JP2005306791A - アビエタンキノン化合物の製造方法 - Google Patents

アビエタンキノン化合物の製造方法 Download PDF

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洋一 松下
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Abstract

【課題】 抗菌性や抗癌活性が期待される医薬化合物等として有用なアビエタンキノン化合物を安全にかつ効率よく製造することができるアビエタンキノン化合物の新規な製造方法を提供すること。
【解決手段】 8,11,13−アビエタトリエン化合物に、アミノ基を導入した後、ジアゾ化し、加カルボン酸分解し、脱アシル化し、酸化する工程を経ることを特徴とするアビエタンキノン化合物の製造方法;前記製造方法により得られるアビエタンキノン化合物を還元し、次いで当該化合物をアシル化し、次いで当該化合物を酸化した後、脱アシル化し酸化することを特徴とするアビエタンキノン化合物の製造方法を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、抗微生物活性、抗癌活性など生理活性に優れた医薬品化合物等として期待されるアビエタンキノン化合物の製造方法に関する。
植物成分には、各種の生理活性を有するテルペノイドが存在し、医薬品や農薬などへの利用が行われてきた。また、アビエタン骨核を有するジテルペノイドも植物成分として広く分布している。このようなジテルペノイドの一種であるキノン構造を有するアビエタンジテルペンとして、一般式(6)
Figure 2005306791
(式中、Rはメチル基またはC1−5アルコキシカルボニル基を、Rは水素原子またはヒドロキシル基を、を示す。)
や一般式(15)
Figure 2005306791
(式中、Rはメチル基またはC1−5アルコキシカルボニル基を示す。)で表されるアビエタンキノン化合物などが樹木成分として単離されており、当該化合物は抗菌活性や抗癌性を持つことが報告されている(特許文献1、2および非特許文献1〜3参照)。例えば、一般式(15)(Rがメチル基)で表されるキノンがスギ樹皮から単離され、イネいもち病菌およびリンゴ斑点落葉病菌などの植物病原菌に対して生育阻害作用と抗癌活性を有することが見出されている(特許文献1、特許文献2および非特許文献1参照)。また、一般式(6)(Rがメチル基、Rが水素原子)で表されるキノンは、抗リスマニア活性を持つことが報告されている(非特許文献2参照)。さらに、一般式(6)(Rがメチル基、Rが水酸基)のキノンはスギなど各種樹木から単離されてきたロイレアノンであるが、新たにメシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)にも低濃度で抗菌活性を示すことが報告され、注目されている(非特許文献3参照)。これらアビエタンキノンは従来開発された当該医薬効果を持つ医薬化合物と構造が全く異なる新規な化合物群で、医療等への応用が期待されている。
アビエタンキノン化合物は天然物質として、各種樹木等から単離することにより得られるが、当該方法では生産性が低いため、製造方法としては適当ではない(特許文献1,2および非特許文献1,2を参照)。また、一部化合物については、化学合成により製造する方法が提案されているが、これらの製造方法は多段階の反応工程を必要としたり、全工程の収率が低かったり、あるいは爆発危険性の高い過酸化物を使用しなければならないといった問題点がある(非特許文献3および4参照)。従って、アビエタンキノン化合物を医薬用途分野などで利用するためには、より効率的で安全なアビエタンキノン化合物の製造法を確立することが望まれている。
ところで、本発明でアビエタンキノンの製造の重要な中間体となる一般式(5)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される12,14−ジヒドロキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物および一般式(10)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される14−ヒドロキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物はいずれも公知の化合物である。しかし、一般式(5)で表される化合物の製造方法は低収率で多段階を要する必要や4酢酸鉛のような猛毒物質を使用する必要があり、工業的に有利でない(非特許文献5を参照)。また、一般式(10)で表される化合物も低収率で多段階の反応工程を必要とし、工業的に有利でない。そのため、一般式(5)および(10)で表される化合物を効率的に製造する手段を確立することができれば、一般式(6)で示されるアビエタンキノン化合物を効率的に製造することができると考えられる。
特開2000−344708号公報 特開2002−193869号公報 H. Kofujutaら、「A diterpene quinone from the bark of Cryptomeriajaponica」Phytochemistry、2002年、61巻、p.895−898 N. Tanら、「Abietane diterpenoids and triterpenoic acids from Salviacilicica and their antileishmanial activities」Phytochemistry、2002年、61巻、p.881−884 Z. Yangら、「Synthesis of variously oxidized abietane diterpenes andtheir antibacterial activities against MRSA and VRE」Bioorganic & MedicinalChemistry、2001年、9巻、p.347−356 T. Matsumotoら、「Synthesis of Taxodione, Royleanone, Cryptojaponol,and Methyl 11-hydroxy-12-methoxy-7-oxoabieta-8,11,13-trien-18-oate」Bulletin ofThe Chemical Society of Japan, 1977年、50巻、p.266−272 H. Akitaら、「Aromatic Substitution in Dehydroabietane Derivatives.-Syntheses of the Phenolic Dehydroabietane Series-」Chemical and PharmaceuticalBulletin、1981年、29巻、p.1567−1579 A. Taharaら、「Diterpenoids. XXXVIII. Conversion of l-Abietic Acid intoSteroidal Skeletons: Formation of the D-Ring (1)」Chemical and PharmaceuticalBulletin、1975年、23巻、p.3189−3202 A. Taharaら、「Diterpenoids. XXX. Reaction of Methyl DehydroabietateDerivatives with Aluminum Chloride under Effect of Electron-donating group」Chemicaland Pharmaceutical Bulletin、1975年、23巻、p.1976−1983
本発明は、抗菌性や抗癌活性が期待される医薬化合物等として有用なアビエタンキノン化合物を安全にかつ効率よく製造することができるアビエタンキノン化合物の新規な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、安価で入手が容易な不均化松脂(ロジン)から得られるデヒドロアビエチン酸および当該化合物から容易に製造可能な8, 11, 13-アビエタトリエン(後述する一般式(1)の化合物)を製造原料に用い、当該一般式(1)の化合物をジニトロ化次いで還元して得たアミノ体を、特定条件下にジアゾ化−加溶媒分解する方法とジアゾ化−還元する方法を新規に開発して、目的の光学活性なアビエタンキノン化合物へ誘導する製造方法を見出した。
すなわち、本発明は、一般式(1)
Figure 2005306791
(式中、Rは、カルボキシル基、C1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される8,11,13−アビエタトリエン化合物に、アミノ基を導入し、一般式(3)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rはアミノ基または水素原子、Rはアミノ基を示す)で表される化合物とした後、ジアゾ化し、加カルボン酸分解し、脱アシル化し、酸化する工程を経ることを特徴とする一般式(6)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rは水酸基または水素原子を示す)で表されるアビエタンキノン化合物の製造方法;一般式(6)(ただし、式中、Rはメチル基またはアルコキシカルボニル基を、Rは水素原子を示す)で表されるアビエタンキノン化合物を還元し、次いで当該化合物をアシル化し、次いで当該化合物を酸化した後に脱アシル化し酸化することを特徴とする一般式(15)
Figure 2005306791
(式中、Rはメチル基またはアルコキシカルボニル基を示す。)で表されるアビエタンキノン化合物の製造方法に関する。
本発明によれば、抗微生物活性や抗癌活性の強い植物成分として知られる医薬化合物として有用なアビエタンキノン化合物を天然と全く同じ光学活性を持つ状態で、安価な不均化松脂(ロジン)から工業的有利に製造できるという優れた効果を奏する。
本発明のアビエタキノン化合物の製造方法としては、具体的には、例えば、一般式(1)
Figure 2005306791
(式中、Rは、カルボキシル基、C1−5アルコキシカルボニル基(本発明で「C1−5アルコキシ」とは炭素数が1〜5であるアルコキシ基を意味する。)またはメチル基を示す)で表される8,11,13−アビエタトリエン化合物を、ジニトロ化(反応工程(1))、還元(反応工程(2))、ジアゾ化−加カルボン酸分解(反応工程(3))、脱アシル化(反応工程(4))、酸化(反応工程(5))し、一般式(6)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rは水酸基を示す)で表されるアビエタンキノン化合物を製造する方法(以後、アビエタキノン製造法(1)という);前記反応工程(1)で得られた化合物を、部分還元(反応工程(6))、ジアゾ化−還元(反応工程(7))、還元(反応工程(8)、ジアゾ化−加カルボン酸分解(反応工程(9)、脱アシル化(反応工程(10)、酸化(反応工程(11)し一般式(6)(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rは水素原子を示す)で表されるアビエタンキノン化合物を製造する方法(以後、アビエタキノン製造法(2)という);一般式(6)(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rは水素原子を示す)で表されるアビエタンキノン化合物を還元(反応工程(12))、アシル化(反応工程(13))、酸化(反応工程(14))、脱アシル化(反応工程(15))、酸化(反応工程(16))して一般式(15)
Figure 2005306791
(式中、Rはメチル基またはアルコキシカルボニル基を示す。)で表されるアビエタンキノン化合物の製造方法(以後、アビエタキノン製造法(3)という)があげられる。
アビエタキノン製造法(1)
[原料:一般式(1)で表される化合物(Rはメチル基)の製造方法]
デヒドロアビエチン酸から8,11,13−アビエタトリエンの製造方法としては、特に制限されず公知の方法を採用することができる。具体的には、例えばデヒドロアビエチン酸と塩化チオニルを反応させ酸塩化物とし、さらにN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩を反応させてアミド化合物とし、当該アミド化合物をさらに還元してアルデヒド化合物とし、このものを還元することにより、一般式(1)で表される化合物(Rはメチル基)を調製することができる。
[反応工程(1)]ニトロ化工程
反応工程(1)は、一般式(1)の化合物を、ニトロ化する工程である。ニトロ化する方法としては特に制限されず、公知の方法を採用することができる。なお、ニトロ化の方法によっては、モノニトロ化物とジニトロ化物の二種類の生成物が得られるが、モノニトロ化をする場合には、12−ニトロ化合物と14−ニトロ化合物の混合物(約2:1)となり、目的の14−ニトロ化合物はマイナー生成物となるばかりか、12−ニトロ化合物と14−ニトロ化合物との分離も困難であるため、ジニトロ化をすることが好ましい。ジニトロ化法としては、例えば、濃硫酸と濃硝酸の混合物と0℃〜室温で反応させる方法や、銅担持触媒を用いる方法などが挙げられる。濃硫酸と濃硝酸の混合物を用いる場合には、一般式(1)で表される化合物に対して、濃硝酸として60〜70%濃度のものを10〜50当量程度、好ましくは20〜50当量と、濃硫酸として90〜97%のものを20〜100当量程度、好ましくは40〜80当量用い、通常、0℃〜室温になるように適宜冷却し、0.5〜3.0時間程度反応させる方法が挙げられる。また、銅担持触媒を用いる方法としては、一般式(1)の化合物を、銅担持触媒(例えば、文献(P.
