JP2005308133A - 衝撃吸収部材およびその利用 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軽量で高剛性の衝撃吸収部材を提供すること。
【解決手段】 上記課題を解決する衝撃吸収部材は、圧縮変形によって衝撃を吸収し得る衝撃吸収部材であって樹脂マトリックスと該マトリックス中に分散した状態で存在するセラミックスとから実質的に構成される。分散相を構成するセラミックスとしては粉末状セラミックスが好ましい。この衝撃吸収部材は、例えば車両のクラッシュボックス10,12に利用することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 上記課題を解決する衝撃吸収部材は、圧縮変形によって衝撃を吸収し得る衝撃吸収部材であって樹脂マトリックスと該マトリックス中に分散した状態で存在するセラミックスとから実質的に構成される。分散相を構成するセラミックスとしては粉末状セラミックスが好ましい。この衝撃吸収部材は、例えば車両のクラッシュボックス10,12に利用することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、衝撃吸収に用いられる材料に関し、特に、車両において圧縮変形によって衝突時のエネルギーを吸収するのに適する衝撃吸収部材に関する。
自動車等の車両には、衝突時のエネルギーを吸収して車体または搭乗者への衝撃を緩和する衝撃吸収部材が装備されている。例えば、自動車側面衝突用エネルギー吸収材として種々の樹脂発泡成形体が利用されている。特許文献1〜4には、この種の樹脂発泡成形体が例示されている。
このような樹脂発泡体から成る衝撃吸収部材とは特性・用途(すなわち、求められる性状)が異なる衝撃吸収部材として、高い剛性を有する材料から成る部材であって該部材を不可逆的に圧縮変形させることによって衝撃エネルギーを吸収させる衝撃吸収部材が用いられている。例えば、自動車のフロントやリアのバンパ部分には、一般にクラッシュボックスと呼ばれる衝撃吸収部材が着脱(交換)可能に搭載されており、正面または背面からの衝突時にはこのクラッシュボックスが圧縮変形して衝撃エネルギーを吸収し、それによって車両ボディ自体の変形の防止が図られている。特許文献5および6には、自動車に装備されるこの種のクラッシュボックスが記載されている。
このような樹脂発泡体から成る衝撃吸収部材とは特性・用途(すなわち、求められる性状)が異なる衝撃吸収部材として、高い剛性を有する材料から成る部材であって該部材を不可逆的に圧縮変形させることによって衝撃エネルギーを吸収させる衝撃吸収部材が用いられている。例えば、自動車のフロントやリアのバンパ部分には、一般にクラッシュボックスと呼ばれる衝撃吸収部材が着脱(交換)可能に搭載されており、正面または背面からの衝突時にはこのクラッシュボックスが圧縮変形して衝撃エネルギーを吸収し、それによって車両ボディ自体の変形の防止が図られている。特許文献5および6には、自動車に装備されるこの種のクラッシュボックスが記載されている。
上記クラッシュボックスのような圧縮変形に適用される衝撃吸収部材としては、従来、高剛性であってエネルギー吸収効率が高いという観点から、鉄鋼やアルミニウムのような金属製部材が使用されてきた。しかしながら、金属製部材は比重が大きく質量が重いため、取り扱いが容易でない。また、車両重量増大の観点から好ましくない。他方、上記特許文献1〜4に記載されるような樹脂発泡体は軽量ではあるが剛性が低く、このような用途(例えばクラッシュボックス)には適さない。
そこで本発明は、かかる従来の課題を解決すべく開発されたものであり、上記クラッシュボックス等の用途に適する軽量で高剛性の圧縮変形を利用する衝撃吸収部材を提供することを目的とする。
そこで本発明は、かかる従来の課題を解決すべく開発されたものであり、上記クラッシュボックス等の用途に適する軽量で高剛性の圧縮変形を利用する衝撃吸収部材を提供することを目的とする。
本発明は、圧縮変形によって衝撃を吸収し得る衝撃吸収部材であって、従来の金属製衝撃吸収部材よりも軽量で取り扱い性に優れる衝撃吸収部材を提供する。
すなわち、本発明によって提供される衝撃吸収部材は、樹脂マトリックスと該マトリックス中に分散した状態で存在するセラミックスとから実質的に構成される。
ここで開示される衝撃吸収部材は、マトリックスが樹脂成形物によって構成されている。このため、軽量であり、取り扱い性に優れる。また、車両重量に及ぼす影響が金属製のものよりも小さい。一方、分散相がセラミックスによって構成されているため、高い剛性とエネルギー吸収効率を実現することができる。典型的には、ここで開示される衝撃吸収部材は、所定レベル以上の荷重を受けた際、当該衝撃吸収部材の全体が一気に破壊はされず、樹脂マトリックス部分が先ず逐次的に破壊され得、かかるマトリックスの部分的破壊(すなわち圧縮変形)に伴って高い衝撃吸収を実現することができる。
したがって、ここで開示される衝撃吸収部材は、用途に応じた種々の形状で車両に装備するのに好ましい衝撃吸収部材である。すなわち、車両に装備され得る種々の形状に成形された衝撃吸収部材(車両用衝撃吸収部材)が本発明によって提供される。例えば、ここで開示されるいずれかの衝撃吸収部材を主体に構成された車両用クラッシュボックスが本発明によって提供される。
