JP2005302669A - 燃料電池用アルミ製セパレータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高発電性能、長期耐久性、軽量化、及び低コスト化を同時にかつより一層向上せしめることができ、例えば次世代の電気自動車用発電装置等の用途に適した燃料電池を製造する上で有用な燃料電池用アルミ製セパレータの新たな製造方法を提供する。
【解決手段】 複数の単位電池を積層して燃料電池を構成する際に各単位電池間に挿入される燃料電池用セパレータの製造方法であり、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材でセパレータ基材を形成し、このセパレータ基材をエッチング処理した後、酸洗後に水酸化リチウム及び酸化亜鉛を主成分とするリチウム−亜鉛浸漬浴を用いて亜鉛浸漬を行う亜鉛置換処理を行い、次いでこの亜鉛置換処理後のセパレータ基材の表面に貴金属メッキ皮膜を形成せしめる、燃料電池用アルミ製セパレータの製造方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】 複数の単位電池を積層して燃料電池を構成する際に各単位電池間に挿入される燃料電池用セパレータの製造方法であり、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材でセパレータ基材を形成し、このセパレータ基材をエッチング処理した後、酸洗後に水酸化リチウム及び酸化亜鉛を主成分とするリチウム−亜鉛浸漬浴を用いて亜鉛浸漬を行う亜鉛置換処理を行い、次いでこの亜鉛置換処理後のセパレータ基材の表面に貴金属メッキ皮膜を形成せしめる、燃料電池用アルミ製セパレータの製造方法である。
【選択図】 なし
Description
この発明は、複数の単位電池を積層して燃料電池を構成する際に各単位電池間に介装される燃料電池用のセパレータの製造方法に係り、特にその基材がアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材で形成された燃料電池用アルミ製セパレータの製造方法に関する。
燃料電池は、基本的には、アノード及びカソードからなる一対の電極とこれらの電極間に介装されるプロトン伝導体の電解質膜とで構成された複数の単位電池を、耐酸性、導電性に優れたガス不浸透性の黒鉛材料等で形成されたセパレータで仕切ると共に、これら各単位電池の電極とこの電極に接触する各セパレータの電極接触面との間にはそのいずれか一方に反応ガス流路を形成して構成されており、各単位電池のアノード側に水素等の燃料ガスを、また、カソード側に酸素や空気等の酸化剤ガスをそれぞれ供給し、アノード側で燃料ガスの酸化反応をさせてプロトンと電子とを生成せしめ、プロトンについては電解質膜中を移動させてカソード側に供給すると共に、電子については外部回路に取り出し、また、カソード側では電解質膜中を移動してきたプロトン、外部回路から供給される電子、及び酸化剤ガスを反応させるもので、アノード側で外部回路に取り出した電子が電流として仕事をするようになっている。
このような燃料電池は、非常に高い効率で反応エネルギーを電気エネルギーに変換することが可能であり、しかも、反応生成物は原理的には水だけであって有害な排気ガスの発生がなく、極めて高効率でクリーンな発電手段であり、特に電解質としてフッ素樹脂系のイオン交換膜を用いる固体高分子形燃料電池については、次世代の電気自動車用発電装置としても期待されていることから、より高効率の発電性能(高発電性能)、長期安定的に出力を得るための耐久性(長期耐久性)、軽量化、低コスト化等のための研究開発が進められている。
そして、燃料電池に用いるセパレータについてはこれまで主として黒鉛材料が用いられていたが、この黒鉛材料には、材料自体が高価であり、靭性に乏しくて脆いために精密な機械加工が必要になって加工コストが高くなり、しかも、耐衝撃性や対振動性等にも乏しく、また、リサイクルも困難であるという問題があり、近年においては、Ni/SUSクラッド材製のものや、アルミニウム材、チタン材、ステンレス鋼材、Ni-Fe合金等の金属材料の少なくとも電極接触面に金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の貴金属や、銀、窒化クロム、白金族の複合酸化物あるいは炭化ホウ素とニッケルの複合物から選ばれた材料等の導電性皮膜をメッキにより形成せしめた金属製のものが提案されている(例えば、特開平10-228,914号、特開平11-162,478号、特開2000-106,197号、特開2001-15,126号等の各公報)。