Laszloら、「Vastly Improved Para preference in the Nitration of Halobenzenes」Journal
of Organic Chemistry、1987年、52巻、p.2407−2410)に記載されたクレイコップ)の存在下に発煙硝酸とカルボン酸無水物の混合物を用いてジニトロ化すればよい。通常、一般式(1)の化合物を四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン系有機溶媒(以下、ハロゲン系溶媒という)とカルボン酸無水物との5:1程度〜1:1程度、好ましくは3:1〜1.5:1の溶液に溶かして、クレイコップ0.2〜5部程度、好ましくは0.5〜2.0部を加えて、氷冷して発煙硝酸1〜3部程度、好ましくは1.5〜2.5部を滴下したのち、室温で1〜5時間程度、好ましくは1〜3時間反応させる。反応後、反応溶液をろ過し、クレイコップの固体を酢酸エチルで洗浄したのち、合わせた有機層を水次いで飽和炭酸水素水溶液で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過後、ろ液より溶媒を留去して得られる黄色の粗生成物を再結晶またはカラムクロマトグラフィーで精製する。なお、前記いずれの方法でも一般式(1)の化合物でR基がカルボキシル基の場合は、一般的な方法(ジアゾメタンとの反応やメタノール中でチオニルクロリドと反応させる方法など)でエステル化することが好ましい。こうして、目的の一般式(2)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表されるジニトロ化合物を得ることができる。
[反応工程(2)]還元工程
反応工程(2)は、一般式(2)で表される化合物を、還元し、一般式(3)
Figure 2005306791
(ただし、式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rはアミノ基を示す)で表されるジアミノ化合物を製造する工程である。還元方法としては公知の方法を採用できる。具体的には、例えば、水素添加用触媒の存在下に水素またはギ酸アンモニウムを水素供与体として用い還元する方法が挙げられる。水素添加用触媒としては、一般的なニトロ基の還元に使用される水素添加用触媒が使用でき、具体的には、例えばパラジウム、酸化白金、パラジウム−炭素、白金−炭素などが挙げられる。なお、炭素担持触媒を用いる場合の、炭素へのパラジウムまたは白金の担持量は特に限定されないが、一般的に用いられる5〜10%担持のものでよい。一般式(2)で表される化合物に対してパラジウムや酸化白金では0.005〜1部程度、好ましくは0.1〜0.5部を、またパラジウム炭素や白金炭素では0.1〜5.0部程度、好ましくは0.5〜2.0部を用いるとよい。水素供与体として水素を用いる場合は、一般式(2)で表される化合物をメタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール(以下、単に低級アルコールという)に溶かすか、溶けにくい場合は低級アルコールに適当な溶解補助溶媒(ベンゼン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、酢酸エチルなど)を溶解する程度加えて、水素圧1〜10気圧、好ましくは2〜5気圧で室温〜50℃で反応させる。反応温度は特に限定されないが、室温でも十分反応は進行する。反応の終了は薄層クロマトグラフィー(TLC)で確認すればよい。反応終了後、触媒をろ過して除き、ろ液を濃縮すると粗生成物が得られる。再結晶で精製すると、目的とする一般式(3)(ただし、式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rはアミノ基を示す)で表されるジアミノ化合物を製造できる。水素供与体としてギ酸アンモニウムを用いる場合は、一般式(2)で表される化合物と水素添加用触媒とを低級アルコールに溶かすか、溶けにくい場合は低級アルコールに適当な前記溶解補助溶媒を溶解する程度加えた後、ギ酸アンモニウム5〜200当量程度、好ましくは20〜100当量を分割して数時間おきに加えて、窒素気流下、室温〜50℃で攪拌すればよい。反応温度は特に制限されない。反応終了後、触媒をろ過して除き、ろ液を濃縮すると粗生成物が得られる。再結晶で精製すると、目的とする一般式(3)で表されるジアミノ化合物を製造できる。
[反応工程(3)](ジアゾ化−加カルボン酸分解工程)
反応工程(3)は、一般式(3)で表されるアミノ化合物をジアゾ化し、加カルボン酸分解する工程である。反応工程(2)により得られたジアミノ化合物を、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ酢酸などの低級カルボン酸(以下、低級カルボン酸という。)に溶解し、亜硝酸アルキル類(亜硝酸エチル、亜硝酸ブチル、亜硝酸イソアミルなど、以下、亜硝酸アルキル類という)2〜10当量程度、好ましくは2〜3当量を0〜20℃でゆっくり滴下する。0.1〜3.0時間程度攪拌し、TLCで目的物の生成を確認した時点で反応を終了し、冷水に注ぐ。エーテルや酢酸エチル等の適当な溶媒で抽出し、水洗後、有機層を分液して、無水硫酸ナトリウムなど乾燥剤で乾燥する。ろ過後、溶媒を留去すると、粗生成物が得られる。これを再結晶やカラムクロマトグラフィーなどで生成することで、一般式(4)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を、RはC1−5アルキル基またはトリフルオロメチル基を示す)で表される12,14−ジアシルオキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物が得られる。なお、一般式(4)でRがトリフルオロメチル基で示される化合物は不安定であり、精製過程で脱トリフルオロアセチル化が起こることがあるため、粗生成物のまま後述の反応工程(4)に用いる方がよい。
[反応工程(4)]脱アシル化工程
反応工程(4)は、反応工程(3)12,14−ジアシルオキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物を脱アシル化する工程である。脱アシル化としては、公知の方法を採用することができるが、具体的には、例えば、一般式(4)で表される化合物を低級アルコールに溶解し、窒素気流下、室温〜還流温度で加温する方法で、Rがトリフルオロメチル基の場合は容易に脱トリフルオロアセチル化が起こる。一方、脱トリフルオロアセチル化の反応の進行が遅い場合やRがC1−5アルキル基の化合物の脱アシル化には塩基または酸の触媒を用いればよい。例えば、0.05当量から5.0当量程度、好ましくは0.5〜2.0当量の炭酸アルカリ(炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなど)を加えると反応時間を短縮できる。TLCで反応の終了を確認し、冷水に注ぎ中性に中和したのち、エーテルや酢酸エチルなど適当な溶媒で抽出する。有機層を分液して無水硫酸ナトリウムなど乾燥剤で乾燥し、ろ過後、溶媒を留去すると、粗生成物が得られる。これを再結晶やカラムクロマトグラフィーなどで精製すると、一般式(5)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される12,14−ジヒドロキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物が得られる。なお、前述の炭酸アルカリに代えて、硫酸や塩酸などの強酸を溶媒に対して0.001〜0.3部程度、好ましくは0.01〜0.2部加えても、反応の進行が速くなる。同様の抽出および精製処理した後、目的の一般式(5)で表される化合物が得られる。
[反応工程(5)]酸化工程
反応工程(5)は、反応工程(4)で得られたジヒドロキシ化合物を酸化することによりアビエタンキノンとする工程である。反応工程(4)で得られた化合物を酸化すると,目的の一般式(6)で表されるアビエタンキノン(式中、Rはメチル基またはC1−5アルコキシカルボニル基を、Rは水酸基を示す。)が得られる。酸化反応としては、通常公知の方法を採用することができる。具体的には、例えば、つぎのような酸化方法がある。一般式(5)で表される化合物を、低級カルボン酸に溶解し、酸化剤として3〜50%過酸化水素水を3〜100当量程度、好ましくは5〜20当量加えて、0〜100℃程度、好ましくは室温〜50℃で反応させる。なお、用いる酸化剤としては、フェノール、レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン等をキノンに酸化できる能力を持つ酸化剤であれば、特に限定されずに使用できる。反応の終了はTLCで確認できる。反応後、水で希釈し析出する固体をろ集する、または酢酸エチルやジエチルエーテルなどの適当な有機溶媒で抽出後、濃縮する等の方法で、粗生成物を得ることができる。得られた粗生成物は、再結晶またはクロマトグラフィーで精製すると目的とする一般式(6)で表されるアビエタンキノン(式中、Rはメチル基またはC1−5アルコキシカルボニル基を、Rは水酸基を示す。)が得られる。なお、酸化反応時にさらに触媒として塩化ルテニウム(III)、塩化鉄(III)などを触媒量(0.001〜0.4当量程度、好ましくは0.005〜0.02当量)加えると反応を速く進行させることができる。一般式(5)で表される化合物を低級アルコール、低級カルボン酸、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類等の水と混和する有機溶媒に溶解し、弱酸性塩の0.01〜0.2M程度、好ましくは0.05〜0.20Mの水溶液(例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、クエン酸モノナトリウムなど)か、または同程度の濃度の弱酸性緩衝液(クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液など)を、使用した有機溶媒量に対して0.1〜5.0部程度、好ましくは0.5〜2.0部加える。当該溶液に、ニトロソスルホン酸カリウム(Fremy塩)を2〜50当量程度、好ましくは5〜20当量加えて、0℃〜室温で攪拌反応させた後、過酸化水素を用いる場合と同様に後処理すると、目的とする一般式(6)で表されるアビエタンキノン(式中、Rはメチル基またはC1−5アルコキシカルボニル基を、Rは水酸基を示す。)が得られる。
アビエタキノン製造法(2)
[反応工程(6)]部分還元工程
反応工程(6)は、前述した方法により得られた一般式(2)で表されるジニトロ化合物の12位のニトロ基を水素添加用触媒の存在下に水素供与体を用いて選択的に還元し、一般式(7)
Figure 2005306791
(ただし、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される12−アミノ−14−ニトロ−8,11,13−アビエタトリエン化合物を製造する工程である。当該工程は、前述した反応工程(2)と同様の方法で行えばよいが、水素供与体として水素を用いる場合は、水素圧1〜10気圧程度、好ましくは1〜2気圧で、室温で反応させればよい。当該還元は、まず12位のニトロ基が先に還元され、その後14位のニトロ基の還元が起こるので、TLCでモノアミノ化合物が生成した時点を確認し、反応を終了させる必要がある。 また、水素供与体としてギ酸アンモニウムを用いる場合も、反応工程(2)と同様に行えばよいが、ギ酸アンモニウム10〜200当量、好ましくは10〜50当量を分割して1時間おきに加えることが好ましい。反応終了点は、TLCで確認すればよい。反応終了後、反応工程(2)と同様の精製を行うことにより、一般式(7)で表されるモノアミノ化合物を製造できる。
[反応工程(7)]ジアゾ化−還元工程
反応工程(7)は、反応工程(6)で得られたモノアミン化合物のアミノ基を、ジアゾ化−還元により水素原子に置換させる工程である。ジアゾ化−還元工程としては、通常公知の方法を採用することができる。通常は、反応工程(6)で得られた化合物を溶媒に溶解し、亜硝酸アルキル類を反応させればよい。当該工程において用いる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、またはエタノール,イソプロパノールなどのアルコール類があげられる。亜硝酸アルキル類の使用量は、通常、一般式(7)で表される化合物の1〜5当量程度、好ましくは2〜2.5当量であり、反応系に添加する際には還流しながらゆっくり滴下する。反応が完結した後、溶媒を減圧留去した後、再結晶またはカラムクロマトグラフィーで精製することにより、一般式(8)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される14−ニトロ−8,11,13−アビエタトリエン化合物が得られる。なお、使用した溶媒は亜硝酸アルキルとの反応で生成する中間体ジアゾ化合物を還元する役割を兼ねており、溶媒としてジオキサンを用いた場合に収率が最もよい結果を与える。
[反応工程(8)]還元工程
一般式(8)で表される化合物を反応工程(2)と同様の条件で還元反応し、同様に後処理を行い、目的とする一般式(3)(ただし、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rは水素原子を示す)で表されるモノアミノ化合物を得ることができる。
[反応工程(9)]ジアゾ化−加カルボン酸分解工程
反応工程(9)は、一般式(3)(ただし、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rは水素原子を示す)で表される化合物をジアゾ化し、加カルボン酸分解する工程である。反応工程(8)により得られた一般式(3)(ただし、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rは水素原子を示す)で表される化合物を低級カルボン酸に溶解させ、亜硝酸アルキル類1〜5当量程度、好ましくは1〜2当量を0℃〜室温でゆっくり滴下し、0.1〜3.0時間攪拌し、TLCで目的物の生成を確認した時点で反応を終了させ、内容物を冷水に注ぎ、反応工程(3)と同様の精製を行うことにより、一般式(9)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を、RはC1−5アルキル基またはトリフルオロメチル基を示す)で表される14−アシルオキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物が得られる。なお、一般式(9)でRがトリフルオロメチル基で表される化合物は不安定であり、精製過程で脱トリフルオロアセチル化が起こることがあるため、粗生成物のまま後述の反応工程(10)の反応に用いる方がよい。
