JP2005306725A - ゼオライト成形体およびその製造方法 - Google Patents

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Atsushi Nakahira
敦 中平
Tomonori Yamazaki
友紀 山崎
Shinichi Takezoe
真一 竹添
Kazuyuki Hosoi
和幸 細井
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Abstract

【課題】高い硬度及び優れた結晶構造を有するゼオライト成形体を効率良く製造する方法を提供すること。
【解決手段】
以下の特性を備えたゼオライト成形体:(1)相対密度60%以上;(2)比表面積200m2/g以上;(3)ビッカース硬度0.5pa以上、および
ゼオライト粉末を、水またはアルカリ水溶液の存在下に、加熱加圧処理することを特徴とするゼオライト成形体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゼオライト成形体、その複合材料及びそれらの製造方法に関する。
“ゼオライト”と総称される結晶性アルミノケイ酸塩は、一つの結晶内に分子サイズ
の微空間(ナノスペース)を有しており、「分子ふるい」の名でも呼ばれている。この様な特異な細孔構造を備えたゼオライトは、形状選択機能(分子ふるい機能)、吸着/分離精
製機能、イオン交換機能、固体酸機能、触媒機能などを発揮するので、広い産業分野で利用されている。
しかしながら、ゼオライトは、通常粉末状の形態を呈しているので、そのままでは、取り扱いが容易でないという問題点を有している。この問題点を解消するために、例えば、粉末状ゼオライトにバインダーを配合した後、成形し、焼結することにより、ペレット化する方法が実用化されている。しかしながら、このペレット化されたゼオライトは、取り扱い性は改善されるものの、バインダーに由来する残存不純物が特異な細孔構造などに悪影響を及ぼすので、形状選択/透過機能、吸着/分離精製機能、イオン交換機能、触媒機能などが低下する新たな問題点が生ずる。
特許文献1は、水熱反応により、石英片などのバルク体上に厚さ数百μm以上のゼオラ
イト単結晶膜を形成させる方法を開示している。この方法において、バルク体は、ゼオライト結晶の骨格構成元素の供給源となり、かつ生成したゼオライト結晶膜の支持体としての機能を発揮する。しかしながら、この方法においては、水熱反応が緩慢に進行するので、数百μmオーダーの膜を形成させるためには、100時間を超える長時間にわたり、反応を継続させる必要がある。また、(1)支持体が高価となることがある、(2)支持体とゼオライト膜との界面で接着不良を起こすことある、(3)支持体の存在によって、ゼオライト膜の
気孔率などが大きく低下する、(4)支持体の空隙を完全にふさぐことは困難である、など
の問題点もある。
特許文献2は、「Al2O3およびSiO2を含み、H2OとSiO2とのモル比が50以上の水和ゲルを、オートクレーブを用いて無攪拌下でかつ温度100℃以上200℃未満で水熱合成するゼオライト膜の製造方法」を開示している。この方法によれば、約10〜100μmの自立したZSM-5型ゼオライト単独の膜が得られるとされている。しかしながら、この無攪拌下での水熱反応はゼオライト生成に対し不均一になり、よって得られるゼオライト膜は、部分的に組成が変化した生成物になる可能性がある。また、この方法で得られるゼオライト膜の厚さおよび大きさは、自立膜としての特性を利用するには、満足すべきものであるとは言い難い。
特許文献3は、「反応器内に仕込んだ水熱合成原料を、水熱合成反応によってゼオライト構造の無機質結晶多孔体に転換する際に、該反応容器内に液状金属表面を存在させ、その液状金属表面を結晶成長の場として利用する製造方法」を開示している。この方法によれば、数10〜100μmの厚みをもつゼオライト膜を得られるとされている。しかしながら、この方法では液状金属物質として、水銀、鉛、カドミウムなどを含有する有害物質を用いる必要があり、生成するゼオライト膜への汚染の危険性もある。
特開2000−34188号公報 特開平6−127937号公報 特開平8−26720号公報
上述の様に、ゼオライト膜の生成に関しては、種々の研究がなされているが、これまで提案されている技術では、長時間の反応時間を必要としたり、結晶構造が不均一であったり、硬度が十分でなかったり、という問題点があった。