しかるに、前者のNi/SUSクラッド材製セパレータには単位電池の電極との接触抵抗が大きく、溶出金属イオンが電解質膜の膜抵抗を増大させ、電池出力を低下させるという問題がある。また、後者の金属製セパレータには、バルク電気抵抗が低い、高い気密性及び機械的強度を有して加工コストの低減が図れる、薄型化が可能で小型化や軽量化が容易である、アルミニウム材を用いた場合には一層の軽量化が可能である等の多くの利点があるものの、基材の金属が腐食し易く、特にアルミニウム材の場合にはその腐食速度が大きく、しかも、この腐食の問題を解決するために導電性皮膜の膜厚を大きくするとコストが高くなり、反対に、コストを抑えるために膜厚を薄くするとピンホール又は表面欠陥が発生して腐食を解消できないという問題がある。
また、このような金属製セパレータにおける種々の問題を解決するために、例えば、セパレータが電極と接触する電極接触面に金メッキ処理により部分的に厚肉の金メッキ皮膜を設けたり(特開2001-345,109号公報)、あるいは、セパレータが電極と接触する電極接触面に電気メッキによりAu-Ni組成が連続的に変化するAu-Ni傾斜組成皮膜を設けること(特開2001-357,859号公報)も提案されている。しかしながら、これらの方法においても、前者の場合には各メッキ工程間にマスキング工程を必要として工程数が増加したり、また、後者の場合にはNiイオンの溶出が1ppmでも発生すると電池性能が低下する等の問題があり、例えば次世代の電気自動車用発電装置等の用途において特に要求される高発電性能、長期耐久性、軽量化、及び低コスト化を満足できるものとはいえない。
本発明者らは、先にこの金属製セパレータにおける種々の問題を解決するものとして、金属材料で形成されたセパレータ基材をエッチング処理した後、酸洗後に亜鉛浸漬を行う亜鉛置換処理を4回以上繰り返し、次いでこのセパレータ基材の少なくとも電極接触面に、膜厚0.01〜1μmの貴金属メッキ処理を行い、電気化学的分極特性評価法で測定した分極電流が10μA/cm2以下の貴金属メッキ皮膜を形成せしめ、高発電性能、長期耐久性、軽量化、及び低コスト化において優れた性能を有する燃料電池の製造に有用な金属製セパレータを提案した(特開2003-338,296号公報)。
特開平10-228,914号公報
特開平11-162,478号公報
特開2000-106,197号公報
特開2001-15,126号公報
特開2001-345,109号公報
特開2001-357,859号公報
特開2003-338,296号公報
本発明者は、先に提案した金属製セパレータを更に改良し、高発電性能、長期耐久性、軽量化、及び低コスト化においてより優れた性能を有し、例えば次世代の電気自動車用発電装置等の用途において満足し得る燃料電池を製造する上で有用な燃料電池用金属製セパレータを開発すべく鋭意検討した結果、セパレータ基材の材質として軽量化及び低コスト化の上で有利なアルミニウム材を採用し、このセパレータ基材にエッチング処理をした後、酸洗後にリチウム−亜鉛浸漬浴を用いて亜鉛浸漬を行う亜鉛置換処理を行い、次いでその表面に貴金属メッキ皮膜を形成せしめることにより、この貴金属メッキ皮膜の膜厚を0.01〜1μm程度にしても、高発電性能や軽量化を維持しつつ、亜鉛置換処理の処理回数を低減して低コスト化をより一層推し進めることができ、しかも、耐食性が顕著に向上して長期耐久性を更に改善できることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、高発電性能、長期耐久性、軽量化、及び低コスト化を同時にかつより一層向上せしめることができ、例えば次世代の電気自動車用発電装置等の用途に適した燃料電池を製造する上で有用な燃料電池用アルミ製セパレータの新たな製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、複数の単位電池を積層して燃料電池を構成する際に各単位電池間に挿入される燃料電池用セパレータの製造方法であり、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材でセパレータ基材を形成し、このセパレータ基材をエッチング処理した後、酸洗後に水酸化リチウム及び酸化亜鉛を主成分とするリチウム−亜鉛浸漬浴を用いて亜鉛浸漬を行う亜鉛置換処理を行い、次いでこの亜鉛置換処理後のセパレータ基材の表面に貴金属メッキ皮膜を形成せしめる、燃料電池用アルミ製セパレータの製造方法である。
