JP2005310454A - 電解質及び電解質膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プロトン伝導性を有し、機械的な強度及び耐熱性に優れ、水が共存する環境下で長時間使用した場合であってもプロトン伝導性が低下することのない電解質及び電解質膜を提供すること。
【解決手段】 本発明に係る電解質は、イオン伝導性を持つメタロキサンポリマと、該メタロキサンポリマを補強する補強材とを備えている。この場合、前記メタロキサンポリマは、M−O−M結合(M、Mは、金属元素)を有し、かつ、3次元架橋構造を有する高分子鎖と、該高分子鎖に第1の有機基を介して結合している酸基と、その一端が前記高分子鎖に結合している第2の有機基とを備えているものが好ましい。また、本発明に係る電解質膜は、本発明に係る電解質からなる1又は2以上の第1の層を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電解質及び電解質膜に関し、さらに詳しくは、燃料電池、水電解装置、ハロゲン化水素酸電解装置、食塩電解装置、水素及び/又は酸素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等に用いられる電解質膜、触媒層内電解質等として好適な電解質及び電解質膜に関する。
固体高分子型燃料電池や水電解装置などの各種電気化学デバイスには、プロトン伝導性を有する各種の電解質膜が用いられている。この種の電解質膜は、通常、その両面に電極を接合した膜電極接合体(MEA)の状態で使用される。また、固体高分子型燃料電池において、電極は、一般に、拡散層と触媒層の二層構造をとる。拡散層は、触媒層に反応ガス及び電子を供給するためのものであり、カーボン繊維、カーボンペーパー等が用いられる。また、触媒層は、電極反応の反応場となる部分であり、一般に、電極触媒と固体高分子電解質との複合体からなる。
このような各種電気化学デバイスに用いられる電解質としては、デュポン社製ナフィオン(登録商標)に代表される各種のフッ素系固体高分子電解質や、各種の炭化水素系固体高分子電解質が知られている。しかしながら、従来の固体高分子電解質は、耐熱性や強度が低いために、熱効率の向上やCOによる触媒被毒の低減に有利な高温での使用が困難であるという問題があった。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、アルコキシシラン類(例えば、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン)とプロトン伝導性付与剤(例えば、タングストリン酸)とを繊維材料(例えば、ガラス繊維紙)に含浸させ、アルコキシシラン類を重縮合させることにより得られるプロトン伝導性膜が開示されている。同文献には、3次元架橋構造体と繊維材料とを複合化することによって膜強度が向上する点、及び、プロトン伝導性付与剤としてタングストリン酸等のヘテロポリ酸を用いると、ヘテロポリ酸が物理的に架橋構造内に閉じこめられ、酸の散逸を防ぐことができる点が記載されている。
また、特許文献2には、ジアルキルシロキサン構造(アルキル基の炭素数は4以下)を有する主鎖に対し、ジアルキルシロキサン構造(アルキル基の炭素数は4以下)を有する側鎖をグラフト重合し、側鎖の末端にスルホン化したフェニル基を導入したプロトン伝導材料が開示されている。同文献には、炭素−炭素結合よりも結合エネルギの高いケイ素−酸素結合やケイ素−炭素結合を持つ高分子材料を用いることによって、プロトン伝導材料の耐熱性が向上する点が記載されている。
特開2003−100316号公報の段落番号「0062」 特開2003−331645号公報
特許文献1に記載されたプロトン伝導性膜は、3次元架橋構造体が繊維材料で補強されているので、高い強度及び耐熱性を示す。しかしながら、特許文献1に記載されたプロトン伝導性膜の場合、プロトン伝導性付与剤が3次元架橋構造体に共有結合していないため、燃料電池のように水が共存する環境下で長時間使用すると、膜からプロトン伝導性付与剤が徐々に散逸し、膜のプロトン伝導度が低下するという問題がある。
また、単にアルコキシシラン類を重縮合させることにより得られる3次元架橋構造体は、強度は高いが、柔軟性に乏しいという欠点がある。そのため、このような電解質膜を用いてMEAを作製しても、電極との間に良好な接合状態が得られない場合がある。
さらに、各種電気化学デバイスにおいて、電解質膜は、部分的に異なる環境に曝される場合がある。例えば、燃料電池において、一般に、アノード側は乾燥状態となりやすく、カソード側は湿潤状態となりやすい。このような場合において、膜厚方向の組成が均一である電解質膜を用いてMEAを作製すると、アノード側ではドライアップが、また、カソード側ではフラッディングが生じやすくなり、高い出力は得られない。
