JP2005306113A - 回転体の耐久性予測方法及び回転体の耐久性予測用コンピュータプログラム、並びに回転体の耐久性予測装置 - Google Patents

回転体の耐久性予測方法及び回転体の耐久性予測用コンピュータプログラム、並びに回転体の耐久性予測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】粘弾性材料を含む回転体の転動状態における耐久性を予測できるようにすること。
【解決手段】粘弾性材料を含む回転体の回転体モデルの幾何形状や応力等の解析を実行する(ステップS101)。次に、前記解析によって得られた数値データから、発熱エネルギ関連の特性を評価するために必要な物理量を抽出する(ステップS102)。次に、抽出した物理量と、発熱を予測するのに必要変数を用いて、回転体モデルの発熱エネルギ関連の特性を評価する(ステップS103)。そして、この発熱エネルギ関連の特性と、回転体モデルの転動の状態を表す変数等を用いて回転体モデルの耐久性を予測する(ステップS104)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、構成材料に粘弾性材料を含む回転体の耐久性を評価する技術に関し、さらに詳しくは、このような回転体の転動状態における耐久性を評価できる回転体の耐久性予測方法及び回転体の耐久性予測用コンピュータプログラム、並びに回転体の耐久性予測装置に関する。
従来の回転体の耐久性能の評価は、回転体を実際に試作し、試験を実施する等の方法で行われていたため、多くの時間、費用、及び労力が必要であったが、近年におけるコンピュータ技術の発達により、実際に回転体を試作せずに、コンピュータ上の数値シミュレーションで回転体の性能や耐久性を予測する技術が用いられるようになってきている。このようなシミュレーションでは、例えば回転体がタイヤである場合には、有限要素法などの数値解析によってタイヤのひずみエネルギを求め、ひずみエネルギからタイヤの発熱を予測し、このタイヤの発熱と走行距離とにより、転動抵抗を予測して性能を評価している。
しかし、タイヤは複数の異なる材料からなる部材によって形成されているため、このような手法では正確なひずみエネルギを得ることができず、また、タイヤの各部位ごとに異なる変形周波数を考慮することができない、などの理由により忠実度の高い性能の評価を行うことが困難であった。そこで、かかる問題を解決するため、特許文献1には、応力、ひずみのヒステリシスループの面積から発熱エネルギ及びタイヤ転動抵抗を推定する方法及び装置が開示されている。この特許文献1では、応力及びひずみの成分ごとに材料の損失係数を変えて取り扱うことができ、また、タイヤの各変形周波数ごとにヒステリシスループが計算されるので、タイヤの各部位ごとに異なる変形周波数を考慮することができるので、忠実度の高い性能の評価を行うことができる。
特開平11−237332号公報
しかし、上記の方法及び装置は、静止している状態の数値解析結果から発熱を予測していたため、コーナーリングや制駆動時等の動的な状態の発熱分布を再現していなかった。さらに、回転体の耐久性を予測するためには様々な動的条件(例えばタイヤであれば、スリップ角をパラメトリックに変更する場合など)を考慮に入れた数値解析を行う必要があるが、上述の方法及び装置では不可能であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、構成材料に粘弾性材料を含む回転体の転動状態における耐久性を評価できる回転体の耐久性予測方法及び回転体の耐久性予測用コンピュータプログラム、並びに回転体の耐久性予測装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る回転体の耐久性予測方法は、回転体の形状と当該回転体を形成する材料の特性とにより回転体モデルを作成するモデル作成手順と、前記回転体モデルから解析可能な数値データを作成する解析手順と、前記回転体モデルの転動時における物理量を前記解析手順によって得られた結果から抽出する抽出手順と、前記抽出手順で抽出した前記物理量と発熱を予測するための変数とにより前記回転体モデルの発熱エネルギ関連の特性を評価する評価手順と、前記評価手順で得られた発熱エネルギ関連の特性を用いて回転体の耐久性を予測する耐久性予測手順と、を含むことを特徴とする。