本発明において、セパレータ基材を形成するためのアルミニウム材については、特に制限されるものではなく、例えば、高純度アルミニウム(JIS H4170; 1N99)や、A1100、A5052、A6063等の種々のアルミニウム合金を挙げることができ、好ましくはその素材金属のアルミニウム(Al)以外の物質(Fe, Si, Cu, Mg, Zn, その他の不純物)を含む、例えばAl3Fe、αAlFeSi、Al3Mg2、Mg2Si、Al-Mg-Zn化合物等の第二相化合物が実質的に存在しない、又は、第二相化合物の少ないアルミニウム材であるか、あるいは、表面下5μmの範囲に第二相化合物が実質的に存在しないアルミニウム材であるのがよい。表面下5μmの範囲に第二相化合物が存在すると貴金属メッキ皮膜にピンホールが生じるのを防止することが難しくなる。
また、このアルミニウム材で形成されるセパレータ基材については、その電極接触面に反応ガス流路が形成されているものであっても、また、反応ガス流路が形成されていないものであってもよいが、セパレータ基材が金属材料で形成されていて精密な機械加工が容易であって加工コストが安価であり、燃料電池全体の製造コストを考慮すると、好ましくはその電極接触面に反応ガス流路が形成されているセパレータ基材であるのが望ましい。
上記セパレータ基材に施されるエッチング処理は、通常、脱脂処理されたセパレータ基材をエッチング処理液に浸漬して行われる。この目的で用いられるエッチング処理液としては、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ水溶液、又は、硫酸-リン酸混合水溶液等の酸水溶液が用いられる。そして、アルカリ水溶液を用いる場合には、その濃度は20g/L以上200g/L以下、好ましくは50g/L以上150g/L以下であって、処理条件としては、通常、浸漬温度が30℃以上70℃以下、好ましくは40℃以上60℃以下であって、浸漬時間が0.5分以上5分以下、好ましくは1分以上3分以下である。また、酸水溶液として硫酸-リン酸混合水溶液を用いる場合には、その濃度は硫酸濃度が10g/L以上500g/L以下、好ましくは30g/L以上300g/L以下でリン酸濃度が10g/L以上1200g/L以下、好ましくは30g/L以上500g/L以下であり、処理条件としては、通常、浸漬温度が30℃以上110℃以下、好ましくは55℃以上75℃以下であって、浸漬時間が0.5分以上15分以下、好ましくは1分以上6分以下である。
また、上記エッチング処理の後に亜鉛置換処理を行うが、この亜鉛置換処理においては、酸洗後に水酸化リチウム及び酸化亜鉛を主成分とするリチウム−亜鉛浸漬浴を用いて亜鉛浸漬が行われる。
ここで、この亜鉛置換処理の酸洗では、その酸洗浴として、酸が硝酸、硫酸、塩酸等であって、濃度が5wt%以上50wt%以下の酸水溶液、好ましくは酸が硝酸であって濃度が10wt%以上40wt%以下の酸水溶液、より好ましくは25wt%以上30wt%以下の濃度の硝酸水溶液を用い、浸漬温度が15℃以上30℃以下、好ましくは20℃以上25℃以下であって、浸漬時間が5秒以上120秒以下、好ましくは15秒以上60秒以下の条件で行うのがよい。このような酸洗浴を用いてこのような条件で酸洗を行うことにより、置換亜鉛層を効果的に除去できる。
また、亜鉛置換処理の亜鉛浸漬で用いられる水酸化リチウム−酸化亜鉛浸漬浴は、酸化亜鉛濃度が1.5g/L以上60g/L以下、好ましくは3.5g/L以上50g/L以下であって、水酸化リチウム濃度が40g/L以上240g/L以下、好ましくは80g/L以上160g/L以下であり、酸化亜鉛濃度が1.5g/Lより低いと置換亜鉛層が不均一になり、反対に、60g/Lより高くなると貴金属メッキ皮膜が不均一になるという問題が生じ、また、水酸化リチウム濃度が40g/Lより低いと置換亜鉛層の密着性が低下し、反対に、240g/Lより高くなると浴中に水酸化リチウムが析出するという問題が生じる。
そして、この水酸化リチウム−酸化亜鉛浸漬浴を用いて行う亜鉛浸漬の条件は、浸漬温度が15℃以上30℃以下、好ましくは20℃以上25℃以下であって、浸漬時間が5秒以上120秒以下、好ましくは15秒以上60秒以下であるのがよい。浸漬温度が15℃より低いと貴金属メッキ皮膜の密着性が低下し、反対に、30℃より高くなると表面粗さ増大し、また、浸漬時間が5秒より短いと貴金属メッキ皮膜の密着性が低下し、反対に、120秒より長くなると表面粗さが増大するという問題が生じる。
本発明方法においては、上記の酸洗後に亜鉛浸漬を行う亜鉛置換処理が行われるが、この亜鉛置換処理は少なくとも1回、好ましくは2回から4回程度まで、より好ましくは2〜3回行うのがよく、4回までの亜鉛置換処理でピンホールや表面欠陥の無い完全無欠陥の貴金属メッキ皮膜が得られるので、4回を超えて亜鉛置換処理を施してもあまり効果が無い。
