JP2000288561A - オゾンによる水処理方法及び装置 - Google Patents

オゾンによる水処理方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】オゾン水処理設備で、消毒副生成物の一つであ
る臭素酸は、生物活性炭でも除去できず塩素とも反応し
ないため、後段での抑止が不可能で、その生成を押える
必要がある。本発明の目的は、この臭素酸生成を抑制し
ながらトリハロメタン生成能を十分に低減するオゾン注
入制御方法を提供することにある。 【解決手段】オゾンとトリハロメタン前駆物質との反応
は、臭素酸生成反応よりも低溶存オゾン濃度でも優先的
に進行するので、オゾン接触槽内の溶存オゾン濃度ある
いは接触槽内のオゾン吸収量を監視して、オゾン注入量
を制御することにより達成できる。オゾン水処理装置で
は、接触槽の内部、及び出口に複数個の溶存オゾン濃度
度測定装置を設置するか、または注入および排出オゾン
ガスの濃度及び流量測定装置を設置して、監視すること
により制御可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、オゾンのもつ強
力な酸化作用を利用して水中の殺菌、脱臭、有機物など
の酸化を行うオゾンによる水処理方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾンがフッ素に次いで強力な酸
化力を有するという特長を利用して、オゾンガスを水中
に散気することにより殺菌、脱色、脱臭、有機物もしく
は無機物の酸化除去等を行う水処理が広く行われてい
る。特に、都市近郊の水道では、取水源に起因する異臭
味の被害が広がっており、先に述べたオゾンの持つ強力
な酸化力はこの異臭味除去に大きな効果を発揮すること
から、オゾン及び活性炭を用いた高度処理の導入が進め
られている。
【0003】このようなオゾンとオゾンによって処理さ
れる水(以下、被処理水と記載する。)とを反応させる
オゾン処理装置は、電気エネルギーからオゾンを発生さ
せるオゾン発生装置、被処理水を供給する送水ポンプ、
被処理水にオゾンガスを注入し接触・混合するオゾン接
触槽、オゾンと被処理水の反応時間を確保するための滞
留槽、及び接触槽から未反応のまま排出される排オゾン
を分解する排オゾン処理設備から構成されている。
【0004】オゾンと被処理水との接触方式としては、
接触槽下部からオゾンを気泡として吹出させる気泡塔方
式がよく用いられており、最近ではこの方式のほとんど
が、気泡塔内で被処理水を頂部から供給してオゾンガス
と対向させる向流接触方式になっており、大規模な浄水
場等では、向流接触池を複数直列に接続した横流式向流
多段接触池が採用されている。
【0005】オゾン処理装置の効率を表わす指標として
は、一般的にオゾン吸収率、及び除去効率が用いられて
おり、これらの指標が高いほど、オゾン処理装置は経済
的で、その上、処理性能が高いということになる。ここ
でオゾン吸収率は、注入したオゾンガスのうち、反応槽
内で被処理水に溶解、あるいは分解・消費されたオゾン
の割合であり、(1)式で表される。
【0006】
【数1】 また、除去効率は、反応槽内で分解除去される被処理水
中の水質汚濁物質の割合であって、(2)式で表され
る。
【0007】
【数2】 この水質汚濁物質の代表的なものとしては、臭気物質、
トリハロメタン前駆物質などが挙げられる。
【0008】これらオゾン処理装置においては、被処理
水に対して除去目的の酸化分解反応を十分に行うだけの
オゾン注入が必要であるが、同時に、過剰なオゾン注入
は上記のオゾン吸収率の低下を招くことから、これらオ
ゾン吸収率と除去効率の双方の値が常に高く保てるよう
にオゾンの注入制御を行う必要がある。
【0009】オゾン水処理設備のオゾン注入制御方法と
しては、大別して、(1)オゾン注入率一定制御、
(2)処理水溶存オゾン(残留オゾン)一定制御、
