JP2005313115A - オゾンによる水処理制御システム - Google Patents

オゾンによる水処理制御システム Download PDF

Info

Publication number
JP2005313115A
JP2005313115A JP2004135956A JP2004135956A JP2005313115A JP 2005313115 A JP2005313115 A JP 2005313115A JP 2004135956 A JP2004135956 A JP 2004135956A JP 2004135956 A JP2004135956 A JP 2004135956A JP 2005313115 A JP2005313115 A JP 2005313115A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ozone
test
water
treated water
ozone gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004135956A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4331048B2 (ja
Inventor
Kenji Ide
健 志 出
Norimitsu Abe
部 法 光 阿
Ryoichi Arimura
村 良 一 有
Chiyouko Kurihara
原 潮 子 栗
Taku Menju
受 卓 毛
Seiichi Murayama
山 清 一 村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2004135956A priority Critical patent/JP4331048B2/ja
Publication of JP2005313115A publication Critical patent/JP2005313115A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4331048B2 publication Critical patent/JP4331048B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Abstract

【課題】 オゾンガス注入装置3からオゾン処理槽1内に注入されるオゾンガスの注入率を最適なものとすることができるオゾンによる水処理制御システムを提供する。
【解決手段】 オゾンによる水処理制御システムは、被処理水の一部が分岐ライン5を介して分岐して流入する試験用オゾン反応器6と、試験用オゾン反応器6内に試験用オゾンガスを注入して試験用オゾン処理水を得る試験用オゾンガス注入装置7とを備えている。試験用オゾン反応器6の下流側には、この試験用オゾン反応器6から流出した試験用オゾン処理水の水質を測定する試験用処理水水質測定器8が設けられている。水処理制御装置10により、試験用オゾンガスの注入率と、試験用処理水水質測定器8により得られる試験用オゾン処理水の水質情報とに基づいて、オゾンガス注入装置7を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、浄水処理、下水処理、産業排水処理、食品排水処理などの水処理設備において用いられる水処理制御システムに係わり、特に、被処理水に対してオゾンガスを注入することにより水処理を行うオゾン処理設備において、被処理水に対するオゾンガスの注入率を最適なものとするオゾンによる水処理制御システムに関する。
水処理設備においては、地下水や表流水などの原水を着水井に導入して、凝集沈澱池において凝集剤を添加してフロックを形成する沈澱処理が実施される。この沈澱処理により、上澄み液を砂濾過池に導いて懸濁物を除去し、最後に消毒用の塩素処理を行うことによって、浄化された水が得られる。
このような水処理において、消毒用の塩素処理の効果をより確実にするために、凝集剤の添加前に塩素を注入する前塩素処理、あるいは沈澱処理した後の水に塩素を注入する中間塩素処理が行われている。
一方、近年では、産業排水、生活排水等の水処理設備に送られる排水の汚染が進んでおり、また、水源の汚染が社会問題となっている。具体的には、上流河川の水中に、かび臭などの臭気物質、フミン質、農薬、ダイオキシン、環境ホルモンなどの難分解性の汚染物質が微量含まれていることが指摘されている。
ここで、フミン質とは、植物などが微生物によって分解されることにより得られる、種々雑多な有機化合物によって構成される高分子化合物であって、樹木などのセルロースやリグニン酸が酸化される過程で発生する河川水の着色の原因となる有機物をいう。
従来の水処理方法では、このような汚染物質の除去に対応できないことのみならず、トリハロメタンの前駆物質であるフミン質を含む色度成分の増加に伴って、塩素処理によって処理水中のトリハロメタンが増大してしまう。また、含有されるアンモニア量の増加によって、塩素とアンモニアとが反応してクロラミンを生成し、必要以上に塩素を消費するため、塩素処理における塩素注入率が高くなり、その結果、トリハロメタン生成量が増大する。
トリハロメタンは発ガン性物質であるため、水処理工程において、このトリハロメタンの生成を抑制する必要がある。
そこで、上記の汚染物質を分解、除去することができるオゾン処理や生物活性炭処理などの高度浄水処理システムを従来の水処理方法と組み合わせた水処理設備が用いられている。
オゾン処理は、オゾン発生装置において、空気または酸素に電圧を印加して放電(無声放電)させることにより酸素の一部をオゾン化させて生成されるオゾンガスと、被処理水とを接触させて、オゾンガスの強い酸化力によって、被処理水中の汚染物質を分解する処理をいう。
特に、オゾン処理と生物活性炭処理とを組み合わせたシステムが広く普及しており、前段のオゾン処理においては、従来の水処理方法では対応できなかった汚染物質の分解・除去を行っている。具体的には、オゾン処理においては、かび臭などの臭気物質、フミン質などからなる色度成分の分解、鉄、マンガンなどの酸化・不溶化、有機ハロゲン化合物を含む有機物の分解が行われる。
後段の生物活性炭処理において、汚染物質は生物活性炭に含まれる微生物により更に分解され、吸着除去される。
なお、トリハロメタン生成能(THMFP)は、オゾン処理単独では完全に除去することができない。また、非特許文献1に示されるように、原水の水質によっては一度トリハロメタン生成能の量が減少した後に再び増加することがある。
これは、オゾンガスによる酸化分解のみではトリハロメタン前駆物質、特にフミン質を完全に無機化することができず、また、条件によっては、このフミン質が増加するためである。
しかしながら、前段のオゾン処理と後段の生物活性炭処理とを組み合わせることにより、これらのトリハロメタン前駆物質となるフミン質が分解、吸着除去され、最終的にはトリハロメタン生成能が低下する。
上述の高度浄水処理のオゾン処理が導入されている水処理設備においては、被処理水に対して除去目的物質の酸化分解反応を行うことができる十分な量のオゾンガスを注入する必要がある。
しかしながら、オゾンガスの過剰注入を行うことは、オゾンガスを生成するための電力コストが増大するのみならず、オゾン処理において溶存オゾン濃度が増加することとなり、後段の生物活性炭処理において生物活性炭の寿命を縮めることとなる。
また、オゾン処理水中の溶存オゾン濃度が増加すると、発ガン性物質である臭素酸イオン等の副生成物が生成されるという問題がある。
そこで、オゾン処理水中の溶存オゾン濃度と除去目的物質の除去効率の両方が最適なものとなるように被処理水に対するオゾンガスの注入率を制御する必要がある。
被処理水に対するオゾンガスの注入率を制御する方法として、被処理水の一定水量あたりのオゾンガスの注入量を一定とするオゾン注入率一定制御、溶存オゾン濃度が一定の値となるようにオゾンガスの注入量を調整する溶存オゾン濃度一定制御、あるいは、オゾン処理における排出ガス中の未反応のオゾン濃度が一定の値となるようにオゾンガスの注入量を調整する排出ガス中オゾン濃度一定制御などの制御方法が知られている。
いずれの制御方法においても、一定制御を行う各設定値は、あらかじめ原水とオゾンガスとの反応特性を求める試験を行い、その試験結果および原水の水質の天候による変動や季節変化などの過去のデータ、あるいは他の浄水場のデータなどに基づいて決定され、必要に応じてオペレータが手動によりこの設定値を変更している。
なお、一般的には、過不足なくオゾンガスを注入するという観点から、溶存オゾン濃度一定制御による制御方法が多く採用されている。この方法を用いることにより、処理水中の溶存オゾン濃度が、臭素酸イオンの生成量が増加しない範囲内となるよう制御することができ、これにより臭素酸イオンの生成を抑制することができる(例えば、特許文献1参照)。
次に、図7を用いて従来の溶存オゾン濃度一定制御によるオゾン処理について説明する。
