JP4334404B2 - 水処理方法及び水処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、浄水処理、下水処理、産業排水処理、食品排水処理など、被処理水へのオゾン注入に基づく水処理を行なう場合の水処理方法および水処理システムに関する。
浄水場における水処理では、地下水や河川表流水などを原水として着水井に導入し、この原水に対し、先ず、凝集沈殿池で凝集剤を注入してフロックを形成し、凝集沈澱処理を実施する。その後、上澄み水を砂ろ過池に導いて懸濁物を除去し、最後に消毒用の塩素剤を注入して消毒処理を実施して需要化に供給している。
ところが、近年、産業排水、生活排水などによる水の汚染が進んでおり、水源水質の汚染が社会問題となっている。具体的には、上流河川において、かび臭などの臭気物質、フミン質を中心とした有機化合物、農薬、ダイオキシン、環境ホルモンなどの難分解性の汚染物質が微量含まれていることが指摘されている。
なお、フミン質は、植物などが微生物により分解される種々雑多な有機化合物によって構成される高分子化合物の一種である。すなわち、樹木などのセルロースやリグニン酸が酸化される過程で生じる有機物で、河川着色の原因となるとともに、塩素消毒の副生成物である発ガン性のトリハロメタンの原因物質となる。
また、河川の下流側ではさらに汚染が進んでおり、これらの汚染物質の他に、アンモニアや有機塩素系の洗剤、更には合成洗剤、染料など種々の化学物質による汚染が広がっている。
上述したこれまでの浄水処理法では、こういった汚染物質の除去に対応できないだけでなく、トリハロメタンの前駆物質であるフミン質の増加により、塩素処理によるトリハロメタン生成量が増大する。また、アンモニアの増加によっても、塩素とアンモニアが反応にてクロラミンを生成し、必要以上に塩素を消費する。このため、塩素注入量の増大による結果としてトリハロメタンの生成量増大につながる。トリハロメタンは発ガン性が指摘されている物質であり、塩素注入前の水処理過程でフミン質などのトリハロメタン前駆物質を除去する必要がある。
そこで、従来の処理工程では除去できない種々の汚染物質を分解、除去可能な処理方法として、オゾン処理と粒状活性炭或いは生物活性炭処理とを組合せた高度浄水処理システムを組み込んだ浄水場が増えてきている。オゾン処理は、オゾン発生装置にて空気または酸素を原料として放電(無声放電)により酸素の一部をオゾン化させたオゾン化ガスを用い、このオゾン化ガスと被処理水とを接触させて、オゾンの強い酸化力で被処理水中の汚染物質を酸化分解する。
特に、オゾン処理と粒状活性炭または生物活性炭を組合せた高度浄水システムが広く普及しており、前段のオゾン処理により従来の浄水処理法では処理できない汚染物質の分解、除去を行う。特に、臭気物質、色度成分の分解、鉄、マンガンなどの酸化・不溶化、有機ハロゲン化合物を含む有機物が分解される。そして、後段が粒状活性炭の場合には吸着が行われ、生物活性炭の場合には、微生物によりさらに分解除去される。
高度浄水処理システムとしてオゾン処理システムを導入している浄水場では、被処理水にたいして除去目的物質の酸化分解反応を十分に行なうだけのオゾンガスの注入が必要である。しかし、過剰なオゾンガスの注入は、オゾンを発生させるための電力コストを増加させるだけでなく、オゾン処理水中の溶存オゾン濃度が増えることになる。
溶存オゾン濃度が高い場合、後段の生物活性炭の寿命を縮めるという問題を生じる。また、原水に臭素イオンが含まれている場合には、オゾン処理の副生成物として発ガン性が指摘されている臭素酸イオンが生成するなどの問題が生じる。
そこで、オゾン処理水中の溶存オゾン濃度と被処理物質の除去率との双方が、最適な値になるようにオゾン化ガスの注入量を制御する必要がある。オゾン化ガス注入量を制御する方法として、被処理水の導入量に対するオゾンの注入率を一定とするオゾン注入率一定制御、あるいはオゾン処理池出口での溶存オゾン濃度が一定の値になるように制御する溶存オゾン濃度一定制御、未反応オゾンとして排出されるオゾン濃度が一定の値になるように制御する排オゾン濃度一定制御などが知られている。
これら、いずれの制御方法においても一定制御する各設定値は、予め被処理水とオゾンとの反応特性を求める実験を行い、その実験結果と被処理水水質の天候による変動や季節変動などの過去のデータや他の浄水場のデータとに基づいて決められ、必要によりオペレーターが手動で変更する。なお、一般的には、過不足無くオゾンを注入するという観点から、溶存オゾン濃度一定制御が多く採用されている。この方法だと処理水中の溶存オゾン濃度が臭素酸イオンの生成量が増大しない濃度範囲になるように制御することができ、臭素酸イオンの生成を抑止しやすい(例えば、特許文献1参照)。
従来のオゾン処理システムを導入した高度浄水処理システムでは、原水に対して凝集沈殿処理を行い、その後にオゾン処理、粒状活性炭(生物)で溶解性成分の除去を行い、ろ過池で仕上げ処理を行う中オゾン処理方式がある。この他に、原水に対して凝集沈殿、砂ろ過を行い、除濁した後、後段のオゾン、粒状活性炭(生物)で溶解性成分の除去を行う後オゾン処理方式がある。