この回転体の耐久性予測方法は、粘弾性材料を含む回転体の耐久性を評価するにあたり、転動状態、即ち、定常回転も含む動的な状態の回転体モデルの幾何形状、材料特性、及び解析目的に対して必要な条件等を解析可能な数値データとして解析手順で作成している。抽出手段で前記数値データから転動状態の前記回転体モデルの物理量、つまり、応力及びひずみを抽出する。この物理量と前記回転体を形成する粘弾性材料の特性等から、前記回転体モデルの発熱エネルギ関連の特性を評価手順によって評価する。この評価手順によって得られた発熱エネルギ関連の特性と回転体の転動の状態を表す変数等を用いて、発熱と耐久性との相関関係より耐久性を予測する耐久性予測手段によって、回転体モデルの耐久性を予測する。この結果、構成材料に粘弾性材料を含む回転体の転動状態における耐久性を評価できる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の発明に係る回転体の耐久性予測方法は、前記回転体の耐久性予測方法において、前記物理量は応力及びひずみを含んでおり、前記応力及び前記ひずみから局所座標を参照した応力、ひずみに変換する演算を行い前記回転体モデルの一点における応力、ひずみの成分を演算し、前記回転体モデルの円周方向に隣接する諸点の応力、ひずみを順次演算し、当該回転体モデルの一周分の応力、ひずみを得ることにより応力、ひずみの変化特性の曲線を導出し、一周分の応力、ひずみの有限次数のフーリエ級数展開の演算を行い、各フーリエ次数ごとに曲線の振幅、位相を演算し、前記回転体モデルを形成する前記材料の損失係数に応じた位相遅れをひずみ値に与えての、各フーリエ次数ごとのヒステリシスループの面積の演算に基づきフーリエ次数とヒステリシスループ面積の積の総和を導出し、以上の一連の演算過程を応力、ひずみの全成分について反復実行し各成分ごとの該総和を演算することによりそれぞれの位置における発熱エネルギ密度を導出し、当該位置の発熱エネルギ密度にて発熱エネルギ密度特性が近似される、当該位置を含む領域の体積と発熱エネルギ密度の積を演算することにより、当該領域における発熱エネルギを導出し、以上の一連の演算および導出の過程を回転体の全体について反復実行し回転体全体の発熱エネルギを導出する方法を用いて、前記発熱エネルギ関連の特性を評価することを特徴とする。
この回転体の耐久性予測方法は、前記物理量の応力とひずみから算出されるヒステリシスループの面積の総和を、応力とひずみの全成分について反復実行して各成分ごとの当該総和を演算し、それぞれの位置における発熱エネルギ密度を導出している。さらに、この発熱エネルギ密度と当該位置の体積から発熱エネルギを導出する。この発熱エネルギから前記耐久性予測手順によって前記回転体モデルの耐久性を予測する。この結果、構成材料に粘弾性材料を含む回転体の転動状態における耐久性を評価できる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の発明に係る回転体の耐久性予測方法は、前記回転体の耐久性予測方法において、前記発熱エネルギ関連の特性を、前記回転体モデルのひずみエネルギ密度の振幅から算出する方法を用いて評価することを特徴とする。
この回転体の耐久性予測方法は、前記回転体モデルを転動させたときのひずみの変化によるひずみエネルギ密度の振幅から発熱エネルギを予測している。この発熱エネルギから前記耐久性予測手順によって前記回転体モデルの耐久性を予測する。この結果、構成材料に粘弾性材料を含む回転体の転動状態における耐久性を評価できる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の発明に係る回転体の耐久性予測方法は、前記回転体の耐久性予測方法において、前記解析手順は、前記回転体モデルを数値解析法で取り扱い可能な有数個の要素として分割することを特徴とする。
この回転体の耐久性予測方法は、前記回転体モデルを有限要素法、有限体積法、差分法、または境界要素法など数値解析法で取り扱い可能な有数個の要素として分割する解析手段によって数値データとして解析している。これにより、より正確に回転体モデルの解析を行うことができる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の発明に係る回転体の耐久性予測方法は、前記回転体の耐久性予測方法において、前記回転体モデルが転動している状態、或いは、前記回転体モデルの進行方向と当該回転体モデルの回転の中心軸とのなす角度が保持された状態で当該回転体モデルが転動している状態を数値解析することを特徴とする。
この回転体の耐久性予測方法は、回転体モデルの進行方向と中心軸とのなす角度がいずれの状態においても回転体モデルが転動している状態の数値解析をすることにより、確実に回転体モデルの転動時の数値解析を行なうことができる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の発明に係る回転体の耐久性予測方法は、前記回転体の耐久性予測方法において、前記解析手順は、前記回転体モデルの回転の中心軸と当該回転体モデルとが一体となって連動する設定を行い、当該中心軸に速度を定義することで、前記回転体モデルの転動する速度を設定することを特徴とする。
この回転体の耐久性予測方法は、上記のように回転体モデルの中心軸と当該回転体モデルとが一体となって連動するように設定することにより、当該中心軸の転動速度を定義するだけで容易に回転体モデルの転動速度を設定できる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の発明に係る回転体の耐久性予測方法は、前記回転体の耐久性予測方法において、前記解析手順は、前記回転体モデルに接触している接触体を定義し、当該接触体の移動速度を定義することにより、前記回転体モデルの転動する速度を設定することを特徴とする。