[反応工程(10)]脱アシル化工程
反応工程(10)は、反応工程(9)で得られた14−アシルオキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物を脱アシル化する工程である。脱アシル化は、14−アシルオキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物を用い、反応工程(3)と同様の操作を行えばよい。当該工程によって一般式(10)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される14−ヒドロキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物を得ることができる。
[反応工程(11)]酸化工程
反応工程(11)は、一般式(10)で表される化合物を酸化することにより一般式(6)の化合物(式中、Rはメチル基またはC1−5アルコキシカルボニル基を、Rは水素原子を示す。)とする工程である。一般式(10)で表される化合物の酸化は、反応工程(5)と同様の方法で行えばよいが、酸化触媒の使用量は、三塩化ルテニウムを用いた場合には0.01〜1.0当量程度、好ましくは0.05〜0.2当量とし、過酸化水素水を用いる場合には10〜50%濃度、好ましくは25〜50%濃度の過酸化水素水を1〜20当量程度、好ましくは2〜8当量とすることが好ましい。本工程により、目的の一般式(6)で表されるアビエタンキノン(式中、Rはメチル基またはC1−5アルコキシカルボニル基を、Rは水素を示す。)が得られる。
アビエタキノン製造法(3)
[反応工程(12)]還元工程
反応工程(12)は、キノンを還元してジヒドロキシ化合物とする工程である。一般式(6)で表される化合物(式中、Rはメチル基またはC1−5アルコキシカルボニル基を、Rは水素原子を示す。)は、キノンをハイドロキノンに還元する能力を持つ公知の還元剤で還元させることにより、一般式(11)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される11,14−ジヒドロキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物が得られる。使用する還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどがあげられる。具体的には、一般式(6)で表される化合物を低級アルコールに溶解し、氷冷下〜室温で、水素化ホウ素ナトリウム2〜10当量程度、好ましくは2〜5当量を加えて反応させ、TLCで反応の終了を確認した後、水で希釈し、中和後、酢酸エチルやエーテルなど適当な溶媒で抽出する。有機層を乾燥後、ろ過して溶媒を留去すると一般式(11)で表されるハイドロキノンが得られる。再酸化されやすいので、これ以上の精製をすることなく、後述する反応工程(13)に用いる方がよい。また、水素化リチウムアルミニウム2〜5当量程度、好ましくは2.2〜3.5当量をジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどエーテル類に溶解または懸濁し、氷冷下〜室温で攪拌しながら、一般式(6)で表される化合物のエーテル溶液を滴下する。TLCで反応の終了を確認した後、水で希釈し、酸性に中和した後、酢酸エチルやエーテルなど適当な溶媒で抽出する。有機層を乾燥後、ろ過して溶媒を留去すると一般式(11)で表されるハイドロキノンが得られる。
[反応工程(13)]アシル化工程
反応工程(13)は、反応工程(12)で得られたハイドロキノンの水酸基をアシル化させる工程である。当該工程としては、特に制限されず、通常公知のアシル化法を採用することにより、一般式(12)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を、RはC1−5アルキル基を示す)で表される11,14−アシルオキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物が得られる。具体的には、例えば、一般式(11)で表される化合物を、塩基性非プロトン性溶媒(例えばピリジン、コリジン等)中で、2〜10当量程度、好ましくは2.2〜6.0当量のカルボン酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸など)またはカルボン酸クロリド(塩化アセチル、塩化プロピオニル等)を用い、0℃〜室温で反応させるとよい。触媒として0.001〜1.0当量程度、好ましくは0.05当量〜0.5当量の4−(N、N−ジメチルアミノ)ピリジンを存在させると反応を速く進めることができる。
[反応工程(14)]酸化工程
反応工程(14)は、反応工程(13)で得られた一般式(12)で表される化合物を酸化する工程である。具体的には、一般式(12)で表される化合物を、無水クロム酸2〜20当量程度、好ましくは3〜10当量を低級カルボン酸(酢酸、プロピオン酸など)に溶解した溶液に、氷冷下〜室温で加えて、攪拌下に反応させる。反応の終了をTLCで確認した後、水で希釈し、酢酸エチルやジエチルエーテルなどの適当な溶媒で抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。有機層をろ過後、溶媒を留去すると粗生成物が得られる。これを再結晶または分取TLCにより精製することにより、一般式(13)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を、RはC1−5アルキル基を示す)で表される11,14−アシルオキシ−7−オキソ−8,11,13−アビエタトリエン化合物が得られる。
[反応工程(15)]脱アシル化工程
反応工程(15)は、反応工程(14)で得られた化合物を脱アシル化する工程である。当該工程としては特に制限されず公知の方法を採用することができる。具体的には、一般式(13)で表される化合物を、低級アルコールに溶解し、硫酸や塩酸などの強酸を、溶媒に対して0.001〜0.3部程度、好ましくは0.01〜0.2部加えて、窒素下で還流する。TLCで反応の終了を確認し、冷水に注ぎ中性に中和し、エーテルや酢酸エチルなど適当な溶媒で抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムなどの乾燥剤で乾燥する。ろ過後、溶媒を留去すると、粗生成物が得られる。これを再結晶やカラムクロマトグラフィーなどで生成すると、目的の一般式(14)
Figure 2005306791
(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される11,14−ヒドロキシ−7−オキソ−8,11,13−アビエタトリエン化合物が得られる。
[反応工程(16)]酸化工程
反応工程(16)は、反応工程(15)で得られたジヒドロキシ化合物を酸化剤により酸化し、キノンとする工程である。用いる酸化剤としては、硝酸セリウムアンモニウム、クロム酸、活性二酸化マンガン、活性二酸化クロム、塩化ルテニウム−過酸化水素などヒドロキノンをキノンに酸化する能力を持つ酸化剤が使用できるが、活性二酸化マンガンを用いる方法が最も収率が良くなるため好ましい。具体的には、一般式(14)で表されるヒドロキノン化合物を非プロトン性有機溶媒、好ましくは極性の低い非プロトン性有機溶媒、例えばハロゲン系溶媒や芳香族炭化水素系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン等)に溶解し、0℃〜室温の条件で酸化剤をを1.0〜20当量程度、好ましくは1.0〜5.0当量加えて攪拌した後、反応溶液をろ過後、ろ液を濃縮し、得られる粗生成物を再結晶やカラムクロマトグラフィーなどで生成すると、目的の一般式(15)(式中、Rはメチル基またはC1−5アルコキシカルボニル基を示す。)で表される化合物が得られる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
製造例1[一般式(1)(ただし、RがCH)の製造
冷却管、滴下ロートを取り付けた丸底フラスコに、デヒドロアビエチン酸10.17g(33.87mmol)とベンゼン20cmを加えて溶解させた後、N,N−ジメチルホルムアミドを5滴加え、滴下ロートより塩化チオニル7.2cm(101.6mmol)を室温下に攪拌しながら30分かけて滴下し、60〜70℃で3時間反応させた。放冷後、内容物をなすフラスコに移してベンゼンを減圧留去して、残存する塩化水素と塩化チオニルを除き、生成物を得た。赤外吸収スペクトル(以下、IRという)により、当該生成物が目的とする酸塩化物であることを確認した。
ナスフラスコに、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(CHONHCH・HCl)4.95g(50.81mmol)を秤り取り、テトラヒドロフラン(以下、THFという)50cmを加えて懸濁させ、次いで、トリエチルアミン19.2cm(135.48mmol)を加えた後、氷浴下に攪拌しながら前記で得られた粗酸塩化物(全量)をTHF20cmに溶解させた溶液を加えた。次いで、当該フラスコに塩化カルシウム管を取り付け、全体をアルミホイルで遮光し、攪拌下に室温で反応させた。
THFを減圧留去し、酢酸エチル30cmおよび蒸留水30cmを加え、分液した。有機層を1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ろ過し、ろ液から酢酸エチルを減圧留去して粗生成物を得た。当該粗生成物をジイソプロピルエーテルで再結晶させて、アミド化合物9.827g(収率84%)を白色針状結晶として得た。当該結晶は、分子量343.50、融点103.2〜104.3℃であった。
丸底フラスコに水素化リチウムアルミニウム69.5mg(1.83mmol)を秤り取り、エーテル4cmを加えた後、塩化カルシウム管を取り付け、系内雰囲気を窒素置換した。メタノール−氷浴下、当該フラスコ内に先に調製したアミド化合物511.2mg(1.49mmol)をエーテル4cmに溶解させた溶液を加え、室温で20分反応させた。次いで硫酸水素カリウム383.0mg(2.36mmol)を蒸留水5cmに溶解させた溶液を反応系内に徐々に加えて反応を終了させた。内容物にエーテル10cmを加え、分液ロートに移して分液した。有機層は、2M塩酸10cmで1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。無水硫酸ナトリウムをろ別し、ろ液よりエーテルを減圧留去し、白色針状結晶416.9mg(収率98%)を得た。当該結晶は、分子量284.44、融点184.2〜184.4℃であり、NMRおよびIR分析して目的のアルデヒド化合物であることを確認した。
丸底フラスコに、ジエチレングリコール100cmおよびヒドラジン1水和物7.6cm(89.22mmol)を加え、100℃まで加温した後、前記アルデヒド化合物7.32g(14.87mmol)とエーテル20cmからなる溶液を徐々に加えて、1時間反応させた。次いで当該フラスコ内に水酸化カリウム7.31g(74.35mmol)を加え、過剰のヒドラジン1水和物を留去しながら、系内温度を210℃になるまで徐々に昇温し、同温度で2時間反応を継続した。放冷後、内容物を分液ロートに移し、蒸留水300cm、ヘキサン200cmおよびエーテル50cmを加えて分液した。水層はエーテル100cmで抽出し、有機層を蒸留水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。無水硫酸ナトリウムをろ別した後、ろ液により精製し、白色粉末状結晶6.073gを得た。当該結晶は、分子量270.5、融点43.8〜44.7℃であり、NMRおよびIR分析して、目的とするアビエタ−8,11,13−トリエンであることを確認した。
H−NMR(CDCl,TMS,250MHz)δppm
0.92(3H,s,H−18)、0.94(3H,s,H−19)、1.18(3H,s,H−20)、1.20〜1.23(6H,d,H−16およびH−17)、6.89(1H,d,H−14)、6.98(1H,dd,H−12,J=1.85Hz,J=8.19Hz)、7.17(1H,d,H−11,J=8.16Hz)
13C−NMR(CDCl,TMS,63MHz)δppm
19.1、19.3、21.6、24.0、30.5、33.3、33.4、37.5、38.9、41.8、50.4、123.8、124.3、126.8、134.9、145.4、147.6
実施例1−1〔一般式(2)(ただし、RがCH)で表される化合物の製造〕反応工程(1)
クレイコップ触媒〔モンモリロナイトK−10に硝酸銅(II)0.6gを担持したもの(硝酸銅(II)として約0.3g)〕を四塩化炭素3.0cmおよび無水酢酸1.5cmの混合溶媒に懸濁攪拌し、氷冷した。製造例1で得られた化合物0.54g(2.0mmol)を加えた後、発煙硝酸1.0cmを滴下した。反応液を室温にて、3時間反応させた後、セライトを通して吸引ろ過した。ろ液を水、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的の12,14−ジニトロアビエタ−8,11,13−トリエン0.37g(収率51%)を無色針状結晶として得た。融点192.2−192.7℃(メタノール)、[α] 25+65.4°(CHCl, c=0.71)
H−NMR (CDCl,TMS,400 MHz)δ /ppm 0.93,0.96(each
3H, s,H−18andH−19),1.21(3H,s,H−20),1.32(each 3H,d, J=7.2 Hz,H−16 and H−17),1.21−1.32
(2H,m),1.41(1H, tt,J=12.4,4.0 Hz),1.52(1H,br d,J=13.6 Hz),1.64−1.77(3H, m),1.93−1.98(1H,
m,H−6αorβ),2.23(1H,br d,J=12.4 Hz,H−1β),2.71−2.78(2H,m,H−7),3.02(1H,sept,J=7.2 Hz,H−15),7.54(1H,s,H−11)
13C−NMR (CDCl,63 MHz)δ /ppm17.63,18.87,
20.57,20.69, 21.45,24.63,24.90,28.95,33.00,33.38,38.25, 38.51,41.14,49.04,121.52,
128.11,130.82,149.35,151.67
IR (CHCl)υ/cm−13040,2950,2880,2660
(C−H), 1610 (C=C),1530,1360 (NO).
HREIMS(70 eV) m/z
calcd for[M]2028: 360.2049,found: 360.2079.