ここでは後オゾン処理方式の場合を説明する。原水は着水井に導入された後、凝集沈殿池の入口で凝集剤と必要によりpH調整剤が注入される。このため、凝集沈殿池で原水中の粘土質、細菌、藻類の懸濁物質は、あらかじめ凝集され、フロックとし分離される。その後、砂ろ過池で残った濁質を除去した後、オゾン処理池に導入される。オゾン処理池にてオゾン処理された処理水は活性炭処理池(粒状あるいは生物活性炭)に挿入され、ここで残留した処理対象物質が分解除去される。最後に浄水池の入口で消毒のための塩素剤が注入される。
通常、オゾン処理池は、その内部に、被処理水にオゾン化ガスを注入し接触・混合するオゾン接触槽が、複数段直列に配置構成されている。また、これらオゾン接触槽の後段には、オゾンと被処理水の反応時間を確保するための滞留槽が設置されている。さらに、オゾン接触槽から未反応のまま排出される排オゾン化ガスを分解、除去する排オゾン処理装置が設けられている。
各オゾン接触槽の下部にはそれぞれオゾン散気管が設置されており、オゾン発生器からオゾン化ガスが供給され、オゾン接触槽内に気泡として注入される。オゾン処理池の処理水出口には溶存オゾン濃度計が設置され、この溶存オゾン濃度計の出力は、オゾン注入制御装置に入力され、オゾン接触槽に注入されるオゾン化ガス注入量を制御する。
上記構成において、前段で懸濁物質が除去された原水は、オゾン処理池に被処理水として流入する。オゾン処理池内の各オゾン接触槽には、下部に設けられた散気管からオゾン化ガスが注入され、被処理水中に気泡となって注入される。このオゾン化ガスの気泡と被処理水との気液接触によりオゾンが被処理水に溶解し、溶質との酸化反応により、フミン質を中心としたトリハロメタン前駆物質である高分子有機化合物の低分子化、2−メチルイソボルネオール(2−MIB)、ジェオスミンなどの分解による脱臭などが達成される。
オゾンにより処理された処理水は、オゾン処理池出口に設置された溶存オゾン濃度計により溶存オゾン濃度が測定され、測定値はオゾン注入制御装置に入力される。オゾン注入制御装置では、予め設定された溶存オゾン濃度設定値と溶存オゾン濃度計の測定値の差に基づいて、オゾン発生器からオゾン接触槽へ供給されるオゾン化ガス注入量(オゾン化ガス中のオゾン濃度または注入流量、或いはその両方)、すなわち、被処理水に対するオゾン注入率を制御する。
オゾン化ガスのうちオゾン接触槽で未溶解のまま排出されるオゾン化ガスは、オゾン処理池の上部気相部より排出され、排オゾン処理装置により無害化した上で大気中へ放出される。この未反応のオゾンが多いと、発生させたオゾンのロスとなる。オゾン処理水中の溶存オゾン濃度も、発生させたオゾンのロスになる。従って、被処理水の処理対象物質の性状変化に合わせて、必要最小限のオゾンの注入により、無駄なオゾン発生を低減する必要がある。
しかし、実際には、被処理水中の処理対象物質の変化を確認しながらフィードバック制御するのは難しいため、常に少し多めのオゾンを注入するように、オゾン注入制御装置の溶存オゾン濃度設定値を決めている。
また、溶存オゾン濃度計に未溶解のオゾン化ガス気泡が入ると測定値が不安定になる。そこで、溶存オゾン濃度に代ってオゾン化ガス吸収量(注入オゾン量と排出されるオゾン量の差)を被処理水中の有機体炭素濃度(TOC)で除した数値が一定の範囲になるように制御する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この場合、被処理水中のTOCを測定する方法として、一般的にサンプルの全炭素濃度(TC)と無機物炭素濃度(IC)を測定し、TCからICを差し引くことによりTOC求める方法が用いられている。この方法では、1サンプルに対する測定時間が15分から30分程度かかってしまう。特許文献2では、オゾン処理池の被処理水流入部のTOCを測定しているが、この場合、上記測定時間により制御に時間差が生じリアルタイム制御が難しいという問題点がある。
一方、被処理水の水質を確認しながらフィードバック制御する方法として、オゾンにより酸化分解された処理水中の紫外線吸光度を測定してフィードバック制御する方法が提案されている(例えば、特許文献3、参照)。
この場合、一般的に有機物濃度の指標として用いられる紫外線は、260nm程度の波長が用いられる。しかし、オゾン処理水中に溶存オゾンが存在する場合、オゾンの紫外線吸収波長が、254nm程度であり、有機物濃度の測定波長と非常に近いため、溶存オゾンの影響を受けて、正確な測定ができず、結果的にオゾン注入量の正確な制御ができないという問題がある。
また、被処理水中に臭化物イオンが存在する場合、オゾンによる反応で臭素酸イオンが副生成物として生成される。この臭素酸イオンは、発ガン性があることが指摘されており、世界的に規制されている。すなわち、世界保健機構(WHO)によるガイドライン値25μg/L、米国環境保護省による規制値10μg/Lであり、わが国においても規制の動きがある。
生成した臭素酸イオンは、後段の活性炭処理(粒状あるいは生物)では除去困難であり、臭素酸イオンを低減するには、オゾン処理時での生成を抑制する必要がある。オゾン処理による臭素酸イオンの生成量は、被処理水中の臭化物イオン濃度と、溶存オゾン濃度、オゾン処理池における被処理水の滞留時間(反応時間)との積(CT値)に比例依存する。
