[第1の実施の形態]
以下、本発明に係る第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。この第1の実施の形態および後述する第2の実施の形態では、本発明の情報処理装置を有する案内誘導装置であるナビゲーション装置を備えたナビゲーションシステムであって、移動体である例えば車両の移動に関する情報を報知して、走行を案内誘導する構成を例示して説明する。なお、本発明におけるナビゲーションシステムとしては、車両の走行を案内誘導する構成に限らず、いずれの移動体の移動を案内誘導する構成が対象となる。図1は、第1の実施の形態に係るナビゲーションシステムの概略構成を示すブロック図である。図2は、地図情報を構成する表示用データのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図3は、地図情報を構成するマッチングデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図4は、ナビゲーション装置を構成する処理部の概略構成を示すブロック図である。
〔ナビゲーションシステムの構成〕
図1において、100はナビゲーションシステムである。このナビゲーションシステム100は、移動体である例えば車両の移動状況に対応して移動に関する案内を報知するシステムである。なお、移動体としては、車両に限らず、飛行機、船舶などいずれの移動体が対象となる。そして、このナビゲーションシステム100は、案内誘導装置であるナビゲーション装置200と、報知手段としても機能するスピーカ部300と、ワイパー部400と、車間検出部500と、などを備えている。
スピーカ部300は、車両の例えば図示しない右側のドアを構成するドア部などに配設された右スピーカ310と、左側のドア部などに配設された左スピーカ320と、などを備えている。このスピーカ部300は、ナビゲーション装置200により制御され、ナビゲーション装置200から効果音信号Sauを適宜取得する。そして、この効果音信号Sauの効果音報知情報を右スピーカ310や左スピーカ320から効果音により出力する。なお、スピーカ部300は、図示しない楽曲再生装置により再生される音声データなども適宜出力可能である。
ワイパー部400は、車両のフロントガラスやリアガラス近傍に配設された図示しないワイパーを有し、このワイパーによりフロントガラスやリアガラスに付着した雨や雪などを適宜除去する。また、ワイパー部400は、外部状況としての天候に応じて駆動されるワイパーの駆動状況であるワイパー速度に対応する信号をナビゲーション装置200へ出力する。そして、このワイパー部400は、ワイパー操作部410と、ワイパー駆動部420と、外部状況情報出力手段としてのワイパー制御部430と、などを備えている。
ワイパー操作部410は、例えばステアリング近傍に配設され入力操作される図示しないワイパースイッチを有している。このワイパースイッチの入力操作は、ワイパー速度の設定などである。そして、ワイパー操作部410は、ワイパーの駆動を停止させるすなわちワイパー速度を0に設定する入力操作、および、ワイパー速度を予め設定された低速、中速、高速のいずれかに設定する入力操作により、この設定されたワイパー速度に対応するワイパー設定信号Swsをワイパー制御部430へ適宜出力して設定させる。
ワイパー駆動部420は、ワイパー制御部430により制御され、ワイパーを駆動させる。具体的には、ワイパー駆動部420は、ワイパー制御部430からワイパー駆動信号Swkを適宜取得して、0、低速、中速、高速のいずれかのワイパー速度でワイパーを駆動させる旨の要求を認識する。そして、この認識したワイパー速度でワイパーを駆動させる。
ワイパー制御部430は、ワイパー操作部410による設定入力に基づいて、ワイパーの駆動を制御するとともに、ワイパー速度に関する信号をナビゲーション装置200へ出力する。具体的には、ワイパー制御部430は、ワイパー操作部410からワイパー設定信号Swsを適宜取得して、設定入力されたワイパー速度を認識する。そして、この認識したワイパー速度でワイパーを駆動させる旨を要求するワイパー駆動信号Swkを適宜生成して、ワイパー駆動部420へ出力する。また、ワイパー制御部430は、ワイパー速度が0、低速、中速、高速にいずれかである旨の外部状況情報としてのワイパー速度情報を適宜生成する。そして、このワイパー速度情報をワイパー速度信号Swpに適宜変換して、ナビゲーション装置200へ出力する。
車間検出部500は、例えば車両の前部や後部あるいは側部などに配設されている。この車間検出部500は、移動体以外の物体との距離としての、車両の前方や後方あるいは側方に位置する他の車両やガードレールなどとの距離(以下、車間距離と称す)を適宜検出する。この車間検出部500としては、例えばレーダーや画像処理などを利用したものが例示できる。さらに、車間検出部500は、検出した車間距離に対応する車間距離情報を適宜生成する。そして、この車間距離情報を車間距離信号Sgmに適宜変換して、ナビゲーション装置200へ出力する。
ナビゲーション装置200は、例えば車両に搭載される車載型や携帯型のもの、携帯型パーソナルコンピュータなどである。ナビゲーション装置200は、このナビゲーション装置200が有する地図情報に基づいて、現在位置や目的地に関する情報、目的地までのルート探索や表示、最寄りの所定の店舗の検索やその表示あるいは店舗のサービス内容に関する情報の表示などを実施する。そして、このナビゲーション装置200は、センサ部210と、VICS(Vehicle Information Communication System:道路交通情報通信システム)受信部220と、入力部230と、報知手段としても機能する表示部240と、報知手段としても機能する音声出力部250と、記憶手段260と、メモリ270と、演算手段としての処理部280と、などを備えている。
センサ部210は、移動体である例えば車両の移動の状態、すなわち現在位置や走行状況などを検出して処理部280にセンサ信号Sscとして出力する。このセンサ部210は、例えば図示しないGPS(Global Positioning System)受信部と、図示しない速度センサ、方位角センサおよび加速度センサなどの各種センサなどにて構成されている。
GPS受信部は、図示しない人工衛星であるGPS衛星から出力される航法電波を図示しないGPSアンテナにて受信する。そして、GPS受信部は、受信した航法電波に対応した信号に基づいて現在位置の擬似座標値を演算し、GPSデータとして処理部280に出力する。
また、センサ部210のセンサである速度センサは、移動体である例えば車両に配設され、車両の移動速度である走行速度に対応して変動する信号に基づいて、車両の走行速度や実際の加速度を検出する。この速度センサは、例えば車軸や車輪の回転により出力されるパルス信号や電圧値などを読み取る。そして、速度センサは、読み取ったパルス信号や電圧値などの速度検出情報を処理部280へ出力する。センサである方位角センサは、車両に配設され、図示しないいわゆるジャイロセンサを有し、車両の方位角すなわち車両が前進する走行方向を検出する。この方位角センサは、検出した走行方向に関する検出情報である信号を処理部280へ出力する。センサである加速度センサは、車両に配設され、車両の走行方向における加速度を検出する。この加速度センサは、検出した加速度を、例えばパルスや電圧などによる検出情報であるセンサ出力値に変換し、処理部280へ出力する。
VICS受信部220は、図示しないVICSアンテナを有し、このVICSアンテナにより交通に関する情報を取得する。具体的には、図示しないVICSから、例えばビーコンやFM多重放送などにより、渋滞、交通事故、工事、交通規制などの交通情報(以下、VICSデータという。)を取得する。そして、取得した交通に関する情報を処理部280にVICS信号Sviとして出力する。
入力部230は、例えばキーボードやマウスなどで、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。この操作ボタンや操作つまみの入力操作の内容としては、例えばナビゲーション装置200の動作内容の設定などの設定事項である。具体的には、取得する情報の内容や取得する条件などの設定、探索する経路に関する設定、情報の検索、車両の移動状況である走行状態を表示させるなどが例示できる。そして、入力部230は、設定事項の入力操作により、所定の操作信号Sinを処理部280へ適宜出力して設定させる。なお、この入力部230としては、操作ボタンや操作つまみなどの入力操作に限らず、例えば表示部240に設けられたタッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作など、各種設定事項を設定入力可能ないずれの構成が適用できる。
表示部240は、処理部280にて制御され処理部280からの画像データの画像信号Sdpを画面表示させる。画像データとしては、例えば地図情報や検索情報などの画像データの他、図示しないTV受信機で受信したTV画像データ、外部装置など光ディスクや磁気ディスク、メモリカードなどの記録媒体に記録されドライブやドライバなどにて読み取った画像データ、メモリ270からの画像データなどである。この表示部240としては、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、電気泳動ディスプレイパネルなどが例示できる。
音声出力部250は、例えば図示しないスピーカなどの発音手段を有する。この音声出力部250は、処理部280にて制御され、処理部280からの音声データなどの音声信号Sadを発音手段から音声により出力する。音声により出力する情報としては例えば車両の走行方向や走行状況、交通状況、車間距離に関する状況などで、車両の走行を案内する上で運転者などの搭乗者に報知する。なお、発音手段は、例えばTV受信機で受信したTV音声データや記録媒体さらにはメモリ270などに記録された音声データなどをも適宜出力可能である。また、音声出力部250は、発音手段を設けた構成に限らず、スピーカ部300を利用する構成としてもよい。
記憶手段260は、例えば図2および図3に示すような地図情報などを格納、すなわち読み出し可能に記憶する。この記憶手段260としては、HD(Hard Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどが例示できる。
ここで、情報としての地図情報は、例えば図2に示すようないわゆるPOI(Point Of Interest)データである表示用データVMと、例えば図3に示すようなマッチングデータMMと、移動経路探索用地図データと、などを備えている。
表示用データVMは、例えばそれぞれ固有の番号が付加された複数の表示用メッシュ情報VMxを備えている。すなわち、表示用データVMは、一部の領域に関する表示用メッシュ情報VMxに複数分割され、表示用メッシュ情報VMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、表示用メッシュ情報VMxは、適宜一部の領域に関する下層の表示用メッシュ情報VMxにさらに複数分割されていてもよい。
そして、表示用メッシュ情報VMxは、例えば交差点の名称などの名称情報VMxAと、道路情報VMxBと、背景情報VMxCと、にて構成されている。名称情報VMxAは、その領域における他要素データである例えば交差点の名称や地域の名称などを絶対座標との位置関係で所定の位置に配置表示されるデータのテーブル構造に構成されている。道路情報VMxBは、その領域における道路要素データである道路を絶対座標との位置関係で所定の位置に配置表示させるデータのテーブル構造に構成されている。背景情報VMxCは、他要素データである著名な場所や建造物などを示すマークや、その著名な場所や建造物などを示す他要素データである画像情報などを絶対座標との位置関係で所定の位置に配置表示されるデータのテーブル構造に構成されている。
一方、マッチングデータMMは、表示用データVMと同様に、例えばそれぞれ固有の番号が付加された一部の領域に関するマッチングメッシュ情報MMxに複数分割され、マッチングメッシュ情報MMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、マッチングメッシュ情報MMxは、適宜一部の領域に関する下層のマッチングメッシュ情報MMxにさらに複数分割されていてもよい。また、マッチングメッシュ情報MMxは、表示用メッシュ情報VMxと異なる領域を表すデータ構造、すなわち分割される領域の縮尺が異なっていてもよい。
そして、マッチングデータMMは、例えば車両の移動状態を地図情報に重畳させて表示させる際に、車両を表す表示が道路上ではなく建物上に位置するなどの誤表示を防止するため、車両を表す表示が道路上に位置するように表示を修正するマップマッチング処理に利用される。このマッチングデータMMは、複数のリンク列ブロック情報を有している。
リンク列ブロック情報は、図3に示すように、道路を構成し地点を表す地点情報としてのノードNを結ぶ線分である線分情報としてのリンクLが、所定の規則性で複数関連付けられたデータのテーブル構造である。具体的には、道路の所定の長さ例えば甲州街道や青梅街道などの連続する道路のように、リンクLが折れ線上にそれぞれ連なった連続するリンク列となるもので関連付けられている。そして、リンクLは、各リンクL毎に付加された固有の番号である線分固有情報(以下、リンクIDという。)と、リンクLが結ぶ2つのノードNを表す固有の番号などのノード情報とを有している。また、リンクLは、VICSリンクに関連付けられ、VICSデータと地図表示との位置関係が対応するようになっている。