実施例1−2〔一般式(3)(ただし、RがCH、RがNH)で表される化合物の製造〕反応工程(2)
実施例1−1で得られた一般式(2)(ただし、RがCH)で表される化合物101mg(0.28mmol)をジクロロエタン4.0cmとメタノール2.0cmの混合溶媒に溶解し、10%パラジウム炭素0.20gを加えた。窒素置換後、46℃で攪拌しながら、ギ酸アンモニウムを3時間ごとに分割して加え、合計3.6gのギ酸アンモニウムを加えた。36時間攪拌を継続し、反応させた後、ろ過によりパラジウム炭素等を除去した後、酢酸エチルに溶解後、水洗、乾燥後、溶媒を留去し油状物を得た。当該油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、12,14−ジアミノ−アビエタ−8,11,13−トリエンを69mg(収率82%)を得た。融点136.7−138.1℃(酢酸エチル−ヘキサン)[α] 25+47.5°(CHCl,c=0.687)
H−NMR (CDCl,TMS,400 MHz)δ /ppm 0.93(3H,s,C19−H)、0.95(3H,s,H−18)、1.19(3H,s,H−20)、1.19−1.80(7H,H−1,H−2,H−3,H−5,H−6)、1.40,1.42(each 3H,brd,J=7.2 Hz,H−16,H−17)、1.96(1H,brdd,J=13.2,7.6
Hz,H−6)、2.18(1H,brd,J=12.4 Hz,H−1)、2.41(1H,ddd,J=17.5,9.7,6.3 Hz,H−7)、2.57(1H,dd,J=6.6
Hz,H−7)、3.24(1H, sept, J=7.1 Hz,H−15)、3.54(4H,brs,N )、6.17(1H,s,H−11)
13C−NMR(CDCl,63 MHz)δ /ppm 18.9,19.4,20.2,20.3,21.6,24.7,25.6,25.7,33.2,33.3,37.3,38.9,41.6,49.6,104.0,111.8,114.4,142.3,149.0
IR(CHCl)υ/cm−13500、3450,3400(N−H)、3010,2975,2945,2880
(C−H)、1625,1580(C=C)
実施例1−3〔一般式(4)(ただし、RがCH、RがCH)で表される化合物の製造〕反応工程(3)
実施例1−2で得られた一般式(3)で表される化合物402mg(1.34mmol)を酢酸4cmに溶かし、氷冷した後、攪拌しながら亜硝酸イソアミル0.40cm(2.75mmol、2.2当量)を加え、10分後氷浴をはずし室温に戻した。室温で1.5時間攪拌後、反応液を水で希釈し反応を停止させ、氷浴下2M水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した。当該反応溶液を、酢酸エチルで抽出し、有機層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、12,14−ジアセトキシアビエタ−8,11,13−トリエン325mg(収率63%)を得た。融点148.6−149.6℃(メタノール)、[α] 25+45.8°(CHCl, c=0.733)
H−NMR(CDCl,TMS,400 MHz)δ /ppm 0.92(3H,s,H−19)、1.20(3H,s,H−20)0.94(3H,s,H−18)、1.22,1.24
(each 3H,brd,J=7.6 Hz,C16−H,H−17)、1.19−1.90(10H,H−1,H−2,H−3,H−5,H−6,H−7)、2.16(1H,d,J=12.0
Hz,H−1)、2.32,2.34(each 3H, s,OCOC )、2.99(1H,sept,J=7.0 Hz,H−15)、6.83(1H,s,H−11)
13C−NMR (CDCl,63 MHz)δ /ppm 18.2,19.1,20.7,21.1,21.2,21.5,24.8,26.1,33.1,33.3,37.7,38.6,41.4,49.4,117.2,125.9,128.4,147.3,149.6,169.0,169.5
IR (CHCl)υ/cm−13040,3000,2960,2900
(C−H)、1770 (C=O)、1630,1580(C=C)
HR−EIMS: m/z 386.2488 (C2434, calcd. 386.2457)
実施例1−4〔一般式(5)(ただし、RがCH)で表される化合物の製造〕反応工程(4)
実施例1−3で得られた一般式(4)で表される化合物300.1mg(0.78mmol)をジエチルエーテル7.0cmに溶解させ、氷冷下に、水素化リチウムアルミニウム88.4mgを加え、10分後に室温に戻して攪拌を続けた。2時間後、反応溶液を再度氷冷し、酢酸エチル3.0cmを加えて過剰の還元剤を分解後、希塩酸で酸性に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層をろ過後、溶媒を留去して無色固体として粗生成物を得た。メタノールから再結晶し、12,14−ジヒドロキシアビエタ−8,11,13−トリエンを199mg(収率
85%)得た。融点 115.1−119.1℃(メタノール)[α] 25+42.7°(CHCl,c=0.693)
H−NMR (CDCl,TMS,400 MHz)δ /ppm 0.94(3H,s,H−19)、0.97(3H,s,H−18)、1.18(3H,s,H−20)、1.37(3H,d,J=7.2
Hz,H−16)、1.38(3H,d,J=6.8 Hz,H−17)、1.15−2.14(13H,H−1,H−2,H−3,H−5,H−6,H−7)、2.52(1H,ddd,J=17.6,9.6,6.5
Hz,H−7)、2.70(1H,dd,J=15.6,6.8 Hz,H−7)、3.45(1H,sept,H−15)、4.67(2H,brs,O)、6.29(1H,s,H−11)、
13C−NMR (CDCl,63 MHz)δ /ppm 18.4,19.3,20.9,21.0,21.6,23.8,24.6,
24.7,33.2,33.4,37.4,38.9,41.6,49.7,104.0,113.2,116.9,149.2,152.0,152.4
IR (CHCl)υ/cm−13650,3500
(O−H)、3050, 2960, 2875 (C−H)、1640,1600(C=C)
実施例1−5〔一般式(6)(ただし、RがCH、RがOHを示す)で表される化合物の製造〕反応工程(5)
実施例1−4で得られた一般式(5)で表される化合物71.5mg(0.24mmol)を酢酸4.0cmに溶かし、水浴(10〜15℃)下で、攪拌しながら、30%過酸化水素水0.12cm(4当量)をゆっくり加えて、10分後、水浴をはずして、室温で攪拌を続け、21時間攪拌後、反応溶液を氷冷し、2M
水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、有機層を濃縮し、黄色固体が得られた。この粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:ジエチルエーテル= 7:1)で精製し、さらにメタノールで再結晶し、黄色粒状結晶として、一般式(6)(ただし、RがCH、RがOHを示す)で表される化合物(ロイレアノン)31mg(収率41%)を得た。融点、NMR、IR、旋光度を測定し、文献値との比較により目的物であると確認した。融点184.2−185.6℃(メタノール)。[α] 25+132.2°(CHCl,c=0.692)
H−NMR (CDCl,TMS,400 MHz) δ /ppm 0.91,0.94(each
3H,s,H−18,H−19)、1.22(3H,d,J=7.2 Hz,H−17)1.21(3H,d,J=6.8 Hz,H−16)、1.27(3H,s,H−20)、1.10−1.80(5H,H−1,H−3,H−5,H−6)、1.54
(1H,dt,J=14.4,3.6 Hz,H−2)、1.73(1H,dt,J=14.0,3.4 Hz,H−2)、1.88(1H,brdd,J=13.2,7.2
Hz,H−6)、2.35(1H,ddd,J=20.8,11.2,7.2 Hz,H−7)、2.69−2.78(2H,H−1,H−7)、3.16(1H,sept,J=7.2,H−15)、7.28(1H,s,O
13C−NMR (CDCl,63 MHz)δ /ppm 17.4(C6),18.9(C−2),19.8(C−16),19.9(C−17
or C−18),20.1(C−17orC−18),21.7(C−19),24.1(C−15),26.6(C−7),33.4(C−4),36.2(C−1),38.4(C−10),41.3(C−3),51.7(C−5),123.7(C−13),146.0(C−8),146.5(C−9),150.5(C−12),183.4(C−11),187.5
(C−14)
IR (CHCl)υ/cm−13400
(O−H)、3040、2875, 2940, 2960 (C−H)、1680、1640(C=O)、1605(C=C)
HREIMS(70 eV) m/z calcd for [M]2028:316.2038, found:316.2065
実施例2−1〔一般式(2)(ただし、RがCOOCH)で表される化合物の製造〕反応工程(1)
氷水浴下で、95%硫酸42cmに65%硝酸28cmを加えた。この溶液にデヒドロアビエチン酸で表される化合物7.15g(23.8mmol)を約1gづつ分割して加えた後、室温に戻し1時間攪拌した。反応溶液を冷水で約200cmになるまで希釈し、10分攪拌した。析出した黄色粉末状の粗生成物を吸引ろ過で集め、蒸留水でよく洗浄後風乾した。粗生成物をアセトンから再結晶し、淡黄色の針状結晶として、12,14−ジニトロアビエタ−8,11,13−トリエン−18−酸6.36g(収率68%)を得た。融点157.2−160.9℃。この化合物は文献既知であり、融点およびスペクトルスペクトル測定結果から、当該化合物と一致することを確認した。
12,14−ジニトロアビエタ−8,11,13−トリエン−18−酸11.04g(28.3mmol)をジエチルエーテル60cmに溶解し、ジアゾメタン(約2.5当量)のジエチルエーテル溶液を氷冷下に加えた。氷冷下に30分間放置後、溶液の黄色(ジアゾメタンによる着色)が薄くなるまで酢酸を加えた後、減圧下に溶媒を留去した。得られた白色固体をジイソプロピルエーテルと少量のジクロロメタンとの混合溶媒から再結晶し、12,14−ジニトロアビエタ−8,11,13−トリエン−18−酸メチル9.84g(24.3mmol)を淡黄色針状結晶として収率86%で得た。融点 193.7−194.6℃(酢酸エチル)[α] 25+61.6°(CHCl,c=0.50)
H−NMR(400MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 1.24(3H,s,H−20),
1.27(3H,s,H−19),1.32(6H,d,J=7.2 Hz,H−16and H−17),1.47−1.56(2H,m,H−1α and H−6αorβ),1.70−1.84(5H,m,H−2,H−3
and H−6αor β),2.18(1H,dd,J=12.6,2.2Hz,H−5),2.26(1H,br d,J=13.6 Hz,H−1β),2.76(2H,m,H−7),3.03(1H,sept,J=7.2
Hz,H−15),3.68(3H,s,COOC ),7.54(1H,s,H−11)
13C−NMR (63 MHz,CDCl)δ /ppm 16.39(C−19),18.15(C−2),20.10(C−6),20.53(C−16),20.66(C−17),24.56(C−7),24.86(C−20),28.97(C−15),36.30(C-3),37.61(C−1),43.49(C−5),47.18(C−4),52.18(C−21),121.40(C−11),128.47(C−13),130.64(C−8),149.43(C−12),
150.91(C−9),152.00(C−14),178.21(C−18)
IR (CHCl)υ/cm−13040,3010,2990,2960,2900(C−H),1725
(C=O),1620(C=C),1535,1370(NO).
HREIMS (70 eV)
m/z calcd for [M]2128: 404.1947, found: 404.1963.
実施例2−2〔一般式(3)(ただし、RがCOOCH、RがNH)で表される化合物の製造〕反応工程(2)
実施例2−1で得られた一般式(2)で表される化合物1.0g(2.46mmol)と10%パラジウム炭素1.0gのジクロロメタン25cmとメタノール45cmの混合溶媒溶液を窒素置換し、攪拌しながらギ酸アンモニウムを1時間ごとに約1.2gづつ加え合計8.3g加えた。7時間攪拌を続け、反応させた後、実施例6と同様に後処理を行い、抽出した有機層を乾燥後減圧下に濃縮し、12,14−ジアミノアビエタ−8,11,13−トリエン−18−酸メチル0.779g(収率98%)を無色固体として得た。142.0−142.7℃(酢酸エチル−ヘキサン)[α] 25+48.6°(CHCl,c=0.679)
H−NMR (CDCl, TMS, 250 MHz) δ
/ppm 1.20(3H,s,H−19)、1.25(3H,s,H−20)、1.39(6H,d,J=7.3 Hz,H−16,H−17)、1.40−2.50(11H,H−1,H−2,H−3,H−5,H−6,H−7
)、3.22 (1H,sept,J=7.3 Hz,H−15)、3.65(3H,s,COOC )、3.52 (4H,brs,N )、6.13(1H,s,H−11)
13C−NMR (CDCl,63 MHz)δ /ppm16.5,18.6,20.1,20.3,
21.5,24.8,25.2,25.6,36.5,36.7,38.1,44.0,47.6,51.8,103.8,111.5,114.5,142.4,148.3,179.1
IR (CHCl)υ/cm−1 3500,3420(N−H)、3050,3010,2960,2880
(C−H)、1730(C=O)、1630、1580(C=C)
HREIMS(70 eV) m/z calcd for [M]2434:344.2464, found:344.2451
実施例2−3〔一般式(4)(ただし、RがCOOCH、RがCH)で表される化合物の製造〕反応工程(3)
実施例2−2で得られた一般式(3)で表される化合物401mg(1.16mmol)を酢酸4cmに溶かし、氷冷した後、攪拌しながら亜硝酸イソアミル0.34cm(2.54mmol、2.2当量)を加え、10分後氷浴をはずし室温に戻した。室温で1時間攪拌後、反応溶液を水で希釈し、反応を停止させた後、反応溶液に氷浴下2M水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した。当該反応溶液を、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過して溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、12,14−ジアセトキシアビエタ−8,11,13−トリエン−18−酸メチル300mg(収率60%)を得た。融点 133.2−134.5℃(ヘキサン−酢酸エチル)。[α] 25+55.2°(CHCl,c=1.024)
H−NMR (CDCl, TMS, 250 MHz)δ
/ppm 1.20,1.22(each 3H,s,H−16,H−17)、1.21(3H,s,H−19)、1.25 (3H,s,H−20)、1.19−2.90(11H,H−1,H−2,H−3,H−5,H−6,H−7)、2.30,2.31(each
3H,s,OCOC )、2.97(1H,sept,H−15,J=7.1Hz)、3.65(3H,s,COOC )、6.82(1H,s,H−11)
13C−NMR(CDCl,63 MHz)δ /ppm 16.4,18.4,20.7,21.0,20.8,21.2,24.1,24.9,26.1,36.4,37.1,37.7,43.8,47.5,51.9,117.2,125.7,128.8,147.3,147.4,148.8,168.9,169.5,178.8
IR (CHCl)υ/cm−1 2850、3050(C−H)、1770、1720(C=O)、1620,1570(C=C)
HREIMS(70 eV) m/z calcd for [M]2534:430.2355,found:430.2349
実施例2−4−1〔一般式(5)(ただし、RがCOOCH)で表される化合物の製造〕反応工程(4)