本発明が解決しようとする課題は、プロトン伝導性を有し、かつ、機械的な強度及び耐熱性に優れた電解質及び電解質膜を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、水が共存する環境下で長時間使用した場合であってもプロトン伝導性が低下することのない電解質及び電解質膜を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、強度及び耐久性を低下させることなく、電極との接合性に優れた電解質膜を提供することにある。さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、部分的に異なる環境に曝される場合であっても、優れた特性を示す電解質膜を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る電解質は、イオン伝導性を持つメタロキサンポリマと、該メタロキサンポリマを補強する補強材とを備えていることを要旨とする。この場合、前記メタロキサンポリマは、M−O−M結合(M、Mは、金属元素)を有し、かつ、3次元架橋構造を有する高分子鎖と、該高分子鎖に第1の有機基を介して結合している酸基と、その一端が前記高分子鎖に結合している第2の有機基とを備えているものが好ましい。
また、本発明に係る電解質膜は、本発明に係る電解質からなる1又は2以上の第1の層を備えていることを要旨とする。この場合、電解質膜は、1又は2以上の前記第1の層と、前記メタロキサンポリマを含む1又は2以上の第2の層との積層体であっても良い。
イオン伝導性を持つメタロキサンポリマと補強材とを複合化させると、機械的な強度及び耐熱性が向上する。また、高分子鎖に第1の有機基を介して酸基が共有結合しているメタロキサンポリマは、酸基が散逸するおそれがないので、水が共存する環境下で長時間使用してもプロトン伝導性が低下することがない。また、高分子鎖に結合している第2の有機基の種類及び量を最適化すると、メタロキサンポリマに適度な柔軟性を付与することができる。さらに、このような電解質を膜状に成形し、あるいは、このような電解質からなる1又は2以上の第1の層と、所定の組成を有するメタロキサンポリマを含む1又は2以上の第2の層とを所定の順序で積層すると、電極との接合性に優れ、あるいは、ドライアップやフラッディングによる出力低下が生じにくい電解質膜が得られる。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。本発明に係る電解質は、イオン伝導性を持つメタロキサンポリマと、補強材とを備えている。
本発明において、「メタロキサンポリマ」とは、分子内のいずれかにメタロキサン結合(M−O−M結合)を有し、かつ、3次元架橋構造を備えているポリマをいう。メタロキサン結合を構成する金属元素M、Mは、特に限定されるものではないが、Si、Ti、Zr等の4価の金属元素が好適である。メタロキサン結合を構成する金属元素M、Mは、同一であっても良く、あるいは、異なっていても良い。特に、金属元素M、MがSiであるもの、すなわち、シロキサン結合(Si−O−Si結合)を含むシロキサンポリマは、耐熱性に優れ、しかも安価であるので、本発明に係る電解質を構成するメタロキサンポリマとして好適である。
また、「3次元架橋構造」とは、メタロキサン結合を含む2以上の高分子鎖が少なくとも1つの架橋点において結合している構造をいう。架橋点の構造は、特に限定されるものではなく、種々の構造を取ることができる。例えば、2以上の高分子鎖がメタロキサン結合により架橋されていても良く、あるいは、2以上の高分子鎖が2価の有機基(例えば、−C2n−等)により架橋されていても良い。一般に、架橋点の数が多くなるほど、強度及び耐熱性は向上するが、成膜性、柔軟性等は低下する傾向がある。
「イオン伝導性を持つメタロキサンポリマ」とは、メタロキサン結合を含む高分子鎖に、第1の有機基を介して酸基が結合しているものをいう。第1の有機基としては、具体的には、フェニル基(−C−)、アルキル基(−C2n−、nは1以上20以下の整数)、それらの誘導体等が挙げられる。
また、酸基としては、具体的には、スルホン酸基(−SOH)、カルボン酸基(−COOH)、ホスホン酸基(−PO)等が挙げられる。
高分子鎖には、これらの内、いずれか1種類の第1の有機基を介して、いずれか1種の酸基が結合していても良く、あるいは、1種又は2種以上の第1の有機基を介して、1種又は2種以上の酸基が結合していても良い。
イオン伝導性を持つメタロキサンポリマとしては、具体的には、その分子内に以下のような構造を備えているものが好ましい。メタロキサンポリマには、これらの内、いずれか1種が含まれていても良く、あるいは、2種以上が含まれていても良い。
(1)−M−O−M(CSOH)−、
(2)−M−O−M(CCOOH)−、
(3)−M−O−M(CPO)−、
(4)−M−O−M(C2nSOH)−、
(5)−M−O−M(C2nCOOH)−、
(6)−M−O−M(C2nPO)−
(但し、(M、M)=(Si、Si)、(Ti、Ti)、(Zr、Zr)、
(Si、Ti)、(Si、Zr)、(Ti、Zr)、
(Ti、Si)、(Zr、Si)、(Zr、Ti)等)
また、本発明において、メタロキサンポリマは、その一端が高分子鎖に結合している第2の有機基をさらに備えている。第2の有機基としては、具体的には、アルキル基(−C2n+1、nは3以上20以下の整数)、部分フッ素化アルキル基(−C2n2m+1)、それらの誘導体等が挙げられる。高分子鎖には、これらの内、いずれか1種の第2の有機基が結合していても良く、あるいは、2種以上の第2の有機基が結合していても良い。
一般に、第2の有機基に含まれる炭素数が多くなるほど、メタロキサンポリマの成膜性、柔軟性は向上するが、強度及び耐熱性は低下する傾向がある。例えば、第2の有機基がアルキル基である場合において、適度な成膜性、柔軟性を有する電解質を得るためには、第2の有機基の炭素数は、少なくとも、3以上が好ましく、さらに好ましくは、6以上、さらに好ましくは、8以上である。一方、第2の有機基がアルキル基である場合において、強度及び耐熱性に優れた電解質を得るためには、第2の有機基の炭素数は、最大でも20以下が好ましい。
