JP2007022129A - ブレーキ制御装置およびその電磁弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ブレーキ液が流通する流路中に配置されるブレーキ制御装置用電磁弁において、副流路の流量を確保しつつ、副弁体が作動する際の音を抑制するとともに装置の大型化を抑制する。
【解決手段】 主流路203aをバイパスする副流路203d、203e、および副流路203d、203eにおけるブレーキ液の一方向への流れのみを許容する副弁体205、206を、複数設ける。これによると、各副流路203d、203eの通路面積を大きくすることなく、全体としては副流路の流量を十分に確保することができる。これに伴い、副弁体205、206の大型化を回避できるため、副弁体205、206が弁座203f、203gに衝突して発生する衝突音の増加を抑制することができ、電磁弁とブレーキ制御装置の大型化も抑制することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 主流路203aをバイパスする副流路203d、203e、および副流路203d、203eにおけるブレーキ液の一方向への流れのみを許容する副弁体205、206を、複数設ける。これによると、各副流路203d、203eの通路面積を大きくすることなく、全体としては副流路の流量を十分に確保することができる。これに伴い、副弁体205、206の大型化を回避できるため、副弁体205、206が弁座203f、203gに衝突して発生する衝突音の増加を抑制することができ、電磁弁とブレーキ制御装置の大型化も抑制することができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ブレーキ液が流通する流路を開閉する電磁弁、およびその電磁弁を用いたブレーキ制御装置に関するものである。
従来のブレーキ制御装置に用いられている電磁弁は、ブレーキ液が流通する流路の一部をなす主流路がシートに形成され、主流路をバイパスして流路に接続される副流路がシートに形成されている。また、コイルの吸引力によって駆動される主弁体が主流路を開閉し、圧力差により作動する球状の副弁体が副流路を開閉するようになっている(例えば、特許文献1参照)。さらに、ブレーキ液圧の制御性を確保するために、一般的には主流路中にオリフィスが設けられている。
そして、この電磁弁が、ホイールシリンダのブレーキ液圧を増圧または保持するための増圧制御弁として用いられる場合は、通常ブレーキ時にドライバーがブレーキペダルを離したときに副弁体が副流路を開き、ブレーキ液の戻り遅れによるブレーキ引きずりを防止する機能を持っている。
また、この電磁弁が、例えばブレーキアシスト時にマスタシリンダ側ブレーキ液圧とホイールシリンダ側ブレーキ液圧との差圧を制御する差圧制御弁として用いられる場合は、ドライバーがブレーキペダルを踏んだときに副弁体が副流路を開き、ブレーキ液の送り遅れによるブレーキ効き遅れを防止する機能を持っている。
つまり、副流路の最大流量が通常ブレーキの性能に大きく影響するため、副流路の通路面積を大きくすることが望まれている。
特表2003−503260号公報
しかしながら、副流路の通路面積を大きくした場合、副弁体も大きく且つ重くなってしまうという問題がある。また、副弁体が閉弁作動する際に副弁体がシートの弁座に衝突して発生する衝突音が大きくなってしまうという問題が発生する。
また、副流路の通路面積を大きくした場合、副弁体が開弁または閉弁作動した際の圧力変動が大きくなって大きな脈動が発生し、脈動による騒音も大きくなってしまうという問題がある。また、副弁体を大きくした分、電磁弁の体格が大きくなってしまう。
本発明は上記点に鑑みて、副流路の流量を確保しつつ、副弁体が作動する際の音を抑制することを第1の目的とし、電磁弁の体格を従来以下に抑えることを第2の目的とする。
本発明は、ブレーキ液が流通する流路(A1〜A3)中に配置されるブレーキ制御装置用電磁弁であって、主流路(203a)をバイパスする複数の副流路(203d、203e、216)と、副流路(203d、203e、216)におけるブレーキ液の一方向への流れのみを許容する複数の副弁体(205、206、217)とを備えることを第1の特徴とする。
