JP2005303261A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 NMOSFETおよびPMOSFETがともに良好な電流特性を有する半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 シリコン基板1上のNMOS領域に、ニッケルシリサイド膜13からゲート電極11を形成する。また、PMOS領域に、多結晶のシリコン膜12からなるゲート電極10を形成する。ニッケルシリサイド膜13は、シリコン基板1から圧縮応力を受ける材料であり、多結晶のシリコン膜12は、シリコン基板1から引張応力を受ける材料である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、より詳しくは、シリコン基板上にNMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置およびその製造方法に関する。
近年、半導体集積回路装置における高集積化が大きく進展しており、MOS(Metal Oxide Semiconductor)型半導体装置ではトランジスタ等の素子の微細化、高性能化が図られている。特に、MOS構造を構成する要素の一つであるゲート絶縁膜に関しては、上記トランジスタの微細化、高速動作および低電圧化に対応すべく薄膜化が急速に進んでいる。
ゲート絶縁膜を構成する材料としては、従来よりシリコン酸化膜(SiO膜)やシリコン酸窒化膜(SiON膜)などが用いられてきた。しかしながら、これらの材料を用いた場合には、薄膜化に伴いリーク電流が増大するという問題があった。
一方、サブ0.1μm世代のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)では、ゲート絶縁膜に対して、シリコン酸化膜換算膜厚で1.5nm以下の性能が必要とされる。このため、金属酸化膜または金属珪酸化膜(金属シリケート膜)などの比誘電率の大きい材料をゲート絶縁膜として用い、膜厚を大きくすることによってリーク電流を抑制することが提案されている。
また、閾値電圧のシフトを抑制し且つ大きな反転容量を得るために、シリコンに代わって、金属や金属窒化物などをゲート電極に用いることが検討されている。これは、使用する金属の仕事関数に応じて閾値電圧が変化することを利用したもので、金属の種類を適当に選択することによって閾値電圧を制御することが可能となる。また、金属電極はシリコン電極に比較して電極の空乏化が起こり難いので、大きな反転容量を確保することもできる。
半導体基板上に金属または金属窒化物を成膜する場合、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはPVD(Physical Vapor Deposition)法が用いられる(例えば、非特許文献1参照。)。いずれの方法においても、低抵抗性などの膜特性を確保するために、堆積は室温以上の基板温度の下で行われる。
しかしながら、基板と基板上に形成された膜とに熱膨張係数の差があると、これらの間に応力が発生する。すなわち、堆積後に基板温度が室温まで低下すると、基板上に形成された膜は体積収縮を起こすが、その程度が基板が収縮する程度よりも大きい場合には、ゲート電極はシリコン基板から引張応力を受けることになる。ゲート電極直下のチャネル領域は、変形によって引張応力を開放することができないので、その体積を減少させられる方向に力が働く。これは、あたかもチャネル領域を挟んでソース・ドレインウェルがその両側から圧されている状態になる。このため、電子の移動度が低下するようになるという問題があった。
これに対して、ソース・ドレインウェルに圧縮応力を持つSiGeを埋め込むことによって、チャネル領域に一軸性の圧縮応力を導入し、PMOSFETの電流駆動能力を向上させることが提案されている(例えば、非特許文献2参照。)。しかしながら、この場合、NMOSFETは従来のままであるので、その電流駆動能力の向上は図れないという問題があった。
また、チャネル領域のシリコンに対して引張応力を加えると、NMOSFETのドレイン電流が増加する一方で、PMOSFETのドレイン電流は減少することが報告されている(例えば、非特許文献3参照。)。
一方、近年、半導体デバイスの微細化とともに、ソース・ドレインとなるウェルの接合深さは浅くなる傾向にある。しかし、ウェルが浅くなるとウェル抵抗が増大し、デバイス特性に与える寄生抵抗の影響が無視できなくなる。そこで、このようなウェルの極浅化に伴う抵抗の増大に対処するため、ソース・ドレインウェル上に金属シリサイド層を形成することが行われている。
例えば、半導体基板上に、ゲート絶縁膜を介して多結晶シリコンからなるゲート電極を形成し、次いで、このゲート電極の側壁部に絶縁膜を設けた後に、ソース・ドレインウェルを自己整合的に形成する。そして、全面にニッケル膜を形成してから熱処理を行うことにより、ソース・ドレインウェル上にニッケルシリサイド膜を形成することができる(例えば、非特許文献4参照。)。この方法によれば、ゲート電極を形成する多結晶シリコンも完全にシリサイド化することが可能である。
しかしながら、PMOSFETのゲート電極にニッケルシリサイド膜を適用した場合、電流駆動能力が低下するという問題があった。
ダブリュー・サイ(W.Tsai)ら、"サブ1nmゲート絶縁膜のスパッタTiN/HfO2ゲートn/pMOSFET性能比較(Performance Comparison of Sub1nm Sputtered TiN/HfO2 nMOS and pMOSFETs)"、国際電子素子会議(International Electron Devices Meeting,IEDM)、2003年、p.311−314 ティー・チャニ(T.Chani)ら、"新規45nmゲート長歪Si−CMOS技術を用いた量産90nmロジックLSI(A 90nm high Volume Manufacturing Logic Technology Featuring Novel 45nm Gate length Strained Silicon CMOS Technology)"、国際電子素子会議(International Electron Devices Meeting,IEDM)、2003年、p.978−980 2002年固体素子材料に関する国際会議予稿集(Ext.Abst.of Solid State Device and Materials)、2002年、p.14−15 "ニッケルシリサイド金属ゲートを有する引っ張りシリコンNMOS(Strained silicon NMOS with nickel−silicide metal Gate)"、2003年VLSIテクノロジーシンポジウム、2003年、p.101−102
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的はNMOSFETおよびPMOSDFETがともに良好な電流特性を有する半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明にかかる第1の半導体装置は、シリコン基板上にNMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置において、NMOSFETのゲート電極が、シリコン基板から圧縮応力を受ける材料からなることを特徴とするものである。ここで、圧縮応力を受ける材料は金属シリサイドとすることができる。また、PMOSFETのゲート電極は多結晶シリコンからなるものとすることができる。
また、上記第1の半導体装置において、PMOSFETのゲート電極は、シリコン基板から引張応力を受ける材料からなるものとすることができる。ここで、引張応力を受ける材料は、金属および金属窒化物の少なくとも一方とすることができる。また、本発明の半導体装置は、NMOSFETおよびPMOSFETのソース・ドレインウェル上に金属シリサイドが形成されていることが好ましい。
本発明にかかる第2の半導体装置は、シリコン基板上にNMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置において、NMOSFETが、シリコン基板の上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、このゲート電極の側壁部に形成された側壁絶縁膜とを有し、ゲート電極が、ゲート絶縁膜と側壁絶縁膜とによって構成される溝部に沿って形成された金属シリサイド膜を有することを特徴とするものである。この場合、PMOSFETのゲート電極は金属膜からなるものとすることができる。
本発明にかかる第3の半導体装置は、シリコン基板上にNMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置において、NMOSFETが、シリコン基板の上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、このゲート電極の側壁部に形成された側壁絶縁膜とを有し、ゲート電極が、金属窒化膜とこの金属窒化膜の上に形成された金属シリサイド膜とを有し、金属窒化膜および金属シリサイド膜が、いずれもゲート絶縁膜と側壁絶縁膜とによって構成される溝部に沿って設けられていることを特徴とするものである。
