JP2003187817A - 燃料電池用セパレータ - Google Patents

燃料電池用セパレータ

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JP2003187817A JP2001383682A JP2001383682A JP2003187817A JP 2003187817 A JP2003187817 A JP 2003187817A JP 2001383682 A JP2001383682 A JP 2001383682A JP 2001383682 A JP2001383682 A JP 2001383682A JP 2003187817 A JP2003187817 A JP 2003187817A
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Koretomo Ko
云智 高
Akira Kunimoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性及び電気伝導性に優れ、低コストで製
造可能な燃料電池用セパレータを提供する。 【解決手段】 金属母材からなり、電極又は集電体との
接触面及びガス通気溝を有し、該接触面上にAg、Ti、Ni
又はCr、或いはそれを含む合金からなる第一層皮膜が形
成されており、更に第一層皮膜上にはAu、Pt又はHg、或
いはそれを含む合金からなる第二層皮膜が形成されてい
ることを特徴とする燃料電池用セパレータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐食性及び電気伝導
性に優れ、低コストで製造可能な燃料電池用セパレータ
に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は燃料から電気へのエネルギー
変換効率が高く有害物質を排出しないため、次世代の発
電装置として注目されている。特に150℃以下の温度領
域で作動する高分子イオン交換膜型燃料電池は盛んに研
究されており、数年後の実用化が見込まれている。この
燃料電池は比較的低い温度での作動が可能で、発電の出
力密度が高く、小型化が可能であるため、家庭用や車載
用の燃料電池として適している。
【0003】高分子イオン交換膜型燃料電池は通常、固
体電解質膜の両面に燃料電極及び酸素電極(空気電極)
を固定して単電池(セル)を形成し、これを燃料ガスと
空気を供給するための通気溝を設けた板状セパレータを
介して積層することにより構成される。一般に固体電解
質膜としてはスルホン酸基を有するフッ素樹脂系イオン
交換膜等が用いられ、電極はカーボンブラックに撥水材
PTFEと貴金属微粒子触媒を分散したもの等により形成す
る。水素−酸素燃料電池が作動する際には、水素ガスが
酸化されて生じたプロトンが電解質中に進入し水分子と
結合してH3O+となり、正極側に移動する。正極側では通
気溝から導入された酸素が水素の酸化反応により発生し
外部回路から流れてきた電子を得て、電解質中のプロト
ンと結合し水となる。これらの反応過程を継続すること
により電気エネルギーを連続的に取り出すことができ
る。この単電池の理論起電力は1.2Vであるが、実際には
電極の分極、反応ガスのクロスオーバー(燃料ガスが電
解質を透過して空気電極に到達する現象)、電極及び集
電体のオーム抵抗による電圧降下等の原因で、出力電圧
は約0.6〜0.8V程度となる。従って、実用的な出力を得
るためには、セパレータを介して数十の単電池をスタッ
クし直列的に接続する必要がある。
【0004】前述の発電原理から解るように、電解質中
にはH+が多量に存在するので、電解質内部と電極の近傍
は強酸性となる。また正極側で酸素が還元反応を起こし
H+と結合して水を生成するが、電池の作動状態によって
は過酸化水素が生成する場合がある。セパレータはこの
ような環境に晒されるため、電気伝導性及び気密性に加
えて、高い化学的・電気化学的安定性(耐食性)を有す
