JP2005302167A - 光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数種類の光ディスクに対応可能とする。
【解決手段】光ディスクからの戻り光束を、光ディスクの半径方向に対応する方向の第1分割線と該第1分割線に直交する第2分割線とによって分割された4つの部分領域(HGa、HGb、HGc、HGd)を有するホログラムHGで回折し、各部分領域からの回折光を複数の受光素子(PDa、PDb、PDc、PDd)で個別に受光する。そして、4つの部分領域に対応する受光量信号を用いて、光ディスクにおけるアドレス情報を含む信号を生成する。この場合には、戻り光束のほとんどが利用されるため、生成された信号のS/N比は、戻り光束の半分を利用していた従来よりも高くなる。これにより、規格の異なる複数種類の光ディスクにおけるアドレス情報をそれぞれ精度良く検出することが可能となり、結果として複数種類の光ディスクに対応することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は光ピックアップ装置及び光ディスク装置に係り、さらに詳しくは、光ディスクに光を照射し、該光ディスクからの反射光を受光する光ピックアップ装置及び該光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置に関する。
データを記録するための情報記録媒体(メディア)としてCD(compact disc)やDVD(digital versatile disc)などの光ディスクが注目されるようになり、光ディスクをデータ記録の対象媒体とする光ディスク装置が普及するようになった。
光ディスク装置には、光ディスクの記録面に光束を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置として、光ピックアップ装置が設けられている。
一般的に光ピックアップ装置は、対物レンズを含み、光源から出射される光束を記録面に導くとともに、記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、及び受光位置に配置された光検出器などを備えている。この光検出器からは、記録面に記録されているデータの再生情報だけでなく、光ディスクにおけるアドレス情報を含む信号などが出力される。
現在、一般に市販されているDVDには、再生専用のDVD−ROM、一度だけ記録可能なDVD−R、DVD+R、書き換えが可能なDVD−RW、DVD+RWなどがあり、それぞれの規格に基づいてデータの記録及び再生が行なわれる。そこで、光ディスク装置としては、規格の異なる複数種類の光ディスクに対応できることが好ましい。
例えば、DVD+R及びDVD+RW(以下、まとめて「DVD+R/RW」とも記述する)ではトラックの蛇行形状における位相変調部にアドレス情報が含まれており、DVD−R及びDVD−RW(以下、まとめて「DVD−R/RW」とも記述する)ではランドプリピットにアドレス情報が含まれている。すなわち、DVD+R/RWをアクセスするには、位相変調部を精度良く検出する必要があり、DVD−R/RWをアクセスするには、ランドプリピットを精度良く検出する必要がある。なお、位相変調部及びランドプリピットは、いずれもトラックの蛇行形状に関する情報が含まれるウォブル信号から抽出されるが、ランドプリピットは位相変調部よりもS/N比が小さい。従って、1つの光ピックアップ装置で、規格の異なる複数種類の光ディスクに対応するには、それぞれの規格に応じた多様な信号を生成する必要がある。
さらに、ノート型パソコンに代表されるような携帯可能な情報機器の市場が拡大し、情報機器の大きさ、重さ及び厚さなどが売れ行きを左右する重要なファクターとなっている。それに伴って、情報機器に搭載される光ディスク装置の小型化、軽量化及び薄型化の要求は年々厳しくなり、光ピックアップ装置の小型化、軽量化が必須となっている。そこで、光ディスクからの戻り光束をホログラムで3つの光束に分割し、そのうちの1つの光束をフォーカスエラー信号の生成用とし、他の2つの光束をウォブル信号の生成用とする光ピックアップ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示されている光ピックアップ装置では、フォーカスエラー信号のレベルを確保する必要があるため、戻り光束の半分を用いてフォーカスエラー信号を生成し、残りの半分を用いてウォブル信号を生成している。このウォブル信号から位相変調部を精度良く検出するのは可能であるが、ランドプリピットを精度良く検出するのは難しく、DVD+R/RWとDVD−R/RWとの両方に対応して用いるには不適当であった。なお、戻り光束をホログラムで4つの光束に分割して、トラックエラーを検出する装置が、例えば特許文献2に開示されている。
