JP2005307054A - 樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

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洋広 斉藤
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Abstract

【課題】柔軟性に富む上、耐空気透過性、耐透湿性及び圧縮永久歪み特性に優れると共に、射出成形性が良好で、寸法精度の安定した射出成形が可能な樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(A)(a)イソブチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるソフトセグメントと、(b)スチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるハードセグメントとを有する、(b)−(a)−(b)型イソブチレン系トリブロック共重合体少なくとも一種を含み、かつ配合物中に占める全ハード成分と全ソフト成分との割合が、全ハード成分/(全ハード成分+全ソフト成分)質量比で0.25〜0.40の範囲にあり、(1)空気透過度が、200cm3/(m2・24hr・atm)以下、(2)透湿度が2.0g/(m2・24hr)以下、(3)硬度がJIS−A硬度で30〜60度、(4)メルトフローレートが5000g/10分以下の樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、スチレン系重合体ブロック−イソブチレン系重合体ブロック−スチレン系重合体ブロックからなるイソブチレン系トリブロック共重合体少なくとも一種を含み、かつ配合物全体に占めるハード成分とソフト成分との割合が所定の範囲にあり、柔軟性に富む上、耐空気透過性、耐透湿性及び圧縮永久歪み特性に優れると共に、射出成形性や押出し成形性が良好で、例えば、記録媒体駆動装置用インシュレーター、HDD用ガスケット、HDD用衝撃吸収材、医療用輸液輸送用チューブ等を構成するのに適した樹脂組成物に関するものである。
従来、弾性を有する高分子材料としては、天然ゴム又は合成ゴムなどのゴム類に架橋剤や補強剤などを配合して高温高圧下で架橋したものが汎用されている。しかしながら、このようなゴム類では、高温高圧下で長時間にわたって架橋及び成形を行う行程が必要であり、加工性に劣るのを免れない。また架橋したゴムは熱可塑性を示さないため、熱可塑性樹脂のようにリサイクル成形が一般的に不可能である。そのため、通常の熱可塑性樹脂と同じように熱プレス成形、射出成形、及び押出し成形などの汎用の溶融成形技術を利用して成形品を簡単に製造することのできる熱可塑性エラストマーが近年種々開発されている。このような熱可塑性エラストマーとしては、現在、オレフィン系、ウレタン系、エステル系、スチレン系、塩化ビニル系などが開発され、市販されている。これらは、リサイクル使用が容易であることから、近年、自動車部品、家電部品、電線被覆材、医療部品、雑貨、履物等幅広い分野で使用されている。
これらのうちで、スチレン系熱可塑性エラストマーは、柔軟性に富み、常温で良好なゴム弾性に優れている。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)やスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、またそれらを水素添加したスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)やスチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などが知られている。しかしながら、これらのブロック共重合体は、圧縮永久歪み特性が不十分であるという問題を有している。
スチレン系熱可塑性エラストマーの中でも、柔軟性に富み、常温で良好なゴム弾性に優れ、さらに熱安定性や耐候性、制振性やガスバリア性、密封性に優れたものとしては、イソブチレンを主体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックとを含有するイソブチレン系ブロック共重合体が知られている。しかしながら、このイソブチレン系ブロック共重合体も、圧縮永久歪みについては、必ずしも充分に満足し得るものではなかった。
一方、熱可塑性エラストマーの高性能化のために、ゴムと有機重合体とを複合化させる技術は、古くから知られており、特に、ポリプロピレン等のポリオレフィンに、EPDMやIIR等のオレフィン系エラストマー、あるいは、SEBS等のスチレン系エラストマーの架橋体を複合化させる技術については多くの検討がなされており、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマーの場合、結晶性オレフィン樹脂とオレフィン系ゴムを、有機過酸化物を用いて架橋する技術 (例えば、特許文献1参照)、あるいは特殊構造のイソブチレンゴムの使用(例えば、特許文献2参照)が開示されている。しかしながら、これらは、いずれも、ゴム成分として、オレフィン系重合体中に、架橋点としてランダムに二重結合が存在するEPDM、IIR等のオレフィン系ゴムを用いており、架橋が不均一であり、低硬度化が困難であった。