図7は、従来のオゾンによる水処理制御システムの構成を示す構成図である。
図7に示すように、従来のオゾンによる水処理制御システムは、被処理水が導入されるオゾン処理槽51と、このオゾン処理槽51内に散気管55を介してオゾンガスを注入して被処理水とオゾンガスとを反応させ、オゾン処理水を得るオゾンガス注入装置52とを備えている。
また、オゾン処理槽51の下流側には、このオゾン処理槽51から流出されたオゾン処理水の溶存オゾン濃度を測定する溶存オゾン濃度計53が設置されている。
また、オゾンガス注入装置52に水処理制御装置54が接続されている。この水処理制御装置54は、溶存オゾン濃度計53による溶存オゾン濃度に基づいて、オゾンガス注入装置52を制御してオゾン処理槽51内に注入されるオゾンガスの注入率を調整するものである。
次に、図7に示す従来のオゾンによる水処理制御システムの作用について説明する。
図7において、オゾン処理槽51に被処理水が導入され、また、オゾンガス注入装置52から供給されるオゾンガスが散気管55を介してこの導入された被処理水中に気泡となって注入される。
このオゾンガスの気泡と被処理水との気液接触により、オゾンガスが被処理水中に溶解する。そして、溶質との酸化反応により、トリハロメタン前駆物質であって主に色度成分であるフミン質の分解、臭気物質である2−メチルイソボルネオール(2−MIB)などの分解による脱臭、鉄、マンガンなどの不溶化、有機物の低分子化などが行われる。
オゾンガスとオゾン反応を行った被処理水がオゾン処理水としてオゾン処理槽51から流出されると、このオゾン処理水の溶存オゾン濃度が溶存オゾン濃度計53により測定される。
水処理制御装置54は、設定基準値と溶存オゾン濃度計53による測定値とに基づいて、オゾンガス注入装置52を制御してオゾン処理槽51へのオゾンガスの注入率を調整する。
オゾンガスの一部は排気ガスとしてオゾン処理槽51の上部気相部より排出され、触媒等によりこの未反応のオゾンガスは分解され無害化された上で大気中に放出される。
この未反応のオゾンガスの量が多い場合には、オゾンガスの生成ロスとなる。また、オゾン処理水中の溶存オゾンもオゾン処理槽51から流出するため、オゾンガスの生成ロスとなる。
したがって、被処理水の溶質の性状の変化にあわせて、必要最小限のオゾンガスを注入することによりこれらの生成ロスを低減する必要がある。しかしながら、実際には、被処理水の水質(溶質)を確認しながらの制御ではないために、常に必要量よりも多めのオゾンガスを注入するよう水処理制御装置54における設定値が定められている。
オゾン処理が導入されている実際の水処理設備においては、溶存オゾン濃度は一般的には0.1〜0.2mg/L程度に維持されている。
また、溶存オゾン濃度計においては、未溶解のオゾンガスの気泡が入り測定値にばらつきが生じ易い。そこで、制御の指標として溶存オゾン濃度を用いる代わりに、注入されるオゾン量と排出されるオゾン量との差であるオゾンガス消費量を被処理水中の全有機体炭素(TOC)で割った値が一定の範囲内になるように制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、被処理水の水質(溶質)を確認しながらの制御においては、オゾンにより酸化分解される被処理水中の有機物の量と相関関係を有するオゾン処理水のUV値(紫外線吸光度)または蛍光強度を測定しながら制御する方法が提案されている。
この場合、UV値または蛍光強度の他に、オゾン処理水あるいはオゾン処理前の被処理水の濁度、TOC、溶存オゾン濃度を組み合わせた制御方法も提案されている(例えば、特許文献2乃至4参照)。
このような処理方法においては、UV値、蛍光強度、濁度、TOC、溶存オゾン濃度またはこれらの水質指標を組み合わせて計算された水質指標が設定値または設定範囲内となるようにオゾンガスの注入率が制御される。
原水の水質のうち、溶存有機物質量の変動に対してはリアルタイムで適応可能であるが、上記の水質指標の設定値は、前述のオゾン注入率一定制御、溶存オゾン濃度一定制御等の制御方法と同様に、あらかじめ原水とオゾンガスとの反応特性を求める試験を行い、この試験結果および原水の水質の天候による変動や季節変動などの過去のデータ、あるいは他の浄水場のデータなどに基づいて決定される。
また、オゾン処理槽へ導入される前の被処理水のサンプリングを行い、このサンプル水にオゾンガスを試験的に注入し、このときのオゾン注入量、排オゾン濃度、溶存オゾン濃度およびサンプリング流量から、サンプル水のオゾン消費量を演算し、このオゾン消費量とオゾン処理槽へ導入される被処理水の流量とオゾン吸収効率とから被処理水へのオゾンガスの注入率を調整する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
この方法によれば、被処理水中のオゾン消費成分となる有機物濃度が急激に変動してもオゾンガスの注入率を過不足なく適切なものとすることができる。
特開2000−288561号公報 特開平11−207368号公報 特開平11−207369号公報 特開2003−88882号公報 特開平9―192680号公報 「オゾンにおける臭素酸イオン生成特性に関する検討」、茂庭、岡田、加藤、本山、星川、第9回日本オゾン協会年次研究講演会講演集、第23項−第26項(2000年)
しかしながら、上記の従来のオゾンによる水処理制御システムには、以下の問題がある。
すなわち、従来のオゾンによる水処理制御システムでは、オゾン注入率一定制御、溶存オゾン濃度一定制御等の一定制御に用いられる各設定値は、あらかじめ原水とオゾンガスとの反応特性を求める試験を行い、この試験結果および原水の水質の天候による変動や季節変化などの過去のデータ、あるいは他の浄水場のデータなどから決定する必要がある。
しかしながら、この方法では、原水の水質の変動に対してリアルタイムで対応することができず、天候、季節、定期的な水質検査の結果によって、適宜、人為的に設定値を変える必要がある。
このため、これらの専門知識を有し、経験豊かなオペレータを常駐させる必要がある。
また、オゾンガスの被処理水への溶解と溶質の酸化分解反応に関する仕組みは複雑であって、これらの仕組みは解明されていない。このため、実際のオゾン処理においては、季節変化や運転経験等により、水処理運転に支障がない範囲で必要量よりも多めにオゾンガスを注入するように設定値を変化させており、オゾン注入率の最適運転とはほど遠いものとなっている。
このため、高度浄水処理としてオゾン処理が導入されている水処理設備では、人件費やオゾンを生成するための電力料金が高くなり、浄水処理水量あたりのコストが従来の水処理設備に比べて格段に高くなっている。
このことは、中小規模の水処理設備において高度浄水処理の導入・普及が進まない原因の一つとなっている。
また、オゾン処理による副生成物である臭素酸イオンは、発ガン性物質である。
飲料水中の臭素酸イオンの濃度は、飲料水の水質のガイドライン値として、世界保健機構(WHO)や米国環境保護庁(USEPA)ではその上限値が規制されており、日本においても新しい水道水の基準の対象となる予定である。
オゾン処理において生成される臭素酸イオンは、後段の生物活性炭処理における除去が困難であるので、オゾン処理においてはこの臭素酸イオンの生成を抑制する必要がある。
オゾン処理による臭素酸イオンの生成量は、被処理水中の臭化物イオンの濃度と、溶存オゾン濃度と、オゾン処理槽内におけるオゾンガスと被処理水との接触時間との積(以下、「CT値」ともいう。)に比例する。
実際の水処理設備においては、上記の接触時間は、オゾン処理槽のサイズが一定であることにより、水処理設備の処理水量によって決まることとなるが、この処理水量は適宜変更することが困難である。
このため、被処理水中の溶存オゾン濃度を調整することにより臭素酸イオンの生成を抑制することとなる。
ここで、従来の溶存オゾン濃度一定制御による水処理制御システムにおいては、臭素酸イオンの生成量を低減するために、上述のように溶存オゾン濃度の設定値を低く設定する必要がある。
しかしながら、溶存オゾン濃度の設定値を低くし過ぎると、実際の溶存オゾン濃度は、溶存オゾン濃度計の設定下限値に近づくか、この設定下限値より小さな値となる。
これにより、溶存オゾン濃度計の設定値のバラツキ、誤差が大きくなり、オゾンガス注入率を的確に制御することが困難となる。
また、臭素酸イオンの生成を抑制するために溶存オゾン濃度の設定値を低くする、すなわち、オゾンガスの注入率を低くすることは、オゾンによる臭気物質、色度物質、トリハロメタン前駆物質などの分解能力を低下させる事になる。よって、必要以上にオゾンガスの注入率を低下させることはできない。
上記の理由により、従来のオゾンによる水処理制御システムではオゾンガス注入率を制御するための各設定値を決定することは困難である。しかも、原水の水質の変動に対してリアルタイムで対応することはできない。
