JP2005304397A - リボ核酸増幅試薬組成、およびそれを用いたリボ核酸の増幅方法 - Google Patents

リボ核酸増幅試薬組成、およびそれを用いたリボ核酸の増幅方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 逆転写反応とPCR反応を連続した1工程で行うリボ核酸の増幅において増幅効率を向上可能なリボ核酸増幅試薬組成、および該組成を用いたリボ核酸の増幅方法ならびに該方法を使用するための試薬またはキットを提供すること。
【解決手段】 少なくとも一種類の酵素を用いて1工程でリボ核酸を増幅するためのリボ核酸増幅用試薬組成として、(a)逆転写活性を有する酵素により試料に含まれるリボ核酸をデオキシリボ核酸に変換し、(b)DNAポリメラーゼ活性を有する酵素により標的RNAに相補的なデオキシリボ核酸を増幅するための成分を含有する試薬組成であって、該組成中に単一種類の塩基からなる核酸オリゴマーをさらに含有することを特徴とする試薬組成。該組成を用いたリボ核酸の増幅方法ならびに該方法を使用するための試薬またはキット。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リボ核酸増幅試薬組成、および該組成を用いたリボ核酸の増幅方法ならびに該方法を使用するための試薬またはキットに関する。
ポリメラーゼ・チェイン・リアクション(PCR)法に代表される核酸増幅法は、特定の配列を有する核酸を短時間で特異的に検出する目的において優れた方法である。しかし、PCR法による増幅の鋳型となる核酸はデオキシリボ核酸(DNA)の形で提供される必要があるため、リボ核酸(RNA)を対象とする場合は、直接、PCR法によって増幅することはできない。RNAをPCR法により検出するためには、RNAが有する遺伝情報を逆転写活性を有する酵素などを用いてDNAに変換する必要がある。
上記のようなRNAをDNAに変換した後にPCR法を適用する方法は逆転写−PCR(RT−PCR)法と呼ばれており、(I)逆転写反応とPCR反応を独立した工程で行う2工程法と、(II)逆転写反応とPCR反応を連続した工程で行う1工程法に大きく分類される。(I)2工程法では一般にPCR反応とは異なる反応容器で逆転写反応を行うため、反応液の組成変更のために試薬を調整し直したり容器を移し替えたりする必要があるが、これらは長時間を要する煩雑な操作でありRNAの検出における作業効率を著しく低下させる原因となる。これに対して(II)1工程法では、逆転写反応とPCR反応を同一の反応容器で連続的に行うため、上記の煩雑な操作を省略することが可能であり、RNAの検出における作業効率の観点から有利である(例えば、特許文献1を参照)。
しかし検出に必要な試料中の最少RNA量の観点からは、(I)2工程法が有利である。すなわち、一般に(I)2工程法の方が(II)1工程法より増幅効率が優れているため、試料中のより少ない量のRNAから増幅核酸断片を得ることができ、また、試料中のRNA量が同等の場合でも(I)2工程法の方がより多い量の増幅核酸断片を得ることができる。その理由の一つとしては、逆転写反応およびPCR反応ではそれぞれの活性を発揮するために最適な試薬組成が異なるため、両反応を連続的に行う(II)1工程法では中立的な試薬組成とせざるを得ないことが挙げられる。
以上のように、現状では検出するRNAの種類や試料の状態などの状況に応じて(I)2工程法または(II)1工程法を選択して使用している。しかし上述のように、増幅効率以外の観点からは(II)1工程法のメリットは計り知れない。特に医療または診断現場においては人的および時間的な効率がよいことは重要であり、また偽陽性による誤診を予防するためにも増幅反応の途中で容器の蓋を開閉する必要のない(II)1工程法の使用が望ましい。このように、現在、増幅効率の高い1工程法によるRNAの増幅方法が望まれている。
特開平4−141098号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、逆転写反応とPCR反応を連続した1工程で行うリボ核酸の増幅において増幅効率を向上可能なリボ核酸増幅試薬組成、および該組成を用いたリボ核酸の増幅方法ならびに該方法を使用するための試薬またはキットを提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために種々鋭意検討したところ、1工程法によるリボ核酸増幅方法における増幅効率を著しく向上させることが可能な試薬組成を見出した。
すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
(1) 少なくとも一種類の酵素を含有することにより逆転写活性およびDNAポリメラーゼ活性を有するリボ核酸増幅用試薬組成であって、組成物中に標的リボ核酸および非標的リボ核酸を区別することのない核酸オリゴマーを含有することを特徴とするリボ核酸増幅用試薬組成物。
(2) 組成物中に標的リボ核酸および非標的リボ核酸を区別することのない核酸オリゴマーが単一の塩基からなる核酸オリゴマーであること特徴とする(1)記載のリボ核酸増幅用試薬組成。
(3) 酵素が逆転写活性および/またはDNAポリメラーゼ活性を有する少なくとも一種類の酵素であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のリボ核酸増幅用試薬組成。
(4) 1工程でリボ核酸を増幅するためのリボ核酸増幅用試薬組成であって、
(a)逆転写活性を有する酵素により試料に含まれるリボ核酸をデオキシリボ核酸に変換し、
(b)DNAポリメラーゼ活性を有する酵素により標的RNAに相補的なデオキシリボ核酸を増幅するための成分を含有することを特徴とする請求項3に記載のリボ核酸増幅用試薬組成物。
(5) 核酸オリゴマーがチミン塩基からなるホモオリゴマーデオキシヌクレオチド(ポリdT)であることを特徴とする、(2)〜(4)のいずれかに記載のリボ核酸増幅用試薬組成物。
(6) 標的リボ核酸および非標的リボ核酸を区別することなく逆転写させる反応を含むことを特徴とする、1工程でのリボ核酸の増幅方法。
(7) 反応容器中に逆転写活性および/またはDNAポリメラーゼ活性を有する酵素、および単一種類の塩基からなる核酸オリゴマーを一緒に存在させ、1工程でリボ核酸を増幅することを特徴とするリボ核酸の増幅方法。
(8) (a)逆転写活性を有する酵素により試料に含まれるリボ核酸をデオキシリボ核酸に変換する工程
(b)DNAポリメラーゼ活性を有する酵素により標的RNAに相補的なデオキシリボ核酸を増幅する工程
を含む(6)又は(7)に記載のリボ核酸の増幅方法。
(9) 核酸オリゴマーがチミン塩基からなるホモオリゴマーデオキシヌクレオチド(ポリdT)であることを特徴とする、(7)または(8)に記載のリボ核酸の増幅方法。
(10) (6)から(9)のいずれかに記載の方法を用いてリボ核酸を増幅するための試薬またはキット。
本発明により、逆転写反応とPCR反応を連続した1工程で行うリボ核酸の増幅において増幅効率を著しく向上させることができ、特に研究や診断の現場において結果の信頼性を大きく向上させることが可能となる。
本発明においてリボ核酸の増幅とは、試料中のリボ核酸から増幅したい核酸(標的核酸)をその固有の配列の相補性を利用して増幅することを指し、具体的には、該リボ核酸を自身に相補的なデオキシリボ核酸(cDNA)に変換した後、該cDNAを増幅する一連の流れを指す。本発明におけるリボ核酸増幅試薬組成およびそれを用いたリボ核酸の増幅方法が適用可能な該cDNA増幅の方法としては、PCR法、LAMP法、SDA法など特に限定されるものではないが、一般的に熱安定性の高い酵素を用いるPCR法の使用がより好ましい。
本発明のリボ核酸増幅試薬組成は、標的リボ核酸および非標的リボ核酸を区別することのない核酸オリゴマーを含有する。標的リボ核酸および非標的リボ核酸を区別することのない核酸オリゴマーとは、最終的な増幅の標的となるリボ核酸のみでなく、それ以外のリボ核酸にもハイブリダイズして逆転写反応が可能であるものであり、増幅の標的リボ核酸に対して非特異的な核酸オリゴマーや共通核酸オリゴマーとも言い表すことができる。標的リボ核酸および非標的リボ核酸を区別することのない核酸オリゴマーは標的オリゴマーに近類のものを逆転写するものであっても良いし、存在するリボ核酸を区別することなく逆転写するものであっても良い。
標的リボ核酸および非標的リボ核酸を区別することのない核酸オリゴマーの具体例としては、単一の塩基からなる核酸オリゴマーであることが好ましく、さらにはチミン塩基からなるホモオリゴマーデオキシヌクレオチド(ポリdT)であることが好ましい。