また、本発明者らは、種々の用途に用い得る気体機密性の高い低硬度熱可塑性樹脂を開発したが(特許文献3参照)、材料を低硬度にするために大量の液状ポリマーやオイル成分を添加しており、用途によっては材料の気体機密性が低下する場合があった。
以上のように、従来知られている熱可塑性エラストマーにおいては、柔軟性、耐空気透過性、耐透湿性、圧縮永久歪み特性、射出成形性などが高いレベルでバランスしたものは、なかなか見出せないのが実状であった。
記録媒体駆動装置用インシュレーター、HDD用ガスケット及びHDD用衝撃吸収材などとして、熱可塑性エラストマーを使用した樹脂組成物から構成されてなるものが提案されているが、いずれもなんらかの問題を有し、これらの部材を構成するのに適した樹脂組成物が求められていた。
特公昭53−21021号公報 特開平9−137007号公報 国際公開番号WO03/027183
本発明は、このような状況下で、柔軟性に富む上、耐空気透過性、耐透湿性及び圧縮永久歪み特性に優れると共に、射出成形性が良好で射出成形や押出し成型が可能な樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記の優れた機能を有する樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のイソブチレン系トリブロック共重合体少なくとも一種と、場合により、配合物のハード成分やソフト成分としてオレフィン系重合体を含み、かつ全ハード成分と全ソフト成分の割合が特定の範囲にあって、空気透過度、透湿度、硬度及びメルトフローレート[MFR]が、それぞれ特定の値を有する樹脂組成物が、その目的に適合し得ること、そして、該樹脂組成物は、前記の各成分を特定の条件で溶融混練することにより、製造し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。ここで、ハード成分とは、その成分の軟化温度または融点が室温より高いものを言い、一方、ソフト成分とは、室温において、液状またはゴム状を示す成分を言う。さらに、1つのポリマー分子の中にハード成分とソフト成分を含んでいるポリマーにおいては、そのハード成分をハードセグメントと言い、ソフト成分をソフトセグメントと言う。
すなわち、本発明は、
[1](A)(a)イソブチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるソフトセグメントと、(b)スチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるハードセグメントとを有する、(b)−(a)−(b)型イソブチレン系トリブロック共重合体少なくとも一種を含み、かつハードセグメントを含む全ハード成分とソフトセグメントを含む全ソフト成分との割合が、全ハード成分/(全ハード成分+全ソフト成分)質量比で0.25〜0.40の範囲にあり、
(1)厚さ0.5mmのシートサンプルを用いて測定した空気透過度[JIS K7126;A法(差圧法)、40℃]が、200cm3/(m2・24hr・atm)以下であること、
(2)厚さ0.5mmのシートサンプルを用いて測定した透湿度(JIS Z0208;40℃、90%RH)が2.0g/(m2・24hr)以下であること、
(3)硬度[JIS K6253(15秒後)]がJIS−A硬度で30〜60度であること、
(4)メルトフローレート[MFR](JIS K7210;270℃、98.0665N(10Kgf))が5000g/10分以下であること、
を特徴とする樹脂組成物、
[2](5)圧縮永久歪み(JIS K6262;70℃、22時間)が95%以下であり、
(6)引張り強さ及び伸び(JIS K6251;ダンベル状3号形、23℃)が、それぞれ5MPa以上及び300%以上である上記[1]項に記載の樹脂組成物、
[3]配合時に用いる(A)成分のイソブチレン系トリブロック共重合体が、(b)スチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるハードセグメント15〜40質量%を含み、かつ重量平均分子量が50,000〜200,000のものである上記[1]又は[2]項に記載の樹脂組成物、
[4]配合物中のハード成分及び/又はソフト成分として、(B)炭素数2〜6のオレフィン系重合体を含む上記[1]、[2]又は[3]項に記載の樹脂組成物、
[5](B)成分のハード成分が、エチレン系重合体及び/又はプロピレン系重合体である上記[4]項に記載の樹脂組成物、
[6](B)成分のソフト成分が、液状ポリブテンである上記[4]又は[5]項に記載の樹脂組成物、
[7]液状ポリブテンが、イソブチレン単位を主体とする数平均分子量200〜3000のものである上記[6]項に記載の樹脂組成物、
[8](A)成分のイソブチレン系トリブロック共重合体が、分子量が異なるイソブチレン系トリブロック共重合体二種以上からなる混合物である上記[1]ないし[7]項のいずれかに記載の樹脂組成物、及び
