JP2005305397A - 一酸化炭素酸化触媒及びその製造方法並びに燃料電池用燃料改質システム - Google Patents
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Abstract
【課題】メタネーション反応に対する触媒活性が低い一酸化炭素酸化触媒の提供。
【解決手段】本発明の一酸化炭素酸化触媒は、担体と、その担体上に担持された貴金属触媒と、を有する一酸化炭素酸化触媒である。更に、所定量の硫黄元素を含むことを特徴とする。所定量以上の硫黄元素を含有することで、メタネーション反応の進行が抑制され、一酸化炭素の酸化反応を選択的に進行させることができる。ここで、硫黄元素は貴金属触媒の触媒活性を阻害することが知られている。一酸化炭素の酸化反応はメタネーション反応に比べて反応速度が速いので硫黄元素の影響を受け難くなり、メタネーション反応に対する触媒活性が優先的に阻害されているものと推察される。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の一酸化炭素酸化触媒は、担体と、その担体上に担持された貴金属触媒と、を有する一酸化炭素酸化触媒である。更に、所定量の硫黄元素を含むことを特徴とする。所定量以上の硫黄元素を含有することで、メタネーション反応の進行が抑制され、一酸化炭素の酸化反応を選択的に進行させることができる。ここで、硫黄元素は貴金属触媒の触媒活性を阻害することが知られている。一酸化炭素の酸化反応はメタネーション反応に比べて反応速度が速いので硫黄元素の影響を受け難くなり、メタネーション反応に対する触媒活性が優先的に阻害されているものと推察される。
【選択図】なし
Description
本発明は、水素リッチガスに含まれる一酸化炭素の酸化を副反応の進行を抑えながら行える一酸化炭素酸化触媒及びその製造方法並びに燃料電池用燃料改質システムに関する。
水素を燃料に利用する燃料電池には何らかの方法により水素を供給する必要がある。水素を供給する一手段として天然ガスなどの炭化水素を改質する方法が採用されている。炭化水素の改質に伴い、一酸化炭素が副生するが、一酸化炭素は燃料電池に採用されている電極反応触媒を劣化させるので、極力低下させることが望まれている。副生する一酸化炭素を除去する有力な方法として、シフト反応により大部分の一酸化炭素を除去した後、僅かに残存する一酸化炭素を酸化して除去する方法がある。
一酸化炭素選択酸化触媒は炭化水素の改質ガス中の一酸化炭素及び水素のうち一酸化炭素を選択的に酸化できる触媒である。酸化に使用する空気又は酸素は化学量論的にはO/CO=1が理想的であるが、一酸化炭素の選択性が100%ではなく、一酸化炭素の酸化に用いる酸素の添加量が酸素/一酸化炭素(O/CO)=3〜5程度の範囲で運転している。一酸化炭素酸化反応の副反応としては、下式(1)及び(2)で示すようなメタネーション反応が進行する。
CO + 3H2 → CH4 + H2O … (1)
CO2 + 4H2 → CH4 + 2H2O … (2)
これらメタネーション反応が進行すると、必要な水素を消費することになり、改質システムの効率が低下する。メタネーション反応は高温域(例えば160℃以上)にて反応が活発化するとともに発熱反応であるので温度制御が重要になる。温度を制御するために、改質システムには冷却器を設けて、触媒の温度が高温にならないようにする方法がある。
CO2 + 4H2 → CH4 + 2H2O … (2)
これらメタネーション反応が進行すると、必要な水素を消費することになり、改質システムの効率が低下する。メタネーション反応は高温域(例えば160℃以上)にて反応が活発化するとともに発熱反応であるので温度制御が重要になる。温度を制御するために、改質システムには冷却器を設けて、触媒の温度が高温にならないようにする方法がある。
従来技術としては低温域でも活性の高い触媒を開発提供することが行われている(特許文献1)。
特開2003−284948号公報