また、ノードNは、各道路の交差点や屈曲点、分岐点、合流点などの結節点に相当する。そして、ノードNに関する情報は、リンク列ブロック情報におけるノードN毎に付加された固有の番号である地点固有情報と、各ノードNが存在する位置の座標情報と、交差点や分岐点などの複数のリンクが交差する分岐位置か否かの分岐情報であるフラグ情報と、を有している。
さらに、マッチングデータMMのリンク列ブロック情報には、道路の構成に関する情報、例えば車線数、本線か否か、国道や県道、有料道路などの種別やトンネル内などの構成などが関連付けられている。これら道路の構成に関する情報により、表示用データVMに対応して道路を地図表示可能となっている。
また、移動経路探索用地図情報は、例えばマッチングデータMMと同様のテーブル構造、すなわち道路を表すノードNのように地点を表す地点情報とリンクLのように地点を結ぶ線分情報とを有したテーブル構造で、各移動経路を探索するために道路を表すための情報構造となっている。
また、記憶手段260には、例えば地図情報における所定の地点の情報を取得するための検索情報が記憶されている。すなわち、検索情報は、地図情報上で順次細分化される領域となる都道府県名、市町村名、地区名、地点名などの内容やガイダンスなどの各種情報や、地点としての店舗に関する各種情報などで、例えば階層状に項目情報が関連付けられたツリー構造のテーブル構造となっている。
メモリ270は、入力部230で入力操作される設定事項、処理部280で取得したり生成した各種情報、音楽データや画像データなどを適宜読み出し可能に記憶する。また、メモリ270は、例えば天候などに応じて変化する利用者の視認性に対応した報知形態で、車間距離が予め設定された所定距離以下である旨の警告音(以下、車間警告音と称す)を音声出力部250から出力させるための移動関連情報としての警告音データを適宜読み出し可能に記憶する。
ここで、警告音データは、例えば報知形態における音の高さ、強さ、音色、あるいは、長さ(以下、音の要素と称す)が互いに異なる状態に設定された、通常レベルの報知音データと、警告レベル1の報知音データと、警告レベル2の報知音データと、警告レベル3の報知音データと、を備えている。
通常レベルの報知音データは、例えば天候が良く車両の制動距離が短い状態(以下、制動距離レベル0の状態と称す)の場合に出力される車間警告音のデータである。
警告レベル1の報知音データは、例えば小雨や小雪などにより制動距離が制動距離レベル0よりも長い状態(以下、制動距離レベル1の状態と称す)の場合に出力される車間警告音のデータである。この警告レベル1の報知音データに基づく車間警告音は、通常レベルの報知音データに基づく車間警告音よりも危険度が高い旨を警告する報知形態に設定されている。
警告レベル2の報知音データは、例えば雨や雪などにより制動距離が制動距離レベル1よりも長い状態(以下、制動距離レベル2の状態と称す)の場合に出力される車間警告音のデータである。この警告レベル2の報知音データに基づく車間警告音は、警告レベル1の報知音データに基づく車間警告音よりも危険度が高い旨を警告する報知形態に設定されている。
警告レベル3の報知音データは、例えば大雨や大雪などにより制動距離が制動距離レベル2よりも長い状態(以下、制動距離レベル3の状態と称す)の場合に出力される車間警告音のデータである。この警告レベル3の報知音データに基づく車間警告音は、警告レベル2の報知音データに基づく車間警告音よりも危険度が高い旨を警告する報知形態に設定されている。
さらに、メモリ270は、ナビゲーション装置200全体を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどを記憶している。このメモリ270としては、例えば停電などにより突然電源が落ちた際にも記憶が保持される構成のメモリ、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)メモリなどを用いることが望ましい。なお、メモリ270としては、HD、DVD、光ディスクなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成としてもよい。
処理部280は、図示しない各種入出力ポート、例えばスピーカ部300に接続されるスピーカポート、ワイパー部400に接続されるワイパーポート、車間検出部500が接続される車間ポート、VICSアンテナが接続されるVICS受信ポート、GPS受信部が接続されるGPS受信ポート、各種センサがそれぞれ接続されるセンサポート、入力部230が接続されるキー入力ポート、表示部240が接続される表示制御ポート、音声出力部250が接続される音声制御ポート、記憶手段260が接続される記憶ポート、メモリ270が接続されるメモリポートなどを有する。そして、処理部280は、各種プログラムとして、図4に示すように、現在位置情報取得手段としての現在位置認識手段281と、目的地情報取得手段としての目的地認識手段282と、表示制御手段283と、地図情報取得手段および移動関連情報生成手段としても機能する経路探索手段である経路処理手段284と、外部状況情報取得手段および報知制御手段としても機能する報知レベル設定手段285と、外部状況情報取得手段および報知制御手段としても機能する警告レベル設定手段286と、移動関連情報取得手段および報知制御手段としても機能する案内報知手段287と、マップマッチング手段288と、情報検索手段289と、などを備えている。なお、報知レベル設定手段285、警告レベル設定手段286、および、案内報知手段287にて、本発明の情報処理装置が構成されている。ここで、情報処理装置としては、報知レベル設定手段285および警告レベル設定手段286のうちのいずれか一方を設けない構成としてもよい。
現在位置認識手段281は、車両の現在位置を認識する。具体的には、現在位置認識手段281は、センサ部210の速度センサおよび方位角センサから出力される車両の速度データおよび方位角データに基づいて、車両の現在の擬似位置を複数算出する。さらに、現在位置認識手段281は、GPS受信部から出力される現在位置に関するGPSデータに基づいて、車両の現在の擬似座標値を認識する。そして、現在位置認識手段281は、算出した現在の擬似位置と、認識した現在の擬似座標値とを比較し、別途取得された地図情報上における車両の現在位置を算出し、現在位置を認識する。
また、現在位置認識手段281は、加速度センサから出力される加速度データに基づいて、走行する道路の傾斜や高低差を判断し、車両の現在の擬似位置を算出し、現在位置を認識する。すなわち、立体交差点や高速道路など、平面上で重なる箇所でも、車両の現在位置を正確に認識できる。さらに、山道や坂道を走行する際に、速度データや方位角データのみから得る移動距離と、実際の車両の走行距離との誤差を、検出した道路の傾斜を用いて補正するなどにより正確な現在位置を認識する。なお、現在位置認識手段281は、現在位置として上述した車両の現在位置の他、入力部230にて設定入力された起点となる出発地点などを、擬似現在位置として認識可能である。そして、現在位置認識手段281で得られた各種情報は、メモリ270に適宜記憶される。
目的地認識手段282は、例えば入力部230の入力操作により設定入力された目的地に関する目的地情報を取得し、目的地の位置を認識する。設定入力される目的地情報としては、例えば緯度・経度などの座標、住所、電話番号など、場所を特定するための各種情報が利用可能である。そして、目的地認識手段282で認識した目的地情報は、メモリ270に適宜記憶される。
表示制御手段283は、表示部240を適宜制御して各種情報を表示部240で表示させる。この表示制御手段283は、例えば入力部230による入力操作を促して各種情報を設定入力するための各種表示画面などをも表示制御する。
経路処理手段284は、利用者により設定入力される経路設定のための設定事項情報、VICS受信部220にて取得したVICSデータ、および、記憶手段260に記憶された地図情報などに基づいて、車両の移動経路を演算してルート探索する。
具体的には、経路処理手段284は、現在位置情報、目的地情報、VICSデータ、および、設定事項情報を取得する。経路処理手段284は、各種情報を取得すると、これら各種情報に基づいて、地図情報の移動経路探索用地図情報を利用し、例えば車両が通行可能な道路を探索する。そして、所要時間が短い経路、あるいは移動距離が短い経路、または交通渋滞や交通規制場所を回避した経路などを設定した移動経路情報を生成する。なお、この移動経路を探索する際、移動経路探索用地図情報の他、地図情報のマッチングデータMMを用いる場合もある。例えば、裏道などの幅の狭い道路などの移動経路探索用地図情報ではない道路を利用して移動経路を探索する場合などである。また、移動経路情報は、例えば車両の走行の際に誘導して走行を補助する移動関連情報としての経路案内情報をも有する。この経路案内情報は、視認性が視認レベル0の状態に対応した報知形態で、各種案内を報知させるための情報である。そして、経路案内情報は、例えば、道路R1,R2,R3,R4(例えば、図7参照)や、移動経路Q(例えば、図7参照)を表示部240の表示領域241に表示させるための表示案内情報と、移動関連情報の内容を示す音声としての例えば「この先300m先、右方向です。」や「まもなく右方向です。」の音声などを音声出力部250に出力させるための音声報知情報と、などを備えている。
また、経路処理手段284は、移動経路情報に基づいて、経路案内情報に基づく案内に適宜付加される案内を、表示部240や音声出力部250あるいはスピーカ部300に報知させるための移動関連情報としての付加案内情報を生成する。この付加案内情報は、付加処理レベル1の報知案内情報と、付加処理レベル2の報知案内情報と、付加処理レベル3の報知案内情報と、を備えている。なお、経路処理手段284で生成された各種情報は、メモリ270に適宜記憶される。
付加処理レベル1の報知案内情報は、視認性が視認レベル1の時に、視認レベル0に対応する案内に付加される各種案内を報知させるための情報である。この付加処理レベル1の報知案内情報は、例えば交差点の名称を示す交差点名情報H1(例えば、図8参照)を表示部240に表示させるための表示報知情報と、例えば「ここを右です。」の音声を音声出力部250に出力させるための音声報知情報と、この音声の後に移動関連情報に対応する音としての例えば「ピピピピ」の効果音を右スピーカ310に出力させるための効果音報知情報と、などを備えている。
付加処理レベル2の報知案内情報は、視認性が視認レベル2の時に、視認レベル0に対応する案内に付加される各種案内を報知させるための情報である。この付加処理レベル2の報知案内情報は、付加処理レベル1の報知案内情報が備える各報知情報に加え、例えば交差点での方面標識を示す方面標識情報H2(例えば、図9参照)を表示部240に表示させるための表示報知情報と、例えば「この先500m先右方向、御殿場方面です。」の音声を音声出力部250に出力させるための音声報知情報と、この音声の後に例えば「ピ」の効果音を右スピーカ310に出力させるための効果音報知情報と、などを備えている。
付加処理レベル3の報知案内情報は、視認性が視認レベル3の時に、視認レベル0に対応する案内に付加される各種案内を報知させるための情報である。この付加処理レベル3の報知案内情報は、付加処理レベル2の報知案内情報が備える各報知情報に加え、例えば走行している道路に右折レーンがあることを示すレーン表示情報H3(図10参照)を表示部240に表示させるための表示報知情報と、例えば「右レーンがあります。」の音声を音声出力部250に出力させるための音声報知情報と、例えば「この先300m先右方向です。」の音声の後に「キューン」の効果音を右スピーカ310に出力させるための効果音報知情報と、などを備えている。
報知レベル設定手段285は、ワイパー速度に基づいて、表示部240や音声出力部250あるいはスピーカ部300に報知させる各種案内の情報量などに対応する経路報知レベルを設定する。具体的には、報知レベル設定手段285は、ワイパー部400からワイパー速度信号Swpを適宜取得し、このワイパー速度信号Swpのワイパー速度情報に基づいて、ワイパー速度が0、低速、中速、高速のいずれかであることを認識する。そして、ワイパー速度が0である、すなわちワイパーが停止していることを認識した場合、経路報知レベルを通常レベルに設定する。また、低速であることを認識した場合、レベル1に設定する。さらに、中速であることを認識した場合、付加処理レベル2に設定する。また、高速であることを認識した場合、付加処理レベル3に設定する。そして、報知レベル設定手段285は、この設定した経路報知レベルに関する経路報知レベル情報を適宜生成して、案内報知手段287へ出力する。
警告レベル設定手段286は、ワイパー速度に基づいて、車間警告音が示す危険度に対応する車間警告レベルを設定する。具体的には、警告レベル設定手段286は、車間検出部500から車間距離信号Sgmを適宜取得し、この車間距離信号Sgmの車間距離情報に基づいて、車間距離が所定距離以下であることを認識する。そして、報知レベル設定手段285と同様に、ワイパー部400からワイパー速度信号Swpを適宜取得し、ワイパー速度を認識する。警告レベル設定手段286は、ワイパーが停止していることを認識した場合、車間警告レベルを通常レベルに設定する。また、ワイパー速度が低速であることを認識した場合、警告レベル1に設定する。さらに、中速であることを認識した場合、警告レベル2に設定する。また、ワイパー速度が高速であることを認識した場合、警告レベル3に設定する。そして、警告レベル設定手段286は、この設定した車間警告レベルに関する警告レベル情報を適宜生成して、案内報知手段287へ出力する。
