JP2005305328A - 水処理制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 オゾン注入量を最適化して、適切な水処理を行なうことができる水処理制御システムを提供する。
【解決手段】 水処理制御装置14は被処理水水質計21からの被処理水の水質指標と、オゾン処理水水質計24からのオゾン処理水の水質指標との差を水質指標の変化量として求める。この水質指標の変化量を被処理水の水質指標またはオゾン処理水の水質指標で除して水質指標変化率を求める。水処理制御装置14は、この水質指標変化率に基づいてオゾンガス注入装置19を制御して、オゾンガス注入量を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、浄水処理、下水処理、産業排水処理、食品排水処理などの水処理設備で使用される水処理方法に係わり、特に被処理水に対するオゾンの注入に基づく水処理を行うオゾン処理と生物活性炭処理を組み合わせた水処理設備において、オゾン注入量などを最適化するオゾンによる水処理制御システムに関する。
浄水場では、地下水や表流水などを原水として、着水井に導入するとともに、凝集剤を添加してフロックを形成し、沈澱処理を実施した後、上澄液を砂濾過に導いて懸濁物を除去し、最後に消毒用の塩素処理を実施して需要家に供給するようにしている。この際、消毒用塩素処理の効果をより確実にするために、凝集剤注入点前に塩素を注入する前塩素処理、沈殿水に塩素を注入する中間塩素処理が行われる。
ところが、近年、産業排水、生活排水などによる水の汚染が進んでおり、水源の汚染が社会問題になっている。具体的には、上流河川において、かび臭などの臭気物質、フミン質(植物などが微生物により分解される種々雑多な有機化合物によって構成される高分子化合物の1つであり、樹木などのセルロースやリグニン酸が酸化される過程で生じる河川水着色の原因となる有機物)、農薬、ダイオキシン、環境ホルモンなどの難分解性の汚染物質が微量含まれていることが指摘されている。また、河川の下流側ではさらに汚染が進んでおり、これらの汚染物質の他に、アンモニアや、有機塩素系の洗剤、更には合成洗剤、染料など種々の化学物質の汚染が広がっている。
上記の浄水処理法では、こういった汚染物質の除去に対応できないだけでなく、トリハロメタンの前駆物質であるフミン質を含む色度成分の増加は、塩素処理により処理水中のトリハロメタンが増大する。また、アンモニアの増加によっても、塩素とアンモニアが反応してクロラミンを生成し、必要以上に塩素を消費するため、塩素処理における塩素注入率が高くなり、その結果、トリハロメタン生成量が増大する。トリハロメタンは発ガン性物質であるため、水処理工程において、トリハロメタンの生成を抑制する必要がある。
そこで、こういった汚染物質を分解、除去が可能なオゾン処理や生物活性炭処理などの高度浄水処理システムを上記の浄水処理法に組み込んだ浄水場が増えてきた。オゾン処理は、オゾン発生装置にて、空気または酸素に電圧をかけ、放電(無声放電)させることにより酸素の一部をオゾン化させたオゾンガスと被処理水とを接触させて、オゾンの強い酸化力で被処理水中の汚染物質を分解する。特に、オゾン処理と生物活性炭処理を組み合わせたシステムが広く普及し、前段のオゾン処理により上記の浄水処理法では対応できない汚染物質の分解・除去、特にかび臭などの臭気物質、フミン質などからなる色度成分の分解、鉄、マンガンなどの酸化・不溶化、有機ハロゲン化合物を含む有機物が分解され、後段の生物活性炭において微生物により更に分解され、吸着除去される。
なお、トリハロメタン生成能(THMFP)は、オゾン処理単独では、ある程度低下すると下がらなくなる。原水水質によっては、いったん下がった後に増加することもある(例えば非特許文献1参照)。これは、オゾンによる酸化分解のみではトリハロメタン前駆物質、特にフミン質を無機化できず、また、条件によっては、トリハロメタン前駆物質となるフミンが増加するためである。しかし、オゾン処理の後段に生物活性炭処理を組み合わせる事により、これらのトリハロメタン前駆物質となるフミンが分解、吸着除去され、最終的にトリハロメタン生成能(THMFP)が低下する。
高度浄水処理のオゾン処理を導入している浄水場では、被処理水に対して除去目的物質の酸化分解反応を十分に行うだけのオゾンガスの注入が必要であるが、同時に過剰なオゾンガスの注入は、オゾンを発生させるための電力コストが増すだけでなく、オゾン処理水中の溶存オゾンが増えることになる。このため、後段の生物活性炭処理槽における生物活性炭の寿命を縮め、また、発ガン性物質である臭素酸イオン等の副生成物が生成するなどの問題が生じる。そこで、オゾン処理水中の溶存オゾン濃度と除去目的物質の除去効率の双方が、最適な値になるようにオゾンガスの注入を調整する必要がある。オゾンガス注入量を調整する方法として、被処理水の導入量に対するオゾンの注入率を一定とする(1)オゾン注入率一定制御、あるいは溶存オゾン(残留オゾン)濃度が一定の値になるように制御する(2)溶存オゾン(残留オゾン)濃度一定制御、排出ガス中の未反応のオゾン濃度が一定になるように制御する(3)排ガス中オゾン濃度一定制御などが知られている。
いずれの制御方法においても一定制御する各設定値は、あらかじめ原水とオゾンとの反応特性を求める実験を行い、その実験結果と、原水水質の天候による変動や季節変化などの過去のデータや他の浄水場のデータから決められ、必要に応じてオペレーターが手動で変更する。なお、一般的には、過不足なくオゾンを注入するという観点から(2)溶存オゾン(残留オゾン)濃度一定制御するという方法が多く採用されており、この方法だと処理水中の溶存オゾン濃度が臭素酸イオンの生成量が増加しない濃度範囲内になるように制御することができ、臭素酸イオンの生成を抑止しやすい(例えば、特許文献1参照)。
図17は、このような従来のオゾンによる水処理制御システム、すなわち被処理水に対してオゾン処理槽中の溶存オゾン濃度が設定値の一定になるようにオゾンガス注入量を制御する((2)溶存オゾン(残留オゾン)濃度一定制御)により水処理を行うオゾンによる水処理制御システムの構成を示す構成図である。
この図において、オゾン処理槽101は、被処理水にオゾンガスを注入し接触・混合する複数段のオゾン接触槽102と、オゾンと被処理水の反応時間を確保するための滞留槽103と、オゾン処理槽101の各槽から未反応のまま排出される排オゾンガスを分解、除去する排オゾン処理装置104とから構成されている。
オゾン接触槽102の各槽の下部にはそれぞれオゾンガス散気管105が設置されており、オゾンガス注入装置108によりオゾン発生器108aで生成したオゾンガス107が供給され、気泡109としてオゾン接触槽102内に注入される。オゾン処理槽101の処理水出口には、採水口111が取り付けられており、ここから採水したオゾン処理水113の一部は、溶存オゾン濃度計110へ導かれている。溶存オゾン濃度計110では、オゾン処理水113の溶存オゾン濃度(DO3処理後)が検出され、この検出信号が水処理制御装置114に入力される。水処理制御装置114は、入力された溶存オゾン濃度(DO3処理後)に基づいて最適なオゾン注入量になるようにオゾンガス注入装置108を制御しオゾン接触槽102へのオゾンガス注入量を調整するように構成されている。
図17において、オゾン処理槽101に前処理として凝集沈澱処理や砂濾過処理等を経た被処理水112が流入し、オゾン発生器108aにて空気106中の酸素の1部をオゾン化したオゾンガス107がオゾンガス注入装置108により供給される。オゾン処理槽101に供給されたオゾンガス107はオゾン接触槽102の下部に設けられたオゾンガス散気管105から被処理水中に気泡となって注入される。このオゾンガス107の気泡109と被処理水112との気液接触によりオゾンが被処理水に溶解し、複数段のオゾン接触槽102と滞留槽103を通過する間に、溶解したオゾンと溶質との酸化反応により、フミン質を中心としたトリハロメタン前駆物質である高分子有機化合物の低分子化、2−メチルイソボルネオール(2−MIB)、ジェオスミンなどの分解による脱臭などが達成される。
オゾンにより処理されたオゾン処理水113は、オゾン処理槽101出口より排出され次処理工程に送られる。なお、オゾン処理槽101出口に設置された採水口111からオゾン処理水113の一部が採水され、溶存オゾン濃度(DO3処理後)が溶存オゾン濃度計110により測定される。溶存オゾン濃度(DO3処理後)の測定値は水処理制御装置114に入力される。水処理制御装置114では、予め設定された溶存オゾン濃度設定値(DO3設定)と溶存オゾン濃度計110の測定値(DO3処理後)の差に基づいて、オゾンガス注入装置108からオゾン接触槽102へ供給されるオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)、すなわち被処理水量に対するオゾン注入率(I)を制御する。
オゾンガス107のうちオゾン接触槽102で未溶解のまま排出されるオゾンガスは、オゾン処理槽101上部の気相部より排出され、排オゾン処理装置104により無害化した上で排気115として大気中へ放出される。ここで未反応のオゾンが多いと、発生させたオゾンのロスとなる。オゾン処理水中の溶存(残留)オゾンもオゾン処理槽101より流出するため、発生させたオゾンのロスになる。従って、被処理水中の処理対象物質の性状変化に合わせて、必要最小限のオゾンの注入により無駄なオゾン発生を低減する必要があるが、実際には、被処理水中の処理対象物質の変化を確認しながらフィードバック制御するのは難しいため、常に少し多めのオゾンを注入するように水処理制御装置114の溶存オゾン濃度設定値(DO3設定)を決めている。
また、溶存オゾン濃度計110に未溶解のオゾンガスの気泡が入り測定値が不安定になる。そこで、溶存オゾン濃度に替わってオゾンガス吸収量(注入オゾン量と排出オゾン量の差)を被処理水中の有機体炭素濃度(TOC)で除した数値が一定の範囲になるように制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、被処理水中のTOCを測定する方法として、一般的にサンプルの全炭素濃度(TC)と無機物炭素濃度(IC)を測定し、TCからICを差し引くことによりTOC求める方法が用いられている。この方法では、1サンプルに対する測定時間が15分から30分程度かかってしまう。さらに特許文献1では、オゾン処理槽101の被処理水流入部のTOCを測定しているため、制御に時間差が生じリアルタイム制御が難しいという問題点がある。
一方、被処理水の水質(溶質)を確認しながらのフィードバック制御する方法として、オゾンにより酸化分解される被処理水中の有機物量に相関するオゾン処理水のUV値(紫外線吸光度(E260))または蛍光強度を測定しながら制御する(4)UV値または蛍光強度によりフィードバック制御する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、UV値または蛍光強度の他に、オゾン処理水あるいはオゾン処理前の被処理水の濁度、TOC、溶存オゾン濃度を組み合わせた制御方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
これらは、UV値、蛍光強度、濁度、TOC、溶存オゾン濃度、または、これらの水質指標を組み合わせて計算された指標が設定値または設定範囲内になるようにオゾンガス注入量を調整する。原水水質の内、溶存有機物量の変動に対してリアルタイムに適応可能だが、これらの指標の設定値は、(1)から(3)の制御方式と同様に、あらかじめ原水とオゾンとの反応特性を求める実験を行い、その実験結果と、原水水質の天候による変動や季節変化などの過去のデータや他の浄水場のデータから決められる。
特開2000−288561号公報 特開平2−277596号公報、特開平7−246384号公報 特開平4−225895号公報、特開平6−254576号公報、特開平11−207368号公報、特開平11−207369号公報、特開2003−88882号公報 「オゾンにおける臭素酸イオン生成特性に関する検討」、茂庭、岡田、加藤、本山、星川、第9回日本オゾン協会年次研究講演会講演集、第23項−第26項、(2000年)(第24項、図2)
上述した従来のオゾンによる水処理制御システムにおいては、以下に示す課題がある。
従来のシステムでは、いずれの制御方法においても一定制御する各設定値は、あらかじめ原水とオゾンとの反応特性を求める実験を行い、その実験結果と、原水水質の天候による変動や季節変化などの過去のデータや他の浄水場のデータから決められ、必要に応じてオペレーターが手動で変更している。すなわち、原水水質の変動にリアルタイムに自動対応できず、天候や季節、定期的な水質検査の結果によって、適時、人為的に設定値を変える必要があり、これらの専門知識を持ち、かつ、経験豊かな専門家を常駐させなければならない。なおかつそれでも、オゾンの被処理水への溶解と溶質の酸化分解反応は複雑であり、これらの解明手段も無いため、実際は、季節変化や運転経験により、運転に支障がない範囲で、多めにオゾンを供給するように設定値を変化させており、最適運用とは程遠いものとなっている。これらのために高度浄水処理としてオゾン処理を導入している浄水場では、人件費、オゾンを発生させるための電力料が高く、浄水処理量あたりの浄水コストが従来の浄水処理法より格段と高くなり、中小規模の浄水場で高度浄水処理の導入・普及が進まない理由の一つとなっている。
また、オゾン処理による副生成物である臭素酸イオンは、発ガン性物質であることから、飲料水水質ガイドライン値として、飲料水中の臭素酸イオン濃度が、WHO:25μg/L、USEPA(米国環境保護省):10μg/Lに規制されており(2003年8月現在)、近々、日本でも新しい水道水基準の対象となる予定である。生成した臭素酸イオンは、後段の生物活性炭槽での除去が困難であり、臭素酸イオンを低減するためには、オゾン処理時での生成を抑制する必要がある。オゾン処理による臭素酸イオンの生成量は、被処理水中の臭化物イオン濃度と、溶存オゾン濃度と、オゾン処理槽内のオゾンと被処理水の接触時間との積(CT値)に比例する。実際の浄水プラントでは、接触時間は、オゾン処理槽のサイズが変わらないので、同プラントの水処理量に依存する。水処理量は、オゾン処理槽のために適時変更する事は困難なので被処理水中の溶存オゾン濃度を調整する事により臭素酸イオンの生成を抑制する事になる。
ここで、従来の(2)溶存オゾン濃度一定制御によるオゾン処理システム、すなわち被処理水に対してオゾン処理槽中の溶存オゾン濃度が設定値の一定になるようにオゾンガス注入量を調整して水処理を行うオゾン処理システムでは、この設定値を、臭素酸イオンの生成量を減らすために、低くしなければならず、あまり低くしすぎると、溶存オゾン濃度計の測定下限に近づくか、それ以下になる。すなわち、溶存オゾン濃度計の測定値のバラツキ、誤差が大きく、オゾン注入量を的確に調整できなくなる。また、オゾン注入率を低くする事は、本来のオゾンによる分解対象物質である臭気物質、色度物質、トリハロメタン前駆物質などの分解能力を低下させる事になり、必要以上にオゾン注入率を低くするわけにはいかない。こういった理由から従来のシステムではオゾンガス注入量を制御するための各設定値を決めるのが困難であり、しかも、原水水質の変動に対して、リアルタイムに対応できない。
なお、浄水場が高度浄水処理のオゾン処理を採用する目的の1つに、トリハロメタン前駆物質を酸化分解する事があるが、この主なトリハロメタン前駆物質であるフミン質は、オゾンによる分解反応速度が速いものと遅いものがある。その割合は、原水の種類、季節、天候などによって違ってくる。分解反応速度が速いフミン質の分解は、低溶存オゾン濃度でも優先的に分解が進行するが、分解反応速度が遅いフミン質まで分解するように溶存オゾン濃度を上げる、すなわちオゾンガス注入量(オゾン注入率)を増やしていては、後段の生物活性炭処理や塩素処理でも除去できない臭素酸イオン等の副生成物が増加してしまう。また、分解反応速度が遅いフミン質を中途半端にオゾン分解すると、かえってトリハロメタン生成能(THMFP)が増加してしまう。すなわち、分解反応速度が遅いフミン質をオゾン分解する事は、トリハロメタン生成能(THMFP)を低減するという観点からは、無駄なオゾンを注入していることになり、運転コストの上昇を意味する。
また、オゾン処理水あるいはオゾン処理前の被処理水のUV値、蛍光強度、あるいはこれらに濁度、TOC、溶存オゾン濃度等を組み合わせて計算された指標が設定値または設定範囲内になるようにオゾンガス注入量を調整する方法では、原水水質の内、溶存有機物量の変動に対してリアルタイムに適応可能だが、これらの指標と溶存有機物量とは、いつでも相関関係が同じなわけではない。特に、オゾンによる酸化反応により完全に分解できない溶存有機物が他の親水性有機物に変化するため、トリハロメタン生成能(THMFP)等の水質との相関関係が違ってくる。その違いは、原水水質によって様々である。すなわち、実験的に上記の相関関係を求め、その結果に基づきオゾン注入量を制御するための設定値または設定範囲を決めるが、原水水質(水源)、季節等が違ってくるとこれらの相関関係が変化し、必ずしも一致しない。従って、水質指標としてUV値や蛍光強度に基づきオゾン注入量を制御する場合は、上記の相関関係を確認するための実験を頻繁に行わない、必要ならば設定値を変更しなければならない。何よりも上記の相関関係が変化したことをリアルタイムに把握できないため最適なオゾン注入率に制御できているとは言い難い。また、UV値では、その測定原理上、測定対象のオゾン処理水中の溶存オゾンや未反応オゾンの気泡による照射光の減衰(吸収)等の影響が大きく、溶存有機物量を正確に反映させる事が困難なだけでなく、溶存有機物量が少ない場合、検出できない可能性がある。このため処理中またはその直後の処理水の水質、すなわち、オゾン接触漕内部やその排出口直後における処理水の水質をリアルタイムに把握できない。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、オゾン処理を行なう水処理システムにおいて、被処理水中の有機物の分解処理、トリハロメタン生成能(THMFP)の低減処理を最も効率良く行わせることができるオゾンによる水処理制御システムであって設備の運転コストを増加させる無駄なオゾンガス注入を減らすことができ、かつ、後段の生物活性炭処理や塩素処理でも除去できない臭素酸イオン等の副生成物の生成を低く抑えることができる。オゾンによる水処理制御システムを提供することを目的とする。
本発明は、被処理水を導入するオゾン処理槽と、オゾン処理槽にオゾンガスを注入してオゾン処理水を生成するオゾンガス注入装置と、被処理水の水質指標を測定する被処理水水質計と、オゾン処理水の水質指標を測定するオゾン処理水水質計と、被処理水水質計からの被処理水の水質指標と、オゾン処理水水質計からのオゾン処理水の水質指標との差を水質指標の変化量として求め、この水質指標の変化量を被処理水の水質指標またはオゾン処理水の水質指標で除した水質指標変化率に基づいてオゾンガス注入装置を制御してオゾンガス注入量を調整する水処理制御装置と、を備えたことを特徴とする水処理制御システムである。
本発明は、被処理水を導入するとともに多段に構成された複数のオゾン接触槽からなるオゾン処理槽と、オゾン処理槽にオゾンガスを注入してオゾン処理水を生成するオゾンガス注入装置と、被処理水の水質指標を測定する被処理水水質計と、オゾン処理水の水質指標を測定する少なくとも一対のオゾン処理水水質計と、被処理水水質計からの被処理水の水質指標と、一のオゾン処理水水質計からのオゾン処理水の水質指標との差を水質指標の変化量として求め、この水質指標の変化量を被処理水の水質指標または当該オゾン処理水水質計からのオゾン処理水の水質指標で除した水質指標変化率に基づいてオゾンガス注入装置を制御してオゾンガス注入量を調整する水処理制御装置と、を備えたことを特徴とする水処理制御システムである。
本発明は、オゾン処理水水質計は、各オゾン接触槽の出口に設けられていることを特徴とする水処理制御システムである。
本発明は、オゾン処理水水質計は、更に一のオゾン接触槽内部に設けられていることを特徴とする水処理制御システムである。
本発明は、オゾンガス注入装置は各オゾン接触槽にオゾンガスを注入するようになっており、水処理制御装置は各オゾン接触槽に関してオゾンガス注入量を調整することを特徴とする水処理制御システムである。
