JP2004230620A - 段ボール構造シート材及びそれを用いた記録材料用包装箱 - Google Patents

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Yoji Tamaki
洋司 玉木
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Abstract

【課題】従来の紙製段ボールに比べて、強度、高温高湿下での保管及び寸法安定性に優れ、かつコスト、生産性、加工性及び緩衝性の面ではプラスチック製段ボールより有利な段ボール構造シート材、及びこの段ボール構造シート材を用いた記録材料の包装箱を提供する。
【解決手段】波形に段形成された中芯と該中芯を挟んで両側に貼り付けられるライナによって構成される段ボール構造シート材であって、前記中芯が紙からなり、かつ前記ライナがプラスチック樹脂からなることを特徴とする段ボール構造シート材。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は段ボール構造シート材及びそれを用いた記録材料用包装箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
段ボールは包装材料として、幅広く用いられている。特に外装箱の材料としてかなりの割合を占めており、また緩衝材や内部保護材としての需要も多い。
【0003】
段ボールの構造は、図1に示すように、両側の2つのライナ2の間に、波形に段成形された中芯1が接着剤で接合された構造を有している。段ボールを構成するライナ及び中芯は紙で作られている。段ボールは感光材料の分野においても包装箱の材料として一般的に用いられている。例えば、実開平4−124250号公報には、最外層に熱可塑性樹脂フィルム層を設けた段ボールシートを用いた感光材料用マガジンが開示され、特開平9−160178号公報には圧縮された段ボール及び感光材料用マガジンが開示され、特開平11−338106号公報には感光材料ロール収容用段ボール製容器が開示されている(特許文献1、2)。
しかしながら、段ボールを感光材料等の包装箱に適用した場合、強度や寸法安定性、保管時の温湿度変化による変形(段ボールの反り)、更には収納された内容物の保護性において、充分に満足するまでに至っていなかった。
【0004】
また、耐水ライナとして、尿素、メラミン、エポキシ等の合成樹脂を紙にすき込んだライナ、あるいは紙の両面にプラスチック樹脂フィルムを貼り合わせた積層材料で形成された段ボールも知られている(特許文献3)。しかしながら、これらの段ボールも前述した課題に対して充分ではなく、さらなる改良が要望されている。
【0005】
一方、プラスチック樹脂で段ボールに類似した構造に成形されたシート材(プラスチック製段ボール)も知られている。例えば、特開平7−290621号、特開2001−38789号、特開2003−1735号公報等に記載されている(特許文献4)。このシート材(プラスチック製段ボール)は、従来の紙製段ボールのように波形に段形成された中芯とライナを貼り合わせたものではなく、押し出し成形等で成形されたものである。前記したプラスチック製段ボールは、従来の紙製段ボールに比べて生産性が劣り、コストも高く、また包装箱等に適用したときの加工性及び緩衝性に劣るという問題がある。
【0006】
【特許文献1】
実開平4−124250号公報(第2頁、図2)
【特許文献2】
特開平9−160178号公報(第2頁、第3頁)
【特許文献3】
特開平7−148867号公報(第2頁〜第3頁、図1、図2)
【特許文献4】
特開平9−160178号公報(第2頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、従来の紙製段ボールに比べて、強度、高温高湿下での保管及び寸法安定性に優れ、かつコスト、生産性、加工性及び緩衝性の面ではプラスチック製段ボールより有利な段ボール構造シート材を提供することにあり、本発明の他の目的は、この段ボール構造シート材を用いた記録材料の包装箱を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の発明によって達成された。
(1)波形に段形成された中芯と該中芯を挟んで両側に貼り付けられるライナによって構成される段ボール構造シート材であって、前記中芯が紙からなり、かつ前記ライナがプラスチック樹脂からなることを特徴とする段ボール構造シート材。
(2)記録材料用包装箱において、該包装箱の少なくとも一部を請求項1の段ボール構造シート材で構成することを特徴とする記録材料用包装箱。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の段ボール構造シート材は、段ボールの構造を有するものである。即ち、図1に示すように波形に段形成された中芯1と該中芯1を挟んで両側に貼り付けられた2つのライナ2によって構成されている。そして、本発明の段ボール構造シート材の特徴は、中芯1を紙、ライナ2をプラスチック樹脂で成形したことにある。中芯1とライナ2は接着剤で接合されている。
【0010】
本発明の段ボール構造シート材において、中芯には通常の段ボールに用いられる中芯原紙を用いることができる。通常の段ボールの中芯としては、使用する原料によってセミ芯、クラフト芯、特芯、黄芯に分類されるが、セミ芯と特芯が好ましく用いられる。セミ芯は、広葉樹を中性亜硫酸法セミケミカルパルプ(NSSCP)を主として使用し、特芯は主として古紙(段ボールくず)を使用している。前記した中芯に用いられる原紙の坪量は、100〜300g/m程度である。
