JP2005302781A - ダイヤモンドスクライバ及びそのポイント部作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高硬度、長寿命のダイヤモンドスクライバを確実に実現する。
【解決手段】正八面体結晶から角錐部分を具備する形状に加工されたダイヤモンド結晶の角錐頂点の近傍に1又は複数のカッティングポイントP1,P2,P3,P4を形成したポイント部を棒状のシャンク部の先端に具備するダイヤモンドスクライバにおいて、角錐頂点から角錐底面への垂線上にて角錐頂点から無窒素層の厚さに相当する距離までの間において、角錐底面に対して平行な多角形テーブル面Tを形成するとともに多角形テーブル面Tの多角形頂点にカッティングポイントP1,P2,P3,P4を形成した。
【選択図】図1A

Description

本発明は、半導体ウェハやサファイア基板の分割に用いられるダイヤモンドスクライバに関し、特に、その先端に取り付けられた、ダイヤモンド結晶に1又は複数のカッティングポイントを形成してなるポイント部及びその作製方法に関する。
半導体ウェハ等をチップ状に分割すべく対象とするウェハ上に罫書き線をけがくスクライビング装置が知られている。スクライビング装置においては、例えば、対象ウェハをステージに吸着固定する一方、ダイヤモンドチップを先端に具備するダイヤモンドスクライバを所定の位置に固定した後、ステージをX軸及びY軸に沿って移動させることにより、ダイヤモンドスクライバの先端でウェハをけがき、罫書き線(スクライブ溝)を形成する。
図3は、一般的なダイヤモンドスクライバ100の一例の外観図である。ダイヤモンドスクライバ100は、通常、柱状のシャンク部101と、シャンク部101の一方の端部に設けたポイント部10とから構成される。シャンク部101は、スクライビングツールをスクライビング装置に固定するために把持される部分であり、ポイント部10は、ダイヤモンド結晶を切削及び/又は研磨することにより1又は複数のカッティングポイントを形成した部分である。
本発明の特徴を理解するために図4A〜図9を参照しつつ本発明の背景技術をやや詳細に説明することとする。
ダイヤモンドスクライバのポイント部に用いるダイヤモンド結晶には、ダイヤモンド原石を正八面体に加工したチップがよく用いられる。図4A〜図5Bは、ポイント部にカッティングポイントを4ポイント具備する場合のポイント部作製工程を示す図である。図4Aは、ダイヤモンド結晶1の正八面体チップの片半分である四角錐部分を示す平面図であり、角錐頂点近傍を、角錐底面に平行に切断して第一切削面11を形成した状態を示している。符号3は角錐側面を、符号4は角錐側辺を示す。図4Bは、図4Aのダイヤモンド結晶1を斜め前方から見た斜視図である。点線は、加工前の角錐の形状を示しており、符号2は角錐頂点を示す。符号5は角錐底面を示す(以下の図でも同様)。
図4A及び図4Bに示す第一切削面11を形成した後、第一切削面11の各頂点と底辺5の各頂点を結ぶ各側辺4に沿って研磨することにより、また、第一切削面11もまたさらに研磨することにより、図5Aの平面図に示すような4ポイントスクライバ用のポイント部を作製する。図5Bは、図5Aを斜め前方から見た斜視図である。図5Aの研磨面S1〜S4は、図4Aの各側辺4に沿って研磨することにより形成された傾斜面である。図5Aのテーブル面Tは、図4Aの第一切削面11をさらに研磨して形成された角錐底面に平行な面である。テーブル面Tの各頂点P1〜P4にカッティングポイントが形成されている。例えば、カッティングポイントP1は、テーブル面Tと研磨面S1とS4とが交わる点に形成される。各カッティングポイントP1〜P4からは、一対の研磨面が交差して形成される稜線L1〜L4が形成されている。
