JP6397504B2 - 変圧器および高電圧発生装置 - Google Patents

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Description

本発明はX線装置用高電圧発生装置などに備えられる変圧器に関する。
X線装置用の高電圧発生装置はX線管に電力を供給する装置である。高電圧発生装置は設置面積の縮小や設置の自由度を向上させる観点から、そのサイズは小さいことが望ましい。高電圧発生装置を小型化するアプローチは様々なものが考えられるが、その中に、高電圧発生装置が備える整流回路を小型化するというものがある。整流回路の小型化は、昇圧用コンデンサや脈動低減用コンデンサの容量を小さくする、つまりコンデンサの体積を小さくすることが実現の上で有効である。
整流回路が備えるコンデンサの体積を小さくすることは、コンデンサの容量の縮小でもあるため、整流回路に対する入力電圧を高周波化することが必要となる。整流回路に対する入力電圧を高周波化するということは、整流回路の上流に設けられる変圧器の出力電力を高周波化することと同義である。ただし、変圧器の前後においては、入力電圧と出力電圧の差分が大きいため発熱の増大を誘引し、結果として変圧器の絶縁を破壊する可能性がある。
ここで樹脂モールド型変圧器の絶縁性向上に関しては、例えば特許文献1および特許文献2に開示されるような技術がある。これらの文献は、樹脂の比誘電率を制御し、電界の高い場所では高比誘電率絶縁体、電界の低い場所では低比誘電率絶縁体を用いるために、樹脂に混合する微粒子の濃度を制御する方法を示したものである。
特開2006−252893号公報 特開平6−104135号公報
一方で、油入型変圧器は特許文献に記載されるような技術を採用することができない。そこで本発明が解決しようとする課題は、油入型および樹脂モールド型いずれであっても適用可能な、変圧器の絶縁信頼性を向上させる機構または構造を提供し、また、そのような機構または構造を有する変圧器を備えることによって、高電圧発生装置の小型化を図ろうというものである。
上記課題を解決するために本発明の変圧器は、鉄心と、巻線が前記鉄心に巻回され、前記鉄心の外周に設置される巻線部と、前記巻線部の巻線に近接する部分の比誘電率と誘電正接の積が、他の部分の比誘電率と誘電正接の積よりも小さい絶縁部材と、を備えるようにした。
この構成により、巻線に近接する部分の絶縁部材の誘電損失発熱量を低減して、熱による絶縁体の劣化を少なくする。これにより、絶縁部材の絶縁信頼性を向上させる。
本発明によれば、油入型および樹脂モールド型いずれであっても適用可能な、変圧器の絶縁信頼性を向上させる機構または構造を提供し、また、そのような機構または構造を有する変圧器を備えることによって、高電圧発生装置を小型化ができる。
X線装置用の高電圧発生装置の概要図である。 高電圧発生装置が有する整流回路の概要図である。 従来のX線装置用の高電圧発生装置に備えられる変圧器を示す図である。 実施例のX線装置用の高電圧発生装置に備えられる変圧器を示す図である。 実施例のX線装置用の高電圧発生装置に備えられる変圧器が有する固体絶縁物の構造具体例を示す図である。 実施例のX線装置用の高電圧発生装置に備えられる変圧器が有する固体絶縁物の他の構造具体例を示す図である。 実施例のX線装置用の高電圧発生装置に備えられる変圧器が有する固体絶縁物の他の構造具体例を示す図である。
本発明の第一の実施形態であるX線装置用高電圧発生装置について説明する。X線装置用高電圧発生装置はX線管に電力を供給するために、商用周波数の交流電力から数十kV以上の直流電力を得るものであって、コンバータ、インバータ、変圧器、整流回路と、から構成されている。
図1にその構成概略の一例を示す。コンバータ102は交流電力である商用電力101を直流電力に変換する装置である。インバータ103は直流から任意の周波数の交流を発生する装置である。変圧器104はインバータ103で発生した交流を昇圧する装置である。整流回路105はインバータ103で発生した交流を整流、あるいは昇圧整流する回路である。X線管106は直流電力をX線に変換する装置である。
