JP2005309334A - ロール状感光材料用包装部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 巻芯(1)に巻かれたロール状感光材料(2)のエッジフュージョンを抑えることができる包装部材を提供すること。
【解決手段】 非木材パルプ、好ましくはケナフから作製されるパルプを原料として製造される原紙から構成されるロール状感光材料用包装部材(3)。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ロール状感光材料用包装部材に関し、特に円筒状巻芯、包装材、カバーディスク等として利用し得るロール状感光材料用包装部材に関する。
感光材料は、一般に基材上にUV光等の光源により露光される感光層を積層し、さらに必要に応じて保護層を積層することにより調製される。図8に示されるように、一般に感光材料2は、販売、輸送のために、円筒状または円柱状の巻芯1にロール状に巻かれ、不透明な包装フィルム中に包まれたうえで、ボール紙箱内に収納される。
従来のロール状感光材料は、保管しているうちにロール状感光材料の端部から塗布物が徐々に滲み出して端部表面で固着してしまうエッジフュージョン(コールドフロー現象)の問題を抱えていた。エッジフュージョンが起こると、端部が固着しているためにロール状に巻かれた感光材料を使用時にスムーズに引き出すことができなくなり、使用効率を低下させてしまう。このため、エッジフュージョンを抑えることが必要とされていた。
エッジフュージョンの問題を解決するために、接着剤でコーティングされた紙、織物又はフィルムシートからなるカバーディスクでロール状感光材料のロール端面を覆う方法(例えば、特許文献1参照)や、透湿度0.01g/m2・dayのフィルムでロール状感光材料を覆う方法(例えば、特許文献2)がこれまでに提案されている。しかし、これらの方法では、エッジフュージョンの問題を十分に解決することができなかった。
また、エッジフュージョンの問題を解決するための別の手段として、シリカゲルやモンモリロン石を乾燥剤として用いてロール状感光材料の相対湿度を20%以下に維持する方法(例えば、特許文献3参照)や、ロール端部に乾燥剤シートを接触させる方法(例えば、特許文献4参照)および乾燥剤層を積層したシートでロール状感光材料を包装する方法(例えば、特許文献5参照)も提案されている。しかしながら、これらの方法で用いられる乾燥剤は、高価であるだけではなく、使用後の乾燥剤の廃棄時に環境問題に直面するという難点を有していた。
特開昭61−95345号公報(特許請求の範囲、図面) 特開昭62−16377号公報(特許請求の範囲、図4〜6) 特開昭62−44736号公報(特許請求の範囲、図面) 特開平2−54255号公報(特許請求の範囲、図面) 特開平4−120533号公報(特許請求の範囲)
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものである。本発明の目的は、ロール状感光材料のエッジフュージョンを十分に抑えることができ、安価で地球環境の保護にも貢献し得る包装部材を提供することにある。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、特定種のパルプから作製した原紙を用いれば、上記目的にかなう優れた包装部材を提供し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、以下のロール状感光材料用包装部材により達成される。
(1) 非木材パルプを原料として製造される原紙から構成されるロール状感光材料用包装部材。ここでいう原料は、非木材パルプ以外のパルプを含んでいてもよい。
(2) ケナフから作製されるパルプを原料として製造される原紙から構成されるロール状感光材料用包装部材。ここでいう原料は、ケナフから作製されるパルプ以外のパルプを含んでいてもよい。
(3) ケナフから作製されるパルプ20〜80質量%とその他のパルプ80〜20質量%を原料として製造される原紙から構成されるロール状感光材料用包装部材。
(4) 前記その他のパルプが機械パルプである(3)に記載のロール状感光材料用包装部材。
(5) 機械パルプを20〜80質量%含有するパルプを原料として製造される原紙から構成されるロール状感光材料用包装部材。
(6) 前記原紙の含水量が6質量%以下である(1)〜(5)のいずれかに記載のロール状感光材料用包装部材。
(7) ロール状感光材料のロール端面を覆うことができる形状を有する(1)〜(6)のいずれかに記載のロール状感光材料用包装部材。
