JP2002235660A - 吐出弁装置およびこれを用いた圧縮機 - Google Patents

吐出弁装置およびこれを用いた圧縮機

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JP2002235660A
JP2002235660A JP2001029714A JP2001029714A JP2002235660A JP 2002235660 A JP2002235660 A JP 2002235660A JP 2001029714 A JP2001029714 A JP 2001029714A JP 2001029714 A JP2001029714 A JP 2001029714A JP 2002235660 A JP2002235660 A JP 2002235660A
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valve plate
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discharge valve
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Takeshi Oshiyama
毅 押山
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Calsonic Kansei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コスト且つコンパクトに吐出脈動を平滑化
して該吐出脈動による騒音を低減することができる吐出
弁装置、および、これを用いた圧縮機の提供を図る。 【解決手段】 シリンダボア3と吐出室8とを連通する
吐出孔9dを有するバルブプレート9と、該バルブプレ
ート9の吐出孔9dを開閉する弁部24vおよび該弁部
24vに穿設された孔部24hを有する第1吐出弁板2
4と、該第1吐出弁板24よりも低圧で前記孔部24h
を開閉する第2吐出弁板25と、を積層して設けた。そ
のため、第1吐出弁板24と第2吐出弁板25とが時間
差をもって開動する。つまり、二段階で冷媒を吐出する
ことにより、一圧縮吐出行程における吐出量が同量であ
りながらも最大吐出圧を低くすることができる。結果的
に、低コスト且つコンパクトに吐出脈動を平滑化して該
吐出脈動による騒音を軽減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧縮機に関し、例え
ば、車両用空調装置等の冷凍サイクルに介装されて、冷
媒ガスの圧縮に用いられる圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より圧縮機の騒音の主原因として、
いわゆる吐出脈動が知られている。この吐出脈動とは、
圧縮機のシリンダボア内でピストンによって圧縮された
冷媒が、吐出室を介して該吐出室に接続される冷媒配管
へ、脈を打って吐出されて冷媒配管内を流動していくこ
とである。この脈動は、それ自体が騒音源であると共
に、冷媒配管や該冷媒配管に接続される様々な付属部品
を振動させることにより、間接的な騒音源となる。この
吐出脈動による騒音は、ピストンの一圧縮行程でその最
大吐出圧が大きいほど、大きくなる。
【0003】吐出脈動による騒音を防止するものとして
は消音マフラーがある。この消音マフラーは、たとえば
吐出室に接続される冷媒配管に付加され、冷媒配管中の
冷媒の流速を平滑化して脈動の振幅を小さくするもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな消音マフラーは比較的コスト高であるとともに、冷
凍サイクルのサイズを大きくしてしまう。
【0005】そこで本発明は、低コスト且つコンパクト
に吐出脈動を平滑化して該吐出脈動による騒音を低減す
ることができる吐出弁装置、および、これを用いた圧縮
機とを提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
シリンダボアと吐出室とを連通する吐出孔を有するバル
