JP2010040629A - 露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度制御対象の個数に比べて冷却機構の個数を少なくして、かつ高精度に複数の温度制御対象に対して局所的な温度制御を行う。
【解決手段】照明光でレチクルを介してウエハを露光する露光装置において、所定温度よりも低い温度の空気A1を送風する空調部46と、空気A1が分岐して供給される複数の分岐管48A〜48Cと、分岐管48A〜48Cからの空気A2〜A4をそれぞれ加熱する複数の加熱装置49A〜49Cと、加熱装置49A〜49Cで加熱された空気をそれぞれ温度制御対象領域に供給するダクト18R,18W,18Pとを備える。
【選択図】図3
【解決手段】照明光でレチクルを介してウエハを露光する露光装置において、所定温度よりも低い温度の空気A1を送風する空調部46と、空気A1が分岐して供給される複数の分岐管48A〜48Cと、分岐管48A〜48Cからの空気A2〜A4をそれぞれ加熱する複数の加熱装置49A〜49Cと、加熱装置49A〜49Cで加熱された空気をそれぞれ温度制御対象領域に供給するダクト18R,18W,18Pとを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、温度制御技術を用いる露光技術に関し、例えば半導体デバイスや液晶ディスプレイ等の各種デバイスを製造する際に使用される露光装置の複数の領域の温度制御を行う場合に好適なものである。また、本発明はそのような露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
例えば半導体デバイス(電子デバイス、マイクロデバイス)の製造工程の一つであるリソグラフィ工程においては、レチクル(又はフォトマスク等)に形成されているパターンをレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写露光するために、ステッパ等の一括露光型(静止露光型)の投影露光装置又はスキャニングステッパ等の走査露光型の投影露光装置などの露光装置が使用されている。
露光装置において、照明光学系の照明特性及び投影光学系の結像特性を所定の状態に維持し、かつレチクル、投影光学系、及びウエハの位置関係を所定の関係に維持して高い露光精度(位置決め精度、同期精度等)で露光を行うためには、レチクルステージ及びウエハステージの温度、並びに照明特性及び結像特性に影響する光学部材の温度を目標とする温度範囲内に維持する必要がある。そのため、従来より、露光装置の照明光学系、レチクルステージ、投影光学系、及びウエハステージは、箱型のチャンバ内に設置され、チャンバ内には、所定温度に制御されて、かつ防塵フィルタを通過した清浄な空気がダウンフロー方式で供給されている。
最近では、そのチャンバ内に設置される機構の中でも特に高い温度制御精度が要求される部分、例えばステージの位置計測を行うレーザ干渉計の計測用ビームの光路には、さらに高度に温度制御された空気をダウンフロー及び/又はサイドフロー方式で供給する局所的な温度制御も行われている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2006/028188号パンフレット
従来の露光装置では、チャンバ内の局所的な温度制御を行うための空気も、チャンバ全体にダウンフロー方式で供給される空気と同様に、それぞれ外気から取り込んだ空気及び/又はチャンバ内を流れた後に回収された空気を例えば冷媒を用いる冷却機構及び防塵フィルタに通して生成されていた。
しかしながら、今後、露光精度をより高めるために、チャンバ内で局所的な温度制御を行う部分の数が増加したような場合に、各部分毎にそれぞれ冷媒を用いる冷却機構を使用して温度制御を行うものとすると、温度制御機構が全体として大型化する。さらに、各冷却機構にはそれぞれ廃熱機構が必要であるため、温度制御機構が複雑化するとともに、温度の制御精度をさらに高めるのが困難である。
しかしながら、今後、露光精度をより高めるために、チャンバ内で局所的な温度制御を行う部分の数が増加したような場合に、各部分毎にそれぞれ冷媒を用いる冷却機構を使用して温度制御を行うものとすると、温度制御機構が全体として大型化する。さらに、各冷却機構にはそれぞれ廃熱機構が必要であるため、温度制御機構が複雑化するとともに、温度の制御精度をさらに高めるのが困難である。
本発明は斯かる点に鑑み、対象領域の個数に比べて冷却機構の個数を少なくして、かつ高精度に複数の対象領域の局所的な温度制御を行うことが可能な露光技術及びこの露光技術を用いるデバイス製造技術を提供することを目的とする。
本発明による露光方法は、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターンを介して物体を露光する露光方法において、所定温度よりも低い温度に制御された気体を送風する送風工程と、その気体を複数の送風路に分岐する分岐工程と、複数のその送風路上の気体をそれぞれ加熱する加熱工程と、その加熱された気体をそれぞれ温度制御対象領域に供給する供給工程と、を含むものである。
また、本発明による露光装置は、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターンを介して物体を露光する露光装置において、所定温度よりも低い温度に制御された気体を送風する送風機と、その送風機から送風される気体が分岐して供給される複数の送風路と、複数のその送風路からの気体をそれぞれ加熱する複数の加熱室と、複数のその加熱室で加熱された気体をそれぞれ温度制御対象領域に供給する複数の供給路と、を備えるものである。
また、本発明によるデバイス製造方法は、本発明の露光方法又は露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成された基板を処理することと、を含むものである。
本発明によれば、冷却機構はその送風機のみが備えていればよい。また、複数の温度制御対象領域用の気体はそれぞれ加熱室で温度を上昇させて生成されるとともに、各加熱室には廃熱機構を設ける必要がないため、複数の温度制御対象領域に対してそれぞれ高精度に局所的な温度制御を行うことができる。
以下、本発明の好ましい実施形態の一例につき図1〜図6を参照して説明する。本実施形態は、スキャニングステッパ(スキャナー)よりなる走査露光型の投影露光装置(走査型露光装置)の温度制御を行う場合に本発明を適用したものである。