すなわち、本発明によって提供される衝撃吸収部材は、樹脂マトリックスと該マトリックス中に分散した状態で存在するセラミックスとから実質的に構成される。
ここで開示される衝撃吸収部材は、マトリックスが樹脂成形物によって構成されている。このため、軽量であり、取り扱い性に優れる。また、車両重量に及ぼす影響が金属製のものよりも小さい。一方、分散相がセラミックスによって構成されているため、高い剛性とエネルギー吸収効率を実現することができる。典型的には、ここで開示される衝撃吸収部材は、所定レベル以上の荷重を受けた際、当該衝撃吸収部材の全体が一気に破壊はされず、樹脂マトリックス部分が先ず逐次的に破壊され得、かかるマトリックスの部分的破壊(すなわち圧縮変形)に伴って高い衝撃吸収を実現することができる。
したがって、ここで開示される衝撃吸収部材は、用途に応じた種々の形状で車両に装備するのに好ましい衝撃吸収部材である。すなわち、車両に装備され得る種々の形状に成形された衝撃吸収部材(車両用衝撃吸収部材)が本発明によって提供される。例えば、ここで開示されるいずれかの衝撃吸収部材を主体に構成された車両用クラッシュボックスが本発明によって提供される。
好ましくは、ここで開示される衝撃吸収部材は、上記セラミックスとして粉末状セラミックスを含む。粉末状セラミックスを分散して含むことによって、衝撃吸収部材の全体に亘ってほぼ均一な剛性を実現することができる。また、良好な分散性により、過度な偏りのない圧縮変形により効率のよい衝撃吸収が図られる。
また、好ましくは、上記樹脂マトリックスは実質的に熱可塑性樹脂により構成される。熱可塑性樹脂は成形加工が容易である。このため、熱可塑性樹脂マトリックスを有する衝撃吸収部材は、所望する形状に容易に成形することができる。したがって、例えば種々の形状に成形された車両用衝撃吸収部材を提供することができる。また、熱可塑性樹脂を構成要素とする衝撃吸収部材はリサイクルが容易である。
また、ここで開示される衝撃吸収部材として好ましいものは、曲げ弾性率が少なくとも6000MPaであることを特徴とする。このような6000MPa以上(特に好ましくは10000MPa以上)の曲げ弾性率を有する高剛性衝撃吸収部材は、例えば、車両に装備されるクラッシュボックスとして好適に使用することができる。特に好ましくは、上記樹脂マトリックスを構成する樹脂成形物自体の曲げ弾性率と、該樹脂マトリックスに分散するセラミックス自体の曲げ弾性率との差(JIS K 7171に基づく)が、少なくとも10000MPaであることを特徴とする。このような特性を有する所定形状の衝撃吸収部材では、大きな圧縮荷重を受けた際にも、当該衝撃吸収部材の全体が一気に破壊されることを防止し、樹脂マトリックス部分のみを逐次的に破壊させていくことができる。したがって、かかるマトリックス部分の圧縮変形によって高い衝撃吸収を実現することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、分散相を構成するセラミックスの形状や種類)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここで開示される衝撃吸収部材は、圧縮変形によって衝撃を吸収し得る衝撃吸収部材であって、母相(マトリックス)が樹脂成形物により構成され、且つ、分散相がセラミックスにより構成されることで特徴付けられる衝撃吸収部材である。
衝撃吸収部材のマトリックスを構成する樹脂成分としては、種々の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が挙げられる。比較的製造コストが低く且つ成形加工が容易であり、さらにはリサイクルが可能である等の理由から熱可塑性樹脂の採用が好ましい。
好適な熱可塑性樹脂として、例えば、ホモポリマー、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーのいずれでもよいポリプロピレン(PP)樹脂が挙げられる。耐衝撃性の高いブロックコポリマー型のPPが好ましい。あるいは、PP以外のオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン(PE)樹脂、ポリメチルペンテン(TPX)樹脂、エチレン/プロピレンゴム(EPM)、エチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)が挙げられる。オレフィン系樹脂は特にリサイクル性に優れる。
これらの他にも、エチレン/αオレフィン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体(EMAA)、エチレン/酢酸ビニル(EVA)等のエチレン系共重合体、あるいは、AS樹脂、ABS樹脂、PS樹脂、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン/イソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロック共重合体(SEBS)等のスチレン系樹脂、あるいは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコールのブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート/ポリカプロラクトンのブロック共重合体等のポリエステル系樹脂が例示されるがこれらに限定されない。比較的耐熱性、機械的強度が高いポリアミド(PA)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、熱可塑性ポリイミド(PI)樹脂、等が好ましい。