案内報知手段287は、メモリ270に記憶され車両の走行状況に対応して予め取得した移動経路情報や、報知レベル設定手段285からの経路報知レベル情報などに基づいて、車両の移動に関する案内を利用者の視認性に対応した報知形態で表示部240や音声出力部250あるいはスピーカ部300に報知させる。具体的には、案内報知手段287は、移動経路情報をメモリ270から適宜取得する。また、案内報知手段287は、報知レベル設定手段285から経路報知レベル情報を適宜取得し、この経路報知レベル情報に基づいて、経路報知レベルが通常レベル、付加処理レベル1,2,3のいずれかに設定されていることを認識する。そして、経路報知レベルが通常レベルであることを認識すると、移動経路情報の経路案内情報に基づいて、表示部240や音声出力部250に各種案内を報知させる。一方、付加処理レベル1,2,3のいずれかであることを認識すると、付加処理レベル1,2,3のいずれかの報知案内情報をメモリ270から取得する。そして、この取得した報知案内情報と、経路案内情報と、に基づいて、表示部240や音声出力部250あるいはスピーカ部300に各種案内を報知させる。例えば、案内報知手段287は、経路報知レベルが付加処理レベル2であることを認識すると、付加処理レベル2の報知案内情報をメモリ270から取得する。そして、経路案内情報の表示案内情報および付加処理レベル2の報知案内情報の表示案内情報を画像信号Sdpに適宜変換して表示部240へ出力する。また、経路案内情報の音声案内情報および付加処理レベル2の報知案内情報の音声案内情報を音声信号Sadに適宜変換して音声出力部250へ出力する。さらに、付加処理レベル2の報知案内情報の効果音報知情報を効果音信号Sauに適宜変換してスピーカ部300へ出力する。
また、案内報知手段287は、メモリ270に記憶された警告音データや警告レベル設定手段286からの警告レベル情報などに基づいて、車間警告音を車両の制動距離に対応した報知形態で音声出力部250に出力させる。具体的には、案内報知手段287は、警告レベル設定手段286から警告レベル情報を適宜取得し、この警告レベル情報に基づいて、車間警告レベルが通常レベル、警告レベル1,2,3のいずれかに設定されていることを認識する。そして、案内報知手段287は、この認識した車間警告レベルに対応する報知音データをメモリ270から取得し、この取得した報知音データに基づいて車間警告音を出力させる。例えば、案内報知手段287は、車間警告レベルが警告レベル2に設定されていることを認識すると、警告レベル2の報知音データをメモリ270から取得する。そして、この取得した報知音データを音声信号Sadに適宜変換して音声出力部250へ出力し、車間警告音を音声出力部250に出力させる。なお、ここでは、音声出力部250に車間警告音を出力させる構成を例示するが、例えばスピーカ部300に出力させる構成などとしてもよい。
マップマッチング手段288は、記憶手段260から取得する地図情報に基づいて、現在位置認識手段281にて認識した現在位置を適切に表示させるためのマップマッチング処理をする。このマップマッチング手段288は、上述したように、例えばマッチングデータMMを用い、現在位置を表示部240で地図に重畳して表示される位置が、表示部240で表示される地図を構成する要素である道路から逸脱しないように、現在位置情報を適宜修正すなわち補正して表示させるマップマッチング処理を実施する。
情報検索手段289は、例えば入力部230にて設定入力された検索情報の検索要求により、記憶手段260に記憶された検索情報を、例えば店舗や施設などの項目情報などに基づいて階層状に検索して取得する。
〔ナビゲーションシステムの動作〕
次に、ナビゲーションシステム100の動作を図面を参照して説明する。
(移動経路の報知処理)
まず、ナビゲーションシステム100の動作として、移動経路の報知処理について図5ないし図10に基づいて説明する。なお、通常レベルおよび付加処理レベル1,2,3での表示案内誘導処理や音声案内誘導処理は同様の処理なので、通常レベルの各案内誘導処理について詳細に説明し、付加処理レベル1,2,3の各案内誘導処理については説明を簡略化する。図5および図6は、移動経路の報知処理を示すフローチャートである。図7は、通常レベルでの表示案内誘導における表示画面の一例を示す模式図である。図8は、付加処理レベル1での表示案内誘導における表示画面の一例を示す模式図である。図9は、付加処理レベル2での表示案内誘導における表示画面の一例を示す模式図である。図10は、付加処理レベル3での表示案内誘導における表示画面の一例を示す模式図である。
まず、車両に搭乗した利用者がナビゲーションシステム100のナビゲーション装置200の電源をオンし、電力を供給する。この電力の供給により、処理部280は、入力部230を制御してメインメニューを表示させ、利用者にナビゲーション装置200に動作させる内容の設定入力を促す表示画面を表示部240に表示させる。
そして、図5に示すように、利用者は、入力部230の入力操作により、例えば移動するための移動経路の探索処理を実施させる旨を設定入力する。この移動経路の探索処理を実施させる旨の設定入力を処理部280が認識すると(ステップS101)、処理部280は、移動経路の探索に必要な各種情報、例えば目的地、最短距離か最短時間かなどの設定事項情報などの設定入力を促す表示画面を表示部240に表示させる。
そして、処理部280は、移動経路の探索に必要な各種情報を認識すると、まず現在位置認識手段281にて、現在位置を認識する処理をするとともに(ステップS102)、目的地認識手段282にて、設定入力された目的地を認識する処理をする(ステップS103)。具体的には、現在位置認識手段281により、センサ部210の速度センサおよび方位角センサから出力される車両の速度データおよび方位角データと、GPS受信部から出力される現在位置に関するGPSデータとに基づいて、車両の現在位置を算出して現在位置情報を取得する。この取得した現在位置情報は、メモリ270に適宜記憶される。
また、処理部280は、表示部240を制御して入力部230の入力操作による目的地の設定入力を促す表示をさせる。そして、利用者が表示された表示画面の指示に従って、入力部230の入力操作により目的地を設定入力すると、目的地認識手段282は設定入力された目的地に関する目的地情報を取得する。この取得した目的地情報は、メモリ270に適宜記憶される。
ここで、入力部230の目的地の入力操作に際し、目的地の地点である地点に関する情報の取得を要求する場合、利用者が表示部240で表示される表示画面に基づいて、地点の検索情報を要求する旨の入力操作をする。この地点の検索情報の検索要求により、処理部280は情報検索手段289にて、目的地に関する検索情報を例えば地図情報を用いて領域毎のより下層のメッシュ情報に階層状に検索し、目的地の地点に関連付けられた検索情報を記憶手段260から取得する。そして、処理部280が表示部240を適宜制御して取得した検索情報を表示させる。
なお、検索情報が例えば目的地を含む地図情報の所定の領域を表示させる旨のもの、あるいは検索情報を認識した利用者が入力部230の入力操作により所定領域を表示させる旨を設定入力するなどの場合、処理部280が表示部240を適宜制御し対応する領域の表示用メッシュ情報VMxを表示させる。このようにして、表示部240に所望の地図情報が表示された後、適宜目的地の地点を入力部230の入力操作にて設定、例えば地図表示画面中に表示されるカーソルを移動する操作により、目的地の地点情報を特定する。この地点情報の特定により、処理部280の目的地認識手段282が目的地の地点情報を目的地情報として認識し、メモリ270に適宜記憶させる。
また、処理部280は、表示部240を制御して移動経路の探索のための条件である設定事項の入力操作を促す表示をさせる。そして、利用者が表示された表示画面の指示に従って、入力部230の入力操作により設定事項を設定入力すると、処理部280は設定入力された設定事項に関する設定事項情報を取得する(ステップS104)。この取得した設定事項情報は、メモリ270に適宜記憶される。
そして、処理部280は、経路処理手段284にて現在位置情報、目的地情報、設定事項情報をメモリ270から取得する。そして、これら取得した各種情報に基づいて、車両の現在位置から目的地までの移動経路を、記憶手段260に記憶された地図情報の移動経路探索用地図情報およびマッチングデータMMを用いて探索するルート探索処理をする(ステップS105)。
具体的には、例えば、主要道路などのように移動経路探索用地図情報にデータが蓄積され整備されている場合には移動経路探索用地図情報を用いてルート探索処理を行い、細街路などのような移動経路探索用地図情報にデータが蓄積されていない場合には細街路から主要道路までの区間についてマッチングデータMMを用いて探索する。なお、このマッチングデータMMを用いたルート探索処理の際、ノードNが同一の地点か否かを判断してリンクLの関係から道路の状態を認識して実施される。
そして、経路処理手段284は、複数の移動経路を検出し、取得した設定事項情報に基づいて移動経路をいくつかに絞り込んで、利用者が所望する条件にあったいくつか、例えば5候補の移動経路に関する移動経路情報を生成する。この後、表示制御手段283により、演算された5候補の移動経路情報を表示部240に表示させるとともに、利用者による選択を要求する旨の表示をさせる。そして、利用者がいずれかの移動経路情報を選択する入力操作により、移動経路が設定される。この後、経路処理手段284は、この設定された移動経路を認識し(ステップS106)、この認識した移動経路に関する付加案内情報を生成する(ステップS107)。この設定された移動経路に関する移動経路情報、および、生成された付加案内情報は、メモリ270に適宜記憶される。
この後、処理部280は、図6に示すように、報知レベル設定手段285にてワイパーが駆動しているか否かを判断する(ステップS108)。具体的には、報知レベル設定手段285は、ワイパー部400から取得した例えば最新のワイパー速度情報に基づいて、ワイパーが駆動しているか否かを判断する。このステップS108において、ワイパーが駆動していないと判断した場合、経路報知レベルを通常レベルに設定する旨の経路報知レベル情報を案内報知手段287へ出力する。そして、案内報知手段287は、経路報知レベル情報を取得すると、移動経路情報の経路案内情報に基づいて、通常レベルでの表示案内誘導を実施するとともに(ステップS109)、通常レベルでの音声案内誘導を実施する(ステップS110)。
具体的には、案内報知手段287は、記憶手段260から地図情報を取得する。また、メモリ270から移動経路情報を取得する。そして、表示制御手段283を制御し、経路案内情報の表示案内情報に基づいて、移動経路を地図情報に重畳して表示部240に表示させる。例えば、案内報知手段287は、図7に示すように、道路R1,R2,R3,R4を表示部240の表示領域241に表示させる。そして、移動経路Qを道路R1,R2に重畳して表示させる。また、案内報知手段287は、現在位置情報に基づく車両の現在位置を表すアイコンや目的地情報に基づく目的地を表すアイコンなどを、移動経路に重畳して表示させる。
この後、案内報知手段287は、センサ部210の速度センサ、方位角センサおよび加速度センサから出力されるデータと、GPS受信部から出力されるGPSデータとに基づいて、車両の移動状況を認識する。そして、案内報知手段287は、認識した移動状況と、経路案内情報と、に基づいて車両の移動に関する案内を表示あるいは音声により報知し、車両の移動を案内誘導する。
具体的には、処理部280の表示制御手段283が、記憶手段260から取得したマッチングメッシュ情報MMxのノードNをポリラインで結び、マッチングデータMMを構成するリング列ブロック情報に記載された道路の構成に基づいてポリラインを処理し、移動経路を含むマッチングメッシュ情報MMxの領域の道路を表示部240に表示させる。さらに、表示制御手段283は、記憶手段260から取得した表示用メッシュ情報VMxのマッチングメッシュ情報MMxに対応する領域における道路以外の地図を構成する要素に関する要素データである名称情報VMxAおよび背景情報VMxCを重畳させて表示させる。そして、この表示される地図に現在位置を重畳表示させる。
この現在位置の重畳表示の際、車両の現在位置情報に基づく表示が道路から逸脱しないように、マッチングデータMMに基づいてマップマッチング処理する。すなわち、処理部280は、現在位置が移動経路のマッチングデータMM上に位置するように現在位置情報を適宜補正して表示位置をリンクLが連なるリンク列上となるようにする。このようにして地図と現在位置とを重畳表示させて、案内誘導する。また、現在位置が所定の位置に達した場合には、音声などにより移動する方向などを案内する。具体的には、例えば車両が図7に示す地点P1に達した場合には、経路案内情報の音声報知情報に基づいて、「この先300m先右方向です。」の音声を音声出力部250に出力させる。また、車両が地点P2に達した場合には、「まもなく右方向です。」の音声を音声出力部250に出力させる。
なお、この領域以外の領域において、例えば入力部230の入力操作にて他の領域の表示を見る設定入力がなされた場合に表示させる地図は、検索により表示させる場合と同様に、記憶手段260から取得した表示用メッシュ情報VMxにより表示させる。
また、車両の移動中の際、処理部280は、経路処理手段284にて、例えば渋滞、交通事故、工事、交通規制などのVICSデータや気象情報などを取得する。そして、処理部280は、取得したVICSデータや気象情報などに基づいて、車両の移動の状態が影響を受けたり、変更したりするなどのおそれがある場合には、移動経路の探索処理を再度実施する。また、処理部280は、案内報知手段287にて、その旨の案内あるいは影響を報知する。
そして、処理部280は、案内報知手段287にて案内誘導が終了したか否かを判断する(ステップS111)。このステップS111において、案内報知手段287で案内誘導が終了したと判断した場合、移動経路の報知処理を終了する。一方、処理部280は、案内報知手段287で案内誘導が終了していないと判断した場合、ステップS108に戻り、報知レベル設定手段285にてワイパーが駆動しているか否かを判断する。