ブプレートと、該バルブプレートの吐出孔を開閉する弁
部および該弁部に穿設された孔部を有する第1吐出弁板
と、該第1吐出弁板よりも低圧で前記孔部を開閉する第
2吐出弁板と、を積層して設けたことを特徴とする吐出
弁装置である。
【0007】請求項2記載の発明は、シリンダボアと吐
出室と連通する第1吐出孔および第2吐出孔を各シリン
ダボアごとに有するバルブプレートと、前記第1吐出孔
を開閉する第1吐出弁板と、該第1吐出弁板よりも低圧
で前記第2吐出孔を開閉する第2吐出弁板と、を積層し
て設けたことを特徴とする吐出弁装置である。
【0008】請求項3記載の発明は、シリンダボアと吐
出室とを連通する第1吐出孔および第2吐出孔を各シリ
ンダボアごとに有するバルブプレートと、前記第1吐出
孔を基端側で閉じるとともに第2吐出弁孔を先端側で閉
じ、第1吐出孔よりも低圧で第2吐出孔を開弁する吐出
弁板と、を積層して設けたことを特徴とする吐出弁装置
である。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1〜3記載
の吐出弁装置を、ピストンを収容するシリンダボアを有
するシリンダブロックの後端面と、吸入室および吐出室
を形成するリアハウジングの前端面と、の間に介装し
て、シリンダボア内でピストンにより圧縮された冷媒を
前記吐出弁装置を介して吐出することを特徴とする圧縮
機である。
【0010】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、吐出弁装
置は、シリンダボアと吐出室とを連通する吐出孔を有す
るバルブプレートと、該バルブプレートの吐出孔を開閉
する弁部および該弁部に穿設された孔部を有する第1吐
出弁板と、該第1吐出弁板よりも低圧で前記孔部を開閉
する第2吐出弁板と、を積層して設けたものであるた
め、第1吐出弁板と第2吐出弁板とは時間差をもって開
動する。
【0011】つまり、シリンダボア内のピストンの往復
運動によりシリンダボア内の圧力が上昇し始めると、ま
ず、第2吐出弁板が開動して孔部を通じて少しずつ冷媒
が吐出室に吐出される。そして、シリンダ内の圧力がさ
らに上昇すると、それに比例して第2吐出弁板のリフト
量(開度)が大きくなり、孔部を通じて吐出される冷媒
量も増える。そしてさらに、シリンダボア内の圧力が高
まると、最終的に第1吐出弁板が開動する。
【0012】このように、第2吐出弁板と第1吐出弁板
とが、二段階で冷媒を吐出することにより、一圧縮吐出
行程における吐出量が同量でありながらも最大吐出圧を
低くすることができる。そのため、吐出脈動の振幅が小
さくなり、吐出脈動による騒音が軽減される。結果的
に、低コスト且つコンパクトに吐出脈動を平滑化して該
吐出脈動による騒音を軽減することができる。
【0013】請求項2記載の発明によれば、吐出弁装置
が、各シリンダボアごとに該シリンダボアと吐出室と連
通する第1吐出孔および第2吐出孔を有するバルブプレ
ートと、前記第1吐出孔を開閉する第1吐出弁板と、該
第1吐出弁板よりも低圧で前記第2吐出孔を開閉する第
2吐出弁板と、を積層して設けたものであるので、第1
吐出弁板と第2吐出弁板とは時間差をもって開動する
(第1吐出孔と第2吐出孔とが時間差をもって開弁され
る)。そのため、請求項1記載の発明と同様の効果を得
ることができる。
【0014】請求項3記載の発明によれば、吐出弁装置
が、シリンダボアと吐出室とを連通する第1吐出孔およ
び第2吐出孔を各シリンダボアごとに有するバルブプレ
ートと、前記第1吐出孔を基端側で閉じるとともに第2
吐出弁孔を先端側で閉じ、第1吐出孔よりも低圧で第2
吐出孔を開弁する吐出弁板と、を積層して設けたもので
あるため、第1吐出孔と第2吐出孔とは時間差をもって
開弁される。そのため、請求項1,2記載の発明と同様
の効果を得ることができる。なお、請求項1記載の発明
によれば、既存の吐出弁装置に孔部を備える第1吐出弁
板を追加するのみで製造でき、また、請求項3記載の発
明によれば、吐出弁板が1枚で済むという特有の効果も
ある。
【0015】請求項4記載の発明の圧縮機によれば、請
求項1〜3記載の吐出弁装置を用いたことで請求項1〜