(3)排オゾン濃度一定制御、の3通りの方法がある。
【0010】これらの制御方法のうち、(1)オゾン注
入率一定制御は、被処理水水質が比較的一定であれば、
最も安価で、有効な制御方法である。また、(3)排オ
ゾン濃度一定制御は、オゾンの利用効率、排オゾン処理
装置の負荷低減の観点から有効である。しかし、特に国
内都市近郊の河川を取水源とする浄水場などでは、年間
を通じて水質の変動が大きいために、過不足無くオゾン
を注入するという観点から、(2)処理水溶存オゾン
(残留オゾン)一定制御が、一般に使用されている。
【0011】ここで、従来の(2)の溶存オゾン濃度一
定制御を用いたシステムフローの例として、図6に一般
的な大規模浄水場向けの横流式向流3段オゾン接触池を
示す。この図によって、全体フローの流れ及び制御の流
れを以下に説明する。
【0012】被処理水は、自然流下あるいはポンプ送水
により導入口1よりオゾン接触槽2内に導入され、オゾ
ン発生装置3より発生させたオゾンガスは、オゾン散気
装置4を経てオゾン接触槽2内に導入される。被処理水
とオゾンガスはオゾン接触槽2内で接触・混合すること
で反応が進行する。この場合は、3つのオゾン接触槽2
を使い、オゾン接触・混合を3段階で行っている。オゾ
ン接触槽2を経た後に、被処理水は、滞留槽5内で一定
時間滞留の後、排出口6より系外に排出され、被処理水
と未反応のオゾンガスは、排オゾン処理装置7を経て系
外に排出される。
【0013】従来の(2)の制御では、この図に示すと
おり、処理水中の溶存オゾン濃度を監視するために、滞
留槽5の出口に溶存オゾン濃度測定装置8を設置してい
る。そして制御装置9により、溶存オゾン濃度測定装置
8の信号を演算処理し、オゾン発生装置3のオゾン発生
量を制御している。
【0014】この時のオゾン接触池内の溶存オゾン濃度
分布の代表例を図7に示す。ここでは、3個のオゾン接
触槽2の滞留時間はそれぞれ4分、滞留槽5滞留時間は
6分なので、全滞留時間は18分になる。この図より、
溶存オゾン濃度は、第3槽目オゾン接触槽2で最大値を
示し、また滞留槽5内では、溶解したオゾンが有機物等
との反応で消費されるため、なだらかに低下しているこ
とがわかる。従って、滞留槽5の出口における溶存オゾ
ン濃度をある一定値に維持しておけば、オゾン接触槽2
及び滞留槽5内はそれよりも常に高い溶存オゾン濃度で
維持されることになる。ちなみに、浄水処理における具
体的な溶存オゾン濃度の設定値としては、0.1〜0.
2mg/L程度が一般的である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】現在、浄水処理の分野
における問題は、消毒のために使用する塩素やオゾンな
どの酸化剤と、有機物の反応によるトリハロメタン、ア
ルデヒド類や臭素酸などの消毒副生成物である。
【0016】その中で、有機塩素系化合物であるトリハ
ロメタンなどは、その発ガン性が指摘され、水道水中の
水質基準値も厳密に定められている。このトリハロメタ
ンに対しては、塩素の代替酸化剤としてオゾンを用い、
オゾン処理後に生物活性炭処理を行うことで十分に低減
可能である。また、アルデヒド類も有害な消毒副生成物
であるが、これらも生物活性炭処理により、基準値以下
まで低減が可能である。
【0017】そこで、近年最も問題視されているオゾン
消毒副生成物は、臭素酸(水中では臭素酸イオンBrO
3-)である。臭素酸の含有量は、水質基準としては定め
られていないものの、その発癌性が指摘され、WHOに
よる飲料水中のガイドラインも25μg/L(1993
年)と、前述のトリハロメタン類よりも厳しいものであ
る。
【0018】臭素酸は、被処理水中に臭化物イオンBr
- が含まれる場合に、オゾンとの反応で生成する。この
臭素酸に関して最も深刻な問題は、生物活性炭でもその
除去が殆ど期待できないことである。また、臭素酸の形