他方、熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が例示される。
ここで開示される衝撃吸収部材では、マトリックスを単一の樹脂で構成してもよく、あるいは複数の樹脂が混在してマトリックスを構成してもよい。
衝撃吸収部材のマトリックスを構成する樹脂成分としては、種々の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が挙げられる。比較的製造コストが低く且つ成形加工が容易であり、さらにはリサイクルが可能である等の理由から熱可塑性樹脂の採用が好ましい。
好適な熱可塑性樹脂として、例えば、ホモポリマー、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーのいずれでもよいポリプロピレン(PP)樹脂が挙げられる。耐衝撃性の高いブロックコポリマー型のPPが好ましい。あるいは、PP以外のオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン(PE)樹脂、ポリメチルペンテン(TPX)樹脂、エチレン/プロピレンゴム(EPM)、エチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)が挙げられる。オレフィン系樹脂は特にリサイクル性に優れる。
これらの他にも、エチレン/αオレフィン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体(EMAA)、エチレン/酢酸ビニル(EVA)等のエチレン系共重合体、あるいは、AS樹脂、ABS樹脂、PS樹脂、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン/イソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロック共重合体(SEBS)等のスチレン系樹脂、あるいは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコールのブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート/ポリカプロラクトンのブロック共重合体等のポリエステル系樹脂が例示されるがこれらに限定されない。比較的耐熱性、機械的強度が高いポリアミド(PA)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、熱可塑性ポリイミド(PI)樹脂、等が好ましい。
他方、熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が例示される。
ここで開示される衝撃吸収部材では、マトリックスを単一の樹脂で構成してもよく、あるいは複数の樹脂が混在してマトリックスを構成してもよい。
衝撃吸収部材の分散相を構成するセラミックス成分としては、衝撃吸収部材に高い弾性率(曲げ弾性率)を付与し得るものであれば特に制限はない。ここで「セラミックス」とは、非金属無機質材料全般を指す用語であり、狭義に解釈されない。シリカ、アルミナ等の一般的な酸化物の他、ガラス材料(ガラス繊維、ガラスフリット等)、カーボン材料(炭素繊維、カーボンブラック等)等もここでいうセラミックスに包含され得る材料である。
例えば、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)のような物性が安定し且つ安価な酸化物セラミックスの使用が好適である。あるいは、窒化ケイ素(Si3N4)、炭化ケイ素(SiC)等の非酸化物セラミックスを採用してもよい。樹脂マトリックス(母材)との曲げ弾性率の差(典型的にはJIS K 7171に基づく測定値)が10000MPa以上となるようにこれら硬質セラミックスを採用することが好ましい。
衝撃吸収部材に含まれるセラミックスの形状は、樹脂マトリックス中でほぼ均質に分散し得るものであれば特に限定されず、粉末状や繊維状(長繊維または短繊維状)のものを用いることができる。分散性の良好な粉末状のセラミックス(例えば平均粒子径が1mm以下のセラミックス)が好ましく、平均粒子径が200μm以下(典型的には平均粒子径:0.1μm〜100μm)程度の微粉状セラミックスの使用が特に好ましい。
また、樹脂(典型的にはPP等の熱可塑性樹脂)との接着性を向上させるべく、予め適当なカップリング剤(例えばシランカップリング剤)で処理されたものを使用することが好ましい。
例えば、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)のような物性が安定し且つ安価な酸化物セラミックスの使用が好適である。あるいは、窒化ケイ素(Si3N4)、炭化ケイ素(SiC)等の非酸化物セラミックスを採用してもよい。樹脂マトリックス(母材)との曲げ弾性率の差(典型的にはJIS K 7171に基づく測定値)が10000MPa以上となるようにこれら硬質セラミックスを採用することが好ましい。