また、ステップS108において、処理部280は、報知レベル設定手段285にてワイパーが駆動していると判断した場合、ワイパー速度を認識する(ステップS112)。そして、報知レベル設定手段285は、この認識したワイパー速度が低速か否かを判断する(ステップS113)。このステップS113において、ワイパー速度が低速であると判断した場合、経路報知レベルを付加処理レベル1に設定する旨の経路報知レベル情報を案内報知手段287へ出力する。そして、案内報知手段287は、経路報知レベル情報を取得すると、移動経路情報の経路案内情報および付加処理レベル1の報知案内情報に基づいて、付加処理レベル1での表示案内誘導を実施するとともに(ステップS114)、付加処理レベル1での音声案内誘導、効果音案内誘導を実施する(ステップS115)。そして、処理部280は、ステップS111の処理を実施する。
具体的には、案内報知手段287は、メモリ270から移動経路情報および付加処理レベル1の報知案内情報を取得する。そして、図8に示すように、道路R1,R2,R3,R4や移動経路Qを表示領域241に表示させる。また、付加処理レベル1の報知案内情報の表示報知情報に基づいて、交差点名情報H1を例えば道路R1の右側に表示させる。そして、案内報知手段287は、車両が地点P1や地点P2に達した場合には、「この先300m先右方向です。」や「まもなく右方向です。」の音声を出力させる。さらに、案内報知手段287は、車両が地点P3に達した場合には、付加処理レベル1の報知案内情報の音声報知情報に基づいて「ここを右です。」の音声を音声出力部250に出力させるとともに、効果音報知情報に基づいて「ピピピピ」の効果音を右スピーカ310に出力させる。
一方、ステップS113において、報知レベル設定手段285は、ワイパー速度が低速でないと判断した場合、中速か否かを判断する(ステップS116)。このステップS116において、ワイパー速度が中速であると判断した場合、経路報知レベルを付加処理レベル2に設定する旨の経路報知レベル情報を案内報知手段287へ出力する。そして、案内報知手段287は、経路報知レベル情報を取得すると、移動経路情報の経路案内情報および付加処理レベル2の報知案内情報に基づいて、付加処理レベル2での表示案内誘導を実施するとともに(ステップS117)、付加処理レベル2での音声案内誘導、効果音案内誘導を実施する(ステップS118)。そして、処理部280は、ステップS111の処理を実施する。
具体的には、案内報知手段287は、図9に示すように、道路R1,R2,R3,R4や移動経路Qを表示領域241に表示させる。また、付加処理レベル2の報知案内情報の表示報知情報に基づいて、交差点名情報H1および方面標識情報H2を例えば道路R1の右側に表示させる。そして、案内報知手段287は、車両が地点P4に達した場合には、付加処理レベル2の報知案内情報の音声報知情報に基づいて「この先500m先右方向、御殿場方面です。」の音声を音声出力部250に出力させるとともに、効果音報知情報に基づいて「ピ」の効果音を右スピーカ310に出力させる。また、車両が地点P1や地点P2に達した場合には、「この先300m先右方向です。」や「まもなく右方向です。」の音声を出力させる。さらに、案内報知手段287は、車両が地点P3に達した場合には、「ここを右です。」の音声、および、「ピピピピ」の効果音を出力させる。
一方、ステップS116において、報知レベル設定手段285は、ワイパー速度が中速でない、すなわち高速であると判断した場合、経路報知レベルを付加処理レベル3に設定する旨の経路報知レベル情報を案内報知手段287へ出力する。そして、案内報知手段287は、経路報知レベル情報を取得すると、移動経路情報の経路案内情報および付加処理レベル3の報知案内情報に基づいて、付加処理レベル3での表示案内誘導を実施するとともに(ステップS119)、付加処理レベル3での音声案内誘導、効果音案内誘導を実施する(ステップS120)。そして、処理部280は、ステップS111の処理を実施する。
具体的には、案内報知手段287は、図10に示すように、道路R1,R2,R3,R4や移動経路Qを表示領域241に表示させる。また、付加処理レベル3の報知案内情報の表示報知情報に基づいて、交差点名情報H1、方面標識情報H2、および、レーン表示情報H3を例えば道路R1の右側に表示させる。そして、案内報知手段287は、車両が地点P4に達した場合には、「この先500m先右方向、御殿場方面です。」の音声、および、「ピ」の効果音を出力させる。また、車両が地点P1に達した場合には、「この先300m先右方向です。」の音声を出力させるとともに、付加処理レベル3の報知案内情報の効果音報知情報に基づいて「キューン」の効果音を右スピーカ310に出力させる。さらに、車両が地点P5に達した場合には、付加処理レベル3の報知案内情報の音声報知情報に基づいて「右折レーンがあります。」の音声を音声出力部250に出力させる。また、車両が地点P2に達した場合には、「まもなく右方向です。」の音声を出力させ、車両が地点P3に達した場合には、「ここを右です。」の音声、および、「ピピピピ」の効果音を出力させる。
(車間警告音の報知処理)
次に、ナビゲーションシステム100の動作として、車間警告音の報知処理について図11に基づいて説明する。なお、通常レベルおよび警告レベル1,2,3の車間警告音を報知する処理は同様の処理なので、通常レベルの処理について詳細に説明し、警告レベル1,2,3の処理については説明を簡略化する。図11は、車間警告音の報知処理を示すフローチャートである。
まず、車両に搭乗した利用者がナビゲーションシステム100のナビゲーション装置200の電源をオンすると、ナビゲーション装置200の処理部280は、入力部230を制御して利用者にナビゲーション装置200に動作させる内容の設定入力を促す表示画面を表示部240に表示させる。そして、処理部280は、利用者の入力操作による任意の処理を実施させる旨の設定入力を認識すると、この処理を適宜実施する。この後、図11に示すように、処理部280は、警告レベル設定手段286にて車間検出部500から車間距離情報を適宜取得し、この車間距離情報に基づいて、例えば他の車両との車間距離を認識する(ステップS201)。この後、警告レベル設定手段286は、車間距離が所定距離よりも短いか否かを判断する(ステップS202)。このステップS202において、車間距離が所定距離よりも長いと判断した場合、ステップS201に戻り、新たな車間距離情報に基づいて車間距離を認識する。一方、ステップS202において、警告レベル設定手段286は、車間距離が所定距離よりも短いと判断した場合、ワイパー部400から取得した例えば最新のワイパー速度情報に基づいて、ワイパーが駆動しているか否かを判断する(ステップS203)。
このステップS203において、警告レベル設定手段286は、ワイパーが駆動していないと判断した場合、車間警告レベルを通常レベルに設定する旨の警告レベル情報を案内報知手段287へ出力する。そして、案内報知手段287は、警告レベル情報を取得すると、車間距離が所定距離以下である旨を通常レベルの車間警告音で報知する(ステップS204)。具体的には、案内報知手段287は、警告レベル情報に基づいて、車間警告レベルが通常レベルに設定されている旨を認識すると、通常レベルの報知音データをメモリ270から取得する。そして、この報知音データに基づいて、車間警告音を音声出力部250に出力させる。この後、処理部280は、ナビゲーション装置200の電源がオフされたか否かを判断する(ステップS205)。このステップS205において、電源がオフされたと認識した場合、車間警告音の報知処理を終了する。一方、ステップS205において、処理部280は、電源がオフされていないと判断した場合、ステップS201に戻り、車間距離を認識する。
また、ステップS203において、警告レベル設定手段286は、ワイパーが駆動していると判断した場合、ワイパー速度を認識する(ステップS206)。そして、この認識したワイパー速度が低速か否かを判断する(ステップS207)。このステップS207において、処理部280は、警告レベル設定手段286でワイパー速度が低速であると判断した場合、案内報知手段287にて、車間距離が所定距離以下である旨を警告レベル1の車間警告音で報知して(ステップS208)、ステップS205の処理を実施する。
一方、ステップS207において、警告レベル設定手段286は、ワイパー速度が低速でないと判断した場合、中速か否かを判断する(ステップS209)。このステップS209において、処理部280は、警告レベル設定手段286でワイパー速度が中速であると判断した場合、案内報知手段287にて、車間距離が所定距離以下である旨を警告レベル2の車間警告音で報知して(ステップS210)、ステップS205の処理を実施する。一方、ステップS209において、処理部280は、警告レベル設定手段286でワイパー速度が中速でない、すなわち高速であると判断した場合、案内報知手段287にて、車間距離が所定距離以下である旨を警告レベル3の車間警告音で報知して(ステップS211)、ステップS205の処理を実施する。
〔第1の実施の形態の作用効果〕
上述したように、上記第1の実施の形態では、ナビゲーションシステム100のナビゲーション装置200は、処理部280の報知レベル設定手段285にて、ワイパー部400のワイパー制御部430からワイパー速度情報を取得して、天候に応じて駆動されるワイパーのワイパー速度を認識する。この後、報知レベル設定手段285は、このワイパー速度に基づいて、移動経路の案内の情報量などに対応する経路報知レベルを通常レベル、付加処理レベル1,2,3のいずれかに設定し、この経路報知レベルに関する経路報知レベル情報を案内報知手段287へ出力する。そして、案内報知手段287は、経路報知レベル情報を取得して、経路報知レベルに応じた移動経路の案内を、表示部240や音声出力部250あるいはスピーカ部300に報知させる。具体的には、案内報知手段287は、ワイパーが駆動していない場合、すなわち例えば晴天時であり視認性が高い場合、通常レベルでの表示案内誘導を実施して、例えば道路R1,R2,R3,R4および移動経路Qを表示部240に表示させる。また、通常レベルでの音声案内誘導を実施して、例えば「この先300m先右方向です。」や「まもなく右方向です。」の音声を音声出力部250に出力させる。一方、ワイパーが低速で駆動している場合、すなわち例えば小雨や小雪により視認性が晴天時よりも低い場合、付加処理レベル1での表示案内誘導を実施して、通常レベルにおける表示に加え例えば交差点名情報H1を表示させる。また、付加処理レベル1での音声案内誘導を実施して、通常レベルにおける音声に加え例えば「ここを右です。」の音声を出力させる。
このため、利用者は、例えば小雨のため視認性が晴天時よりも低くなったとしても、晴天時とは異なる表示や音声による案内により、移動経路を晴天時と同様に認識できる。したがって、ナビゲーション装置200は、移動経路の案内を良好に報知できる。
ナビゲーション装置200は、処理部280の警告レベル設定手段286にて、車間検出部500から車間距離情報を取得して、例えば他の車両との車間距離が所定距離よりも短い旨を認識する。また、警告レベル設定手段286は、ワイパー制御部430からのワイパー速度情報を取得してワイパー速度を認識する。この後、このワイパー速度に基づいて、車間警告音が示す危険度に対応する車間警告レベルを通常レベル、警告レベル1,2,3のいずれかに設定し、この車間警告レベルに関する警告レベル情報を案内報知手段287へ出力する。そして、案内報知手段287は、警告レベル情報を取得して、車間警告レベルに応じた車間警告音を音声出力部250に出力させる。具体的には、案内報知手段287は、ワイパーが駆動していない場合、すなわち例えば晴天時であり制動距離が短い場合、通常レベルの車間警告音を出力させる。一方、ワイパーが低速で駆動している場合、すなわち例えば小雨や小雪により制動距離が晴天時と比べて長い場合、通常レベルよりも危険度が高い旨を警告する報知形態である警告レベル1の車間警告音を出力させる。
このため、利用者は、例えば小雨のため制動距離が晴天時よりも長い状態の場合、車間距離が晴天時と同じ距離であっても警告レベル1の車間警告音により、晴天時と比べて危険である旨を認識できる。したがって、ナビゲーション装置200は、車間距離が所定距離よりも短い旨を良好に報知できる。
ナビゲーション装置200は、処理部280の経路処理手段284にて、通常レベルの各種案内を報知させるための経路案内情報や、付加処理レベル1,2,3の各種案内を報知させるための各報知案内情報を生成してメモリ270に記憶させる。そして、案内報知手段287は、経路報知レベルに応じた各種案内を報知させるための各種情報を取得して各種案内を報知させる。このため、案内報知手段287は、経路報知レベルに対応した各種情報を取得するだけの簡単な方法で、経路報知レベルに応じた各種案内を報知させることができる。したがって、ナビゲーション装置200は、移動経路の報知処理をより迅速にでき、利用者に移動経路をより迅速に認識させることができる。
ナビゲーション装置200のメモリ270は、通常レベル、警告レベル1,2,3の車間警告音を出力させるための各報知音データを記憶している。そして、案内報知手段287は、車間警告レベルに応じた車間警告音を出力させるための報知音データを取得して車間警告音を出力させる。このため、案内報知手段287は、車間警告レベルに対応した報知データを取得するだけの簡単な方法で、車間警告レベルに応じた車間警告音を出力させることができる。したがって、車間警告音の報知処理をより迅速にでき、利用者に車間距離が所定距離よりも短い旨をより迅速に認識させることができる。
