JP2005307117A - スラッギング防止用燃料添加剤及び燃料の燃焼方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 各種燃料、特に石炭、都市ごみ、各種廃棄物、オイルコークス等に代表される灰分含有量の多い燃料の燃焼の際に燃料中の灰分に起因するスラッギングを防止する燃料添加剤及びそれを用いた燃料の燃焼方法を提案する。
【解決手段】 高温焼成で膨張する性質を有す膨張性鉱物の一種又は二種以上を、液体燃料油又は固体燃料中に添加して燃焼させる。
【選択図】 なし
【解決手段】 高温焼成で膨張する性質を有す膨張性鉱物の一種又は二種以上を、液体燃料油又は固体燃料中に添加して燃焼させる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、各種燃料、特に石炭、都市ごみ、各種廃棄物、オイルコークス等に代表される灰分含有量の多い燃料の燃焼の際に燃料中の灰分に起因するスラッギングを防止することができるスラッギング防止用燃料添加剤及び燃料の燃焼方法に関する。
石炭やオイルコース、副生油等を燃料とするボイラ、回収ボイラ、各種加熱炉及び都市ごみや廃プラスチック、廃タイヤ、ペーパースラッジ、各種廃棄物等を燃焼させる焼却炉、キルン、廃熱回収ボイラ等の施設において、燃料及び廃棄物中の灰分に起因するクリンカーが生じ易く、またこれらの成長により、スラッギング(閉塞現象)を起こすことが知られている。
これらの障害を防止する対処法として、ボイラ等において水管の間隔を広げたり、スートブローを多数設置する方策が採られているが、それでも燃料の粗悪化や燃焼変動、負荷の変動等により、燃料等の灰分の含有量や生成した灰分の融点等によっては1ヶ月程度しか連続操業できない場合もあった。即ちスラッギングが生じてしまうため、操業を停止して炉内を冷却してクリンカーを剥離脱落する作業が必要であった。
また、これらの障害に対して、特許文献1、特許文献2等に記載されているように、従来より水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ドロマイト等のアルカリ土類金属化合物やmFeO・nFe2O3(m,nは0以上の数)で示されるFe化合物を水又は油に分散させた燃料添加剤を燃料中に添加するか、燃焼ガス中に注入することによりスラッギングを抑制しようとする試みも検討されている。
特開昭61−250416号公報
特開昭62−77508号公報
前記従来の燃料添加剤は、比較的灰分含有量の少ない燃料に対しては効果的に作用してスラッギングを抑制することができる。即ち灰の融点上昇、灰の軟質化、灰の黒色化等により、水管付着灰の性質を変えることにより、スラッギングを防止する。
しかしながら、石炭に代表される灰分含有量の多い燃料や、特に燃焼灰の融点の低い例えばプリマ炭等では、これらを燃焼させた場合に生ずる水管付着灰が多量であり、時には粘着性のクリンカーとして水管及び水管壁に強固に付着し、さらに飛散灰を吸収して巨大なクリンカーを成長し易く、前記従来の燃料添加剤ではたとえ多量に添加してもスラッギングを抑制することが困難であった。そして、現段階では、このような多量の灰分含有量の燃料を燃焼する際に生ずるスラッギングを有効に防止する手段は見出されていない。
しかしながら、石炭に代表される灰分含有量の多い燃料や、特に燃焼灰の融点の低い例えばプリマ炭等では、これらを燃焼させた場合に生ずる水管付着灰が多量であり、時には粘着性のクリンカーとして水管及び水管壁に強固に付着し、さらに飛散灰を吸収して巨大なクリンカーを成長し易く、前記従来の燃料添加剤ではたとえ多量に添加してもスラッギングを抑制することが困難であった。そして、現段階では、このような多量の灰分含有量の燃料を燃焼する際に生ずるスラッギングを有効に防止する手段は見出されていない。
本発明は、上記に鑑み鋭意研究の末得られたものであり、高温焼成で膨張する性質を有する膨張性鉱物の一種又は二種以上よりなることを特徴とするスラッギング防止用燃料添加剤に関するものである。
このスラッギング防止用燃料添加剤は、上記膨張性鉱物を粉末化した粉末状でもよいし、上記膨張性鉱物を微粉末化した微粉末を水及び/又は油に分散させたスラリー状としてもよい。
このスラッギング防止用燃料添加剤は、上記膨張性鉱物を粉末化した粉末状でもよいし、上記膨張性鉱物を微粉末化した微粉末を水及び/又は油に分散させたスラリー状としてもよい。
前記スラッギング防止用燃料添加剤において、スラリー状とする態様では、前記膨張性鉱物の一種又は二種以上よりなる微粉末60重量%以下、界面活性剤10重量%以下、残部が水及び/又は油に分散させた組成物よりなることが望ましい。