本発明における第1の半導体装置の製造方法は、NMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置の製造方法において、素子分離領域、N型ウェル(拡散層。本明細書において同じ。)領域およびP型ウェル領域が設けられたシリコン基板の上にゲート絶縁膜を形成する工程と、このゲート絶縁膜の上にシリコン膜を形成する工程と、このシリコン膜をゲート電極の形状に加工する工程と、シリコン膜をマスクとしてシリコン基板に不純物を注入し、N型エクステンション領域およびP型エクステンション領域を形成する工程と、シリコン膜の側壁部に側壁絶縁膜を形成する工程と、この側壁絶縁膜が形成されたシリコン膜をマスクとしてシリコン基板に不純物を注入し、N型ソース・ドレインウェルおよびP型ソース・ドレインウェルを形成する工程と、PMOSFETの領域にあるシリコン膜の上部にシリサイド化防止膜を形成する工程と、シリコン基板の全面に金属膜を形成する工程と、熱処理によって、NMOSFETの領域にあるシリコン膜を金属膜がシリサイド化された金属シリサイド膜に変えるとともに、N型ソース・ドレインウェルおよびP型ソース・ドレインウェルの上に金属シリサイド膜を形成する工程とを有することを特徴とするものである。
上記第1の半導体装置の製造方法は、シリサイド化防止膜を除去する工程と、シリコン基板の上に、金属シリサイド膜およびシリコン膜を埋め込むようにして層間絶縁膜を形成する工程と、この層間絶縁膜を加工して、金属シリサイド膜およびシリコン膜の表面を露出させる工程と、露出したシリコン膜を選択的に除去し、ゲート絶縁膜に至る溝部を形成する工程と、この溝部の内部に金属および金属窒化物の少なくとも一方を埋め込む工程とをさらに有することができる。
また、本発明における第2の半導体装置の製造方法は、NMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置の製造方法において、素子分離領域、N型ウェル領域およびP型ウェル領域が設けられたシリコン基板の上にゲート絶縁膜を形成する工程と、このゲート絶縁膜の上にシリコン膜を形成する工程と、このシリコン膜の上にハードマスクを形成する工程と、このハードマスクを用いてシリコン膜をゲート電極の形状に加工する工程と、ハードマスクおよびシリコン膜をマスクとしてシリコン基板に不純物を注入し、N型エクステンション領域およびP型エクステンション領域を形成する工程と、ハードマスクおよびシリコン膜の側壁部に側壁絶縁膜を形成する工程と、この側壁絶縁膜が形成されたハードマスクおよびシリコン膜をマスクとしてシリコン基板に不純物を注入し、N型ソース・ドレインウェルおよびP型ソース・ドレインウェルを形成する工程と、シリコン基板の全面に第1の金属膜を形成する工程と、熱処理によって、N型ソース・ドレインウェルおよびP型ソース・ドレインウェルの上に第1の金属膜がシリサイド化された第1の金属シリサイド膜を形成する工程と、この第1の金属シリサイド膜形成後のシリコン基板の上に層間絶縁膜を形成する工程と、この層間絶縁膜を加工して、ハードマスクの表面を露出させる工程と、NMOSFETの領域から露出しているハードマスクを選択的に除去する工程と、シリコン基板の全面に第2の金属膜を形成する工程と、熱処理によって、NMOSFETの領域にあるシリコン膜を第2の金属膜がシリサイド化された第2の金属シリサイド膜に変える工程と、PMOSFETの領域にあるハードマスクを選択的に除去する工程と、ハードマスク除去後に露出したシリコン膜を選択的に除去し、ゲート絶縁膜に至る溝部を形成する工程と、この溝部の内部に金属および金属窒化物の少なくとも一方を埋め込む工程とを有することを特徴とするものである。
また、本発明における第3の半導体装置の製造方法は、NMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置の製造方法において、素子分離領域、N型ウェル領域およびP型ウェル領域が設けられたシリコン基板の上に第1のゲート絶縁膜を形成する工程と、この第1のゲート絶縁膜の上に第1のシリコン膜を形成する工程と、この第1のシリコン膜の上にハードマスクを形成する工程と、このハードマスクを用いて第1のシリコン膜をゲート電極の形状に加工する工程と、ハードマスクおよび第1のシリコン膜をマスクとしてシリコン基板に不純物を注入し、N型エクステンション領域およびP型エクステンション領域を形成する工程と、ハードマスクおよび第1のシリコン膜の側壁部に側壁絶縁膜を形成する工程と、この側壁絶縁膜が形成されたハードマスクおよび第1のシリコン膜をマスクとしてシリコン基板に不純物を注入し、N型ソース・ドレインウェルおよびP型ソース・ドレインウェルを形成する工程と、シリコン基板の全面に第1の金属膜を形成する工程と、熱処理によって、N型ソース・ドレインウェルおよびP型ソース・ドレインウェルの上に第1の金属膜がシリサイド化された第1の金属シリサイド膜を形成する工程と、この第1の金属シリサイド膜形成後の前記シリコン基板の上に層間絶縁膜を形成する工程と、この層間絶縁膜を加工して、ハードマスクの表面を露出させる工程と、NMOSFETの領域から露出しているハードマスクを選択的に除去する工程と、ハードマスク除去後に露出した第1のシリコン膜を選択的に除去する工程と、第1のシリコン膜除去後に露出した第1のゲート絶縁膜を選択的に除去し、シリコン基板に至る第1の溝部を形成する工程と、この第1の溝部の内面に第2のゲート絶縁膜を形成する工程と、この第2のゲート絶縁膜の上に第2のシリコン膜を形成する工程と、第1の溝部を除いて第2のゲート絶縁膜および第2のシリコン膜を除去する工程と、シリコン基板の全面に第2の金属膜を形成する工程と、熱処理によって、第2のシリコン膜を第2の金属膜がシリサイド化された第2の金属シリサイド膜に変える工程と、PMOSFETの領域にあるハードマスクを選択的に除去する工程と、ハードマスク除去後に露出した第1のシリコン膜を選択的に除去し、第1のゲート絶縁膜に至る第2の溝部を形成する工程と、この第2の溝部の内部に金属および金属窒化物の少なくとも一方を埋め込む工程とを有することを特徴とするものである。
また、本発明における第4の半導体装置の製造方法は、NMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置の製造方法において、素子分離領域、N型ウェル領域およびP型ウェル領域が設けられたシリコン基板の上に犠牲ゲート絶縁膜を形成する工程と、この犠牲ゲート絶縁膜の上に犠牲ゲート電極を形成する工程と、この犠牲ゲート電極をマスクとしてシリコン基板に不純物を注入し、N型エクステンション領域およびP型エクステンション領域を形成する工程と、犠牲ゲート電極の側壁部に側壁絶縁膜を形成する工程と、この側壁絶縁膜が形成された犠牲ゲート電極をマスクとしてシリコン基板に不純物を注入し、N型ソース・ドレインウェルおよびP型ソース・ドレインウェルを形成する工程と、犠牲ゲート電極を埋め込むようにして、シリコン基板の上に層間絶縁膜を形成する工程と、この層間絶縁膜を加工して犠牲ゲート電極の表面を露出させる工程と、露出した犠牲ゲート電極を選択的に除去する工程と、犠牲ゲート電極の除去後に露出した犠牲ゲート絶縁膜を選択的に除去し、シリコン基板に至る溝部を形成する工程と、溝部の内面にゲート絶縁膜を形成する工程と、このゲート絶縁膜を形成した後の溝部の内面に沿うようにして金属膜を形成する工程と、この金属膜を形成した後の溝部について、NMOSFETの領域にある溝部の内面に沿うようにして金属膜の上にシリコン膜を選択的に形成する工程と、熱処理によりシリコン膜と金属膜を反応させて、溝部の内面に沿うように金属シリサイド膜を形成する工程と、PMOSFETの領域にある溝部の内面を除いて未反応の金属膜を除去する工程とを有することを特徴とするものである。
さらに、本発明における半導体装置の製造方法は、NMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置の製造方法において、素子分離領域、N型ウェル領域およびP型ウェル領域が設けられたシリコン基板の上に犠牲ゲート絶縁膜を形成する工程と、この犠牲ゲート絶縁膜の上に犠牲ゲート電極を形成する工程と、この犠牲ゲート電極をマスクとしてシリコン基板に不純物を注入し、N型エクステンション領域およびP型エクステンション領域を形成する工程と、犠牲ゲート電極の側壁部に側壁絶縁膜を形成する工程と、この側壁絶縁膜が形成された犠牲ゲート電極をマスクとしてシリコン基板に不純物を注入し、N型ソース・ドレインウェルおよびP型ソース・ドレインウェルを形成する工程と、犠牲ゲート電極を埋め込むようにして、シリコン基板の上に層間絶縁膜を形成する工程と、この層間絶縁膜を加工して犠牲ゲート電極の表面を露出させる工程と、露出した犠牲ゲート電極を選択的に除去する工程と、犠牲ゲート電極の除去後に露出した犠牲ゲート絶縁膜を選択的に除去し、シリコン基板に至る溝部を形成する工程と、この溝部の内面にゲート絶縁膜を形成する工程と、このゲート絶縁膜を形成した後の溝部の内面に沿うようにして金属窒化膜を形成する工程と、この金属窒化膜を形成した後の溝部について、NMOSFETの領域にある溝部の内面に沿うようにして金属窒化膜の上にシリコン膜および金属膜からなる積層膜を選択的に形成する工程と、熱処理によりシリコン膜と金属膜を反応させて、溝部の内面に沿うように金属シリサイド膜を形成する工程と、この金属シリサイド膜の下層と、PMOSFETの領域にある溝部の内面とを除いて金属窒化膜を除去する工程とを有することを特徴とするものである。
この発明は以上説明したように、NMOS領域にあるゲート電極を基板から圧縮応力を受ける材料で構成するので、NMOSFETの電流駆動能力を向上させることができる。また、PMOS領域にあるゲート電極を基板から引張応力を受ける材料で構成することによって、PMOSFETの電流駆動能力を向上させることができる。
