JP2005309244A - プラスチック光ファイバの端面処理方法及び端面処理装置 - Google Patents

プラスチック光ファイバの端面処理方法及び端面処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来のホットプレート法を用いたプラスチック光ファイバの端面処理方法では、光の伝送損失が増大したり、開口数(NA)が変化して光学系の結合効率が悪化する。
【解決手段】 コア2とクラッド3を有するプラスチック光ファイバ1にフェルール4を装着すると共にフェルール4の先端4aからプラスチック光ファイバ1の先端1aを突出させた後、このプラスチック光ファイバ1のコア2より大きな加工穴11を有する加熱されたホットプレート8の加工穴11を突出部のクラッド3の先端に押し当て、コア2を含むクラッド3の一部を残して周囲のクラッドを加熱変形することによりクラッドに半径方向外側に膨出するクラッド膨出部18を設ける。
【選択図】 図7

Description

本発明は、フェルールを装着したプラスチック光ファイバの端面処理方法及び端面処理装置に関するものである。
一般に、光通信に使用されるプラスチック光ファイバの端面は、伝送される光が乱反射を起こして光学的損失が生じることを防止するために、平滑に処理される必要がある。このようなプラスチック光ファイバの端面処理方法の主なものとしては、ガラス系光ファイバで行われている研磨法や、加熱されたカッターで端面を切断するホットカット法、平滑な熱板(ホットプレート)に端面を押し当てるホットプレート法等が知られている。中でもホットプレート法は、高い精度の端面を短時間で処理できるという特徴を有している。
このようなホットプレート法を用いた従来の光ファイバの端面処理方法としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、プラスチック光ファイバコードの端部に口金が固定され、口金先端口の光ファイバ端面が鏡面である光ファイバコードに加工する方法に関するものが記載されている。
この光ファイバコードの端面加工方法は、下記工程からなる光ファイバコードの端部に口金が固定された光ファイバコードの端面加工方法。(イ)プラスチック系光ファイバコードの端部から該コードの被覆材を除去して光ファイバ芯線を露出する工程、(ロ)光ファイバコードの端部を挿入・固定する貫通孔を有し該貫通孔が挿入口側の大口径部と先端口側の小口径部とからなる口金を準備する工程、(ハ)該口金の挿入口から光ファイバコード端部を突き当たるまで挿入する工程、(ニ)先端口近傍の口金外周面に、加熱体を接触させて光ファイバ芯線を軟化・熔融させ、少なくとも小口径部の内部に膨大化させる工程、(ホ)先端口に臨む光ファイバ芯線の端面を鏡面化する工程。
このような構成を有する光ファイバコードの端面加工方法によれば、光ファイバを十分に膨大化して、口金内部のテーパー部の隅々まで光ファイバを膨大化させ、口金固定された光ファイバの保持力(引張力)を高め、過度に加熱する必要がなく、光ファイバの光伝送性が維持される、という効果が期待される。
また、従来のプラスチック光ファイバの端面処理方法の他の例としては、例えば、特許文献2に記載されているようなものもある。特許文献2には、プラスチックファイバの端面処理方法及び端面処理装置に関するものが記載されている。このプラスチックファイバの端面処理方法は、プラスチックファイバをフェルールに通し、平滑な押圧面を備えた加熱板に前記プラスチックファイバの端面を押し当てることにより、プラスチックファイバの先端部を前記フェルールの先端部に形成された溶着部に溶かし込むと共に平滑な端面を形成するプラスチックファイバの端面処理方法において、前記フェルールに通した前記プラスチックファイバの先端を加熱板に押し当てる際に、そのフェルールの先端部の側面をも同時に加熱するようにした、ことを特徴としている。
このような構成を有するプラスチックファイバの端面処理方法によれば、加熱板に形成されためくら穴にプラスチックファイバを通したフェルールを嵌め込んで押圧するようにしたため、プラスチックファイバの端面のみならず側面からも加熱されるので、溶着部に対応した部分が充填される。このため、溶着部の深さが深い場合でも最適な端末処理ができ、冷熱衝撃試験を行ってもクラックが発生することもない、という効果が期待される。
更に、従来のプラスチック光ファイバの端面処理方法の更に他の例としては、例えば、特許文献3に記載されているようなものもある。特許文献3には、フェルールを装着したプラスチック光ファイバの端面処理方法に関するものが記載されている。このプラスチック光ファイバの端面処理方法は、フェルールを装着したプラスチック光ファイバの端面に対する処理方法であって、前記プラスチック光ファイバのコアをクラッドの融点よりも低いガラス転移点を有する材料で形成するとともに、前記端面を鏡面仕上げされ且つ前記ガラス転移点に基づいて加熱したホットプレートの面に押し当てて端面処理を行う、ことを特徴としている。
このような構成を有するプラスチック光ファイバの端面処理方法によれば、プラスチック光ファイバの端面をホットプレートの面に押し当てても、そのプラスチック光ファイバを構成するコア及びクラッドが融解、混合することなく押し潰されることから、プラスチック光ファイバの熱による組成劣化を最小に抑えた状態で端面の処理をすることができる。また、各製品毎の光の伝送損失のばらつき幅を小さくすることができる。さらにまた、生産に係る効率を高めることができる、等の効果が期待される。
特開平6−289237号公報 特開平7−218731号公報 特開2001−194535号公報
しかしながら、従来のホットプレート法を用いたプラスチック光ファイバの端面処理方法では、プラスチック光ファイバの端面が加熱面に押し当てられて融解変形することにより、プラスチック光ファイバの先端部においてコアとクラッドの融解混合やコア径の拡大変形等が生じ、コアとクラッドの屈折率構造が崩れてしまう。そのため、ホットプレート法では、研磨法に比べて光の伝送損失が増大したり、開口数(NA)が変化して光学系の結合効率が悪化する等の問題が生じていた。
かかるホットプレート法の問題点に対して、前述した特許文献3に記載された発明においては、プラスチック光ファイバをコアとクラッドのガラス転移点が異なる材質で形成することによって解決が図られている。ところが、コアとクラッドのガラス転移点が異なる材質で形成する方法では、コアとクラッドの材質が異なるがゆえに、その利用がSI(ステップインデックス)型プラスチック光ファイバに限定されてしまい、屈折率分布を有するGI(グレーデッドインデックス)型プラスチック光ファイバには適用できないという不十分な点があった。
解決しようとする問題点は、従来のホットプレート法を用いたプラスチック光ファイバの端面処理方法では、光の伝送損失が増大したり、開口数(NA)が変化して光学系の結合効率が悪化する点である。
本発明の請求項1記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法は、コアとクラッドを有するプラスチック光ファイバにフェルールを装着すると共にフェルールの先端からプラスチック光ファイバの先端を突出させ、このプラスチック光ファイバのコアより大きな加工穴を有する加熱されたホットプレートの加工穴を突出部のクラッドの先端に押し当て、コアを含むクラッドの一部を残して周囲のクラッドを加熱変形することによりクラッドに半径方向外側に膨出するクラッド膨出部を設けることを最も主要な特徴とする。
本発明の請求項2乃至5記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法は、加工穴は、コアの直径よりも大きな円形穴、楕円形穴、四辺形穴又は多角形穴のいずれかであり、クラッド膨出部は、フェルールの先端に設けたクラッド収納部に収納し、クラッド収納部は、フェルールの先端に設けた周方向に連続するリング状の凹部からなり、また、加工穴の内側に残されたコアを含むクラッドの一部からなる余剰部分は、研磨手段により切削して端面処理を行うことを特徴としている。
本発明の請求項6記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法は、コアとクラッドと被覆層を有するプラスチック光ファイバにフェルールを装着すると共にフェルールの先端からプラスチック光ファイバの先端を突出させ、このプラスチック光ファイバのクラッドより大きな加工穴を有する加熱されたホットプレートの加工穴を突出部の被覆層の先端に押し当て、コア及びクラッドを含む被覆層の一部を残して周囲の被覆層を加熱変形することにより被覆層に半径方向外側に膨出する被覆層膨出部を設けることを主要な特徴としている。
本発明の請求項7〜10記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法は、加工穴は、クラッドの直径よりも大きな円形穴、楕円形穴、四辺形穴又は多角形穴のいずれかであり、被覆層膨出部は、フェルールの先端に設けた被覆層収納部に収納し、被覆層収納部は、フェルールの先端に設けた周方向に連続するリング状の凹部からなり、また、加工穴の内側に残されたコア及びクラッドを含む被覆層の一部からなる余剰部分は、研磨手段により切削して端面処理を行うことを特徴としている。