【0011】
本発明の段ボール構造シート材において、ライナはプラスチック樹脂からなる。かかるプラスチック樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリイソブチル、ポリエーテル、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル。ポリ塩化ビニリデン、セルロース類、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂等の単独もしくは共重合物が挙げられる。
【0012】
本発明において、ライナはプラスチック樹脂を主体とするものであり、従来の段ボールのように紙を主体にするものではない。従って、本発明のライナには、紙にプラスチック樹脂を含浸させたり、塗工したり、あるいはラミネートしたものは含まれない。
【0013】
本発明において、ライナを構成するプラスチック樹脂シートの厚みは、100〜500μm程度が適当である。本発明のライナは、2種類以上のプラスチック樹脂の混合物であってもよいし、または異なる2種以上のプラスチック樹脂シートを積層したものであってもよい。
【0014】
本発明のライナを構成するプラスチック樹脂シートには、その成形加工時にプラスチック樹脂に滑剤や酸化防止剤を含有することができる。また、感光材料の遮光用包装箱に適用するために、ライナを構成するプラスチック樹脂シートの成形加工時に遮光に必要な量のカーボンブラックを混練するのが好ましい。
【0015】
本発明の段ボール構造シート材の利点は、強度や寸法安定性等が優れるということに加えて、従来の紙製段ボールと同様な方法で製造することができるという大きな特長があり、これによって生産性及びコストの面で極めて有利となる。これは、ライナにプラスチック樹脂シートを用いるにもかかわらず、紙を材質とする中芯を用いることによって、紙製段ボールと同様にコルゲートマシーンによる連続的な製造が可能となる。
【0016】
しかしながら、従来、段ボールの分野において、本発明のように中芯を紙、ライナをプラスチック樹脂で構成するという思想は全くなかった。
【0017】
本発明の段ボール構造シート材は、両側のライナをプラスチック樹脂で成形することによって、強度、寸法安定性、及び保管時の温湿度変化による変形に対して優れた特性を持つようになり、加えて波形に段形成された紙製の中芯を用いることによって段ボール構造シート材の加工適性及び緩衝性が向上する。
【0018】
本発明の段ボール構造シート材は、各種包装箱、緩衝材、あるいは内部保護材等として好ましく用いることができる。特に、強度、寸法安定性、及び変形(反り)等の諸性能がシビヤーに要求される感光材料、インクジェット記録材料、感圧紙あるいは感熱紙等の記録材料の包装箱に好ましく適用することができる。特に、感光材料の包装箱に好適である。
【0019】
本発明の段ボール構造シート材は、記録材料用包装箱に適用する場合、該包装箱の一部あるいは全部を本発明の段ボール構造シート材で形成する。例えば、特開平9−160178号公報に記載の感光材料用マガジンの筒状胴体として、特開平11−338106号公報に記載の感光材料ロール収容用段ボール製容器の箱体及び蓋体として、特開平11−125899に記載のアルミニウム印刷版梱包体の収納箱の底面部及び蓋として、本発明の段ボール構造シート材を用いることができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の段ボール構造シート材は、従来の紙製段ボールに比べて、強度、高温高湿下での保管及び寸法安定性に優れ、かつコスト、生産性、加工性及び緩衝性の面ではプラスチック製段ボールより有利であり、そして本発明の段ボール構造シート材は記録材料の包装箱に好ましく適用され、該包装箱に要求される強度、寸法安定性、及び変形(反り)等の諸性能を充分に満足することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】段ボールの断面図
【符号の説明】
1 中芯
2 ライナ

Claims (2)

  1. 波形に段形成された中芯と該中芯を挟んで両側に貼り付けられるライナによって構成される段ボール構造シート材であって、前記中芯が紙からなり、かつ前記ライナがプラスチック樹脂からなることを特徴とする段ボール構造シート材。
  2. 記録材料用包装箱において、該包装箱の少なくとも一部を請求項1の段ボール構造シート材で構成することを特徴とする記録材料用包装箱。
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JP2012517360A (ja) * 2009-02-09 2012-08-02 スマート プラネット テクノロジーズ インコーポレイテッド 物品をパッケージングするための複合材料およびその製造方法
US9637866B2 (en) 2013-03-14 2017-05-02 Smart Planet Technologies, Inc. Repulpable and recyclable composite packaging articles and related methods
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