JP2005313595A - 熱転写受像シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材シートの一方の面に染料受容層を設け、もう一方の面に裏面層を設けてなる熱転写受像シートであって、該裏面層がアミノ酸系粉体を含有することを特徴とする熱転写受像シート。
【選択図】なし
Description
この不具合を解決するために、受像シートの受容層面に各種シリコーンを添加し摩擦係数を下げ滑り性をもたせる方法が提案されている。熱転写受像シートを製造する際、工程上受容層を塗工した後ジャンボロール状態で受像シートが滞留することがある。この時、受容層面と裏面は重ね合わさった状態にあり、受容層中に滑り剤として添加したシリコーンが裏面に移ってしまうという不具合が生じ、搬送トラブル(重送)の解決が損なわれることになる。
基材シートは、染料受容層3および裏面層2を保持するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上、支障がない程度の機械的強度を有することが好ましい。また、受像シートを絵ハガキ等として利用する場合には、それに適する剛性を有することも必要である。従って、このような性能を有するものであれば特に限定されず、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、ポストカード紙などの紙や、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙などのほか、各種プラスチックラミネート紙、ポリオレフィン系、或いはポリスチレン系などの合成紙、更には、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライドなど各種プラスチックのフィルム又はシートが使用でき、また、これらのプラスチックに白色顔料や、充填剤、非相溶な樹脂を加えて成膜した白色不透明のフィルム、多孔質フィルム、或いは、発泡させた発泡シートなども使用できる。
本発明の熱転写受像シートにおいて、基材シートの一方の面に形成される染料受容層3は、熱転写シートから移行してくる昇華性染料などの色材を受容し、形成された画像を維持するためのもので、染料染着性のある樹脂を主成分とする昇華型熱転写などの熱転写方式の染料受容層に使用されている公知のものはいずれも使用できる。只、熱転写シートとの熱融着を防ぐ程度の離型性を有することも必要であり、染料透過性の離型剤を含有させたり、受容層の上に離型層を設けることもできる。この他、顔料等の各種添加剤を添加してもよい。尚、染料受容層の塗布量は、通常、固形分で2.0〜5.0g/m2程度の範囲が適当である。また、染料受容層と基材シートとの間には、少なくとも一層以上の中間層を設けても良い。中間層は、接着層(プライマー層)、白色付与層、バリアー層、UV(紫外線)吸収層、発泡層、帯電防止層など、受容層と基材シートとの間に設ける層全てを意味し、公知のものは、必要に応じていずれも使用できる。
本発明の熱転写受像シートにおいて、基材シートの他方の面に形成される裏面層は、アミノ酸系粉体を含有する。係る粉体を含ませることにより受像シートのプリンタ内の重送トラブルを有効に防止できるとともに、切手接着性及びのり接着性、筆記性にも優れた受像紙とすることができる。
実施例1
基材シートとして、コート紙(王子製紙(株)製OKトップコート;127.9g/m2)の表裏に厚さ50μmの白色PET(東レ(株)製ルミラーE63S)をウレタン系接着剤(三井武田ケミカル(株)製タケラックA−969V/タケネートA−5=3/1、塗布量:4g/m2(乾燥後))で貼合した基材を用いた。該基材シートの一方の面に下記組成の染料受容層用塗布液をバーコーターにより、塗布量3.0g/m2(乾燥後)となるように塗布、乾燥し(130℃、1分)、続いて、もう一方の面に下記組成のプライマー層用塗布液と滑性裏面層用塗布液とを、塗布量がそれぞれ1.0g/m2(乾燥後)と2.0g/m2(乾燥後)となるようにバーコーターで順次塗布、乾燥(110℃、1分)して熱転写受像シートを作製した。
・ポリエステル樹脂〔バイロン290 東洋紡績(株)製〕 600重量部
・異種官能基変性シリコーン〔X−22−3939A 信越化学工業(株)製〕 9重量部
・ポリエーテル変性シリコーン〔X−22−6266 信越化学工業(株)製〕 3重量部
・イソシアネート〔タケネートA−65 三井武田ケミカル(株)製〕 15重量部
・触媒〔S−CAT52A三共有機合成(株)製〕 2重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン 重量比1:1) 2500重量部
以下、メチルエチルケトンはMEKと表示。
・ウレタン樹脂〔ニッポラン5199 日本ポリウレタン工業(株)製〕 25重量部
・酸化チタン〔TCA888 トーケムプロダクツ(株)製〕 50重量部
・イソシアネート〔タケネートA−14 三井武田ケミカル製〕 4重量部
・溶剤(イソプロピルアルコール/トルエン/MEK) 300重量部
(重量比1:2:2)
以下、イソプロピルアルコールはIPAと表示。
・ポリビニルブチラール樹脂〔3000−1 電気化学工業(株)製〕 10重量部
・アミノ酸系粉体〔アミホープLL 味の素(株)製〕 10重量部
・溶剤(IPA/トルエン 重量比1:1) 180重量部
実施例1の構成において滑性裏面層用塗布液として下記組成の塗布液を使用した以外、実施例1と同様にして熱転写受像シートを得た。
・ポリビニルブチラール樹脂〔3000−1 電気化学工業(株)製〕 10重量部
・アミノ酸系粉体〔アミホープLL 味の素(株)製〕 5重量部
・溶剤(IPA/トルエン 重量比1:1) 135重量部
