JP2005309983A - ガス制御弁および燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 自励振動の発生を防止できると共にヒステリシスが小さい調圧特性が実現できるガス制御弁および異音が小さく、かつガス制御特性に優れた燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 ダイヤフラム3を内蔵するガス制御弁1において、ダイヤフラム3は複数のシート31、32が非接合状態で積層されているガス制御弁1および燃料ガス通路5、燃料オフガス通路105、酸化剤ガス通路103、酸化剤オフガス通路106の少なくとも一つに上記のガス制御弁1が設けられていることを特徴とする燃料電池システム。
【選択図】 図1

Description

本発明はガス制御弁および燃料電池システムに関する。
燃料電池システムの燃料ガス減圧用のガス減圧弁(ガス制御弁の1種)として、ダイヤフラムを使用しその受圧力と上下のばねの付勢力によりバルブ開度を調整する減圧弁を使用している。この場合、急激な流量変化が発生すると、バルブ開口部周辺やダイヤフラムが流体エネルギーの影響を受け自励振動する。また、それに伴いバルブやダイヤフラムが発生源となる異音が発生する。
特許文献1には、ダイヤフラムの撓みに応じて弁孔の軸線方向に往復動することを可能として弁ハウジングに摺動自在に嵌合される往復動部材の摺動部に弾発的に摺接する複数のリング部材(Oリング)を設けたガス用減圧弁が開示されている。このものは、弁ハウジングの一方に装着された複数のリング部材が往復動部材および弁ハウジングの他方に弾発的に摺接するので、コイルばねによる自励振動に対抗する摺動抵抗を得ることができ、自励振動を極力抑止できるとされている。
特開平11−270715号公報(段落番号〔0006〕、〔0007〕) しかしながら、特許文献1の方法では、摺動抵抗によるヒステリシスが大きくなるという欠点がある。
本発明は上記課題を解決したもので、自励振動の発生を防止できると共にヒステリシスが小さい調圧特性が実現できるガス制御弁および異音が小さく、かつガス制御特性に優れた燃料電池システムを提供する。
上記技術的課題を解決するために、請求項1の発明では、ダイヤフラムを内蔵するガス制御弁において、前記ダイヤフラムはヤング率が異なる複数のシートが非接合状態で積層されていることを特徴とするガス制御弁としている。
請求項2の発明では、前記複数のシートは、金属、樹脂、ゴム、エラストマーのうち少なくとものいずれか2つを選んだ材料の組合せが含まれていることを特徴とする請求項1記載のガス制御弁としている。ここでいう材料の組合せとは、複数のシートのうち、一つのシートが金属、樹脂、ゴム、エラストマーのいずれかの材料であり、そのシート以外の少なくとも一つのシートが金属、樹脂、ゴム、エラストマーのうち前者のシート以外の材料であるということである。金属、樹脂、ゴム、エラストマーの材料というのは、これらの材質を主材料として他の成分が混合しているものも含まれる。
請求項3の発明では、前記ダイヤフラムによって第1室と第2室とに区画されたダイヤフラム室と、ガスが供給される1次側通路と、ガスが排出される2次側通路と、前記1次側通路と前記2次側通路との間に設けられ前記1次側通路のガス流量を絞って前記1次側通路のガスを前記第1室を介して前記2次側通路に供給する絞り開度可変機構と、前記絞り開度可変機構の絞り開度を増加または減少させる方向に前記ダイヤフラムを付勢する弾性部材とが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス制御弁としている。
請求項4の発明では、前記絞り開度可変機構は、前記1次側通路と前記2次側通路との間に設けられたガス通路と、前記1次側通路の前記ガス通路に接続する部分に設けられたバルブ室と、前記バルブ室に設けられ前記ガス通路に対面し前記ダイヤフラムに連動して可動する可動バルブと、前記ガス通路を閉じる方向に前記可動バルブを付勢する可動バルブ用付勢部材とが設けられていることを特徴とする請求項3記載のガス制御弁としている。