高分子鎖に含まれる第1の有機基、酸基、及び第2の有機基の種類及び量は、電解質の用途、要求特性等に応じて最適なものを選択する。一般に、高分子鎖に含まれる酸基の量が多くなるほど、及び/又は、酸基の酸性度が高くなるほど、高いプロトン伝導性を有する電解質が得られる。また、一般に、高分子鎖に含まれる第2の有機基の量が多くなるほど成膜性、柔軟性等は向上するが、プロトン伝導度、強度及び耐熱性は低下する傾向がある。
本発明に係る電解質を燃料電池等の各種電気化学デバイスの電解質膜、触媒層内電解質として用いる場合において、高い性能を得るためには、酸基の量は、25℃、水中における電気伝導度に換算して0.01S/cm以上が好ましく、さらに好ましくは、0.05S/cm以上、さらに好ましくは、0.1S/cm以上である。
また、適度な柔軟性と相対的に高いプロトン伝導度とを備えた電解質を得るためには、第1の有機基1モルに対する第2の有機基のモル比は、0.01以上0.8以下が好ましく、さらに好ましくは、0.05以上0.5以下、さらに好ましくは、0.1以上0.4以下である。
補強材は、メタロキサンポリマを補強するためのものである。メタロキサンポリマをイオン伝導体として機能させるためには、補強材は、少なくとも、メタロキサンポリマの連続性を保つことが可能なものであればよい。すなわち、補強材は、多孔材料、自立した繊維材料、自立していない短繊維材料等が好適である。補強材の形状は、特に限定されるものではなく、膜状、粒状、ハニカム構造体等、種々の形状を有するものを用いることができる。メタロキサンポリマは、多孔材料の気孔内部、あるいは、繊維材料若しくは短繊維材料の繊維間に導入される。
補強材は、電子伝導性を有する材料であっても良く、あるいは、電子絶縁性を有する材料であっても良い。但し、本発明に係る電解質を膜状に成形する場合において、膜の両面に電極を接合するときには、補強材は、電子絶縁性を有する材料が好ましい。補強材が電子伝導性を有する材料であると、MEAを作製したときに補強材と両側の電極が接触し、短絡するおそれがあるので好ましくない。
補強材としては、具体的には、
(1)四フッ化エチレン樹脂多孔質膜、ポリエチレン多孔膜、ポリイミド多孔膜等の多孔材料、
(2)ガラス繊維紙等の繊維材料、
(3)フィブリル繊維等の短繊維材料
が挙げられる。
電解質に含まれる補強材の量は、メタロキサンポリマの組成、補強材の種類、電解質に要求される特性等に応じて最適な量を選択する。一般に、電解質全体に占める補強材の割合が多くなるほど、イオン伝導性は低下するが、強度及び耐熱性は向上する。電解質に占める補強材の割合は、電解質全体に渡って均等であっても良く、あるいは、部分的に異なっていても良い。
さらに、本発明に係る電解質は、メタロキサンポリマと補強材のみからなるものであっても良く、あるいは、メタロキサンポリマ及び補強材に加えて、第3成分が含まれていても良い。第3成分としては、具体的には、
(1)パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマ(例えば、ナフィオン(登録商標)等)、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系ポリマ、ポリスルホンスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルスルホン酸等の各種フッ素系又は炭化水素系固体高分子電解質、
(2)ポリテトラフルオロエチレン等の各種高分子材料、等が挙げられる。
電解質に占める第3成分の割合は、特に限定されるものではなく、第3成分の種類、電解質の用途、要求特性等に応じて、最適な割合を選択すればよい。
次に、本発明に係る電解質の製造方法について説明する。イオン伝導性を有するメタロキサンポリマは、以下のような方法により製造することができる。
まず、第1の有機基を備えた第1のメタロキサンモノマと、第2の有機基を備えた第2のメタロキサンモノマとを含む溶液を調整する(溶液調整工程)。
ここで、「第1のメタロキサンモノマ」とは、重縮合させることにより、メタロキサン結合を形成し、メタロキサンポリマとなるものであって、分子内に第1の有機基を備えているものをいう。第1のメタロキサンモノマは、第1の有機基のみを備えたものであっても良く、あるいは、第1の有機基を介して酸基が結合しているものであっても良い。
第1のメタロキサンモノマは、具体的には、次の(1)式に示すものが好適である。
−M−(OR) ・・・(1)
ここで、Rは、フェニル基(−C)、アルキル基(−C2n+1、nは1以上20以下の整数)、それらの誘導体等の第1の有機基、又は、これらに含まれる水素原子がスルホン酸基(−SOH)、カルボン酸基(−COOH)、ホスホン酸基(−PO)等の酸基で置換されたもの、
Mは、Si、Ti、Zr等の4価の金属元素、
ORは、メトキシ基(−OCH)、エトキシ基(−OC)、プロポキシ基(−OC)、ブトキシ基(−OC)等のアルコキシ基、又は、水酸基(−OH)である。
第1の有機基のみを備えた第1のメタロキサンモノマとしては、具体的には、フェニルトリメトキシシラン(CSi(OCH))、フェニルトリエトキシシラン(CSi(OC))、フェネチルトリメトキシシラン(CCHCHSi(OCH))、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のSi系モノマ等が挙げられる。