・ポリビニルブチラール樹脂〔3000−1 電気化学工業(株)製〕 10重量部
・アミノ酸系粉体〔アミホープLL 味の素(株)製〕 15重量部
・溶剤(IPA/トルエン 重量比1:1) 225重量部
・ポリビニルピロリドン樹脂〔K−90 ISPジャパン(株)製〕 10重量部
・アミノ酸系粉体〔アミホープLL 味の素(株)製〕 10重量部
・溶剤(MEK/IPA 重量比1:1) 180重量部
・ポリビニルアセタール樹脂〔エスレックKX−1 積水化学(株)製〕 10重量部
・アミノ酸系粉体〔アミホープLL 味の素(株)製〕 10重量部
・溶剤(水/IPA 重量比1:1) 180重量部
・アクリル酸エステル系樹脂〔ジュリマーAT−613 積水化学(株)製〕10重量部
・アミノ酸系粉体〔アミホープLL 味の素(株)製〕 10重量部
・溶剤(水/IPA 重量比1:1) 180重量部
・アクリル酸エステル系樹脂〔ジュリマーAT−613 日本純薬(株)製〕 6重量部
・ポリビニルアセタール樹脂〔エスレックKX−1 積水化学(株)製〕 4重量部
・アミノ酸系粉体〔アミホープLL 味の素(株)製〕 10重量部
・溶剤(水/IPA 重量比1:1) 180重量部
・アクリル酸エステル系樹脂〔ジュリマーAT−613 日本純薬(株)製〕12重量部
・ポリビニルアセタール樹脂〔エスレックKX−1 積水化学(株)製〕 8重量部
・アミノ酸系粉体〔アミホープLL 味の素(株)製〕 30重量部
・アクリルフィラー〔エポスターMA1002 日本触媒(株)製〕 5重量部
・溶剤(水/IPA 重量比1:1) 495重量部
・ポリビニルブチラール系樹脂〔3000−1 電機化学工業(株)製〕 3重量部
・マイクロシリカ〔P−527 水沢化学工業(株)製〕 6重量部
・ナイロンフィラー〔MW330 神東ファイン(株)製〕 1重量部
・溶剤(トルエン/IPA 重量比1:1) 90重量部
実施例1の構成において滑性裏面層用塗布液として下記組成の塗布液を使用した以外、実施例1と同様にして熱転写受像シートを得た。
・ポリビニルブチラール樹脂〔3000−1 電気化学工業(株)製〕 50重量部
・ポリビニルピロリドン樹脂〔K−90 ISPジャパン(株)製〕 50重量部
・ナイロンフィラー〔MW330 神東ファイン(株)製〕 50重量部
・アミノ酸系粉体〔アミホープLL 味の素(株)製〕 50重量部
・溶剤(トルエン/IPA 重量比1:1) 630重量部
・ポリビニルブチラール樹脂〔3000−1 電気化学工業(株)製〕 70重量部
・ポリビニルピロリドン樹脂〔K−90 ISPジャパン(株)製〕 30重量部
・ナイロンフィラー〔MW330 神東ファイン(株)製〕 50重量部
・アミノ酸系粉体〔アミホープLL 味の素(株)製〕 50重量部
・溶剤(トルエン/IPA 重量比1:1) 630重量部
上記実施例1〜10および比較例1で得られた各熱転写受像シートについて、下記評価1〜5を行い、その結果を表1に示した。
作製した受像シートを101.5mm×174.5mmサイズにカットし、DIGITAL PHOTO PRINTER DPP-SV55(ソニー(株)製)に10枚を装填し、温度5℃の環境条件下でプリントを行い、給紙エラーの有無を観察し、以下のように評価付けした。なお、運転前に受像シートおよびプリンターを環境に馴染ませるため、温度5℃の環境条件下に2時間放置した。
×:給紙エラーあり
作製した受像シートを101.5mm×174.5mmサイズにカットし、各受像シートの受像面と裏面層が重なるようにし、60℃30%RH環境条件下、A6サイズ当たり20kgfの荷重をかけ、24時間保存した。保存後常温で3時間以上放冷し、次いで温度5℃の環境条件下に2時間放置した後、DIGITAL PHOTO PRINTER DPP-SV55(ソニー(株)製)に装填し、温度5℃の環境条件下でプリントを行い、給紙エラーの有無を観察し、評価1と同様に評価付けした。
下記筆記用具を用いて、各熱転写シートの裏面に文字等を書き、下記の基準で評価を行った。
使用筆記具
水性ペン・・・・三菱鉛筆株式会社製 uni PROCKEY
油性ペン・・・・ZEBRA株式会社製 マッキー
ボールペン・・・PILOT株式会社製 FEED GP3
評価基準
○:文字等が書け、にじまない
△:文字等が書けるが、にじみ読みにくい
×:文字が書けない
下記のりを用いて、各熱転写シートの裏面にのりを塗り、普通紙に貼り付け、24時間放置した後、下記の基準で評価を行った。
使用のり
ヤマト株式会社製 アラビックヤマト
トンボ鉛筆株式会社製 Pit
ライオン事務器株式会社製 GLUE
不易糊工業株式会社製 フエキ糊
評価基準
○:24時間経過後、接着している
×:24時間経過後、接着しておらず手で容易に剥がれる
(切手接着性)
日本郵便50円切手の接着面前面に水道水を指で塗り、各熱転写シートの裏面に貼り付け、24時間放置した後、下記の基準で評価を行った。
評価基準
○:24時間経過後、接着している。
×:24時間経過後、接着しておらず手で容易に剥がれる。
2 裏面層
3 染料受容層
Claims (3)
- 基材シートの一方の面に染料受容層を設け、もう一方の面に裏面層を設けてなる熱転写受像シートであって、該裏面層がアミノ酸系粉体を含有することを特徴とする熱転写受像シート。
- アミノ酸系粉体が、Nε−ラウロイル−L−リジン粉体である、請求項1に記載の熱転写受像シート。
- アミノ酸系粉体の平均粒径が10−20μmである、請求項1または請求項2に記載の熱転写受像シート。
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2004
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