JP2005302797A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
発光素子と蛍光体とを有する発光装置の発光輝度を向上させる。
【解決手段】
本発明は、発光素子と、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収し異なる波長を有する光を発する蛍光物質とを有する発光装置であって、蛍光物質が、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される少なくとも一種の元素と、Ceとを含むアルカリ土類金属酸化物蛍光体であることを特徴とする。より具体的には、上記蛍光物質は、下記の一般式で表されるアルカリ土類金属酸化物蛍光体である。
(Ca1−x−yxCey)O1+1/2y
ただし、MはMg、Sr、BaとZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素を示し、x、yは以下の数値を満足する。
0≦x≦0.8
0.0001≦y≦0.8
【選択図】なし

Description

本発明は、信号灯、照明、ディスプレイ、インジケーターや各種光源などに使用可能な発光素子と蛍光体を用いた発光装置に係わり、特に、発光素子からの発光スペクトルにより励起され、可視光領域に発光可能な蛍光物質を用い白色系の混色光が発光可能な発光装置を提供する。
今日、半導体発光素子として種々の発光ダイオードやレーザーダイオードが開発されている。このような半導体発光素子は低電圧駆動、小型、軽量、薄型、長寿命で信頼性が高く低消費電力という長所を生かして、ディスプレイやバックライト、インジケーターなど種々の光源として電球や冷陰極管の一部を代換えしつつある。
特に、紫外域から可視光の短波長側で効率よく発光可能な発光素子として窒化物半導体を用いたものが開発されている。窒化物半導体(例えば、InGaN混晶)を発光(活性)層とした量子井戸構造を有し、青色あるいは緑色領域で10カンデラ以上の発光をするLEDが開発され製品化されている。このようなLEDチップと蛍光体とを組み合わせ、LEDチップからの光と、その光により励起された蛍光体による光との混色により、白色系を含めた混色光が発光可能な発光装置とすることができる(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
上記特許文献に例示される発光素子は、可視光のうち比較的短波長となる青色領域の光を発光する。また、発光素子を被覆する封止部材中、あるいは発光素子の表面の一部を被覆する蛍光体層に含有される蛍光体は、該発光素子からの発光の少なくとも一部により励起され発光素子からの発光よりも長波長である黄色から緑色領域の可視光を発光させる。従って、蛍光体に吸収されることなく透過してくる発光素子からの青色領域の光と、蛍光体からの光との混色により、発光装置は、白色系の混色光を発光することができる。このように、発光素子からの光の一部を透過させて利用する場合は、構造自体を簡略化できると共に出力向上を行いやすいという利点がある。
特開平5−152609号。
特開平9−153645号。
特開平10−242513号。
しかしながら、半導体発光素子の利点を活かし、照明までも含めた光源として利用されるには、従来の発光装置では十分でなく、さらなる高輝度化、演色性の向上や量産性の改良が求められている。特に、黄橙色系の光を発する蛍光体の高輝度化、そして更なる高効率化および高演色性が求められている。そのため、高効率や演色性の良い発光装置を作製する場合、種々の蛍光体の混合割合を多くしなければならなくなり、相対輝度が大きく低下する場合がある。また、蛍光体の耐光性についても充分でなく、発光装置のライフ特性にも大きな問題があった。さらに、量産性を向上させるためには発光素子から放出される光で蛍光体を励起した場合、蛍光体の組成によって所望の色味に調整できることが望ましい。
そこで、本発明は、発光素子と蛍光体とを有し、高輝度、高演色性および量産性に優れた発光装置を提供することを目的とする。
上述のような課題を解決するため、本発明は、発光素子と、該発光素子からの発光の少なくとも一部を吸収し異なる波長を有する光を発する蛍光物質とを有する発光装置であって、上記蛍光物質は、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される少なくとも一種の元素と、Ceとを含む蛍光体である。また、上記蛍光物質は、下記の一般式で表すことができる蛍光体である。
(Ca1−x−yxCey)O1+1/2y
ただし、MはMg、Sr、BaとZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素を示し、x、yは以下の数値を満足する。
0≦x≦0.8
0.0001≦y≦0.8
これによって、耐光性や、耐環境性に優れた蛍光物質を備えた発光装置とすることができる。また、窒化物半導体発光素子から放出された発光スペクトルを効率よく吸収することができる。さらに、白色系の領域を発光可能であると共に組成によってその領域を調整することができる。また、青色領域を吸収して緑色〜橙色を高輝度に発光可能である。そのため、演色性に優れた発光装置とすることができる。
また、上記蛍光体は、さらにK、Na、Li、Rb、Ti、Zr、Hf、Si、Ge、Sn、Pb、V、Nb、Taからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む。あるいは、下記の一般式で表すことができる蛍光体である。
(Ca1−x−y1 xCey)O1+1/2y・αM2 2O・βM32・γM4 25
ただし、M1はMg、Sr、BaおよびZnからなる群、M2はLi、Na、KおよびRbからなる群、M3はTi、Zr、Hr、Si、Ge、SnおよびPbからなる群、またM4はV、Nb、Taからなる群よりそれぞれ選択される少なくとも一種の元素を表し、x、y、α、β、γは以下の数値を満足する。
0≦x≦0.8
0.0001≦y≦0.8
0≦α≦0.5
0≦β≦1.0
0≦γ≦0.5
0≦α+β+γ≦1.0
これにより、蛍光体の発光輝度を向上させることができる。
また、本発明の発光装置は、上記蛍光体に加えて、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類アルミン酸塩、希土類アルミン酸塩系蛍光体、希土類酸硫化物蛍光体、および有機錯体蛍光体から選択される少なくとも一種の蛍光体を有する。また、上記蛍光体に加えて、さらに下記の一般式で表される酸窒化物蛍光体を有する。
xyz{(2/3x+(4/3)y−(2/3)z}:R
ただし、LはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される少なくとも1種の元素を有し、MはC、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群より選択される少なくとも1種の元素を有する。また、Nは窒素で、Oは酸素、Rは希土類元素である。x、y、zは以下の数値を満足する。
x=2、4.5≦y≦6、0.01<z<1.5
またはx=1、6.5≦y≦7.5、0.01<z<1.5
またはx=1、1.5≦y≦2.5、1.5≦z≦2.5
これによって、色調をより精密に調整可能であると共に、比較的簡単な構成で演色性の高い白色光を得ることができる。
また、本発明の発光装置は、半導体発光素子の発光層が少なくともInとGaを含む窒化物半導体である。同様に、半導体発光素子の発光層が少なくともGaとAlを含む窒化物半導体である。これにより、半導体発光素子は、可視光の短波長まで高輝度に発光可能であり、かつ発光スペクトル幅を狭くさせることが可能であることから、蛍光体を効率よく励起可能である。
本発明は、発光素子と、上述の蛍光体とを含む発光装置であり、従来の発光装置と比較して高輝度、高演色性および量産性に優れた発光装置である。
発光素子と、該発光素子からの発光の少なくとも一部を吸収し異なる波長を有する光を発する蛍光物質とを有する発光装置において、本発明者らは、種々実験の結果、蛍光物質を、Mg、Ca、Sr、Baからなる群より選択される少なくとも一種の元素と、Ceとを含むアルカリ土類金属酸化物蛍光体とすることにより、高輝度で高演色の発光装置を実現できることを見出し、本発明をなすに至った。以下、本発明の各構成について詳述する。
[発光素子]
本発明において発光素子は、蛍光物質を効率よく励起可能な発光波長を発光できる発光層を有する半導体発光素子が好ましい。このような半導体発光素子の材料として、BN、SiC、ZnSeやGaN、InGaN、InAlGaN、AlGaN、BAlGaN、BInAlGaNなど種々の半導体を挙げることができる。同様に、これらの元素に不純物元素としてSiやZnなどを含有させ発光中心とすることもできる。蛍光物質を効率良く励起できる紫外領域から可視光の短波長を効率よく発光可能な発光層の材料として特に、窒化物半導体(例えば、AlやGaを含む窒化物半導体、InやGaを含む窒化物半導体としてInAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)がより好適に挙げられる。