請求項5の発明では、燃料極と酸化剤極を有する燃料電池と、前記燃料電池の燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス通路と、前記燃料電池の燃料極から燃料オフガスを排出する燃料オフガス通路と、前記燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路と、前記燃料電池の酸化剤極から酸化剤オフガスを排出する酸化剤オフガス通路とが設けられた燃料電池システムにおいて、前記燃料ガス通路、燃料オフガス通路、前記酸化剤ガス通路、前記酸化剤オフガス通路の少なくとも一つに請求項1〜請求項4のいずれかのガス制御弁が設けられていることを特徴とする燃料電池システムとしている。
請求項1の発明によれば、ダイヤフラムがヤング率の異なる複数のシートが非接合状態で積層されて形成されているので、各シートで振動モードが異なり、かつ互いに独立に振動しようとするため自励振動が抑制できるという効果がある。また自励振動を抑制するために摺動抵抗を使用していないので、ヒステリシスが小さい調圧特性が実現できる。
請求項2の発明によれば、複数のシートが、金属、樹脂、ゴム、エラストマーのうち少なくとものいずれか2つを選んだ材料の組合せから構成されているので、ヤング率の異なる材料を制御弁の目的に合わせて適宜選択できる効果がある。
請求項3の発明によれば、振動を減衰しにくい弾性部材によってダイヤフラムを付勢しているが、上記請求項1または請求項2の効果によりダイヤフラムの振動を効果的に抑制できる。
請求項4の発明によれば、1次側通路と2次側通路との間に設けられたガス通路に対面しダイヤフラムに連動して可動する可動バルブが設けられているが、可動バルブとガス通路の間の空間で流速が速く振動のトリガーになるような開度でも上記請求項1または請求項2の効果によりダイヤフラム、可動バルブの振動を効果的に抑制できる。
請求項5の発明によれば、自励振動が抑止でき異音が小さく、かつヒステリシスが小さい調圧特性を有するガス制御弁を使用しているので、異音が小さく、かつガス制御特性に優れた燃料電池システムができる。これによって、燃料電池システムの発電特性を安定化できる。異音は実質的になくすことができている。
(実施形態1)
本発明に係る実施形態1を図面に基づいて説明する。図1は実施形態1の燃料電池システム用のガス減圧弁(ガス制御弁の1種)の説明図である。本実施形態に係る燃料電池発電システム用のガス減圧弁1は、燃料電池100の燃料極101に燃料ガスを供給するためのガス入口101cの上流側に設けられるものである。ガス減圧弁1は、ダイヤフラム室20を持つと共にダイヤフラム室20の下方に壁部で仕切られたバルブ室23を持つボディ2と、ボディ2のダイヤフラム室20を第1室21と第2室22とに区画するダイヤフラム3と、燃料電池100の燃料極101で使用される活物質を含むガス(燃料ガス)が供給される1次側通路である高圧通路61と、燃料電池100の燃料極101の燃料極101に繋がる2次側通路である低圧通路71と、高圧通路61と低圧通路71との間に設けられたガス通路40をもちダイヤフラム3の変形に伴いガス通路40の絞り開度を可変とする絞り開度可変機構4とを備えている。
高圧通路61はガス供給源65(例えばガスタンク)に繋がる。ガス供給源65の高圧の燃料ガスが高圧通路61に供給される。燃料ガスとしては純水素ガスまたは水素含有ガス等を使用できる。ここで、高圧および低圧は燃料ガスの相対的な高低の意味である。従って、高圧とは低圧通路71のガス圧力よりも高圧という意味である。低圧とは高圧通路61のガス圧力よりも低圧という意味である。例えば、高圧通路61のガスの圧力は1〜3MPaにすることができ、低圧通路71のガスの圧力は10〜900kPaにすることができる。但しこれらに限定されるものではない。
高圧通路61はガス通路40の上流に設けられている。バルブ室23は高圧通路61のガス通路40に接続する部分に設けられている。低圧通路71はガス通路40の下流に設けられている。ガス通路40は、燃料ガスの流量を制限して減圧し低圧通路71に供給する。
ダイヤフラム3は、第1シート31と第2シート32が非接合状態すなわち第1シート31と第2シートが互いに接合されていない状態で積層されて形成されおり、ボディ2のダイヤフラム室20を、燃料ガスが流入する第1室21と、燃料ガスが流入されない第2室22とに仕切って区画している。ダイヤフラム3の外周部3pは、ボディ2に挟持されて保持されている。図1では第1シート31、第2シート32は概略的に平板状で記載しているが、必ずしも平板状だけではなく、ダイヤフラムとして作用しやすいような湾曲などが設けられているのが一般的である。