第1の有機基を介して酸基が結合している第1のメタロキサンモノマとしては、具体的には、(トリヒドロキシシリル)プロピルスルホン酸(HOSCSi(OH))、ジエチルホスファイトエチルトリエトキシシラン((CO)POCHCHSi(OC))等のSi系モノマ、等が挙げられる。
また、「第2のメタロキサンモノマ」とは、重縮合させることにより、メタロキサン結合を形成し、メタロキサンポリマとなるものであって、分子内に第2の有機基を備えているものをいう。
第2のメタロキサンモノマは、具体的には、次の(2)式に示すものが好適である。
−M−(OR) ・・・(2)
ここで、Rは、アルキル基(−C2n+1、nは3以上20以下の整数)、部分フッ素化アルキル基(−C2n2m+1)、それらの誘導体等の第2の有機基、
Mは、Si、Ti、Zr等の4価の金属元素、
ORは、上述したアルコキシ基又は水酸基である。
第2の有機基を備えた第2のメタロキサンモノマとしては、具体的には、ヘキシルトリメトキシシラン(C13Si(OCH))、n−オクタデシルトリメトキシシラン(CH(CH)16CHSi(OCH))、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン(CF(CF)CHCHSi(OC))等のSi系モノマ、等が挙げられる。
また、溶液中には、第1のメタロキサンモノマ及び第2のメタロキサンモノマのみが含まれていても良く、あるいは、第3のメタロキサンモノマ及び/又は上述した第3成分がさらに含まれていても良い。
「第3のメタロキサンモノマ」とは、メタロキサン結合を生成することが可能な2以上の官能基を有するモノマをいう。一般に、第1のメタロキサンモノマに含まれる第1の有機基、及び/又は、第2のメタロキサンモノマに含まれる第2の有機基が大きくなるほど、立体障害によってメタロキサン結合が形成されにくくなるが、第3のメタロキサンモノマを添加すると、メタロキサン結合の生成を容易化することができる。
第3のメタロキサンモノマは、具体的には、次の(3)式に示すものが好適である。
(R)−M−(OR)4−m ・・・(3)
ここで、Rは、アルキル基(−C2n+1、nは0以上6以下の整数)、部分フッ素化アルキル基(−C2nm'2m'+1、n=0以上2以下、m’=0以上4以下)、又は、それらの誘導体等の第3の有機基、
Mは、Si、Ti、Zr等の4価の金属元素、
ORは、上述したアルコキシ基又は水酸基、
mは、0以上3以下の整数である。
なお、mが2又は3である場合、第3のメタロキサンモノマに含まれる2つ又は3つのRは、互いに同一であっても良く、あるいは、異なっていても良い。
第3の有機基を備えた第3のメタロキサンモノマとしては、具体的には、
(1)テトラエトキシシラン(Si(OC))、メチルトリエトキシシラン(CHSi(OC))、ジメチルジエトキシシラン((CH)Si(OC))等のSi系モノマ、
(2)チタニウムイソブトキシド(Ti(iOC))、チタニウムジイソプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)等のTi系モノマ、
(3)ジルコニウムn−ブトキシド(Zr(OC))等のZr系モノマ、
等が挙げられる。
第3のメタロキサンモノマに第3の有機基が含まれる場合において、メタロキサン結合の生成を容易化するためには、第3の有機基の炭素数は少ない方が好ましい。第3の有機基がアルキル基である場合、その炭素数は、具体的には、6以下が好ましく、さらに好ましくは、3以下、さらに好ましくは、2以下である。
第1のメタロキサンモノマ、第2のメタロキサンモノマ、及び、必要に応じて添加される第3のメタロキサンモノマの種類、比率等は、特に限定されるものではなく、電解質の用途、要求特性等に応じて最適なものを選択する。
一般に、第1のメタロキサンモノマの比率が多くなるほど、イオン伝導性に優れた電解質が得られる。また、第2のメタロキサンモノマの比率が多くなるほど、成膜性、柔軟性に優れた電解質が得られる。
また、第2のメタロキサンモノマに含まれる第2の有機基の炭素数が多くなるほど、成膜性、柔軟性に優れた電解質が得られる。さらに、第3のメタロキサンモノマを用いる場合において、第3のメタロキサンモノマに含まれる第3の有機基の数が多くなるほど、成膜性、柔軟性に優れた電解質が得られる。
適度な柔軟性と相対的に高い電気伝導度を備えた電解質を得るためには、第1のメタロキサンモノマ1モルに対する第2のメタロキサンモノマのモル比は、0.01以上0.8以下が好ましく、さらに好ましくは、0.05以上0.5以下、さらに好ましくは、0.1以上0.4以下である。
また、第1のメタロキサンモノマ及び第2のメタロキサンモノマに加えて、第3のメタロキサンモノマを用いる場合において、メタロキサン結合の形成を容易化するためには、第1のメタロキサンモノマ1モルに対する第3のメタロキサンモノマのモル比は、0.01以上0.8以下が好ましく、さらに好ましくは、0.05以上0.5以下、さらに好ましくは、0.1以上0.4以下である。
第1のメタロキサンモノマ、第2のメタロキサンモノマ、並びに、必要に応じて添加される第3のメタロキサンモノマ及び第3成分を溶解させる溶媒は、特に限定されるものではなく、これらを安定に溶解可能なものであればよい。通常は、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類を用いる。溶液中のメタロキサンモノマ及び第3成分の濃度は、特に限定されるものではなく、メタロキサンモノマ及び第3成分の種類、電解質の用途、要求特性等、目的に応じて任意に選択することができる。