図2は、整流回路105の概要図である。この回路はコッククロフト・ウォルトン回路の出力端に脈動低減用コンデンサ203を付加した回路である。コッククロフト・ウォルトン回路の他に対称型コッククロフト・ウォルトン回路等の倍電圧整流回路、ブリッジ等の整流回路、あるいはこれらを組み合わせた回路でもかまわない。図2に示した回路では交流電圧の2倍の直流電圧を得ることができる。この回路では出力は直流成分に脈動が重畳するため、昇圧用コンデンサ201、整流用ダイオード202の他に、脈動低減用コンデンサ203が出力端に付加される場合がある。
整流回路105の小型化に関しては、昇圧用コンデンサ201および脈動低減用コンデンサ203の容量を小さくし、コンデンサ体積を小型化する方法がある。各コンデンサの容量を小さくするためには蓄積する脈動電力を小さくする必要があるが、その解決方法の一つは整流回路105の入力電力を高周波化することである。
つぎの式(1)は絶縁体における単位体積当たりの誘電損失発熱量の理論値を示したものである。式(1)に示すように周波数fを増加させると単位体積当たりの誘電損失発熱量P0が増加する。絶縁体における誘電損失発熱量が増加し、熱による絶縁体の劣化が速くなるため、絶縁信頼性が低下する恐れがある。
P0=E2×ε0×εr×tanδ×2π×f (1)
P0:単位体積当たりの誘電損失発熱量(W/m3)
E:電界(V/m)
tanδ:誘電正接(−)
f:周波数(Hz)
ε0:真空の誘電率(F/m)
εr:比誘電率(−)
上述したように、誘電損失発熱量が増加すると、熱による絶縁体の劣化が速くなるため、絶縁信頼性が低下する恐れがある。単位体積当たりの誘電損失発熱量を低減するためには式(1)によれば電界E、比誘電率εr、誘電正接tanδを小さくすればよい。
しかしながら、電界Eを小さくするには限界がある。特に巻線付近は巻線の断面形状が概ね円であったり、巻線表面に凹凸が存在したりすることにより電界集中が発生するため、巻線が接触する付近の絶縁体の電界を小さくすることは難しい。したがって、巻線が接触する付近の絶縁体の比誘電率εrと誘電正接tanδを小さくすることが好ましい。
従来のX線装置用の高電圧発生装置に備えられる変圧器104の断面構造を図3に示す。ボビン1は鉄心31の外周に設置される。絶縁体で構成されたボビン1の外周には1次巻線21が巻回される。1次巻線21の外側には絶縁体で構成された1次/2次巻線間スペーサ2が配置され、1次巻線21と2次巻線22が絶縁される。
1次/2次巻線間スペーサ2の外周には2次巻線22が巻回される。2次巻線22が多層である場合、さらにその外周に絶縁体で構成された2次巻線層間スペーサ3が配置され、2次巻線22の層間が絶縁される。2次巻線22の最外周には絶縁体で構成された2次巻線最外周スペーサ4が配置される。ここでは1次巻線21が1層の構造であるが、多層の場合は図中の2次巻線22と同様に1次巻線層間スペーサを挿入する。
本発明の一実施例を図4に示す。図3との違いはボビン1を複数の部材で構成した点である。図4に示すように、ボビン基材部1aは1次巻線21と接触せず、ボビン表面部1bが1次巻線21と接している構造をとる。
ここで、ボビン表面部1bの比誘電率はボビン基材部1aより低い材料である。あるいはボビン表面部1bの誘電正接はボビン基材部1aより低い材料である。
このように本実施例における変圧器104は、ボビン1が1次巻線21と接する第1部材(ボビン表面部1b)および、第1部材を介して1次巻線21を支持する第2部材(ボビン基材部1a)とから構成されている。また、第1部材は第2部材よりも比誘電率や誘電正接が低い材料で構成される。
さらには、ボビン表面部1bの比誘電率と誘電正接の積はボビン基材部1aより低い材料が望ましい。これらにより、ボビン基材部1aと比較して、1次巻線21が接触するため電界が集中するボビン表面部1bにおいて、誘電損失による発熱を抑制することが可能である。換言すると、単位体積当たりの誘電損失発熱量が第2部材よりも低い第1部材を、1次巻線21と接するように設けることによって、電界が集中する位置において誘電損失による発熱を抑制することができて、絶縁信頼性の向上を図ることができる。
同様に、1次/2次巻線間スペーサ(2a、2b)、2次巻線層間スペーサ(3a、3b)、2次巻線最外周スペーサ(4a、4b)、場合によっては1次巻線層間スペーサに関しても、基材部と表面部を異なる材料で構成する。なお、ここで述べるように表面部とは、ボビン1や各スペーサにおいて巻線と直接に接触する部分を構成している部材を指し、基材部とは、ボビン1や各スペーサにおいて表面部を介して巻線や表面部を支持している部材を指すものとする。