実際の浄水プラントでは、滞留時間は、オゾン処理池のサイズが変わらないので、同プラントの処理水量に依存する。しかし、処理水量はオゾン処理のために適宜変化させるのは困難である。そこで、処理水中の溶存オゾン濃度を調整することにより臭素酸イオンの生成を抑制する方法が効果的である。
ここで、従来の溶存オゾン濃度一定制御によるオゾン水処理制御システムでは、臭素酸イオンの生成を抑制するためには、溶存オゾン濃度の設定値を低い値にしなければならない。しかし、設定値があまり低すぎると、溶存オゾン濃度計の測定下限に近づくか、それ以下になる。この場合、溶存オゾン濃度計の測定値のバラツキ、誤差が大きく、オゾン化ガス注入量を的確に制御できなくなる。
また、臭素酸イオンの生成を抑えるためには、溶存オゾン濃度の設定値を低くしてオゾン注入率を低くする必要があるが、オゾン注入率を低くすることは、本来のオゾンによる分解対象物である臭気物質、色度物質、トリハロメタン前駆物質などの分解能力を低下させることになり、必要以上にオゾン注入率を低くするわけにはいかない。こういった理由から、従来のシステムではオゾンガス注入量を制御するための各設定値を決めるのが困難であり、しかも、原水水質の変動に対して、リアルタイムに対応できない。
さらに、浄水場が高度浄水処理のオゾン処理を採用する目的の1つは、トリハロメタン前駆物質を分解することであるが、主なトリハロメタン前駆物質であるフミン質は、オゾンによる分解反応速度が速いものと遅いものがある。その割合は、原水の種類、季節、天候などによって違ってくる。分解反応速度が速いフミン質の分解は、低溶存オゾン濃度でも優先的に分解が進行するが、分解反応速度が遅いフミン質まで分解するように溶存オゾン濃度を上げる、すなわち、オゾンガス注入量(オゾン注入率)を増やしていては、後段の活性炭処理や塩素処理でも除去できない臭素酸イオン等の副生成物が増加してしまう。
また、分解反応速度が遅いフミン質を中途半端にオゾン分解すると、かえってトリハロメタン生成能が増加してしまう。すなわち、分解反応速度が遅いフミン質をオゾン分解することは、トリハロメタン生成能を低減するという観点からは、無駄なオゾンを注入していることになり、運転コストの上昇をもたらす。
特開2000−288661号公報 特開2000−288561号公報 特開平11−207368号公報
このように、オゾン処理と生物活性炭処理を組合せた水処理設備において、被処理水中の有機物の分解処理、トリハロメタン生成能の低減処理を効率良く行わせることができ、しかも、無駄なオゾンガス注入を減らし、かつ、後段の活性炭処理や塩素処理でも除去できない臭素酸イオン等の副生成物の生成を低く抑えるために必要最小限のオゾンを注入制御することが難しかった。
本発明の目的は、被処理水中の有機物の分解処理、トリハロメタン生成能の低減処理を最も効率良く行わせることができ、設備の運転コストを増加させる無駄なオゾンガス注入を減らし、かつ、後段の活性炭処理や塩素処理でも除去できない臭素酸イオン等の副生成物の生成を低く抑えることができる水処理方法及び水処理システムを提供することにある。
本発明による水処理方法は、原水から、少なくとも凝集沈殿池を含む施設により懸濁物質を除去した後、オゾン処理池にてオゾン処理を行う水処理方法であって、前記原水の一部を、ろ過フィルターによる懸濁物質除去後に有機体炭素濃度計に導入して、原水の溶存性有機体炭素濃度を測定し、前記オゾン処理池について予め求められている溶存性有機体炭素濃度とオゾン吸収との関係から、前記測定された原水の溶存性有機体濃度に対応するオゾン吸収に基づき、前記オゾン処理池へのオゾン注入量を決定することを特徴とする。
また、本発明方法では、原水の溶存性有機体炭素濃度とオゾン処理池の入り口部分における原水の蛍光強度との比を求め、この比の値に基づいてオゾン処理池へのオゾン注入量を制御する。
また、本発明方法では、オゾン処理池の入り口部分における原水の蛍光強度と同オゾン処理池の出口部分における処理水の蛍光強度とをそれぞれ測定して、前記原水の蛍光強度に対する前記処理水の蛍光強度の割合を求め、オゾン吸収量の変化に対する前記割合の減少特性に基づきオゾン注入に対する反応の境目となる割合を予め求めておき、前記境目となる割合を、前記蛍光強度の測定によって得られる割合に対する目標値として、オゾン処理池へのオゾン注入量を制御してもよい。
また、本発明方法では、オゾン処理池は、順次連通するように区切られ、かつ個別にオゾンが供給される複数段のオゾン接触槽を有し、これら各オゾン接触槽の入り口と出口との蛍光強度の差により各オゾン接触槽における蛍光強度減少率をそれぞれ求め、これら蛍光強度減少率に応じて、各オゾン接触槽毎のオゾン注入率をそれぞれ求め、この求められた注入率を目標値として各オゾン接触槽へのオゾン注入量を制御するようにしてもよい。
さらに、本発明方法では、オゾン処理池出口における処理水の溶存オゾン濃度を測定し、この溶存オゾン濃度が設定値以上とならないようにオゾン処理池へのオゾン注入量を制限する。