(8) 感光材料をロール状に巻き取ることができる巻芯形状を有する(1)〜(6)のいずれかに記載のロール状感光材料用包装部材。
(9) ロール状感光材料全体を覆うことができる形状を有する(1)〜(6)のいずれかに記載のロール状感光材料用包装部材。
本発明のロール状感光材料用包装部材は、調湿性に優れており、かつ安価に製造し得る。このため、本発明の包装部材を装着したロール状感光材料を長期間に亘って保存した場合や、高温条件下で保存した場合においても、エッジフュージョンの問題を起こすことなく、感光材料の性能を長期間維持することができる。さらに、本発明のロール状感光材料用包装部材は、ロール状の熱現像感光材料、感熱記録材料、フォトレジスト材料などの各種の感光材料の包装部材として幅広く利用することができる。さらに、従来の包装部材に替えて本発明の包装部材を用いれば、地球環境の保護に貢献することができる。
以下、本発明のロール状感光材料用包装部材(以下「本発明の包装部材」ともいう)について詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の包装部材は、少なくとも非木材パルプを原料として製造される原紙から構成される。原紙を作製するための原料となるパルプのうち非木材パルプがしめる割合は、10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、30〜70質量%であることがさらに好ましい。
非木材パルプには様々な種類があるが、本発明の包装部材で用いられる原紙は、本発明の効果を過度に阻害しない限りいずれの種類の非木材パルプからでも作製することができる。本発明で用いられる非木材パルプは、非木材植物から得られるものである。具体的には、パガス;小麦、大麦、オートムギ、ライムギ、米、亜麻、亜麻などのわら類;ジュート(黄麻)、ケナフ、アサ、サイザル、ヘンケン、マゲー、アバカやマニラアサ、リード、竹、パピルス、エスバルト草、サバイ草、綿、コーン、ソルガム、麻繊維、粗麻などを原料とすることができる。原料として利用する部位は、例えば木質部、靭皮部、茸部、葉部などである。これらのパルプ原料は、他のパルプ原料に比べて入手が比較的容易である。廃棄されているものも多いことから、安価に入手することができて、地球環境にも優しい。
これらのパルプ原料の中で特に好ましいのは、ケナフである。ケナフは他の植物に比べて生長が極めて速く、栽培の手間も少なくて済む。また、二酸化炭素の吸収量が多いため、地球環境に優しく環境保全に寄与し得る。さらに、本明細書の実施例および試験例に記載されるように、ケナフから得られたパルプを用いて製造した原紙は、調湿性が極めて高く、他の原紙と比べて少量で高い品質を維持できる。したがって、ケナフを用いれば感光材料用包装部材として優れた原紙を安価に製造することができる。
ケナフには、その産地によってキューバケナフやタイケナフなどがある。本発明ではいずれのケナフでも用いることができる。ケナフを構成する繊維の形状は、木質部と靭皮部では異なっている。木質部の繊維は広葉樹の繊維より短いが、靭皮部の繊維は針葉樹の繊維に近い。木質部パルプは不透明度が低くて通気度が高い傾向があり、靭皮部パルプは強度が高い傾向がある。
本発明の包装部材は、包装部材の使用態様や使用環境などに応じて、各種のケナフを適宜選択または組み合わせて用いることができる。中でもケナフ全茎部を用いることが好ましい。全茎パルプは、叩解前は不透明度が高いが、叩解を進めると透明度が高くなる性質がある。叩解は迅速に進むため、製造費を抑えることができる。また全茎パルプは、嵩高で風合いがよいという特徴もある。
本発明の包装部材は、ケナフから作製されるパルプを全パルプに対して好ましくは20〜80質量%、より好ましくは25〜75質量%、さらに好ましくは30〜70質量%含有することができる。また、本発明の包装部材は、ケナフから作製されるパルプをはじめとする非木材パルプを、その他のパルプと組み合わせた原料を用いることもできる。その他のパルプとしては木材パルプを例示することができる。具体的には、クラフトパルプや機械パルプなどを用いることができ、機械パルプを用いることが好ましい。機械パルプとしては、SCG、GP、TMP、CTMPなどを挙げることができ、中でもGPやTMPを用いることが好ましい。本発明において機械パルプを用いる場合、全パルプ中に好ましくは20〜80質量%、より好ましくは25〜75質量%、さらに好ましくは30〜70質量%の機械パルプが含まれるようにする。
本発明の包装部材には、非木材パルプや機械パルプのほかにNBKPやLBKPなどの化学パルプと組み合わせた原料から製造される原紙を用いることもできる。本発明の包装部材に使用される木材パルプの50質量%以上は、針葉樹から作製されるパルプ(NBKP)であることが好ましい。
