JP3803590B2 - 過酸化水素の残留濃度制御装置 - Google Patents

過酸化水素の残留濃度制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、過酸化水素(H)添加処理を用いた促進酸化処理に、オゾン処理や紫外線(UV)処理を組み合わせて、過酸化水素の残留濃度を制御する過酸化水素の残留濃度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題に対する関心の高まりから、従来の上下水道や産業排水の処理に過酸化水素添加処理、紫外線処理、活性炭処理等を付加した高度処理が検討又は導入され始めている。これらの高度処理プロセスでは、その処理目的に応じて様々な処理プロセスが併用されている。例えば、浄水処理(上水道)では臭気やトリハロメタン前駆物質(トリハロメタン生成能)除去のためにオゾンと活性炭処理が併用されている。下水の二次処理水では再利用や親水、修景用水等の用途のために臭気や色度除去、塩素代替殺菌を目的としてオゾン処理又は紫外線処理が用いられている。また、有機物負荷が高い産業排水、埋め立て地の侵出水等では、CODMn(化学的酸素要求量)やダイオキシン等に代表される難分解性有機物の除去率向上のため、生物処理、過酸化水素処理、紫外線処理が適宜組み合わせられている。
【0003】
図10(a)は、産業排水や下水二次処理水などを処理対象としたオゾン処理プロセスに、過酸化水素処理を追加した代表的な促進酸化処理(AOP)の処理工程図である。ここで、砂ろ過槽1は、水中に懸濁する浮遊物質(SS分)を除去するもので、被処理水の特性に応じて凝集剤の添加が行われることもある。砂ろ過槽1で浮遊物質が除去された砂ろ過水は過酸化水素添加槽2に送り込まれる。過酸化水素添加槽2では、過酸化水素貯留槽3から薬液が供給され、砂ろ過水に過酸化水素の添加、混合を行い、オゾン反応槽4へ送水する。
【0004】
過酸化水素添加槽2がオゾン反応槽4の前段に設置される目的は、過酸化水素の酸化力による有機物の分解と、過酸化水素から生成したヒドロペルオキシイオン(HO )とオゾンとの反応により生成されるヒドロキシラジカル(HO・)の供給源であり、酸化処理目的よりもラジカルの供給源としての比重を高めることにある。ヒドロキシラジカルの酸化還元電位(2.87V)は、オゾン(O、2.07V)より高く、非常に反応性に富んでいる。
【0005】
オゾン反応槽4は、被処理水とオゾンガスとの気液接触によりオゾン処理を行うものである。オゾンガスの発生は、乾燥空気又は乾燥酸素を原料にオゾン発生設備(図示せず)にて行われるが、両者の使い分けは要求されるオゾンガス濃度による。すなわち、低濃度排水を処理する場合には空気を原料に低濃度オゾンガス(0〜25g/m)が用いられ、高濃度排水を処理する場合には酸素を原料として中、高濃度オゾンガス(25〜300g/m)が用いられている。
【0006】
オゾンは強力な酸化力を有しているが、芳香族系高分子有機物に代表される難分解性有機物やそれらを成分とするCODMn、トリハロメタン前駆物質、臭気、色度等は、オゾン処理だけでは酸化、分解できないことがある。
【0007】
このため、促進酸化処理プロセス(AOP)の一手法である過酸化水素とオゾン処理を併用した処理プロセスでは、オゾン処理の前段で添加された過酸化水素及びその水溶液中の解離物のヒドロペルオキシイオン(HO )とオゾンとの反応により、反応性の非常に高いヒドロキシラジカル(HO・)を生成し、前記の難分解性有機物を酸化、分解する。なお、オゾン反応槽4から排出される排オゾンガスは、排オゾン分解塔(図示せず)にて無害化処理された後、大気中に放出される。排オゾン分解塔における排オゾン分解剤には、活性炭や加温したマンガン系の触媒が用いられる。
【0008】
被処理水の性状や処理水に求められる水質によっては、オゾン反応槽4の後段に紫外線反応槽5が設置され、紫外線ランプを点灯することにより紫外線処理が実施されることもある。その処理工程図を図10(b)に示す。紫外線反応槽5の役割は、紫外線照射によりオゾン処理水中に残存するオゾンや過酸化水素が分解することによって生じる反応性が高いヒドロキシラジカルの生成を促進させ、さらなる難分解性有機物の分解効率の向上及ぴ殺菌、脱色を行うことにある。ただし、紫外線処理を適用する場合、被処水中の透過率が低い場合や紫外線ランプの表面が汚れてくると、その処理効果が低減するので、注意が必要である。
【0009】