実施例2−3で得られた一般式(4)で表される化合物50.2mgをメタノール10cmに溶かし、濃塩酸1.0cmを加えて、窒素置換した。9時間還流反応後、減圧下にメタノールを留去し、残液を水で希釈した。酢酸エチルで抽出し、有機層を、水、次いで飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、有機層の溶媒を留去し、薄黄色固体として12,14−ジヒドロキシアビエタ−8,11,13−トリエン−18−酸メチル36.1mgを得た。当該化合物は、非常に酸素酸化されやすいため、粗生成物のまま次反応に用いた。一部を再結晶により生成すると白色粒状結晶が得られた。融点174.7−175.7℃(ヘキサン−酢酸エチル)。[α] 25+57.7°(CHCl,c=0.278)
H−NMR (CDCl, TMS, 60 MHz) δ
/ppm 1.19(3H,s,H−19)、1.26(3H,s,H−20)、1.29(3H,d,J=7.2 Hz,H−16)、1.35(3H,d,J=7.1 Hz,H−17)、1.19−2.70(11H,H−1,H−2,H−3,H−5,H−6,H−7)、3.41(1H,sept,H−15,J=7.1
Hz)、3.66(3H,s,COOC )、4.68(2H,brs,O)、6.27(1H,s,H−11)
13C−NMR (CDCl,63 Hz)δ /ppm 16.5,18.5,20.8,20.9,21.1,23.4,24.6,24.8,36.5,36.8,38.0,44.2,47.6,52.0,103.9,113.1,117.2,148.4,152.1,152.5,179.1
IR (CHCl)υ/cm−1 3630,3400
(O−H)、3025,2950,2880(C−H)、1730 (C=O)、1620,1590(C=C)
HREIMS(70 eV) m/z calcd for [M]2130:346.2144, found:346.2119
実施例2−4−2 〔一般式(5)(ただし、RがCOOCH)で表される化合物の製造〕反応工程(3)および(4)
実施例2−2で得られた一般式(3)で表される化合物104.8 mgをトリフルオロ酢酸を
cm加え加熱して溶解し、氷浴下で攪拌しながら亜硝酸イソアミルを 0.1 cm(2.5当量)加えた。10分後室温に戻し、3.5時間攪拌後、水で希釈し、5
M 水酸化ナトリウム水溶液で中和した。酢酸エチルで抽出し、有機層は水、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、減圧濃縮し油状物を得た。得られた粗生成物をメタノールに溶解させ1時間放置した後、メタノールを留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、12,14−ジヒドロキシアビエタ−8,11,13−トリエン−18−酸メチルを51.5
mg(収率50%)で得ることができた。得られた化合物の融点、NMR、IR、旋光度を測定し、目的物であることを確認した。
実施例2−5〔一般式(6)(ただし、RがCOOCH、RがOH)で表される化合物の製造〕反応工程(5)
実施例2−4−1で得られた実施例12で得られた一般式(5)で表される粗生成物32mgを酢酸3.0cmに溶かし、水浴(10〜15℃)下で、攪拌しながら、30%過酸化水素水0.11cm(約7当量)をゆっくり加えて、10分後、水浴をはずして、室温で攪拌を続け、6時間経過後反応を中止した。反応溶液を氷冷し、2M
NaOH 水溶液で中和した。反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ別後、有機層を濃縮し、黄色固体を得た。得られた粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:ジエチルエーテル=7:1)で精製し、さらにメタノールで再結晶し、黄色粒状結晶として、一般式(6)(ただし、RがCOOCH、RがOHを示す)で表される化合物を6.8mg(収率18%)で得ることができた。なお、原料が64%未反応で回収された。融点153.5−154.5℃(メタノール)。[α] 25+86.1°(CHCl,c=0.634)
H−NMR (CDCl,TMS,250
MHz)δ /ppm 1.19(3H,d,J=7.2Hz,H−16),1.21(3H,d,J=7.2Hz,H−17),1.25(3H,s,H−20),1.28(3H,s,H−19),1.30−1.75(4H,m,H−1α,H−6、H−2,H−3)、2.00(1H,dd,J=11.8,1.9Hz,H−5)、2.38(1H,dd,J=17.3,7.4Hz,H−6),2.42(1H,dd,J=21.0,7.4Hz,H−7)、2.68(1H,ddd,J=21.0,5.8,1.2Hz,H−7)、2.80(1H,brd、J=13.7Hz、H−1β)、3.15(1H,sept,J=7.1Hz、H−15)、3.67(3H,s,COOC )、7.22(1H,s,O
13C−NMR (CDCl,63 Hz)δ /ppm 16.6,18.1,19.8,19.9,20.2,24.1,26.2,35.5,36.4,37.7,45.9,47.7,52.0,123.9,145.8,145.9,150.5,178.5,183.2,187.2
IR (CHCl)υ/cm−1 3420(O−H)、3025,2975,2900(C−H)、1730,1690,1650(C=O)、1620(C=C)
HREIMS(70 eV) m/z calcd for [M]2128: 360.1937, found:
360.1911
実施例3−1〔一般式(7)(ただし、RがCH)で表される化合物の製造〕反応工程(6)
実施例1−1で得られた一般式(2)(ただし、RがCH)で表される化合物1.36g(3.77mmol)を1,2−ジクロロエタン:エタノール=1:1混合溶媒50cmに溶解させた。10%パラジウム炭素1.34gを加えて、水素で系内を置換後、1気圧の水素雰囲気下に2.5時間攪拌反応させた。反応液をセライトに通して吸引ろ過し、クロロホルム:エタノール=1:1混合溶媒50cmでよく洗浄した。ろ液を減圧下に濃縮し、黄色の粉末状固体として12−アミノ−14−ニトロアビエタ−8,11,13−トリエンが1.24g(収率99%)得られた。この粗生成物はそのまま次の反応に使用した。融点179.2−179.8℃(ヘキサン−ジエチルエーテル)、[α] 25+99.4°(CHCl,c=0.62)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 0.90(3H,s,H−18),0.93(3H,s,H−19),1.16(3H,s,H−20),1.21(1H,dd,J=13.2,4.0Hz,H−3α),1.27(1H,dd,J=12.4,2.0Hz、H−1α),1.32(3H,d,J=7.6Hz,H−16),1.33(3H,d,J=7.6Hz,H−17),1.35−1.37(1H,m,H−5),1.47(1H,brd,J=12.8Hz,H−1β),2.52−2.63(2H,m,H−7αandH−7β),2.85(1H,sept,J=7.2Hz,H−15),3.72(2H,brs,NH),6.63(1H,s,H−11)
13C−NMR (63 MHz,CDCl)δ /ppm 18.20,19.18,19.89,21.55,24.28,24.64,28.12,33.14,33.37,37.77,38.84,41.43,49.57,114.23,115.73,119.42,143.04,150.30,152.80
IR (CHCl)υ/cm−1 3530,3440(N−H)3050,2980,2950,2880,2860(C−H),1630(C=C),1530,1390(NO).
HREIMS (70 eV)
m/z calcd for [M]2030: 330.2307, found: 330.2259.
実施例3−2〔一般式(8)(ただし、RがCH)で表される化合物の製造〕反応工程(7)
亜硝酸イソアミル0.76cm(5.69mmol、2.0当量)をジオキサン10cmに溶解した。還流攪拌しているこの溶液に、実施例3−1で得られた一般式(7)で表される化合物939mg(2.84mmol)のジオキサン15cm溶液を20分間かけて滴下した。還流攪拌を1時間続けた後、反応溶液を室温まで冷却後、溶媒を留去した。得られた橙赤色の粗生成物1.08gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色針状結晶の14−ニトロアビエタ‐8,11,13−トリエン541mg(1.72mmol、収率61%)を得た。融点 164.8−165.3℃(メタノール)、[α] 25+99.2°(CHCl,c=0.51)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 0.92(3H,s,H−18),0.94(3H,s,H−19),1.18(3H,s,H−20),1.22、1.23(each 3H,d,J=
6.8 Hz,H−16and H−17),1.2−1.85(7H,m,H−1α,H−2α、β,H−3α、β,H−5,H−6β)1.88(1H,m,H−6α),
2.28(1H,brd,J=19.0Hz,H−1β)、2.70−2.85(2H,m,H−7α、β),2.92(1H,sept,J=6.9 Hz,H−15),7.29(1H,d,J=8.2
Hz,H−11),7.16(1H,dd,J=8.4 Hz,H−12),7.34(1H,d,J=8.4 Hz,H−14)
13C−NMR (63 MHz,CDCl)δ /ppm 18.01,19.16,21.52,23.57,23.76,24.74,24.90,28.68,33.13,33.35,37.94,38.83,41.42,49.59,123.79(C−),125.45(C−),126.31,135.84,149.63,151.08
IR (CHCl)υ/cm−1
3020,2970,2940,2870,2850(C−H),1610(C=C),1520,1380(NO).
HREIMS (70 eV)
m/z calcd for [M]+ C20H29NO2: 315.2198, found: 315.2173.
実施例3−3〔一般式(3)(ただし、RがCH3、はH)で表される化合物の製造〕反応工程(8)
実施例3−2で得られた一般式(8)で表される化合物357mg(1.13mmol)をジクロロメタン:メタノール=1:2の混合溶媒15cmに溶解し、10%パラジウム炭素361mgを加え、窒素置換した。ギ酸アンモニウム154mgを加え、室温で2時間ごとにギ酸アンモニウムを追加し、10時間反応後、ギ酸アンモニウム18当量を加えた次点で反応を終了させた。反応液をセライトに通して吸引ろ過し、ジクロロメタン:メタノール=1:1の混合溶媒でよく洗浄した。ろ液を減圧下に濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液を濃縮し、無色油状物として14−アミノアビエタ−8,11,13−トリエンを322mg(収率99%)を得た。TLCおよび各種スペクトル測定から、純粋であったのでこのまま次反応に使用した。一部をとりメタノールから再結晶すると無色針状晶が得られた。融点 90.1−91.3℃(メタノール)[α] 25+43.6°(CHCl,c=0.52)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 0.93,0.95(each
3H,s,H−18 and H−19),1.19(3H,s,H−20),1.24,1.27(each 3H,d,J=6.8 Hz,H−16 and H−17),1.19−1.27(1H,m),1.34(1H,dd,J=2.0,12.8
Hz),1.39(1H,dd,J=13.2,3.6 Hz),1.46(1H,br d,J=13.2 Hz),1.56−1.61(1H,m),1.67−1.78(2H,m),1.98(1H,m),2.26(1H,br
d,J=12.8Hz, H−1β),2.48(1H,ddd,J=16.2,11.4,8.0 Hz,H−7αorβ),2.64(1H,dd,J=16.4,6.8
Hz,H−7αorβ),2.87(1H,sept,J=6.8 Hz,H−15),3.59(2H,brs,N ),6.77(1H,d,J=8.4
Hz),6.99(1H,d,J=8.4Hz)
13C−NMR (63 MHz,CDCl)δ /ppm 18.76,19.38,21.60,22.20,22.43,24.82,26.07,27.64,33.27,33.35,37.51,39.01,41.66,49.59,114.43,119.71,122.49,128.48
,140.52,148.49
IR (CHCl)υ/cm−1
3500,3440(N−H),3000,2970,2940,2870(C−H),1620(C=C).
HREIMS (70eV) m/z
calcd for [M]2031N: 285.2456,
found: 285.2404.
実施例3−4〔一般式(10)(ただし、RがCH)で表される化合物の製造〕反応工程(9)および(10)
実施例3−3で得られた一般式(3)で表される化合物318mg(1.01mmol)をトリフルオロ酢酸2.0cmに溶解し、氷冷下に亜硝酸イソアミル0.18cm(1.35mmol、1.3当量)を滴下した。10分後に室温に戻し、1.5時間反応させた後、さらに亜硝酸イソアミル0.06cmを氷水浴下で追加し、30分間反応を続けた。反応液を氷水浴下、氷を加えて希釈し、2M水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して溶媒を留去した。黄色油状の粗生成物として一般式(9)(ただし、RがCH)で表される化合物、すなわち14−トリフルオロアセトキシアビエタ−8,11,13−トリエン443mgが得られ、この化合物はこれ以上精製することなく続いて加水分解を行った。
粗生成物443mgをメタノール10cmに溶かし、2M炭酸カリウム水溶液0.61cm(1.22mmol、1.2当量)を加えた。室温で1.5時間攪拌した後、メタノールを減圧下に留去し、得られた残渣を蒸留水で希釈し、反応液に1M塩酸を加え、pHを4に調整した後、ジエチルエーテルで抽出し、得られた有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、橙赤色油状の粗生成物327mgを得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色油状物として14−ヒドロキシアビエタ−8,11,13−トリエン228mg(0.80mmol、収率79%)を得た、[α] 20+18.9°(CHCl,c=0.96)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 0.93,0.95(each
3H,s, H−18 and H−19),1.17−1.26(1H,m),1.19(3H,s,H−20),1.23,1.25(each
3H,d,J=7.0 Hz,H−16 and H−17),1.32(1H,dd,J=12.6,2.2 Hz),1.39(1H,td,J=12.6,2.2 Hz),1.47(1H,br
d,J=13.2 Hz),1.59(1H,dt,J=14.0,3.5 Hz)1.63(1H,dt,J=10.8,3.3 Hz),1.70−1.75(2H,m),1.72−1.80(2H,m),2.01(1H,br
dd,J=13.4,8.0 Hz,H−6αor β),2.27(1H,br d,J=12.8 Hz, H−1β),2.64(1H,ddd,J=16.4,11.3,
8.0 Hz,H−7αorβ),2.80(1H,dd,J=16.2,6.6 Hz,H−7αorβ),3.14(1H,sept,J=7.0 Hz,H−15),4.62(1H,s,O),6.85(1H,d,J=8.2
Hz),7.01(1H,d,J=8.2 Hz)
13C−NMR (63 MHz,CDCl)δ /ppm 18.42,19.32,21.59,22.51,22.76,24.30,24.83,26.85,33.27,33.37,37.50,38.95,41.65,49.71,116.38,120.62,123.24,129.96,149.05,150.20
IR (CHCl)υ/cm−13620(O−H),3000,2960,2940,2860(C−H),1610(C=C).
HREIMS (70 eV)
m/z calcd for [M]2030O:286.2297,found:
286.2280.