また、前記膨張性鉱物は、蛭石(バーミキュライト)、膨張頁岩(膨張製品は人工軽量骨材と呼ばれる)、黒曜石、真珠岩、松脂岩(いずれも膨張製品はパーライトと呼ばれる)等を代表とする原石粉末及び/又は焼成後の膨張粉末であることが望ましい。
さらに、粒径3〜200nmの超微粒子状のSi化合物、Al化合物の一種又は二種を酸化物(SiO2、Al2O3)濃度として30重量%以下含有することが望ましい。
また、粒径10μm以下のMg化合物、Fe化合物、Ca化合物、Si化合物、Al化合物、Zr化合物の一種又は二種以上を酸化物(MgO、Fe2O3、CaO、SiO2、Al2O3、ZrO2)濃度として30重量%以下含有することが望ましい。
尚、ここでいう粒径とは平均一次粒径を意味し、以後、単に粒径と記す。
また、前記膨張性鉱物は、蛭石(バーミキュライト)、膨張頁岩(膨張製品は人工軽量骨材と呼ばれる)、黒曜石、真珠岩、松脂岩(いずれも膨張製品はパーライトと呼ばれる)等を代表とする原石粉末及び/又は焼成後の膨張粉末であることが望ましい。
さらに、粒径3〜200nmの超微粒子状のSi化合物、Al化合物の一種又は二種を酸化物(SiO2、Al2O3)濃度として30重量%以下含有することが望ましい。
また、粒径10μm以下のMg化合物、Fe化合物、Ca化合物、Si化合物、Al化合物、Zr化合物の一種又は二種以上を酸化物(MgO、Fe2O3、CaO、SiO2、Al2O3、ZrO2)濃度として30重量%以下含有することが望ましい。
尚、ここでいう粒径とは平均一次粒径を意味し、以後、単に粒径と記す。
また、本発明は、前記燃料添加剤を液体燃料油又は固体燃料中に添加して燃焼させるか、直接燃焼雰囲気中に添加して燃焼させることを特徴とする燃料の燃焼方法をも提案するものである。
前記燃焼方法において、燃料中に含まれている灰分に起因する1時間当りの燃焼時の飛散スケール(灰分)量100重量部に対して、1日分の燃料添加剤中の灰分として1〜40重量部を1日1〜5回、短時間に間欠多量投入することにより、より効果的に燃料中の灰分に起因する障害を防止するようにしてもよい。
即ち本発明者らは、高温で膨張する性質を有す特定の組成の燃料添加剤を用いて液体燃料油又は固体燃料を燃焼させることにより、生成灰の強度を低下させてスートブロー等で容易に掻き落とせるようにできることを見いだした。さらに、従来では行われたことのない短時間に集中的に多量添加する燃焼方法との組み合わせにより、石炭等の灰分含有量が多く、生成灰の融点の低い灰分を含有するような燃料を燃焼させる際に生ずるスラッギング等の障害を防止することに成功したのである。
本発明のスラッギング防止用燃料添加剤及び燃料の燃焼方法は、各種燃料、特に石炭焚きボイラ及び各種廃棄物焼却炉を代表とする無機成分(灰分)含有量の多い燃料の燃焼において、燃料中の灰分に起因するスラッギング障害を、生成するクリンカーの性状を多孔性にして圧潰強度を低下させることができ、強固な水管付着灰や巨大なクリンカーをスートブロー等にて容易に剥離、脱落させ、伝熱面に対する熱吸収率を向上させることができる。また、高温腐食、低温腐食を低減させ、未燃カーボン、SO3、NOXの生成を抑制させ、ボイラ等の運転を長期的に安定操業させることができる。
また、本発明の燃料の燃焼方法は、特に前記燃料添加剤を間欠多量添加した際には、より少ない使用量でより大きな効果を発揮させることができ、付着灰を水管表面や水管炉壁表面より容易に剥離脱落させて防止し、さらに高・低温腐食を防止すると共に未燃カーボン、SO3、NOXの生成を抑制することができる。
本発明のスラッギング防止用燃料添加剤(以下、単に燃料添加剤と記す)は、高温焼成で膨張する性質を有する膨張性鉱物の一種又は二種以上よりなり、それを粉末化した粉末状組成物でもよいし、それを微粉末化した微粉末を水及び/又は油に分散させたスラリー状組成物でもよい。また、スラリー状組成物とする場合は、膨張性鉱物の一種又は二種以上よりなる微粉末60重量%以下、界面活性剤10重量%以下、残部が水及び/又は油に分散させた組成物とすることが望ましい。
本発明に用いる膨張性鉱物は、高温焼成で膨張する性質を有するものであって、本発明の燃料添加剤の主要成分であるが、その作用については後述する。この膨張性鉱物としては、蛭石(バーミキュライト)(膨張製品は焼成蛭石や焼成バーミキュライトと呼ばれるが、単にバーミキュライトと略して呼ばれる場合もある)、膨張頁岩(膨張製品は人工軽量骨材と呼ばれる)、黒曜石(Obsidian)、真珠岩(Perlite)、松脂岩(Pitchstone)(いずれも膨張製品はパーライトと呼ばれる)等を代表とする原石粉末及び/又は焼成後の膨張粉末である。この他、火山放出物として産する軽石(浮き石とも呼ばれる)や岩サイ等の天然膨張品を用いる事もできる。特に焼成後の膨張粗粒子は多孔性であるため断熱材、軽量骨材、軽量コンクリート等の建築用材料として市販もされている。