さらに、図10(c)に示すように、オゾン反応槽4から排出される排オゾンガスを有効利用するために、この排オゾンガスを紫外線反応槽5に戻し、排オゾン吸収及びさらなるヒドロキシラジカルの生成を促進させることがある。また、図10(d)に示したように、過酸化水素添加槽2の後に紫外線反応槽5を設置し、過酸化水素添加処理と紫外線処理とを組合せた促進酸化処理方法も存在する。
【0010】
以上説明したように、促進酸化により処理対象物質である難分解性有機物は、従来の高度処理よりも処理対象物質が除去され、最終的に下水や河川等の公共水域へ放流される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来、過酸化水素添加処理における過酸化水素添加率は、オゾン処理や紫外線処理におけるヒドロキシラジカルの生成を優先して、当量反応よりも過剰に添加されており、しばしば処理水中に高濃度にて残留することがあった。過酸化水素の有害性を示すデータとして、LD50(半数致死量)はラットに対する皮内注射で約700mg/kg、静脈注射で約21mg/kgの数値が報告さている。
【0012】
また、殺菌剤、漂白剤として使用される過酸化水素は、食品添加物としては微弱ながら発ガン性が認められたため、1980年10月より使用基準が改定され、最終食品の完成前に分解又は除去することになった。過酸化水素は前記のように強い酸化剤であり、また残留性が高く生物に対して有害性であるため、高濃度に残留していると環境や生態系に悪影讐を与える虞れがある。このため、河川等の公共水域へそのまま放流することは望ましくない。そこで、処理水中に高濃度に残留する過酸化水素を除去するため、活性炭処理槽などの除外施設を設置する方法も考えられるが、除外施設の設備費や維持管理費にコストがかかるという問題があった。
【0013】
処理水中に過酸化水素が高濃度に残留することは、過酸化水素の添加率が適正に制御されていないことを意味し、また薬注費のコスト増にもつながるため処理コスト面からも好ましくない。このため、適切な過酸化水素の添加制御方去やオンラインでの検出方法が求められていた。しかし、過酸化水素をオンラインで、かつ、リアルタイムで測定できるセンサーが存在しなかったため、適切な添加制御は実施されていなかった。
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、過酸化水素の有する酸化力と生物阻害性を用いて、微生物に対する過酸化水素の有害性(活性低下、呼吸阻害等)応答を利用したバイオセンサーを応用し、又は残留過酸化水素濃度に起因する酸化還元電位計を用いたりして、処理水中の残留過酸化水素濃度を一定値以下又は、一定範囲内に制御する過酸化水素の残留濃度制御装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
参考までに、各処理プロセスにおいて過酸化水素(H)が関与するヒドロキシラジカル(HO・)の生成反応を示す。水中における過酸化水素の挙動、オゾン(O)とヒドロペルオキシイオン(HO )によるヒドロキシラジカル(HO・)の生成、オゾンによるヒドロキシラジカルの生成反応は、それぞれ以下の通りである。
→H+HO ……(1)
HO +O→HO・+・O +O ……(2)
【0016】
(2)式に示したように、オゾン処理によるヒドロキシラジカル(HO・)の生成量は過酸化水素(H)及びオゾン量に依存することが分かる。(2)式の反応で生成したヒドロキシラジカルが有機物(RH)と迅速に反応
する。
HO・+RH→R・+HO ……(3) (直鎖系有機物)
→RHOH・ ……(3)’(芳香族系有機物)
R・ + O(O)→酸化生成物 ……(4) (直鎖系有機物)
RHOH・+O(O)→酸化生成物 ……(4)’(芳香族系有機物)
【0017】
ヒドロキシラジカルは、(3)式のように直鎖の有機物ラジカル(R・)を生成し、芳香族化合物では付加反応により同じく有機物ラジカル(RHOH・)を生成する。これらの有機ラジカルがオゾン又は酸素と反応して酸化物を与える。
【0018】
オゾン処理工程の後段に紫外線処理工程がある場合、溶存オゾン及び残留過酸化水素は、紫外線の有するエネルギーによりそれぞれヒドロキシラジカルを生成する。容存オゾンと紫外線によるヒドロキシラジルの生成反応は、以下の通りである。
+hν(λ<310nm)→O+O ……(5)
O+HO→2HO・ ……(6)
【0019】
残留過酸化水素と紫外線によるヒドロキシラジカルの生成反応は、以下の通りである。