本発明による水処理システムは、原水から、少なくとも凝集沈殿池を含む施設により懸濁物質を除去した後、オゾン処理池にてオゾン処理を行う水処理システムであって、原水の一部を懸濁物質除去用のフィルターを介して導入し、原水の溶存性有機体炭素濃度を測定する有機体炭素濃度計と、前記オゾン処理池について予め求められている溶存性有機体炭素濃度とオゾン吸収との関係から、前記測定された原水の溶存性有機体濃度に対応するオゾン吸収に基づき、前記オゾン処理池へのオゾン注入量を決定するオゾン注入制御装置とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の水処理システムでは、オゾン処理池の入り口部分に、原水の蛍光強度を測定する蛍光分析計を設け、オゾン注入制御装置は、原水の溶存性有機体炭素濃度とオゾン処理池の入り口部分における原水の蛍光強度との比を求め、この比の値に基づいてオゾン処理池へのオゾン注入量を制御する機能を有する。
また、本発明の水処理システムでは、オゾン処理池の入り口部分における原水の蛍光強度を測定する蛍光分析計及び同オゾン処理池の出口部分における処理水の蛍光強度をする蛍光分析計を設け、オゾン注入制御装置は、前記各蛍光分析計で測定された原水の蛍光強度と処理水蛍光強度とから、原水の蛍光強度に対する処理水の蛍光強度の割合を求める機能と、予め求められた、オゾン吸収量の変化に対する前記割合の減少特性に基づきオゾン注入に対する反応の境目となる割合を用い、この境目となる割合を、前記蛍光強度の測定によって得られる割合に対する目標値として、オゾン処理池へのオゾン注入量を制御する機能とを有する。
また、本発明の水処理システムでは、オゾン処理池は、順次連通するように区切られ、かつ個別にオゾンが供給される複数段のオゾン接触槽を有し、これら各オゾン接触槽の入り口と出口とに蛍光分析計を設け、オゾン注入制御装置は、前記各オゾン接触槽の入り口と出口との蛍光強度の差により各オゾン接触槽における蛍光強度減少率をそれぞれ求める機能と、これら蛍光強度減少率に応じて、前記各オゾン接触槽毎のオゾン注入率をそれぞれ求め、この求められた注入率を目標値として各オゾン接触槽へのオゾン注入量を制御する機能とを有する構成でもよい。
さらに、本発明の水処理システムでは、オゾン処理池の出口に、処理水の溶存オゾン濃度を測定する溶存オゾン濃度計を設け、オゾン注入制御装置は、この溶存オゾン濃度が設定値以上とならないようにオゾン処理池へのオゾン注入量を制限する機能を有する構成でもよい。
本発明によれば、原水の溶存性有機体炭素濃度を測定し、予め求められている溶存性有機体炭素濃度とオゾン吸収濃度との関係から、測定された原水の溶存性有機体濃度に対応するオゾン吸収率に基づき、前記オゾン処理液へのオゾン注入量を決定するので、原水の水質に適合し、被処理水中の有機物の分解処理、トリハロメタン生成能の低減処理を最も効率良く行わせることができる最低限のオゾン注入率を得ることができる。
また、原水の溶存性有機体炭素濃度とオゾン処理池の入り口部分における原水の蛍光強度との比に基づいてオゾン処理池へのオゾン注入量を制御する場合は、原水水質の突発的な変化に対して速やかにオゾン注入量を制御できる。
また、原水の蛍光強度に対する前記処理水の蛍光強度の割合を求め、オゾン注入に対する反応の境目となる割合を予め求めておき、境目となる割合を目標値として、オゾン注入量を制御すれば、反応速度の速い物質を確実に分解し、反応速度の遅い物質に対する無駄なオゾンガスの注入を防止できる。
また、オゾン処理池内の複数段のオゾン接触槽に対し、これら各オゾン接触槽における蛍光強度減少率をそれぞれ求め、これら蛍光強度減少率に応じてオゾン注入率を決めるようにすれば、各オゾン接触槽に最適なオゾン注入量制御を行うことができる。
さらに、オゾン処理池の出口に溶存オゾン濃度計を設け、処理水の溶存酸素濃度が設定値以上とならないようにオゾン注入量を制限することにより、過剰なオゾン化ガスの注入を確実に防止することができる。
以下、本発明による水処理方法および水処理システムの一実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、オゾン処理システムを導入した高度浄水処理システムの処理フローを示すブロック図である。図1において、1は着水井で、図示しない河川などの水源から原水が導入される。2は凝集沈殿池で、着水井1から原水が導入されるが、その入口部分にて薬剤注入装置7により凝集剤と必要によりpH調整剤が注入される。凝集沈殿池2では、原水中の粘土質、細菌、藻類などの懸濁物質を予め凝集し、フロックとして分離し、後続する砂ろ過池3で残った濁質を除去する。すなわち、凝集沈殿池2と砂ろ過池3とで原水中の懸濁物質を除去している。
4はオゾン処理池で、砂ろ過池3の後段に接続され、懸濁物質を除去された原水が被処理水として導入され、オゾン発生器12から注入されるオゾン化ガスによりオゾン処理を行う。5は活性炭処理池(粒状あるいは生物活性炭)で、オゾン処理池4の後段に接続され、オゾン処理された処理水に残留した処理対象物質を吸着及び分解除去する。この活性炭処理池5の出口側には浄水池6が設けられ、その入口で消毒のために塩素剤8が注入される。
