JP2005307849A - 車両用空調装置の圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 代替冷媒HFC−152aの物性に適合したピストン形状を得ることができる車両用空調装置の圧縮機を提供する。
【解決手段】 圧縮機(2)は、ハウジング(6)と、ハウジング内に形成され、圧縮室(44)を備えたシリンダボア(24)と、シリンダボア内を往復運動するピストン(26)とを含み、冷媒としてHFC−134aよりも高低圧の圧力差が小さなHFC−152aを使用し、冷媒にHFC−152aを使用した場合に要求されるピストンの長さとピストンの径との比率が、冷媒にHFC−134aを使用した場合に要求されるピストンの長さとピストンの径との比率に比べて小さくされる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用空調装置の冷凍回路に組込まれる圧縮機に係り、詳しくは、代替冷媒HFC−152aの使用に好適な車両用空調装置の圧縮機に関する。
現行のカーエアコン用冷媒としてはHFC−134aが使用されているが、その冷媒の温暖化係数(GWP)が1300もあって大きく、地球温暖化の観点からの問題が依然として残されている。よって、欧米においては、修理時の回収が義務付けられており、またいずれ全廃することも考えられている。
そこで、他の代替冷媒が必要となる。この例としては、CO2やHFC−152aが挙げられる。特に、このHFC−152aではGWPが140と小さく、HFC−134aに比して環境負荷の低減に大きく貢献する。また、HFC−152aは可燃性であるが、上記HFC−134aに比して冷凍能力の点でも優れている。そして、この代替冷媒HFC−152aを用いた車両用空調装置に関する技術が種々出願されている(特許文献1、2)。
特開平11−23115号公報 特開2000−71755号公報
ところで、代替冷媒HFC−152aは、現行冷媒HFC−134aとは蒸気圧が異なるとの物性を有している。
具体的には、蒸発温度(50℃)と凝縮温度(0℃)における各蒸気圧について示すと、代替冷媒HFC−152aの蒸発温度では1.17MPa、凝縮温度では0.26MPaとの蒸気圧を有しており、この差圧はΔ1=0.91MPaとなる。これに対し、現行冷媒HFC−134aの蒸発温度では1.32MPa、凝縮温度では0.29MPaとの蒸気圧を有しており、この差圧はΔ0=1.03MPaとなる。つまり、代替冷媒HFC−152aの差圧Δ1は現行冷媒HFC−134aの差圧Δ0よりも小さくなることが分かる。
ここで、ピストンがシリンダボア内を摺動する斜板型圧縮機を例に挙げれば、上記差圧Δ1及び差圧Δ0がピストンの前後に生じた圧力の差圧に相当する。換言すれば、蒸発温度における蒸気圧が吐出圧力Pdに、凝縮温度における蒸気圧が吸入圧力Psにそれぞれ相当し、上記差圧Δ1が代替冷媒HFC−152aを使用した場合のPd−Psの値に、上記差圧Δ0が現行冷媒HFC−134aを使用した場合のPd−Psの値にそれぞれ相当する。よって、代替冷媒HFC−152aを使用した場合のピストンの前後には、現行冷媒HFC−134aを使用した場合のピストンに比して小さな圧力が作用していることが分かる。
そして、カーエアコン用冷媒として代替冷媒HFC−152aを使用するにあたり、この物性の違いを考慮することなく単に冷媒を変更するだけでは、上記斜板型圧縮機のピストンにはこの変更に伴う負荷や無駄が大きくなり、圧縮機の信頼性を却って損なわせることが懸念される。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、代替冷媒HFC−152aの物性に適合したピストン形状を得ることができる車両用空調装置の圧縮機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の車両用空調装置の圧縮機は、冷凍回路の冷媒循環経路に介挿され、圧縮室にて冷媒の吸入工程及び圧縮工程を実行し、高圧の圧縮冷媒を圧縮室から冷媒循環経路に供給する車両用空調装置の圧縮機であって、圧縮機は、ハウジングと、ハウジング内に形成され、圧縮室を備えたシリンダボアと、シリンダボア内を