また、半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合やpn接合などを有するホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構成のものが好適に挙げられる。半導体層の材料やその混晶比によって発光波長を種々選択することができる。また、半導体活性層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造や多重量子井戸構造とすることでより出力を向上させることもできる。
窒化物半導体を使用した場合、半導体用基板にはサファイア、スピネル、SiC、Si、ZnO、GaAs、GaN等の材料が好適に用いられる。結晶性の良い窒化物半導体を量産性よく形成させるためにはサファイア基板を利用することが好ましい。このサファイア基板上にHVPE法やMOCVD法などを用いて窒化物半導体を形成させることができる。サファイア基板上にGaN、AlN、GaAIN等の低温で成長させ非単結晶となるバッファ層を形成しその上にpn接合を有する窒化物半導体を形成させる。
窒化物半導体を使用したpn接合を有する紫外領域を効率よく発光可能な発光素子例として、バッファ層上に、サファイア基板のオリフラ面と略垂直にSiO2をストライプ状に形成する。ストライプ上にHVPE法を用いてGaNを成長させる。続いて、MOCVD法により、n型窒化ガリウムで形成した第1のコンタクト層、n型窒化アルミニウム・ガリウムで形成させた第1のクラッド層、窒化インジウム・アルミニウム・ガリウムの井戸層と窒化アルミニウム・ガリウムの障壁層を複数積層させた多重量子井戸構造とされる活性層、p型窒化アルミニウム・ガリウムで形成した第2のクラッド層、p型窒化ガリウムで形成した第2のコンタクト層を順に積層させたダブルへテロ構成などの構成が挙げられる。活性層にガイド層及び共振器端面を設け半導体レーザ素子とすることもできる。
窒化物半導体は、不純物をドープしない状態でn型導電性を示す。発光効率を向上させるなど所望のn型窒化物半導体を形成させる場合は、n型ドーパントとしてSi、Ge、Se、Te、C等を適宜導入することが好ましい。一方、p型窒化物半導体を形成させる場合は、p型ドーパントであるZn、Mg、Be、Ca、Sr、Ba等をドープさせることが好ましい。窒化物半導体は、p型ドーパントをドープしただけではp型化しにくいためp型ドーパント導入後に、炉による加熱やプラズマ照射等により低抵抗化させることが好ましい。サファイア基板をとらない場合は、第1のコンタクト層の表面までp型側からエンチングさせ各コンタクト層を露出させる。各コンタクト層上にそれぞれ電極形成後、半導体ウエハーからチップ状にカットさせることで窒化物半導体からなる発光素子を形成させることができる。
本発明の発光装置において、量産性よく形成させるためには樹脂を利用することが好ましく、この場合蛍光物質からの発光波長と透光性樹脂の劣化等を考慮して、発光素子は青色域に発光スペクトルを有し、その主発光波長は400nm以上500nm以下が好ましく、420nm以上490nm以下がより好ましい。
本発明の発光素子は、サブマウントのような支持基板に対し、発光素子の電極が形成されている面を対向させて配置させ、バンプにて接合された複合的な半導体素子とすることもできる。さらに、該支持基板をツェナーダイオードとすることもできる。ツェナーダイオードは、正電極を有するp型半導体領域と、負電極を有するn型半導体領域とを有し、例えば発光素子のp側電極とn側電極に対して逆並列となるように接続される。即ち、発光素子のn側電極およびp側電極が、ツェナーダイオードのp型半導体領域およびn型半導体領域の電極とそれぞれ接続される。ここで、発光素子のn側電極およびp側電極は、サブマウントの表面に露出されたツェナーダイオードのp型半導体領域およびn型半導体領域の電極とそれぞれ電気的および機械的に接続される。ツェナーダイオードとされたサブマウントに設けられた正負両電極は、導電性ワイヤによってパッケージのリード電極と接続することができる。このように、サブマウントにツェナーダイオードの機能を持たせることにより、正負リード電極間に過大な電圧が印加された場合、その電圧がツェナーダイオードのツェナー電圧を超えると、発光素子の正負両電極間はツェナー電圧に保持され、このツェナー電圧以上になることはない。従って、発光素子間に過大な電圧が印加されるのを防止でき、過大な電圧から発光素子を保護し、素子破壊や性能劣化の発生を防止することができる。また、保護素子と発光素子を一体化させた複合素子とすることにより、半導体素子の数が増えるものの、その設置面積を小さくすることができる。
[蛍光物質]
本発明では、発光素子の半導体素子構造中、発光素子の少なくとも一部を被覆する封止部材、発光素子を支持体やリード電極に固着させるダイボンド材、フリップチップ実装時において発光素子と支持基板やリード電極との間に配されるアンダーフィル、および発光素子が固定保持されるパッケージ等の各構成部材中および/またはその周辺に無機蛍光物質や有機蛍光物質のような種々の蛍光物質を配置させることができる。また、蛍光物質は、封止部材の発光観測面側表面を被覆するように封止部材の外部に設けられる他、封止部材の発光観測面側表面および発光素子から離間させた位置に、蛍光体を含む層あるいはフィルターとして設けることもできる。また、蛍光物質と結着剤とからなる波長変換部材は、発光素子の周辺に設けられたリフレクタ(発光素子が載置されるリードフレームやパッケージの凹部内壁面)の光反射面から離間させて配置させることもできる。このように配置することにより、波長変換部材から出光する光は、結着剤以外(例えば空気)を媒質とすることにより取り出され、発光装置の光取り出し効率を向上させることができる。
本願発明に利用可能な蛍光体は、発光素子から放出される可視光や紫外光の一部を吸収し、その吸収した光の波長と異なる波長を有する光を発光するものである。特に、本形態に用いられる蛍光体は、少なくとも発光素子から発光された光によって励起され、波長変換した光を発光する蛍光体をいい、該蛍光体を固着させる結着剤とともに波長変換部材を構成する。
本形態における蛍光物質は、有機材料である樹脂や無機材料であるガラスなど種々のバインダー(結着剤)にて結着させ、波長変換部材とすることができる。例えば、バインダーとして有機物を使用する場合、具体的材料として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーンなどの耐候性に優れた透明樹脂が好適に用いられる。特にシリコーンを用いると信頼性に優れ且つ蛍光物質の分散性を向上させることができ好ましい。また、バインダーとされた低融点ガラスは、微細な粒子であり且つ紫外から可視領域のふく射線に対して吸収が少なく波長変換部材中にて極めて安定であることが好ましく、沈殿法により得られた細かい粒子であるアルカリ土類のほう酸塩が適している。
また、無機物を主な材料とするバインダーは、紫外から可視領域のふく射線に対して吸収が少なく波長変換部材中にて極めて安定であり、好ましい。無機物をバインダーとし、波長変換部材として形成させる具体的方法として、沈降法やゾル−ゲル法等を用いることができる。例えば、蛍光物質、金属アルコキシド、及びエタノールを混合してスラリーを形成し、該スラリーをノズルから吐出させた後、300℃にて3時間加熱して蛍光物質を所望の場所に固着させることができる。
また、大きい粒径を有する蛍光物質を結着させる場合、融点が高くても粒子が超微粉体である結着剤、例えば、シリカ、アルミナ、あるいは沈殿法で得られる細かい粒度のアルカリ土類金属のピロリン酸塩、正りん酸塩などを使用することが好ましい。これらの結着剤は、単独、若しくは互いに混合して用いることができる。
ここで、蛍光体を結着させる方法の他の一例について述べる。結着剤は、結着効果を十分に高めるため、ビヒクル中に湿式粉砕してスラリー状にして結着剤スラリーとして用いることが好ましい。ビヒクルとは、有機溶媒あるいは脱イオン水に少量の粘結剤を溶解して得られる高粘度溶液である。例えば、有機溶媒である酢酸ブチルに対して粘結剤であるニトロセルロースを1wt%含有させることにより、有機系ビヒクルが得られる。このようにして得られた結着剤スラリーに蛍光物質を含有させて塗布液を作製する。塗布液中のスラリーの添加量は、塗布液中の蛍光物質量に対してスラリー中の結着剤の総量が1〜3%wt程度とすることができる。光束維持率の低下を抑制するため、結着剤の添加量が少ない法が好ましい。塗布液を発光素子の表面あるいは発光素子の周辺に塗布する。その後、温風あるいは熱風を吹き込み乾燥させる。最後に400℃〜700℃の温度でベーキングを行い、上記ビヒクルを飛散させる。これにより所望の場所に蛍光体層が結着剤にて付着される。
発光素子が発光した光と、蛍光体が発光した光が補色関係などにある場合、それぞれの光を混色させることで白色系の混色光を発光することができる。具体的には、発光素子からの光と、それによって励起され発光する蛍光体の光がそれぞれ光の3原色(赤色系、緑色系、青色系)に相当する場合や発光素子が発光した青色系の光と、それによって励起され発光する蛍光体の黄色系の光が挙げられる。
発光装置の発光色は、蛍光体と、蛍光体の結着剤として働く各種樹脂やガラス等の無機部材との比率、蛍光体の比重、蛍光体の量および形状などを種々調整すること、及び発光素子の発光波長を選択することにより、混色光の色温度を変化させ電球色領域の光など、任意の白色系の色調を提供させることができる。発光装置の外部には、発光素子からの光と蛍光体からの光が封止部材を効率よく透過することが好ましい。
このような蛍光体は、気相や液相中で自重によって沈降するため、気相や液相中に分散させ均一に放出させ、特に液相中においては懸濁液を静置させることで、より均一性の高い蛍光体を持つ層を形成させることができる。さらに、所望に応じて複数回繰り返すことにより所望の蛍光体量を形成することができる。