これによると、副流路を複数にしているため、各副流路の通路面積を大きくすることなく、全体としては副流路の流量を十分に確保することができる。これに伴い、副弁体の大型化を回避できるため、副弁体がシートの弁座に衝突して発生する衝突音の増加を抑制することができる。また、電磁弁全体の大型化も抑制できる。
本発明は、複数の副弁体(205、206、217)が時間差をもって閉弁するように構成されていることを第2の特徴とする。
これによると、複数の副弁体が時間差をもって閉弁するため、複数の副弁体が同時に閉弁する場合よりも脈動が小さくなり、したがって、脈動による騒音の増加を抑制することができる。
本発明は、副弁体(205、206)は圧力差により移動する弁体であり、さらに、副弁体(205、206)の開弁時位置から閉弁時位置までの距離が、複数の副弁体(205、206)毎にそれぞれ異なっていることを第3の特徴とする。
このように、開弁時位置から閉弁時位置までの距離を異ならせることにより、複数の副弁体を時間差をもって閉弁させることができる。
本発明は、ハウジング(3a)の流路(A3)が凹部(3b)に開口する位置(A30)から複数の副弁体(205、206)までの各距離がそれぞれ異なっていることを第4の特徴とする。
これによると、ハウジングの流路が凹部に開口する位置から各副弁体に圧力が伝達されるまでの時間が異なってくるため、複数の副弁体を時間差をもって閉弁させることができる。
本発明は、複数の副弁体(205、206、217)のうち少なくとも一つは、圧力差により移動する弁体であり、複数の副弁体(205、206、217)のうち少なくとも一つは、圧力差により変形するゴム製の弁体であることを第5の特徴とする。
このように、作動メカニズムが異なる弁体を組み合わせて用いることにより、複数の副弁体が時間差をもって閉弁する構成を、容易に実現することができる。また、少なくとも一つの副弁体はゴム製であるため、閉弁時の音の増加を一層抑制することができる。
本発明は、複数の副弁体(205、206、217)が時間差をもって開弁するように構成されていることを第6の特徴とする。
これによると、複数の副弁体が時間差をもって開弁するため、複数の副弁体が同時に開弁する場合よりも脈動が小さくなり、したがって、脈動による騒音の増加を抑制することができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る電磁弁を用いた車両用ブレーキ制御装置の構成を示す図、図2は図1の増圧制御弁を液圧制御用アクチュエータのハウジングに組み付けた状態を示す断面図である。
本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る電磁弁を用いた車両用ブレーキ制御装置の構成を示す図、図2は図1の増圧制御弁を液圧制御用アクチュエータのハウジングに組み付けた状態を示す断面図である。
図1に示すように、マスタシリンダ(以下、M/Cという)1とホイールシリンダ(以下、W/Cという)2との間に、ブレーキ液圧を制御する液圧制御用アクチュエータ3が配設されている。
そして、M/C1と液圧制御用アクチュエータ3とを接続する流路A1、W/C2と液圧制御用アクチュエータ3とを接続する流路A2、および液圧制御用アクチュエータ3内に形成された流路A3を介して、M/C1とW/C2との間でブレーキ液が流動できるようになっている。
液圧制御用アクチュエータ3内の流路A3には、連通状態と差圧状態を制御できる電磁弁で構成された差圧制御弁10が配置されている。この差圧制御弁10は、通常ブレーキ状態ではソレノイドコイルに電力供給が成されず、連通状態となる。また、差圧制御弁10は、ソレノイドコイルに電力供給が成されると、電磁力により弁体が閉弁向きに付勢されてリリーフ弁的に機能し、差圧状態になる。差圧制御弁10で形成される差圧値は、ソレノイドコイルに流す電流の電流値に応じたものとなり、電流値が大きいほど大きな差圧値となる。
この差圧制御弁10の差圧状態では、W/C2側のブレーキ液圧(以下、W/C圧という)がM/C1側のブレーキ液圧(以下、M/C圧という)よりも所定以上高くなった際にのみ、W/C2側からM/C1側へのみブレーキ液の流動が許可される。このため、常時W/C圧がM/C1圧よりも所定圧力以上高くならないように維持される。
また、差圧制御弁10には、M/C1側からW/C2側へのブレーキ液の流動のみを許容する逆止弁10aが、流路A3に対して並列に配設されている。この逆止弁10aは、ドライバによりブレーキペダル4が踏み込まれた場合に、M/C圧をW/C2に伝達可能とするために設けられている。
