JP2005314396A - 透明化粧料 - Google Patents

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優 巣山
Masaki Okuyama
雅樹 奥山
Yoshikazu Naoe
義和 直江
Emi Sei
恵美 成
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Abstract

【課題】高彩度で光輝性に優れ、透明感のある外観を有し、また、塗布部位の質感を光学的に変化させることにより、従来にない透明感や立体感を付与する効果(質感改良効果)、塗布部位に高い光沢感を付与する効果に優れた透明化粧料を提供する。
【解決手段】屈折率の異なる2種類以上の高分子化合物を積層した構造を有し、且つ、着色された干渉光を呈する繊維と、ゲル化剤を含有することにより、外観の審美性と化粧効果に優れる透明化粧料を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な外観と優れた化粧効果を有する透明化粧料に関し、さらに詳細には、高彩度で光輝性に優れ、透明感のある外観を有すると共に、塗布部位の質感を光学的に変化させることにより、従来にない透明感や立体感を付与することができ、塗布部位に高い光沢感を付与するという優れた化粧効果を有する透明化粧料に関するものである。
従来、化粧料に繊維を配合し、様々な機能を付与する技術が知られている。例えば、繊維をピーリング剤として使用する技術(例えば特許文献1参照)、クレンジング料に繊維を配合し、そのクレンジング効果を高める技術(例えば特許文献2参照)、ファンデーションに繊維を配合し、仕上がりのキメ補正効果を得る技術(例えば非特許文献1参照)などが知られている。
さらに、着色繊維を用いて化粧効果を高める技術として、睫用化粧料に着色繊維を配合し自然な仕上がり感を付与する技術(例えば特許文献3参照)や、化粧料に着色繊維を配合し、使用部位に高彩度な化粧膜を付与する技術(例えば特許文献4参照)などが知られている。
しかしながら、従来から化粧料に使用されてきた繊維を配合する技術では、ピーリング効果、クレンジング効果、キメ補正効果などの機能を付加することはできるが、化粧料の外観を美しくし、その審美性を高めたり、化粧膜の光沢感等を高めることに寄与するものではなかった。それは、従来から化粧料に使用されてきたナイロンなどの繊維が透明ないし白色を呈しており、特に外観の透明性が高い化粧料中では、化粧料が白濁して、外観、化粧膜共に不透明さを与えてしまうという欠点があったためである。
これに対し、着色繊維を用いることにより、高彩度な化粧膜を有する化粧料を得ることは可能になったものの、このものは、化粧料の外観の透明感や光輝性といった点で、未だ満足のいくものではなかった。また、繊維分野においては、干渉色を呈する繊維も知られており、これを使用する試みもなされているが、化粧料中では繊維の干渉色が弱まり、期待された光輝性を得るには十分では無かった。
特開平9−12427号公報 特開平9−20647号公報 特開平10−291917号公報 特開2000−319132号公報 坂崎ゆかり、他2名、「老化した肌の光学研究と、若々しい外観を再現するメーク料の開発」、粧技誌、2002年、第36巻、p.25−35
従って、繊維を含有する化粧料において、優れた化粧効果を有しながら、外観が美しく、審美性に優れる透明化粧料が望まれており、このような透明化粧料を提供することが本発明の課題である。
上記実情に鑑み、本発明者らは鋭意研究を行った結果、特定の繊維と、ゲル化剤とを含有することにより、外観には、透明感や彩度が高く光輝性に優れる新規な質感が付与され、また使用した際は、塗布部位の質感を光学的に変化させることにより、従来にない透明感や立体感を付与することができ、また化粧膜に高い光沢感を付与できる透明化粧料が得られることを見出した。更に、繊維が均質に点在することにより、繊維の持つ干渉光がより強調され、化粧料の外観に奥深い透明感と光輝性を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、着色された、屈折率の異なる2種類以上の高分子化合物を含む干渉繊維と、ゲル化剤とを含有することを特徴とする透明化粧料である。