このようにしてセパレータ基材をエッチング処理し、次いで亜鉛置換処理を行った後、貴金属メッキ処理、好ましくは膜厚0.01〜1μmの貴金属メッキ処理を行う。この貴金属メッキ処理については、例えば無電解メッキ(Me-ELP)、置換メッキ(Me-SP)、電解メッキ(Me-EP)、電解ストライクメッキ(Me-EPS)等のメッキ処理法を挙げることができ、また、そのメッキ浴についても従来と同様の浴組成のものを用いることができる。また、この貴金属メッキ処理における処理条件についても従来と同様の処理条件を採用することができ、採用する貴金属の種類によっても異なるが、例えば金メッキ処理の場合には浴温度が50〜75℃程度で、電流密度が0.1〜0.5A/dm2程度である。
この貴金属メッキ処理で得られるアルミ製のセパレータ基材の表面に形成される貴金属メッキ皮膜は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)又はこれらの貴金属の合金を用いて形成される貴金属メッキ皮膜であり、接触抵抗が低い、化学的に極めて安定である等の観点から、好ましくは金メッキ皮膜である。そして、この貴金属メッキ皮膜については、セパレータ基材の少なくとも電極接触面に形成されていればよいが、長期耐久性の維持、製造工程の簡素化等の観点から、好ましくは表面全面に形成されているのがよい。
そして、セパレータ基材の表面に形成される貴金属メッキ皮膜は、その膜厚が好ましくは0.01μm以上1μm以下、より好ましくは0.05μm以上0.5μm以下であるのがよく、また、電気化学的分極特性評価法で測定した分極電流が10μA/cm2以下、好ましくは7μA/cm2以下であるのがよい。膜厚については、0.01μmより薄いと、ピンホールが生じ易くなり、反対に、1μmより厚くなると、低コスト化を達成することが困難になる。また、分極電流については、10μA/cm2より高い値であると、得られた貴金属メッキ皮膜がピンホールの無い完全無欠陥であるといえなくなる場合が生じる。貴金属メッキ皮膜については、ピンホールや表面欠陥の無い完全無欠陥である必要があり、少しでもピンホールや表面欠陥が存在すると、これらピンホールや表面欠陥から腐食が始まり、電池出力性能の低下という問題を生じる。
ここで、分極電流の測定方法については、電気化学的分極特性評価法で行うが、この電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定することで、通常のピンホール検出法では検出できないようなピンホールや表面欠陥を検出でき、その具体的方法については以下の通りである。すなわち、例えば酢酸水溶液等の電解質溶液中で、試料を白金対極に対向させて設置し、照合電極として銀塩化銀電極を使用し、この照合電極を飽和塩化カリウム水溶液に浸漬し、飽和塩化カリウム水溶液と試料との間を塩橋で結び、試料、白金対極、及び銀塩化銀電極をポテンシオスタットに接続し、試料の電位を銀塩化銀電極に対して自然電極電位から酸素発生電位までアノード側に走査させた際に試料電極に流れるピーク電流を分極電流として測定する方法である。
また、本発明方法においては、必要によりエッチング処理前のアルミ製セパレータ基材について表面研磨処理を行い、その表面粗さ{JIS B 0601(2001)}を好ましくは0.02〜0.3μm、より好ましくは0.03〜0.2μmの範囲に調整するのがよい。このエッチング処理前のセパレータ基材の表面粗さが0.3μmより大きいと形成された導電性皮膜にこのセパレータ基材の表面の凹部に起因してピンホールや表面欠陥が発生し易くなり、結果として耐食性が低下し、また、0.02μmより小さくなると、形成された導電性皮膜とセパレータ基材の表面との間の密着性が低下し、セパレータ使用時に電池の電極と接触させた際に局部的に皮膜剥離が生じる場合がある。
ここで、エッチング処理前のセパレータ基材の表面粗さを0.02〜0.3μmの範囲に表面研磨処理するための方法については、表面粗さを0.02〜0.3μmの範囲に調整できる方法であれば特に制限されるものではないが、通常は電解研磨、機械研磨、バフ研磨、ブラスト研磨、バレル研磨等の方法が採用され、好ましくは電解研磨処理である。セパレータ基材の表面研磨処理は、セパレータ基材の材質等を考慮し、上記のいずれか1種の処理方法のみで行ってもよいほか、2種以上の処理方法を組み合わせて行ってもよい。