流路A3において、差圧制御弁10よりもW/C2側には、W/C2へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁20が配設されている。増圧制御弁20は、連通・遮断状態を制御できる2位置弁あるいは差圧制御弁10と同様なリニア制御弁として構成されている。そして、増圧制御弁20が連通状態に制御されているときには、M/C圧あるいは後述するポンプ50からのブレーキ液の吐出によるブレーキ液圧をW/C2に加えることができる。
この増圧制御弁20には、W/C2側からM/C1側へのブレーキ液の流動のみを許容する逆止弁20aが、流路A3に対して並列に配設されている。この逆止弁20aは、ドライバによりブレーキペダル4が戻された場合において、この戻し操作に対応してW/C圧を減圧する補助として設けられている。この増圧制御弁20は、本発明の電磁弁に相当するものであり、その詳細については後述する。
なお、ドライバが行うブレーキペダル4の操作による通常のブレーキ時においては、差圧制御弁10及び増圧制御弁20は、常時連通状態である。
流路A3は、増圧制御弁20よりもW/C2側において、ブレーキ液を一時的に貯留するためのリザーバ30につながる逃がし流路Bが分岐されている。この逃がし流路Bには減圧制御弁40が配設されており、この減圧制御弁40によって逃がし流路Bの連通・遮断状態を制御できるようになっている。この減圧制御弁40は、通常ブレーキ時には遮断状態とされており、ABS制御中の減圧タイミング時に連通状態にされて流路A3内のブレーキ液をリザーバ30に逃がし、W/C圧の減圧を行うように作動する。
流路A3のうち増圧制御弁20よりもM/C1側とリザーバ30との間が、還流流路Cによって接続されている。この還流流路Cには電動式のポンプ50が配設されており、このポンプ50は、リザーバ30から吸入したブレーキ液をW/C2側に向けて吐出する。
ポンプ50の吐出口側には、ポンプ50に対して高圧なブレーキ液が加えられないように、逆止弁60が配設されている。また、ポンプ50が吐出したブレーキ液の脈動を緩和するために、還流流路Cのうちポンプ50の吐出側には固定容量ダンパ70が配設されている。
流路A3のうち差圧制御弁10よりもM/C1側とリザーバ30との間が、吸入流路Dによって接続されている。この吸入流路Dを通じ、ポンプ50にてM/C1からブレーキ液を吸入し、流路A3に吐出することにより、TCS制御時などにおいて、W/C2側にブレーキ液を供給し、対象となる車輪のW/C圧を増加させることができる。
リザーバ30は、所定量のブレーキ液が貯留されると、ボール弁31が弁座32に着座してリザーバ30内にブレーキ液が流入しないようになっている。このため、ポンプ50の吸入能力より多くのブレーキ液がリザーバ室33内に流動することがなく、ポンプ50の吸入側に高圧が印加されないようになっている。
また、車両用ブレーキ制御装置は、ブレーキECU(図示せず)を備えている。このブレーキECUからの電気信号に基づいて、液圧制御用アクチュエータ3における各制御弁10、20、40及びポンプ50への電圧印加制御が実行されるよう。これにより、各W/C2に発生させられるW/C圧の制御が行われる。
例えば、ABS制御時などにおいて、液圧制御用アクチュエータ3では、ブレーキECUから各制御弁10、20、40のコイル及びポンプ50のモータに対して制御電圧が印加されると、その印加電圧に応じて液圧制御用アクチュエータ3内の各制御弁10、20、40が駆動され、ブレーキ配管の経路が設定される。そして、設定されたブレーキ配管の経路に応じたブレーキ液圧がW/C2に発生させられ、各車輪に発生させられる制動力が制御される。
また、この液圧制御用アクチュエータ3は、ドライバがブレーキペダル4を操作していない非制動時に、差圧制御弁10を差圧状態にした状態でポンプ50のモータに電圧を加え、M/C1内のブレーキ液をポンプ50で吸入吐出させることで、各W/C2を自動加圧できるようになっている。このとき、駆動輪と対応する増圧制御弁20に関しては通電を行わずに連通状態としておき、従動輪と対応する増圧制御弁20に関しては通電を行って遮断状態とすれば、駆動輪に対してのみ制動力を発生させることが可能となる。