さらに、メタロキサンモノマを含む溶液には、所定量の酸又は塩基を加える。溶液に酸又は塩基を加えると、メタロキサンモノマが加水分解し、重縮合反応しやすくなる。酸又は塩基の種類及び量は、特に限定されるものではなく、メタロキサンモノマの種類、溶液の組成等に応じて最適なものを選択する。
次に、メタロキサンモノマを含む溶液を調整した後、メタロキサンモノマを重縮合させる(重縮合工程)。これにより、メタロキサン結合が生成し、所定の組成を有するメタロキサンポリマが得られる。
メタロキサンモノマを重縮合させる方法としては、具体的には、
(1)メタロキサンモノマを含む溶液を室温で放置、又は、相対的に低温で所定時間加熱し、溶媒を除去した後、所定の温度で所定時間加熱する方法、
(2)メタロキサンモノマを含む溶液を所定の温度で所定時間、加熱する方法、
等がある。放置や加熱時、真空乾燥を行ってもよい。本発明においては、いずれの方法を用いても良い。
溶液を加熱する場合、加熱温度及び加熱時間は、重縮合反応が十分に進行するように、メタロキサンモノマの種類、溶液の組成等に応じて最適なものを選択する。一般に、溶液に含まれる酸若しくは塩基の量が多くなるほど、及び/又は、加熱温度が高くなるほど、短時間で重縮合反応を完了させることができる。
第1のメタロキサンモノマとして、第1の有機基のみを備えたものを用いた場合、メタロキサンポリマを生成させた後に、第1の有機基に酸基を導入する(酸基導入工程)。酸基の導入方法は、特に限定されるものではなく、第1の有機基の種類、酸基の種類等に応じて最適な方法を選択する。
例えば、第1の有機基がフェニル基である場合において、酸基がスルホン酸基であるときには、重縮合工程で得られた重縮合物を発煙硫酸に浸漬することにより、フェニル基にスルホン酸基を導入することができる。
また、例えば、第1の有機基がフェニル基である場合において、酸基がカルボン酸基であるときには、有機リチウムと二酸化炭素と反応させた後、酸でプロトン交換することにより、フェニル基にカルボン酸基を導入することができる。
例えば、第1の有機基がハロゲン化アルキル基である場合において、酸基がスルホン酸基であるときには、亜硫酸水素イオンと反応させた後、強酸でプロトン交換することにより、第1の有機基にスルホン酸基を導入することができる。
また、例えば、第1の有機基がメルカプトアルキル基である場合において、酸基がスルホン酸基であるときには、過酸化水素と反応することにより、第1の有機基にスルホン酸基を導入することができる。
また、例えば、第1の有機基がハロゲン化アルキル基である場合において、酸基がカルボン酸基であるときには、有機金属試薬、次に二酸化炭素と反応させ、酸でプロトン交換することにより、第1の有機基にカルボン酸基を導入することができる。
また、例えば、第1の有機基がアルキルホスホン酸ジエステル基である場合において、酸基がホスホン酸基であるときには、アルカリ加水分解、酸加水分解することにより、第1の有機基にホスホン酸基を導入することができる。
また、補強材とメタロキサンポリマとを含む複合体は、補強材が共存している状態でメタロキサンモノマを重縮合させることにより得られる。
例えば、補強材として、多孔材料あるいは自立した繊維材料を用いる場合、補強材にメタロキサンモノマを含む溶液を含浸させる。次いで、補強材の内部でメタロキサンモノマを重縮合させると、複合体が得られる。
また、例えば、補強材として、自立していない繊維材料を用いる場合、メタロキサンモノマを含む溶液に所定量の補強材を添加し、均一に分散させる。次いで、この溶液を適当な型内に入れ、あるいは、適当な基板表面に塗布し、メタロキサンモノマを重縮合させると、複合体が得られる。
次に、本発明に係る電解質膜について説明する。本発明に係る電解質膜は、本発明に係る電解質からなる1又は2以上の第1の層を備えている。「第1の層」とは、イオン伝導性を持つメタロキサンポリマと、これを補強する補強材とを備えた層をいう。第1の層の厚さは、特に限定されるものではなく、電解質膜の用途、要求特性等に応じて、任意に選択することができる。
本発明に係る電解質膜は、1つの第1の層のみからなるものであっても良く、あるいは、2以上の第1の層を含む積層体であっても良い。この場合、個々の第1の層に含まれるメタロキサンポリマ及び補強材の種類、組成、個々の第1の層の厚さ等は、同一であっても良く、あるいは、異なっていても良い。
例えば、電解質膜は、メタロキサンポリマの組成及び電解質に占める補強材の割合が同一又は異なる2以上の第1の層が所定の順序で積層された多層構造を備えたものであっても良い。
また、電解質膜は、
(1)強度及び耐熱性に優れたメタロキサンポリマ(例えば、相対的に架橋密度の高いもの、第2の有機基の炭素数が相対的に少ないもの、第2の有機基の量が相対的に少ないもの等)を含む第1の層と、
(2)柔軟性、成膜性に優れたメタロキサンポリマ(例えば、相対的に架橋密度の低いもの、第2の有機基の炭素数が相対的に多いもの、第2の有機基の量が相対的に多いもの等)を含む第1の層と
が積層された2層構造を備えたものでも良い。
また、電解質膜は、強度及び耐熱性に優れたメタロキサンポリマを含む第1の層の両面に、柔軟性、成膜性に優れたメタロキサンポリマを含む第1の層が積層された3層構造を備えたものでも良い。