特開平9−161282号公報 特開平10−269588号公報
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、大型化を招くことなく、複数種類の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、大型化を招くことなく、複数種類の光ディスクに対して、安定したアクセスが可能な光ディスク装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、スパイラル状又は同心円状のトラックが蛇行して形成された記録層を有する光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置であって、光源と;前記光源から出射された光束を前記光ディスクの記録層に集光する対物レンズと、前記光ディスクで反射され前記対物レンズを介した戻り光束の光路上に配置され、前記光ディスクの半径方向に対応する第1方向の第1分割線と前記第1方向に直交する第2方向の第2分割線とによって分割された4つの部分領域を有するホログラムとを含む光学系と;前記ホログラムの各部分領域からの回折光を個別に受光し、受光量に応じた受光量信号をそれぞれ生成する複数の受光素子を含む光検出器と;前記4つの部分領域に対応する受光量信号を用い、前記光ディスクにおけるアドレス情報が含まれる信号を生成する情報信号生成手段と;を備える光ピックアップ装置である。
これによれば、光源から出射された光束は、対物レンズを介して光ディスクの記録層に集光される。そして、光ディスクで反射され対物レンズを介した戻り光束は、光ディスクの半径方向に対応する方向の第1分割線と、該第1分割線に直交する第2分割線とによって分割された4つの部分領域を有するホログラムで回折される。各部分領域からの回折光は、光検出器を構成する複数の受光素子で個別に受光され、受光量に応じた受光量信号がそれぞれ出力される。そして、情報信号生成手段により、4つの部分領域に対応する受光量信号を用いて、光ディスクにおけるアドレス情報を含む信号が生成される。この場合に、戻り光束の大部分が利用されるため、生成された信号のS/N比は、戻り光束の半分を利用していた従来よりも高くなる。これにより、規格の異なる複数種類の光ディスクにおけるアドレス情報をそれぞれ精度良く検出することが可能となり、結果として大型化を招くことなく、複数種類の光ディスクに対応することができる。
この場合において、請求項2に記載の光ピックアップ装置の如く、前記アドレス情報が含まれる信号は、ウォブル信号であることとすることができる。
この場合において、請求項3に記載の光ピックアップ装置の如く、前記情報信号生成手段は、前記第1方向に関して前記第2分割線の一側にある2つの部分領域にそれぞれ対応する2つの受光量信号の和信号と、前記第1方向に関して前記第2分割線の他側にある2つの部分領域にそれぞれ対応する2つの受光量信号の和信号との差信号を用いて、前記ウォブル信号を生成することとすることができる。
上記請求項1〜3に記載の各光ピックアップ装置において、請求項4に記載の光ピックアップ装置の如く、前記光ディスクは、複数の記録層を有する多層ディスクであり、前記ホログラムは、前記複数の記録層のうち、前記対物レンズの光軸方向に関してアクセス対象の記録層よりも遠方に位置する記録層からの光を透過あるいは前記4つの部分領域とは異なる方向に回折させる特定領域を、更に有することとすることができる。
この場合において、請求項5に記載の光ピックアップ装置の如く、前記特定領域の大きさは、前記ホログラム位置における、前記遠方に位置する記録層からの光のスポット径よりも大きいこととすることができる。
上記請求項1〜5に記載の各光ピックアップ装置において、請求項6に記載の光ピックアップ装置の如く、前記情報信号生成手段は、前記4つの部分領域にそれぞれ対応する4つの受光量信号の和信号を用いて、再生情報が含まれる信号を更に生成することとすることができる。
上記請求項4及び5に記載の各光ピックアップ装置において、請求項7に記載の光ピックアップ装置の如く、前記光検出器は、前記特定領域からの透過光あるいは回折光を受光する受光素子を更に有し、前記情報信号生成手段は、前記4つの部分領域及び前記特定領域にそれぞれ対応する5つの受光量信号の和信号を用いて、再生情報が含まれる信号を更に生成することとすることができる。