図1は、本実施形態の露光装置10を示す一部を切り欠いた図である。図1において、露光装置10は、例えば半導体デバイス製造工場のクリーンルーム内の床FL上に設置されている。露光装置10は、露光用の照明光EL(露光光)を発生する光源部4と、照明光ELでレチクルR(マスク)を照明する照明光学系ILSと、レチクルRを吸着保持して移動するレチクルステージRSTと、レチクルRのパターンの像をウエハW(基板)上に投影する投影光学系PLとを備えている。さらに、露光装置10は、ウエハWを吸着保持して移動するウエハステージWSTと、露光装置10の動作を統括的に制御するコンピュータよりなる主制御装置20を含む制御系(図2参照)と、その他の駆動機構、支持機構、及びセンサ類等と、照明光学系ILS、レチクルステージRST、投影光学系PL、及びウエハステージWST等を収納する箱型のチャンバ2とを備えている。なお、主制御装置20は、チャンバ2の外側に配置されている。
図1は、本実施形態の露光装置10を示す一部を切り欠いた図である。図1において、露光装置10は、例えば半導体デバイス製造工場のクリーンルーム内の床FL上に設置されている。露光装置10は、露光用の照明光EL(露光光)を発生する光源部4と、照明光ELでレチクルR(マスク)を照明する照明光学系ILSと、レチクルRを吸着保持して移動するレチクルステージRSTと、レチクルRのパターンの像をウエハW(基板)上に投影する投影光学系PLとを備えている。さらに、露光装置10は、ウエハWを吸着保持して移動するウエハステージWSTと、露光装置10の動作を統括的に制御するコンピュータよりなる主制御装置20を含む制御系(図2参照)と、その他の駆動機構、支持機構、及びセンサ類等と、照明光学系ILS、レチクルステージRST、投影光学系PL、及びウエハステージWST等を収納する箱型のチャンバ2とを備えている。なお、主制御装置20は、チャンバ2の外側に配置されている。
また、露光装置10は、チャンバ2の内部全体の空調を行うための全体空調システムを備えている。この全体空調システムは、チャンバ2の上部の多数の開口2aを通してチャンバ2内に温度制御されて防塵フィルタ(HEPAフィルタ、ULPAフィルタ等)を通過した清浄な空気(例えばドライエアー)をダウンフロー方式で供給する主空調装置8と、この動作を制御する主空調制御系35(図2参照)とを備えている。一例としてチャンバ2内を流れた空気は、チャンバ2の底面の床FLに設けられた多数の開口(不図示)を通して床下の配管(不図示)に流れ、その配管内の空気は、主空調装置8の気体回収部に戻されて再利用される。
以下、図1において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に垂直にX軸を、図1の紙面に平行にY軸を取って説明する。本実施形態では、走査露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向はY軸に平行な方向(Y方向)である。また、X軸、Y軸、Z軸の周りの回転方向をθx、θy、θz方向とも呼ぶ。
先ず、チャンバ2の外側の床FL上に設置された光源部4は、照明光ELとしてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を発生するレーザ光源(露光光源)と、その照明光ELを照明光学系ILSに導くビーム送光光学系と、照明光ELの断面形状を所定形状に成形するビーム成形光学系とを備えている。光源部4の照明光ELの射出端は、チャンバ2の+Y方向の側面上部の開口を通してチャンバ2内に配置されている。なお、露光光源としては、KrFエキシマレーザ光源(波長248nm)などの紫外パルスレーザ光源、YAGレーザの高調波発生光源、固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波発生装置、又は水銀ランプ(i線等)なども使用できる。
先ず、チャンバ2の外側の床FL上に設置された光源部4は、照明光ELとしてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を発生するレーザ光源(露光光源)と、その照明光ELを照明光学系ILSに導くビーム送光光学系と、照明光ELの断面形状を所定形状に成形するビーム成形光学系とを備えている。光源部4の照明光ELの射出端は、チャンバ2の+Y方向の側面上部の開口を通してチャンバ2内に配置されている。なお、露光光源としては、KrFエキシマレーザ光源(波長248nm)などの紫外パルスレーザ光源、YAGレーザの高調波発生光源、固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波発生装置、又は水銀ランプ(i線等)なども使用できる。
また、チャンバ2内の上部に配置された照明光学系ILSは、例えば特開2001−313250号公報(対応する米国特許出願公開第2003/0025890号明細書)などに開示されるように、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)、回折光学素子など)等を含む照度均一化光学系、レチクルブラインド(いずれも不図示)、コンデンサ光学系、及び光路折り曲げミラー等の複数の光学部材を備えている。これらの光学部材は照明系鏡筒6内に支持されている。照明光学系ILSは、レチクルブラインドで規定されたレチクルR上のX方向に細長いスリット状の照明領域を照明光ELによりほぼ均一な照度で照明する。
レチクルRに形成されたパターン領域のうち、照明領域内のパターンの像は、両側テレセントリックで投影倍率βが縮小倍率(例えば1/4)の投影光学系PLを介してレジスト(感光材料)が塗布されたウエハW上に結像投影される。一例として、投影光学系PLの視野直径は27〜30mm程度である。
また、図1のチャンバ2内の床FL上に、複数の台座11を介して下部フレーム12が設置され、下部フレーム12の中央部に平板状のベース部材13が固定され、ベース部材13上に例えば3箇所(又は4箇所等)の防振台14を介して平板状のウエハベースWBが支持され、ウエハベースWBのXY平面に平行な上面にエアベアリングを介してウエハステージWSTがX方向、Y方向に移動可能に、かつθz方向に回転可能に載置されている。また、下部フレーム12の上端に、ウエハベースWBを囲むように配置された例えば3箇所(又は4箇所等)の防振台15を介して光学系フレーム16が支持されている。光学系フレーム16の中央部の開口に投影光学系PLが配置され、光学系フレーム16上に投影光学系PLを囲むように上部フレーム17が固定されている。防振台14及び15は、一例としてエアダンパとボイスコイルモータ等の電磁式ダンパとを組み合わせた能動型の防振装置である。防振台14,15とこれらの制御系(不図示)とを含むシステムは、それぞれ能動型振動分離システムであるAVIS(Active Vibration Isolation System) を構成している。