この回転体の耐久性予測方法は、回転体モデルに接触する接触体を定義し、当該回転体モデルに対する接触体の移動速度を定義することにより、回転体モデルの転動速度を設定しなくても、容易に回転体モデルの転動速度を設定できる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の発明に係る回転体の耐久性予測方法は、前記回転体の耐久性予測方法において、前記解析手順は、前記回転体モデルの移動方向を定義し、当該移動方向と前記中心軸とのなす角度に変化を定義することで、当該回転体モデルの移動方向の角度を設定することを特徴とする。
この回転体の耐久性予測方法は、定義した移動方向と前記回転体モデルの回転の中心軸とがなす角度に変化を定義することにより、回転体モデルの移動方向の角度を設定することができる。回転体は、例えば接触面に対して当該回転体の回転方向と異なる方向に移動することがあるが、上記のように中心軸と移動方向とがなす角度に変化を与えることにより、回転体モデルが転動しながら、転動の方向と異なる方向に移動する状態の評価をすることができる。この結果、回転体の耐久性予測方法を、より実際の回転体の使用状態に近付けることができ、忠実度の高い回転体の耐久性予測方法とすることができる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の発明に係る回転体の耐久性予測方法は、前記回転体の耐久性予測方法において、前記解析手順は、前記回転体モデルの移動方向を定義し、当該移動方向と前記中心軸とのなす角度に変化を定義することで、当該回転体モデルの接触体に対する傾き角度を設定することを特徴とする。
これにより、回転体モデルが転動しながら、転動の方向と異なる方向に移動する状態の評価をすることができる。この結果、回転体の耐久性予測方法を、より実際の回転体の使用状態に近付けることができ、忠実度の高い回転体の耐久性予測方法とすることができる。回転体モデルの接触体に対する傾き角度には、例えばキャンバー角度やトー角度がある。
また、次の発明に係る回転体の耐久性予測方法は、前記回転体の耐久性予測方法において、前記解析手順は、前記接触体に角度変化を定義することで、前記回転体モデルの移動方向の角度、又は前記回転体モデルの接触体に対する傾き角度の少なくとも一方を設定することを特徴とする。
この回転体の耐久性予測方法は、回転体モデルに接触する接触体の、当該回転モデルの回転方向に対する角度変化を定義することにより、回転体モデルの前記接触体に対する移動方向の角度、又は前記回転体モデルの接触体に対する傾き角度の少なくとも一方を設定することができる。この結果、上記と同様に忠実度の高い回転体の耐久性予測方法とすることができる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の発明に係る回転体の耐久性予測方法は、前記回転体の耐久性予測方法において、前記回転体はタイヤであることを特徴とする。
この回転体の耐久性予測方法は、上記のように粘弾性材料を含む回転体の具体例としては、例えば自動車の車輪に使用されるタイヤが挙げられ、タイヤの耐久性を評価することができる。このタイヤは、荷重を受けつつ高速で転動するため、転動状態での耐久性の評価が重要であり、本発明は、タイヤの評価に適した評価を行うことができる。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の発明に係る回転体の耐久性予測装置は、回転体の形状と当該回転体を形成する材料の特性とにより作成される回転体モデルから解析可能な数値データを作成する回転体解析部と、前記回転体モデルの物理量を前記回転体解析部によって得られた結果から抽出する物理量抽出部と、前記物理量抽出部で抽出された前記物理量と発熱を予測するための変数とにより前記回転体モデルの発熱エネルギ関連の特性を評価する発熱エネルギ評価部と、前記発熱エネルギ評価部で得られた発熱エネルギ関連の特性を用いて回転体の耐久性を予測する耐久性予測部と、を備えることを特徴とする。
この回転体の耐久性予測装置は、粘弾性材料を含む回転体の耐久性を評価するにあたり、転動状態、即ち、定常回転も含む動的な状態の回転体モデルの幾何形状、材料特性、及び解析目的に対して必要な条件等を、解析可能な数値データとして作成している。この数値データからは、転動状態の前記回転体モデルの物理量、つまり、応力及びひずみを抽出する。この物理量と前記回転体を形成する粘弾性材料の特性等から、前記回転体モデルの発熱エネルギ関連の特性を評価する。この発熱エネルギ関連の特性と回転体の転動の状態を表す変数等を用いて、発熱と耐久性との相関関係より回転体モデルの耐久性を予測する。この結果、構成材料に粘弾性材料を含む回転体の転動状態における耐久性を評価することができる。