次に、増圧制御弁20について説明する。図2に示すように、液圧制御用アクチュエータ3は、アルミニウム合金製のハウジング3aを備え、このハウジング3aには、増圧制御弁20が挿入される段付円柱状の凹部3bが形成されている。この凹部3bには、ハウジング3aに形成された流路A3が接続されている。
増圧制御弁20は、磁性体にて形成された段付円筒状のガイド201を備えている。このガイド201は、一端側がハウジング3aの凹部3b内に挿入され、他端はハウジング3aの外に突出している。そして、凹部3bの開口端部をかしめることにより、ガイド201がハウジング3aに固定されている。
ガイド201には、シャフト202を摺動自在に保持するガイド穴201a、シート203が圧入されるシート挿入穴201b、さらには、シート203とシート挿入穴201bとで囲まれた空間201cをW/C2側の流路A3に連通させる連通穴201dが形成されている。
円柱状のシャフト202は、非磁性体金属(例えばステンレス)で形成され、シート203側の端部がガイド201のガイド穴201aから突き出て空間201cに延びており、その先端には金属製の球状の主弁体204が溶接されている。
金属製の円筒状のシート203には、ガイド201内の空間201cとM/C1側の流路A3とを連通させる主流路203aが、その径方向中心部に形成されている。この主流路203aにおける空間201c側の端部に、主弁体204が接離するテーパ状の主弁座203bが形成され、主流路203aの途中には、主流路203aよりも通路面積が小さいオリフィス203cが形成されている。
また、シート203における径方向中心からずれた位置には、ガイド201内の空間201cとM/C1側の流路A3とを連通させる第1副流路203dおよび第2副流路203eが、主流路203aに対して並列に形成されている。換言すると、第1、第2副流路203d、203eは、主流路203aをバイパスして、M/C1側の流路A3とW/C2側の流路A3に接続されている。第1、第2副流路203d、203eの合計通路面積は、オリフィス203cの通路面積よりも十分大きく設定されている。
この第1、第2副流路203d、203eの途中に、テーパ状の第1、第2副弁座203f、203gが形成されている。第1、第2副流路203d、203e内において、第1、第2副弁座203f、203gよりも、M/C1側の流路A3に近い側に、金属製の球状の第1、第2副弁体205、206が移動可能に挿入されている。そして、第1、第2副弁体205、206は、圧力差によって移動して第1、第2副弁座203f、203gと接離することにより、第1、第2副流路203d、203eを開閉する。なお、第1、第2副弁体205、206は、図1中の逆止弁20aに相当する。
ガイド201におけるシート挿入穴201bの開口端部側には、異物流入防止用のフィルタ207が挿入されるとともに、フィルタ207の抜け止めのために金属製のリング208が圧入されている。そして、フィルタ207によって、第1、第2副弁体205、206の開弁時の位置が決定されるようになっている。
第1副弁座203fと第2副弁座203gは、シート軸方向の位置が異なっており、第1副弁体205の開弁時におけるシート軸方向の位置と第2副弁体206の開弁時におけるシート軸方向の位置は等しくなっている。これにより、第1副弁体205の開弁時位置から閉弁時位置までの距離(ストローク)は、第2副弁体206の開弁時位置から閉弁時位置までの距離よりも短くなっている。
また、ガイド201の外周にも、連通穴201dを囲むようにして、異物流入防止用のフィルタ209が配置されている。
ガイド201の他端の外周側にはスリーブ210が嵌入されており、このスリーブ210は、非磁性体金属(例えばステンレス)で形成され、一端が開口したコップ形状を成しており、コップ底面が略球形状を成している。
そして、スリーブ210の底面側に磁性体製の略円柱状のプランジャ211が配置され、このプランジャ211はスリーブ210内を摺動可能になっている。なお、プランジャ211がスリーブ210の底面に接することにより、プランジャ211の紙面上向きへの摺動が規制される。
シャフト202は、シャフト202とシート203との間に配置されたスプリング212によってプランジャ211側に付勢されており、シャフト202とプランジャ211は常時当接して一体的に作動する。
スリーブ210の周囲には、通電時に磁界を形成するコイル213が収納された樹脂製の円筒状のスプール214が配置されている。スプール214の外周には磁性体製のヨーク215が配置されている。