また、例えば前述の特許文献5に開示されているような、オゾン処理槽へ導入される前の被処理水のサンプリングを行い、このサンプル水にオゾンガスを試験的に注入し、このときのオゾン注入量、排オゾン濃度、溶存オゾン濃度およびサンプリング流量から、サンプル水のオゾン消費量を演算し、このオゾン消費量とオゾン処理槽へ導入される被処理水の流量とオゾン吸収効率とから被処理水へのオゾンガスの注入率を調整する方法を用いることも考えられる。
しかしながら、この方法では、臭素酸イオン等の副生成物を生成するオゾンもオゾン消費量としてカウントされ、副生成物の生成を抑止するという観点からは、最適なオゾンによる水処理制御システムとはいえない。
なお、水処理設備において高度浄水処理によるオゾン処理を採用する目的の一つに、トリハロメタン前駆物質を酸化分解することが挙げられるが、このトリハロメタン前駆物質を主に構成するフミン質は、オゾンによる分解反応が速い性質を有するものと分解反応が遅い性質を有するものとがある。その割合は、原水の種類、季節、天候などによって異なる。
分解反応が速い性質を有するフミン質の分解は、低い溶存オゾン濃度でも優先的に分解が進行するが、分解反応が遅い性質を有するフミン質まで分解するように溶存オゾン濃度を増加させる、すなわちオゾンガスの注入率を増加させると、後段の生物活性炭処理や塩素処理においても除去することが困難な臭素酸イオン等の副生成物量が増加してしまう。
また、分解反応が遅い性質を有するフミン質が中途半端にオゾン分解されると、かえってトリハロメタン生成能(THMFP)が増加するという問題がある。また、分解反応が遅い性質を有するフミン質をオゾン分解することは、無駄なオゾンガスを注入することとなり、運転コストの上昇につながるので好ましくない。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、水処理設備の運転コストを増加させる無駄なオゾンガスの生成を抑止することができ、かつ、後段の生物活性炭処理や塩素処理において除去することが困難な臭素酸イオン等の副生成物の生成を抑制することができ、かつ、原水の水質の季節変化、天候による変動、想定外の理由による突発的な変動に対してもリアルタイムで適応することができるオゾンによる水処理制御システムの提供を目的とする。
本発明は、被処理水が導入ラインを介して導入されるオゾン処理槽と、オゾン処理槽内にオゾンガスを注入して被処理水とオゾンガスとを反応させ、オゾン処理水を得るオゾンガス注入装置と、導入ラインにより導入される被処理水の一部が分岐ラインを介して分岐して流入する試験用オゾン反応器と、試験用オゾン反応器内に試験用オゾンガスを注入して被処理水と試験用オゾンガスとを反応させ、試験用オゾン処理水を得る試験用オゾンガス注入装置と、試験用オゾン反応器の下流側に設けられこの試験用オゾン反応器から流出した試験用オゾン処理水の水質を測定する試験用処理水水質測定器と、試験用オゾンガス注入装置からの試験用オゾンガスの注入率と、試験用処理水水質測定器により得られる試験用オゾン処理水の水質情報とに基づいて、オゾンガス注入装置を制御してオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率を調整する水処理制御装置とを備えたことを特徴とするオゾンによる水処理制御システムである。
本発明のオゾンによる水処理制御システムにおいては、試験用処理水水質測定器は、試験用オゾン反応器から流出した試験用オゾン処理水の蛍光強度を測定する蛍光分析計を有し、水処理制御装置は、試験用オゾンガス注入装置からの試験用オゾンガスの注入率と、蛍光分析計により得られる試験用オゾン処理水の蛍光強度とに基づいて、オゾンガス注入装置を制御してオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率を調整することが好ましい。
このようなオゾンによる水処理制御システムにおいては、水処理制御装置は、試験用オゾンガス注入装置を制御して試験用オゾン反応器内に注入される試験用オゾンガスの注入率を、0から設定最大値まで時間の経過とともに増加させて設定最大値に達したときに再び0にすることを繰り返すよう調整するとともに、試験用オゾン処理水の蛍光強度が低下しはじめてから設定目標蛍光強度に達するまでの時間を算出し、試験用オゾンガスの注入率が0となる時刻からこの算出された時間が経過したときにおける試験用オゾンガスの注入率に基づいて制御注入率を設定し、オゾンガス注入装置を制御してオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率をこの設定された制御注入率となるよう調整することが好ましい。
本発明のオゾンによる水処理制御システムにおいては、試験用処理水水質測定器は、試験用オゾン反応器から流出した試験用オゾン処理水の蛍光強度を測定する蛍光分析計と、この試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度を測定する溶存オゾン濃度計とを有し、水処理制御装置は、試験用オゾンガス注入装置からの試験用オゾンガスの注入率と、蛍光分析計により得られる試験用オゾン処理水の蛍光強度および溶存オゾン濃度計により得られる試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度とに基づいて、オゾンガス注入装置を制御してオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率を調整することが好ましい。
このようなオゾンによる水処理制御システムにおいては、水処理制御装置は、試験用オゾンガス注入装置を制御して、試験用オゾン反応器内に注入される試験用オゾンガスの注入率を、0から設定最大値まで時間の経過とともに増加させて設定最大値に達したときに再び0にすることを繰り返すよう調整するとともに、試験用オゾン処理水の蛍光強度が低下しはじめてから設定目標蛍光強度に達するまでの時間を算出し、試験用オゾンガスの注入率が0となる時刻からこの算出された時間が経過したときにおける試験用オゾンガスの注入率に基づいて制御注入率を設定し、試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度が設定上限溶存オゾン濃度以下である場合において、オゾンガス注入装置を制御してオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率をこの設定された制御注入率となるよう調整することが好ましい。
また、このようなオゾンによる水処理制御システムにおいては、水処理制御装置は、試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度が設定上限溶存オゾン濃度を超えた場合おいて、溶存オゾン濃度が上昇しはじめてから設定上限溶存オゾン濃度に達するまでの時間を更に算出し、試験用オゾンガスの注入率が0となる時刻からこの算出された時間が経過したときにおける試験用オゾンガスの注入率に基づいて修正制御注入率を設定し、オゾンガス注入装置を制御してオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率をこの設定された修正制御注入率となるよう調整することが好ましい。
本発明のオゾンによる水処理制御システムにおいては、オゾン処理槽の下流側に設けられ、このオゾン処理槽から流出したオゾン処理水のpH値を測定するpH計および/またはオゾン処理水の水温を測定する温度計を備えており、水処理制御装置において、設定上限溶存オゾン濃度は、pH計により測定されたオゾン処理水のpH値および/または温度計により測定されたオゾン処理水の水温に基づいて補正されることが好ましい。
本発明のオゾンによる水処理制御システムにおいては、蛍光分析計は、励起波長が340nm乃至350nmである光を試験用オゾン処理水に照射し、その分光スペクトル中の420nm乃至430nmの蛍光波長を測定することにより試験用オゾン処理水の蛍光強度を測定するものであることが好ましい。
本発明のオゾンによる水処理制御システムにおいては、蛍光分析計により得られる試験用オゾン処理水の蛍光強度に係わる水質情報として、蛍光を発する特定物質の蛍光強度を基準とした相対蛍光強度が用いられることが好ましい。
本発明のオゾンによる水処理制御システムにおいては、導入ラインと試験用オゾン反応器との間の分岐ラインにサンプリング用ポンプが設けられ、水処理制御装置は、サンプリング用ポンプを制御して、オゾン処理槽における被処理水の滞留時間に対する試験用オゾン反応器における被処理水の滞留時間の割合が0.9乃至1.1となるよう、サンプリング流量を調整することが好ましい。
本発明のオゾンによる水処理制御システムにおいては、オゾン処理槽の下流側に設けられ、このオゾン処理槽から流出したオゾン処理水の溶存オゾン濃度を測定するオゾン処理水用溶存オゾン濃度計を更に備え、水処理制御装置は、オゾンガス注入装置を制御して、オゾン処理槽に注入されるオゾンガスの注入率を、オゾン処理水用溶存オゾン濃度計により測定されるオゾン処理水の溶存オゾン濃度が設定上限溶存オゾン濃度以下となるよう調整することが好ましい。