本発明の方法によれば、アルミニウム材で形成したセパレータ基材の表面に、可及的に薄膜であってピンホールや表面欠陥が実質的に無い「無欠陥の貴金属メッキ皮膜」を形成せしめることができるので、セパレータ基材を形成するアルミニウム材それ自体が軽量化に優れた材質であると共に加工性や電導性に優れていることと相俟って、高発電性能、長期耐久性、軽量化、及び低コスト化を同時に満足できる燃料電池を製造する上で必要なアルミ製セパレータを容易に製造することができる。特に、貴金属メッキ皮膜の膜厚を0.01〜1μm程度にしても、高発電性能や軽量化を維持しつつ、亜鉛置換処理の処理回数を低減して低コスト化をより一層推し進めることができ、しかも、耐食性が顕著に向上して長期耐久性を更に改善することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
実施例1
板厚5mmのアルミニウム材(1N99)から5mm×100mm×100mmの大きさのセパレータ基材を切り出し、このセパレータ基材の両面にプレス加工により深さ0.8mm及び幅0.8mmの反応ガス流路をそれぞれ形成し、次いで水酸化ナトリウム25g/L、炭酸ナトリウム25g/L、燐酸ナトリウム25g/L、及び界面活性剤1.5g/Lの組成を有する脱脂浴中に、浸漬温度60℃及び浸漬時間5分の条件で脱脂処理し、次いで水洗した後、50g/L-水酸化ナトリウム水溶液をエッチング処理液として浸漬温度50℃及び浸漬時間3分の条件でエッチング処理した。
板厚5mmのアルミニウム材(1N99)から5mm×100mm×100mmの大きさのセパレータ基材を切り出し、このセパレータ基材の両面にプレス加工により深さ0.8mm及び幅0.8mmの反応ガス流路をそれぞれ形成し、次いで水酸化ナトリウム25g/L、炭酸ナトリウム25g/L、燐酸ナトリウム25g/L、及び界面活性剤1.5g/Lの組成を有する脱脂浴中に、浸漬温度60℃及び浸漬時間5分の条件で脱脂処理し、次いで水洗した後、50g/L-水酸化ナトリウム水溶液をエッチング処理液として浸漬温度50℃及び浸漬時間3分の条件でエッチング処理した。
得られたエッチング処理済のセパレータ基材について、30wt%-硝酸水溶液を酸洗浴とし、また、水酸化リチウム100g/L、酸化亜鉛20g/L、塩化第二鉄2g/L、及びロッシェル塩10g/Lの組成を有する水酸化リチウム−亜鉛浸漬浴を用い、室温下に30秒浸漬する酸洗後に室温下に30秒浸漬する亜鉛浸漬を行う亜鉛置換処理を2回行い、次いで10g/Lのシアン化金カリウム、30g/Lのシアン化カリウム、30g/Lの炭酸カリウム、及び30g/Lの第二リン酸カリウムの組成を有する電解金メッキ浴を用い、温度55℃及び電流密度0.5A/dm2の条件で電解金メッキ処理(Au-EP)を行い、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。
得られた実施例1のアルミ製セパレータについて、試験液としてpH3の酢酸水溶液を用い、参照極として銀塩化銀電極を用い、走査電位を0〜1000mV vs Ag/AgClとし、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定した。
また、この実施例1のアルミ製セパレータについて、膜電極接合体(ジャパンゴアテックス社製)を用いて単位電池を組み立て、セパレータの反応ガス流路に水素ガス及び空気を供給して電池発電試験を行い、発電試験時の電池起電力が発電開始時の起電力と比較して10%低下する時間を測定し、セパレータ寿命として評価した。
結果を表1に示す。
また、この実施例1のアルミ製セパレータについて、膜電極接合体(ジャパンゴアテックス社製)を用いて単位電池を組み立て、セパレータの反応ガス流路に水素ガス及び空気を供給して電池発電試験を行い、発電試験時の電池起電力が発電開始時の起電力と比較して10%低下する時間を測定し、セパレータ寿命として評価した。
結果を表1に示す。
実施例2
アルミニウム材として3重量%のマグネシウム(Mg)を含むアルミニウム合金(3wt%Mg-Al)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例2のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
アルミニウム材として3重量%のマグネシウム(Mg)を含むアルミニウム合金(3wt%Mg-Al)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例2のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
実施例3
アルミニウム材として3重量%のマグネシウム(Mg)、0.3重量%の亜鉛(Zn)を含むアルミニウム合金(3wt%Mg-0.3wt%Zn-Al)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例3のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