上記構成になる増圧制御弁20は、非通電時においては、スプリング212によりシャフト202およびプランジャ211がスリーブ210の底面側に向かって付勢され、プランジャ211がスリーブ210の底面に接している。そして、シャフト202の主弁体204がシート203の主弁座203bから離れた状態となり、M/C1側の流路A3とW/C2側の流路A3間は、シート203の主流路203a、ガイド201内の空間201c、およびガイド201の連通穴201dを介して連通状態となる。
この状態でブレーキペダル4が踏み込まれると、M/C1側とW/C2側との圧力差により第1、第2副弁体205、206がシート203の第1、第2副弁座203f、203g側に向かって移動され、第1、第2副弁体205、206が第1、第2副弁座203f、203gに当接して、シート203の第1、第2副流路203d、203eが閉じられる。したがって、ブレーキペダル4が踏み込まれた際には、シート203の主流路203aのみを介してM/C1側からW/C2側へブレーキ液が流動される。
ここで、本実施形態のように副流路を複数にした場合、副流路が1つの場合よりも各副流路203d、203eの通路面積を小さくすることができ、ひいては、各副弁体205、206の大型化を回避することができる。このため、第1、第2副弁体205、206が第1、第2副弁座203f、203gに衝突して発生する衝突音の増加を抑制することができる。また、電磁弁とブレーキ制御装置の大型化を抑制することができる。
また、第1副弁体205の開弁時位置から閉弁時位置までの距離と、第2副弁体206の開弁時位置から閉弁時位置までの距離が、異なっているため、第1副弁体205と第2副弁体206は時間差をもって閉弁する。このように、第1副弁体205と第2副弁体206が時間差をもって閉弁する場合、第1副弁体205と第2副弁体206が同時に閉弁する場合よりも圧力脈動が小さくなり、したがって、脈動による騒音の増加を抑制することができる。
一方、ブレーキペダル4の踏み込みが中止されると、第1、第2副弁体205、206は、M/C1側とW/C2側との圧力差により移動して、シート203の第1、第2副弁座203f、203gから離れた状態となり、M/C1側の流路A3とW/C2側の流路A3間は、シート203の第1、第2副流路203d、203e、ガイド201内の空間201c、およびガイド201の連通穴201dを介して連通状態となる。
したがって、ブレーキペダル4の踏み込みが中止された際には、シート203の主流路203aおよび第1、第2副流路203d、203eを介して、W/C2側からM/C1側へブレーキ液が速やかに戻される。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図3は第2実施形態に係る増圧制御弁を液圧制御用アクチュエータのハウジングに組み付けた状態を示す断面図である。本実施形態は、複数の副弁体を時間差をもって閉弁させるための構成が、第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態について説明する。図3は第2実施形態に係る増圧制御弁を液圧制御用アクチュエータのハウジングに組み付けた状態を示す断面図である。本実施形態は、複数の副弁体を時間差をもって閉弁させるための構成が、第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3に示すように、第1副弁座203fと第2副弁座203gは、シート軸方向の位置が等しくなっている。また、第1副弁体205の開弁時におけるシート軸方向の位置と第2副弁体206の開弁時におけるシート軸方向の位置も等しくなっている。したがって、第1副弁体205の開弁時位置から閉弁時位置までの距離と、第2副弁体206の開弁時位置から閉弁時位置までの距離も等しくなっている。
液圧制御用アクチュエータ3のハウジング3aに形成されたM/C1側の流路A3は、ハウジング3aに形成された段付円柱状の凹部3bにおける側壁面に開口されている。また、増圧制御弁20をその軸方向から見た状態では、M/C1側の流路A3における凹部3b側の開口端部A30と、第1、第2副弁体205、206は、直線状に配置されている。