NMOS領域にあるゲート絶縁膜と側壁絶縁膜とによって構成される溝部に沿って形成された金属シリサイド膜は、ゲート絶縁膜と接する部分においてチャネル方向に広がろうとする。したがって、本発明によれば、ゲート絶縁膜付近におけるシリコン基板には、シリコンの格子間隔を大きくしようとする力が作用することになり、反作用として金属シリサイド膜はシリコン基板から圧縮応力を受けるようになる。また、本発明によれば、金属膜または金属窒化膜の上にシリサイド膜を積層することによって、NMOSFETのチャネル領域に引張応力を与えている。これにより、金属または金属窒化膜の仕事関数を利用しながら、シリサイド膜の形成により発生する応力によって、電流駆動能力を向上させ且つゲート絶縁膜へのプロセスダメージを低減することが可能となる。
また、金属シリサイド膜とゲート絶縁膜との間に金属窒化膜が存在するので、シリサイド化される金属が、シリサイド化反応の際にシリコン基板へと拡散して行くのを防ぐことができる。
また、ソース・ドレインウェルのシリサイド化と、NMOS領域におけるゲート電極部分でのシリサイド化とを別々の工程で行うので、それぞれ異なる金属シリサイドとすることができる。
さらに、NMOS領域に耐熱性の低いゲート絶縁膜を用いることができるので、比誘電率の大きい材料を用い、その膜厚を大きくすることによってリーク電流を抑制することが可能となる。
図15は、NMOSFETおよびPMOSFETのそれぞれについて、ゲート絶縁膜およびゲート電極を下層からSiO/HfSiON/NiSiの順で構成したものと、下層からSiO/HfSiON/TiN/Wの順で構成したものとについて、ドレイン電圧とドレイン電流との関係を示したものである。ここで、HfSiONは、HfOとSiOの固溶体(HfSiO)の窒化物である。図に示すように、NMOSFETではSiO/HfSiON/NiSiの構成で良好な電気的特性が得られる。一方、PMOSFETではSiO/HfSiON/TiN/Wの構成で電気的特性が向上する。このことより、本発明者は、NMOSFETのゲート電極を金属シリサイドで形成し、PMOSFETのゲート電極を金属で形成することにより優れた電気的特性を有する半導体装置が得られることを見出し、本発明に至った。以下、本発明の実施の形態について述べる。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態における半導体装置の断面図の一例である。
図1において、シリコン基板1には素子分離領域2、N型ウェル領域3、P型ウェル領域4、P型エクステンション領域5、N型エクステンション領域6、P型ソース・ドレインウェル7およびN型ソース・ドレインウェル8が形成されている。
チャネル上には、ゲート絶縁膜9を介してゲート電極10,11が形成されている。本実施の形態においては、PMOS領域にあるゲート電極10が多結晶のシリコン膜12から形成されていて、NMOS領域にあるゲート電極11がニッケルシリサイド膜13から形成されていることを特徴としている。すなわち、PMOS領域にあるゲート電極を基板から引張応力を受ける材料で構成し、NMOS領域にあるゲート電極を基板から圧縮応力を受ける材料で構成しているので、電流単体(電子およびホール)の移動度が低下するのを抑制して電流駆動能力を向上させることができる。
また、図1のP型ソース・ドレインウェル7およびN型ソース・ドレインウェル8にも、ニッケルシリサイド膜13が形成されている。このような構造とすることによって、シリサイド化の際の体積膨張によってチャネル領域がシリサイドにより押されるので、この部分におけるシリコン結晶に歪を加えることができる。
次に、図2〜図4を用いて、本実施の形態にかかる半導体装置の製造方法を説明する。尚、これらの図において、図1と同じ符号を付した部分は同じものであることを示している。
まず、シリコン基板1に素子分離領域2を形成する。その後、シリコン基板1の所定領域にP(リン)またはB(ボロン)を注入して、N型ウェル領域3およびP型ウェル領域4を形成する(図2(a))。
次に、シリコン基板1の上にゲート絶縁膜9を形成する(図2(b))。ゲート絶縁膜9としては、例えばシリコン酸窒化膜を用いることができる。例えば、酸素雰囲気下での短時間の熱処理によって、シリコン基板1の表面に膜厚2nm程度のシリコン酸化膜を形成する。その後、アンモニア雰囲中で窒化することによって、シリコン酸窒化膜を形成することができる。尚、ゲート絶縁膜9は、シリコン酸窒化膜に限られるものではなく、シリコン酸化膜または金属酸化物の誘電体若しくはハフニウムを含む酸化物の誘電体からなる膜であってもよい。
次に、多結晶のシリコン膜12を100nm程度の膜厚で成膜した後、シリコン膜12をゲート電極の形状に加工する(図2(c))。尚、図2(c)において、NMOS領域におけるシリコン膜12はダミーのゲート電極であり、実際に動作するゲート電極は後工程で形成される。
次に、シリコン膜12をマスクにして、N型ウェル領域3にBをイオン注入し、P型ウェル領域4にPをイオン注入する。その後、熱処理による活性化を行うことによって、図3(a)に示すように、P型エクステンション領域5とN型エクステンション領域6を形成する。
次に、側壁絶縁膜としてのシリコン窒化膜14を全面に形成した後、反応性イオンエッチングによって、シリコン膜12の側壁部を除いてシリコン窒化膜14を除去する。これにより、図3(b)に示す構造が得られる。尚、シリコン窒化膜の代わりにシリコン酸化膜を用いてもよい。
次に、レジスト(図示せず)およびシリコン窒化膜14の形成されたシリコン膜12をマスクとして、N型ウェル領域3にBをイオン注入する。その後、同様の方法でP型ウェル領域4にもPをイオン注入する。レジストを剥離した後、熱処理による活性化を行うことによって、P型ソース・ドレインウェル7およびN型ソース・ドレインウェル8を形成する(図3(c))。活性化のための熱処理は、例えば、1,000℃で1秒間程度とすることができる。
本実施の形態においては、NMOSFETのゲート電極を金属シリサイドで構成し、PMOSFETのゲート電極を多結晶のシリコン膜で構成することを特徴としている。このため、ソース・ドレインウェル7,8を形成した後のシリコン基板1の全面に、シリサイド化防止膜としてのシリコン酸化膜15を形成し、PMOS領域にあるシリコン膜12の上面を除いてシリコン酸化膜15を除去する(図4(a))。シリコン酸化膜15の膜厚は、例えば10nm程度とすることができる。
次に、スパッタ法によってニッケル膜16を全面に堆積する(図4(b))。その後、熱処理を行って、NMOS領域にあるシリコン膜12の全てと、ソース・ドレインウェル7,8上とをシリサイド化する。これにより、NMOS領域にニッケルシリサイド膜13からなるゲート電極11が形成される。一方、PMOS領域にあるシリコン膜12の上にはシリコン酸化膜15が形成されているので、この部分でニッケルシリサイドが形成されることはない。したがって、PMOS領域のゲート電極10はシリコン膜12からなるものとすることができる。尚、堆積するニッケル膜16の膜厚は、例えば10nm程度とすることができる。
シリサイド化を終えた後は、未反応のニッケル膜をアンモニア、過酸化水素水および水の混合溶液を用いて除去する。また、シリサイド化防止膜15を除去することによって、図1に示す構造が得られる。
本実施の形態によれば、NMOSFETに金属シリサイドからなるゲート電極を用いている。ここで、金属とシリサイドが反応して形成された金属シリサイドは、元のシリコンより体積膨張して形成されるので、シリコン基板から圧縮応力を受ける材料となる。従来は、NMOSFETのゲート電極を金属または金属窒化物で形成していたので、ゲート電極はシリコン基板から引張応力を受けていた。この場合、ゲート電極直下のチャネル領域が引張応力を開放できないために、その体積を減少させられる方向に力が働いていた。一方、本発明は、シリコン基板から圧縮応力を受ける材料でゲート電極を形成するので、チャネル領域に働く力を逆向きに変えて電子の移動度を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、PMOSFETに多結晶シリコンからなるゲート電極を用いている。すなわち、シリサイド化反応はNMOS領域でのみ起こるので、シリサイド化に伴う体積膨張によって、PMOS領域におけるチャネル領域の体積を減少させる方向に力が働くことはない。したがって、PMOSFETでの電流特性の低下を防ぐことができる。
さらに、本実施の形態によれば、ソース・ドレインウェル上にシリサイドを形成している。したがって、シリサイド化の際の体積膨張によってチャネル領域がシリサイドで圧されるので、この部分におけるシリコン結晶に歪を加えてPMOSFETの電流駆動能力を向上させることができる。尚、ソース・ドレインウェルにシリサイドを形成することにより、NMOSFETのチャネル領域に対しては、その体積を減少させる方向に力が働くことになる。しかし、本発明では、NMOSFETのゲート電極をシリサイドで形成しているので、これによって上記の力は打ち消されてしまうと考えられる。すなわち、NMOSFETに対しては、ゲート電極にシリサイドを用いた効果の方が、ソース・ドレインウェルにシリサイドを形成した効果よりも大きく作用するので、NMOSFETのチャネル領域にはその体積を増加させる方向に力が働く。したがって、本発明によれば、NMOSFETおよびPMOSFETの双方の電流駆動能力を向上させることが可能になる。
尚、本実施の形態では、ソース・ドレインウェルにシリサイドを形成する例に付いて述べたが本発明はこれに限られるものではない。ソース・ドレインウェルにシリサイドを形成しない場合にも本発明を適用することができる。
実施の形態2.