本実施形態では第1シート31の材料はSUS304(金属)であり、第2シート32の材料は布入りのEPDMゴム(エチレンプロピレンゴム)(NOK株式会社製)(ゴム材料)である。第1シートおよび第2シートの外径は48mmである。ダイヤフラム室20は略円筒形状であり、その内径は43mm、すなわちダイヤフラム3の外周部3pの内径は43mmである。第1シートの厚さは0.2mm、第2シートの厚さは0.6mmである。
ダイヤフラム室20の第2室22は大気開放ポート22mを介して大気に連通する。このように第2室22は大気開放とされるため、高圧状態にならない。
ダイヤフラム3の中央域は、第1室21および第2室22の差圧に応じて、図1の上下方向に変形可能とされている。ガス通路40の下流に位置する第1室21(低圧通路71を経て燃料電池100に繋がる)の圧力がダイヤフラム3の下面に作用する。
絞り開度可変機構4は、燃料電池100に供給される燃料ガスの流量を制限するようにボディ2に形成されたガス通路40と、ガス通路40を開閉するピストン状の可動バルブ41と、ダイヤフラム3の中央域を挟持するように設けられた第1支持部42および第2支持部43とを有する。可動バルブ41は互いに背向する受圧面47およびバルブ面44を持つ。なお本実施形態によれば、受圧面47は可動バルブ41の図示下面とされている。バルブ面44は可動バルブ41の図示上面とされている。
ガス通路40は、ガス通路40を1周するリング形状の弁座部49を可動バルブ41側に持つ。第2支持部43の軸部48は第2支持部43から延設されており、ガス通路40に挿通され、後述するダイヤフラムバネ7およびバルブバネ8の付勢力により、その先端部(下端部)は、可動バルブ41のバルブ面44に当接している。弁座部49と可動バルブ41のバルブ面44との間の隙間によりガス通路40の絞り開度が決まる。可動バルブ41のバルブ面44は、ガス通路40の全閉時において、ガス通路40の弁座部49に着座できるように弁座部49に対面する。可動バルブ41はボディ2のバルブ室23に図1の上下方向に移動可能に設けられている。可動バルブ41の横断面は円形状をなす円柱形状とされているが、角柱形状でも良い。
ダイヤフラム室20の第2室22には、コイルバネで形成された付勢部材として機能することができるダイヤフラムバネ7(弾性部材)がほぼ同軸的に設けられている。ダイヤフラムバネ7の一端部は、絞り開度可変機構4の第1支持部42に着座し、ダイヤフラムバネ7の他端部は後述の可動体92のリング状の着座面に着座する。この結果、ダイヤフラムバネ7は、ダイヤフラム3を図示下方向に付勢しており、ひいては可動バルブ41を弁座部49から離間させるように付勢する。すなわち、ダイヤフラムバネ7はガス通路40の絞り開度を増加させる方向に可動バルブ41を付勢する。
可動バルブ41とボディ2の壁面との間には、コイルバネで形成された可動バルブ用の付勢部材として機能するバルブバネ8が設けられている。バルブバネ8により可動バルブ41は図示上方向に付勢しており、ひいては可動バルブ41のバルブ面44を弁座部49に接近させるように付勢する。すなわち、ガス通路40の絞り開度を減少させる方向に可動バルブ41を付勢する。バルブバネ8およびダイヤフラムバネ7は、互いに逆向きの付勢力を発揮する。このため可動バルブ41のバルブ面44と第2支持部43の軸部48の先端部48aとの接触性は、確保されている。本実施形態によれば、ダイヤフラムバネ7のバネ荷重はバルブバネ8のバネ荷重よりも大きく設定されている。これはガスが導入されていないとき、ガス通路40を開放状態に維持するためである。
本実施形態によれば、ダイヤフラムバネ7の付勢力を調整するアクチュエータ9がボディ2に設けられている。アクチュエータ9はモータ(例えば直流モータ)であり、アクチュエータ本体90と、アクチュエータ本体90から突出する回転可能な駆動軸91とを持つ。アクチュエータ9とダイヤフラムバネ7との間には駆動力伝達機構としてのピストン状の可動体92が設けられている。
可動体92の外壁には、ボディ2の図示しない被係合部と係合する係合部が設けられており、可動体92は図示上下方向に直動できるものの、可動体92の周方向には回動できないように設定されている。可動体92の中央域に形成された孔の内周部には雌螺子部が形成され、駆動軸91の外周部には雄螺子部が形成されており、雌螺子部と雄螺子部とは互いに螺合しており、回転運動を直進運動に変換する変換機構として機能することができる。