本発明の請求項11記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法は、コアとクラッドを有するプラスチック光ファイバにフェルールを装着すると共にフェルールの先端からプラスチック光ファイバの先端を突出させ、コアのみを溶融させるコア溶融手段中に突出部を浸漬することにより浸漬部のコアのみを溶融して空洞を形成し、その空洞に、加工突起を有する加熱されたホットプレートの加工突起を押し当てて加熱することにより変形させて半径方向外側に膨出させた後、その膨出部にホットプレートの平面部を押し当てて溶融することによりクラッドに半径方向外側に膨出するクラッド膨出部を設けることを主要な特徴としている。
本発明の請求項12〜14記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法は、クラッド膨出部は、フェルールの先端に設けたクラッド収納部に収納し、クラッド収納部は、フェルールの先端に設けた周方向に連続するリング状の凹部からなり、また、フェルールの先端から突出するクラッド又はコアを含むクラッドからなる余剰部分は、研磨手段により切削して端面処理を行うことを特徴としている。
本発明の請求項15記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置は、コアとクラッドを有するプラスチック光ファイバが装着されるフェルールを軸方向へ移動可能に保持するガイド部材と、プラスチック光ファイバのコアより大きな加工穴を有する加熱されたホットプレートと、を備え、フェルールの先端からプラスチック光ファイバの先端を突出させてその突出部のクラッドの先端にホットプレートの加工穴を押し当て、コアを含むクラッドの一部を残して周囲のクラッドを加熱変形することによりクラッドに半径方向外側に膨出するクラッド膨出部を設けたことを主要な特徴としている。
本発明の請求項16〜19記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置は、加工穴は、コアの直径よりも大きな円形穴、楕円形穴、四辺形穴又は多角形穴のいずれかであり、クラッド膨出部は、フェルールの先端に設けたクラッド収納部に収納し、クラッド収納部は、フェルールの先端に設けた周方向に連続するリング状の凹部からなり、また、加工穴の内側に形成されたコアを含むクラッドの一部からなる余剰部分を切削して端面処理する研磨手段を設けることを特徴としている。
本発明の請求項20記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置は、コアとクラッドと被覆層を有するプラスチック光ファイバが装着されるフェルールを軸方向に移動可能に保持するガイド部材と、プラスチック光ファイバのクラッドより大きな加工穴を有する加熱されたホットプレートと、を備え、フェルールの先端からプラスチック光ファイバの先端を突出させてその突出部の被覆層の先端にホットプレートの加工穴を押し当て、コア及びクラッドを含む被覆層の一部を残して周囲の被覆層を加熱変形することにより被覆層に半径方向外側に膨出する被覆層膨出部を設けることを主要な特徴としている。
本発明の請求項21〜24記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置は、加工穴は、コアの直径よりも大きな円形穴、楕円形穴、四辺形穴又は多角形穴のいずれかであり、被覆層膨出部は、フェルールの先端に設けた被覆層収納部に収納し、被覆層収納部は、フェルールの先端に設けた周方向に連続するリング状の凹部からなり、また、加工穴の内側に形成されたコア及びクラッドを含む被覆層の一部からなる余剰部分を切削して端面処理する研磨手段を設けたことを特徴としている。
本発明の請求項25記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置は、コアとクラッドを有するプラスチック光ファイバが装着されるフェルールを軸方向へ移動可能に保持するガイド部材と、フェルールの先端から突出したプラスチック光ファイバの突出部が浸漬されることにより浸漬部までのコアのみを溶融するコア溶融手段と、このコア溶融手段でコアを消去することにより形成される空洞を有するクラッドに押し当てられる加工突起を有する加熱されたホットプレートと、加工突起により加熱変形されたクラッドに更に加熱されて押し当てられるホットプレート又は別のホットプレートと、を備え、加工突起をクラッドに押し当てて半径方向外側に膨出させた後、その膨出部にホットプレート又は別のホットプレートの平面部を押し当ててクラッドを更に加熱変形することにより半径方向外側に膨出するクラッド膨出部を設けることを主要な特徴としている。
また、本発明の請求項26〜28記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置は、クラッド膨出部は、フェルールの先端に設けたクラッド収納部に収納し、クラッド収納部は、フェルールの先端に設けた周方向に連続するリング状の凹部からなり、また、フェルールの先端から突出するクラッド又はコアを含むクラッドの余剰部分を切削して端面処理する研磨手段を設けたことを特徴としている。
本発明の請求項1記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法によれば、フェルールの先端から突出したプラスチック光ファイバの突出部に加熱されたホットプレートの加工穴を押し当て、コアを含むクラッドの一部を残して周囲のクラッドを溶融してクラッド膨出部を設けることにより、SI型プラスチック光ファイバとGI型プラスチック光ファイバのいずれにも適用することができ、フェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを防止できると共に、コアとクラッドの屈折率構造を当初のものに保持することができる。
本発明の請求項2〜5記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法によれば、加工穴は円形穴、楕円形穴、四辺形穴又は多角形穴のいずれであっても、クラッド膨出部を容易に形成することができ、フェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止することができる。クラッド膨出部は、フェルールの先端にクラッド収納部を設けてそこに収納することにより、フェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止することができる。更に、クラッド収納部は、リング状の凹部をフェルールの先端に形成することにより、構造が簡単でありながらプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止できるものを容易に形成することができる。また、コアを含むクラッドの一部からなる余剰部分を研磨手段で切削して端面処理することにより、プラスチック光ファイバの端面を平滑面に形成することができる。
本発明の請求項6記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法によれば、フェルールの先端から突出したプラスチック光ファイバの突出部に加熱されたホットプレートの加工穴を押し当て、コア及びクラッドを含む被覆層の一部を残して周囲の被覆層を溶融して被覆層膨出部を設けることにより、SI型プラスチック光ファイバとGI型プラスチック光ファイバのいずれにも適用することができ、フェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを防止できると共に、コアとクラッドの屈折率構造を当初のものに保持することができる。
本発明の請求項7〜10記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法によれば、加工穴は円形穴、楕円形穴、四辺形穴又は多角形穴のいずれであっても、被覆層膨出部を容易に形成することができ、フェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止することができる。被覆層膨出部は、フェルールの先端に被覆層収納部を設けてそこに収納することにより、フェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止することができる。更に、被覆層収納部は、リング状の凹部をフェルールの先端に形成することにより、構造が簡単でありながらプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止できるものを容易に形成することができる。また、コア及びクラッドを含む被覆層の一部からなる余剰部分を研磨手段で切削して端面処理することにより、プラスチック光ファイバの端面を平滑面に形成することができる。
本発明の請求項11記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法によれば、フェルールの先端から突出したプラスチック光ファイバの突出部をコア溶融手段に浸漬して浸漬部までのコアを溶融して空洞を形成し、その空洞を囲うクラッドに加熱されたホットプレートの加工突起を押し当てて加熱することにより変形させて外側に膨出させた後、その膨出部にホットプレートの平面部を押し当てて溶融することによってクラッド膨出部を設けることにより、SI型プラスチック光ファイバとGI型プラスチック光ファイバのいずれにも適用することができ、フェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを防止できると共に、コアとクラッドの屈折率構造を当初のものに保持することができる。