本発明は、水処理制御装置は各オゾン接触槽毎に水質指標の変化率を求め、各オゾン接触槽毎の水質指標の変化率に基づいて各オゾン接触槽のオゾン注入量を調整するようオゾンガス注入装置を制御することを特徴とする水処理制御システムである。
本発明は、水処理制御装置は各オゾン接触槽において、後段の接触槽より前段の接触槽のオゾン注入率が大きくなるように、オゾンガス注入装置からのオゾンガス注入量を調整することを特徴とする水処理制御システムである。
本発明は、水処理制御装置は、各接触槽における各オゾン接触槽毎の水質指標変化率の変化量から、オゾンガス注入量の過不足を判断し、過剰と判断された場合のみ、前記オゾンガス注入量を減らし、それ以外では、オゾンガス注入量を増やすように、オゾンガス注入装置からのオゾンガス注入量を調整することを特徴とする水処理制御システムである。
本発明は、被処理水水質計およびオゾン処理水水質計は、水質指標として蛍光強度を測定することを特徴とする水処理制御システムである。
本発明は、被処理水水質計およびオゾン処理水水質計は、340〜350nmの波長範囲内にある特定波長の励起光を使用して、420〜430nmの波長範囲内にある特定波長の蛍光強度を測定することを特徴とする水処理制御システムである。
本発明は、被処理水水質計およびオゾン処理水水質計は、蛍光を発する特定物質の蛍光強度を基準とした相対蛍光強度を測定することを特徴とする水処理制御システムである。
本発明は、被処理水水質計およびオゾン処理水水質計は、水質指標として少なくとも1つは色度を測定することを特徴とする水処理制御システムである。
本発明は、オゾン処理槽に溶存オゾン濃度測定計が設置され、水処理制御装置は、溶存オゾン濃度測定計からの溶存オゾン濃度を考慮してオゾンガス注入装置を制御してオゾンガス注入量を調整することを特徴とする水処理制御システムである。
本発明は、オゾン処理水槽にpH計または温度計が設置され、水処理制御装置は、pH計からのpH値または温度計からの温度を考慮して、オゾンガス注入装置を制御してオゾンガス注入量を調整することを特徴とする水処理制御システムである。
本発明は、水処理制御装置は、水質指標変化率として、蛍光強度除去率あるいは色度除去率を用い、オゾン処理槽からのオゾン処理水の蛍光強度除去率あるいは色度除去率が、60%〜90%、好ましくは70%〜80%になるように、オゾンガス注入装置を制御してオゾンガス注入量を調整することを特徴とする水処理制御システムである。
第1の実施の形態
以下、図1乃至図5を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。本発明による水処理制御システムは、多段に設けられた複数のオゾン接触槽2を有するオゾン処理槽1aと、各オゾン接触槽2にオゾンガスを注入してオゾン処理水を生成するオゾンガス注入装置19とを備えている。このうちオゾン処理槽1aは、オゾン接触槽2の後段に滞留槽3を有し、オゾン処理槽1aには被処理水が導入されるようになっている。
また各オゾン接触槽2および滞留槽3には、各槽2、3から未反応のまま排出される排オゾンガスを分解、除去する排オゾン処理装置4が接続されている。
また、オゾンガス注入装置19は、大気中から空気6を取り込むコンプレッサー19bと、取り込まれた空気6に電圧をかけ、放電(無声放電)させることにより空気中の酸素の一部をオゾン化させたオゾンガス7を生成するオゾン発生器19aとを有している。また生成したオゾンガス7のオゾン濃度(C)を測定するオゾン濃度計19fと、オゾン発生器19aへの空気6の導入量(Fin)を調整するためのバルブ19cと、流量計19eと、複数段からなるオゾン接触槽2の各槽別に送るオゾンガス7の供給量(F第1槽〜F第3槽)を調整するためのバルブ19dと、流量計19gとが設置されている。
複数段からなる各オゾン接触槽2の下部にはそれぞれオゾンガス散気管5が設置されており、オゾンガス7がオゾンガス注入装置19により供給され、気泡9としてオゾン接触槽2内に注入される。さらにオゾン処理槽1aの被処理水入口には、採水口16が取り付けられており、ここから採水した被処理水12の一部が、蛍光分析計(被処理水水質計)21へ導かれるようになっている。また、オゾン処理槽1aの処理水出口には、採水口11が取り付けられており、ここから採水したオゾン処理水13の一部は、溶存オゾン濃度計10、蛍光分析計24、水温計25、pH計26へ導かれるようになっている。
蛍光分析計21、24、溶存オゾン濃度計10、水温計25、pH計26はオゾン処理水水質計を構成し、それぞれ被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)と、オゾン処理水13の蛍光強度(FL処理後)、溶存オゾン濃度(DO3 処理後)、水温(T処理後)、pH(pH処理後)とを常時検出する。各測定値の検出信号の出力が、水処理制御装置14に入力される。
水処理制御装置14では、それらの測定値に基づいて最適なオゾン注入量になるようにオゾンガス注入装置19を制御し、オゾン接触槽2へのオゾンガスの注入量を調整している。
蛍光分析計21,24は、それぞれ被処理水12の一部を採水口16から、オゾン処理水13の一部を採水口11から取り込みながら、オゾンによる分解対象物質、特に被処理水またはオゾン処理水中のフミン質を主とする溶存有機物の量を示す波長、例えば345nmの波長を持つ励起光を生成して、これを各処理水に照射する。また蛍光分析計21、24は、これらの処理水から発せられる各蛍光のうち、例えば425nmの波長を持つ蛍光を選択して、蛍光強度を測定するように構成されている。
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。まず図2と図3を用いて本発明の制御原理について説明する。
図2は、一般的な河川水とオゾンを反応させた反応特性を示す図例の1つであり、オゾン処理槽出口における溶存オゾン濃度(DO3処理後)に対する、色度、トリハロメタン生成能(THMFP)の除去率の変化、およびオゾン処理による副生成物である臭素酸イオンの生成量の変化を表す特性図である。なお、色度の除去率は、被処理水、オゾン処理水の色度を、それぞれ色度被処理水、色度処理後とすると、次式(1)により求めた。同様にトリハロメタン生成能(THMFP)の除去率は、被処理水、オゾン処理水のトリハロメタン生成能(THMFP)を、それぞれTHMFP被処理水、THMFP処理後として、次式(2)により求めた。
色度除去率[%]=100×(色度被処理水−色度処理後)/色度被処理水 (1)
THMFP除去率[%]
=100×(THMFP被処理水−THMFP処理後)/THMFP被処理水 (2)

この図2より、色度は溶存オゾン濃度(DO3処理後)が0.05mg/Lより低い濃度で90%近く低減され、それより溶存オゾンが増加しても除去率はほぼ一定になることがわかる。また、トリハロメタン生成能(THMFP)も溶存オゾン濃度(DO3処理後)が0.05mg/Lより低い濃度で50%以上低減され、それより溶存オゾンが増加すると除去率が低下する、すなわちトリハロメタン生成能(THMFP)が増加することがわかる。なお、トリハロメタン生成能(THMFP)は、被処理水の水質によっては、20〜30%程度しか低減しない場合もある。また、溶存オゾンが増加してもトリハロメタン生成能(THMFP)は増加しない、すなわち除去率が一定になる場合もある。
しかし、溶存オゾン濃度(DO3処理後)が0.05mg/L未満で、一定または最大になるという図2の例と傾向が同じのため図2への記載は省略した。一方、臭素酸イオンは、溶存オゾン濃度(DO3処理後)に比例して直線的に生成量が増加し、溶存オゾン濃度(DO3処理後)が0.1mg/L以上では、処理水量に対し10μg/L以上の臭素酸イオンが生成する。
図2に示すオゾンと被処理水の反応特性は、オゾン処理槽において、次のような反応が進行していることを意味する。一般的な河川水をオゾン処理した場合、注入されたオゾンで容易に酸化分解できるトリハロメタン前駆物質、色度成分である有機物が優先的に反応し、色度、トリハロメタン生成能(THMFP)がある程度低下する(図2には記載していないが、オゾン処理を行う目的のひとつである2−メチルイソボルネオール(2−MIB)等の臭気物質も優先的に分解される)。
すなわち、これらのオゾンとの反応が優先的に進む物質、すなわちオゾンとの反応速度が速い物質が速やかに分解され、また、オゾンによる生成反応の反応速度が遅い臭素酸イオンはほとんど生成しない。一方、これらの反応がほぼ完了した後に、オゾンとの反応速度が遅い物質が分解されるが、同時に臭素酸イオンも生成してしまう。また、水質によっては、トリハロメタン前駆物質の分解がある程度進行してトリハロメタン生成能(THMFP)が低下したにもかわらず、さらにオゾンによる酸化分解が進む事により、新たなトリハロメタン前駆物質が生成する。すなわちトリハロメタン生成能(THMFP)が増加する。
以上の理由から、先に図17に示した従来のオゾンによる水処理制御システム(溶存オゾン濃度一定制御)では、処理槽出口におけるオゾン処理水中の溶存オゾン濃度(DO3処理後)が0.1mg/L前後で一定になるようにオゾンガス注入量を調整する。この結果、過不足なく、すなわち十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、臭素酸イオンが生成されずにオゾン処理を行える事になる。しかし、色度の低減およびトリハロメタン生成能(THMFP)の低減、すなわちこれらの除去率が最大となりつつ、かつ、電力料等の運転コスト低減のためにオゾンガス注入量をできるだけ少なくするという観点からは、オゾン注入量が最適とは言い難い。むしろ、0.05mg/L未満、さらに低溶存オゾン濃度で一定になるようにオゾンガス注入量を調整するのが望ましいが、大規模浄水プラント向けの溶存オゾン濃度計では、0.05mg/Lは測定下限に近くそのように調整するのは難しい。
そこで、本発明では、オゾン注入制御のための指標としてオゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3処理後)の替わりに蛍光強度除去率(α)を使用する。蛍光強度除去率(α)は、被処理水、処理水の蛍光強度を、それぞれFL被処理水、FLとすると、次式(3)により求めたものである。
蛍光強度除去率(α)[%]=100×(FL被処理水−FL)/FL被処理水 (3)

オゾン処理水の蛍光強度と色度あるいはトリハロメタン生成能(THMFP)は、単純には相関せず、原水の種類や季節、天候の違いなど水質によって相関式が変わってくる。したがって、様々な運転条件により補正する相関式を導きだす必要があり、蛍光強度の相関式から色度やトリハロメタン生成能(THMFP)を計算したものを指標としてオゾンガス注入量を調整するのは現実的ではない。
しかし、蛍光強度除去率(α)は、処理水に溶解している有機物の分解の進行度、すなわち溶存有機物の除去率と相関する。このため蛍光強度除去率(α)の変化を監視する事は、被処理水への溶存有機物の除去率(分解率)の変化を監視することになり、間接的にトリハロメタン前駆物質、色度成分に対する分解反応の特性(反応特性)を把握する事ができる。なお、オゾン処理を行う目的の処理対象物質のひとつである2−メチルイソボルネオール(2−MIB)等の臭気物質は、蛍光分析では検出できない。しかし、これらの臭気物質は、上記のトリハロメタン前駆物質、色度成分である溶存有機物よりオゾン分解されやすい。すなわち、トリハロメタン前駆物質、色度成分である溶存有機物が、除去が進む前に十分に臭気物質は分解されており、臭気物質の除去率の変化を監視する必要はない。
図3は、一般的な河川水とオゾンを反応させた反応特性を示す図例の1つであり、オゾン処理槽出口における蛍光強度除去率(α処理後)に対する、色度、トリハロメタン生成能(THMFP)の除去率の変化、およびオゾン処理による副生成物である臭素酸イオンの生成量の変化を表す特性図である。すなわち、図2の横軸をオゾン処理槽出口におけるオゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3処理後)の替わりに蛍光強度除去率(α処理後)としたものである。図2における溶存オゾンの濃度が約0.03mg/L以上の各データが、図3における蛍光強度除去率(α処理後)が約75%以上のデータに相当する。逆を言えば、図2の溶存オゾンの濃度0.03mg/L以下の各データは、蛍光強度除去率(α処理後)が約75%以下に相当し、処理対象物質除去が最も進行する、すなわち除去率が急激に上昇する処理槽へのオゾン注入条件に相当する。
この図3より、蛍光強度除去率(α処理後)が70〜80%で被処理水の色度の90%近くが低減され、それより蛍光強度除去率(α処理後)が増加しても色度除去率はほぼ一定になることがわかる。また、トリハロメタン生成能(THMFP)も蛍光強度除去率(α処理後)が70〜80%で50%以上低減され、それより蛍光強度除去率(α処理後)が増加するとトリハロメタン生成能(THMFP)除去率が低下する、すなわちトリハロメタン生成能(THMFP)が増加することがわかる。なお、トリハロメタン生成能(THMFP)は、被処理水の水質によっては、除去率が20〜30%程度しか低減しない場合や、蛍光強度除去率(α処理後)が増加してもトリハロメタン生成能(THMFP)は増加しない場合、すなわちトリハロメタン生成能(THMFP)除去率が一定になる場合もある。しかし、蛍光強度除去率(α処理後)が70〜80%で、一定または最大になるという傾向はほぼ一致する。一方、臭素酸イオンは、蛍光強度除去率(α処理後)が60%前後あたりまでは生成せず、その後、蛍光強度除去率(α処理後)の増加ともに生成し、80%以上になると、臭素酸イオン生成量が10μg/L以上となる。すなわち、一般的な河川水をオゾン処理した場合、蛍光強度除去率(α処理後)が70〜80%までは、注入されたオゾンで容易に酸化分解できるトリハロメタン前駆物質、色度成分である有機物が優先的に反応して分解され、色度、トリハロメタン生成能(THMFP)がある程度低下する。その間、オゾンによる生成反応の反応速度が遅い臭素酸イオンはほとんど生成しない。一方、それ以上の蛍光強度除去率(α処理後)では、オゾンとの反応速度が遅い物質が分解され、同時に臭素酸イオンも生成する。また、トリハロメタン前駆物質の分解がある程度進行してトリハロメタン生成能(THMFP)が、低下したにもかかわらず、さらにオゾンによる酸化分解が進む事により、新たな、トリハロメタン前駆物質が生成する。すなわちトリハロメタン生成能(THMFP)が増加する。
以上の理由から、本実施の形態では、被処理水12とオゾン処理水13の蛍光強度をそれぞれ蛍光分析計21と蛍光分析計24により検出し、それらの測定値から計算される蛍光強度除去率(α処理後)が60%〜90%、好ましくは70%〜80%になるように、オゾン接触槽2へのオゾンガス注入量を調整する。その結果、過不足なく、すなわち十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、臭素酸イオンが生成されずにオゾン処理を行える事になる。かつ、オゾン注入量を最小限に制御できるため電力料等の運転コストを低減できる。
次に上記の制御原理に基づいた本発明の具体的な制御方法について説明する。
図1において、凝集沈澱処理や、砂濾過処理などの前処理工程を経た被処理水12は、オゾン処理槽1aに導入される。オゾン処理槽1aに導入された被処理水12は、オゾンガス注入装置19から注入されるオゾンガス7によりオゾン処理されオゾン処理水13としてオゾン処理槽1aより排出される。オゾン処理槽1aより排出されたオゾン処理水13は、生物活性炭処理(BAC)槽等の次処理工程に送られる。
オゾン処理槽1aでは、被処理水12が複数段からなるオゾン接触槽2の第1接触槽の上部から導入され、後述するオゾンと被処理水12との接触反応がおこりながら下降する。第1接触槽下部に達した処理水は、隣接する第2接触槽の上部から導入され、第1接触槽と同様にオゾンと処理水との接触反応がおこりながら下降する。同様に第3接触槽を通過し、滞留槽3を経て、オゾン処理水13としてオゾン処理槽1aより排出される。
なお、オゾン接触槽2に導入される前の被処理水12の一部が採水口16から常時採水され被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)が蛍光分析計21によって検出される。一方、オゾン処理槽1aの排出口では、オゾン処理水13の一部が採水口11から常時採水され、オゾン処理水13の溶存オゾン濃度(DO3処理後)、蛍光強度(FL処理後)、水温(T処理後)、pH(pH処理後)が、それぞれ溶存オゾン濃度計10、蛍光分析計24、水温計25、pH計26によって検出される。これらの検出信号は水処理制御装置14にリアルタイムに入力される。各測定が済んだオゾン処理水13が、次の水処理工程に送られる。
この間、オゾン処理槽1aでは、オゾンガス注入装置19によりオゾンガス7がオゾン接触槽2の下部に設けられたオゾンガス散気管5から気泡9として被処理水中に注入される。このオゾン接触槽2を上昇するオゾンガスの気泡9と下降する被処理水12との向流気液接触によりオゾンが被処理水12に溶解し、溶質との酸化反応により、トリハロメタン前駆物質で、主に色度成分であるフミン質の分解、臭気物質である2−メチルイソボルネオール(2−MIB)等の分解、鉄、マンガンなどの不溶化、有機物の低分子化などが達成される。オゾンガス7の一部は排ガスとして、オゾン処理槽1aの上部気相部より排出され排オゾン処理装置4において触媒等により未反応オゾンを分解し無害化した上で排気15として大気中に放出される。
オゾンガス注入装置19では、コンプレッサー19bにより大気中から空気6が取り込まれ、オゾン発生器19aに導入される。オゾン発生器19aでは、導入された空気6に電圧をかけ、放電(無声放電)させることにより空気中の酸素の一部をオゾン化させたオゾンガス7を生成する。生成したオゾンガス7が、オゾン接触槽2の各接触槽に供給される。なお、水処理制御装置14からの制御信号に基づいて、オゾン発生器19a、バルブ19c、バルブ19dを制御して、それぞれ空気6にかける電圧、オゾン発生器19aへの空気6の導入量(Fin)を、オゾン接触槽2の各接触槽へのオゾンガス7の供給量(F第1槽〜F第3槽)を調整する。また、オゾン発生器19aへの空気6の導入量(Fin)、生成したオゾンガス7のオゾン濃度(C)、各接触槽へのオゾンガス7の供給量(F第1槽〜F第3槽)が、それぞれ流量計19e、オゾン濃度計19f、流量計19gによって検出され、これらの検出信号は水処理制御装置14にリアルタイムに入力される。
蛍光分析計21,24では、それぞれ被処理水12の一部を採水口16から、オゾン処理水13の一部を採水口11から取り込みながら、オゾンによる分解対象物質、特に被処理水またはオゾン処理水中のフミン質を主とする溶存有機物の量を示す波長、例えば345nmの波長を持つ励起光を生成して、これを各処理水に照射しながら、これらの処理水から発せられる各蛍光のうち、例えば425nmの波長を持つ蛍光を選択して、蛍光強度が測定される。
水処理制御装置14は、各検出信号の入力値に基づき、下記の制御方法によりオゾンガス注入装置19を制御してオゾン接触槽2へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度(C)かオゾンガス流量(F第1槽〜F第3槽)、或いはその両方)を、各接触槽別に調整する。
次に、オゾンガス注入装置19によるオゾン接触槽2へのオゾンガス注入量の調整方法に関し、本発明による水処理制御装置14によるオゾンガス注入装置19の制御方法について、図4のフローチャートに基づき説明する。
水処理制御装置14は、まず被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)とオゾン処理水13の蛍光強度(FL処理後)の入力値により(3)式から蛍光強度除去率(α処理後)を計算する(ステップ1)。次に、蛍光強度除去率(α処理後)が60%〜90%、好ましくは70%〜80%に設定された目標蛍光強度除去率(α目標)になるようにオゾン接触槽2へのオゾン注入量の過不足を判断し(ステップ2)、オゾン注入率(I)を調整する。すなわち、蛍光強度除去率(α処理後)≧目標蛍光強度除去率(α目標)の場合は、オゾン注入率(I)を下げ、逆に蛍光強度除去率(α処理後)<目標蛍光強度除去率(α目標)の場合は、オゾン注入率(I)を上げる(ステップ5)。次に、後述する方法によりオゾン処理水13の水温(T処理後)、pH(pH処理後)の入力値から溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を計算し(ステップ3)、オゾン処理水13の溶存オゾン濃度(DO3処理後)が、溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を超えないようにオゾン接触槽2へのオゾン注入量の過不足を判断し(ステップ4)、オゾン注入率(I)を調整する(ステップ5)。すなわち、溶存オゾン濃度(DO3処理後)>溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の場合は、蛍光強度除去率(α処理後)<目標蛍光強度除去率(α目標)であってもオゾン注入率(I)を下げる。
