント間の空気圧力を変更する等の方法
によりディストーションを補正することができる。
【0042】上記焦点位置、ディストーションを補正例
においては、投影露光装置が走査型の場合には、レチク
ルRの走査方向の位置に基づいて変動計算を行って上記
のように補正することができる。また、走査型露光装置
の場合、図6に示したように、レチクルRの有無とレチ
クルRの走査方向位置に基づいて、焦点位置やディスト
ーションの変動計算を行い、前記と同様に補正すること
もできる。
【0043】本発明においては、レチクルRの有無及び
レチクルRの位置変化の際に生じる結像特性の変動のみ
ならず、投影光学系PLの光軸AXとウエハアライメン
ト系の光軸AX2の間隔を表す距離であるベースライン
の変動についても調整することができる。基本的には上
記と同様の操作に従って、レチクルRのレチクルホルダ
上での有無に応じた上記ベースラインdの変動特性を予
備実験あるいはシュミレーションにより求め、数式化し
てメモリに記憶しておく。そして、露光を一枚のウエハ
について重ね合わせて行う場合に、判別器7によりレチ
クルRの着脱時刻からベースラインの変化量を上記数式
により変動計算機で算出して、その変化量に基づいてベ
ースラインdを補正することができる。かかるベースラ
インdの補正は、ウエハステージを駆動して、ウエハの
重合わせマークで検出した座標にベースラインdの変動
分を考慮して位置合わせすることにより実行できる。
【0044】上記実施例では、予め記憶された結像特性
及びベースラインdの変化特性データに基づいて、補正
すべきそれらの変動量を実際の露光操作の間に変動計算
機20により逐時計算を行って予測していたが、変動量
が大きい場合や一層精度が要求される場合もあり得る。
そのような場合には、上記計算器による予測計算と、結
像特性等の実測を組合わせて上記補正を行うのが一層有
効である。以下に、投影光学系PLの倍率を、上記予測
計算と実測とを組み合わせて補正する例を示す。図7
に、投影光学系PLの倍率を実測するシステムの概要を
示す。このシステムでは、レチクルRに予め形成された
二つのマーク701,702の投影光学系Pによる像を
結像する光電センサ704を採用する。光電センサ70
4は、例えば、ウエハステージ上のウエハが載置されな
い部分にウエハの高さと同じ高さになるように設置する
ことができる。光電センサ704の上方にスリット70
3を配置する。そして、ウエハステージをレチクルRの
二つのマークが配列している方向に(例えば、走査方
向)移動させながら、レチクルRの二つのマーク701
と702を投影光学系PLを介して上記光電センサ70
4上に結像させる。二つのマークは、距離Lだけ離れて
いるものとし、二つのマークからの像を検出するために
移動したウエハステージの移動量lとすると、倍率はl
/Lで求めることができる。ウエハステージの移動量
は、干渉計9により測定できる。投影光学系PLの倍率
を実測する他の方法として、レチクルRのマーク像をウ
エハステージと同じ位置に配置させたCCDのような2
次元センサで拡大して観測したり、ウエハステージ側か
ら発光したパターンからレチクルRを介して受光する方
法等があり、いずれを使用してもよい。このような計測
を定期的に行うことによって、結像特性等を正確に補正
することができるが、計測のたびに露光動作を中断しな
ければならないのでスループットが低下することにな
る。このため前記のような予測計算を結像特性の実測と
を適宜組み合わせて実行することによって、精度とスル
ープットを同時に満足することができる。具体的には、
例えば、予測計算値が一定値を超えた場合に前記計測を
実行することできる。予測計算値が一定値を超えた場合
に、上記のような計測を行うようにディスプレイ等に表
示させることもできる。本実施例では、補正を行うこと
を前提としていたが、補正手段がない等の場合には、計
算により一定値(許容値)を超えて変化したときに、露
光動作を中止して、レチクルステージRSTを予め決め
られた位置(例えば、中央、あるいは投影光学系PLの
周囲温度が平均的な温度となる位置)へ移動し、温度が
安定するのを待ち、その後、変動量が計算により一定値
以内に低減すると露光を再開するという方法も採り得
る。
【0045】上記実施例では、レチクルステージRST
の移動により生ずる温度変化に伴う結像特性等の補正に
ついて説明を行ったが、ウエハステージWSTの移動に
よっても、投影光学系PLの下部の温度あるいはアライ
メント系のミラー17,18等の温度が変化して結像特
性やアライメント系のベースラインの変化が生じること
が考えられる。このような場合にも、本発明を適用して
ウエハステージWST位置に基づいて、結像特性及びベ
ースライン変化を補正することができる。すなわち、干
