JP2005302802A - 油入電気機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 油隙を有する油入電気機器において、現地注油時に油隙中に気泡が残留した場合や、過負荷運転時に気泡が発生した場合にも、残留する気泡の大きさが制限され、有害気泡性放電が抑制された油入電気機器を提供する。
【解決手段】 素線導体に絶縁紙テープが巻回された絶縁導体によりコイルが形成され、このコイル周囲の高電界部分に、絶縁部材で構成された絶縁隔壁が配置された絶縁構造の油入電気機器において、コイルの高電界部の絶縁導体表面と絶縁隔壁との間または絶縁隔壁の相互間に形成される油隙寸法を0.5mmよりも広く、2mmよりも狭くなるように形成したものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 素線導体に絶縁紙テープが巻回された絶縁導体によりコイルが形成され、このコイル周囲の高電界部分に、絶縁部材で構成された絶縁隔壁が配置された絶縁構造の油入電気機器において、コイルの高電界部の絶縁導体表面と絶縁隔壁との間または絶縁隔壁の相互間に形成される油隙寸法を0.5mmよりも広く、2mmよりも狭くなるように形成したものである。
【選択図】 図1
Description
この発明は、油入変圧器や油入リアクトル等のタンク内に鉄心、コイルが収容され、絶縁油が充填された油入電気機器に関するものである。
油入電気機器のコイルには高電圧が課電されるものであり、そのコイルは絶縁紙が巻き付けられた絶縁導体を巻回して板状コイルを形成し、板状コイルを積み重ねた状態に組み合わされた構成である。コイルには高電圧が課電されるので、その外周部は高電界となるので、静電シールドを設けて電界緩和し、絶縁強度を確保するためにクラフトパルプを板状としたプレスボードを成形加工した絶縁隔壁が配置されて絶縁強度が確保されている。
このように構成された油入電気機器は、コイル部分は高電圧に課電され、鉄心部分、タンク壁は接地電位であり、コイル素線の表面、絶縁導体が巻回された表面、絶縁隔壁部分、絶縁油が流通する油隙部分等それぞれの部分で電圧分担して絶縁耐力が確保されている。各部の電界は、それぞれの部分の比誘電率に逆比例する電界強度で分布している。
絶縁紙、プレスボードなどのセルロース類の比誘電率は、絶縁油の比誘電率に対して2倍以上の値であり、絶縁油の単位厚さあたりの絶縁耐力も低いので、絶縁隔壁を一定間隔で配置したバリヤ構造とし、このバリヤ効果によって絶縁耐力が確保された構造となっている。
また、コイル外周部の電界が集中する部分に油隙が形成されると、絶縁油の比誘電率は絶縁紙や絶縁隔壁の材料のプレスボードの比誘電率の1/2以下で小さいので、電界強度が高くなり、絶縁耐力も低いことから高電界部の油隙は形成されないように構成することが好ましい。
電界集中するコイル外周部分に油隙ができないようにする構成としては、例えば特許文献1に示されたものがある。この特許文献1の構成は、コイル外周部の電界集中を緩和するために導電部分の曲率半径を大きくした部分で、コイル外周部の曲面形状に密着させるプレスボードの曲率半径が、加工誤差があるためにコイル側と異なる曲率半径に形成されて空隙ができるが、このような場合には、特許文献1に、コイルエンド部分に圧縮可能な絶縁物を介在させ、プレスボードを添着したときにも介在させた絶縁物により油隙が形成されないようにした構成が示されている。
このように構成すると、プレスボードの加工誤差があっても、介在させた絶縁物によって油隙の形成が回避できるようになり、絶縁信頼性が向上するというものである。