以上説明したように、本発明にかかる回転体の耐久性予測方法では、構成材料に粘弾性材料を含む回転体の転動状態における耐久性を評価できる、という効果を奏する。また、本発明に係る回転体の耐久性予測用コンピュータプログラムによれば、前述の回転体の耐久性予測方法がコンピュータを利用して実現できる、という効果を奏する。また、本発明に係る回転体の耐久性予測装置では、構成材料に粘弾性材料を含む回転体の転動状態における耐久性を評価できる、という効果を奏する。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記発明を実施するための最良の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。以下の説明では、粘弾性材料を含む回転体としてタイヤを例とするが、本発明の適用対象はタイヤに限られるものではない。また、タイヤの種類も空気入りタイヤに限定されるものではなく、本発明の適用できるタイヤの種類は問わない。
本発明に係る回転体の耐久性予測方法及び評価装置は、粘弾性材料を含む回転体の耐久性を評価するにあたって、定常回転を含む動的な状態、即ち転動状態の回転体を解析し、発熱エネルギを求めることによって、前記回転体の耐久性を評価する点に特徴がある。
本発明は、動的な状態の回転体を解析し、発熱エネルギを求めることによって、発熱と耐久性との相関関係より、回転体の実際の使用状況での耐久性を評価できることに着目したものである。例えば、回転体が自動車の車輪に使用するタイヤの場合、自動車のコーナーリング時や、制動時、加速をする際の駆動時など、実際の使用状況での発熱エネルギを求めることができる。この結果、回転体の耐久性予測方法及び評価装置での耐久性の評価を、前記回転体を様々な状況で実際に使用した際の実際の耐久性に近付けることができる。次に、本発明に係る回転体の耐久性予測方法及び耐久性予測装置の具体的な構成について説明する。
図1は、本発明に係る回転体の耐久性予測方法の処理手順を示すフローチャートである。まず、本発明に係る回転体の耐久性予測装置の構成について説明する。図2は、本発明に係る回転体の耐久性予測装置を示す説明図である。回転体の耐久性予測装置(以下耐久性予測装置という)50は、処理部50pと記憶部50mとで構成される。処理部50pは、さらに回転体解析部51と、物理量抽出部52と、発熱エネルギ評価部53と、耐久性予測部54とで構成される。また、この耐久性予測装置50には入出力ポート56が備えられており、この入出力ポート56を介して入出力装置60が接続されている。そして、入出力装置60に備えられた入力手段61で耐久性予測対象の回転体であるタイヤのゴムや補強コードの物性値、あるいは境界条件等を処理部50pや記憶部50mへ入力する。ここで、入力手段61には、キーボード、マウス等の入力デバイスを使用することができる。
処理部50pを構成する回転体解析部51と、物理量抽出部52と、発熱エネルギ評価部53と、耐久性予測部54とは、入出力ポート56によって相互に接続されており、相互に評価条件や演算結果その他の情報をやり取りできるように構成される。また、記憶部50mも入出力ポート56に接続されており、処理部50pの演算結果を一時的に格納する。記憶部50mに対しては、処理部50pを構成する前記回転体解析部51等が入出力ポート56を介してアクセスできるようになっている。
記憶部50mには、本発明に係る回転体の耐久性予測方法を実現するコンピュータプログラムが格納されている。ここで、記憶部50mは、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ(CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体)や、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
また、上記コンピュータプログラムは、コンピュータシステムにすでに記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、本発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法を実現できるものであってもよい。また、図2における処理部50pの機能を実現するための上記コンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより本発明に係る予測方法を実行してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
処理部50pは、メモリ及びCPUにより構成されている。回転体の耐久性を評価する際には、設定されたタイヤモデル及び入力データに基づいて、処理部50pが前記コンピュータプログラムを当該処理部50pに組み込まれたメモリに読み込んで演算する。その際に処理部50pは、適宜記憶部50mへ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を実行する。なお、この処理部50pは、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。