ここで溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の計算方法について図5を用いて説明する。図5は、オゾン処理後の処理水のpH7と8における溶存オゾン濃度と臭素酸イオン生成量との関係図の1例である。このような関係図を、あらかじめ実験によりpHと温度別に作成しておき、水温計25とpH計26によって検出されたオゾン処理水13の水温(T処理後)、pH(pH処理後)の条件でオゾン処理する場合に想定されるオゾン処理水中の臭素酸イオン濃度が10μg/Lを超えないように溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を設定する。
一方、オゾン注入率(I)は、オゾン処理槽1aにおける処理水量あたりのオゾン注入量とし、水処理制御装置14は、上記の条件(ステップ1〜4)によってリアルタイムに変動するオゾン注入率(I)に基づきオゾン接触槽2へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度(C)かオゾンガス流量(F第1槽〜F第3槽)、或いはその両方)を調整するようにオゾンガス注入装置19を制御する。
なお、水処理制御装置14は、オゾン接触槽2の各接触槽へのオゾン注入率がI第1槽、I第2槽、I第3槽になるようにオゾンガス注入装置19に制御信号を送る。各オゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)は、あらかじめ設定しておくオゾン注入量補正係数(θ第1槽〜θ第3槽)とオゾン注入率(I)から次式(4)〜(6)により計算する(ステップ6)。
第1槽 = θ第1槽 × I (4)
第2槽 = θ第2槽 × I (5)
第3槽 = θ第3槽 × I (6)
( θ第1槽 + θ第2槽 + θ第3槽 = 1)

オゾン注入量補正係数(θ第1槽〜θ第3槽)は、本実施の形態を採用する実際の浄水プラントにおける水源水質、オゾン処理槽の構造、各槽における滞留時間、運転条件等によって変わるため予め模擬実験等を行って決定し、設定値として水処理制御装置14に入力しておく。また、これらの設定値は、季節、天候、その他の浄水場の運転条件によって、人為的にまたは自動的に変更するようにしても構わない。通常は各接触槽の容積、処理水とオゾンとの接触時間が同じならばI第1槽>I第2槽>I第3槽となるようにオゾン注入量補正係数(θ第1槽〜θ第3槽)を設定し、各接触槽へのオゾンガス注入量を調整する。また、各接触槽の容積が違い、オゾンと処理水の接触時間が違うような浄水プラントでは、各接触槽の接触時間を考慮してオゾン注入量補正係数(θ第1槽〜θ第3槽)を設定することにより対応できる。なお、小規模のオゾン処理システムなどで接触槽毎にオゾン注入率を変えるメリットがなくコスト高になるだけならばI第1槽=I第2槽=I第3槽となるようにオゾン注入量補正係数(θ第1槽〜θ第3槽)を設定することもできる。
水処理制御システム14によるオゾンガス注入装置19の制御は、まず、オゾンガス注入装置19からリアルタイムに入力される流量計19eによる空気6の取り込み量(Fin)と、オゾン濃度計19fによる生成したオゾンガス7のオゾン濃度(C)の各検出値に基づき、オゾン接触槽2へのオゾン注入量がオゾン注入率(I)になるように、バルブ19cの開閉、および、オゾン発生装置19aにおける空気6にかける放電電圧を変化させることによりオゾンガス7の総流量(Fin)とオゾン濃度(C)を調整する。次に、同じくオゾンガス注入装置19からリアルタイムに入力される流量計19gによるオゾン接触槽2の各接触槽へのオゾンガス7の供給流量(F第1槽〜F第3槽)の検出値に基づき、オゾン接触槽2において各接触槽へのオゾン注入率がI第1槽、I第2槽、I第3槽になるように、各接触槽別にバルブ19dを開閉させ、また、各接触槽へのオゾンガス7の供給流量(F第1槽〜F第3槽)を調整する。(ステップ7)
以上のように本実施の形態においては、処理対象となる被処理水を導入するオゾン処理槽にオゾンガスを注入して被処理水の水質を改善したオゾン処理水を排出するようにしたオゾンによる水処理制御システムであり、被処理水12の水質指標と、所定のオゾン注入率(I)でオゾンガスを注入して被処理水とオゾンガスとを反応させたオゾン処理水13の水質指標を、オンラインで測定し、これらの測定値から得られる被処理水とオゾンガスとの反応特性に基づいて、オゾン処理槽へのオゾンガス注入量を調整する。本実施の形態では、水質指標として蛍光強度を用いており、被処理水とオゾンガスとの反応特性を把握するための指標として、被処理水とオゾン処理水の蛍光強度から計算される蛍光強度除去率(α処理後)を用いている。蛍光強度除去率(α処理後)は、被処理水中の有機物に対するオゾンによる分解反応の進行度を示す。この蛍光強度除去率(α処理後)が、60%〜90%、好ましくは70%〜80%の範囲内の目標蛍光強度除去率(α目標)になるように、オゾン接触槽2へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整する。その結果、無駄なオゾン注入を防止するだけでなく、過剰なオゾン注入により被処理水中の残留オゾン濃度が高くなり、オゾンガスと被処理水との反応により生じる毒性が高く後段の生物活性炭処理槽で処理できない臭素酸イオン等の副生成物が生成するのを抑止できる。かつ、被処理水の水質の季節変化、天候による変動、想定外の理由による突発的な変動に対してもリアルタイムにオゾン処理槽1aへのオゾン注入量を最適化できる。
上記の構成では通常、オゾンガス注入装置19は、オゾン接触槽2の各接触槽においてオゾン注入率がI第1槽>I第2槽>I第3槽となるように各接触槽別にオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整する。これは、複数段からなるオゾン接触槽2において、オゾンとの反応速度が早い有機物を多く含み、注入されるオゾンの大半がこれらの有機物の分解に消費されるため、生成反応速度が遅い臭素酸イオンの生成が心配されない前段の接触槽のオゾン注入量を増やことを意味する。このため、オゾンとの反応速度が早い有機物の分解を促進させオゾンによる反応効率を向上させることができ、結果的に、オゾン消費量を低減できる。一方、オゾン接触槽2の後段の接触槽では、オゾンとの反応速度が早い有機物が少ないか、皆無であっても、オゾン注入率(I第3槽)を低くする事により残留するオゾン、すなわち溶存オゾン濃度を低くできるため臭素酸イオンの生成を抑制できる。また、各接触槽の容積が違い、オゾンと処理水の接触時間が違うような浄水プラントでも、各オゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)の比を調整する、すなわちオゾン注入量補正係数(θ第1槽〜θ第3槽)を設定することにより対応でき、浄水プラントの設計自由度が広がる。
また、上記の構成では、水質指標として340〜350nmの波長範囲内にある特定波長の励起光を使用するとともに、420〜430nmの波長範囲内にある特定波長の蛍光強度をオンラインで測定することにより、オゾンガスと被処理水との反応特性を求めている。これら以外の波長を用いて蛍光強度を測定しても構わないが、これらの波長を用いる事により得られる蛍光強度が、最も、オゾンによる分解対象物質、特に被処理水中のフミン質を主とする溶存有機物量をよく表している。その結果、これらの溶存有機物量の変化をみれば、これらの溶存有機物の分解反応の進行度を把握できる。すなわち、分解対象となる被処理水中の溶解性有機物とトリハロメタン前駆物質のオゾンによる分解特性を正確に反映した被処理水とオゾンガスとの反応特性を得る事ができ、その反応特性に基づいて、オゾン処理槽1aへのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整するため、高い制御精度で、最も効率良く溶解性有機物やトリハロメタン前駆物質を分解ができるように、オゾン処理槽1aへのオゾン注入量を最適化できる。すなわち、オゾン注入量を低く抑えながら、トリハロメタン生成能(THMFP)、溶解性有機物などを低減できる。
また、上記の構成では、オゾン処理槽1aから排出されるオゾン処理水13の溶存オゾン濃度(DO3処理後)を測定し、その測定値が設定値(溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限))を超えないようにオゾン処理槽1aへのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整するようになっている。この結果、万一、蛍光強度除去率(α処理後)による制御がうまくいかず過剰にオゾンをオゾン処理槽1aへ注入することを防止する。すなわち、過剰にオゾンが注入されて、被処理水中の残留オゾン濃度が高くなり、オゾンガスと被処理水との反応により生じる毒性の高い臭素酸イオン等の副生成物が生成するのを抑止できる。
また、上記の構成では、水温計25とpH計26によって検出されたオゾン処理水13の水温(T処理後)、pH(pH処理後)に基づき、溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を設定するようになっている。この結果、臭素酸イオンが生成する溶存オゾン濃度を正確に導き出す事ができ、その値を溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)に設定することによりオゾンガスと被処理水との反応により生じる毒性の高い臭素酸イオンが生成するのを確実に抑止できる。なお、本実施例では、年々水質が悪化する原水をオゾン処理することにより生成する臭素酸イオンが、近年、社会問題となっていることから臭素酸イオンの生成を抑止するための溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の設定の変更方法を記載した。しかし、臭素酸イオンが生成する心配がない溶存臭化物の少ない原水をオゾン処理する場合などでは、臭素酸イオン以外の副生成物をターゲットにすることも可能である。例えば、オゾン処理を行う前に前塩素処理を行うか、海水等の混入により塩素濃度が高い原水の場合、塩素酸イオンなどの他のハロゲン酸イオンやトリハロメタンの生成に注意しなければならない。これらの生成もオゾン処理後の処理水の水温(T処理後)、pH(pH処理後)が深く関係するため、臭素酸イオンに代えてこれらの副生成物が生成するのを抑止するために溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の設定を変更するようにすることもできる。
なお、上記の実施の形態では、水質指標として、オゾン処理水に励起光を照射したとき、オゾン処理水から出射される蛍光強度のうち、特定の波長を持つ蛍光強度を測定し、この測定結果から得られる被処理水とオゾンガスとの反応特性に基づいて、オゾン処理槽1aにおける各接触槽へのオゾン注入率(I)を調整しているが、蛍光を発する特定物質の蛍光強度を基準にし、測定で得られた蛍光強度の大きさを数値化した相対蛍光強度を使用して、被処理水をオゾン処理するようにしても良い。このように構成することにより、蛍光分析計などの機器特性の影響を受けることなく、高い制御精度で、オゾン接触槽2へのオゾン注入率(I)を決定でき、オゾン注入量を最適化できる。
また、この実施の形態では、オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3X)と、水質指標として蛍光強度(FL)を測定して、これらの測定結果から得られる被処理水とオゾンガスとの反応特性に基づいて、オゾン処理槽1aにおけるオゾン接触槽2へのオゾン注入率(I)を決定している。しかし、水質指標として、蛍光強度の替わりに蛍光強度と同様に処理水中の有機物量と相関性が高い色度を測定する色度計を使用して、被処理水をオゾン処理するようにしても良い。色度は、フミン質などの濃度と相関する390nmの波長光に対する、吸光度を測定する。なお、蛍光強度(FL)と違って、色度を測定する際は、測定対象のオゾン処理水中の溶存オゾンや未反応オゾンの気泡による照射光の減衰(吸収)等の影響を考慮する必要がある。また、蛍光強度除去率(α)は、処理水に溶解している有機物の減少の進行度、すなわち溶存有機物の除去率を監視する指標であり、同様に有機物量と相関性が高い色度により計算される色度除去率に置き換えるだけで構わない。色度除去率は式(1)により計算される。このように構成することにより、処理対象となる被処理水の色度の低減を主目的とする場合に、色度の原因物質の分解に対して、高い制御精度で、オゾン処理槽1aへのオゾン注入率(I)を調整でき、オゾン注入量を最適化できる。
なお、本実施の形態では、オゾンガス7の生成原料として大気中の空気6を取り込むように構成されているが、高圧タンク(ボンベ)に充填した空気、液体空気貯槽および気化装置を設け気化させた空気等をオゾンガス7の生成原料としても構わない。また、物理的もしくは化学的な酸素富化装置を設けて、これらの空気の酸素濃度を上げた空気、あるいは、高圧タンク(ボンベ)に充填した酸素、液体酸素貯槽および気化装置を設け気化させた酸素をオゾン発生器19aに導入するようにしても構わない。こうすることによりオゾン生成時の電力コストを削減できる。あるいは、高オゾン濃度のオゾンガス7をオゾン処理槽1aに供給でき披処理水12に溶存する不純物の分解能力を向上させることができる。電力コストの削減量あるいは溶存する不純物の分解能力の向上に対して、これらの設備、ランニングコストの上昇を浄水場の規模、要求されるオゾン濃度、発生量等を検討し最適なシステムにする。
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について、図6乃至図8を用いて説明する。なお、図6乃至図8において、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図6は、本発明の第2の実施の形態を示す構成図である。(なお、後述する第3乃至第5の実施の形態の構成も、図6に示すものと略同一である。)図6において、水処理制御装置は、被処理水12が導入されオゾン処理を行いオゾン処理水13として排出されるオゾン処理槽1bと、オゾンガス注入装置20とを備えている。
オゾン処理槽1bは、複数段からなるオゾン接触槽2を有し、各オゾン接触槽2の下部の処理水の排出口(または次接触槽への移動流路内でも構わない)に採水口18が取り付けられている。これらから採水した各接触槽出口における処理水の一部が、蛍光分析計23、溶存オゾン濃度計27へ導かれる。蛍光分析計23、溶存オゾン濃度計27では、各接触槽から排出される処理水の蛍光強度(FL第1槽〜FL第3槽)および溶存オゾン濃度(DO3第1槽〜DO3第3槽)が検出され、これらの検出信号の出力が、水処理制御装置14に入力される。水処理制御装置14は、これらの測定値および実施例1と同様に測定される被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)と、オゾン処理水13の蛍光強度(FL処理後)、溶存オゾン濃度(DO3 処理後)、水温(T処理後)、pH(pH処理後)に基づいてオゾン接触槽2へのオゾン注入量を各接触槽別に調整するようにオゾンガス注入装置20を制御する。すなわち各接触槽における処理水量に対するオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を調整するように構成されている。
オゾンガス注入装置20は、大気中から空気6を取り込むコンプレッサー20bと、オゾン接触槽2の各接触槽別に、取り込まれた空気6に電圧をかけ放電(無声放電)させることにより空気中の酸素の一部をオゾン化させてオゾンガス7を生成するオゾン発生器20aと、生成したオゾンガス7のオゾン濃度(C第1槽〜C第3槽)を測定するオゾン濃度計20eと、各オゾン接触槽2へのオゾンガス7の供給量(F第1槽〜F第3槽)を調整するためのバルブ20cと、流量計20dとを有している。
なお、蛍光分析計23は、複数段からなるオゾン接触槽2の各槽から排出される処理水の一部を各採水口18から取り込みながら、オゾンによる分解対象物質、特に処理水中のフミン質を主とする溶存有機物量を示す波長、例えば345nmの波長を持つ励起光を生成して、これを各処理水に照射しながら、これらの処理水から発せられる各蛍光のうち、例えば425nmの波長を持つ蛍光を選択して、蛍光強度を測定するものである。
次に、本実施の形態の作用について図6を用いて説明する。
図6において、オゾン処理槽1bでは、図1に示すオゾンガス注入装置19の代わりにオゾンガス注入装置20によりオゾンガス7をオゾン接触槽2の下部に設けられたオゾンガス散気管5から気泡9として被処理水中に注入する。
オゾンガス注入装置20では、コンプレッサー20bにより大気中から空気6が取り込まれ、各オゾン接触槽2別のオゾン発生器20aに導入される。オゾン発生器20aでは、導入された空気6に電圧をかけ、放電(無声放電)させることにより空気中の酸素の一部をオゾン化させたオゾンガス7を生成する。生成したオゾンガス7が、各オゾン接触槽2に供給される。なお、水処理制御装置14は、各オゾン接触槽2別にオゾン発生器20a、バルブ20cを制御して、それぞれ空気6にかける電圧、および各オゾン発生器20aへの空気6の導入量(F第1槽〜F第3槽)を調整する。また、各オゾン接触槽2別に生成したオゾンガス7のオゾン濃度(C第1槽〜C第3槽)、各オゾン発生器20aへの空気6の導入量(F第1槽〜F第3槽)が、それぞれ流量計20d、オゾン濃度計20eによって検出され、これらの検出信号は水処理制御装置14にリアルタイムに入力される。
また、図6において、各接触槽における処理水の排出口(処理水の次接触槽への移動流路内でも構わない)に設けられた採水口18から、各接触槽におけるオゾンとの反応後の処理水の一部が採水され、蛍光分析計23と溶存オゾン濃度計27に導かれるようになっている。蛍光分析計23と溶存オゾン濃度計27では、それぞれ、各接触槽出口における処理水の蛍光強度(FL第1槽〜FL第3槽)および溶存オゾン濃度(DO3第1槽〜DO3第3槽)が検出される。これらの検出信号は、水処理制御装置14にリアルタイムに入力される。
蛍光分析計23では、各オゾン接触槽2出口におけるオゾン反応水の一部を採水口18から取り込みながら、オゾンによる分解対象物質、特に被処理水またはオゾン処理水中のフミン質を主とする溶存有機物の量を示す波長、例えば345nmの波長を持つ励起光を生成して、これを各処理水に照射しながら、これらの処理水から発せられる各蛍光のうち、例えば425nmの波長を持つ蛍光を選択して、蛍光強度が測定される。
なお、図1に示す場合と同様に被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)が蛍光分析計21により、オゾン処理水13の溶存オゾン濃度(DO3処理後)、蛍光強度(FL処理後)、水温(T処理後)、pH(pH処理後)が、それぞれ溶存オゾン濃度計10、蛍光分析計24、水温計25、pH計26によって検出され、これらの検出信号は水処理制御装置14にリアルタイムに入力される。
水処理制御装置14は、各検出信号の入力値に基づき、下記の本発明の第2の制御方法によりオゾンガス注入装置20を制御してオゾン接触槽2へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を、各オゾン接触槽2別に調整する。
次に、水処理制御装置14によるオゾンガス注入装置20の制御方法、すなわち各オゾン接触槽2へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)の調整方法について、図7および図8を用いて説明する。