図5は、本実施の形態における半導体装置の断面図の一例である。
図5において、シリコン基板101には素子分離領域102、N型ウェル領域103、P型ウェル領域104、P型エクステンション領域105、N型エクステンション領域106、P型ソース・ドレインウェル107およびN型ソース・ドレインウェル108が形成されている。
チャネル上には、ゲート絶縁膜109を介してゲート電極1010,1011が形成されている。本実施の形態は、NMOS領域にあるゲート電極1011がニッケルシリサイド膜1013から形成されている点では実施の形態1と共通する。しかし、PMOS領域にあるゲート電極1010が、窒化チタン膜1017およびタングステン膜1018から形成されている点で実施の形態1と異なる。このような構成とすることによって、電極の空乏化を抑制して大きな反転容量を確保することが可能となる。尚、ゲート電極1010を構成する金属の種類は閾値電圧に応じて適宜選択すればよく、上記の窒化チタン膜やタングステン膜に限られるものではない。
次に、図6および図7を用いて、本実施の形態にかかる半導体装置の製造方法を説明する。尚、これらの図において、図5と同じ符号を付した部分は同じものであることを示している。
まず、実施の形態1で述べた図1〜図4と同様の工程を経て、シリコン基板101上のNMOS領域にニッケルシリサイド膜1013からなるゲート電極1011を、PMOS領域に多結晶のシリコン膜1012からなるダミーゲート電極1019をそれぞれ形成する(図6(a))。尚、実施の形態1においては、PMOS領域の多結晶シリコンはゲート電極であった。一方、本実施の形態においては、多結晶シリコンはダミーのゲート電極であり、実際に動作するゲート電極は後工程で形成される。
次に、層間絶縁膜1020をCVD法で堆積した後、CMP(Chemichal Mechanical Polishing)法によってニッケルシリサイド膜1013およびシリコン膜1012の表面が露出するように加工する(図6(b))。層間絶縁膜1020としては、例えばシリコン酸化膜を用いることができる。
次に、PMOS領域にあるシリコン膜1012を選択的に除去し、図7(a)に示すように、PMOS領域のゲート電極1010が形成される部分に溝部を形成する。
シリコン膜1012の除去は、ドライエッチングによって行ってもよいし、ウェットエッチングによって行ってもよい。
例えば、SFガスをエッチングガスとし、電極間にバイアスを印加しない状態で行う反応性イオンエッチングによって、シリコン膜1012を除去することができる。この場合、電極間に低いバイアスを印加してもよい。また、例えば、ClおよびBClの混合ガスを用いた反応性イオンエッチングによっても、シリコン膜1012を除去することができる。尚、シリコン基板上に犠牲ゲート絶縁膜を形成する場合には、ClとBClとの混合ガスにOを添加することによって、犠牲ゲート絶縁膜とのエッチング選択比を大きくすることができる。
また、例えば、温度80℃〜100℃程度の濃KOH水溶液を用いたウェットエッチングによって、シリコン酸化膜1012を除去することもできる。
次に、全面に窒化チタン膜1017およびタングステン膜1018をこの順に堆積する(図7(b))。窒化チタン膜の代わりに、他の金属膜若しくは金属窒化膜またはルテニウム酸化膜を堆積してもよい。
次に、マスク等を用いたドライエッチングにより、PMOSFETのゲート電極部分を除いて、窒化チタン膜1017およびタングステン膜1018を除去する。これにより、PMOS領域に、窒化チタン膜1017およびタングステン膜1018からなるゲート電極1010を形成することができる(図5)。
本実施の形態によれば、NMOSFETに金属シリサイドからなるゲート電極を用いている。ここで、金属とシリサイドが反応して形成された金属シリサイドは、元のシリコンより体積膨張して形成されるので、シリコン基板から圧縮応力を受ける材料となる。従来は、NMOSFETのゲート電極を金属または金属窒化物で形成していたので、ゲート電極はシリコン基板から引張応力を受けていた。この場合、ゲート電極直下のチャネル領域が引張応力を開放できないために、その体積を減少させられる方向に力が働いていた。一方、本発明は、シリコン基板から圧縮応力を受ける材料でゲート電極を形成するので、チャネル領域に働く力を逆向きに変えて電子の移動度を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、PMOSFETに金属からなるゲート電極を用いている。したがって、実施の形態1で得られる効果に加えて、さらに、電極の空乏化を抑制して大きな反転容量を確保することが可能となる。金属の種類は閾値電圧に応じて適宜選択すればよく、上記の窒化チタン膜やタングステン膜に限られるものではない。本実施の形態においては、例えば、チタン、タンタル、モリブデン、タングステン、ジルコニウムおよびハフニウムなどの金属および/またはこれらの金属の窒化物などを用いることができる。
尚、本実施の形態では、ソース・ドレインウェルにシリサイドを形成する例に付いて述べたが本発明はこれに限られるものではない。ソース・ドレインウェルにシリサイドを形成しない場合にも本発明を適用することができる。
実施の形態3.
図8は、本実施の形態における半導体装置の断面図の一例である。
図8において、シリコン基板201には素子分離領域202、N型ウェル領域203、P型ウェル領域204、P型エクステンション領域205、N型エクステンション領域206、P型ソース・ドレインウェル207およびN型ソース・ドレインウェル208が形成されている。
チャネル上には、ゲート絶縁膜209を介してゲート電極2010,2011が形成されている。本実施の形態は、NMOS領域にあるゲート電極2011がニッケルシリサイド膜1013から形成されており、PMOS領域にあるゲート電極2010が窒化チタン膜1017およびタングステン膜1018から形成されている点で実施の形態1と共通する。しかし、ソース・ドレインウェル207,208に形成されたシリサイドが、ゲート電極2011を形成するシリサイドとは異なる金属シリサイド(コバルトシリサイド膜2021)である点で異なる。このような構成とすることによって、NMOS領域に適した金属シリサイドを用いてゲート電極を形成することができるので、NMOSFETの電気的特性を向上させることができる。
次に、図9〜図12を用いて、本実施の形態にかかる半導体装置の製造方法を説明する。尚、これらの図において、図8と同じ符号を付した部分は同じものであることを示している。
まず、実施の形態1で述べた図2(a)〜図2(b)と同様の工程を経て、シリコン基板201上にゲート絶縁膜209を形成する(図9(a))。ゲート絶縁膜209としては、例えばシリコン酸窒化膜を用いることができる。例えば、酸素雰囲気下での短時間の熱処理によって、シリコン基板201の表面に膜厚2nm程度のシリコン酸化膜を形成する。その後、アンモニア雰囲中で窒化することによって、シリコン酸窒化膜を形成することができる。尚、ゲート絶縁膜209は、シリコン酸窒化膜に限られるものではなく、シリコン酸化膜または金属酸化物の誘電体若しくはハフニウムを含む酸化物の誘電体からなる膜であってもよい。
次に、ゲート絶縁膜209の上に、膜厚100nm程度である多結晶のシリコン膜2012を形成した後、さらに、ハードマスク2022としてのシリコン酸化膜を形成する。尚、シリコン酸化膜の代わりにシリコン窒化膜を形成してもよい。
次に、ハードマスク2022を用いて、シリコン膜2012をゲート電極の形状に加工する(図9(b))。この際、図に示すように、シリコン膜2012のエッチング終了後もハードマスク2022がシリコン膜2012上に残るようにする。尚、加工後のシリコン膜2012は全てダミーのゲート電極であり、実際に動作するゲート電極は後工程で形成される。
次に、ハードマスク2022およびシリコン膜2012をマスクとして、N型ウェル領域203にBをイオン注入し、P型ウェル領域204にPをイオン注入する。その後、熱処理による活性化を行うことによって、図9(c)に示すように、P型エクステンション領域205とN型エクステンション領域206を形成する。
次に、側壁絶縁膜としてのシリコン窒化膜2014を全面に形成した後、反応性イオンエッチングによって、シリコン膜2012およびハードマスク2022の側壁部を除いてシリコン窒化膜2014を除去する(図10(a))。尚、シリコン窒化膜の代わりにシリコン酸化膜を用いてもよい。
次に、レジスト(図示せず)並びにシリコン窒化膜2014の形成されたシリコン膜2012およびハードマスク2022をマスクとして、N型ウェル領域203にBをイオン注入する。その後、同様の方法でP型ウェル領域204にもPをイオン注入する。レジストを剥離した後、熱処理による活性化を行うことによって、P型ソース・ドレインウェル207およびN型ソース・ドレインウェル208を形成する(図10(b))。活性化のための熱処理は、例えば、1,000℃で1秒間程度とすることができる。
次に、スパッタ法によって、第1の金属膜としてのコバルト膜(図示せず)を全面に堆積した後、熱処理によってシリサイド化反応を行う。このとき、シリコン膜2012上にはハードマスク2022が形成されているので、ゲート電極部分がシリサイド化されることはなく、ソース・ドレインウェル207,208のみがシリサイド化される。その後、未反応のコバルト膜を除去することによって、図10(c)に示すように、ソース・ドレインウェル207,208上にのみ、第1の金属シリサイド膜としてのコバルトシリサイド膜2021が形成された構造が得られる。
次に、層間絶縁膜2020をCVD法で堆積した後、CMP法によってハードマスク2022の表面が露出するように加工する(図11(a))。層間絶縁膜2020としては、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。
次に、PMOS領域上にレジスト膜2023を形成した後、レジスト膜2023をマスクとして、NMOS領域にあるハードマスク2022を選択的に除去する(図11(b))。
ここで、ハードマスク2022および層間絶縁膜2020にシリコン酸化膜を用いた場合には、層間絶縁膜2020に対してハードマスク2022を選択的にエッチングすることはできない。したがって、ハードマスク2022を除去する際に、ハードマスク2022と同じ膜厚分の層間絶縁膜2020が一緒に除去されることになる。一方、ハードマスク2022としてシリコン窒化膜を用いた場合には、層間絶縁膜2020がシリコン酸化膜であってもエッチング選択比を確保することができる。また、この場合、CHFおよびOの混合ガス、CHガスまたはCHFガス等をエッチングガスに用いることによって、層間絶縁膜2020およびシリコン膜2012に対するハードマスク2022のエッチング選択比をさらに大きくすることが可能となる。