本発明の透明化粧料は、化粧料の外観に高い透明感を付与する効果(外観の透明感)、化粧料の外観に高い彩度を付与する効果(外観の高彩度感)および化粧料の外観に光輝性を付与する効果(外観の光輝性)と、塗布部位の質感を光学的に変化させ、透明感、立体感を付与する効果(質感改良効果)および塗布部位に高い光沢を付与する効果(化粧膜の光沢感)を有するものである。
本発明において透明化粧料とは、これを構成する組成物が光を透過せしめ、その外観が透明である化粧料を総称するものである。ここでいう透明とは、ガラスビーカーに化粧料組成物を5mmの深さで充填した際に、ビーカーの底に置いた紙の文字(フォント14程度)が確認できる程度のものを意味する。
本発明の透明化粧料に使用される、着色された、屈折率の異なる2種以上の高分子化合物を含む干渉繊維(以下、「着色干渉繊維」と略す)は、少なくとも2種類以上の高分子化合物で構成される層状の断面構造(積層断面)を有する複合繊維を、着色剤で着色した繊維であり、この複合繊維は干渉色として、赤色、黄色、緑色、青色、紫色等を呈するものである。断面形状については、平行積層部を保護層でつつんだ扁平断面干渉繊維が、化粧料として毛髪や皮膚等に付着しやすく、また一方向からの発色をより強くみせるためにも望ましい。この着色干渉繊維に使用される高分子化合物は、通常、化粧料に使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル等があげられる。これらの高分子化合物のなかでも、ポリエチレンテレフタレートとナイロンの組み合わせは、干渉光を強く呈し、また繊維工程安定性も良好で、本願発明の効果がより顕著に現れるため好ましい。
また、着色干渉繊維の製造において使用される着色剤としては、通常化粧料に使用されるものであれば特に制限されず、いずれのものも使用できる。例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号(1)、赤色105号(1)、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色201号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色227号、赤色230号(1)、赤色230号(2)、赤色231号、赤色232号、橙色205号、橙色207号、黄色203号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、青色202号、青色203号、青色205号、かっ色201号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、橙色402号、黄色402号、黄色403号(1)、黄色406号、黄色407号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、黒色401号等の水溶性のタール系色素、赤色202号、赤色218号、赤色223号、赤色226号、赤色228号、橙色201号、黄色201号、黄色205号、青色201号、青色204号、紫色201号、赤色404号、赤色405号、橙色401号、黄色401号、黄色404号、黄色405号、青色403号、青色404号等の水不溶性のタール系色素、クチナシ色素、ベニバナ色素、ウコン色素、パプリカ色素、アナトー色素、コチニール色素等の天然色素、酸性、塩基性色素、及び分散染料等が挙げられるが、中でも水溶性のタール系色素は、着色性、安定性が高いため、顕著な化粧効果が得られ最も好ましい。また、これらの着色料は、1種又は2種以上を使用することが可能であり、複合繊維種々の色調を付与することができる。