3記載の発明と同様の効果を得るこができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0017】第1実施形態:図1〜9をもとに本発明の
第1実施形態を説明する。図1において、1は圧縮機の
ハウジングである。この圧縮機ハウジング1は、複数の
シリンダボア3を有するシリンダブロック2と、シリン
ダブロック2の前端面に接合され該シリンダブロック2
との間にクランク室5を形成するフロントハウジング4
と、シリンダブロック2の後端面にバルブプレート9を
介して接合され吸入室7および吐出室8を形成するリア
ハウジング6と、を備えている。
【0018】バルブプレート9は、シリンダボア3およ
び吸入室7を連通する吸入孔9sと、シリンダボア3お
よび吐出室8を連通する吐出孔9dと、を備えている。
【0019】このバルブプレート9のリアハウジング6
側には、第1吐出弁板24、第2吐出弁板25、リテー
ナ26、が順次積層されており、図2に示すようにバル
ブプレート9とこれら第1吐出弁板24、第2吐出弁板
25、リテーナ26とが固定手段としてのリベット27
によって一体化されて、本実施形態の吐出弁装置28が
形成されている。
【0020】ここで、第1吐出弁板24は、吐出孔9d
を開閉するリード状の弁部24vを有するとともに該弁
部24vに孔部24hが穿設されている。一方、第2吐
出弁板25は、第1吐出弁板24と略同一形状をしてお
り、前記孔部24hを開閉するものである。この第2吐
出弁板25は、第1吐出弁板24よりも低圧で開動する
ように設定されている。リテーナ26はこれら第1吐出
弁板24および第2吐出弁板25を保持するとともにそ
の開限位置を決めている。
【0021】吐出弁装置28のバルブプレート9とシリ
ンダブロック2の後端面(図3)との間には、バルブプ
レート9の吸入孔9sを開閉するリード状の弁部30v
を有する吸入板30(図4)が介在している。また、吐
出弁装置28のバルブプレート9とリアハウジング6の
前端面との間には、吸入室7と吐出室8の密閉性を保持
するガスケット29が介在している。
【0022】本実施形態の圧縮機は斜板式可変容量の圧
縮機であって、クランク室5の内部には、ドライブシャ
フト10に固定されたドライブプレート11と、ドライ
ブシャフト10の外周に移動自在に弛み嵌合したスリー
ブ12と、スリーブ12にピン13によって揺動自在に
連結されたジャーナル14と、ジャーナル14の外周に
螺着された斜板15などが収容されている。
【0023】また、フロントハウジング4の左端部に
は、軸受け21を介してプーリ20が支承されている。
プーリ20の内周には第1駆動伝達プレート22が螺着
されており、ドライブシャフト10の先端部には第2駆
動伝達プレート23が固定されている。これらのプレー
ト22,23は、設定値以上の駆動トルクでは摺動可能
に連結され、プーリ20の回転をドライブシャフト10
に伝達するようにされている。
【0024】そして、前記斜板15が、該斜板15を挟
んだ一対のシュー19を介して、各シリンダボア3に嵌
装されたピストン18と連結されていて、上述のドライ
ブシフト10の回転運動をピストン18の往復運動に変
換する。
【0025】ここで、前記斜板15は、吸入室7とクラ
ンク室5との差圧を調整する圧力調整手段31により、
その傾斜角度が変化にするようになっている。この斜板
15の傾斜角度の変化によりピストン18のストローク
が変わり、冷媒ガスの吐出容量が制御される。
【0026】なお、ジャーナル14がドライブプレート
11の長孔16にピン17によって連結されていること
で、前記斜板15の揺動角度は、この長孔16によって
規制されている。
【0027】圧縮機の基本機能は、このドライブシャフ
ト10の回転運動を原動力として往復動するピストン1
8によって、吸入室7→バルブプレート9の吸入孔9s
→シリンダボア3に吸入した冷媒を高温高圧に圧縮し
て、シリンダボア3→バルブプレート9の吐出孔9d→
吐出室8へと吐出するものである。
【0028】そして、吸入室7は冷媒配管を介してエバ
ポレータ側に接続され、吐出室8は同じく冷媒配管を介