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、メタネーション反応に対する触媒活性が低い一酸化炭素酸化触媒を提供すること、及びそのような一酸化炭素酸化触媒を製造する方法を提供することを解決すべき課題とする。また、それらのメタネーション反応に対する触媒活性が低く副反応の進行が少ない燃料電池用燃料改質システムを提供することを解決すべき課題とする。
本発明の一酸化炭素酸化触媒は、担体と、該担体上に担持された貴金属触媒と、を有する一酸化炭素酸化触媒である。上記課題を解決する目的で本発明者らは鋭意研究を行った結果、硫黄元素が一酸化炭素酸化触媒のメタネーション反応に対する触媒作用を優先的に阻害することを発見し、本発明を完成させた。すなわち、本発明の一酸化炭素酸化触媒は、担体及び貴金属触媒の質量を基準にして、硫黄元素を0.01質量%以上含有することを特徴とする。
また、他の構成を有する本発明の一酸化炭素酸化触媒は、貴金属触媒の質量を基準にした場合には、硫黄元素を2質量%以上含有することを特徴とする。
更に、その他の上記課題を解決する本発明の一酸化炭素酸化触媒は、硫化ジメチルを4ppm以上含有する200℃のガスを空間速度6000時間-1で10時間流通させた場合に含有させられる量以上の硫黄元素を含有することを特徴とする。硫化ジメチルを含有させるガスとしては窒素ガスが好ましい。
つまり、所定量以上の硫黄元素を含有することで、メタネーション反応の進行が抑制され、一酸化炭素の酸化反応を選択的に進行させることができる。ここで、硫黄元素は貴金属触媒の触媒活性を阻害することが知られている。一酸化炭素の酸化反応はメタネーション反応に比べて反応速度が速いので硫黄元素の影響を受け難くなり、メタネーション反応に対する触媒活性が優先的に阻害されているものと推察される。
前記貴金属触媒はRu、Pt、Re、Pd、Au及びRhからなる群から選択される1以上の貴金属からなることが好ましい。特に、Ru、Pt、Pd及びAuから選択することが好ましい。
また、上記課題を解決する本発明の一酸化炭素酸化触媒の製造方法は、担体と、該担体上に担持された貴金属触媒と、を有する一酸化炭素酸化触媒の製造方法であって、
前記担体上に前記貴金属触媒を構成する元素を担持させる担持工程と、
該担持工程の後、硫黄元素を100ppb以上含有する硫黄元素含有ガスを流通させる硫黄元素含有ガス流通工程と、を有することを特徴とする。
前記担体上に前記貴金属触媒を構成する元素を担持させる担持工程と、
該担持工程の後、硫黄元素を100ppb以上含有する硫黄元素含有ガスを流通させる硫黄元素含有ガス流通工程と、を有することを特徴とする。
更に、上記課題を解決する燃料電池用燃料改質システムは、酸化反応により除去する一酸化炭素除去部を有する改質システムであって、
前記一酸化炭素除去部は、上述の一酸化炭素酸化触媒、又は上述の製造方法により製造された一酸化炭素酸化触媒を有することを特徴とする。
前記一酸化炭素除去部は、上述の一酸化炭素酸化触媒、又は上述の製造方法により製造された一酸化炭素酸化触媒を有することを特徴とする。
本発明の一酸化炭素酸化触媒及びその製造方法で製造した一酸化炭素酸化触媒は、メタネーション反応に対する触媒活性が低いので、一酸化炭素を酸化させる場合に、副反応で生成するメタンの生成量が少なくすることができる。その結果、水素の消費が抑制され、改質器システムに対して、本発明の一酸化炭素酸化触媒を採用した場合に改質効率の向上が達成できる。また、メタネーション反応が進行しがたいので、一酸化炭素の酸化雰囲気として高温環境を選択しても熱暴走が生じるおそれが少なくなり、冷却システムなどの温度制御装置を簡略化乃至は省略することができる。
〔一酸化炭素酸化触媒〕
本発明の一酸化炭素酸化触媒は、担体と、その担体上に担持された貴金属触媒とを有する。本発明の一酸化炭素酸化触媒はそのまま容器内に充填して用いたり、金属や無機酸化物からなる適正な基材上に塗布したりして用いられる。担体及び貴金属触媒については特に限定しないが、汎用される構成や、好ましい構成について以下に説明する。