さらに、電解質膜は、メタロキサンポリマの組成(すなわち、メタロキサンポリマに含まれる酸基の種類及び量、第2の有機基の種類及び量、第3の有機基の種類及び量、メタロキサン結合の種類等)、補強材の割合等が膜厚方向に沿って段階的に増加し又は減少するように、複数の第1の層が積層された傾斜構造を備えたものでも良い。
また、本発明に係る電解質膜は、1又は2以上の第1の層と、1又は2以上の第2の層との積層体であっても良い。「第2の層」とは、イオン伝導性を有するメタロキサンポリマを含み、かつ補強材を含まない層をいう。この場合、第1の層に含まれるメタロキサンポリマの組成と第2の層に含まれるメタロキサンポリマの組成とは、同一であっても良く、あるいは、異なっていても良い。また、第2の層には、メタロキサンポリマに加えて、上述した第3成分がさらに含まれていても良い。
例えば、電解質膜は、1又は2以上の第1の層と、第1の層に含まれるメタロキサンポリマと同一又は異なるの組成を有する1又は2以上の第2の層とが所定の順序で積層された多層構造を備えたものであっても良い。
また、電解質膜は、強度及び耐熱性に優れたメタロキサンポリマを含む第1の層の片面又は両面に、柔軟性、成膜性に優れたメタロキサンポリマからなる第2の層が積層された2層又は3層構造を備えたものであっても良い。
さらに、電解質膜は、メタロキサンポリマの組成(すなわち、メタロキサンポリマに含まれる酸基の種類及び量、第2の有機基の種類及び量、第3の有機基の種類及び量、メタロキサン結合の種類等)が膜厚方向に沿って段階的に増加し又は減少するように、1又は2以上の第1の層と、1又は2以上の第2の層とが所定の順序で積層された傾斜構造を備えたものであっても良い。
次に、本発明に係る電解質膜の製造方法について説明する。本発明に係る電解質膜は、種々の方法により作成することができる。
第1の方法は、第1の層のみからなる単層の電解質膜を作製する方法であり、メタロキサンモノマ及び補強材を含む第1の層を作製する工程と、第1の層に含まれるメタロキサンモノマを重縮合させる工程とを備えている。
例えば、補強材が多孔膜、ガラス繊維紙等の自立したシート状の繊維材料である場合、第1の層は、第1のメタロキサンモノマ及び第2のメタロキサンモノマ、並びに、必要に応じて第3のメタロキサンモノマ及び第3成分を含む溶液を補強材に含浸させることにより得られる。また、例えば、補強材が自立していない短繊維材料である場合、第1の層は、第1のメタロキサンモノマ等を含む溶液に補強材を添加し、均一に分散させ、次いでこの溶液を適当な型内に流し込み、又は、適当な基板表面に塗布することにより得られる。
メタロキサンモノマを重縮合させる方法は、特に限定されるものではなく、上述した各種の方法を用いることができる。第1の層に対して上述した種々の処理を施し、メタロキサンモノマを重縮合させると、メタロキサンポリマと補強材との複合体からなる電解質膜が得られる。
第2の方法は、2以上の第1の層からなる多層構造又は傾斜構造を有する電解質膜を作成する方法であり、メタロキサンモノマ及び補強材を含む2以上の第1の層を作製する工程と、2以上の第1の層を積層し、積層体を得る工程と、積層体をホットプレスする工程とを備えている。
まず、第1の方法と同様にして、2以上の第1の層を作製する。この場合、第1の層は、同一組成を有するものであっても良く、あるいは、異なる組成を有するものでも良い。また、得られた第1の層は、室温で所定時間放置し、又は、相対的に低温(例えば、50℃)で所定時間加熱し、メタロキサンモノマを加水分解した状態にするか、又は一部を重縮合(ゲル化)させる。
次に、得られた第1の層を所定の順序で積層し、積層体のホットプレスを行う。ホットプレス条件は、特に限定されるものではなく、メタロキサンモノマを含む溶液の組成、補強材の種類等に応じて、最適な条件を選択すればよい。例えば、Si系モノマを含む積層体の場合、0.1MPa以上10MPa以下の圧力を加えながら、80℃以上200℃以下の温度で1分以上10時間以下保持するのが好ましい。積層体のホットプレスを行うと、層間でメタロキサン結合が生成し、2以上の第1の層が強固に接合された電解質膜が得られる。
第3の方法は、1又は2以上の第1の層と、1又は2以上の第2の層からなる多層構造又は傾斜構造を有する電解質膜を作製する方法であり、メタロキサンモノマ及び補強材を含む1又は2以上の第1の層を作製する工程と、メタロキサンモノマを含む1又は2以上の第2の層を作製する工程と、第1の層及び第2の層を所定の順序で積層し、積層体を得る工程と、積層体をホットプレスする工程とを備えている。
まず、第1の方法と同様にして、1又は2以上の第1の層を作製する。2以上の第1の層を作製する場合、これらは、互いに同一組成を有するものであっても良く、あるいは、互いに異なる組成を有するものでも良い。また、また、第1の層は、室温で所定時間放置し、又は、相対的に低温で所定時間加熱し、メタロキサンモノマを加水分解した状態にするか、又は、一部を重縮合(ゲル化)させる。
これとは別に、第1のメタロキサンモノマ、第2のメタロキサンモノマ、並びに、必要に応じて第3のメタロキサンモノマ及び第3成分を含む溶液を適当な型内に流し込み、又は、適当な基板(例えば、ポリテトラフルオロエチレン基板)の表面に塗布して、1又は2以上の第2の層を作製する。次いで、第2の層を室温で所定時間放置し、又は、相対的に低温で所定時間加熱し、メタロキサンモノマを加水分解した状態にするか、又は、一部を重縮合(ゲル化)させる。