まず、本実施の形態での制御原理について図7を用いて説明する。
図7は、一般的な河川水とオゾンを反応させた際の複数段のオゾン接触槽および滞留槽における蛍光強度除去率(α)の変化を表す特性図である。オゾン処理後の蛍光強度除去率(α処理後)が、80%になるようにオゾン接触槽2へのオゾンガス注入量を調整すると、オゾン処理槽内の蛍光強度除去率(α)は、実線で示す特性曲線のように変化する。一方、オゾン注入量が不足する場合は、破線で示す特性曲線のように変化する。図中のα第1槽〜α処理後は、各槽出口における蛍光強度除去率(α)である。図より分かるように、オゾン処理が進むに従って、最初は反応速度が速い物質の分解が優先的に行われ、蛍光強度除去率の変化が大きいが、やがて反応速度の早い物質が減少し、反応速度の遅い物質の分解だけになると、蛍光強度除去率の変化が小さくなる。そこで、各槽出口における蛍光強度(FL第1槽〜FL処理後)を常時測定し、その測定値から蛍光強度除去率(α第1槽〜α処理後)を計算する。その計算結果が破線に示す特性曲線に相当する場合は実線に近づくように各接触槽へのオゾン注入率を調整する。しかも、各接触槽へのオゾン注入率を第1接触槽>第2接触槽>第3接触槽になるように調整する。これは、オゾンとの反応速度が早い有機物を多く含み、注入されるオゾンの大半がこれらの有機物の分解に消費されるため、生成反応速度が遅い臭素酸イオンの生成が心配されないオゾン接触槽の前半(第1または第2接触槽)のオゾン注入率を大きくする事を意味する。この結果、オゾンとの反応速度が早い有機物の分解を促進させることができ、すなわち分解効率が向上しオゾン消費量を低減できる。一方、オゾン接触槽の後半(第3接触槽)では、オゾンとの反応速度が早い有機物が少ないか、皆無であっても、オゾン注入率を低くする事により残留するオゾン、すなわち溶存オゾン濃度を低くできるため臭素酸イオンの生成を抑制できる。
ここで、上記の本実施の形態での水処理制御装置14によるオゾンガス注入装置20の制御方法について図8のフローチャートに基づき説明する。
水処理制御装置14は、まず被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)とオゾン処理水13の蛍光強度(FL処理後)の入力値により(3)式から蛍光強度除去率(α処理後)を計算する(ステップ1)。次に、蛍光強度除去率(α処理後)が60%〜90%、好ましくは70%〜80%に設定された目標蛍光強度除去率(α目標)になるようにオゾン接触槽2へのオゾン注入量の過不足を判断し(ステップ2)、オゾン注入係数(k)を調整する(ステップ5)。すなわち、蛍光強度除去率(α処理後)≧目標蛍光強度除去率(α目標)の場合は、オゾン注入係数(k)を下げ、逆に蛍光強度除去率(α処理後)<目標蛍光強度除去率(α目標)の場合は、オゾン注入係数(k)を上げる。次に、オゾン処理水13の水温(T処理後)、pH(pH処理後)の入力値から溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を計算し(ステップ3)、オゾン処理水13の溶存オゾン濃度(DO3処理後)が、溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を超えないようにオゾン接触槽2へのオゾン注入量の過不足を判断し(ステップ4)、オゾン注入係数(k)を調整する(ステップ5)。すなわち、溶存オゾン濃度(DO3処理後)>溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の場合は、蛍光強度除去率(α処理後)<目標蛍光強度除去率(α目標)であってもオゾン注入係数(k)を下げる。溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の計算方法は、第1の実施の形態と同じである。
次に、水処理制御装置14に入力された被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)と、各オゾン接触槽2出口における処理水の蛍光強度(FL第1槽〜FL第3槽)から、(3)式より被処理水に対する各オゾン接触槽2出口における処理水の蛍光強度除去率(α第1槽〜α第3槽)を計算する。また、上記のステップ5におけるオゾン注入係数(k)、および、あらかじめ設定されている目標蛍光強度除去率(α目標)と、各オゾン接触槽2別の目標蛍光強度除去率補正係数(γ第1槽〜γ第3槽)から次式(7)〜(9)により、オゾン接触槽2における各オゾン接触槽2別に目標蛍光強度除去率(α第1槽目標〜α第3槽目標)を計算する。(ステップ6)
α第1槽目標 = k × γ第1槽 x α目標 (7)
α第2槽目標 = k × γ第2槽 x α目標 (8)
α第3槽目標 = k × γ第3槽 x α目標 (9)
(0 < γ第n槽 ≦ 1(n=1,2,3))

各オゾン接触槽2別の目標蛍光強度除去率補正係数(γ第1槽〜γ第3槽)は、0<γ第n槽≦1(n=1,2,3)に設定する。例えば目標蛍光強度除去率(α目標)の8割、9割、9割5分等の後段より前段の接触槽で有機物等のオゾン分解による蛍光強度低減量が大きくなるように各オゾン接触槽2別の目標蛍光強度除去率補正係数(γ第1槽〜γ第3槽)を設定する。一方、小規模な浄水場でかつ水源水質が良好な場合は、目標蛍光強度除去率補正係数(γ第n槽)=1(n=1,2,3)にしても構わない。なお、目標蛍光強度除去率補正係数(γ第1槽〜γ第3槽)は、本実施の形態を採用する実際の浄水プラントにおける水源水質、オゾン処理槽1bの構造、各槽2、3における滞留時間、運転条件等によって変わるため予め模擬実験等を行い、図7の最適な各槽における蛍光強度除去率(α)の変化曲線に近づくように決定し、設定値として水処理制御装置14に入力しておく。また、これらの設定値は、季節、天候、その他の浄水場の運転条件によって、人為的にまたは自動的に変更するようにしても構わない。また、目標蛍光強度除去率(α目標)は、実施例1の第1の制御方法と同様に、60%〜90%、好ましくは70%〜80%の範囲内に設定する。
水処理制御装置14は、各オゾン接触槽2において、処理水の蛍光強度除去率(α第1槽〜α第3槽)が目標蛍光強度除去率(α第1槽目標〜α第3槽目標)になるように、また、各接触槽における溶存オゾン濃度(DO3第1槽〜DO3第3槽)が溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を超えないようにオゾン注入量の過不足を判断し(ステップ7)、オゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を調整する(ステップ8)。すなわち、第n接触槽(n=1,2,3)において、溶存オゾン濃度(DO3第n槽)>溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)、もしくは蛍光強度除去率(α第n槽)≧目標蛍光強度除去率(α第n槽目標)の場合は、オゾン注入率(I第n槽)を下げ、逆に溶存オゾン濃度(DO3第n槽)<溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)かつ蛍光強度除去率(α第n槽)<目標蛍光強度除去率(α第n槽目標)の場合は、オゾン注入率(I第n槽)を上げる。
一方、オゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)は、オゾン処理槽1bにおける処理水量あたりの各オゾン接触槽2のオゾン注入量とし、水処理制御装置14は、上記の条件(ステップ1〜8)によってリアルタイムに変動するオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)に基づきオゾン接触槽2へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整するようにオゾンガス注入装置20を制御する。
水処理制御システム14によるオゾンガス注入装置20の制御は、オゾンガス注入装置20からリアルタイム入力される空気6の各オゾン接触槽2別のオゾン発生器20aへの導入量(F第1槽〜F第3槽)と、発生したオゾンガス7のオゾン濃度(C第1槽〜C第3槽)に基づき、各接触槽へのオゾン注入量がオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)になるように、各オゾン発生器20aへの空気6の導入量(F第1槽〜F第3槽)、および、オゾンガス7のオゾン濃度(C第1槽〜C第3槽)を調整する(ステップ9)。なお、上記の空気6の導入量(F第1槽〜F第3槽)は、バルブ20cを開閉することにより、オゾンガス7のオゾン濃度(C第1槽〜C第3槽)は、各オゾン発生器20aにおける空気6にかける放電電圧を変化させることにより調整する。
以上のように本実施の形態によれば、オゾン処理槽1b内の複数箇所の水質指標として、被処理水12とオゾン処理水13の蛍光強度(FL被処理水)と蛍光強度(FL処理後)、および各オゾン接触槽2出口における処理水の蛍光強度(FL第1槽〜FL第3槽)を測定するようになっており、これらの水質指標から計算される各槽出口における蛍光強度除去率(α第1槽〜α第3槽)が、目標蛍光強度除去率(α第1槽目標〜α第3槽目標)になるように各オゾン接触槽2別にオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整している。目標蛍光強度除去率(α第1槽目標〜α第3槽目標)は、オゾン処理槽1bから排出されるオゾン処理水13の蛍光強度除去率(α処理後)が、60%〜90%、好ましくは70%〜80%の範囲内の目標蛍光強度除去率(α目標)になるように決めている。このように制御することにより、オゾン処理槽1b内の蛍光強度除去率(α)の変化を表す特性曲線が、図7の最適な曲線に近づき、しかも被処理水の水質が変化してもリアルタイムに対応できる。これらの結果、各オゾン接触槽毎に最適なオゾン注入量にすることができ、十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、後段の生物活性炭処理や塩素処理でも除去できない臭素酸イオン等の副生成物の生成を低く抑えることができる。かつ、設備の運転コストを増加させる無駄なオゾンガスの注入を減らすことができ、水源水質の、季節変化、天候による変動、想定外の理由による突発的な変動に対してもリアルタイムに適応し上記の効果を得る事ができる。
また、上記の各オゾン接触槽2における目標蛍光強度除去率(α第1槽目標〜α第3槽目標)は、あらかじめ設定しておくオゾン処理槽1b出口におけるオゾン処理水13の蛍光強度除去率(α処理後)の処理目標とする目標蛍光強度除去率(α目標)と、オゾン注入係数(k)と、各オゾン接触槽2毎の目標蛍光強度除去率補正係数(γ第1槽〜γ第3槽)の積によって決められている。オゾン注入係数(k)は、オゾン処理槽1b全体のオゾン注入量の過不足を判断し、最適になるように是正するための係数であり、目標蛍光強度除去率補正係数(γ第1槽〜γ第3槽)は、各オゾン接触槽2毎のオゾン反応を進行させる割合で蛍光強度除去率(α第1槽〜α第3槽)が、図7の最適な各オゾン接触槽における蛍光強度除去率(α)の変化曲線に近づくように設定する。本実施の形態では、目標蛍光強度除去率補正係数(γ第1槽〜γ第3槽)を各オゾン接触槽2での有機物等のオゾン分解による蛍光強度除去率が、8割、9割、9割5分等の後段より前段の接触槽で大きくなるように設定している。このような構成にする事により、複数段からなるオゾン接触槽2において、オゾンとの反応速度が早い有機物を多く含み、注入されるオゾンの大半がこれらの有機物の分解に消費されるために、生成反応速度が遅い臭素酸イオンの生成が心配されない前段のオゾン接触槽2のオゾン注入率(I第1槽〜I第2槽)を増やことが可能である。この結果、オゾンとの反応速度が早い有機物の分解を促進させることができ、反応効率が上がる分、オゾン消費量を低減できる。一方、後段のオゾン接触槽2では、オゾンとの反応速度が早い有機物が少ないか、皆無であっても、オゾン注入率(I第3槽)を低くする事により残留するオゾンの溶存濃度を低くできるため、臭素酸イオンの生成を抑制できる。また、各オゾン接触槽2の容積が異なり、オゾンと処理水の接触時間が違うような浄水プラントでも、目標蛍光強度除去率補正係数(γ第1槽〜γ第3槽)を調整することにより対応でき、浄水プラントの設計自由度が広がる。
また、小規模な浄水場かつ水源水質が良好な場合は、各オゾン接触槽2毎の目標蛍光強度除去率補正係数(γ第n槽)=1(n=1,2,3)にしても構わない。この場合、複数段からなるオゾン接触槽2のうち第1段のオゾン接触槽2のみで十分にオゾン処理が可能で目標蛍光強度除去率(α目標)に達する事ができる場合は、第2、3段のオゾン接触槽2にオゾンガスを注入する必要が無い。一方、水源水質が悪化し、オゾン注入能力の限界や、溶存オゾンオゾン濃度がその上限値を越すなどの理由から第1段のオゾン接触槽2のみで目標蛍光強度除去率(α目標)に達する事ができない場合は、第2、第3段のオゾン接触槽2でオゾン注入するように制御されるので目標蛍光強度除去率(α目標)に達することが出来る。以上の結果、設備の運転コストを増加させる無駄なオゾンガスの注入を減らすことができ、十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、後段の生物活性炭処理や塩素処理でも除去できない臭素酸イオン等の副生成物が第2、第3段のオゾン接触槽2において生成するのを抑制できる。これらの効果を水源水質の変化にリアルタイムに対応できる。
また、上記の構成では、各オゾン接触槽2における処理水の溶存オゾン濃度(DO3第1槽〜DO3第3槽)が、溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を超えたオゾン接触槽2では、オゾンガス注入量を減少させるように調整するようになっている。また、オゾン処理水13の溶存オゾン濃度(DO3処理後)が、溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を超える場合は、全オゾン接触槽2へオゾンガス注入量を減少させるように調整するようになっている。これらの結果、万一、各槽における蛍光強度除去率(α第1槽〜α第3槽)による制御がうまくいかずオゾンガスが過剰に注入される接触槽が生じるのを防止でき、それ以外の接触槽においてオゾン注入制御が続けられリカバーできるようになっている。すなわち、過剰にオゾンガスが注入されて、被処理水中の残留オゾン濃度が高くなり、オゾンガスと被処理水との反応により生じる毒性の高い臭素酸イオン等の副生成物が生成するのを抑止できる。
また、上記の構成では、各オゾン接触槽2別にオゾン発生器20aを設けてオゾンガスをオゾン接触槽2に供給している。この結果、以下のような効果がある。
すなわち、本実施の形態のように各オゾン接触槽2別に水質指標を測定し、その測定値に基づいてオゾン注入量を調整する場合、オゾン発生器20aをオゾン接触槽2別に設けることにより、どれかオゾン発生器20aが故障するか、メンテナンスが必要になっても、他のオゾン接触槽2のみで処理が可能であり、処理システム全体を停止する必要がなく、リスクを低減でき、かつオゾン発生器20aを小型化できコストを低減できる。なお、オゾンガス注入装置を図1または図6に示すいずれの構成にするかは、被処理水(原水)によって違ってくるオゾン要求量、これらの設備、ランニングコスト、浄水場の規模等を検討し選択する。
なお、上記実施の形態では、水質指標として、処理水に励起光を照射したとき、オゾン処理水から出射される蛍光強度のうち、特定の波長を持つ蛍光強度を測定し、この測定結果から得られる被処理水とオゾンガスとの反応特性に基づいて、オゾン処理槽1bにおける各オゾン接触槽2へのオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を調整しているが、蛍光を発する特定物質の蛍光強度を基準にし、測定処理で得られた蛍光強度の大きさを数値化した相対蛍光強度を使用して、被処理水をオゾン処理するようにしても良い。このように構成することにより、蛍光分析計などの機器特性の影響を受けることなく、高い制御精度で、オゾン接触槽2の各槽へのオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を調整でき、オゾン処理槽1bへのオゾン注入量を最適化できる。特に本実施例では、蛍光強度の測定箇所が多くこれらの効果が顕著になる。
また、上記の実施の形態では、オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3X)と、水質指標として蛍光強度(FL)を測定して、これらの測定結果から得られる被処理水とオゾンガスとの反応特性に基づいて、オゾン処理槽1bにおけるオゾン接触槽2の各槽へのオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を決定している。しかし、水質指標として、蛍光強度の替わりに蛍光強度と同様に処理水中の有機物量と相関性が高い色度を測定する色度計を使用して、被処理水をオゾン処理するようにしても良い。色度は、フミン質などの濃度を相関し、390nmの波長光に対する、吸光度を測定する。なお、蛍光強度(FL)と違って、色度を測定する際は、測定対象のオゾン処理水中の溶存オゾンや未反応オゾンの気泡による照射光の減衰(吸収)等の影響を考慮する必要がある。また、蛍光強度除去率(α)は、処理水に溶解している有機物の減少の進行度、すなわち溶存有機物の除去率を監視する指標であり、同様に有機物量と相関性が高い色度により計算される色度除去率に置き換えるだけで構わない。色度除去率は式(1)により計算される。このように構成することにより、処理対象となる被処理水の色度の低減を主目的とする場合に、色度の原因物質の分解に対して、高い制御精度で、オゾン接触槽2の各槽へのオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を調整でき、オゾン処理槽1bへのオゾン注入量を最適化できる。
なお、本実施の形態では、オゾンガス7の生成原料として大気中の空気6を取り込むように構成されているが、高圧タンク(ボンベ)に充填した空気、液体空気貯槽および気化装置を設け気化させた空気等をオゾンガス7の生成原料としても構わない。また、物理的もしくは化学的な酸素富化装置を設けて、これらの空気の酸素濃度を上げた空気、あるいは、高圧タンク(ボンベ)に充填した酸素、液体酸素貯槽および気化装置を設け気化させた酸素をオゾン発生器20aに導入するようにしても構わない。こうすることによりオゾン生成時の電力コストを削減できる。あるいは、高オゾン濃度のオゾンガス7をオゾン処理槽1bに供給でき披処理水12に溶存する不純物の分解能力を向上させることができる。電力コストの削減量あるいは溶存する不純物の分解能力の向上に対して、これらの設備、ランニングコストの上昇を浄水場の規模、要求されるオゾン濃度、発生量等を検討し最適なシステムにする。
第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態について図9および図10により説明する。本実施の形態において、オゾン接触槽2へのオゾン注入方法、すなわち水処理制御装置14によるオゾンガス注入装置20の制御方法が異なるのみであり、他は図6乃至図8に示す第2の実施の形態と略同一である。
本実施の形態において、オゾン処理槽1bでは、水処理制御装置14がオゾン注入装置20を制御し、オゾンガス7をオゾン接触槽2の下部に設けられたオゾンガス散気管5から気泡9として被処理水中に注入する(図6参照)。
この間、図6に示すように被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)が蛍光分析計21により検出され、各オゾン接触槽2出口における処理水の蛍光強度(FL第1槽〜FL第3槽)および溶存オゾン濃度(DO3第1槽〜DO3第3槽)が、蛍光分析計23と溶存オゾン濃度計27により検出され、オゾン処理水13の溶存オゾン濃度(DO3処理後)、蛍光強度(FL処理後)、水温(T処理後)、pH(pH処理後)が、それぞれ溶存オゾン濃度計10、蛍光分析計24、水温計25、pH計26によって検出され、これらの検出信号は水処理制御装置14にリアルタイムに入力される。水処理制御装置14は、各検出信号の入力値に基づき、下記の本発明の第3の制御方法によりオゾンガス注入装置20を制御してオゾン接触槽2の各接触槽へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整する。