本発明の一酸化炭素酸化触媒は、担体と、その担体上に担持された貴金属触媒とを有する。本発明の一酸化炭素酸化触媒はそのまま容器内に充填して用いたり、金属や無機酸化物からなる適正な基材上に塗布したりして用いられる。担体及び貴金属触媒については特に限定しないが、汎用される構成や、好ましい構成について以下に説明する。
担体はアルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、マグネシアなどの無機酸化物やそれらの混合物乃至は複合酸化物などが例示できる。担体の形態としては粉末状、粒状、ハニカム状などの一般的な形態が採用できる。
貴金属触媒はRu、Pt、Re、Pd、Au及びRhからなる群から選択される1以上の貴金属からなることが好ましい。単体の金属であっても合金であっても構わない。特に、Ru、Pt、Pd及びAuから選択することが好ましい。
本発明の一酸化炭素酸化触媒には硫黄元素が担体及び貴金属触媒を基準にして0.01質量%以上含有されていることを特徴とする。硫黄元素の含有量は0.01質量%以上が好ましく、0.025質量%以上がより好ましい。上限としては0.06質量%以下が好ましく、0.045質量%以下がより好ましい。
貴金属触媒上に付着乃至結合している硫黄元素が、メタネーション反応に対する触媒活性低減に寄与しているものと推測される。含有する硫黄元素は単体であっても化合物であっても構わない。また、どのような化合物であっても構わない。
また、硫黄元素の含有量としては担体及び貴金属触媒の質量を基準に決定する方法の他、貴金属触媒を基準にした方法を挙げることもできる。その場合には貴金属触媒の質量を基準にして2質量%以上含有されていることが好ましい。また、触媒が還元状態若しくは還元性ガス雰囲気で硫化ジメチルを4ppm以上含有する200℃のガスを空間速度6000時間-1で10時間流通させた場合に含有させられる量を基準に決定する方法がある。この場合の貴金属触媒は予め還元されていることが望ましい。硫黄元素の含有量はすべての条件を満たすことは必須ではなく、これらのうちから1以上の条件を満たせばよい。
硫黄元素を含有するガスを流通させることで、含有する貴金属触媒に硫黄元素が付着する。ガスの流通により触媒中に含まれる貴金属触媒の活性中心に結合乃至は付着して貴金属触媒のメタネーション反応に対する触媒活性を低減させる。硫黄元素の付着の程度は担体などの形態などにより異なるので、ガスの流通時間にて硫黄元素の付着の程度を規定する。なお、10時間以下でも充分に硫黄元素を含有させることができる場合も考えられる。硫化ジメチルを含有させるガスとしては窒素ガスが好ましい。
〔一酸化炭素酸化触媒の製造方法〕
本発明の一酸化炭素酸化触媒の製造方法により製造される一酸化炭素酸化触媒は、担体と、その担体上に担持された貴金属触媒とを有する。担体及び貴金属触媒については上述した本実施形態の一酸化炭素酸化触媒にて説明したものをそのまま利用可能なので更なる説明は省略する。
本発明の一酸化炭素酸化触媒の製造方法により製造される一酸化炭素酸化触媒は、担体と、その担体上に担持された貴金属触媒とを有する。担体及び貴金属触媒については上述した本実施形態の一酸化炭素酸化触媒にて説明したものをそのまま利用可能なので更なる説明は省略する。
本製造方法は担持工程と硫黄元素含有ガス流通工程とを有する。担持工程は担体上に
貴金属触媒を構成する元素を担持させる工程である。貴金属触媒を担持させる方法は貴金属触媒を構成する貴金属元素を含む塩を溶解した溶液(水溶液など)に担体を浸漬する方法が好ましい方法として挙げられる。貴金属元素を含む塩としては硝酸塩、塩酸塩などが挙げられる。上記方法にて担体上に担持された貴金属元素は酸化状態にあり、その後、金属状態に還元することで触媒活性を発揮できる状態になる。貴金属元素の還元は、硫黄元素含有ガス流通工程により兼ねることもできるし、硫黄元素含有ガス流通工程前後のいずれかにて独立して行うこともできる。好ましくは、硫黄元素含有ガス流通工程前に水素ガスを導入するなどの方法で貴金属元素の還元を行う。また、硫黄元素含有ガス流通工程を行いながら貴金属元素の還元を行うことも好ましい。