アルミニウム材として3重量%のマグネシウム(Mg)、0.3重量%の亜鉛(Zn)を含むアルミニウム合金(3wt%Mg-0.3wt%Zn-Al)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例3のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
実施例4
電解金メッキ処理(Au-EP)に代えて、5g/Lのシアン化銀及び4g/Lのシアン化カリウムの組成を有する無電解銀メッキ浴を用い、温度40℃の条件で無電解銀メッキ処理(Ag-ELP)を行った以外は、実施例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの銀メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例4のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
電解金メッキ処理(Au-EP)に代えて、5g/Lのシアン化銀及び4g/Lのシアン化カリウムの組成を有する無電解銀メッキ浴を用い、温度40℃の条件で無電解銀メッキ処理(Ag-ELP)を行った以外は、実施例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの銀メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例4のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
実施例5
電解金メッキ処理(Au-EP)に代えて、4g/Lの塩化白金酸、20g/Lのリン酸アンモニウム及び100g/Lのリン酸ナトリウムの組成を有する電解白金メッキ浴を用い、温度70℃及び電流密度1A/dm2の条件で電解白金メッキ処理(Pt-EP)を行った以外は、実施例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの白金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例5のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
電解金メッキ処理(Au-EP)に代えて、4g/Lの塩化白金酸、20g/Lのリン酸アンモニウム及び100g/Lのリン酸ナトリウムの組成を有する電解白金メッキ浴を用い、温度70℃及び電流密度1A/dm2の条件で電解白金メッキ処理(Pt-EP)を行った以外は、実施例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの白金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例5のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
実施例6
電解金メッキ処理(Au-EP)に代えて、4g/Lのジアミノ亜硝酸パラジウム、100g/Lの硝酸アンモニウム及び10g/Lの亜硝酸ナトリウムの組成を有する電解パラジウムメッキ浴を用い、温度40℃及び電流密度0.5A/dm2の条件で電解パラジウムメッキ処理(Pd-EP)を行った以外は、実施例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmのパラジウムメッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例6のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
電解金メッキ処理(Au-EP)に代えて、4g/Lのジアミノ亜硝酸パラジウム、100g/Lの硝酸アンモニウム及び10g/Lの亜硝酸ナトリウムの組成を有する電解パラジウムメッキ浴を用い、温度40℃及び電流密度0.5A/dm2の条件で電解パラジウムメッキ処理(Pd-EP)を行った以外は、実施例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmのパラジウムメッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例6のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
実施例7