そこで、本発明は、結晶構造が均一で、かつ高い硬度及び強度を有するゼオライト成形体を短時間で製造する方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために、鋭意研究を行った結果、水またはアルカリ水溶液の存在下に、ゼオライト粉末を加熱/加圧して、成形する場合に、優れた特徴を有する成形体が短時間で得られ得ることを見出し、更に鋭意検討を重ねて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のゼオライト成形体とその製造方法を提供する。
項1:以下の特性を備えたゼオライト成形体:
(1)ピクノメータ法により測定された相対密度が60%以上;
(2)BET法により測定された比表面積が200m2/g以上;
(3)ビッカース硬度0.5Gpa以上。
好ましくは、以下の特性を備えたゼオライト単独成形固化体:
(1)ピクノメータ法により測定された相対密度が60%以上;
(2)BET法により測定された比表面積が200m2/g以上;
(3)ビッカース硬度0.5Gpa以上。
項2:(2)BET法により測定された比表面積が500m2/g以上である項1に記載の成形体。
換言すると、以下の特性を備えたゼオライト成形体:
(1)ピクノメータ法により測定された相対密度が60%以上;
(2)BET法により測定された比表面積が500m2/g以上;
(3)ビッカース硬度0.5Gpa以上。
項3:光透過性ゼオライト成形体である項1又は2に記載のゼオライト成形体。
換言すると、透明性ゼオライト成形体である項1又は2に記載のゼオライト成形体。
項4:ゼオライト粉末を、水またはアルカリ水溶液の存在下に、加熱加圧処理することを特徴とするゼオライト成形体の製造方法。
好ましくは、ゼオライト粉末を、水またはアルカリ水溶液の存在下に、加熱加圧処理することを特徴とする項1〜3に記載のゼオライト成形体の製造方法。
項5:加熱加圧処理を温度100〜300℃および圧力5〜100MPaで行う項4に記載の製造方法。
好ましくは、加熱加圧処理を温度150〜250℃および圧力20〜60MPaで行う項4に記載の製造方法。
項6:アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)および天然ソーダから選ばれた少なくとも1種を含む水溶液である項4に記載の製造方法。
項7:アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液である項6に記載の製造方法。
項8:セラミックス基板或いは金属基板と以下の特性を備えたゼオライト成形体層を有する複合材料:
(1)ピクノメータ法により測定された相対密度が60%以上;
(2)BET法により測定された比表面積が200m2/g以上;
(3)ビッカース硬度0.5Gpa以上。
項9:(2)BET法により測定された比表面積が500m2/g以上である項8に記載の複合材料。
換言すると、セラミックス基板或いは金属基板と以下の特性を備えたゼオライト成形体層を有する複合材料:
(1)ピクノメータ法により測定された相対密度が60%以上;
(2)BET法により測定された比表面積が500m2/g以上;
(3)ビッカース硬度0.5Gpa以上。
項10:セラミックス基板或いは金属基板上にゼオライト粉末を配置した後、水またはアルカリ水溶液の存在下に、加熱加圧処理することを特徴とするセラミックス基板或いは金属基板とゼオライト成形体層を有する複合材料の製造方法。
好ましくは、セラミックス基板或いは金属基板上にゼオライト粉末を配置した後、水またはアルカリ水溶液の存在下に、加熱加圧処理することを特徴とする、項8又は9に記載のセラミックス基板或いは金属基板とゼオライト成形体層を有する複合材料の製造方法。
項11:加熱加圧処理を温度100〜300℃および圧力5〜100MPaで行う項10に記載の製造方法。
好ましくは、加熱加圧処理を温度150〜250℃および圧力20〜60MPaで行う項10に記載の製造方法。
項12:アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)および天然ソーダから選ばれた少なくとも1種を含む水溶液である項10に記載の製造方法。
項13:アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液である項12に記載の製造方法。
本発明によるゼオライト成形体は、加熱加圧条件下に形成された多結晶体であるにもかかわらず、200 m2/g以上、特に、500 m2/gを上回る高い比表面積を有している。さらに、より好適な条件下においては、本発明によれば、700 m2/gを上回る非常に高い比表面積を有するゼオライト成形体を得ることも可能である。
本発明によるゼオライト成形体中の結晶構造は、水熱反応後も変化しない。
また、反応条件を制御することにより、結晶粒界に不純物、ボイド、ピンホールなどが殆ど存在しない緻密なゼオライト単結晶様材料(single crystal-like material)を製造することができる。