この場合において、請求項8に記載の光ピックアップ装置の如く、前記光源と前記光検出器は、同一の筐体内に収納され、パッケージ化されていることとすることができる。
この場合において、請求項9に記載の光ピックアップ装置の如く、前記特定領域からの透過光あるいは回折光を受光する受光素子と前記光源との距離は、前記4つの部分領域からの回折光を受光する受光素子と前記光源との距離と、異なることとすることができる。
上記請求項1〜9に記載の各光ピックアップ装置において、請求項10に記載の光ピックアップ装置の如く、前記光検出器において、前記第1方向に関して前記第2分割線の一側にある2つの部分領域からの回折光を個別に受光する2つの受光素子は、それぞれ前記第1方向の分割線によって分割された2つの部分受光領域を有し、該部分受光領域毎に受光量に応じた受光量信号をそれぞれ生成する分割受光素子であり、前記情報信号生成手段は、前記分割受光素子で生成された受光量信号を用いて、フォーカス方向に関する前記対物レンズの位置ずれ情報が含まれる信号を、更に生成することとすることができる。
この場合において、請求項11に記載の光ピックアップ装置の如く、前記第1方向に関して前記第2分割線の一側にある2つの部分領域の面積は、前記第1方向に関して前記第2分割線の他側にある2つの部分領域の面積よりもそれぞれ小さいこととすることができる。
上記請求項1〜11に記載の各光ピックアップ装置において、請求項12に記載の光ピックアップ装置の如く、前記情報信号生成手段は、前記第1方向に関して前記第2分割線の一側にある2つの部分領域にそれぞれ対応する2つの受光量信号の和信号と、前記第1方向に関して前記第2分割線の他側にある2つの部分領域にそれぞれ対応する2つの受光量信号の和信号との差信号を用いて、前記光ディスクの半径方向に関する前記対物レンズの位置ずれ情報が含まれる信号を、更に生成することとすることができる。
上記請求項1〜12に記載の各光ピックアップ装置において、請求項13に記載の光ピックアップ装置の如く、前記ホログラムは、入射光の偏光方向により回折効率が異なる偏光ホログラムであることとすることができる。
上記請求項1〜13に記載の各光ピックアップ装置において、請求項14に記載の光ピックアップ装置の如く、前記情報信号生成手段は、前記第1方向に関して前記第2分割線の一側に位置するとともに前記第2方向に関して前記第1分割線の一側に位置する部分領域に対応する受光量信号と、前記第1方向に関して前記第2分割線の他側に位置するとともに前記第2方向に関して前記第1分割線の他側に位置する部分領域に対応する受光量信号との和信号と、前記第1方向に関して前記第2分割線の一側に位置するとともに前記第2方向に関して前記第1分割線の他側に位置する部分領域に対応する受光量信号と、前記第1方向に関して前記第2分割線の他側に位置するとともに前記第2方向に関して前記第1分割線の一側に位置する部分領域に対応する受光量信号との和信号と、の位相差に関する情報を含む信号を、更に生成することとすることができる。
請求項15に記載の発明は、光ディスクに光を照射し、情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、請求項1〜14のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置と;前記光ピックアップ装置を構成する情報信号生成手段の出力信号を用いて、前記光ディスクに記録されている情報の再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置である。
これによれば、請求項1〜14のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置を備えているため、光ディスクの種類に依らず、アクセス位置に精度良く位置決めを行なうことができる。従って、大型化を招くことなく、複数種類の光ディスクに対して、安定したアクセスが可能となる。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1には、本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置20の概略構成が示されている。
この図1に示される光ディスク装置20は、光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、該光ピックアップ装置23をスレッジ方向に駆動するためのシークモータ21、レーザ制御回路24、エンコーダ25、駆動制御回路26、再生信号処理回路28、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、フラッシュメモリ39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、本第1の実施形態では、一例としてDVD系の規格に準拠した情報記録媒体が光ディスク15に用いられるものとする。