案内報知手段287は、例えば小雨や小雪により視認性が晴天時よりも低い場合、晴天時における音声に加え例えば「ここを右です。」の音声を出力させる。このため、ナビゲーション装置200は、例えば小雨のため視認性が晴天時よりも低くなったとしても、晴天時よりも多くの案内により、利用者に移動経路を晴天時と同様に認識させることができる。したがって、ナビゲーション装置200は、移動経路の案内をより良好に報知できる。
案内報知手段287は、報知形態における音の高さ、強さ、音色、あるいは、長さが車間警告レベルに対応した状態に設定された車間警告音を出力させる。このため、ナビゲーション装置200は、利用者に車間警告音の音の高さ、強さ、音色、あるいは、長さを認識させるだけの簡単な方法で、危険度をより迅速に認識させることができる。したがって、ナビゲーション装置200は、車間距離が所定距離よりも短い旨をより良好に報知できる。
報知レベル設定手段285や警告レベル設定手段286は、降雨時や降雪時などのため視認性が低くなったり制動距離が長くなった場合に利用者が駆動させるワイパーのワイパー速度に基づいて、経路報知レベルや車間警告レベルを設定する。このため、ナビゲーション装置200は、利用者にワイパーを駆動させる操作以外の特別な操作を実施させることなく、降雨や降雪に応じて変化する視認性や制動距離に対応した案内や車間警告音を報知できる。したがって、ナビゲーション装置200の利便性を向上できる。
案内報知手段287は、例えば地点P3において「ピピピピ」の効果音を右スピーカ310から出力させることにより右折する位置に達したことを報知する。このため、ナビゲーション装置200は、右スピーカ310から出力させる効果音により、利用車に曲がる方向を聴覚的に認識させることができる。したがって、ナビゲーション装置200は、例えば「ピピピピ」の効果音を右スピーカ310および左スピーカ320から出力させる構成と比べて、曲がる方向をより容易に認識させることができる。
案内報知手段287は、経路報知レベルに応じた各種案内を表示部240に表示させる。このため、利用者は、例えば停車中など任意のタイミングで表示部240を確認することにより、移動経路を晴天時と同様に認識できる。したがって、ナビゲーション装置200は、移動経路の案内をさらに良好に報知できる。
案内報知手段287は、経路報知レベルに応じた各種案内を音声出力部250に出力させる。このため、利用者は、運転中であっても表示部240の方向に視線を移すことなく、移動経路を晴天時と同様に認識できる。したがって、ナビゲーション装置200は、移動経路の案内をさらに良好に報知できる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る第2の実施の形態を図面に基づいて説明する。図12は、第2の実施の形態に係るナビゲーションシステムの概略構成を示すブロック図である。図13は、ナビゲーション装置を構成する処理部の概略構成を示すブロック図である。なお、第1の実施の形態と同一の構成については同一符号を付して説明を省略または簡略化する。
〔ナビゲーションシステムの構成〕
図12において、600はナビゲーションシステムである。このナビゲーションシステム600は、第1の実施の形態のナビゲーションシステム100と同様に、移動体である例えば車両の移動状況に対応して移動に関する案内を報知するシステムである。そして、ナビゲーションシステム600は、案内誘導装置であるナビゲーション装置700と、スピーカ部300と、ワイパー部400と、車間検出部500と、ライト部800と、外部状況情報出力手段としての温度検出部900と、などを備えている。
ワイパー部400は、ワイパー操作部410と、ワイパー駆動部420と、ワイパー制御部430と、などを備えている。
ライト部800は、外部状況としての外部の明るさに応じて点灯される、車両の前部に配設された図示しないフロントライトと、後部に配設された図示しないリアライトと、フロントライトやリアライトの側方に配設された図示しない車幅灯と、走行速度やエンジンの回転数などを表示する図示しないインストルメントパネル部の計器部に配設された図示しないイルミネーションライトと、などを有している。ここで、フロントライト、リアライト、車幅灯、および、イルミネーションライトが本発明のライトとして機能する。そして、このライト部800は、ライト操作部810と、外部状況情報出力手段としてのライト点灯制御部820と、などを備えている。
ライト操作部810は、例えばステアリング近傍に配設され入力操作される図示しないライトスイッチを有している。このライトスイッチの入力操作は、各ライトや車幅灯の点灯状況としての点灯モードの設定などである。そして、ライト操作部810は、各ライトおよび車幅灯を点灯させないモード(以下、ライトオフモードと称す)や、フロントライト以外の各ライトおよび車幅灯を点灯させるモード(以下、イルミモードと称す)、あるいは、各ライトおよび車幅灯を点灯させるモード(以下、ヘッド点灯モードと称す)に設定する入力操作などにより、この設定された点灯モードに対応するライトモード設定信号Susをライト点灯制御部820へ適宜出力して設定させる。
ライト点灯制御部820は、ライト操作部810による設定入力に基づいて、各ライトや車幅灯を点灯させるとともに、各ライトや車幅灯の点灯モードに関する信号をナビゲーション装置700へ出力する。具体的には、ライト点灯制御部820は、ライト操作部810からライトモード設定信号Susを適宜取得して、設定入力された点灯モードを認識する。そして、この認識した点灯モードに基づいて、各ライトや車幅灯の点灯を制御する。また、ライト点灯制御部820は、設定された点灯モードがライトオフモード、イルミモード、ヘッド点灯モードのいずれかである旨の情報が記載された外部状況情報としての点灯モード情報を適宜生成する。そして、この点灯モード情報を点灯モード信号Supに適宜変換して、ナビゲーション装置700へ出力する。
温度検出部900は、例えば車両の前部や後部あるいは側部などに配設されている。この温度検出部900は、外部状況としての車両の外部の温度(以下、外気温と称す)を適宜検出する。そして、検出した外気温に関する外部状況情報としての外気温情報を適宜生成する。さらに、温度検出部900は、この外気温情報を温度情報Stpに適宜変換して、ナビゲーション装置700へ出力する。この温度検出部900としては、例えばサーミスタや赤外線センサあるいは熱伝対などが例示できる。
ナビゲーション装置700は、センサ部210と、VICS受信部220と、入力部230と、報知手段としても機能する表示部240と、報知手段としても機能する音声出力部250と、記憶手段260と、メモリ710と、演算手段としての処理部720と、などを備えている。
センサ部210は、外部状況情報出力手段としての速度センサを有している。この速度センサは、外部状況としての移動速度である走行速度に対応した例えば車軸や車輪の回転により出力されるパルス信号や電圧値などを読み取る。そして、速度センサは、読み取ったパルス信号や電圧値などの外部状況情報としての速度検出情報を処理部720へ出力する。
メモリ710は、入力部230で入力操作される設定事項、処理部720で取得したり生成した各種情報、音楽データや画像データ、通常レベルおよび警告レベル1,2,3の報知音データ、OS上に展開される各種プログラムなどを適宜読み出し可能に記憶している。また、メモリ710は、ワイパー値Wと、ライト値Uと、外気温値Tと、車速値Gと、第1の視認値Eと、第2の視認値Fと、などを適宜読み出し可能に記憶している。
ここで、ワイパー値Wは、ワイパー速度に対応した値に適宜設定される。具体的には、ワイパー値Wは、ワイパーが停止している場合に「0」に設定され、ワイパー速度が低速の場合に「1」に設定され、中速の場合に「2」に設定され、高速の場合に「3」に設定される。ライト値Uは、ライト部800の各ライトおよび車幅灯の点灯モードに対応した値に適宜設定される。具体的には、ライト値Uは、点灯モードがライトオフモードの場合に「0」に設定され、イルミモードの場合に「1」に設定され、ヘッド点灯モードの場合に「2」に設定される。外気温値Tは、車両の外気温に対応した値に適宜設定される。具体的には、外気温値Tは、外気温が0℃以上の場合に「0」に設定され、0℃未満の場合に「1」に設定される。車速値Gは、走行速度に対応した値に適宜設定される。具体的には、車速値Gは、走行速度が予め設定された設定速度よりも速い場合に「1」に設定され、遅い場合に「0」に設定される。第1の視認値Eおよび第2の視認値Fは、利用者の視認性や車両の制動距離に対応した値に適宜設定される。具体的には、第1の視認値Eは、ワイパー値W、ライト値U、および、外気温値Tの合計値である。第2の視認値Fは、ワイパー値W、ライト値U、外気温値T、および、車速値Gの合計値である。なお、各値W,U,T,Gの設定値は、上述した値に限らず適宜他の値に設定する構成などとしてもよい。また、各視認値E,Fは、各値W,U,T,Gの合計値に限らず、例えば少なくともいずれか1つの各値W,U,T,Gを除いた合計値にする構成や、各値W,U,T,Gにそれぞれ重み付けをして乗じた値の合計値にする構成など、適宜他の構成などとしてもよい。
処理部720は、図示しない各種入出力ポート、例えばスピーカ部300に接続されるスピーカポート、ワイパー部400に接続されるワイパーポート、車間検出部500が接続される車間ポート、ライト部800が接続されるライトポート、温度検出部900が接続される温度ポート、VICSアンテナが接続されるVICS受信ポート、GPS受信部が接続されるGPS受信ポート、各種センサがそれぞれ接続されるセンサポート、入力部230が接続されるキー入力ポート、表示部240が接続される表示部制御ポート、音声出力部250が接続される音声制御ポート、記憶手段260が接続される記憶ポート、メモリ710が接続されるメモリポートなどを有する。そして、処理部720は、各種プログラムとして、図13に示すように、現在位置認識手段281と、目的地認識手段282と、表示制御手段283と、経路処理手段284と、外部状況情報取得手段および報知制御手段としても機能する報知レベル設定手段721と、外部状況情報取得手段および報知制御手段としても機能する警告レベル設定手段722と、移動関連情報取得手段および報知制御手段としても機能する案内報知手段723と、マップマッチング手段288と、情報検索手段289と、などを備えている。なお、報知レベル設定手段721、警告レベル設定手段722、および、案内報知手段723にて、本発明の情報処理装置が構成されている。ここで、情報処理装置としては、報知レベル設定手段721および警告レベル設定手段722のうちのいずれか一方を設けない構成としてもよい。
経路処理手段284は、各種情報に基づいて、移動経路を探索する。そして、この探索した移動経路に関する移動経路情報と、付加処理レベル1,2,3の報知案内情報と、などを適宜生成する。そして、経路処理手段284で生成された各種情報は、メモリ710に適宜記憶される。
報知レベル設定手段721は、ワイパー速度、ライト部800の各ライトおよび車幅灯の点灯状況、および、外気温に基づいて、経路報知レベルを設定する。具体的には、報知レベル設定手段721は、ワイパー部400からワイパー速度信号Swpを適宜取得し、このワイパー速度信号Swpのワイパー速度情報に基づいて、ワイパー速度を認識する。そして、ワイパーが停止している場合にワイパー値Wを「0」に設定し、低速、中速、高速のそれぞれの場合に「1」、「2」、「3」にそれぞれ設定する。また、報知レベル設定手段721は、ライト部800から点灯モード信号Supを適宜取得し、この点灯モード信号Supの点灯モード情報に基づいて、点灯モードを認識する。そして、点灯モードがライトオフモード、イルミモード、ヘッド点灯モードのそれぞれの場合にライト値Uを「0」、「1」、「2」にそれぞれ設定する。さらに、報知レベル設定手段721は、温度検出部900から温度情報Stpを適宜取得し、この温度情報Stpの外気温情報に基づいて、外気温を認識する。そして、外気温が0℃以上の場合に外気温値Tを「0」に設定し、0度未満の場合に「1」に設定する。さらに、報知レベル設定手段721は、ワイパー値W、ライト値U、および、外気温値Tの合計値を第1の視認値Eとして算出する。そして、この第1の視認値Eが「0」の場合、経路報知レベルを通常レベルに設定する。さらに、「1」または「2」の場合、付加処理レベル1に設定する。また、「3」または「4」の場合、付加処理レベル2に設定する。そして、「5」または「6」の場合、付加処理レベル3に設定する。
また、報知レベル設定手段721は、走行速度に基づいて、音声の案内頻度に対応する音声案内頻度パラメータや、効果音の案内頻度に対応する効果音案内頻度パラメータを設定する。具体的には、報知レベル設定手段721は、センサ部210の速度センサから速度検出情報を適宜取得して、走行速度を認識する。そして、走行速度が設定速度よりも速い場合、効果音案内頻度パラメータを増加させる。また、走行速度が設定速度よりも遅い場合、音声案内頻度パラメータを増加させる。
さらに、報知レベル設定手段721は、経路報知レベルを通常レベルおよび付加処理レベル1,2,3のうちのいずれか1つに設定した旨の経路報知レベル情報と、各案内頻度パラメータに関する案内頻度情報と、を適宜生成する。そして、経路報知レベル情報および案内頻度情報を案内報知手段723へ出力する。