本発明において、複数のパルプを組み合わせて用いる場合、各パルプを混合して抄紙してもよいし、別々に抄紙して積層してもよい。前者の具体例として、キューバタイケナフ全茎部からクラフト法で作製したパルプとLBKPを適当な割合で混合して抄紙したものや、タイケナフ全茎部からクラフト法で作製したパルプとTMPとLBKPを適当な割合で混合して抄紙したものを挙げることができる。後者の具体例としては、キューバケナフ全茎部からクラフト法で作製したパルプとLBKPを適当な割合で混合して抄紙したものからなる層と、NBKPとLBKPを適当な割合で混合したものからなる層を積層したものを挙げることができる。後者のような多層抄きを行う場合は、ケナフから作製したパルプを用いて抄紙した層がロール状感光材料の端部に接する側になるようにすることが好ましい。また、多層抄きを行う場合の層数は特に制限されず、本発明の包装部材の構造や使用態様などを考慮して適宜決定することができる。なお、本発明においては、紙どおしを重層したものも用いることができる。
本発明に用いる原紙の坪量は、250〜400g/m2であることが好ましく、270〜360g/m2であることがより好ましい。また、本発明の原紙の含水率(JIS−P−8127)は6質量%以下であることが好ましく、1〜4質量%であることがより好ましい。原紙の含水率は、乾燥する等の方法により上記範囲に調整することができる。
本発明の包装部材は、湿度による吸脱水能力が高いという機能を有する。このため、環境湿度が高い場合、本発明の包装部材は水分を吸湿して環境湿度を適度な範囲内に調整することができる。また、環境湿度を調整する機能に持続性があるため、長期間保存した場合であっても、装填した感光材料の性能を高い状態に維持できる。
本発明の包装部材を用いれば、さらに調湿部材を併用しなくても適度に調湿することができる。もっとも、調湿機能をより充実したものとするために、例えば特開平9−101596号公報に記載されているような調湿部材を用いても構わない。調湿部材の形状は特に制限されないが、例えば、特開平9−101596号公報の図1に記載される態様で用いることができる。
本発明の条件を満たす原紙は、そのままでも包装部材として用いることができる。すなわち、原紙のまま包装部材として用いても、本発明の目的とする効果を得ることができる。一方、本発明の効果をより十分に発揮させることなどを目的として、原紙にさらに表面処理を施してもよい。表面処理法としては種々の方法が挙げられ、代表例としてポリビニルアルコールをコーティングする方法を挙げることができる。特に、本発明の包装部材をフォトレジスト材料や熱現像感光材料や感熱記録材料に装着する場合には、ポリビニルアルコールをコーティングしたものを好ましく用いることができる。また、別の表面処理法として、紫外線硬化性樹脂をコーティングする方法も好ましい。具体的には、特公平4−13697号公報に記載される紫外線硬化性樹脂を用いることができる。紫外線硬化性樹脂からなるコーティング層の厚みは、0.05〜15μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。
原紙の製造工程を経て得られた原紙は、続いて巻き取り、打ち抜き、型取り、切断、裁断等の各種の加工工程を経て包装部材を作製することができる。
本発明の包装部材の質量は、ロール状に巻かれた感光材料を構成する基材、感光層、保護層の厚みやロールの径などによって異なるが、例えば、径が5〜30mmのロール状感光材料に装着するための包装部材であれば5〜50gの範囲とすることが好ましい。
本発明の包装部材の形態は特に限定されず、使用態様に応じた形態とすることができる。以下、本発明の包装部材の好ましい形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の包装部材の好適な第一の態様を示す説明図であり、図2は、その正面図(A)および側面図(B)である。図1および図2において、符号1は巻芯、符号2は感光材料、符号3は包装部材を示す(符号1〜3は図3〜9における符号と整合する)。第一の態様の包装部材は、ロール状感光材料2の巻芯1と同じかやや大きな径を有する穴4を中心に有するカバーディスクである。図2に示すように、ロール状感光材料2の巻芯1の両端をそれぞれカバーディスク3,3の中央に形成された穴4に挿通してロール状感光材料2の両端面にカバーディスク3,3が接触した状態で固定することができる。カバーディスク3は、ロール状感光材料2の端面と同じかそれよりもやや大きい面積を有していて、ロール状感光材料2の端面全体を被覆することができるようになっていることが好ましい。ただし、本発明においては、ロール状感光材料2の端面の一部を被覆する態様も含まれる。また、カバーディスク3とロール状感光材料2の端面の間は、できるだけ密着した状態に置くことが好ましい。