本発明の請求項12〜14記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法によれば、クラッド膨出部は、フェルールの先端にクラッド収納部を設けてそこに収納することにより、フェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止することができる。クラッド収納部は、リング状の凹部をフェルールの先端に形成することにより、構造が簡単でありながらプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止できるものを容易に形成することができる。また、コアを含むクラッドの一部からなる余剰部分を研磨手段で切削して端面処理することにより、プラスチック光ファイバの端面を平滑面に形成することができる。
本発明の請求項15記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置によれば、フェルールを保持するガイド部材と、加工穴を有する加熱されたホットプレートと、を備え、プラスチック光ファイバのクラッドの先端にホットプレートの加工穴を押し当てることにより加熱変形してクラッド膨出部を設ける構成としたため、SI型プラスチック光ファイバとGI型プラスチック光ファイバのいずれの端面処理装置としても適用することができ、クラッド膨出部によってフェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを防止できると共に、コアとクラッドの屈折率構造に影響を与えることなく当初の屈折率構造を保持することができる。
本発明の請求項16〜19記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置によれば、加工穴の形状が円形穴、楕円形穴、四辺形穴又は多角形穴のいずれであっても、クラッド膨出部を容易に形成することができ、そのクラッド膨出部でフェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止することができる。クラッド膨出部は、フェルールの先端にクラッド収納部を設けてそこに収納することにより、フェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止することができる。クラッド収納部は、リング状の凹部をフェルールの先端に形成することにより、構造が簡単でありながらプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止できるものを容易に形成することができる。また、コアを含むクラッドの一部からなる余剰部分を研磨手段で切削して端面処理することにより、プラスチック光ファイバの端面を平滑面に形成することができる。
本発明の請求項20記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置によれば、フェルールを保持するガイド部材と、加工穴を有する加熱されたホットプレートと、を備え、プラスチック光ファイバの被覆層の先端にホットプレートの加工穴を押し当てることにより加熱変形して被覆層膨出部を設ける構成としたため、SI型プラスチック光ファイバとGI型プラスチック光ファイバのいずれの端面処理装置としても適用することができ、被覆層膨出部によってフェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを防止できると共に、コアとクラッドの屈折率構造に影響を与えることなく当初の屈折率構造を保持することができる。
本発明の請求項21〜24記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置によれば、加工穴の形状が円形穴、楕円形穴、四辺形穴又は多角形穴のいずれであっても、被覆層膨出部を容易に形成することができ、その被覆層膨出部でフェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止することができる。被覆層膨出部は、フェルールの先端に被覆層収納部を設けてそこに収納することにより、フェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止することができる。被覆層収納部は、リング状の凹部をフェルールの先端に形成することにより、構造が簡単でありながらプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止できるものを容易に形成することができる。また、コア及びクラッドを含む被覆層の一部からなる余剰部分を研磨手段で切削して端面処理することにより、プラスチック光ファイバの端面を平滑面に形成することができる。
本発明の請求項25記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置によれば、フェルールを保持するガイド部材と、浸漬部までのコアを溶融してクラッドの内部に空洞を形成するコア溶融手段と、加工突起を有する加熱されたホットプレートと、平面部を有する加熱されたホットプレートと、を備え、加工突起でクラッドを膨出させた後、その膨出部に平面部を押し当ててクラッド膨出部を設ける構成としたため、SI型プラスチック光ファイバとGI型プラスチック光ファイバのいずれの端面処理装置としても適用することができ、クラッド膨出部によってフェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを防止できると共に、コアとクラッドの屈折率構造に影響を与えることなく当初の屈折率構造を保持することができる。
また、本発明の請求項26〜28記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置によれば、フェルールの先端に設けたクラッド収納部にクラッド膨出部を収納することにより、クラッド膨出部が邪魔になることがなく、フェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止することができる。更に、クラッド収納部は、リング状の凹部をフェルールの先端に形成することにより、構造が簡単でありながらプラスチック光ファイバの引き込みを確実に防止できるものを容易に形成することができる。また、クラッド又はコアを含むクラッドからなる余剰部分を研磨手段で切削して端面処理することにより、プラスチック光ファイバの端面を平滑面に形成することができる。
SI型プラスチック光ファイバのみならずGI型プラスチック光ファイバにも適用することができ、フェルール先端からのプラスチック光ファイバの引き込みを防止することができると共に、コアとクラッドの屈折率構造を当初の屈折率構造に保持できるプラスチック光ファイバの端面処理方法及び端面処理装置を提供する。
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図28の添付図面を参照して説明する。図1〜図7は、本発明に係るプラスチック光ファイバの端面処理方法及び端面処理装置の第1の実施例を示すもので、図1はプラスチック光ファイバの第1実施例の断面図、図2は加熱装置の第1実施例の説明図、図3はホットプレートにクラッドを押し当てる前の説明図、図4はホットプレートにクラッドを押し当てた説明図、図5は図4で製作されたプラスチック光ファイバの外観斜視図、図6は図4のコアを含むクラッドの余剰部分を端面処理した説明図、図7は加熱装置にガイド部材を装着した状態の説明図である。図8は加熱装置の第2実施例の説明図、図9は図8の加熱装置で作成されたプラスチック光ファイバの外観斜視図である。
図10は、本発明に係るクラッド膨出部の第2の実施例を示す説明図である。図11〜図13は、本発明に係るクラッド膨出部の第3の実施例を示すもので、図11はクラッドにホットプレートの加工穴を押し当てる前の説明図、図12はクラッドにホットプレートの加工穴を押し当てた説明図、図13はコアを含むクラッドの余剰部分を端面処理した説明図である。
図14〜図20は、本発明に係るプラスチック光ファイバの端面処理方法及び端面処理装置の第2の実施例を示すもので、図14はプラスチック光ファイバの先端をコア溶融手段に浸漬させた説明図、図15は図14の処理後のプラスチック光ファイバを断面した説明図、図16は加工突起付きホットプレートを有する加熱装置の説明図、図17はプラスチック光ファイバのクラッドの空洞に図16の加熱装置の加工突起を押し当てる前の説明図、図18はクラッドの空洞に加工突起を押し当てた説明図、図19はクラッドの余剰部分を端面処理する前の説明図、図20はクラッドの余剰部分を端面処理した後の説明図である。
図21〜図26は、本発明に係るプラスチック光ファイバの端面処理方法の第3の実施例を示すものである。即ち、図21はクラッドにホットプレートの加工穴を押し当てる前の説明図、図22はクラッドにホットプレートの加工穴を押し当てた説明図、図23はコアを含むクラッドの余剰部分を端面処理した説明図である。図24は被覆層にホットプレートの加工穴を押し当てる前の説明図、図25は被覆層にホットプレートの加工穴を押し当てた説明図、図26はコアを含むクラッドの余剰部分を端面処理した説明図である。
まず、本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法及び端面処理装置の第1の実施例について説明する。この実施例に係るプラスチック光ファイバは、図1に示すような構成を有している。図1に示す符号1は、ステップ型(SI型)のプラスチック光ファイバである。このプラスチック光ファイバ1は、鉛筆の芯に相当する中央のコア2と、このコア2を取り巻く軸木に相当するクラッド3とから構成されている。コア2の屈折率は一様であって、クラッド3の屈折率よりも高く設定されている。このSI型プラスチック光ファイバでは、光がコア2とクラッド3の境界で全反射しながらファイバ内を伝搬される。