また、図1のチャンバ2内の床FL上に、複数の台座11を介して下部フレーム12が設置され、下部フレーム12の中央部に平板状のベース部材13が固定され、ベース部材13上に例えば3箇所(又は4箇所等)の防振台14を介して平板状のウエハベースWBが支持され、ウエハベースWBのXY平面に平行な上面にエアベアリングを介してウエハステージWSTがX方向、Y方向に移動可能に、かつθz方向に回転可能に載置されている。また、下部フレーム12の上端に、ウエハベースWBを囲むように配置された例えば3箇所(又は4箇所等)の防振台15を介して光学系フレーム16が支持されている。光学系フレーム16の中央部の開口に投影光学系PLが配置され、光学系フレーム16上に投影光学系PLを囲むように上部フレーム17が固定されている。防振台14及び15は、一例としてエアダンパとボイスコイルモータ等の電磁式ダンパとを組み合わせた能動型の防振装置である。防振台14,15とこれらの制御系(不図示)とを含むシステムは、それぞれ能動型振動分離システムであるAVIS(Active Vibration Isolation System) を構成している。
また、光学系フレーム16の底面の+Y方向の端部にY軸のレーザ干渉計21WYが固定され、その底面の+X方向の端部にX軸のレーザ干渉計(不図示)が固定されている。これらの干渉計よりなるウエハ干渉計21W(図2参照)は、それぞれウエハステージWSTの側面の反射面(又は移動鏡)に複数軸の計測用ビームを照射して、例えば投影光学系PLの側面の参照鏡(不図示)を基準として、ウエハステージWSTのX方向、Y方向の位置を複数箇所で計測し、計測値を図2の主制御装置20を介してウエハステージ駆動系22Wに供給する。これらの計測値に基づいてウエハステージWSTのθx、θy、θz方向の回転角も求められる。
また、図1の光学系フレーム16の底面には、ウエハW上のアライメントマークの位置を計測するオフアクシスの画像処理方式のアライメント系AL、及びウエハW上の複数の計測点でZ方向の位置(フォーカス位置)を斜入射方式で光学的に計測する照射系25aと受光系25bとを含むオートフォーカスセンサ(以下、AFセンサという)25(図2参照)が固定されている。アライメント系ALの画像信号を図2の信号処理系27で処理することによって被検マークの位置情報が求められ、この位置情報が主制御装置20に供給され、この位置情報に基づいて主制御装置20はウエハWのアライメントを行う。また、AFセンサ25の検出信号を信号処理系26で処理することによって求められるウエハW上の計測点のフォーカス位置の情報が、主制御装置20を介してウエハステージ駆動系22Wに供給される。
ウエハステージ駆動系22Wは、ウエハ干渉計21Wの計測値及び主制御装置20からの制御情報に基づいてリニアモータ24等を含む駆動機構を介してウエハステージWSTのX方向、Y方向の位置及び速度等を制御するとともにθz方向の回転角を制御する。さらにウエハステージ駆動系22Wは、AFセンサ25を介して計測されるフォーカス位置の情報に基づいて、ウエハステージWST内のZ駆動部を介してウエハWの表面が投影光学系PLの像面に合焦されるように、ウエハWのZ方向の位置、及びθx方向、θy方向の回転角を制御する。
ウエハステージWST内には、レチクルRのアライメントマークの投影光学系PLによる像の位置を計測する空間像計測系(不図示)も備えられている。この空間像計測系の計測値に基づいて主制御装置20はレチクルRのアライメントを行う。
一方、上部フレーム17の+Y方向の上部に、照明光学系ILSの照系明鏡筒6が固定されている。さらに、上部フレーム17のXY平面に平行な上面にエアベアリングを介してレチクルステージRSTがY方向に定速移動可能に載置されている。レチクルステージRSTは、上部フレーム17の上面でX方向への移動、及びθz方向への回転も可能である。
一方、上部フレーム17の+Y方向の上部に、照明光学系ILSの照系明鏡筒6が固定されている。さらに、上部フレーム17のXY平面に平行な上面にエアベアリングを介してレチクルステージRSTがY方向に定速移動可能に載置されている。レチクルステージRSTは、上部フレーム17の上面でX方向への移動、及びθz方向への回転も可能である。
また、上部フレーム17の上面の+Y方向の端部にY軸のレーザ干渉計21RYが固定され、その上面の+X方向の端部にX軸のレーザ干渉計(不図示)が固定されている。これらの干渉計よりなるレチクル干渉計21R(図2参照)は、それぞれレチクルステージRSTに設けられた移動鏡(又は反射面)に複数軸の計測用ビームを照射して、例えば投影光学系PLの側面の参照鏡(不図示)を基準として、レチクルステージRSTのX方向、Y方向の位置を複数箇所で計測し、計測値を図2の主制御装置20を介してレチクルステージ駆動系22Rに供給する。これらの計測値に基づいてレチクルステージRSTのθz、θx、θy方向の回転角も求められる。レチクルステージ駆動系22Rは、レチクル干渉計21Rの計測値及び主制御装置20からの制御情報に基づいてリニアモータ23等を含む駆動機構を介してレチクルステージRSTのY方向の速度及び位置、並びにX方向の位置及びθz方向の回転角等を制御する。
本実施形態において、ウエハステージ駆動系22W及びレチクルステージ駆動系22Rは、一例として、−Y方向の防振台15の近傍で光学系フレーム16に支持されている箱状の制御ボックス30内にまとめて配置されている。なお、制御ボックス30は、例えば+Y方向の防振台15の近傍等に配置してもよく、さらに上部フレーム17等で支持してもよい。この場合、図2のAFセンサ25及びアライメント系AL用の信号処理系26,27等の熱源となる可能性のある他の装置も制御ボックス30内に配置してもよい。さらに、制御ボックス30を複数の小型のボックスに分けてもよい。
また、本実施形態の露光装置10が液浸型である場合には、投影光学系PLの下端の光学部材の下面に例えばリング状のノズルヘッド(不図示)が配置され、図2の液体供給装置28から不図示の配管及びそのノズルヘッドを介してその光学部材とウエハWとの間の局所的な液浸領域に所定の液体(純水等)が供給される。その液浸領域の液体は不図示の配管を介して図2の液体回収装置29によって回収される。そのノズルヘッド、液体供給装置28、及び液体回収装置29を含む液浸機構としては、例えば国際公開第2004/053955号パンフレット、欧州特許出願公開第1420298号明細書、又は国際公開第2005/122218号パンフレット等に開示されている液浸機構を使用できる。なお、露光装置10がドライ型である場合には、その液浸機構を備える必要はない。
また、図1のチャンバ2の例えば−Y方向の側面方向にレチクルローダ系(不図示)及びウエハローダ系(不図示)が配置されている。レチクルローダ系及びウエハローダ系はチャンバ2とは別に空調が行われているサブチャンバ(不図示)内に設置され、レチクルローダ系及びウエハローダ系はそれぞれチャンバ2の側面の開口(不図示)を通してレチクルR及びウエハWの交換を行う。