図3は、本発明の包装部材の好適な第二の態様を示す説明図である。図3に示すように、第二の態様では、カバーディスク3は略正方形の形状であり、カバーディスク3の中心には穴4が形成されている。第二の態様の使用方法は、第一の態様と同様である。
図4は、本発明の包装部材の好適な第三の態様を示す説明図である。第三の態様では、本発明の包装部材は、カバーディスク3と巻芯1の両方で用いられる。カバーディスク3のほかに巻芯1を本発明の包装部材で形成することにより、カバーディスク3によるロール端面側の調湿に加えて、ロール状感光材料2の中心側からの湿気の調湿も可能となる。第三の態様では、カバーディスク3と巻芯1はあらかじめ接合されていてもよいし、いなくてもよい。なお、図示していないが、カバーディスク3の形状は、第2の態様のように略正方形にすることもできる。
なお、図1〜4には図示されていないが、カバーディスク3,3は、ロール状感光材料の搬送・保存時に、さらにその外側にロール状感熱部材および本発明の包装部材を保護するためのクッション部材を設置することもできる。クッション部材は、例えば、略正方形の形状であり、かつ巻芯1に嵌合し得る突起部を有しており、ロール端面に取り付けられたカバーディスク3,3の外側から前記突起部を円筒状の巻芯1内に嵌入して取り付けることができる。
図5は、本発明の包装部材の好適な第四の態様を示す説明図である。図5に示す態様では、カバーディスク3,3に鍔部5,5が形成されている。カバーディスク3,3は、ロール状感光材料2の両端面から嵌入され、ロール状感光材料2のキャップとして機能し得る。なお、鍔部5,5の長さは図5に記載されるものより長くてもよく、例えば、ロール状感光材料2の表面を完全に被覆する長さであってもよい。このとき、ロール状感光材料2の両端面から嵌入される各包装部材の鍔部5,5どおしが互いに重なり合って一方が他方に嵌入されるように作製されていてもよい。
図6は、本発明の包装部材の好適な第五の態様を示す説明図である。図6に示す態様では、カバーディスク3,3の中央内側に突起部6,6が形成されている。突起部6,6は、円筒状の巻芯1に嵌合しうる径を有し、巻芯1の1/3〜1/5程度の長さを有している。突起部6,6をロール状感光材料2の円筒状の巻芯1に嵌入することによりカバーディスク3,3をロール状感光材料2の端部に密着した状態で固定することができる。なお、図6のカバーディスク3の形状は略正方形であるが、この形状に限定されず、円形とすることもできる。
図7は、本発明の包装部材の好適な第六の態様を示す説明図である。図7に示す態様では、本発明の包装部材は筒状容器として機能し得る。巻芯1にロール状に巻かれた感光材料2を筒状容器7に挿入し、その後、蓋8を筒状容器7に嵌合することによりロール状感光材料2を筒状容器内に密封することができる。これによって、巻芯1に巻き上げたロール状感光材料2の全体を包装部材で覆うことができる。
本発明の包装部材を装着するロール状感光材料は、基材と感光層を有する感光材料が巻芯などに巻き取られた状態にあるものである。本明細書において、感光材料には感熱記録に用いられる感光材料、熱現像で用いられる感光材料、フォトリソグラフィーで用いられるフォトレジスト材料など各種の感光材料が含まれる。
感光材料を構成する基材は特に制限されないが、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレン、セルローストリアセテート、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、セロファンなどを用いることができる。特に水蒸気透過性を抑えることのできるポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体を基材として用いることが好ましい。基材の厚みは、作業性を考慮すればあまり厚くない方が好ましく、例えば300μm以下、より好ましくは20〜200μmの範囲である。また、水蒸気透過性を極力少なくする観点から、外側にアルミニウムなどの金属箔を蒸着した被膜を設けてもよく、アルミニウムなどの金属箔をラミネート加工したものでもよい。