+hν→2HO・ ……(7)
【0020】
以上、(1)〜(7)式に示したように、過酸過水素(H)は反応性の高いヒドロキシラジカル(HO・)の生成に大きく関与していることが分かる。このため、過酸化水素の添加率及び残留濃度を適切に監視、制御することは、促進酸化処理システム(AOPs)の効率的な処理及び処理コスト削減に大きく寄与するものである。
【0021】
そして、請求項1に係る発明は、
過酸化水素添加槽にて被処理水に過酸化水素を添加し、オゾン反応槽にて前記過酸化水素添加槽から流出する被処理水にオゾンガスを供給して被処理水とオゾンガスとを気液接触させて処理水における過酸化水素の残留濃度を制御する過酸化水素の残留濃度制御装置において、
前記過酸化水素添加槽に対する過酸化水素の添加量の制御が可能な薬注ポンプと、
被処理水の流量を検出する流量計と、
微生物膜に鉄酸化細菌を固定したものを用い、前記オゾン反応槽から流出する処理水の過酸化水素濃度に対応する信号を出力するバイオセンサーと、
前記バイオセンサーの出力信号と前記流量計の流量信号とに基づいて、処理水の過酸化水素の残留濃度を所定値以下にする過酸化水素添加量を演算し、この演算結果に従って過酸化水素が添加されるように前記薬注ポンプを制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0022】
また、請求項2記載の発明は、
過酸化水素添加槽にて被処理水に過酸化水素を添加し、紫外線反応槽にて前記過酸化水素添加槽から流出する被処理水に紫外線を照射して被処理水中に生じるヒドロキシラジカルの生成を促進させて処理水における過酸化水素の残留濃度を制御する過酸化水素の残留濃度制御装置において、
前記過酸化水素添加槽に対する過酸化水素の添加量の制御が可能な薬注ポンプと、
被処理水の流量を検出する流量計と、
微生物膜に鉄酸化細菌を固定したものを用い、前記紫外線反応槽から流出する処理水の過酸化水素濃度に対応する信号を出力するバイオセンサーと、
前記バイオセンサーの出力信号と前記流量計の流量信号とに基づいて、処理水の過酸化水素の残留濃度を所定値以下にする過酸化水素添加量を演算し、この演算結果に従って過酸化水素が添加されるように前記薬注ポンプを制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0023】
さらに請求項3記載の発明は、
過酸化水素添加槽にて被処理水に過酸化水素を添加し、オゾン反応槽にて前記過酸化水素添加槽から流出する被処理水にオゾンガスを供給して被処理水とオゾンガスとを気液接触させ、紫外線反応槽にて前記オゾン反応槽から流出する被処理水に紫外線を照射して被処理水中に生じるヒドロキシラジカルの生成を促進させて処理水における過酸化水素の残留濃度を制御する過酸化水素の残留濃度制御装置において、
前記過酸化水素添加槽に対する過酸化水素の添加量の制御が可能な薬注ポンプと、
被処理水の流量を検出する流量計と、
微生物膜に鉄酸化細菌を固定したものを用い、前記紫外線反応槽から流出する処理水の過酸化水素濃度に対応する信号を出力するバイオセンサーと、
前記バイオセンサーの出力信号と前記流量計の流量信号とに基づいて、処理水の過酸化水素の残留濃度を所定値以下にする過酸化水素添加量を演算し、この演算結果に従って過酸化水素が添加されるように前記薬注ポンプを制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る過酸化水素の残留濃度制御装置の第1の実施形態の制御系統図である。図中、従来の制御装置の説明に用いた図10と同一の符号を付したものはそれぞれ同一の要素を示している。
【0028】
ここで、被処理水を流入させて過酸化水素の残留濃度を制御して処理水を流出させる経路に、砂ろ過槽1、過酸化水素添加槽2及びオゾン反応槽4が順次配設されている。このうち、砂ろ過槽1は水中に懸濁する浮遊物質を除去するもので、被処理水の特性に応じて凝集剤の添加が行われたりもする。砂ろ過槽1と過酸化水素添加槽2との間に流量計8が設けられている。過酸化水素添加槽2は過酸化水素貯留槽3から薬液を添加してここで混合するもので、薬液の添加には薬注ポンプ6が用いられる。オゾン反応槽4は過酸化水素が添加された被処理水とオゾンガスとの気液触媒によりオゾン処理を行うものである。このオゾン反応槽4から処理水を流出させる経路にバイオセンサー7が設けられている。また、バイオセンサー7によって検出された過酸化水素濃度、流量計8によって検出された被処理水の流量に基づいて、過酸化水素の添加率Dを演算して、この添加率Dとなるように薬注ポンプ6に制御信号Pを出力する制御装置9を備えている。上記のように構成された制御系統の詳しい動作を、特に従来の処理工程と異なる部分を中心にして以下に説明する。