粉末状の燃料添加剤の場合、粉末化した膨張性鉱物の粒径は20mm以下が良く、より好ましくは5mm以下である。
スラリー状の燃料添加剤の場合、微粉末化した膨張性鉱物の粒径は、分散安定性の面から粒径20μm以下が良く、より好ましくは10μm以下が好ましい。
粉末状の燃料添加剤の場合、粉末化した膨張性鉱物の粒径は20mm以下が良く、より好ましくは5mm以下である。
スラリー状の燃料添加剤の場合、微粉末化した膨張性鉱物の粒径は、分散安定性の面から粒径20μm以下が良く、より好ましくは10μm以下が好ましい。
以下に、前記膨張性鉱物の作用について、蛭石を例に説明する。
蛭石は、雲母類の一種で別名「バーミキュライト」と呼ばれ、急熱すると400℃程度から急激に構造水を放出し、蛭のように一方向に膨張する特異な性質を持ったSiO2・MgO・Al2O3を主成分とする鉱物であり、その容積の増大は10〜30倍にも増加する。このような蛭石を集中的に燃焼炉内に添加すると、非常に多孔質かつ気孔率が大きな軽量粒子の集合体となる。また焼成バーミキュライトを同様に添加した場合でも、同様な軽量粒子の集合体となる。この軽量粒子の集合体の表面には、微量のアルカリ金属が点在しており、元来高融点で付着性の低い軽量粒子の集合体の一部は、水管や水管炉壁及びその付着灰上に効率的に付着させることができ、滑り性があってしかも剥離性を有す多孔質皮膜を形成し、他の一部は燃焼灰の粘着粒子の表面に付着し、飛散灰の粘着性を低下させる。そして、一時的に燃料添加剤を多量添加すると、燃料添加剤中の非常に多孔質かつ気孔率が大きな軽量粒子の集合体により、付着灰全体を脆弱化させることができる。脆弱化が進行すると、滑り向上作用により、全体として破壊され易くなり、クリンカーの粉体化が可能になる。上記これらの作用の単独乃至複合された効果により、スートブロー等によりクリンカーが水管表面及び水管炉壁表面より簡単に剥離脱落するのである。
蛭石は、雲母類の一種で別名「バーミキュライト」と呼ばれ、急熱すると400℃程度から急激に構造水を放出し、蛭のように一方向に膨張する特異な性質を持ったSiO2・MgO・Al2O3を主成分とする鉱物であり、その容積の増大は10〜30倍にも増加する。このような蛭石を集中的に燃焼炉内に添加すると、非常に多孔質かつ気孔率が大きな軽量粒子の集合体となる。また焼成バーミキュライトを同様に添加した場合でも、同様な軽量粒子の集合体となる。この軽量粒子の集合体の表面には、微量のアルカリ金属が点在しており、元来高融点で付着性の低い軽量粒子の集合体の一部は、水管や水管炉壁及びその付着灰上に効率的に付着させることができ、滑り性があってしかも剥離性を有す多孔質皮膜を形成し、他の一部は燃焼灰の粘着粒子の表面に付着し、飛散灰の粘着性を低下させる。そして、一時的に燃料添加剤を多量添加すると、燃料添加剤中の非常に多孔質かつ気孔率が大きな軽量粒子の集合体により、付着灰全体を脆弱化させることができる。脆弱化が進行すると、滑り向上作用により、全体として破壊され易くなり、クリンカーの粉体化が可能になる。上記これらの作用の単独乃至複合された効果により、スートブロー等によりクリンカーが水管表面及び水管炉壁表面より簡単に剥離脱落するのである。
しかし、膨張性鉱物中には表1に示すように数%のアルカリ金属を含有されており、アルカリ金属の過量は集合体の粘着性が強くなり過ぎ、付着灰の融点も低下させてしまうため、対象とする燃焼炉の燃焼雰囲気温度条件や種々の条件によっては、膨張性鉱物の使い分けと、本発明の他の成分を付加させてその欠点を改善させる事もできる。
本発明の燃料添加剤の一態様であるスラリー状組成物は、前述のように高温焼成で膨張する性質を有する膨張性鉱物の一種又は二種以上よりなる微粉末60重量%以下、界面活性剤10重量%以下、残部が水及び/又は油に分散させたものである。
この態様において用いられる界面活性剤は、分散安定性をより一層向上させる目的と、燃料油との乳化混合性、固体燃料へのぬれ性向上を目的として使用されるものであって、アルキルベンゼンスルホン酸Na等のアルキルアリルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルフォコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩などのアニオン界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、高級脂肪酸グリセリンエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキロールアミド等の非イオン界面活性剤が例示される。
