JP2005305834A - 積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性、機械的強度、耐熱性及び着色性に優れる積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の積層体は、エチレンに由来する単量体単位、プロピレンに由来する単量体単位、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する単量体単位、及び8−メチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する単量体単位からなる極性基変性オレフィン系共重合体と、金属化合物であるテトラn−ブトキシジルコニウムとを混練りし、プレス成形することによりエラストマー層と、該エラストマー層の少なくとも一方の表面に、アクリル板等をローラー等で圧着することにより形成された他の層とを有する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の積層体は、エチレンに由来する単量体単位、プロピレンに由来する単量体単位、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する単量体単位、及び8−メチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する単量体単位からなる極性基変性オレフィン系共重合体と、金属化合物であるテトラn−ブトキシジルコニウムとを混練りし、プレス成形することによりエラストマー層と、該エラストマー層の少なくとも一方の表面に、アクリル板等をローラー等で圧着することにより形成された他の層とを有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、積層体及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、透明性、耐衝撃性、耐熱性及び着色性に優れる積層体及びその製造方法に関する。
エラストマーフィルムを構成するエラストマーとして、従来より、オレフィン系熱可塑性エラストマーが知られている。かかるオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系樹脂とオレフィン系共重合ゴムとを混合してなる熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂とオレフィン系共重合ゴムとを、架橋剤によって部分的に架橋させてなる熱可塑性エラストマー等が知られている。例えば、下記特許文献1には、エチレン、炭素数が3〜10のα−オレフィン、官能基を有する不飽和単量体、及び必要に応じて非共役ジエンが共重合されてなるオレフィン系ランダム共重合体と、このオレフィン系ランダム共重合体を架橋する金属イオンとよりなることを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマーが開示されている。かかるオレフィン系熱可塑性エラストマーは、従来のオレフィン系熱可塑性エラストマーと同様のゴム弾性、柔軟性及び成形加工性を有し、しかも、機械的特性及び耐摩耗性が良好で、特に耐傷付性に優れるという作用効果を有する。
一方、液晶パネルに代表される平面状ディスプレイパネルを構成するガラス板等の基層は、薄く且つ無アルカリガラスを使用する必要があるため、あまり粘弾性がなく、押さえ付けたり、ぶつけたりすることで容易に破損することが知られている。そのため、従来、携帯機器等で平面状ディスプレイパネルを用いる場合、そのパネルを保護するために、ポリカーボネート製又はアクリル製の透明樹脂層を使用していた。また、下記特許文献2及び3に示すように、樹脂フィルムの一方の面に粘着剤等を設け、ディスプレイパネルの表面に貼付するディスプレイパネル保護シートが知られている。
しかし、上記特許文献2に示すようなディスプレイパネル保護シートは、梱包状態の輸送時の保護や、据置型ディスプレイの保護用が主な用途であり、携帯電話等用ディスプレイパネルの保護のために作られたものではない。また、上記特許文献3のディスプレイパネル用保護シートは、衝撃や引っ掻き等の保護をすることができるが、落下して床に衝突することによる衝撃、尻ポケットに該装置を入れて座ったり、押さえ付けられたり等の携帯時の負荷に対しては言及されていない。
更に、ディスプレイパネルを保護するために、ポリカーボネート製又はアクリル製の透明樹脂層を使用する場合、かかる透明樹脂層を設けても、透明樹脂層の肉厚が薄いと、衝撃や負荷による透明樹脂層の変形が基層に伝わり、基層が破損してしまうことがあった。一方、携帯電話等、携行する製品用途では、ディスプレイパネルはできるだけ薄くできることが好ましい。かかる観点から、ディスプレイパネルの損傷を起こすことがなく、保護板自体の厚さを薄くすることができる手段が望まれている。そして、かかる実情に鑑み、ディスプレイパネルの表示内容の視認性を確保できる透明性を具備すると共に、基層の押さえ付けや衝突等に由来する破損から防ぐことができる衝撃吸収層を設けることが検討されている。そして、かかる衝撃吸収層として利用できる材料、即ち、透明性に優れると共に、耐衝撃性に優れるゴム組成物の開発が検討されている。
しかし、耐衝撃性に優れ、衝撃吸収層として利用できるゴム組成物は透明性が十分ではなく、一方、透明性を有するゴム組成物は、耐衝撃性に劣るのが現状である。よって、従来、ゴム組成物において、透明性及び耐衝撃性を両立することは困難であった。また、近年は、耐久性の観点から、ゴム組成物において、耐熱性に優れていることも要求されるに至っている。しかも、今日、ファッション性、色別の観点から、着色性に優れていることも求められている。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、透明性、耐衝撃性、耐熱性及び着色性に優れる積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
〔1〕極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなるエラストマー層、並びに該エラストマー層の少なくとも一方の表面に他の層を有することを特徴とする積層体。
〔2〕上記極性基変性オレフィン系共重合体に含まれる極性基が、カルボキシル基及びその誘導体、水酸基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基、並びに及びニトリル基のうちの少なくとも1種である上記〔1〕記載の積層体。
〔3〕上記極性基変性オレフィン系共重合体は、極性基変性エチレン・α−オレフィン系共重合体及び極性基変性エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種である上記〔1〕又は〔2〕記載の積層体。
〔4〕上記極性基変性オレフィン系共重合体の少なくとも一部が架橋されている上記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の積層体。
〔5〕上記エラストマー層の厚さが5〜3000μmである上記〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の積層体。
〔6〕上記他の層を構成する素材が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、上記エラストマー層を構成するエラストマー以外のエラストマー、FRP、金属、ガラス、織物、木材、及び粘着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載の積層体。
〔7〕上記他の層が偏光フィルム、反射防止フィルム、アンチグレアフィルム、視角補償フィルム、位相差フィルム、カラーフィルタ及びEMCフィルムからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載の積層体。
〔1〕極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなるエラストマー層、並びに該エラストマー層の少なくとも一方の表面に他の層を有することを特徴とする積層体。
〔2〕上記極性基変性オレフィン系共重合体に含まれる極性基が、カルボキシル基及びその誘導体、水酸基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基、並びに及びニトリル基のうちの少なくとも1種である上記〔1〕記載の積層体。
〔3〕上記極性基変性オレフィン系共重合体は、極性基変性エチレン・α−オレフィン系共重合体及び極性基変性エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種である上記〔1〕又は〔2〕記載の積層体。
〔4〕上記極性基変性オレフィン系共重合体の少なくとも一部が架橋されている上記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の積層体。
〔5〕上記エラストマー層の厚さが5〜3000μmである上記〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の積層体。
〔6〕上記他の層を構成する素材が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、上記エラストマー層を構成するエラストマー以外のエラストマー、FRP、金属、ガラス、織物、木材、及び粘着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載の積層体。
〔7〕上記他の層が偏光フィルム、反射防止フィルム、アンチグレアフィルム、視角補償フィルム、位相差フィルム、カラーフィルタ及びEMCフィルムからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載の積層体。