以上のようにして形成される蛍光体は、発光装置の表面上において一層からなる波長変換部材中に二種類以上存在してもよいし、二層からなる波長変換部材中にそれぞれ一種類あるいは二種類以上存在してもよい。このようにすると、異なる種類の蛍光体からの光の混色による白色光が得られる。この場合、各蛍光物質から発光される光をより良く混色しかつ色ムラを減少させるために、各蛍光体の平均粒径及び形状は類似していることが好ましい。
ここで本明細書中における粒径とは、体積基準粒度分布曲線により得られる値である。体積基準粒度分布曲線は、レーザ回折・散乱法により粒度分布を測定し得られるもので、具体的には、気温25℃、湿度70%の環境下において、濃度が0.05%であるヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液に各物質を分散させ、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−2000A)により、粒径範囲0.03μm〜700μmにて測定し得られたものである。この体積基準粒度分布曲線において積算値が50%のときの粒径値であり、本発明で用いられる蛍光物質の中心粒径は5μm〜50μmの範囲であることが好ましい。また、この中心粒径値を有する蛍光物質が頻度高く含有されていることが好ましく、頻度値は20%〜50%が好ましい。このように粒径のバラツキが小さい蛍光物質を用いることにより、より色ムラが抑制され良好な色調を有する発光装置が得られる。以下、各蛍光体について詳細に説明していく。
(アルカリ土類金属酸化物蛍光体)
本発明の発光装置に用いられる蛍光物質は、半導体発光素子からの発光スペクトルによって効率よく発光可能なものである。蛍光物質は少なくとも青色領域に励起領域を有することが好ましい。また、蛍光物質は半導体発光素子からの主発光波長が400nmよりも長波長の発光スペクトルの少なくとも一部を吸収し、緑色〜橙色領域の発光ピークを有する。このような蛍光体として、Ceで付活されたアルカリ土類金属酸化物蛍光体が挙げられる。特に、本形態におけるCeで付活されたアルカリ土類金属酸化物蛍光体は、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される少なくとも一種の元素と、Ceとを含むアルカリ土類金属酸化物蛍光体である。
本形態におけるアルカリ土類金属酸化物蛍光体として、例えば、CaO:Ce、Sr0.2Ca0.8O:Ce、Sr0.2Ca0.7Ba0.1O:Ce、Sr0.2Ca0.7Mg0.1O:Ce、Sr0.1Ca0.7Ba0.1Mg0.1Zn0.1Oなどが挙げられるが、これらに限定されないことは言うでもない。以下の表1は、本形態におけるアルカリ土類金属酸化物蛍光体の一実施例における組成式およびその発光特性を示す。ここで、表1に示される発光特性は、蛍光体を460nmの光により励起したときの色度座標値および発光輝度を示す。即ち、表中のx、yは色度座標値を示し、発光輝度は、YAl12:Ceを基準とした相対的な発光輝度(%)を示す。
Figure 2005302797
アルカリ土類金属酸化物蛍光体は、以下の方法により得ることができる。まず、アルカリ土類金属酸化物蛍光体の構成元素の酸化物、もしくは熱分解によって酸化物などになり得る炭酸塩等の各種化合物と、フラックスとを原料とし、所定量秤量する。ここで、フラックスとしてはフッ化物系とホウ酸塩を用いることが好ましい。次に、これらの原料をボールミル等で混合した後、坩堝に入れ、還元雰囲気において、1200℃から1400℃の温度で3〜7時間焼成する。最後に、得られた焼成品を粉砕し、篩後、アルカリ土類金属酸化物蛍光体を得ることができる。
上述のようにして得られたアルカリ土類金属酸化物蛍光体は、一般式(Ca1−x−yxCey)O1+1/2yで表すことができる。ただし、MはMg、Sr、BaとZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素を示し、xは0以上0.8以下、好ましくは0.0001以上0.8以下であり、yは0.0001以上0.8以下である。
本形態におけるアルカリ土類金属酸化物蛍光体は、さらにK、Na、Li、Rb、Ti、Zr、Hf、Si、Ge、Sn、Pb、V、Nb、Taからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含むことができる。このような元素を含むことにより蛍光体の輝度を向上させることができる。このようなアルカリ土類金属酸化物蛍光体は、上述のアルカリ土類金属酸化物蛍光体を焼成する原料中に、K、Na、Li、Rb、Ti、Zr、Hf、Si、Ge、Sn、Pb、V、Nb、Taからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物や炭酸塩などの各種化合物を混合させることにより、アルカリ土類金属酸化物蛍光体の構成元素とすることができる。また、本形態におけるアルカリ土類金属酸化物蛍光体は、一般式(Ca1-x-y1 xCey)O1+1/2y・αM2 2O・βM3O2・γM4 2O5で表すことができる。ただし、M1はMg、Sr、BaおよびZnからなる群より選択される少なくとも一種の元素、M2はLi、Na、KおよびRbからなる群より選択される少なくとも一種の元素、M3はTi、Zr、Hf、Si、Ge、SnおよびPbからなる群より選択される少なくとも一種の元素、またM4はV、NbおよびTaからなる群より選択される少なくとも一種の元素を表す。さらに、x、y、z、α、βおよびγは、以下の数値範囲を満たす。
0≦x≦0.8、
0.0001≦y≦0.8、
0≦α≦0.5、0≦β≦1.0、0≦γ≦0.5、0≦α+β+γ≦1.0
ここで、yは付活剤とするCe元素の組成比を示すものであり、0.0001≦y≦0.5が好ましく、yが0.0001未満では発光輝度が低下し、yが0.5を越えても濃度消光によって発光輝度が低下する傾向にある。より好ましくは、0.001≦y≦0.4、さらに好ましくは、0.005≦y≦0.2である。
K、Na、Li、Rb、Ti、Zr、Hf、Si、Ge、Sn、Pb、V、Nb、Taからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含むアルカリ土類金属酸化物蛍光体として、例えば、以下の表2に示される組成式で表される蛍光体などが挙げられるが、これらに限定されないことは言うでもない。ここで、表2に示される発光特性は、蛍光体を460nmの光により励起したときの色度座標値および発光輝度を示す。即ち、表中のx、yは色度座標値を示し、発光輝度は、YAl12:Ceを基準とした相対的な発光輝度(%)を示す。
Figure 2005302797
また、蛍光物質の粒径は1μm〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは5μm〜50μmである。5μmより小さい粒径を有する蛍光物質は、比較的凝集体を形成しやすい傾向にある。また粒径範囲により蛍光物質は光の吸収率及び変換効率が高く且つ励起波長の幅が広い。このように、光学的に優れた特徴を有する大粒径蛍光物質を含有させることにより、発光素子の主波長周辺の光をも良好に変換し発光することができ、発光装置の量産性が向上される。
(アルミニウム・ガーネット系蛍光体)
本形態における蛍光物質は、アルミニウム・ガーネット系蛍光体を含有させることもできる。本明細書におけるアルミニウム・ガーネット系蛍光体とは、Alを含み、かつY、Lu、Sc、La、Gd、Tb、Eu及びSmから選択された少なくとも一つの元素と、Ga及びInから選択された一つの元素とを含み、希土類元素から選択された少なくとも一つの元素で付活された蛍光体であり、発光素子から発光された可視光や紫外線で励起されて発光する蛍光体である。本形態におけるアルミニウム・ガーネット系蛍光体として、希土類アルミン酸塩系蛍光体を利用することができる。例えば、YAlO:Ce、YAl12:Ce、YAl:Ce、(Y0.8Gd0.2Al12:Ce、Y(Al0.8Ga0.212:Ce、Tb2.95Ce0.05Al12、Y2.90Ce0.05Tb0.05Al12、Y2.94Ce0.05Pr0.01Al12、Y2.90Ce0.05Pr0.05Al12等が挙げられる。
さらに、本実施の形態において、特にYを含み、かつCeあるいはPrで付活され組成の異なる二種類以上のイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(以下、「YAG系蛍光体」と呼ぶ。))が利用される。特に、高輝度且つ長時間の使用時においては(Re1-xSmx3(Al1-yGay512:Ce(0≦x<1、0≦y≦1、但し、Reは、Y,Gd,Laからなる群より選択される少なくとも一種の元素である。)などが好ましい。
(Re1-xSmx3(Al1-yGay512:Ce蛍光体は、ガーネット構造のため、熱、光及び水分に強く、励起スペクトルのピークが470nm付近などにさせることができる。また、発光ピークも530nm付近にあり720nmまで裾を引くブロードな発光スペクトルを持たせることができる。