【0029】
先ず、薬注ポンプ6は、制御装置9で演算された過酸化水素添加率Dに基づき過酸化水素添加槽2に添加する過酸化水素添加量Pを調整するものである。流量計8は、被処理水量を測定するものであり、測定値Qを制御装置9に出力している。過酸化水素添加槽2は、過酸化水素の酸化力による有機物の分解と、過酸化水素から生成したヒドロペルオキシイオン(HO )とオゾンとの反応により生成されるヒドロキシラジカル(HO・)の供給源であり、ラジカルの供給源としての比重が高い。過酸化水素添加槽2にて過酸化水素処理が実施され、残留過酸化水素を含んだ被処理水が後段に示すオゾン反応槽4にてオゾン接触、反応が行われる。
【0030】
オゾン反応槽4では、従来の気液接触によるオゾンの直接反応(オゾン分子が有概物などの被酸化性物質を酸化する反応)の他に、オゾンの間接反応(残留過酸化水素などとオゾンとの反応によりヒドロキシラジカル(HO・)が生成され、そのヒドロキシラジカルが有概物などの被酸化性物質を酸化する反応)が競合して起こる。本実施形態では、過酸化水素添加槽2にてラジカル供給源である過酸化水素が常時添加されているため、オゾンの間接反応が優先して起こる。
【0031】
残留過酸化水素が存在しない場合でも、オゾン分解によりヒドロキシラジカルが生成されオゾンの間接反応が起こるが、その反応割合はごく僅かである。
過酸化水素と溶存オゾンによりヒドロキシラジカルの生成反応は、上記(1)、(2)式に示した通りである。これの式を再度下記に示す。
→H+HO ……(1)
HO +O→HO・+・O +O ……(2)
【0032】
(2)式に示したように、オゾン処理によるヒドロキシラジカル(HO・)の生成量は、過酸化水素及びオゾン量に依存することが分かる。バイオセンサー7は、オゾン反応槽4の出口(処理水)における残留過酸化水素濃度Zを酸素透過電流として検出するものである。本実施形態ではバイオセンサー7として、溶存酸素電極の表面に微生物膜を付加し、微生物膜に鉄酸化細菌を固定したものを用いているが、微生物膜に酵母菌を固定した生物化学的酸素要求量(BOD)センサーや、微生物膜に硝化菌を固定したバイオセンサーも利用できる。バイオセンサー7では処理水の一部を採水し、それを試料水としている。本実施形態で用いるバイオセンサー7は、残留過酸化水素濃度Zとして0.05mg/Lまで検出することが可能である。次に、本実施形態で用いているバイオセンーの概要について説明する。
【0033】
本実施形態で用いているバイオセンサー7の詳細な構成は、特開2000−321233号公報などに示されている。バイオセンサー7は、有害物質(本実施形態は過酸化水素が相当する)による微生物に対する呼吸阻害作用を応用したものであり、有害物質により微生物の活性が低下すると微生物による酸素消費量が減少するため、微生物膜を透過する酸素量が増大し、結果的に酸素電極の出力電流(バイオセンサー出力)が増大することを応用している。
【0034】
図2は、エネルギー源(FeSOから電離した第1鉄イオン、Fe2+)の有無と過酸化水素(H)濃度に対するバイオセンサー7の出力Eとの関係示した線図である。バイオセンサー7を構成する微生物膜に固定されている鉄酸化細菌は、エネルギー源(基質)である第1鉄イオン(Fe2+)が供給され、溶存酸素が十分にあり、有害物質が全くない条件下では最大活性を示す。つまり前記の条件の時にバイオセンサーの出力Eが最小(Elow)となる。鉄酸化細菌による酸素消費及び第1鉄イオン(Fe2+)の酸化反応を以下に示す。
【0035】
Fe2+→e+Fe3+ ……(8)
1/4O+1/2HO+e→OH ……(9)
Fe2++1/4O+1/2HO→Fe3++〇H ……(10)
Fe3++3OH→Fe(OH) ……(11)
2Fe(OH)→Fe+3HO ……(12)
【0036】
なお、バイオセンサー周辺部分に付着、堆積したFe(OH)は、定期的な酸洗浄により除去可能である。
【0037】
次に、試料水に鉄酸化細菌の基質である第1鉄イオンを添加した状態において、処理水中の残留過酸化水素(H)濃度とバイオセンサーの出力Eの状態変化を、図2を用いて詳細に説明する。
【0038】
▲1▼ 硫酸第一鉄(FeSO)の添加なし、試料水過酸化水素濃度=0である時刻t0〜t1の期間