衝撃吸収部材に含まれるセラミックスの形状は、樹脂マトリックス中でほぼ均質に分散し得るものであれば特に限定されず、粉末状や繊維状(長繊維または短繊維状)のものを用いることができる。分散性の良好な粉末状のセラミックス(例えば平均粒子径が1mm以下のセラミックス)が好ましく、平均粒子径が200μm以下(典型的には平均粒子径:0.1μm〜100μm)程度の微粉状セラミックスの使用が特に好ましい。
また、樹脂(典型的にはPP等の熱可塑性樹脂)との接着性を向上させるべく、予め適当なカップリング剤(例えばシランカップリング剤)で処理されたものを使用することが好ましい。
マトリックスと分散相の存在比(例えば質量比)は、所望する目的に適合する限り、特に限定されない。例えば、車両用衝撃吸収部材の場合、衝撃吸収部材全体の曲げ弾性率(典型的にはJIS K 7171に基づく測定値)が6000MPa以上(特に好ましくは8000MPa以上、さらに好ましくは10000MPa以上)となるような配合量でセラミックスをマトリックスに分散させることが好ましい。
特に限定しないが、典型的には、衝撃吸収部材全体の10〜80質量%が樹脂マトリックスとなり、20〜90質量%が分散相を構成するセラミックスとなるようにこれらを配合する。かかる配合比によると、セラミックス配合による機械的強度や剛性の向上と、衝撃吸収部材自体の成形性(例えば成形時の材料の安定した流動性、成形後の外観の良好さ)とを高レベルに両立することができる。樹脂の性状に応じて異なり得るが、衝撃吸収部材全体の15〜70質量%が樹脂マトリックスとなり、30〜85質量%が分散相を構成するセラミックスとなるようにこれらを配合することが特に好ましい。PP樹脂等の一般的なオレフィン系樹脂をマトリックスとする場合、衝撃吸収部材全体の50質量%(特には60質量%)〜90質量%が分散相を構成するセラミックスとなるようにすることが特に好ましい。一方、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂のように、樹脂マトリックス自体の強度が比較的高い場合は、衝撃吸収部材の成形性向上の観点から、衝撃吸収部材全体の25〜60質量%が樹脂マトリックスとなり、40〜75質量%が分散相を構成するセラミックスとなるようにこれらを配合することが好ましい。
特に限定しないが、典型的には、衝撃吸収部材全体の10〜80質量%が樹脂マトリックスとなり、20〜90質量%が分散相を構成するセラミックスとなるようにこれらを配合する。かかる配合比によると、セラミックス配合による機械的強度や剛性の向上と、衝撃吸収部材自体の成形性(例えば成形時の材料の安定した流動性、成形後の外観の良好さ)とを高レベルに両立することができる。樹脂の性状に応じて異なり得るが、衝撃吸収部材全体の15〜70質量%が樹脂マトリックスとなり、30〜85質量%が分散相を構成するセラミックスとなるようにこれらを配合することが特に好ましい。PP樹脂等の一般的なオレフィン系樹脂をマトリックスとする場合、衝撃吸収部材全体の50質量%(特には60質量%)〜90質量%が分散相を構成するセラミックスとなるようにすることが特に好ましい。一方、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂のように、樹脂マトリックス自体の強度が比較的高い場合は、衝撃吸収部材の成形性向上の観点から、衝撃吸収部材全体の25〜60質量%が樹脂マトリックスとなり、40〜75質量%が分散相を構成するセラミックスとなるようにこれらを配合することが好ましい。
ここで開示される衝撃吸収部材は、種々のプラスチック工業製品を製造および成形加工するための従来公知の方法によって容易に製造・成形加工することができ、採用する方法に限定はない。衝撃吸収部材を構成する樹脂材料やセラミックス材料の性状に応じて適当な製造方法および成形加工方法を選択すればよい。一般的な樹脂複合材料(例えば繊維強化プラスチック)を製造する方法をそのままあるいは適宜改変して採用することができる。
例えば、熱可塑性樹脂と粉末状セラミックスとを用いる場合、溶融した樹脂材料(組成物)に粉末状セラミックスを十分に混合し、所定の形状に成形することによって、所定形状の衝撃吸収部材を製造することができる。好適には、単軸押出機、二軸押出機、各種混練機(加圧混練機の採用が好ましい。)等を使用することによって所定形状の衝撃吸収部材を押出し成形することができる。例えば、二軸押出機を採用する場合、異なる形状のスクリューを組み合わせることによって強い剪断力が得られ、効率的な均一混練、すなわち微粉状のセラミックスを樹脂マトリックス中に均一に分散することができる。また、溶融した熱可塑性樹脂と粉末状セラミックスとの混合物を、取り扱いの容易な中間形状(ペレット状、フレーク状等)にいったん成形し、それを衝撃吸収部材の形状に成形することができる。
あるいは、適当な混練および加熱手段で流動状態となった樹脂(熱硬化性樹脂であり得る)・セラミックス混合材料(成形材料)を射出成形することによって、所定形状の衝撃吸収部材を製造することができる。