着色干渉繊維の製造に当たって、着色のために使用される着色剤の量は、特に制限されず、目的に応じて決められるが、着色干渉繊維全体の0.01〜30質量%(以下、単に「%」と示す)が好ましく、さらに0.01〜10%が好ましい。この範囲であれば使用部位に高彩度な化粧膜を付与するといった化粧効果が充分に得られる。また、着色剤の色は、干渉色と同系色であると、光干渉に必要な波長を積層部に達することを阻害しないため、効果的である。干渉色と反対色で着色すると、干渉効果を発現する波長を着色剤が吸収してしまうため、干渉繊維の発色は減少してしまう場合がある。このため、干渉繊維の発色と同系色もしくは補色関係にない色で着色すると、干渉光を強く呈し、本願発明の効果がより顕著に現れるため、好ましい。なお、ここでいう同系色とは、P.C.C.S色彩体系の24色相環表上において、となりあう色相を意味し、例えば、干渉色が赤の場合は、赤紫〜橙を同系色とする。また、干渉色が黄色の時は、橙〜黄緑を、干渉色が緑の場合は、黄緑〜青を、干渉色が紫の場合は、青紫〜赤紫をそれぞれ同系色とする。
本発明の着色干渉繊維の製造方法は、製造方法は、特に制限されず、従来の高分子化合物から繊維を得る方法が利用できるが、好ましい方法の例としては次の方法を挙げることができる。すなわち、特開平7−34324号公報、特開平11−1829号公報あるいはWO98/46815号パンフレットに記載の方法に従って屈折率の異なる高分子化合物を積層し、干渉光を呈する繊維(干渉繊維)を製造した後、それを常法に従って染料で着色する方法や、上記記載の方法中、繊維製造時にあらかじめ着色剤を高分子化合物に分散し、これをもちいて直接着色干渉繊維を製造する方法等が挙げられる。
本発明の透明化粧料に配合するに当たっての着色干渉繊維の長さ及び太さは、特に制限されないが、使用部位での化粧効果及び良好な使用性と、均一な化粧膜の形成の面から、長さは0.01〜5mmの範囲が好ましく、更に好ましくは0.1〜3mmである。また、太さは、0.01〜20デニール(以下、単に「D」と示す)の範囲が好ましく、更に好ましくは0.1〜13Dである。更に、効果を顕著に発現させるためには、各々の高分子化合物で構成される層が、5層以上に交互積層し、かつ、それぞれの層の厚みが0.02〜0.3μmの範囲にあることが好ましい。これらの繊維は、材質、太さ、長さの異なる1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の着色干渉繊維は、そのまま透明化粧料中に配合しても良いが、表面処理することにより、化粧料中での分散性が向上し、化粧効果およびその持続性が格段に向上するので、表面処理したものを使用することがより好ましい。着色干渉繊維の表面処理に使用する表面処理剤としては通常化粧料に使用されるものであれば特に制限されず、いずれのものも使用でき、例えば、一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤、シリカ等を挙げることができる。しかしながら、特に好ましい表面処理剤としては、シリカ及び/又はフッ素化合物を挙げることができる。すなわち、シリカで表面処理した着色干渉繊維は、特に水系での分散性に優れ、化粧効果が顕著に現れるため好ましく、フッ素化合物で処理した着色干渉繊維は、特に油性系で分散性が向上し、化粧効果及びその持続性の点で好ましい。
上記表面処理の方法は、特に制約されないが、例えば、シリカによる表面処理の場合は、溶媒に表面処理剤としてのシリカと上記繊維を入れ、これを十分に攪拌して上記繊維にシリカを被覆又は付着させる方法や、溶媒に懸濁させたシリカを繊維に吹き付ける方法等が利用される。また、フッ素化合物による前処理の場合は、これをアセトン、トルエン等の有機溶媒に加熱溶解せしめ、その中に上記繊維の1種又は2種以上の混合物を加え、撹拌後溶媒を留去して繊維上にフッ素化合物を被覆又は付着させ、場合によっては更に焼き付け処理をする方法等が利用される。
着色干渉繊維に対する表面処理剤の使用量は、特に制限されず、目的に応じて決められるが、表面処理された着色干渉繊維全体の0.01〜30%が好ましく、更に0.1〜20%が好ましい。この範囲であれば繊維の分散性が向上し、化粧効果が顕著に現れ、その効果の持続性が充分に得られる。
上記着色干渉繊維の、本発明の透明化粧料での配合量は、特に制限されず、使用性、使用感及び剤型等により決められるが、0.1〜10%が好ましく、0.5〜4%が更に好ましい。この範囲で用いれば、発明の効果が顕著に現れる。