アクチュエータ9が一方向に駆動して駆動軸91が回転すると、可動体92が図示下方向に移動し、ダイヤフラムバネ7が縮み、ダイヤフラムバネ7の付勢力が大きくなる。アクチュエータ9が他方向に駆動して駆動軸91が回転すると、可動体92が図示上方向に移動し、ダイヤフラムバネ7の伸び、ダイヤフラムバネ7の付勢力が小さくなる。
本実施形態に係るガス減圧弁1を使用する際には、高圧の燃料ガスを装填したガス供給源65から燃料ガスが高圧通路61に供給される。その燃料ガスはガス通路40の絞り開度により流量が制限される。このため、ガス通路40の下流に位置する第1室21の圧力は、高圧通路61の圧力よりも減圧される。ガス通路40の絞り開度により減圧されて設定圧に低圧化されたガスは、第1室21を通過して低圧通路71に至り、さらに燃料電池100の燃料極101に供給され、発電反応に使用される。
このガス減圧弁1を使用し供給するガスとしてエアを用い、流量を急激に変化させる試験を行った。試験条件は、(1)0.1m/分の流量を流したときの2次圧力を絶対圧力で140kPaとし、流量を0m/分から0.1m/分に急激に変化させる、(2)0.2m/分の流量を流したときの2次圧力を絶対圧力で180kPaとし、流量を0m/分から0.2m/分に急激に変化させる、(3)0.3m/分の流量を流したときの2次圧力を絶対圧力で230kPaとし、流量を0m/分から0.3m/分に急激に変化させる、の3つの条件で行った。評価は、第2室22のボディ2部分に穴を開けておき(第2室22は大気圧であるので、穴を開けても支障がない。)、その穴から第1支持部42の上下振動の振幅を測定し、かつ異音の発生の有無で行った。
(実施形態2)
第1シート31の材料が実施形態1の第2シート32に使用した布入りEPDMゴム、第2シート32の材料が実施形態1の第1シート31に使用したSUS304である以外は実施形態1と同じガス減圧弁を使用して実施形態1と同様に評価した。
(実施形態3)
第2シート32の材料が四フッ化エチレン(樹脂)である以外は実施形態2と同じガス減圧弁を使用して実施形態1と同様に評価した。
(実施形態4)
第2シート32の材料がポリエステル系エラストマー(東レ・デュポン株式会社製:ハイトレル)である以外は実施形態2と同じガス減圧弁を使用して実施形態1と同様に評価した。
(比較形態1)
ダイヤフラム3として一つのシートを使用した以外は実施形態1と同じガス減圧弁を使用して実施形態1と同様に評価した。ダイヤフラム3に使用したシートの材料は実施形態1の第2シート32に使用した布入りEPDMゴムであり、シートの厚さは実施形態1の第2シート32の厚さと同じとした。
(評価結果)
図3に実施形態1〜4および比較形態1の評価結果(表1)を示す。表1における異音の結果は異音がする場合を「有」とし、異音がしない場合を「無」とした。比較形態はいずれの試験条件でも第1支持部42の振幅が大きい。すなわちダイヤフラム3の振幅が大きい。比較形態はいずれの試験条件でも異音が発生している。
一方、実施形態1〜4のいずれにおいても、いずれの試験条件でも第1支持部42すなわちダイヤフラム3の振幅が非常に小さくなっている(実施形態3の試験条件(1)の場合のみ振幅がやや大きい。)。実施形態1〜4のいずれにおいても、いずれの試験条件でも異音は発生しなかった。
本発明者はこれらの解析結果を以下のように考察している。
まず比較形態1の場合について説明する。ガス通路40により減圧された第1室21の圧力と第2室22の圧力との差圧に基づいて、ダイヤフラム3が受ける図示上方向に向かう力と、バルブバネ8が可動バルブ41を図示上方向に付勢する力と、可動バルブ41のバルブ面44にかかる図示下向きの圧力と可動バルブ41の受圧面47がバルブ室23のガス圧により図示上向きに受圧する圧力との差から生ずる力と、ダイヤフラムバネ7のバネ荷重(付勢力)により、第1支持部42、ダイヤフラム3、第2支持部43を介して可動バルブ41を図示下方向に付勢する力とが均衡した時点において、可動バルブ41の位置が保持される。この均衡により基本的にはガス通路40の絞り開度は決定される。ここで、アクチュエータ9の駆動量を調整すれば、可動体92の移動位置を調整することができ、ひいてはダイヤフラムバネ7の付勢力を増加させる方向または減少させる方向に調整することができる。これにより可動バルブ41を図示下方向に付勢する力を調整することができ、それに応じてガス通路40の絞り開度が調整される。