ここでもボビン1と同様に、それぞれの部材において、表面部(巻線との接触面の2b、3b、4b)の比誘電率は基材部(2a、3a、4a)より低い材料である。あるいは表面部(2b、3b、4b)の誘電正接は基材部(2a、3a、4a)より低い材料である。さらには、表面部(2b、3b、4b)の比誘電率と誘電正接の積は基材部(2a、3a、4a)より低い材料が望ましい。これらにより、1次/2次巻線間スペーサ(2a、2b)、2次巻線層間スペーサ(3a、3b)、2次巻線最外周スペーサ(4a、4b)、場合によっては1次巻線層間スペーサに関しても、誘電損失による発熱を抑制することが可能である。
なお、上述の例では、変圧器の巻線構造が同心配置のものを挙げたが、これに限ることなく、一次巻線と二次巻線とが、鉄心を巻き回しの中心としたときに同位置に配置され、またその中心軸方向において交互に配置される構造であってもよい。
以上、説明したように本実施例における変圧器は、ボビン1や各スペーサを誘電正接または比誘電率の異なる複数の絶縁体を使って構成している。この構成を採ることにより、ボビン1や各スペーサにおいて、巻線近傍は単位体積当たりの誘電損失発熱量が低い絶縁体を配置することが可能となる。その結果、ボビン1や各スペーサにおいて、巻線付近であって、巻線の断面形状が概ね円であったり、巻線表面に凹凸が存在したりすることにより電界集中が発生しやすいところであっても、誘電損失発熱を抑制して絶縁信頼性の高い変圧器を提供することができる。
また、変圧器の絶縁信頼性が高まることで、変圧器の出力電圧を高周波化することも可能となる。変圧器の出力電圧を高周波化することで、これを入力として受け取る整流回路においては、昇圧用コンデンサや脈動低減用コンデンサの容量を小さくすることができる。すなわち小型のコンデンサを整流回路に採用することが可能となるため、X線装置用の高電圧発生装置についても小型化を図ることができる。
変圧器の構造についてはいくつかのバリエーションが考えられる。図4に示す変圧器は、ボビン1や各スペーサを表面部と基材部の二つの領域に分けて構成するとともに、表面部を構成する絶縁体と基材部を構成する絶縁体とは異なる材料から作られている。したがって本実施例におけるボビン1や各スペーサは2種類の絶縁体から構成されていると言えるが、これは一実施例であって、3種類以上の絶縁体を採用することも可能である。その際には誘電損失を低減するため、比誘電率、誘電正接あるいはその積は低い材料を表面部に優先的に採用する。すなわち、3種類以上の材料を用いた場合には比誘電率、誘電正接あるいはその積が最大となる材料を表面部には用いないほうがよい。3種類以上の材料を用いる場合としては、2種類の材料を接着するために第3の材料として接着剤を用いる等の場合が挙げられる。
図3および4に示す変圧器は、ボビン1のフランジ部分と各スペーサとの間に空隙を設けている。これは変圧器内部の絶縁性を向上させるために絶縁油を利用する際に適した構造である。すなわち絶縁油に内部の構造物を浸して使用する変圧器であれば、この空隙部分を流路として絶縁油を変圧器内部に流入させることができる。なお、この空隙は必要でなければ設ける必要はない。また、絶縁油の流路を確保する観点からは、各スペーサを短冊状として絶縁油の流れの経路を形成することも望ましい。
また、図4において、ボビン1のフランジ部分であって、各スペーサと空隙を介して向き合う面は巻線崩れにより巻線が接触する可能性があるため、この面にもボビン表面部1bと同じ材料を用いることも望ましい。図3および4では絶縁油に浸すことを前提としてボビンと各スペーサ間、あるいは巻線表面には空隙がある。この空隙には主変圧器の強度を向上するために熱硬化性樹脂等を流し込み空隙を無くしてもよい。
ボビン1や各スペーサに関して基材部と表面部との間で比誘電率および誘電正接の違いを設ける具体的な方法は、下記にあげるものが考えられる。
1つ目の考えとして、ボビン1や各スペーサを固体絶縁体によって製造する場合において、これら部材の材質を変更することによって調整する方法が考えられる。例えば、ボビン1(あるいは各スペーサ)の表面部には市販の比誘電率3.5、誘電正接0.006のフィラー入りエポキシ樹脂、基材部には比誘電率3.6、誘電正接0.021のフィラー入りポリブチレンテレブタレートを用いる。