一方、本発明に使用されるゲル化剤としては、化粧料基材を透明にゲル化させ、その粘性により、着色繊維を均一に存在させ得るものであれば特に制限されず使用することができる。そして、本発明の透明化粧料が、水性の化粧料剤型であるか、油性の化粧料剤型であるかにより、ゲル化剤として、親水性ゲル化剤および親油性ゲル化剤を使い分けることができる。
このうち、水性ゲル化剤としては、具体的には、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ペクチン、ローカストビーンガム等の天然系高分子、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成高分子、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、架橋型ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成高分子などの水溶性高分子、煙霧状シリカ、アルカリゲネス産生多糖体、クインスシードエキスなどの増粘多糖類などが挙げられる。
これらの水性ゲル化剤は、必要に応じてゲルを構成する一要素である水や、水性成分を加えることにより、透明な水性ゲルを構成することができる。
また、油性のゲル化剤としては、具体的には、煙霧状シリカ及び疎水化煙霧状シリカなどの微粒子シリカ、また、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、オリゴ糖脂肪酸エステル等の多糖類脂肪酸エステル、また、イソステアリン酸アルミニウム等の金属石鹸、高重合メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、シリコーン・ポリアミド共重合体、12−ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。これらのゲル化剤は1種又は2種以上を用いることができる。
これらの油性ゲル化剤も、必要に応じて、液状の油性成分を加え、透明な油性ゲルを形成することができる。
上記のゲル化剤の中でも、水溶性高分子、煙霧状シリカ、疎水化煙霧状シリカ、多糖類脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸を使用した場合に得られるゲルは、その透明性が高く、化粧料外観の審美性及び仕上がりの化粧膜の透明性に優れるため好ましい。
本発明の透明化粧料におけるゲル化剤の配合量は、特に制限されず、使用性や使用感及び剤型により決められるが、0.01〜50%が好ましく、0.05〜30%が更に好ましい。この範囲で用いれば、使用性、使用感、繊維の分散性といった点で、充分に満足のいくものが得られる。
本発明の透明化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、各種成分、例えば、油性成分、化粧用粉体、水性成分、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、皮膜形成剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを各種の効果を付与するために適宜配合することができる。
かくして得られる本発明の透明化粧料は、常温で固形、半固形もしくは低粘性液状である。また、この化粧料は、透明感、彩度、光輝性に優れた外観を有し、さらに塗布部分に透明感、立体感、光沢感を付与するという優れた化粧効果を有するものである。従って、これらの特性を生かし、例えば、化粧水、美容液、ボディジェルなどのスキンケア化粧料や、口紅、リップクリーム、グロス、チーク、マスカラ、アイカラーなどのメークアップ化粧料として使用することができるものである。
以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実 施 例 1
アイグロス:
表1に示す組成および下記製造方法にて、本発明品1〜5および比較品1〜3のアイグロスを調製し、a.外観の透明感、b.外観の光輝性、c.外観の高彩度感、d.塗布膜の光沢感、e.使用部位に透明感、立体感を付与する効果(質感改良効果)について下記の方法により官能評価を行った。その結果もあわせて表1に示す。