耐久性の評価結果は、入出力装置60の表示手段63に表示される。ここで、表示手段63には、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等を使用することができる。また、記憶部50mは、処理部50pに内蔵されるものであっても、他の装置(例えばデータベースサーバ)内にあってもよい。さらに、上記耐久性予測装置50は、入出力装置60を備えた端末装置から、通信により処理部50pや記憶部50mにアクセスするものであってもよい。次に、この耐久性予測装置50を用いて本発明に係る回転体の耐久性予測方法を実現する場合の処理手順について説明する。
本発明に係る回転体の耐久性予測方法を実現するにあたって、まず、本発明に係る耐久性予測装置50が備える回転体解析部51は、耐久性予測対象の回転体であるタイヤの幾何形状、材料特性及び解析目的に対し必要な条件等を解析可能な数値データにするよう解析を実行する(ステップS101、図1):転動解析。ここで、本発明では、前記解析を実行する際に、FEM(Finite Element Method:有限要素法)を使用する。なお、本発明に係るタイヤの物理量の予測方法に適用できる解析手法はFEMに限られず、BEM(Boundary Element Method:境界要素法)、FDM(Finite Differences Method:有限差分法)、FVM(Finite Volumes Method:有限体積法)等も使用できる。タイヤの種類や境界条件等によって最も適当な解析手法を選択し、又は複数の解析手法を組み合わせて使用することが好ましい。
図3−1は、耐久性予測対象の回転体であるタイヤを示す側面図である。図3−2は、耐久性予測対象の回転体であるタイヤを微小要素に分割した例を示す一部斜視図である。図3−1、2に示すように、耐久性予測対象の回転体であるタイヤ1は、有限要素法に基づき、有限個の微小要素101、102・・・10n等に分割されて、3次元有限要素モデル(3次元の回転体モデル、すなわち3次元のタイヤモデル10)が作成される。有限要素法に基づく微小要素とは、例えば2次元平面においては三角形要素、四角形要素、3次元体としては四面体ソリッド要素、五面体ソリッド要素、六面体ソリッド要素等のソリッド要素や、三角形シェル要素、四角形シェル要素等のシェル要素等、コンピュータで用いうる要素とすることが望ましい。このようにして分割された微小要素は、解析の過程において3次元座標を用いて逐一特定される。
なお、本発明で回転体モデルあるいはタイヤモデル10というときには、本発明に適用できる有限要素法、境界要素法その他の解析手法に基づき作成された解析用のモデルをいう。この実施例においては、有限要素法に基づいて微小要素に分割された有限要素モデルが、回転体モデルあるいはタイヤモデル10となる。
前記幾何形状等の解析では、前記タイヤモデル10の動的な状態、即ち、転動状態における動的解析によって、解析可能な数値データを作成している。前記タイヤモデル10の転動状態を定義する際には、まず、前記タイヤモデル10の回転の中心軸と当該タイヤモデル10とが連動する設定を行う。その後、当該回転軸に回転速度を定義することにより、タイヤモデル10全体の転動する速度を定義することができる。また、前記タイヤモデル10の移動方向を定義し、当該移動方向に対する前記中心軸の角度を定義することにより、当該タイヤモデル10の移動方向に対するタイヤモデル10の角度を定義することができる。これにより、転動状態のタイヤモデル10のスリップ角を定義することができる。
このように回転体解析部51では、タイヤモデル10の転動時の様々な状態を詳細に定義し、それらを動的解析することによって、忠実度の高い数値データとして解析している。この転動時の定義は、例えば、物理量が要素内を移動する速度を定義することで、回転体の転動状態を定義することができる。また、この解析では、上記のようにタイヤの転動を考慮し、準静的解析を含む動的解析によって、タイヤモデル10の転動時の物理量である各微小要素の応力σiやひずみεiを求めている。このように、モデル10を転動させることによって、より実際の現象に近い状態で応力σiやひずみεiを求めることができる。
次に、この数値データから、発熱エネルギ密度等の発熱エネルギ関連の特性を評価するために必要な物理量を抽出する(ステップS102、図1)。即ち、耐久性を評価する発熱エネルギ密度を計算するために必要な物理量を抽出する。この抽出する物理量は、具体的には、上記のように微小要素に分割された前記タイヤモデル10の、転動時に刻々と変化する各微小要素の応力σiと、ひずみεiとを抽出する。
次に、抽出した物理量と、発熱を予測するのに必要変数を用いて、タイヤモデル10の発熱エネルギ関連の特性を評価する(ステップS103、図1)。この発熱エネルギを評価するに際して、前記発熱エネルギ評価部53が前記物理量より発熱エネルギを導出する手順について説明する。この発熱エネルギ導出手順は、リサージュ法を用いて、前記各微小要素の応力σiと、ひずみεiとにより、発熱エネルギ密度を求める。なお、ここでいう発熱は、タイヤを構成する粘弾性材料(例えばゴム)の変形に起因するタイヤの内部発熱である。図4は、本発明に係る回転体の耐久性予測方法における発熱エネルギ導出手順を示すフローチャートである。図5−1は、タイヤモデルを構成する微小要素の回転を示す概念図である。図5−2は、タイヤモデルの微小要素が1回転した場合における微小要素の応力変化を示す説明図である。図5−1に示すタイヤモデル10の微小要素10nが1回転(2π)すると、微小要素10nの応力σiは、回転角ωtに対して、図5−2に示すように変化する。
