JP2005314406A - カルボン酸化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】式(1)
Figure 2005314406

(式中、Rは低級アルキル基を表わし、nは1〜6の整数を表わす。)
で示されるエステル化合物と式(2)
Figure 2005314406

(式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物を含む混合物を原料として、式(7)
Figure 2005314406

(式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカルボン酸類の混入量が削減された式(3)
Figure 2005314406

(式中、nは上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカルボン酸化合物を製造する方法を提供すること。
【解決手段】式(1)で示されるエステル化合物と式(2)で示される化合物とを含む混合物を加水分解処理した後、pH4〜8に調整して分液処理し、式(3)で示されるカルボン酸化合物を含む有機層を取り出すことを特徴とする式(3)で示されるカルボン酸化合物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、カルボン酸化合物の製造方法に関する。
4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸に代表される式(3)
Figure 2005314406
(式中、nは1〜6の整数を表わす。)
で示されるカルボン酸化合物は、医薬中間体として有用であり(例えば特許文献1参照。)、その製造方法として、例えば式(4)
Figure 2005314406
(式中、Rは低級アルキル基を表わす。)
で示されるエステル化合物と式(5)
Figure 2005314406
(式中、nは1〜6の整数を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
で示されるハロゲン化合物とを、有機溶媒中、塩基の存在下に反応させて、次いで加水分解処理する方法が知られている(例えば特許文献1参照。)。しかしながら、式(4)で示されるエステル化合物と式(5)で示されるハロゲン化合物との反応だけでなく、下記スキーム1
Figure 2005314406
で示される副反応が進行し、目的とする式(1)
Figure 2005314406
(式中、Rおよびnは上記と同一の意味を表わす。)
で示されるエステル化合物以外に、式(2)
Figure 2005314406
(式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物と式(6)
Figure 2005314406
で示される化合物も生成していた。これら副生物のうち、特に、式(2)で示される化合物は、式(1)で示されるエステル化合物と化学構造が類似しているため、式(1)で示されるエステル化合物との分離も難しかった。しかも、式(1)で示されるエステル化合物と式(2)で示される化合物とを含む混合物を加水分解処理すると、式(1)で示されるエステル化合物と同様に、式(2)で示される化合物も加水分解され、式(7)
Figure 2005314406
(式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカルボン酸類に変換され、目的とする式(3)で示されるカルボン酸化合物中に混入してくるという問題があった。
特開平3−95144号公報
このような状況のもと、本発明者らは、式(1)で示されるエステル化合物と式(2)で示される化合物を含む混合物を原料として、式(7)で示されるカルボン酸類の混入量が削減された式(3)で示されるカルボン酸化合物を製造する方法を開発すべく検討したところ、前記混合物を加水分解処理した後、pH4〜8に調整して分液処理することにより、副生した式(7)で示されるカルボン酸類を水層側へ容易に除去でき、式(3)で示されるカルボン酸化合物を含む有機層中への式(7)で示されるカルボン酸類の混入量を低く抑えることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、式(1)
Figure 2005314406
(式中、Rは低級アルキル基を表わし、nは1〜6の整数を表わす。)
で示されるエステル化合物と式(2)
Figure 2005314406
(式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物とを含む溶液を加水分解処理した後、pH4〜8に調整して分液処理し、式(3)
Figure 2005314406
(式中、nは上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカルボン酸化合物を含む有機層を取り出すことを特徴とする式(3)で示されるカルボン酸化合物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、反応で副生するカルボン酸類(7)を水層側へ容易に除去でき、カルボン酸類(7)の混入量が削減されたカルボン酸化合物(3)が得られるため、工業的に有利である。
式(1)
Figure 2005314406
で示されるエステル化合物(以下、エステル化合物(1)と略記する。)の式中、Rは低級アルキル基を表わし、nは1〜6の整数を表わす。低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基が挙げられる。