電解金メッキ処理(Au-EP)に代えて、1.5g/Lのシアン化金カリウム、11g/Lのシアン化カリウム、11g/Lの水酸化カリウム、11g/Lのテトラヒドロホウ酸カリウム、及び0.1g/Lのシアン化銀カリウムの組成を有する無電解金−銀合金メッキ浴を用い、温度70℃の条件で無電解金−銀合金メッキ処理(Au-Ag-ELP)を行った以外は、実施例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの金−銀合金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例7のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
電解金メッキ処理(Au-EP)に代えて、1.5g/Lのシアン化金カリウム、11g/Lのシアン化カリウム、11g/Lの水酸化カリウム、11g/Lのテトラヒドロホウ酸カリウム、及び0.1g/Lのシアン化銀カリウムの組成を有する無電解金−銀合金メッキ浴を用い、温度70℃の条件で無電解金−銀合金メッキ処理(Au-Ag-ELP)を行った以外は、実施例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの金−銀合金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例7のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
実施例8
亜鉛置換処理回数を3回とした以外は、実施例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例8のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
亜鉛置換処理回数を3回とした以外は、実施例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例8のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
実施例9
亜鉛置換処理回数を4回とした以外は、実施例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例9のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
亜鉛置換処理回数を4回とした以外は、実施例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた実施例9のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
比較例1
水酸化リチウム−亜鉛浸漬浴に代えて、水酸化ナトリウム100g/L、酸化亜鉛50g/L、塩化第二鉄1g/L、及びロッシェル塩10g/Lの組成を有する亜鉛浸漬浴を用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた比較例1のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
水酸化リチウム−亜鉛浸漬浴に代えて、水酸化ナトリウム100g/L、酸化亜鉛50g/L、塩化第二鉄1g/L、及びロッシェル塩10g/Lの組成を有する亜鉛浸漬浴を用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた比較例1のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
比較例2
アルミニウム材として3重量%のマグネシウム(Mg)を含むアルミニウム合金(3wt%Mg-Al)を用いた以外は、上記比較例1と同様にして、膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた比較例2のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
アルミニウム材として3重量%のマグネシウム(Mg)を含むアルミニウム合金(3wt%Mg-Al)を用いた以外は、上記比較例1と同様にして、膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた比較例2のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
比較例3
水酸化リチウム−亜鉛浸漬浴に代えて、水酸化ナトリウム100g/L、酸化亜鉛50g/L、塩化第二鉄1g/L、及びロッシェル塩10g/Lの組成を有する亜鉛浸漬浴を用いた以外は、実施例4と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの銀メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた比較例3のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