なお、本実施例では、プラスチック光ファイバ1としてSI型プラスチック光ファイバを用いた例について説明するが、本発明はグレーテッド型(GI型)プラスチック光ファイバを適用することができることは勿論である。GI型プラスチック光ファイバは、コアの中心からクラッドに近づくに従って屈折率が徐々に減少するように構成されたもので、光はコア内を蛇行しながら伝搬される。
このような構成を有するプラスチック光ファイバ1にフェルール4が装着されている。フェルール4は、プラスチック光ファイバ1が嵌合される貫通穴5を有する筒状の部材から構成されている。このフェルール4の貫通穴5の軸方向一端の内周縁には、周方向に連続する環状の凹部からなるクラッド収納部6が形成されている。クラッド収納部6は、面と面とが交わる角に斜面を設けた断面形状が三角形をなすリング状の面取り部から構成されている。
前記プラスチック光ファイバ1の材質としては、例えば、コア材としてPMMA(ポリメチルメタアクリレート)を使用し、クラッド材としてフッ素樹脂を使用したもの等を挙げることができる。また、フェルール4の材質としては、プラスチック、セラミック、金属等の各種の材料を用いることができる。プラスチック製フェルールとしては、PPS(ポリフェニレンスルフィド)やPBTP(ポリブチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂を使用することができ、また、エポキシ樹脂(EP)等の熱硬化性樹脂を使用することもできる。セラミック製フェルールのセラミックとしては、アルミナ製(Al22)とジルコニア製(ZrO2)等を使用することができる。
図2は、本実施例に係る加熱装置7を示す説明図である。加熱装置7は、プラスチック光ファイバ1が押し当てられることによりクラッド3を加熱して変形させるホットプレート8と、このホットプレート8を加熱させるヒータ9と、これらを保持する筐体10等を備えて構成されている。ホットプレート8は、熱伝導性に優れた鉄等の金属性の板材からなり、その上面は平滑な平面部(鏡面であることが好ましい。)とされている。このホットプレート8の略中央部には、上面に開口された円形の加工穴11が設けられている。
ホットプレート8の加工穴11は、プラスチック光ファイバ1のコア2を含むクラッド3の一部(半径方向内側の部分)に対応した大きさ、本実施例ではコア2の直径よりも少々大きな直径とされている。この加工穴11の直径dは、コア2の直径D1以上であるが、クラッド3の直径D2未満である必要がある。また、加工穴11の深さは、少なくともフェルール4の先端4aから突出するプラスチック光ファイバ1の突出量Lよりも深くなるように設定する。この加工穴11の大きさをコア2の直径よりも少々大きくしたのは、ホットプレート8の加工穴11にコア2が直接接触するのを防ぎ、コア2が加熱面に直接接触して加熱されるのを防止するためである。
ホットプレート8は、熱伝導率が大きくて熱膨張率が小さい材質によって形成することが好ましい。このホットプレート8にはヒータ9が電気的に接続されており、ヒータ9の温度制御によってホットプレート8が所定温度に加熱されるように構成されている。このホットプレート8は、筐体10の上部に断熱部材12を介して断熱支持されている。かくして、ヒータ9を電源に接続して通電することにより、ホットプレート8が電気により加熱されて所定温度に高められる。
このホットプレート8の加工穴11でプラスチック光ファイバ1のクラッド3を加熱して変形させるのであるが、コア2が加工穴11の加熱面に直接接触しないようにするため、加工穴11の中心とコア2の中心を位置合わせする必要がある。この加工穴11とコア2との位置合わせを容易にするため、加熱装置7にはフェルール4をガイドしてプラスチック光ファイバ1を軸方向へ直線的に移動可能に保持するガイド部材14を設けることが好ましい。
ガイド部材14は、加熱装置7の筐体10の上部に嵌合される蓋状の部材からなり、その中央部には上面側に突出するボス部14aが設けられている。ボス部14aの中央部には、フェルール4のガイドをなすガイド穴15が上下方向に貫通するように設けられている。また、ガイド部材14の下面には、プラスチック光ファイバ1及びフェルール4の各先端を下方に突出させるための凹陥部16が設けられている。凹陥部16の開口縁には、筐体10に対してガイド部材14を位置合わせするための位置決め凹部17が設けられている。この位置決め凹部17を筐体10の上部に嵌め合わせてガイド部材14を加熱装置7に装着することにより、ガイド穴15に装着されたフェルール4付きプラスチック光ファイバ1のコア2の中心がホットプレート8の加工穴11の中心に略一致される。
次に、前記加熱装置7及びガイド部材14を用いて行うことができるプラスチック光ファイバ1の端面処理の方法の例について説明する。まず、プラスチック光ファイバ1をフェルール4の貫通穴5に挿通し、このようにプラスチック光ファイバ1が装着されたフェルール4をガイド部材14のボス部14aのガイド穴15に挿通する。このとき、プラスチック光ファイバ1の先端1aは、図1に示すように、フェルール4の先端4aから所定量Lだけ突出させておく。
ガイド部材14は、予め加熱装置7の筐体10の上部に嵌合させておくようにする。この場合、ガイド部材14の位置決め凹部17を筐体10に嵌め合わせることにより、筐体10に対するガイド部材14の位置決めが自動的になされる。その後、プラスチック光ファイバ1が装着されたフェルール4をガイド部材14のガイド穴15に挿入する。これにより、図7に示すように、ホットプレート8の加工穴11に対してプラスチック光ファイバ1の先端面が上下方向に対向され、上下方向に延在されたコア2の中心が加工穴11の中心に略一致される。
次に、加熱装置7のヒータ9を作動させてホットプレート8の全体を所定温度(クラッド3を溶かすことができる温度)に加熱する。このとき、ホットプレート8の加熱面の温度は、プラスチック光ファイバ1のガラス転移点よりも高い温度に設定する。例えば、フッ素樹脂系プラスチック光ファイバの場合、そのガラス転移点は約100℃であるため、加熱面の温度は130℃程度に設定する。この状態から、図3及び図7に示すように、フェルール4と一体にプラスチック光ファイバ1をホットプレート8の加工穴11のある部分に近づける。このとき、加工穴11の直径dは、コア2の直径D1よりは大きいが、クラッド3の直径D2(外径)よりは小さいため、クラッド3の半径方向中途部に加工穴11の内周面が接触される。
ホットプレート8がクラッド3の先端に接触した後にも、図4に示すように、更にプラスチック光ファイバ1をホットプレート8に押し当てて、フェルール4の先端がホットプレート8の上面8aに接触するまで移動する。その結果、ホットプレート8の加工穴11により、その加工穴11の周縁部に接触するクラッド3の外側部分のみが溶融して軟化され、その内側のクラッド3の内側部分とコア2の全体は、ホットプレート8の熱で溶融軟化されることなく加工穴11の内部に入り込む。
このとき、クラッド3の外側の溶融した部分は、ホットプレート8から作用する圧力により押圧されて、フェルール4の先端4aの内周縁に設けたリング状のクラッド収納部6内に充填するように収納される。ホットプレート8による押し当て状態を保ったまま、ホットプレート8の加熱を止めることにより、クラッド3の先端部には、図4及び図5に示すように、半径方向外側に膨出されたリング状をなすクラッド膨出部18が形成される。このクラッド膨出部18は、その体積がクラッド収納部6の容積と略同一となるように、フェルール4先端4aからのプラスチック光ファイバ1の突出量を予め所定量Lに設定しておくようにする。
このような端面処理を行うことで形成されるクラッド膨出部18により、フェルール4に対するプラスチック光ファイバ1の引き込みが防止される。そのため、フェルール4によってプラスチック光ファイバ1を常に所定位置に保持しておくことができ、プラスチック光ファイバ1の引き込みによる光の伝送効率の低下を防止することができる。しかも、コア2の全体とクラッド3の内側部分の組織は処理前と変わらないため、コア2の屈折率構造を当初のままに保持することができる。
その後、図6に示すように、プラスチック光ファイバ1の先端1aに突き出たコア2を含むクラッド3の内側部分からなる余剰部分20を除去する。例えば、研磨手段21によって余剰部分20を切削し、プラスチック光ファイバ1の先端1aの端面全体を1つの平面とする端面処理を行う。図6に示す研磨手段21は、余剰部分20を研磨して除去するものである。この研磨手段21は、上面に研磨面22が設けられた研磨台23を備えて構成されている。この研磨台23の下面中央部に設けた回転軸24によって研磨台23が回転駆動されると共に水平方向へも揺動可能とされている。この研磨台23を回転駆動すると共に水平方向へ揺動させることにより、研磨面22が余剰部分20を削り落として平滑な端面を得ることができる。
以上の工程を行うことにより、フェルール4先端4aからプラスチック光ファイバ1先端1aの引き込みを防止できるプラスチック光ファイバ端面構造が得られる。しかも、コア2とクラッド3の屈折率構造が当初のままに保持された平滑な端面が得られる。