貴金属触媒を構成する元素を担持させる工程である。貴金属触媒を担持させる方法は貴金属触媒を構成する貴金属元素を含む塩を溶解した溶液(水溶液など)に担体を浸漬する方法が好ましい方法として挙げられる。貴金属元素を含む塩としては硝酸塩、塩酸塩などが挙げられる。上記方法にて担体上に担持された貴金属元素は酸化状態にあり、その後、金属状態に還元することで触媒活性を発揮できる状態になる。貴金属元素の還元は、硫黄元素含有ガス流通工程により兼ねることもできるし、硫黄元素含有ガス流通工程前後のいずれかにて独立して行うこともできる。好ましくは、硫黄元素含有ガス流通工程前に水素ガスを導入するなどの方法で貴金属元素の還元を行う。また、硫黄元素含有ガス流通工程を行いながら貴金属元素の還元を行うことも好ましい。
硫黄元素含有ガス流通工程は担持工程の後に行う。本工程は硫黄元素を100ppb以上含有する硫黄元素含有ガスを流通させる工程である。硫黄元素は硫黄化合物として含有することが取り扱い上好ましい。硫黄化合物としては特に限定しないが、常温でガス状の化合物、気化しやすい化合物などが好ましい。例えば、硫化ジメチル(ジメチルスルフィド:DMS)やターシャルブチルメルカプタン(TBM)、硫化カルボニル(COS)、テトラヒドロチオフェン(THT)、二酸化硫黄(SO2)、硫化水素(H2S)などが挙げられる。これらの硫黄化合物を窒素ガスなどに添加して触媒中に流通させることで触媒中に硫黄元素を含有させることができる。硫黄元素含有ガスは硫黄元素(化合物)以外にその硫黄元素を希釈する特に限定しないガスを含有させることもできる。例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素などである。
硫黄元素含有ガス中に含まれる硫黄元素の量は100ppb以上であり、好ましくは500ppb、より好ましくは1ppm以上である。硫黄元素含有ガスを流通させる好ましい時間は一義的に決定することが困難である。例えば、硫黄元素含有ガスを硫黄元素の含有量が上述の本実施形態の一酸化炭素酸化触媒に示した範囲になる時間、流通させることが好ましい。
本発明の一酸化炭素酸化触媒の製造方法は、上記一酸化炭素酸化触媒を製造する方法として用いることができる。また、担体上に貴金属触媒を担持する工程において、硫黄元素を含有させることで硫黄元素を含有させることも可能である。
〔燃料電池用燃料改質システム〕
本発明の燃料電池用燃料改質システムは上流側から、改質器、一酸化炭素除去部を有する。改質器の上流側に脱硫器を、一酸化炭素除去部の上流側に一酸化炭素を一酸化炭素シフト反応により低減する一酸化炭素低減部をそれぞれ設けることもできる。改質される燃料としてメタンを例に挙げて説明する。
本発明の燃料電池用燃料改質システムは上流側から、改質器、一酸化炭素除去部を有する。改質器の上流側に脱硫器を、一酸化炭素除去部の上流側に一酸化炭素を一酸化炭素シフト反応により低減する一酸化炭素低減部をそれぞれ設けることもできる。改質される燃料としてメタンを例に挙げて説明する。
改質器は水蒸気発生装置をもち、水蒸気発生装置から発生させた水蒸気を添加して行う水蒸気改質反応(主反応:CH4+H2O→CO+3H2、副反応:CO+H2O→CO2+H2)により、水素を生成する。改質器から出るガス中にはパーセントオーダー(例えば10%程度)の一酸化炭素を含有する。
一酸化炭素低減部ではシフト反応(CO+H2O→CO2+H2)により、一酸化炭素を低減する。一酸化炭素低減部から出るガス中には一酸化炭素が数千ppmオーダー(例えば5000ppm程度)含有されている。
一酸化炭素除去部では一酸化炭素選択酸化反応(CO+1/2O2→CO2)により、一酸化炭素を選択的に酸化除去する。酸化に用いる酸素は一酸化炭素除去部の上流側にて添加する。添加する酸素の量は想定される一酸化炭素の量に対して2〜5倍程度(O/COが2〜5程度)とすることが好ましい。一酸化炭素除去部にて進行する一酸化炭素選択酸化反応を促進するために上述の本発明の一酸化炭素酸化触媒を採用する。本発明の一酸化炭素酸化触媒を採用することで、一酸化炭素除去部における一酸化炭素酸化触媒の温度を160〜200℃程度にて使用することが可能になる。また、O/COの値として2前後の値(例えば2〜3程度や、2.5〜3程度)を採用することもできる。