また、コイル外周部の電界が集中する部分に油隙が形成されると、絶縁油の比誘電率は絶縁紙や絶縁隔壁の材料のプレスボードの比誘電率の1/2以下で小さいので、電界強度が高くなり、絶縁耐力も低いことから高電界部の油隙は形成されないように構成することが好ましい。
電界集中するコイル外周部分に油隙ができないようにする構成としては、例えば特許文献1に示されたものがある。この特許文献1の構成は、コイル外周部の電界集中を緩和するために導電部分の曲率半径を大きくした部分で、コイル外周部の曲面形状に密着させるプレスボードの曲率半径が、加工誤差があるためにコイル側と異なる曲率半径に形成されて空隙ができるが、このような場合には、特許文献1に、コイルエンド部分に圧縮可能な絶縁物を介在させ、プレスボードを添着したときにも介在させた絶縁物により油隙が形成されないようにした構成が示されている。
このように構成すると、プレスボードの加工誤差があっても、介在させた絶縁物によって油隙の形成が回避できるようになり、絶縁信頼性が向上するというものである。
また、絶縁隔壁の絶縁油の循環路となる油隙を確保する部分において、油隙を所定の寸法に確保する油隙スペーサの材質を比誘電率の小さな絶縁材料の角材とした構成が特許文献2に示されている。
この構成は、油隙を所定の寸法に形成するために絶縁隔壁の間に配置する角形絶縁スペーサを、絶縁油の比誘電率に近づけた小さな比誘電率の絶縁材料としたものである。
絶縁スペーサを絶縁油に近い比誘電率とすることによって、油隙部における比誘電率の差による電界の乱れが回避され、油隙部の絶縁耐力を向上させることが出きるというものである。
この構成は、油隙を所定の寸法に形成するために絶縁隔壁の間に配置する角形絶縁スペーサを、絶縁油の比誘電率に近づけた小さな比誘電率の絶縁材料としたものである。
絶縁スペーサを絶縁油に近い比誘電率とすることによって、油隙部における比誘電率の差による電界の乱れが回避され、油隙部の絶縁耐力を向上させることが出きるというものである。
このように構成された油入電気機器は、絶縁の弱点となる油隙部の電界分担を低くするとともに、油隙を適度に狭くする絶縁バリヤ構造とし、バリヤ効果により絶縁耐力が確保される構成となっている。しかし、過負荷運転時に気泡が発生することがあり、また、現地での再注油時に機器内部に気泡が残留することもあり、残留気泡が高電界の油隙部分に存在した場合には、気泡である空気は絶縁油の比誘電率に対して小さく、絶縁耐力も低いので、低電圧でも放電が発生し、放電発生部の近傍の油浸絶縁部材が損傷する問題点があった。
この発明は、油隙を有する油入電気機器において、現地注油時に油隙中に気泡が残留した場合や、過負荷運転時に気泡が発生した場合にも、残留する気泡の大きさが制限される構成として、有害気泡性放電が抑制された油入電気機器を提供することを目的とする。
素線導体に絶縁紙テープが巻回された絶縁導体によりコイルが形成され、このコイル周囲の高電界部分に、絶縁部材で構成された絶縁隔壁が配置された絶縁構造の油入電気機器において、コイルの高電界部の絶縁導体表面と絶縁隔壁との間または絶縁隔壁の相互間に形成される油隙寸法を0.5mmよりも広く、2mmよりも狭くなるように形成したものである。
この発明によれば、現地注油時に油隙中に気泡が残留した場合や、過負荷運転時に気泡が発生した場合にも、油隙を0.5mmより広く、2mmより狭くしたことにより、残留する気泡の大きさが制限されて、有害気泡性放電が抑制され、絶縁信頼性が確保された油入電気機器を構成することができる。
実施の形態1.