してコンデンサ側に接続されており、本実施形態の圧縮
機は、エバポレータで吸熱に用いられた冷媒を、断熱圧
縮して高温高圧としてコンデンサに送るものである。な
お、コンデンサで冷温高圧とされた冷媒は、膨張弁を介
してエバポレータに送られたのち再び圧縮機にもどる。
【0029】さて、以上のように構成された圧縮機の
「吸入行程」および「圧縮吐出行程」を図5〜図9をも
とにさらに詳しく説明する。
【0030】(1)吸入行程 まず、吸入行程について図5をもとに説明する。図5は
図4中SB−SB断面図である。
【0031】吸入行程に移行したばかりの状態、つま
り、ピストン18が上死点から下死点に向かい始める状
態では、吸入弁板30の弁部30vはバルブプレート9
の吸入孔9sを閉じている。
【0032】ピストン18が下死点へ近づいてきてシリ
ンダボア3内の圧力が吸入室7にくらべ徐々に圧力が低
くなると、吸入弁板30の弁部30vが開動し、吸入孔
9sを通じて吸入室7からシリンダボア3内に冷媒が吸
入される。このとき、吸入弁板30の弁部30vは、そ
のリフト量(開度)が、シリンダブロック2の後端面に
設けられた段部3aによって規制される。
【0033】ピストン18が下死点まで達すると、吸入
弁板30の弁部30vが閉動して、こんどは圧縮吐出行
程に移行する。
【0034】(2)圧縮吐出行程 次に、圧縮吐出行程について説明する。図6〜図8は、
本実施形態の吐出弁装置28の圧縮吐出行程を示すもの
である。
【0035】ピストン18が下死点まで下がり吸入行程
が終わって吐出行程に移行したばかりの状態では、まだ
シリンダボア3内の圧力が低いので、図6のように、吐
出弁装置28の第1吐出弁板24および第2吐出弁板2
5は、吐出孔9dを閉じている。
【0036】次に、ピストン18が上死点へ近づいてき
てシリンダボア3内の圧力が序々に高まってくると、図
7のように、孔部24hを通じてピストンボア3内の圧
力を受圧する第2吐出弁板25が開動する。この開動に
より、孔部24hを介して少しずつ冷媒が吐出室8に吐
出される。そして、シリンダ3内の圧力がさらに上昇す
るとそれに対応して第2吐出弁板25のリフト量(開
度)が大きくなり、孔部24hを介して吐出される冷媒
量も増える。
【0037】最終的には、ピストン18が上死点に近接
した際に、図8に示すように第1吐出弁板25が開動し
て、ピストン18で高温高圧にされた冷媒が吐出室8に
吐出されていく。
【0038】図9は、任意のピストン3内の圧力変化を
経時的に示した図であり、実線がこの実施形態の吐出弁
装置28を用いた場合のシリンダ3内の圧力変化であ
り、鎖線が従来の吐出弁装置を用いた場合のシリンダ3
内の圧力変化である。
【0039】鎖線で示すように、1枚の吐出弁板で吐出
孔9dの開閉を行う従来型の吐出装置では、ピストン1
8の圧縮によってシリンダ3内の圧力が上昇し、その吐
出弁板が開き始める圧力P3(図9中点線)になると、
冷媒を一気に吐出して、シリンダ3内の圧力上昇が頭打
ちになる。そして、ピストン3が上死点を過ぎて、ピス
トン3内の圧力が低下し始めると、吐出弁板が閉動して
吸入行程に入る。
【0040】一方、本実施形態の吐出弁装置28を用い
た圧縮機では、圧力P1(図9中点線)まで達すると、
第2吐出弁板25が開動して孔部24hから冷媒が少し
ずつ吐出されることで、急激な圧力変化が抑制される。
そして、圧力P2(図9中点線)まで達すると、次は第
1吐出弁板24が開動してさらに多くの冷媒が吐出さ
れ、シリンダ3内の圧力上昇は頭打ちになる。
【0041】本実施形態の吐出弁装置28およびこれを
用いた圧縮機によれば、第2吐出弁板25および第1吐
出弁板24の二段階の吐出により、一行程における吐出
量が従来と同量であっても最大吐出圧を低くすることが
できる。言い換えると、孔部24hを開閉する第2吐出
弁板25が、緩衝役として、シリンダボア3から吐出室
8へ吐出される冷媒の圧力振幅を平滑化する。そのた
め、本実施形態の吐出弁装置28および圧縮機によれ
ば、低コスト且つコンパクトに吐出脈動の圧力振幅を平
滑化し、吐出脈動による騒音を軽減することができる。
【0042】なお、本実施形態において、第1吐出弁板