感光材料を構成する感光層は、高分子結合剤、光重合性単量体、光重合開始剤を成分としてなるものである。これらの成分は市販されているものなどを適宜選択して使用することができる。例えば、東京応化工業社製のオーディル、デュポン社製のリストン、ダイナケム社製のラミナー、日立化成工業社製のフォテック、旭化成工業社製のサンフォート、三菱レイヨン社製のダイヤロン、日本合成化学工業社製のアルフォなどが挙げられる。また、光重合性単量体には、例えば特許第2517281号公報に記載された光重合性組成物を用いることもできる。
感光材料で必要に応じて積層される保護層に含まれる成分には特に制限はなく、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セロファン、線状低密度ポリエチレンなどを用いることができる。また保護層の厚みは特に制限されず、例えば5〜50μmとすることができる。
本発明で用いられる感光材料の層構成は、特に制限されない。基材上に感光層が積層され、必要に応じて保護層が積層されているものを典型例として挙げることができる。また、感光層は単層系でも複数の感光層で構成される重層系でもよい。さらに、基材と感光層の間、または第1の感光層と第2の感光層の間にクッション層を設けることもできる。単層系および重層系の層構成については、例えば、特許第2517281号公報に記載されたものを用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
1.包装部材の作製
キューバケナフ全茎部からクラフト法で作製したパルプ/LBKP=30/70(質量%)のパルプを6層の円網方式で抄紙した。抄き合せ層には変性澱粉を層間にスプレー塗布した。内添薬品としてアルキルクランダイマーとカチオン化澱粉(荒川化学製)を用い、内添紙力増強剤としてポリアクリルアミドエマルジョン(荒川化学製)を用い、表面張力増強剤としてポリビニルアルコール(クラレ社製)を用いた。得られたシートの坪量は395g/m2であった。
次いで、得られたシートを図2に示すように内径83.2mm、外径150mmに打ち抜き、含水分が5重量%になるように乾燥して包装部材を作製した。
2.感光材料の作製
メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル
/メタクリル酸ベンジル/テトラエチレングリコールジアクリレート
(28.8:54.9:11.7:4.5:0.1モル比)からの5元共重合体の40質量
%溶液(溶媒はメチルエチルケトン、1−メトキシ−2−プロパノール
(2:1質量比) 37.5g
ウンデカプロピレングリコールジアクリレート 7.06g
テトラデカエチレングリコールジアクリレート 1.94g
エチルミヒラーズケトン 0.04g
ベンゾフェノン 0.45g
2,4−ジエチルチオキサントン 0.10g
p−ジメチルアミノ安息香酸エチル 0.20g
トリブロモメチルフェニルスルホン 0.15g
3,6−ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン 0.09g
1−フェニル−3−モルホリノメチル−1,3,4
−トリアゾール−2−チオン 0.01g
ビクトリアピュアブルーBOH 0.01g
上記組成よりなる感光液を調製し、ロッドコーターで、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥膜厚が約50μmになるように塗布し、100℃のオーブン中で2分間乾燥し、感光材料(感光性転写シート)を作製した。
3.ロール状感光材料の包装物の作製
得られた感光材料を508mm幅にスリットし、内径76.5mm、外径83.2mm、長さ545mmのABC樹脂製巻芯に感光材料(長さ200m)がほぼ中央になるように巻きつけてロール状感光材料を得た。次いで、前述の包装部材をロール状感光材料の両端面に接触するように配置し、この包装部材付きロール状感光材料を、ファーネス法カーボンブラック3質量%を含有するLDPEシート(厚さ80μm)で覆い、巻芯の両端に凸状の突起を有する発泡ポリスチレン製(発泡倍率12.5倍)クッション材を設置した。得られたクッション材付きロール状感光材料をA型段ボール箱(Bフルート)に入れて包装物を完成した。
<実施例2>
包装部材の原料としてキューバケナフ全茎部からクラフト法で作製したパルプ/LBKP=70/30(質量%)のパルプを用いた以外は実施例1と全く同様の方法によりロール状感光材料の包装物を得た。
<実施例3>
包装部材の原料としてGP/LBKP=70/30(質量%)のパルプを用いた以外は実施例1と全く同様の方法によりロール状感光材料の包装物を得た。
<実施例4>
包装部材の原料としてTMP/LBKP=70/30(質量%)のパルプを用いた以外は実施例1と全く同様の方法によりロール状感光材料の包装物を得た。