次に、得られた第1の層及び第2の層を所定の順序で積層し、積層体のホットプレスを行う。ホットプレス条件は、特に限定されるものではなく、メタロキサンモノマを含む溶液の組成、補強材の種類等に応じて、最適な条件を選択すれば良い点は、第2の方法と同様である。積層体のホットプレスを行うと、層間でメタロキサン結合が生成し、1又は2以上の第1の層と1又は2以上の第2の層とが強固に接合された電解質膜が得られる。
なお、上述した各種の方法において、第1のメタロキサンモノマが第1の有機基のみを含むものである場合、メタロキサンモノマを重縮合させた後(又は、ホットプレス後)、酸基の導入処理を行う。また、上述した第3の方法において、適当な基板表面に第2の層を形成する方法に代えて、第1の層の表面に直接、メタロキサンモノマを含む溶液を塗布し、第2の層を形成しても良い。
さらに、本発明に係る電解質及び電解質膜を用いて、MEAを作製することができる。このようなMEAは、具体的には、以下のような方法により作製することができる。
すなわち、まず、上述した各種の方法を用いて、電解質膜を作製する。次に、電極触媒又は電極触媒を担持した担体(例えは、Pt担持カーボンなど)を溶媒に分散させ、これに所定の組成を有するメタロキサンモノマを加える。この時、溶液中に、補強材として短繊維材料を加えても良い。また、ナフィオン(登録商標)などの他の電解質溶液を加えてもよい。次いで、電極触媒を含む溶液を電解質膜の表面、又は、カーボンペーパ、カーボン繊維等からなる拡散層の表面、その他、ポリテトラフルオロエチレンシートなどに塗布して、触媒層を形成する。さらに、電解質膜の両面を拡散層、又は、触媒層を形成したシートで挟持し、ホットプレスすれば、メタロキサンポリマを含む電解質膜及び触媒層内電解質を備えたMEAが得られる。
次に、本発明に係る電解質及び電解質膜の作用について説明する。本発明に係る電解質に含まれるメタロキサンポリマは、その分子内にメタロキサン結合及び3次元架橋構造を備えているので、従来の固体高分子電解質あるいはジアルキルシロキサン構造を備えた直線状の高分子に比べて、高い強度及び耐熱性を示す。しかも、本発明に係る電解質は、このようなメタロキサンポリマがさらに補強材により補強されているので、強度及び耐熱性がさらに向上する。
また、本発明に係る電解質は、メタロキサン結合を有する高分子鎖に、第1の有機基を介して酸基が結合しているので、水が共存する環境下で長時間使用した場合であっても、酸基が電解質から散逸するおそれがない。そのため、高いプロトン伝導性を長期間に渡って維持することができる。
また、3次元架橋構造を備えたメタロキサンポリマにおいて、一般に、架橋密度が高くなるほど、強度及び耐熱性は向上する。しかしながら、架橋密度が高くなりすぎると、柔軟性、成膜性が低下する。その結果、例えば、MEAを作製する際に電極との接合性が低下し、MEAの耐久性が低下する。
これに対し、メタロキサン結合を有する高分子鎖に第2の有機基を結合させ、かつ、第2の有機基の炭素数を最適化すると、電解質に適度な柔軟性、成膜性を付与することができる。同様に、第1のメタロキサンモノマ及び第2のメタロキサンモノマに加えて、第3のメタロキサンモノマを用いてメタロキサンポリマを生成させる場合において、第3のメタロキサンモノマに含まれる第3の有機基の数及び種類を最適化すると、架橋密度が適度に低下し、電解質に適度な柔軟性、成膜性を付与することができる。
さらに、このようなメタロキサンポリマを含む複数の層を積層して電解質膜とする場合において、各層の組成を最適化すると、電解質膜に種々の機能を付与することができる。例えば、強度及び耐熱性は高いが、相対的に柔軟性、成膜性に乏しい層の両面に、相対的に柔軟性、成膜性に富んだ層を接合すると、強度及び耐熱性が高く、しかも、電極との接合性に優れた電解質膜が得られる。
また、例えば、メタロキサンポリマを含む複数の層を積層する場合において、メタロキサンポリマに含まれる酸基の量を段階的に増加又は減少させると、酸基の量が膜厚方向に沿って段階的に増加又は減少している傾斜構造を有する電解質膜が得られる。そのため、保水性の高い面(酸基の多い面)がアノード側となるようにMEAを作製し、これを燃料電池に使用すれば、高温運転、あるいは、反応ガスへの加湿の軽減が可能となり、燃料電池システムを高効率化することができる。
(実施例1)
フェニルトリエトキシシラン(CSi(OC))4.8g、ヘキシルトリメトキシシラン(C13Si(OCH))0.8g、及び、テトラエトキシシラン(Si(OC))0.8gを3.2mlのエタノールに溶解させ、これに濃度37%の塩酸0.6mlを加え、溶液(A)を得た。この溶液(A)に四フッ化エチレン樹脂多孔膜(日東電工(株)製、膜厚15μm)を浸漬し、50℃で真空乾燥する操作を、膜の厚さが約40μmとなるまで繰り返した。得られた膜を130℃で加熱し、メタロキサンポリマを生成させた。さらに、この膜を発煙硫酸に室温で一晩浸漬し、フェニル基をスルホン化した。
(実施例2)
フェニルトリエトキシシラン(CSi(OC))4.8g、ヘキシルトリメトキシシラン(C13Si(OCH))0.8g、及び、ジメチルジエトキシシラン((CH)Si(OC))0.6gを3.2mlのエタノールに溶解させ、これに濃度37%の塩酸0.6mlを加えて、溶液(B)を得た。この溶液(B)に四フッ化エチレン樹脂多孔膜(日東電工(株)製、膜厚15μm)を浸漬し、50℃で真空乾燥する操作を、膜の厚さが約40μmとなるまで繰り返した。得られた膜を130℃で加熱し、メタロキサンポリマを生成させた。さらに、この膜を発煙硫酸に室温で一晩浸漬し、フェニル基をスルホン化した。
(実施例3)