ることが要求される。
【0005】従来の燃料電池用セパレータの殆どは黒鉛
材料を機械加工したものである。黒鉛材料は電気抵抗が
低く耐食性が高いが、機械強度が低く加工コストが高
い。車載用燃料電池に用いるセパレータは高い機械強度
を有することが要求されるので、従来の黒鉛セパレータ
をそのまま車載用燃料電池に適用することは難しい。近
年、黒鉛粉末を樹脂と混合して射出成形し、更に高温焼
成することによりセパレータを製造する方法が検討され
ているが、得られる焼成体の密度が低いため気密性が悪
い。このセパレータを樹脂で浸漬し再焼成することによ
って密度を高めることが可能であるが、製造工程が煩雑
になる。加えて、このように製造されたセパレータの接
触電気抵抗は従来の黒鉛セパレータより数倍大きく、電
池の出力電圧低下が避けられない。
【0006】黒鉛セパレータ以外に、金属母材からなる
セパレータも検討されている。金属セパレータは電気抵
抗が低く、高い気密性及び機械強度を有し、黒鉛セパレ
ータに比べ非常に有利である。また、金属母材を用いた
場合、セパレータの厚さを薄くできるので軽量化が容易
である。更に、アルミニウムのような低比重金属材料を
用いると燃料電池を一層軽量化することができる。しか
しながら、金属セパレータにおいては、カーボン材料に
比べ母材の金属そのものが腐食しやすいという問題があ
る。特にアルミニウム母材は非常に腐食速度が大きいこ
とが報告されている(R. L. Rorup and N. E. Vanderbo
rgh (LANL), Mater. Res. Soc. Symo. Proc., 393 (199
5)等)。腐食により生成した金属イオンが電解質膜に進
入すると、膜のイオン伝導性が低下し電池の性能に影響
を与える恐れもある。
【0007】特開平11-162478号は、貴金属を金属セパ
レータの全表面にメッキすることにより、耐食性を改善
する手法を開示している。この手法はセパレータ性能に
関しては問題無いが、防食皮膜の膜厚を厚くすると高コ
スト化を招き実用的ではない。コスト低減のためには貴
金属メッキ層を薄くする必要があるが、湿式メッキの際
に層厚を薄くすると微細なピンホールが発生し腐食の原
因となり、また乾式メッキ(蒸着、スパッタ等)では生
産効率が悪く、皮膜の均一性も悪化してしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐食
性及び電気伝導性に優れ、低コストで製造可能な金属製
燃料電池用セパレータを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料電池用セパ
レータは金属母材からなり、電極又は集電体との接触面
及びガス通気溝を有し、該接触面上にAg、Ti、Ni又はC
r、或いはそれを含む合金からなる第一層皮膜が形成さ
れており、更に第一層皮膜上にはAu、Pt又はHg、或いは
それを含む合金からなる第二層皮膜が形成されているこ
とを特徴とする。
【0010】セパレータの防食皮膜に用いる材料として
は、コスト及び化学的安定性の観点から貴金属の中でも
Agが特に適している。しかしながら、燃料電池内の高い
電極電位(電極の電位効果と電流が流れる際の過電圧効
果)、高温(80℃前後)、高湿(湿度100%)、H+の移
動によるpHの変化(pH4以下)等の苛酷な環境では、Ag
が酸化されAg2O、Ag2O2等の酸化物が形成され易い。こ
の酸化物の電気抵抗は非常に高く、該酸化物が形成され
ると防食皮膜の表面電気抵抗の増加によってセパレータ
の集電機能が失われる。従って、これまでAg皮膜はセパ
レータに適用されなかった。本発明では、Ag等からなる
第一層皮膜を、腐食を遮断する(継続的に進行させな
い)皮膜として利用する。第一層皮膜上にはAu、Pt又は
Hg、或いはそれを含む合金からなる第二層皮膜を形成す
る。第二層皮膜は電気抵抗を低減させる役割を果たす。
即ち、第二層皮膜がピンホール、破れ等の無い完全な状
態であれば防食にも役立つが、破損した場合には電気の