そして、図1の露光装置10の露光時には、先ずレチクルR及びウエハWのアライメントが行われる。その後、レチクルRへの照明光ELの照射を開始して、レチクルRのパターンの一部の投影光学系PLを介した像をウエハW上の一つのショット領域に投影しつつ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを投影光学系PLの投影倍率βを速度比としてY方向に同期して移動(同期走査)する走査露光動作によって、そのショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。その後、照明光ELの照射を停止して、ウエハステージWSTを介してウエハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作と、上記の走査露光動作とを繰り返すことによって、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の全部のショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。
次に、本実施形態の露光装置10は、照明光学系ILSの照明特性(コヒーレンスファクタ(σ値)、照度均一性等)及び投影光学系の結像特性(解像度等)を所定の状態に維持し、かつレチクルR、投影光学系PL、及びウエハWの位置関係を所定の関係に維持して高い露光精度(位置決め精度、同期精度等)で露光を行うために、チャンバ2の内部に温度制御された清浄な空気をダウンフロー方式で供給する主空調装置8を含む全体空調システムを備えている。さらに、露光装置10は、以下の高い温度制御精度が要求される領域(部分)の温度を制御するための局所空調システムを備えている。
即ち、チャンバ2の例えば上部(床下等でもよい)に、ほぼ所定の温度範囲に制御されて、防塵フィルタ(HEPAフィルタ、ULAPフィルタ等)を通した空気である空調用空気(例えばドライエアー)が供給される空調空気供給管40が配置されている。なお、空調空気供給管40を使用することなく、主空調装置8内から分岐した空調用空気、又はチャンバ2内をダウンフロー方式で床FL側に流れた空気の一部を不図示の配管及び防塵フィルタを介して取り込んでもよい。
また、空調空気供給管40から取り込んだ空気の温度をより高精度に制御する局所空調装置41が設けられている。局所空調装置41で高度に温度制御された清浄な3系統の空気が、第1ダクト18R、第2ダクト18W、及び第3ダクト18Pを介してそれぞれチャンバ2内の照明光学系ILSの照明系鏡筒6の底面の吹き出し部19R、光学系フレーム16の底面の吹き出し部19W、及びレチクルステージRSTの底面と投影光学系PLとの間の空間に導かれている。局所空調装置41の温度制御動作は、図2の局所空調制御系36によって制御される。
この場合、吹き出し部19R及び19Wは、それぞれレチクルステージRST用のY軸のレーザ干渉計21RY及びウエハステージWST用のY軸のレーザ干渉計21WYの計測用ビームの光路上に配置されている。吹き出し部19R,19Wは、それぞれダクト18R,18Wから導かれる温度制御された空気AR,AWを、均一な風速分布で計測用ビームの光路上にダウンフロー方式で吹き出す。なお、空気AR,AWをサイドフロー方式で吹き出すことも可能である。同様に、X軸のレーザ干渉計の計測用ビームの光路にも温度制御された空気が局所的に供給される。これによって、レチクル干渉計21R及びウエハ干渉計21WによってレチクルステージRST及びウエハステージWSTの位置を高精度に計測できる。
さらに、第3ダクト18Pの先端部(吹き出し口)は、上部フレーム17に設けられた開口を通して、投影光学系PLの上端近傍に配置されている。第3ダクト18Pからは、レチクルRと投影光学系PLとの間の照明光ELの光路上に温度制御された空気APがサイドフロー方式で送風される。これによって、レチクルRのパターンの像の結像特性が高精度に維持される。
チャンバ2内に主空調装置8からダウンフローで供給される空気の設定温度(例えば20〜25℃内の所定の温度)TM0に対して、ダクト18R,18W,18Pから供給される空気AR,AW,APの設定温度(目標温度)T01,T02,T03は一例として同じ温度に設定されている。ただし、設定温度TM0と設定温度T01〜T03とが或る程度異なる場合も考えられる。この場合には、設定温度T01〜T03が互いに或る程度異なることもある。また、主空調装置8から供給される空気の温度の設定温度TM0に対する許容範囲(制御精度)に比べて、空気AR,AW,APの温度の設定温度T01,T02,T03に対する許容範囲ΔT1,ΔT2,ΔT3は狭く(より高精度に)設定されている。また、許容範囲ΔT1,ΔT2,ΔT3は互いに異なっていてもよく、例えば許容範囲ΔT1,ΔT2は許容範囲ΔT3に比べて狭く(より高精度に)設定されている。これによって、チャンバ2内の露光装置のレーザ干渉計の計測用ビームの光路及び照明光ELの光路を含む領域の温度の制御精度を高めることができ、露光精度等を高めることができる。
以下、局所空調装置41の構成につき図3〜図5を参照して詳細に説明する。
図3は、局所空調装置41の構成を示すブロック図である。図3において、局所空調装置41は、圧縮空気供給管42と連結された空調部46を備えている。空調部46は、冷媒を用いて空気を冷却する冷却機構、ヒータを用いて空気を加熱する加熱機構、空気から微小な異物を除去する防塵フィルタ、供給される空気の温度を計測する内蔵温度センサ、及び制御系を備えている。空調部46は、圧縮空気供給管42から取り込まれた空気を所定温度まで冷却し、さらに防塵フィルタを通して得られる空気A1を配管47に供給する。配管47内には空気A1の温度を計測する温度センサ55Mが設置され、空調部46内の制御系は、局所空調制御系36からの制御情報、上記の内蔵温度センサ、及び温度センサ55Mの計測値に基づいて、空気A1の温度を上記の空気AR,AW,APの設定温度T01,T02,T03のうちの最低値よりも低い温度(所定温度)に制御する。
図3は、局所空調装置41の構成を示すブロック図である。図3において、局所空調装置41は、圧縮空気供給管42と連結された空調部46を備えている。空調部46は、冷媒を用いて空気を冷却する冷却機構、ヒータを用いて空気を加熱する加熱機構、空気から微小な異物を除去する防塵フィルタ、供給される空気の温度を計測する内蔵温度センサ、及び制御系を備えている。空調部46は、圧縮空気供給管42から取り込まれた空気を所定温度まで冷却し、さらに防塵フィルタを通して得られる空気A1を配管47に供給する。配管47内には空気A1の温度を計測する温度センサ55Mが設置され、空調部46内の制御系は、局所空調制御系36からの制御情報、上記の内蔵温度センサ、及び温度センサ55Mの計測値に基づいて、空気A1の温度を上記の空気AR,AW,APの設定温度T01,T02,T03のうちの最低値よりも低い温度(所定温度)に制御する。