また、一般的に燃料電池用燃料改質システムはメタネーション反応の進行を抑制する目的で、高い精度の冷却システムを有することが多いが、本発明の燃料電池用燃料改質システムでは高温においてもメタネーション反応の進行を抑制できる一酸化炭素酸化触媒を採用しているので、高い温度領域下でも、より簡易な冷却システムにて対応することが可能になる。
(試験触媒の調製)
Ru/Al2O3を成分とする市販の一酸化炭素選択酸化触媒(エヌ・イーケムキャット社製、EA)を200℃で水素還元した触媒を試験触媒1とした。試験触媒1における担体はγ−アルミナであり、貴金属触媒はRuである。硫黄含有量は担体及び貴金属触媒を基準として0.003質量%であった。硫黄含有量はJIS G1215の燃焼赤外吸収法により測定した(以下、同じ)。
Ru/Al2O3を成分とする市販の一酸化炭素選択酸化触媒(エヌ・イーケムキャット社製、EA)を200℃で水素還元した触媒を試験触媒1とした。試験触媒1における担体はγ−アルミナであり、貴金属触媒はRuである。硫黄含有量は担体及び貴金属触媒を基準として0.003質量%であった。硫黄含有量はJIS G1215の燃焼赤外吸収法により測定した(以下、同じ)。
試験触媒1と同等のRu/Al2O3を成分とする一酸化炭素選択酸化触媒を酸化状態(未還元の状態)のまま200℃に保ち、DMSを4ppm含有する窒素ガスである硫黄元素含有ガスを5時間流通させ、得られた触媒を試験触媒2とした。空間速度は6000時間-1であった。硫黄含有量は0.006質量%であった。
試験触媒2と同条件にて、硫黄元素含有ガスを120時間流通させて得られた触媒を試験触媒3(硫黄元素含有量0.038質量%)とした。
還元状態にある試験触媒1に対して、試験触媒2と同条件で40時間流通させることで試験触媒4(硫黄元素含有量0.041質量%)を得た。貴金属触媒の還元を予め行うことで、より短い時間でより高い含有量にまで硫黄を含有できることが判った。
(試験)
試験条件として、O/COを1とし、各試験触媒について入り口ガス温度を120℃、150℃及び180℃とした組み合わせを採用して、試験触媒の出口におけるガス組成を測定した。評価試験に用いた評価用ガスは一酸化炭素0.7容量%、二酸化炭素18.6容量%、残部水素(80.7容量%)を用いた。この評価用ガスにO/COから導き出される量の酸素(0.35容量%)を添加して試験触媒に流通させた。評価用ガスの空間速度は3000時間-1とした。出口ガス組成の測定はガスクロマトグラフィーにて測定した。結果を表1に示す。
試験条件として、O/COを1とし、各試験触媒について入り口ガス温度を120℃、150℃及び180℃とした組み合わせを採用して、試験触媒の出口におけるガス組成を測定した。評価試験に用いた評価用ガスは一酸化炭素0.7容量%、二酸化炭素18.6容量%、残部水素(80.7容量%)を用いた。この評価用ガスにO/COから導き出される量の酸素(0.35容量%)を添加して試験触媒に流通させた。評価用ガスの空間速度は3000時間-1とした。出口ガス組成の測定はガスクロマトグラフィーにて測定した。結果を表1に示す。
また、試験条件として入り口ガス温度を150℃とし、O/COを1、2、2.5及び3とした組み合わせを採用して、同様にして試験触媒出口におけるガス組成を測定した。O/COの調節は、評価用ガスにO/COから導き出される量の酸素を添加することで行った。その他の条件は上述の試験と同様にした。結果を表2に示す。表中の「H2減少量」は反応前のH2の値(容量%)から反応後のH2の値(容量%)を減算した値(容量%)である。
ここで、メタネーション反応は160℃以上の高温域で促進されると考えられるが、硫黄含有量が高い試験触媒3及び4では180℃であってもメタン生成量を低く抑えることができることが分かった。なお、O/COが1である場合には、表1から明らかなように、試験触媒3及び4における硫黄含有量でも一酸化炭素を除去する能力も阻害されていることが推察される。