水酸化リチウム−亜鉛浸漬浴に代えて、水酸化ナトリウム100g/L、酸化亜鉛50g/L、塩化第二鉄1g/L、及びロッシェル塩10g/Lの組成を有する亜鉛浸漬浴を用いた以外は、実施例4と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの銀メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた比較例3のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
比較例4
亜鉛置換処理回数を4回とした以外は、比較例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた比較例4のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
亜鉛置換処理回数を4回とした以外は、比較例1と同様にして、セパレータ基材の表面全面に膜厚0.1μmの金メッキ皮膜を有するアルミ製セパレータを作製した。得られた比較例4のアルミ製セパレータについて、実施例1と同様にして、電気化学的分極特性評価法により分極電流を測定すると共にセパレータ寿命を測定した。
結果を表1に示す。
本発明の方法は、アルミニウム材で形成したセパレータ基材の表面に、0.01〜1μm程度と可及的に薄膜であってピンホールや表面欠陥が実質的に無い「無欠陥の貴金属メッキ皮膜」を形成せしめることができ、また、高発電性能や軽量化を維持しつつ、亜鉛置換処理の処理回数を低減して低コスト化をより一層推し進めることができ、しかも、耐食性が顕著に向上して長期耐久性を更に改善することができるので、燃料電池を製造する上で有用な高発電性能、長期耐久性、軽量化、及び低コスト化を同時に満足できるアルミ製セパレータを容易に製造することができ、産業上極めて有用なものである。
Claims (7)
- 複数の単位電池を積層して燃料電池を構成する際に各単位電池間に挿入される燃料電池用セパレータの製造方法であり、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材でセパレータ基材を形成し、このセパレータ基材をエッチング処理した後、酸洗後に水酸化リチウム及び酸化亜鉛を主成分とするリチウム−亜鉛浸漬浴を用いて亜鉛浸漬を行う亜鉛置換処理を行い、次いでこの亜鉛置換処理後のセパレータ基材の表面に貴金属メッキ皮膜を形成せしめることを特徴とする燃料電池用アルミ製セパレータの製造方法。
- セパレータ基材は、その表面に反応ガス流路が形成されている請求項1に記載の燃料電池用アルミ製セパレータの製造方法。
- 貴金属メッキ皮膜の膜厚が0.01〜1μmである請求項1又は2に記載の燃料電池用アルミ製セパレータの製造方法。
- 亜鉛置換処理の酸洗は、5〜50wt%濃度の硝酸水溶液からなる酸洗浴に室温下に5〜120秒間浸漬して行う請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用アルミ製セパレータの製造方法。
- 亜鉛置換処理の亜鉛浸漬は、酸化亜鉛濃度1.5〜60g/L及び水酸化リチウム濃度40〜240g/Lの水酸化リチウム−亜鉛浸漬浴に15〜30℃及び5〜120秒の条件で浸漬して行う請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用アルミ製セパレータの製造方法。
- エッチング処理前のセパレータ基材が、表面研磨処理によりその表面粗さが0.02〜0.3μmの範囲に調整されている請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用アルミ製セパレータの製造方法。
- 表面研磨処理が、電解研磨処理、機械研磨処理、バフ研磨処理、及びブラスト研磨から選ばれたいずれか1種の処理又は2種以上の処理の組合せである請求項6に記載の燃料電池用アルミ製セパレータの製造方法。
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2004
- 2004-04-16 JP JP2004121084A patent/JP2005302669A/ja active Pending
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