図8は、本発明に係る加熱装置の第2の実施例を示すものである。この加熱装置27は、前記加熱装置7のホットプレート8に設けた円形の加工穴11に代えて、ホットプレート28に長方形の長穴からなる加工穴29を設けたものである。他の構成は、前記実施例の加熱装置7と同様であるため、同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
ホットプレート28は、熱の良導体で形成された四角形の板体からなり、その略中央部にスリット状の加工穴29が設けられている。加工穴29の大きさは、幅eがコア2の直径D1以上クラッド3の直径D2以下であって、長さfはクラッド3の直径D2以上である。また、加工穴29の深さは加工穴11のそれと同様であって、フェルール4の先端4aからプラスチック光ファイバ1の先端1aが突出する量Lよりも長く設定する。
このような構成を有する加熱装置27を用いる場合には、図9に示すような端面構造を有するプラスチック光ファイバ1の端面処理を行うことができる。前記実施例と同様に、加熱装置27に装着されたガイド部材14のガイド穴15に、プラスチック光ファイバ1が装着されたフェルール4を挿入する。その結果、ガイド部材14によってプラスチック光ファイバ1の先端部分が垂直に保持される。これにより、ガイド部材14に保持されたプラスチック光ファイバ1のコア2の中心とホットプレート28に設けた加工穴29の幅方向の中心とが略一致される。そこで、フェルール4と一体にプラスチック光ファイバ1を軸方向に移動してホットプレート28に近づけ、その先端を加工穴29周縁の加熱面に押し当てる。
これにより、プラスチック光ファイバ1のクラッド3の一部が、ホットプレート28の加工穴29の長辺側の縁に接触する。そして、ホットプレート28の加熱面に接触するクラッド3の2箇所が、加熱面から加えられる熱により軟化して溶融される。その結果、クラッド3の2箇所の対向する側面部4b,4bが半月状に溶融されて消失すると共に、その溶融したものがフェルール4のクラッド収納部6内に入り込む。即ち、クラッド3の2箇所が、軟化溶融して耳のように側方に膨出し、その膨出部31,31がクラッド収納部6内に入り込んでストッパの役割を果たすようになる。
その後、プラスチック光ファイバ1の先端1aに突き出たコア2を含むクラッド3の内側部分からなる余剰部分32を、前記研磨手段21等によって除去する。これにより、余剰部分32が研磨手段21の研磨面22によって削り落とされ、プラスチック光ファイバ1の先端1aが平滑な端面に仕上げられる。以上の工程を行うことにより、フェルール4先端からのプラスチック光ファイバ1先端の引き込み防止構造が形成される。そして、コア2とクラッド3の屈折率構造が当初の状態に保持された平滑な端面が得られる。
図10は、前記示したクラッド収納部6の他の実施例を示すものである。この実施例で示すクラッド収納部34は、前記実施例における面取り形状に代えて、座ぐり状に形成したものである。クラッド収納部34は、半径方向外側に展開された外向きフランジ状の空間部によって形成されている。このクラッド収納部34の全体に、リング状をなすクラッド膨出部35が充填されて収納されている。他の構成及び製造工程等については、前述した実施例と同様である。
また、図11〜図13は、クラッド収納部6の更に他の実施例を示すものである。この実施例は、フェルール4の先端4aの内周縁に凹部を設けることなく、先端4aの端面全体をクラッド収納部として構成したものである。この実施例が前記第1実施例と異なるところは、フェルール4の先端4aが単なる端面であって、その内周縁にはクラッド収納部となる凹部が設けられていない点である。その他の構成は前記実施例と同様であるため、その構成の説明は省略する。なお、この実施例においても、プラスチック光ファイバ1として適用できるのはSI型プラスチック光ファイバのみならず、GI型プラスチック光ファイバにも同様に適用できることは勿論である。
この実施例で示す端面構造は、例えば、次のようにして形成することができる。まず、図11に示すように、プラスチック光ファイバ1をフェルール4の貫通穴5に通し、フェルール4の先端4aからプラスチック光ファイバ1の先端1aを所定量Laだけ突出させる。このプラスチック光ファイバ1が装着されたフェルール4をガイド部材14のガイド穴15に挿通して保持する。この際、ガイド部材14は予め加熱装置7の筐体10に嵌合させておくようにする。これにより、加熱装置7に対するガイド部材14の位置決めが自動的になされる。その結果、ホットプレート8の加工穴11の中心とプラスチック光ファイバ1のコア2の中心が同一線上に略一致される。
次に、加熱装置7のヒータ9を作動させてホットプレート8を所定温度に加熱した後、フェルール4と一体にプラスチック光ファイバ1をホットプレート8側に移動して、プラスチック光ファイバ1の先端1aをホットプレート8に押し当てる。そして、フェルール4の先端4aがホットプレート8の上面8aに接触する少し手前(接触しない適当な位置)まで移動することにより、クラッド3の半径方向外側部分が軟化溶融して外側に広げられる。その結果、図12に示すように、ホットプレート8の加工穴11の周縁部に接触するクラッド3の外側部分が軟化して溶融し、その溶融した部分がフェルール4の端面全体に広げられる。
これにより、クラッド3の先端に、半径方向外側に膨出されたフランジ状のクラッド膨出部37が形成される。このクラッド膨出部37をクラッド3の先端に設けることにより、フェルール4に対するプラスチック光ファイバ1の引き込みを防止することができる。
なお、クラッド収納部の形状は、前述した実施例のように、各種の形状として構成することができるものであり、例えば、断面形状については三角形や四角形に限定されるものではなく、台形や扇形その他の形状に形成できることは勿論である。また、クラッド収納部は、クラッド3の内周縁において周方向に連続するものばかりでなく、周方向に間欠的に設けられた凹部として形成することもできる。
その後、図13に示すように、プラスチック光ファイバ1の先端1aに突き出たコア2を含むクラッド3の内側部分からなる余剰部分20を除去する。例えば、研磨手段の研磨面22によって余剰部分20を切削し、プラスチック光ファイバ1の先端1aの端面全体を1つの平面とする端面処理を行う。以上の加工処理を行うことにより、フェルール4の先端4aからプラスチック光ファイバ1の先端1aが軸方向内側へ移動しようとする引き込みを防止することができる。しかも、コア2とクラッド3との境界部分にはホットプレート8の加熱面が直接接触しないため、コア2とクラッド3の屈折率構造を当初のままに保持することができる。
図14〜図20は、本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法及び端面処理装置の第2の実施例を説明するものである。この第2の実施例は、プラスチック光ファイバ1のコア2のみを溶かすことができる溶剤を用いて所定部分のコアを溶融し、その外側に残されたクラッド3を加熱して軟化溶融することにより、上述したクラッド膨出部18と同様のクラッド膨出部を形成するようにしたものである。
まず、本発明の第2実施例に係る端面処理装置の構成について説明する。この端面処理装置は、プラスチック光ファイバ1を軸方向へ移動可能に保持するガイド部材14と、プラスチック光ファイバ1のコア2のみを所定部分だけ溶かして空洞40を形成するコア溶融手段41と、空洞40が形成されたクラッドを軟化溶融して外側へ中間処理的に第1段階まで変形させる第1のホットプレート43を有する加熱装置44と、第1段階まで曲げたクラッドを再度軟化溶融して最終処理的に第2段階まで変形させる第2のホットプレート45を有する加熱装置等を備えて構成されている。
図14は、コア溶融手段41を示す説明図である。コア溶融手段41は、プラスチック光ファイバ1の構成要素のうち、クラッド3を残してコア2のみを溶融することができる溶剤からなるコア溶融液46によって構成される。そのようなコア溶融液46は、使用するプラスチック光ファイバ1の材質に選定される。このコア溶融液46の濃度及び浸漬時間を調節することにより、図15に示すように、内側のコア2のみを溶融させて外側のクラッド3を残し、中央に空洞40が形成された端面構造を形成することができる。コア溶融液46は、上面に開口された溶剤容器47に入れられている。
図16は、第1のホットプレート43を有する加熱装置44を示す説明図である。加熱装置44の構成は、前述した実施例の加熱装置7と構成は略同一であり、異なるところはホットプレート43である。ホットプレート43は、前述したホットプレート8と同様に熱伝導率が大きく熱膨張率が小さい材質で形成されているが、加熱面である上面の略中央部には、空洞40内に入り込む加工突起48が設けられている。加工突起48は、裾の部分でクラッド3の筒状部33を押し広げて軟化溶融し、クラッド3を中間処理的に加熱変形して外側へ膨出させるものである。
第1のホットプレート43の加工突起48は、裾の部分の直径d1がコア2の直径D1よりも大きく形成された(d1>D1)円錐形、円錐台形、角錐形、角錐台形等の尖頭形状をなす凸部からなる。この加工突起48の中心は、加熱装置44に装着されたガイド部材14に保持されたプラスチック光ファイバ1の中心と略一致するように構成されている。他の構成は前記実施例と同様であるため、それらの説明は省略する。
この実施例で示す端面構造は、例えば、次のようにして形成することができる。まず、図15に示すように、プラスチック光ファイバ1をフェルール4の貫通穴5に通し、フェルール4の先端4aからプラスチック光ファイバ1の先端1aを所定量Lbだけ突出させる。このプラスチック光ファイバ1が装着されたフェルール4をガイド部材14のガイド穴15に挿通して保持し、そのガイド部材14を溶剤容器47に嵌合させる。これにより、加熱装置7に対するガイド部材14の位置決めが自動的になされる。