油入変圧器や油入リアクトルの油入電気機器は、タンク内にコイルと鉄心が組み合わされた状態で収容され、内部に絶縁油が充填された構成である。図1は油入電気機器である油入変圧器のコイルの外周部の部分断面図である。
油入変圧器のコイルは、素線導体1に絶縁紙テープを巻回して素線絶縁2を形成した絶縁導体3を巻回して板状コイル5を形成して積み重ねた構成である。外周部には必要により絶縁導体3の外周部に電界集中を緩和する静電シールドが配置される場合もある。
油入変圧器や油入リアクトルの油入電気機器は、タンク内にコイルと鉄心が組み合わされた状態で収容され、内部に絶縁油が充填された構成である。図1は油入電気機器である油入変圧器のコイルの外周部の部分断面図である。
油入変圧器のコイルは、素線導体1に絶縁紙テープを巻回して素線絶縁2を形成した絶縁導体3を巻回して板状コイル5を形成して積み重ねた構成である。外周部には必要により絶縁導体3の外周部に電界集中を緩和する静電シールドが配置される場合もある。
高電圧に充電される板状コイル5の外周部は、曲率半径を大きくした構成であり、板状コイル5が積層された外周部の絶縁強度を確保するために、プレスボードを成型加工した複数の絶縁隔壁6が複数の油隙7を形成する状態に配置されて絶縁強度が確保されている。板状コイル5の外周部分は電界が集中する部分であり、絶縁油の比誘電率は素線絶縁2あるいは絶縁隔壁6の比誘電率に対して1/2以下であり、単位厚さあたりの電界分担が大きくなるが、油隙7中の電界は絶縁油の絶縁耐力以下となるように構成されている。
板状コイル5の部分がこのように構成された油入電気機器において、絶縁油の充填は、タンク内部を真空引きし、真空引きしながら脱気された絶縁油が充填されるので、気泡が残留することはないが、注油時の真空度が適正でない場合には、油隙7中に気泡が残留することがある。また、油入電気機器が過負荷運転された場合には内部に気泡が発生することもある。素線絶縁2と絶縁隔壁6との間等に閉塞空間が存在する場合には、気泡が残留する可能性がある。
このように油入電気機器中に気泡が存在した場合には、気泡の比誘電率は1であり、この値は絶縁油に対して1/2程度、素線絶縁2や絶縁隔壁6の比誘電率に対しては1/4以下であり、電位分担が非常に大きくなり、その部分に気泡性部分放電が発生し、この放電により周囲の絶縁部材に損傷を与えることが想定される。
このように油入電気機器中に気泡が存在した場合には、気泡の比誘電率は1であり、この値は絶縁油に対して1/2程度、素線絶縁2や絶縁隔壁6の比誘電率に対しては1/4以下であり、電位分担が非常に大きくなり、その部分に気泡性部分放電が発生し、この放電により周囲の絶縁部材に損傷を与えることが想定される。
図2は油隙に気泡が存在する場合の、油隙寸法と気泡性放電の見かけの電荷量の関係を示す。図2のように、油隙寸法が大きい場合には、気泡性放電電荷量は大きいが、油隙寸法が小さくなると見かけの気泡性放電電荷量は小さくなっている。このことは油隙寸法を小さくすると絶縁部材に対して有害な気泡性放電が抑制されることを示すものである。
図3は横軸に絶縁隔壁6の間の油隙寸法をとり、縦軸に気泡体積をとり、各油隙寸法に対して、有害気泡性放電が発生する領域を示したものである。図中の曲線10の上部11が有害気泡性放電領域であり、曲線10の下部が安全領域12である。
即ち、油隙が2mmより狭いと、油隙寸法が狭くなるほど絶縁部材に損傷を与える有害気泡性放電が発生する気泡体積が大きくなることを示している。
図2および図3に示す特性から、油隙寸法を2mmより狭くするほど周囲絶縁部材に損傷を与えなくなり、油入電気機器の絶縁信頼性が向上する。
図3は横軸に絶縁隔壁6の間の油隙寸法をとり、縦軸に気泡体積をとり、各油隙寸法に対して、有害気泡性放電が発生する領域を示したものである。図中の曲線10の上部11が有害気泡性放電領域であり、曲線10の下部が安全領域12である。