フェニルトリエトキシシラン(CSi(OC))4.8g、ヘキシルトリメトキシシラン(C13Si(OCH))0.8g、及び、テトラエトキシシラン(Si(OC))0.8gを3.2mlのエタノールに溶解させ、これに濃度37%の塩酸0.6mlを加え、溶液(A)を得た。この溶液(A)に四フッ化エチレン樹脂多孔膜(日東電工(株)製、膜厚15μm)を浸漬し、50℃で真空乾燥する操作を、膜の厚さが約20μmとなるまで繰り返し、膜(A)を得た。
次に、溶液(A)をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シャーレ中で静置して乾固させ、厚さ10μmの膜(B)を得た。次いで、膜(A)の両面を膜(B)で挟み、温度:130℃、圧力:4.9MPa、加圧時間:20分でホットプレスを行い、メタロキサンポリマの生成及び接合を行った。さらに、この膜を発煙硫酸に室温で一晩浸漬し、フェニル基をスルホン化した。
(実施例4)
フェニルトリエトキシシラン(CSi(OC))4.8g、ヘキシルトリメトキシシラン(C13Si(OCH))0.8g、及び、テトラエトキシシラン(Si(OC))0.8gを3.2mlのエタノールに溶解させ、これに濃度37%の塩酸0.6mlを加え、溶液(A)を得た。この溶液(A)に四フッ化エチレン樹脂多孔膜(日東電工(株)製、膜厚15μm)を浸漬し、50℃で真空乾燥する操作を、膜の厚さが約20μmとなるまで繰り返し、膜(A)を得た。
次に、フェニルトリエトキシシラン(CSi(OC))5.3g、ヘキシルトリメトキシシラン(C13Si(OCH))0.8g、及び、テトラエトキシシラン(Si(OC))0.8gを3.2mlのエタノールに溶解させ、これに濃度37%の塩酸0.6mlを加え、溶液(B)を得た。この溶液(B)をPTFEシャーレ中で静置して乾固させ、厚さ10μmの膜(B)を得た。
次に、フェニルトリエトキシシラン(CSi(OC))4.3g、ヘキシルトリメトキシシラン(C13Si(OCH))0.8g、及び、テトラエトキシシラン(Si(OC))0.8gを3.2mlのエタノールに溶解させ、これに濃度37%の塩酸0.6mlを加え、溶液(C)を得た。この溶液(C)をPTFEシャーレ中で静置して乾固させ、厚さ10μmの膜(C)を得た。
次に、膜(A)の両面を、それぞれ、膜(B)及び膜(C)で挟み、温度:130℃、圧力:4.9MPa、加圧時間:20分でホットプレスを行い、メタロキサンポリマの生成及び接合を行った。さらに、この膜を発煙硫酸に室温で一晩浸漬し、フェニル基をスルホン化した。
(比較例1)
市販のナフィオン(登録商標)膜N112(デュポン社製)を1.0MのHSOで1時間煮沸した後、純水で1時間煮沸し、80℃で4時間真空乾燥した。
実施例1〜4、及び、比較例1で得られた膜について、交流インピーダンス法によりプロトン伝導度を測定した。表1にその結果を示す。表1より、実施例1〜4で得られた電解質膜は、市販のナフィオン(登録商標)膜とほぼ同等のプロトン伝導度を示すことがわかる。
Figure 2005310454
また、実施例1及び比較例1で得られた膜について、クリープ試験を行った。なお、クリープ試験は、引張試験機(インストロン5564)を用い、120℃乾燥条件下において試験片に荷重8kg/cm(0.78MPa)を加え、5時間後の伸びを測定した。また、サンプルサイズ幅は5mmとし、チャック間距離は20mmとした。
図1に、クリープ特性を示す。市販のナフィオン(登録商標)膜は、1時間後に伸びが100%を超えているのに対し、実施例1で得られた膜は、5時間経過後も伸びがほとんど生じていないことがわかる。これは、メタロキサンポリマの耐熱性が高いことに加えて、メタロキサンポリマが補強材によって補強されているためである。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る電解質は、特に、固体高分子型燃料電池用の電解質膜として好適であるが、本発明の用途は、これに限定されるものではなく、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等に用いられる電解質膜、触媒層内電解質としても使用できる。
実施例1及び比較例1で得られた膜のクリープ特性を示す図である。

Claims (6)

  1. イオン伝導性を持つメタロキサンポリマと、
    該メタロキサンポリマを補強する補強材とを備えた電解質。
  2. 前記メタロキサンポリマは、
    −O−M結合(M、Mは、金属元素)を有し、かつ、3次元架橋構造を有する高分子鎖と、
    該高分子鎖に第1の有機基を介して結合している酸基と、
    その一端が前記高分子鎖に結合している第2の有機基とを備えている請求項1に記載の電解質。
  3. 前記M−O−M結合は、Si−O−Si結合である請求項1又は2に記載の電解質。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載の電解質からなる1又は2以上の第1の層を備えた電解質膜。
  5. 1又は2以上の前記第1の層と、
    請求項1から3までのいずれかに記載のメタロキサンポリマを含む1又は2以上の第2の層との積層体からなる請求項4に記載の電解質膜。
  6. 2以上の前記第1の層、又は、前記第1の層及び前記第2の層を含む積層体からなり、各層に含まれる前記メタロキサンポリマの組成が異なっている請求項4又は5に記載の電解質膜。
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