本発明によるゼオライト成形体は、強度および硬度に優れている。
また、本発明においては、光透過性のゼオライト成形体を得ることも、可能である。
また本発明において、セラミクス基板或いは金属基板上にゼオライト粉末を配置して、加熱加圧を行うことにより、基板と大型のゼオライト成形体層を有する新規な複合材料を得ることも可能である。
更に、本発明によれば、これまで別々の工程として行われてきた成形と反応とが同時に行われる(一工程化できる)ので、合成時間の著しい短縮が達成される。
このように本発明は優れた性質を有するゼオライト成形体及びその複合材料を短時間で効率良く製造する方法を提供するものであり、各種素材分野及びその応用分野の発展に大きく寄与するものである。
以下、本発明について、更に詳細に説明する。
成形体
本発明のゼオライト成形体は以下の特性を有している。
(1)ピクノメータ法により測定された相対密度が60%以上;
(2)BET法により測定された比表面積が200m2/g以上;
(3)ビッカース硬度0.5Gpa以上。
なお、本発明における成形体とは、単独成形固化体、成形固化体を包含する概念である。
本発明によるゼオライト成形体は、ピクノメータ法により測定された相対密度が60%以上、更には、70%以上、特に80%、更には90%以上の高い相対密度を有する。
本発明の成形体は、このような高い相対密度を有することにより、結晶粒界に不純物、ボイド、ピンホールなどが殆ど存在しない緻密なゼオライト単結晶様材料として用いることができる。
また、本発明によるゼオライト成形体は、BET法(BET1点法)により測定された比表面積が200 m2/g以上、特に、500 m2/g、更には700 m2/gを上回る非常に高い比表面積を有している。
また、本発明によるゼオライト成形体は、ビッカース硬度0.5Gpa以上、更に、0.8以上、特に1.0以上という高い硬度を有している。
また、本発明の成形体は、透明な、光透過性のゼオライト成形体として得ることも可能である。“光透過性”とは、光が成形体を直線的に透過する性質と、光が成形体内部で散乱した場合にも、一面側から反対面側へと透過する性質を意味する。
複合材料
本発明における複合材料は、セラミックス基板或いは金属基板と、上記本発明のゼオライト成形体の層を有する複合材料である。
セラミックス基板の種類は特に限定されず、本発明の効果が奏される範囲内で適宜設定し得るが、例えば、アルミナ、シリカを用いた基板等が挙げられる。
金属の種類も特に限定されず、本発明の効果を奏する範囲で適宜設定し得るが、例えば、アルミニウム基板、ステンレス基板、チタン基板等が挙げられる。
複合材料の構造も特に限定されず、適宜設定し得るが、例えば、セラミックス基板或いは金属基板と、ゼオライト成形体の層とが積層されている積層構造の複合材料とすることができる。
成形体の製造方法
本発明の成形体は、ゼオライト粉末を、水またはアルカリ水溶液の存在下に、加熱加圧処理することにより得ることができる。
以下、本発明を実施するための水熱ホットプレス装置(HHP装置)の概略を示す模式的断面図を参照しつつ、本発明をより詳細に説明する。
図1に示す装置は、反応容器本体1、それを囲むヒーター9および上下から圧力を加える加圧ロッド11を主たる構成要素としている。上下に分かれているロッド11間の空隙部3は、反応時に成形用の型としての機能を果たす。反応時には、耐圧性のグランドパッキング5を装着し、空間部7は、反応前に添加された水或いは水溶液が、反応の進行とともに、緻密化するゼオライト成形体から搾り出された時に逃げ込む空間である。この搾り出された水或いは水溶液が、水熱条件を維持する作用をする。
なお、本発明において使用する反応装置としては、ゼオライト粉末と水またはアルカリ水溶液とからなる原料混合物を加熱及び加圧する反応工程中には、反応系内の水分(固化助剤)を型枠内に保持することができ、しかも、反応終了後には主に固化助剤に由来する反応系内の水分を高圧蒸気などとして任意に排出することができる装置であれば、特に限定されない。この様な装置としては、特開昭61−274300号公報、特開昭64−51135号公報などに記載された水熱熱間成型装置を例示することができる。
本発明によるゼオライト成形体の製造に際しては、予めゼオライト粉末に水或いは所定濃度のアルカリ水溶液を加えることにより、含水原料混合物を調製する。得られた原料混合物を下ロッド11上に載せた後、上ロッドと下ロッドにより原料混合物を加圧した状態で、ヒーター9により原料混合物を加熱することにより、HHPによる成形を行う。成形の過程で、過剰の水は、空間部7に逃げ込み、系内を水熱条件に維持することができる。