〔8〕極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなるエラストマー層の少なくとも一方の表面に、他の層を積層することを特徴とする積層体の製造方法。
〔9〕上記他の層は、コーティング法、キャスト法、プレス法、押出法、射出成形法又はインフレーション法によって積層する上記〔8〕記載の積層体の製造方法。
〔10〕上記他の層は、共押出法によって上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に貼り合わせることにより積層する上記〔8〕記載の積層体の製造方法。
〔11〕上記エラストマー層は、コーティング法、キャスト法、プレス法、押出法、射出成形法又はインフレーション法によって成形されるエラストマー層である上記〔8〕乃至〔10〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
〔12〕他の層の少なくとも一方の表面に、極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなるエラストマー層を積層することを特徴とする積層体の製造方法。
〔13〕上記エラストマー層は、コーティング法、キャスト法、プレス法、押出法、射出成形法又はインフレーション法によって積層する上記〔12〕記載の積層体の製造方法。
〔9〕上記他の層は、コーティング法、キャスト法、プレス法、押出法、射出成形法又はインフレーション法によって積層する上記〔8〕記載の積層体の製造方法。
〔10〕上記他の層は、共押出法によって上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に貼り合わせることにより積層する上記〔8〕記載の積層体の製造方法。
〔11〕上記エラストマー層は、コーティング法、キャスト法、プレス法、押出法、射出成形法又はインフレーション法によって成形されるエラストマー層である上記〔8〕乃至〔10〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
〔12〕他の層の少なくとも一方の表面に、極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなるエラストマー層を積層することを特徴とする積層体の製造方法。
〔13〕上記エラストマー層は、コーティング法、キャスト法、プレス法、押出法、射出成形法又はインフレーション法によって積層する上記〔12〕記載の積層体の製造方法。
本発明の積層体は、上記構成を有することにより、透明性、耐衝撃性、耐熱性及び着色性に優れる。また、本発明の積層体の製造方法によれば、容易に本発明の積層体を得ることができる。
以下、本発明を説明する。
本発明の積層体は、極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなるエラストマー層、並びに該エラストマー層の少なくとも一方の表面に他の層を有する
本発明の積層体は、極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなるエラストマー層、並びに該エラストマー層の少なくとも一方の表面に他の層を有する
(1)極性基変性オレフィン系共重合体
上記極性基変性オレフィン系共重合体は、構造中に極性基を有するオレフィン系の共重合体である。上記極性基は、後述のように、金属イオン及び/又は金属化合物による電気的相互作用により架橋する性質を有する限り、その種類には限定がない。また、上記極性基は1種のみでもよく、あるいは2種以上の異なる極性基でもよい。上記極性基として具体的には、例えば、カルボキシル基及びその誘導体、水酸基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基、並びにニトリル基のうちの1種又は2種以上が挙げられる。ここで、上記カルボキシル基の誘導体とは、加水分解等の反応によりカルボキシル基を生成する官能基であり、例えば、無水マレイン酸基等のカルボン酸無水物基等が挙げられる。また、上記アルコキシシリル基に含まれるアルコキシ基の炭素数は、通常1〜10、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜5である。上記アルコキシ基は直鎖状でもよく分枝状あるいは環状でもよい。上記アルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、1−プロポキシ基、2−プロポキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基等が挙げられる。尚、上記アルコキシ基は全て同じ種類でもよく、異なるアルキル基でもよい。
上記極性基変性オレフィン系共重合体は、構造中に極性基を有するオレフィン系の共重合体である。上記極性基は、後述のように、金属イオン及び/又は金属化合物による電気的相互作用により架橋する性質を有する限り、その種類には限定がない。また、上記極性基は1種のみでもよく、あるいは2種以上の異なる極性基でもよい。上記極性基として具体的には、例えば、カルボキシル基及びその誘導体、水酸基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基、並びにニトリル基のうちの1種又は2種以上が挙げられる。ここで、上記カルボキシル基の誘導体とは、加水分解等の反応によりカルボキシル基を生成する官能基であり、例えば、無水マレイン酸基等のカルボン酸無水物基等が挙げられる。また、上記アルコキシシリル基に含まれるアルコキシ基の炭素数は、通常1〜10、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜5である。上記アルコキシ基は直鎖状でもよく分枝状あるいは環状でもよい。上記アルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、1−プロポキシ基、2−プロポキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基等が挙げられる。尚、上記アルコキシ基は全て同じ種類でもよく、異なるアルキル基でもよい。
上記極性基変性オレフィン系共重合体の種類、構造には特に限定はない。また、上記極性基変性オレフィン系共重合体は1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。上記極性基変性オレフィン系共重合体として具体的には、例えば、極性基変性α−オレフィン系共重合体、極性基変性エチレン系共重合体等が挙げられ、より具体的には、極性基変性エチレン・α−オレフィン系共重合体、極性基変性エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体等が挙げられる。ここで、上記α−オレフィンとして具体的には、例えば、後述のα−オレフィンが挙げられる。
上記極性基変性オレフィン系共重合体を製造する方法には特に限定はない。通常は、オレフィン系単量体の1種又は2種以上と、極性基を有する不飽和単量体の1種又は2種以上とを公知の方法により共重合することにより得ることができる。
上記オレフィン系単量体の構造、種類には特に限定はなく、必要に応じて種々のオレフィン系単量体を使用することができる。通常、上記オレフィン系単量体としては、炭素数2〜15、好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜8のオレフィンが用いられる。より具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−ペンテン−1,1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等の1種又は2種以上が挙げられる。また、上記オレフィン系単量体は1種単独でもよく、2種以上併用してもよい。例えば、上記オレフィン系単量体として、エチレンと、炭素数3〜15、好ましくは3〜10、更に好ましくは3〜8のα−オレフィンとを用いることができる。ここで、上記α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−ペンテン−1,1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等の1種又は2種以上が挙げられる。
上記オレフィン系単量体の使用割合は、上記極性基を有する不飽和単量体と共重合することにより、共重合体を得ることができる限り特に限定はなく、上記極性基を有する不飽和単量体や後述の他の単量体の使用割合等に応じて種々の範囲とすることができる。また、上記オレフィン系単量体として、エチレンと、炭素数3〜15のα−オレフィンを併用する場合、上記エチレンの使用割合は、通常、単量体成分全体の35〜94.99モル%、好ましくは40〜89.99モル%、更に好ましくは45〜84.99モル%である。一方、上記α−オレフィン系単量体の使用割合は、通常、単量体成分全体の5〜50モル%、好ましくは10〜45モル%、更に好ましくは15〜40モル%である。上記エチレン及びα−オレフィンの使用割合を上記範囲とすることにより、容易に共重合をすることができると共に、エラストマーとして必要なゴム弾性を得ることができ、得られるエラストマーの強度及び耐久性を向上させることができることから好ましい。
上記極性基を有する不飽和単量体は、上記極性基及び不飽和結合を有し、上記オレフィンと共重合可能である限り、その種類、構造には特に限定はない。例えば、上記極性基としては、上記のように、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基及びニトリル基を有するものが好ましい。上記極性基を有する不飽和単量体としてより具体的には、例えば、以下の一般式(1)で表される化合物を用いることができる。かかる化合物を用いると、上記金属イオン及び/又は金属化合物との架橋性が良好であることから好ましい。