[9]溶融混練装置に、(A)(a)イソブチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるソフトセグメントと、(b)スチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるハードセグメントとを有する、(b)−(a)−(b)型イソブチレン系トリブロック共重合体少なくとも一種と、場合により、ハード成分及び/又はソフト成分として、(B)炭素数2〜6のオレフィン系重合体を投入し、140〜230℃の温度において、溶融混練することを特徴とする、上記[1]ないし[8]項のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、スチレン系重合体ブロック−イソブチレン系重合体ブロック−スチレン系重合体ブロックからなるイソブチレン系トリブロック共重合体少なくとも一種を含むと共に、場合によりハードセグメント成分やソフトセグメント成分を含み、柔軟性に富む上、耐空気透過性、耐透湿性及び圧縮永久歪み特性に優れ、かつ射出成形性や押出し成型が良好な樹脂組成物を提供することができる。
本発明の樹脂組成物は、(A)(a)イソブチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるソフトセグメントと、(b)スチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるハードセグメントとを有する、(b)−(a)−(b)型イソブチレン系トリブロック共重合体少なくとも一種を含み、場合により、ハード成分及び/又はソフト成分として、(B)炭素数2〜6のオレフィン系重合体を含む組成物である。
本発明の樹脂組成物においては、該組成物中の全ハード成分と全ソフト成分との割合は、全ハード成分/(全ハード成分+全ソフト成分)質量比で0.25〜0.40の範囲で選定される。この割合が上記の範囲にあれば、後述の所定の物性を満足させる樹脂組成物を得ることが可能となる。前記質量比が大きくなると柔軟性が不足し、一方小さくなると空気透過率及び透湿性が大きくなる傾向がある。好ましい全ハード成分/(全ハード成分+全ソフト成分)質量比は、0.28〜0.37の範囲である。
前記(A)成分であるイソブチレン系トリブロック共重合体において、(a)イソブチレン単位を主体とする重合体ブロックとは、イソブチレン単位が50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上を占める重合体ブロックのことをいう。イソブチレン単位を主体とする重合体ブロック中の、イソブチレン単位以外の単位を形成する単量体としては、カチオン重合可能な単量体であれば特に限定されないが、芳香族ビニル類、脂肪族オレフィン類、イソプレン,ブタジエン,ジビニルベンゼン等のジエン類、アリルエーテル類、β−ピネン等の単量体が例示できる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、(b)スチレン単位を主体とする重合体ブロックとは、スチレン単位が50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上を占める重合体ブロックのことをいう。スチレン単位を主体とする重合体ブロック中の、スチレン単位以外の単位を形成する単量体としては、カチオン重合可能な単量体であれば特に限定されないが、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、インデンなどの芳香族ビニル類、脂肪族オレフィン類、ジエン類、アリルエーテル類、β−ピネンなどの単量体が例示できる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
配合時に用いるこの(A)成分のイソブチレン系トリブロック共重合体は、(b)−(a)−(b)型であり、(a)イソブチレン単位を主体とする重合体ブロックと(b)スチレン単位を主体とする重合体ブロックの含有割合については特に制限はないが、得られる樹脂組成物の物性の面から、(a)イソブチレン単位を主体とする重合体ブロックが60〜85質量%で、(b)スチレン単位を主体とする重合体ブロックが40〜15質量%であることが好ましく、前記(a)重合体ブロック65〜80質量%で、前記(b)重合体ブロックが35〜20質量%であることが特に好ましい。
また、配合時に用いる前記(A)成分のイソブチレン系トリブロック共重合体の重量平均分子量に特に制限はないが、得られる樹脂組成物の機械的特性及び成形性などの面から、50,000〜200,000が好ましく、特に60,000〜150,000が好ましい。なお、この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定したポリスチレン換算の値である。
当該イソブチレン系トリブロック共重合体の製造方法については特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えばα−クロル−イソプロピルベンゼン等の一官能成分、1,4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン(p−ジクミルクロライドともいう)等の二官能成分又は1,3,5−トリス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン等の三官能成分を開始剤兼連鎖移動剤とし、BCl3やTiCl4などのルイス酸を触媒としてリビングカチオン重合を行うイニファー法(例えば米国特許第4276394号明細書に開示されている方法)を用いて、分子量が制御されたイソブチレン単位を主体とする重合体を形成させ、引続きスチレンを主体とする単量体を添加して共重合させることにより、所望のイソブチレン系トリブロック共重合体を得ることができる。