原料として使用するゼオライトの種類は限定されない。具体的には、Y型ゼオライト(FAU)、A型ゼオライト(LTA)、L型ゼオライト(LTL)、モルデナイト(MOR)、ZSM−5(MFI)、シリカソーダライト(SOD)などが例示される。
ゼオライト粉末の粒径も、特に限定されるものではないが、通常0.1〜100μm程度であり、好ましくは0.1〜50μm程度、特に0.1〜20μm程度である。
アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)、天然ソーダ(通常、複数種のアルカリ金属化合物および
アルカリ土類金属化合物を含んでいる)などを含む水溶液を使用することができる。
水溶液は、これらのアルカリ物質を2種以上含んでいても良い。
アルカリ水溶液の濃度は、アルカリの種類、ゼオライトの種類などに応じて適宜選択することができるが、通常0.01M〜15M程度であり、より好ましくは0.1M〜10M程度、特に好ましくは5M〜10M程度である。
ゼオライト粉末と水或いはアルカリ水溶液との配合比は、ゼオライトの種類、アルカリ水溶液の種類と濃度などを考慮して定めればよいが、通常ゼオライト粉末に対し、1〜30
重量%程度であり、より好ましくは10〜25重量%程度である。
HHPの条件は、ゼオライト粉末の種類や水溶液の種類等により適宜設定し得るが、温度は、通常100〜300℃程度、好ましくは150〜250℃程度、より好ましくは150〜200℃程度である。また圧力は、通常5〜100MPa程度、好ましくは15〜70MPa程度、より好ましくは20〜60MPa程度である。また、反応時間は、通常、0.5〜12時間程度、好ましくは、1〜5時間程度、より好ましくは、1.5〜3時間程度である。
このうち、特に、温度が100〜300℃程度および圧力が5〜100MPa程度であることが好ましく、温度150〜250℃程度および圧力20〜60MPa程度であることがより好ましい。
更に、温度が100〜300℃程度、圧力が5〜100MPa程度、及び反応時間が1.5〜3時間程度であることが好ましく、温度150〜250℃程度、圧力20〜60MPa、及び反応時間が1.5〜3時間程度であることがより好ましい。
光透過性のゼオライト成形体を得るためには、アルカリ水溶液の濃度や、反応温度、プレス圧力の値等の製造条件を適宜調整すればよい。例えば、Y型ゼオライト粉末を原料に用いる場合には、アルカリ水溶液の濃度を5モル/L以上、反応温度を150℃以上、反応時間を2時間以上に調整することにより、光透過性(透明性)ゼオライト成形体を得ることができる。
複合材料の成形方法
セラミックス基板或いは金属基板とゼオライト成形体層を有する複合材料を製造する場合には、下ロッド11上に基板材料を配置した後、その上にゼオライト成形体の原料混合物を載せて、上記と同様の手法により、HHPによる成形を行えばよい。
以下に実施例を示して、本発明の特徴とするところをより一層明らかにするが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。
[実施例1]〜[実施例5]
Y型ゼオライト(FAU)粉末(粒径=0.3〜0.4μm、比表面積=840m2/g)に対し、種々の濃度のNaOH水溶液を添加し、水溶液とY型ゼオライト粉末とを均一に混合し、得られた各原料混合物(表1参照)を、図1に概要を示す装置内に収容した後、装置内圧力を40MPaに保持しつつ、10℃/分の速度で150℃或いは170℃まで昇温し、同温度に2時間保持した。
なお、水またはNaOH水溶液の添加量は、混合物中の水またはNaOH水溶液の量がゼオライト粉末の17重量%となる様に、調整した。
得られたゼオライト成形体の相対密度(ピクノメータ法により測定)、ビッカース硬度および比表面積(BET法により測定)を表1に併せて示す。
また、比較のために、実施例と同じY型ゼオライト粉末と水とを、均一に混合した後、図1に概要を示す装置内に収容した後、装置内圧力を40MPaとして2時間保持した(比較例1)。比較例1で得られた物質についての結果を(比較例)として示す。
Figure 2005306725
表1に示す結果から明らかな様に、本発明により、高い相対密度と、高いビッカース硬度、及び高いBET比表面積を有する成形体が得られることがわかった。
特に、5.0モル/LのNaOH水溶液を用いた場合には、相対密度は99%に達しており、さらに、その成形体のBET比表面積は、約700 m2/gという高い値を示していた。
表1に示す結果から明らかな様に、添加するNaOH水溶液の濃度が増加するに従って、ゼオライト成形体の密度がほぼ増大する傾向を示していた。
特に、5.0モル/LのNaOH水溶液を用いた場合には、相対密度は99%に達していた。