往復運動するピストンとを含み、冷媒としてHFC−134aよりも高低圧の圧力差が小さなHFC−152aを使用し、冷媒にHFC−152aを使用した場合に要求されるピストンの長さとピストンの径との比率が、冷媒にHFC−134aを使用した場合に要求されるピストンの長さとピストンの径との比率に比べて小さくされていることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、冷媒にHFC−152aを使用した場合に要求されるピストンの長さとピストンの径との比率と、冷媒にHFC−134aを使用した場合に要求されるピストンの長さとピストンの径との比率との比率が、0.873から0.950に設定されていることを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、冷媒にHFC−152aを使用した場合に要求されるピストンの長さが、冷媒にHFC−134aを使用した場合に要求されるピストンの長さに比べて短くされていることを特徴としている。
本発明は代替冷媒HFC−152aが現行冷媒HFC−134aよりも蒸発温度及び凝縮温度における各蒸気圧の圧力差が小さいことに着目したものである。そして、請求項1記載の本発明の車両用空調装置の圧縮機によれば、HFC−152aを使用した場合のピストンの長さ及び径の比率が、HFC−134aを使用した場合のピストンの長さ及び径の比率に比べて小さくされているので、小さな圧力差を有するとの代替冷媒HFC−152aの物性に適合したピストン形状が構成可能となる。この結果、冷媒の変更に伴うピストンへの負荷や無駄が小さくなる。
また、請求項2記載の発明によれば、HFC−152aを使用した場合のピストンの長さ及び径の比率が、HFC−134aを使用した場合のピストンの長さ及び径の比率の0.873から0.950倍にされることから、HFC−134aに比して圧力差の小さいHFC−152aを使用しても、ブローバイ量を従来と同等に保持しつつ、ピストンの摺動抵抗やピストンの質量を低減可能となる。
更に、請求項3記載の発明によれば、ピストンの長さを短くすれば圧縮機の小型化及び軽量化を達成できる。
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るカーエアコン用の斜板型圧縮機を示す。
当該圧縮機2はシリンダブロック(ハウジング)6を備え、このシリンダブロック6の一端側にはクランクケース4が、他端側にはシリンダヘッド8がそれぞれ複数の連結ボルトにより相互に連結されている。なお、図1には、シリンダブロック6とシリンダヘッド8との間を連結する連結ボルトのみが示されている。
クランクケース4内にはその中央に駆動軸10が配置され、この駆動軸10の一端側はクランクケース4を貫通し、軸受12を介してクランクケース4に回転自在に支持されている。一方、駆動軸10の他端はシリンダブロック6の中央に貫通して形成された中央孔14に進入し、軸受16を介してシリンダブロック6に回転自在に支持されている。
駆動軸10の一端は駆動プーリ18に電磁クラッチ20を介して連結可能となっており、電磁クラッチ20は駆動プーリ18に内蔵されている。駆動プーリ18は軸受22を介してクランクケース4に回転自在に支持され、車両のエンジン(図示しない)から動力を受けて回転される。従って、電磁クラッチ20がオン作動されると、駆動プーリ18の回転が駆動軸10に伝達され、この駆動軸10は一方向に回転される。
シリンダブロック6内には例えば7個のシリンダボア24が形成されている。これらシリンダボア24はシリンダブロック6の周方向に等間隔を存して配置され、駆動軸10と平行にしてシリンダブロック6をその軸線方向に貫通している。
各シリンダボア24内には、後述する長さL及び径Dを有するピストン26が摺動自在に嵌合され、これらピストン26の一端はシリンダブロック6からクランクケース4内、すなわち、クランク室28に突出したテール30として形成されている。テール30は一対のシュー32を有し、これらシュー32間に斜板34の外周縁部が摺動自在に挟み付けられている。