上記一般式(1)において、R1は、水素原子又は炭素数1〜10、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6の炭化水素基であり、Y1、Y2及びY3は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6の炭化水素基、又はカルボキシル基であり、且つY1、Y2及びY3のうち少なくとも一つはカルボキシル基である。また、Y1、Y2及びY3のうち2つ以上がカルボキシル基である場合は、それらは互いに連結して形成された酸無水物(−CO−(O)−CO−)であってもよい。上記炭素数1〜10の炭化水素基は直鎖炭化水素基でもよく、分枝炭化水素基でもよい。状の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基を挙げることができる。また、繰り返し数oは0〜2、好ましくは0〜1の整数である。この繰り返し数oが3以上である場合には、当該環状化合物を他の単量体と共重合させることが困難となることがある。また、繰り返し数pは0〜5、好ましくは0〜4、更に好ましくは0〜2の整数である。尚、上記一般式(1)で表される化合物は、例えば、シクロペンタジエンと上記極性基を含有する不飽和化合物を用い、これらをディールス・アルダー反応等によって縮合させることにより製造することができる。
上記一般式(1)で表される化合物として具体的には、例えば、5,6−ジメチル−5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジエチル−5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジメチル−5,6−ビス(カルボキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジエチル−5,6−ビス(カルボキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−エチル−5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシ−5−カルボキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−エチル−5−カルボキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、8,9−ジメチル−8,9−ジカルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジエチル−8,9−ジカルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等が挙げられる。
上記官能基を有する不飽和単量体の使用割合は、単量体成分全体の0.01〜10モル%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5モル%である。上記官能基を有する不飽和単量体の使用割合を0.01モル%以上とすると、得られるエラストマー層の架橋密度を高くすることができ、その結果、フィルムの機械的強度及び耐熱性を向上させることができるので好ましい。一方、上記官能基を有する不飽和単量体の使用割合を10モル%以下とすると、架橋密度が高くなり過ぎることにより、加工性に劣るエラストマー層となることを抑制することができるので好ましい。
上記極性基変性オレフィン系共重合体は、上記単量体に由来する構造以外に、他の単量体に由来する構造を1種又は2種以上有していてもよい。かかる他の単量体に由来する構造は、通常、上記単量体に他の単量体を加えて共重合することにより形成することができる。上記他の単量体は、上記単量体と共重合することができる限り、その種類、構造には特に限定はない。上記他の単量体として具体的には、例えば、非共役ジエン等が挙げられる。上記非共役ジエンとして具体的には、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン等の直鎖の非環状ジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、5,7−ジメチルオクタ−1,6−ジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、7−メチルオクタ−1,6−ジエン、ジヒドロミルセン等の分岐連鎖の非環状ジエン、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2,5−ジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の脂環式ジエン等が挙げられる。
上記他の単量体の使用割合は、全単量体成分を100モル%とした場合、通常10モル%以下、好ましくは0.001〜10モル%、更に好ましくは0.01〜7モル%、より好ましくは0.1〜5モル%である。特に上記他の単量体が非共役ジエンである場合、その使用割合を上記範囲とすると、得られるエラストマー層の耐久性を向上させることができるので好ましい。
上記極性基変性オレフィン系共重合体は、その構造中に極性基を有するオレフィン系共重合体であれば、その種類、材質及び構造に特に限定はないが、優れた透明性を維持するために、25℃、肉厚500μmにおける全光線透過率が90%以上、好ましくは91%以上、更に好ましくは92%以上、より好ましくは93%以上の熱可塑性エラストマーが好適に使用できる。また、上記極性基変性オレフィン系共重合体は、耐衝撃性向上の観点から、分岐構造を有することが好ましい。更に、上記極性基変性オレフィン系共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)でのポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常1000〜300万、好ましくは3000〜100万、更に好ましくは5000〜70万である。上記極性基変性オレフィン系共重合体の重量平均分子量を上記範囲とすると、力学的性質が優れたエラストマー層とすることができるので好ましい。
上記極性基変性オレフィン系共重合体は、後述する上記金属イオン及び/又は金属化合物により上記極性基を介して形成される架橋以外の架橋を含まないものとすることもできる。また、上記極性基変性オレフィン系共重合体の少なくとも一部が、その他の架橋を形成していてもよい。かかる架橋の形成方法については特に限定はなく、例えば、電子線照射による架橋、紫外線照射による架橋、及び架橋剤(有機過酸化物等)による架橋等が挙げられる。
(2)金属イオン及び/又は金属化合物
本発明の積層体を構成する上記エラストマー層は、金属イオン及び/又は金属化合物を含有する。上記金属イオン及び金属化合物を構成する金属は、後述のように、上記極性基を介して上記極性基変性オレフィン系共重合体を架橋する性質を有する限り、その種類に特に限定はない。また、上記金属は1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。上記金属としては、周期律表の周期表第I〜VIII族、特にはIA族、IIA族、IIIA族、IVB族の金属が好ましく、具体的には、例えば、ジルコニウム、チタン、カリウム、ナトリウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セシウム、ストロンチューム、ルビジウム、亜鉛、銅、鉄、錫、及び鉛等よりなる群から選ばれる1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中では、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、鉄、カルシウム、及び鉛よりなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましく挙げられる。また、後述のように、上記架橋は、電気的な相互作用によるものであり、必ずしもイオン架橋に限定されるものでないことから、上記金属イオン及び金属化合物を構成する金属は、エラストマー層中で必ずしもイオンの状態で存在する必要はない。
本発明の積層体を構成する上記エラストマー層は、金属イオン及び/又は金属化合物を含有する。上記金属イオン及び金属化合物を構成する金属は、後述のように、上記極性基を介して上記極性基変性オレフィン系共重合体を架橋する性質を有する限り、その種類に特に限定はない。また、上記金属は1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。上記金属としては、周期律表の周期表第I〜VIII族、特にはIA族、IIA族、IIIA族、IVB族の金属が好ましく、具体的には、例えば、ジルコニウム、チタン、カリウム、ナトリウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セシウム、ストロンチューム、ルビジウム、亜鉛、銅、鉄、錫、及び鉛等よりなる群から選ばれる1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中では、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、鉄、カルシウム、及び鉛よりなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましく挙げられる。また、後述のように、上記架橋は、電気的な相互作用によるものであり、必ずしもイオン架橋に限定されるものでないことから、上記金属イオン及び金属化合物を構成する金属は、エラストマー層中で必ずしもイオンの状態で存在する必要はない。