本発明のオゾンによる水処理制御システムにおいては、試験用処理水水質測定器は、試験用オゾン処理水の吸光度を測定する吸光度分析計を有し、水処理制御装置は、試験用オゾンガス注入装置からの試験用オゾンガスの注入率と、吸光度分析計により得られる試験用オゾン処理水の吸光度とに基づいて、オゾンガス注入装置を制御してオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率を調整することが好ましい。
本発明のオゾンによる水処理制御システムによれば、被処理水の一部が流入する試験用オゾン反応器と、試験用オゾンガス注入装置とを備えており、水処理制御装置により、試験用オゾンガスの注入率と試験用オゾン処理水の水質情報とに基づいてオゾンガス注入装置の制御を行うことにより、このオゾンガス注入装置からオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率を最適なものとすることができる。これにより、水処理設備の運転コストを増加させる無駄なオゾンガスの生成を抑止することができ、かつ、後段の生物活性炭処理や塩素処理において除去することが困難な臭素酸イオン等の副生成物の生成を抑制することができる。しかも、原水の水質の季節変化、天候による変動、想定外の理由による突発的な変動に対してもリアルタイムで適応することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1乃至図6は、本発明の実施形態を示す図である。
このうち、図1は、本発明の実施形態におけるオゾンによる水処理制御システムの構成を示す構成図であり、図2は、図1のオゾンによる水処理制御システムの作用を説明するフローチャートである。
図1に示すように、オゾンによる水処理制御システムは、被処理水が導入ライン2を介して導入されるオゾン処理槽1と、このオゾン処理槽1内にオゾンガスを注入して被処理水とオゾンガスとを反応させ、オゾン処理水を得るオゾンガス注入装置3とを備えている。
また、導入ライン2には、この導入ライン2より導入される被処理水の一部が分岐ライン5を介して分岐して流入する試験用オゾン反応器6が接続されている。さらに、試験用オゾン反応器6には、試験用オゾン反応器6内に試験用オゾンガスを注入して被処理水と試験用オゾンガスとを反応させ、試験用オゾン処理水を得る試験用オゾンガス注入装置7が接続されている。
また、試験用オゾン反応器6の下流側には流出ライン6aが接続され、流出ライン6aには、この試験用オゾン反応器6から流出した試験用オゾン処理水の水質を測定する試験用処理水水質測定器8が設置されている。
さらに、オゾンガス注入装置3および試験用オゾンガス注入装置7には、オゾンガス注入装置3および試験用オゾンガス注入装置7を制御して、オゾンガス注入装置3からオゾン処理槽1内に注入されるオゾン注入量および試験用オゾンガス注入装置7から試験用オゾン反応器6内に注入されるオゾン注入量をそれぞれ調整する水処理制御装置10が接続されている。
また、導入ライン2には、被処理水の流量(L総量)を測定する流量計2aが設置され、この流量計2aにより測定された被処理水の流量(L総量)に関する情報は水処理制御装置10に送られるようになっている。
さらに、オゾン処理槽1内には散気管11が設けられており、オゾンガス注入装置3から送られたオゾンガスはこの散気管11からオゾン処理槽1内に注入される。
また、試験用オゾン反応器6内にも同様に散気管12が設けられており、試験用オゾンガス注入装置7から送られた試験用オゾンガスはこの散気管12から試験用オゾン反応器6内に注入される。
オゾン処理槽1にはオゾン処理水が流出する流出ライン2bが接続され、この流出ライン2bにはオゾン処理槽1から流出したオゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3処理後)を測定するオゾン処理水溶存オゾン濃度計4、オゾン処理水のpH値を測定するpH計13、オゾン処理水の水温を測定する温度計14がそれぞれ設けられている。
これらの溶存オゾン濃度計4、pH計13、温度計14により測定されたオゾン処理水の水質情報はそれぞれ水処理制御装置10に送られるようになっている。
導入ライン2には、上述のように試験用オゾン反応器6に連通する分岐ライン5が流量計2aの下流側において分岐して設けられ、この分岐ライン5にはサンプリング用ポンプ5aが設置されている。
サンプリング用ポンプ5aによる被処理水のサンプリング流量(Lサンプル)は水処理制御装置10により調整される。
流出ライン6aに設置された試験用処理水水質測定器8は、試験用オゾン反応器6から流出した試験用オゾン処理水の蛍光強度(FL)を測定する蛍光分析計8aと、試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3X)を測定する溶存オゾン濃度計8bとを有している。
そして、試験用処理水水質測定器8により測定された試験用オゾン処理水の水質情報は水処理制御装置10に送られるようになっている。
試験用処理水水質測定器8により得られる試験用オゾン処理水の水質情報とは、具体的には、蛍光分析計8aにより測定された試験用オゾン処理水の蛍光強度(FL)および溶存オゾン濃度計8bにより測定された試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3X)のことをいう。
蛍光分析計8aは、励起波長が例えば345nmである光を試験用オゾン処理水に照射し、その分光スペクトル中の例えば425nmの蛍光波長を測定することによりこの試験用オゾン処理水の蛍光強度を測定するものである。
次に、このような構成からなる本実施形態の作用について図2のフローチャートを用いて説明する。
例えば凝集沈澱池から送られた被処理水は、導入ライン2を介してオゾン処理槽1に流入される。この際、流量計2aによって被処理水の流量(L総量)が測定され(図2のステップ1)、この流量情報が水処理制御装置10に送られる。
また、導入ライン2により導入される被処理水の一部は、導入ライン2から分岐する分岐ライン5に設けられたサンプリング用ポンプ5aによって、この分岐ライン5を通って試験用オゾン反応器6に流入される。
この場合、水処理制御装置10は、オゾン処理槽1におけるオゾン処理水の滞留時間が、試験用オゾン反応器6における試験用オゾン処理水の滞留時間Tと略同一となるよう、サンプリング用ポンプ5aを制御する。
すなわち、サンプリング用ポンプ5aによる被処理水のサンプリング流量(Lサンプル)は、下記式(1)によって算出される(ステップ2)。
サンプリング流量(Lサンプル)=被処理水の流量(L総量)×試験用オゾン反応器6の被処理水滞留容積(V試験器)/(オゾン処理槽1の被処理水滞留容積(V処理槽)+試験用オゾン反応器6の被処理水滞留容積(V試験器)) ・・・式(1)
このように、サンプリング用ポンプ5aが水処理制御装置10によって制御されて、このサンプリング用ポンプ5aによる被処理水のサンプリング流量(Lサンプル)が調整される(ステップ3)。
次に、水処理制御装置10により試験用オゾンガス注入装置7が制御され、試験用オゾンガス注入装置7から試験用オゾン反応器6内に注入される試験用オゾン注入量が調整される(ステップ4)。
そして、試験用オゾン反応器6内の被処理水に対して、試験用オゾンガス注入装置7より散気管12を介して試験用オゾンガスが注入され(ステップ5)、オゾン反応が発生することにより試験用オゾン処理水が得られる(ステップ6)。
オゾン反応においては、被処理水中の分解対象物質とオゾンガスとが反応することによって、この分解対象物質を構成するトリハロメタン前駆物質であって、主に色度成分であるフミン質の分解、臭気物質である2−メチルイソボルネオール(2−MIB)などの分解による脱臭、鉄、マンガンなどの不溶化、有機物の低分子化が行われる。
試験用オゾン反応器6内に注入された試験用オゾンガスのうち、被処理水に対して溶存することなくオゾン反応が生じなかった試験用オゾンガスは試験用オゾン反応器6から排気される。
一方、蛍光分析計8aにより、試験用オゾン反応器6から流出した試験用オゾン処理水の蛍光強度(FL)が測定される。また、溶存オゾン濃度計8bにより、この試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3X)が測定される(ステップ7)。
これらの蛍光分析計8a、溶存オゾン濃度計8bにより測定されたオゾン処理水の水質情報はそれぞれ水処理制御装置10に送られる。
次に、図3および図4を用いて、水処理制御装置10による試験用オゾンガス注入装置7の制御(ステップ8、9)について説明する。
図3(a)は、試験用オゾンガスの注入率(I)の経時変化を、図3(b)は、試験用オゾン処理水の蛍光強度(FL)の経時変化を、図3(c)は、試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3X)の経時変化をそれぞれ示すグラフである。