本発明においては、たとえ全ハード成分/(全ハード成分+全ソフト成分)質量比が前記範囲にあっても、当該(A)成分のイソブチレン系トリブロック共重合体を一種のみ用いる場合には、後述する所定の物性を有する樹脂組成物を得ることは困難である。従って、本発明では、当該(A)成分として、分子量の異なるイソブチレン系トリブロック共重合体を二種以上組み合わせて用いるか、あるいは、当該(A)成分として、イソブチレン系トリブロック共重合体を一種以上用い、かつ(B)成分として、ハード成分及び/又はソフト成分である炭素数2〜6のオレフィン系重合体を用いることが好ましい。
前記(B)成分を用いずに、所定の物性を有する樹脂組成物を得るには、例えば、以下に示す方法を用いることができる。
当該(A)成分として、(A−1)重量平均分子量が50,000〜80,000の範囲にあるイソブチレン系トリブロック共重合体と、(A−2)重量平均分子量が90,000〜130,000の範囲にあるイソブチレン系トリブロック共重合体を、質量比20:80〜60:40の割合で配合し、かつハードセグメント/(ハードセグメント+ソフトセグメント)質量比が0.25〜0.40、好ましくは0.28〜0.37の範囲にあるものを用いることにより、所定の物性を有する樹脂組成物を得ることができる。
前記(A−1)成分の重量平均分子量が50,000以上であると、圧縮永久歪みが小さく、加熱成形時の復元性が良好となる。一方、(A−2)成分の重量平均分子量が130,000以下であると、樹脂組成物の射出成形性が良好となる。なお、この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定したポリスチレン換算の値である。
また、(A−1)成分と(A−2)成分の配合割合が上記の範囲にあれば、所定の性状を有する樹脂組成物を得ることができ、本発明の目的が達せられる。好ましい配合割合は、質量比25:75〜45:55の範囲である。
さらに、本発明において、(B)成分として、ハード成分及び/又はソフト成分である炭素数2〜6のオレフィン系重合体を用いる場合、ハード成分としては、例えばエチレン系重合体、プロピレン系重合体、メチルペンテン系重合体などの中から選ばれる少なくとも一種の重合体を用いることができるが、これらの中で、エチレン系重合体及び/又はプロピレン系重合体が好適である。
前記エチレン系重合体としては、高密度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などを例示することができる。
一方、プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体やランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ジエン化合物共重合体などを例示することができる。これらの中でも結晶性のポリプロピレン系樹脂が好ましく、この結晶性のポリプロピレン系樹脂としては、例えば結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量の少ないエチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量の比較的多いエチレン−プロピレンランダム共重合体からなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共重合体、さらには前記プロピレンブロック共重合体における各ホモ部又は共重合部が、さらにブテン−1などのα−オレフィンを共重合したものからなる結晶性のプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。
また、ソフト成分としては、液状ポリブテンが好ましく用いられる。この液状ポリブテンとしては、イソブチレン単位を主体とする数平均分子量200〜3000のものが好適であり、さらには1,000〜3,000程度のものが好適である。このような液状ポリブテンとしては、例えばナフサ分解で生成するC4留分からブタジエンを抽出した残りの留分をそのまま原料として用いて得られた若干のブテン−1が共重合してなるイソブチレンを主体とする低重合体、あるいは高純度イソブチレンの低重合体やイソブチレンに少量のイソプレンを共重合させてなる液状ブチルゴムなどを用いることができる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の樹脂組成物において、前記(B)成分を用いる場合、該組成物中の全ハード成分と全ソフト成分の割合が、全ハード成分/(全ハード成分+全ソフト成分)質量比で0.25〜0.40、好ましくは0.28〜0.37の範囲にあるように用いることにより、所定の物性を有する樹脂組成物を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、以下に示す性状を有する。
まず、JIS K7126のA法(差圧法)に基づき、厚さ0.5mmのシートサンプルを用いて測定した空気透過度[JIS K7126;A法(差圧法)、40℃]が200cm3/(m2・24hr・atm)以下であり、優れたガスバリア性を有している。該空気透過度は、好ましくは180cm3/(m2・24hr・atm)以下であり、さらには160cm3/(m2・24hr・atm)以下であることが好ましい。この空気透過度の下限については特に制限はないが、通常50cm3/(m2・24hr・atm)程度である。