上記金属化合物は、金属元素を含む無機化合物でもよく、有機化合物でも構わないが、有機溶媒に溶解する場合には,金属元素を含む有機化合物の方が好ましい。上記金属元素を含む無機化合物としては、例えば、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩及び金属錯体等が挙げられる。具体的には、例えば、CuO、MgO、BaO、ZnO、Al2O3、Fe2O3、SnO、CaO、TiO2等の金属酸化物、LiOH、NaOH、KOH、Cu(OH)2、Cu2O(OH)2、Mg(OH)2、Mg2O(OH)2、Ba(OH)2、Zn(OH)2、Sn(OH)2、Ca(OH)2等の金属水酸化物等が挙げられる。また、金属元素を含む有機化合物として具体的には、例えば、金属アルコキシド、アルキルアルコキシ金属化合物(トリメチルアルコキシ金属化合物、トリエチルアルコキシ金属化合物等のトリアルキルアルコキシ金属化合物、ジメチルジアルコキシ金属化合物等のジアルキルアルコキシ金属化合物)、金属カルボキシレート、金属アセチルアセトナート等が挙げられる。上記金属アルコキシドを構成するアルコキシドの炭素数は、通常1〜8、好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4であり、より具体的には、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等が挙げられる。更に、上記金属元素を含む有機化合物としてより具体的には、例えば、ジルコニウムブトキシド〔Zr(OBu)4〕、チタンブトキシド〔Ti(OBu)4〕、アルミニウムブトキシド〔Al(OBu)4〕、及び亜鉛ブトキシド〔Zn(OBu)4〕等が挙げられる。
上記金属イオン及び/又は金属化合物の含有割合は特に限定はなく、必要に応じて種々の範囲とすることができる。通常は、上記極性基変性オレフィン系共重合体100質量部に対し0.01〜20質量部、好ましくは0.02〜15質量部、更に好ましくは0.03〜5質量部である。上記金属イオン及び/又は金属化合物の含有割合を0.01質量部以上とすると、得られるエラストマー層の架橋密度が高く、機械的強度及び耐熱性が高いエラストマー層とすることができるので好ましい。一方、上記金属イオン及び/又は金属化合物の使用割合を20質量部以下とすると、得られるエラストマー層の架橋密度を適切な範囲に調整することができ、その結果、架橋密度が高過ぎることにより、加工性に劣るエラストマー層となることを抑制することができるので好ましい。
(3)エラストマー層
本発明の積層体を構成する上記エラストマー層は、上記極性基変性オレフィン系共重合体と、上記金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなる。上記エラストマー層において、上記極性基変性オレフィン系共重合体は、上記金属イオン及び/又は金属化合物により、極性基を介して架橋していると解される。そして、エラストマーフィルムの各種性質を向上させることができるのは、かかる構成を備えることによるためと考えられる。ここで、上記極性基を介して架橋するとは、上記極性基と上記金属イオン及び/又は金属化合物を構成する金属との間で、電気的な相互作用により凝集することであり、このような架橋としては、例えば、金属イオンと上記極性基のイオンとの間で形成されるイオン架橋が挙げられるが、電気的な相互作用により凝集している限り、かかるイオン架橋には限定されない。かかる架橋は、電子線照射等により形成される架橋と異なり、加熱により相互作用が弱まる結果、高温になるにつれて弾性率が低下するという作用効果を奏する。尚、本見解は推定に基づくものであり、何ら本発明を限定する趣旨のものでないことを付言する。
本発明の積層体を構成する上記エラストマー層は、上記極性基変性オレフィン系共重合体と、上記金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなる。上記エラストマー層において、上記極性基変性オレフィン系共重合体は、上記金属イオン及び/又は金属化合物により、極性基を介して架橋していると解される。そして、エラストマーフィルムの各種性質を向上させることができるのは、かかる構成を備えることによるためと考えられる。ここで、上記極性基を介して架橋するとは、上記極性基と上記金属イオン及び/又は金属化合物を構成する金属との間で、電気的な相互作用により凝集することであり、このような架橋としては、例えば、金属イオンと上記極性基のイオンとの間で形成されるイオン架橋が挙げられるが、電気的な相互作用により凝集している限り、かかるイオン架橋には限定されない。かかる架橋は、電子線照射等により形成される架橋と異なり、加熱により相互作用が弱まる結果、高温になるにつれて弾性率が低下するという作用効果を奏する。尚、本見解は推定に基づくものであり、何ら本発明を限定する趣旨のものでないことを付言する。
上記架橋の有無は、上記極性基変性オレフィン系共重合体に対して、上記金属イオン及び/又は金属化合物を含有させる前後の粘度の変化により調べることができる。即ち、上記金属イオン及び/又は金属化合物を含有させる前の上記極性基変性オレフィン系共重合体(通常は当該共重合体を含む含有液)の粘度より、上記金属イオン及び/又は金属化合物を含有させた後の上記極性基変性オレフィン系共重合体の粘度が大きければ、上記架橋が形成されていることが確認できる。具体的には、例えば、RE115U型粘度計等の粘度測定装置を用いて粘度を測定した結果、上記金属イオン及び/又は金属化合物を含有させた後の上記極性基変性オレフィン系共重合体の粘度η(mPa・s)と、上記金属イオン及び/又は金属化合物を含有させる前の上記極性基変性オレフィン系共重合体の粘度η0(mPa・s)との粘度比(η/η0)を調べることにより、上記架橋が形成されていることが確認できる。70℃にてB型粘度計により測定した上記η及びη0から求めた上記粘度比は、通常1より大きく、好ましくは1より大きく1000以下、更に好ましくは1より大きく500以下、更に好ましくは1より大きく100以下である。
上記エラストマー層は、上記構成を有することにより、優れた透明性を有する。具体的には、通常、上記エラストマー層の25℃、肉厚500μmにおける全光線透過率が90%以上、好ましくは91%以上、更に好ましくは92%以上、より好ましくは93%以上である。また、上記エラストマー層は、広い温度範囲で優れた透明性を有する。具体的には、通常、上記エラストマー層は、−100〜100℃、好ましくは−50〜97℃、更に好ましくは−40〜95℃で透明(肉厚500μmにおける全光線透過率が90%以上、好ましくは91%以上、更に好ましくは92%以上、より好ましくは93%以上)を維持することができる。尚、上記全光線透過率は、実施例記載の方法により測定した値を示す。
また、上記エラストマー層の厚さについても特に限定はない。通常、上記エラストマー層の厚さは5〜3000μm、好ましくは10〜2000μm、更に好ましくは15〜1000μmである。
上記エラストマー層には、必要に応じて各種添加剤、例えば滑剤、老化防止剤、熱安定剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、銅害防止剤等の安定剤、防菌・防かび剤、分散剤、可塑剤、結晶核剤、難燃剤、粘着付与剤、発泡助剤、酸化チタン、カーボンブラック等の着色剤、フェライト等の金属粉末、ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の有機繊維、複合繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の無機ウィスカー、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリン、けい藻土、グラファイト、軽石、エボ粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポリマービーズ等の充填剤又はこれらの混合物、ポリオレフィンワックス、セルロースパウダー、ゴム粉、木粉等の充填剤、パラフィン系プロセスオイル、パラフィン系合成油、水添パラフィン系オイル等の軟化剤、低分子量ポリマー等を配合してもよい。
上記エラストマー層は1層のみの単層体でもよく、あるいは、種類、性質が同一又は異なる上記エラストマー層を2層以上、3層以上又は4層以上有する多層体でもよい。
(4)他の層
本発明の積層体は、上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に、他の層を有する。上記他の層は、上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に設けられていればよい。即ち、図1に示すように、上記エラストマー層の一方の表面にのみ設けてもよく、あるいは、図2に示すように、上記エラストマー層の両方の表面に設けてもよい。
本発明の積層体は、上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に、他の層を有する。上記他の層は、上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に設けられていればよい。即ち、図1に示すように、上記エラストマー層の一方の表面にのみ設けてもよく、あるいは、図2に示すように、上記エラストマー層の両方の表面に設けてもよい。
上記他の層の材質・形状・構造については特に限定はない。上記他の層の材質としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、上記エラストマー層を構成するエラストマー以外のエラストマー、FRP、金属、ガラス、織物、木材、及び粘着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。より具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、及びフッ素樹脂等が挙げられる。