この態様において用いられる界面活性剤は、分散安定性をより一層向上させる目的と、燃料油との乳化混合性、固体燃料へのぬれ性向上を目的として使用されるものであって、アルキルベンゼンスルホン酸Na等のアルキルアリルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルフォコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩などのアニオン界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、高級脂肪酸グリセリンエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキロールアミド等の非イオン界面活性剤が例示される。
さらに本発明の燃料添加剤には、粒径3〜200nmの超微粒子状のSi化合物、Al化合物の一種又は二種を酸化物(SiO2、Al2O3)濃度として30重量%以下含有させた組成とすることが望ましい。
ここで用いられる粒径3〜200nmの超微粒子状のSi化合物、Al化合物としては、特に水に分散させたものがそれぞれシリカゾル(コロイダルシリカ)、アルミナゾル(コロイダルアルミナ)等として市販もされている。
ここで用いられる粒径3〜200nmの超微粒子状のSi化合物、Al化合物としては、特に水に分散させたものがそれぞれシリカゾル(コロイダルシリカ)、アルミナゾル(コロイダルアルミナ)等として市販もされている。
上述の粒径3〜200nmの超微粒子状のSi化合物、Al化合物の添加作用を、水性シリカゾルを例に説明する。
シリカゾルは高分子量の無水ケイ酸の超微粒子を水に分散させたコロイド液である。シリカ超微粒子は非晶質でほぼ真球状であり、非常に安定した状態で半永久的に水に分散している。これらの超微粒子シリカゾルを集中的に燃焼炉内に添加すると、分散媒である水分の蒸発に伴い、非常に微細な球状シリカ粒子や球状シリカ粒子の集合体となり、この集合体も球状で、それらの一部は水管炉壁に付着し、球状の緻密な滑り性のあるしかも離型性を有する薄い皮膜を形成し、他の一部は燃焼灰の粘着粒子の表面に付着し、灰の粘着性を低下させる。また、一時的に燃料添加剤を多量に添加すると、燃料添加剤中の球状シリカ粒子が付着灰の細孔に侵入し、付着灰全体を脆弱化させることができる。超微粒子のシリカ粒子は粉末状も非晶質で、ゾルと同様な効果を有す。
尚、後述する粒径10μm以下のSi化合物は結晶質であり、上述の粒径3〜200nmの超微粒子状シリカとは性質(作用)が異なる。
シリカゾルは高分子量の無水ケイ酸の超微粒子を水に分散させたコロイド液である。シリカ超微粒子は非晶質でほぼ真球状であり、非常に安定した状態で半永久的に水に分散している。これらの超微粒子シリカゾルを集中的に燃焼炉内に添加すると、分散媒である水分の蒸発に伴い、非常に微細な球状シリカ粒子や球状シリカ粒子の集合体となり、この集合体も球状で、それらの一部は水管炉壁に付着し、球状の緻密な滑り性のあるしかも離型性を有する薄い皮膜を形成し、他の一部は燃焼灰の粘着粒子の表面に付着し、灰の粘着性を低下させる。また、一時的に燃料添加剤を多量に添加すると、燃料添加剤中の球状シリカ粒子が付着灰の細孔に侵入し、付着灰全体を脆弱化させることができる。超微粒子のシリカ粒子は粉末状も非晶質で、ゾルと同様な効果を有す。
尚、後述する粒径10μm以下のSi化合物は結晶質であり、上述の粒径3〜200nmの超微粒子状シリカとは性質(作用)が異なる。
また、本発明の燃料添加剤には、必要に応じて粒径10μm以下の微粒子状のMg化合物、Fe化合物、Ca化合物、Si化合物、Al化合物、Zr化合物の一種又は二種以上を酸化物(MgO、Fe2O3、CaO、SiO2、Al2O3、ZrO2)濃度として30重量%以下を含有させるようにしてもよく、それにより、種々の燃焼障害を防止又は抑制することができる。
何れの化合物を混合しても、ボイラ運転がより長期に亘り安定化されるが、特にMg化合物又はCa化合物を混合させると、ボイラ水管の高温腐食の抑制に有効であり、Fe化合物を混合させると、炉内等で形成するスケールが黒色化され、熱吸収が増加されるためガス温度の上昇が抑制される。また、Si化合物、Al化合物、Zr化合物を混合させると、対象とする燃焼炉の燃焼雰囲気温度が高い場合や生成灰の融点が著しく低い燃料を燃焼させる場合など、膨張性鉱物の融点を大幅に上げたい場合に有効である。