即ち、油隙が2mmより狭いと、油隙寸法が狭くなるほど絶縁部材に損傷を与える有害気泡性放電が発生する気泡体積が大きくなることを示している。
図2および図3に示す特性から、油隙寸法を2mmより狭くするほど周囲絶縁部材に損傷を与えなくなり、油入電気機器の絶縁信頼性が向上する。
油隙寸法が小さくなると、絶縁部材に油浸処理ができた油入電気機器に、例えば現地にて絶縁油を注入するとき、絶縁部材の部分に存在する絶縁油中の気泡が0.5mmより小さいと、注油時の真空引き状態でも気泡が破壊されないで閉塞空間として残留する問題点がある。したがって、油隙寸法は0.5mm以上にすることが必要である。
上記の図2および図3の結果から、油隙寸法を0.5mmより広く、2mmよりも狭くすることで、残留気泡が存在する場合にも絶縁信頼性が確保された油入電気機器を構成することができる。
なお、コイル周囲に絶縁隔壁を配置する場合は、絶縁部材の変形等は避けられないので、形成される油隙にはバラツキがあり、2mm以下を目標とした油隙7は1〜1.5mm程度を目標値とすることで0.5〜2mmの油隙寸法が確保できる。
なお、コイル周囲に絶縁隔壁を配置する場合は、絶縁部材の変形等は避けられないので、形成される油隙にはバラツキがあり、2mm以下を目標とした油隙7は1〜1.5mm程度を目標値とすることで0.5〜2mmの油隙寸法が確保できる。
実施の形態2.
実施の形態1では、高電界部分の油隙寸法を0.5mmよりも広く、2mmよりも狭くすることで気泡が残留した場合の絶縁信頼性が高くなる構成としたが、実施の形態2では、油隙寸法を2mmよりも大きくする場合の実施の形態である。
実施の形態1では、高電界部分の油隙寸法を0.5mmよりも広く、2mmよりも狭くすることで気泡が残留した場合の絶縁信頼性が高くなる構成としたが、実施の形態2では、油隙寸法を2mmよりも大きくする場合の実施の形態である。
図3において、図中の有害気泡性放電領域と安全領域の境界線10に対して、上部が有害気泡性放電領域11であり、曲線10の下部が安全領域12であるが、油隙寸法が2mmをこえる場合は、絶縁隔壁6に損傷を与える有害気泡性放電が発生するのに必要な気泡体積は大きくなった特性を示している。このことは油隙寸法が2mmをこえる場合は、油隙寸法を広くするほど気泡を考慮した絶縁耐力が向上し、絶縁信頼性が向上することを示すものである。
一方、油隙寸法と気泡中の電界強度の関係および油隙寸法と放電電荷量の関係は図4のようになっている。図4の横軸は絶縁隔壁に挟まれた油隙寸法であり、縦軸は電界および気泡により発生する見かけの部分放電電荷量である。曲線はそれぞれの電界と油隙寸法の関係とはトレードオフの関係にある。つまり油隙寸法が広くなると電界は低下するが、放電電荷量は大きくなる。このことから、油隙寸法を狭くすると、コイル部分の占有率を小さくすることができ、油入電気機器の損失が少なくなり効率が向上する構成となることを示すものである。
しかし、油隙が小さいと気泡が滞留した場合に抜けにくくなる問題があるので、油隙寸法は広く設定することも必要であり、図3の特性から油隙を2mmよりも広く設定する場合は、実際の油入電気機器の効率を考慮すると10mm程度が許容範囲である。また、油隙中の気泡が抜けるのには5mm程度あれば問題ないので、油隙寸法は5mm程度が好ましい寸法である。
しかし、油隙が小さいと気泡が滞留した場合に抜けにくくなる問題があるので、油隙寸法は広く設定することも必要であり、図3の特性から油隙を2mmよりも広く設定する場合は、実際の油入電気機器の効率を考慮すると10mm程度が許容範囲である。また、油隙中の気泡が抜けるのには5mm程度あれば問題ないので、油隙寸法は5mm程度が好ましい寸法である。
高電界部分あるいは絶縁隔壁の間に形成される油隙寸法を2mmよりも広く10mmよりも狭く設定すると、油隙中に気泡が残った場合にも抜けやすく、コイル部分の占有率も高く設定できる油入電気機器が構成できる。
実施の形態3.