したがって、M/C1側の流路A3の開口端部A30から第1副弁体205の開弁時位置までの圧力伝達経路の距離と、M/C1側の流路A3の開口端部A30から第2副弁体206の開弁時位置までの圧力伝達経路の距離は、異なっている。
このように、圧力伝達経路の距離を異ならせることにより、ブレーキペダル4が踏み込まれた際に、第1、第2副弁体205、206まで圧力波が到達するのに時間差が発生し、第1、第2副弁体205、206は時間差をもって閉弁する。したがって、第1、第2副弁体205、206が閉弁する際の圧力脈動が小さくなり、脈動による騒音の増加が抑制される。
同様に、W/C2側の流路A3の開口端部A31から第1副弁体205の閉弁時位置までの圧力伝達経路の距離と、W/C2側の流路A3の開口端部A31から第2副弁体206の閉弁時位置までの圧力伝達経路の距離も、異なっている。したがって、ブレーキペダル4の踏み込みが中止された際に第1、第2副弁体205、206は時間差をもって開弁し、第1、第2副弁体205、206が開弁する際の圧力脈動が小さくなり、脈動による騒音の増加が抑制される。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図4は第3実施形態に係る増圧制御弁を液圧制御用アクチュエータのハウジングに組み付けた状態を示す断面図である。本実施形態は、第1実施形態における球状の第2副弁体206を、環状の弁体217に変更したものである。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本発明の第3実施形態について説明する。図4は第3実施形態に係る増圧制御弁を液圧制御用アクチュエータのハウジングに組み付けた状態を示す断面図である。本実施形態は、第1実施形態における球状の第2副弁体206を、環状の弁体217に変更したものである。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図4に示すように、液圧制御用アクチュエータ3のハウジング3aに形成された凹部3bの側壁面と、シート203の外周面との間には、M/C1側の流路A3とW/C2側の流路A3間を連通させる第2副流路216が形成されている。
シート203の外周面に形成された環状の溝203hに、環状の第2弁体217が挿入されている。第2弁体217は、エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム(EPDM)等のゴムからなり、容易に変形可能になっている。
第2弁体217は、円筒状の筒部217aと、筒部217aの軸方向端部から外方に向かって傘状に拡がるリップ部217bとを備えている。そして、筒部217aはシート203に常時密着し、リップ部217bは圧力差に応じて変形することにより、凹部3bの側壁面に接離して第2副流路216を開閉する。
上記構成において、ブレーキペダル4が踏み込まれると、M/C1側の圧力がW/C2側の圧力よりも高いため、その圧力差により第2弁体217のリップ部217bが外方に拡げられて凹部3bの側壁面に当接し、第2副流路216が閉じられる。また、M/C1側とW/C2側との圧力差により、第1副弁体205が移動して第1副弁座203fに当接し、第1副流路203dが閉じられる。したがって、ブレーキペダル4が踏み込まれた際には、シート203の主流路203aのみを介してM/C1側からW/C2側へブレーキ液が流動される。
本実施形態のように、作動メカニズムが異なる弁体、すなわち、圧力差により移動して開閉作動する第1副弁体205と、圧力差により変形して開閉作動する第2弁体217とを組み合わせて用いることにより、第1、第2副弁体205、217が時間差をもって閉弁する構成を、容易に実現することができる。また、第2副弁体217はゴム製であるため、閉弁時の音の増加が一層抑制される。
一方、ブレーキペダル4の踏み込みが中止された際には、M/C1側とW/C2側の圧力差により第2弁体217のリップ部217bが内方に変形されて凹部3bの側壁面から離れ、第2副流路216が開かれる。また、M/C1側とW/C2側との圧力差により、第1副弁体205が移動して第1副弁座203fから離れ、第1副流路203dが開かれる。したがって、ブレーキペダル4の踏み込みが中止された際には、シート203の主流路203aおよび第1、第2副流路203d、216を介して、W/C2側からM/C1側へブレーキ液が速やかに戻される。
(他の実施形態)