ビー・ハルテら著、「南アフリカ、カープバール州産出ダイヤモンドのカソードルミネセンス特性に関係する炭素同位体比及び窒素含有量」、ミネラロジカル・マガジン、英国鉱物学会刊行、1999年12月、63巻、6号、p.829−856(B. Harte et al., "Carbon isotope ratio and nitrogen abundances in ralation to cathodoluminescence characteristecs for some diamonds from the Kaapvaal Province, S. Africa", Mineralogical Magazine, December 1999, Vol. 63(6), pp829-856)、(Fig.2, Fig.5) エイチ・スミヤら著、「合成IIa型ダイヤモンド結晶の機械的特性」、ダイヤモンド及び関連材料、エルスビア・サイエンス・エス・エー刊行、1997年、6巻、p.1841−1846(H. Sumiya et al., "Mechanical properties of synthetic type IIa diamond crystal", Diamond and Related Materials 6, Elsevier Science S. A., 1997, 1841-1846) 、(1842頁右欄)
以上のように、従来、ポイント部に複数の所定数のカッティングポイントを形成する際には、先ず、ダイヤモンド結晶を、正八面体や正四面体等の角錐部分(少なくとも1つの頂点を含む)をもつ形状に加工した後、その1つの頂点近傍を切削及び/又は研磨することにより複数のカッティングポイントを形成することが行われている。また、1つのカッティングポイントを形成する際には、ダイヤモンド結晶を円錐部分(頂点を含む)をもつ形状に加工した後、その頂点に適宜のR(丸み)設けるよう研磨することにより1つのカッティングポイントを形成することが行われている。
ここで、図5Bを参照すると、完成したポイント部10のテーブル面Tは、当初のダイヤモンド結晶の頂点2から距離D1の位置に形成されることとなる。すなわち、当初のダイヤモンド結晶の表面が頂点2の位置であるとすると、テーブル面Tは、ダイヤモンド結晶表面から距離D1の深さの位置に形成されている。すなわち、テーブル面Tの各頂点に位置する各カッティングポイントは、当初のダイヤモンド結晶表面からほぼ距離D1の深さにあたる位置に形成されている。この当初の(角錐部分又は円錐部分をもつよう加工した後)のダイヤモンド結晶頂点からカッティングポイントを含むテーブル面までの距離を「カッティングポイント形成距離」と称することとする。
さらに、図6は、従来のポイント部を取り付けたダイヤモンドスクライバを、再研磨して新たなテーブル面Tとその各頂点のカッティングポイントを形成した状態を示す前方斜視図である。図5A及び図5Bのポイント部を取り付けたダイヤモンドスクライバを使用し続けると、カッティングポイントが摩耗、損傷する等して機能を果たさなくなる。その場合に再研磨を行い、新たなカッティングポイントを形成する。再研磨すると、カッティングポイント形成距離D2は、図5Bの距離D1よりさらに大きくなる。すなわち、当初のダイヤモンド結晶表面からさらに深い位置にカッティングポイントが形成されることとなる。
図6のように再研磨したダイヤモンドスクライバのポイント部10は、当初のポイント部と同じ寿命と性能をもつことが期待されるが、実際には当初のポイント部よりも寿命が短く、スクライビング性能も劣るということがしばしば発生するという問題点があった。
ここで、図7は、正八面体に加工されたダイヤモンド結晶の断面を模式的に示した断面図である。ダイヤモンド結晶は、正八面体結晶形が最も多く存在するが、正十二面体結晶及び正六面体結晶も存在する。また、ダイヤモンド原石は、窒素の量によってI型とII型に大別され、I型は六面体結晶を多く含み窒素含有量が大きい、II型は八面体結晶を多く含みほとんど窒素を含まない。実際のダイヤモンド原石は、種結晶からの結晶成長過程の途中の条件変化によりI型とII型が複雑に組み合わさったものがほとんどである。ダイヤモンド原石は、正八面体の結晶面に沿った劈開性をもっており、これを利用して正八面体ダイヤモンド結晶に分割する。ここで、図7に模式的に示すように、ほとんどの正八面体のダイヤモンド結晶には、表面層である窒素をほとんど含まない無窒素層21と、その内部の窒素含有量の多い窒素含有層22とが存在するという知見が得られている。図8及び図9を参照し、この知見について説明する。