これらの各化合物としては、例えばMgO、Mg(OH)2、MgCO3、Mg(NO3)2、FeOOH、Fe2O3、Fe3O4、Fe(NO3)3、CaO、Ca(OH)2、CaCO3、Ca(NO3)2、珪石(石英)、天然けい砂粉、人工けい砂粉、Al2O3、Al(OH)3、Al(NO3)3、ZrO2、カオリン、タルク、雲母粉、ドロマイト、珪藻土粉、焼成珪藻土粉、珪酸ジルコニウム等がある。
何れの化合物を混合しても、ボイラ運転がより長期に亘り安定化されるが、特にMg化合物又はCa化合物を混合させると、ボイラ水管の高温腐食の抑制に有効であり、Fe化合物を混合させると、炉内等で形成するスケールが黒色化され、熱吸収が増加されるためガス温度の上昇が抑制される。また、Si化合物、Al化合物、Zr化合物を混合させると、対象とする燃焼炉の燃焼雰囲気温度が高い場合や生成灰の融点が著しく低い燃料を燃焼させる場合など、膨張性鉱物の融点を大幅に上げたい場合に有効である。
これらの各化合物としては、例えばMgO、Mg(OH)2、MgCO3、Mg(NO3)2、FeOOH、Fe2O3、Fe3O4、Fe(NO3)3、CaO、Ca(OH)2、CaCO3、Ca(NO3)2、珪石(石英)、天然けい砂粉、人工けい砂粉、Al2O3、Al(OH)3、Al(NO3)3、ZrO2、カオリン、タルク、雲母粉、ドロマイト、珪藻土粉、焼成珪藻土粉、珪酸ジルコニウム等がある。
本発明の燃料添加剤を用いるに際しては、即ち本発明の燃料の燃焼方法では、燃料と共に連続的に添加しても良く、液体燃料の場合は燃料配管に強制注入させたり、サービスタンクに比例注入させたりすることができる。石炭や固形廃棄物のような固形燃料に添加する場合、特にストーカー焚き石炭ボイラ、ストーカー式焼却炉等の施設においては、持ち込み水分を嫌う場合がある。このような場合は粉末状燃料添加剤が最適で、固形燃料と混合できるような設備の箇所で粉末状燃料添加剤を添加して燃焼させることができ、それによってクリンカー表面に効率的に添加剤成分を付着させることができる。
また、特に燃料添加剤の添加方法を工夫することにより、より少ない使用量で大きな効果を発揮させることができる。その添加方法とは、燃料中に含まれている灰分に起因する1時間当りの燃焼時の飛散スケール(灰分)量100重量部に対して、1日分の燃料添加剤中の灰分として1〜40重量部を1日1〜5回、短時間に間欠多量添加することであり、この添加方法により、スラッギングの防止効果を飛躍的に向上させることができるのである。
即ち本発明の燃料添加剤を燃料と共に連続的に添加する方法の場合にも、前述の作用によりクリンカーを多孔質にしてその強度を低下させることができるが、多量の燃料添加剤を添加しなければ、付着灰が容易に脱落できる程の強度低下を見込めないため、その使用量が多くなる。
これに対し、前述のように燃料添加剤を間欠多量添加した場合には、燃料添加剤を添加している間には強度の十分に低い灰が層状に付着し、燃料添加剤を添加していない間には強度の高い灰がその上に層状に付着する。そのため、仮にある程度厚い付着灰が形成されたとしても、灰自体の自重やスートブロー等で強度の低い層部分から剥離させてその上に付着した強度の高い層部分と共に脱落させることができる。
この添加方法を連続注入時における燃料添加剤の添加量に換算すると、燃料中の灰分を10%と仮定した場合、燃料に対し1/24000〜1/600に相当する。この方法では短時間にのみ集中的に多量添加するので、合計使用量は連続的に添加した場合よりも少なくなる。したがって、この方法は、より少ない使用量でより大きな効果を発揮させることができる。
即ち本発明の燃料添加剤を燃料と共に連続的に添加する方法の場合にも、前述の作用によりクリンカーを多孔質にしてその強度を低下させることができるが、多量の燃料添加剤を添加しなければ、付着灰が容易に脱落できる程の強度低下を見込めないため、その使用量が多くなる。
これに対し、前述のように燃料添加剤を間欠多量添加した場合には、燃料添加剤を添加している間には強度の十分に低い灰が層状に付着し、燃料添加剤を添加していない間には強度の高い灰がその上に層状に付着する。そのため、仮にある程度厚い付着灰が形成されたとしても、灰自体の自重やスートブロー等で強度の低い層部分から剥離させてその上に付着した強度の高い層部分と共に脱落させることができる。
この添加方法を連続注入時における燃料添加剤の添加量に換算すると、燃料中の灰分を10%と仮定した場合、燃料に対し1/24000〜1/600に相当する。この方法では短時間にのみ集中的に多量添加するので、合計使用量は連続的に添加した場合よりも少なくなる。したがって、この方法は、より少ない使用量でより大きな効果を発揮させることができる。
〈基礎試験〉
(1)供試灰分(クリンカー)
プリマ炭を微粉炭ボイラにて燃焼させた際に生成したクリンカーを微粉砕し、200メッシュをパスしたものを用いた。
(1-1)プリマ炭の性状