10は有機体炭素濃度計で、着水井1に取り付けられた水質検査用サンプルの取水管および懸濁物質除去用のろ過フィルター9を介して着水井1に通じており、着水井1から原水の一部をサンプル水として採水し、その有機体炭素濃度を測定する。13は溶存オゾン濃度計で、オゾン処理池4の出口に取り付けられた水質検査用サンプル取水管を介してオゾン処理水を採水し、その溶存オゾン濃度を測定する。11はオゾン注入制御装置で、上記有機体炭素濃度計10および溶存オゾン濃度計13の各測定値が入力され、夫々の測定値に基づいて最適なオゾン注入量になるようにオゾン発生器12を制御する。
上記構成において、原水は、凝集沈殿池2、砂ろ過池3によって、原水中の懸濁物質が除去され、オゾン処理池4に流入する。このためオゾン処理池4でのオゾン処理対象物質である有機物質は、溶存性の有機物質のみとなる。この溶存性有機物質濃度の指標としては、溶存性有機体炭素濃度(DOC)がある。
図2は、溶存性有機体炭素濃度(DOC)とオゾン処理池で吸収されるオゾン吸収量の関係を表す特性図であり、この関係を利用すれば必要最小限のオゾン注入量を推定することができる。ここで、オゾン吸収量は(1)式で定義される。
オゾン吸収量=注入オゾン化ガス濃度−(溶存オゾン濃度+排オゾンガス濃度)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
ここで、有機体炭素濃度の測定は、前述のようにサンプルの全炭素濃度と無機体炭素濃度を測定し、全炭素濃度から無機体炭素濃度を差し引くことにより求める必要があるため、1サンプルに対する測定時間が15分から30分程度要する。この実施の形態では、着水井1から採水した原水を、ろ過フィルター9を通して有機体炭素濃度計10に供給しているため、有機体炭素濃度計10では、原水中の懸濁物質がろ過された溶存性の有機体炭素濃度(DOC)のみを計測することになる。オゾン処理池4に流入する被処理水は、前述のように凝集沈殿池2及び砂ろ過池3を通過するため、この時間差を利用することにより、被処理水がオゾン処理池4に流入する以前に、そのDOCを測定することができる。
オゾン注入制御装置11は、オゾン処理池4への流入前に測定されたDOCの値により、オゾン処理池4に流入する被処理水が必要とするオゾン注入量を図2の関係から求め、被処理水に最適なオゾン注入量を得るべくオゾン発生器12を制御する。
また、オゾン処理池4の出口には溶存オゾン濃度計13が接続されており、この測定値出力がオゾン注入制御装置11に入力されている。オゾン注入制御装置11では、オゾン処理水の溶存オゾン濃度上限値が設定されており、溶存オゾン濃度計13の測定値が設定値を超えた場合には、オゾン注入量を減少させるようにオゾン発生器12を制御する。
本実施の形態によれば、被処理水がオゾン処理池に流入する前に、溶存性有機体炭素濃度(DOC)を測定することができるため、時間遅れ無くオゾン注入量を適切に制御することができる。その結果、原水の水質に適合した量のオゾンを注入でき、被処理水中の有機物の分解処理、トリハロメタン生成能の低減処理を最も効率良く行わせることができる。また、無駄なオゾン化ガス注入を防止でき、過剰なオゾン化ガス注入により処理水中に残留する溶存オゾン濃度が高くなることはない。このため、オゾンと被処理水の反応により生じる臭素酸イオン等の、毒性が高く後段の活性炭処理池で処理できない副生成物の生成を抑止できる。さらに、被処理水水質の季節変化、天候による変動、想定外の理由による突発的な変動に対してもリアルタイムにオゾン処理池へのオゾン化ガス注入量を最適化できる。
また、上記の構成では、溶存性有機体炭素濃度計10による測定値だけでなく、オゾン処理池4から流出するオゾン処理水の溶存オゾン濃度を測定し、その測定値が設定値を超えないように、オゾン処理池4へのオゾン化ガス注入量を制御するようになっている。その結果、万一、溶存性有機体炭素濃度測定値に基づいて推定されるオゾン化ガス注入量と、オゾン処理池4におけるオゾンと被処理水の反応特性が異なっても、オゾン化ガスのオゾン処理池4への過剰注入を防止できる。すなわち、過剰にオゾン化ガスが注入され、オゾン処理水中に残留する溶存オゾン濃度が高くなり、オゾンと被処理水との反応により生じる毒性の高い副生成物の生成を抑止できる。
次に、図3で示す実施の形態を説明する。図3において着水井1から浄水池6までの処理フロー及びオゾン注入制御装置11に対して有機体炭素濃度計10、オゾン処理池4の出口の溶存オゾン濃度計13を設けることは、基本的に図1と同じである。
図3では、上記構成に加え、オゾン処理池4の入口と出口とに、夫々水質検査用サンプル水取水管を介して蛍光分析計14,15が取り付けられており、オゾン処理池4の入り口と出口とから採水したサンプル水の蛍光強度を測定している。この蛍光分析計14,15の出力は、有機体炭素濃度計10および溶存オゾン濃度計13の測定値と共に、オゾン注入制御装置11に入力され、夫々の測定値に基づいて最適なオゾン注入量になるようにオゾン発生器12を制御する。