態になると、最終消毒剤である塩素ともほとんど反応し
ないため、一旦生成した臭素酸は、後段での抑止が不可
能であり、如何にその生成を押えるかが問題となる。
【0019】前述のように、従来の(2)溶存オゾン濃
度一定制御では、被処理水に過不足無くオゾンを注入
し、また、十分な反応時間を確保するという観点から、
滞留槽出口における被処理水中の溶存オゾン濃度を監視
している。
【0020】一方、臭素とオゾンの反応では、臭素酸生
成量は、被処理水中の臭化物イオン濃度、及び溶存オゾ
ン濃度と反応槽内接触時間の積(CT値)と良好な比例
関係があることが知られている。実際の浄水プラントで
は、反応槽の滞留時間はほぼ一定であるため、臭素酸生
成量は、溶存オゾン濃度に比例することになる。従っ
て、臭素酸の生成が問題となる浄水場などでは、あらか
じめオゾン注入率と滞留槽出口における被処理水中の溶
存オゾン濃度、臭素酸生成量の関係を統計的に調査し、
前述の溶存オゾン一定制御の制御目標値を定めて制御を
行っている。
【0021】臭素酸生成量は、被処理水中の臭化物イオ
ン濃度にも比例する。そのため、同一の溶存オゾン濃度
であっても、被処理水中の臭化物イオン濃度が高い方が
臭素酸生成量は多くなる。従って、特に原水の臭化物イ
オン濃度が高い浄水場では、滞留槽出口における溶存オ
ゾン制御目標値を低くしても、臭素酸の生成量が多くな
り、前述のWHOのガイドラインを超える危険性が生ず
る。従って、安全性を重視してオゾン注入を行うと、ど
うしてもオゾン注入不足になりやすいが、一方では、オ
ゾン処理対象となる水質項目、例えばトリハロメタン生
成能(以下、THMFPと記載する。)を低減するのに
十分なオゾンを注入する必要がある。
【0022】そこで、本発明の目的は、従来の溶存オゾ
ン濃度監視方法に替えて、オゾン処理における臭素酸生
成を抑制し、かつTHMFPを十分に低減する為のオゾ
ン注入制御方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、一連の研
究を通して、トリハロメタン生成の原物質であるトリハ
ロメタン前駆物質とオゾンとの反応が、臭化物イオンB
- とオゾンとによる臭素酸生成反応よりも、優先的に
進行することを、後述する実験結果から見出した。そこ
で、臭素酸の生成を抑制し、かつTHMFPを十分に低
減する為のオゾン注入制御を、次に述べる方法で行うこ
ととした。
【0024】被処理水にオゾンガスを導入して浄化処理
を行うオゾン水処理方法において、被処理ガスとオゾン
ガスが接触する接触槽内に残留する溶存オゾン濃度、ま
たは接触槽内のオゾン吸収量を監視し、トリハロメタン
生成能が低減可能な範囲で、しかも臭素酸が生成しない
範囲の溶存オゾン濃度またはオゾン吸収量の所定値とな
るように、オゾン注入量を制御することとした。
【0025】第一の制御方法である溶存オゾン濃度の制
御については、被処理ガスとオゾンガスが接触する接触
槽内の被処理水中に残留する溶存オゾン濃度を常時監視
し、その値が0.1mg/L以下の所定値(0mg/L
を含まず)に到達した際に、オゾン注入量を減少させる
よう制御することとした。
【0026】具体的なオゾン接触槽や滞留槽で構成され
るオゾン水処理装置においては、装置内部の接触槽、及
び出口に複数個の溶存オゾン濃度測定装置を設置して、
上記の溶存オゾン濃度で制御を行うものとした。上記に
より、オゾン接触槽内及び反応槽内の溶存オゾン濃度の
常時監視が可能となり、その変化量に応じたオゾン注入
量の制御を行うことができる。
【0027】第二の制御方法である接触槽内のオゾン吸
収量の制御については、被処理水中の有機物量の測定と
共に、被処理ガスとオゾンガスが接触する接触槽内にお
けるオゾン吸収量、すなわち導入されたオゾンガスの濃
度及び流量と、前記装置内で被処理水と混合・接触後、
未反応のまま装置外に排出されるオゾンガスの濃度及び
流量を常時監視し、注入量と排出量との差から常にオゾ