試料水には、H及びエネルギー源であるFe2+が含まれていないため、微生物(鉄酸化細菌)による酸素消費はごく僅かなため、酸素は微生物膜を透過する。このため、溶存酸素電極の近傍の溶存酸素はほぼ飽和状態のままであり、従ってバイオセンサー7の出力Eは最大値に近いレベル(Ehi、状態A)を示す。
【0039】
▲2▼ 硫酸第1鉄添加、試料水の過酸化水素濃=0である時刻t1〜t2の期間エネルギー源であるFe2+が添加され、微生物の活性向上による酸素消費のため、微生物膜を透過する酸素量は減少し、溶存酸素電極近傍の溶存酸素濃度が低下する。このため、バイオセンサー7の出力Eは最小値に近いレベル(Elow、状態B)を示す。
【0040】
▲3▼ 硫酸第1鉄添加、試料水の過酸化水素濃=「高」である時刻t2〜t3の期間
エネルギー源であるFe2+を添加した状態で過酸化水素濃度が高い試料水が流入すると、過酸化水素の生物阻害性により、微生物(鉄酸化細菌)の呼吸が低下し酸素消費量が低下する。このため、微生物膜を透過する酸素量は増大し、溶存酸素電極近傍の溶存酸素濃度は再び飽和に近い状態になり、バイオセンサー7の出力Eは増加し始める。さらに、過酸化水素濃度が高くなり、微生物の活性が失われる程度まで増加すると微生物による酸素消費がほとんどなくなり、バイオセンサー7の出力Eは最大値(Emax、状態C)となる。
このときバイオセンサー7における微生物の活性が失われた状態での出力Eは、Ehiにほぽ等しくなる。つまり、Emax=Ehiとなる。
【0041】
▲4▼ 硫酸第一鉄添加、試料水の過酸化水素濃=「低」である時刻t3以降の期間試料水の過酸化水素濃度が低くなると、過酸化水素による生物阻害性の影響が弱まり、微生物(鉄酸化細菌)の活性がある程度回復し、呼吸量回復により酸素消費量が噌加する。このため、微生物膜を透過する酸素量は減少し、溶存酸素電極近傍の溶存酸素濃度は飽和濃度より減少する。従って、バイオセンサー7の出力Eは中ぐらいのレベル(Emid、状態D)になる。
【0042】
バイオセンサー7の微生物膜は経時変化が避けられないが、定期的にゼロ校正(試料水は純水のみ、Fe2+の添加はなく溶存酸素が飽和態、出力Eo)及びスパン校正(試料水は純水、Fe2+の供給はないが溶存酸素が飽和状態、出力出sp)と、定期洗浄(酸洗浄)を行っており、各状態におけるバイオセンサー7における出力Eの絶対値はほぼ安定している。
【0043】
試料水に生物阻害性物質が全く含まれていなければ、バイオセンサー7におけるゼロ校正の出力Eは、図3における状態Bとほぽ同等(Elow=Eo)である。また同様に、試料水に生物阻害性物質が全く含まれていなければ、バイオセンサー7におけるスパン校正の出力Eは、図2における状態とほぼ同等(Esp≒Ehi)である。
ここで、通常Elow=0.05μA、Ehi=0.8μA程度である。
【0044】
また、上記の値に対応してバイオセンサー7が残留過酸化水素の応答し始める点(検出下限値)Zlow及び、バイオセンサー7が残留過酸化水素により活性を失う点(検出上限値)Zhiは、本実施形態では以下の値が得られている。
Zlow=0.05mg/L(出力E:Elow=0.05μAに相当)
Zhi=1.0mg/L(出力E:Ehi=0.8μAに相当)
【0045】
図3は、バイオセンサー7の定常状態(生物阻害性物質がなく溶存酸素が飽和状態、硫酸第一鉄添加、図2に示す状態B)において、過酸化水素濃度に対する応答性を示したものである。
【0046】
残留過酸化水素濃度Zに対応したバイオンサー7の出力Eが得られており、残留過酸化水素濃度の上限目標値Zuに対応するバイオンサー7の出力はEu、残留過酸化水素濃度の下限目標値Zdに対応するバイオセンサー7の出力はEdである。
【0047】
本実施形態では、バイオセンサー7の出力Eと図3に示した特性図から、制御装置9にて処理水中の残留過酸化水素濃度Ziを換算し、残留過酸化水素濃度の目標値Sとの比較、及ぴ、現在の過酸化水素添加率Di、被処理水量の測定値Qi、新たな過酸化水素添加率Dn及びそれに対応した過酸化水素添加量Pnを演算している。本実施形態の制御装置9には、残留過酸化素濃度の上限目標値Zu=0.3mg/Lと下限目標値Zd=0.1mg/Lがそれぞれ設定されており、また、それらに対応するバイオセンサー7の出力は、それぞれEu=0.45μA、Ed=0.17μAである。
【0048】