次に、この実施の形態の作用を図4、図5を参照しながら説明する。図4は、オゾン処理池4の入口側の蛍光分析計14により、励起波長345nmの条件で、サンプル水から発せられる蛍光のうち、425nmの蛍光波長を選択して計測した蛍光強度と、溶存性有機体炭素濃度(DOC)との関係を示す図である。図から解るとおり、被処理水の蛍光強度とDOCは良好な相関関係が成り立つ。
ここで、前記のように、溶存性有機物質には、オゾンによる分解反応速度が速いものと遅いものがある。その割合は、原水の種類、季節、天候などによって違ってくる。分解反応速度が速い有機物質の分解は、低溶存オゾン濃度でも優先的に分解が進行する。しかし、分解反応速度が遅い有機物質まで分解するように溶存オゾン濃度を上げる、すなわち、オゾンガス注入量を増やすと、後段の活性炭処理や塩素処理でも除去できない臭素酸イオン等の副生成物が増加してしまう。このため、オゾン処理池4では、主に分解速度の速い物質を処理し、残留した処理対象物質は後段に設けられた活性炭処理池5により除去することとする。このようにしても、被処理水中の溶存性有機物質は十分に除去することができる。
すなわち、オゾンと被処理水の反応状況を監視する手段があれば、無駄なオゾン注入を防止することができる。この実施の形態では、オゾンと被処理水の反応状況を監視する手段として蛍光強度を用いる。
図5は、処理水蛍光強度の原水(被処理水)強度に対する割合とオゾン処理池4で吸収されるオゾン吸収量の関係を表す図である。図より解るように、オゾン吸収量がゼロから増加するに従って、最初は反応速度が速い物質の分解が優先的に行なわれ、蛍光強度減少率の変化が大きい。やがて反応速度の速い物質が減少し、反応速度の遅い物質の分解だけになると、蛍光強度減少率の変化が小さくなる。そこで、反応速度の速い物質の反応と、遅い物質の反応の境目を実験的に求め、この境目を処理目標値として、オゾン注入量をフィードバック制御することができる。
すなわち、オゾン注入制御装置11は、オゾン処理池4の入り口部分及び出口部分で測定された蛍光強度から、原水(被処理水)の蛍光強度に対する処理水の蛍光強度の割合を求め、オゾン吸収量の変化に対する前記割合の減少特性に基づきオゾン注入に対する反応の境目となる割合を予め求めておき、この境目となる割合を、前記蛍光強度の測定によって得られる割合に対する目標値として、オゾン処理池へのオゾン注入量を制御している。この結果、オゾン処理に対する反応速度の速い物質に対しては的確に分解処理するが、反応速度の遅い物質までを分解しようとするためのオゾン注入量の増加を防止できる。
また、オゾン処理池4の出口に設けられた溶存オゾン濃度計13の測定値により、オゾン注入制御装置11は、オゾン処理水の溶存オゾン濃度が上限値を超えた場合には、オゾン注入量を減少させるようにオゾン発生器12を制御するので、このことからもオゾンの過剰注入を防止できる。
本実施の形態によれば、被処理水がオゾン処理池4に流入する前に、溶存性有機体炭素濃度(DOC)を測定することができるため、時間遅れ無くオゾン注入量を制御することができる。さらに、被処理水の蛍光強度とオゾン処理後の蛍光強度を測定することにより、反応速度の速い物質の分解進捗度を蛍光強度減少率により監視し、蛍光強度減少率を制御目標値としてオゾン注入量のフィードバック制御を行なうことができる。その結果、無駄なオゾン化ガス注入を防止するだけでなく、過剰なオゾン化ガス注入によるオゾンと被処理水の反応により生じる臭素酸イオン等の、毒性が高く後段の活性炭処理池で処理できない副生成物の生成を抑止できる。さらに、被処理水水質の季節変化、天候による変動、想定外の理由による突発的な変動に対してもリアルタイムにオゾン処理池へのオゾン化ガス注入量を最適化できる。
また、上記の構成では、溶存性有機体炭素濃度計による測定値だけでなく、オゾン処理池4から流出するオゾン処理水の溶存オゾン濃度を測定し、その測定値が設定値を超えないように、オゾン処理池へのオゾン化ガス注入量を制御するようになっている。その結果、万一、溶存性有機体炭素濃度測定値に基づいて推定されるオゾン化ガス注入量と、オゾン処理池におけるオゾンと被処理水の反応特性とが異なっても、過剰にオゾン化ガスをオゾン処理池に注入することを防止する。すなわち、過剰なオゾン化ガス注入による毒性の高い副生成物の生成を抑止できる。
次に、図6で示す実施の形態を説明する。この実施の形態は、オゾン処理池4内の構成に付いて着目したものである。において、オゾン処理池4は、被処理水にオゾン化ガスを注入し接触・混合する複数段のオゾン接触槽16、オゾンと被処理水の反応時間を確保するための滞留槽17、オゾン接触槽16から未反応のまま排出される排オゾン化ガスを分解、除去する排オゾン処理装置19から構成されている。
各オゾン接触槽16の下部にはそれぞれオゾン散気管18が設置されており、オゾン発生器12からのオゾン化ガスが流量調整弁20を介して供給され、対応するオゾン接触槽16内で気泡として注入される。オゾン処理池4の被処理水入口と、3槽ある各オゾン接触槽16の下部処理水出口部およびオゾン処理池4の出口部には、夫々水質検査用サンプル水取水管が取り付けられており、ここから採水したサンプル水は、蛍光分析計14、15、21へ導かれている。