また、図4(a)は、試験用オゾンガスの注入率(I)の他の経時変化を、図4(b)は、試験用オゾン処理水の蛍光強度(FL)の他の経時変化を、図4(c)は、試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3X)の他の経時変化をそれぞれ示すグラフである。
ここで、試験用オゾン反応器6に対する試験用オゾンガスの注入率は、サンプリング用ポンプ5aのサンプリング流量(Lサンプル)および試験用オゾンガス注入装置7からの試験用オゾンガスの注入量により算出される。
図3に示すように、水処理制御装置10は、試験用オゾンガス注入装置7を制御して、試験用オゾンガスの注入率(I)を0から時間の経過とともに単調増加するよう調整する。ここで、試験用オゾンガスの注入率(I)の増加率は一定に定められている。そして、試験用オゾンガスの注入率(I)が設定最大値(I最大)に達したときには、試験用オゾンガス注入装置7を制御して、この注入率(I)を0にし、再び時間の経過とともに単調増加するよう調整する。
なお、水処理制御装置10は、図3および図4に示すように、試験用オゾンガスの注入率(I)が0から設定最大値(I最大)に達するまでの時間が、試験用オゾン反応器6における試験用オゾン処理水の滞留時間Tと略同一となるよう試験用オゾンガス注入装置7を制御することが好ましい。
次に、試験用オゾン処理水の蛍光強度(FL)について説明する。被処理水の蛍光強度がFLである場合において、試験用オゾン処理水の蛍光強度(FL)は、試験用オゾンガス注入装置7からの試験用オゾンガスの注入によってFLから低下するが、試験用オゾンガスの注入率(I)を図3に示すように調整した場合には、この注入率(I)が0から増加しはじめる時刻と蛍光強度(FL)がFLから低下しはじめる時刻との間に位相差時間が生じる。
この位相差時間は、試験用オゾン反応器6における試験用オゾン処理水の滞留時間Tと略同一となる。
図3において、試験用オゾン処理水の蛍光強度(FL)がFLから低下しはじめてから設定目標蛍光強度(FL目標)に達するまでの時間をtとする。すなわち、試験用オゾンガスの注入率(I)が0から増加しはじめてから蛍光強度(FL)が設定目標蛍光強度(FL目標)に達するまでの時間は(T+t)となる。
ここで、設定目標蛍光強度(FL目標)の値の設定方法について図5を用いて説明する(ステップ9)。
図5(a)は蛍光強度(FL)の経時変化を、図5(b)は図5(a)の蛍光強度の低減率(△FL/FL)の経時変化を、図5(c)は図5(b)の蛍光強度の低減率の減少速度(d(△FL/FL)/dt)の経時変化をそれぞれ示すグラフである。図5のグラフ中の実線部分は原水の水質が良好である場合の蛍光強度(FL)等の経時変化を示し、グラフ中の点線部分は原水の水質が悪い場合の蛍光強度(FL´)等の経時変化を示す。
図5に示すように、蛍光強度の低減率の減少速度(d(△FL/FL)/dt)があらかじめ設定された設定値(α設定)に達したときの時刻における蛍光強度(FL)が設定目標蛍光強度(FL目標)として設定される(ステップ10)。
原水の水質が良好である場合(グラフの実線部分)であっても、水質が悪い場合(グラフの点線部分)であっても、図5に示すように、蛍光強度の低減率の減少速度(d(△FL/FL)/dt)の経時変化はほぼ同一となっている。これにより、原水の水質が良好である場合であっても、水質が悪い場合であっても、水質の差異に応じて設定目標蛍光強度(FL目標)の値を適切に決定することができる。
次に、試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3X)について説明する。試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3X)は、試験用オゾンガス注入装置7からの試験用オゾンガスの注入によって0から増加するが、試験用オゾンガスの注入率(I)を図3に示すように調整した場合には、この注入率(I)が0から増加しはじめる時刻と溶存オゾン濃度(DO3X)が0から増加しはじめる時刻との間に位相差時間が生じる。
この位相差時間は、蛍光強度の場合と同様に、試験用オゾン反応器6における試験用オゾン処理水の滞留時間Tと略同一となる。
ここで、図3に示すように、試験用オゾン処理水の蛍光強度(FL)が設定目標蛍光強度(FL目標)に達した際に測定された溶存オゾン濃度を、DO3t+Tとする。
また、水処理制御装置10においては、設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)があらかじめ設定されている。この場合、設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)は0.1mg/L〜0.15mg/Lとされることが好ましい。
水処理制御装置10は、溶存オゾン濃度(DO3t+T)の大きさと設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)の大きさとを比較する。
図3に示すように、溶存オゾン濃度(DO3t+T)が設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)よりも小さい場合には、水処理制御装置10は、試験用オゾンガスの注入率(I)が0から増加しはじめてから時間tが経過したときの注入率を目標注入率(I目標)に決定する(ステップ11)。
一方、図4に示すように、溶存オゾン濃度(DO3t+T)が設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)よりも大きい場合には、溶存オゾン濃度(DO)が0から増加しはじめてから設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)に達するまでの時間t´を改めて算出する。
すなわち、試験用オゾンガスの注入率(I)が0から増加しはじめてから溶存オゾン濃度(DO)が設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)に達するまでの時間は、(T+t´)となる。
このときに、図4に示すように、時間t´はtよりも小さい値となる。
そして、水処理制御装置10は、試験用オゾンガスの注入率(I)が0から増加しはじめてから時間t´が経過したときの注入率を目標注入率(I目標)として決定する(ステップ11)。
そして、オゾンガス注入装置3によりオゾン処理槽1内に注入されるオゾンガスの注入率は、以下の式によって算出される(ステップ12)。
オゾンガスの制御注入率(I制御)=目標注入率(I目標)×オゾン注入率補正値(β) ・・・式(2)
このオゾン注入率補正値(β)を予め設定することもできるが、後述するフィードバック制御により算出してもよい。
次に、水処理制御装置10は、試験用オゾンガス注入装置7からの試験用オゾンガスの注入率と、試験用処理水水質測定器8により得られる試験用オゾン処理水の水質情報とに基づいて、オゾンガス注入装置3を制御してこのオゾンガス注入装置3によりオゾン処理槽1内に注入されるオゾンガスの注入率を調整する。
ここで、オゾン処理槽1に注入されるオゾンガスの注入率は、流量計2aによる流量(L総量)とサンプリング用ポンプ5aのサンプリング流量(Lサンプル)との差の流量およびオゾンガス注入装置3からのオゾンガスの注入量により算出される。
具体的には、水処理制御装置10はオゾンガス注入装置3を制御して、オゾンガスの注入率が制御注入率(I制御)となるようオゾンガス注入装置3によりオゾン処理槽1内に注入されるオゾンガスの注入量を調整する(ステップ13)。
そして、オゾン処理槽1内の被処理水に対して、オゾンガス注入装置3より散気管11を介してオゾンガスが注入され、オゾン反応が発生することによりオゾン処理水が得られる(ステップ14)。
オゾン処理槽1内に注入されたオゾンガスのうち、被処理水に対して溶存することなくオゾン反応が生じなかったオゾンガスはオゾン処理槽1から排気される。
そして、オゾン処理水用溶存オゾン濃度計4により、オゾン処理槽1から流出したオゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3処理後)が測定される(ステップ15)。また、pH計13により、このオゾン処理水のpH値が測定され、温度計14により、このオゾン処理水の水温が測定される。
これらの溶存オゾン濃度計4、pH計13、温度計14により測定されたオゾン処理水の水質情報はそれぞれ水処理制御装置10に送られる。
オゾン処理水用溶存オゾン濃度計4により測定されるオゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3処理後)が上記の設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)を超える場合には、水処理制御装置10は上記の制御を行う代わりに、オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3処理後)が設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)よりも小さくなるようフィードバック制御を行ってオゾンガス注入装置3によりオゾン処理槽1内に注入されるオゾンガスの注入率を調整する(ステップ15)。