このように表面部および基材部を構成する材質をそれぞれ選択することによって、表面部の比誘電率および誘電正接と基材部の比誘電率および誘電正接とを異ならしめ、表面部の単位体積あたりの誘電損失発熱量が、基材部の単位体積あたりの誘電損失発熱量よりも低いボビン等の構造を実現することができる。なお、上述の例ではエポキシ樹脂とポリブチレンテレブタレートを例に挙げたが、これに限ることなくその他の材料でも同様に比誘電率および誘電正接を調整することが可能である。各材質は適宜、変圧器の設置状況や製造時の作業性等を考慮して選択すればよい。
2つ目の考えとして、ボビン1や各スペーサを固体絶縁体によって製造する場合において、その個体絶縁体に添加する微粒子の濃度を表面部と基材部とによって適当に異ならしめて調整する方法がある。例えば、エポキシ等の熱硬化型樹脂に混合する微粒子(フィラー)の濃度を変えることにより、マクロに比誘電率と誘電正接を調整することが可能である。
3つ目としては、ボビン1や各スペーサを固体絶縁体によって製造する場合において、その個体絶縁体に添加する微粒子の種類を表面部と基材部とおいて異ならせることによって調整する方法がある。例えば、添加する微粒子をアルミナ(比誘電率:約10)とシリカ(比誘電率:約4)にすることにより、マクロに比誘電率を調整することが可能である。
4つ目としては、ボビン1や各スペーサを固体絶縁体によって製造する場合において、その個体絶縁体に添加する微粒子の大きさを表面部と基材部とにおいて異ならせることによって調整する方法がある。エポキシ等の熱硬化型樹脂に混合する微粒子(フィラー)の大きさを変えることにより、マクロに比誘電率と誘電正接を調整することが可能である。
5つ目としては、ボビン1や各スペーサを固体絶縁体によって製造する場合において、個体絶縁体に形成される空隙の大きさによって調整する方法がある。例えば図5に示すような構造で円柱状絶縁体41を積層して固体絶縁体を構成し、空隙に絶縁油を入れる構造を考える。この場合、円柱状絶縁体41の形状、隣り合う間隔、材質等を変えることによりマクロに比誘電率や誘電正接を調整することが可能である。
例えば、図6に円柱状絶縁体41で構成された空隙を含む表面部43と別方式で作製した空隙を含まない基材部42の構成を示す。表面部43は空隙に絶縁油が入り込み絶縁信頼性を確保しつつ、マクロには比誘電率あるいは誘電正接を低減することが可能である。また、基材部42についても円柱状絶縁体41を積層する構造として、円柱状絶縁体41を比誘電率あるいは誘電正接が表面部43より高い材質で構成することも望ましい。このような構造は熱溶解積層型3Dプリンタ等で比較的容易に製作可能である。
また、図7に示すように球状絶縁体44を固めて固体絶縁体を構成し、空隙に絶縁油を入れる構造とする。この場合、球状絶縁体44の形状、粒径分布、材質等を変えることによりマクロに比誘電率や誘電正接を調整することが可能である。
例えば、図7のようにほぼ同一の粒径を有する球状絶縁体44で構成された空隙を含む表面部43と、異なる粒径を有する球状絶縁体44で構成された空隙を含む基材部42で構成された絶縁体構成を示す。双方とも空隙に絶縁油が入り込み絶縁信頼性を確保しつつ、表面部43では球状絶縁体44の密度が低いので、マクロには比誘電率あるいは誘電正接を低減することが可能である。このような構造は粉末焼結式積層型3Dプリンタ等で比較的容易に製作可能である。
以上において、変圧器のボビンや各スペーサの構造について表面部と基材部とで比誘電率や誘電正接を異ならせる方法を説明したが、これらは独立して採用するだけでなく、各方法を組み合わせて採用することも可能である。
また、X線用の高電圧発生装置に用いられる変圧器を中心に本発明の実施形態を説明したが、これに限ることなく今回考案した変圧器の構造は採用可能であり、出力電圧の高周波化に対する絶縁信頼性の向上の観点で有用である。
また、上記の例では絶縁油を使う油入型変圧器について説明したが、本実施例はこれに限ることなく樹脂モールド型変圧器やガス変圧器におけるボビン等に採用することも可能である。この場合、ボビン等の比誘電率や誘電正接を下げることによって誘電損失発熱量を抑制し、樹脂モールド型変圧器等においても絶縁信頼性を向上させることができる。
1…ボビン
1a…ボビン基材部
1b…ボビン表面部
2…1次/2次巻線間スペーサ
2a…1次/2次巻線間スペーサ基材部
2b…1次/2次巻線間スペーサ表面部
3…2次巻線層間スペーサ
3a…2次巻線層間スペーサ基材部
3b…2次巻線層間スペーサ表面部
4…2次巻線最外周スペーサ