固有水分:6.2%,灰分:4.2%,揮発分:40.4%,固定炭素:49.2%
(1-2)クリンカー(灰分)組成
SiO2:54.4%,Fe2O3:11.3%,Al2O3:20.2%,CaO:2.9%,MgO:3.6%,Na2O:0.6%,K2O:1.9%,SO3:3.9%,その他:1.2%
(1)供試灰分(クリンカー)
プリマ炭を微粉炭ボイラにて燃焼させた際に生成したクリンカーを微粉砕し、200メッシュをパスしたものを用いた。
(1-1)プリマ炭の性状
固有水分:6.2%,灰分:4.2%,揮発分:40.4%,固定炭素:49.2%
(1-2)クリンカー(灰分)組成
SiO2:54.4%,Fe2O3:11.3%,Al2O3:20.2%,CaO:2.9%,MgO:3.6%,Na2O:0.6%,K2O:1.9%,SO3:3.9%,その他:1.2%
(2)試験方法
200メッシュ以下に粉砕されたサンプル灰に、後述する供試添加剤を固形分として5重量部、10重量部添加し、十分に混合撹拌して均一組成とし、成型器にて直径10mm高さ15mmの円柱状に成型し、100℃で24時間乾燥させた。得られた試料を高温加熱顕微鏡で20℃/minの割合で昇温させ、軟化点、融点、膨張率を観察測定し、テスト終了後に圧潰強度を測定した。
200メッシュ以下に粉砕されたサンプル灰に、後述する供試添加剤を固形分として5重量部、10重量部添加し、十分に混合撹拌して均一組成とし、成型器にて直径10mm高さ15mmの円柱状に成型し、100℃で24時間乾燥させた。得られた試料を高温加熱顕微鏡で20℃/minの割合で昇温させ、軟化点、融点、膨張率を観察測定し、テスト終了後に圧潰強度を測定した。
(3)供試添加剤
〔配合例1〕
粒径0.3〜3mmの焼成バーミキュライト粉末
〔配合例2〕
粒径0.6〜10mmのパーライト70重量%、粒径50〜150nmのシリカ超微粒子30重量%の混合粉末
〔配合例3〕
粒径10〜50μmの蛭石70重量%、粒径0.3mm以下の焼成バーミキュライト30重量%の混合粉末
〔配合例4〕
粒径0.5〜5mmの焼成バーミキュライト20重量%、粒径0.1〜5mmの人工軽量骨材20重量%、粒径0.3〜10mmのパーライト15重量%、粒径10〜40nmのシリカ超微粒子15重量%、粒径1〜5μmのアルミナ20重量%、粒径3〜10μmの弁柄10重量%の混合粉末
〔配合例5〕
粒径1〜5μmの蛭石40重量%、粒径2〜7μmの膨張頁岩20重量%、POE(4)モノステアレート(日光ケミカルズ社製、ニッコールMYS−4)5重量%、A重油20重量%、水15重量%から成るW/Oエマルション型スラリー分散液
〔配合例6〕
粒径0.5〜3μmの黒曜石30重量%、粒径1〜5μmの珪酸ジルコニウム20重量%、粒径1〜10μmの炭酸カルシウム10重量%(CaO濃度換算5.6重量%)、POE(3)2級アルキルエーテル(日光ケミカルズ社製、ニッコールBT−3)5重量%、グリセリンモノステアレート(日光ケミカルズ社製、ニッコールMGS−A)3重量%、灯油32重量%から成る油性スラリー分散液
〔配合例7〕
粒径1〜5μmの蛭石25重量%、粒径0.2〜4μmの膨張頁岩10重量%、粒径0.1〜3μmの真珠岩10重量%、粒径5〜15nmのコロイダルアルミナ(Al2O3濃度として5重量%)、硝酸マグネシウム(MgO濃度として2重量%)、硝酸第二鉄(Fe2O3濃度として3重量%)、ジアルキルスルフォコハク酸塩(東邦化学工業社製エアロールCT−1)5重量%、水残部から成る水性スラリー分散液
〔比較例1〕
粒径1〜5μmのシリカの水スラリー(SiO2濃度40重量%)
〔比較例2〕
粒径1〜5μmの水酸化マグネシウムの水スラリー(Mg(OH)2濃度40重量%)
〔ブランク〕
無添加
〔配合例1〕
粒径0.3〜3mmの焼成バーミキュライト粉末
〔配合例2〕
粒径0.6〜10mmのパーライト70重量%、粒径50〜150nmのシリカ超微粒子30重量%の混合粉末
〔配合例3〕
粒径10〜50μmの蛭石70重量%、粒径0.3mm以下の焼成バーミキュライト30重量%の混合粉末
〔配合例4〕
粒径0.5〜5mmの焼成バーミキュライト20重量%、粒径0.1〜5mmの人工軽量骨材20重量%、粒径0.3〜10mmのパーライト15重量%、粒径10〜40nmのシリカ超微粒子15重量%、粒径1〜5μmのアルミナ20重量%、粒径3〜10μmの弁柄10重量%の混合粉末
〔配合例5〕
粒径1〜5μmの蛭石40重量%、粒径2〜7μmの膨張頁岩20重量%、POE(4)モノステアレート(日光ケミカルズ社製、ニッコールMYS−4)5重量%、A重油20重量%、水15重量%から成るW/Oエマルション型スラリー分散液
〔配合例6〕