図8及び図9は、非特許文献1からの引用である。図8(a)は、ダイヤモンド結晶の中心を含む断面の顕微鏡写真であり、図8(b)は図8(a)の窒素(N)量測定点ラインに沿った各測定点の窒素含有量測定結果である。図8(a)では、中心の種結晶Aからの結晶成長過程の様子が分かり、六面体結晶と八面体結晶とがほぼ交互に縞状に形成されたことを示している。図8(b)は六面体結晶(C1、D1等)の部分が窒素を多く含み、八面体結晶(D1、E1等)の部分はほとんど窒素を含まない。
図9も図8と同様であり、図9(a)は、ダイヤモンド結晶の中心を含む断面の顕微鏡写真であり、図9(b)は図9(a)の窒素(N)量測定点ラインに沿った各測定点の窒素含有量測定結果である。中心部の種結晶(B1等)部分では窒素含有量が多く、外側(C)部分では窒素をほとんど含まない。つまり非特許文献1からは、正八面体のダイヤモンド結晶の表面層は、窒素をほとんど含まない無窒素層であるが、その内部には窒素を多く含む窒素含有層が存在する可能性が高いという知見が得られる。
また、非特許文献2からは、窒素をほとんど含まないIIa型ダイヤモンド結晶が極めて高い硬度(ヌープ硬度約10000〜13000kg/mm2)を呈し、窒素含有量の多いIb型は硬度が低い(同9000kg/mm2前後)という知見が得られる。
本発明は、図6に示す再研磨したダイヤモンドスクライバのポイント部が、当初のポイント部よりも寿命が短く、スクライビング性能も劣ることがしばしば発生するという問題点を解決すべく、上記の非特許文献1及び2に記載されたダイヤモンド結晶の構造と機械的性質との関係に着目して検討を行った結果、図7に示すように、カッティングポイント形成距離D1、D2が無窒素層21の厚さよりも大きいために、窒素含有層22にカッティングポイントが形成されているのではないかとの結論を得た。
本発明は、上記の問題点を解決すると共に従来よりも高硬度、長寿命のダイヤモンドスクライバを確実に得ることを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、以下の構成を提供する。
(1)請求項1に係るダイヤモンドスクライバは、正八面体結晶から円錐部分又は角錐部分を具備する形状に加工されたダイヤモンド結晶の該円錐頂点又は該角錐頂点の近傍に1又は複数のカッティングポイントを形成したポイント部を棒状のシャンク部の先端に具備するダイヤモンドスクライバにおいて、
前記ダイヤモンド結晶の表面層である無窒素層内に前記カッティングポイントを形成したことを特徴とする。
(2)請求項2に係るダイヤモンドスクライバは、請求項1において、前記ダイヤモンド結晶が角錐部分を具備する場合に、該角錐頂点から角錐底面への垂線上にて該角錐頂点から前記無窒素層の厚さに相当する距離までの間において、該角錐底面に対して平行な多角形テーブル面を形成するとともに該多角形テーブル面の多角形頂点に前記カッティングポイントを形成したことを特徴とする。
(3)請求項3に係るダイヤモンドスクライバは、請求項1又は2において、前記無窒素層の厚さが100μmであることを特徴とする。
(4)請求項4に係るダイヤモンドスクライバのポイント部の作製方法は、ダイヤモンド結晶に1又は複数のカッティングポイントを形成したポイント部を棒状のシャンク部の先端に具備するダイヤモンドスクライバの該ポイント部の作製方法であって、
正八面体のダイヤモンド結晶を円錐部分または角錐部分を具備する形状に加工する第一工程と、
該円錐頂点又は該角錐頂点の近傍に1又は複数のカッティングポイントを形成する第二工程とを有し、