実施例3−5〔一般式(6)(ただし、RがCH、RがH)で表される化合物の製造〕反応工程(11)
実施例3−4で得られた一般式(10)(ただし、RがCH)で表される化合物118mg(0.41mmol)と塩化ルテニウム3水和物10.7mg(0.041mmol、0.1当量)を酢酸3cmに溶解した。水浴下に、この溶液に30%過酸化水素水0.12cm(1.21mmol、3.0当量)を滴下し、10分間後に室温に戻した。室温で1時間攪拌後、再度氷冷し30%過酸化水素水0.04cm(1.0当量)を追加し、5分後に室温に戻しさらに1時間攪拌し反応させた後、冷水で反応溶液を希釈し、氷冷下に2M水酸化ナトリウム水溶液を加え中和した。反応溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して溶媒を留去し、赤茶色の油状物125mgを得た。得られた粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(溶媒
ヘキサン:tert-ブチルメチルエーテル=6:1)で精製し、一般式(6)(ただし、RがCH、RがH)で表される化合物、すなわち12−デオキシロイレアノン89mg(0.30mmol、収率73%)を黄色板状結晶として得ることができた。融点83.8−84.8℃(エタノール)、[α] 20 −65.3°(CHCl,c=0.41)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 0.90(3H,s,H−19),0.93(3H,s,H−18),1.09(3H,d,J=6.8Hz,H−16),1.10(3H,d,J=6.8
Hz,H−17),1.05−1.22(3H,m,H−1αH−3,H−6), 1.28(3H,s,H−20),1.38−1.48(2H,m,H−3 and H−6),1.52(1H,dt,J=14.4,3.6
Hz,H−2),1.72(1H,dt,J=14.4,3.6 Hz,H−2),1.86(1H,br dd,J=13.6,7.2 Hz,H−6),2.30(1H,ddd,J=20.0,11.6,7.2
Hz,H−7),2.69(1H,dd,J=20.0,6.0Hz,H−7),2.70−2.75(1H,m,H−1β),2.98(1H,septet,d,J=6.8,1.2
Hz,H−15),6.31(1H,d,J=1.2Hz,H−12)
13C−NMR (63 MHz,CDCl)δ /ppm 17.40(C−6),18.93(C−2),20.17(C−20),21.34(C−16
and C−17),21.79(C−19),25.94(C−7),26.26(C−15),33.45(C−18),33.51(C−4),36.41(C−1),38.49(C−10),41.39(C−3),51.60(C−5),131.94(C−12),142.68(C−8),150.87(C−9),152.74(C−13),188.07(C−11
and C−14)
IR (CHCl)υ/cm−1
3040,2970,2950,2880(C−H),1690,1650(C=O),1610(C=C).
HREIMS (70 eV)
m/z calcd for [M]2028:300.2089,found: 300.2105.
実施例4−1〔一般式(7)(ただし、Rが−COOCH)で表される化合物の製造〕反応工程(6)
実施例2−1で得られた一般式(2)で表される化合物2.54g(6.28mmol)をジクロロメタン30cmに溶かし、10%パラジウム炭素2.56gを加え、次いでメタノール60cmを加えた。窒素置換後、ギ酸アンモニウム1.39g(22.0mmol、3.5当量)を加えて室温で30分反応させた。反応液を、セライトを通して吸引ろ過により10%パラジウム炭素等を除いた。ジクロロメタン:メタノール=1:1の混合溶媒で良く洗浄した。ろ液から溶媒を留去した後、水を加えて析出した不溶の黄色固体物質を吸引ろ過し、水で洗浄後に風乾し、さらに真空乾燥して、12−アミノ−14−ニトロアビエタ−8,11,13−トリエン−18−酸メチル2.27g(6.06mmol、収率96%)を黄色針状結晶として得た。融点 248.6−249.3 ℃ (エタノール)、[α] 25+95.0°(CHCl,c=0.65)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 1.19(3H,s,H−20),1.25(3H,s,H−19),1.33,1.34(each
3H,d,J=7.2Hz,H−16 and H−17),1.36−1.50(2H,m,H−1αand H−6αorβ),1.63−1.80(5H,m,H−2,H−3
and H−6αorβ),2.17(1H,dd,J=12.4,2.0 Hz,H−5),2.18−2.21(1H,m,H−1β),2.55−2.65 (2H,m,H−7),2.85(1H,sept,J=7.2 Hz,H−15),3.66(3H,s,COOC ),3.75(2H,s,N ),6.62(1H,s,H−11)
13C−NMR (63 MHz,CDCl)δ /ppm 16.46(C−19),18.46(C−2),19.84,19.89(C−16
and C−17),20.77(C−6),23.87(C−7),24.85(C−20),28.13(C−15),36.39(C−3),37.18(C−10),37.95(C−1),44.03(C−5),47.48(C−4),51.99(C−21),113.98(C−11),115.43(C−8),119.70(C−13),143.21(C−12),149.54(C−9),152.34(C−14),178.67(C−18)
IR (CHCl)υ/cm−1
3530,3440(N−H),3030,2980,2950,2880(C−H),1720(C=O),1630(C=C),1530,1385(NO).
HREIMS (70 eV)
m/z calcd for [M]2130:374.2206,found: 374.2185.
実施例4−2−1〔一般式(8)(ただし、RがCOOCH)で表される化合物の製造〕反応工程(7)
亜硝酸イソアミル1.60cm(2.2当量)をジオキサン20cmに溶解した。還流攪拌しているこの溶液に、実施例4−1で得られた一般式(7)で表される化合物2.01g(5.37mmol)のジオキサン40cm溶液を30分間かけて滴下した。還流攪拌を1時間続けた後、反応溶液を室温まで冷却し、溶媒を留去した。得られた橙赤色の粗生成物をメタノールから再結晶した。無色針状結晶として14−ニトロアビエタ‐8,11,13−トリエン−18−酸メチルを1.46g(4.06mmol、収率76%)得た。融点196.9−197.8℃(ジイソプロピルエーテル)、[α] 25+85.1°(CHCl,c=0.60)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 1.21(3H,s,H−20),1.21,1.24(each
3H,d,J=6.8 Hz,H−16 and H−17),1.27(3H,s,H−19),1.42−1.50(2H,m,H−1αand H−6αor β),1.65−1.67(1H,
m, H−3αorβ),1.73−1.81(4H,m,H−2,H−3αor βand H−6αor β),2.20(1H,dd,J=12.4,2.0Hz,H−5),2.30(1H,br
d,J=12.0 Hz,H−1β),2.67−2.76(2H,m,H−7),2.78(1H, sept,J=6.8Hz,H−15),3.67(3H,s,COOC ),7.18(1H,d,J=8.4
Hz,H−12),7.34(1H,d,J=8.4Hz,H−11)
13C−NMR (63 MHz,CDCl)δ /ppm 16.43(C−19),18.42(C−2),20.55(C−6),23.53,23.74(C−16
and C−17),24.50(C−7),24.95(C−20),28.70(C−15),36.42(C−3),37.34(C−10),37.93(C−1),44.03(C−5),47.41(C−4),52.03(C−21),123.99(C−12),125.26(C−8),126.17(C−11),136.18(C−13),148.88(C−9),151.04(C−14),178.61(C−18)
IR (CHCl)υ/cm−13050,3000,2970,2900(C−H),1730(C=O),1620(C=C),1540,1390(NO).
HREIMS (70eV) m/z
calcd for [M]2129NO:359.2097,found: 359.2134.
実施例4−2−2〔一般式(8)(ただし、RがCOOCH)で表される化合物の製造〕反応工程(7)
実施例4−1で得られた一般式(7)で表される化合物370mg(5.37mmol)を用い、ジオキサンに代えてテトラヒドロフランを用い、テトラヒドロフラン沸点で還流反応させた以外は実施例21と同様の方法で反応させた。TLCによる反応追跡から6時間後に原料が消失したので、実施例21と同様に後処理、再結晶による精製を行った。14−ニトロアビエタ‐8,11,13−トリエン−18−酸メチルが160mg(0.45mmol、収率45%)得られた。得られた化合物の融点、NMR、IR、旋光度を測定し、目的物であることを確認した。
実施例4−2−3〔一般式(8)(ただし、RがCOOCH)で表される化合物の製造〕反応工程(7)
実施例4−1で得られた一般式(7)で表される化合物151mgをエタノール約10cmに溶解し、濃硫酸を4滴加えた。この溶液を加熱環流し、亜硝酸イソアミル0.13cm(2.4当量)のエタノール5cm溶液を15分間で滴下し、1時間反応させた。反応液からエタノールを留去後、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、濃縮した。得られた粗生成物をジイソプロピルエーテルから再結晶し、1番晶として56mg(0.16mmol)および2番晶として18mg(0.05mmol)が得られた。ろ液は濃縮後、分取薄層クロマトグラフィーにより精製したが、2成分の混合物が35mg得られた。目的の14−ニトロ‐8,11,13−アビエタトリエン−18−酸メチルと12−エトキシ−14−ニトロ−8,11,13−アビエタトリエン−18−酸メチルとの混合物であり、H−NMR測定により、異性体比は3:2であった。合わせて、14−ニトロ‐8,11,13−アビエタトリエン−18−酸メチル96mg(0.27mmol、収率68%)を得た。得られた化合物の融点、NMR、IR、旋光度を測定し、目的物であることを確認した。
実施例4−3〔一般式(3)(ただし、RがCOOCH、RがH)で表される化合物の製造〕反応工程(8)
実施例4−2−1で得られた一般式(8)で表される化合物1.39g(3.87mmol)をジクロロメタン:メタノール=1:2の混合溶媒60cmに溶解し、10%パラジウム炭素1.40gを加えた後、窒素置換した。この溶液にギ酸アンモニウム約1.0gを加えて反応開始とした。1時間おきにギ酸アンモニウム約1.0gを追加し、TLCで反応追跡を行い、3.0時間経過後、12.5当量のギ酸アンモニウムを加えた時点で、反応を終了させた。反応溶液を、セライトを通してろ過し、ジクロロメタン:メタノール=1:1の混合溶媒でよく洗浄した。ろ液は溶媒を留去した後、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過して溶媒を留去した。14−アミノアビエタ−8,11,13−トリエン−18−酸メチル1.23g(3.73mmol、収率96%)を無色針状結晶として得た。TLCおよび各種スペクトル測定から、純粋であったのでこのまま次反応に使用した。融点106.6−107.3 ℃ (ヘキサン)[α] 25+38.2°(CHCl, c=0.55)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 1.23(3H,s,H−20),1.24,1.27(each
3H,d,J=6.8Hz,H−16 and H−17),1.27(3H,s,H−19),1.47−1.92(7H,m,H−1αor βH−2,H−3 and H−6),2.24(1H,dd,J=13.0,2.2Hz,H−5),2.29(1H,brd,J=12.8Hz, H−1β),2.48−2.63(2H,m,H−7),2.87(1H,sept,J=6.8 Hz,H−15),3.61(2H,brs,J=11.3
Hz,H−1β),3.66(3H,s,COOC ),6.76(1H,d,J=8.4Hz,H−11),7.01(1H,d,J=8.4Hz,H−12)
13C−NMR (63 MHz,CDCl)δ /ppm 16.47(C−19),18.60(C−2),21.32(C−6),22.16,22.40(C−16
and C−17),24.97(C−7),25.59(C−20),27.61(C−15),36.55(C−3),36.90(C−10),38.13(C−1),44.02(C−5),47.58(C−4),51.82(C−21),114.20(C−11),119.44(C−8),122.60(C−12),128.71(C−13),140.58(C−14),147.79(C−9),179.11(C−18)
IR (CHCl)υ/cm−13540,3460(N−H),3040,2990,2970,2900(C−H),1735(C=O),1635(C=C).
HREIMS (70 eV)
m/z calcd for [M]2131NO:329.2355,found: 329.2375.