例えば、熱可塑性樹脂と粉末状セラミックスとを用いる場合、溶融した樹脂材料(組成物)に粉末状セラミックスを十分に混合し、所定の形状に成形することによって、所定形状の衝撃吸収部材を製造することができる。好適には、単軸押出機、二軸押出機、各種混練機(加圧混練機の採用が好ましい。)等を使用することによって所定形状の衝撃吸収部材を押出し成形することができる。例えば、二軸押出機を採用する場合、異なる形状のスクリューを組み合わせることによって強い剪断力が得られ、効率的な均一混練、すなわち微粉状のセラミックスを樹脂マトリックス中に均一に分散することができる。また、溶融した熱可塑性樹脂と粉末状セラミックスとの混合物を、取り扱いの容易な中間形状(ペレット状、フレーク状等)にいったん成形し、それを衝撃吸収部材の形状に成形することができる。
あるいは、適当な混練および加熱手段で流動状態となった樹脂(熱硬化性樹脂であり得る)・セラミックス混合材料(成形材料)を射出成形することによって、所定形状の衝撃吸収部材を製造することができる。
衝撃吸収部材には、主成分たる樹脂とセラミックスの他、本来の目的を阻害しないレベルで種々の副成分を用途に応じて含有させることができる。例えば、難燃剤(例えばリン化合物)、光または熱に対する安定剤(例えばフェノール系酸化防止剤)、耐候性改良剤、顔料、染料、帯電防止剤、等を適宜配合することができる。
ここで開示される衝撃吸収部材は、目的および用途に応じて種々の形態をとり得、特定の形状やサイズのものに限定されない。
用途を特に限定することを意図してはいないが、本発明の衝撃吸収部材は、車両に装備されて衝突エネルギーを吸収する目的に使用する車両用衝撃吸収部材として好適である。例えば、図1に模式的に示すような自動車用クラッシュボックス10,12は、ここで開示される衝撃吸収部材の用途の好適な一例である。
すなわち、図1において、符号20,22は、自動車を構成する骨格部材としての左右一対のフロントサイドメンバである。これらフロントサイドメンバ20,22の先端部には、ここで開示される衝撃吸収部材によって構成された結合用フランジ部11,13付きクラッシュボックス10,12が例えばボルト(図示せず)によって着脱可能に取り付けられている。それらクラッシュボックス10,12の前端部は、自動車フロントバンパ14の中空部に設けられたバンパリインフォースメント16の一部と密着している。かかる構成によると、例えば自動車の正面から軸方向(前後方向)への衝撃(追突)エネルギーが加えられた際、一定レベルを超えてクラッシュボックス10,12に加えられた荷重によって当該クラッシュボックス10,12が軸方向に圧縮変形(すなわち、樹脂マトリックス部分が逐次的に破壊されていく圧縮変形)することによって衝撃を効率よく吸収することができる。このことによって、フロントサイドメンバ20,22を含む自動車本体(骨格部材)への衝撃エネルギーの伝達ひいては変形を防止することができる。これにより、自動車の修理費を大幅に低減することができる。そして、本発明によって提供されるクラッシュボックスは従来の金属製クラッシュボックスと比べて格段に軽量であるため、使用済み(変形後)のクラッシュボックス10,12は、容易に取り外し、交換することができる。
なお、図1に示すクラッシュボックスは例示にすぎず、本発明の衝撃吸収部材の用途・形状を限定するものではない。例えば、種々の自動車の形状に応じて設計され得るボディ前部のクラッシャブルゾーンに所望する形状に成形された衝撃吸収部材(クラッシュボックス)を配置することができる。また、自動車(車体)の後方や側面に、種々の形状(例えばビーム形状)の衝撃吸収部材を配置してもよい。
用途を特に限定することを意図してはいないが、本発明の衝撃吸収部材は、車両に装備されて衝突エネルギーを吸収する目的に使用する車両用衝撃吸収部材として好適である。例えば、図1に模式的に示すような自動車用クラッシュボックス10,12は、ここで開示される衝撃吸収部材の用途の好適な一例である。
すなわち、図1において、符号20,22は、自動車を構成する骨格部材としての左右一対のフロントサイドメンバである。これらフロントサイドメンバ20,22の先端部には、ここで開示される衝撃吸収部材によって構成された結合用フランジ部11,13付きクラッシュボックス10,12が例えばボルト(図示せず)によって着脱可能に取り付けられている。それらクラッシュボックス10,12の前端部は、自動車フロントバンパ14の中空部に設けられたバンパリインフォースメント16の一部と密着している。かかる構成によると、例えば自動車の正面から軸方向(前後方向)への衝撃(追突)エネルギーが加えられた際、一定レベルを超えてクラッシュボックス10,12に加えられた荷重によって当該クラッシュボックス10,12が軸方向に圧縮変形(すなわち、樹脂マトリックス部分が逐次的に破壊されていく圧縮変形)することによって衝撃を効率よく吸収することができる。このことによって、フロントサイドメンバ20,22を含む自動車本体(骨格部材)への衝撃エネルギーの伝達ひいては変形を防止することができる。これにより、自動車の修理費を大幅に低減することができる。そして、本発明によって提供されるクラッシュボックスは従来の金属製クラッシュボックスと比べて格段に軽量であるため、使用済み(変形後)のクラッシュボックス10,12は、容易に取り外し、交換することができる。