ンガス吸収量を計算し、その値が単位被処理水中の有機
物1mgに対して、0.5〜2.0mgに到達した際
に、オゾン注入量を減少させるよう制御することとし
た。
【0028】具体的なオゾン接触槽や滞留槽で構成され
るオゾン水処理装置においては、装置内部に注入される
オゾンガスの濃度及び流量を測定する装置、ならびに装
置内部で被処理水と混合・接触後、未反応のまま装置外
に排出されるオゾンガスの濃度及び流量を測定する装置
の双方を設置し、また被処理水中の有機物量の測定装置
を設置して、上記のオゾン吸収量の制御を行うものとし
た。上記により、オゾン接触槽内におけるオゾン吸収量
の常時監視が可能となり、その変化量に応じたオゾン注
入量の制御を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をオゾン水処理装
置を用いた2つの実施例について説明する。 〔実施例1〕図1に本発明の第一の方法を用いたシステ
ムフローの例を示す。この図1は先に図6で示した一般
的な大規模浄水場向けの横流式向流3段オゾン接触池に
本発明を適用した例で、全体フローの流れは図6と同様
である。
【0030】ここでは3槽設けられた各接触槽2内に、
溶存オゾン濃度測定装置8を3台設置している。そして
制御装置9により、溶存オゾン濃度測定装置8の信号を
演算処理し、オゾン発生装置3のオゾン発生量を制御し
ている。ここで、本発明の第一の方法で制御を行う理由
を、オゾンとTHMFP及び臭素酸の反応に関する実験
結果などから説明する。
【0031】図3はバッチ式反応槽における一般的な河
川水のオゾン処理の実験結果の例であり、オゾン処理時
間に対する、THMFP、臭素酸イオン生成量、溶存オ
ゾン濃度の測定値の推移を示す。この図より、オゾン処
理時間の増加に応じて、THMFPは低減され、臭素酸
イオン生成量と溶存オゾン濃度とは増加していることが
わかる。特に、THMFPは、オゾン処理時間5分あた
りまではなだらかに低下するものの、その後はほとんど
変化していない。このことは、THMの前駆物質の中に
は、オゾンにより速やかに酸化分解される成分と、オゾ
ンとほとんど反応しない、もっと正確には本実験におけ
る反応時間及びオゾン注入量では分解されない成分があ
ることがわかる。
【0032】図4は、図3の実験結果について、横軸を
溶存オゾン濃度にして整理し直したものである。この図
より、THMFPは溶存オゾン濃度が0mg/Lに近い
状態で約15%低減されていることがわかる。また、溶
存オゾンが増加してもその除去率はほぼ一定である。一
方、臭素酸イオンは、溶存オゾン0.1mg/Lあたり
までは生成せず、その後、溶存オゾン濃度に比例して直
線的に生成していることがわかる。
【0033】以上の結果より、一般的な河川水をオゾン
処理した場合、注入されたオゾンは、最初にオゾンで酸
化分解可能なTHM前駆物質と優先的に反応し、THM
FPがある程度低下し、それらの反応がほぼ完了した後
に、余剰のオゾンが溶存オゾンとして残留し、臭素酸を
生成していることがわかる。またこれは逆に、オゾン注
入の初期の段階では、オゾンの注入(供給)速度に比べ
て、THM前駆物質による反応(消費)速度の方が、断
然速いため、結果的に溶存オゾン濃度が0mg/Lとな
ったと判断できる。
【0034】従って、実際のオゾン注入制御において
も、従来のような滞留槽出口における被処理水中の溶存
オゾン濃度ではなく、接触槽内、あるいは滞留槽内の溶
存オゾン濃度を、速やかに検出し、オゾン注入量を制御
すれば、オゾンで分解可能なTHM前駆物質は十分に分
解されると同時に、問題になる濃度の臭素酸は生成され
ないことになる。この場合の溶存オゾン制御目標値は、
上記の実験結果から0〜0.1mg/L(0mgLを含
まず)が妥当であるといえる。本発明はこれらの実験結
果を踏まえたものである。 〔実施例2〕また、図2に本発明の第二の方法を用いた