実施例4−4〔一般式(10)(ただし、RがCOOCH)で表される化合物の製造〕反応工程(9)および(10)
実施例4−3で得られた一般式(3)で表される化合物1.11g(3.37mmol)をトリフルオロ酢酸3.0cmに溶解し、氷冷下に亜硝酸イソアミルを0.54cm(4.04mmol、1.2当量)を滴下し、10分後に室温に戻し、1.5時間攪拌し反応させた。反応液を冷水で希釈し、2M水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した後、ジクロロメタンで抽出し、有機層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、一般式(9)(ただし、RがCOOCH3、がCF)で表される化合物、すなわち14−トリフルオロアセトキシアビエタ−8,11,13−トリエン−18−酸メチル1.04g(2.44mmol、収率72%)を得た。融点93.8‐95.2℃(メタノール)。
一般式(9)(ただし、RがCOOCH、RがCF)で表される化合物935mg(2.19mmol)をメタノール5cmに溶解し、2M炭酸カリウム水溶液1.32cm(2.64mmol、1.2当量)を加えて、室温で1.5時間攪拌した。反応液を水で希釈し、1M塩酸で中和した。当該溶液をジエチルエーテルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して溶媒を留去した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、14−ヒドロキシアビエタ−8,11,13−トリエン−18−酸メチル656mg(1.98mmol、収率90%)を無色油状物として得た。[α] 25+51.7°(CHCl,c=0.53)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 1.22(3H,s,H−20),1.25(6H,d,J=6.8
Hz,H−16 and H−17),1.28(3H,s,H−19),1.47−1.54(2H,m,H−1α and H−6αorβ),1.59−1.86(5H,m,H−2,H−3
and H−6αorβ),2.22(1H,dd,J=12.6,1.8 Hz,H−5),2.29(1H,br d,J=12.8 Hz,H−1β),2.64(1H,m,H−7),2.77(1H,dd,J=16.2,7.0
Hz,H−7),3.14(1H,sept,J=6.8 Hz,H−15),3.66(3H,s,COOC ),4.65(1H,s,O),6.85(1H,d,J=8.2
Hz,H−11),7.02(1H,d,J=8.2 Hz,H−12)
13C−NMR (63 MHz,CDCl)δ /ppm 16.48(C−19),18.56(C−2),21.01(C−6),22.48,22.75(C−16
and C−17),23.91(C−7),25.00(C−20),26.84(C−15),36.58(C−3),36.92(C−10),38.08(C−1),44.16(C−5),47.58(C−4),51.90(C−21),116.21(C−11),120.57(C−8),123.34(C−12),130.22(C−13),148.35(C−14),150.24(C−9),179.06(C−18)
IR (CHCl)υ/cm−1
3610(O−H),3030,2980,2960,2890(C−H),1725(C=O),1620(C=C).
HREIMS (70 eV)
m/z calcd for [M]2030:330.2195,found: 330.2234.
実施例4−5〔一般式(6)(ただし、RがCOOCH、RがH)で表される化合物の製造〕反応工程(11)
実施例4−4で得られた一般式(11)(ただし、RがCOOCH)で表される化合物122mg(0.35mmol)と塩化ルテニウム3水和物9.6mg(0.035mmol、0.1当量)を酢酸3cmに溶解した。水浴下に、この溶液に30%過酸化水素水0.15cm(6.0当量)を滴下し、10分後に室温に戻した。室温で5時間攪拌後、冷水で反応溶液を希釈し、氷冷下に2M水酸化ナトリウム水溶液を加え中和した。当該溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して溶媒を留去し、赤茶色の油状物125mgを得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、一般式(6)(ただし、RがCOOCH、RがH)で表されるアビエタンキノンを92mg(0.27mmol、収率75%)、黄色針状結晶として得た。融点63.4−64.4℃(メタノール)、[α] 25−69.7°(CHCl,c=0.54)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 1.05(3H,d,J=6.8Hz,H−16),1.11(3H,d,J=6.8Hz,H−17),1.32(3H,s,H−19),1.20−1.43(2H,m,H−1α,H−6αorβ),1.50−1.77(5H,m,H−2,H−3,H−6α
or β),2.39(1H,ddd,J=20.3,11.6,7.4Hz,H−7),2.67(1H,dd,J=20.4,5.6Hz,H−7),2.79(1H,brd,J=11.6Hz,H−1β),3.01(1H,sept,J=6.8Hz,H−15),3.69(3H,s,COOC ),6.36(1H,d,J=1.2Hz,H−12)
13C−NMR (63 MHz,CDCl)δ /ppm 16.60,18.14,20.23,20.35,21.30,21.35,25.47,26.30,35.59,36.46,37.83,45.79,47.79,52.02,131.86,142.66,150.07,152.94,178.69,187.81
IR (CHCl)υ/cm−1
3030,2950,2880(C−H),1720,1680,1645(C=O),1600(C=C).
HREIMS (70 eV)
m/z calcd for [M]2128: 344.1988,found: 344.2029.
実施例5−1〔一般式(12)(ただし、RがCH、RがCH)で表される化合物の製造〕反応工程(12)および(13)
実施例3−5で得られた一般式(6)(ただし、RがCH、Rが水素を示す。)で表される化合物302mg(1.0mmol)をメタノール3cmに溶解し、窒素下で氷冷して、水素化ホウ素ナトリウム77mg(2.04mmol、8.1当量)を加え、氷冷下で1時間反応を続けた。反応溶液からメタノールを減圧下で留去し、蒸留水で希釈した。反応溶液に1M塩酸を加えpHを4に調整し、当該溶液をジエチルエーテルで抽出した。得られた有機層を、1M塩酸、水、次いで飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を濃縮し、淡黄色油状物を得た。このまま、次段階の反応に用いた。
粗生成物327mgをピリジン4cmに溶解し、窒素下で氷冷しながら4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン24mg(0.20mmol、0.2当量)を加え、次いで無水酢酸0.75cm(7.97mmol、7.9当量)を加えた。室温で22時間攪拌し反応させた後に、反応溶液を氷冷し、5M塩酸を加えpHを4に調整した。反応溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、薄黄色油状物を得た。当該粗生成物をエタノールから再結晶し、11,14−ジアセトキシアビエタ−8,11,13−トリエン286mg(0.74mmol、収率73%)を無色針状晶として得た。融点146.2−147.3℃(ヘキサン)、[α] 25 +119.2°(CHCl,c=0.66)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 0.92,0.95(each 3H,s,H−18 and H−19),1.16,1.19(each 3H,d,H=7.0Hz,H−16 and H−17),1.27(3H,s,H−20),1.15−1.32(2H,m),1.39−1.57(4H,m),1.70(1H,brd,J=14.0 Hz),1.85(1H,brdd,J=13.0,7.0Hz),2.32,2.34(each 3H,s,COC ),2.32−2.34(1H,m),2.48−2.87(3H,brm),6.71(1H,s,H−12)
13C−NMR (63 MHz,CDCl)δ /ppm 18.15,19.29, 20.58,21.25,21.82,21.95,22.80,26.75,27.27,33.43,33.59,36.73,39.11,40.85,51.21,119.66,130.79,137.96,139.27,144.07,146.70,169.17,169.72
IR (CHCl)υ/cm−1
3030,2980,2950,2890(C−H),1760(C=O),1620(C=C).
HREIMS (70 eV)
m/z calcd for [M]2434:386.2457,found: 386.2449.
実施例5−2〔一般式(13)(ただし、RがCH、RがCH)で表される化合物の製造〕反応工程(14)
無水酢酸0.1cmと酢酸0.2cmの混合溶液に酸化クロム40.9mg
(0.41mmol、5.0当量)を加え、次いで、ベンゼン0.2cmを加えた。この溶液に、実施例5−1で得られた一般式(12)(ただし、RがCH)で表される化合物31.3mg(0.081mmol)のベンゼン2.0cm溶液を室温で加え、1時間攪拌し反応させた。反応溶液を氷冷し、5M水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH10に調整した。反応溶液を酢酸エチルで抽出し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を留去し、薄黄色油状物32mgを得た。この粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(溶媒
トルエン:酢酸エチル=20:1)で精製し、無色針状結晶として11,14−ジアセトキシ−7−オキソアビエタ−8,11,13−トリエン11.2mg(0.028mmol、収率35%)を得た。融点140.3−141.1℃(メタノール)[α] 25 +106.0°(CHCl,c=0.60)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm0.92,0.96(each
3H,s,H−18 and H−19),1.15,1.20(each 3H,d,J=6.8 Hz, H−16 and H−17),1.26−1.31(1H,m),1.31(3H,s,H−20),1.47(1H,br
d,J=13.6Hz),1.56−1.59(2H, m),1.71(1H,tt,J=13.8,3.4Hz),1.90(1H,br,H−5),2.33,2.37(each
3H,s,−OCOCH),2.55(1H,dd,J=17.7,13.8 Hz,H−6αorβ),2.59−2.63(1H,m,H−1β),2.63(1H,dd,J=17.7,5.2Hz,H−6αorβ),3.06(1H,br,
H−15),7.03(1H,s,H−12)
13C−NMR (63 MHz, CDCl3)δ /ppm19.05,20.02,21.11,21.51,21.65,22.33,22.84,26.78,32.62,33.43,36.70,36.99,40.35,40.52,48.46,125.90,127.62,141.00,144.20,145.19,169.45,169.80,198.00
IR (CHCl)υ/cm−1
3030,2980,2950,2880(C−H),1760,1685(C=O),1605(C=C).
HREIMS (70 eV)
m/z calcd for [M]2028O: 284.2140,found:
284.2119.
実施例5−3〔一般式(14)(ただし、RがCH)で表される化合物の製造〕反応工程(15)
実施例5−2で得られた一般式(13)(ただし、RがCHを示す)で表される化合物106mg(0.26mmol)をメタノール10cmに溶解し、濃塩酸1.0cmを加え、窒素下で4時間加熱還流した。反応液を放冷後、反応溶液からメタノールを減圧留去し、水を加えて希釈した。この溶液をエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層をろ過して、減圧下に濃縮し白色固体101mgを得た。これを分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、無色針状結晶として、11,14−ジヒドロキシ−7−オキソアビエタ−8,11,13−トリエン67mg(0.21mmol、収率81%)を得た。融点.225.1−226.3
℃ (ヘキサン−ベンゼン)、[α] 25+75.4°(CHCl,c=0.37)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl) δppm
0.95(3H,s,H−19),0.97(3H,s,H−18),1.18(3H,d,J=6.8Hz, H−16),1.20(3H,d,J=6.8 Hz,H−17),1.38(3H,s,H−20),1.38−1.44(1H,m,H−1α),1.55−1.63(1H,m,H−2α),1.28(1H,td,J=13.2,4.0Hz,H−3αorβ),1.49(1H,br
d,J=13.2Hz,H−3αorβ),1.73(1H,tt,J=13.6,3.6Hz,H−2β),1.83(1H,dd,J=10.6,7.0 Hz,H−5),3.24(1H,br
d,J=13.6Hz,H−1β),3.30(1H,sept,J=6.8Hz,H−15),4.53(1H,br s,−OH),6.78(1H,s,H−12),13.09(1H,s,−OH)
13C−NMR(63 MHz, CDCl)δ /ppm 17.95(C−20),19.04(C−2),21.57(C−19),22.10,22.25(C−16andC−17),25.95(C−15),33.09(C−18),33.40(C−4),35.95(C−6),36.52(C−1),40.13(C−10),41.05(C−3),49.81(C−5),115.55(C−8),124.03(C−12),135.86(C−13),136.12(C−9),144.25(C−11),155.70(C−14),206.89(C−7)
IR (KBr)υ/cm−1
3340(O−H),3040,3000,2960,2900(C−H),1620(C=O),1600(C=C).
HREIMS (70 eV)
m/z calcd for [M]2028: 316.2038,found: 316.2075.
実施例5−4〔一般式(15)(ただし、RがCH)で表される化合物の製造〕反応工程(16)
実施例5−3で得られた一般式(14)(ただし、RがCH)で表される化合物41.2mg(0.13mmol)をジクロロメタン3cmに溶解し、活性二酸化マンガン49.3mg(1.2重量当量)を加えて、室温で1時間攪拌し反応させた。反応溶液を、セライトを通してろ過し、ろ液を濃縮し、一般式(15)(ただし、RがCH)で表されるアビエタンキノン38.2mg(0.12mmmol、収率92%)を赤色針状結晶として得た。融点107.3−108.2℃(2−プロパノール)、[α] 25 −672.8°(CHCl, c=0.34)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δppm 0.92(3H,s,H−18),
0.95(3H,s,H−19),1.12(6H,d,J=6.8 Hz,H−16 and H−17),1.19−1.28(2H,m,H−1αand
H−3),1.39(3H,s,H−20),1.50(1H,brd,J=12.8Hz,H−3),1.57−1.63(1H,m,H−2),1.74(1H,tt,J=13.2,3.4Hz,H−2),1.79(1H,dd,J=14.4,4.0
Hz,H−5),2.52(1H,dd,J=18.0,14.4Hz,H−6α),2.67(1H,dd,J=18.0,4.0Hz,H−6β),2.78(1H,brd,J=13.2Hz,H−1β),3.04(1H,sept,J=6.8Hz,H−15),6.44(1H,s,H−12)
13C−NMR (63 MHz,CDCl) δppm 17.99(C−20),18.52(C−2),21.28(C−16,C−17andC−19),26.36(C−15),32.68(C−18),33.29(C−4),35.60(C−1),36.69(C−6),40.01(C−10),40.75(C−3),49.11(C−5),131.32(C−12),131.94(C−8),154.26(C−13),159.86(C−9),184.82(C−14),188.83(C−11),197.14(C−7)
IR (CHCl)υ/cm−1
3040,2990,2950,2890(C−H),1710,1660(C=O).
HREIMS (70eV) m/z
calcd for [M]2026:314.1882,found: 314.1875.