配管47には分岐管48A,48B,48Cが連結され、空気A1から分かれた空気A2,A3,A4がそれぞれ分岐管48A,48B,48Cを介して第1、第1、及び第3の同じ構成の加熱装置49A,49B,49Cに供給される。分岐管48A,48B,48C内にはそれぞれ空気A2,A3,A4の温度を計測する温度センサ55A,55B,55Cが設置されている。温度センサ55A〜55Cとしては、通常の白金測温抵抗体方式のセンサ(抵抗温度計)、熱電対、又はサーミスタ等を使用できる。加熱装置49A〜49Cは、それぞれ筒状の断熱材で囲まれた気密室(空気の給気口及び排気口のみが開口となっている容器)内に、1枚又は複数枚のシートヒータ50を配置したものであり、シートヒータ50によって空気A2,A3,A4はそれぞれ対応する設定温度T01,T02,T03の近傍まで加熱される。
図4は、図3中の加熱装置49Aを示す斜視図である。図4において、加熱装置49Aの気密室内に供給される空気A2を通すように、3段の熱交換部57が設置され、3段の熱交換部57の間に2枚のシートヒータ50が設置されている。その気密室の4つの側面49A1〜49A4は断熱材で覆われている。熱交換部57は、それぞれ空気A2との接触面積が大きくなるように、断面形状が波型の熱伝導率が良好な材料からなる複数段(図4では2段)のコルゲーション57a(波型部材)を張り合わせた構造である。なお、熱交換部57の個数は任意であり、熱交換部57の個数をn(nは2以上の整数)とすると、それらの間に配置されるシートヒータ50の枚数は(n−1)となる。このように、シートヒータ50によってそれぞれ両側の熱交換部57を加熱し、このように加熱された複数の熱交換部57に空気A2を通すことによって、空気A2が均一に所望の温度まで加熱され、温度制御された空気ARとなって排気される。
図3に戻り、加熱装置49A,49B,49Cにはそれぞれ同一構成の送風部51A,51B,51Cが連結され、送風部51A,51B,51Cにはそれぞれダクト18R,18W,18Pが連結されている。送風部51A〜51Cは、それぞれ筒状の断熱材で囲まれた気密室(加熱装置49A〜49Cとダクト18R〜18Pとの境界部のみが開口となっている容器)内に、加熱装置49A〜49C側から順に、複数個の送風ファン52と、内部の空気の温度を計測する温度センサ56A,56B等と、多数の小さい通気孔が形成された平板状のメッシュ部材53とを配置したものである。温度センサ56A,56Bとしては、温度センサ55A〜55Cと同様に、白金測温抵抗体方式のセンサ、熱電対、又はサーミスタ等を使用できる。ただし、加熱後の空気AR,AW,APの温度の計測精度を高くするために、本実施形態では温度センサ56A,56B等として白金測温抵抗体方式のセンサを使用する。
図5(A)は、図3中の温度センサ56Aの構成例を示す図、図5(B)は、図5(A)の温度センサ56Aを示す平面図である。図5(A)において、温度センサ56Aは、白金測温抵抗体よりなる巻線59を3個の巻線部に分け、各巻線部をそれぞれ絶縁体よりなる細長い保護部材58A,58B,58Cで覆ったものである。また、巻線59の一方の1対の端子59A,59B及び他方の1対の端子59C,59に計測回路(不図示)が接続される。このように白金測温抵抗体を複数(3つ)の保護部材58A〜58Cで覆われた部分に分けることによって、熱放射定数が見かけ上増加して、巻線59の温度上昇が抑制されるため、自己発熱による計測誤差を抑えることができるので、空気ARの温度を高精度に計測できる。また、保護部材58A〜58Cの長手方向は、空気ARが流れる方向に平行に設定されている。従って、空気ARの流れを阻害することなく、空気ARの温度を高精度に計測できる。
なお、温度センサ56Aの巻線59は、図5(C)に示すように、保護部材58A〜58Dで覆われる4個の巻線部、又はこれ以上の個数の巻線部に分けてもよい。図5(C)の保護部材58A〜58Dは、実際には図5(D)の平面図に示すように、ほぼ正方形の頂点に位置するように配置することが好ましい。このように巻線59の分割数を増加するほど、巻線59の温度上昇が抑制されて、高精度に空気ARの温度を計測できる。
図3に戻り、温度センサ55A〜55C,56A,56B等の計測値は局所空調制御系36に供給される。局所空調制御系36は、それらの計測値及び主制御装置20から供給される制御情報(空気AR,AW,APの設定温度T01,T02,T03、及び許容範囲ΔT1,ΔT2,ΔT3等)に基づいて、加熱装置49A〜49C内のシートヒータ50の電流値(発熱量)を制御する。また、送風ファン52は、例えば局所空調装置41の空調動作時には自動的に所定の回転数で、空気AR等をダクト18R等の方向に送風する。
次に、図3の局所空調装置41の空調動作の一例につき図6のフローチャートを参照して説明する。この動作は露光装置10の露光動作と並行して実行されるとともに、局所空調制御系36によって制御される。
先ず、図6のステップ101において、空調部46は、空調空気供給管40から空気を取り込み、取り込んだ空気を、空気AR,AW,APの設定温度T01,T02,T03よりも低い温度に冷却し、冷却された空気A1を配管47に供給する。このステップ101の動作は、配管47からの空気A1の排出量を補うように連続的に実行される。さらに、空調動作開始時には、加熱装置49A〜49C内のシートヒータ50の電流値は、例えば可変範囲の中央に設定される。この後のステップ102〜106の動作、ステップ112〜116の動作、及びステップ121の動作は、実質的に並行に実行される。
先ず、図6のステップ101において、空調部46は、空調空気供給管40から空気を取り込み、取り込んだ空気を、空気AR,AW,APの設定温度T01,T02,T03よりも低い温度に冷却し、冷却された空気A1を配管47に供給する。このステップ101の動作は、配管47からの空気A1の排出量を補うように連続的に実行される。さらに、空調動作開始時には、加熱装置49A〜49C内のシートヒータ50の電流値は、例えば可変範囲の中央に設定される。この後のステップ102〜106の動作、ステップ112〜116の動作、及びステップ121の動作は、実質的に並行に実行される。
即ち、先ず加熱装置49Aの給気口付近の温度センサ55Aで空気A2の温度T11を計測し(ステップ102)、加熱装置49B側の温度センサ55Bで空気A3の温度T12を計測する(ステップ112)。その後、加熱装置49Aに続く送風部51A内の温度センサ56Aで空気ARの温度T21を計測し(ステップ103)、温度センサ56Bで送風部51B内の空気AWの温度T22を計測する(ステップ113)。