本発明の発光装置において、蛍光体は、2種類以上の蛍光体を混合させてもよい。即ち、上述したYAG系蛍光体について言えば、Al、Ga、Y、La及びGdやSmの含有量が異なる2種類以上の(Re1-xSmx3(Al1-yGay512:Ce蛍光体を混合させてRGBの波長成分を増やすことができる。また、現在のところ半導体発光素子の発光波長には、バラツキが生ずるものがあるため2種類以上の蛍光体を混合調整させて所望の白色系の混色光などを得ることができる。具体的には、発光素子の発光波長に合わせて色度点の異なる蛍光体の量を調整し含有させることでその蛍光体間と発光素子で結ばれる色度図上の任意の点を発光させることができる。
発光層に窒化物系化合物半導体を用いた発光素子から発光した青色系の光と、青色光を吸収させるためボディーカラーが黄色である蛍光体から発光する緑色系の光と、赤色系の光とを混色表示させると所望の白色系発光色表示を行うことができる。蛍光体と結着剤との比率や塗布、充填量を種々調整すること及び発光素子の発光波長を選択することにより白色を含め電球色など任意の色調を提供させることができる。
YAG系蛍光体を使用すると、放射照度として(Ee)=0.1W・cm−2以上1000W・cm−2以下の発光素子と接する或いは近接して配置された場合においても高効率に十分な耐光性を有する発光装置とすることができる。
セリウムで付活されたガーネット構造の蛍光体は、熱、光及び水分に強く、励起吸収スペクトルのピーク波長が420nmから470nm付近にさせることができる。また、発光ピーク波長λpも510nm付近にあり700nm付近まで裾を引くブロードな発光スペクトルを持つ。一方、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体である赤色系が発光可能なYAG系蛍光体でも、ガーネット構造であり熱、光及び水分に強く、励起吸収スペクトルのピーク波長が420nmから470nm付近にさせることができる。また、発光ピーク波長λpが600nm付近にあり750nm付近まで裾を引くブロードな発光スペクトルを持つ。
ガーネット構造を持ったYAG系蛍光体の組成の内、Alの一部をGaで置換することで発光スペクトルが短波長側にシフトし、また組成のYの一部をGd及び/又はLaで置換することで、発光スペクトルが長波長側へシフトする。このように組成を変化することで発光色を連続的に調節することが可能である。したがって、長波長側の強度がGdの組成比で連続的に変えられるなど窒化物半導体の青色系発光を利用して白色系発光に変換するための理想条件を備えている。Yの置換が2割未満では、緑色成分が大きく赤色成分が少なくなり、8割以上では、赤み成分が増えるものの輝度が急激に低下する。また、励起吸収スペクトルについても同様に、ガーネット構造を持ったYAG系蛍光体の組成の内、Alの一部をGaで置換することで励起吸収スペクトルが短波長側にシフトし、また組成のYの一部をGd及び/又はLaで置換することで、励起吸収スペクトルが長波長側へシフトする。YAG系蛍光体の励起吸収スペクトルのピーク波長は、発光素子の発光スペクトルのピーク波長より短波長側にあることが好ましい。このように構成すると、発光素子に投入する電流を増加させた場合、励起吸収スペクトルのピーク波長は、発光素子の発光スペクトルのピーク波長にほぼ一致するため、蛍光体の励起効率を低下させることなく、色度ズレの発生を抑えた発光装置を形成することができる。
アルミニウム・ガーネット系蛍光体は、以下のような方法で製造することができる。まず、蛍光体は、Y、Gd、Ce、La、Al、Sm、Pr、Tb及びGaの原料として酸化物、又は高温で容易に酸化物になる化合物を使用し、それらを化学量論比で十分に混合して原料を得る。又は、Y、Gd、Ce、La、Sm、Pr、Tbの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶解液を蓚酸で共沈したものを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウム、酸化ガリウムとを混合して混合原料を得る。これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して坩堝に詰め、空気中1350〜1450°Cの温度範囲で2〜5時間焼成して焼成品を得、次に焼成品を水中でボールミルして、洗浄、分離、乾燥、最後に篩を通すことで得ることができる。また、別の実施の形態における蛍光体の製造方法では、蛍光体の原料を混合した混合原料とフラックスからなる混合物を、大気中又は弱還元雰囲気中にて行う第一焼成工程と、還元雰囲気中にて行う第二焼成工程とからなる、二段階で焼成することが好ましい。ここで、弱還元雰囲気とは、混合原料から所望の蛍光体を形成する反応過程において必要な酸素量は少なくとも含むように設定された弱い還元雰囲気のことをいい、この弱還元雰囲気中において所望とする蛍光体の構造形成が完了するまで第一焼成工程を行うことにより、蛍光体の黒変を防止し、かつ光の吸収効率の低下を防止できる。また、第二焼成工程における還元雰囲気とは、弱還元雰囲気より強い還元雰囲気をいう。このように二段階で焼成すると、励起波長の吸収効率の高い蛍光体が得られる。従って、このように形成された蛍光体にて発光装置を形成した場合に、所望とする色調を得るために必要な蛍光体量を減らすことができ、光取り出し効率の高い発光装置を形成することができる。
組成の異なる2種類以上のセリウムで付活されたアルミニウム・ガーネット系蛍光体は、混合させて用いても良いし、それぞれ独立して配置させても良い。蛍光体をそれぞれ独立して配置させる場合、発光素子から光をより短波長側で吸収発光しやすい蛍光体、それよりも長波長側で吸収発光しやすい蛍光体の順に配置させることが好ましい。これによって効率よく吸収及び発光させることができる。
(ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)
ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体とは、一般式(Lu1−a−b(Al1−cGa12(但し、RはCeを必須とする少なくとも1種以上の希土類元素である。MはSc、Y、La、Gdから選択される少なくとも1種の元素であり、0.0001≦a≦0.5、0≦b≦0.5、0.0001≦a+b<1、0≦c≦0.8である。)で表される蛍光体である。例えば、組成式が(Lu0.99Ce0.01Al12、(Lu0.90Ce0.10Al12、(Lu0.99Ce0.01(Al0.5Ga0.512で表される蛍光体である。
ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(以下、「LAG系蛍光体」と呼ぶことがある。)は、次のようにして得られる。蛍光体原料として、ルテチウム化合物、希土類元素Rの化合物、希土類元素Mの化合物、アルミニウム化合物及びガリウム化合物を用い、各化合物について上記一般式の割合になるように秤取し、混合するか、又はこれら蛍光体原料にフラックスを加えて混合し、原料混合物を得る。この原料混合物をルツボに充填後、還元性雰囲気中、1200〜1600℃で焼成し、冷却後、分散処理することにより、上記一般式で表される本発明の蛍光体を得る。
蛍光体原料として、酸化物又は熱分解により酸化物となる炭酸塩、水酸化物等の化合物が好ましく用いられる。また、蛍光体原料として、蛍光体を構成する各金属元素を全部又は一部含む共沈物を用いることもできる。例えば、これらの元素を含む水溶液にアルカリ、炭酸塩等の水溶液を加えると共沈物が得られるが、これを乾燥又は熱分解して用いることができる。また、フラックスとしてはフッ化物、ホウ酸塩等が好ましく、蛍光体原料100重量部に対し0.01〜1.0重量部の範囲で添加する。焼成雰囲気は、付活剤のセリウムが酸化されない還元性雰囲気が好ましい。水素濃度が3.0体積%以下の水素・窒素の混合ガス雰囲気がより好ましい。焼成温度は1200〜1600℃が好ましく、目的の中心粒径の蛍光体を得ることができる。より好ましくは1300〜1500℃である。
上記一般式において、Rは付活剤であり、Ceを必須とする少なくとも1種以上の希土類元素であって、具体的には、Ce、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lrである。RはCeのみでもよいが、CeとCe以外の希土類元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素とを含んでいてもよい。Ce以外の希土類元素は、共付活剤として作用するためである。ここで、Rには、CeがR全量に対し70mol%以上含有されていることが好ましい。a値(R量)は、0.0001≦a≦0.5が好ましく、0.0001未満では発光輝度が低下し、0.5を越えても濃度消光によって発光輝度が低下する。より好ましくは、0.001≦a≦0.4、さらに好ましくは、0.005≦a≦0.2である。b値(M量)は、0≦b≦0.5が好ましく、より好ましくは0≦b≦0.4であり、さらに好ましくは0≦b≦0.3である。例えば、MがYの場合、b値が0.5を越えると長波長紫外線〜短波長可視光、特に360〜410nm励起による発光輝度が非常に低下してしまう。c値(Ga量)は、0≦c≦0.8が好ましく、より好ましくは0≦c≦0.5であり、さらに好ましくは0≦c≦0.3である。c値が0.8を越えると発光波長は短波長にシフトし、発光輝度が低下する。