斜板34は駆動軸10に取り付けられ、この駆動軸10にはクランクケース4と斜板34との間に位置するロータ36が取り付けられている。これら斜板34及びロータ36は駆動軸10と一体に回転し、斜板34はロータ36にヒンジ38を介して連結され、傾動可能に構成されている。更に、駆動軸10には、コイルスプリング40がこの駆動軸10を囲繞するように取り付けられており、このコイルスプリング40は斜板34をシリンダブロック6側に押圧付勢している。
一方、シリンダブロック6とシリンダヘッド8との間には円形のバルブプレート42が挟持されており、このバルブプレート42は各シリンダボア24内に、そのピストン26の他端との間にて圧縮室44を形成させる。バルブプレート42にはシリンダボア24毎に吸入ポート46及び吐出ポート48がそれぞれ形成されている。図から明らかなように、バルブプレート42の径方向でみて、吸入ポート46は対応する吐出ポート48の外側に位置付けられている。
シリンダヘッド8は、シリンダブロック6に向けて開口したカップ形状をなし、このカップ形状の開口端はバルブプレート42に気密に嵌合され、シリンダブロック6に連結される。また、シリンダヘッド8はその内部に互いに独立した環状の吸入室50と、吐出室52とを有している。吐出室52はシリンダヘッド8の中央部に配置され、吸入室50はその外周側に配置されている。
吸入室50は各シリンダボア24の圧縮室44にそれぞれ吸入弁54を介して連通することができる。これに対し、吐出室52は各シリンダボア24の圧縮室44にそれぞれ吐出弁56を介して連通することができる。これら吸入弁54及び吐出弁56はリード弁からなる。より詳しくは、吸入弁54の弁体はシリンダブロック6とバルブプレート42との間に挟持され、その圧縮室44内に配置されている。一方、吐出弁56の弁体は吐出室52側のバルブプレート42の面にその弁開度を制限するストッパ58とともに取付けボルト60を介して取り付けられている。
吸入室50及び吐出室52は冷凍回路の冷媒循環経路62に接続されており、この冷媒循環経路62には吐出室52側から凝縮器64、膨脹弁66及び蒸発器68が順次介挿されている。凝縮器64及び膨脹弁66は圧縮機2と同様に車両のエンジンルーム内に配置され、これに対し、蒸発器68は車両の車室側に配置されている。
そして、圧縮機2の駆動軸10とともに斜板34が回転されると、この斜板34の回転は各ピストン26の往復運動に変換される。ここで、ピストン26がそのシリンダボア24内の圧縮室44を増加させる方向に移動すると、吸入弁54が開かれ、吸入室50から吸入ポート46を通じて冷媒ガスが吸い込まれる。この後、ピストン26が圧縮室44側に向けて移動すると、圧縮室44内に吸い込まれた冷媒は圧縮され、この圧縮圧が吐出弁56の締切圧を越えた時点で吐出弁56が開かれる。この結果、圧縮冷媒は圧縮室44から吐出ポート48を通じて吐出室52内、つまり、冷媒循環経路62に向けて吐出される。この吐出された冷媒は、この後、凝縮器64にて凝縮され、そして、膨脹弁66を通じて気液混合状態の冷媒が蒸発器68に供給される。この2相の冷媒は蒸発器68内にて気化し、この気化熱よって蒸発器68周辺の空気が冷却される。従って、このような冷却空気を車室内に導入させて、車室内の冷房を行うことができる。
この実施形態の圧縮機2では、冷媒にはHFC−134aではなく、このHFC−134aよりも高低圧の圧力差の小さい代替冷媒HFC−152aが使用されている。そして、この冷媒の使用に伴い、前述したピストン26の長さ及び径の比率(L/D)が、冷媒にHFC−134aを使用した場合のピストンの長さ及び径の比率(L0/D0)に比べて小さくされている。より具体的には、ピストン26の長さ及び径の比率L/Dは、L0/D0の0.873から0.950倍に設定されている。これは、例えば、ピストン26の径Dがピストンの径D0に等しいとすれば、ピストン26の長さLがピストンの長さL0に比べて短くされることになる。
このようにピストン26の長さ及び径の比率(L/D)が小さめに設定されていれば、圧縮機2からの冷媒のブローバイ量を現行冷媒HFC−134aを用いた場合と同等にしつつ、代替冷媒HFC−152aの物性に適合したピストン形状が構成可能となり、この結果、冷媒の変更に伴うピストン26への負荷や無駄が小さくなる。