油入電気機器のコイルは、絶縁導体を巻回して板状コイルを形成し、板状コイルの端部にはプレスボード等によりコイル端部の形状に合わせた形状に形成された絶縁隔壁を配置する構成であり、その積み重ねられたコイルの外周部は、図5に示すような状態となっている。即ちコイル素線1には絶縁紙テープを巻回した素線絶縁2を形成して絶縁導体3の外周に、複数層の絶縁隔壁6を配置し、絶縁隔壁6の相互間を適正寸法の油隙7が形成されるように構成されている。このように構成した場合、コイルを形成する素線絶縁2の外周に絶縁隔壁6を添着した場合に平面部を密着させるために、絶縁隔壁6内側の曲率半径が小さく加工されているので、素線絶縁2の外面と絶縁隔壁6の内面との間に油隙Gができる。
油入電気機器のコイルは、絶縁導体を巻回して板状コイルを形成し、板状コイルの端部にはプレスボード等によりコイル端部の形状に合わせた形状に形成された絶縁隔壁を配置する構成であり、その積み重ねられたコイルの外周部は、図5に示すような状態となっている。即ちコイル素線1には絶縁紙テープを巻回した素線絶縁2を形成して絶縁導体3の外周に、複数層の絶縁隔壁6を配置し、絶縁隔壁6の相互間を適正寸法の油隙7が形成されるように構成されている。このように構成した場合、コイルを形成する素線絶縁2の外周に絶縁隔壁6を添着した場合に平面部を密着させるために、絶縁隔壁6内側の曲率半径が小さく加工されているので、素線絶縁2の外面と絶縁隔壁6の内面との間に油隙Gができる。
油隙Gの寸法が大きい場合に、注油時に気泡が残留した場合や過負荷時に気泡が発生した場合に、その気泡が大きくなると有害な気泡性部分放電が発生して絶縁部材に損傷を与えることになる。このような油隙Gに、充填部材21を充填して、発生する気泡の体積を小さくすることができる。
充填部材21としては、繊維状の絶縁材料をひも状に形成し、油隙形成部に沿わせて絶縁隔壁を添着することで大きな気泡の発生が抑制される状態が構成できる。
充填部材21としては、繊維状の絶縁材料をひも状に形成し、油隙形成部に沿わせて絶縁隔壁を添着することで大きな気泡の発生が抑制される状態が構成できる。
油隙Gの部分に発生する気泡の体積と有害気泡性放電の関係を図6に示す。図6は横軸に気泡の体積、縦軸に気泡性放電の開始電界として示したものである。
図6の関係は、気泡の体積が小さくなるほど放電開始電界は高くなって気泡性放電の発生が抑制される。即ち、気泡が存在しうる体積を小さくするほど絶縁耐力が向上することを示すものである。
図3に示しているとおり、横軸の油隙寸法を図5の絶縁隔壁6で囲まれた油隙寸法とし、縦軸は気泡体積であり、図中の境界線10より上部の有害気泡性放電領域11であるが、油隙寸法が2mm以下の領域においては、気泡体積が小さくなるほど有害気泡性放領域が高くなっており、気泡体積が小さくなるほど有害気泡性放電が抑制される。油隙寸法が2mmを越える場合には気泡体積が大きくなるほど有害気泡性放電が抑制され、油隙寸法が2mmよりも小さいと、どの油隙寸法の場合にも有害気泡性放電が発生しなくなる。
図6の関係は、気泡の体積が小さくなるほど放電開始電界は高くなって気泡性放電の発生が抑制される。即ち、気泡が存在しうる体積を小さくするほど絶縁耐力が向上することを示すものである。
図3に示しているとおり、横軸の油隙寸法を図5の絶縁隔壁6で囲まれた油隙寸法とし、縦軸は気泡体積であり、図中の境界線10より上部の有害気泡性放電領域11であるが、油隙寸法が2mm以下の領域においては、気泡体積が小さくなるほど有害気泡性放領域が高くなっており、気泡体積が小さくなるほど有害気泡性放電が抑制される。油隙寸法が2mmを越える場合には気泡体積が大きくなるほど有害気泡性放電が抑制され、油隙寸法が2mmよりも小さいと、どの油隙寸法の場合にも有害気泡性放電が発生しなくなる。
図6および図3の特性から、気泡体積を小さくするほど気泡を考慮した絶縁耐力が高くなる。したがって、油隙寸法が2mmよりも狭い場合にできる気泡の体積は、5mm3以下であり、気泡の体積を5mm3以下にすることで絶縁部材に損傷を与える有害気泡性放電の発生が抑制され、絶縁信頼性の高い油入電気機器となる。
1 素線導体、2 素線絶縁、3 絶縁導体、5 板状コイル、6 絶縁隔壁、
7 油隙、21 充填部材。