かかるエステル化合物(1)としては、例えば4−ベンジルオキシ安息香酸メチル、4−(2−フェニルエトキシ)安息香酸メチル、4−(3−フェニルプロポキシ)安息香酸メチル、4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸メチル、4−(5−フェニルペンチルオキシ)安息香酸メチル、4−(6−フェニルヘキシルオキシ)安息香酸メチル、4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸エチル、4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸n−プロピル、4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸イソプロピル等が挙げられる。
また、式(2)
Figure 2005314406
(式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(2)と略記する。)としては、例えば4−メトキシ安息香酸メチル、4−エトキシ安息香酸エチル、4−n−プロポキシ安息香酸n−プロピル、4−イソプロポキシ安息香酸イソプロピル等が挙げられる。
エステル化合物(1)と化合物(2)とを含む混合物の加水分解処理は、通常前記混合物と水と酸またはアルカリとを混合することにより実施され、好ましくは前記混合物と水とアルカリとを混合することにより実施される。酸としては、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸が挙げられ、アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物等が挙げられ、アルカリ金属水酸化物が好ましい。
酸またはアルカリの使用量は、前記混合物中のエステル化合物(1)に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎても経済的に不利になりやすいため、実用的にはエステル化合物(1)に対して、5モル倍以下である。なお、かかる混合物中に、酸またはアルカリと反応し得る化合物が含まれている場合には、含まれる酸またはアルカリと反応し得る化合物の量を考慮し、酸またはアルカリの使用量を決めればよい。
水の使用量は、エステル化合物(1)に対して、通常0.2〜10重量倍、好ましくは0.5〜5重量倍である。かかる水は、予め酸またはアルカリと混合しておいてもよい。
エステル化合物(1)と化合物(2)とを含む混合物と水と酸またはアルカリの混合順序は特に制限されず、例えば前記混合物と水とを混合した後、酸またはアルカリを加えてもよいし、水と酸またはアルカリとを混合した後、前記混合物を加えてもよい。
加水分解処理温度は、通常−30〜200℃、好ましくは−20〜150℃である。
かかる加水分解処理は、有機溶媒の存在下に実施してもよく、有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルケトン等のエーテル系溶媒、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、例えばジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド系溶媒、例えばヘキサメチルホスホリックトリアミド等のホスホリルアミド系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられる。なかでもアルコール系溶媒の存在下に加水分解処理することにより、エステル化合物(1)の加水分解反応が促進されやすく、好ましい。かかる有機溶媒の使用量は特に制限されない。また、エステル化合物(1)と化合物(2)とを含む混合物中に、これら有機溶媒が含まれている場合には、そのまま用いて何ら問題ない。
エステル化合物(1)と化合物(2)とを含む混合物の加水分解処理が終了した後、加水分解処理液のpHを、pH4〜8に調整して分液処理することにより、化合物(2)由来の式(7)
Figure 2005314406
(式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカルボン酸類(以下、カルボン酸類(7)と略記する。)を水層側へ除去することができ、式(3)
Figure 2005314406
(式中、nは上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカルボン酸化合物(以下、カルボン酸化合物(3)と略記する。)を含む有機層を取り出すことができる。カルボン酸類(7)の水層側への除去効果をより高め、前記有機層中へのカルボン酸類(7)の混入量をより削減するという観点から、加水分解処理液のpHは、5〜7に調整することが好ましい。pH4より低いpHでは、カルボン酸類(7)の水層側への除去効果が小さく、カルボン酸化合物(3)を含む有機層中への混入量が増大しやすくなり、また、pHが8より高いと、カルボン酸化合物(3)の水層へのロス量が増加し、収率が低下するとともに、分液性も悪くなる。
加水分解処理液のpH調整は、加水分解処理液のpHに応じて、加水分解処理液とアルカリまたは酸を混合することにより実施される。例えば酸を用いて加水分解処理を行った場合には、加水分解処理液とアルカリを混合し、pH調整すればよく、また、アルカリを用いて加水分解処理を行った場合には、加水分解処理液と酸とを混合し、pH調整すればよい。pH調整に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸等が挙げられ、通常水溶液が用いられる。また、pH調整に用いられるアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等が挙げられ、通常水溶液が用いられる。