この点に関して詳述すると、この実施形態では、代替冷媒HFC−152aの物性に適合したピストン形状を得るべく、ブローバイモデル、ピストン摺動抵抗モデル、及びピストン質量モデルの3つのモデルを用いている。
まず、ブローバイモデルではシリンダボア24とピストン26との関係が求められる(図2(a))。そして、粘性流と擬制すれば、ブローバイ量qは次式で表すことができる。
q=πDh3(P1 2−P2 2)/(24ηP2L)
ここで、
D:ピストン26の径
h:シリンダボア24とピストン26との隙間の長さ
1:圧力室44内の圧力(蒸発温度における蒸気圧Pdに相当する)
2:クランク室28内の圧力(凝縮温度における蒸気圧Psに相当する)
η:粘度
L:ピストン26の長さ
を示す。
すなわち、ブローバイ量qは、隙間の長さhに支配されており、隙間の長さhの3乗及びP1 2−P2 2に比例し、一方、粘度η、ピストン26の長さL及び低圧側の圧力P2に反比例することが分かる。そして、現行冷媒HFC−134aのブローバイ量が適正であるとの判断に基づき、同一のブローバイ量を代替冷媒HFC−152aで維持させ、且つ、ピストン26の径DもHFC−134aを使用した場合のピストンの径D0に等しいとすれば、Pd−Psの値の小さな代替冷媒HFC−152aではピストン26の長さLを短くすることが可能となる。
次に、ピストン摺動抵抗モデルではピストン26に生ずる摺動抵抗(せん断応力)が求められる(図2(b))。
ここで、シリンダボア24とピストン26との間には冷凍機油や冷媒が介在し、流体摩擦であると考えられる。そして、冷凍機油のみが介在する場合のせん断応力Ω(摺動抵抗1)は(1/h3)ηAに比例し、このせん断応力Ωはその冷凍機油の粘度η及び摺動部分の面積Aに比例する。一方、冷凍機油及び冷媒が介在する場合のせん断応力Ω(摺動抵抗2)は(1/h3)ηA1/2に比例し、このせん断応力Ωはその冷媒が溶解された冷凍機油の粘度η及び摺動部分の面積Aの1/2乗に比例する。よって、摺動抵抗1は摺動抵抗2よりも大きくなるが、ピストン26の長さLが短くなれば摺動部分の面積Aも小さくなり、いずれの摺動抵抗も小さくなることが分かる。
また、ピストン質量モデルではピストン26の質量が求められる(図2(c))。
このピストン26をアルミニウム製とし(密度ρ=2.7g/cm3)、テール30の部分を省略したピストン26の断面の各寸法をa=2.5mm、b=6.9mm、c=4.5mm、d=26.1mmとする。
以上の3つのモデルに基づき、上記のピストン26の径、隙間の長さhや冷媒溶解による粘度ηは現行冷媒HFC−134aを用いた場合と同等とし、代替冷媒HFC−152aの蒸発温度及び凝縮温度の各蒸気圧の値(1.17MPa、0.26MPa)を代入して、代替冷媒HFC−152aを用いた場合のピストンの長さLやピストンの径Dを求める。
より詳しくは、図3及び図4に示されるように、L/D(D=D0=31.5mm)を1から1.5までの範囲内に設定すると、まず、代替冷媒HFC−152a及び現行冷媒HFC−134aの各ブローバイ量が求められる。具体的には、代替冷媒HFC−152aのブローバイ量は現行冷媒HFC−134aの下側に位置する。
ここで、ピストン26の摺動抵抗については、図3に示されるように、L/Dが1のときを基準として上記摺動抵抗1及び摺動抵抗2が求められる。そして、現行冷媒HFC−134aのL0/D0が約1.490であることを鑑み、この現行冷媒HFC−134aのブローバイ量が適正であるとの判断に基づいて、同一のブローバイ量を達成できる代替冷媒HFC−152aを用いた場合のピストンの長さとピストンの径との比率を求めれば、L/Dは約1.301となり、(L/D)/(L0/D0)が0.873となる。また、この場合の摺動抵抗1は、現行冷媒HFC−134aにおける摺動抵抗の約87%に低減できる。
次に、ピストン26の質量については、図4に示されるように、L/Dが約1.301の場合のピストン26の質量は、現行冷媒HFC−134aにおけるピストンの質量の約93%(削減量約2.2g)に削減できる。
一方、同一のブローバイ量と擬制可能なピストン26の長さ及び径の比率を求めると、L/Dは約1.416となり、(L/D)/(L0/D0)が0.950となる。また、L/Dが約1.416の場合のピストン26の質量は、現行冷媒HFC−134aにおけるピストンの質量の約96%(削減量約1.1g)に削減できる。