ガス通路40の絞り開度が大きいほど燃料ガス流量が多くなるが、2次圧力(低圧通路71の圧力)は低くなる。ある2次圧力でバランスしている状態(流量が一定の状態)から、急激に背圧が低下すると、絞り開度が大きくなる方へ移動し流量が増加する。その状態でバランスする2次圧力は前の状態より低下する。このような急激な過渡応答がトリガーとなりダイヤフラム3にかかる圧力がハンチングしたり、可動バルブ41自体が図示上下方向に振動を継続する現象が発生する。それにより異音が生ずる。それとともに振動が激しくなると2次圧力や流量が安定しない問題も生じている。
燃料電池システムによれば、負荷に応じて燃料ガスの流量を頻繁に変化させる傾向がある。殊に、車載の燃料電池システムによれば、車両負荷に応じて、燃料電池100の発電量を変化させるために燃料ガスの流量を頻繁に変化させる傾向がある。急激な流量変化が発生すると、上記したように可動バルブ41やダイヤフラム3が流体エネルギー変化の影響を受け、自励振動し、大きな騒音が発生するとともに燃料電池100に供給されるガスの2次圧力や流量が安定しなくなる。
実施形態1〜4では自励振動が抑止され異音が発生していない。図4は実施形態1〜4で使用したシートの材料のヤング率を示す表である。直接第1室21の圧力(制御対象のガス圧力:実施形態では燃料ガスの圧力)を受ける第1シート31の圧力の変動に伴う伸縮運動を第1シート31とはヤング率が異なる第2シート32が抑制するため、振動を減衰させ自励振動が抑制されたものと推察される。すなわち第1シート31と第2シート32はヤング率が異なっているため振動モードが異なること、第1シート31と第2シート32とは非接合状態で積層されているため互いに独立に振動しようとすることによって自励振動が抑制されたものと推察される。
以上のように、ダイヤフラム3が、ヤング率の異なる複数のシートが非接合状態で積層されて形成されていることによって自励振動が抑制され、異音の発生が防止できる。これによりガスの2次圧力や流量が安定できる。また自励振動抑制に摺動抵抗を使用していないので、ヒステリシスが小さい調圧特性を実現できる。
(適用形態)
図2は燃料電池システムを模式的に示す構成図である。この適用形態によれば、燃料電池システムは、車載用または定置用であり、燃料極101および酸化剤極102を有する燃料電池100と、燃料ガスを燃料電池100の燃料極101に供給する燃料ガス通路5と、酸化剤ガス(一般的には空気)を燃料電池100の酸化剤極102に供給する酸化剤ガス通路103と、発電後の燃料オフガスを弁104を介して通過させる燃料オフガス通路105と、発電後の酸化剤オフガスを通過させる酸化剤オフガス通路106とを備えている。
燃料ガス通路5は燃料電池100の燃料極101に燃料ガスを供給するためのガス入口の上流に位置する。酸化剤ガス通路103には、酸化剤ガスを燃料電池100の酸化剤極102に供給するガス供給源であるコンプレッサ107が設けられている。燃料ガス通路5において、高圧燃料ガス源であるガス供給源55側に減圧弁108が設けられ、さらに、減圧弁108の下流に位置するように前記したガス減圧弁1が設けられている。
この適用形態によれば、ガス供給源55から吐出される相対的に高圧の燃料ガスは減圧弁108で減圧され、さらにガス減圧弁1を介して所定の設定圧力まで減圧され、燃料電池100の燃料極101に供給され発電反応に使用される。また酸化剤ガス(一般的には空気)はコンプレッサ107の駆動により燃料電池100の酸化剤極102に供給され発電反応に使用される。
本適用形態によれば、振動が抑止でき異音が小さく、ガスの2次圧力や流量が安定で、ヒステリシスが小さい調圧特性を有するガス減圧弁を燃料ガス供給の減圧弁として使用しているので、異音が小さく、かつガス制御特性に優れた燃料電池システムができる。よって、燃料電池システムの発電特性を安定化できる。
(その他)
上記した実施形態によれば、ガス減圧弁1は燃料電池100の燃料極101に送られる燃料ガスの減圧弁として使用されているが、これに限らず、燃料電池100の酸化剤極(空気極)102に送られる酸化剤ガスの減圧弁として使用しても良い。上記した実施形態によれば、ダイヤフラムバネ7およびバルブバネ8はコイルバネとされているが、これに限らず、板バネなどの他の種類のバネとしても良く、あるいは、ゴムや軟質樹脂等で形成しても良い。