また、上記他の層は1層のみでもよく、2層以上でもよい。更に、2層以上の場合、各上記他の層は同一の材質のフィルム層でもよく、異なる材質のフィルム層でもよい。更に、上記他の層の厚さについては特に限定はなく、通常は2.0mm以下、好ましくは、1.3mm以下、更に好ましくは1.0mm以下、特に好ましくは0.01〜0.8mmである。また、上記他の層の透明性は、ディスプレイパネル等の表示内容の視認性を大きく阻害することがない程度の透明性であればよい。上記他の層の透明性は、好ましくは、実施例記載の方法により測定した25℃における全光線透過率が80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは91%以上である。上記他の層の具体例としては、例えば、偏光フィルム層、反射防止フィルム層、アンチグレアフィルム層、視角補償フィルム層、位相差フィルム層、カラーフィルタ層及びEMCフィルム層等が挙げられる。本発明の上記エラストマー層は、上記の各種フィルムを貼り合わせる粘着剤として使用できる。
(5)積層体
本発明の積層体の厚さについては特に限定はなく、用途に応じて様々な厚さとすることができる。本発明の積層体の厚さは通常、全体で3mm以下、好ましくは1.8mm以下、更に好ましくは0.05〜1.5mmである。
本発明の積層体の厚さについては特に限定はなく、用途に応じて様々な厚さとすることができる。本発明の積層体の厚さは通常、全体で3mm以下、好ましくは1.8mm以下、更に好ましくは0.05〜1.5mmである。
また、本発明の積層体には、上記エラストマー層及び上記他の層のうちの表出面の少なくとも一方の表面に、剥離可能な保護フィルム層を設けることができる。例えば、図3に示すように、上記他の層12の表面に上記保護フィルム層13を設けることができる。更に、図4に示すように、上記他の層12が上記エラストマー層11の片面にのみ設けられている場合には、上記エラストマー層11及び上記他の層12の表面に上記保護フィルム層13を設けることができる。尚、図3及び図4では、全て表出面の両方に保護フィルム層を設けているが、いずれか一方の表出面にのみ設けてもよい。かかる保護フィルム層を有することにより、使用前の上記エラストマー層及び上記他の層の破損を防ぐと共に、使用時には上記保護フィルム層を剥がし、他の被着物表面に貼着することにより、容易に上記エラストマー層を備える構造体を得ることができる。
上記保護フィルム層の材質・形状・構造について特に限定はない。例えば、上記保護フィルム層の材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、及びフッ素樹脂等の樹脂、又は樹脂を紙に含浸させることにより得られる樹脂含浸紙等が挙げられる。尚、上記保護フィルム層は透明でもよく、透明でなくてもよい。また、上記保護フィルム層の形状は、シート状でもよく、フィルム状でもよい。更に、上記保護フィルム層は単層構造でもよく、2層以上の積層体でもよい。例えば、積層体としては、上記特許文献3に記載されているような基材フィルムの少なくとも片面にゴムフィルムを積層した積層体等が挙げられる。また、本発明の積層体において、上記保護フィルム層が2以上ある場合、各保護フィルム層は同じ材質・形状・構造の保護フィルム層でもよく、材質、形状又は構造が異なる保護フィルム層を併用してもよい。
また、上記保護フィルム層と、上記エラストマー層及び上記他の層のうちの表出面との間には、上記保護フィルム層の剥離を容易にするために、剥離層を設けることができる。かかる剥離層を設ける方法は特に限定はない。例えば、上記剥離層は、上記保護フィルム層表面、又は上記エラストマー層及び上記他の層のうちの表出面に剥離コート剤を塗布することにより設けることができる。該剥離コート剤の種類については特に限定はない。上記剥離コート剤として具体的には、例えば、シリコン系コート剤、無機系コート剤、フッ素コート剤、有機無機ハイブリッド系コート剤等が挙げられる。上記剥離層を備える本発明の積層体は、通常は、上記保護フィルム層表面に上記剥離層を設けた後、上記エラストマー層又は上記他の層の表出面に積層することにより得ることができる。この場合、上記剥離層は上記保護フィルム層表面ではなく、上記エラストマー層又は上記他の層の表出面に設けてもよい。
本発明の積層体は、透明性と共に、耐衝撃性、耐熱性及び着色性が要求される様々な用途、部材に使用することができる。本発明の積層体は、例えば、電子・電気機器、医療機器、土木建築用材料、食品関係材料、事務機器部品等の種々の用途に使用することができる。より具体的には、例えば、電子・電気機器等のディスプレイパネル、意匠ケース、包装材、各種機器における透明表示部材等に使用することができる。
また、本発明の積層体は、特に電子・電気機器等のディスプレイパネルに好適に使用することができる。上記ディスプレイパネルの用途は特に限定されず、デスクトップ型コンピュータ用ディスプレイ等のディスプレイ機能単体の用途の他、携帯電話、携帯情報端末(いわゆるPDA、モバイル機器を含む)、ノート型コンピュータ、車載用コンピュータ、タッチパネル、テレビジョン、時計及び測定機器等に組み込む用途を例示することができる。更に、携行及び据置き等の形態を問わない。また、上記ディスプレイパネルは、板状ディスプレイパネルであれば好ましいが、その形状は問わない。例えば、平坦でもよいし、湾曲していても構わない。更に、ディスプレイパネルの種類の例として、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネセンス(EL)ディスプレイパネル等を挙げることができる。
(6)積層体の製造方法
本発明の第1の積層体の製造方法は、極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなるエラストマー層の少なくとも一方の表面に、他の層を積層することを特徴とする。
本発明の第1の積層体の製造方法は、極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなるエラストマー層の少なくとも一方の表面に、他の層を積層することを特徴とする。
本発明の第1の積層体の製造方法において、上記エラストマー層の成形方法には特に限定はないが、好ましくは、コーティング法、キャスト法(無溶剤キャスト法及び溶剤キャスト法)、プレス法、押出法、射出成形法、注型法又はインフレーション法等が挙げられる。例えば、上記エラストマー層を構成する成分を溶媒に溶解又は分散させた液状物、又は上記エラストマー層を構成する成分の溶融液を調製し、次いで、該液状物又は溶融液を塗布し、その後、必要により溶媒の除去等をすることにより成形することができる。
本発明の第1の積層体の製造方法では、成形された上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に、上記他の層を積層する。ここで、上記他の層を「積層」するとは、完全な固形状の他の層を積層する場合だけでなく、加熱等により液状又は半固形状となった他のフィルムを上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に塗布等の手段により載置し、その後、冷却等により完全な固形状にする場合も含む。
上記積層の方法については特に限定はない。例えば、上記他の層を上記エラストマー層に積層し、接着剤又は粘着剤を用いて接合する方法が挙げられる。その他、上記他の層を積層する方法として、コーティング法、キャスト法、プレス法、押出法、射出成形法又はインフレーション法等の方法等が挙げられる。更に、上記エラストマー層を構成する成分の溶融物及び上記他の層を構成する成分の溶融物を用い、共押出法等の方法によって、上記エラストマー層と上記他の層を成形すると共に、両者を貼り合わせて積層する方法等が挙げられる。
尚、上記他の層を予め成形してから積層する場合、上記他の層の成形方法は、前述の上記エラストマー層の成形方法の説明がそのまま妥当する。
尚、上記他の層を予め成形してから積層する場合、上記他の層の成形方法は、前述の上記エラストマー層の成形方法の説明がそのまま妥当する。
上記プレス法では、プレスロール等を用いてホットプレス及びコールドプレス(単に押しつけて接合する場合も含む。)等により加圧しながら直接接合する。勿論、この場合、接着剤又は粘着剤を用いて接合してもよく、これらを用いずに、加圧のみで直接接合してもよい。より具体的には、例えば、上記エラストマー層を搬送しながら、加熱により半硬化状態である上記他の層を押出し、又はドクターブレードで上記エラストマー層の表面に供給し、次いでローラー等で圧着し、その後冷却等することにより、本発明の積層体を得ることができる。この場合、上記エラストマー層は通常、それ自体柔軟であると共に粘着性を有していることから、圧着により本発明の積層体を得る場合、加熱せずに圧着してもよいが、加熱しながら圧着するのが好ましい。
上記コーティング法及びキャスト法として具体的には、例えば、(1)上記他の層を構成する成分を溶媒に溶解又は分散させることにより混合液を調製し、該混合液を任意の方法によって成形した上記エラストマー層の表面に塗布することにより、上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に上記他の層を形成したり、あるいは(2)加熱や溶媒等に溶解又は分散させる等により液状又は半固形状となった他の層を、上記エラストマー層の一方の表面又は両表面に塗布することにより、上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に上記他の層を形成する。上記塗布の方法については特に限定はない。上記塗布の方法としては、例えば、ロールコーターにより塗布する他、溶媒キャスト法、スピンコート法等によって塗布することができる。
そして、上記塗布後、必要に応じて溶媒を除去したり、あるいは乾燥等を行うことにより、上記他の層を積層することができる。上記溶媒の除去方法には特に限定はなく、例えば、加熱、減圧、水蒸気蒸留等の周知の方法により除去することができる。
そして、上記塗布後、必要に応じて溶媒を除去したり、あるいは乾燥等を行うことにより、上記他の層を積層することができる。上記溶媒の除去方法には特に限定はなく、例えば、加熱、減圧、水蒸気蒸留等の周知の方法により除去することができる。