次に、計測された温度T21、T22がそれぞれ設定温度T01、T02に対して許容範囲ΔT1、ΔT2内かどうかを判定する(ステップ104及び114)。そして、ステップ104で温度T21がその許容範囲ΔT1内である場合には、加熱装置49A内のシートヒータ50の電流値をそれまでの値に維持してステップ106に移行して、加熱装置49Aで加熱されて温度制御された空気ARを、送風部51A、第1ダクト18R、及び吹き出し部19Rを介して図1のレーザ干渉計21RYの光路に送風する。同様に、ステップ114で温度T22がその許容範囲ΔT2内である場合には、加熱装置49B内のシートヒータ50の電流値をそれまでの値に維持してステップ116に移行して、加熱装置49Bで加熱されて温度制御された空気AWを、送風部51B、第2ダクト18W、及び吹き出し部19Wを介して図1のレーザ干渉計21WYの光路に送風する。
一方、ステップ104において、温度T21がその許容範囲ΔT1内にない場合には、ステップ105に移行して、温度差(T21−T11)及び設定温度に対する空気ARの温度誤差(T01−T21)に応じて、温度誤差(T01−T21)が小さくなるように加熱装置49Aのシートヒータ50の電流値を増減する。一例として、それまでの電流値をIpとして、入力時の温度T11と設定温度T01との差分(T01−T11>0)を求める。そして、加熱装置49Aへの入力時と出力時との温度差(T21−T11>0)、及びその差分(T01−T11)を用いると、加熱装置49A内のシートヒータ50の更新後の電流値Inは、例えば次のようになる。
In=Ip(T01−T11)/(T21−T11) …(1)
その後、動作はステップ106に移行する。そして、ステップ102〜106の動作が繰り返して実行される。
同様に、ステップ114において、温度T22がその許容範囲ΔT2内にない場合には、ステップ115に移行して、温度差(T22−T12)及び空気AWの温度誤差(T02−T22)に応じて、温度誤差(T02−T22)が小さくなるように加熱装置49Bのシートヒータ50の電流値を増減する。その後、動作はステップ116に移行する。そして、ステップ112〜116の動作が繰り返して実行される。
その後、動作はステップ106に移行する。そして、ステップ102〜106の動作が繰り返して実行される。
同様に、ステップ114において、温度T22がその許容範囲ΔT2内にない場合には、ステップ115に移行して、温度差(T22−T12)及び空気AWの温度誤差(T02−T22)に応じて、温度誤差(T02−T22)が小さくなるように加熱装置49Bのシートヒータ50の電流値を増減する。その後、動作はステップ116に移行する。そして、ステップ112〜116の動作が繰り返して実行される。
また、ステップ121においては、ステップ102〜106と同様の動作が加熱装置49C及び送風部51Cで実行されて、加熱装置49Cで加熱されて温度制御された空気APが、連続的に送風部51C及び第3ダクト18Pを介して図1のレチクルRの底面側に送風される。
このように、空調部46で冷却された空気を各加熱装置49A〜49Cで互いに独立に加熱して温度制御した空気AR,AW,APを生成する方式では、空気AR,AW,APの温度をそれぞれ設定温度に対して容易に高精度に制御できる。
このように、空調部46で冷却された空気を各加熱装置49A〜49Cで互いに独立に加熱して温度制御した空気AR,AW,APを生成する方式では、空気AR,AW,APの温度をそれぞれ設定温度に対して容易に高精度に制御できる。
本実施形態の露光装置10の作用効果等は以下の通りである。
(1)本実施形態の露光装置10は、局所空調装置41及び局所空調制御系36よりなる局所空調システムを備えている。そして、露光装置10による露光方法は、照明光ELでレチクルRを照明し、照明光ELでレチクルRのパターン及び投影光学系PLを介してウエハWを露光する露光方法において、空調部46から設定温度T01〜T03よりも低い温度に制御された空気A1を送風するステップ101と、空気A1を3つの分岐管48A〜48Cに分岐するステップ102、112、121と、加熱装置49A〜49Cにおいて分岐管48A〜48Cからの空気A2〜A4をそれぞれ加熱するステップ105、106、112と、その加熱された空気AR,AW,APをダクト18R,18W,18Pを介してレーザ干渉計の光路及びレチクルRの底面に供給するステップ106、116、121とを含んでいる。
(1)本実施形態の露光装置10は、局所空調装置41及び局所空調制御系36よりなる局所空調システムを備えている。そして、露光装置10による露光方法は、照明光ELでレチクルRを照明し、照明光ELでレチクルRのパターン及び投影光学系PLを介してウエハWを露光する露光方法において、空調部46から設定温度T01〜T03よりも低い温度に制御された空気A1を送風するステップ101と、空気A1を3つの分岐管48A〜48Cに分岐するステップ102、112、121と、加熱装置49A〜49Cにおいて分岐管48A〜48Cからの空気A2〜A4をそれぞれ加熱するステップ105、106、112と、その加熱された空気AR,AW,APをダクト18R,18W,18Pを介してレーザ干渉計の光路及びレチクルRの底面に供給するステップ106、116、121とを含んでいる。
本実施形態によれば、冷却機構は空調部46のみが備えていればよく、加熱装置49A〜49Cでは廃熱機構を設ける必要がないため、局所空調装置41を小型化できる。また、加熱装置49A〜49Cでは、空気の加熱を行うのみでよいため、供給される空気AR,AW,APの温度を容易に高精度に制御でき、複数の温度制御対象領域に対して高精度に局所的な温度制御を行うことができる。
(2)また、加熱装置49A〜49Cは、複数の通気性を持つ熱交換部57の間にシートヒータ50を配置した構成であるため、供給される空気の温度を容易に均一に加熱できる。
なお、シートヒータ50の代わりに、巻き線型のヒータ、又は加熱された液体を循環させる加熱機構等を用いる構成も可能である。
なお、シートヒータ50の代わりに、巻き線型のヒータ、又は加熱された液体を循環させる加熱機構等を用いる構成も可能である。
(3)また、加熱後の空気AR,AW,APの温度を計測する温度センサ56A等は、複数の保護部材58A,58B,58Cで覆われた白金測温抵抗体よりなる巻線59を直列接続しているため、巻線59の発熱量が低減し、空気AR,AW,APの温度に対する影響が少ない。なお、巻線59の代わりに、薄膜型の白金測温抵抗体を用いることも可能である。
(4)また、ステップ106、116、121では、加熱後の空気AR,AW,APをそれぞれ送風ファン52で送風し、かつメッシュ部材53に通して風速分布を均一化しているため、空気AR,AW,APの温度むらも低減する。