24の弁部24v(吐出孔9dに対応宇する位置)に穿
設された孔部24hは、吐出孔9dよりもその開口面積
が小さいものであれば、例えば円形、半円形、楕円形、
四角形、六角形など、その形状はなんでも良いものとす
る。さらに、第1吸入弁板24の弁部24vおよび孔部
24hは、各シリンダブロックごとに異なる形状をとっ
てもよい。
【0043】以下、他の実施形態を説明する。なお第1
実施形態と同様の構成については同一符号を付して説明
する。
【0044】第2実施形態:図10は本発明の第2実施
形態の吐出弁装置38を示すものであり、分図aは吐出
弁装置38の正面図であり、分図bは分図a中SB−S
B断面図である。
【0045】図10a中の仮想線(2点鎖線)は、シリ
ンダブロック2に設けられたシリンダボア3に対応する
位置である。図10に示すように、この吐出弁装置38
では、バルブプレート90に、各シリンダボア3ごとに
1つの吸入孔90sと2つの吐出孔91d,92dとが
設けられている。この第1吐出孔91dと第2吐出孔9
2dは径方向に連設されている。また、その開口面積
は、第2吐出孔92dが第1吐出孔91dよりも小さく
設定されている。
【0046】このバルブプレート90には、第1吐出孔
91dを開閉する第1吐出弁板34と、該第1吐出弁板
34よりも低圧で第2吐出孔92dを開閉する第2吐出
弁板35と、これら第1吐出弁板34,第2吐出弁板3
5の開限位置を決めるリテーナ26と、が積層されてい
る。そして、固定手段としてのリベット27によって、
バルブプレート90、第1吐出弁板34、第2吐出弁板
35、リテーナ26が固定締結されて第2実施形態の吐
出弁装置38が構成されている。
【0047】この第2実施形態によれば、吐出弁装置3
8が、各シリンダボア3ごとに該シリンダボア3と吐出
室8と連通する第1吐出孔91dおよび第2吐出孔92
dを有するバルブプレート90と、第1吐出孔91dを
開閉する第1吐出弁板34と、該第1吐出弁板34より
も低圧で前記第2吐出孔92dを開閉する第2吐出弁板
35と、を積層して設けたものであるので、ピストン1
8の圧縮行程において、第1吐出弁板34と第2吐出弁
板35とが時間差をもって開動する。このため、第1吐
出孔91dと第2吐出孔92dとが時間差をもって開弁
される。
【0048】つまり、シリンダボア3内のピストン18
の往復運動によりシリンダボア3内の圧力が上昇し始め
ると、まず、この第2吐出弁板35が開動して、第2吐
出孔92dを通じて冷媒が吐出室8に吐出される。そし
てさらに、シリンダボア3内の圧力が高まると、最終的
に第1吐出弁板34が開動して、第1吐出孔91dから
冷媒が吐出される。
【0049】このように、第2吐出弁板35と第1吐出
弁板34とにより、二段階で冷媒を吐出することによ
り、第1実施形態の吐出弁装置と同様に、一圧縮行程に
おいける吐出量が同量でありながらも最大吐出圧を低く
することができる。そのため、吐出脈動の振幅が小さく
なり、吐出脈動による騒音が軽減される。言い換える
と、第2吐出弁板35が、緩衝役として、シリンダボア
3から吐出室8へ吐出される冷媒の圧力振幅を平滑化す
る。そのため、第2実施形態の吐出弁装置28および圧
縮機によれば、低コスト且つコンパクトに吐出脈動の圧
力振幅を平滑化し、吐出脈動による騒音を軽減すること
ができる。
【0050】なお、第2実施形態では第1吐出孔91d
と第2吐出孔92dとを径方向に連設した例を示した
が、その配置を限定するものではなく、例えば図11の
ように第1吐出孔91dと第2吐出孔92dとをシリン
ダブロック2の周方向に連設したものであってもよい。
【0051】また、第1実施形態および第2実施形態の
いずれの場合も、第2吐出弁板25,35が第1吐出弁
板24,35よりも低圧で(先に)開動するものであれ
ば良く、そのばね定数は受圧面積に応じて設定されるも
のである。ここで、ばね定数の設定方法としては、例え
ば、第1吐出弁板24,34および第2吐出弁板25,
35を異なる材質で形成する方法や、同一材質を用いて
その厚みを変える方法などがある。
【0052】第3実施形態:図12は本発明の第3実施
形態の吐出弁装置48を示すものであり、分図aは吐出