LAG系蛍光体の中心粒径は1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは5〜50μmの範囲であり、さらに好ましくは5〜15μmの範囲である。1μmより小さい蛍光体は、凝集体を形成しやすい傾向にある。これに対し、5〜50μmの粒径範囲の蛍光体は、光の吸収率及び変換効率が高く、光変換部材も形成しやすい。このように、光学的に優れた特徴を有する粒径の大きな蛍光体を含有させることにより、発光装置の量産性も向上する。また、上記中心粒径値を有する蛍光体が頻度高く含有されていることが好ましく、頻度値は20%〜50%が好ましい。このように粒径のバラツキが小さい蛍光体を用いることにより、より色ムラが抑制され良好な色調を有する発光装置が得られる。
ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体は300nm〜550nmの波長域の紫外線又は可視光により効率よく励起され発光することから、光変換部材に含有される蛍光体として有効に利用することができる。さらに、組成式の異なる複数種のLAG系蛍光体、又はLAG系蛍光体を他の蛍光体とともに用いることにより、発光装置の発光色を種々変化させることができる。半導体発光素子からの青色系の発光と、該発光を吸収し黄色系の発光する蛍光体からの発光との混色により、白色系の混色光を発光する従来の発光装置は、発光素子からの光の一部を透過させて利用するため、構造自体を簡略化できると共に出力向上を行いやすいという利点がある。その一方、上記発光装置は、2色の混色による発光であるため、演色性が十分でなく、改良が求められている。そこで、LAG系蛍光体を利用して白色系の混色光を発する発光装置は、従来の発光装置と比較してその演色性を向上させることができる。また、LAG系蛍光体は、YAG系蛍光体と比較して温度特性に優れるため、劣化、色ずれの少ない発光装置を得ることができる。
(窒化物系蛍光体)
本形態における蛍光物質は、Nを含み、かつBe、Mg、Ca、Sr、Ba、及びZnから選択された少なくとも一つの元素と、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、及びHfから選択された少なくとも一つの元素とを含み、希土類元素から選択された少なくとも一つの元素で付活された窒化物系蛍光体を含有させることもできる。また、本形態における窒化物系蛍光体は、発光素子から発光された可視光、紫外線、あるいは他の蛍光体からの発光を吸収することによって励起され発光する蛍光体をいう。例えば、SrSi:Eu,Pr、BaSi:Eu,Pr、MgSi:Eu,Pr、ZnSi:Eu,Pr、SrSi10:Eu,Pr、BaSi10:Eu,Ce、MgSi10:Eu,Ce、ZnSi10:Eu,Ce、SrGe:Eu,Ce、BaGe:Eu,Pr、MgGe:Eu,Pr、ZnGe:Eu,Pr、SrGe10:Eu,Ce、BaGe10:Eu,Pr、MgGe10:Eu,Pr、ZnGe10:Eu,Ce、Sr1.8Ca0.2Si:Eu,Pr、Ba1.8Ca0.2Si:Eu,Ce、Mg1.8Ca0.2Si:Eu,Pr、Zn1.8Ca0.2Si:Eu,Ce、Sr0.8Ca0.2Si10:Eu,La、Ba0.8Ca0.2Si10:Eu,La、Mg0.8Ca0.2Si10:Eu,Nd、Zn0.8Ca0.2Si10:Eu,Nd、Sr0.8Ca0.2Ge10:Eu,Tb、Ba0.8Ca0.2Ge10:Eu,Tb、Mg0.8Ca0.2Ge10:Eu,Pr、Zn0.8Ca0.2Ge10:Eu,Pr、Sr0.8Ca0.2SiGeN10:Eu,Pr、Ba0.8Ca0.2SiGeN10:Eu,Pr、Mg0.8Ca0.2SiGeN10:Eu,Y、Zn0.8Ca0.2SiGeN10:Eu,Y、SrSi:Pr、BaSi:Pr、SrSi:Tb、BaGe10:Ceなどが挙げられるが、これらに限定されないことは言うでもない。
希土類元素については、Y、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Luのうち少なくとも1種以上が含有されていることが好ましいが、Sc、Sm、Tm、Ybが含有されていてもよい。これらの希土類元素は、単体の他、酸化物、イミド、アミド等の状態で原料中に混合する。酸化物の希土類元素を用いた場合、残光を短くするなどの利点がある。さらに、Mnを用いると粒径を大きくすることができ、発光輝度の向上を図ることができる。
また、共付活剤として例えば、La、Prを使用することができる。酸化プラセオジム(Pr11)は、通常の希土類酸化物と異なり、非化学量論的酸化物で、プラセオジムのシュウ酸塩、水酸化物、炭酸塩などを空気中で焼く800℃に加熱するとPr11の組成をもつ黒色の粉体として得られる。
特に本発明に係る蛍光体は、Mnが添加された窒化物系蛍光体である。この蛍光体の基本構成元素は、一般式LSi(2/3X+4/3Y):Eu若しくはLSi(2/3X+4/3Y−2/3Z):Eu(Lは、Sr、Ca、SrとCaのいずれか。)で表される。一般式中、X及びYは、X=2、Y=5又は、X=1、Y=7であることが好ましい。具体的には、基本構成元素は、Mnが添加された(SrCa1−XSi:Eu、SrSi:Eu、CaSi:Eu、SrCa1−XSi10:Eu、SrSi10:Eu、CaSi10:Euで表される蛍光体を使用することが好ましいが、この蛍光体の組成中には、Mg、Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が含有されていてもよい。
Lは、Sr、Ca、SrとCaのいずれかである。SrとCaは、所望により配合比を変えることができる。蛍光体の組成にSiを用いることにより安価で結晶性の良好な蛍光体を提供することができる。
発光中心に希土類元素であるユウロピウム(Eu)を用いる。本発明の蛍光体は、母体のアルカリ土類金属系窒化ケイ素に対して、Eu2+を付活剤として用いる。Eu2+は、たとえば、ユウロピウム単体、窒化ユウロピウム又は酸化ユウロピウムを用いることが好ましい。
添加物であるMnは、Eu2+の拡散を促進し、発光輝度、エネルギー効率、量子効率等の発光効率の向上を図る。Mnは、原料中に含有させるか、又は、製造工程中にMn単体若しくはMn化合物を含有させ、原料と共に焼成する。
蛍光体には、基本構成元素中に、若しくは、基本構成元素とともに、Mg、Ga,In,Li、Na,K、Re、Mo、Fe,Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr、O及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有する。これらの元素は、粒径を大きくしたり、発光輝度を高めたりする等の作用を有している。また、B、Al、Mg、Cr及びNiは、残光を抑えることができるという作用を有している。
以下、Mn、Oが含有されている蛍光体((SrCa1−XSi:Eu)の製造方法を説明するが、本製造方法に限定されないことは言うまでもない。
原料のSr、Caを粉砕する。原料のSr、Caは、単体を使用することが好ましいが、イミド化合物、アミド化合物などの化合物を使用することもできる。また原料Sr、Caには、B、Al、Cu、Mg、Mn、MnO、Mn、Alなどを含有するものでもよい。原料のSr、Caは、アルゴン雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。粉砕により得られたSr、Caは、平均粒径が約0.1μmから15μmであることが好ましい。Sr、Caの純度は、2N以上であることが好ましい。より混合状態を良くするため、金属Ca、金属Sr、金属Euのうち少なくとも1以上を合金状態としたのち、窒化し、粉砕後、原料として用いることもできる。
原料のSiを粉砕する。原料のSiは、単体を使用することが好ましいが、窒化物化合物、イミド化合物、アミド化合物などを使用することもできる。例えば、Si、Si(NH、MgSiなどである。原料のSiの純度は、3N以上のものが好ましいが、Al、Mg、金属ホウ化物(CoB、NiB、CrB)、酸化マンガン、HBO、B、CuO、CuOなどの化合物が含有されていてもよい。Siも、原料のSr、Caと同様に、アルゴン雰囲気中、若しくは、窒素雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。Si化合物の平均粒径は、約0.1μmから15μmであることが好ましい。
次に、原料のSr、Caを、窒素雰囲気中で窒化する。Sr、Caを、窒素雰囲気中、600〜900℃、約5時間、窒化する。Sr、Caは、混合して窒化しても良いし、それぞれ個々に窒化しても良い。これにより、Sr、Caの窒化物を得ることができる。原料のSiを、窒素雰囲気中にて、800〜1200℃、約5時間、窒化する。これにより、窒化ケイ素を得る。
Sr、Ca若しくはSr−Caの窒化物を粉砕する。Sr、Ca、Sr−Caの窒化物を、アルゴン雰囲気中、若しくは、窒素雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。同様に、Siの窒化物、Euの化合物Euを粉砕する。Euの化合物として、酸化ユウロピウムを使用するが、金属ユウロピウム、窒化ユウロピウムなども使用可能である。粉砕後のアルカリ土類金属の窒化物、窒化ケイ素及び酸化ユウロピウムの平均粒径は、約0.1μmから15μmであることが好ましい。
上記原料中には、Mg、Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr、O及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が含有されていてもよい。また、Mg、Zn、B等の上記元素を以下の混合工程において、配合量を調節して混合することもできる。これらの化合物は、単独で原料中に添加することもできるが、通常、化合物の形態で添加される。この種の化合物には、HBO、Cr、MgCl、MgO・CaO、Al、金属ホウ化物(CrB、Mg、AlB、MnB)、B、CuO、CuOなどがある。