実施例6−1〔一般式(12)(ただし、RがCOOCH、RがCH)で表される化合物の製造〕反応工程(12)および(13)
実施例4−5で得られた一般式(6)(ただし、COOCH、Rが水素を示す。)で表される化合物241mg(0.70mmol)をメタノール5cmに溶解し、窒素下で氷冷して、水素化ホウ素ナトリウム53mg(1.40mmol、8.0当量)を加え、氷冷下で1時間攪拌し反応させた。反応溶液からメタノールを減圧留去し、蒸留水で希釈した。反応溶液に1M塩酸を加えpHを4に調整した。反応溶液をジエチルエーテルで抽出した後、得られた有機層を、1M塩酸、水、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を濃縮し、白色固体を得た。当該生成物は、更なる精製を行わず、このまま、次段階の反応に用いた。融点213.1−219.4℃(ヘキサン−エーテル)
粗生成物をピリジン5cmで溶かし、窒素下で氷冷しながら4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン17mg(0.14mmol、0.2当量)を加え、次いで無水酢酸0.53cm(5.63mmol、8.0当量)を加えた。室温で22時間攪拌後に、反応溶液を氷冷し、5M塩酸を加え、pHを4に調整した。この溶液を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層は、1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、白色固体を得た。当該粗生成物をジイソプロピルエーテルから再結晶し、11,14−ジアセトキシアビエタ−8,11,13−トリエン−18−酸メチル255mg(0.59mmol、収率84%)を無色針状結晶として得た。融点198.5−199.0℃(エタノール)[α] 25+80.7°(CHCl, c=0.69)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 0.92,0.95(each 3H,s,H−18 and H−19),1.16,1.19(each 3H,d,H=7.0Hz,H−16 and H−17),1.27(3H,s,H−20),1.15−1.32(2H,m),1.39−1.57(4H,m),1.70(1H,brd,J=14.0Hz),1.85(1H,brdd,J=13.0,7.0Hz),2.32,2.34(each 3H,s,COC ),2.32−2.34(1H,m),2.48−2.87(3H,brm),6.71(1H,s,H−12)
13C−NMR (63 MHz,CDCl)δ /ppm 16.73,18.60,20.54,21.09,21.41,21.80,22.78,26.19,27.27,35.96
,38.49,45.34 ,48.07,51.96,119.79,130.47,138.33,138.48,146.62,169.57,178.83
IR (CHCl)υ/cm−1
3020,2950,2870(C−H),1760,1720(C=O),1620(C=C).
HREIMS (70 eV) m/z
calcd for [M]2534: 430.2355,found: 430.2350.
実施例6−2〔一般式(13)(ただし、RがCOOCH、RがCH)で表される化合物の製造〕反応工程(14)
無水酢酸0.3cmと酢酸0.6cmの混合溶液に酸化クロム116mg(1.16mmol、5.0
当量)を入れ、次いで、ベンゼン0.6cmを加えて希釈した。この溶液に、実施例6−1で得られた一般式(12)(ただし、RがCOOCH、RがCH)で表される化合物100mg(0.23mmol)のベンゼン4.0cm溶液を室温で加え、30分間攪拌し反応させた後、反応溶液を氷冷し、5M水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10に調整した。に調整した反応溶液を酢酸エチルで抽出し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した後、溶媒を留去して、淡黄色油状物122 mgを得た。得られた粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(溶媒
ヘキサン:ジエチルエーテル=1:2)で精製し、無色針状結晶として11,14−ジアセトキシ−7−オキソアビエタ−8,11,13−トリエン−18−酸メチル82mg(0.18mmol、収率78%)を得た。融点148.6−149.8
℃ (ヘキサン−酢酸エチル)、[α] 25+70.5°(CHCl,c=0.64)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 1.15,1.20(each
3H,d,J=6.8 Hz, H−16 and H−17),1.30(3H,s,H−19), 1.33(3H,s,H−20),1.61−1.80(5H,m,H−1α,H−2
and H−3),2.23(1H,dd,J=17.3,3.2 Hz, H−5),2.34,2.36(each 3H, s,−OCOCH),2.59−2.76(2H,m,H−1βand
H−6αorβ),2.63 (1H,dd,J=17.3,14.2 Hz,H−6αorβ),3.04(1H,br s,H−15),3.66(3H,s,COOC ),7.05(1H,s,H−12)
13C−NMR (63 MHz, CDCl)δ /ppm16.60,18.36, 20.36,21.03,21.65,22.28,22.97,26.75,35.79,35.96,38.58,39.77,42.83,46.85,52.25,125.58,127.77,141.52,143.44,145.14,169.34,169.62,177.46,196.43
IR (CHCl)υ/cm−1
3040,2990,2890(C−H),1765,1725,1690(C=O),1620 (C=C).
HREIMS (70 eV)
m/z calcd for [M]2532: 444.2148,found: 444.2155.
実施例6−3〔一般式(14)(ただし、RがCOOCHを示す)で表される化合物の製造〕反応工程(15)
実施例6−2で得られた一般式(13)(ただし、RがCOOCH、RがCHを示す)で表される化合物30mg(0.068mmol)をメタノール5cmに溶解し、濃塩酸0.5cmを加え、窒素下で加熱還流して、4時間反応させた。反応液を放冷し、反応溶液からメタノールを減圧留去後、水を加えて希釈した。当該溶液をエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層をろ過し、ろ液を減圧下に濃縮すると白色固体101mgが得られた。これを分取薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:ジエチルエーテル=30:1)で精製し、無色板状結晶として、一般式(14)(ただし、RがCOOCHを示す)で表される11,14−ジヒドロキシ−7−オキソアビエタ−8,11,13−トリエン−18−酸メチル23mg(0.064mmol、収率94%)を得た。融点229.2−230.4℃(ヘキサン−酢酸エチル)、[α] 25 +116.9°(CHCl,c=0.21)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 1.18−1.20(each
3H,d,J=6.8Hz,H−16 and H−17),1.32(3H,s,H−20),1.40 (3H,s,H−19),1.51(1H,tt,J=12.4,3.2Hz,),1.67−1.86
(4H,m,),2.20(1H,d,J=16.0Hz,H−5),2.69(1H,d,J=14.8Hz,H−6αor β),2.77(1H,dd,J=16.0,14.8
Hz,H−6αor β),3.27(1H,m,J=11.3 Hz,H−1β),3.30(1H,sept,J=6.8 Hz,H−15),3.68(3H,s,COOC ),4.61(1H,s,O),6.79(1H,s,H−12),13.05(1H,s,O
13C−NMR (63 MHz,CDCl)δ /ppm16.54,18.34,22.06,22.23,25.97,35.74,36.29,37.94,39.51,43.93,47.26,52.29,115.42,124.04,135.17,136.17,144.23,155.77,178.11,205.55
IR (KBr)υ/cm−1
3420(O−H),3010,2970,2950,2880(C−H),1700,1640(C=O).
HREIMS (70 eV)
m/z calcd for[M]2128:360.1937,found:360.1883.
実施例6−4〔一般式(15)(ただし、RがCOOCHを示す)で表される化合物の製造〕反応工程(16)
実施例6−3で得られた一般式(14)(ただし、RがCOOCH)で表される化合物20.1mg(0.056mmol)をジクロロメタン3cmに溶解し、活性二酸化マンガン24.4mg(1.2重量当量)を加えて、室温で1時間攪拌し反応させた。反応溶液を、セライトを通してろ過し、ろ液を濃縮し、赤色の油状物26.4mgを得た。当該粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、一般式(15)(ただし、RがCOOCHを示す)で表されるアビエタンキノン19.0mg(0.053mmol、収率95%)を赤色油状物として得た。[α] 25
−612.3°(CHCl,c=0.74)
H−NMR (400 MHz,TMS,CDCl)δ /ppm 1.13(6H,d,J=6.8Hz,H−16and
H−17),1.26−1.43(1H,m),1.30(3H,s,H−20), 1.41(3H,s,H−19),1.66−1.81(4H,m),2.31(1H,dd,J=16.4,1.6Hz,H−5),2.57(1H,dd,J=16.4,14.4Hz,H−6αorβ),2.64(1H,dd,J=14.4, 1.6 Hz,H−6αorβ),2.84(1H,brd,J=12.8 Hz,H−1β),3.04(1H,sept,J=6.8 Hz,H−15),3.68(3H,s,COOC ),6.46(1H,d,J=1.2
Hz,H−12)
13C−NMR (63 MHz, CDCl)δ /ppm 16.34,17.73,18.30,21.23,26.37,34.81,36.05,38.20,39.29,43.19,46.52,52.35,131.26,131.86,154.34,158.95,177.22,184.49,188.52,195.62
IR (CHCl)υ/cm−1
3050,2980,2900(C−H),1720,1670 (C=O),1580(C=C).
HREIMS (70 eV)m/z
calcd for [M]2126: 358.1780,found: 358.1826.
本発明により得られるアビエタンキノン化合物は、抗微生物活性、抗癌活性など生理活性に優れた医薬品化合物等としてあるいはその合成中間体として有用である。

Claims (6)

  1. 一般式(1)
    Figure 2005306791
    (式中、Rは、カルボキシル基、C1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される8,11,13−アビエタトリエン化合物に、アミノ基を導入し、一般式(3)
    Figure 2005306791
    (式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rはアミノ基または水素原子を示す)で表される化合物とした後、ジアゾ化し、加カルボン酸分解し、脱アシル化し、酸化する工程を経ることを特徴とする一般式(6)
    Figure 2005306791
    (式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rは水酸基または水素原子を示す)で表されるアビエタンキノン化合物の製造方法。
  2. 一般式(1)で表される8,11,13−アビエタトリエン化合物をジニトロ化した後に、還元することによりアミノ基を導入することを特徴とする請求項1に記載のアビエタンキノン化合物の製造方法。
  3. 前記一般式(1)で表される8,11,13−アビエタトリエン化合物をジニトロ化し、一般式(2)
    Figure 2005306791
    (式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される12,14−ジニトロ−8,11,13−アビエタトリエン化合物とし、次いで当該化合物を触媒の存在下還元して、前記一般式(3)(ただし、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rはアミノ基を示す)で表される12,14−ジアミノ−8,11,13−アビエタトリエン化合物とし、次いで当該化合物をジアゾ化−加カルボン酸分解して、一般式(4)
    Figure 2005306791

    (式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を、RはC1−5アルキル基またはトリフルオロメチル基を示す)で表される12,14−ジアシルオキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物とし、次いで当該化合物を脱アシル化して、一般式(5)
    Figure 2005306791
    (式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される12,14−ジヒドロキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物とし、次いで酸化処理することを特徴とする請求項1または2に記載の前記一般式(6)(ただし、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rは水酸基を示す)で表わされるアビエタンキノン化合物の製造方法。
  4. 前記一般式(1):で表される8,11,13−アビエタトリエン化合物をジニトロ化し、一般式(2)で表される12,14−ジニトロ−8,11,13−アビエタトリエン化合物とし、次いで触媒存在下に部分還元して、一般式(7)
    Figure 2005306791
    (ただし、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される12−アミノ−14−ニトロ−8,11,13−アビエタトリエン化合物とし、ジアゾ化−還元して、一般式(8)
    Figure 2005306791
    (式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される14−ニトロ−8,11,13−アビエタトリエン化合物とし、次いで触媒存在下に還元して、前記一般式(3)(ただし、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rは水素原子を示す)で表される14−アミノ−8,11,13−アビエタトリエン化合物とし、次いで当該化合物をジアゾ化−加カルボン酸分解して、一般式(9)
    Figure 2005306791
    (式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を、RはC1−5アルキル基またはトリフルオロメチル基を示す)で表される14−アシルオキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物とし、次いで当該化合物を脱アシル化して、一般式(10)
    Figure 2005306791
    (式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される14−ヒドロキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物とし、次いで当該化合物を酸化することを特徴とする一般式(6)(ただし、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基、Rは水素原子を示す)で表されるアビエタンキノン化合物の製造方法。
  5. 一般式(6)(式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を、Rは水素原子を示す)で表されるアビエタンキノン化合物を還元し、次いで当該化合物をアシル化し、次いで当該化合物を酸化した後、脱アシル化し酸化することを特徴とする一般式(15)
    Figure 2005306791
    (式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す。)で表されるアビエタンキノン化合物の製造方法。
  6. 一般式(6)(ただし、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を、Rは水素原子を示す)で表されるアビエタンキノン化合物を還元して、一般式(11)
    Figure 2005306791
    (式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される11,14−ジヒドロキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物とし、次いで当該化合物をアシル化して、一般式(12)
    Figure 2005306791
    (式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を、RはC1−5アルキル基を示す)で表される11,14−アシルオキシ−8,11,13−アビエタトリエン化合物とし、次いで当該化合物を酸化して、一般式(13)
    Figure 2005306791
    (式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を、RはC1−5アルキル基を示す)で表される11,14−アシルオキシ−7−オキソ−8,11,13−アビエタトリエン化合物とし、次いで当該化合物を脱アシル化して一般式(14)
    Figure 2005306791
    (式中、RはC1−5アルコキシカルボニル基またはメチル基を示す)で表される11,14−ヒドロキシ−7−オキソ−8,11,13−アビエタトリエン化合物とし、これを酸化することを特徴とする一般式(15)(式中、Rはメチル基またはアルコキシカルボニル基を示す。)で表される請求項5に記載のアビエタンキノン化合物の製造方法。

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