上記押出法は、従来公知の押出法であればよく、その方法、条件について特に限定はない。具体的には、例えば、Tダイ押出法により成形することができる。即ち、シリンダー内に上記他の層を構成する成分を添加溶融し、溶融物をTダイへ移送して、上記エラストマー層の表面に押出す押出法により成形することができる。また、上記Tダイ押出法において、上記他の層を構成する成分の含有液は、溶媒を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。溶媒を含む場合は、上記シリンダー内で加熱し、ベント口から溶媒を留去することが好ましい。
本発明の第2の積層体の製造方法は、他の層の少なくとも一方の表面に、極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなるエラストマー層を積層することを特徴とする。
本発明の第2の積層体の製造方法は、本発明の第1の積層体の製造方法とは逆に、上記他の層の少なくとも一方の表面に、エラストマー層を積層する。従って、上記本発明の第1の積層体の製造方法の説明がそのまま妥当する。例えば、上記他の層の成形方法には特に限定はないが、好ましくは、コーティング法、キャスト法(無溶剤キャスト法及び溶剤キャスト法)、プレス法、押出法、射出成形法、注型法又はインフレーション法等が挙げられる。例えば、上記他の層を構成する成分を溶媒に溶解又は分散させた液状物、又は上記他の層を構成する成分の溶融液(例えば、金属化合物含有溶融重合体)を調製し、次いで、該液状物又は溶融液を塗布し、その後、必要により溶媒の除去等をすることにより成形することができる。
また、本発明の第2の積層体の製造方法において、上記エラストマー層を「積層」するとは、完全な固形状のエラストマー層を積層する場合だけでなく、加熱等により液状又は半固形状となったエラストマー層を上記他の層の少なくとも一方の表面に塗布等の手段により載置し、その後、冷却等により完全な固形状にする場合も含む。
上記積層の方法については特に限定はない。例えば、成形された上記エラストマー層を上記他の層に積層し、接着剤又は粘着剤を用いて接合する方法が挙げられる。その他、上記エラストマー層を積層する方法として、コーティング法、キャスト法、プレス法、押出法、射出成形法又はインフレーション法等の方法等が挙げられる。また、これらの方法のより具体的な例としては、上述の通りである。
尚、上記エラストマー層を予め成形してから積層する場合、上記エラストマー層の成形方法は、前述の上記エラストマー層の成形方法の説明がそのまま妥当する。
尚、上記エラストマー層を予め成形してから積層する場合、上記エラストマー層の成形方法は、前述の上記エラストマー層の成形方法の説明がそのまま妥当する。
上記プレス法では、プレスロール等を用いてホットプレス及びコールドプレス(単に押しつけて接合する場合も含む。)等により加圧しながら直接接合する。勿論、この場合、接着剤又は粘着剤を用いて接合してもよく、これらを用いずに、加圧のみで直接接合してもよい。より具体的には、例えば、上記他の層を搬送しながら、加熱により半硬化状態である上記エラストマー層を押出し、又はドクターブレードで上記他の層の表面に供給し、次いでローラー等で圧着し、その後冷却等することにより、本発明の積層体を得ることができる。この場合、上記他の層がそれ自体柔軟であると共に粘着性を有している場合、加熱せずに圧着してもよいが、加熱しながら圧着するのが好ましい。
上記コーティング法及びキャスト法として具体的には、例えば、(1)上記エラストマー層を構成する成分を溶媒に溶解又は分散させる等により含有液を調製し、該含有液を任意の方法によって成形した上記他の層の表面に塗布することにより、上記他の層の少なくとも一方の表面に上記エラストマー層を形成したり、あるいは(2)加熱や溶媒等に溶解又は分散させる等により液状又は半固形状となった上記エラストマー層を、上記他の層の一方の表面又は両表面に塗布することにより、上記他の層の少なくとも一方の表面に上記エラストマー層を形成する。上記塗布の方法については特に限定はない。上記塗布の方法としては、例えば、ロールコーターにより塗布する他、溶媒キャスト法、スピンコート法等によって塗布することができる。
そして、上記塗布後、必要に応じて溶媒を除去したり、あるいは乾燥等を行うことにより、上記エラストマー層を積層することができる。上記溶媒の除去方法には特に限定はなく、例えば、加熱、減圧、水蒸気蒸留等の周知の方法により除去することができる。
そして、上記塗布後、必要に応じて溶媒を除去したり、あるいは乾燥等を行うことにより、上記エラストマー層を積層することができる。上記溶媒の除去方法には特に限定はなく、例えば、加熱、減圧、水蒸気蒸留等の周知の方法により除去することができる。
上記押出法は、従来公知の押出法であればよく、その方法、条件について特に限定はない。具体的には、例えば、Tダイ押出法により成形することができる。即ち、シリンダー内に上記エラストマー層を構成する成分を添加溶融し、溶融物をTダイへ移送して、上記他の層の表面に押出す押出法により成形することができる。また、上記Tダイ押出法において、上記エラストマー層の含有液は、溶媒を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。溶媒を含む場合は、上記シリンダー内で加熱し、ベント口から溶媒を留去することが好ましい。
尚、上記極性基含有オレフィン系共重合体及び金属化合物の含有液とは、上記極性基含有オレフィン系共重合体及び金属化合物が溶媒中に溶解又は分散している混合液でもよく、あるいは、溶融液(例えば、金属化合物含有溶融重合体)等、上記極性基含有オレフィン系共重合体及び金属化合物が溶媒中に溶解又は分散せず液状で存在している状態でもよい。また、上記他の層を構成する成分の含有液とは、上記他の層を構成する成分が溶媒中に溶解又は分散している混合液でもよく、上記他の層を構成する成分の溶融液等、上記他の層を構成する成分が溶媒中に溶解又は分散せず液状で存在している状態でもよい。
上記極性基含有オレフィン系共重合体及び金属化合物若しくは上記他の層を構成する成分を溶媒に溶解又は分散させる場合、当該溶媒の種類には特に限定はない。通常は、上記極性基含有オレフィン系共重合体等を容易に溶解又は分散させることができる有機溶媒が用いられる。該有機溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類及びこれらのハロゲン化物等が挙げられる。具体的には、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、2−ブタン、2−メチル−2−ブタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等を挙げることができる。
上記極性基含有オレフィン系共重合体及び金属化合物を溶媒に溶解又は分散させて混合液を調製する場合、上記金属化合物としては、既に詳述したように、金属元素を含有する無機化合物でもよく、有機化合物でもよい。また、金属元素を含有する無機化合物の場合、上記極性基含有オレフィン系共重合体に対する分散性を高めるために、シランカップリング剤や高級脂肪酸で処理されたものであってもよい。これらの金属化合物は、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
上記金属イオン及び/又は金属化合物の含有割合は特に限定はなく、必要に応じて種々の範囲とすることができる。通常は、上記極性基変性オレフィン系共重合体100質量部に対し0.01〜20質量部、好ましくは0.02〜15質量部、更に好ましくは0.03〜5質量部である。上記金属イオン及び/又は金属化合物の含有割合を0.01質量部以上とすると、得られるエラストマー層の架橋密度が高く、機械的強度及び耐熱性が高いエラストマー層とすることができるので好ましい。一方、上記金属イオン及び/又は金属化合物の使用割合を20質量部以下とすると、得られるエラストマー層の架橋密度を適切な範囲に調整することができ、その結果、架橋密度が高過ぎることにより、加工性に劣るエラストマー層となることを抑制することができるので好ましい。
更に、上記極性基含有オレフィン系共重合体及び金属化合物の含有液において、上記極性基含有オレフィン系共重合体に対する上記金属化合物の混和性、及び得られるエラストマーフィルムの耐熱性を向上させるために、上記金属化合物以外に、活性剤としてカルボン酸の金属塩を添加することができる。カルボン酸の金属塩としては、1価のカルボン酸の金属塩を用いることが好ましく、当該カルボン酸が炭素数3〜23のものであることが更に好ましい。かかるカルボン酸の具体例としては、プロピオン酸、アクリル酸、酪酸、メタクリル酸、吉草酸、ヘキサン酸、オクタン酸、2ーエチルヘキサン酸、デカン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、ナフテン酸、安息香酸等が挙げられる。また、活性剤として用いられる金属塩における金属としては、既に例示した金属から選択して用いることができるが、上記金属化合物を構成する金属と同種の金属を用いることが好ましい。また、上記活性剤として用いられる金属塩の使用割合は、上記極性基含有オレフィン系共重合体100質量部に対し、通常0.3〜20質量部、好ましくは1〜15質量部である。この割合が0.3質量部以上であると、効果が十分に発揮され、また、20質量部以下とすると、得られるエラストマー層の機械的強度の低下を抑制できるので好ましい。
上記金属化合物や上記活性剤の上記溶媒に対する溶解性が低い場合には、上記金属化合物や上記活性剤を溶媒中に懸濁状態で分散した分散液を調製してもよく、また、上記金属化合物や上記活性剤を溶解するために他の溶媒や添加剤を加えてもよい。