従って、(L/D)/(L0/D0)が0.873から0.950の範囲内に設定されていれば、現行冷媒HFC−134aと同一のブローバイ量を維持しつつ、代替冷媒HFC−152aへの変更に伴うピストンの負荷や無駄が小さくなる。
なお、(L/D)/(L0/D0)が0.873未満であるか或いは0.950を超えると、同一のブローバイ量が得られず、特に、0.950を超えると、ピストンの摺動抵抗やピストンの質量が増加してピストンの負荷や無駄が大きくなり、圧縮機の信頼性が損なわれ得ることになる。
以上のように、ピストン26の径Dを現行冷媒HFC−134aにおけるピストンの径D0と同じにすれば、ピストン26の長さLがピストンの長さL0の約0.873から0.950倍に短くなる。よって、この実施形態によれば、現行冷媒HFC−134aに比して高低圧の圧力差の小さいHFC−152aを使用しても、ブローバイ量を従来と同等に保持しつつ、ピストン26の摺動抵抗やピストン26の質量を低減できる。この結果、圧縮機2の小型化及び軽量化が図られ、また、圧縮機2の製造コストの低廉化にも繋がる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能であり、例えば圧縮機2におけるシリンダボア24は7個に限らず、その数に何ら制約されるものではない。
また、上述の実施形態の如くピストン26の径Dをピストンの径D0と同じにし、ピストン26の長さLをピストンの長さL0よりも小さくさせる他、ピストン26の長さLをピストンの長さL0と同じにし、ピストン26の径Dをピストンの径D0よりも大きくさせるか、或いはピストン26の長さL及びピストン26の径Dの双方を変更しても、(L/D)/(L0/D0)を0.873から0.950の範囲内に設定可能である。
本発明の一実施形態に係る車両用空調装置の圧縮機の断面構成図である。 図1の圧縮機の設計に用いられたモデルを示す図である。 図1の圧縮機におけるピストン形状とブローバイ量及び摺動抵抗との関係を示す図である。 図1の圧縮機におけるピストン形状とブローバイ量及びピストン質量との関係を示す図である。
符号の説明
2 斜板型圧縮機(圧縮機)
6 シリンダブロック(ハウジング)
24 シリンダボア
26 ピストン
44 圧縮室
62 冷媒循環経路

Claims (3)

  1. 冷凍回路の冷媒循環経路に介挿され、圧縮室にて冷媒の吸入工程及び圧縮工程を実行し、高圧の圧縮冷媒を該圧縮室から前記冷媒循環経路に供給する車両用空調装置の圧縮機において、
    該圧縮機は、ハウジングと、該ハウジング内に形成され、前記圧縮室を備えたシリンダボアと、該シリンダボア内を往復運動するピストンとを含み、
    前記冷媒としてHFC−134aよりも高低圧の圧力差が小さなHFC−152aを使用し、
    前記冷媒にHFC−152aを使用した場合に要求されるピストンの長さと該ピストンの径との比率が、前記冷媒にHFC−134aを使用した場合に要求されるピストンの長さと該ピストンの径との比率に比べて小さくされていることを特徴とする車両用空調装置の圧縮機。
  2. 前記冷媒にHFC−152aを使用した場合に要求されるピストンの長さと該ピストンの径との比率と、前記冷媒にHFC−134aを使用した場合に要求されるピストンの長さと該ピストンの径との比率との比率が、0.873から0.950に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置の圧縮機。
  3. 前記冷媒にHFC−152aを使用した場合に要求されるピストンの長さが、前記冷媒にHFC−134aを使用した場合に要求されるピストンの長さに比べて短くされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調装置の圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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