また、JIS Z0208に基づき、厚さ0.5mmのシートサンプルを用いて測定した透湿度(JIS Z0208;40℃、90%RH)が2.0g/(m2・24hr)以下であり、水蒸気に対するバリア性にも優れている。該透湿度は、、好ましくは1.8g/(m2・24hr)以下、さらに好ましくは1.7g/(m2・24hr)以下、特に好ましくは1.5g/(m2・24hr)以下である。この透湿度の下限については特に制限はないが、通常0.5g/(m2・24hr)程度である。
JIS K6253(15秒後)に基づいて測定した硬度が、JIS−A硬度で30〜60度である。該硬度が上記範囲にあれば、柔軟性が良好であると共に、適度の機械物性を有している
メルトフローレート[MFR](JIS K7210;270℃、98.0665N(10Kgf))が5000g/10分以下である。MFRが上記の範囲にあれば、良好な射出成形性を有すると共に、機械物性も良好である。好ましいMFRは3000g/10分以下、さらに好ましくは2000g/10分以下、特に好ましくは、1000g/10分以下である。
また、JIS K6262に基づき、70℃、22時間の条件で測定した圧縮永久歪みが、好ましくは95%以下であり、さらに好ましくは90%以下であって、圧縮永久歪み特性に優れている。すなわち、加熱成形において、良好な復元性を有している。
さらに、引張り強さ及び伸び(JIS K6251;ダンベル状3号形、23℃)が、それぞれ、通常5MPa以上及び300%以上であることが好ましく、6MPa以上及び500%以上であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物には、前記の(A)成分及び(B)成分以外に、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、例えば他の熱可塑性エラストマー、さらには、可塑剤、充填材、補強剤、シランカップリング剤、接着性付与剤、ラジカル架橋剤や架橋助剤、老化防止剤(フェノール系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、硫黄系ヒドロペルオキシド分解剤、リン系ヒドロペルオキシド分解剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系光安定剤、ニッケル系光安定剤等)、光硬化性樹脂、ワックス類、フロー性改良剤、滑剤、界面活性剤、発泡剤、難燃剤、顔料等の各種添加剤を適宜配合することができる。
本発明の樹脂組成物は、以下に示す本発明の方法に従えば、効率よく製造することができる。
本発明の方法においては、溶融混練装置に、前述の(A)(a)イソブチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるソフトセグメントと、(b)スチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるハードセグメントとを有する、(b)−(a)−(b)型イソブチレン系トリブロック共重合体少なくとも一種と、場合により、ハード成分及び/又はソフト成分として、(B)炭素数2〜6のオレフィン系重合体及び各種添加剤を投入し、140〜230℃の温度において、溶融混練することにより、前述の性状を有する樹脂組成物を製造することができる。
溶融混練の際の温度が上記範囲にあれば、(A)成分のイソブチレン系トリブロック共重合体の分解(ブロックの切断)が抑制されると共に、所定のMFR及びその他物性を有する樹脂組成物が得られる。
溶融混練装置としては、例えば、ラボプラストミル、ブラベンダー、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等のような密閉式混練装置またはバッチ式混練装置、単軸押出機、二軸押出機等のような連続式の溶融混練装置を用いることができる。
このようにして得られた本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂組成物に対して一般に採用される成形方法及び成形装置を用いて成形でき、例えば、押出成形、射出成形、プレス成形、ブロー成形などによって溶融成形することができる。
本発明の樹脂組成物は、柔軟性、耐空気透過性、耐透湿性、圧縮永久歪み特性、射出成形性などが高いレベルでバランスしており、シート、成形体、粘着体、発泡体などに成形され、土木シート・防水シートなどのシート、パッキング材、シール材、ガスケット、栓体などの密封用材、建築用ダンパー、CDダンパーといった自動車、車両、家電製品向け制振材や防振材、さらには、記録媒体駆動装置用インシュレーター、HDD用ガスケット及びHDD用衝撃吸収材、医療用輸液輸送用チューブなどに用いることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における物性評価は、下記の方法により行った。
(1)硬度
JIS K6253(15秒後)に準じて、JIS−A硬度を測定した。
(2)MFR
JIS K7210に準じて、270℃、98.0665Nの条件で測定した。
(3)圧縮永久歪み
JIS K6262に準じて、70℃、22時間の条件で測定した。
(4)引張り強さ及び伸び
JIS K6251に準じて、ダンベル状3号形、23℃にて測定した。
(5)空気透過度
JIS K7126 A法(差圧法)40℃ に準じ、厚さ0.5mmのシートについて測定した。