接触点となり電気抵抗を低減させる。第二層皮膜が破損
した場合にはAg2O、Ag2O2等の酸化物が腐食を遮断する
ため、Au等からなる皮膜の厚さを従来に比べて大幅に低
減させても、耐食性の優れた燃料電池用セパレータを得
ることができる。本発明では、第二層皮膜の膜厚を0.01
〜1.0μmとするのが好ましい。
【0011】本発明の燃料電池用セパレータにおいて
は、金属母材と第一層皮膜との間に、Ag以外の金属又は
それを含む合金からなる中間皮膜が形成されていること
が好ましい。中間皮膜はCu、Ni、Ti、Cr、Fe、Zn及びCo
からなる群から選ばれる金属又はそれを含む合金からな
るのが好ましい。耐食性の観点から、上記第一層皮膜は
0.05〜5.0質量%のPtを含有するのが好ましい。また、
後述するマイグレーションを抑制するためには、第一層
皮膜が0.05〜5.0質量%のPdを含有することが好まし
い。第一層皮膜は特に好ましくは0.05〜5.0質量%のPt
及び0.05〜5.0質量%のPdをともに含有する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の燃料電池用セパレータは
金属母材からなり、電極又は集電体との接触面及びガス
通気溝を有する。セパレータの少なくとも接触面上には
Ag、Ti、Ni又はCr、或いはAg、Ti、Ni又はCrを含む合金
からなる第一層皮膜を形成する。セパレータの接触面以
外の部分にも第一層皮膜を形成してよい。第一層皮膜を
セパレータの全表面に形成する必要は無いが、特に金属
母材がAl等の腐蝕しやすい材料の場合には全表面に形成
するのが好ましい。第一層皮膜上には更にAu、Pt又はH
g、或いはAu、Pt又はHgを含む合金からなる第二層皮膜
を形成する。第二層皮膜は少なくとも接触面上に形成す
ればよく、第一層皮膜が接触面以外の部分にも形成され
ている場合は第一層皮膜の全表面上に形成する必要は無
い。例えば、セパレータの全表面に第一層皮膜を形成
し、接触面のみに第二層皮膜を形成してもよい。本発明
のセパレータは様々な燃料電池に使用でき、特に自動車
の動力用車載燃料電池に好適に利用できる。
【0013】図1は本発明の燃料電池用セパレータを含
む燃料電池の一例を示す部分概略図であり、図2は図1
中「A」で示す部分を拡大した部分概略図である。図1
及び2に示す燃料電池は、固体電解質2とその両側に設
けられたアノード3及びカソード4からなる単電池1を
セパレータ5を介して積層して構成されている。通常、
積層の両端は外部回路(図示せず)に接続する。電極と
セパレータとの間には集電体を設置してもよい。セパレ
ータ5にはガス通気溝8及び9が加工されている。通
常、ガス通気溝9とアノード3により形成される通路に
は燃料ガスが供給され、ガス通気溝8とカソード4によ
り形成される通路には酸化剤ガスが供給される。
【0014】図1及び2に示すセパレータ5の表面には
第一層皮膜6が形成されており、更にその上には第二層
皮膜7が形成されている。セパレータ5の電極又は集電
体との接触面は耐食性及び電気伝導性を有することが要
求され、その他の表面には耐食性のみが要求される。
【0015】上記接触面の形状は、燃料電池の電極又は
一次集電体のカーボンペーパー、カーボンクロス等と接
触するために適した形状であればよく、図面により限定
されない。ガス通気溝は機械加工、プレス、精密鋳造、
化学研磨(エッチング)、電解研磨等の方法により所定
パターンに形成してよい。ガス通気溝の形状は図中では
コ字型としたが、電極に接する部分に反応ガス用通路が
形成できる形状であれば特に限定されず、反応ガス通気
抵抗が小さく、且つ発電効率が高くなるように設定する
のが好ましい。通常、各ガス通気溝の深さは0.2〜2mm
とするのが好ましく、幅は0.5〜5mmとするのが好まし
い。以下、本発明で用いる金属母材、第一層皮膜、第二
層皮膜及び中間皮膜について詳細に説明する。
【0016】(A)金属母材 金属母材としては炭素鋼板、SUS鋼板等の一般的な金属