次に、水処理制御装置14によるオゾンガス注入装置20の制御方法、すなわち各オゾン接触槽2へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)の調整方法について、図9および図10を用いて説明する。
まず、本実施の形態での制御原理について、図9を用いて説明する。
図9は、一般的な河川水とオゾンを反応させた際の複数段のオゾン接触槽2および滞留槽3における蛍光強度除去率(α)の変化を表す特性図である。第1の実施の形態で行ったように、目標蛍光強度除去率(α目標)を80%とし、オゾン処理後の蛍光強度除去率(α処理後)が、80%になるようにオゾン接触槽2へのオゾン注入量を調整すると、オゾン注入量や被処理水質の違いによってオゾン処理槽内では図9に示すように5種類の特性曲線が得られる。図9中のα第1槽〜α処理後は、各オゾン接触槽2出口における蛍光強度除去率(α)である。実線(a)は、被処理水に対するオゾン注入率(I)が最適な場合の特性曲線、破線(b)は、オゾン注入率(I)が過剰、破線(c)と破線(d)は、オゾン注入率(I)が不足な場合の特性曲線である。また、破線(e)は、オゾンとの反応性が乏しい河川水をオゾン処理した場合で、オゾン注入率(I)をいくら大きくしても蛍光強度除去率(α処理後)が、目標蛍光強度除去率(α目標)の80%に達しない。
破線(b)は、オゾン注入率(I)が過剰のため蛍光強度除去率(α処理後)が、目標蛍光強度除去率(α目標)の80%であったとしても、第3段のオゾン接触槽2や滞留槽3では、蛍光強度除去率(α)の変化量が小さい。オゾンガスが注入されているにもかかわらず蛍光強度除去率(α)の変化が小さい第3段のオゾン接触槽2では、注入されたオゾンガスは、被処理水中の有機物との反応が起こっていないことになる。これは、第1段のオゾン接触槽2および第2段のオゾン接触槽2にてオゾンと反応しやすい有機物が全て分解され、第3段のオゾン接触槽2では、処理水中に溶存有機物が無いか、オゾンとの反応性が乏しい(反応速度が遅い)有機物が残っているだけであると考えられる。このような場合、第3段のオゾン接触槽2へのオゾンガスの注入は無駄なだけでなく、臭素酸イオン等の副生成物が生成してしまう。従って、オゾン注入率(I)を下げて最適なオゾン注入量にする必要がある。
破線(c)や、蛍光強度除去率(α処理後)が目標蛍光強度除去率(α目標)の80%に達していない破線(d)は、オゾン注入率(I)が不足と判断し、オゾン注入率(I)を上げなければならない。
破線(e)は、オゾンとの反応性が乏しい河川水をオゾン処理した場合を示し、オゾン注入率(I)をいくら大きくしても蛍光強度除去率(α処理後)が、目標蛍光強度除去率(α目標)の80%に達しない。このような場合は、目標蛍光強度除去率(α目標)を下げなければならない。
そこで、本実施の形態においては、オゾン注入制御のための指標として、蛍光強度除去率(α)に加え、各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量(Δα)を使用する。各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量(Δα)を、それぞれΔα第1槽、Δα第2槽、Δα第3槽とすると、それらは各接触槽出口における蛍光強度除去率(α第1槽〜α第3槽)およびオゾン処理後の蛍光強度除去率(α処理後)から次式(10)〜(12)を用いて求められる。
Δα第1槽=α第1槽/α処理後 (10)
Δα第2槽=(α第2槽−α第1槽)/α処理後 (11)
Δα第3槽=(α第3槽−α第2槽)/α処理後 (12)

なお、各オゾン接触槽2出口における蛍光強度除去率(α第1槽〜α第3槽)は、被処理水の蛍光強度(FL被処理水)および各オゾン接触槽2出口における処理水の蛍光強度(FL第1槽〜FL第3槽)から(3)式を用いて求める。
各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量(Δα第1槽〜Δα第3槽)から、図9の特性曲線(a)〜(e)のいずれに相当するかによってオゾン接触槽2へのオゾン注入率(I)の過不足を判断する事ができる。なお、オゾン注入率(I)の過不足の判断は、次の方法で行うことにより自動化が可能である。
すなわちあらかじめ、オゾン注入率(I)が最適な場合の、各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量(Δα第n槽)の範囲としてΔα第n槽 下限≦Δα第n槽≦Δα第n槽 上限(n=1,2,3)を実験的に求め、それらの範囲とΔα第n槽を比較する事により、オゾン注入率(I)の過不足の判断できる。例えば、第3段のオゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量(Δα第3槽)を監視し、蛍光強度除去率(α処理後)が目標蛍光強度除去率(α目標)に達しており、Δα第3槽<Δα第3槽 下限の場合は破線(b)、Δα第3槽>Δα第3槽 上限の場合は破線(c)に相当する。蛍光強度除去率(α処理後)が目標蛍光強度除去率(α目標)に達していないでΔα第3槽>Δα第3槽 上限の場合は破線(d)、Δα第3槽<Δα第3槽 下限の場合は破線(e)に相当する。
なお、水処理制御装置14は、特性曲線(a)に相当し、オゾン注入率(I)が最適と判断された場合は、オゾン注入率(I)を上げ、かつ目標蛍光強度除去率(α目標)を上げるように制御する。このことにより、当初は破線(e)に相当し目標蛍光強度除去率(α目標)を下げるように制御したにもかかわらず、河川水の水質変化により目標蛍光強度除去率(α目標)の最適値が元に戻るか、最適値がさらに高くなっても対応できる。その際、目標蛍光強度除去率(α目標)に上限を設けるのが好ましい。その上限を蛍光強度除去率の上限値(α上限)とすると、第1の実施の形態における図3に基づいて蛍光強度除去率の上限値(α上限)は、60%〜90%、好ましくは70%〜80%の範囲内の所定値とする。
以上の制御原理により水処理制御装置14は、目標蛍光強度除去率(α目標)とオゾン注入率(I)の過不足を判断し、オゾンガス注入装置20を制御してオゾン接触槽2へのオゾンガス注入量を調整する。この結果、オゾン注入量が過不足なく、すなわち十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、臭素酸イオンが生成されずにオゾン処理を行える事になる。かつ、オゾン注入量を最小限に制御できるため電力料等の運転コストを低減できる。
次に本発明の具体的な制御方法について、図10のフローチャートに基づき説明する。
水処理制御装置14は、入力された被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)と、オゾン処理水13の蛍光強度(FL処理後)から、(3)式よりオゾン処理水13の蛍光強度除去率(α処理後)を計算する(ステップ1)。同様に、被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)と各オゾン接触槽2出口における処理水の蛍光強度(FL第1槽〜FL第3槽)から、各オゾン接触槽2出口における処理水の蛍光強度除去率(α第1槽〜α第3槽)を計算する。また、各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量(Δα第1槽〜Δα第3槽)を(10)〜(12)式より計算する(ステップ2)。次に、あらかじめ実験的に求めたオゾン注入率(I)が最適な場合の、目標蛍光強度除去率の上限値(α上限)および各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量(Δα第n槽)の範囲(Δα第n槽 下限≦Δα第n槽≦Δα第n槽 上限(n=1,2,3))を設定しておき、蛍光強度除去率(α処理後)および蛍光強度除去率の変化量(Δα第1槽〜Δα第3槽)がこれらの範囲内になるようにオゾン注入量の過不足を判断し(ステップ3)、オゾン注入率(I)を調整する(ステップ6)。すなわち、蛍光強度除去率(α処理後)が、目標蛍光強度(α目標)に達していれば、第n段のオゾン接触槽(n=1,2,3)における蛍光強度除去率の変化量(Δα第n槽)<Δα第n槽 下限の場合は、オゾン注入量が過剰としオゾン注入率(I)を下げ、Δα第n槽>Δα第n槽 上限の場合は、オゾン注入量が不足としオゾン注入率(I)を上げる。また、Δα第n槽 下限≦Δα第n槽≦Δα第n槽 上限の場合は、先述の理由からオゾン注入率(I)を上げ、また、目標蛍光強度除去率(α目標)が上限値(α上限)を超えない範囲で上げるようにする。一方、蛍光強度除去率(α処理後)が、目標蛍光強度(α目標)に達していなければ、第n段のオゾン接触槽(n=1,2,3)における蛍光強度除去率の変化量(Δα第n槽)>Δα第n槽 上限の場合は、オゾン注入量が不足としオゾン注入率(I)を上げる。Δα第n槽<Δα第n槽 下限の場合は、目標蛍光強度除去率(α目標)が大きいとして、目標蛍光強度除去率(α目標)を下げる。
なお、上記の各設定範囲のΔα第n槽 下限≦Δα第n槽≦Δα第n槽 上限(n=1,2,3)および目標蛍光強度除去率の上限値(α上限)は、本実施の形態を採用する実際の浄水プラントにおける水源水質、オゾン処理槽1bの構造、各槽2、3における滞留時間、運転条件等によって変わるため予め模擬実験等を行って決定し、設定値として水処理制御装置14に入力しておく。また、これらの設定値は、季節、天候、その他の浄水場の運転条件によって、人為的にまたは自動的に変更するようにしても構わない。
次に、水処理制御装置14は、入力されたオゾン処理水13の水温(T処理後)、pH(pH処理後)の入力値から溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を計算し(ステップ4)、オゾン処理水13の溶存オゾン濃度(DO3処理後)が、溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を超えたらオゾン接触槽2へのオゾン注入量が過剰と判断する(ステップ5)。その判断に基づきのオゾン注入率(I)を調整する。すなわち、溶存オゾン濃度(DO3処理後)>溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)、の場合は、ステップ1〜3においてオゾン注入量が不足とされても、オゾン注入率(I)を下げる。溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の計算方法は、実施例1と同じである(ステップ6)。
一方、オゾン注入率(I)は、オゾン処理槽1bにおける処理水量あたりのオゾン注入量とし、水処理制御装置14は、上記の条件(ステップ1〜6)によってリアルタイムに変動するオゾン注入率(I)に基づきオゾン接触槽2へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整するようにオゾンガス注入装置20を制御する。
水処理制御システム14によるオゾンガス注入装置20の制御は、複数段からなるオゾン接触槽2において各オゾン接触槽2へのオゾン注入率がI第1槽、I第2槽、I第3槽になるようにオゾンガス注入装置20に制御信号を送る。各オゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)は、第1の実施の形態と同様にあらかじめ設定しておくオゾン注入量補正係数(θ第1槽〜θ第3槽)とオゾン注入率(I)から(4)〜(6)式により計算する(ステップ7)。ここで、各オゾン接触槽2出口における溶存オゾン濃度(DO3第1槽〜DO3第3槽)が溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を超えるオゾン接触槽2があるならば、そのオゾン接触槽2へのオゾン注入量が過剰と判断し(ステップ8)、その接触槽へのオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を調整する。すなわち、第n段のオゾン接触槽(n=1,2,3)において溶存オゾン濃度(DO3第n槽)>溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の場合は、オゾン注入率(I第n槽)を下げる(ステップ9)。次に、オゾンガス注入装置20からリアルタイムに入力される空気6の各オゾン接触槽2毎のオゾン発生器20aへの導入量(F第1槽〜F第3槽)と、発生したオゾンガス7のオゾン濃度(C第1槽〜C第3槽)から、各オゾン接触槽2へのオゾン注入量がオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)になるように、各オゾン発生器20aへの空気6の導入量(F第1槽〜F第3槽)を、バルブ20cにより、オゾンガス7のオゾン濃度(C第1槽〜C第3槽)を、各オゾン発生器20aにおける空気6にかける放電電圧を変化させることにより調整する(ステップ10)。
以上のように本実施の形態によれば、オゾン処理槽1b内の複数箇所、すなわち処理前の被処理水と処理後のオゾン処理水、複数段からなるオゾン接触槽2の各オゾン接触槽2出口における処理水の水質指標をオンラインで測定し、オゾン処理槽1b全体および各槽別に被処理水とオゾンガスとの反応特性が得られるようになっている。特に、本実施の形態では、水質指標として蛍光強度を用い、各箇所における蛍光強度(FL)から計算した蛍光強度除去率(α)、各オゾン接触槽1bにおける蛍光強度除去率の変化量(Δα第n槽)を各オゾン接触槽2別の被処理水とオゾンガスとの反応特性とし、これらの反応特性に基づきオゾン処理槽1bへのオゾンガスの注入量を調整している。蛍光強度は、処理水中の溶存有機物量とよく相関するため、蛍光強度除去率(α)、蛍光強度除去率の変化量(Δα第n槽)を用いる事により、被処理水中の有機物のオゾンガスによる分解反応の進行度を把握できる。このため、オゾンとの反応性が高い、色度成分、トリハロメタン前駆物質のフミン質や2−メチルイソボルネオール(2−MIB)等の臭気物質は、オゾンによる分解反応速度が速い有機物であり、これらの有機物の分解反応特性および臭素酸イオン等のオゾンによる副生成物の生成反応特性を十分に反映させた上でオゾンガスの注入量の過不足を判断でき、オゾン処理槽1bへのオゾンガスの注入を被処理水水質に合わせた最適制御が可能になる。この結果、無駄なオゾンガス注入を防止しながら、十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、過剰なオゾンガスの注入により被処理水中の残留オゾン濃度が高くなり、オゾンガスと被処理水との反応により生じる毒性が高く後段の生物活性炭処理槽で処理できない臭素酸イオン等の副生成物が生成するのを抑止するようにオゾン注入量を最適制御できる。かつ、オゾン注入量を最小限に制御できるため電力料等の運転コストを低減できる。このような最適なオゾン処理を、被処理水の水質の季節変化、天候による変動、想定外の理由による突発的な変動に対してもリアルタイムに対応でき、オゾン処理槽1bへのオゾン注入量を最適化できる。
また、上記の構成では、各オゾン接触槽2における処理水の溶存オゾン濃度(DO3第1槽〜DO3第3槽)が、溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を超えたオゾン接触槽2では、オゾンガス注入量を減少させるように調整するようになっている。また、オゾン処理水13の溶存オゾン濃度(DO3処理後)が、溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を超える場合は、全オゾン接触槽2へオゾンガス注入量を減少させるように調整するようになっている。これらの結果、万一、各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量(Δα第n槽)による制御がうまくいかずオゾンガスが過剰に注入される接触槽が生じるのを防止でき、それ以外のオゾン接触槽2においてオゾン注入制御が続けられリカバーできるようなっている。すなわち、過剰にオゾンガスが注入されて、被処理水中の残留オゾン濃度が高くなり、オゾンガスと被処理水との反応により生じる毒性の高い臭素酸イオン等の副生成物が生成するのを抑止できる。
また、本実施の形態では、オゾン処理水の溶存オゾン濃度(DO3X)と、水質指標として蛍光強度(FL)を測定して、これらの測定結果から得られる被処理水とオゾンガスとの反応特性に基づいて、オゾン処理槽1bにおけるオゾン接触槽2へのオゾン注入率(I)を決定している。しかし、水質指標として、蛍光強度の替わりに蛍光強度と同様に処理水中の有機物量と相関性が高い色度を測定する色度計を使用して、被処理水をオゾン処理するようにしても良い。色度は、フミン質などの濃度を相関し、390nmの波長光に対する、吸光度を測定する。なお、蛍光強度(FL)と違って、色度を測定する際は、測定対象のオゾン処理水中の溶存オゾンや未反応オゾンの気泡による照射光の減衰(吸収)等の影響を考慮する必要がある。また、蛍光強度除去率(α)は、処理水に溶解している有機物の減少の進行度、すなわち溶存有機物の除去率を監視する指標であり、同様に有機物量と相関性が高い色度により計算される色度除去率に置き換えるだけで構わない。色度除去率は式(1)により計算される。同様に、各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量(Δα第n槽)は、各オゾン接触槽2における色度除去率の変化量(Δ色度第n槽)に置き換える。色度除去率の変化量(Δ色度第n槽)の計算方法は、(10)〜(12)式の蛍光強度除去率の変化量(Δα第n槽)の計算方法と同様であり、それらの式中の、蛍光強度除去率(α)を式(1)から導かれる各オゾン接触槽2における色度除去率に置き換えるだけで構わない。また、各設定範囲も同様にのΔ色度第n槽 下限≦Δ色度第n槽≦Δ色度第n槽 上限(n=1,2,3)となる。このように構成することにより、処理対象となる被処理水の色度の低減を主目的とする場合に、色度の原因物質の分解に対して、高い制御精度で、オゾン処理槽1bへのオゾン注入率(I)を決定でき、オゾン注入量を最適化できる。
第4の実施の形態
次に本発明の第4の実施の形態について図11および図12により説明する。本実施の形態は、オゾン接触槽2へのオゾン注入方法、すなわち水処理制御装置14によるオゾンガス注入装置20の制御方法が異なるのみであり、他の構成は図9および図10に示す第3の実施の形態と略同一である。
本実施の形態において、オゾン処理槽1bでは、水処理制御装置14がオゾン注入装置20を制御し、オゾンガス7をオゾン接触槽2の下部に設けられたオゾンガス散気管5から気泡9として被処理水中に注入する(図6参照)。
図6に示すように、被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)が蛍光分析計21により検出され、各オゾン接触槽2出口における処理水の蛍光強度(FL第1槽〜FL第3槽)および溶存オゾン濃度(DO3第1槽〜DO3第3槽)が、蛍光分析計23と溶存オゾン濃度計27により検出される。また、オゾン処理水13の溶存オゾン濃度(DO3処理後)、蛍光強度(FL処理後)、水温(T処理後)、pH(pH処理後)が、それぞれ溶存オゾン濃度計10、蛍光分析計24、水温計25、pH計26によって検出され、これらの検出信号は水処理制御装置14にリアルタイムに入力されるようになっている。水処理制御装置14は、各検出信号の入力値に基づき、オゾンガス注入装置20を制御して各オゾン接触槽2へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整する。
次に、水処理制御装置14によるオゾンガス注入装置20の制御方法、すなわち各オゾン接触槽2の各接触槽へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)の調整方法について、図11および図12を用いて説明する。
まず、本実施の形態での制御原理について図11を用いて説明する。
図11は、図9に示す“一般的な河川水とオゾンを反応させた際の複数段のオゾン接触槽および滞留槽における蛍光強度除去率(α)の変化の特性図”において、オゾン注入量(オゾン注入率(I))の違いによるオゾン処理槽(滞留槽)出口における蛍光強度除去率(α処理後)の変化を示す特性図である。