粒径0.5〜3μmの黒曜石30重量%、粒径1〜5μmの珪酸ジルコニウム20重量%、粒径1〜10μmの炭酸カルシウム10重量%(CaO濃度換算5.6重量%)、POE(3)2級アルキルエーテル(日光ケミカルズ社製、ニッコールBT−3)5重量%、グリセリンモノステアレート(日光ケミカルズ社製、ニッコールMGS−A)3重量%、灯油32重量%から成る油性スラリー分散液
〔配合例7〕
粒径1〜5μmの蛭石25重量%、粒径0.2〜4μmの膨張頁岩10重量%、粒径0.1〜3μmの真珠岩10重量%、粒径5〜15nmのコロイダルアルミナ(Al2O3濃度として5重量%)、硝酸マグネシウム(MgO濃度として2重量%)、硝酸第二鉄(Fe2O3濃度として3重量%)、ジアルキルスルフォコハク酸塩(東邦化学工業社製エアロールCT−1)5重量%、水残部から成る水性スラリー分散液
〔比較例1〕
粒径1〜5μmのシリカの水スラリー(SiO2濃度40重量%)
〔比較例2〕
粒径1〜5μmの水酸化マグネシウムの水スラリー(Mg(OH)2濃度40重量%)
〔ブランク〕
無添加
(5)考察
1.本発明に係る配合例1〜7は、比較例1〜2及びブランクに比べて軟化点、融点の上昇が著しく、特に高添加量の場合にその上昇作用が顕著に表れた。
2.同様に本発明に係る配合例1〜7は、膨張率が大きく、比較例1〜2及びブランクに比べて優れていた。特に膨張性鉱石が未焼成品組成物である配合例3、5、6、7の高添加量のものは膨張率が1.7〜2.1倍となり、非常に大きな値を示していた。一方、膨張性鉱石が焼成品組成物である配合例1、2、4は、テスト前からほぼ膨張済みの状態であるため、高添加量の場合でも膨張率が1.2〜1.3倍であった。
3.本発明に係る配合例1〜7は、比較例1〜2及びブランクに比べて圧潰強度が極めて小さな値を示していた。
4.灰分の膨張率が大きく、圧潰強度が小さいということは、本発明に係る配合例1〜7の灰は多孔質であり、しかも壊れやすいことを表している。
1.本発明に係る配合例1〜7は、比較例1〜2及びブランクに比べて軟化点、融点の上昇が著しく、特に高添加量の場合にその上昇作用が顕著に表れた。
2.同様に本発明に係る配合例1〜7は、膨張率が大きく、比較例1〜2及びブランクに比べて優れていた。特に膨張性鉱石が未焼成品組成物である配合例3、5、6、7の高添加量のものは膨張率が1.7〜2.1倍となり、非常に大きな値を示していた。一方、膨張性鉱石が焼成品組成物である配合例1、2、4は、テスト前からほぼ膨張済みの状態であるため、高添加量の場合でも膨張率が1.2〜1.3倍であった。
3.本発明に係る配合例1〜7は、比較例1〜2及びブランクに比べて圧潰強度が極めて小さな値を示していた。
4.灰分の膨張率が大きく、圧潰強度が小さいということは、本発明に係る配合例1〜7の灰は多孔質であり、しかも壊れやすいことを表している。
〈実装置による試験〉
(1)ボイラ仕様・型式;三菱重工(株)製単胴型微粉炭ボイラ・蒸発量;350T/H・使用圧力;13.7MPa・石炭使用量;800t/日・通風方式;平衡通風・ミル(石炭粉砕機);3台(ローラーミル)
(1)ボイラ仕様・型式;三菱重工(株)製単胴型微粉炭ボイラ・蒸発量;350T/H・使用圧力;13.7MPa・石炭使用量;800t/日・通風方式;平衡通風・ミル(石炭粉砕機);3台(ローラーミル)
(2)試験方法
(2-1)概略;
本実装置はプリマ炭専焼ボイラであり、ブランク試験において約1ヶ月で巨大なクリンカーが炉壁バーナー下部ゾーンに形成されることが覗き穴からの観察で確認されたので、試験期間を1ヶ月に設定した。
(2-2)供試添加剤;
実施例1における配合例1及び比較例1の添加剤を用いた。
(2-3)添加剤の注入場所;
ミル手前、給炭機ベルト上の石炭に添加した。
(2-4)添加剤の添加方法;
配合例1の添加剤については、1時間分の石炭中の灰分量の15%に相当する添加剤灰分量(配合例1は焼成粉末品につき添加剤量に相当)を1日2回に分けて間欠注入した。比較例1の添加剤については、前半(半月)石炭試料量の1/1000を連続注入した。
(2-1)概略;
本実装置はプリマ炭専焼ボイラであり、ブランク試験において約1ヶ月で巨大なクリンカーが炉壁バーナー下部ゾーンに形成されることが覗き穴からの観察で確認されたので、試験期間を1ヶ月に設定した。
(2-2)供試添加剤;
実施例1における配合例1及び比較例1の添加剤を用いた。
(2-3)添加剤の注入場所;
ミル手前、給炭機ベルト上の石炭に添加した。
(2-4)添加剤の添加方法;
配合例1の添加剤については、1時間分の石炭中の灰分量の15%に相当する添加剤灰分量(配合例1は焼成粉末品につき添加剤量に相当)を1日2回に分けて間欠注入した。比較例1の添加剤については、前半(半月)石炭試料量の1/1000を連続注入した。