実施形態ではガス制御弁としてガス減圧弁で説明した。このガス減圧弁は、ダイヤフラムの変形を弁座部に対向する可動バルブ(弁体)に伝え、可動バルブと弁座部までの距離を変えることによってガスの流れを閉止または、調節するものであるが、ダイヤフラムによって直接に流路を開閉する制御弁、駆動部にダイアフラムを用い、ガス圧を動力とする制御弁などダイヤフラムを有するガス制御弁には、すべて適用できる。
実施形態ではダイヤフラムのシートの材料として4種類のものを示したが、特に限定されず、互いにヤング率が異なる材料ならすべて使用できる。またダイヤフラムを2つのシートで構成したが、3つ以上でもかまわない。効果が十分発揮できるなら2つのシートで構成した方が低コストになる。その他、本発明は上記しかつ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
実施形態1の燃料電池システム用のガス減圧弁の説明図 燃料電池システムを模式的に示す構成図 実施形態1〜4および比較形態1の評価結果(表1) 実施形態1〜4で使用したシートの材料のヤング率を示す表
符号の説明
1…ガス制御弁
3…ダイヤフラム
4…絞り開度可変機構
5…燃料ガス通路
7…ダイヤフラムバネ
8…バルブバネ
20…ダイヤフラム室
21…第1室
22…第2室
31…第1シート(シート)
32…第2シート(シート)
40…ガス通路
41…可動バルブ
61…高圧通路(1次側通路)
71…低圧通路(2次側通路)
100…燃料電池
101…燃料極
102…酸化剤極
103…酸化剤ガス通路
105…燃料オフガス通路
106…酸化剤オフガス通路

Claims (5)

  1. ダイヤフラムを内蔵するガス制御弁において、
    前記ダイヤフラムはヤング率が異なる複数のシートが非接合状態で積層されていることを特徴とするガス制御弁。
  2. 前記複数のシートは、金属、樹脂、ゴム、エラストマーのうち少なくとものいずれか2つを選んだ材料の組合せが含まれていることを特徴とする請求項1記載のガス制御弁。
  3. 前記ダイヤフラムによって第1室と第2室とに区画されたダイヤフラム室と、
    ガスが供給される1次側通路と、
    ガスが排出される2次側通路と、
    前記1次側通路と前記2次側通路との間に設けられ前記1次側通路のガス流量を絞って前記1次側通路のガスを前記第1室を介して前記2次側通路に供給する絞り開度可変機構と、
    前記絞り開度可変機構の絞り開度を増加または減少させる方向に前記ダイヤフラムを付勢する弾性部材とが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス制御弁。
  4. 前記絞り開度可変機構は、前記1次側通路と前記2次側通路との間に設けられたガス通路と、前記1次側通路の前記ガス通路に接続する部分に設けられたバルブ室と、前記バルブ室に設けられ前記ガス通路に対面し前記ダイヤフラムに連動して可動する可動バルブと、前記ガス通路を閉じる方向に前記可動バルブを付勢する可動バルブ用付勢部材とが設けられていることを特徴とする請求項3記載のガス制御弁。
  5. 燃料極と酸化剤極を有する燃料電池と、
    前記燃料電池の燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス通路と、
    前記燃料電池の燃料極から燃料オフガスを排出する燃料オフガス通路と、
    前記燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路と、
    前記燃料電池の酸化剤極から酸化剤オフガスを排出する酸化剤オフガス通路とが設けられた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料ガス通路、燃料オフガス通路、前記酸化剤ガス通路、前記酸化剤オフガス通路の少なくとも一つに請求項1〜請求項4のいずれかのガス制御弁が設けられていることを特徴とする燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011081602A (ja) * 2009-10-07 2011-04-21 Eagle Industry Co Ltd 減圧弁
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