装置38の正面図であり、分図bは分図a中SB−SB
断面図である。
【0053】この第3実施形態の吐出弁装置48では、
吐出弁板が1枚である点で第2実施形態と異なってい
る。つまり、第3実施形態の吐出弁装置48は、シリン
ダボア3と吐出室8とを連通する第1吐出孔94dおよ
び第2吐出孔95dを各シリンダボア3ごとに有するバ
ルブプレート93と、前記第1吐出孔94dを基端側で
閉じるとともに第2吐出弁孔95dを先端側で閉じるリ
ード状の弁部94v有し、第1吐出孔94dよりも低圧
で第2吐出孔95dを開弁する吐出弁板96と、を積層
して設けたものである。
【0054】このように構成された吐出弁装置48を用
いると、吐出弁板96は、リード状に形成された弁部3
0vの先端側が先に開動し、その後に弁部30vの基端
側が開動する。つまり、第1吐出孔94dと第2吐出孔
95とは時間差をもって開弁される。そのため、この第
3実施形態の吐出弁装置48およびこれを用いた圧縮機
によれば、第2実施形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0055】以上要するに、第1実施形態〜第3実施形
態はそれぞれ構造の異なる吐出脈動減衰機構を備えた吐
出弁装置28,38,48である。なお、本発明の圧縮
機には、この吐出脈動減衰機構を有する吐出弁装置2
8,38,48を組み込んだ圧縮機に、さらに、吸入脈
動減衰機構を付加したものも含まれるものとする。以下
その一例を示す。
【0056】第4実施形態:図13は第4実施形態の圧
縮機の要部(吸入脈動減衰機構)を示す図である。この
第4実施形態の圧縮機は、第1実施形態の圧縮機の吸入
弁板30(図4)に変えて、図14に示す第1吸入弁板
31と図15に示す第2吸入弁板32を用いて構成され
ている。
【0057】つまり、図13に示すように、シリンダブ
ロック2の後端面(図3参照)とバルブプレート9との
間に、バルブプレート9側から順番に第1吸入弁板(図
14)および第2吸入弁板32(図15)が積層され
て、本実施形態の圧縮機が構成されている。
【0058】第1吸入弁板31は、図14に示すように
吸入孔9sを開閉するリード状の弁部31vを有すると
ともに該弁部31vに孔部31hが穿設されている。一
方、第2吸入弁板32は、図15に示すように第1吸入
弁板31と概略同一形状をしており、前記孔部31hを
開閉するためのリード状の弁部32vを備えている。こ
の第2吸入弁板32は第1吸入弁板31よりも低圧で開
動するように設定されている。
【0059】そして、シリンダブロック2の後端面に設
けられた段部3aは、図16に示すようにその段の高さ
が、2枚の吸入弁板31,32のリフト量を制限すべく
設計されている。
【0060】このように構成された第4実施形態の圧縮
機によれば、吸入室7から吸入孔9dを介してシリンダ
ブロック2へ吸入される冷媒を、第1吸入弁板31と第
2吸入弁板とにより二段階で吸入することができるの
で、一吸入行程における吸入量が従来と同量であっても
最大吸入圧を低くすることができる。そのため、吐出室
8に接続された冷媒配管から吸入する冷媒の圧力振幅が
従来に比べ平滑化される。つまり、第4実施形態の圧縮
機は、吐出脈動減衰機構に加え、吸入脈動減衰機構を備
えるため、より効果的に圧力脈動による騒音を軽減する
ことができる。なお、本実施形態の吸入脈動減衰機構
は、第1実施形態の吐出脈動減衰機構と同等の構造によ
るものであるが、第2,3実施形態の吐出脈動減衰機構
と同等の構造による吸入脈動減衰機構としてもよい。
【0061】本発明は、上述の実施形態に限定されるも
のではなく、本発明の吐出弁装置および圧縮機は冷却シ
ステム以外の用途にも用いることができる。また、往復
動型斜板式可変容量圧縮機を用いて説明したが、可変容
量式のものに限らず固定式の圧縮機にも適用可能できる
し、斜板式に限らずウェーブプレートを用いた往復動型
揺動式または回転式のスクロール圧縮機やロータリー圧
縮機についても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の圧縮機の全体を示す断面図。