つまり、バイオセンサー7の出力Eが、0.1μA≦E≦0.45μAを満たすように過酸化水素添加率Dnを演算し、薬注ポンプ6における過酸化水素添加量Pnをフィードバック制御している。もちろん、Zd及ぴZuは、Zlow≦Zd<Zu≦Zhiを満たす任意の範囲で設定、制御可能である。また、残留過酸化水素濃度の上限目標値Zuのみを設定し、例えぱZu=0.1mg/Lとして処理水中の残留過酸化水素濃度を0.1mg/L以下に制御することも可能である。なお、制御装置9が正常に動作している場合、バイオセンサー7の状態は図2に示す状態Dに相当する。
【0049】
かくして、本発明に係る過酸化水素の残留濃度制御装置の第1の実施形態によれば、処理水中に残留する過酸化水素濃度を、0.05mg/L以上1.0mg/L以下の範囲で任意に設定、制御できるため、反応に寄与しない余分な過酸化水素の添加が抑制され、薬注コストを削減することができる。また、河川など公共水域に放流される場合でも、処理水中の過酸化水素濃度を、生物環境に悪影響を及ぼすことがない濃度以下に制御することができる。
【0050】
さらに、残留過酸化水素の下限値を設定できるため、促進酸化処理システム(AOPs)に必要不可欠なオゾン処理によるヒドロキシラジカル(HO・)の生成、供給反応が途絶えることはない。このため、難分解性有機物の分解など常に効率的な促進酸化処理システムが継続される。以上により、促進酸化処理システムにおける薬注コストの削減と、生物環境に与える影響の低減とを併せた効率的な処理が達成される。
【0051】
図4は本発明に係る過酸化水素の残留濃度制御装置の第2の実施形態の制御系統図である。図中、第1の実施形態を示す図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態はオゾン反応槽4の代わりに紫外線反応槽5を用いた点が図1と構成を異にし、これ以外は図1と全く同様に構成されている。
【0052】
上記のように構成された第2の実施形態の動作について、特に、図1と構成を異にする部分を中心にして説明する。この実施形態は、「過酸化水素+紫外線」処理を用いた促進酸化処理であり、濁質分が少なく光の透過率が比較的高い有機性排水やスペースの制約上オゾン反応槽及び関連機器の設置が困難な場合に適用されることが多い。過酸化水素と紫外線との反応によりヒドロキシラジカルの生成は、上記(7)式に示した通りである。この式を再度下記に示す。
+hν→2HO・……(7)
【0053】
(7)式に示したようにヒドロキシラジカルの生成には紫外線が必要不可欠なため、本実施形態では透明度の高い地下水における汚染物質の浄化(塩素系有機溶剤の分解、除去)に適用している。本実施形態においても、第1の実施形態と同様にバイオセンサー7の出力Eと図3に示した特性図から、制御装置9にて処理水中の残留過酸化水素濃度Ziを換算し、残留過酸化水素濃度の目標値Sとの比較、及ぴ現在の過酸化水素添加率Di、被処理水量の測定値Qi、新たな過酸化水素添加率Dn及びそれに対応した過酸化水素添加量Pnを演算している。
【0054】
本実施形態の制御装置9には、残留過酸化素濃度の上限目標値Zu=0.3mg/Lと下限目標値Zd=0.1mg/Lがそれぞれ設定されており、またそれらに対応するバイオセンサー7の出力は、それぞれEu=0.45μA、Ed=0.17μAである。つまり、バイオセンサー7の出力Eが、0.17μA≦E≦0.45μAを満たすように過酸化水素添加率Dnを演算し、薬注ポンプ6における過酸化水素添加量Pnをフィードバック制御している。もちろん、第1の実施形態と同様に、Zd及ぴZuは、Zlow≦Zd<Zu≦Zhiを満たす任意の範囲で設定、制御可能である。また、残留過酸化水素濃度の上限目標値Zuのみを設定し、例えばZu=0.1mg/Lとして処理水中の残留過酸化水素濃度を0.1mg/L以下に制御することも可能である。
【0055】
かくして、本発明に係る過酸化水素の残留濃度制御装置の第2の実施形態によれば、処理水中に残留する過酸化水素濃度を、0.05mg/L以上1.0mg/L以下の範囲で任意に設定、制御できるため、反応に寄与しない余分な過酸化水素の添加が抑制され、薬注コストを削減することができる。また、河川など公共水域に放流される場合でも、処理水中の過酸化水素濃度を、生物環境に悪影響を及ぼすことがない濃度以下に制御することができる。また、第1の実施形態の効果に加えて、より一層ラジカル生成による反応の促進が期待できる。
【0056】