なお、図1に示すクラッシュボックスは例示にすぎず、本発明の衝撃吸収部材の用途・形状を限定するものではない。例えば、種々の自動車の形状に応じて設計され得るボディ前部のクラッシャブルゾーンに所望する形状に成形された衝撃吸収部材(クラッシュボックス)を配置することができる。また、自動車(車体)の後方や側面に、種々の形状(例えばビーム形状)の衝撃吸収部材を配置してもよい。
以下に説明する実施例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例1>
マトリックス形成用樹脂として、ポリプロピレン(PP)樹脂(日本ポリケム(株)製品:商品名「ノバテック(登録商標)PP」)を使用し、且つ、分散相形成用セラミックスとして平均粒径0.5μmのシリカ粉末((株)アドマテックス製品:商品名「SO−C2」)を使用して図2に示す形状の試験片(テストピース)2を作製した。
すなわち、PP樹脂40質量部に対してシリカ粉末60質量部を添加し、温度190〜200℃、加圧力0.7MPa、スクリュー回転数30rpm、混練時間45〜60分の条件で加圧混練機((株)モリヤマ製品:商品名「DS3−20」)を用いて混練し、本実施例に係る成形材料を得た。次いで、2軸1軸押出機((株)モリヤマ製品:商品名「2TR−50」)を用いて上記得られた材料からペレットを形成した。次いで、得られたペレットを材料にして射出成形(使用した射出成形機のシリンダー温度200℃、金型温度30℃)を行い、図2に示す形状の試験片2を作製した。図2に示すように、この試験片2は、肉厚が3.5mmの縁付きカップ形状であり、後述するように、縁部4を下にしてカップ状本体3の底面から圧縮することができる。なお、図中に示した寸法の単位はmmである。
<実施例1>
マトリックス形成用樹脂として、ポリプロピレン(PP)樹脂(日本ポリケム(株)製品:商品名「ノバテック(登録商標)PP」)を使用し、且つ、分散相形成用セラミックスとして平均粒径0.5μmのシリカ粉末((株)アドマテックス製品:商品名「SO−C2」)を使用して図2に示す形状の試験片(テストピース)2を作製した。
すなわち、PP樹脂40質量部に対してシリカ粉末60質量部を添加し、温度190〜200℃、加圧力0.7MPa、スクリュー回転数30rpm、混練時間45〜60分の条件で加圧混練機((株)モリヤマ製品:商品名「DS3−20」)を用いて混練し、本実施例に係る成形材料を得た。次いで、2軸1軸押出機((株)モリヤマ製品:商品名「2TR−50」)を用いて上記得られた材料からペレットを形成した。次いで、得られたペレットを材料にして射出成形(使用した射出成形機のシリンダー温度200℃、金型温度30℃)を行い、図2に示す形状の試験片2を作製した。図2に示すように、この試験片2は、肉厚が3.5mmの縁付きカップ形状であり、後述するように、縁部4を下にしてカップ状本体3の底面から圧縮することができる。なお、図中に示した寸法の単位はmmである。
<実施例2>
分散相形成用セラミックスとして平均粒径1.5μmのシリカ粉末((株)アドマテックス製品:商品名「SO−C5」)を使用した以外は、実施例1と同様の材料および手順によって、図2に示す形状の試験片(テストピース)2を作製した。
分散相形成用セラミックスとして平均粒径1.5μmのシリカ粉末((株)アドマテックス製品:商品名「SO−C5」)を使用した以外は、実施例1と同様の材料および手順によって、図2に示す形状の試験片(テストピース)2を作製した。
<実施例3>
分散相形成用セラミックスとして平均粒径45μmのアルミナ粉末(住友化学(株)製品:商品名「A−21」)を使用した以外は、実施例1および2と同様の材料および手順によって、図2に示す形状の試験片(テストピース)2を作製した。
分散相形成用セラミックスとして平均粒径45μmのアルミナ粉末(住友化学(株)製品:商品名「A−21」)を使用した以外は、実施例1および2と同様の材料および手順によって、図2に示す形状の試験片(テストピース)2を作製した。
<比較例1>
分散相形成用セラミックスを添加することなく、実施例1〜3で使用したのと同じPP樹脂のみを用いて実施例1〜3と同様の手順によって、図2に示す形状の試験片(テストピース)2を作製した。
分散相形成用セラミックスを添加することなく、実施例1〜3で使用したのと同じPP樹脂のみを用いて実施例1〜3と同様の手順によって、図2に示す形状の試験片(テストピース)2を作製した。
<衝撃試験>
実施例1〜3および比較例1で得られた各試験片を用いて衝撃試験を実施した。すなわち、図2に示す形状の各試験片2のカップ状本体3の底面(図中の圧縮方向)に衝撃速度(落下速度)3.7m/sで所定の荷重をかけ、その際の圧縮変位量(cm)を測定した。結果(変位−荷重線図)を図3に示す。図3のグラフから明らかなように、比較例の試験片と比較し、セラミックス粉末を分散して成る各実施例の試験片(衝撃吸収部材)はいずれも高い衝撃吸収能力を有していることが確かめられた。
実施例1〜3および比較例1で得られた各試験片を用いて衝撃試験を実施した。すなわち、図2に示す形状の各試験片2のカップ状本体3の底面(図中の圧縮方向)に衝撃速度(落下速度)3.7m/sで所定の荷重をかけ、その際の圧縮変位量(cm)を測定した。結果(変位−荷重線図)を図3に示す。図3のグラフから明らかなように、比較例の試験片と比較し、セラミックス粉末を分散して成る各実施例の試験片(衝撃吸収部材)はいずれも高い衝撃吸収能力を有していることが確かめられた。