次に、第2の金属膜としてのニッケル膜(図示せず)をPVD法によって全面に成膜する。尚、成膜は、最初にCVD法で薄い膜を形成してからPVD法に切り替えて行ってもよい。次に、熱処理を行って、NMOS領域にあるシリコン膜2012を全てシリサイド化する。これにより、NMOS領域に、第2の金属シリサイド膜としてのニッケルシリサイド膜2013からなるゲート電極2011が形成される。一方、PMOS領域にあるシリコン膜2012の上にはハードマスク2023が形成されているので、この部分でニッケルシリサイドが形成されることはない。したがって、PMOS領域のゲート電極部分はシリコン膜2012のままである。
シリサイド化を終えた後は、未反応のニッケル膜をアンモニア、過酸化水素水および水の混合溶液を用いて除去する。これにより、図11(c)に示す構造が得られる。尚、図11(b)では、NMOS領域のハードマスク2023を除去することによって、シリコン膜2012の表面は層間絶縁膜2020の表面より低くなる。しかし、シリサイド化により体積膨張が起こるので、ハードマスク2022およびシリコン膜2012の膜厚を予め調整しておくことによって、ニッケルシリサイド膜2013の表面を層間絶縁膜2020の表面に略一致させることができる。
次に、不要となったレジスト膜2023を除去してから、NMOS領域上にレジスト膜2024を形成する。そして、レジスト膜2024をマスクとして、PMOS領域にあるハードマスク2022を選択的に除去し、さらに、シリコン膜2012も選択的に除去する(図12(a))。
本実施の形態においては、PMOS領域のシリコン膜2012を除去した後に、さらにゲート絶縁膜209を除去してもよい。この段階では、高温での熱処理が必要なソース・ドレインウェル207,208の形成工程やシリサイド化工程を終えているので、耐熱性の低い材料を用いて新たにゲート絶縁膜を形成することができる。
次に、不要となったレジスト膜2024を除去してから、全面に窒化チタン膜2017およびタングステン膜2018をこの順に堆積する(図12(b))。窒化チタン膜2017の膜厚は例えば5nm程度とすることができ、タングステン膜2018の膜厚は例えば100nm程度とすることができる。
次に、マスク等を用いたドライエッチングにより、PMOS領域のゲート電極部分を除いて、窒化チタン膜2017およびタングステン膜2018を除去する。これにより、PMOS領域に、窒化チタン膜2017およびタングステン膜2018からなるゲート電極2010を形成することができる(図8)。
尚、PMOS領域のゲート電極に適用する金属の種類は閾値電圧に応じて適宜選択すればよく、上記の窒化チタン膜やタングステン膜に限られるものではない。本実施の形態においては、例えば、チタン、タンタル、モリブデン、タングステン、ジルコニウムおよびハフニウムなどの金属および/またはこれらの金属の窒化物などを用いることができる。
本実施の形態によれば、ソース・ドレインウェルのシリサイド化と、NMOS領域におけるゲート電極部分でのシリサイド化とを別々の工程で行うので、それぞれ異なる金属シリサイドとすることができる。したがって、例えば、ソース・ドレインウェルにはCoSiを形成し、NMOS領域のゲート電極にはNiSiを適用することも可能である。但し、ゲート電極をシリサイド化する際の温度が、先に形成したソース・ドレインウェルの金属シリサイドの耐熱温度を超えることがないようにする必要がある。具体的には、ソース・ドレインウェルに適用する金属シリサイドは、ゲート電極に用いる金属シリサイドよりも高い耐熱性を有するものでなければならない。例えば、CoSiの形成には600℃以上の温度での加熱が必要となるが、NiSiの形成には450℃程度の加熱でよい。したがって、CoSiをソース・ドレインウェルに用いた場合には問題ないが、ゲート電極に用いた場合には、シリサイド化の際に先に形成したNiSiがNiSiとなってNiが析出するおそれが生じる。
尚、本実施の形態では、ソース・ドレインウェルにシリサイドを形成する例に付いて述べたが本発明はこれに限られるものではない。ソース・ドレインウェルにシリサイドを形成しない場合にも本発明を適用することができる。
実施の形態4.
図13および図14を用いて、本実施の形態における半導体装置の製造方法を説明する。
まず、素子分離領域302、N型ウェル領域303およびP型ウェル領域304が設けられたシリコン基板301の上に、第1のゲート絶縁膜309を形成し、第1のゲート絶縁膜309の上に第1のシリコン膜3012を形成する。次に、第1のシリコン膜3012の上にハードマスク3022を形成した後、ハードマスク3022を用いて第1のシリコン膜3012をゲート電極の形状に加工する。次に、ハードマスク3022および第1のシリコン膜3012をマスクとしてシリコン基板301に不純物を注入し、N型エクステンション領域306およびP型エクステンション領域305を形成してから、ハードマスク3022および第1のシリコン膜3012の側壁部に側壁絶縁膜3014を形成する。次に、側壁絶縁膜3014が形成されたハードマスク3022および第1のシリコン膜3012をマスクとしてシリコン基板301に不純物を注入し、N型ソース・ドレインウェル308およびP型ソース・ドレインウェル307を形成する。その後、シリコン基板301の全面に第1の金属膜(図示せず)を形成した後、熱処理によって、N型ソース・ドレインウェル308およびP型ソース・ドレインウェル307の上に、第1の金属膜がシリサイド化された第1の金属シリサイド膜3021を形成する。次に、シリコン基板301の上に層間絶縁膜3020を形成し、層間絶縁膜3020を加工して、ハードマスク3022の表面を露出させる。
具体的には、実施の形態3で述べた図9〜図11(b)と同様の工程を経て、PMOS領域上にレジスト膜3023を形成した後、レジスト膜3023をマスクとして、NMOS領域にあるハードマスク3022を選択的に除去する(図13(a))。さらに、レジスト膜3023をマスクとして、NMOS領域にある第1のシリコン膜としてのシリコン膜3012を選択的に除去する(図13(b))。例えば、ゲート絶縁膜309(第1のゲート絶縁膜)としてシリコン酸窒化膜を用いた場合には、HBrおよびOの混合ガスまたはSFガスなどを用いることによって、高い選択比でシリコン膜3012をエッチングすることが可能である。
本実施の形態においては、NMOS領域のシリコン膜3012を除去した後に、さらにゲート絶縁膜309を除去し、新たに他のゲート絶縁膜(第2のゲート絶縁膜)を形成することを特徴としている。この段階では、高温での熱処理が必要なソース・ドレインウェル307,308の形成工程やシリサイド化工程(第1の金属シリサイド膜としてのコバルトシリサイド膜3021の形成)を終えているので、耐熱性の低い材料をゲート絶縁膜として用いることが可能になる。例えば、レジスト膜3023を除去した後、ゲート絶縁膜309の除去によって露出したシリコン基板301の上に、膜厚0.5nm程度のSiO膜および膜厚2nm程度のHfSiON膜をこの順に堆積し、新たなゲート絶縁膜3025を形成する。
次に、NMOS領域のゲート電極部分にある第1の溝部を埋め込むようにして、ゲート絶縁膜3025上に、第2のシリコン膜としての多結晶のシリコン膜3026を形成する(図13(c))。シリコン膜3026の膜厚は、例えば10nm程度とすることができる。また、ゲート絶縁膜3025の耐熱性を考慮して、シリコン膜3026の成膜にはPVD法によって行うことが好ましい。但し、PVD法では溝部の埋め込みを十分に行うことが難しい場合には、最初にCVD法で薄い膜を形成してからPVD法に切り替えて成膜してもよい。
次に、第2の金属膜としてのニッケル膜(図示せず)をPVD法によって全面に成膜する。尚、ニッケル膜の代わりに、コバルト膜またはチタン膜などの他の金属膜を成膜してもよい。また、成膜は、最初にCVD法で薄い膜を形成してからPVD法に切り替えて行ってもよい。次に、熱処理を行って、NMOS領域にあるシリコン膜3026を全てシリサイド化する。これにより、NMOS領域に、第2の金属シリサイド膜としてのニッケルシリサイド膜3013からなるゲート電極3011が形成される。一方、PMOS領域にあるシリコン膜3012の上にはハードマスク3022が形成されているので、この部分でニッケルシリサイドが形成されることはない。したがって、PMOS領域のゲート電極部分はシリコン膜3012のままである。
シリサイド化を終えた後は、未反応のニッケル膜をアンモニア、過酸化水素水および水の混合溶液を用いて除去する。これにより、図14(a)に示す構造が得られる。
この後は、実施の形態3で述べた図12と同様の工程を経ることによって、PMOS領域に、窒化チタン膜3017およびタングステン膜3018からなるゲート電極3010を形成することができる(図14(b))。すなわち、PMOSFETの領域にあるハードマスク3022を選択的に除去した後、露出したシリコン膜3012を選択的に除去して第1のゲート絶縁膜309に至る第2の溝部(ゲート電極3010に対応)を形成する。次に、この第2溝部の内面に窒化チタン膜3017を形成してから、窒化チタン膜3017の上にさらにタングステン膜3018を形成する。その後、第2の溝部を除いて窒化チタン膜3017およびタングステン膜3018を除去する。
尚、PMOS領域のゲート電極に適用する金属の種類は閾値電圧に応じて適宜選択すればよく、上記の窒化チタン膜やタングステン膜に限られるものではない。本実施の形態においては、例えば、チタン、タンタル、モリブデン、タングステン、ジルコニウムおよびハフニウムなどの金属および/またはこれらの金属の窒化物などを用いることができる。
本実施の形態によれば、実施の形態3で得られる効果に加えて、さらにNMOS領域に耐熱性の低いゲート絶縁膜を用いることができる。したがって、金属酸化膜または金属珪酸化膜(金属シリケート膜)などの比誘電率の大きい材料を用い、その膜厚を大きくしてリーク電流を抑制することが可能となる。
尚、本実施の形態では、ソース・ドレインウェルにシリサイドを形成する例に付いて述べたが本発明はこれに限られるものではない。ソース・ドレインウェルにシリサイドを形成しない場合にも本発明を適用することができる。
実施の形態5.