上記各成分を混合する方法としては、例えば、上記各成分をそれぞれ溶媒中に添加・混合する方法、上記各成分の溶液又は分散液を調製し、これらを混合する方法、及び一般的に使用される溶融混練装置を用いる方法等、種々の方法を利用することができる。上記溶媒中に上記極性基含有オレフィン系共重合体及び金属化合物を溶解又は分散させる場合、上記極性基含有オレフィン系共重合体及び金属化合物の添加順序には特に限定はない。いずれかを先に添加してよく、あるいは、両者を同時に添加してもよいが、上記極性基含有オレフィン系共重合体を先に添加し、次いで上記金属化合物を添加する方が好ましい。即ち、上記極性基含有オレフィン系共重合体を先に添加し、十分混合、分散した状態で上記金属化合物を添加すれば、上記金属化合物も適切に混合、分散させることができ、得られるエラストマー層の透明性を高めることができるので好ましい。また、上記各成分の混合は、一般的に用いられる溶液撹拌装置によって行うことができる。更に、混合条件については特に限定はなく、例えば、混合する際の温度は、20℃以上であることが好ましく、より好ましくは30℃以上である。また、金属イオンや金属化合物による架橋を促進するために、適宜の触媒を加えてもよい。
また、本発明の積層体の製造方法では、上記エラストマー層及び上記他の層の少なくとも一方の表面に保護フィルム層を積層し、次いで、必要に応じて圧着することにより、上記エラストマー層及び上記他の層の少なくとも一方の表面に剥離可能な保護フィルム層を設けることができる。尚、上記保護フィルム層を「積層」するとは、完全な固形状の保護フィルムを積層する場合だけでなく、加熱等により液状又は半固形状となった保護フィルムを上記エラストマー層及び上記他の層の少なくとも一方の表面に塗布等の手段により載置し、その後、冷却等により完全な固形状にする場合も含む。
上記剥離可能な保護フィルム層を有する積層体は、例えば、上記エラストマー層と上記他の層(半硬化状態又は硬化状態)とを有する積層体を搬送しながら、上記エラストマー層及び上記他の層の表出面に上記保護フィルム層を積層し、次いで積層物をローラー等で圧着等することにより得ることができる。この場合、上記保護フィルム層は、その表面に予め剥離層を設け、この剥離層が上記エラストマー層又は上記他の層の表出面と接するように、上記保護フィルム層を上記エラストマー層又は上記他の層の表出面に積層してもよい。
更に、上記保護フィルム層を構成する成分を溶媒に溶解、又は溶融することにより得られる含有液を、上記エラストマー層及び上記他の層の少なくとも一方の表面に塗布することにより、上記エラストマー層及び上記他の層の少なくとも一方の表面に上記保護フィルム層を設けることができる。この場合、塗布の方法には限定はなく、通常はロールコーター等により行われる。
本発明の積層体の製造方法では、形成された上記エラストマー層に電子線照射、紫外線照射又は加熱を行うことにより、極性基含有オレフィン系共重合体の少なくとも一部に架橋を形成することができる。かかる架橋を形成することにより、上記エラストマー層の耐熱性を向上させることができる。電子線照射の場合は、得られたフィルムについて、電子線照射装置により電子線照射することにより、架橋を形成することができる。また、紫外線照射の場合は、上記極性基変性オレフィン系共重合体及び上記金属イオン及び/又は金属化合物に加え、必要に応じて光増感剤を混和し、得られたフィルムについて、紫外線照射装置により紫外線照射することにより、架橋を形成することができる。更に、加熱により架橋を行う場合、通常、上記極性基変性オレフィン系共重合体及び上記金属イオン及び/又は金属化合物に加え、必要に応じて有機過酸化物等の架橋剤、更には架橋助剤を混和し、得られたフィルムについて、窒素雰囲気等、空気の存在しない雰囲気で加熱することにより、架橋を形成することができる。尚、この架橋は、上記他の層の積層前に行ってもよく、上記他の層の積層後でもよい。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。また、実施例中の「%」及び「部」は、特に断らない限り質量基準である。
(1)積層体の調製
窒素置換した2L二口フラスコに、エチレンに由来する単量体単位の含量が75.1モル%、プロピレンに由来する単量体単位の含量が22.8モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する単量体単位の含量が1.8モル%、及び8−メチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する単量体単位の含量が0.3モル%であり、且つ重量平均分子量(MW)が16.0×104である極性基変性オレフィン系共重合体(A−1)100質量部と、脱水トルエン(和光純薬工業社製)500質量部とを加え、80℃にて90分間攪拌し溶解した。この溶液に金属化合物(B−1)として1.0質量部のジルコニウム(IV)ブトキシド(85%の1−ブタノール溶液(和光純薬工業社製))を添加し、80℃にて90分間攪拌して混合溶液を調製した。
窒素置換した2L二口フラスコに、エチレンに由来する単量体単位の含量が75.1モル%、プロピレンに由来する単量体単位の含量が22.8モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する単量体単位の含量が1.8モル%、及び8−メチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する単量体単位の含量が0.3モル%であり、且つ重量平均分子量(MW)が16.0×104である極性基変性オレフィン系共重合体(A−1)100質量部と、脱水トルエン(和光純薬工業社製)500質量部とを加え、80℃にて90分間攪拌し溶解した。この溶液に金属化合物(B−1)として1.0質量部のジルコニウム(IV)ブトキシド(85%の1−ブタノール溶液(和光純薬工業社製))を添加し、80℃にて90分間攪拌して混合溶液を調製した。
得られた混合溶液を、室温にてガラス板上にキャストし、72時間風乾した後、更に80℃で24時間真空下で加熱乾燥した。その後、ガラス板上に形成された膜を剥離することにより、厚みが500μmである本発明の積層体のエラストマー層を構成するエラストマーフィルムを得た。
そして、該エラストマーフィルムを厚さ0.5mmのアクリル板(日東樹脂工業社製、商品名「クラレックス」)の表面に載置し、2kgローラーで1往復(速度;50mm/s)して圧着することにより、実施例1の積層体を得た。
そして、該エラストマーフィルムを厚さ0.5mmのアクリル板(日東樹脂工業社製、商品名「クラレックス」)の表面に載置し、2kgローラーで1往復(速度;50mm/s)して圧着することにより、実施例1の積層体を得た。
また、金属化合物(B−2)として、チタン(IV)テトラブトキシド(和光純薬工業社製)0.8質量部を用いる他は、上記実施例1と同じ手順により、実施例2の積層体を得た。
更に、本発明の積層体のエラストマー層を構成するエラストマーフィルムのサイズが、厚さ0.3mmである他は、上記実施例1と同じ手順により、実施例3の積層体を得た。
一方、積層体のエラストマー層を構成するエラストマーフィルムとして、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(クラレ社製、商品名「クラミロンU1190」)フィルムを用いる他は、上記実施例1と同じ手順により、比較例1の積層体を得た。
(3)物性評価
上記の方法により得られた実施例1〜3及び比較例1の各積層体を用い、下記の方法により、透明性、着色性、耐熱性、及び耐衝撃性を測定した。その結果を表1に示す。
〔1〕透明性
上記実施例1〜3及び比較例1の各積層体を用いて、BYK−ガードナーGmbh社製モデル(haze−gard plus)を使用して、25℃における全光線透過率(%)を求め、透明性を評価した。
〔2〕着色性
上記実施例1〜3及び比較例1の各積層体を用いて、以下に示す群青染色性を調べることにより、着色性の評価を行った。即ち、上記実施例1〜3及び比較例1の各積層体70gをロールに巻きつけ、群青0.5gを添加し、0.3mmのニップで10回薄通しした後、2mmのニップでシーティングし、染色の状態を目視で確認することにより、染色性を調べた。
〔3〕耐熱性
動的粘弾性測定装置(レオロジー社製「MR−500」)を用い、温度30℃、1Hz及び180℃、1Hzの条件で、上記実施例1〜3及び比較例1の積層体の剪断貯蔵弾性率G’30℃及びG’180℃(dyn/cm2)を測定した。そして、このG’30℃及びG’180℃から30℃と180℃でのG’の変化量〔log(G’30℃/G’180℃)〕を算出し、耐熱性を評価した。ここで、この30℃と180℃でのG’の変化量が0に近いほど耐熱性が良いことを意味する。
〔4〕耐衝撃性
図5に示すように、大理石等からなる基台62の上に厚さ0.7mmの溶融成形アルミノケイ酸薄板ガラスである基層2(コーニング社製、商品名「コーニング1737」)を載せた。そして、該基層2の上に、エラストマーフィルムからなるエラストマー層11及びアクリル板3で構成される上記実施例1〜3及び比較例1の積層体1を載置した。次いで、鋼球7(直径50.8mm、質量550g)を、所定高さから上記実施例1〜3及び比較例1の積層体1上に自由落下させ、衝突させた。その後、基層2にひびや割れが起きていないか目視で確認した。そして、基層2が破損した時の高さを落球高度(m)として求め、この落球高度から、以下の式により衝撃破壊エネルギー(J)を算出することにより、耐衝撃性を評価した。
衝撃破壊エネルギー(J)=A×B×9.8
A;落球高度(m) B;鋼球の質量(kg)
上記の方法により得られた実施例1〜3及び比較例1の各積層体を用い、下記の方法により、透明性、着色性、耐熱性、及び耐衝撃性を測定した。その結果を表1に示す。
〔1〕透明性
上記実施例1〜3及び比較例1の各積層体を用いて、BYK−ガードナーGmbh社製モデル(haze−gard plus)を使用して、25℃における全光線透過率(%)を求め、透明性を評価した。
〔2〕着色性
上記実施例1〜3及び比較例1の各積層体を用いて、以下に示す群青染色性を調べることにより、着色性の評価を行った。即ち、上記実施例1〜3及び比較例1の各積層体70gをロールに巻きつけ、群青0.5gを添加し、0.3mmのニップで10回薄通しした後、2mmのニップでシーティングし、染色の状態を目視で確認することにより、染色性を調べた。
〔3〕耐熱性