システムフローの例を示す。図2では、図1の溶存オゾ
ン濃度測定装置8を設置する代わりに、オゾン発生装置
3からオゾン接触槽に供給されるオゾンガス濃度及び流
量を測定する装置10、及び接触槽から排出される排オ
ゾン濃度及び流量を測定する装置11を設けている。ま
た、被処理水中の有機物量を測定する装置12を設けて
いる。そして制御装置9により、発生オゾンガス濃度測
定装置10と、排オゾン濃度測定装置11、被処理水中
有機物量測定装置13の信号を演算処理し、オゾン接触
槽内での被処理水中の有機物1mg当りのオゾン吸収量
を計算し、その値に基づいてオゾン発生装置3のオゾン
発生量を制御している。ここで、本発明の第二の方法で
制御を行う理由を、オゾンとTHMFP及び臭素酸の反
応に関する実験結果などから説明する。
【0035】図5は、先に図3で示したバッチ式反応槽
における一般的な河川水のオゾン処理実験結果につい
て、横軸をオゾン接触槽内のオゾン吸収量として整理直
したものである。オゾン吸収量は、被処理水中の有機物
量に依存すると考えられる。したがって、ここでは、単
位被処理水中の有機物1mg当りのオゾン吸収量をO3
/TOC(Total Organic Carbo
n)と表し、(3)式により定義する。
【0036】
【数3】 この図より、THMFPはO3 /TOC=1まではなだ
らかに低減されるが、それ以上のO3 /TOCでは、そ
の除去率はほぼ一定であることがわかる。一方、臭素酸
イオンは、O3 /TOC=1.8あたりまでは生成せ
ず、その後O3 /TOCに比例して直線的に生成してい
ることがわかる。このように、O3 /TOCを指標とし
た場合でも、THMFPの低減が最初に起こり、その後
臭素酸が生成されていることがわかる。
【0037】従って、実際のオゾン注入制御において、
反応槽内のO3 /TOCと、THMFP除去率の関係を
あらかじめ調べておき、その値に基づいてオゾン注入量
を制御すれば、オゾンで分解可能なTHM前駆物質は十
分に分解されると同時に、問題になる濃度の臭素酸は生
成されないといえる。この場合のO3 /TOCの制御目
標値は0.5〜2.0、より最適な範囲としては1〜
1.8が妥当であるといえる。本発明はこれらの実験結
果を踏まえたものである。
【0038】本実施例では、発生オゾンガス濃度測定装
置10と、排オゾン濃度測定装置11とを各1組設けた
が、各接触槽でのアンバランスを考慮してより精度をあ
げるためには、各接触槽あたりなど複数組の測定装置を
設けても良い。
【0039】また、本実施例では横流式オゾン接触池で
の実験結果を示したが、他にもエゼクター注入方式、下
降管注入式オゾン接触方式など、オゾンガスと被処理水
を接触させる水処理装置や、水の電気分解によってオゾ
ンを生成させ、被処理水とオゾンの反応を生じさせる方
式など、オゾンによる水処理装置の全てに対する制御方
法として容易に適用可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明によるオゾンによる水処理の方法
によれば、有害なオゾン消毒副生成物である臭素酸の生
成を抑制すると共に、THMFPを十分に低減する為の
オゾン注入制御が可能となり、処理水の安全性を維持・
確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の方法を用いた横流式向流3段オ
ゾン接触池方式のシステムフローを示す図
【図2】本発明の第二の方法を用いた横流式向流3段オ
ゾン接触池方式のシステムフローを示す図
【図3】バッチ式反応槽における一般的な河川水のオゾ
ン処理の実験結果の例を示す図(オゾン処理時間とTH
MFP、溶存オゾン濃度、臭素酸生成量との関係)
【図4】図3の実験結果から得た、溶存オゾン濃度とT
HMFP、臭素酸生成量との関係を示す図。
【図5】図3の実験結果から得た、オゾン吸収量とTH
MFP、臭素酸生成量との関係を示す図。