まず、シリコン基板401の所定領域にシリコン酸化膜を埋め込み、STI(Shallow Trench Isolation)構造の素子分離領域402および犠牲ゲート絶縁膜403を形成する。犠牲ゲート絶縁膜403としては、例えばシリコン酸化膜などを用いることができる。次に、シリコン基板401のPMOSFET領域にP(リン)を注入した後、同様の方法で、シリコン基板401のNMOSFET領域にB(ボロン)を注入する。その後、熱処理により不純物を拡散させることによって、N型ウェル領域406およびP型ウェル領域407を形成する(図16(a))。
次に、犠牲ゲート絶縁膜403の上に、多結晶のシリコン膜408をCVD法によって形成した後、シリコン膜408をゲート電極の形状に加工する(図16(b))。ここで、シリコン膜408は犠牲ゲート電極であり、実際に動作するゲート電極は後工程で形成される。
次に、シリコン膜408をマスクとして、N型ウェル領域406にBを、P型ウェル領域407にPをそれぞれイオン注入する。その後、熱処理による活性化を行うことによって、P型エクステンション領域409とN型エクステンション領域4010を形成する(図16(c))。
次に、CVD法を用いてシリコン窒化膜4011を全面に形成した後、反応性イオンエッチングによって、シリコン膜408の側壁部を残してシリコン窒化膜4011を除去する。その後、側壁絶縁膜としてのシリコン窒化膜4011が形成されたシリコン膜408をマスクとして、N型ウェル領域406にBを、P型ウェル領域407にPをそれぞれイオン注入する。その後、熱処理による活性化を行うことによって、P型ソース・ドレインウェル4012およびN型ソース・ドレインウェル4013を形成する(図17(a))。
次に、シリコン膜408の下部を除いて犠牲ゲート絶縁膜403を除去した後、全面にニッケル膜(図示せず)およびチタンナイトライド膜(図示せず)を成膜して、熱処理を行う。その後、チタンナイトライド膜および未反応のニッケル膜をエッチング除去することによって、ソース・ドレインウェル(4012,4013)の上にのみ選択的にニッケルシリサイド膜4014を形成する(図17(b))。
次に、層間絶縁膜4015をCVD法または塗布法によって形成した後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、シリコン膜408の表面が露出するまで研磨する。その後、露出したシリコン膜408を反応性イオンエッチングによって選択的に除去する(図17(c))。
次に、露出した犠牲ゲート絶縁膜403を除去することによってシリコン基板401に至る溝部4017を形成する。そして、シリコン基板401の上に、新たにゲート絶縁膜4016を形成する(図18(a))。具体的には、溝部4017を被覆するようにして、層間絶縁膜4015の上にゲート絶縁膜4016を形成する。
ゲート絶縁膜4016としては、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜または高誘電率の金属酸化膜などを用いることができる。尚、ゲート絶縁膜4016は、下から順に、シリコン酸化膜、高誘電率の金属酸化膜が積層された膜であってもよいし、シリコン酸窒化膜、高誘電率の金属酸化膜が積層された膜であってもよい。ここで、高誘電率の金属酸化膜としては、例えば、MgO、Sc、Y、La、Pr、Nd、Sm、EuO、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Lu、ZrO、HfO、CeOまたはAlなどが挙げられる。また、HfOとAlの固溶体であるハフニウムアルミネート(HfAlO(x≧1))またはHfOとSiOの固溶体であるハフニウムシリケート(HfSi1−x)なども高誘電率の金属酸化膜として用いることができる。さらに、ハフニウムシリケートに窒素が含まれた窒化ハフニウムシリケートは、リーク電流低減の観点から高誘電率の金属酸化膜として有効である。
次に、溝部4017を被覆するようにして、ゲート絶縁膜4016の上に金属膜4018を形成する(図18(b))。金属膜4018としては、例えば、ニッケル膜、コバルト膜、タンタル膜、白金膜、イリジウム膜またはパラジウム膜などが挙げられる。また、金属膜4018の膜厚は、溝部4017の寸法と、次工程で形成するシリコン膜4019の膜厚とを比較考量して決定する。例えば、溝部4017の幅方向の寸法が40nmである場合、金属膜4018の膜厚は10nm以下であることが好ましい。
次に、金属膜4018の上にシリコン膜4019を形成した後、NMOSFETのチャネル領域を除いてシリコン膜4019を選択的に除去する。図18(c)は、フォトリソグラフィー法によってシリコン膜4019を選択的に除去した例である。この場合、マスクとの重ね合わせのマージンを確保するために、溝部4017の周辺の層間絶縁膜4015上にもシリコン膜4019を残している。しかし、CMP法によって不要なシリコン膜4019を除去する場合には、溝部4017にのみシリコン膜4019が残る構造となる。
本実施の形態においては、シリコン膜4019は、溝部4017を完全に埋め込まない膜厚で形成される。
図19は、図18(c)におけるNMOSFETのゲート電極部付近の拡大図である。ゲート長をL、ゲート絶縁膜4016の膜厚をd、金属膜4018の膜厚をdとすると、シリコン膜4019の膜厚dは少なくとも式(1)を満足するようにする。
<(L/2)−(d+d) (1)
次に、熱処理を行うことによって、シリコン膜4019を金属膜4018と反応させて金属シリサイド膜4020を形成する。熱処理の温度は、金属膜4018の種類によって適宜選択される。例えば、金属膜4018として白金膜を用いた場合には、400℃程度の温度で熱処理することによって白金シリサイド膜を形成することができる。その後、PMOSFETのチャネル領域を除いて、未反応の金属膜4018を除去することにより図20(a)の構造とすることができる。
その後、NMOSFETとPMOSFETにおける各ゲート電極の表面の位置を合わせるために、各ゲート電極の溝部4017を適当な金属膜によって埋め込む。例えば、金属膜としてタングステン膜4022を用い、溝部4017を埋め込むようにして、タングステン膜4022をCVD法により全面に形成する(図20(b))。続いて、CMP法によって、溝部4017を除いてタングステン膜4022およびゲート絶縁膜4016を除去する。以上の工程によって、図21(a)に示す構造が得られる。また、CMP法でなくフォトリソグラフィー法による場合には、図21(b)に示すような構造が得られる。尚、図21(b)において、ゲート絶縁膜4016もタングステン膜4022とともにパターニングされていてもよい。
このように、本実施の形態においては、NMOSFETのゲート電極は、ゲート絶縁膜4016と、側壁絶縁膜としての窒化シリコン膜4011とによって構成される溝部に沿って形成された金属シリサイド膜4020を有する。一方、PMOSFETのゲート電極は、金属膜4018とタングステン膜4022によって構成される。本実施の形態におけるタングステン膜4022は、シリコン基板401から引張応力を受ける材料となる。
シリコン基板上に形成された金属シリサイド膜は、一般に、シリコン基板から引張応力を受けることが知られている。これは、反応に寄与したシリコンと金属との合計体積より、形成された金属シリサイドの体積の方が小さいことに起因する。すなわち、シリサイド化反応によって膜の体積収縮が起こることにより、形成された金属シリサイド膜が下地のシリコン基板に引っ張られることになるためである。
一方、本実施の形態においては、ゲート電極部を完全に埋め込まずに溝部が形成される膜厚でシリコン膜を形成し、このシリコン膜を下地の金属膜と反応させて金属シリサイド膜を形成する。このようにすることによって、金属シリサイド膜は、ゲート電極部を完全に埋め込む形状とはならずにゲート電極部の内面に沿う形状となる。換言すると、金属シリサイド膜は、ゲート絶縁膜と側壁絶縁膜によって作られる溝部に沿って形成される。このため、ゲート絶縁膜と接する部分における金属シリサイド膜はチャネル方向に広がろうとするので、ゲート絶縁膜付近におけるシリコン基板には、シリコンの格子間隔を大きくしようとする力が作用することになる。これに対し、シリコン基板は、元に戻ろうとして金属シリサイド膜を圧縮しようとする結果、金属シリサイド膜は、シリコン基板から圧縮応力を受けるようになる。本実施の形態における金属シリサイド膜の膜厚は、少なくともゲート長の寸法の1/2以下であって0.5nm以上であればよい。
また、CVD法などによって形成された金属膜は、下地のシリコン基板を圧縮する方向に力を働かせる。このため、金属膜をゲート電極材料として用いることによって、ゲート絶縁膜付近におけるシリコン基板には、シリコンの格子間隔を小さくしようとする力が作用する。これに対し、シリコン基板は、元に戻ろうとして金属膜を引っ張ろうとする結果、金属膜は、シリコン基板から引張応力を受けるようになる。
以上より、金属シリサイド膜をNMOSFETのゲート電極材料として用い、金属膜をPMOSFETのゲート電極材料として用いることによって、電気的特性に優れた半導体装置とすることができる。すなわち、NMOSFETのゲート電極を基板から圧縮応力を受ける材料で構成し、PMOSFETのゲート電極を基板から引張応力を受ける材料で構成しているので、電流単体(ホールおよび電子)の移動度が低下するのを抑制して、半導体装置の電流駆動能力を向上させることが可能となる。また、本実施の形態によれば、図17(c)で述べたように、露出した犠牲ゲート電極をPMOSFETおよびNMOSFETについて同時に除去することにより、全体の工程を簡略化させて半導体装置を容易に製造できるという効果も得られる。
尚、本実施の形態においては、シリサイド化反応を熱処理によって行ったが、閃光またはレーザ光を照射することにより行ってもよい。この方法によれば、放射する光の波長と、ゲート電極を構成する材料の吸収および反射特性を考慮することによって、ソース・ドレインウェルの表面に耐熱性の低い金属シリサイド膜を適用することが可能となる。この場合、閃光またはレーザ光がソース・ドレインウェルを照射しないようにゲート電極を配置することが好ましい。
実施の形態6.