また、フィードバック制御によるオゾン注入率補正値(β)の算出においては、例えば、オゾン処理水用溶存オゾン濃度計4により測定されたオゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3処理後)が用いられる(ステップ16)。
具体的には、図3に示すように、試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3t+T)が設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)よりも小さい場合には、オゾン注入率補正値(β)は下記式(3)により算出される。
オゾン注入率補正値(β)=k×溶存オゾン濃度(DO3t+T)/溶存オゾン濃度(DO3処理後)×オゾン注入率補正初期値(β) ・・・式(3)
一方、図4に示すように、試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3t+T)が設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)よりも大きい場合には、オゾン注入率補正値(β)は下記式(4)により算出される。
オゾン注入率補正値(β)=k×設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)/溶存オゾン濃度(DO3処理後)×オゾン注入率補正初期値(β) ・・・式(4)
上記の式(3)および式(4)において、定数k、kおよびオゾン注入率補正初期値(β)は、試験を行う等によりあらかじめ設定された値である。
なお、上述の水処理制御装置10の制御においては、設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)はあらかじめ設定されているものに限定されず、例えばpH計13によって測定されたオゾン処理水のpH値や温度計14によって測定されたオゾン処理水の水温に基づいて決定されるものであってもよい(ステップ17)。
次に、pH計13によって測定されたオゾン処理水のpH値に基づいて設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)の値を決定する方法について、図6を用いて説明する。
図6は、オゾン処理水の溶存オゾン濃度(mg/L)と臭素酸イオン生成量(μg/L)との相関関係を示すグラフである。図6のグラフにおいては、オゾン処理水のpH値が7である場合とpH値が8である場合についての相関関係が示されている。
図6に示すように、オゾン処理水のpH値に応じて、臭素酸イオン生成量(μg/L)が10μg/Lを超えないように設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)の値を決定する。例えば、オゾン処理水のpH値が7である場合には、設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)の値は約0.5mg/Lとなる。一方、オゾン処理水のpH値が8である場合には、設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)の値は約0.12mg/Lとなる。
また、オゾン処理槽1における被処理水の滞留時間と、試験用オゾン反応器6における被処理水の滞留時間Tは、同一である必要はなく、オゾン処理槽1における被処理水の滞留時間に対する試験用オゾン反応器6における被処理水の滞留時間の割合が0.9乃至1.1であってもよく、この場合でもオゾン反応に影響を与えることはない。また、このような10%程度の誤差であれば、上記のオゾン注入率補正値(β)を変更することによってオゾン処理槽1へのオゾンガスの注入率を補正することにより対応することができる。
本実施形態のオゾンによる水処理制御システムは、上記の制御を行うことにより、オゾンガス注入装置3からオゾン処理槽1内に注入されるオゾンガスの注入率を最適なものとすることができる。これにより、水処理設備の運転コストを増加させる無駄なオゾンガスの生成を抑止することができ、かつ、後段の生物活性炭処理や塩素処理において除去することが困難な臭素酸イオン等の副生成物の生成を抑制することができ、しかも、原水の水質の季節変化、天候による変動、想定外の理由による突発的な変動に対してもリアルタイムで適応することができる。
また、オゾン処理槽1における被処理水の滞留時間と、試験用オゾン反応器6における被処理水の滞留時間Tとを略同一のものとすることにより、オゾン処理槽1におけるオゾン反応の内容および試験用オゾン反応器6におけるオゾン反応の内容に差異が生じることがなく、よって試験用オゾンガス注入装置7から試験用オゾン反応器6内に注入されるオゾンガスの最適注入率に基づいて、オゾンガス注入装置3からオゾン処理槽1内に注入されるオゾンガスの制御注入率を算出することができる。
また、試験用処理水水質測定器8として蛍光分析計8aを用いることにより、蛍光強度の測定の原理上、分析セルにサンプリングされた試験用オゾン処理水のセル表面に近い部分の蛍光強度を測定するため、試験用オゾン処理水中の溶存オゾンや未溶解オゾンの気泡による照射光の減衰等の影響を最小限に抑えることができる。
また、この蛍光分析計8aは、励起波長が340nm乃至350nmである光を試験用オゾン処理水に照射し、その分光スペクトル中の420nm乃至430nmの蛍光波長を測定することにより、この試験用オゾン処理水の蛍光強度を測定するようになっている。このため、分析対象となる被処理水中の溶解性有機物質およびトリハロメタン前駆物質のオゾンによる分解特性を正確に反映した被処理水とオゾンガスとの反応特性を得ることができる。これにより、最も効率よく被処理水中の溶解性有機物質およびトリハロメタン前駆物質を分解できるようオゾン処理槽1内へのオゾンガスの注入率を最適化することができる。
また、オゾン処理槽1から流出したオゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3処理後)を、オゾン処理水用溶存オゾン濃度計4により測定し、この測定値が設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)を超えないようにオゾン処理槽1内へのオゾンガスの注入率を制御するようになっているので、オゾン処理槽1内におけるオゾン反応の内容と試験用オゾン反応器6内におけるオゾン反応の内容とが異なっている場合であっても、オゾン処理槽1内へ過剰にオゾンガスを注入することを抑止することができる。これにより、オゾン処理水中の溶存オゾン濃度が高くなり、毒性の高い副生成物が生成されることを抑止することができる。
また、pH計13により測定されたオゾン処理水のpH値および/または温度計14により測定されたオゾン処理水の水温に基づいて設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)が設定されるので、臭素酸イオンが過剰に生成されるような溶存オゾン濃度を正確に導き出すことができ、この値を溶存オゾン濃度の上限値である設定上限溶存オゾン濃度(DO3上限)に設定することにより、オゾンガスと被処理水との反応により生じる毒性の高い臭素酸イオンが生成されることを確実に抑止することができる。
なお、本発明のオゾンによる水処理制御システムは、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。
例えば、試験用処理水水質測定器8により得られる試験用オゾン処理水の水質情報として、試験用オゾン処理水の蛍光強度を用いる代わりに、蛍光を発する特定物質の蛍光強度を基準とし、試験用オゾン処理水を測定することにより得られた蛍光強度の基準値に対する大きさの割合である相対蛍光強度を用いてもよい。これにより、蛍光分析計8aなどの機器の影響を受けることなく、高い制御精度で、オゾン処理槽1へのオゾン注入率を決定することができ、この注入率を最適なものとすることができる。
また、他の変形例としては、例えば、試験用処理水水質測定器8においては、試験用オゾン反応水の蛍光強度を水質情報とする代わりに、試験用オゾン反応水の吸光度(UV)を測定する吸光度測定器を用いて、この試験用オゾン反応水の吸光度に関する水質情報を水処理制御装置10に送るものであってもよい。
この場合、吸光度(UV)は、あらかじめ設定されている波長、例えば主にフミン質などの濃度を測定するのに最適な390nmの波長光に対する吸光度を測定することにより得られる。
これにより、被処理水の色度の低減を主目的とする場合に、発色の原因となる物質の分解に対して高い制御精度でオゾンガス注入装置3を制御することができ、オゾン処理槽1へのオゾンガスの注入率を最適なものとすることができる。