4a…2次巻線最外周スペーサ基材部
4b…2次巻線最外周スペーサ表面部
21…1次巻線
22…2次巻線
31…鉄心
41…円柱状絶縁体
42…基材部
43…表面部
44…球状絶縁体
101…商用電力
102…コンバータ
103…インバータ
104…変圧器
105…整流回路
106…X線管
201…昇圧用コンデンサ
202…整流用ダイオード
203…脈動低減用コンデンサ

Claims (12)

  1. 鉄心と、
    前記鉄心の外周に配置されるボビンと、
    前記ボビンの外周に巻き回される一次巻線および二次巻線からなる巻線部と、を有する変圧器であって、
    前記ボビンは複数の絶縁部材から構成され、
    前記ボビンの複数の絶縁部材のうち比誘電率と誘電正接の積が最も低い絶縁部材が前記巻線部に接触するように配置される構造を特徴とする変圧器。
  2. 請求項1に記載の変圧器において、
    前記巻線部と接触する絶縁部材以外の絶縁部材は、前記巻線部に接触しないように配置される構造を特徴とする変圧器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の変圧器において、
    前記一次巻線と前記二次巻線との間に、複数の絶縁部材から構成されるスペーサが設置され、
    前記スペーサの複数の絶縁部材のうち比誘電率と誘電正接の積が最も低い絶縁部材が前記一次巻線と前記二次巻線とに接触するように配置される構造を特徴とする変圧器。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変圧器において、
    前記複数の絶縁部材の比誘電率および誘電正接は絶縁部材の材質によって調整されることを特徴とする変圧器。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変圧器において、
    前記複数の絶縁部材の比誘電率および誘電正接は絶縁部材に添加される微粒子の濃度によって調整されることを特徴とする変圧器。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変圧器において、
    前記複数の絶縁部材の比誘電率および誘電正接は絶縁部材に添加される微粒子の種類によって調整されることを特徴とする変圧器。
  7. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変圧器において、
    前記複数の絶縁部材の比誘電率および誘電正接は絶縁部材に添加される微粒子の大きさによって調整されることを特徴とする変圧器。
  8. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変圧器において、
    前記複数の絶縁部材の比誘電率および誘電正接は絶縁部材に形成される空隙の大きさによって調整されることを特徴とする変圧器。
  9. 鉄心と、
    前記鉄心の外周に配置される絶縁体のボビンと、
    前記ボビンの外周に配置される一次巻線および二次巻線からなる巻線部と、を備え、
    前記ボビンは、前記巻線部と接触する表面部と、該表面部以外の基材部と、から構成され、
    前記表面部の比誘電率と誘電正接の積は、前記基材部の比誘電率と誘電正接の積よりも低い変圧器。
  10. 鉄心と、
    前記鉄心の外周に配置される絶縁体のボビンと、
    前記ボビンの外周に配置される一次巻線とおよび二次巻線と、
    前記一次巻線と前記二次巻線との間に設置される絶縁体のスペーサと、を備え、
    前記スペーサは、前記一次巻線および前記二次巻線に接触する表面部と、該表面部以外の基材部と、から構成され、
    前記表面部の比誘電率と誘電正接の積は、前記基材部の比誘電率と誘電正接の積よりも低い変圧器。
  11. 鉄心と、
    巻線が前記鉄心に巻回され、前記鉄心の外周に設置される巻線部と、
    前記巻線部の巻線に近接する部分の比誘電率と誘電正接の積が、他の部分の比誘電率と誘電正接の積よりも小さい絶縁部材と、
    を備えたことを特徴とする変圧器。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の変圧器を備える高電圧発生装置。
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