このことから、本発明により、結晶粒界に不純物、ボイド、ピンホールなどが殆ど存在しない緻密なゼオライト単結晶様材料が得られることが分かる。
特に、NaOH水溶液の濃度を5.0モル/L以上とした場合には、相対密度が著しく増大して、理論密度に近い成形体を製造することができることがわかった。
さらに、添加NaOH水溶液の濃度が増加するとともに、ゼオライト成形体の硬度も増大する傾向を示しており、特に5.0モル/LのNaOH水溶液を用いた場合には、2.74GPaにも達していた。
一方、比較例1における成形のみを行った場合の硬度は、表1中の比較例の結果から明らかな様に、わずかに0.12GPaであった。
このことから、本発明により、硬度及び強度に優れる成形体が得られることが分かる。
さらに、図2に示す様に、5.0モル/LのNaOH水溶液を用いた実施例4においては、光透過性を有するゼオライト成形体が得られることが確認された。
また、図3に示す様に、本発明によるゼオライト成形体は、原料のY型ゼオライト(図3における(a)powder)と同様のXRDパターンを示しており、成形による結晶構造の変化は生じていないことがわかった。
実施例6−1〜6−5
モルデナイト(MOR)粉末(粒径=0.5〜3μm、比表面積=512m2/g)に対し、種々の濃度のNaOH水溶液を添加し、水溶液とモルデナイト(MOR)粉末とを均一に混合し、得られた各原料混合物(表2参照)を図1に概要を示す装置内に収容した後、装置内圧力を40MPaに保持しつつ、10℃/分の速度で170又は200℃まで昇温し、同温度に2時間保持した。
なお、NaOH水溶液の添加量は、混合物中のNaOH水溶液の量がゼオライト粉末の20重量%となる様に、調整した。
得られたゼオライト成形体の相対密度(ピクノメータ法により測定)、ビッカース硬度および比表面積(BET法により測定)を表2に併せて示す。
また、比較のために、実施例と同じモルデナイト粉末と水とを、均一に混合した後、図1に概要を示す装置内に収容した後、装置内圧力を40MPaとして2時間保持した(比較例2)。
比較例2で得られた物質についての結果を表2に併せて示す。
Figure 2005306725
表2に示す結果から明らかな様に、10モル/LのNaOH水溶液を用い、170℃以上で反応を行った場合には、相対密度は90%に達している。さらに、その成形体のBET比表面積は、253m2/gという高い値を示している。
また、添加NaOH水溶液の濃度が増加するに従って、ゼオライト成形体の密度が増大する傾向を示している。
特に、NaOH水溶液の濃度が5.0モル/L以上の場合には、相対密度が著しく増大しており、理論密度に近い成形体を製造することができることが分かる。
さらに、添加NaOH水溶液の濃度が増加するとともに、ゼオライト成形体の硬度も増大する傾向を示しており、特に10モル/LのNaOH水溶液を用いた場合には、3.1GPaまで達していた。
一方、比較例2における成形のみを行った場合の硬度は、表2中の比較例の結果から明らかな様に、わずかに0.11GPaであった。
このことから、本発明により、硬度及び強度に優れる成形体が得られることが分かる。
また、図4に実施例6−1〜6−3で得られたゼオライト成形体のXRDパターンを示す。図4に示す様に、本発明によるゼオライト成形体は、原料のモルデナイト(MOR)(図4中のpowder)と同様のXRDパターンを示しており、成形による結晶構造の変化は生じていないことがわかった。
更に、NaOH水溶液に代えて、水ガラス又は水(HO)を用いる以外は、実施例6−3と同様の反応を行った場合にも、図4に示すように同様のXRDパターンが得られており、この場合にも成形による結晶構造の変化は生じないことがわかった。
実施例7−1〜7−7
ZSM−5(MFI)粉末(粒径=0.2〜0.5μm、比表面積=580m2/g)に対し、種々の濃度のNaOH水溶液を添加し、水溶液とZSM−5(MFI)粉末とを均一に混合し、得られた原料混合物(表3参照)を図1に概要を示す装置内に収容した後、装置内圧力を40MPaに保持しつつ、10℃/分の速度で150℃、170℃又は200℃まで昇温し、同温度に2時間保持した。なおNaOH水溶液の添加量は、混合物中のNaOH水溶液の量がゼオライト粉末の20重量%となる様に、調整した。
得られたゼオライト成形体の相対密度(ピクノメータ法により測定)、ビッカース硬度および比表面積(BET法により測定)を表3に示す。
また、比較のために、実施例7−1〜7−7と同様のMFI粉末と水とを、均一に混合した後、図1に概要を示す装置内に収容した後、装置内圧力を40MPaとして2時間保持した(比較例3)。
比較例3で得られた物質についての結果を表3に併せて示す。