警告レベル設定手段722は、ワイパー速度、ライト部800の各ライトおよび車幅灯の点灯状況、外気温、および、走行速度に基づいて、車間警告レベルを設定する。具体的には、警告レベル設定手段722は、報知レベル設定手段721と同様の処理を実施して、ワイパー値W、ライト値U、および、外気温値Tを適宜設定する。さらに、センサ部210の速度センサからの速度検出情報に基づいて、走行速度が設定速度よりも遅い場合に車速値Gを「0」に設定し、速い場合に「1」に設定する。また、警告レベル設定手段722は、ワイパー値W、ライト値U、外気温値T、および、車速値Gの合計値を第2の視認値Fとして算出する。そして、この第2の視認値Fが「0」の場合、車間警告レベルを通常レベルに設定する。また、「1」または「2」の場合、警告レベル1に設定する。さらに、「3」または「4」の場合、警告レベル2に設定する。また、「5」、「6」、または「7」の場合、警告レベル3に設定する。そして、警告レベル設定手段722は、この設定した車間警告レベルに関する警告レベル情報を適宜生成して、案内報知手段723へ出力する。
案内報知手段723は、各種情報に基づいて、車両の移動に関する案内を利用者の視認性に対応した報知形態で表示部240や音声出力部250あるいはスピーカ部300に報知させる。具体的には、案内報知手段723は、移動経路情報をメモリ710から適宜取得するとともに、報知レベル設定手段721から経路報知レベル情報や案内頻度情報を適宜取得する。そして、経路報知レベルが通常レベルに設定されたことを認識すると、経路案内情報をメモリ710から取得して、各種案内を適宜報知させる。また、経路報知レベルが付加処理レベル1,2,3のいずれかに設定されたことを認識すると、経路案内情報と、付加処理レベル1,2,3のいずれかの報知案内情報と、をメモリ710から取得する。さらに、案内頻度情報に基づいて、効果音案内頻度パラメータや音声案内頻度パラメータを認識する。そして、取得した経路案内情報および報知案内情報に基づいて、各案内頻度パラメータに対応した報知形態で、各種案内を適宜報知させる。
また、案内報知手段723は、各種情報に基づいて、車間警告音を制動距離に対応した報知形態で音声出力部250に出力させる。
〔ナビゲーションシステムの動作〕
次に、ナビゲーションシステム600の動作を図面を参照して説明する。
(移動経路の報知処理)
まず、ナビゲーションシステム600の動作として、移動経路の報知処理について図14ないし図16に基づいて説明する。なお、第1の実施の形態の移動経路の報知処理と同様の処理については、説明を省略または簡略化する。図14および図15は、移動経路の報知処理を示すフローチャートである。図16は、第1の視認値の算出処理を示すフローチャートである。
まず、ナビゲーションシステム600のナビゲーション装置700は、図14に示すように、処理部720にて移動経路の探索処理を実施させる旨の設定入力を認識すると(ステップS301)、設定事項情報などの設定入力を促す表示画面を表示部240に表示させる。そして、処理部720は、現在位置認識手段281にて現在位置を認識する処理をするとともに(ステップS302)、目的地認識手段282にて設定入力された目的地を認識する処理をする(ステップS303)。また、処理部720は、設定入力された設定事項情報を取得して(ステップS304)、経路処理手段284にてルート探索処理をする(ステップS305)。この後、経路処理手段284は、例えば5候補の移動経路の中から利用者により設定された移動経路を認識し(ステップS306)、この認識した移動経路に関する付加案内情報を生成する(ステップS307)。そして、処理部720は、図15に示すように、報知レベル設定手段721にて、第1の視認値Eの算出処理を実施する(ステップS308)。
このステップS308における第1の視認値Eの算出処理を実施した後、報知レベル設定手段721は、第1の視認値Eが「0」か否かを判断する(ステップS309)。このステップS309において、第1の視認値Eが「0」であると判断した場合、経路報知レベルを通常レベルに設定する(ステップS310)。そして、報知レベル設定手段721は、経路報知レベルに関する経路報知レベル情報を案内報知手段723へ出力する。案内報知手段723は、経路報知レベル情報を取得すると、通常レベルでの表示案内誘導を実施するとともに(ステップS311)、通常レベルでの音声案内誘導を実施する(ステップS312)。そして、処理部720は、案内報知手段723にて案内誘導が終了したか否かを判断する(ステップS313)。このステップS313において、処理部720は、案内報知手段723で案内誘導が終了したと判断した場合、移動経路の報知処理を終了する。一方、処理部720は、案内報知手段723で案内誘導が終了していないと判断した場合、ステップS308に戻り、報知レベル設定手段721にて第1の視認値Eの算出処理を実施する。
また、ステップS309において、報知レベル設定手段721は、第1の視認値Eが「0」でないと判断した場合、「1」または「2」であるか否かを判断する(ステップS314)。このステップS314において、第1の視認値Eが「1」または「2」であると判断した場合、経路報知レベルを付加処理レベル1に設定する(ステップS315)。この後、報知レベル設定手段721は、センサ部210から速度検出情報を取得し、走行速度が設定速度よりも速いか否かを判断する(ステップS316)。
このステップS316において、報知レベル設定手段721は、走行速度が設定速度よりも速いと判断した場合、効果音案内頻度パラメータを増加させる(ステップS317)。一方、ステップS316において、報知レベル設定手段721は、走行速度が設定速度よりも遅いと判断した場合、音声案内頻度パラメータを増加させる(ステップS318)。
また、ステップS314において、報知レベル設定手段721は、第1の視認値Eが「1」または「2」でないと判断した場合、「3」または「4」であるか否かを判断する(ステップS319)。このステップS319において、第1の視認値Eが「3」または「4」であると判断した場合、経路報知レベルを付加処理レベル2に設定して(ステップS320)、ステップS316の処理を実施する。一方、ステップS319において、報知レベル設定手段721は、第1の視認値Eが「3」または「4」でない、すなわち「5」または「6」であると判断した場合、経路報知レベルを付加処理レベル3に設定して(ステップS321)、ステップS316の処理を実施する。
報知レベル設定手段721は、ステップS317における効果音案内頻度パラメータを増加させる処理、または、ステップS318における音声案内頻度パラメータを増加させる処理を実施すると、経路報知レベルに関する経路報知レベル情報および各案内頻度パラメータに関する案内頻度情報を、案内報知手段723へ出力する。そして、案内報知手段723は、経路報知レベル情報および案内頻度情報を取得すると、報知レベル設定手段721で設定した付加処理レベル1,2,3のいずれかでの表示案内誘導を実施するとともに(ステップS322)、付加処理レベル1,2,3のいずれかでの各案内頻度パラメータに基づいた音声案内誘導、効果音案内誘導を実施する(ステップS323)。そして、処理部720は、ステップS313の処理を実施する。
具体的には、案内報知手段723は、例えば経路報知レベルが付加処理レベル2に設定され、効果音案内頻度パラメータが増加されている場合、図9に示すような表示画面を表示領域241に表示させる。そして、案内報知手段723は、例えば車両が地点P4に達した場合には、「この先500m先右方向、御殿場方面です。」の音声を出力させずに、「ピ」の効果音を出力させる。また、車両が地点P1や地点P2に達した場合には、「この先300m先右方向です。」や「まもなく右方向です。」の音声を出力させる。さらに、車両が地点P3に達した場合には、「ここを右です。」の音声を出力させずに、「ピピピピ」の効果音を出力させる。
また、案内報知手段723は、例えば経路報知レベルが付加処理レベル3に設定され、音声案内頻度パラメータが増加されている場合、図10に示すような表示画面を表示領域241に表示させる。そして、案内報知手段723は、車両が地点P4に達した場合には、「ピ」の効果音を出力させずに、「この先500m先右方向、御殿場方面です。」の音声を出力させる。また、車両が地点P1に達した場合には、「キューン」の効果音を出力させずに、「この先300m先右方向です。」の音声を出力させる。さらに、車両が地点P5や地点P2に達した場合には、「右折レーンがあります。」や「まもなく右方向です。」の音声を出力させる。また、車両が地点P3に達した場合には、「ピピピピ」の効果音を出力させずに、「ここを右です。」の音声を出力させる。
一方、第1の視認値Eの算出処理では、図16に示すように、報知レベル設定手段721は、ワイパー部400から取得した例えば最新のワイパー速度情報に基づいて、ワイパーが駆動しているか否かを判断する(ステップS401)。このステップS401において、ワイパーが駆動していないと判断した場合、ワイパー値Wを「0」に設定する(ステップS402)。この後、報知レベル設定手段721は、ライト部800から取得した例えば最新の点灯モード情報に基づいて、点灯モードがライトオフモードか否かを判断する(ステップS403)。このステップS403において、ライトオフモードであると判断した場合、ライト値Uを「0」に設定する(ステップS404)。
そして、報知レベル設定手段721は、温度検出部900から取得した例えば最新の外気温情報に基づいて、外気温が0℃未満か否かを判断する(ステップS405)。このステップS405において、0℃未満であると判断した場合、外気温値Tを「1」に設定する(ステップS406)。一方、報知レベル設定手段721は、外気温が0℃以上であると判断した場合、外気温値Tを「0」に設定する(ステップS407)。そして、報知レベル設定手段721は、ステップS406またはステップS407における外気温値Tを設定する処理を実施すると、ワイパー値W、ライト値U、および、外気温値Tに基づいて第1の視認値Eを算出して(ステップS408)、第1の視認値Eの算出処理を終了する。
一方、ステップS401において、報知レベル設定手段721は、ワイパーが駆動していると判断した場合、ワイパー速度を認識する(ステップS409)。そして、報知レベル設定手段721は、ワイパー速度が低速か否かを判断する(ステップS410)。このステップS410において、低速であると判断した場合、ワイパー値Wを「1」に設定して(ステップ411)、ステップS403の処理を実施する。一方、ステップS410において、報知レベル設定手段721は、低速でないと判断した場合、中速か否かを判断する(ステップS412)。このステップS412において、中速であると判断した場合、ワイパー値Wを「2」に設定して(ステップS413)、ステップS403の処理を実施する。一方、ステップS412において、報知レベル設定手段721は、中速でない、すなわち高速であると判断した場合、ワイパー値Wを「3」に設定して(ステップS414)、ステップS403の処理を実施する。
また、ステップS403において、報知レベル設定手段721は、ライトオフモードでないと判断した場合、イルミモードか否かを判断する(ステップS415)。このステップS415において、イルミモードであると判断した場合、ライト値Uを「1」に設定して(ステップS416)、ステップS405の処理を実施する。一方、ステップS415において、報知レベル設定手段721は、イルミモードでない、すなわちヘッド点灯モードであると判断した場合、ライト値Uを「2」に設定して(ステップS417)、ステップS405の処理を実施する。
(車間警告音の報知処理)
次に、ナビゲーションシステム600の動作として、車間警告音の報知処理について図17および図18に基づいて説明する。なお、第1の実施の形態の車間警告音の報知処理と同様の処理については、説明を省略または簡略化する。図17は、車間警告音の報知処理を示すフローチャートである。図18は、第2の視認値の算出処理を示すフローチャートである。
まず、ナビゲーションシステム600のナビゲーション装置700は、図16に示すように、処理部720の警告レベル設定手段722にて、例えば他の車両との車間距離を認識する(ステップS501)。この後、警告レベル設定手段722は、車間距離が所定距離よりも短いか否かを判断する(ステップS502)。このステップS502において、車間距離が所定距離よりも長いと判断した場合、ステップS501に戻り、新たな車間距離情報に基づいて車間距離を認識する。一方、ステップS502において、警告レベル設定手段722は、車間距離が所定距離よりも短いと判断した場合、第2の視認値Fの算出処理を実施する(ステップS503)。
このステップS503における第2の視認値Fの算出処理を実施した後、警告レベル設定手段722は、第2の視認値Fが「0」であるか否かを判断する(ステップS504)。このステップS504において、処理部720は、警告レベル設定手段722で第2の視認値Fが「0」であると判断した場合、案内報知手段723にて、車間距離が所定距離以下である旨を通常レベルの車間警告音で報知する(ステップS505)。この後、処理部720は、ナビゲーション装置700の電源がオフされたか否かを判断する(ステップS506)。このステップS506において、電源がオフされたと認識した場合、車間警告音の報知処理を終了する。一方、ステップS506において、処理部720は、電源がオフされていないと判断した場合、ステップS501に戻り、車間距離を認識する。
一方、ステップS504において、警告レベル設定手段722は、第2の視認値Fが「0」でないと判断した場合、「1」または「2」であるか否かを判断する(ステップS507)。このステップS507において、処理部720は、警告レベル設定手段722で第2の視認値Fが「1」または「2」であると判断した場合、案内報知手段723にて、車間距離が所定距離以下である旨を警告レベル1の車間警告音で報知して(ステップS508)、ステップS506の処理を実施する。一方、ステップS507において、警告レベル設定手段722は、第2の視認値Fが「1」または「2」でないと判断すると、「3」または「4」であるか否かを判断する(ステップS509)。このステップS509において、処理部720は、警告レベル設定手段722で第2の視認値Fが「3」または「4」であると判断した場合、案内報知手段723にて、車間距離が所定距離以下である旨を警告レベル2の車間警告音で報知して(ステップS510)、ステップS506の処理を実施する。一方、ステップS509において、処理部720は、警告レベル設定手段722で第2の視認値Fが「3」または「4」でない、すなわち「5」、「6」、または「7」であると判断した場合、案内報知手段723にて、車間距離が所定距離以下である旨を警告レベル3の車間警告音で報知して(ステップS511)、ステップS506の処理を実施する。