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク15の記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置である。この光ピックアップ装置23は、一例として図2に示されるように、受発光ユニット51、カップリングレンズ52、立上げミラー53、対物レンズ60、I/Vアンプ71、情報信号生成回路73及び駆動系(フォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータ(いずれも図示省略))などを備えている。
前記受発光ユニット51は、波長が約660nmの光束を出射する光源としての半導体レーザLD、該半導体レーザLDの近傍に配置され、光ディスク15からの戻り光束を受光する光検出器としての受光器PD、及び戻り光束を受光器PDの受光面方向に分岐するためのホログラムHGを有している。この受発光ユニット51は出射される光束の最大強度出射方向が+X方向となるように配置されている。
ホログラムHGは、一例として図3(A)及び図3(B)に示されるように、光ディスク15の半径方向に対応する方向(第1方向、Dradとする)の分割線DL1(第1分割線)と、該分割線DL1に直交する方向(第2方向)の分割線DL2(第2分割線)とによって4つの部分領域に分割されている。ここでは、図3(A)における紙面右上の部分領域を部分領域HGa、紙面左上の部分領域を部分領域HGb、紙面左下の部分領域を部分領域HGc、紙面右下の部分領域を部分領域HGdとする。そこで、図3(B)に示されるように、戻り光束における一方のトラックパターンは部分領域HGaと部分領域HGbとに入射され、他方のトラックパターンは部分領域HGcと部分領域HGdとに入射されることとなる。
受光器PDは、一例として図4に示されるように、4つの受光素子(PDa、PDb、PDc、及びPDdとする)を有している。ここでは、一例として図5に示されるように、受光素子PDaは部分領域HGaからの回折光を受光し、受光素子PDbは部分領域HGbからの回折光を受光し、受光素子PDcは部分領域HGcからの回折光を受光し、受光素子PDdは部分領域HGdからの回折光を受光するように設定されている。そして、受光素子PDaは方向Dradの分割線によって2つの受光領域(PDa1、PDa2とする)に分割され、受光素子PDdは方向Dradの分割線によって2つの受光領域(PDd1、PDd2とする)に分割されている。受光領域PDa1、受光領域PDa2、受光素子PDb、受光素子PDc、受光領域PDd1、受光領域PDd2からは、それぞれ受光量に応じた光電変換信号(受光量信号)が前記I/Vアンプ71に出力される。
I/Vアンプ71は、受光器PDからの光電変換信号をそれぞれ電圧信号に変換するとともに、所定のゲインで増幅する。ここでは、受光領域PDa1からの信号に対応する電圧信号をSa1、受光領域PDa2からの信号に対応する電圧信号をSa2、受光素子PDbからの信号に対応する電圧信号をSb、受光素子PDcからの信号に対応する電圧信号をSc、受光領域PDd1からの信号に対応する電圧信号をSd1、受光領域PDd2からの信号に対応する電圧信号をSd2とする。
情報信号生成回路73は、一例として図6に示されるように、8つの加算器(281、282、283、284、285、286、297、299)と、4つの減算器(287、288、295、296)と、切換スイッチ289と、DPD信号生成回路290と、ハイパスフィルタ(HPF)291と、2つのローパスフィルタ(LPF)(292、298)などを有している。
加算器281はI/Vアンプ71の出力信号Sa1とSa2とを加算し、加算器282はI/Vアンプ71の出力信号Sd1とSd2とを加算する。加算器283はI/Vアンプ71の出力信号Sbと加算器281の出力信号とを加算し、加算器284はI/Vアンプ71の出力信号Scと加算器282の出力信号とを加算する。減算器287は加算器284の出力信号から加算器283の出力信号を減算する。この減算器287の出力信号(以下「PP信号」ともいう)Sppは(Sc+Sd1+Sd2)−(Sa1+Sa2+Sb)である。HPF291はPP信号Sppに含まれる高周波成分を抽出し、ウォブル信号Swbとして再生信号処理回路28に出力する。すなわち、ウォブル信号Swbは、ホログラムHGの4つの部分領域に対応するI/Vアンプ71の出力信号を用いて生成されている。