ポリdTは真核細胞において、該細胞の機能としてmRNAの末端に付加されるアデニン塩基からなるホモオリゴマーデオキシヌクレオチド(ポリdA)に相補的な核酸である。
上記リボ核酸の増幅の方法としてPCR法を使用する場合の好ましい試薬組成物の一例としては、(a)逆転写活性を有する酵素、(b)DNAポリメラーゼ活性を有する酵素、(d)核酸増幅用プライマー、(e)標的リボ核酸および非標的リボ核酸を区別することのない核酸オリゴマーを含み、さらには(c)RNアーゼ阻害剤、(f)dNTP、(g)反応バッファーを含むことが好ましく、この試薬組成物に(h)リボ核酸含有試料を加えて増幅を行う。
以下、これら個々の成分に関して説明する。
(a)逆転写活性を有する酵素としては、従来公知のレトロウイルス、特にモロニーマウス白血病ウイルス(M−MLV)、ヒト後天性免疫不全ウイルス(HIV)、トリ骨髄芽症ウイルス(AMV)などに由来する各種の逆転写酵素を特に限定されることなく使用できる。また、レトロウイルス由来の逆転写酵素の多くでDNA−RNAハイブリッド2本鎖のRNAを分解する活性、すなわちRNaseH活性を有することが知られており、この活性の存在はRNAを鋳型としてcDNAを合成する際に鋳型−プライマー複合体の鋳型を分解し、その分解位置がプライマーの3'端に近い場合は鋳型−プライマー複合体が解離されるため伸長性が低下するという結果を招く。このような問題を排除するため、本発明の逆転写活性を有する酵素としては、実質的にRNaseH活性を有していない逆転写酵素を使用することが好ましい。具体的には、M−MLV由来のRNaseH活性除去変異体の場合は5〜5000単位/ml程度の使用が好ましく、100〜1000単位/ml程度の使用がより好ましい。
(b)DNAポリメラーゼ活性を有する酵素としては、T4またはT7ファージ、大腸菌、サーモコッカス(Thermococcus)属、サーマス(Thermus)属、パイロコッカス(Pyrococcus)属、バシラス(Bacillus)属など種々の起源のDNAポリメラーゼおよびその改良変異体を特に限定されることなく使用できるが、核酸の増幅方法としてPCR法を使用する場合はKOD DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼなど熱安定性の酵素を使用することが好ましい。中でもKOD DNAポリメラーゼまたは該酵素を改良したDNAポリメラーゼは増幅量および反応速度の観点から最も好ましい。具体的には、KOD Dash DNAポリメラーゼの場合は1〜200単位/ml程度の使用が好ましく、10〜100単位/ml程度の使用がより好ましい。
なお、(a)逆転写活性を有する酵素および(b)DNAポリメラーゼ活性を有する酵素については逆転写活性を有するDNAポリメラーゼによる代替も可能であり、このような性質の酵素としてはTth DNAポリメラーゼが最も代表的である。
(c)RNアーゼ阻害剤としては、ヒト胎盤やブタ肝臓などに由来する各種のRNアーゼ阻害剤を特に限定されることなく使用でき、5〜5000単位/ml程度の使用が好ましく、100〜1000単位/ml程度の使用がより好ましい。
(d)核酸増幅用プライマーは1〜1000nM程度を含む。中でも特異性を高めるために、100〜500nM程度がより好ましく、200nM程度がさらに好ましい。
(e)単一の塩基からなる核酸オリゴマーとしては、リボ核酸として特に真核細胞に由来するmRNAを増幅する際の効率を向上させるために、チミン塩基からなるホモオリゴマーデオキシヌクレオチド(ポリdT)であることが好ましい。ポリdTは真核細胞において、該細胞の機能としてmRNAの末端に付加されるアデニン塩基からなるホモオリゴマーデオキシヌクレオチド(ポリdA)に相補的な核酸である。
前述のように、RT−PCR法は(I)逆転写反応とPCR反応を独立した工程で行う2工程法と、(II)逆転写反応とPCR反応を連続した工程で行う1工程法に大きく分類されるが、従来公知のいずれの技術においても(II)1工程法で逆転写反応に使用されるプライマーは(d)核酸増幅用プライマーのうちの片方である。すなわち従来の技術においては、(d)核酸増幅用プライマーのうちの片方を用いた逆転写反応によって標的リボ核酸のみがcDNAに変換され、該反応に続いて起こるPCR反応によって該cDNAが増幅される。本発明者らの発見によれば、(II)1工程法によって特に真核細胞に由来するmRNAを増幅する際にポリdTが存在すると増幅効率が著しく向上する(実施例1を参照)。ポリdTは標的リボ核酸および非標的リボ核酸をランダムに逆転写し得るが、該逆転写が上述の(d)核酸増幅用プライマーのうちの片方を用いた標的リボ核酸に特異的な逆転写反応と相乗的に作用することによって、本発明の効果が生じると推測される。