Figure 2005314396
(製造方法)
A.成分1〜7を均一に加熱混合し、成分8〜11を加え均一に混合する。
B.Aを容器に充填し、冷却固化して完成品とする。
(評価方法)
10名の官能検査パネルにより、各試料を下記の評価項目a〜eについて、(1)絶対評価基準を用いて7段階に評価し、試料ごとの評点の平均値を(2)判定基準を用いて判定した。
(評価項目)
a.外観の透明感
b.外観の光輝性
c.外観の高彩度感
d.塗布膜の光沢感
e.使用部位に透明感、立体感を付与する効果(質感改良効果)
(1)絶対評価基準
評 点 : 評 価
6 : 非常に良い
5 : 良い
4 : やや良い
3 : 普通
2 : やや悪い
1 : 悪い
0 : 非常に悪い
(2)判定基準
評点平均値 : 判 定
5点を超える : 非常に良好(◎)
3点を超えて5点以下: 良 好 (○)
2点を超えて3点以下: やや不良 (△)
2点以下 : 不 良 (×)
表1の結果から明らかなように、本発明品1〜5のアイグロスは、比較品1〜3のアイグロスに比較し、外観の透明感、光輝性、高彩度感、塗布膜の光沢感、質感改良効果のすべての面で、はるかに優れた特性を有していることがわかる。
一方、質感を変化させるものとして無着色のナイロン繊維を用いた比較品1では、ナイロン繊維により、外観の透明性が損なわれ、あらゆる面で満足の行くものが得られなかった。また、雲母チタンを用いた比較品2では、外観の透明感の点で満足の行くものが得られなかった。ゲル化剤を用いなかった比較品3では、繊維の沈降が起き、均質に高彩度感、光輝性のある外観は得られなかった。
実 施 例 2
透明リップクリーム:
(成 分) (%)
(1)パルミチン酸デキストリン 5
(2)イソステアリン酸アルミニウム 20
(3)流動パラフィン 10
(4)12−ヒドロキシステアリン酸 5
(5)リンゴ酸ジイソステアリル 残量
(6)ポリブテン 20
(7)セレシン 0.5
(8)無水ケイ酸(疎水化煙霧状) 3
(9)着色干渉繊維※3 3
(10)保湿剤 適量
(11)香料 適量
(12)防腐剤 適量
※3:赤色202号で着色した繊維(ポリエチレンテレフタラート、ナイロンを交 互に51層積層したもの、5D、1mm)(赤色の干渉光を有する)
(製造方法)
A.成分1〜7を均一に加熱溶解し、成分8〜12を加え均一に混合する。
B.Aを容器に充填し、冷却固化して完成品とする。
以上のようにして得られた透明リップクリームは、外観の透明性、彩度、光輝性に優れ、塗布膜の光沢感、質感改良効果に優れたものであった。さらには、塗布時の化粧のしやすさ、化粧膜の均一性も良好であった。
実 施 例 3
リップグロス:
(成 分) (%)
(1)パルミチン酸デキストリン 4
(2)パルミチン酸・2−エチルヘキサン酸デキストリン 1
(3)イソステアリン酸アルミニウム 2
(4)流動パラフィン 70
(5)無水ケイ酸(煙霧状) 2
(6)リンゴ酸ジイソステアリル 残量
(7)重質流動イソパラフィン 5
(8)着色干渉繊維※4 3
(9)紫外線吸収剤 適量
(10)香料 適量
(11)防腐剤 適量
(12)美容成分 適量
※4:黄色4号で着色した繊維(ポリエチレンテレフタラート、ナイロンを交互に
30層積層したもの、3D、0.5mm)(黄色の干渉光を有する)
(製造方法)
A.成分1〜7を均一に加熱溶解し、成分8〜12を加え均一に混合する。
B.Aを容器に充填して完成品とする。
以上のようにして得られた高粘性液状のリップグロスは、外観の透明性、彩度、光輝感に優れ、塗布膜の光沢感、質感改良効果に優れたものであった。
実 施 例 4
油性アイグロス:
(成 分) (%)
(1)12−ヒドロキシステアリン酸 5
(2)グリセリントリイソステアレート 残量
(3)スクワラン 15
(4)ポリブテン 5
(5)重質流動イソパラフィン 2
(6)無水ケイ酸 2
(7)着色干渉繊維※5 3
(8)紫外線吸収剤 適量
(9)香料 適量
(10)防腐剤 適量
(11)美容剤 適量
※5:赤色102号、黄色4号で着色した繊維(ポリエチレンテレフタレート、
ナイロン、ポリプロピレンを交互に51層積層したもの、10D、0.