板を用いてよい。セパレータを自動車の車載燃料電池に
適用する場合は、金属母材としてアルミニウム、チタニ
ウム、マグネシウム等の軽量で比強度が高い金属又はそ
の合金からなる金属板を用いるのが好ましい。中でも、
アルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属板が特
に好ましい。反応ガスのクロスオーバー(燃料ガスが電
解質を透過して空気電極に漏れる現象)を防ぐために、
貫通孔等の欠陥の無い金属板を使用するのが好ましい。
金属母材の厚さは特に限定されないが、車載燃料電池に
用いる場合は0.5〜3mmとするのが好ましい。
【0017】(B)第一層皮膜 本発明の燃料電池用セパレータは上記接触面上にAg、T
i、Ni又はCr、或いはAg、Ti、Ni又はCrを含む合金から
なる第一層皮膜を有する。Ag、Ti、Ni、Cr及びその合金
は耐食性に優れているが、電圧の印加、酸化剤等によっ
て酸化されるとAg 2O、Ag2O2等の酸化物が生成し、表面
の接触電気抵抗が大幅に増加する。このとき、同時に第
一層皮膜の腐食速度は低下し、腐食の進行が抑えられ
る。即ち、第一層皮膜はAg、Ti、Ni又はCr、或いはその
合金の酸化物を含んでいてもよい。第一層皮膜の膜厚は
0.5〜50μmとするのが好ましく、2〜20μmとするのが
より好ましい。第一層皮膜は欠陥、ピンホール等が無く
緻密であることが望ましい。
【0018】Ag、Ti、Ni、Cr及びその合金の中で、Ag及
びAgを含む合金が特に好ましい。Agを含む合金の例とし
ては、Ag-Pt合金、Ag-Au合金、Ag-Pd合金等が挙げられ
る。これら合金中のAg、Ti、Ni又はCrの質量比は好まし
くは99.0〜99.9質量%である。
【0019】第一層皮膜は電気メッキ、無電解メッキ、
蒸着、スパッタ等の方法により形成することができ、好
ましくは電気メッキ又は無電解メッキにより形成する。
Agを析出させる際、電流効率が他の金属に比べて高いこ
とが知られている。つまり、ガスの発生反応は抑えられ
ている。従って、Agをメッキする場合、電流効率が高い
メッキ浴及びメッキ条件を選択すれば、緻密なAg第一層
皮膜を得ることができる。
【0020】第一層皮膜にPt、Ni、Cu、Co、W、Au等を
添加することにより、第一層皮膜の耐酸化性や硬度が向
上し、より優れた燃料電池特性が得られる。中でも、0.
05〜5.0質量%のPtを第一層皮膜に添加するのが好まし
い。特に、Ag-Pt合金皮膜が形成されるとAg単独皮膜に
比べ、耐食性が大幅に向上する。
【0021】燃料電池用セパレータは通常水に曝され、
且つ電界がある環境に置かれる。水溶液中のAgにおいて
は、特に電圧が存在する場合に、金属原子が移動するマ
イグレーションという現象が起きることがある。この金
属原子の移動により、Agが活性点に集中して再結晶し成
長する。その結果、皮膜が不均一となりセパレータの耐
食性が低下する場合がある。第一層皮膜にPd、Sn、Zn等
を添加して活性点を増やすことにより、このマイグレー
ションを抑制することができる。中でも、0.05〜5.0質
量%のPdを第一層皮膜に添加するのが好ましい。特に、
Ag-Pd合金皮膜が形成されると優れた燃料電池特性を示
す。
【0022】第一層皮膜に0.05〜5.0質量%のPtと0.05
〜5.0質量%のPdを共に添加することにより、第一層皮
膜の耐食性の向上及びマイグレーションの抑制が同時に
達成できる。Ag-Pt-Pd合金皮膜が形成されると、このセ
パレータを用いた燃料電池は特に優れた燃料電池特性を
示す。
【0023】(C)第二層皮膜 本発明の燃料電池用セパレータは上記第一層皮膜上にA
u、Pt又はHg、或いはAu、Pt又はHgを含む合金からなる
第二層皮膜を有する。上述の通りAg等の皮膜の酸化によ
る表面接触抵抗の増加は集電効果に影響するが、第一層
皮膜の上に第二層皮膜を形成することによって接触電気
抵抗を低い値に維持することができる。即ち、第二層皮
膜は防食のためというより接触電気抵抗値を低い値に保
つ目的で形成する。このため、第二層皮膜の膜厚は薄く
てもよく、緻密な皮膜である必要はない。緻密な第二層
皮膜を形成すれば、低い接触電気抵抗値を維持した状態
でより優れた耐食性が得られる。通常、金属母材に直接
Au等からなる層を形成するよりも、第一層皮膜を介して
形成した方が密着性が向上する。
【0024】第二層皮膜は金属母材の全表面に形成して
も、接触面のみに形成してもよい。例えば、セパレータ
の全表面に第一層皮膜を形成し、接触面にのみ第二層皮
膜を形成してもよい。第二層皮膜の膜厚は0.01〜1.0μm
とするのが好ましい。膜厚が0.01μmより薄いと接触電
気抵抗を低い値に維持する効果が十分でなく、1.0μmを
超えると高コスト化が避けられない。
【0025】第二層皮膜は好ましくはAu又はPt、或いは
Au又はPtを含む合金からなる。Pt又はPtを含む合金を用
いても、Au又はAuを含む合金を用いた場合と同程度の接
触電気抵抗及び耐食性が得られるが、コストの観点から
はAu又はAuを含む合金を用いるのが特に好ましい。
【0026】第二層皮膜は電気メッキ、無電解メッキ、
蒸着、スパッタ等の方法により形成することができ、好
ましくは電気メッキ又は無電解メッキにより形成する。
【0027】(D)中間皮膜 一般に異なる金属材料同士又は導電性材料同士を接触さ
せるとき、表面エネルギーにより電子バリアが生成する
ため、材料の界面で接触起電力が発生することがある。
この起電力により表面に皮膜を形成するのが困難となっ
たり、皮膜の結合力が低下したり、層間に腐食等が発生
することがある。従って本発明では、金属母材と第一層
皮膜との間に、Ag以外の金属又はそれを含む合金からな
る中間皮膜を形成するのが好ましい。中間皮膜を形成す
ることにより第一層皮膜の結合力、緻密性及び耐食性を
改善することができる。
【0028】結合力、緻密性及び耐食性の観点から、中
間皮膜はCu、Ni、Ti、Cr、Fe、Zn及びCoからなる群から
選ばれる金属又はそれを含む合金からなるのが好まし
い。特に、Al基板の表面にAg皮膜を形成する場合にこの
ような中間皮膜を形成すると優れた効果が得られる。
【0029】中間皮膜の膜厚は0.1〜10μmとするのが好
ましい。膜厚が0.1μmより薄いと緻密な膜の形成が困難
であり、10μmを超えるとコスト高となる。中間皮膜は
電気メッキ、無電解メッキ、蒸着、スパッタ等の方法に
より形成することができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0031】実施例1 厚さ5mmのAl金属板の表面をエッチングし、洗浄した
後、亜鉛置換処理、Ni電気メッキ、Ag電気メッキ及びAu
電気メッキを順次行い、Ni皮膜、Ag皮膜及びAu皮膜を形
成して実施例1のセパレータを作製した。なお、Ni皮膜
の膜厚は5μm、Ag皮膜の膜厚は3μm、Au皮膜の膜厚は
0.4μmとした。
【0032】実施例2 厚さ5mmのAl金属板の表面をエッチングし、洗浄した
後、亜鉛置換処理、Ni電気メッキ、Ag-Pd合金(Pd含
量:1質量%)電気メッキ及びAu電気メッキを順次行
い、Ni皮膜、Ag-Pd合金皮膜及びAu皮膜を形成して実施
例2のセパレータを作製した。なお、Ni皮膜の膜厚は5
μm、Ag-Pd合金皮膜の膜厚は3μm、Au皮膜の膜厚は0.4
μmとした。
【0033】比較例1 厚さ5mmのAl金属板の表面をエッチングし、洗浄した
後、亜鉛置換処理、Ni電気メッキ及びAu電気メッキを順
次行い、Ni皮膜及びAu皮膜を形成して比較例1のセパレ
ータを作製した。なお、Ni皮膜の膜厚は5μm、Au皮膜
の膜厚は0.4μmとした。
【0034】発電試験 上記のように得られた実施例1及び2、並びに比較例1
のセパレータを、それぞれ燃料電池の中に組み込み、60
℃及び0.65Vの条件下で100時間の発電試験を行った。発
電試験開始時及び100時間発電後の、各燃料電池の電流
密度を図3に示す。図3より明らかなように、比較例1
のセパレータを用いた燃料電池に比べ、本発明による実
施例1及び2のセパレータを用いた燃料電池は高い電流
密度を示し、特に100時間発電後の電流密度の低下が著
しく抑制され、優れた耐食性を示した。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の燃料電池
用セパレータはAg、Ti、Ni又はCr、或いはそれを含む合
金からなる第一層皮膜、及びAu、Pt又はHg、或いはそれ
を含む合金からなる第二層皮膜を有する。第二層皮膜の
破損部やピンホール部ではAg等の酸化皮膜が生成し不動
態化するため、金属母材の腐食を防ぐことができる。従
って、本発明によればAu等からなる皮膜の膜厚を従来に
比べ大幅に薄くでき、コストが大幅に削減される。即
ち、本発明の燃料電池用セパレータは低コストで製造で
き、接触抵抗が低く、耐食性及び電気伝導性に優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の燃料電池用セパレータを含む燃料電
池の一例を示す部分概略図である。
【図2】 図1中「A」で示す部分を拡大した部分概略
図である。
【図3】 実施例で行った発電試験の結果を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1・・・単電池 2・・・固体電解質 3・・・アノード 4・・・カソード 5・・・セパレータ 6・・・第一層皮膜 7・・・第二層皮膜 8、9・・・ガス通気溝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属母材からなり、電極又は集電体との
    接触面及びガス通気溝を有する燃料電池用セパレータに
    おいて、前記接触面上にAg、Ti、Ni又はCr、或いはそれ
    を含む合金からなる第一層皮膜が形成されており、更に
    前記第一層皮膜上にはAu、Pt又はHg、或いはそれを含む
    合金からなる第二層皮膜が形成されていることを特徴と
    する燃料電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の燃料電池用セパレータ
    において、前記金属母材と前記第一層皮膜との間に、Ag
    以外の金属又はそれを含む合金からなる中間皮膜が形成
    されていることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の燃料電池用セパレータ
    において、前記Ag以外の金属がCu、Ni、Ti、Cr、Fe、Zn
    及びCoからなる群から選ばれることを特徴とする燃料電
    池用セパレータ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電
    池用セパレータにおいて、前記第二層皮膜の膜厚が0.01
    〜1.0μmであることを特徴とする燃料電池用セパレー
    タ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電
    池用セパレータにおいて、前記第一層皮膜が0.05〜5.0
    質量%のPtを含有することを特徴とする燃料電池用セパ
    レータ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電
    池用セパレータにおいて、前記第一層皮膜が0.05〜5.0
    質量%のPdを含有することを特徴とする燃料電池用セパ
    レータ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電
    池用セパレータにおいて、前記第一層皮膜が0.05〜5.0
    質量%のPt及び0.05〜5.0質量%のPdを含有することを
    特徴とする燃料電池用セパレータ。
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