前記第二工程にて、前記ダイヤモンド結晶の表面層である無窒素層内に前記カッティングポイントを形成することを特徴とする。
(5)請求項5に係るダイヤモンドスクライバのポイント部の作製方法は、ダイヤモンド結晶に1又は複数のカッティングポイントを形成したポイント部を棒状のシャンク部の先端に具備するダイヤモンドスクライバの該ポイント部の作製方法であって、
正八面体のダイヤモンド結晶を角錐部分を具備する形状に加工する第一工程と、
前記角錐頂点近傍に複数のカッティングポイントを形成する第二工程とを有し、
前記第二工程にて、前記角錐頂点から角錐底面への垂線上にて該角錐頂点から前記無窒素層の厚さに相当する距離までの間において、該角錐底面に対して平行な多角形テーブル面を形成するとともに該多角形テーブル面の多角形頂点に前記カッティングポイントを形成することを特徴とする。
(6)請求項6に係るダイヤモンドスクライバのポイント部の作製方法は、請求項4又は5に記載の方法において、前記無窒素層の厚さが100μmであることを特徴とする。
本発明のダイヤモンドスクライバ及びそのポイント部の作製方法は、正八面体ダイヤモンド結晶の表面層である無窒素層内にカッティングポイントを形成したものである。無窒素層は極めて硬度が高いため、カッティングポイントの消耗が極めて少ない。従って、ポイント部の高性能を実現すると共に、従来に比べてポイント部の寿命を確実に延ばすことができる。
これに対し従来は、無窒素層の厚さを意識することなくカッティングポイントを形成していたため、偶々無窒素層内にカッティングポイントが形成されることもあるが、窒素含有層内にカッティングポイントが形成されることもある。その結果、製品性能と寿命にむらが生じていた。本発明では、無窒素層の厚さ範囲内にカッティングポイントを形成するようにポイント部を作製するので、従来よりも格段に高い確率で高硬度、長寿命のダイヤモンドスクライバが得られる。
試験的、経験的に得られたデータからすれば無窒素層の厚さを薄くとも100μmとみなすことが好適である。正八面体結晶の頂点から100μm以内の範囲にカッティングポイントを形成すれば、ほぼ確実にカッティングポイントを無窒素層内に形成できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。図1A及び図1Bはそれぞれ、本発明によるダイヤモンドスクライバのポイント部10を示す平面図及び前方斜視図である。ここでは図示しないが、前述の図4A及び図4Bと同様に正八面体のダイヤモンド結晶1の四角錐部分の頂点近傍を四角錐底面に平行に切削して第一切削面を得る。その後、各四角錐側辺に沿って研磨することにより、図1Aの傾斜した研磨面S1〜S4を形成する。図1Aのテーブル面Tは、図4Aの第一切削面をさらに研磨して形成された四角錐底面に平行な面である。テーブル面Tは四角形であり、その各頂点P1〜P4にカッティングポイントが形成されている。例えば、カッティングポイントP1は、テーブル面Tと研磨面S1とS4とが交わる点に形成される。各カッティングポイントP1〜P4からは、一対の研磨面が交差して形成される稜線L1〜L4が形成されている。カッティングポイントを形成したポイント部10を棒状のシャンク部の先端に金属溶着等により取り付けてダイヤモンドスクライバを完成する。
このように本発明によるダイヤモンドスクライバのポイント部10の作製工程は、作業自体は従来とほぼ同様であるが、図1Bに示す当初の四角錐頂点2からカッティングポイントを形成したテーブル面Tまでの距離、すなわちカッティングポイント形成距離D0が、従来とは異なる。本発明では、カッティングポイント形成距離D0は、この正八面体ダイヤモンド結晶1の表面層である無窒素層の厚さより短く設定される。これにより、カッティングポイントは、無窒素層内に形成される。