05mm)(赤色の干渉光を有する)
(製造方法)
A.成分1〜6を均一に加熱溶解し、成分7〜11を加え均一に混合する。
B.Aを容器に充填して完成品とする。
以上のようにして得られた油性アイグロスは、外観の透明性、彩度、光輝感に優れ、塗布膜の光沢感、質感改良効果に優れたものであった。
実 施 例 5
化 粧 水:
(成 分) (%)
(1)精製水 残量
(2)1,3−ブチレングリコール 10
(3)グリセリン 10
(4)エチルアルコール 20
(5)アルギン酸ナトリウム 0.05
(6)着色干渉繊維※1 3
(7)フェノキシエタノール 0.3
(製造方法)
A.成分1〜7を均一に混合溶解する。
B.Aを容器に充填して完成品とする。
以上のようにして得られた化粧水は、外観の透明性、彩度、光輝感に優れ、塗布膜の光沢感に優れたものであった。
実 施 例 6
透明ボディジェル:
(成 分) (%)
(1)1,3−ブチレングリコール 12
(2)グリセリン 2
(3)ポリアクリル酸ナトリウム 0.05
(4)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体※6 0.1
(5)精製水 残量
(6)水酸化ナトリウム 0.03
(7)エタノール 5
(8)香料 0.05
(9)防腐剤 適量
(10)着色干渉繊維※1 3
※5:カーボポール1342(Noveon,Inc.製)
(製造方法)
A.成分1〜6を均一に混合する。
B.Aに7〜9を加え均一に混合する。
C.Bに10を加え均一に分散し、容器に充填し完成品とする。
以上のようにして得られた透明ボディジェルは、外観の透明性、彩度、光輝感に優れ、塗布膜の光沢感、質感改良効果に優れたものであった。
実 施 例 7
アイグロス:
着色繊維※2を、下記の着色干渉繊維に代える以外は、実施例1の本発明品1と同様にしてアイグロスを得た。
使用着色干渉繊維:
0.1%赤色202号で着色した繊維(ポリエチレンテレフタレートおよびナイロ
ンを特開平11−1829号公報に従い、ポリエチレンテレフタレート30層、
ナイロン31層で交互に61層積層した、断面が楕円形状のものを、3%のパー
フルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩で処理したもの。(9D
(長軸70μm、短軸17μm)、2mm)(赤色の干渉光を呈する)
以上のようにして得られたアイグロスは、外観の透明感、彩度、光輝性により優れ、塗布膜の光沢感、質感改良効果により優れたものであった。
本発明の透明化粧料は、高彩度で光輝性に優れ、透明感のある外観を有すると共に、塗布部位の質感を光学的に変化させることにより、従来にない透明感や立体感を付与することができ、塗布部位に高い光沢感を付与するという優れた化粧効果を有するものである。
従って、本発明の透明化粧料は、上記特性を生かした化粧料、化粧水、美容液、ボディジェルなどのスキンケア化粧料や、口紅、リップクリーム、グロス、チーク、マスカラ、アイカラーなどのメークアップ化粧料として有利に利用することができるものである。
以 上

Claims (7)

  1. 着色された、屈折率の異なる2種類以上の高分子化合物を含む干渉繊維と、ゲル化剤とを含有することを特徴とする透明化粧料。
  2. 前記2種以上の高分子化合物の少なくとも1種が、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンまたはポリプロピレンから選択されるものである請求項1に記載の透明化粧料。
  3. 前記干渉繊維を着色する着色剤が、水溶性のタール系色素である請求項1または2に記載の透明化粧料。
  4. 前記干渉繊維の太さが、0.01デニール以上20デニール以下である請求項1〜3のいずれかに記載の透明化粧料。
  5. 前記干渉繊維の長さが、0.01mm以上5mm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の透明化粧料。
  6. 前記着色された干渉繊維は、その表面がシリカで処理されたものである請求項1〜5のいずれかに記載の透明化粧料。
  7. 前記ゲル化剤が、水溶性高分子、煙霧状シリカ、疎水性煙霧状シリカ、多糖類脂肪酸エステル、架橋型メチルポリシロキサンおよびヒドロキシ脂肪酸から選ばれる1種又は2種以上のゲル化剤である請求項1〜6のいずれかに記載の透明化粧料。
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