次に、図14に示すように、フェルール4と一緒にプラスチック光ファイバ1をコア溶融液46側に移動し、その先端1aから所定量(本実施例では、プラスチック光ファイバ1の先端1aからフェルール4の先端4aまでの長さLb)をコア溶融液46に浸漬させる。この浸漬量は、フェルール4の先端4aに到達する前の中途部までの長さであってもよい。これにより、コア溶融液46に浸漬されている部分のコアのみが溶融されて空洞40が形成され、外側のクラッドが円筒状に残された円筒部33が構成される。
このように構成されたフェルール4付きのプラスチック光ファイバ1を、図16に示す加熱装置44の筐体10に嵌合されているガイド部材14のガイド穴15に挿通して保持する。これにより、図17に示すように、第1のホットプレート43の加工突起48の中心とプラスチック光ファイバ1のクラッド3(円筒部33)の中心が同一線上に略一致される。
次に、加熱装置44のヒータ9を作動させて第1のホットプレート43を所定温度に加熱する。その後、図18に示すように、フェルール4と一体にプラスチック光ファイバ1をホットプレート43側に移動して、クラッド3先端の円筒部33をホットプレート43の加工突起48に押し当てる。これにより、加工突起48の尖頭部が円筒部33の空洞40内に入り込むため、その円筒部33が半径方向外側に広げられる。これにより、クラッド3の円筒部33が加工突起48により加熱されて軟化溶融し、半径方向外側に変形される。このとき、加工突起48の先端がコア2の端面に当接して傷つけないように注意する。そして、クラッド3の円筒部33がある程度半径方向外側へ溶融変形したところで、一旦第1のホットプレート43の加熱を停止する。
続いて、第2のホットプレート45の平面部を用いてクラッド3の円筒部33を、図18に示す形状から図19に示す形状まで変形させる加熱処理を行う。このとき、第2のホットプレート45は、前記第1のホットプレート43において十分に広い平面部がある場合には、その第1のホットプレート43をそのまま使用することもできる。また、前記加熱装置44を用いてホットプレートのみを変更可能に構成し、必要に応じて第1のホットプレート43と第2のホットプレート45を入れ替えて使用するようにしてもよい。
第2のホットプレート45が第1のホットプレート43と異なるところは、第2のホットプレート45の加熱面には加工突起48が無くて平面部のみからなっている点である。この第2のホットプレート45を、例えば、加熱装置44に設置する。また、第1のホットプレート43によって中間処理されたフェルール4付きのプラスチック光ファイバ1をガイド部材14に装着する。これにより、プラスチック光ファイバ1が所定位置にセットされる。
次に、加熱装置44のヒータ9を作動させて第2のホットプレート45を所定温度まで加熱する。その後、フェルール4と一体にプラスチック光ファイバ1をホットプレート45側に移動して、クラッド3の円筒部33をホットプレート45の加熱面である平面部に押し当てる。これにより、加熱面で加熱された円筒部33が更に軟化して溶融し、フェルール4先端4aの内周縁に設けた周方向に連続するリング状をなすクラッド収納部6内に充填される。この第2のホットプレート45による押し当て状態を保持したまま、第2のホットプレート45の加熱を停止する。
これにより、クラッド3の円筒部33が、半径方向外側に膨出するように加熱変形され、外向きフランジ状のクラッド膨出部50が形成される。このクラッド膨出部50をクラッド3の先端に設けることにより、フェルール4に対するプラスチック光ファイバ1の引き込みを防止することができる。
その後、プラスチック光ファイバ1の先端1aに突き出たクラッド3の余剰部分51を、前記研磨手段21により切削して除去する。これにより、余剰部分51が研磨手段21の研磨面22によって削り落とされ、図20に示すように、プラスチック光ファイバ1の先端1aが平滑な端面に仕上げられる。以上の工程を行うことにより、フェルール4先端からのプラスチック光ファイバ1先端の引き込み防止構造が形成される。そして、コア2とクラッド3の屈折率構造が当初の状態に保持された平滑な端面が得られる。
なお、この実施例では、プラスチック光ファイバ1の先端1aをフェルール4の先端4aまで浸漬し、空洞の深さをプラスチック光ファイバ1の突出量Lbと一致させるようにした。その結果、仕上げ段階における端面処理をクラッド3の余剰部分51のみの研磨加工だけですむようにしたため、より短時間で端面処理を行うことができた。しかしながら、プラスチック光ファイバ1の浸漬量をその突出量よりも短くし、コア2の一部を余剰部分として残し、研磨手段21による研磨加工でクラッド3の余剰部分51と一緒に研削して除去するようにしてもよい。
図21〜図26は、本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法及び端面処理装置の第3の実施例を説明するものである。この第3の実施例は、プラスチック光ファイバとして、コア2とクラッド3と被覆層61とからなるものを適用した例を示すものである。この第3の実施例が前記第1の実施例とことなるところは、プラスチック光ファイバ60がコア2とクラッド3の他に被覆層61を有する点である。被覆層61の材質としては、例えば、クラッド3と同程度の熱特性を有する各種のプラスチックを適用することができる。
被覆層61はクラッド3の外側に同心状に形成されていて、プラスチック光ファイバ60は全体として3層構造とされている。このようなプラスチック光ファイバ60に対して、ホットプレート62の加工穴63の大きさ(直径)を変えることによって膨出部が形成される部位を変更し、プラスチック光ファイバ先端の引き込みを防止するようにしている。
図21〜図26のうち、図21〜図23に示す実施例は、前記第1の実施例で説明したものと同様に、クラッド3の部分から外側を加熱変形させるようにしたものである。3層構造をなすプラスチック光ファイバ60が、フェルール64の貫通穴65に軸方向へ移動可能に保持されている。そして、フェルール64の先端64aの内周縁には面取り状の被覆層収納部66が設けられている。その他の構成及び作用は、前述した実施例1の場合と同様である。
この実施例に係るプラスチック光ファイバ60の端面処理を簡単に説明すると、次のようなものである。まず、プラスチック光ファイバ60をフェルール64の貫通穴65に挿通し、このプラスチック光ファイバ60が装着されたフェルール64を、加熱装置7の筐体10に嵌合されているガイド部材14のボス部14aのガイド穴15に挿通して保持する。このとき、プラスチック光ファイバ60の先端60aは、図21に示すように、フェルール64の先端64aから所定量Lだけ突出させておく。
次に、加熱装置7のホットプレート62を所定温度に加熱した後、フェルール4と一体にプラスチック光ファイバ1を移動してホットプレート62の加熱面に押し当てる。これにより、ホットプレート62に設けた加工穴63の直径d1がコア2の直径D1よりも若干大きいため(d1>D1)、加工穴63の周縁がコア2の外側のクラッド3の内側部分に接触される。
その結果、ホットプレート62の加熱面(加工穴63の周縁部)によってクラッド3とその外側の被覆層61が溶融して軟化される。一方、加熱面の内側であるクラッド3の内側部分とコア2の全体は、ホットプレート62の熱で溶融軟化されることなく加工穴63の内部に入り込む。このとき、クラッド3の外側部分及び被覆層61の溶融した部分は、ホットプレート62の押圧力によって外側に押し広げられ、フェルール64の先端64aに設けたリング状の被覆層収納部66内に充填するように収納される。
ホットプレート62による押し当て状態を保ったまま、ホットプレート62の加熱を止めることにより、図22に示すように、クラッド3及び被覆層61の先端部には半径方向外側に膨出されたリング状をなす被覆層膨出部67が形成される。このような端面処理を行うことで形成される被覆層膨出部67により、フェルール64に対するプラスチック光ファイバ60の引き込みが防止される。その結果、フェルール64によってプラスチック光ファイバ60を常に所定位置に保持しておくことができ、プラスチック光ファイバ60の引き込みによる光の伝送効率の低下を防止することができる。
その後、図23に示すように、プラスチック光ファイバ60の先端60aに突き出たコア2を含むクラッド3の内側部分からなる余剰部分68を、例えば、研磨手段21により切削して取り除く。これにより、プラスチック光ファイバ60の先端60aの端面全体を1つの平面として平滑な端面を得ることができる。以上の工程を行うことにより、フェルール64の先端64aからプラスチック光ファイバ60の先端60aの引き込みを防止できるプラスチック光ファイバ端面構造が得られる。しかも、コア2の全体とクラッド3の内側部分の組織は処理前と変わらないため、コア2の屈折率構造を当初のままに保持した平滑な端面が得られる。
また、図24〜図26に示す実施例は、被覆層61の部分から外側を加熱変形させるようにしたものである。3層構造をなすプラスチック光ファイバ60が、フェルール64の貫通穴65に軸方向へ移動可能に保持されている。フェルール64の先端64aの内周縁には面取り状の被覆層収納部66が設けられている。図24に示すように、ホットプレート70には、クラッド3の直径(外径)D2よりも少々大きな直径d2を有する加工穴71が設けられている。その他の構成及び作用は、前述した実施例の場合と同様である。