<PP樹脂をマトリックスとする他の実施例>
上記3種類のセラミックス粉末(平均粒径0.5μmのシリカ粉末、平均粒径1.5μmのシリカ粉末、平均粒径45μmのアルミナ粉末)と、上記PP樹脂を用いるとともに、それらの配合比を異ならせて種々の組成の成形材料を上記実施例1と同様の手順によって調製した。すなわち、PP樹脂70質量部とセラミックス粉末30質量部とを配合した成形材料、PP樹脂40質量部とセラミックス粉末60質量部とを配合した成形材料(すなわち上記実施例1〜3と同じ配合比)、および、PP樹脂15質量部とセラミックス粉末85質量部とを配合した成形材料を、上記3種のセラミックス粉末毎に各々調製した。次いで、2軸1軸押出機(上記2TR−50)を用いて上記得られた材料からペレットを形成した。次いで、得られたペレットを材料にして射出成形(使用した射出成形機のシリンダー温度200℃、金型温度30℃)を行い、図2に示す形状の試験片2をそれぞれ作製した。
上記3種類のセラミックス粉末(平均粒径0.5μmのシリカ粉末、平均粒径1.5μmのシリカ粉末、平均粒径45μmのアルミナ粉末)と、上記PP樹脂を用いるとともに、それらの配合比を異ならせて種々の組成の成形材料を上記実施例1と同様の手順によって調製した。すなわち、PP樹脂70質量部とセラミックス粉末30質量部とを配合した成形材料、PP樹脂40質量部とセラミックス粉末60質量部とを配合した成形材料(すなわち上記実施例1〜3と同じ配合比)、および、PP樹脂15質量部とセラミックス粉末85質量部とを配合した成形材料を、上記3種のセラミックス粉末毎に各々調製した。次いで、2軸1軸押出機(上記2TR−50)を用いて上記得られた材料からペレットを形成した。次いで、得られたペレットを材料にして射出成形(使用した射出成形機のシリンダー温度200℃、金型温度30℃)を行い、図2に示す形状の試験片2をそれぞれ作製した。
<ポリアミド樹脂をマトリックスとする他の実施例>
上記3種類のセラミックス粉末(平均粒径0.5μmのシリカ粉末、平均粒径1.5μmのシリカ粉末、平均粒径45μmのアルミナ粉末)と、市販のポリアミド(PA)樹脂(デュポン(株)製品:PA66樹脂、商品名「ザイテル(登録商標)」)を用いるとともに、それらの配合比を異ならせて種々の組成の成形材料を上記実施例1と同様に調製した。すなわち、温度240〜250℃、加圧力0.7MPa、スクリュー回転数30rpm、混練時間45〜60分の条件で加圧混練機(上記DS3−20)を用いて混練し、PA樹脂70質量部とセラミックス粉末30質量部とを配合した成形材料、PA樹脂40質量部とセラミックス粉末60質量部とを配合した成形材料、および、PA樹脂15質量部とセラミックス粉末85質量部とを配合した成形材料を、上記3種のセラミックス粉末毎に各々調製した。次いで、2軸1軸押出機(上記2TR−50)を用いて上記得られた材料からペレットを形成した。次いで、得られたペレットを材料にして射出成形(使用した射出成形機のシリンダー温度250℃、金型温度80℃)を行い、図2に示す形状の試験片2をそれぞれ作製した。
上記3種類のセラミックス粉末(平均粒径0.5μmのシリカ粉末、平均粒径1.5μmのシリカ粉末、平均粒径45μmのアルミナ粉末)と、市販のポリアミド(PA)樹脂(デュポン(株)製品:PA66樹脂、商品名「ザイテル(登録商標)」)を用いるとともに、それらの配合比を異ならせて種々の組成の成形材料を上記実施例1と同様に調製した。すなわち、温度240〜250℃、加圧力0.7MPa、スクリュー回転数30rpm、混練時間45〜60分の条件で加圧混練機(上記DS3−20)を用いて混練し、PA樹脂70質量部とセラミックス粉末30質量部とを配合した成形材料、PA樹脂40質量部とセラミックス粉末60質量部とを配合した成形材料、および、PA樹脂15質量部とセラミックス粉末85質量部とを配合した成形材料を、上記3種のセラミックス粉末毎に各々調製した。次いで、2軸1軸押出機(上記2TR−50)を用いて上記得られた材料からペレットを形成した。次いで、得られたペレットを材料にして射出成形(使用した射出成形機のシリンダー温度250℃、金型温度80℃)を行い、図2に示す形状の試験片2をそれぞれ作製した。
<エネルギー吸収効率の算出>
各試験片について上記と同様の衝撃試験を行った。そして、当該試験結果からエネルギー吸収効率を示す指標として、エネルギー吸収効率ρを、式:ρ=[エネルギー吸収量E/(最大荷重Fmax×最大変位Smax)]×100、より求めた。結果を表1に示す。なお、表1には各実施例(計18例)をセラミックス平均粒子径(μm)とセラミックス添加量(質量部)とで規定している。
各試験片について上記と同様の衝撃試験を行った。そして、当該試験結果からエネルギー吸収効率を示す指標として、エネルギー吸収効率ρを、式:ρ=[エネルギー吸収量E/(最大荷重Fmax×最大変位Smax)]×100、より求めた。結果を表1に示す。なお、表1には各実施例(計18例)をセラミックス平均粒子径(μm)とセラミックス添加量(質量部)とで規定している。