(5)また、本実施形態では、加熱装置49A〜49Cの前段の温度センサ55A〜55Cの計測値を用いて温度制御を行っているが、その前段の温度センサ55A〜55Cの計測値は必ずしも用いる必要はない。
次に上記の実施形態の変形例につき説明する。先ず、第1及び第2変形例につき図7(A)及び(B)を参照して説明する。この第1及び第2変形例では図3の送風部51Aの中に、風速分布(及び温度分布)を均一化するための仕切り板を設ける。
(5)また、本実施形態では、加熱装置49A〜49Cの前段の温度センサ55A〜55Cの計測値を用いて温度制御を行っているが、その前段の温度センサ55A〜55Cの計測値は必ずしも用いる必要はない。
次に上記の実施形態の変形例につき説明する。先ず、第1及び第2変形例につき図7(A)及び(B)を参照して説明する。この第1及び第2変形例では図3の送風部51Aの中に、風速分布(及び温度分布)を均一化するための仕切り板を設ける。
図7(A)の第1変形例では、送風部51A内に加熱装置49A側から順に、周辺で空気ARを通す角錐状の第1仕切り板60Aと、中央の空気ARを通す枠状の第2仕切り板60Bと、メッシュ部材53とを設けている。なお、第1仕切り板60Aの上方に図3の送風ファン52を設けてもよい(以下同様)。この場合、空気ARは矢印61A,61Bで示すように蛇行して流れるため、風速分布が均一化される。
一方、図7(B)の第2変形例では、送風部51A内に加熱装置49A側から順に、右側の開口で空気ARを通す第1の1対の仕切り板62A,62Bと、左側の開口で空気ARを通す第2の1対の仕切り板62B,62Aと、メッシュ部材53とを設けている。この場合、空気ARは矢印63で示すように蛇行して流れるため、風速分布が均一化される。
次に、第3及び第4変形例につき図8(A)及び(B)を参照して説明する。この第3及び第4変形例では図3の送風部51Aの中に、風速分布(温度分布)を均一化するために傾斜した複数の仕切り板を設ける。
図8(A)の第3変形例では、送風部51A内のメッシュ部材53上に、底面側に傾斜し、中央部の幅が狭くなった4枚の仕切り板65A〜65Dを対向するように交互に設けている。この場合、空気ARは仕切り板65A〜65Dの間を流れるため、風速分布が均一化される。
図8(A)の第3変形例では、送風部51A内のメッシュ部材53上に、底面側に傾斜し、中央部の幅が狭くなった4枚の仕切り板65A〜65Dを対向するように交互に設けている。この場合、空気ARは仕切り板65A〜65Dの間を流れるため、風速分布が均一化される。
一方、図8(B)の第4変形例では、送風部51A内のメッシュ部材53上に、十字型が開口が形成されるように、かつ僅かに傾斜するように4枚の仕切り板66A〜66Dを設けている。この場合、空気ARはその十字型の開口を流れるため、風速分布が均一化される。
なお、送風部51A内に設ける仕切り板の形状及び個数は任意である。また、これらの仕切り板を図3の他の送風部51B,51C内に設けてもよい。また、これらの風速分布(温度分布)を均一化するための仕切り板を、例えば図1のダクト18R,18Wの先端の吹き出し口19R,19Wに設けてもよい。
なお、送風部51A内に設ける仕切り板の形状及び個数は任意である。また、これらの仕切り板を図3の他の送風部51B,51C内に設けてもよい。また、これらの風速分布(温度分布)を均一化するための仕切り板を、例えば図1のダクト18R,18Wの先端の吹き出し口19R,19Wに設けてもよい。
また、メッシュ部材53を設けることによって温度制御された空気の風速分布が均一化されるが、必ずしもメッシュ部材53を設ける必要はない。
また、上記の実施形態では、局所空調装置41からの複数の温度制御された空気をレーザ干渉計21RY,21WYの光路及びレチクルRの底面に供給しているが、それらの空気は例えば照明光学系ILSの照明系鏡筒6の内部又は制御ボックス30の内部等の任意の領域に供給することが可能である。
また、上記の実施形態では、局所空調装置41からの複数の温度制御された空気をレーザ干渉計21RY,21WYの光路及びレチクルRの底面に供給しているが、それらの空気は例えば照明光学系ILSの照明系鏡筒6の内部又は制御ボックス30の内部等の任意の領域に供給することが可能である。
また、上記の実施形態では、空調用の気体として空気(例えばドライエアー)が使用されているが、その代わりに窒素ガス若しくは希ガス(ヘリウム、ネオン等)、又はこれらの気体の混合気体等を使用してもよい。
また、上記の実施形態の露光装置を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(又はマイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図9に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造してレジストを塗布するステップ223、前述した実施形態の露光装置によりマスクのパターンを基板(感応基板)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
また、上記の実施形態の露光装置を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(又はマイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図9に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造してレジストを塗布するステップ223、前述した実施形態の露光装置によりマスクのパターンを基板(感応基板)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
従って、このデバイス製造方法は、上記の実施形態の露光装置又は露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成された基板を処理すること(ステップ224)とを含んでいる。その露光装置又は露光方法によれば、小型で簡単な構成の局所空調装置を用いて露光装置の温度制御を高精度に行うことができるため、電子デバイスを高精度に安価に製造できる。