なお、オゾン処理池4出口部から採水したサンプル水は溶存オゾン濃度計13へも導かれている。また、前述した各実施の形態と同様に、着水井1から採水したサンプル水が、ろ過フィルター9を介して有機体炭素濃度計10へ導かれている。
これら有機体炭素濃度計10、蛍光分析計14、15、21および溶存オゾン濃度計13の測定値出力は、オゾン注入制御装置11に入力され、夫々の測定値に対基づいて最適なオゾン注入量になるようにオゾン発生器12および流量調整弁20を制御するように構成されている。
次に、本実施の形態の作用について図7を参照して説明する。図7は、各段のオゾン接触槽16の出口部から採水したサンプル水の蛍光強度減少率の変化を表す図である。なお、各オゾン接触槽16に対するオゾン注入量はほぼ等しいものとする。図において、第1段目の蛍光強度減少率をΔFL1、第2段目の蛍光強度減少率をΔFL2、および第3段目の蛍光強度減少率をΔFL3でとすると、ΔFL1、ΔFL2、ΔFL3は、(2)式、(3)式、(4)式で夫々求めることができる。
Figure 0004334404
ここで、FL0は被処理水の蛍光強度、FL1は第1段目出口部の蛍光強度、FL2は第2段目出口部の蛍光強度、FL3は第3段目出口部の蛍光強度である。
図から解るように、オゾン処理が進むに従って、最初は反応速度が速い物質の分解が優先的に行なわれ、蛍光強度減少率の変化が大きいが、やがて反応速度の早い物質が減少し、反応速度の遅い物質の分解だけになると、蛍光強度減少率の変化が小さくなる。そこで、各段のオゾン処理槽毎に蛍光強度の減少率を監視し、予め各段毎の最も効率よくオゾン処理できるオゾン注入率を実験的に求め、各段毎に処理目標値を設定し、オゾン注入量が変化するように、オゾン発生器12での発生オゾン化ガス濃度およびガス流量調整弁20の開度をフィードバック制御することができる。
また、本実施の形態では、着水井1からろ過フィルター9を通して採水した原水の溶存性有機体炭素濃度(DOC)を、有機体炭素濃度計10で測定し、オゾン処理池4に対するオゾン注入量を決定すると共に、オゾン処理槽4入口部に接続された蛍光強度計14により被処理水蛍光強度(FL0)を測定している。オゾン注入制御装置11は、前記溶存性有機体炭素濃度(DOC)と被処理水蛍光強度(FL0)とを入力し、その比(FL0/DOC)の変化を監視することにより、原水水質が突発的に変化した場合でも、速やかにオゾン注入量を制御することができる。
すなわち、オゾン注入制御装置11は、原水の溶存性有機体炭素濃度(DOC)とオゾン処理池4の入り口部分における原水の蛍光強度(FL0)との比(FL0/DOC)を求め、この比の値に基づいてオゾン処理池4へのオゾン注入量を制御する機能を有している。このため、原水水質が突発的に変化した場合でも、速やかにオゾン注入量を制御することができる。
さらに、この場合も、オゾン処理池4の出口には溶存オゾン濃度計13が接続されており、この測定値出力がオゾン注入制御装置11に入力されているので、オゾン処理水の溶存オゾン濃度が上限値を超えた場合には、オゾン注入量を減少させるようにオゾン発生器12を制御するので、過剰なオゾン注入をこのことからも防止できる。
本実施の形態によれば、各段のオゾン処理槽16毎に蛍光強度の減少率を監視し、あらかじめ、設定された各段毎の処理目標値になるようにオゾン注入量をフィードバック制御することができる。また、原水中の溶存性有機体炭素濃度(DOC)を計測し、この溶存性有機体炭素濃度と、オゾン処理槽4入口部の被処理水蛍光強度の比(FL0/DOC)の変化を監視することにより、原水水質が突発的に変化した場合でも、速やかにオゾン注入量を制御することができる。さらに、オゾン処理池4の出口に設けた溶存オゾン濃度計13の測定値出力により、処理水中の溶存オゾン濃度が上限値を超えないように制御でき、無駄なオゾン化ガス注入を防止するだけでなく、過剰なオゾン化ガスによる臭素酸イオン等の副生成物が生成するのを抑止できる。
本発明による水処理システムの一実施の形態を説明するブロック図である。 同上一実施の形態におけるDOCとオゾン吸収濃度との関係を説明する特性図である。 本発明による水処理システムの他の実施の形態を説明するブロック図である。 同上他の実施の形態における蛍光強度とDOCとの関係を説明する特性図である。 同上他の実施の形態におけるオゾン吸収量と原水蛍光強度に対する処理水蛍光強度の割合との関係を説明する特性図である。 本発明による水処理システムのさらに他の実施の形態を説明するブロック図である。 同上更に他の実施の形態における各段オゾン接触槽での蛍光強度減少率を説明する特性図である。
符号の説明
4 オゾン処理池
5 活性炭処理池
9 懸濁物質除去用のフィルタ
10 有機体炭素濃度計
11 オゾン注入制御装置
12 オゾン発生器
13 溶存オゾン濃度計
14,15,21 蛍光分析計
16 オゾン接触槽
20 オゾン化ガス流量調節弁

Claims (10)

  1. 原水から、少なくとも凝集沈殿池を含む施設により懸濁物質を除去した後、オゾン処理池にてオゾン処理を行う水処理方法であって、
    前記原水の一部を、ろ過フィルターによる懸濁物質除去後に有機体炭素濃度計に導入して、原水の溶存性有機体炭素濃度を測定し、