渉系9によりウエハステージWST位置に対する、結像
特性、例えば、倍率の変化の関係を、図5のような形で
予め測定して記憶しておく。そして、レチクルステージ
RSTの移動の場合と同様に時間遅れを計算によって求
め、レンズエレメントの移動等により結像特性の補正を
行うことができる。但し、ウエハステージWSTはレチ
クルステージRSTとは異なり、2次元的に移動するた
め、ウエハステージWST位置に対する投影光学系PL
の倍率の関係は3次元のグラフとなる。一方で、図5の
ようにレチクルRの有無により2種類のデータを持つ必
要はない。レチクルステージRST、ウエハステージ以
外にも、投影露光装置のチャンバ1内で移動することに
よって結像特性やアライメント系のベースラインに影響
を与える部材に対して、本発明を適用して結像特性等を
補正することができる。
【0046】本発明の投影露光装置において、特徴的な
構成機器は、判別器7、干渉計6、結像特性制御系2
1,25等であり、一般に、これらの機器は従来の投影
露光装置にも別の目的で装着されているため、投影露光
装置の一連の動作を管理する制御系のソフトウエアの変
更のみで従来の投影露光装置に本発明を適用することが
できるという利点がある。また、結像特性、アライメン
ト系のベースラインに限らず、投影露光装置の性能に関
係する要因が温度に応じて同様に変化するときも本発明
を適用することが可能である。例えば、ステージの基準
座標、直交度、アライメント光学系の焦点位置等が挙げ
られる。
【0047】また、レチクルRの有無の判別を、レチク
ルチャックのバキュームのオン/オフを検知して行うよ
うにしたが、例えば、レチクルをカセット(またはスト
ッカー)とレチクルステージとの間で搬送するレチクル
ローダの動作を検知して、またはレチクルアライメント
顕微鏡4によるレチクルマークの検出の有無に応じて判
別するようにしてもよい。また、この種の露光装置は予
め定められたプログラムに従って各種動作が制御される
ので、そのプログラムからレチクルの有無を判別するよ
うにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】以上、本発明によれば、マスクステージ
上のマスクの有無あるいは走査型露光装置においてマス
クステージの位置により生じる温度変化による結像特性
の変化あるいはアライメント系のベースラインの変化等
を計算により求め補正を行うことができる。従って、本
発明の投影露光装置は、温度安定化用の気流により装置
内の温度変化や温度分布が生じても感光基板上に結像さ
れる像に対する影響を最小にすることができる。また、
本発明の投影露光装置により露光を重ね合わせて行う場
合、装置内の温度分布がレチクルの有無やレチクルステ
ージの移動により生じても、重ね合わせ精度を高く維持
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の全体構成を示す図
である。
【図2】投影露光装置において、レチクルの有無による
気流の流れ及び熱の移動を概念的に表した図であり、
(a)はレチクルがレチクルホルダ上に載置されている
場合であり(b)はレチクルがレチクルホルダ上に存在
しない場合である。
【図3】レチクルステージが走査方向に移動する走査型
投影露光装置において、レチクルステージの位置によ
る、気流の流れ及び熱の移動を概念的に示した図であ
り、(a)はレチクルステージがアライメント系側に位
置している場合を示し、(b)はレチクルステージが
(a)における位置と反対側に位置する場合を示す。
【図4】レチクルの有無により投影光学系の温度及び倍
率がどのように変化するかを示した図であり、(a)は
レチクルの有無による周囲温度T1 及び投影光学系のレ
ンズ温度T2 の変化を示し、(b)はレチクルの有無に
よる投影光学系の倍率の変化を示す。
【図5】レチクルがレチクルホルダ上に有る場合とない
場合において、レチクルステージの走査方向位置により
投影光学系の周囲温度及び倍率がどのように変化するか
を示した図であり、(a)はレチクルステージの位置に
対する投影光学系の周囲温度の関係を示し、(b)はレ
チクルステージの位置に対する飽和倍率の関係をを示
す。
【図6】レチクルの有無及びレチクルステージ位置の変
化による投影光学系の倍率が経時的に変化する様子を示
した図であり、(a)はレチクルステージの位置に対す
る投影光学系の周囲温度の関係を示し、(b)は時間に
対する投影光学系の倍率の変化を示す。
【図7】本発明の実施例において、投影光学系の倍率を
実測するための装置の概略図である。
【符号の説明】