上記粉砕を行った後、Sr、Ca、Sr−Caの窒化物、Siの窒化物、Euの化合物Euを混合し、Mnを添加する。これらの混合物は、酸化されやすいため、Ar雰囲気中、又は、窒素雰囲気中、グローブボックス内で、混合を行う。
最後に、Sr、Ca、Sr−Caの窒化物、Siの窒化物、Euの化合物Euの混合物をアンモニア雰囲気中で、焼成する。焼成により、Mnが添加された(SrCa1−XSi:Euで表される蛍光体を得ることができる。ただし、各原料の配合比率を変更することにより、目的とする蛍光体の組成を変更することができる。
焼成は、管状炉、小型炉、高周波炉、メタル炉などを使用することができる。焼成温度は、1200から1700℃の範囲で焼成を行うことができるが、1400から1700℃の焼成温度が好ましい。焼成は、徐々に昇温を行い1200から1500℃で数時間焼成を行う一段階焼成を使用することが好ましいが、800から1000℃で一段階目の焼成を行い、徐々に加熱して1200から1500℃で二段階目の焼成を行う二段階焼成(多段階焼成)を使用することもできる。蛍光体の原料は、窒化ホウ素(BN)材質のるつぼ、ボートを用いて焼成を行うことが好ましい。窒化ホウ素材質のるつぼの他に、アルミナ(Al)材質のるつぼを使用することもできる。
以上の製造方法を使用することにより、目的とする蛍光体を得ることが可能である。本発明においては、上述したYAG系蛍光体と赤色系の光を発光可能な蛍光体とを備える発光装置とすることも可能である。このような赤色系の光を発光可能な蛍光体は、波長が400〜600nmの光によって励起されて発光する蛍光体であり、窒化物系蛍光体の他、例えば、GdS:Eu、YS:Eu、LaS:Eu、CaS:Eu、SrS:Eu、ZnS:Mn、ZnCdS:Ag,Al、ZnCdS:Cu,Al等が挙げられる。このようにYAG系蛍光体とともに赤色系の光を発光可能な蛍光体を使用することにより発光装置の演色性を向上させることが可能である。
以上のようにして形成されるアルミニウム・ガーネット系蛍光体、および窒化物系蛍光体に代表される赤色系の光を発光可能な蛍光体は、発光素子の周辺において一層からなる波長変換部材中に二種類以上存在してもよいし、二層からなる波長変換部材中にそれぞれ一種類あるいは二種類以上存在してもよい。このような構成にすると、異なる種類の蛍光体からの光の混色による混色光が得られる。この場合、各蛍光物質から発光される光をより良く混色しかつ色ムラを減少させるために、各蛍光体の平均粒径及び形状は類似していることが好ましい。また、窒化物系蛍光体は、YAG系蛍光体により波長変換された光の一部を吸収してしまうことを考慮して、窒化系蛍光体がYAG系蛍光体より発光素子に近い位置に配置されるように波長変換部材を形成することが好ましい。このように構成することによって、YAG蛍光体により波長変換された光の一部が窒化物系蛍光体に吸収されてしまうことがなくなり、YAG系蛍光体と窒化物系蛍光体とを混合して含有させた場合と比較して、混色光の演色性を向上させることができる。
(酸窒化物系蛍光体)
上述の蛍光物質の他、本形態における蛍光物質には、さらに下記の一般式で表される酸窒化物蛍光体を含有させることができる。
xyz{(2/3x+(4/3)y−(2/3)z}:R
ただし、LはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される少なくとも1種の元素を有し、MはC、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群より選択される少なくとも1種の元素を有する。また、Nは窒素で、Oは酸素、Rは希土類元素である。x、y、zは以下の数値を満足する。
x=2、4.5≦y≦6、0.01<z<1.5
またはx=1、6.5≦y≦7.5、0.01<z<1.5
またはx=1、1.5≦y≦2.5、1.5≦z≦2.5
以下、酸窒化物蛍光体の製造方法を説明するが、本製造方法に限定されないことは言うまでもない。まず、所定の配合比となるように、Lの窒化物、Mの窒化物および酸化物、希土類元素の酸化物を原料として混合する。各原料の配合比率を変更することにより、目的とする蛍光体の組成を変更することができる。
次に、上記原料の混合物を坩堝に投入し、焼成を行う。焼成は、管状炉、小型炉、高周波炉、メタル炉などを使用することができる。焼成温度は、特に限定されないが、1200から1700℃の範囲で焼成を行うことが好ましく、1400から1700℃の焼成温度が、さらに好ましい。本蛍光体の原料は、窒化ホウ素(BN)材質の坩堝、ボートを用いて焼成を行うことが好ましい。窒化ホウ素材質の坩堝の他に、アルミナ(Al)材質の坩堝を使用することもできる。また、焼成は、還元雰囲気中で行うことが好ましい。還元雰囲気は、窒素雰囲気、窒素−水素雰囲気、アンモニア雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気等である。以上の製造方法を使用することにより、目的とするオキシ窒化物蛍光体を得ることができる。
(アルカリ土類金属珪酸塩)
本形態における蛍光物質は、発光素子が発光した光の一部を吸収し、その吸収した光の波長と異なる波長を有する光を発光する蛍光体として、ユウロピウムで付活されたアルカリ土類金属珪酸塩を含むこともできる。アルカリ土類金属珪酸塩は、青色領域の光を励起光とし、暖色系の混色光を発光する発光装置とすることができる。該アルカリ土類金属珪酸塩は、以下のような一般式で表されるアルカリ土類金属オルト珪酸塩が好ましい。
(2−x−y)SrO・x(Ba,Ca)O・(1−a−b−c−d)SiO・aPbAlcBdGeO:yEu2+(式中、0<x<1.6、0.005<y<0.5、0<a、b、c、d<0.5である。)
(2−x−y)BaO・x(Sr,Ca)O・(1−a−b−c−d)SiO・aPbAlcBdGeO:yEu2+(式中、0.01<x<1.6、0.005<y<0.5、0<a、b、c、d<0.5である。)
ここで、好ましくは、a、b、cおよびdの値のうち、少なくとも一つが0.01より大きい。
本形態における蛍光物質は、アルカリ土類金属塩からなる蛍光体として、上述したアルカリ土類金属珪酸塩の他、ユウロピウムおよび/またはマンガンで付活されたアルカリ土類金属アルミン酸塩やY(V,P,Si)O:Eu、または次式で示されるアルカリ土類金属−マグネシウム−二珪酸塩を有することもできる。
Me(3−x−y)MgSi:xEu,yMn(式中、0.005<x<0.5、0.005<y<0.5、Meは、Baおよび/またはSrおよび/またはCaを示す。)
本形態におけるアルカリ土類金属珪酸塩として、具体的にはSr1.4Ba0.6SiO4:Eu2+、Sr1.6Ba0.4SiO4:Eu2+、Sr1.9Ba0.08Ca 0.02SiO4:Eu2+、Sr1.9Ba0.02Ca 0.08SiO4:Eu2+、Sr0.4Ba1.6SiO4:Eu2+、Sr1.6Ba0.4(Si0.08B0.02)O4:Eu2+、Sr0.6Ba1.4SiO4:Eu2+が挙げられる。なお、これらの組成式に限定されないことは言うまでもない。
次に、本実施の形態におけるアルカリ土類金属珪酸塩からなる蛍光体の製造工程を説明する。アルカリ土類金属珪酸塩の製造のために、選択した組成に応じて出発物質アルカリ土類金属炭酸塩、二酸化珪素ならびに酸化ユウロピウムの化学量論的量を密に混合し、かつ、蛍光体の製造に常用の固体反応で、還元性雰囲気のもと、温度1100℃および1400℃で所望の蛍光体に変換する。この際、0.2モル未満の塩化アンモニウムまたは他のハロゲン化物を添加することが好ましい。また、必要に応じて珪素の一部をゲルマニウム、ホウ素、アルミニウム、リンで置換することもできるし、ユウロピウムの一部をマンガンで置換することもできる。
上述したような蛍光体、即ち、ユウロピウムおよび/またはマンガンで付活されたアルカリ土類金属アルミン酸塩やY(V,P,Si)O:Eu、YS:Eu3+の一つまたはこれらの蛍光体を組み合わせることによって、所望の色温度を有する発光色および高い色再現性を得ることができる。
(アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体)
アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体とは、例えば、一般式が((M1-x-yEuxM′y259M″で表される蛍光物質である。ただし、MはMg、Ca、Ba、Srから選択される少なくとも1種を有し、M′は赤色発光付活剤でありMn、Fe、Cr、Snから選択される少なくとも1種を有し、0.0001≦x≦0.5、0.0001≦y≦0.5である。M″はF、Cl、Br、Iのハロゲン元素から選択される少なくとも1種を有する。xは第一附活剤Eu元素の組成比を示すもので0.0001≦x≦0.5が好ましく、xが0.0001未満では発光輝度が低下し、xが0.5を越えても濃度消光によって発光輝度が低下する傾向にある。より好ましくは、0.005≦x≦0.4、さらに好ましくは、0.01≦x≦0.2である。また、yはMn、Fe、Cr、Snのうち、少なくとも1種の元素の組成比を示すもので、0.0001≦y≦0.5が好ましく、より好ましくは0.005≦y≦0.4であり、さらに好ましくは0.01≦y≦0.3である。yが0.5を越えると濃度消光によって発光輝度が低下する傾向にある。このようなアルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体の具体例として、例えば、(Ca,Ba,Sr)259Cl:Eu(Mn)が挙げられる。
アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体の形成方法を以下に説明する。本蛍光物質の構成元素の酸化物もしくは熱分解によって酸化物などになり得る各種化合物と塩化アンモニウムを所定量秤量し、ボールミル等で混合した後、坩堝に入れ、N,Hの還元雰囲気において、500℃から1000℃の温度で3〜7時間焼成する。得られた焼成品を湿式で粉砕、篩後、脱水、乾燥してアルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体の粉末を得ることができる。
アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体は、紫外領域から比較的短波長の可視領域(たとえば、主波長が440nm以下)の励起光により青色系〜白色系(たとえば、JIS Z8110の慣用色における白色、或いは系統色名図の基本色となる白色)〜赤色系の発光色を示すことができる。
特に、主波長が比較的長波長の紫外線や短波長可視光によって効率よく高輝度に発光可能であると共に赤色成分をも十分含むことから、平均演色性指数Raが90以上の良好な演色性を得ることもできる。
(その他の蛍光体)
本実施の形態において、蛍光体として紫外光により励起されて発光する蛍光体も用いることができ、具体例として、以下の蛍光体が挙げられる。
(1)Eu、MnまたはEuとMnで付活されたアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体;例えば、M(PO(Cl、Br):Eu(但し、MはSr、Ca、Ba、Mgから選択される少なくとも一種)、Ca10(POClBr:Mn,Euなどの蛍光体。
(2)Eu、MnまたはEuとMnで付活されたアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体;例えば、BaMgAl1627:Eu、BaMgAl1627:Eu,Mn、SrAl1425:Eu、SrAl:Eu、CaAl:Eu、BaMgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mnなどの蛍光体。
(3)Euで付活された希土類酸硫化物蛍光体;例えば、LaS:Eu、YS:Eu、GdS:Euなどの蛍光体。
(4)(Zn、Cd)S:Cu、ZnGeO:Mn、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn、MgAs11:Mn、(Mg、Ca、Sr、Ba)Ga:Eu、Ca10(POFCl:Sb,Mn、や(5)Euで付活された有機錯体蛍光体。
また、これらの蛍光体は、一層からなる波長変換部材中に単独で用いても良いし、混合して用いてもよい。さらに、二層以上が積層されてなる波長変換部材中にそれぞれ単独で用いても良いし、混合して用いてもよい。
[拡散剤]
更に、本発明において、波長変換部材あるいは封止部材中に蛍光物質に加えて拡散剤を含有させても良い。具体的な拡散剤としては、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素およびそれらの混合物が好適に用いられる。これによって良好な指向特性を有する発光装置が得られる。
ここで本明細書において拡散剤とは、中心粒径が1nm以上5μm未満のものをいう。1μm以上5μm未満の拡散剤は、蛍光物質からの光を良好に乱反射させ、大きな粒径の蛍光物質を用いることにより生じやすい色ムラを抑制することができ好ましい。一方、1nm以上1μm未満の拡散剤は、発光素子からの光波長に対する干渉効果が低い反面、光度を低下させることなく樹脂粘度を高めることができる。これにより、蛍光物質含有の樹脂などを所望の場所に滴下することにより波長変換部材を形成させる場合、シリンジ内において樹脂中の蛍光物質をほぼ均一に分散させその状態を維持することが可能となり、比較的取り扱いが困難である粒径の大きい蛍光物質を用いた場合でも歩留まり良く生産することが可能となる。このように本発明における拡散剤は粒径範囲により作用が異なり、使用方法に合わせて選択若しくは組み合わせて用いることができる。
[フィラー]
更に、本発明において、波長変換部材あるいは封止部材中に蛍光物質に加えてフィラーを含有させても良い。具体的な材料は拡散剤と同様であるが、拡散剤と中心粒径が異なり、本明細書においてフィラーとは中心粒径が5μm以上100μm以下のものをいう。このような粒径のフィラーを透光性樹脂中に含有させると、光散乱作用により発光装置の色度バラツキが改善される他、透光性樹脂の耐熱衝撃性を高めることができる。これにより高温下での使用においても、発光素子と外部電極とを電気的に接続しているワイヤーの断線や発光素子底面とパッケージの凹部底面と剥離等を防止することができる信頼性の高い発光装置が得られる。更には樹脂の流動性を長時間一定に調整することが可能となり所望とする場所内に封止部材を形成することができ歩留まり良く量産することが可能となる。
また、フィラーは蛍光物質と類似の粒径及び/又は形状を有することが好ましい。ここで本明細書中における「類似の粒径」とは、各粒子それぞれの中心粒径の差が20%未満の場合をいい、類似の形状とは、各粒径の真円との近似程度を表す円形度(円形度=粒子の投影面積に等しい真円の周囲長さ/粒子の投影の周囲長さ)の値の差が20%未満の場合をいう。このようなフィラーを用いることにより、蛍光物質とフィラーが互いに作用し合い、樹脂中にて蛍光物質を良好に分散させることができ色ムラが抑制される。
例えば、蛍光物質及びフィラーは、共に中心粒径が15μm〜50μm、より好ましくは20μm〜50μmとすることができる。このように粒径を調整することにより、各粒子間に好ましい間隔を設けて配置させることができる。これにより光の取り出し経路が確保され、フィラー混入による光度低下を抑制しつつ指向特性を改善させることができる。以下、本発明の実施例について詳述する。
図1は、本実施例にかかる発光装置の模式的な上面図であり、図2は、図1に示される発光装置のX−X′における断面図である。本実施例における発光装置100は、半導体素子に電力を供給するための正負一対のリード電極101、102を有し半導体素子を収納するためのパッケージ103と、出射される光の配光性を制御するためのレンズ104と、パッケージ103の凹部とレンズ104との間に充填された封止部材105とを少なくとも有する。封止部材105の一部は、発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発光する蛍光物質を含有する波長変換部材105aとしてある。また、本実施例にかかる発光素子は、同一面側に正負一対の電極を有するLEDチップ106であり、該LEDチップ106がフリップチップ実装されるサブマウント107と、該サブマウント107とLEDチップ106とからなる複合的な半導体素子である。サブマウント106のLEDチップ106と対向する面には、銀白色の金属を材料とする導電パターンが設けてあり、LEDチップ106の電極と該導電パターンとが金を主材料とするバンプを介して機械的および電気的に接続されている。
本実施例におけるパッケージ103は、成型用樹脂を材料とした射出成型により、金属基体108とリード電極101、102の一部が成型用樹脂に被覆されるように一体成型されている。また、金属基体108は、半導体素子を載置するための凹部底面を有し、熱伝導性のよい金属を材料とするため、発光装置の放熱性を向上させることができる。また、パッケージ103の凹部内壁面には、封止部材105より硬質であり樹脂からなるレンズ104を支持する凸部109が凹部内の三カ所に形成されている。このように構成することにより、レンズ104は、凸部109の三点で安定に支持されることができる。
本実施例においてLEDチップ106が載置されたサブマウント107は、図に示されるように、銀ペーストにてパッケージ103の凹部底面に露出された金属基体108に固着される。導電性ワイヤ110は、サブマウント107の導電パターンと、パッケージ103の凹部底面近傍に露出されたリード電極101、102とを接続する。特に、リード電極における導電性ワイヤの接続部分は、ステッチボンディングされた導電性ワイヤの線形部分の少なくとも一部を含むようにボールボンディングされていることが好ましい。これにより、導電性ワイヤの断線を防止することができる。
本実施例における封止部材105は、少なくともLEDチップを被覆し蛍光物質を含有するゲル状のシリコーン樹脂からなる第一の部位105aと、導電性ワイヤの周囲を被覆しゲル状のシリコーン樹脂からなる第二の部位105bと、該第二の部位105bとレンズ104とを接着しラバー状のシリコーン樹脂とからなる第三の部位105cとを有する多層構造とされている。このように、柔軟性を有するゲル状のシリコーン樹脂にて導電性ワイヤを被覆することにより、導電性ワイヤの断線を防ぎ、信頼性の高い発光装置とすることができる。また、蛍光物質を含有する第一の部位105aとレンズ104との間に樹脂のような充填物を有することにより、第一の部位105aからの光取り出し効率を向上させることができる。