加水分解処理液をpH調整する際のpH調整温度は、通常20〜90℃、好ましくは40〜80℃である。
pH調整後の加水分解処理液が二層に分液していない場合には、水に不溶な有機溶媒を加えた後分液処理され、pH調整後の加水分解処理液が二層に分液している場合には、そのままもしくは水に不溶の有機溶媒をさらに加えて分液処理される。分液処理温度としては、通常20〜90℃、好ましくは40〜80℃である。水に不溶の有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒等が挙げられ、芳香族炭化水素系溶媒が好ましい。かかる水に不溶の有機溶媒の使用量は、加水分解処理により生成するカルボン酸化合物(3)を十分に溶解可能で、分液処理が可能な量であれば特に制限されない。なお、かかる水に不溶の有機溶媒は、エステル化合物(1)と化合物(2)とを含む混合物中に含まれていてもよいし、前記加水分解処理の際に加えておいてもよい。また、分液処理時の分液性を向上させるため、例えば食塩、硫酸ナトリウム等の無機塩を加えて分液処理を行ってもよい。
なお、分液処理して得られた有機層について、水を加えて、前記pH調整および分液処理操作を繰り返し行ってもよい。
かくして、カルボン酸類(7)の混入量が削減されたカルボン酸化合物(3)を含む有機層が得られる。カルボン酸化合物(3)は、例えば前記有機層を濃縮処理することにより取り出すことができる。かかるカルボン酸化合物(3)としては、例えば4−ベンジルオキシ安息香酸、4−(2−フェニルエトキシ)安息香酸、4−(3−フェニルプロポキシ)安息香酸、4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸、4−(5−フェニルペンチルオキシ)安息香酸、4−(6−フェニルヘキシルオキシ)安息香酸等が挙げられる。
なお、本発明の原料であるエステル化合物(1)と化合物(2)とを含む混合物としては、その両者を含んだ混合物であれば特に制限されず、例えば式(4)
Figure 2005314406
(式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
で示されるエステル化合物(以下、エステル化合物(4)と略記する。)と式(5)
Figure 2005314406
(式中、nは上記と同一の意味を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
で示されるハロゲン化合物(以下、ハロゲン化合物(5)と略記する。)とを、有機溶媒中、塩基の存在下に反応させて得られる反応液、前記反応液と水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えて分液処理して得られる有機層等が挙げられる。
以下、エステル化合物(4)とハロゲン化合物(5)とを、有機溶媒中、塩基の存在下に反応させて得られる反応液および前記反応液と水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えて分液処理して得られる有機層の製造方法について説明する。
エステル化合物(4)としては、例えば4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えばヨウ素原子、臭素原子、塩素原子等が挙げられ、ハロゲン化合物(5)としては、例えば塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル、2−フェニル−1−クロロエタン、2−フェニル−1−ブロモエタン、2−フェニル−1−ヨードエタン、3−フェニル−1−クロロプロパン、3−フェニル−1−ブロモプロパン、3−フェニル−1−ヨードプロパン、4−フェニル−1−クロロブタン、4−フェニル−1−ブロモブタン、4−フェニル−1−ヨードブタン、5−フェニル−1−クロロペンタン、5−フェニル−1−ブロモペンタン、6−フェニル−1−クロロヘキサン、6−フェニル−1−ブロモヘキサン等が挙げられる。
エステル化合物(4)とハロゲン化合物(5)との反応においては、エステル化合物(4)に対して、ハロゲン化合物(5)を1モル倍以上用いても、また、ハロゲン化合物(5)に対して、エステル化合物(4)を1モル倍以上用いても良好に反応が進行するため、経済的な面等を考慮し、適宜使用量を決めればよい。通常は、エステル化合物(4)を、ハロゲン化合物(5)に対して、1〜5モル倍、好ましくは1〜2モル倍用いて反応が実施される。
有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルケトン等のエーテル系溶媒、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、例えばジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド系溶媒、例えばヘキサメチルホスホリックトリアミド等のホスホリルアミド系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられ、なかでも、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、例えばジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド系溶媒、例えばヘキサメチルホスホリックトリアミド等のホスホリルアミド系溶媒等の非プロトン性極性溶媒が好適である。かかる有機溶媒の使用量は、エステル化合物(4)またはハロゲン化合物(5)のうちのいずれか使用量が少ない方に対して、通常0.5〜10重量倍、好ましくは1〜5重量倍である。
塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、例えば水素化カルシウム等のアルカリ土類金属水素化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩等が挙げられ、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩が好ましい。かかる塩基の使用量は、エステル化合物(4)またはハロゲン化合物(5)のうちのいずれか使用量が少ない方に対して、通常1〜5モル倍、好ましくは1〜3モル倍である。
反応温度は、通常−50〜150℃、好ましくは10〜140℃である。
エステル化合物(4)とハロゲン化合物(5)との反応は、有機溶媒中で、エステル化合物(4)とハロゲン化合物(5)と塩基を混合させることにより実施され、その混合順序は特に制限されない。
反応終了後、得られた反応液中には、未反応の塩基や反応で副生したハロゲン化水素が塩基により中和されて生じた塩等が含まれているが、これをそのまま上記加水分解処理の原料として用いてもよいし、前記反応液と水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒とを混合し、分液処理して得られる有機層を上記加水分解処理の原料として用いてもよい。
得られた反応液と水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒とを混合し、分液処理する場合の水の使用量は特に制限されない。また、水に不溶の有機溶媒としては、上記したものと同様のものが挙げられ、その使用量も特に制限されない。また、分液処理の処理温度は、通常20〜80℃である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、分析には、高速液体クロマトグラフィー法を用いた。
実施例1
攪拌装置を付したフラスコに、4−ヒドロキシ安息香酸メチル56.7g、炭酸カリウム(無水)53.8gおよびN,N−ジメチルホルムアミド108.1gを仕込み、内温110℃に昇温した。同温度で、4−フェニル−1−クロロブタン60gを2時間かけて滴下した後、同温度で12時間攪拌、反応させた。トルエン138gを加え、内温80℃以下に冷却した後、水180gを加えた。内温65℃に調整し、同温度で分液処理し、油層と水層を得た。該油層を水240g、次いで1重量%水酸化ナトリウム水溶液180g、さらに水180gで洗浄処理し、4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸メチルを含む油層246.7gを得た。含量:39.0%、収率:96%(4−フェニル−1−クロロブタン基準)。なお、前記油層中には、4−メトキシ安息香酸メチルが0.20%(面積百分率値)含まれていた。
前記4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸メチルを含む油層239g、メタノール29.3gおよび27重量%水酸化ナトリウム水溶液77gを混合し、内温70〜75℃に昇温後、同温度で3時間攪拌、加水分解処理を行った。
加水分解処理液を、18重量%硫酸216.9gとトルエン175gからなる混合液中に、混合液の内温が70℃以下を保つよう、注意して注加した後、15分間攪拌した。内温65℃で、27重量%水酸化ナトリウム水溶液45.5gを加え、pH5.5に調整した後、分液処理した。得られた有機層に10重量%硫酸ナトリウム水溶液175gを加え、内温65℃、pH5〜7で分液処理した。かかる硫酸ナトリウム水溶液を加え分液処理する操作をさらに2回行い、4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸を含む有機層を得た。収率:99.6%(4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸メチル基準)。前記有機層中に含まれる4−メトキシ安息香酸の含量は、0.03%(面積百分率値)であった。
実施例2
攪拌装置を付したフラスコに、4−フェニル−1−クロロブタン35.3g、4−ヒドロキシ安息香酸メチル33g、炭酸カリウム(無水)31.4g、N,N−ジメチルホルムアミド52.5gおよびトルエン52.5gを仕込み、内温125〜128℃に昇温後、同温度で10時間攪拌、反応させた。トルエン24.5gを加え、内温80℃以下に冷却した後、水105gを加えた。内温65℃に調整し、同温度で分液処理し、油層と水層を得た。該油層を水140g、次いで1重量%水酸化ナトリウム水溶液105g、さらに水105gで洗浄処理し、4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸メチルを含む油層138gを得た。含量:40.5%、収率:96%(4−フェニル−1−クロロブタン基準)。なお、前記油層中には、4−メトキシ安息香酸メチルが0.46%(面積百分率値)含まれていた。
前記4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸メチルを含む油層40g、メタノール5.1gおよび27重量%水酸化ナトリウム水溶液13.6gを混合し、内温70〜75℃に昇温後、同温度で3時間攪拌、加水分解処理を行った。