図5は本発明に係る過酸化水素の残留濃度制御装置の第3の実施形態の制御系統図である。図中、第1の実施形態を示す図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態はオゾン反応槽4の下流側に紫外線反応槽5を設け、この紫外線反応槽5の下流側にバイオセンサー7を設置した点が図1と構成を異にし、これ以外は図1と全く同様に構成されている。
【0057】
上記のように構成された第3の実施形態の動作について、特に、図1と構成を異にする部分を中心にして説明する。この実施形態に係る紫外線反応槽5の役割又は目的は、オゾン反応槽4の処理水中に残留する溶存オゾンや過酸化水素に対して、紫外線照射を行いヒドロキシラジカル(HO・)の生成を促進させ、難分解性有機物等に対する処理効果をより一層向上させることである。
【0058】
溶存オゾン又は、過酸化水素と紫外線の反応は上記の(5)、(6)、(7)式に示した通りである。これらの式を再度下記に示す。容存オゾンと紫外線によるヒドロキシラジカルの生成反応は、以下の通りである。
+hν(λ<310nm)→O+O ……(5)
O+HO→2HO・ ……(6)
【0059】
残留過酸化水素と紫外線によるヒドロキシラジカルの生成反応は、以下の通りである。
+hν→2HO・ ……(7)
【0060】
本実施形態に示す「過酸化水素+オゾン+紫外線」処理を用いた促進酸化処理は、第1の実施形態に示した「過酸化水素+オゾン」併用の促進酸化処理と比較して、より難分解性有機物の処理を対象とし、さらに有機物の分解率向上のために適用されている。
【0061】
両者の促進酸化処理方法は、共に過酸化水素の存在量がヒドロキシラジカルの生成反応に大きく関与していることが分かる。特に本実施形態の「過酸化水素+オゾン+紫外線」併用処理は、ヒドロキシラジカルの生成経路及び機会が増えるため、残留過酸化水素温度を適切に監視、制御することは第1の実施形態以上に重要なことである。本実施形態では、バイオセンサー7が紫外線反応槽5の後段に設置されており、第1の実施形態と同様に処理水中の残留過酸化水素濃度の検出及び制御が可能である。
【0062】
その制御ロジックは、第1の実施形態と同様であるため詳細な説明は省略するが、本実施形態においても、バイオセンサー7の出力Eと図3に示した特性図から、制御装置9にて処理水中の残留過酸化水素濃度Ziを換算し、残留過酸化水素濃度度の目標値Sとの比較、及び現在の過酸化水素添加率Di、被処理水量の測定値Qi、新たな過化水素添加率Dn及びそれに対応した過酸化水素添加量Pnを演算している。本実施形態の制御装置9には、残留過酸化素濃度の上限目標値Zu=0.3mg/Lと下限目標値Zd=0.1mg/Lがそれぞれ設定されており、また、それらに対応するバイオセンサー7の出力は、それぞれEu=0.45μA、Ed=0.17μAである。
【0063】
つまり、バイオセンサー7の出力Eが、0.17μA≦E≦0.45μAを満たすように過酸化水素添加率Dnを演算し、薬注ポンプ6における過酸化水素添加量Pnをフィードバック制御している。もちろん第1の実施形態と同様に、Zd及びZuは、Zlow≦Zd<Zu≦Zhiを満たす任意の範囲で設定、制御可能である。また、残留過酸化水素濃度の上限目標値Zuのみを設定し、例えばZu=0.1mg/Lとして処理水中の残留過酸化水素濃度を0.1mg/L以下に制御することも可能である。
【0064】
かくして、本発明に係る過酸化水素の残留濃度制御装置の第3の実施形態によれば、処理水中に残留する過酸化水素濃度を、0.05mg/L以上1.0mg/L以下の範囲で任意に設定、制御できるため、反応に寄与しない余分な過酸化水素の添加が抑制され、薬注コストを削減することができる。また河川など公共水域に放流される場合でも、処理水中の過酸化水素濃度を、生物環境に悪影響を及ぼすことがない濃度以下に制御することができる。このため、本実施形態では難分解性有機物等に対する処理効果の向上を達成しつつ第1の実施形態や第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0065】
さらに第1の実施形態の効果に加えて残留溶存オゾン濃度も低減できるため、残貿過酸化水素濃度制御との相乗効果により、河川など公共水に放流される処理水が生物環境に及ぼす影響をさらに低減できる。また紫外線処理を併用することにより未吸収の排オゾンガスの分解が促進され、排オゾン吸収率の向上が期待できる。
【0066】
以上により、促進酸化処理システムにおける薬注コストの削減と、生物環境に与える影響の低減とを併せた効率的な処理が達成される。