O/COを大きくして2以上にすると、表2より明らかなように、硫黄含有量が高い試験触媒3及び4の方が試験触媒1及び2よりも高い一酸化炭素除去効果を発揮することができると共に、水素減少量も低減できることが判った。水素減少量が低減できる理由としてはメタン生成量が少ないことからメタネーション反応を抑制できたためであると推測できる。つまり、O/COが2以上乃至は2.5以上の条件下では試験触媒3及び4の方が一酸化炭素除去能力が高く且つ水素減少量が少ないことが判った。
ここで、表2において、試験触媒1及び2におけるO/COが3の場合の試験結果を示していないのは、触媒の積極的な冷却を行っていない試験条件によりメタネーション反応の進行により過熱して反応が制御できなくなったからである。試験触媒3及び4では特に冷却しなくても、O/COが3において熱暴走することなく高いCO除去性能を示すことができる。
以上の結果から、一酸化炭素酸化触媒に含有させる硫黄の量としては、試験触媒2の硫黄含有量である担体及び貴金属触媒を基準にして、0.006質量%より大きいことが好ましいことが判った。より好ましくは、試験触媒3の硫黄含有量である0.038質量%以上であることが判った。そして、O/COが1程度で使用する場合の硫黄含有量は0.038質量%未満であることが好ましいことが推察される。
以上、説明したように、水素減少量を少なくすることができる本発明の一酸化炭素酸化触媒は極めて有用であることが判った。ここで、実際の改質システムに一酸化炭素酸化触媒を適用する場合には入り口ガスに含有される一酸化炭素の正確な量を測定することが困難なので、必要量よりも多めの酸素を添加することが多いが(すなわち、O/COが高い)、O/COが高い条件下でも一酸化炭素除去能力が高く且つ水素減少量が少ない本発明の一酸化炭素酸化触媒は極めて有用であることが判った。
Claims (8)
- 担体と、該担体上に担持された貴金属触媒と、を有する一酸化炭素酸化触媒であって、
担体及び貴金属触媒の質量を基準にして、硫黄元素を0.01質量%以上含有することを特徴とする一酸化炭素酸化触媒。 - 担体と、該担体上に担持された貴金属触媒と、を有する一酸化炭素酸化触媒であって、
貴金属触媒の質量を基準にして、硫黄元素を2質量%以上含有することを特徴とする一酸化炭素酸化触媒。 - 担体と、該担体上に担持された貴金属触媒と、を有する一酸化炭素酸化触媒であって、
硫化ジメチルを4ppm以上含有する200℃の窒素ガスを空間速度6000時間-1で10時間流通させた場合に含有させられる量以上の硫黄元素を含有することを特徴とする一酸化炭素酸化触媒。 - 前記ガスは窒素ガスである請求項3に記載の一酸化炭素酸化触媒。
- 前記貴金属触媒はRu、Pt、Re、Pd、Au及びRhからなる群から選択される1以上の貴金属からなる請求項1〜4のいずれかに記載の一酸化炭素酸化触媒。
- 担体と、該担体上に担持された貴金属触媒と、を有する一酸化炭素酸化触媒の製造方法であって、
前記担体上に前記貴金属触媒を構成する元素を担持させる担持工程と、
該担持工程の後、硫黄元素を100ppb以上含有する硫黄元素含有ガスを流通させる硫黄元素含有ガス流通工程と、を有することを特徴とする一酸化炭素酸化触媒の製造方法。 - 前記硫黄元素含有ガス流通工程で、貴金属触媒が還元状態若しくは還元ガス雰囲気下におかれていることを特徴とする請求項6に記載の一酸化炭素酸化触媒の製造方法。
- 酸化反応により除去する一酸化炭素除去部を有する改質システムであって、
前記一酸化炭素除去部は、請求項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素酸化触媒、又は請求項6又は7に記載の製造方法により製造された一酸化炭素酸化触媒を有することを特徴とする燃料電池用燃料改質システム。
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JP2011514950A (ja) * | 2008-02-28 | 2011-05-12 | ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー | 排出物制御における改善 |
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