この実施例では、図25に示すように、ホットプレート70に設けた加工穴71の直径d2がクラッド3の直径D2よりも若干大きいため(d2>D2)、加工穴71の周縁がクラッド3の外側の被覆層61の内側部分に接触される。その結果、ホットプレート70の加熱面(加工穴71の周縁部)によって被覆層61が溶融して軟化される。一方、加熱面の内側である被覆層61の内側部分とクラッド3及びコア2の全体は、ホットプレート70の熱で溶融軟化されることなく加工穴71の内部に入り込む。このとき、被覆層61の溶融した部分が、ホットプレート70の押圧力によって外側に押し広げられ、フェルール64の先端64aに設けたリング状の被覆層収納部66内に充填するように収納される。
ホットプレート70による押し当て状態を保ったまま、ホットプレート70の加熱を止めることにより、被覆層61の先端部には半径方向外側に膨出されたリング状をなす被覆層膨出部72が形成される。このような端面処理を行うことで形成される被覆層膨出部72により、フェルール64に対するプラスチック光ファイバ60の引き込みが防止される。その結果、フェルール64によってプラスチック光ファイバ60を常に所定位置に保持しておくことができ、プラスチック光ファイバ60の引き込みによる光の伝送効率の低下を防止することができる。
その後、図26に示すように、プラスチック光ファイバ60の先端60aに突き出たコア2及びクラッド3を含む被覆層61の内側部分からなる余剰部分73を、例えば、研磨手段21により切削して取り除く。これにより、プラスチック光ファイバ60の先端60aの端面全体を1つの平面として平滑な端面を得ることができる。以上の工程を行うことにより、フェルール64の先端64aからプラスチック光ファイバ60の先端60aの引き込みを防止できるプラスチック光ファイバ端面構造が得られる。しかも、コア2及びクラッド3全体の組織は処理前と変わらないため、コア2の屈折率構造を当初のままに保持した平滑な端面が得られる。
以上説明したが、本願発明によれば、フェルール端面からのプラスチック光ファイバの引き込みを防止すると共に、プラスチック光ファイバ先端のコアの変形や、コアとクラッドとの溶融混合が抑えられ、屈折率構造が保持された平滑な端面が得られる。その結果、プラスチック光ファイバの伝送損失やプラスチック光ファイバ同士の接続損失、光学系の結合効率の悪化を抑制することができる。更に、このプラスチック光ファイバが使用される各製品の損失のバラツキ幅を小さくすることができる。
また、本発明によれば、プラスチック光ファイバと加熱面との位置合わせが一次元で良いため、端面部の溶融変形処理作業をより容易にすることができる。更に、並列に並べた複数本のプラスチック光ファイバを一度にまとめて溶融変形処理することにより、生産効率を高めることができる。また、ホットプレートによって溶融するクラッドやクラッド及び被覆層の容量と、これらが充填されることにより収納するクラッド収納部や被覆層収納部の容積とを、予め計算して一致させておくことにより、その後の研磨手段による端面処理を省略することができ、より短時間で端面処理を実行することができる。更に、被覆層を溶融変形処理することにより、コアだけでなくクラッドの溶融変形も回避できるため、極めて安定した光学的特性を有する端面処理されたプラスチック光ファイバを得ることができる。
なお、前記実施例においては、プラスチック光ファイバとしてSI型プラスチック光ファイバを用いた例について説明したが、GI型プラスチック光ファイバに適用することができることは勿論である。このように、本願発明は、その要旨を変更しない範囲で各種の変更実施が可能である。
本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法及び端面処理装置に係るプラスチック光ファイバの第1実施例を示す断面図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法及び端面処理装置に係る加熱装置の第1の実施例を示す説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法の第1の実施例を示すもので、プラスチック光ファイバのクラッドをホットプレートに押し当てる前の状態の説明図である。 プラスチック光ファイバのクラッドをホットプレートに押し当てた状態の説明図である。 図4で製作されたプラスチック光ファイバの端面構造を示す外観斜視図である。 図4で製作されたプラスチック光ファイバのコアを含むクラッドの余剰部分を研磨手段で端面処理した説明図である。 本発明の加熱装置にガイド部材を装着した状態の説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法及び端面処理装置に係る加熱装置の第2の実施例を示す説明図である。 図8に示す加熱装置を用いて作成されたプラスチック光ファイバの外観斜視図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法に係るクラッド膨出部の第2の実施例を断面して示す説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法に係るクラッド膨出部の第3の実施例を示すもので、クラッドにホットプレートの加工穴を押し当てる前の説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法に係るクラッド膨出部の第3の実施例を示すもので、クラッドにホットプレートの加工穴を押し当てた説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法に係るクラッド膨出部の第3の実施例を示すもので、コアを含むクラッドの余剰部分を端面処理した説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法及び端面処理装置の第2の実施例を示すもので、プラスチック光ファイバの先端をコア溶融手段に浸漬させた説明図である。 図14の浸漬処理後のプラスチック光ファイバを断面した説明図である。 図14の浸漬処理後のプラスチック光ファイバを断面した説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法及び端面処理装置の第2の実施例に係る加熱装置を示す説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法の第2の実施例を説明するもので、クラッドの空洞に加工突起を押し当てた説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法の第2の実施例を説明するもので、クラッドの余剰部分を端面処理する前の説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法の第2の実施例を説明するもので、クラッドの余剰部分を端面処理した後の説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法の第3の実施例を説明するもので、クラッドにホットプレートの加工穴を押し当てる前の説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法の第2の実施例を説明するもので、クラッドにホットプレートの加工穴を押し当てた説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法の第2の実施例を説明するもので、コアを含むクラッドの余剰部分を端面処理した説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法の第3の実施例を説明するもので、被覆層にホットプレートの加工穴を押し当てる前の説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法の第3の実施例を説明するもので、被覆層にホットプレートの加工穴を押し当てた説明図である。 本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法の第3の実施例を説明するもので、コアを含むクラッドの余剰部分を端面処理した説明図である。
符号の説明
1,60‥プラスチック光ファイバ、 1a,60a‥先端、 2‥コア、 3‥クラッド、 4,64‥フェルール、 4a,64a‥先端、 5‥貫通穴、 6,34‥クラッド収納部、 7,27,44‥加熱装置、 8,28,43,45,62,70‥ホットプレート、 9‥ヒータ、 10‥筐体、 11,29,63,71‥加工穴、 14‥ガイド部材、 18,35,37,50‥クラッド膨出部、 32,51,68,73‥余剰部分、 33‥筒状部、 40‥空洞、 46‥コア溶融液、 47‥溶液容器、 48‥加工突起、 61‥被覆層、 66‥被覆層収納部、 67,72‥被覆層膨出部、 d,d1,d2‥加工穴の直径、 D1‥コアの直径、 D2‥クラッドの直径

Claims (28)

  1. コアとクラッドを有するプラスチック光ファイバにフェルールを装着すると共に当該フェルールの先端からプラスチック光ファイバの先端を突出させ、
    前記プラスチック光ファイバの前記コアより大きな加工穴を有する加熱されたホットプレートの当該加工穴を前記突出部のクラッドの先端に押し当て、
    コアを含むクラッドの一部を残して周囲のクラッドを加熱変形することにより当該クラッドに半径方向外側に膨出するクラッド膨出部を設けることを特徴とするプラスチック光ファイバの端面処理方法。