なお、本発明は、走査露光型の投影露光装置のみならず、一括露光型(ステッパー型)の投影露光装置を用いて露光する場合にも適用することが可能である。また、本発明は、投影光学系を使用しないプロキシミティ方式やコンタクト方式の露光装置等で露光を行う際にも適用できる。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞をウエハ上に形成することによって、ウエハ上にライン・アンド・スペースパターンの像を投影する露光装置(リソグラフィシステム)を用いる場合にも本発明を適用することができる。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞をウエハ上に形成することによって、ウエハ上にライン・アンド・スペースパターンの像を投影する露光装置(リソグラフィシステム)を用いる場合にも本発明を適用することができる。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置の製造プロセスや、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスの製造プロセスにも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、製造工程にも適用することができる。
このように、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
R…レチクル、PL…投影光学系、W…ウエハ、2…チャンバ、8…主空調装置、10…露光装置、18R,18W,18P…ダクト、21RY…レーザ干渉計、21WY…レーザ干渉計、36…局所空調制御系、40…空調空気供給管、41…局所空調装置、46…空調部、47…配管、48A〜48C…分岐管、49A〜49C…加熱装置、50…シートヒータ、51A〜51C…送風部、53…メッシュ部材、55A〜55C,56A,56B…温度センサ、60A,60B…仕切り板
Claims (15)
- 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターンを介して物体を露光する露光方法において、
所定温度よりも低い温度に制御された気体を送風する送風工程と、
前記気体を複数の送風路に分岐する分岐工程と、
複数の前記送風路上の気体をそれぞれ加熱する加熱工程と、
前記加熱された気体をそれぞれ温度制御対象領域に供給する供給工程と、
を含むことを特徴とする露光方法。 - 前記加熱工程は、複数の前記送風路上の気体をそれぞれ設定目標温度まで加熱し、
前記所定温度は、複数の前記設定目標温度のうちの最低値より低い温度であることを特徴とする請求項1に記載の露光方法。 - 前記加熱工程は、複数の前記送風路上の加熱後の気体の温度情報の計測値に基づいて、複数の前記送風路上の気体を加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の露光方法。
- 前記供給工程は、前記加熱された気体の風速分布を均一化する工程を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の露光方法。
- 前記パターンはマスクに形成され、
複数の前記温度制御対象領域は、前記マスクを移動するステージ、及び前記物体を移動するステージの位置情報をそれぞれ計測する2つの干渉計の光路を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の露光方法。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
前記パターンが形成された基板を処理することと、を含むデバイス製造方法。 - 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターンを介して物体を露光する露光装置において、
所定温度よりも低い温度に制御された気体を送風する送風機と、
前記送風機から送風される気体が分岐して供給される複数の送風路と、
複数の前記送風路からの気体をそれぞれ加熱する複数の加熱室と、
複数の前記加熱室で加熱された気体をそれぞれ温度制御対象領域に供給する複数の供給路と、
を備えることを特徴とする露光装置。 - 複数の前記加熱室は、複数の前記送風路からの気体をそれぞれ設定目標温度まで加熱し、
前記所定温度は、複数の前記設定目標温度のうちの最低値より低い温度であることを特徴とする請求項7に記載の露光装置。 - 複数の前記加熱室の少なくとも一つは、前記送風路からの気体が通過する断面形状が波状の複数の通気部と、該複数の通気部の間に配置されたシート状のヒータとを含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の露光装置。
- 複数の前記加熱室は、それぞれ加熱後の気体の温度情報を計測する温度センサを含み、
前記加熱室は、それぞれ対応する前記温度センサの計測情報に基づいて前記気体を加熱することを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の露光装置。 - 前記温度センサは、それぞれ保護部材に覆われた複数の白金抵抗体を直列に接続したセンサ部を含むことを特徴とする請求項10に記載の露光装置。
- 複数の前記加熱室の少なくとも一つは、前記加熱された気体の風速分布を均一化する均一化部を含むことを特徴とする請求項7から11のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記均一化部は、前記加熱された気体が通過する領域に配置されて、異なる位置に開口が設けられた複数の仕切り部材と、該複数の仕切り部材を通過した気体が通過する多数の開口が設けられた平板状部材とを含むことを特徴とする請求項12に記載の露光装置。
- 前記パターンが形成されたマスクを移動する第1ステージと、
前記物体を移動する第2ステージと、
前記第1及び第2ステージの位置情報を計測する第1及び第2干渉計とを備え、
複数の前記温度制御対象領域は、前記第1及び第2干渉計の光路を含むことを特徴とする請求項7から13のいずれか一項に記載の露光装置。 - 請求項7から14のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
前記パターンが形成された基板を処理することと、を含むデバイス製造方法。
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JP (1) | JP2010040629A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102107754B1 (ko) * | 2019-09-18 | 2020-05-07 | 서용수 | 자동 과열 차단형 열풍기 |
-
2008
- 2008-08-01 JP JP2008199444A patent/JP2010040629A/ja not_active Withdrawn
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KR102107754B1 (ko) * | 2019-09-18 | 2020-05-07 | 서용수 | 자동 과열 차단형 열풍기 |
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