上記各実施形態における第1副弁体205、および第1、第2実施形態における第2副弁体206は金属製であったが、それらの副弁体205、206は、ポリアリルエーテルケトン(PEEK(登録商標))等の熱可塑性樹脂にて形成してもよい。
上記各実施形態における第1副弁体205、および第1、第2実施形態における第2副弁体206は金属製であったが、それらの副弁体205、206は、ポリアリルエーテルケトン(PEEK(登録商標))等の熱可塑性樹脂にて形成してもよい。
上記各実施形態では、副弁体を2つ設けたが、副弁体を3つ以上設けてもよい。
また、上記各実施形態では、増圧制御弁20に副弁体を複数個設けたが、差圧制御弁10に副弁体を複数個設けてもよい。
さらに、差圧制御弁10のみに副弁体を複数個設けてもよいし、差圧制御弁10および増圧制御弁20の両方に、それぞれ副弁体を複数個設けてもよい。
203…シート、203a…主流路、203d、203e、216…副流路、204…主弁体、205、206、217…副弁体、A1〜A3…流路。
Claims (7)
- ブレーキ液が流通する流路(A1〜A3)中に配置されるブレーキ制御装置用電磁弁であって、
前記流路(A1〜A3)の一部をなす主流路(203a)が形成されたシート(203)と、
前記シート(203)に接離して前記主流路(203a)を開閉する主弁体(204)と、
前記主流路(203a)をバイパスして前記流路(A1〜A3)に接続された複数の副流路(203d、203e、216)と、
圧力差により作動して前記副流路(203d、203e、216)を開閉し、前記副流路(203d、203e、216)におけるブレーキ液の一方向への流れのみを許容する複数の副弁体(205、206、217)とを備えることを特徴とするブレーキ制御装置用電磁弁。 - 前記複数の副弁体(205、206、217)が時間差をもって閉弁するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置用電磁弁。
- 前記複数の副流路(203d、203e)は前記シート(203)に形成され、
前記副弁体(205、206)は、圧力差により移動する弁体であり、
さらに、前記副弁体(205、206)の開弁時位置から閉弁時位置までの距離が、前記複数の副弁体(205、206)毎にそれぞれ異なっていることを特徴とする請求項2に記載のブレーキ制御装置用電磁弁。 - ブレーキ液が流通する流路(A3)を有するハウジング(3a)の凹部(3b)に挿入して用いられるブレーキ制御装置用電磁弁であって、
前記副弁体(205、206)は、圧力差により移動する弁体であり、
前記ハウジング(3a)の流路(A3)が前記凹部(3b)に開口する位置(A30)から前記複数の副弁体(205、206)までの各距離がそれぞれ異なっていることを特徴とする請求項2に記載のブレーキ制御装置用電磁弁。 - 前記複数の副弁体(205、206、217)のうち少なくとも一つは、圧力差により移動する弁体であり、
前記複数の副弁体(205、206、217)のうち少なくとも一つは、圧力差により変形するゴム製の弁体であることを特徴とする請求項2に記載のブレーキ制御装置用電磁弁。 - 前記複数の副弁体(205、206、217)が時間差をもって開弁するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置用電磁弁。
- 車両のマスタシリンダ(1)とホイールシリンダ(2)とを結ぶブレーキ液の流路(A1〜A3)中に、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の電磁弁(10、20)が2つ以上直列に配置されていることを特徴とするブレーキ制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008151904A1 (de) * | 2007-06-13 | 2008-12-18 | Robert Bosch Gmbh | Magnetventil |
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-
2005
- 2005-07-12 JP JP2005202989A patent/JP2007022129A/ja active Pending
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