<実施例5>
包装部材の原料としてタイケナフ全茎部からクラフト法で作製したパルプ/TMP/LBKP=30/30/40(質量%)のパルプを用いた以外は実施例1と全く同様の方法によりロール状感光材料の包装物を得た。
(比較例1)
包装部材を用いない以外は、実施例1と全く同様の方法によりロール状感光材料の包装物を得た。
(比較例2)
包装部材の原料としてLBKP/NBKP=50/50(質量%)のパルプを用いた以外は実施例1と全く同様の方法によりロール状感光材料の包装物を得た。
得られたロール状感光材料の包装物を30℃、相対湿度90%の条件下で1週間静置した。その後、包装物を開けてロール状感光材料から包装部材を分離して、ロール状感光材料の端部と包装部材の表面の状態を肉眼で観察した。表1に観察結果を示す。
Figure 2005309334
本発明の包装部材を用いれば、ロール状感光材料の端部からの滲み出しを抑えることができる。また、本発明の包装部材を用いれば、ロール状に巻かれた感光材料の端部どうしが互いに固着することがなく、感光材料をスムーズに引き出すことができる。これに対し、ケナフから作製されたパルプまたは機械パルプを用いていない原紙から作製された包装部材では、ロール端部からの滲み出しがひどく(比較例1および2)、ひどい場合には感光材料の端部どうしが固着して剥がれなくなる障害が見られる。
本発明の包装部材を用いれば、ロール状感光材料の端面におけるエッジフュージョンを抑えることができ、感光材料をスムーズに引き出すことができる。このため、本発明の包装部材は、エッジフュージョンを生じるおそれがあるロール状感光材料に広く適用することが可能である。また、本発明の包装部材は地球環境の保護にも役立つため、現在のみならずこれからの時代の産業上の利用可能性も高い。
本発明の包装部材の好適な第一の態様をロール状感光材料に装着した状態を示す側面図である。 本発明の包装部材の好適な第一の態様を示す正面図(A)と側面図(B)である。 本発明の包装部材の好適な第二の態様をロール状感光材料に装着した状態を示す斜視図である。 本発明の包装部材の好適な第三の態様をロール状感光材料に装着する状況を説明する斜視図である。 本発明の包装部材の好適な第四の態様をロール状感光材料に装着した状態を示す斜視図である。 本発明の包装部材の好適な第五の態様を示す斜視図である。 本発明の包装部材の好適な第六の態様をロール状感光材料に装着する状況を説明する斜視図である。 典型的なロール状感光性材料を示す斜視図である。
符号の説明
1 巻芯
2 感光材料
3 包装部材(カバーディスク)
4 穴
5 鍔部
6 突起部
7 筒状容器
8 蓋

Claims (9)

  1. 非木材パルプを原料として製造される原紙から構成されるロール状感光材料用包装部材。
  2. ケナフから作製されるパルプを原料として製造される原紙から構成されるロール状感光材料用包装部材。
  3. ケナフから作製されるパルプ20〜80質量%とその他のパルプ80〜20質量%を原料として製造される原紙から構成されるロール状感光材料用包装部材。
  4. 前記その他のパルプが機械パルプである請求項3に記載のロール状感光材料用包装部材。
  5. 機械パルプを20〜80質量%含有するパルプを原料として製造される原紙から構成されるロール状感光材料用包装部材。
  6. 前記原紙の含水量が6質量%以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載のロール状感光材料用包装部材。
  7. ロール状感光材料のロール端面を覆うことができる形状を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のロール状感光材料用包装部材。
  8. 感光材料をロール状に巻き取ることができる巻芯形状を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のロール状感光材料用包装部材。
  9. ロール状感光材料全体を覆うことができる形状を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のロール状感光材料用包装部材。
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CN107839968A (zh) * 2017-11-13 2018-03-27 许昌市建安区实验中学 一种双层卷纸芯

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