なお、上記のポリdTの鎖長は5〜50塩基程度が好ましく、中でも次工程のPCR反応において非特異的な増幅の原因となることを防ぐために、15〜25塩基程度がより好ましい。また該ポリdTの濃度は1〜1000nM程度で使用し得るが、中でも次工程のPCR反応において非特異的な増幅の原因となることを防ぐために、100〜500nM程度がより好ましく、200nM程度がさらに好ましい。
(f)dNTPは50〜1000μM程度を含む。100〜700μM程度がより好ましく、200〜400μM程度がさらに好ましい。
(g)反応バッファーについては、本発明のリボ核酸増幅試薬に含まれる酵素の能力を最大限に発揮する目的で、緩衝液や金属塩の濃度、溶液のpHなどが適宜選択され得る。また、酵素の安定性を高める目的で、該試薬にウシ血清アルブミンなどの添加剤を適宜混合しても良い。
(h)リボ核酸は本発明において、例えば、mRNA、tRNA、rRNAなどの、いずれのリボ核酸であってもよいが、真核細胞に由来するmRNA試料において、特に効果的に作用する。試料は、例えば、動物または植物組織、個体細胞由来の溶解物などのあらゆる材料から調製することができる。また、リボ核酸は試料中に溶解させてもよいし、固相に固定させてもよい。
増幅反応は、逆転写反応、PCR反応を含む。これらの反応は1ステップで行われることが好ましい。ここで言う1工程とは、これらの反応を途中に抽出・分離工程を入れることなく行うことであり、さらには途中で添加物等を加えることなく行われる行われることが好ましい。特には、測定サンプルを含めた反応溶液を調整した後は、温度コントロールおよび必要に応じて攪拌のみで各反応が順次進められることが好ましい。
以下に、逆転写活性を有する酵素としてM−MLV由来のRNaseH活性除去変異体(東洋紡績製)を、DNAポリメラーゼ活性を有する酵素としてKOD Dash(東洋紡績製)を、単一の塩基からなる核酸オリゴマーとして20塩基からなるポリdTをそれぞれ用いることを例に挙げて、本発明について具体的に説明する。なお、以下に開示する例において構成成分の一部、すなわち酵素の変更または該変更に合わせた試薬組成の改良などは、当業者にとって容易である。したがって、以下の事例は、本発明の内容を何ら限定するものではない。
実施例1
本発明のリボ核酸増幅試薬組成における増幅効率向上効果の確認
(1)試料の調製
RNA抽出キットMagExtractor−RNA−(東洋紡績製)を使用し、HeLa細胞107個よりRNAを抽出した。該RNA抽出キットの取扱説明書にしたがって抽出RNA溶液をDNaseI(ロシュ製)500単位/mlで処理し、RNA溶液を調製した。該RNA溶液をRNアーゼフリーの水で希釈し、HeLa細胞5個または50個分に相当する量のRNAを試料とした。
(2)ポリdTの合成
ポリdTは、ABI社DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、20塩基からなるポリdTを合成することにより得た。手法はABI社のマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃にて一夜実施した。精製はHPLC(ベックマン製)を用い、逆相クロマトカラム(ナカライテスク製)にて実施した。
(3)試料に含まれるリボ核酸の増幅
HeLa細胞5個または50個分に相当する量のRNA試料についてG3PDH遺伝子を標的リボ核酸とする増幅反応を行った。反応液組成は、M−MLV由来逆転写酵素RNaseH活性除去変異体(東洋紡績製)500単位/ml、熱安定性DNAポリメラーゼKOD Dash(東洋紡績製)25単位/ml、RNアーゼ阻害剤(東洋紡績製)500単位/ml、20塩基からなるポリdT200nM、G3PDHプライマーセット(東洋紡績製)各200nM、dATPおよびdGTPおよびdCTPおよびdTTPを各0.4mM、および1倍濃度の増幅用緩衝液(東洋紡績製)である。ただし、本検討におけるポリdTの有効性を確認する目的で、表1に示すようにポリdTを添加しない反応液も用意した。実際の使用にあたっては、反応液に試料溶液を添加し、反応液量を50μlとして、以下の反応に供した。反応条件は以下の通りである:
逆転写反応 42℃、20分
PCR反応 熱変性 :98℃、10秒
アニーリング:60℃、2秒
伸長反応 :74℃、30秒
上記逆転写反応は1回のみ、PCR反応(熱変性、アニーリング、伸長反応)は35回繰り返した。これらの操作はパーキンエルマー社のDNAサーマルサイクラー(GeneAmp9700)を用いて行った。増幅反応後の反応液5μlを2%アガロースゲルにて電気泳動し、エチジウムブロマイド染色した後、紫外線照射下での蛍光を検出した。アガロース電気泳動で得られた写真を図1に示す。なお、図1のレーン番号は表1のサンプル番号に対応する。電気泳動の条件は、定電圧100V、30分間にて行った。
(3)結果
図1(および表1)より明らかなように、本発明の試薬組成(サンプル番号3および4)では明瞭な増幅を確認できるのに対し、RNA増幅試薬組成にポリdTが含まれない場合(サンプル番号1および2)では増幅量が少なく、特にRNA量が少ない場合には増幅を確認できない。したがって、本発明のリボ核酸増幅試薬組成ではポリdTを含んでいることにより、逆転写反応とPCR反応を連続した工程で行う1工程法において増幅効率を著しく向上させることが可能である。
本発明により、逆転写反応とPCR反応を連続した1工程で行うリボ核酸の増幅において増幅効率を著しく向上させることができ、特に研究や診断の現場において結果の信頼性を大きく向上させることが可能となる。
HeLa細胞より抽出したRNAについて、本発明のリボ核酸増幅試薬組成を用いて増幅したDNA断片を示す図面に代わる電気泳動写真である。

Claims (10)

  1. 少なくとも一種類の酵素を含有することにより逆転写活性およびDNAポリメラーゼ活性を有するリボ核酸増幅用試薬組成であって、組成物中に標的リボ核酸および非標的リボ核酸を区別することのない核酸オリゴマーを含有することを特徴とするリボ核酸増幅用試薬組成物。
  2. 組成物中に標的リボ核酸および非標的リボ核酸を区別することのない核酸オリゴマーが単一の塩基からなる核酸オリゴマーであること特徴とする請求項1記載のリボ核酸増幅用試薬組成。
  3. 酵素が逆転写活性および/またはDNAポリメラーゼ活性を有する少なくとも一種類の酵素であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリボ核酸増幅用試薬組成。
  4. 1工程でリボ核酸を増幅するためのリボ核酸増幅用試薬組成であって、
    (a)逆転写活性を有する酵素により試料に含まれるリボ核酸をデオキシリボ核酸に変換し、
    (b)DNAポリメラーゼ活性を有する酵素により標的RNAに相補的なデオキシリボ核酸を増幅するための成分を含有することを特徴とする請求項3に記載のリボ核酸増幅用試薬組成物。
  5. 核酸オリゴマーがチミン塩基からなるホモオリゴマーデオキシヌクレオチド(ポリdT)であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載のリボ核酸増幅用試薬組成物。
  6. 標的リボ核酸および非標的リボ核酸を区別することなく逆転写させる反応を含むことを特徴とする、1工程でのリボ核酸の増幅方法。
  7. 反応容器中に逆転写活性および/またはDNAポリメラーゼ活性を有する酵素、および単一種類の塩基からなる核酸オリゴマーを一緒に存在させ、1工程でリボ核酸を増幅することを特徴とするリボ核酸の増幅方法。
  8. (a)逆転写活性を有する酵素により試料に含まれるリボ核酸をデオキシリボ核酸に変換する工程
    (b)DNAポリメラーゼ活性を有する酵素により標的RNAに相補的なデオキシリボ核酸を増幅する工程を含む請求項6又は7に記載のリボ核酸の増幅方法。
  9. 核酸オリゴマーがチミン塩基からなるホモオリゴマーデオキシヌクレオチド(ポリdT)であることを特徴とする、請求項7または8に記載のリボ核酸の増幅方法。
  10. 請求項6から9のいずれかに記載の方法を用いてリボ核酸を増幅するための試薬またはキット。
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