また、他の変形例としては、例えば、水処理制御装置10の制御において、オゾン処理槽1における被処理水の滞留時間に比べて、試験用オゾン反応器6における被処理水の滞留時間Tが短くなるように、サンプリング用ポンプ5aによるサンプリング流量(Lサンプル)を決定することができる。
この場合には、試験用オゾン反応器6内におけるオゾン反応によって得られるオゾンガスの目標注入率(I目標)をオゾン注入率補正値(β)で補正した値、すなわち、目標注入率(I目標)とオゾン注入率補正値(β)との積に基づいて、オゾン処理槽1におけるCT値と試験用オゾン反応器6におけるCT値とが略同一となるようにオゾン処理槽1におけるオゾンガスの制御注入率(I制御)を決定する。
これにより、試験用オゾン反応器6内において、被処理水とオゾンガスとの反応特性を迅速に把握することができるので、被処理水の突発的な変動に対して、有害性のオゾン処理副生成物の生成を最小限に抑えることができる。
また、更に他の変形例としては、例えば、導入ライン2に追加の蛍光分析計を設け、被処理水の蛍光強度(FL)をこの蛍光分析計により測定してもよい。
これにより、被処理水の蛍光強度(FL)に対するオゾン処理後の試験用オゾン反応水の蛍光強度(FL)の割合を算出することができ、試験用オゾン反応器6への試験用オゾンガスの注入率(I)を0からではなく、例えば設定最大値(I最大)の半分の値からスタートさせることも可能となる。
よって、このようなオゾンによる水処理制御システムでは、設置コスト、運転コスト、水質指標を測定する機器の水質の違いによる誤差などを考慮した上で、蛍光分析計の台数を単数にするかあるいは複数にするかの選択を行うことが好ましい。
本発明の実施形態におけるオゾンによる水処理制御システムの構成を示す構成図 図1のオゾンによる水処理制御システムの作用を説明するフローチャート 試験用オゾンガスの注入率(I)の経時変化と、試験用オゾン処理水の蛍光強度(FL)の経時変化と、試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3X)の経時変化とをそれぞれ示すグラフ 試験用オゾンガスの注入率(I)の他の経時変化と、試験用オゾン処理水の蛍光強度(FL)の他の経時変化と、試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3X)の他の経時変化とをそれぞれ示すグラフ 蛍光強度(FL)の経時変化と、蛍光強度の低減率(△FL/FL)の経時変化と、蛍光強度の低減率の減少速度(d(△FL/FL)/dt)の経時変化とをそれぞれ示すグラフ オゾン処理水の溶存オゾン濃度と臭素酸イオン生成量との相関関係を示すグラフ 従来のオゾンによる水処理制御システムの構成を示す構成図
符号の説明
1 オゾン処理槽
2 導入ライン
2a 流量計
2b 流出ライン
3 オゾンガス注入装置
4 オゾン処理水用溶存オゾン濃度計
5 分岐ライン
5a サンプリング用ポンプ
6 試験用オゾン反応器
6a 流出ライン
7 試験用オゾンガス注入装置
8 試験用処理水水質測定器
8a 蛍光分析計
8b 溶存オゾン濃度計
10 水処理制御装置
11 散気管
12 散気管
13 pH計
14 温度計
51 オゾン処理槽
52 オゾンガス注入装置
53 溶存オゾン濃度計
54 水処理制御装置
55 散気管

Claims (12)

  1. 被処理水が導入ラインを介して導入されるオゾン処理槽と、
    オゾン処理槽内にオゾンガスを注入して被処理水とオゾンガスとを反応させ、オゾン処理水を得るオゾンガス注入装置と、
    導入ラインにより導入される被処理水の一部が分岐ラインを介して分岐して流入する試験用オゾン反応器と、
    試験用オゾン反応器内に試験用オゾンガスを注入して被処理水と試験用オゾンガスとを反応させ、試験用オゾン処理水を得る試験用オゾンガス注入装置と、
    試験用オゾン反応器の下流側に設けられこの試験用オゾン反応器から流出した試験用オゾン処理水の水質を測定する試験用処理水水質測定器と、
    試験用オゾンガス注入装置からの試験用オゾンガスの注入率と、試験用処理水水質測定器により得られる試験用オゾン処理水の水質情報とに基づいて、オゾンガス注入装置を制御してオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率を調整する水処理制御装置とを備えたことを特徴とするオゾンによる水処理制御システム。
  2. 試験用処理水水質測定器は、試験用オゾン反応器から流出した試験用オゾン処理水の蛍光強度を測定する蛍光分析計を有し、
    水処理制御装置は、試験用オゾンガス注入装置からの試験用オゾンガスの注入率と、蛍光分析計により得られる試験用オゾン処理水の蛍光強度とに基づいて、オゾンガス注入装置を制御してオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率を調整することを特徴とする請求項1記載のオゾンによる水処理制御システム。
  3. 水処理制御装置は、
    試験用オゾンガス注入装置を制御して試験用オゾン反応器内に注入される試験用オゾンガスの注入率を、0から設定最大値まで時間の経過とともに増加させて設定最大値に達したときに再び0にすることを繰り返すよう調整するとともに、
    試験用オゾン処理水の蛍光強度が低下しはじめてから設定目標蛍光強度に達するまでの時間を算出し、試験用オゾンガスの注入率が0となる時刻からこの算出された時間が経過したときにおける試験用オゾンガスの注入率に基づいて制御注入率を設定し、
    オゾンガス注入装置を制御してオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率をこの設定された制御注入率となるよう調整することを特徴とする請求項2記載のオゾンによる水処理制御システム。
  4. 試験用処理水水質測定器は、試験用オゾン反応器から流出した試験用オゾン処理水の蛍光強度を測定する蛍光分析計と、この試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度を測定する溶存オゾン濃度計とを有し、
    水処理制御装置は、試験用オゾンガス注入装置からの試験用オゾンガスの注入率と、蛍光分析計により得られる試験用オゾン処理水の蛍光強度および溶存オゾン濃度計により得られる試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度とに基づいて、オゾンガス注入装置を制御してオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率を調整することを特徴とする請求項1記載のオゾンによる水処理制御システム。
  5. 水処理制御装置は、
    試験用オゾンガス注入装置を制御して、試験用オゾン反応器内に注入される試験用オゾンガスの注入率を、0から設定最大値まで時間の経過とともに増加させて設定最大値に達したときに再び0にすることを繰り返すよう調整するとともに、
    試験用オゾン処理水の蛍光強度が低下しはじめてから設定目標蛍光強度に達するまでの時間を算出し、試験用オゾンガスの注入率が0となる時刻からこの算出された時間が経過したときにおける試験用オゾンガスの注入率に基づいて制御注入率を設定し、
    試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度が設定上限溶存オゾン濃度以下である場合において、オゾンガス注入装置を制御してオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率をこの設定された制御注入率となるよう調整することを特徴とする請求項4記載のオゾンによる水処理制御システム。
  6. 水処理制御装置は、
    試験用オゾン処理水の溶存オゾン濃度が設定上限溶存オゾン濃度を超えた場合おいて、溶存オゾン濃度が上昇しはじめてから設定上限溶存オゾン濃度に達するまでの時間を更に算出し、試験用オゾンガスの注入率が0となる時刻からこの算出された時間が経過したときにおける試験用オゾンガスの注入率に基づいて修正制御注入率を設定し、
    オゾンガス注入装置を制御してオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率をこの設定された修正制御注入率となるよう調整することを特徴とする請求項5記載のオゾンによる水処理制御システム。
  7. オゾン処理槽の下流側に設けられ、このオゾン処理槽から流出したオゾン処理水のpH値を測定するpH計および/またはオゾン処理水の水温を測定する温度計を備えており、
    水処理制御装置において、設定上限溶存オゾン濃度は、pH計により測定されたオゾン処理水のpH値および/または温度計により測定されたオゾン処理水の水温に基づいて補正されることを特徴とする請求項5または6記載のオゾンによる水処理制御システム。