【0094】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、過酸化水素の有する酸化力と生物阻害性を用いて、微生物に対する過酸化水素の有害性(活性低下、呼吸阻害等)応答を利用したバイオセンサーを応用したり、あるいは、残留過酸化水素濃度に起因する酸化還元電位(ORP)を指標としたりして、処理水中の残留過酸化水素濃度を一定値以下又は、一定範囲内に制御する過酸化水素の残留濃度制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る過酸化水素の残留濃度制御装置の第1の実施形態の制御系統図。
【図2】 図1に示した第1の実施形態の動作を説明するために、エネルギー源の有無と過酸化水素濃度に対応するバイオセンサーの出力と時間との関係示した線図。
【図3】 バイオセンサーの過酸化水素濃度に対する応答性を示したグラフ。
【図4】 本発明に係る過酸化水素の残留濃度制御装置の第2の実施形態の制御系統図。
【図5】 本発明に係る過酸化水素の残留濃度制御装置の第3の実施形態の制御系統図。
【図6】 従来の各種の促進酸化処理工程を示した工程図。
【符号の説明】
1 砂ろ過槽
2 過酸化水素添加槽
3 過酸化水素貯留槽
4 オゾン反応槽
5 紫外線反応槽
6 薬注ポンプ
7 バイオセンサー
8 流量計
9 制御装置
10 酸化還元電位計

Claims (3)

  1. 過酸化水素添加槽にて被処理水に過酸化水素を添加し、オゾン反応槽にて前記過酸化水素添加槽から流出する被処理水にオゾンガスを供給して被処理水とオゾンガスとを気液接触させて処理水における過酸化水素の残留濃度を制御する過酸化水素の残留濃度制御装置において、
    前記過酸化水素添加槽に対する過酸化水素の添加量の制御が可能な薬注ポンプと、
    被処理水の流量を検出する流量計と、
    微生物膜に鉄酸化細菌を固定したものを用い、前記オゾン反応槽から流出する処理水の過酸化水素濃度に対応する信号を出力するバイオセンサーと、
    前記バイオセンサーの出力信号と前記流量計の流量信号とに基づいて、処理水の過酸化水素の残留濃度を所定値以下にする過酸化水素添加量を演算し、この演算結果に従って過酸化水素が添加されるように前記薬注ポンプを制御する制御装置と、
    を備えたことを特徴とする過酸化水素の残留濃度制御装置。
  2. 過酸化水素添加槽にて被処理水に過酸化水素を添加し、紫外線反応槽にて前記過酸化水素添加槽から流出する被処理水に紫外線を照射して被処理水中に生じるヒドロキシラジカルの生成を促進させて処理水における過酸化水素の残留濃度を制御する過酸化水素の残留濃度制御装置において、
    前記過酸化水素添加槽に対する過酸化水素の添加量の制御が可能な薬注ポンプと、
    被処理水の流量を検出する流量計と、
    微生物膜に鉄酸化細菌を固定したものを用い、前記紫外線反応槽から流出する処理水の過酸化水素濃度に対応する信号を出力するバイオセンサーと、
    前記バイオセンサーの出力信号と前記流量計の流量信号とに基づいて、処理水の過酸化水素の残留濃度を所定値以下にする過酸化水素添加量を演算し、この演算結果に従って過酸化水素が添加されるように前記薬注ポンプを制御する制御装置と、
    を備えたことを特徴とする過酸化水素の残留濃度制御装置。
  3. 過酸化水素添加槽にて被処理水に過酸化水素を添加し、オゾン反応槽にて前記過酸化水素添加槽から流出する被処理水にオゾンガスを供給して被処理水とオゾンガスとを気液接触させ、紫外線反応槽にて前記オゾン反応槽から流出する被処理水に紫外線を照射して被処理水中に生じるヒドロキシラジカルの生成を促進させて処理水における過酸化水素の残留濃度を制御する過酸化水素の残留濃度制御装置において、
    前記過酸化水素添加槽に対する過酸化水素の添加量の制御が可能な薬注ポンプと、
    被処理水の流量を検出する流量計と、
    微生物膜に鉄酸化細菌を固定したものを用い、前記紫外線反応槽から流出する処理水の過酸化水素濃度に対応する信号を出力するバイオセンサーと、
    前記バイオセンサーの出力信号と前記流量計の流量信号とに基づいて、処理水の過酸化水素の残留濃度を所定値以下にする過酸化水素添加量を演算し、この演算結果に従って過酸化水素が添加されるように前記薬注ポンプを制御する制御装置と、
    を備えたことを特徴とする過酸化水素の残留濃度制御装置。
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