図11に示すように、オゾン注入量が増加するのに伴い蛍光強度除去率(α処理後)は大きくなるがその変化量は小さくなる。すなわち、第1の実施の形態において説明した最適な蛍光強度除去率(α処理後)付近(60%〜90%、好ましくは70%〜80%)では、オゾン注入量を少々変化させても蛍光強度除去率(α処理後)は、大きく変化しない。一方、オゾン注入量が不足する場合、わずかなオゾン注入量の変化だけで蛍光強度除去率(α処理後)が大きく変化する。このような特性曲線は、処理対象となる水源や、季節、天候によって被処理水水質の違いにより変わるが、上記の特徴は変わらない。このような特徴を利用することにより、次式(13)により計算される蛍光強度除去率(α処理後)を時間tで微分した蛍光強度除去率の時間変化(δα処理後)を監視し、その絶対値が、あらかじめ設定した蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲(δ範囲)内であればオゾン処理水の蛍光強度除去率(α処理水)が目標蛍光強度除去率(α目標)に達していることになる。
蛍光強度除去率の時間変化(δα処理後)=dα処理後/dt (13)

そこで、本実施の形態では、オゾン注入制御のための指標として、蛍光強度除去率の時間変化(δα処理後)および各接触槽における蛍光強度除去率の変化量(Δα)を使用する。まず、水処理制御装置14は、蛍光強度除去率の時間変化(δα処理後)が、その許容範囲(δ範囲)内になるまでは、目標蛍光強度除去率(α目標)に達していないと判断し、オゾン注入率(I)を増やす。一方、許容範囲(δ範囲)内になった場合は、目標蛍光強度除去率(α目標)に達している判断し、次に、第3の実施の形態の制御方法の方法と同様に蛍光強度除去率の変化量(Δα)から、オゾン処理槽1bへのオゾン注入量の過不足を判断してオゾン注入率(I)を調整する。しかし、第3の制御方法と違い、既に目標蛍光強度除去率(α目標)に達しているので、蛍光強度除去率の変化量(Δα)から図9の(a)〜(c)の特性曲線のいずれに相当するかを判断しオゾン注入量の過不足を決める。また、本制御方法では、オゾン注入量が過剰と判断されない限りオゾン注入量を増やせば良いので、蛍光強度除去率の変化量(Δα第1槽〜Δα第3槽)が、その下限値(Δα第1槽 下限〜Δα第3槽 下限)未満の場合のみオゾン注入量が過剰と判断しオゾン注入率(I)を下げ、それ以外では、オゾン注入量の過不足を判断することなくオゾン注入率(I)を上げればよい。
なお、上記の蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲(δ範囲)および下限値(Δα第1槽 下限〜Δα第3槽 下限)は、本実施の形態を採用する実際の浄水プラントにおける水源水質、オゾン処理槽の構造、各槽における滞留時間、運転条件等によって変わるため予め模擬実験等を行って決定し、設定値として水処理制御装置14に入力しておく。また、これらの設定値は、季節、天候、その他の浄水場の運転条件によって、人為的にまたは自動的に変更するようにしても構わない。
以上の制御原理により、水処理制御装置14は、オゾン接触槽2へのオゾン注入量が過剰と判断されるまでオゾン注入率(I)を増加させ、同注入率が過剰と判断された場合のみオゾン注入率(I)を減少させるように、オゾン接触槽2へのオゾンガス注入量を調整する。この結果、オゾン注入量が過不足なく、すなわち十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、臭素酸イオンが生成されずにオゾン処理を行える事になる。かつ、オゾン注入量を最小限に制御できるため電力料等の運転コストを低減できる。また、被処理水の水質の変化に対しリアルタイムに対応でき上記の効果が得られる。
ここで、本実施の形態における具体的な水処理制御装置14によるオゾンガス注入装置20の制御方法について図12のフローチャートに基づき説明する。
水処理制御装置14は、入力された被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)と、オゾン処理水13の蛍光強度(FL処理後)から、(3)式よりオゾン処理水13の蛍光強度除去率(α処理後)を計算し、その時間変化(δα処理後)を(13)式より計算する(ステップ1)。次に、被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)と各オゾン接触槽2出口における処理水の蛍光強度(FL第1槽〜FL第3槽)から、各オゾン接触槽2出口における処理水の蛍光強度除去率(α第1槽〜α第3槽)を(3)式より計算し、また、各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量(Δα第1槽〜Δα第3槽)を(10)〜(12)式より計算する(ステップ2)。これらの計算結果に基づき、蛍光強度除去率の時間変化(δα処理後)および蛍光強度除去率の変化量(Δα第1槽〜Δα第3槽)が、あらかじめ実験的に求め設定したオゾン注入率(I)が最適な場合の蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲(δ範囲)内および各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量の下限値(Δα第1槽 下限〜Δα第3槽 下限)以上になるようにオゾン注入量の過不足を判断し(ステップ3)、目標蛍光強度除去率(α目標)およびオゾン注入率(I)を調整する(ステップ6)。すなわち、蛍光強度除去率の時間変化(δα処理後)が、その許容範囲(δ範囲)内になるまでは、目標蛍光強度除去率(α目標)に達していないと判断し、オゾン注入率(I)を増やす。一方、許容範囲(δ範囲)内になった場合は、目標蛍光強度除去率(α目標)に達していると判断し、次に蛍光強度除去率の変化量(Δα第1槽〜Δα第3槽)が、その下限値(Δα第1槽 下限〜Δα第3槽 下限)未満の場合は、オゾン注入量が過剰と判断しオゾン注入率(I)を下げる。それ以外は、オゾン注入率(I)を増加させる。
なお、上記の蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲(δ範囲)、および各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量の下限値(Δα第1槽 下限〜Δα第3槽 下限)は、本実施の形態を採用する実際の浄水プラントにおける水源水質、オゾン処理槽1bの構造、各オゾン接触槽2における滞留時間、運転条件等によって変わるため予め模擬実験等を行って決定し、設定値として水処理制御装置14に入力しておく。また、これらの設定値は、季節、天候、その他の浄水場の運転条件によって、人為的にまたは自動的に変更するようにしても構わない。
次に、水処理制御装置14は、入力されたオゾン処理水13の水温(T処理後)、pH(pH処理後)の入力値から溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を計算し(ステップ4)、オゾン処理水13の溶存オゾン濃度(DO3処理後)が、溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を超えたらオゾン接触槽2へのオゾン注入量が過剰と判断する(ステップ5)。その判断に基づきのオゾン注入率(I)を調整する。すなわち、ステップ1〜3においてオゾン注入率(I)を上げると判断されていても、溶存オゾン濃度(DO3処理後)>溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の場合は、オゾン注入率(I)を下げる。溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の計算方法は、実施例1と同じである。
一方、オゾン注入率(I)は、オゾン処理槽1bにおける処理水量あたりのオゾン注入量とし、水処理制御装置14は、上記の条件(ステップ1〜6)によってリアルタイムに変動するオゾン注入率(I)に基づきオゾン接触槽2へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整するようにオゾンガス注入装置20を制御する。
水処理制御システム14によるオゾンガス注入装置20の制御は、複数段からなるオゾン接触槽2において各オゾン接触槽2へのオゾン注入率がI第1槽、I第2槽、I第3槽になるようにオゾンガス注入装置20に制御信号を送る。各オゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)は、実施例1と同様にあらかじめ設定しておくオゾン注入量補正係数(θ第1槽〜θ第3槽)とオゾン注入率(I)から(4)〜(6)式により計算する(ステップ7)。ここで、各オゾン接触槽2出口における溶存オゾン濃度(DO3第1槽〜DO3第3槽)が溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を超える接触槽があるならば、その接触槽へのオゾン注入量が過剰と判断し(ステップ8)、その接触槽へのオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を調整する。すなわち、第n接触槽(n=1,2,3)において溶存オゾン濃度(DO3第n槽)>溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の場合は、オゾン注入率(I第n槽)を下げる(ステップ9)。次に、オゾンガス注入装置20からリアルタイムに入力される空気6の各オゾン接触槽2毎のオゾン発生器20aへの導入量(F第1槽〜F第3槽)と、発生したオゾンガス7のオゾン濃度(C第1槽〜C第3槽)から、各オゾン接触槽2へのオゾン注入量がオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)になるように、各オゾン発生器20aへの空気6の導入量(F第1槽〜F第3槽)を、バルブ20cにより、オゾンガス7のオゾン濃度(C第1槽〜C第3槽)を、各オゾン発生器20aにおける空気6にかける放電電圧を変化させることにより調整する(ステップ10)。
以上のように、本実施の形態によれば、処理槽出口のおけるオゾン処理水13の蛍光強度除去率(α処理後)を時間tで微分した蛍光強度除去率の時間変化(δα処理後)を監視し、その絶対値が、あらかじめ設定した蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲(δ範囲)内になるまでは、オゾン処理槽1bへのオゾンガス注入量を増やすようになっている。蛍光強度除去率(α処理後)が蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲(δ範囲)内になれば目標蛍光強度除去率(α目標)に達していることになり、次に蛍光強度除去率の変化量(Δα第n槽)から、オゾンガス注入量が過剰かどうか判断し、過剰ならオゾンガス注入量を減らし、そうでない限りオゾンガス注入量を増やすようになっている。この結果、オゾン注入量が過不足なく、すなわち十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、臭素酸イオンが生成することなくオゾン処理できる事になる。かつ、オゾン注入量を最小限に制御できるため電力料等の運転コストを低減できる。また、目標蛍光強度除去率(α目標)をあらかじめ設定する必要がなく、自動的に決定できるため被処理水の水質の変化に対しリアルタイムに対応でき上記の効果が得られる。
第5の実施の形態
次に本発明の第5の実施の形態について図13により説明する。
本実施の形態はオゾン接触槽2へのオゾン注入方法、すなわち水処理制御装置14によるオゾンガス注入装置20の制御方法が異なるのみであり、他の構成は図11および図12に示す第4の実施の形態と略同一である。
本実施の形態での制御原理は、図9、11を用いて説明した第4実施の形態と略同一である。但し、第4の実施の形態では、オゾン注入制御のための指標として、蛍光強度除去率の時間変化(δα処理後)および各接触槽における蛍光強度除去率の変化量(Δα第1槽〜Δα第3槽)に基づき、オゾン処理槽1bへのオゾン注入率(I)を調整した上で各オゾン接触槽2別のオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を、各オゾン接触槽2のオゾン注入量補正係数(θ第1槽〜θ第3槽)から(4)〜(6)式より算出している。しかし、本実施の形態では、蛍光強度除去率の時間変化(δα処理後)および各接触槽における蛍光強度除去率の変化量(Δα第1槽〜Δα第3槽)に基づき、各オゾン接触槽2別のオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)の過不足を直接判断し、それらを調整するようになっている。すなわち、水処理制御装置14は、オゾン接触槽2の第n段のオゾン接触槽(n=1,2,3)におけるオゾン注入量が過剰と判断されるまでオゾン注入率(I第n槽)を増加させ、同注入率が過剰と判断された場合のみオゾン注入率(I第n槽)を減少させるように、オゾン接触槽2へのオゾンガス注入量を調整する。この結果、オゾン注入量が過不足なく、すなわち十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、臭素酸イオンが生成されずにオゾン処理を行える事になる。かつ、オゾン注入量を最小限に制御できるため電力料等の運転コストを低減できる。また、被処理水の水質の変化に対しリアルタイムに対応でき上記の効果が得られる。
次に、本実施の形態におけるオゾンガス注入装置20の制御について図13のフローチャートに基づき説明する。
水処理制御装置14は、入力された被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)と、オゾン処理水13の蛍光強度(FL処理後)から、(3)式よりオゾン処理水13の蛍光強度除去率(α処理後)を計算し、その時間変化(δα処理後)を(13)式より計算する(ステップ1)。次に、被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)と各オゾン接触槽2出口における処理水の蛍光強度(FL第1槽〜FL第3槽)から、各オゾン接触槽2出口における処理水の蛍光強度除去率(α第1槽〜α第3槽)を(3)式より計算し、また、各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量(Δα第1槽〜Δα第3槽)を(10)〜(12)式より計算する(ステップ2)。これらの計算結果に基づき、蛍光強度除去率の時間変化(δα処理後)および蛍光強度除去率の変化量(Δα第1槽〜Δα第3槽)が、あらかじめ実験的に求め設定したオゾン注入率(I)が最適な場合の蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲(δ範囲)内、および各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量の下限値(Δα第1槽 下限〜Δα第3槽 下限)以上になるように各オゾン接触槽2別にオゾン注入量の過不足を判断する(ステップ3)。これらの判断に基づき各オゾン接触槽2へのオゾンガス注入量を調整する。すなわち、蛍光強度除去率の時間変化(δα処理後)が、その許容範囲(δ範囲)内になるまでは、目標蛍光強度除去率(α目標)に達していないと判断し、オゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を増やす。一方、許容範囲(δ範囲)内になった場合は、目標蛍光強度除去率(α目標)に達していると判断し、次に第n段のオゾン接触槽(n=1,2,3)における蛍光強度除去率の変化量(Δα第n槽)が、その下限値(Δα第n槽 下限)未満の場合は、第n段のオゾン接触槽におけるオゾン注入量が過剰と判断し、オゾン注入率(I第n槽)を下げ、それ以外は、オゾン注入率(I第n槽)を増加させる(ステップ6)。
なお、上記の蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲(δ範囲)、および各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量の下限値(Δα第1槽 下限〜Δα第3槽 下限)は、本実施の形態を採用する実際の浄水プラントにおける水源水質、オゾン処理槽1bの構造、各オゾン接触槽2における滞留時間、運転条件等によって変わるため予め模擬実験等を行って決定し、設定値として水処理制御装置14に入力しておく。また、これらの設定値は、季節、天候、その他の浄水場の運転条件によって、人為的にまたは自動的に変更するようにしても構わない。
次に、水処理制御装置14は、入力されたオゾン処理水13の水温(T処理後)、pH(pH処理後)の入力値から溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を計算し(ステップ4)、オゾン処理水13の溶存オゾン濃度(DO3処理後)と各オゾン接触槽2出口における溶存オゾン濃度(DO3第1槽〜DO3第3槽)が、溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を超えたら、処理槽全体または超えた接触槽はオゾン注入量が過剰と判断する(ステップ5)。それらの判定に基づき各オゾン接触槽2別にオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を調整する。すなわち、ステップ1〜3においていずれのオゾン接触槽2でオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を上げると判断されても、溶存オゾン濃度(DO3処理後)>溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の場合は、すべてのオゾン接触槽2でのオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を下げ、また、第n段のオゾン接触槽(n=1,2,3)の溶存オゾン濃度(DO3第n槽)>溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の場合は、そのオゾン接触槽2のオゾン注入率(I第n槽)を下げる(ステップ6)。溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の計算方法は、実施例1と同じである。
一方、オゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)は、オゾン処理槽1bにおける処理水量あたりのオゾン接触槽2の各オゾン接触槽2のオゾン注入量とし、水処理制御装置14は、上記の条件(ステップ1〜6)によってリアルタイムに変動するオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)に基づき、オゾン接触槽2へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整するようにオゾンガス注入装置20を制御する。なお、水処理制御システム14によるオゾンガス注入装置20の制御方法は、本発明の第2の制御方法を適用した実施例2での水処理制御装置14によるオゾンガス注入装置20の制御方法と同じである(ステップ7)。