図2は、本発明における正八面体に加工されたダイヤモンド結晶の模式的な断面構造とカッティングポイント形成距離との関係を示した図である。表面層である窒素をほとんど含まない無窒素層21と、その内部の窒素含有量の多い窒素含有層22とが存在している。頂点2の近傍にカッティングポイントを形成する場合は、カッティングポイント形成距離D0を無窒素層21の厚さよりも小さくする。無窒素層21は、窒素含有量が例えば3ppm未満であり、好適には0.5ppm未満である。これに対し、窒素含有層22は、窒素含有量が数十〜数百ppm又はそれ以上である。尚、窒素含有層22内に部分的に無窒素層が存在することもある(非特許文献1参照)。
無窒素層21の厚さは、個々のダイヤモンド結晶により異なり、また1個のダイヤモンド結晶においても場所によって全く同じではない。従って、正確にはそのダイヤモンド結晶を切断しなければ計測できない。しかしながら、次の方法により無窒素層21の厚さを推定することができる。例えば、ダイヤモンドスクライバ製造に用いる多数のダイヤモンド結晶の一部を試料として抽出し切断検査を行って無窒素層の厚さを判断したり、カッティングポイント形成距離を漸次変化させて複数のポイント部を作製しそれらの性能試験(硬度試験等)/寿命試験により無窒素層の厚さを判断したりすることが可能である。
これらの試験結果並びに非特許文献1の知見を併せ考慮すると、無窒素層の厚さを薄くとも100μmと見積もり、カッティングポイントを頂点から100μmの距離の範囲内に形成すれば、ほぼ確実に実際の無窒素層内にカッティングポイントを形成できることが判明した。従って、無窒素層の厚さを100μmと考えて、この厚さ範囲内にカッティングポイントを形成することが好適である。
尚、図1の例では、正八面体のダイヤモンド結晶の四角錐部分の頂点近傍に4ポイントのカッティングポイントを形成する場合を例として説明した。しかしながら、四角錐部分ではなく三角錐部分をもつように加工された正八面体ダイヤモンド結晶、角錐部分ではなく円錐部分をもつように加工された正八面体ダイヤモンド結晶に、カッティングポイントを形成する場合も同様である。ダイヤモンドスクライバのカッティングポイントの数及び配置方法には幾つかの種類があるが、本発明はカッティングポイントの数及び配置方法に関わらず、有効である。いずれにおいても、カッティングポイントを無窒素層に形成することにより、高硬度かつ長寿命のダイヤモンドスクライバを得ることができる。
例えば、3ポイントのカッティングポイントを形成する場合は、正八面体のダイヤモンド結晶を三角錐部分をもつように加工しその頂点近傍に3つのカッティングポイントを形成する。この場合も、カッティングポイント形成距離を無窒素層厚さより短くすることにより、カッティングポイントを無窒素層内に形成することができる。まとめると、角錐部分をもつように加工された正八面体ダイヤモンド結晶については、角錐頂点から角錐底面への垂線上にて、角錐頂点から無窒素層の厚さに相当する距離までの間において、角錐底面に対して平行な多角形テーブル面を形成するとともに、その多角形テーブル面の多角形頂点にカッティングポイントを形成することになる。
また、例えば、1ポイントのカッティングポイントを形成する場合は、八面体のダイヤモンド結晶を円錐部分をもつように加工しその頂点近傍にR取りをしてカッティングポイントを形成する。この場合も、当初の円錐頂点からカッティングポイントまでの距離を無窒素層厚さより小さくすることにより、カッティングポイントを無窒素層内に形成することができる。