  2. 前記加工穴は、前記コアの直径よりも大きな円形穴、楕円形穴、四辺形穴又は多角形穴のいずれかであることを特徴とする請求項1記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法。
  3. 前記クラッド膨出部は、前記フェルールの先端に設けたクラッド収納部に収納したことを特徴とする請求項1記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法。
  4. 前記クラッド収納部は、前記フェルールの先端に設けた周方向に連続するリング状の凹部からなることを特徴とする請求項3記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法。
  5. 前記加工穴の内側に残されたコアを含むクラッドの一部からなる余剰部分は、研磨手段により切削して端面処理を行うことを特徴とする請求項1記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法。
  6. コアとクラッドと被覆層を有するプラスチック光ファイバにフェルールを装着すると共に当該フェルールの先端からプラスチック光ファイバの先端を突出させ、
    前記プラスチック光ファイバの前記クラッドより大きな加工穴を有する加熱されたホットプレートの当該加工穴を前記突出部の被覆層の先端に押し当て、
    コア及びクラッドを含む被覆層の一部を残して周囲の被覆層を加熱変形することにより当該被覆層に半径方向外側に膨出する被覆層膨出部を設けることを特徴とするプラスチック光ファイバの端面処理方法。
  7. 前記加工穴は、前記クラッドの直径よりも大きな円形穴、楕円形穴、四辺形穴又は多角形穴のいずれかであることを特徴とする請求項6記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法。
  8. 前記被覆層膨出部は、前記フェルールの先端に設けた被覆層収納部に収納したことを特徴とする請求項6記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法。
  9. 前記被覆層収納部は、前記フェルールの先端に設けた周方向に連続するリング状の凹部からなることを特徴とする請求項8記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法。
  10. 前記加工穴の内側に残されたコア及びクラッドを含む被覆層の一部からなる余剰部分は、研磨手段により切削して端面処理を行うことを特徴とする請求項6記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法。
  11. コアとクラッドを有するプラスチック光ファイバにフェルールを装着すると共に当該フェルールの先端からプラスチック光ファイバの先端を突出させ、
    前記コアのみを溶融させるコア溶融手段中に前記突出部を浸漬することにより当該浸漬部のコアのみを溶融して空洞を形成し、
    前記空洞に、加工突起を有する加熱されたホットプレートの当該加工突起を押し当てて加熱することにより変形させて半径方向外側に膨出させた後、当該膨出部にホットプレートの平面部を押し当てて溶融することにより前記クラッドに半径方向外側に膨出するクラッド膨出部を設けることを特徴とするプラスチック光ファイバの端面処理方法。
  12. 前記クラッド膨出部は、前記フェルールの先端に設けたクラッド収納部に収納したことを特徴とする請求項11記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法。
  13. 前記クラッド収納部は、前記フェルールの先端に設けた周方向に連続するリング状の凹部からなることを特徴とする請求項12記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法。
  14. 前記フェルールの先端から突出する前記クラッド又は前記コアを含むクラッドからなる余剰部分は、研磨手段により切削して端面処理を行うことを特徴とする請求項11記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法。
  15. コアとクラッドを有するプラスチック光ファイバが装着されるフェルールを軸方向へ移動可能に保持するガイド部材と、
    前記プラスチック光ファイバの前記コアより大きな加工穴を有する加熱されたホットプレートと、を備え、
    前記フェルールの先端から前記プラスチック光ファイバの先端を突出させて当該突出部のクラッドの先端に前記ホットプレートの前記加工穴を押し当て、コアを含むクラッドの一部を残して周囲のクラッドを加熱変形することにより当該クラッドに半径方向外側に膨出するクラッド膨出部を設けることを特徴とするプラスチック光ファイバの端面処理装置。
  16. 前記加工穴は、前記コアの直径よりも大きな円形穴、楕円形穴、四辺形穴又は多角形穴のいずれかであることを特徴とする請求項15記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置。
  17. 前記クラッド膨出部は、前記フェルールの先端に設けたクラッド収納部に収納したことを特徴とする請求項15記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置。
  18. 前記クラッド収納部は、前記フェルールの先端に設けた周方向に連続するリング状の凹部からなることを特徴とする請求項17記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置。
  19. 前記加工穴の内側に形成されたコアを含むクラッドの一部からなる余剰部分を切削して端面処理する研磨手段を設けたことを特徴とする請求項15記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置。
  20. コアとクラッドと被覆層を有するプラスチック光ファイバが装着されるフェルールを軸方向へ移動可能に保持するガイド部材と、
    前記プラスチック光ファイバの前記クラッドより大きな加工穴を有する加熱されたホットプレートと、を備え、
    前記フェルールの先端から前記プラスチック光ファイバの先端を突出させて当該突出部の被覆層の先端に前記ホットプレートの前記加工穴を押し当て、前記コア及びクラッドを含む被覆層の一部を残して周囲の被覆層を加熱変形することにより当該被覆層に半径方向外側に膨出する被覆層膨出部を設けることを特徴とするプラスチック光ファイバの端面処理装置。
  21. 前記加工穴は、前記コアの直径よりも大きな円形穴、楕円形穴、四辺形穴又は多角形穴のいずれかであることを特徴とする請求項20記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置。
  22. 前記被覆層膨出部は、前記フェルールの先端に設けた被覆層収納部に収納したことを特徴とする請求項20記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置。
  23. 前記被覆層収納部は、前記フェルールの先端に設けた周方向に連続するリング状の凹部からなることを特徴とする請求項22記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置。
  24. 前記加工穴の内側に形成されたコア及びクラッドを含む被覆層の一部からなる余剰部分を切削して端面処理する研磨手段を設けたことを特徴とする請求項20記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置。
  25. コアとクラッドを有するプラスチック光ファイバが装着されるフェルールを軸方向へ移動可能に保持するガイド部材と、
    前記フェルールの先端から突出した前記プラスチック光ファイバの当該突出部が浸漬されることにより浸漬部までのコアのみを溶融するコア溶融手段と、
    前記コア溶融手段で前記コアを消去することにより形成される空洞を有するクラッドに押し当てられる加工突起を有する加熱されたホットプレートと、
    前記加工突起により加熱変形された前記クラッドに更に加熱されて押し当てられる前記ホットプレート又は別のホットプレートと、を備え、
    前記加工突起を前記クラッドに押し当てて半径方向外側に膨出させた後、当該膨出部に前記ホットプレート又は別のホットプレートの平面部を押し当てて当該クラッドを更に加熱変形することにより半径方向外側に膨出するクラッド膨出部を設けることを特徴とするプラスチック光ファイバの端面処理装置。
  26. 前記クラッド膨出部は、前記フェルールの先端に設けたクラッド収納部に収納したことを特徴とする請求項25記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置。
  27. 前記クラッド収納部は、前記フェルールの先端に設けた周方向に連続するリング状の凹部からなることを特徴とする請求項26記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置。
  28. 前記フェルールの先端から突出する前記クラッド又は前記コアを含むクラッドからなる余剰部分を切削して端面処理する研磨手段を設けたことを特徴とする請求項25記載のプラスチック光ファイバの端面処理装置。
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