(3)試験項目
(3-1)供試料;水封口下部灰取りタンクよりかき上げられるボトムクリンカー
(3-2)試験項目;重量、圧潰強度、見掛け比重
(3-3)測定間隙;3日に1回
(3-1)供試料;水封口下部灰取りタンクよりかき上げられるボトムクリンカー
(3-2)試験項目;重量、圧潰強度、見掛け比重
(3-3)測定間隙;3日に1回
(4-2)考察1;ボトムクリンカーの重量変化(t/3日)
一般に石炭灰の約10%がクリンカーとして回収されているが、配合例1の添加剤を添加した場合に1ヶ月間殆ど一定の値であるのに対して、比較例1の添加剤を添加した場合は、9日目(第3回目測定時)位から徐々に低下し、後半は急激に低下していた。配合例1と比較例1とでは1ヶ月間に14.5t((10.15-8.70)×10=)の差が出たが、目視観察においても比較例1の場合では火炉水封口上部に巨大なクリンカーが堆積しており、ボイラ停止後クリンカーを剥離脱落させ、その重量を測定したところ、約15tであり、ボトムクリンカーの重量差と符合していた。
一般に石炭灰の約10%がクリンカーとして回収されているが、配合例1の添加剤を添加した場合に1ヶ月間殆ど一定の値であるのに対して、比較例1の添加剤を添加した場合は、9日目(第3回目測定時)位から徐々に低下し、後半は急激に低下していた。配合例1と比較例1とでは1ヶ月間に14.5t((10.15-8.70)×10=)の差が出たが、目視観察においても比較例1の場合では火炉水封口上部に巨大なクリンカーが堆積しており、ボイラ停止後クリンカーを剥離脱落させ、その重量を測定したところ、約15tであり、ボトムクリンカーの重量差と符合していた。
(4-4)考察2;ボトムクリンカーの圧潰強度と見掛け比重の測定
平均値より計算すると、配合例1は比較例1に比べて見掛け比重で48%低下しており、燃焼石炭灰は空隙率が増大し、即ち多孔質化して壊れ易くなって、スートブロー等により簡単に剥離脱落されることがわかった。
平均値より計算すると、配合例1は比較例1に比べて見掛け比重で48%低下しており、燃焼石炭灰は空隙率が増大し、即ち多孔質化して壊れ易くなって、スートブロー等により簡単に剥離脱落されることがわかった。
以上本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
各種燃料、特に石炭、都市ごみ、各種廃棄物、オイルコークス等に代表される灰分含有量の多い燃料の燃焼に利用される。
Claims (7)
- 高温焼成で膨張する性質を有する膨張性鉱物の一種又は二種以上よりなることを特徴とするスラッギング防止用燃料添加剤。
- 高温焼成で膨張する性質を有する膨張性鉱物の一種又は二種以上よりなる微粉末60重量%以下、界面活性剤10重量%以下、残部が水及び/又は油に分散させた組成物よりなることを特徴とする請求項1に記載のスラッギング防止用燃料添加剤。
- 高温焼成で膨張する性質を有する膨張性鉱物は、蛭石、膨張頁岩、黒曜石、真珠岩、松脂岩等を代表とする原石粉末及び/又は焼成後の膨張粉末であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスラッギング防止用燃料添加剤。
- 粒径3〜200nmの超微粒子状のSi化合物、Al化合物の一種又は二種を酸化物(SiO2、Al2O3)濃度として30重量%以下含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のスラッギング防止用燃料添加剤。
- 粒径10μm以下のMg化合物、Fe化合物、Ca化合物、Si化合物、Al化合物、Zr化合物の一種又は二種以上を酸化物(MgO、Fe2O3、CaO、SiO2、Al2O3、ZrO2)濃度として30重量%以下含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のスラッギング防止用燃料添加剤。
- 請求項1〜5に記載の燃料添加剤を液体燃料油又は固体燃料中に添加して燃焼させるか、直接燃焼雰囲気中に添加して燃焼させることを特徴とする燃料の燃焼方法。
- 燃料中に含まれている灰分に起因する1時間当りの燃焼時の飛散スケール量100重量部に対して、1日分の燃料添加剤中の灰分として1〜40重量部を1日1〜5回、短時間に間欠多量投入することを特徴とする請求項6に記載の燃料の燃焼方法。
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- 2004-04-26 JP JP2004129588A patent/JP2005307117A/ja active Pending
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