タイヤの発熱エネルギ密度を求めるにあたっては、前記発熱エネルギ評価部53は、タイヤモデル(3次元のタイヤモデル)10を1回転させた場合における各微小要素の応力σi及びひずみεiをフーリエ級数展開する(ステップS201)。例えば、図5−2に示した微小要素10nの応力σiでは、回転角ωtが0〜2πまで、すなわちタイヤモデル10が1回転した場合における応力σiの変化をフーリエ級数展開する。
このように、タイヤモデル10の1回転あたりにおける発熱エネルギを用いれば、当該発熱エネルギとタイヤモデル10の回転数との積を求めることにより、所定回転数回転後におけるタイヤモデル10の総発熱エネルギを簡易に求めることができる。本実施例ではタイヤモデル10の1回転あたりにおける発熱エネルギを求めるが、タイヤモデル10の単位回転数あたりにおける発熱エネルギを求めれば、同様の作用・効果を得ることができる。
次に、発熱エネルギ評価部53は、応力σiのフーリエ級数の各フーリエ次数について、材料の損失係数に応じた位相遅れδをひずみεiに与え、各フーリエ次数における応力σiとひずみεiとのヒステリシスループの面積を演算する(ステップS202)。この内容について次に説明する。
タイヤを構成するゴムは粘弾性材料である。タイヤの転動時において粘弾性材料であるゴムの繰り返し変形によって発生するエネルギの一部が熱エネルギ(ヒステリシスロス)となり、このエネルギロスが転がり抵抗となる。図6−1は、粘弾性体を変形させた場合における応力とひずみとの関係を示す説明図である。図6−2は、応力とひずみとのヒステリシスループを示す説明図である。図6−1に示すように、粘弾性材料では応力σiに対してひずみεiの位相がδだけ遅れる。
これにより、図6−2に示すように、1周期(図6−1においては、回転角ωt1)の変形に対して応力σiとひずみεiとのヒステリシスループ5を描くことができる。このヒステリシスループ5の面積が、粘弾性材料の1周期における変形で発生した発熱エネルギであり、粘弾性材料の1周期における変形で損失したエネルギ、すなわち転動抵抗に相当する。したがって、各微小要素のヒステリシスループ5の面積から、タイヤの転動時における発熱エネルギ(転動抵抗)を求めることができる。なお、前記位相遅れδは、粘弾性材料の種類によって異なる損失係数に応じて決定される。なお、粘弾性材料は周波数依存性があるため、得られたひずみの振幅に近い条件下で求められた損失係数を用いるとさらに発熱エネルギの予測精度が向上するため好ましい。
発熱エネルギ評価部53は、各フーリエ次数における応力σiとひずみεiとのヒステリシスループ5の面積を求めたら、フーリエ次数とヒステリシスループ面積との積の総和を演算する(ステップS203)。この一連の演算過程を応力、ひずみの全成分(3次元の場合は計6成分)について発熱エネルギ評価部53が反復実行することにより(ステップS204;No)、応力、ひずみの各成分毎に前記総和を演算する(ステップS204;Yes)。さらに、発熱エネルギ評価部53は、これらの過程を全微小要素について反復実行し(ステップS205;No、ステップS206)、タイヤモデル10の全微小要素の発熱エネルギを導出して(ステップS205;Yes、ステップS207)、モデル化したタイヤ全体の発熱エネルギ導出手順が終了する。
このように発熱エネルギは、タイヤモデル10を形成する粘弾性材料によっても異なるため、発熱を予測するのに必要な変数は、例えば、タイヤモデル10を形成するゴムに力が作用した際の位相遅れの度合いなど、ゴムや補強コードの物性が挙げられる。発熱エネルギ評価部53は、この発熱を予測するのに必要な変数と、上記の物理量とにより、タイヤモデル10の発熱エネルギ関連の特性を評価する。なお、この発熱エネルギ関連の特性は、タイヤモデル10全体でみる場合と、前記微小要素ごとに評価する場合とがあるが、必要に応じてどちらか一方を使い分ける、或いは双方を使用してもよい。
次に、この発熱エネルギ関連の特性と、タイヤモデル10の転動の状態を表す変数等を用いてタイヤモデル10の耐久性を予測する(ステップS104、図1)。この耐久性の予測は、発熱と耐久性との相関関係、及びタイヤモデル10の転動の状態、例えば、荷重の加わり方や、安全率なども考慮して予測をする。タイヤモデル10の転動の状態を表す変数は、例えば、所定速度で走行させたときにおいてタイヤが破壊するまでの距離がある。また、発熱エネルギ関連の特性には、例えば、タイヤの回転軸を通る子午面断面内におけるすべての微小要素中における、発熱エネルギ密度の最大値等を用いることができる。