  8. 蛍光分析計は、励起波長が340nm乃至350nmである光を試験用オゾン処理水に照射し、その分光スペクトル中の420nm乃至430nmの蛍光波長を測定することにより試験用オゾン処理水の蛍光強度を測定するものであることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載のオゾンによる水処理制御システム。
  9. 蛍光分析計により得られる試験用オゾン処理水の蛍光強度に係わる水質情報として、蛍光を発する特定物質の蛍光強度を基準とした相対蛍光強度が用いられることを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載のオゾンによる水処理制御システム。
  10. 導入ラインと試験用オゾン反応器との間の分岐ラインにサンプリング用ポンプが設けられ、
    水処理制御装置は、サンプリング用ポンプを制御して、オゾン処理槽における被処理水の滞留時間に対する試験用オゾン反応器における被処理水の滞留時間の割合が0.9乃至1.1となるよう、サンプリング流量を調整することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のオゾンによる水処理制御システム。
  11. オゾン処理槽の下流側に設けられ、このオゾン処理槽から流出したオゾン処理水の溶存オゾン濃度を測定するオゾン処理水用溶存オゾン濃度計を更に備え、
    水処理制御装置は、オゾンガス注入装置を制御して、オゾン処理槽に注入されるオゾンガスの注入率を、オゾン処理水用溶存オゾン濃度計により測定されるオゾン処理水の溶存オゾン濃度が設定上限溶存オゾン濃度以下となるよう調整することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のオゾンによる水処理制御システム。
  12. 試験用処理水水質測定器は、試験用オゾン処理水の吸光度を測定する吸光度分析計を有し、
    水処理制御装置は、試験用オゾンガス注入装置からの試験用オゾンガスの注入率と、吸光度分析計により得られる試験用オゾン処理水の吸光度とに基づいて、オゾンガス注入装置を制御してオゾン処理槽内に注入されるオゾンガスの注入率を調整することを特徴とする請求項1記載のオゾンによる水処理制御システム。
JP2004135956A 2004-04-30 2004-04-30 オゾンによる水処理制御システム Expired - Fee Related JP4331048B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004135956A JP4331048B2 (ja) 2004-04-30 2004-04-30 オゾンによる水処理制御システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004135956A JP4331048B2 (ja) 2004-04-30 2004-04-30 オゾンによる水処理制御システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005313115A true JP2005313115A (ja) 2005-11-10
JP4331048B2 JP4331048B2 (ja) 2009-09-16

Family

ID=35441106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004135956A Expired - Fee Related JP4331048B2 (ja) 2004-04-30 2004-04-30 オゾンによる水処理制御システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4331048B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008049247A (ja) * 2006-08-23 2008-03-06 Toshiba Corp オゾン処理装置及びオゾン注入制御方法
KR101674984B1 (ko) * 2015-06-09 2016-11-10 주식회사 포스코건설 오존제어장치 및 오존제어방법
CN113072128A (zh) * 2021-04-08 2021-07-06 南华大学 含Cr(VI)废水光化学处理装置和方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008049247A (ja) * 2006-08-23 2008-03-06 Toshiba Corp オゾン処理装置及びオゾン注入制御方法
KR101674984B1 (ko) * 2015-06-09 2016-11-10 주식회사 포스코건설 오존제어장치 및 오존제어방법
CN113072128A (zh) * 2021-04-08 2021-07-06 南华大学 含Cr(VI)废水光化学处理装置和方法
CN113072128B (zh) * 2021-04-08 2022-07-08 南华大学 含Cr(VI)废水光化学处理装置和方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4331048B2 (ja) 2009-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kutschera et al. Photoinitiated oxidation of geosmin and 2-methylisoborneol by irradiation with 254 nm and 185 nm UV light
JP4673709B2 (ja) 水処理システム
JP2005305328A (ja) 水処理制御システム
KR101459376B1 (ko) 제어시스템을 갖춘 고도산화 수처리 장치 및 이를 이용한 수처리 공정
US20080203035A1 (en) Water treatment method and water treatment apparatus
JP4660211B2 (ja) 水処理制御システム及び水処理制御方法
JP4331048B2 (ja) オゾンによる水処理制御システム
JP4334404B2 (ja) 水処理方法及び水処理システム
KR102086341B1 (ko) 클로라민 형성 및 자외선 광분해를 통한 난분해성 아민 폐수 처리 방법 및 장치
JP4509644B2 (ja) オゾンガス注入制御システム
KR101169877B1 (ko) 고도 산화 수처리 공정의 운전 조건 설정 방법
US11174181B2 (en) Accelerated oxidation treatment method and accelerated oxidation treatment device
JP3321876B2 (ja) オゾン処理装置及びオゾン処理方法並びに浄水処理方法
Affam et al. Solar photo-Fenton induced degradation of combined chlorpyrifos, cypermethrin and chlorothalonil pesticides in aqueous solution
US20140131285A1 (en) Method and Arrangement for a Water Treatment
JP2007117849A (ja) オゾン処理システム
JP3617334B2 (ja) 水処理方法及び装置
JP4683977B2 (ja) 促進酸化水処理方法における過酸化水素注入制御方法および装置
JP2008194558A (ja) 水処理システム及び水処理方法
JP2007326047A (ja) 水処理制御装置
JP3889294B2 (ja) 蛍光分析計を用いた水処理システム
JP2001194357A (ja) 全窒素濃度測定方法及びその装置
JP3666255B2 (ja) オゾンと紫外線による水処理運転制御方法
JP2003236566A (ja) 過酸化水素の残留濃度制御装置
JPH08136526A (ja) 溶存オゾン濃度連続測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070315

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090306

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090526

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090617

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130626

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees