JP2003272653A - 燃料電池用金属製セパレータ及びその製造方法 - Google Patents

燃料電池用金属製セパレータ及びその製造方法

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JP2003272653A JP2002072871A JP2002072871A JP2003272653A JP 2003272653 A JP2003272653 A JP 2003272653A JP 2002072871 A JP2002072871 A JP 2002072871A JP 2002072871 A JP2002072871 A JP 2002072871A JP 2003272653 A JP2003272653 A JP 2003272653A
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Hideki Shimada
英樹 島田
Takeshi Ebihara
健 海老原
Koretomo Ko
云智 高
Akira Kunimoto
晃 国元
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Nippon Light Metal Co Ltd
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Riken Corp
Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高発電性能、長期耐久性、軽量化、及び低コ
スト化を同時に達成でき、例えば次世代の電気自動車用
発電装置等の用途に適した燃料電池を製造する上で有用
な燃料電池用金属製セパレータ及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 複数の単位電池を積層して燃料電池を構
成する際に各単位電池間に介装されてこれら各単位電池
間を仕切るセパレータであり、金属材料で形成されたセ
パレータ基材と、このセパレータ基材の少なくとも電極
接触面にスパッタリング法又は化学蒸着法により形成さ
れ、膜厚が0.01〜1μmであって、電気化学的分極
特性評価法で測定した分極電流が10μA/cm2以下であ
る導電性皮膜とを有する燃料電池用金属製セパレータで
ある。また、金属材料でセパレータ基材を形成し、この
セパレータ基材をエッチング処理し、酸洗後に亜鉛浸漬
を行う亜鉛置換処理を4回以上繰り返し、次いで乾燥処
理した後、少なくともその電極接触面にスパッタリング
法又は化学蒸着法により膜厚0.01〜1μmの導電性
皮膜を形成せしめる燃料電池用金属製セパレータの製造
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の単位電池
を積層して燃料電池を構成する際に各単位電池間に介装
される燃料電池のセパレータに係り、特にその基材がア
ルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム
材、チタン又はチタン合金からなるチタン材、ステンレ
ス鋼材、Ni-Fe合金材等の金属材料で形成された燃料電
池用金属製セパレータ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、基本的には、アノード及び
カソードからなる一対の電極とこれらの電極間に介装さ
れるプロトン伝導体の電解質膜とで構成された複数の単
位電池を、耐酸性、導電性に優れたガス不浸透性の黒鉛
材料等で形成されたセパレータで仕切ると共に、これら
各単位電池の電極とこの電極に接触する各セパレータの
電極接触面との間には反応ガス流路を形成して構成され
ている。そして、この燃料電池においては、各単位電池
のアノード側に水素等の燃料ガスを、また、カソード側
に酸素や空気等の酸化剤ガスをそれぞれ供給し、アノー
ド側で燃料ガスの酸化反応をさせてプロトンと電子とを
生成せしめ、プロトンについては電解質膜中を移動させ
てカソード側に供給すると共に、電子については外部回
路に取り出し、また、カソード側では電解質膜中を移動
してきたプロトン、外部回路から供給される電子、及び
酸化剤ガスを反応させるもので、アノード側で外部回路
に取り出した電子が電流として仕事をするように構成さ
れている。
【0003】このような燃料電池は、非常に高い効率で
反応エネルギーを電気エネルギーに変換することが可能
であり、しかも、反応生成物は原理的には水だけであっ
て有害な排気ガスの発生がなく、極めて高効率でクリー
ンな発電手段であり、特に電解質としてフッ素樹脂系の
イオン交換膜を用いる固体高分子形燃料電池について
は、次世代の電気自動車用発電装置としても期待されて
いることから、より高効率の発電性能(高発電性能)、
長期安定的に出力を得るための耐久性(長期耐久性)、
軽量化、低コスト化等のための研究開発が進められてい
る。
【0004】そして、このような燃料電池に用いるセパ
レータについてはこれまで主として黒鉛材料が用いられ
ていたが、この黒鉛製セパレータには、その材料自体が
高価であるばかりでなく、セパレータ側に反応ガス流路
が形成される場合には靭性に乏しくて脆い材質の黒鉛材
料に精密な機械加工が必要になって加工コストが高くな
り、しかも、耐衝撃性や対振動性等にも乏しく、また、
リサイクルも困難であるという問題があった。
【0005】そこで、近年においては、このような黒鉛
製セパレータに替えて、Ni/SUSクラッド材製のセパレー
タや、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアル
ミニウム材、チタン又はチタン合金からなるチタン材、
ステンレス鋼材、Ni-Fe合金等の金属材料でセパレータ
基材を形成し、その少なくとも電極接触面に金(Au)、
銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の貴金属
や、銀、窒化クロム、白金族の複合酸化物あるいは炭化
ホウ素とニッケルの複合物から選ばれた材料等の導電性
皮膜をメッキ法、スパッタリング法、化学的蒸着法(C
VD法)等の方法により形成せしめた金属製セパレータ
が提案されている(例えば、特開平10-228,914号、特開
平11-162,478号、特開2000-106,197号、特開2000-182,6
40号、特開2001-15,126号等の各公報)。
【0006】しかしながら、このようなNi/SUSクラッド
材製セパレータや金属製セパレータにおいても、例え
ば、Ni/SUSクラッド材製セパレータには単位電池の電極
との接触抵抗が大きく、溶出金属イオンが電解質膜の膜
抵抗を増大させ、電池出力を低下させるという問題があ
り、また、金属製セパレータには、バルク電気抵抗が低
い、高い気密性及び機械的強度を有して加工コストの低
減が図れる、薄型化が可能で小型化や軽量化が容易であ
る、アルミニウム材を用いた場合には一層の軽量化が可
能である、等の利点があるものの、基材の金属が腐食し
易く、特にアルミニウム材の場合にはその腐食速度が大
きいという問題があり、しかも、この問題を解決するた
めに導電性皮膜の膜厚を大きくするとコストが高くな
り、反対に、コストを抑えるために膜厚を薄くするとピ
ンホール又は表面欠陥が発生して腐食の問題を解決する
のが難しくなるという問題がある。
【0007】そこで、従来においても、金属製セパレー
タにおける上述した種々の問題を解決するために、例え
ば、セパレータが電極と接触する電極接触面に金メッキ
処理により部分的に厚肉の金メッキ皮膜を設けたり(特
開2001-345,109号公報)、あるいは、セパレータが電極
と接触する電極接触面に電気メッキによりAu-Ni組成が
連続的に変化するAu-Ni傾斜組成皮膜を設けること(特
開2001-357,859号公報)が提案されている。
【0008】しかしながら、前者の部分的に厚肉の金メ
ッキ皮膜を設けることには、メッキ工程間にマスキング
工程を必要として工程数が増加するという問題があり、
また、後者のAu-Ni傾斜組成皮膜を設けることにはNiイ
オンの溶出が1ppmでも発生すると電池性能が低下して
しまうという問題があって、いずれの場合も、例えば次
世代の電気自動車用発電装置等の用途において特に要求
される高発電性能、長期耐久性、軽量化、及び低コスト
化を必ずしも同時に満足できるものとはいえない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、例えば次世代の電気自動車用発電装置等の用途にお
いて特に有用な高発電性能、長期耐久性、軽量化、及び
低コスト化を同時に満足できる燃料電池を製造する上で
有用な燃料電池用セパレータを開発すべく鋭意検討した
結果、セパレータ基材の材質として高発電性能、軽量
化、及び低コスト化を進める上で有利な金属材料を採用
し、このセパレータ基材にエッチング処理、所定の亜鉛
置換処理、及び乾燥処理を施した後、えられた前処理済
みのセパレータ基材の少なくとも電極接触面にスパッタ
リング法又は化学蒸着法により膜厚0.01〜1μm及
び電気化学的分極評価法で測定した分極電流10μA/cm
2以下の導電性皮膜を形成せしめることにより、目的を
達成できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】従って、本発明の目的は、高発電性能、長
期耐久性、軽量化、及び低コスト化を同時に達成でき、
例えば次世代の電気自動車用発電装置等の用途に適した
燃料電池を製造する上で有用な燃料電池用金属製セパレ
ータを提供することにある。また、本発明の他の目的
は、高発電性能、長期耐久性、軽量化、及び低コスト化
を同時に達成できる燃料電池を製造する上で有用な燃料
電池用金属製セパレータの製造方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、複
数の単位電池を積層して燃料電池を構成する際に各単位
電池間に介装されてこれら各単位電池間を仕切るセパレ
ータであり、金属材料で形成されたセパレータ基材と、
このセパレータ基材の少なくとも電極接触面にスパッタ
リング法又は化学蒸着法により形成され、膜厚が0.0
1〜1μmであって、電気化学的分極特性評価法で測定
した分極電流が10μA/cm2以下である導電性皮膜とを
有する、燃料電池用金属製セパレータである。
【0012】また、本発明は、複数の単位電池を積層し
て燃料電池を構成する際に各単位電池間に介装される燃
料電池用セパレータの製造方法であり、金属材料でセパ
レータ基材を形成し、このセパレータ基材をエッチング
処理した後、酸洗後に亜鉛浸漬を行う亜鉛置換処理を4
回以上繰り返し、次いで得られた前処理済みセパレータ
基材を乾燥処理した後、この前処理済みセパレータ基材
の少なくとも電極接触面にスパッタリング法又は化学蒸
着法により膜厚0.01〜1μmの導電性皮膜を形成せ
しめる、燃料電池用金属製セパレータの製造方法であ
る。
【0013】本発明において、セパレータ基材を形成す
るための金属材料については、例えば、アルミニウム又
はアルミニウム合金からなるアルミニウム材、チタン又
はチタン合金からなるチタン材、ステンレス鋼材、Ni-F
e合金材等を挙げることができ、特に加工性に優れたア
ルミニウム材が好ましい。そして、このアルミニウム材
については、特に制限されるものではなく、例えば、高
純度アルミニウム(JIS H4170; 1N99)や、A1100、A505
2、A6063等の種々のアルミニウム合金を挙げることがで
きる。
【0014】また、金属材料で形成されるセパレータ基
材については、その電極接触面に反応ガス流路が形成さ
れているものであっても、また、反応ガス流路が形成さ
れていないものであってもよいが、セパレータ基材が金
属材料で形成されていて精密な機械加工が容易であって
加工コストが安価であり、燃料電池全体の製造コストを
考慮すると、好ましくはその電極接触面に反応ガス流路
が形成されているセパレータ基材であるのが望ましい。
【0015】このような金属製のセパレータ基材の表面
に形成される導電性皮膜については、金(Au)、銀(A
g)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(R
h)、ルテニウム(Ru)又はこれらの貴金属の合金を用
いて形成される貴金属皮膜や、黒鉛皮膜、DLC膜(ダ
イヤモンドライクカーボン皮膜)等のカーボン皮膜や、
炭化ケイ素、炭化ニオブ、炭化タングステン等のその他
の導電性炭化物製皮膜等を挙げることができ、接触抵抗
が低く、また、化学的に極めて安定である等の観点か
ら、好ましく金皮膜等の貴金属皮膜である。
【0016】そして、セパレータ基材の表面に形成され
る導電性皮膜は、その膜厚が0.01μm以上1μm以
下、好ましくは0.05μm以上0.5μm以下であるの
がよく、また、電気化学的分極特性評価法で測定した分
極電流が10μA/cm2以下、好ましくは7μA/cm2以下で
あるのがよい。膜厚については、0.01μmより薄い
と、ピンホールが生じ易くなるという問題があり、反対
に、1μmより厚くなると、低コスト化を達成すること
が困難になる。また、分極電流については、10μA/cm
2より高い値であると、得られた導電性皮膜がピンホー
ルの無い完全無欠陥であるといえなくなる場合が生じ
る。導電性皮膜については、ピンホールや表面欠陥の無
い完全無欠陥である必要があり、少しでもピンホールや
表面欠陥が存在すると、これらピンホールや表面欠陥か
ら腐食が始まり、電池出力性能の低下という問題を生じ
る。
【0017】ここで、分極電流の測定方法については、
電気化学的分極特性評価法で行うが、その具体的方法に
ついては以下の通りである。すなわち、例えば酢酸水溶
液等の電解質溶液中で、試料を白金対極に対向させて設
置し、照合電極として銀塩化銀電極を使用し、この照合
電極を飽和塩化カリウム水溶液に浸漬し、飽和塩化カリ
ウム水溶液と試料との間を塩橋で結び、試料、白金対
極、及び銀塩化銀電極をポテンシオスタットに接続し、
試料の電位を銀塩化銀電極に対して自然電極電位から酸
素発生電位までアノード側に走査させた際に試料電極に
流れる電流を分極電流として測定する方法である。
【0018】次に、上述した膜厚0.01〜1μm及び
電気化学的分極特性評価法で測定した分極電流10μA/
cm2以下の金属製セパレータを製造するには、基本的に
は、先ず、金属材料でセパレータ基材を形成し、このセ
パレータ基材をエッチング処理した後、酸洗後に亜鉛浸
漬を行う亜鉛置換処理を4回以上繰り返し、次いで得ら
れた前処理済みセパレータ基材を乾燥処理した後、この
前処理済みセパレータ基材の少なくとも電極接触面にス
パッタリング法又は化学蒸着法により膜厚0.01〜1
μmの導電性皮膜を形成せしめる。
【0019】ここで、セパレータ基材のエッチング処理
は、通常、脱脂処理されたセパレータ基材をエッチング
処理液に浸漬して行われる。この目的で用いられるエッ
チング処理液としては、通常、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ水溶液、又
は、硫酸-リン酸混合水溶液等の酸水溶液が用いられ
る。そして、アルカリ水溶液を用いる場合には、その濃
度は20g/L以上200g/L以下、好ましくは50g/L以
上150g/L以下であって、処理条件としては、通常、
浸漬温度が30℃以上70℃以下、好ましくは40℃以
上60℃以下であって、浸漬時間が0.5分以上5分以
下、好ましくは1分以上3分以下である。また、酸水溶
液として硫酸-リン酸混合水溶液を用いる場合には、そ
の濃度は硫酸濃度が10g/L以上500g/L以下、好まし
くは30g/L以上300g/L以下でリン酸濃度が10g/L
以上1200g/L以下、好ましくは30g/L以上500g/
L以下であり、処理条件としては、通常、浸漬温度が3
0℃以上110℃以下、好ましくは55℃以上75℃以
下であって、浸漬時間が0.5分以上15分以下、好ま
しくは1分以上6分以下である。
【0020】また、このエッチング処理の後に亜鉛置換
処理を行うが、この亜鉛置換処理の酸洗工程では、その
酸洗浴として、酸が硝酸、硫酸、塩酸等であって、濃度
が5wt%以上50wt%以下の酸水溶液、好ましくは酸が硝
酸であって濃度が10wt%以上40wt%以下の酸水溶液、
より好ましくは25〜30wt%濃度の硝酸水溶液を用
い、浸漬温度が15℃以上30℃以下、好ましくは20
℃以上25℃以下であって、浸漬時間が5秒以上120
秒以下、好ましくは15秒以上60秒以下の条件で行う
のがよい。このような酸洗浴を用いてこのような条件で
酸洗を行うことにより、置換亜鉛層を効果的に除去でき
る。
【0021】更に、亜鉛置換処理の亜鉛浸漬工程では、
その亜鉛浸漬浴として、酸化亜鉛濃度1.5g/L以上6
0g/L以下、好ましくは3.5g/L以上50g/L以下、及
び、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリの
アルカリ濃度40g/L以上400g/L以下、好ましくは8
0g/L以上200g/L以下の酸化亜鉛アルカリ水溶液を用
い、浸漬温度が15℃以上30℃以下、好ましくは20
℃以上25℃以下であって、浸漬時間が5秒以上120
秒以下、好ましくは15秒以上50秒以下の条件で行う
のがよい。亜鉛浸漬浴の酸化亜鉛濃度が1.5g/Lより
低いと置換亜鉛層が不均一になるという問題があり、反
対に、60g/Lより高いと導電性皮膜が不均一になると
いう問題が生じ、また、アルカリ濃度が40g/Lより低
いと置換亜鉛層の密着性が低下するという問題があり、
反対に、400g/Lより高いとアルミニウム表面の粗さ
が増大するという問題が生じる。
【0022】本発明においては、上記の酸洗後に亜鉛浸
漬を行う亜鉛置換処理を少なくとも4回以上繰り返して
行う必要がある。この亜鉛置換処理が3回までである
と、導電性皮膜に発生するピンホールの個数を測定した
場合、導電性皮膜の膜厚によって異なるが、ピンホール
が数個の範囲で残存し、ピンホールや表面欠陥の無い完
全無欠陥の導電性皮膜を形成することが困難である。
【0023】このようにしてセパレータ基材をエッチン
グ処理し、4回以上の亜鉛置換処理を行った後に、得ら
れた前処理済みセパレータ基材を乾燥処理する。この乾
燥処理については、前処理済みセパレータ基材の表面を
損ねることなく、完全に乾燥できればよく、その方法に
特に制限はないが、好ましくは真空乾燥法により行うの
がよく、その際の乾燥条件については、乾燥温度が60
〜150℃、好ましくは80〜110℃であり、また、
真空度が10-5〜100Torr、好ましくは10 -2〜10
Torrである。この乾燥温度が60℃より低いと乾燥に長
時間を要し、反対に、150℃より高くなると熱膨張に
より亜鉛皮膜に欠陥が生じる虞がある。また、真空度が
10-5Torrより低い乾燥時の真空度管理が難しくなり、
反対に、100Torrより高くなると水分が残留する虞が
生じる。
【0024】次に、乾燥処理された前処理済みセパレー
タ基材には、少なくとも電極接触面に、スパッタリング
法又は化学蒸着法(CVD法)により膜厚0.01〜1
μmの導電性皮膜を形成せしめるが、この際のスパッタ
リング法やCVD法については従来と同様の方法を適用
することができる。すなわち、スパッタリング法につい
ては、マグネトロンスパッタリング装置を用いる方法
や、直流スパッタリング、RFスパッタリング等の方法
を挙げることができ、また、CVD法については、プラ
ズマCVD、MOCVD、熱CVD等の方法を例示で
き、好ましくはプラズマCVD法である。
【0025】上述した本発明の方法によれば、金属材料
で形成したセパレータ基材の表面に、通常のピンホール
検出法では検出できないようなピンホールや表面欠陥を
電気化学的分極特性評価法による分極電流により検出
し、可及的に薄膜であって無欠陥の導電性皮膜を形成せ
しめることができるので、金属材料それ自体が軽量化、
加工性、電導性に優れた材質であることと相俟って、燃
料電池の高発電性能、長期耐久性、軽量化、及び低コス
ト化を同時に満足できる金属製セパレータを製造するこ
とができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、金属材料としてアルミニウ
ム材を用いてアルミ製セパレータを試作し、得られたセ
パレータ試作品を用いて行った実施例及び比較例に基づ
いて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
【0027】実施例1〜12及び比較例1〜4 表1に示す板厚5mmのアルミニウム材を用い、このアル
ミニウム材から5mm×100mm×100mmの大きさのセ
パレータ基材を切り出し、このセパレータ基材の両面に
プレス加工により深さ0.8mm及び幅0.8mmの反応ガ
ス流路をそれぞれ形成し、次いで水酸化ナトリウム25
g/L、炭酸ナトリウム25g/L、燐酸ナトリウム25g/
L、及び界面活性剤1.5g/Lの組成を有する脱脂浴中
に、浸漬温度60℃及び浸漬時間5分の条件で脱脂処理
し、次いで水洗した後、50g/L-水酸化ナトリウム水溶液
をエッチング処理液として浸漬温度50℃及び浸漬時間
3分の条件でエッチング処理した。
【0028】このようにして得られたエッチング処理済
のセパレータ基材について、30wt%-硝酸水溶液を酸洗浴
とし、また、水酸化ナトリウム100g/L、酸化亜鉛5
0g/L、塩化第二鉄1g/L、及びロッシェル塩10g/Lの
組成を有する亜鉛浸漬浴を用い、室温下に30秒浸漬す
る酸洗後に室温下に30秒浸漬する亜鉛浸漬を行う亜鉛
置換処理を2回から6回(亜鉛置換処理回数:2〜6
回)の範囲で行い、次いで水洗して温度100±5℃、
真空度5torr及び20分の条件で乾燥させた。
【0029】次に、このようにして得られたセパレータ
基材について、基板温度120℃、圧力20Torr(Ar)、
RFパワー150W、及び15〜30分間の条件でスパ
ッタリングを行い、セパレータ基材の表面全面に膜厚
0.1μmの貴金属皮膜を形成せしめ、表面に貴金属皮
膜を有する各実施例及び各比較例のアルミ製セパレータ
の試作品を作製した。
【0030】このようにして作製した各実施例及び各比
較例のセパレータ試作品について、以下のようにしてそ
の電気化学的分極特性評価法による分極電流、発電試験
時の電池起電力、及びセパレータ寿命を測定した。すな
わち、分極電流については、試験液としてpH3の酢酸
水溶液を用い、この試験液の中でセパレータ試作品を白
金対極に対向させて設置し、照合電極として銀塩化銀電
極を使用し、この照合電極を飽和塩化カリウム水溶液に
浸漬し、飽和塩化カリウム水溶液と試料との間を塩橋で
結び、セパレータ試作品、白金対極、及び銀塩化銀電極
をポテンシオスタットに接続し、セパレータ試作品の電
位を銀塩化銀電極に対して自然電極電位から1000mV
までアノード側に走査させ、その際にセパレータ試作品
に流れるピーク電流を分極電流として測定する。セパレ
ータ試作品にピンホールや表面欠陥が存在すると、この
電気化学的分極特性評価法による分極電流の値が顕著に
高くなる。
【0031】また、発電試験時の電池起電力について
は、セパレータ試作品と膜電極接合体(ジャパンゴアテ
ックス社製)とを用いて単位電池を組み立て、セパレー
タ試作品の反応ガス流路に水素ガス及び空気を供給して
電池発電試験を連続して行い、この発電試験時の電池起
電力を測定した。更に、セパレータ寿命については、電
池起電力の場合と同様に、単位電池を組み立て、セパレ
ータ試作品の反応ガス流路に水素ガス及び空気を供給し
て電池発電試験を連続して行い、発電試験時の電池起電
力が発電開始時の起電力と比較して10%低下する時間
を測定し、その値をセパレータ寿命とした。結果を表1
に示す。
【0032】
【表1】
【0033】この表1に示す結果から明らかなように、
4回の亜鉛置換処理と乾燥処理を施した各実施例におい
ては、その分極電流の値からピンホールや表面欠陥の無
い無欠陥の貴金属皮膜が得られていることがわかり、ま
た、電池起電力やセパレータ寿命の結果からみても燃料
電池用のセパレータとして十分な性能を有するものであ
ることが確認された。
【0034】
【発明の効果】本発明の燃料電池用金属製セパレータ
は、高発電性能、長期耐久性、軽量化、及び低コスト化
を同時に達成でき、例えば次世代の電気自動車用発電装
置等の用途に適した燃料電池を製造する上で極めて有用
なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 海老原 健 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1−34−1、日本 軽金属株式会社グループ技術センター内 (72)発明者 高 云智 埼玉県熊谷市末広4丁目14番1号、株式会 社リケン内 (72)発明者 国元 晃 埼玉県熊谷市末広4丁目14番1号、株式会 社リケン内 Fターム(参考) 5H026 AA06 BB00 BB03 BB04 CC03 EE02 EE08 HH03 HH05 HH06 HH10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の単位電池を積層して燃料電池を構
    成する際に各単位電池間に介装されてこれら各単位電池
    間を仕切るセパレータであり、金属材料で形成されたセ
    パレータ基材と、このセパレータ基材の少なくとも電極
    接触面にスパッタリング法又は化学蒸着法により形成さ
    れ、膜厚が0.01〜1μmであって、電気化学的分極
    特性評価法で測定した分極電流が10μA/cm2以下であ
    る導電性皮膜とを有することを特徴とする燃料電池用金
    属製セパレータ。
  2. 【請求項2】 セパレータ基材は、その電極接触面に反
    応ガス流路が形成されている請求項1に記載の燃料電池
    用金属製セパレータ。
  3. 【請求項3】 セパレータ基材が、アルミニウム又はア
    ルミニウム合金からなるアルミニウム材で形成されたア
    ルミ製セパレータ基材である請求項1又は2に記載の燃
    料電池用金属製セパレータ。
  4. 【請求項4】 導電性皮膜が、貴金属皮膜である請求項
    1〜3のいずれかに記載の燃料電池用金属製セパレー
    タ。
  5. 【請求項5】 複数の単位電池を積層して燃料電池を構
    成する際に各単位電池間に介装される燃料電池用セパレ
    ータの製造方法であり、金属材料でセパレータ基材を形
    成し、このセパレータ基材をエッチング処理した後、酸
    洗後に亜鉛浸漬を行う亜鉛置換処理を4回以上繰り返
    し、次いで得られた前処理済みセパレータ基材を乾燥処
    理した後、この前処理済みセパレータ基材の少なくとも
    電極接触面にスパッタリング法又は化学蒸着法により膜
    厚0.01〜1μmの導電性皮膜を形成せしめることを
    特徴とする燃料電池用金属製セパレータの製造方法。
  6. 【請求項6】 前処理済みセパレータ基材の乾燥処理
    は、真空乾燥法により行う請求項5に記載の燃料電池用
    金属製セパレータの製造方法。
  7. 【請求項7】 亜鉛置換処理の酸洗は、5〜50wt%濃
    度の硝酸水溶液からなる酸洗浴に室温下に5〜120秒
    間浸漬して行う請求項5又は6に記載の燃料電池用金属
    製セパレータの製造方法。
  8. 【請求項8】 亜鉛置換処理の亜鉛浸漬は、酸化亜鉛濃
    度1.5〜60g/L及びアルカリ濃度40〜400g/Lの
    酸化亜鉛アルカリ水溶液からなる亜鉛浸漬浴に室温下に
    5〜120秒間浸漬して行う請求項5〜7のいずれかに
    記載の燃料電池用金属製セパレータの製造方法。
  9. 【請求項9】 セパレータ基材は、その電極接触面に反
    応ガス流路が形成されている請求項5〜8のいずれかに
    記載の燃料電池用金属製セパレータ。
  10. 【請求項10】 セパレータ基材が、アルミニウム又は
    アルミニウム合金からなるアルミニウム材で形成された
    アルミ製セパレータ基材である請求項5〜9のいずれか
    に記載の燃料電池用金属製セパレータ。
  11. 【請求項11】 導電性皮膜が、貴金属皮膜である請求
    項5〜10のいずれかに記載の燃料電池用金属製セパレ
    ータ。
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