加水分解処理液を、10重量%硫酸34.5gとトルエン31gからなる混合液中に、混合液の内温が70℃以下を保つよう、注意して注加した後、15分間攪拌した。内温65℃で、20重量%硫酸3.9gを加え、pH6.5に調整した後、分液処理した。得られた有機層に、10重量%硫酸ナトリウム水溶液31gを加え、内温65℃、pH6〜7で分液処理した。もう一度10重量%硫酸ナトリウム水溶液31gを加え、内温65℃、pH6〜7で分液処理した。得られた有機層に水31gを加えて、内温65℃、pH6〜7で、分液処理し、4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸を含む有機層を得た。収率:98.9%(4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸メチル基準)。前記有機層中に含まれる4−メトキシ安息香酸の含量は、0.01%以下(面積百分率値)であった。
比較例1
攪拌装置を付したフラスコに、4−ヒドロキシ安息香酸メチル33g、炭酸カリウム(無水)31.4gおよびN,N−ジメチルホルムアミド51.5gを仕込み、内温100℃に昇温した。同温度で、4−フェニル−1−クロロブタン35gを2時間かけて滴下した後、同温度で7時間攪拌、反応させ、さらに、内温115℃に昇温後、7時間攪拌、反応させた。トルエン88gを加え、内温80℃以下に冷却した後、水88gを加えた。内温65℃に調整し、同温度で分液処理し、油層と水層を得た。該油層を水88g、次いで1重量%水酸化ナトリウム水溶液88g、さらに水88gで洗浄処理し、4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸メチルを含む油層147gを得た。含量:38.2%、収率:97%(4−フェニル−1−クロロブタン基準)。なお、前記油層中には、4−メトキシ安息香酸メチルが0.19%(面積百分率値)含まれていた。
前記4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸メチルを含む油層60g、メタノール8.5gおよび27重量%水酸化ナトリウム水溶液18.7gを混合し、内温70〜75℃に昇温後、同温度で3時間攪拌、加水分解処理を行った。
加水分解処理液を、12.7重量%硫酸48.7gとトルエン42gからなる混合液中に、混合液の内温が70℃以下を保つよう、注意して注加した後、15分間攪拌した。内温65℃で、20重量%硫酸5.8gを加え、pH2.1に調整した後、分液処理した。得られた有機層に水44gを加え、内温65℃、pH2.1で分液処理した。得られた有機層に、もう一度水44gを加え、内温65℃、pH2.1で分液処理し、4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸を含む有機層を得た。収率:99.8%(4−(4−フェニルブトキシ)安息香酸メチル基準)。前記有機層中に含まれる4−メトキシ安息香酸の含量は、0.17%(面積百分率値)であった。

Claims (7)

  1. 式(1)
    Figure 2005314406
    (式中、Rは低級アルキル基を表わし、nは1〜6の整数を表わす。)
    で示されるエステル化合物と式(2)
    Figure 2005314406
    (式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
    で示される化合物とを含む混合物を加水分解処理した後、pH4〜8に調整して分液処理し、式(3)
    Figure 2005314406
    (式中、nは上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるカルボン酸化合物を含む有機層を取り出すことを特徴とする式(3)で示されるカルボン酸化合物の製造方法。
  2. 式(1)で示されるエステル化合物と式(2)で示される化合物とを含む混合物が、式(4)
    Figure 2005314406
    (式中、Rは低級アルキル基を表わす。)
    で示されるエステル化合物と式(5)
    Figure 2005314406
    (式中、nは1〜6の整数を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
    で示されるハロゲン化合物とを、有機溶媒中、塩基の存在下に反応させて得られる反応液である請求項1に記載のカルボン酸化合物の製造方法。
  3. 式(1)で示されるエステル化合物と式(2)で示される化合物とを含む混合物が、式(4)で示されるエステル化合物と式(5)で示されるハロゲン化合物とを、有機溶媒中、塩基の存在下に反応させ、得られる反応液と水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒とを混合した後、分液処理して得られる有機層である請求項2に記載のカルボン酸化合物の製造方法。
  4. 式(1)で示されるエステル化合物の式中、nが4である請求項1に記載のカルボン酸化合物の製造方法。
  5. 非プロトン性極性溶媒中で反応させる請求項2または請求項3に記載のカルボン酸化合物の製造方法。
  6. 非プロトン性極性溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたはジメチルスルホキシドである請求項5に記載のカルボン酸化合物の製造方法。
  7. 式(5)で示されるハロゲン化合物が、4−フェニル−1−クロロブタンである請求項2または請求項3に記載のカルボン酸化合物の製造方法。
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