以上のように、本実施の形態によれば、各オゾン接触槽2出口のおける処理水の蛍光強度除去率(α第n槽)を時間tで微分した蛍光強度除去率の時間変化(δα第n槽)を監視し、その絶対値が、あらかじめ設定した蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲(δ範囲)内になるまでは、各オゾン接触槽2へのオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を上げるようになっている。蛍光強度除去率(α第n槽)が蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲(δ範囲)内になれば目標蛍光強度除去率(α目標)に達していることになり、次に、蛍光強度除去率の変化量(Δα第n槽)から、オゾンガス注入量が過剰かどうか判断する。水処理制御装置14は、各オゾン接触槽2別に、オゾン注入量が過剰と判断されるまでオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を増加させ、同注入率が過剰と判断されたオゾン接触槽2のみオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を減少させるように、オゾン接触槽2へのオゾン注入量を調整する。このように各オゾン接触槽2毎に制御することにより、複数段のオゾン接触槽2の後段より前段で有機物等のオゾン分解による蛍光強度除去率が大きくなるように自動的に調整される。すなわち、各オゾン接触槽2の容積が違い、オゾンと処理水の接触時間が違うような浄水プラントを除き、通常、オゾンガス注入装置20は、オゾン注入率がI第1槽>I第2槽>I第3槽となるように水処理制御装置14より送られてくる制御信号に基づき各オゾン接触槽2別にオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整する。このような構成にする事により、複数段からなるオゾン接触槽2において、オゾンとの反応速度が早い有機物を多く含み、注入されるオゾンの大半がこれらの有機物の分解に消費されるために、生成反応速度が遅い臭素酸イオンの生成が心配されない前段のオゾン接触槽2におけるオゾン注入量を増やことが可能である。この結果、オゾンとの反応速度が早い有機物の分解を促進させることができ、分解効率が向上しオゾン消費量を低減できる。一方、後段のオゾン接触槽2では、オゾンとの反応速度が早い有機物が少ないか、皆無であっても、オゾン注入率(I第3槽)を低くする事により残留するオゾンの溶存濃度を低くできるため臭素酸イオンの生成を抑制できる。すなわち、上記の構成とすることにより、各オゾン接触槽2別に最適なオゾン注入量にすることができ、十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、後段の生物活性炭処理や塩素処理でも除去できない臭素酸イオン等の副生成物の生成を低く抑えることができ、かつ、設備の運転コストを増加させる無駄なオゾンガスの注入を減らすことができる。しかも、水源水質の、季節変化、天候による変動、想定外の理由による突発的な変動に対してもリアルタイムに適応し上記の効果を得る事ができる。
また、上記の構成では、複数段からなるオゾン接触槽2の第1段のオゾン接触槽2のみで十分にオゾン処理が可能で目標蛍光強度除去率(α目標)に達する事ができる場合は、すなわち、第1段のオゾン接触槽2におけるオゾン注入能力の限界や、溶存オゾン濃度がその上限を超さない限り、第1段の接触槽2のみで目標蛍光強度除去率(α目標)に達する場合は、第2、3接触槽にオゾンガスを注入する必要が無い。一方、水源水質が悪化し、オゾン注入能力の限界や、溶存オゾン濃度がその上限値を越す場合は、第1段のオゾン接触槽2のみでは目標蛍光強度除去率(α目標)に達する事ができず、その場合は、第2、第3段のオゾン接触槽2においてオゾン注入するように制御されるので目標蛍光強度除去率(α目標)に達することが出来る。以上の結果、設備の運転コストを増加させる無駄なオゾンガスの注入を減らすことができ、十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、後段の生物活性炭処理や塩素処理でも除去できない臭素酸イオン等の副生成物が第2、第3段のオゾン接触槽2において生成するのを抑制できる。これらの効果を水源水質の変化にリアルタイムに対応できる。また、上記の構成では、各オゾン接触槽2別にオゾン発生器を設けてオゾンガスを接触槽に供給している。この結果、どれかオゾン発生器が故障するか、メンテナンスのための停止する必要があっても、他のオゾン接触槽2のみで処理が可能であり処理システム全体を停止する必要がない。
第6の実施の形態
次に本発明の第6の実施の形態について、図14乃至図16により説明する。本実施の形態は、オゾン接触槽2へのオゾン注入方法すなわち水処理制御装置によるオゾンガス注入装置20の制御方法が異なるのみであり、他の構成は図6乃至図8に示す第2の実施の形態と略同一である。
図14は、第6の実施の形態による水処理制御システムの構成を示す構成図である。この図14において被処理水12に対してオゾン処理が行われオゾン処理水13が排出されるオゾン処理槽1cが設置されている。オゾン処理槽1cの構成は、オゾン接触槽2へのオゾンガス注入に関係する構成が一部異なる以外は図6に示すオゾン処理槽1bと同じである。
図14に示すオゾン処理槽1cが、図6に示すオゾン処理槽1bと異なる点は、以下のように構成されていることである。すなわちオゾン処理槽1cには、複数段の各オゾン接触槽2内部に採水口17が取り付けられており、これらから採水した各オゾン接触槽2内部における処理水の一部が、蛍光分析計22へ導かれるようになっている。なお、採水口17の位置は、各オゾン接触槽2の出入り口に近づきすぎなければどの位置にしても構わないが、本実施の形態では、各オゾン接触槽2の中間位置とする。蛍光分析計22では、各オゾン接触槽2内部における処理水の蛍光強度(FL’第1槽〜FL’第3槽)が検出され、これらの検出信号の出力が、水処理制御装置14に入力されるようになっている。水処理制御装置14は、これらの測定値および被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)と、各オゾン接触槽2から排出される処理水の蛍光強度(FL第1槽〜FL第3槽)および溶存オゾン濃度(DO3第1槽〜DO3第3槽)と、オゾン処理水13の蛍光強度(FL処理後)および溶存オゾン濃度(DO3 処理後)と水温(T処理後)とpH(pH処理後)に基づいてオゾン接触槽2へのオゾンガス注入量を調整するようにオゾンガス注入装置20を制御する。オゾンガス注入装置20は、各オゾン接触槽2別にオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を調整する。
なお、蛍光分析計22は、複数段のオゾン接触槽2のうち各オゾン接触槽2の中間におけるオゾンとの反応途中の処理水の一部を各採水口17から取り込みながら、オゾンによる分解対象物質、特に処理水中のフミン質を主とする溶存有機物の分解反応の進行度を示す波長、例えば345nmの波長を持つ励起光を生成して、これを各処理水に照射しながら、これらの処理水から発せられる各蛍光のうち、例えば425nmの波長を持つ蛍光を選択して、蛍光強度を測定する。
次に、本実施の形態の作用について図14〜図16を用いて説明する。
図14において、オゾン処理槽1cでは、水処理制御装置14がオゾン注入装置20を制御し、オゾンガス7をオゾン接触槽2の下部に設けられたオゾンガス散気管5から気泡9として被処理水中に注入する。また、被処理水12とオゾン処理水13の蛍光強度(FL被処理水)と蛍光強度(FL処理後)が蛍光分析計21と蛍光分析計24により検出され、また、各オゾン接触槽2出口における処理水の蛍光強度(FL第1槽〜FL第3槽)および溶存オゾン濃度(DO3第1槽〜DO3第3槽)が、それぞれ蛍光分析計23と溶存オゾン濃度計27によって検出される。また、これらの測定値に加え、各オゾン接触槽2の中間に設けられた採水口17より、各オゾン接触槽2中間におけるオゾンと反応途中の処理水の一部が採水され、処理水の蛍光強度(FL’第1槽〜FL’第3槽)が、蛍光分析計21によって検出される。これらすべての検出信号が水処理制御装置14にリアルタイムに入力されるようになっている。水処理制御装置14は、各検出信号の入力値に基づき、オゾンガス注入装置20を制御してオゾン接触槽2の各接触槽へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整する。
次に、水処理制御装置14によるオゾンガス注入装置20の制御方法、すなわちオゾン接触槽2の各オゾン接触槽2へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)の調整方法について説明する。
まず、本実施の形態における制御原理について、図15を用いて説明する。
図15は、一般的な河川水とオゾンを反応させた際の複数段からなるオゾン接触槽2の第n段のオゾン接触槽(n=1、2、3)における蛍光強度(FL)および蛍光強度除去率(α)の変化を表す特性図である。図15中の蛍光強度除去率(α第n槽)と蛍光強度除去率(α’第n槽)は、それぞれ第n段のオゾン接触槽出口と第n段のオゾン接触槽内部(中間点)における蛍光強度除去率(α)である。なお、蛍光強度除去率(α第n槽)は、第n段のオゾン接触槽出口における蛍光強度(FL第n槽)を測定し(3)式より計算し、蛍光強度除去率(α’第n槽)は、第n段のオゾン接触槽内部(中間点)における蛍光強度(FL’第n槽)を測定し次式(14)より計算する。
蛍光強度除去率(α’)[%]=100x(FL−FL’)/FL (14)

第n段のオゾン接触槽出口における蛍光強度除去率(α第n槽)が、目標とする蛍光強度除去率(α目標)になるように、第n段のオゾン接触槽へのオゾン注入量を調整した場合、オゾン注入量や被処理水質の違いによってオゾン接触槽2内部では図15に示したように5種類の特性曲線となる。いずれも河川水がオゾン接触槽2入口から出口にかけてオゾンガスと接触しながら下降し、その間、被処理水に溶存する有機物等の処理対象物質が分解されるため蛍光強度(FL)が低下する。すなわち、蛍光強度除去率(α)が低下する。実線(a)は、被処理水に対するオゾン注入率(I第n槽)が最適な場合の特性曲線、破線(b)は、オゾン注入率(I第n槽)が過剰、破線(c)と破線(d)は、オゾン注入率(I第n槽)が不足な場合の特性曲線である。
破線(b)は、オゾン注入率(I第n槽)が過剰のため蛍光強度除去率(α第n槽)が、目標蛍光強度除去率(α目標)であったとしても、第n段のオゾン接触槽中間点から出口にかけて蛍光強度除去率(α)の変化量が小さい。これは、オゾン接触槽前半においてオゾンと反応しやすい有機物が全て分解され、オゾン接触槽後半では、処理水中に溶存有機物が無いか、オゾンとの反応性が乏しい(反応速度が遅い)有機物が残っているだけであると考えられる。このような場合、オゾンガスの注入が過剰である事を意味し、しかも、臭素酸イオン等の副生成物が生成する可能性が高い。従って、オゾン注入率(I第n槽)を下げて最適なオゾン注入量にする必要がある。
破線(c)や、蛍光強度除去率(α第n槽)が目標蛍光強度除去率(α目標)に達していない破線(d)は、オゾン注入率(I第n槽)が不足と判断し、オゾン注入率(I第n槽)を上げなければならない。
破線(e)は、蛍光強度除去率(α第n槽)が、目標蛍光強度除去率(α目標)に達しないが、第n段のオゾン接触槽へのオゾンガス注入能力が限界で、オゾン注入率(I第n槽)を上げられない場合のケースである。
一方、図11により第4の実施の形態における制御原理の説明において、オゾン注入量(オゾン注入率(I))が増加するに従い、オゾン処理槽1b出口における蛍光強度除去率(α処理後)の変化量が小さくなる事を説明した。第n段のオゾン接触槽へのオゾン注入装置の能力を超えない限りはオゾン注入率(I第n槽)を上げることにより、第n段のオゾン接触槽出口における蛍光強度除去率(α第n槽)が80%に近づくにつれて、その変化量が小さくなる。このような特徴を利用することにより、次式(15)により計算される蛍光強度除去率(α第n槽)を時間tで微分した蛍光強度除去率の時間変化(δα第n槽)を監視し、その絶対値が、あらかじめ設定した蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲(δ範囲)内であればオゾン処理水の蛍光強度除去率(α第n槽)が目標蛍光強度除去率(α目標)に達していることになる。
第n段のオゾン接触槽の蛍光強度除去率の時間変化(δα第n槽
=dα第n槽/dt(n=1,2,3) (15)

ここで、仮にn=1すなわち第1段のオゾン接触槽において上記の原理でオゾンガスを注入した場合、第1接触槽用のオゾンガス注入能力が十分の場合、第1段のオゾン接触槽だけでの蛍光強度除去率(α第1槽)が目標蛍光強度除去率(α目標)に達することになり、その場合、第2段のオゾン接触槽、第3段のオゾン接触槽へのオゾン注入が不要になる。これは、被処理水の水質が良好の場合なら起こりえるが、実際は、第1段のオゾン接触槽のみではオゾンガス注入能力の限界、接触反応時間の不足から上記の破線(d)か(c)の特性曲線になる。あるいは、オゾンガス注入能力の限界、接触反応時間の十分であっても、溶存オゾン濃度(DO3第1槽)が、その上限値(DO3上限)を超えて臭素酸イオン等の副生成物が生成するのを防止するため、オゾンガスの注入量を抑えなければならず結果的に破線(d)か(c)の特性曲線になる。第1段のオゾン接触槽では、破線(d)か(c)しかならない場合は、第2、第3段のオゾン接触槽で上記の原理でオゾンガス注入量を制御することにより最終的に目標蛍光強度除去率に達することができる。
そこで、本発明の第6の制御方法では、オゾン注入制御のための指標として、蛍光強度除去率(α)、各接触槽出口における蛍光強度除去率の変化量(Δα)に加え、各オゾン接触槽2出口における蛍光強度除去率の時間変化(δα第1槽〜δα第3槽)および各オゾン接触槽2後半における蛍光強度除去率の変化量(Δα’)を使用する。
各オゾン接触槽2後半における蛍光強度除去率の変化量(Δα’)は、それぞれΔα’第1槽、Δ’α第2槽、Δα’第3槽とすると、それらは各接触槽中間における蛍光強度除去率(α’第1槽〜α’第3槽)から(16)〜(18)式を用いて求める事ができる。
Δα’第1槽=(α第1槽−α’第1槽)/α処理後 (16)
Δα’第2槽=(α第2槽−α’第2槽)/α処理後 (17)
Δα’第3槽=(α第3槽−α’第3槽)/α処理後 (18)

なお、各式中のα第1槽〜α第3槽は、各オゾン接触槽出口における蛍光強度除去率であり、α処理後は、オゾン処理後の蛍光強度除去率である。各オゾン接触槽中間における蛍光強度除去率(α’第1槽〜α’第3槽)は、被処理水の蛍光強度(FL被処理水)および各オゾン接触槽中間における処理水の蛍光強度(FL’第1槽〜FL’第3槽)から(14)式を用いて求める。
各オゾン接触槽における蛍光強度除去率の変化量(Δα’第1槽〜Δα’第3槽)およびオゾン接触槽出口における蛍光強度除去率の時間変化(δα第1槽〜δα第3槽)から、図14の特性曲線(a)〜(e)のいずれに相当するかによって各オゾン接触槽2へのオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)の過不足を判断する事ができる。なお、オゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)の過不足の判断は、次の方法で行うことにより自動化が可能である。
まず、水処理制御装置14は、第n段のオゾン接触槽(n=1,2,3)の蛍光強度除去率の時間変化(α第n槽)が、その許容範囲(δ範囲)内になるまでは、目標蛍光強度除去率(α目標)に達していないと判断し、第n段のオゾン接触槽のオゾン注入能力が許される限りはオゾン注入率(I第n槽)を増やす。一方、許容範囲(δ範囲)内になった場合は、目標蛍光強度除去率(α目標)に達していると判断し、次に、蛍光強度除去率の変化量(Δα’第n槽)から、オゾン処理槽1cへのオゾン注入量の過不足を判断してオゾン注入率(I第n槽)を調整する。しかし、既に目標蛍光強度除去率(α目標)に達しているので、図15の(a)〜(c)の特性曲線のいずれに相当するかを判断しオゾン注入量の過不足を決める。また、本制御方法では、オゾン注入量が過剰と判断されない限りオゾン注入量を増やせば良いので、蛍光強度除去率の変化量(Δα’第n槽)が、その下限値(Δα’第n槽 下限)未満の場合のみオゾン注入量が過剰と判断しオゾン注入率(I第n槽)を下げる。それ以外では、オゾン注入量の過不足を判断することなくオゾン注入率(I第n槽)を上げればよい。
仮に、第n段のオゾン接触槽のオゾン注入能力が限界で、目標蛍光強度除去率(α目標)に達することができなければ図15の破線(d)、(e)の特性曲線に相当することになる。この場合、後段のオゾン接触槽2で上記同様のオゾン注入制御を行う。破線(e)のケースでも蛍光強度除去率の時間変化(α第n槽)が、その許容範囲(δ範囲)内であり、しかも、蛍光強度除去率の変化量(Δα’第n槽)が、その下限値(Δα’第n槽 下限)未満になる。この場合は、上記の条件では、オゾン注入率(I第n槽)を下げてしまうが、後段のオゾン接触槽2で、オゾン注入率を上げるはずなので問題ない。
なお、上記の蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲(δ範囲)および下限値(Δα第1槽 下限〜Δα第3槽 下限)は、本実施の形態を採用する実際の浄水プラントにおける水源水質、オゾン処理槽の構造、各槽における滞留時間、運転条件等によって変わるため予め模擬実験等を行って決定し、設定値として水処理制御装置14に入力しておく。また、これらの設定値は、季節、天候、その他の浄水場の運転条件によって、人為的にまたは自動的に変更するようにしても構わない。
以上の制御原理により、処理制御装置14は、各オゾン接触槽2別にオゾン注入量が過剰と判断されるまでオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を増加させ、同注入率が過剰と判断されたオゾン接触槽2のみオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を減少させるように、オゾン接触槽2へのオゾン注入量を調整する。この結果、オゾン注入量が過不足なく、すなわち十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、臭素酸イオンが生成されずにオゾン処理を行える事になる。かつ、オゾン注入量を最小限に制御できるため電力料等の運転コストを低減できる。また、被処理水の水質の変化に対しリアルタイムに対応でき上記の効果が得られる。
次に、本発明による具体的な制御方法について図16のフローチャートに基づき説明する。
水処理制御装置14は、入力された被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)と、オゾン処理水13の蛍光強度(FL処理後)から、(3)式よりオゾン処理水13の蛍光強度除去率(α処理後)を計算する(ステップ1)。次に、被処理水12の蛍光強度(FL被処理水)と同様に入力された各接触槽出口における処理水の蛍光強度(FL第1槽〜FL第3槽)から、各接触槽出口における処理水の蛍光強度除去率(α第1槽〜α第3槽)を(3)式より計算した後、その時間変化(δα第1槽〜δα第3槽)を(15)式より計算する。また、各オゾン接触槽2後半における蛍光強度除去率の変化量(Δα’第1槽〜Δα’第3槽)を(16)〜(18)式より計算する(ステップ2)。これらの計算結果に基づき、蛍光強度除去率の時間変化(δα処理後)および蛍光強度除去率の変化量(Δα’第1槽〜Δα’第3槽)が、あらかじめ実験的に求めたオゾン注入率(I)が最適な場合の蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲(δ範囲)、および各オゾン接触槽における蛍光強度除去率の変化量の下限値(Δα’第1槽 下限〜Δα’第3槽 下限)と比較し、各オゾン接触槽2毎にオゾン注入量の過不足を判断する(ステップ3)。これらの判断に基づき各オゾン接触槽2へのオゾン注入量を調整する。すなわち、第n段のオゾン接触槽(n=1,2,3)における蛍光強度除去率の時間変化(δα第n槽)が、その許容範囲(δ範囲)内になるまでは、目標蛍光強度除去率(α第n槽目標)に達していないと判断し、オゾン注入率(I第n槽)を増やす。一方、許容範囲(δ範囲)内になった場合は、目標蛍光強度除去率(α第n槽目標)に達していると判断し、次に蛍光強度除去率の変化量(Δα’第n槽)が、その下限値(Δα’第n槽 下限)未満の場合は、第n段のオゾン接触槽におけるオゾン注入量が過剰と判断し、オゾン注入率(I第n槽)を下げ、それ以外は、オゾン注入率(I第n槽)を増加させる。(ステップ6)