7 油隙、21 充填部材。
Claims (4)
- 素線導体に絶縁紙テープが巻回された絶縁導体によりコイルが形成され、該コイル周囲の高電界部分に絶縁部材で形成された絶縁隔壁が配置された絶縁構造の油入電気機器において、上記コイルの高電界部の上記絶縁導体表面と上記絶縁隔壁との間または上記絶縁隔壁相互間に形成される油隙寸法を0.5mmよりも広く、2mmよりも狭くなるように形成したことを特徴とする油入電気機器。
- 素線導体に絶縁紙テープが巻回された絶縁導体によりコイルが形成され、該コイル周囲の高電界部分に絶縁部材で構成された絶縁隔壁が配置された絶縁構造の油入電気機器において、上記コイルの高電界部の上記絶縁導体表面と上記絶縁隔壁との間または上記絶縁隔壁相互間に形成される油隙寸法は2mmよりも広く、10mmよりも狭くなるように形成したことを特徴とする油入電気機器。
- 素線導体に絶縁紙テープが巻回された絶縁導体によりコイルが形成され、該コイル周囲の高電界部分に絶縁部材で構成された絶縁隔壁が配置された絶縁構造の油入電気機器において、上記コイルの高電界部の上記絶縁導体と絶縁隔壁との間に形成された油隙に気泡が残留した場合の気泡体積が5mm3以下になるように絶縁材料の充填部材が上記油隙に充填されていることを特徴とする油入電気機器。
- 上記コイルグループ端面の高電界部に形成された油隙に充填する充填部材は、絶縁油が含浸できる繊維質絶縁材料であることを特徴とする請求項3記載の油入電気機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004112780A JP2005302802A (ja) | 2004-04-07 | 2004-04-07 | 油入電気機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004112780A JP2005302802A (ja) | 2004-04-07 | 2004-04-07 | 油入電気機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005302802A true JP2005302802A (ja) | 2005-10-27 |
Family
ID=35333976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004112780A Pending JP2005302802A (ja) | 2004-04-07 | 2004-04-07 | 油入電気機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005302802A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008109029A (ja) * | 2006-10-27 | 2008-05-08 | Mitsubishi Electric Corp | 油入電気機器 |
CN104076258A (zh) * | 2014-07-17 | 2014-10-01 | 重庆大学 | 变压器油中微粒放电模拟实验系统的放电发生装置 |
KR200483170Y1 (ko) * | 2016-07-12 | 2017-04-11 | 권태무 | 부싱 |
CN110993283A (zh) * | 2019-12-24 | 2020-04-10 | 保定天威保变电气股份有限公司 | 一种调压出线结构及其配置方法 |
-
2004
- 2004-04-07 JP JP2004112780A patent/JP2005302802A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110993283B (zh) * | 2019-12-24 | 2023-11-21 | 保定天威保变电气股份有限公司 | 一种调压出线结构及其配置方法 |
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Legal Events
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