【図6】従来の横流式向流3段オゾン接触池方式のシス
テムフローを示す図。
【図7】横流式オゾン接触池における溶存オゾン濃度分
布の代表例を示す図。
【符号の説明】
1: 導入口 2: オゾン接触槽 3: オゾン発生装置 4: 散気装置 5: 滞留槽 6: 排出口 7: 排オゾン処理装置 8: 溶存オゾン濃度測定装置 9: 制御装置 10: 発生オゾンガス濃度及び流量測定装置 11: 排オゾンガス濃度及び流量測定装置 12: 被処理水中有機物濃度測定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 龍太郎 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 4D050 AA01 AB04 AB06 AB19 BB02 BD02 BD03 BD06 BD08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理水にオゾンガスを導入して浄化処理
    を行うオゾン水処理方法において、被処理ガスとオゾン
    ガスが接触する接触槽内に残留する溶存オゾン濃度、ま
    たは接触槽内でのオゾン吸収量を監視し、トリハロメタ
    ン生成能が低減可能な範囲で、しかも臭素酸が生成しな
    い範囲の溶存オゾン濃度またはオゾン吸収量の所定値と
    なるように、オゾン注入量を制御することを特徴とする
    オゾンによる水処理方法。
  2. 【請求項2】被処理水にオゾンガスを導入して浄化処理
    を行うオゾン水処理方法において、被処理ガスとオゾン
    ガスが接触する接触槽内の被処理水中に残留する溶存オ
    ゾン濃度を常時監視し、その値が0.1mg/L以下の
    所定値(0mg/Lを含まず)に到達した際に、オゾン
    注入量を減少させるよう制御することを特徴とするオゾ
    ンによる水処理方法。
  3. 【請求項3】被処理水にオゾンガスを導入して浄化処理
    を行うオゾン水処理方法において、被処理水中の有機物
    量の測定と共に、被処理ガスとオゾンガスが接触する接
    触槽内におけるオゾン吸収量、すなわち導入されたオゾ
    ンガスの濃度及び流量と、前記装置内で被処理水と混合
    ・接触後、未反応のまま装置外に排出されるオゾンガス
    の濃度及び流量を常時監視し、注入量と排出量との差か
    らオゾンガス吸収量を計算し、その値が単位被処理水中
    の有機物1mgに対して、0.5〜2.0mgに到達し
    た際に、オゾン注入量を減少させるよう制御することを
    特徴とするオゾンによる水処理方法。
  4. 【請求項4】被処理水にオゾンガスを導入して浄化処理
    を行うためにオゾン接触槽や滞留槽で構成されるオゾン
    水処理装置において、前記装置内部の接触槽、及び出口
    に複数個の溶存オゾン濃度測定装置を設置して、請求項
    2記載の制御を行うことを特徴とするオゾンによる水処
    理装置。
  5. 【請求項5】被処理水にオゾンガスを導入して浄化処理
    を行うためにオゾン接触槽や滞留槽で構成されるオゾン
    水処理装置において、前記装置内部に注入されるオゾン
    ガスの濃度及び流量を測定する装置、ならびに前記装置
    内部で被処理水と混合・接触後、未反応のまま装置外に
    排出されるオゾンガスの濃度及び流量を測定する装置の
    双方を設置し、また被処理水中の有機物量の測定装置を
    設置して、請求項3記載の制御を行うことを特徴とする
    オゾンによる水処理装置。
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Cited By (6)

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