一方、第2の視認値Fの算出処理では、図18に示すように、警告レベル設定手段722は、ワイパーが駆動しているか否かを判断する(ステップS601)。このステップS601において、ワイパーが駆動していないと判断した場合、ワイパー値Wを「0」に設定する(ステップS602)。この後、警告レベル設定手段722は、ライト部800の点灯モードがライトオフモードか否かを判断する(ステップS603)。このステップS603において、ライトオフモードであると判断した場合、ライト値Uを「0」に設定する(ステップS604)。
そして、警告レベル設定手段722は、外気温が0℃未満か否かを判断する(ステップS605)。このステップS605において、0℃未満であると判断した場合、外気温値Tを「1」に設定する(ステップS606)。一方、警告レベル設定手段722は、外気温が0℃以上であると判断した場合、外気温値Tを「0」に設定する(ステップS607)。そして、警告レベル設定手段722は、ステップS606またはステップS607における外気温値Tを設定する処理を実施すると、走行速度が設定速度よりも速いか否かを判断する(ステップS608)。このステップS608において、走行速度が設定速度よりも速いと判断した場合、車速値Gを「1」に設定する(ステップS609)。一方、警告レベル設定手段722は、走行速度が設定速度よりも遅いと判断した場合、車速値Gを「0」に設定する(ステップS610)。そして、警告レベル設定手段722は、ステップS609またはステップS610における車速値Gを設定する処理を実施すると、ワイパー値W、ライト値U、外気温値T、および、車速値Gに基づいて第2の視認値Fを算出して(ステップS611)、第2の視認値Fの算出処理を終了する。
一方、ステップS601において、警告レベル設定手段722は、ワイパーが駆動していると判断した場合、ワイパー速度を認識する(ステップS612)。そして、警告レベル設定手段722は、ワイパー速度が低速か否かを判断する(ステップS613)。このステップS613において、低速であると判断した場合、ワイパー値Wを「1」に設定して(ステップ614)、ステップS603の処理を実施する。一方、ステップS613において、警告レベル設定手段722は、低速でないと判断した場合、中速か否かを判断する(ステップS615)。このステップS615において、中速であると判断した場合、ワイパー値Wを「2」に設定して(ステップS616)、ステップS603の処理を実施する。一方、ステップS615において、警告レベル設定手段722は、中速でない、すなわち高速であると判断した場合、ワイパー値Wを「3」に設定して(ステップS617)、ステップS603の処理を実施する。
また、ステップS603において、警告レベル設定手段722は、ライトオフモードでないと判断した場合、イルミモードか否かを判断する(ステップS618)。このステップS618において、イルミモードであると判断した場合、ライト値Uを「1」に設定して(ステップS619)、ステップS605の処理を実施する。一方、ステップS618において、警告レベル設定手段722は、イルミモードでない、すなわちヘッド点灯モードであると判断した場合、ライト値Uを「2」に設定して(ステップS620)、ステップS605の処理を実施する。
〔第2の実施の形態の作用効果〕
上述したように、上記第2の実施の形態では、ナビゲーションシステム600のナビゲーション装置700は、処理部720の報知レベル設定手段721にて、ワイパー速度を認識する。また、報知レベル設定手段721は、ライト部800のライト点灯制御部820から点灯モード情報を取得して、外部の明るさに応じて点灯される各ライトの点灯モードを認識する。さらに、温度検出部900から外気音情報を取得して、外気温を認識する。そして、これら認識したワイパー速度、点灯モード、および、外気温に基づいて、経路報知レベルを設定し、経路報知レベル情報を案内報知手段723へ出力する。この後、案内報知手段723は、経路報知レベル情報を取得して、経路報知レベルに応じた移動経路の案内を、表示部240や音声出力部250あるいはスピーカ部300に報知させる。
このため、利用者は、例えば小雨や夜間あるいは道路標識などの凍結などの状態(以下、視認非良好状態と称す)のため、他の車両や交通規制の案内などに対する視認性が晴天時や昼間あるいは道路標識などの非凍結時などの状態(以下、視認良好状態と称す)よりも低くなったとしても、視認良好状態時とは異なる表示や音声による案内により、移動経路を視認良好状態時と同様に認識できる。したがって、ナビゲーション装置700は、移動経路の案内を良好に報知できる。
ナビゲーション装置700は、処理部720の警告レベル設定手段722にて、例えば他の車両との車間距離が所定距離よりも短い旨を認識する。また、警告レベル設定手段722は、ワイパー速度、点灯モード、外気温を認識する。さらに、センサ部210から速度検出情報を取得して、走行速度を認識する。そして、これら認識したワイパー速度、点灯モード、外気温、および、走行速度に基づいて、車間警告レベルを設定し、警告レベル情報を案内報知手段723へ出力する。この後、案内報知手段723は、警告レベル情報を取得して、車間警告レベルに応じた車間警告音を出力させる。
このため、利用者は、例えば小雨や夜間あるいは路面の凍結さらには高速な走行速度などの状態(以下、制動非良好状態と称す)のため、制動距離が晴天時や昼間あるいは路面の非凍結時さらには低速な走行速度などの状態(以下、制動良好状態と称す)よりも長い場合、車間距離が制動良好状態時と同じ距離であっても警告レベル1の車間警告音により、制動良好状態時と比べて危険である旨を認識できる。したがって、ナビゲーション装置700は、車間距離が所定距離よりも短い旨を良好に報知できる。
案内報知手段723は、経路報知レベルに応じた各種案内を報知させるための各種情報や、車間警告レベルに応じた車間警告音を出力させるための報知音データを取得して、各種案内や車間警告音を報知させる。したがって、ナビゲーション装置700は、第1の実施の形態のナビゲーション装置200と同様の作用により、利用者に移動経路や車間距離をより迅速に認識させることができる。
案内報知手段723は、視認非良好状態の場合、視認良好状態時における音声に加え例えば「ここを右です。」などの音声を出力させる。したがって、ナビゲーション装置700は、第1の実施の形態のナビゲーション装置200と同様の作用により、移動経路の案内をより良好に報知できる。
案内報知手段723は、音の高さ、強さ、音色、あるいは、長さが車間警告レベルに対応した状態の車間警告音を出力させる。したがって、ナビゲーション装置700は、第1の実施の形態のナビゲーション装置200と同様の作用により、車間距離が所定距離よりも短い旨をより良好に報知できる。
報知レベル設定手段721は、センサ部210から速度検出情報を取得して、走行速度を認識する。そして、走行速度が設定速度よりも速いと判断した場合に効果音案内頻度パラメータを増加させ、設定速度よりも遅いと判断した場合に音声案内頻度パラメータを増加させる。この後、各案内頻度パラメータに関する案内頻度情報を案内報知手段723へ出力する。案内報知手段723は、効果音案内頻度パラメータを増加させた旨の案内頻度情報を取得すると効果音による案内の頻度を増加させ、音声案内頻度パラメータを増加させる旨の案内頻度情報を取得すると音声による案内の頻度を増加させる。例えば、ナビゲーション装置700は、走行速度が速く例えば地点P4から地点P1まで移動するまでの時間が短い場合、「この先500m先右方向、御殿場方面です。」の音声ではなく「ピ」の効果音を報知させる。このため、ナビゲーション装置700は、例えば地点P1における「この先300m先右方向です。」の音声を報知させる前に地点P4における報知を終了させることができ、地点P1および地点P4における案内を利用者に確実に認識させることができる。したがって、ナビゲーション装置700は、移動経路の案内をさらに良好に報知できる。
報知レベル設定手段721や警告レベル設定手段722は、降雨時や降雪時などのため視認性が低くなったり制動距離が長くなった場合に利用者が駆動させるワイパーのワイパー速度に基づいて、経路報知レベルや車間警告レベルを設定する。したがって、第1の実施の形態のナビゲーション装置200と同様の作用により、ナビゲーション装置700の利便性を向上できる。
報知レベル設定手段721や警告レベル設定手段722は、夜間などのため視認性が低くなった場合に利用者が点灯させる各ライトなどの点灯モードに基づいて、経路報知レベルや車間警告レベルを設定する。このため、ナビゲーション装置700は、利用者に各ライトなどを点灯させる操作以外の特別な操作を実施させることなく、時間の経過に応じて変化する視認性に対応した案内や車間警告音を報知できる。したがって、ナビゲーション装置700の利便性をより向上できる。
報知レベル設定手段721や警告レベル設定手段722は、道路標識や路面などの凍結を引き起こす外気温に基づいて、経路報知レベルや車間警告レベルを設定する。このため、ナビゲーション装置700は、利用者に特別な操作を実施させることなく、道路標識や路面などの状態に応じて変化する視認性や制動距離に対応した案内や車間警告音を報知できる。したがって、ナビゲーション装置700の利便性をさらに向上できる。
警告レベル設定手段722は、センサ部210にて検出する走行速度に基づいて、車間警告レベルを設定する。このため。ナビゲーション装置700は、利用者に特別な操作を実施させることなく、走行速度に応じて変化する制動距離に対応した車間警告音を報知できる。したがって、ナビゲーション装置700の利便性をより向上できる。
報知レベル設定手段721は、ワイパー速度、点灯モード、外気温に基づいて、ワイパー値W、ライト値U、外気温値Tをそれぞれ設定する。そして、各値W,U,Tの合計値を第1の視認値Eとして算出し、この第1の視認値Eに基づいて経路報知レベルを設定する。また、警告レベル設定手段722は、ワイパー速度、点灯モード、外気温、走行速度に基づいて、ワイパー値W、ライト値U、外気温値T、車速値Gをそれぞれ設定する。そして、各値W,U,T,Gの合計値を第2の視認値Fとして算出し、この第2の視認値Fに基づいて車間警告レベルを設定する。このため、報知レベル設定手段721や警告レベル設定手段722は、各値W,U,T,Gを適宜設定し、これらの合計値を算出するだけの簡単な方法で経路報知レベルや車間警告レベルを設定できる。したがって、ナビゲーション装置700は、移動経路や車間警告音の報知処理をより迅速にでき、利用者に移動経路や車間距離をより迅速に認識させることができる。
案内報知手段723は、例えば地点P3において「ピピピピ」の効果音を右スピーカ310から出力させることにより右折すること報知する。このため、ナビゲーション装置700は、第1の実施の形態のナビゲーション装置200と同様の作用により、利用者に曲がる方向をより容易に認識させることができる。
案内報知手段723は、経路報知レベルに応じた各種案内を表示部240に表示させる。また、経路報知レベルに応じた各種案内を音声出力部250に出力させる。したがって、ナビゲーション装置700は、第1の実施の形態のナビゲーション装置200と同様の作用により、移動経路の案内をさらに良好に報知できる。
[実施の形態の変形]
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
各実施の形態において、経路処理手段284にて、経路報知レベルにそれぞれ対応する報知案内情報を生成してメモリ270,710に記憶させる構成について例示したが、これに限らず例えば以下のような構成などとしてもよい。すなわち、表示報知情報、音声報知情報、効果音報知情報に、いずれの経路報知レベルの際に報知させるものかを示すレベルフラグ情報を関連付ける。そして、案内報知手段287,723にて、経路報知レベルを認識した際に、レベルフラグ情報に基づいて各報知情報を取得して、各種案内を報知させる構成などとしてもよい。例えば、「ここを右です。」の音声報知情報に、付加処理レベル1,2,3の際に出力させるものであることを示すレベルフラグ情報を関連付けたり、「右レーンがあります。」の音声報知情報に、付加処理レベル3の際に出力させるものであることを示すレベルフラグ情報を関連付ける。そして、レベルフラグ情報に基づいて、経路報知レベルに対応する音声報知情報を取得して、各種案内を報知させる構成などとしてもよい。このような構成にすれば、各実施の形態のように、例えば「ここを右です。」の音声報知情報を付加処理レベル1,2,3の報知案内情報に備えさせる、すなわち3つの「ここを右です。」の音声報知情報をメモリ270,710に記憶させる必要がなくなる。しがって、メモリ270,710の容量を小さくでき、ナビゲーション装置200,700のコストを低減できる。