なお、本実施例における別の態様として、サブマウントに設けられる正負一対の電極の何れか一方と極性を同じくする裏面電極をサブマウントに設けることもできる。このとき、サブマウントの裏面電極は、リード電極と導通させた凹部底面に対向され導電性接着剤を介して固着される。このように裏面電極を有するサブマウントとすることにより、導電性ワイヤの本数を減らし、断線を生じない信頼性の高い発光装置とすることができる。
本実施例におけるLEDチップは、発光層として発光ピーク波長が約460nmのInGaN半導体を有する窒化物半導体素子を用いる。より具体的なLEDの素子構造としてサファイア基板上に、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、Siドープのn型電極が形成されn型コンタクト層となるGaN層、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、窒化物半導体であるn型AlGaN層、次に発光層を構成するInGaN層の単一量子井戸構造としてある。発光層上にはMgがドープされたp型クラッド層としてAlGaN層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるGaN層を順次積層させた構成としてある。(なお、サファイア基板上には低温でGaN層を形成させバッファ層とさせてある。また、p型半導体は、成膜後400℃以上でアニールさせてある。)エッチングによりサファイア基板上の窒化物半導体に同一面側で、pn各コンタクト層表面を露出させる。各コンタクト層上に、スパッタリング法を用いて正負各台座電極をそれぞれ形成させる。こうして出来上がった半導体ウエハーに対してスクライブラインを引いた後、外力により分割させ発光素子としてLEDチップとする。
次に、本実施例における蛍光体の形成方法について説明する。まず、原料としてCaCO3を95.1g、CeO2を2.3 g秤量し、適量のフラックスともにボールミル等の混合機によって乾式で充分に混合する。次に、混合された原料をアルミナ等の坩堝に詰め、N2、H2の還元雰囲気中にて300℃/hrで1100〜1400℃まで昇温し、恒温部1200〜1400℃で約3時間焼成する。得られた焼成品を粉砕、分散、篩過して(Ca0.95, Ce0.05 )O1.025 の組成式で表されるアルカリ土類酸化物蛍光体の粉末を得た。得られた蛍光体の460nm励起による発光色は黄色領域の光であり、YAG系蛍光体Y2.85Ce0.15Al5O12と比較してその発光輝度は105%であった。
図3は、本実施例で用いられる蛍光体と、比較例としてYAG系蛍光体の発光ピ−クに対する励起スペクトルを示す。この図から、本実施例に用いられる蛍光体は青色領域(例えば、400nmから500nm)の光で効率よく励起されることが分かる。また、図4は、本実施例で用いられる蛍光体と、比較例としてYAG系蛍光体(Y2.85Ce0.15Al5O12)の460nm励起による発光スペクトルである。
本実施例における封止部材において、第一の部位105aは、蛍光物質を含有する波長変換部材とする。本実施例における波長変換部材の形成方法について説明する。まず、シリコーン樹脂組成物に、上記アルカリ土類酸化物蛍光体を10wt%含有させ、自転公転ミキサーにて5分間攪拌を行う。こうして得られた硬化性組成物をパッケージの凹部内に充填させる。最後に、70℃×2時間、及び150℃×1時間熱処理を施す。これにより、発光素子からの発光と、該発光を吸収し異なる波長を有する光を出光する蛍光物質による蛍光との混色光が発光可能な発光装置とすることができる。以下の表3は、本実施例の発光装置の発光特性を示す。
Figure 2005302797
本実施例においては、SrCO3を29.6g、CaCO3を75.1g、とCeO2を2.3g秤量し、適量のフラックスとともに調製し原料とする。原料をボールミル等の混合機によって乾式で充分に混合する。この混合原料をアルミナ等の坩堝に詰め、N2、H2の還元雰囲気中にて300℃/hrで1100〜1400℃まで昇温し、恒温部1200〜1400℃で約3時間焼成する。得られた焼成品を粉砕、分散、篩過して(Sr0.2 Ca0.75 Ce0.05 )O1.025の組成比で表される蛍光体粉末を得た。得られた蛍光体により実施例1と同様に発光装置とした。
本実施例における蛍光物質は、実施例1におけるアルカリ土類金属酸化物蛍光体(Ca0.95, Ce0.05 )O1.025に、赤色領域の光を発光する蛍光体として(Mg、Ca、Sr、Ba)2Si5N:Euを加えたものである。以下の表4は、本実施例の発光装置の発光特性を示す。
Figure 2005302797
本実施例により、演色性の良い白色系の混色光が発光可能な発光装置を実現できる。本実施例にかかる発光装置の発光スペクトルのうち、560nm付近のピークは実施例1の蛍光体であり、620nm付近の発光は赤色蛍光体の発光スペクトルである。これによって信頼性および高演色性に優れた発光装置とすることできる。さらに、上述の蛍光体は所望に応じてEuに加えTb、Cu、Ag、Au、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Tiから選択される1種を含有させることもできる。
本発明は、高輝度かつ高演色性を有する発光装置であり、信号灯、照明、ディスプレイ、インジケーター、液晶プロジェクタのような各種光学装置の光源として利用可能である。
図1は、本発明の一実施例を示す模式的な上面図である。 図2は、本発明の一実施例を示す模式的な断面図である。 図3は、本発明の一実施例における蛍光体の励起スペクトルと、比較のために示す他の蛍光体の励起スペクトルである。 図4は、本発明の一実施例における蛍光体の発光スペクトルと、比較のために示す他の蛍光体の発光スペクトルである。
符号の説明
100・・・発光装置
101、102・・・リード電極
103・・・パッケージ
104・・・レンズ
105、105a、105b、105c・・・封止部材
106・・・発光素子
107・・・サブマウント
108・・・金属基体
109・・・凸部
110・・・導電性ワイヤ

Claims (8)

  1. 発光素子と、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収し異なる波長を有する光を発する蛍光物質とを有する発光装置であって、
    前記蛍光物質は、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される少なくとも一種の元素と、Ceとを含む蛍光体であることを特徴とする発光装置。
  2. 前記蛍光体は、下記の一般式で表される請求項1に記載の発光装置。
    (Ca1−x−yxCey)O1+1/2y
    ただし、MはMg、Sr、BaとZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素を示し、x、yは以下の数値を満足する。
    0≦x≦0.8
    0.0001≦y≦0.8
  3. 前記蛍光体は、さらにK、Na、Li、Rb、Ti、Zr、Hf、Si、Ge、Sn、Pb、V、Nb、Taからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記蛍光体は、下記の一般式で表される請求項3に記載の発光装置。
    (Ca1−x−y1 xCey)O1+1/2y・αM2 2O・βM32・γM4 25
    ただし、M1はMg、Sr、BaおよびZnからなる群、M2はLi、Na、KおよびRbからなる群、M3はTi、Zr、Hr、Si、Ge、SnおよびPbからなる群、またM4はV、Nb、Taからなる群よりそれぞれ選択される少なくとも一種の元素を表し、x、y、α、β、γは以下の数値を満足する。
    0≦x≦0.8
    0.0001≦y≦0.8
    0≦α≦0.5
    0≦β≦1.0
    0≦γ≦0.5
    0≦α+β+γ≦1.0
  5. 前記蛍光体に加えて、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類アルミン酸塩、希土類アルミン酸塩系蛍光体、希土類酸硫化物蛍光体、および有機錯体蛍光体から選択される少なくとも一種の蛍光体を有する請求項1乃至4に記載の発光装置。
  6. 前記蛍光体に加えて、さらに下記の一般式で表される酸窒化物蛍光体を有する請求項1乃至5に記載の発光装置。
    xyz{(2/3x+(4/3)y−(2/3)z}:R
    ただし、LはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される少なくとも1種の元素を有し、MはC、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群より選択される少なくとも1種の元素を有する。また、Nは窒素で、Oは酸素、Rは希土類元素である。x、y、zは以下の数値を満足する。
    x=2、4.5≦y≦6、0.01<z<1.5
    またはx=1、6.5≦y≦7.5、0.01<z<1.5
    またはx=1、1.5≦y≦2.5、1.5≦z≦2.5
  7. 前記発光素子は、少なくともInとGaを含む発光層を有する窒化物半導体発光素子である請求項1乃至6に記載の発光装置。
  8. 前記発光素子は、少なくともGaとAlを含む発光層を有する窒化物半導体発光素子である請求項1乃至7に記載の発光装置。

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