【図2】第1実施形態の吐出弁装置を示す図であって、
分図aは正面図、分図bは分図a中のSA−SA断面
図。
【図3】第1実施形態のシリンダブロックの後端面を示
す図。
【図4】第1実施形態の吸入弁板を示す図。
【図5】図3中SB−SB断面図。
【図6】図2の吐出弁装置による圧縮吐出行程を示す
図。
【図7】図2の吐出弁装置による圧縮吐出行程を示す
図。
【図8】図2の吐出弁装置による圧縮出行程を示す図。
【図9】第1実施形態の吐出弁装置を用いた場合のシリ
ンダボア内の圧力変化を示す図。
【図10】第2実施形態の吐出弁装置を示す図であっ
て、分図aは正面図、分図bは分図a中のSC−SC断
面図。
【図11】第2実施形態の吐出弁装置の他の例を示す
図。
【図12】第3実施形態の吐出弁装置を示す図であっ
て、分図aは正面図、分図bは分図a中のSD−SD断
面図。
【図13】第4実施形態の圧縮機の要部(吸入脈動減衰
機構)を示す図である。
【図14】第4実施形態の圧縮機に用いる第1吸入弁板
を示す図。
【図15】第4実施形態の圧縮機に用いる第2吸入弁板
を示す図。
【図16】第1吸入弁板(図14)および第2吸入弁板
(図15)の開限位置を示す図。
【符号の説明】
2 シリンダブロック 3 シリンダボア 6 リアハウジング 7 吸入室 8 吐出室 9 バルブプレート 9d 吐出孔 18 ピストン 24 第1吐出弁板 24h 孔部 24v 弁部 25 第2吐出弁板 28 吐出弁装置 34 第1吐出弁板 35 第2吐出弁板 38 吐出弁装置 48 吐出弁装置 90 バルブプレート 91d 第1吐出孔 92d 第2吐出孔 93 バルブプレート 94d 第1吐出孔 95d 第2吐出孔 96 吐出弁板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04B 27/08 R

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダボア(3)と吐出室(8)とを
    連通する吐出孔(9d)を有するバルブプレート(9)
    と、前記吐出孔(9d)を開閉する弁部(24v)およ
    び該弁部(24v)に穿設された孔部(24h)を有す
    る第1吐出弁板(24)と、該第1吐出弁板(24)よ
    りも低圧で前記孔部(24)を開閉する第2吐出弁板
    (25)と、を積層して設けたことを特徴とする吐出弁
    装置(28)。
  2. 【請求項2】 シリンダボア(3)と吐出室(8)と連
    通する第1吐出孔(91d)および第2吐出孔(92
    d)を各シリンダボア(3)ごとに有するバルブプレー
    ト(90)と、前記第1吐出孔(91d)を開閉する第
    1吐出弁板(34)と、該第1吐出弁板(34)よりも
    低圧で前記第2吐出孔(92d)を開閉する第2吐出弁
    板(35)と、を積層して設けたことを特徴とする吐出
    弁装置(38)。
  3. 【請求項3】 シリンダボア(3)と吐出室(8)とを
    連通する第1吐出孔(94d)および第2吐出孔(95
    d)を各シリンダボア(3)ごとに有するバルブプレー
    ト(93)と、前記第1吐出孔(94d)を基端側で閉
    じるとともに第2吐出弁孔(95d)を先端側で閉じ、
    第1吐出孔(94d)よりも低圧で第2吐出孔(95
    d)を開弁する吐出弁板(96)と、を積層して設けた
    ことを特徴とする吐出弁装置(48)。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の吐出弁装置(28,
    38,48)を、ピストン(18)を収容するシリンダ
    ボア(3)を有するシリンダブロック(2)の後端面
    と、吸入室(7)および吐出室(8)を形成するリアハ
    ウジング(6)の前端面と、の間に介装して、シリンダ
    ボア(3)内でピストン(18)により圧縮された冷媒
    を前記吐出弁装置(28,38,48)を介して吐出す
    ることを特徴とする圧縮機。
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