表1に示すように、各実施例のエネルギー吸収効率ρの算出値はいずれも50を上回っており、高いエネルギー吸収効率を示すことが確認された。特にマトリックスがPA樹脂で構成されているものは、PP樹脂をマトリックスとするものよりも高いエネルギー吸収効率(いずれもρが70以上)を示した。また、PP樹脂等のオレフィン系樹脂をマトリックスとする場合、衝撃吸収部材全体の50質量%以上(ここでは60質量%以上)をセラミックスとすることによってエネルギー吸収効率を向上し得る(ここではρが60以上)ことが認められた。
以上、本発明の好適な実施態様を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した態様を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2 試験片
10,12 クラッシュボックス
14 フロントバンパ
16 バンパリインフォースメント
20,22 フロントサイドメンバ
10,12 クラッシュボックス
14 フロントバンパ
16 バンパリインフォースメント
20,22 フロントサイドメンバ
Claims (8)
- 圧縮変形によって衝撃を吸収し得る衝撃吸収部材であって、
樹脂マトリックスと該マトリックス中に分散した状態で存在するセラミックスとから実質的に構成される、衝撃吸収部材。 - 前記セラミックスとして粉末状セラミックスを含む、請求項1に記載の衝撃吸収部材。
- 前記樹脂マトリックスは実質的に熱可塑性樹脂により構成されている、請求項1または2に記載の衝撃吸収部材。
- 曲げ弾性率が少なくとも6000MPaである、請求項1〜3のいずれかに記載の衝撃吸収部材。
- 車両に装備され得る所定形状に成形された、請求項1〜4のいずれかに記載の衝撃吸収部材。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の衝撃吸収部材を主体に構成された、車両用クラッシュボックス。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の衝撃吸収部材を成形するための材料であって、
樹脂マトリックスと該マトリックス中に分散した状態で存在するセラミックスとから実質的に構成される、衝撃吸収部材成形用材料。 - ペレット状に成形された、請求項7に記載の衝撃吸収部材成形用材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004127599A JP2005308133A (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | 衝撃吸収部材およびその利用 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004127599A JP2005308133A (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | 衝撃吸収部材およびその利用 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005308133A true JP2005308133A (ja) | 2005-11-04 |
Family
ID=35437123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004127599A Pending JP2005308133A (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | 衝撃吸収部材およびその利用 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005308133A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016169858A (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-23 | 本田技研工業株式会社 | エネルギー吸収体 |
US9731671B2 (en) | 2015-03-10 | 2017-08-15 | Honda Motor Co., Ltd. | Energy absorber and bumper structural body |
CN108237995A (zh) * | 2016-12-27 | 2018-07-03 | 天津梦达科技有限公司 | 一种汽车防撞结构 |
-
2004
- 2004-04-23 JP JP2004127599A patent/JP2005308133A/ja active Pending
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US9731671B2 (en) | 2015-03-10 | 2017-08-15 | Honda Motor Co., Ltd. | Energy absorber and bumper structural body |
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