本発明によるダイヤモンドスクライバのポイント部を示す平面図である。 本発明によるダイヤモンドスクライバのポイント部を示す前方斜視図である。 本発明における正八面体に加工されたダイヤモンド結晶の模式的な断面構造とカッティングポイント形成距離との関係を示した図である。 一般的なダイヤモンドスクライバの一例の外観図である。 正八面体のダイヤモンド結晶の片半分である四角錐部分を示す平面図である。 図4Aのダイヤモンド結晶を斜め前方から見た斜視図である。 従来のダイヤモンドスクライバのポイント部を示す平面図である。 従来のダイヤモンドスクライバのポイント部を示す前方斜視図である。 従来のポイント部を取り付けたダイヤモンドスクライバを再研磨して新たなテーブル面Tとその各頂点のカッティングポイントを形成した状態を示す前方斜視図である。 本発明における正八面体に加工されたダイヤモンド結晶の模式的な断面構造とカッティングポイント形成距離との関係を示した図である。 非特許文献1からの引用であり、(a)は、ダイヤモンド結晶の中心を含む断面の顕微鏡写真であり、(b)は、(a)の窒素(N)量測定点ラインに沿った各測定点の窒素含有量測定結果である。 非特許文献1からの引用であり、(a)は、ダイヤモンド結晶の中心を含む断面の顕微鏡写真であり、(b)は、(a)の窒素(N)量測定点ラインに沿った各測定点の窒素含有量測定結果である。
符号の説明
1 正八面体ダイヤモンド結晶
2 角錐頂点
3 角錐側面
4 角錐側辺
5 角錐底面
10 ポイント部
11 第一切削面
T テーブル面
P1、P2、P3、P4 カッティングポイント
S1、S2、S3、S4 研磨面
L1、L2、L3、L4 稜線
D0、D1、D2 カッティングポイント形成距離
21 無窒素層
22 窒素含有層

Claims (6)

  1. 正八面体結晶から円錐部分又は角錐部分を具備する形状に加工されたダイヤモンド結晶の該円錐頂点又は該角錐頂点の近傍に1又は複数のカッティングポイントを形成したポイント部を棒状のシャンク部の先端に具備するダイヤモンドスクライバにおいて、
    前記ダイヤモンド結晶の表面層である無窒素層内に前記カッティングポイントを形成したことを特徴とする
    ダイヤモンドスクライバ。
  2. 前記ダイヤモンド結晶が角錐部分を具備する場合に、該角錐頂点から角錐底面への垂線上にて該角錐頂点から前記無窒素層の厚さに相当する距離までの間において、該角錐底面に対して平行な多角形テーブル面を形成するとともに該多角形テーブル面の多角形頂点に前記カッティングポイントを形成したことを特徴とする
    請求項1に記載のダイヤモンドスクライバ。
  3. 前記無窒素層の厚さが100μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイヤモンドスクライバ。
  4. ダイヤモンド結晶に1又は複数のカッティングポイントを形成したポイント部を棒状のシャンク部の先端に具備するダイヤモンドスクライバの該ポイント部の作製方法であって、
    正八面体のダイヤモンド結晶を円錐部分または角錐部分を具備する形状に加工する第一工程と、
    該円錐頂点又は該角錐頂点の近傍に1又は複数のカッティングポイントを形成する第二工程とを有し、
    前記第二工程にて、前記ダイヤモンド結晶の表面層である無窒素層内に前記カッティングポイントを形成することを特徴とする
    ダイヤモンドスクライバのポイント部の作製方法。
  5. ダイヤモンド結晶に1又は複数のカッティングポイントを形成したポイント部を棒状のシャンク部の先端に具備するダイヤモンドスクライバの該ポイント部の作製方法であって、
    正八面体のダイヤモンド結晶を角錐部分を具備する形状に加工する第一工程と、
    前記角錐頂点近傍に複数のカッティングポイントを形成する第二工程とを有し、
    前記第二工程にて、前記角錐頂点から角錐底面への垂線上にて該角錐頂点から前記無窒素層の厚さに相当する距離までの間において、該角錐底面に対して平行な多角形テーブル面を形成するとともに該多角形テーブル面の多角形頂点に前記カッティングポイントを形成することを特徴とする
    ダイヤモンドスクライバのポイント部の作製方法。
  6. 前記無窒素層の厚さが100μmであることを特徴とする請求項4又は5に記載のダイヤモンドスクライバのポイント部の作製方法。
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