実施の形態5で説明した図16(a)〜図18(a)の工程にしたがって、図22(a)の構造を形成する。図22(a)において、501はシリコン基板、502は素子分離領域、506はN型ウェル領域、507はP型ウェル領域、509はP型エクステンション領域、5010はN型エクステンション領域、5011はシリコン窒化膜、5012はP型ソース・ドレインウェル、5013はN型ソース・ドレインウェル、5014はニッケルシリサイド膜、5015は層間絶縁膜、そして5016はゲート絶縁膜である。
ゲート絶縁膜5016としては、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜または高誘電率の金属酸化膜などを用いることができる。尚、ゲート絶縁膜5016は、下から順に、シリコン酸化膜、高誘電率の金属酸化膜が積層された膜であってもよいし、シリコン酸窒化膜、高誘電率の金属酸化膜が積層された膜であってもよい。ここで、高誘電率の金属酸化膜としては、例えば、MgO、Sc、Y、La、Pr、Nd、Sm、EuO、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Lu、ZrO、HfO、CeOまたはAlなどが挙げられる。また、HfOとAlの固溶体であるハフニウムアルミネート(HfAlO(x≧1))またはHfOとSiOの固溶体であるハフニウムシリケート(HfSi1−x)なども高誘電率の金属酸化膜として用いることができる。さらに、ハフニウムシリケートに窒素が含まれた窒化ハフニウムシリケートは、リーク電流低減の観点から高誘電率の金属酸化膜として有効である。
次に、溝部5017の内面に沿うようにして、ゲート絶縁膜5016の上に金属窒化膜5025を形成する(図22(b))。金属窒化膜5025としては、例えば、窒化チタン膜、窒化タンタル膜、窒化ジルコニウム膜、窒化ハフニウム膜または窒化タングステン膜などを用いることができる。
次に、溝部5017の内面に沿うようにして、金属窒化膜5025の上に、金属膜5018およびシリコン膜5019を形成する。金属膜5018としては、例えば、ニッケル膜、コバルト膜、タンタル膜、白金膜、イリジウム膜、パラジウム膜、ジルコニウム膜またはハフニウム膜などが挙げられる。
本実施の形態においては、金属窒化膜5025の上に、金属膜5018とシリコン膜5019からなる積層膜が形成されればよく、金属膜5018とシリコン膜5019のいずれが先に成膜されてもよい。その後、NMOSFETのチャネル領域を除いて金属膜5018およびシリコン膜5019を選択的に除去し、図22(c)の構造とする。図22(c)では、金属膜5018に対してシリコン膜5019が下層に設けられているが、金属膜5018が下層であってもよい。
尚、図22(c)は、フォトリソグラフィー法によって金属膜5018とシリコン膜5019を選択的に除去した例である。この場合、マスクとの重ね合わせのマージンを確保するために、溝部5017の周辺の金属窒化膜5025上にもこれらの膜を残している。しかし、CMP法によって除去する場合には、溝部5017にのみ金属膜5018およびシリコン膜5019が残る構造となる。
本実施の形態においては、金属膜5018およびシリコン膜5019からなる積層膜は、溝部5017を完全に埋め込まない膜厚で形成される。例えば、ゲート長をL´、ゲート絶縁膜5016の膜厚をdとすると、金属膜5018とシリコン膜5019からなる積層膜の膜厚dは少なくともd<(L´/2)−dの関係を満たすようにする。
次に、熱処理を行うことによって、シリコン膜5019を金属膜5018と反応させて金属シリサイド膜5020を形成する。熱処理の温度は、金属膜4018の種類によって適宜選択される。例えば、金属膜5018として白金膜を用いた場合には、400℃程度の温度で熱処理することによって白金シリサイド膜を形成することができる。その後、金属シリサイド膜5020の下およびPMOSFETのチャネル領域を除いて、不要な金属窒化膜5025を除去することにより図23(a)の構造とすることができる。尚、図23(a)において、ゲート絶縁膜5016も金属窒化膜5025とともにパターニングされていてもよい。
その後、NMOSFETとPMOSFETにおける各ゲート電極の表面の位置を合わせるために、各ゲート電極の溝部5017を適当な金属膜によって埋め込む。例えば、金属膜としてタングステン膜5022を用い、溝部5017を埋め込むようにして、タングステン膜5022をCVD法により全面に形成する(図23(b))。続いて、CMP法によって、溝部5017を除いてタングステン膜5022およびゲート絶縁膜5016を除去する。以上の工程によって、図24(a)に示す構造が得られる。また、CMP法でなくフォトリソグラフィー法による場合には、図24(b)に示すような構造が得られる。尚、図24(b)において、ゲート絶縁膜5016もタングステン膜5022とともにパターニングされていてもよい。
本実施の形態によれば、NMOSFETのゲート絶縁膜と側壁絶縁膜とによって構成される溝部に沿って金属シリサイド膜を形成するので、実施の形態5と同様に、ゲート絶縁膜と接する部分における金属シリサイド膜にチャネル方向に広がる力を生じさせることができる。このため、ゲート絶縁膜付近におけるシリコン基板には、シリコンの格子間隔を大きくしようとする力が作用する結果、シリコン基板は、元に戻ろうとして金属シリサイド膜を圧縮しようとする。したがって、金属シリサイド膜は、シリコン基板から圧縮応力を受けるようになる。
また、本実施の形態によれば、実施の形態5で得られた効果に加えて、さらに次のような効果が得られる。すなわち、金属シリサイド膜5020とゲート絶縁膜5016との間に金属窒化膜5025が存在するので、シリサイド化の際に、シリサイド化される金属がシリコン基板501へと拡散して行くのを防ぐことができる。
尚、本実施の形態においては、シリサイド化反応を熱処理によって行ったが、閃光またはレーザ光を照射することにより行ってもよい。この方法によれば、放射する光の波長と、ゲート電極を構成する材料の吸収および反射特性を考慮することによって、ソース・ドレインウェルの表面に耐熱性の低い金属シリサイド膜を適用することが可能となる。この場合、閃光またはレーザ光がソース・ドレインウェルを照射しないようにゲート電極を配置することが好ましい。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。例えば、実施の形態1〜6では、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)について述べたが、本発明はこれに限られるものではない。本発明は、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)にも適用可能である。
実施の形態1における半導体装置の断面図の一例である。 (a)〜(c)は、実施の形態1による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)〜(c)は、実施の形態1による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)および(b)は、実施の形態1による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態2における半導体装置の断面図の一例である。 (a)および(b)は、実施の形態2による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)および(b)は、実施の形態2による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態3における半導体装置の断面図の一例である。 (a)〜(c)は、実施の形態3による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)〜(c)は、実施の形態3による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)〜(c)は、実施の形態3による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)および(b)は、実施の形態3による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)〜(c)は、実施の形態4による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)および(b)は、実施の形態4による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 NMOSFETおよびPMOSFETの消費電圧と消費電流との関係を示す図の一例である。 (a)〜(c)は、実施の形態5による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)〜(c)は、実施の形態5による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)〜(c)は、実施の形態5による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態5による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)および(b)は、実施の形態5による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)および(b)は、実施の形態5による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)〜(c)は、実施の形態6による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)および(b)は、実施の形態6による半導体装置の製造方法を示す断面図である。 (a)および(b)は、実施の形態6による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
符号の説明
1,101,201,401,501 シリコン基板
2,102,202,402,502 素子分離領域
3,103,203,406,506 N型ウェル領域
4、104、204、407,507 P型ウェル領域
5,105,205,409,509 P型エクステンション領域
6,106,206,4010,5010 N型エクステンション領域
7,107,207,4012,5012 P型ソース・ドレインウェル
8,108,208,4013,5013 N型ソース・ドレインウェル
9,109,209,4016,5016 ゲート絶縁膜
10,11,1010,1011,2010,2011 ゲート電極
12,408,4019,5019 シリコン膜
13,1013,2013,4014,5014 ニッケルシリサイド膜
14,1014,2014,4011,5011 シリコン窒化膜
20,1020,2020,4015,5015 層間絶縁膜
1017,2017 窒化チタン膜
1018,2018 タングステン膜
2021 コバルトシリサイド膜
403 犠牲ゲート絶縁膜
4017,5017 溝部
4018,5018 金属膜
4020,5020 金属シリサイド膜
4022,5022 タングステン膜
5025 金属窒化膜

Claims (15)

  1. シリコン基板上にNMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置において、
    前記NMOSFETのゲート電極は、前記シリコン基板から圧縮応力を受ける材料からなることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記圧縮応力を受ける材料は金属シリサイドである請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記PMOSFETのゲート電極は多結晶シリコンからなる請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記PMOSFETのゲート電極は、前記シリコン基板から引張応力を受ける材料からなる請求項1または2に記載の半導体装置。
  5. 前記引張応力を受ける材料は、金属および金属窒化物の少なくとも一方である請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記NMOSFETおよび前記PMOSFETのソース・ドレインウェル上に金属シリサイドが形成されている請求項1〜5のいずれか1に記載の半導体装置。
  7. シリコン基板上にNMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置において、
    前記NMOSFETは、前記シリコン基板の上に形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極の側壁部に形成された側壁絶縁膜とを有し、