各実施の形態において、経路処理手段284にて、経路報知レベルにそれぞれ対応する経路案内情報や報知案内情報を生成してメモリ270,710に記憶させる構成について例示したが、これに限らず例えば以下のような構成などとしてもよい。すなわち、経路処理手段284にて、経路案内情報のみを生成してメモリ270,710に記憶させる。そして、案内報知手段287,723にて、経路報知レベルを認識した際に、メモリ270,710に記憶された経路案内情報に基づいて、経路報知レベルに対応した表示や音声あるいは効果音を報知させるための報知案内情報を生成する。この後、この報知案内情報に基づいて、各種案内を報知させる構成などとしてもよい。また、車間警告レベルに対応する報知音データをメモリ270,710に記憶させる構成について例示したが、これに限らず例えば以下のような構成などとしてもよい。すなわち、例えば通常レベルの報知音データのみをメモリ270,710に記憶させる。そして、案内報知手段287,723にて、車間警告レベルを認識した際に、メモリ270,710に記憶された報知音データの音の要素を車間警告レベルに対応した状態に設定する。そして、この音の要素を設定した報知音データに基づいて、車間警告音を報知させる構成などとしてもよい。このような構成にすれば、メモリ270,710に記憶させる情報量を減らすことができる。したがって、メモリ270,710の容量を小さくでき、ナビゲーション装置200,700のコストを低減できる。
各実施の形態において、案内報知手段287,723にて、経路報知レベルに対応して詳細な内容を示す音声案内誘導を実施する構成などとしてもよい。例えば、地点P2における通常レベルでの音声案内誘導の際に「この先300m先右方向です。」の音声を出力させ、例えば付加処理レベル1での案内誘導の際に「この先300m先のK交差点を右方向です。」の音声を出力させる構成などとしてもよい。このような構成にすれば、ナビゲーション装置200,700は、降雨時などの視認非良好状態時の場合でも、晴天時などの視認良好状態時よりも詳細な内容の案内により、利用者に移動経路を視認良好状態時と同様に認識させることができる。したがって、ナビゲーション装置200,700は、移動経路の案内をさらに良好に報知できる。
第2の実施の形態において、報知レベル設定手段721に、走行速度に応じて各案内頻度パラメータを増加させる機能を設けた構成について例示したが、このような機能を設けない構成などとしてもよい。このような構成にすれば、報知レベル設定手段721の構成を簡略化でき、ナビゲーション装置700のコストを低減できる。また、移動経路の報知処理におけるステップS316ないしステップS318の処理を省略できるので、利用者に移動経路をより迅速に報知できる。
第2の実施の形態において、報知レベル設定手段721や警告レベル設定手段722にて、ワイパー速度、点灯モード、外気温、走行速度などに基づいて、経路報知レベルや車間警告レベルを設定する構成について例示したが、これに限らず例えば以下のような構成などとしてもよい。すなわち、ワイパー速度、点灯モード、外気温、走行速度のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、経路報知レベルや車間警告レベルを設定する構成などとしてもよい。このような構成にすれば、報知レベル設定手段721や警告レベル設定手段722の構成を簡略化でき、ナビゲーション装置700のコストを低減できる。また、温度検出部900を適宜設ける必要がなくなるので、ナビゲーションシステム600の構成を適宜簡略化できる。さらに、第1の視認値Eや第2の視認値Fの算出処理を迅速にできるので、利用者に移動経路や車間警告音をより迅速に報知できる。
各実施の形態において、案内報知手段287,723に、報知レベル設定手段285,721で設定された経路報知レベルでの表示誘導案内および音声案内誘導を実施する機能を設けた構成について例示したが、これに限らず各誘導案内のうちのいずれか一方のみを実施する機能を設けた構成などとしてもよい。このような構成にすれば、案内報知手段287,723の構成を簡略化でき、ナビゲーション装置200,700のコストを低減できる。
各実施の形態において、ナビゲーション装置200,700にて、経路報知レベルおよび車間警告レベルを適宜設定して、移動経路や車間警告音を報知する構成について例示したが、これに限らずいずれか一方のみを設定して報知する構成などとしてもよい。このような構成にすれば、処理部280,720に報知レベル設定手段285,721または警告レベル設定手段286,722を設ける必要がなくなる。したがって、処理部280,720の構成を簡略化でき、ナビゲーション装置200,700のコストを低減できる。
第2の実施の形態において、報知レベル設定手段721にて第1の視認値Eに基づいて移動経路の報知状態を設定する構成について例示したが、これに限らず例えば以下のような構成などとしてもよい。すなわち、報知レベル設定手段721にて、例えば図19に示すように、ワイパー速度、外気温、点灯モードに基づいて気象状態を認識する。そして、この気象状態に対応して通常レベルの音声案内誘導や表示案内誘導に付加する案内を設定する構成などとしてもよい。例えば外気温によらず、ワイパーが停止状態、ライトオフモードであることを認識した場合に、雨が降っていない昼間(以下、通常の昼間と称す)と認識する。また、ワイパー速度が低速、外気温が0℃以下、および、ヘッド点灯モードであることを認識した場合に、雪の夜間であると認識する。さらに、ワイパー速度が高速、外気温が0℃以上、および、イルミモードであることを認識した場合に、大雨の夜間であると認識する。また、ワイパー速度および外気温によらず、図示しないフォグランプが点灯するフォグモードであることを認識した場合に、霧の昼間または夜間と認識する。そして、例えば通常や小雨の昼間や夜間など視認性が高い状態のときに、案内を付加しない状態に設定する。また、例えば雪や大雪あるいは大雨さらには霧の昼間や夜間など視認性が低い状態のときに、「○○方面です。」の方面看板情報や「2つめの信号を右折です。」などの右左折情報あるいはカーブに関するカーブ情報などを付加する状態に設定する構成などとしてもよい。
このような構成にすれば、ナビゲーション装置700は、気象状態により視認性が低い状態であっても、視認性が高い状態時よりも多く報知される案内により、利用者に移動経路を視認性が高い状態時と同様に認識させることができる。したがって、ナビゲーション装置700は、移動経路の案内をさらに良好に報知できる。また、例えば「2つめの信号を右折です。」などの右左折情報など方向を示す案内を、その方向に対応するスピーカ310,320から出力させる構成とすれば、利用者に移動経路における方向に関する情報をより容易に認識させることができる。
第2の実施の形態において、例えば図20に示すように、ワイパー速度、外気温、点灯モードに基づいて認識した気象状態に対応して右左折する交差点までの残り距離の報知状態を設定する構成などとしてもよい。例えば通常の昼間など視認性が高い状態のときに、「700m先右折です。」、「300m先右折です。」、「まもなく右折です。」などの3回の案内を実施する状態に設定する。また、例えば通常の夜間や小雨の昼間など視認性が少し低い状態のときに、視認性が高い状態のときの案内に「1000m先右折です。」などの案内を加えた4回の案内を実施させる状態に設定する。さらに、例えば雪の昼間、雪や大雪あるいは大雨さらには霧の昼間や夜間など視認性が低い状態のときに、視認性が少し低い状態のときの案内に「100m先右折です。」などの案内を加えた5回の案内を実施させる構成などとしてもよい。
このような構成にすれば、ナビゲーション装置700は、気象状態により視認性が低い状態であっても、視認性が高い状態時よりも多く報知される案内により、利用者に交差点までの距離を視認性が高い状態時と同様に認識させることができる。また、小雨の夜間のときの案内回数を小雨の夜間よりも多く設定しているので、小雨の夜間で例えばライトがギラギラ光ってしまい周囲の状況などが認識しにくい場合でも、小雨の昼間よりも多く報知される案内により、交差点までの距離を小雨の昼間と同様に認識できる。したがって、ナビゲーション装置700は、交差点までの距離の案内をより良好に報知できる。また、第2の実施の形態と同様に、走行速度に基づいて音声による案内を効果音による案内で適宜報知させる構成とすれば、交差点までの距離の案内をさらに良好に報知できる。
第2の実施の形態において、警告レベル設定手段722にて第2の視認値Fに基づいて車間警告音の報知形態を設定する構成について例示したが、これに限らず例えば図21に示すように、ワイパー速度、外気温、点灯モードに基づいて認識した気象状態に対応して車間距離の告知状態を設定する構成などとしてもよい。例えば通常の昼間や小雨の昼間など視認性が高い状態や制動距離が短い状態のときには、車間距離が1m以下となった場合に車間警告音や車間距離に関する音声などを出力する状態に設定する。また、例えば通常の夜間や小雨の夜間など視認性が少し低い状態や制動距離が短い状態のときには、車間距離が2m以下となった場合に車間警告音などを出力する状態に設定する。さらに、例えば雪や大雪あるいは大雨の昼間、霧の昼間や夜間など視認性が低い状態や制動距離が長い状態のときには、車間距離が5m以下となった場合に車間警告音などを出力する状態に設定する。また、例えば雪や大雪あるいは大雨の夜間など視認性が極めて低くかつ制動距離が長い状態のときには、車間距離が10m以下となった場合に車間警告音などを出力する状態に設定する構成などとしてもよい。
このような構成にすれば、ナビゲーション装置700は、気象状態により視認性が低い状態や制動距離が長い状態の場合に、視認性が高い状態や制動距離が短い状態のときと比べて早いタイミングで出力される車間警告音などにより、危険である旨をより迅速に認識させることができる。また、小雨や雪あるいは大雪さらには大雨の夜間に出力させる車間警告音などのタイミングをこれらの天候の昼間よりも早く設定しているので、例えば雪の夜間でライトがギラギラ光ってしまい他の車両の位置などが認識しにくい場合に、危険である旨を雪の昼間と比べて迅速に認識させることができる。したがって、ナビゲーション装置700は、車間距離に関する情報を良好に報知できる。また、例えば2つの右スピーカ310を車両の右前部および右後部にそれぞれ配設するとともに、2つの左スピーカ320を左前部および左後部にそれぞれ配設し、他の車両やガードレールなどが位置する方向に対応するスピーカ310,320から車間警告音などを出力させる構成とすれば、利用者に他の車両などの位置を認識させることができる。したがって、車間距離に関する情報をさらに良好に報知できる。
各実施の形態において、図示しないウインカーが指示する方向に関する外部状況情報としてのウインカー指示情報を、警告レベル設定手段286,722へ出力する外部状況情報出力手段としての図示しないウインカー制御部を設ける。そして、警告レベル設定手段286,722にて、ウインカー指示情報を取得した際にワイパー速度などに基づいて視認性を認識する。この後、視認性が高いことを認識した場合には、特に処理を実施しない。一方、視認性が低いことを認識した場合には、地図情報に基づいて車両が進入しようとしている道路が進入禁止か否かを判断する。そして、進入禁止であると判断した場合に、移動関連情報としての進入禁止警告音データに基づいて例えばスピーカ部300から進入禁止警告音を出力させる構成などとしてもよい。このような構成にすれば、利用者は、例えば雨などにより視認性が晴天時よりも低く進入禁止の標識を視認しにくい場合でも、晴天時には出力されない進入禁止警告音により進入しようとしている道路が進入禁止である旨を晴天時と同様に認識できる。したがって、ナビゲーション装置200,700は、移動に関する情報をより良好に報知できる。
本発明の情報処理装置を、移動経路の経路報知レベルや車間警告音の車間警告レベルを適宜設定するナビゲーション装置200,700に設けた構成について例示したが、これに限らず移動体の移動に関するいずれの情報の報知形態を、例えばワイパー速度などに基づいて適宜設定する構成に設けてもよい。
上述した各機能をプログラムとして構築したが、例えば回路基板などのハードウェアあるいは1つのIC(Integrated Circuit)などの素子にて構成するなどしてもよく、いずれの形態としても利用できる。なお、プログラムや別途記録媒体から読み取らせる構成とすることにより、取扱が容易で、利用の拡大が容易に図れる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
[実施形態の作用効果]
上述したように、上記実施形態では、ナビゲーションシステム100のナビゲーション装置200は、処理部280の報知レベル設定手段285にて、ワイパー部400のワイパー制御部430からワイパー速度情報を取得して、天候に応じて駆動されるワイパーのワイパー速度を認識する。この後、報知レベル設定手段285は、このワイパー速度に基づいて、移動経路の案内の情報量などに対応する経路報知レベルを設定し、この経路報知レベルに関する経路報知レベル情報を案内報知手段287へ出力する。そして、案内報知手段287は、経路報知レベル情報を取得して経路報知レベルを認識し、この認識した経路報知レベルに応じた例えば移動経路の案内を、表示部240や音声出力部250あるいはスピーカ部300に報知させる。具体的には、案内報知手段287は、ワイパーが駆動していない場合、すなわち例えば晴天時であり視認性が高い場合、通常レベルでの音声案内誘導を実施して、例えば「この先300m先右方向です。」や「まもなく右方向です。」の音声を音声出力部250に出力させる。一方、ワイパーが低速で駆動している場合、すなわち例えば小雨や小雪により視認性が晴天時よりも低い場合、付加処理レベル1での音声案内誘導を実施して、通常レベルにおける音声に加え例えば「ここを右です。」の音声を出力させる。
このため、利用者は、例えば小雨のため視認性が晴天時よりも低くなったとしても、晴天時とは異なる音声による案内により、移動経路を晴天時と同様に認識できる。したがって、ナビゲーション装置200は、車両の移動に関する情報を良好に報知できる。