なお、上記の蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲(δ範囲)、および各オゾン接触槽における蛍光強度除去率の変化量の下限値(Δα’第1槽 下限〜Δα’第3槽 下限)は、本実施の形態を採用する実際の浄水プラントにおける水源水質、オゾン処理槽の構造、各槽における滞留時間、運転条件等によって変わるため予め模擬実験等を行って決定し、設定値として水処理制御装置14に入力しておく。また、これらの設定値は、季節、天候、その他の浄水場の運転条件によって、人為的にまたは自動的に変更するようにしても構わない。
次に、水処理制御装置14は、入力されたオゾン処理水13の水温(T処理後)、pH(pH処理後)の入力値から溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を計算し(ステップ4)、オゾン処理水13の溶存オゾン濃度(DO3処理後)と各オゾン接触槽2出口における溶存オゾン濃度(DO3第1槽〜DO3第3槽)が、溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を超えたら、処理槽全体または超えた接触槽はオゾン注入量が過剰と判断する(ステップ5)。それらの判定に基づき各オゾン接触槽2別にオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を調整する。すなわち、溶存オゾン濃度(DO3処理後)>溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の場合は、すべてのオゾン接触槽2でのオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を下げ、また、第n段のオゾン接触槽(n=1,2,3)の溶存オゾン濃度(DO3第n槽)>溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の場合は、ステップ1〜3においてオゾン注入量が不足とされてもそのオゾン接触槽2のオゾン注入率(I第n槽)を下げる(ステップ6)。溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)の計算方法は、実施例1と同じである。
一方、オゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)は、オゾン処理槽1cにおける処理水量あたりのオゾン接触槽2の各オゾン接触槽2のオゾン注入量とし、水処理制御装置14は、上記の条件(ステップ1〜6)によってリアルタイムに変動するオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)に基づきオゾン接触槽2へのオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整するようにオゾンガス注入装置20を制御する。なお、水処理制御システム14によるオゾンガス注入装置20の制御方法は、本発明の第2の制御方法を適用した実施例2での水処理制御装置14によるオゾンガス注入装置20の制御方法と同じである(ステップ7)。
以上のように、本実施の形態によれば、オゾン処理槽1c内の複数箇所、すなわち処理前の被処理水と処理後のオゾン処理水、複数段からなる各オゾン接触槽2の出口および中間点における処理水の水質指標をオンラインで測定し、オゾン処理槽1c全体および各オゾン接触槽2別に被処理水とオゾンガスとの反応特性が得られるようになっている。
本実施の形態では、水質指標として蛍光強度を用い、各箇所における蛍光強度(FL)から計算した複数の指標(蛍光強度除去率(α)、各オゾン接触槽2後半における蛍光強度除去率の変化量(Δα’第n槽))から各オゾン接触槽2別の被処理水とオゾンガスとの反応特性を把握するようになっている。これらの各指標に基づきオゾン処理槽1cへのオゾンガスの注入量(各接触槽別のオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽))を調整している。蛍光強度は、処理水中の溶存有機物量とよく相関するため、蛍光強度除去率(α)、蛍光強度除去率の変化量(Δα’第n槽)を用いる事により、被処理水中の有機物のオゾンガスによる分解反応の進行度を各槽別に把握できる。このため、オゾンとの反応性が高い、色度成分、トリハロメタン前駆物質のフミン質や2−メチルイソボルネオール(2−MIB)等の臭気物質は、オゾンによる分解反応速度が速い有機物であり、これらの有機物の分解反応特性および臭素酸イオン等のオゾンによる副生成物の生成反応特性を十分に反映させた上でオゾンガスの注入量(各接触槽別のオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽))の過不足を判断でき、オゾン処理槽1cへのオゾンガスの注入を被処理水水質に合わせた最適制御が可能になる。この結果、無駄なオゾンガス注入を防止しながら、十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、過剰なオゾンガスの注入により被処理水中の残留オゾン濃度が高くなり、オゾンガスと被処理水との反応により生じる毒性が高く後段の生物活性炭処理槽で処理できない臭素酸イオン等の副生成物が生成するのを抑止するようにオゾン注入量を最適制御できる。かつ、オゾン注入量を最小限に制御できるため電力料等の運転コストを低減できる。このような最適なオゾン処理を、被処理水の水質の季節変化、天候による変動、想定外の理由による突発的な変動に対してもリアルタイムに対応でき、オゾン処理槽1cへのオゾン注入量を最適化できる。
上記の構成では、水処理制御装置14は、各オゾン接触槽2別に各オゾン接触槽2後半における蛍光強度除去率の変化量(Δα’第n槽)によりオゾン注入量が過剰と判断されるまでオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を増加させ、同注入率が過剰と判断された接触槽のみオゾン注入率(I第1槽〜I第3槽)を減少させるように、オゾン接触槽2へのオゾン注入量を調整する。このように各オゾン接触槽2毎に制御することにより、複数段のオゾン接触槽2のうち後段より前段のオゾン接触槽2で有機物等のオゾン分解による蛍光強度除去率が大きくなるように自動的に調整される。すなわち、各オゾン接触槽2の容積が異なり、オゾンと処理水の接触時間が違うような浄水プラントを除き、通常、オゾンガス注入装置20は、オゾン注入率がI第1槽>I第2槽>I第3槽となるように、水処理制御装置14より送られてくる制御信号に基づき各オゾン接触槽2別にオゾンガス注入量(オゾンガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)を調整する。このような構成にする事により、複数段からなるオゾン接触槽2において、オゾンとの反応速度が早い有機物を多く含み、注入されるオゾンの大半がこれらの有機物の分解に消費されるために、生成反応速度が遅い臭素酸イオンの生成が心配されない前段のオゾン接触槽2におけるオゾン注入量を増やことが可能である。この結果、オゾンとの反応速度が早い有機物の分解を促進させることができ、分解効率が向上しオゾン消費量を低減できる。一方、オゾン接触槽2のうち後段のオゾン接触槽2では、オゾンとの反応速度が早い有機物が少ないか、皆無であっても、オゾン注入率(I第3槽)を低くする事により、残留するオゾンの溶存濃度を低くできるため臭素酸イオンの生成を抑制できる。すなわち、上記の構成とすることにより、各オゾン接触槽2別に最適なオゾン注入量にすることができ、十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、後段の生物活性炭処理や塩素処理でも除去できない臭素酸イオン等の副生成物の生成を低く抑えることができ、かつ、設備の運転コストを増加させる無駄なオゾンガスの注入を減らすことができる。しかも、水源水質の、季節変化、天候による変動、想定外の理由による突発的な変動に対してもリアルタイムに適応し上記の効果を得る事ができる。
また、上記の構成では、複数段からなるオゾン接触槽2の第1段のオゾン接触槽2のみで十分にオゾン処理が可能で目標蛍光強度除去率(α目標)に達する事ができる場合、すなわち、第1段のオゾン接触槽2におけるオゾン注入能力の限界や、溶存オゾン濃度がその上限を超さない限り、第1段のオゾン接触槽のみで目標蛍光強度除去率(α目標)に達する場合は、第2、3段のオゾン接触槽2にオゾンガスを注入する必要が無い。一方、水源水質が悪化し、オゾン注入能力の限界や、溶存オゾンオゾン濃度がその上限値を越す場合は、第1段のオゾン接触槽2のみでは目標蛍光強度除去率(α目標)に達する事ができず、その場合は、第2、第3段のオゾン接触槽2でオゾン注入するように制御されるので目標蛍光強度除去率(α目標)に達することが出来る。以上の結果、設備の運転コストを増加させる無駄なオゾンガスの注入を減らすことができ、十分に色度およびトリハロメタン生成能(THMFP)を低減しつつ、後段の生物活性炭処理や塩素処理でも除去できない臭素酸イオン等の副生成物が第2、第3段のオゾン接触槽において生成するのを抑制できる。これらの効果を水源水質の変化にリアルタイムに対応できる。また、上記の構成では、各オゾン接触槽2別にオゾン発生器を設けてオゾンガスを接触槽に供給している。この結果、どれかオゾン発生器が故障するか、メンテナンスのための停止する必要があっても、他のオゾン接触槽のみで処理が可能であり処理システム全体を停止する必要がない。
また、上記の構成では、各オゾン接触槽における処理水の溶存オゾン濃度(DO3第1槽〜DO3第3槽)および、オゾン処理水13の溶存オゾン濃度(DO3処理後)が、溶存オゾン濃度の上限値(DO3上限)を超えたオゾン接触槽2では、そのオゾン接触槽におけるオゾン注入量を減少させるように調整するようになっている。この結果、万一、各オゾン接触槽2における蛍光強度除去率の変化量(Δα’第n槽)による制御がうまくいかずオゾンガスが過剰に注入される接触槽が生じるのを防止でき、それ以外のオゾン接触槽2においてオゾン注入制御が続けられリカバーできるようなっている。すなわち、過剰にオゾンガスが注入されて、被処理水中の残留オゾン濃度が高くなり、オゾンガスと被処理水との反応により生じる毒性の高い臭素酸イオン等の副生成物が生成するのを抑止できる。
以上のように、本発明によれば、オゾン処理と生物活性炭処理を組み合わせた水処理設備において、被処理水中の有機物の分解処理、トリハロメタン生成能(THMFP)の低減処理を最も効率良く行わせることができる。また、この制御システムにより、設備の運転コストを増加させる無駄なオゾンガスの注入を減らすことができ、かつ、後段の生物活性炭処理や塩素処理でも除去できない臭素酸イオン等の副生成物の生成を低く抑えることができる。しかも、水源水質の、季節変化、天候による変動、想定外の理由による突発的な変動に対してもリアルタイムに適応し上記の効果を得る事ができる。
本発明による水処理制御システムの第1の実施の形態を示す構成図。 オゾン処理槽出口における溶存オゾン濃度(DO3処理後)に対する、色度、トリハロメタン生成能(THMFP)の除去率の変化、およびオゾン処理による副生成物である臭素酸イオンの生成量の変化を表す特性図。 オゾン処理槽出口における蛍光強度除去率(α処理後)に対する、色度、トリハロメタン生成能(THMFP)の除去率の変化、およびオゾン処理による副生成物である臭素酸イオンの生成量の変化を表す特性図。 水処理制御装置によるオゾンガス注入装置の制御方法を説明するフローチャート。 オゾン処理後の処理水のpH7と8における溶存オゾン濃度と臭素酸イオン生成量の関係を示す図。 本発明による水処理制御システムの第2の実施の形態を示す構成図。 複数段のオゾン接触槽および滞留槽における蛍光強度除去率(α)の変化を表す特性図。 水処理制御装置によるオゾンガス注入装置の制御方法を説明するフローチャート。 本発明による水処理制御システムの第3の実施の形態による複数段のオゾン接触槽および滞留槽における蛍光強度除去率(α)の変化を表す特性図であり、オゾン注入率が(a)最適、(b)過剰(c)やや不足(d)不足の場合の特性図であり、(e)は、目標蛍光強度除去率(α目標)が、最適値より低くかつオゾン注入率過剰の場合の特性図である。 水処理制御装置によるオゾンガス注入装置の制御方法を説明するフローチャート。 本発明による水処理制御システムの第4の実施の形態による複数段のオゾン接触槽および滞留槽からなるオゾン処理槽出口におけるオゾン注入率(I)による蛍光強度除去率(α)の変化を表す特性図。 水処理制御装置によるオゾンガス注入装置の制御方法を説明するフローチャート。 本発明による水処理制御システムの第5の実施の形態における水処理制御装置によるオゾンガス注入装置の制御方法を説明するフローチャート。 本発明による水処理制御システムの第6の実施の形態を示す構成図。 複数段からなるオゾン接触槽の第n接触槽(n=1、2、3)における蛍光強度(FL)および、第n接触槽出口における蛍光強度除去率(α第n槽)、第1接触槽内部(中間点)における蛍光強度除去率(α’第n槽)の変化を表す特性図である。 水処理制御装置によるオゾンガス注入装置の制御方法を説明するフローチャート。 従来の制御方法を適用したオゾンによる水処理制御システムを示す構成図。
符号の説明
1a〜1c、101 オゾン処理槽
2、102 オゾン接触槽
3、103 滞留槽
4、104 排オゾン処理装置
5、105 オゾンガス散気管
6、106 空気
7、107 オゾンガス
19、20、108 オゾンガス注入装置
19a、20a、108a オゾン発生器
19b、20b コンプレッサー
19c、19d、20c 流量調整バルブ
19e、19g、20d 流量計
19f、20e オゾン濃度計
9、109 気泡
10、27、110 溶存オゾン濃度計
11、16、17、18、111 採水口
12 被処理水
13 オゾン処理水
14、114 水処理制御装置
15、115 排気
21、22、23、24 蛍光分析計
25 水温計
26 pH計
DO3X 溶存オゾン濃度
DO3上限 溶存オゾン濃度の上限値
DO3処理後 オゾン処理水の溶存オゾン濃度
I オゾン注入率
第n槽 各接触槽へのオゾン注入率
FL 蛍光強度
FL被処理水 被処理水の蛍光強度
α 蛍光強度除去率
α処理後 オゾン処理水の蛍光強度除去率
α第n槽 各接触槽出口における処理水の蛍光強度除去率
α’第n槽 各接触槽中間点における処理水の蛍光強度除去率
α 目標 目標蛍光強度除去率
α第n槽目標 各接触槽における目標蛍光強度除去率
α上限 目標蛍光強度除去率の上限値
Δα第n槽 各接触槽における処理水の蛍光強度除去率の変化量
Δα第n槽 上限 各接触槽における処理水の蛍光強度除去率の変化量の上限値
Δα第n槽 下限 各接触槽における処理水の蛍光強度除去率の変化量の下限値
Δα’第n槽 各接触槽後半における処理水の蛍光強度除去率の変化量
Δα’第n槽 下限 各接触槽後半における処理水の蛍光強度除去率の変化量の下限値
θ第n槽 各接触槽別オゾン注入量補正係数
γ第n槽 各接触槽別目標蛍光強度除去率補正係数
δ範囲 蛍光強度除去率の時間変化の許容範囲
δα処理後 オゾン処理水の蛍光強度除去率の時間変化
δα第n槽 各接触槽出口における処理水の蛍光強度除去率の時間変化
in 空気導入量
第n槽 各接触槽別オゾンガス供給量
C オゾン濃度
第n槽 各接触槽別供給オゾン濃度
k オゾン注入係数

Claims (15)

  1. 被処理水を導入するオゾン処理槽と、
    オゾン処理槽にオゾンガスを注入してオゾン処理水を生成するオゾンガス注入装置と、
    被処理水の水質指標を測定する被処理水水質計と、
    オゾン処理水の水質指標を測定するオゾン処理水水質計と、
    被処理水水質計からの被処理水の水質指標と、オゾン処理水水質計からのオゾン処理水の水質指標との差を水質指標の変化量として求め、この水質指標の変化量を被処理水の水質指標またはオゾン処理水の水質指標で除した水質指標変化率に基づいてオゾンガス注入装置を制御してオゾンガス注入量を調整する水処理制御装置と、
    を備えたことを特徴とする水処理制御システム。
  2. 被処理水を導入するとともに多段に構成された複数のオゾン接触槽からなるオゾン処理槽と、
    オゾン処理槽にオゾンガスを注入してオゾン処理水を生成するオゾンガス注入装置と、
    被処理水の水質指標を測定する被処理水水質計と、
    オゾン処理水の水質指標を測定する少なくとも一対のオゾン処理水水質計と、
    被処理水水質計からの被処理水の水質指標と、一のオゾン処理水水質計からのオゾン処理水の水質指標との差を水質指標の変化量として求め、この水質指標の変化量を被処理水の水質指標または当該オゾン処理水水質計からのオゾン処理水の水質指標で除した水質指標変化率に基づいてオゾンガス注入装置を制御してオゾンガス注入量を調整する水処理制御装置と、
    を備えたことを特徴とする水処理制御システム。
  3. オゾン処理水水質計は、各オゾン接触槽の出口に設けられていることを特徴とする請求項2記載の水処理制御システム。
  4. オゾン処理水水質計は、更に一のオゾン接触槽内部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の水処理制御システム。
  5. オゾンガス注入装置は各オゾン接触槽にオゾンガスを注入するようになっており、水処理制御装置は各オゾン接触槽に関してオゾンガス注入量を調整することを特徴とする請求項2記載の水処理制御システム。
  6. 水処理制御装置は各オゾン接触槽毎に水質指標の変化率を求め、各オゾン接触槽毎の水質指標の変化率に基づいて各オゾン接触槽のオゾン注入量を調整するようオゾンガス注入装置を制御することを特徴とする請求項5記載の水処理制御システム。
  7. 水処理制御装置は各オゾン接触槽において、後段の接触槽より前段の接触槽のオゾン注入率が大きくなるように、オゾンガス注入装置からのオゾンガス注入量を調整することを特徴とする請求項6記載の水処理制御システム。
  8. 水処理制御装置は、各接触槽における各オゾン接触槽毎の水質指標変化率の変化量から、オゾンガス注入量の過不足を判断し、過剰と判断された場合のみ、前記オゾンガス注入量を減らし、それ以外では、オゾンガス注入量を増やすように、オゾンガス注入装置からのオゾンガス注入量を調整することを特徴とする請求項6または7のいずれか記載の水処理制御システム。
  9. 被処理水水質計およびオゾン処理水水質計は、水質指標として蛍光強度を測定することを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の水処理制御システム。
  10. 被処理水水質計およびオゾン処理水水質計は、340〜350nmの波長範囲内にある特定波長の励起光を使用して、420〜430nmの波長範囲内にある特定波長の蛍光強度を測定することを特徴とする請求項9記載の水処理制御システム。
  11. 被処理水水質計およびオゾン処理水水質計は、蛍光を発する特定物質の蛍光強度を基準とした相対蛍光強度を測定することを特徴とする請求項9または10のいずれか記載の水処理制御システム。
  12. 被処理水水質計およびオゾン処理水水質計は、水質指標として色度を測定することを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の水処理制御システム。
  13. オゾン処理槽に溶存オゾン濃度測定計が設置され、水処理制御装置は、溶存オゾン濃度測定計からの溶存オゾン濃度を考慮してオゾンガス注入装置を制御してオゾンガス注入量を調整することを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の水処理制御システム。
  14. オゾン処理水槽にpH計または温度計が設置され、水処理制御装置は、pH計からのpH値または温度計からの温度を考慮して、オゾンガス注入装置を制御してオゾンガス注入量を調整することを特徴とする請求項13記載の水処理制御システム。
  15. 水処理制御装置は、水質指標変化率として、蛍光強度除去率あるいは色度除去率を用い、オゾン処理槽からのオゾン処理水の蛍光強度除去率あるいは色度除去率が、60%〜90%、好ましくは70%〜80%になるように、オゾンガス注入装置を制御してオゾンガス注入量を調整することを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の水処理制御システム。
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