    前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜と前記側壁絶縁膜とによって構成される溝部に沿って形成された金属シリサイド膜を有することを特徴とする半導体装置。
  8. 前記PMOSFETのゲート電極は金属膜からなる請求項7に記載の半導体装置。
  9. シリコン基板上にNMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置において、
    前記NMOSFETは、前記シリコン基板の上に形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極の側壁部に形成された側壁絶縁膜とを有し、
    前記ゲート電極は、金属窒化膜と該金属窒化膜の上に形成された金属シリサイド膜とを有し、
    前記金属窒化膜および前記金属シリサイド膜は、いずれも前記ゲート絶縁膜と前記側壁絶縁膜とによって構成される溝部に沿って設けられていることを特徴とする半導体装置。
  10. NMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置の製造方法において、
    素子分離領域、N型ウェル領域およびP型ウェル領域が設けられたシリコン基板の上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜の上にシリコン膜を形成する工程と、
    前記シリコン膜をゲート電極の形状に加工する工程と、
    前記シリコン膜をマスクとして前記シリコン基板に不純物を注入し、N型エクステンション領域およびP型エクステンション領域を形成する工程と、
    前記シリコン膜の側壁部に側壁絶縁膜を形成する工程と、
    前記側壁絶縁膜が形成された前記シリコン膜をマスクとして前記シリコン基板に不純物を注入し、N型ソース・ドレインウェルおよびP型ソース・ドレインウェルを形成する工程と、
    前記PMOSFETの領域にある前記シリコン膜の上部にシリサイド化防止膜を形成する工程と、
    前記シリコン基板の全面に金属膜を形成する工程と、
    熱処理によって、前記NMOSFETの領域にある前記シリコン膜を前記金属膜がシリサイド化された金属シリサイド膜に変えるとともに、前記N型ソース・ドレインウェルおよび前記P型ソース・ドレインウェルの上に前記金属シリサイド膜を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 前記シリサイド化防止膜を除去する工程と、
    前記シリコン基板の上に、前記金属シリサイド膜および前記シリコン膜を埋め込むようにして層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜を加工して、前記金属シリサイド膜および前記シリコン膜の表面を露出させる工程と、
    露出した前記シリコン膜を選択的に除去し、前記ゲート絶縁膜に至る溝部を形成する工程と、
    前記溝部の内部に金属および金属窒化物の少なくとも一方を埋め込む工程とをさらに有する請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
  12. NMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置の製造方法において、
    素子分離領域、N型ウェル領域およびP型ウェル領域が設けられたシリコン基板の上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜の上にシリコン膜を形成する工程と、
    前記シリコン膜の上にハードマスクを形成する工程と、
    前記ハードマスクを用いて前記シリコン膜をゲート電極の形状に加工する工程と、
    前記ハードマスクおよび前記シリコン膜をマスクとして前記シリコン基板に不純物を注入し、N型エクステンション領域およびP型エクステンション領域を形成する工程と、
    前記ハードマスクおよび前記シリコン膜の側壁部に側壁絶縁膜を形成する工程と、
    前記側壁絶縁膜が形成された前記ハードマスクおよび前記シリコン膜をマスクとして前記シリコン基板に不純物を注入し、N型ソース・ドレインウェルおよびP型ソース・ドレインウェルを形成する工程と、
    前記シリコン基板の全面に第1の金属膜を形成する工程と、
    熱処理によって、前記N型ソース・ドレインウェルおよび前記P型ソース・ドレインウェルの上に前記第1の金属膜がシリサイド化された第1の金属シリサイド膜を形成する工程と、
    前記第1の金属シリサイド膜形成後の前記シリコン基板の上に層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜を加工して、前記ハードマスクの表面を露出させる工程と、
    前記NMOSFETの領域から露出している前記ハードマスクを選択的に除去する工程と、
    前記シリコン基板の全面に第2の金属膜を形成する工程と、
    熱処理によって、前記NMOSFETの領域にある前記シリコン膜を前記第2の金属膜がシリサイド化された第2の金属シリサイド膜に変える工程と、
    前記PMOSFETの領域にある前記ハードマスクを選択的に除去する工程と、
    前記ハードマスク除去後に露出した前記シリコン膜を選択的に除去し、前記ゲート絶縁膜に至る溝部を形成する工程と、
    前記溝部の内部に金属および金属窒化物の少なくとも一方を埋め込む工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. NMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置の製造方法において、
    素子分離領域、N型ウェル領域およびP型ウェル領域が設けられたシリコン基板の上に第1のゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1のゲート絶縁膜の上に第1のシリコン膜を形成する工程と、
    前記第1のシリコン膜の上にハードマスクを形成する工程と、
    前記ハードマスクを用いて前記第1のシリコン膜をゲート電極の形状に加工する工程と、
    前記ハードマスクおよび前記第1のシリコン膜をマスクとして前記シリコン基板に不純物を注入し、N型エクステンション領域およびP型エクステンション領域を形成する工程と、
    前記ハードマスクおよび前記第1のシリコン膜の側壁部に側壁絶縁膜を形成する工程と、
    前記側壁絶縁膜が形成された前記ハードマスクおよび前記第1のシリコン膜をマスクとして前記シリコン基板に不純物を注入し、N型ソース・ドレインウェルおよびP型ソース・ドレインウェルを形成する工程と、
    前記シリコン基板の全面に第1の金属膜を形成する工程と、
    熱処理によって、前記N型ソース・ドレインウェルおよび前記P型ソース・ドレインウェルの上に前記第1の金属膜がシリサイド化された第1の金属シリサイド膜を形成する工程と、
    前記第1の金属シリサイド膜形成後の前記シリコン基板の上に層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜を加工して、前記ハードマスクの表面を露出させる工程と、
    前記NMOSFETの領域から露出している前記ハードマスクを選択的に除去する工程と、
    前記ハードマスク除去後に露出した前記第1のシリコン膜を選択的に除去する工程と、
    前記第1のシリコン膜除去後に露出した前記第1のゲート絶縁膜を選択的に除去し、前記シリコン基板に至る第1の溝部を形成する工程と、
    前記第1の溝部の内面に第2のゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2のゲート絶縁膜の上に第2のシリコン膜を形成する工程と、
    前記第1の溝部を除いて前記第2のゲート絶縁膜および前記第2のシリコン膜を除去する工程と、
    前記シリコン基板の全面に第2の金属膜を形成する工程と、
    熱処理によって、前記第2のシリコン膜を前記第2の金属膜がシリサイド化された第2の金属シリサイド膜に変える工程と、
    前記PMOSFETの領域にある前記ハードマスクを選択的に除去する工程と、
    前記ハードマスク除去後に露出した前記第1のシリコン膜を選択的に除去し、前記第1のゲート絶縁膜に至る第2の溝部を形成する工程と、
    前記第2の溝部の内部に金属および金属窒化物の少なくとも一方を埋め込む工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. NMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置の製造方法において、
    素子分離領域、N型ウェル領域およびP型ウェル領域が設けられたシリコン基板の上に犠牲ゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記犠牲ゲート絶縁膜の上に犠牲ゲート電極を形成する工程と、
    前記犠牲ゲート電極をマスクとして前記シリコン基板に不純物を注入し、N型エクステンション領域およびP型エクステンション領域を形成する工程と、
    前記犠牲ゲート電極の側壁部に側壁絶縁膜を形成する工程と、
    前記側壁絶縁膜が形成された前記犠牲ゲート電極をマスクとして前記シリコン基板に不純物を注入し、N型ソース・ドレインウェルおよびP型ソース・ドレインウェルを形成する工程と、
    前記犠牲ゲート電極を埋め込むようにして、前記シリコン基板の上に層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜を加工して前記犠牲ゲート電極の表面を露出させる工程と、
    露出した前記犠牲ゲート電極を選択的に除去する工程と、
    前記犠牲ゲート電極の除去後に露出した前記犠牲ゲート絶縁膜を選択的に除去し、前記シリコン基板に至る溝部を形成する工程と、
    前記溝部の内面にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜形成後の前記溝部の内面に沿うようにして金属膜を形成する工程と、
    前記金属膜形成後の前記溝部について、前記NMOSFETの領域にある前記溝部の内面に沿うようにして前記金属膜の上にシリコン膜を選択的に形成する工程と、
    熱処理により前記シリコン膜と前記金属膜を反応させて、前記溝部の内面に沿うように金属シリサイド膜を形成する工程と、
    前記PMOSFETの領域にある前記溝部の内面を除いて未反応の前記金属膜を除去する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. NMOSFETとPMOSFETとで構成される半導体装置の製造方法において、
    素子分離領域、N型ウェル領域およびP型ウェル領域が設けられたシリコン基板の上に犠牲ゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記犠牲ゲート絶縁膜の上に犠牲ゲート電極を形成する工程と、
    前記犠牲ゲート電極をマスクとして前記シリコン基板に不純物を注入し、N型エクステンション領域およびP型エクステンション領域を形成する工程と、
    前記犠牲ゲート電極の側壁部に側壁絶縁膜を形成する工程と、
    前記側壁絶縁膜が形成された前記犠牲ゲート電極をマスクとして前記シリコン基板に不純物を注入し、N型ソース・ドレインウェルおよびP型ソース・ドレインウェルを形成する工程と、
    前記犠牲ゲート電極を埋め込むようにして、前記シリコン基板の上に層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜を加工して前記犠牲ゲート電極の表面を露出させる工程と、
    露出した前記犠牲ゲート電極を選択的に除去する工程と、
    前記犠牲ゲート電極の除去後に露出した前記犠牲ゲート絶縁膜を選択的に除去し、前記シリコン基板に至る溝部を形成する工程と、
    前記溝部の内面にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜形成後の前記溝部の内面に沿うようにして金属窒化膜を形成する工程と、
    前記金属窒化膜形成後の前記溝部について、前記NMOSFETの領域にある前記溝部の内面に沿うようにして前記金属窒化膜の上にシリコン膜および金属膜からなる積層膜を選択的に形成する工程と、
    熱処理により前記シリコン膜と前記金属膜を反応させて、前記溝部の内面に沿うように金属シリサイド膜を形成する工程と、
    前記金属シリサイド膜の下層と、前記PMOSFETの領域にある前記溝部の内面とを除いて前記金属窒化膜を除去する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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