    前記オゾン処理池について予め求められている溶存性有機体炭素濃度とオゾン吸収との関係から、前記測定された原水の溶存性有機体濃度に対応するオゾン吸収に基づき、前記オゾン処理池へのオゾン注入量を決定する
    ことを特徴とする水処理方法。
  2. 原水の溶存性有機体炭素濃度とオゾン処理池の入り口部分における原水の蛍光強度との比を求め、この比の値に基づいてオゾン処理池へのオゾン注入量を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
  3. オゾン処理池の入り口部分における原水の蛍光強度と同オゾン処理池の出口部分における処理水の蛍光強度とをそれぞれ測定して、前記原水の蛍光強度に対する前記処理水の蛍光強度の割合を求め、
    オゾン吸収量の変化に対する前記割合の減少特性に基づきオゾン注入に対する反応の境目となる割合を予め求めておき、
    前記境目となる割合を、前記蛍光強度の測定によって得られる割合に対する目標値として、オゾン処理池へのオゾン注入量を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
  4. オゾン処理池は、順次連通するように区切られ、かつ個別にオゾンが供給される複数段のオゾン接触槽を有し、これら各オゾン接触槽の入り口と出口の蛍光強度の差により各オゾン接触槽における蛍光強度減少率をそれぞれ求め、
    これら蛍光強度減少率に応じて、各オゾン接触槽毎のオゾン注入率をそれぞれ求め、この求められた注入率を目標値として各オゾン接触槽へのオゾン注入量を制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載の水処理方法。
  5. オゾン処理池出口における処理水の溶存オゾン濃度を測定し、この溶存オゾン濃度が設定値以上とならないようにオゾン処理池へのオゾン注入量を制限する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の水処理方法。
  6. 原水から、少なくとも凝集沈殿池を含む施設により懸濁物質を除去した後、オゾン処理池にてオゾン処理を行う水処理システムであって、
    前記原水の一部を懸濁物質除去用のフィルターを介して導入し、原水の溶存性有機体炭素濃度を測定する有機体炭素濃度計と、
    前記オゾン処理池について予め求められている溶存性有機体炭素濃度とオゾン吸収との関係から、前記測定された原水の溶存性有機体濃度に対応するオゾン吸収に基づき、前記オゾン処理池へのオゾン注入量を決定するオゾン注入制御装置と、
    を備えたことを特徴とする水処理システム。
  7. オゾン処理池の入り口部分に、原水の蛍光強度を測定する蛍光分析計を設け、
    オゾン注入制御装置は、原水の溶存性有機体炭素濃度とオゾン処理池の入り口部分における原水の蛍光強度との比を求め、この比の値に基づいてオゾン処理池へのオゾン注入量を制御する機能を有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の水処理システム。
  8. オゾン処理池の入り口部分における原水の蛍光強度を測定する蛍光分析計及び同オゾン処理池の出口部分における処理水の蛍光強度を測定する蛍光分析計を設け、
    オゾン注入制御装置は、
    前記各蛍光分析計で測定された原水の蛍光強度と処理水蛍光強度とから、原水の蛍光強度に対する処理水の蛍光強度の割合を求める機能と、
    予め求められた、オゾン吸収量の変化に対する前記割合の減少特性に基づきオゾン注入に対する反応の境目となる割合を用い、この境目となる割合を、前記蛍光強度の測定によって得られる割合に対する目標値として、オゾン処理池へのオゾン注入量を制御する機能とを有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の水処理システム。
  9. オゾン処理池は、順次連通するように区切られ、かつ個別にオゾンが供給される複数段のオゾン接触槽を有し、これら各オゾン接触槽の入り口と出口に蛍光分析計を設け、
    オゾン注入制御装置は、
    前記各オゾン接触槽の入り口と出口との蛍光強度の差により各オゾン接触槽における蛍光強度減少率をそれぞれ求める機能と、
    これら蛍光強度減少率に応じて、前記各オゾン接触槽毎のオゾン注入率をそれぞれ求め、この求められた注入率を目標値として各オゾン接触槽へのオゾン注入量を制御する機能とを有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の水処理システム。
  10. オゾン処理池の出口に、処理水の溶存オゾン濃度を測定する溶存オゾン濃度計を設け、
    オゾン注入制御装置は、この溶存オゾン濃度が設定値以上とならないようにオゾン処理池へのオゾン注入量を制限する機能を有する
    ことを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の水処理システム。
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