動的粘弾性測定装置(レオロジー社製「MR−500」)を用い、温度30℃、1Hz及び180℃、1Hzの条件で、上記実施例1〜3及び比較例1の積層体の剪断貯蔵弾性率G’30℃及びG’180℃(dyn/cm2)を測定した。そして、このG’30℃及びG’180℃から30℃と180℃でのG’の変化量〔log(G’30℃/G’180℃)〕を算出し、耐熱性を評価した。ここで、この30℃と180℃でのG’の変化量が0に近いほど耐熱性が良いことを意味する。
〔4〕耐衝撃性
図5に示すように、大理石等からなる基台62の上に厚さ0.7mmの溶融成形アルミノケイ酸薄板ガラスである基層2(コーニング社製、商品名「コーニング1737」)を載せた。そして、該基層2の上に、エラストマーフィルムからなるエラストマー層11及びアクリル板3で構成される上記実施例1〜3及び比較例1の積層体1を載置した。次いで、鋼球7(直径50.8mm、質量550g)を、所定高さから上記実施例1〜3及び比較例1の積層体1上に自由落下させ、衝突させた。その後、基層2にひびや割れが起きていないか目視で確認した。そして、基層2が破損した時の高さを落球高度(m)として求め、この落球高度から、以下の式により衝撃破壊エネルギー(J)を算出することにより、耐衝撃性を評価した。
衝撃破壊エネルギー(J)=A×B×9.8
A;落球高度(m) B;鋼球の質量(kg)
表1に示すように、本発明の積層体である実施例1〜3の積層体は、比較例1と比べて、25℃での全光線透過率が91%以上の値を示しており、透明性が良好である。また、実施例1〜3の積層体は、衝撃破壊エネルギーは5J以上の大きい値を示し、30℃と180℃でのG’の変化量は1.1以下と小さい値を示していることから、耐衝撃性及び耐熱性に優れている。更に、実施例1〜3の積層体は、着色性も良好であることが分かる。
(4)その他の方法により得られた積層体の物性評価
窒素雰囲気下、上記極性基変性オレフィン系共重合体(A−1)100質量部及び上記金属化合物(B−1)1.0質量部をそれぞれ230℃に加熱した10L双腕型加圧ニーダー(モリヤマ社製)に投入し、40rpmで20分間混練りした(ずり速度200s−1)。その後、得られた溶融状態の塊状混練物を180℃、40rpmに設定したフィーダールーダー(モリヤマ社製)によって造粒し、ペレット化したエラストマー材料を得た。そして、得られたエラストマー材料のペレットを、500mmTダイを取り付けた押出機(服部歯車製作所社製、型式「MG427」、スクリューは単軸ユニメルトスクリューであって、スクリューのフライト部の長さLとスクリューの直径Dとの比L/Dが26、Tダイリップ厚みは1.0mmである。)によって、シリンダー内温度が210℃、スクリュー回転数が30rpmの条件で押出成形することにより、厚み0.5mm、幅490mmであるエラストマーフィルムを得た。そして、該エラストマーフィルムを用い、上記実施例1と同様の方法により、実施例4の積層体を得た。
窒素雰囲気下、上記極性基変性オレフィン系共重合体(A−1)100質量部及び上記金属化合物(B−1)1.0質量部をそれぞれ230℃に加熱した10L双腕型加圧ニーダー(モリヤマ社製)に投入し、40rpmで20分間混練りした(ずり速度200s−1)。その後、得られた溶融状態の塊状混練物を180℃、40rpmに設定したフィーダールーダー(モリヤマ社製)によって造粒し、ペレット化したエラストマー材料を得た。そして、得られたエラストマー材料のペレットを、500mmTダイを取り付けた押出機(服部歯車製作所社製、型式「MG427」、スクリューは単軸ユニメルトスクリューであって、スクリューのフライト部の長さLとスクリューの直径Dとの比L/Dが26、Tダイリップ厚みは1.0mmである。)によって、シリンダー内温度が210℃、スクリュー回転数が30rpmの条件で押出成形することにより、厚み0.5mm、幅490mmであるエラストマーフィルムを得た。そして、該エラストマーフィルムを用い、上記実施例1と同様の方法により、実施例4の積層体を得た。
更に、コーター(康井精機社製、「OS−300」)を用い、上記実施例1で調製した上記混合溶液をアプリケーターのクリアランス3.2mmにてポリエステルフィルム上に塗布し、乾燥温度85〜125℃にて乾燥することにより、厚みが0.5mmであるエラストマーフィルムを得た。そして、該エラストマーフィルムを用い、上記実施例1と同様の方法により、実施例5の積層体を得た。
更に、上記塗布後、電子線照射装置(NHVコーポレーション社製、「EBC300−60」)を用い、200kV、100kGyの条件で電子線照射を行い、その後、乾燥温度100℃にて乾燥することにより、実施例6の積層体を得た。
更に、上記塗布後、電子線照射装置(NHVコーポレーション社製、「EBC300−60」)を用い、200kV、100kGyの条件で電子線照射を行い、その後、乾燥温度100℃にて乾燥することにより、実施例6の積層体を得た。
上記実施例4〜6の各積層体について、上記実施例1〜3と同様の方法により、透明性、着色性、耐熱性及び耐衝撃性を測定した。その結果を表2に示す。
表2に示すように、本発明の積層体である実施例4〜6の積層体は、25℃での全光線透過率が92%以上の値を示しており、透明性が良好である。また、実施例4〜6の積層体は、衝撃破壊エネルギーは5J以上の大きい値を示し、30℃と180℃でのG’の変化量は1.3以下と小さい値を示していることから、耐衝撃性及び耐熱性に優れている。更に、実施例4〜6の積層体は、着色性も良好であることが分かる。
尚、本発明においては、上記実施例に限らず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
本発明の積層体は、従来のフィルムに比べて、透明性、耐衝撃性、耐熱性及び着色性に優れている。そのため、透明性、耐衝撃性、耐熱性及び着色性が要求される分野、例えば、情報機器用ロール、クリーニングブレード、電子部品用フィルム、シール材、写真などの画像保護膜、建材用化粧フィルム、医療用機器部品、電線、日用雑貨品、スポーツ用品等の一般加工品にも幅広く利用することができる。また、本発明の積層体は、上記特性を生かして、携帯電話、携帯情報端末、デスクトップ型コンピュータ用、ノート型コンピュータ用、又は車載用コンピュータ用ディスプレイ、タッチパネル、テレビジョン、及び時計等のディスプレイ用パネル等に好適に使用することができる。
1,1A,1B,1C,1D;積層体、11;エラストマー層、12;他の層、13;保護フィルム層、2;基層、3;アクリル板、62;基台、7;鋼球。
Claims (13)
- 極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなるエラストマー層、並びに該エラストマー層の少なくとも一方の表面に他の層を有することを特徴とする積層体。
- 上記極性基変性オレフィン系共重合体に含まれる極性基が、カルボキシル基及びその誘導体、水酸基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基、並びにニトリル基のうちの少なくとも1種である請求項1記載の積層体。
- 上記極性基変性オレフィン系共重合体は、極性基変性エチレン・α−オレフィン系共重合体及び極性基変性エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の積層体。
- 上記極性基変性オレフィン系共重合体の少なくとも一部が架橋されている請求項1乃至3のいずれかに記載の積層体。
- 上記エラストマー層の厚さが5〜3000μmである請求項1乃至4のいずれかに記載の積層体。
- 上記他の層を構成する素材が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、上記エラストマー層を構成するエラストマー以外のエラストマー、FRP、金属、ガラス、織物、木材、及び粘着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1乃至5のいずれかに記載の積層体。
- 上記他の層が偏光フィルム、反射防止フィルム、アンチグレアフィルム、視角補償フィルム、位相差フィルム、カラーフィルタ及びEMCフィルムからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1乃至5のいずれかに記載の積層体。
- 極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなるエラストマー層の少なくとも一方の表面に、他の層を積層することを特徴とする積層体の製造方法。
- 上記他の層は、コーティング法、キャスト法、プレス法、押出法、射出成形法又はインフレーション法によって積層する請求項8記載の積層体の製造方法。
- 上記他の層は、共押出法によって上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に貼り合わせることにより積層する請求項8記載の積層体の製造方法。
- 上記エラストマー層は、コーティング法、キャスト法、プレス法、押出法、射出成形法又はインフレーション法によって成形されるエラストマー層である請求項8乃至10のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 他の層の少なくとも一方の表面に、極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、よりなるエラストマー層を積層することを特徴とする積層体の製造方法。
- 上記エラストマー層は、コーティング法、キャスト法、プレス法、押出法、射出成形法又はインフレーション法によって積層する請求項12記載の積層体の製造方法。
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JP2007152847A (ja) * | 2005-12-07 | 2007-06-21 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 水蒸気バリア性透明積層体 |
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