Figure 2005306725
表3に示す結果から明らかな様に、5モル/LのNaOH水溶液を用いた場合には、相対密度は90%に達している。さらに、その成形体のBET比表面積は、約200 m2/g以上という高い値を示した。
また、添加するNaOH水溶液の濃度が増加するに従って、ゼオライト成形体の密度が増大する傾向を示している。特に、NaOH水溶液の濃度が5モル/L以上の場合には、相対密度が著しく増大して、理論密度に近い成形体を製造することができることが明らかである。
さらに、添加するNaOH水溶液の濃度が増加するとともに、ゼオライト成形体の硬度も増大する傾向を示しており、特に5モル/LのNaOH水溶液を用いた場合には、硬度は3.4GPaまで達していた。
このことから、本発明により、硬度及び強度に優れる成形体が得られることが分かる。
一方、比較例3における成形のみを行った場合の硬度は、表3中の比較例の結果から明らかな様に、わずかに0.1GPaであった。
また、図5に実施例7−2〜7−5で得られた成形体のXRDパターンを示す。実施例で得られたゼオライト成形体は、原料のZSM−5(MFI)と同様のXRDパターンを示しており、成形による結晶構造の変化は生じていないことがわかった。
更に、NaOH水溶液に代えて、水(HO)を用いる以外は、実施例7−4と同様の反応を行った場合にも、図5に示すように同様のXRDパターンが得られており、この場合にも成形による結晶構造の変化は生じないことがわかった。
本発明を実施するための装置の概略を示す模式的断面図である。 光透過性を示す本発明によるゼオライト成形体の写真である。 本発明によるゼオライト成形体と原料のY型ゼオライトとが、同様のXRDパターンを示すことを明らかにするチャートである。 本発明によるゼオライト成形体と原料のモルデナイト(MOR)とが、同様のXRDパターンを示すことを明らかにするチャートである。 本発明によるゼオライト成形体と原料のZSM-5(MFI)とが、同様のXRDパターンを示すことを明らかにするチャートである。
符号の説明
1…反応容器本体
3…空隙部
5…グランドパッキング
7…排水用空間部
9…ヒーター
11…上下一対の加圧ロッド

Claims (13)

  1. 以下の特性を備えたゼオライト成形体:
    (1)ピクノメータ法により測定された相対密度が60%以上;
    (2)BET法により測定された比表面積が200m2/g以上;
    (3)ビッカース硬度0.5Gpa以上。
  2. (2)BET法により測定された比表面積が500m2/g以上である請求項1に記載の成形体。
  3. 光透過性ゼオライト成形体である請求項1に記載のゼオライト成形体。
  4. ゼオライト粉末を、水またはアルカリ水溶液の存在下に、加熱加圧処理することを特徴とするゼオライト成形体の製造方法。
  5. 加熱加圧処理を温度100〜300℃および圧力5〜100MPaで行う請求項4に記載の製造方法。
  6. アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)および天然ソーダから選ばれた少なくとも1種を含む水溶液である請求項4に記載の製造方法。
  7. アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液である請求項6に記載の製造方法。
  8. セラミックス基板或いは金属基板と以下の特性を備えたゼオライト成形体層を有する複合材料:
    (1)ピクノメータ法により測定された相対密度が60%以上;
    (2)BET法により測定された比表面積が200m2/g以上;
    (3)ビッカース硬度0.5Gpa以上。
  9. (2)BET法により測定された比表面積が500m2/g以上である請求項8に記載の複合材料。
  10. セラミックス基板或いは金属基板上にゼオライト粉末を配置した後、水またはアルカリ水溶液の存在下に、加熱加圧処理することを特徴とするセラミックス基板或いは金属基板とゼオライト成形体層を有する複合材料の製造方法。
  11. 加熱加圧処理を温度100〜300℃および圧力5〜100MPaで行う請求項10に記載の製造方法。
  12. アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)および天然ソーダから選ばれた少なくとも1種を含む水溶液である請求項10に記載の製造方法。
  13. アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液である請求項12に記載の製造方法。
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