以上、本発明によれば、粘弾性材料を含む回転体の動的な状態における耐久性に影響を与えるパラメータとして、原則として粘弾性材料の変形に起因する発熱を採用する。その結果、粘弾性材料を含む回転体の実際の使用状況に即した耐久性を予測することができる。なお、前記回転体解析部51での解析時の、タイヤモデル10の転動速度の定義は、タイヤモデル10に接触している接触体を定義し、タイヤモデル10に対する当該接触体の移動速度を定義することにより、当該タイヤモデル10の転動速度を定義してもよい。これにより、実際のタイヤの転動状態と同様に、接触体がタイヤモデル10に接触した状態での転動状態を再現できる。
また、タイヤモデル10のスリップ角の定義は、前記接触体の移動方向と、前記タイヤモデル10の前記接触体と接触する部分の転動方向との角度とを定義することによって、前記タイヤモデル10のスリップ角を定義することができる。これにより、実際のタイヤの転動状態と同様に、接触体がタイヤモデル10に接触した状態での転動状態を再現できる。
また、前記発熱エネルギ評価部53での、タイヤモデル10の発熱エネルギ関連の特性を評価は、当該タイヤモデル10のひずみエネルギ密度の振幅から算出する方法を用いて評価してもよい。
(評価例)
本発明に係る回転体の耐久性予測方法及び評価装置によって、タイヤの耐久性を評価した。耐久性予測対象であるタイヤは、タイヤサイズ185/65R14のタイヤとし、このタイヤと同一サイズの6種類のタイヤを試作して、本発明に係る回転体の耐久性予測方法によりタイヤの耐久性を予測した。試験条件は、前記サイズのタイヤを車両に装着して100km/hで走行させた場合において、前記タイヤが破壊されるまでの走行距離を予測した。この予測結果と、本発明に係る回転体の耐久性予測方法で得られた結果との関係を、図7に示す。
図7は、走行距離に対する発熱エネルギ密度の最大値を示す説明図である。なお、図7の横軸に示す発熱エネルギ密度の最大値は、タイヤの回転軸を通る子午面断面内におけるすべての微小要素中の最大値である。そして、図7の右側に向かうに従って発熱エネルギ密度の最大値は大きくなっている。また、図7の縦軸は、上記の実走行によってタイヤが破壊するまでの走行距離を示しており、上方に向かうに従って破壊されるまでの走行距離が長くなっている。
図7から明らかなように、発熱エネルギ密度の最大値が小さいほど、タイヤが破壊するまでの走行距離は長くなり、発熱エネルギ密度の最大値が大きくなるに従って、タイヤが破壊されるまでの走行距離は短くなる。これは、本発明に係る回転体の耐久性予測方法で得られた発熱エネルギ密度の最大値が低いほど、タイヤの転動時の耐久性が高く、発熱エネルギ密度の最大値が高いほど、タイヤの転動時の耐久性が低いことを示している。実際の走行においては、タイヤの発熱エネルギが大きくなる程、タイヤの耐久性は低下することが分かっている。従って、この実走行による評価結果から、本発明に係る回転体の耐久性予測方法は、実際の回転体の挙動を十分に再現して、回転体の耐久性を高い精度で評価できるといえる。
以上のように、本発明に係る回転体の耐久性予測方法及び回転体の耐久性予測用コンピュータプログラム、並びに回転体の耐久性予測装置は、回転体の耐久性予測に有用であり、特に、タイヤのように、粘弾性材料を構成材料に含み、且つ、回転体の動的な状態における耐久性を予測する場合に適している。
本発明に係る回転体の耐久性予測方法の処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係る回転体の耐久性予測装置を示す説明図である。 耐久性予測対象の回転体であるタイヤを示す側面図である。 耐久性予測対象の回転体であるタイヤを微小要素に分割した例を示す一部斜視図である。 本発明に係る回転体の耐久性予測方法における発熱エネルギ演算手順を示すフローチャートである。 タイヤモデルを構成する微小要素の回転を示す概念図である。 タイヤモデルの微小要素が1回転した場合における微小要素の応力変化を示す説明図である。 粘弾性体を変形させた場合における応力とひずみとの関係を示す説明図である。 応力とひずみとのヒステリシスループを示す説明図である。 走行距離に対する発熱エネルギ密度の最大値を示す説明図である。
符号の説明
1 タイヤ
5 ヒステリシスループ
10 タイヤモデル
10n 微小要素
50 耐久性予測装置
50p 処理部
50m 記憶部
51 回転体解析部
52 物理量抽出部
53 発熱エネルギ評価部
54 耐久性予測部
56 入出力ポート
60 入出力装置
61 入力手段
63 表示手段

Claims (13)

  1. 回転体の形状と当該回転体を形成する材料の特性とにより回転体モデルを作成するモデル作成手順と、
    前記回転体モデルから解析可能な数値データを作成する解析手順と、
    前記回転体モデルの転動時における物理量を前記解析手順によって得られた結果から抽出する抽出手順と、
    前記抽出手順で抽出した前記物理量と発熱を予測するための変数とにより前記回転体モデルの発熱エネルギ関連の特性を評価する評価手順と、
    前記評価手順で得られた発熱エネルギ関連の特性を用いて回転体の耐久性を予測する耐久性予測手順と、
    を含むことを特徴とする回転体の耐久性予測方法。