(6)透湿度
JIS Z0208に準じ、厚さ0.5mmのシートについて40℃、90%RHの条件で測定した。
また、各例で用いた配合原料は、下記のとおりである。
ポリマーA:スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体、数平均分子量Mn=71,300、重量平均分子量Mw=113,000、Mw/Mn=1.55、スチレン重合体ブロック含有量30質量%
ポリマーB:スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体、数平均分子量Mn=45,700、重量平均分子量Mw=63,900、Mw/Mn=1.40、スチレン重合体ブロック含有量30質量%
ポリマーC:ポリプロピレン[日本ポリケム社製、商標「ノバテックBC05B」]
ポリマーD:液状ポリブテン[日石化学社製、商標「HV300」、数平均分子量1400]
実施例1〜6及び比較例1、2
第1表に示す種類と量の各成分をゴム用ニーダーに投入し、150℃で60分間溶融混練して樹脂組成物を調製し、その性能を評価した。結果を第1表に示す。
Figure 2005307054
本発明の樹脂組成物は、柔軟性、耐空気透過性、耐透湿性、圧縮永久歪み特性、射出成形性などが高いレベルでバランスしており、例えば、記録媒体駆動装置用インシュレーター、HDD用ガスケット及びHDD用衝撃吸収材、医療用輸液輸送用チューブなどに用いることができる。

Claims (9)

  1. (A)(a)イソブチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるソフトセグメントと、(b)スチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるハードセグメントとを有する、(b)−(a)−(b)型イソブチレン系トリブロック共重合体少なくとも一種を含み、かつハードセグメントを含む全ハード成分とソフトセグメントを含む全ソフト成分との割合が、全ハード成分/(全ハード成分+全ソフト成分)質量比で0.25〜0.40の範囲にあり、
    (1)厚さ0.5mmのシートサンプルを用いて測定した空気透過度[JIS K7126;A法(差圧法)、40℃]が、200cm3/(m2・24hr・atm)以下であること、
    (2)厚さ0.5mmのシートサンプルを用いて測定した透湿度(JIS Z0208;40℃、90%RH)が2.0g/(m2・24hr)以下であること、
    (3)硬度[JIS K6253(15秒後)]がJIS−A硬度で30〜60度であること、
    (4)メルトフローレート[MFR](JIS K7210;270℃、98.0665N(10Kgf))が5000g/10分以下であること、
    を特徴とする樹脂組成物。
  2. (5)圧縮永久歪み(JIS K6262;70℃、22時間)が95%以下であり、
    (6)引張り強さ及び伸び(JIS K6251;ダンベル状3号形、23℃)が、それぞれ5MPa以上及び300%以上である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 配合時に用いる(A)成分のイソブチレン系トリブロック共重合体が、(b)スチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるハードセグメント15〜40質量%を含み、かつ重量平均分子量が50,000〜200,000のものである請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 配合物全体に占めるハード成分及び/又はソフト成分として、(B)炭素数2〜6のオレフィン系重合体を含む請求項1、2又は3に記載の樹脂組成物。
  5. (B)成分のハード成分が、エチレン系重合体及び/又はプロピレン系重合体である請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. (B)成分のソフト成分が、液状ポリブテンである請求項4又は5に記載の樹脂組成物。
  7. 液状ポリブテンが、イソブチレン単位を主体とする数平均分子量200〜3000のものである請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. (A)成分のイソブチレン系トリブロック共重合体が、分子量が異なるイソブチレン系トリブロック共重合体二種以上からなる混合物である請求項1ないし7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. 溶融混練装置に、(A)(a)イソブチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるソフトセグメントと、(b)スチレン単位を主体とする重合体ブロックからなるハードセグメントとを有する、(b)−(a)−(b)型イソブチレン系トリブロック共重合体少なくとも一種と、場合により、ハード成分及び/又はソフト成分として、(B)炭素数2〜6のオレフィン系重合体を投入し、140〜230℃の温度において溶融混練することを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。


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