R レチクル W ウエハ RH レチクルホルダ RST レチクルステージ PL 投影光学系 4 レチクル顕微鏡 6 干渉計 7 レチクル判別器 19 メインコントローラ 20 変動計算器 21 結像特性制御系 26 大気圧センサ 701,702 レチクルマーク 703 光電センサ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクステージ上に載置されたマスクを
    照明光で照明して前記マスクのパターンの像を投影光学
    系を介して感光基板上に結像する投影露光装置におい
    て、 マスクステージ上のマスクの有無を判別する手段と、 前記判別されたマスクの有無に基づいて投影光学系の結
    像特性の変化量を求める演算手段と、 前記演算手段の演算結果に基づいて前記投影光学系の結
    像特性を補正する補正手段を備えたことを特徴とする上
    記投影露光装置。
  2. 【請求項2】 マスクステージ上に載置されたマスクを
    照明光で照明しながら前記マスク上の照明領域に対して
    前記マスクと感光基板とを同期して走査することにより
    前記マスクのパターンの像を投影光学系を介して前記感
    光基板上に結像する投影露光装置において、 前記マスクの走査方向の位置を検出するマスク位置検出
    手段と、 前記検出されたマスク位置に基づいて投影光学系の結像
    特性の変化量を求める演算手段と、 前記演算手段の演算結果に基づき前記投影光学系の結像
    特性を補正する補正手段を備えたことを特徴とする上記
    投影露光装置。
  3. 【請求項3】 前記マスクステージ上のマスクの有無を
    判別する手段をさらに備え、 前記演算手段が、前記判別されたマスクの有無と前記検
    出されたマスク位置に基づいて投影光学系の結像特性の
    変化量を求めることを特徴とする請求項2に記載の投影
    露光装置。
  4. 【請求項4】 前記投影光学系の結像特性を実測する手
    段をさらに備え、 前記補正手段が、前記実測された結像特性及び前記演算
    手段により演算された結像特性の変化量に基づいて投影
    光学系の結像特性を補正することを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  5. 【請求項5】 前記結像特性が、像倍率、ディストーシ
    ョン及び焦点位置から選ばれる少なくとも一種であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の投
    影露光装置。
  6. 【請求項6】 前記結像特性が像倍率であり且つ前記補
    正手段が投影光学系のレンズエレメントを駆動する手段
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に
    記載の投影露光装置。
  7. 【請求項7】 マスクステージ上に載置されたマスクを
    照明光で照明して前記マスクのパターンの像を投影光学
    系を介して感光基板上に結像する投影露光装置におい
    て、 前記感光基板上の位置合わせマークを検出するマーク検
    出手段と、 マスクステージ上のマスクの有無を判別する手段と、 前記判別されたマスクの有無に基づいてマーク検出手段
    の基準位置の変化量を求める演算手段と、 前記演算手段の演算結果に基づいて前記マーク検出手段
    の基準位置を補正する補正手段を備えたことを特徴とす
    る上記投影露光装置。
  8. 【請求項8】 マスクステージ上に載置されたマスクを
    照明光で照明しながら上記マスク上の照明領域に対して
    前記マスクと感光基板とを同期して走査することにより
    前記マスクのパターンの像を投影光学系を介して感光基
    板上に結像する投影露光装置において、 前記感光基板上の位置合わせマークを検出するマーク検
    出手段と、 前記マスクの走査方向位置を検出するマスク位置検出手
    段と、 前記検出されたマスク位置に基づいて前記マーク検出手
    段の基準位置の変化量を求める演算手段と、 前記演算手段の演算結果に基づき前記マーク検出手段の
    基準位置を補正する補正手段を備えたことを特徴とする
    上記投影露光装置。
  9. 【請求項9】 前記マスクステージ上のマスクの有無を
    判別する手段をさらに備え、 前記演算手段が、前記判別されたマスクの有無と前記検
    出されたマスク位置に基づいて検出光学系の基準位置の
    変化量を求めることを特徴とする請求項8に記載の投影
    露光装置。
  10. 【請求項10】 上記投影露光装置が、温度安定化のた
    めに気体を上記投影光学系の光軸に平行に流動させる投
    影露光装置であることを特徴とする請求項1〜9のいず
    れか一項に記載の投影露光装置。
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