  2. 前記物理量は応力及びひずみを含んでおり、
    前記応力及び前記ひずみから局所座標を参照した応力、ひずみに変換する演算を行い前記回転体モデルの一点における応力、ひずみの成分を演算し、
    前記回転体モデルの円周方向に隣接する諸点の応力、ひずみを順次演算し、当該回転体モデルの一周分の応力、ひずみを得ることにより応力、ひずみの変化特性の曲線を導出し、一周分の応力、ひずみの有限次数のフーリエ級数展開の演算を行い、各フーリエ次数ごとに曲線の振幅、位相を演算し、
    前記回転体モデルを形成する前記材料の損失係数に応じた位相遅れをひずみ値に与えての、各フーリエ次数ごとのヒステリシスループの面積の演算に基づきフーリエ次数とヒステリシスループ面積の積の総和を導出し、
    以上の一連の演算過程を応力、ひずみの全成分について反復実行し各成分ごとの該総和を演算することによりそれぞれの位置における発熱エネルギ密度を導出し、
    当該位置の発熱エネルギ密度にて発熱エネルギ密度特性が近似される、当該位置を含む領域の体積と発熱エネルギ密度の積を演算することにより、当該領域における発熱エネルギを導出し、
    以上の一連の演算および導出の過程を回転体の全体について反復実行し回転体全体の発熱エネルギを導出する方法を用いて、前記発熱エネルギ関連の特性を評価することを特徴とする請求項1に記載の回転体の耐久性予測方法。
  3. 前記発熱エネルギ関連の特性を、前記回転体モデルのひずみエネルギ密度の振幅から算出する方法を用いて評価することを特徴とする請求項1に記載の回転体の耐久性予測方法。
  4. 前記解析手順は、前記回転体モデルを数値解析法で取り扱い可能な有数個の要素として分割することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転体の耐久性予測方法。
  5. 前記回転体モデルが転動している状態、或いは、前記回転体モデルの進行方向と当該回転体モデルの回転の中心軸とのなす角度が保持された状態で当該回転体モデルが転動している状態を数値解析することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転体の耐久性予測方法。
  6. 前記解析手順は、前記回転体モデルの回転の中心軸と当該回転体モデルとが一体となって連動する設定を行い、当該中心軸に速度を定義することで、前記回転体モデルの転動する速度を設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転体の耐久性予測方法。
  7. 前記解析手順は、前記回転体モデルに接触している接触体を定義し、当該接触体の移動速度を定義することにより、前記回転体モデルの転動する速度を設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転体の耐久性予測方法。
  8. 前記解析手順は、前記回転体モデルの移動方向を定義し、当該移動方向と前記中心軸とのなす角度に変化を定義することで、当該回転体モデルの移動方向の角度を設定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転体の耐久性予測方法。
  9. 前記解析手順は、前記回転体モデルの移動方向を定義し、当該移動方向と前記中心軸とのなす角度に変化を定義することで、当該回転体モデルの接触体に対する傾き角度を設定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の回転体の耐久性予測方法。
  10. 前記解析手順は、前記接触体に角度変化を定義することで、前記回転体モデルの移動方向の角度、又は前記回転体モデルの接触体に対する傾き角度の少なくとも一方を設定することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の回転体の耐久性予測方法。
  11. 前記回転体はタイヤであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の回転体の耐久性予測方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の回転体の耐久性予測方法をコンピュータに実行させることを特徴とする耐久性予測用コンピュータプログラム。
  13. 回転体の形状と当該回転体を形成する材料の特性とにより作成される回転体モデルから解析可能な数値データを作成する回転体解析部と、
    前記回転体モデルの物理量を前記回転体解析部によって得られた結果から抽出する物理量抽出部と、
    前記物理量抽出部で抽出された前記物理量と発熱を予測するための変数とにより前記回転体モデルの発熱エネルギ関連の特性を評価する発熱エネルギ評価部と、
    前記発熱エネルギ評価部で得られた発熱エネルギ関連の特性を用いて回転体の耐久性を予測する耐久性予測部と、
    を備えることを特徴とする回転体の耐久性予測装置。
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