加算器285はI/Vアンプ71の出力信号Sbと加算器282の出力信号とを加算し、加算器286はI/Vアンプ71の出力信号Scと加算器281の出力信号とを加算する。
DPD信号生成回路290は、加算器285の出力信号と加算器286の出力信号との位相差に基づいて2つのDPD信号を生成する。減算器288は、DPD信号生成回路290からの2つのDPD信号の差信号を生成する。減算器288から出力される信号(以下「位相差信号」ともいう)Sdpdは、加算器285の出力信号と加算器286の出力信号との位相差に関する情報を含んでいる。
切換スイッチ289はCPU40からの信号Sselに基づいて、PP信号Spp及び位相差信号Sdpdの一方を選択する。ここでは、光ディスク15がDVD+R、又はDVD+RW、又はDVD−R、又はDVD−RWのときにPP信号Sppが選択され、光ディスク15がDVD−ROMのときに位相差信号Sdpdが選択されるように設定されている。
LPF292は切換スイッチ289で選択された信号に含まれる低周波成分を抽出し、トラックエラー信号Strとして駆動制御回路26に出力する。従って、光ディスク15がDVD+R、又はDVD+RW、又はDVD−R、又はDVD−RWのときにはプッシュプル法で生成されたトラックエラー信号が出力され、光ディスク15がDVD−ROMのときにはDPD法(位相差法)で生成されたトラックエラー信号が出力される。このように、トラックエラー信号Strは、ホログラムHGの4つの部分領域に対応するI/Vアンプ71の出力信号を用いて生成されている。
減算器295はI/Vアンプ71の出力信号Sa1からSa2を減算し、減算器296はI/Vアンプ71の出力信号Sd1からSd2を減算する。加算器297は減算器295の出力信号と減算器296の出力信号とを加算する。この加算器297の出力信号は(Sa1−Sa2)+(Sd1+Sd2)である。LPF298は加算器297の出力信号に含まれる低周波成分を抽出し、フォーカスエラー信号Sfeとして駆動制御回路26に出力する。すなわち、フォーカスエラー信号Sfeは、ダブルナイフエッジ法を用いて生成されている。
加算器299はI/Vアンプ71の出力信号Sa1、Sa2、Sb、Sc、Sd1、及びSd2を加算し、RF信号Srfとして再生信号処理回路28に出力する。すなわち、RF信号Srfは、ホログラムHGの4つの部分領域に対応するI/Vアンプ71の出力信号を用いて生成されている。
前記フォーカシングアクチュエータ(図示省略)は、対物レンズ60の光軸方向であるフォーカス方向に対物レンズ60を微少駆動するためのアクチュエータである。前記トラッキングアクチュエータ(図示省略)は、光ディスク15の半径方向であるトラッキング方向に対物レンズ60を微少駆動するためのアクチュエータである。
図1に戻り、前記再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の情報信号生成回路73からのRF信号Srfに対して復号処理及び誤り検出処理などを行い、誤りが検出されたときには誤り訂正処理を行った後、再生データとして前記バッファマネージャ37を介して前記バッファRAM34に格納する。
また、再生信号処理回路28は、CPU40からの信号Sselに基づいてディスクの種類を取得し、光ディスク15がDVD+R又はDVD+RWのときには、情報信号生成回路73からのウォブル信号Swbに基づいて同期信号及びアドレス情報(アドレス情報)などを検出する。光ディスク15がDVD−R又はDVD−RWのときには、再生信号処理回路28は、ウォブル信号Swbからランドプリピットを抽出し、該ランドプリピットに基づいて同期信号及びアドレス情報などを検出する。さらに、光ディスク15がDVD−ROMのときには、再生信号処理回路28は、RF信号Srfに基づいて同期信号及びアドレス情報などを検出する。ここで検出された同期信号はエンコーダ25に出力され、アドレス情報はCPU40に出力される。
前記駆動制御回路26は、光ピックアップ装置23の情報信号生成回路73からのトラックエラー信号Strに基づいて、光ディスク15の半径方向に関する対物レンズ60の位置ずれを補正するための前記トラッキングアクチュエータの駆動信号を生成するとともに、フォーカスエラー信号Sfeに基づいて、対物レンズ60のフォーカスずれを補正するための前記フォーカシングアクチュエータの駆動信号を生成する。ここで生成された各駆動信号は光ピックアップ装置23に出力される。これにより、トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。また、駆動制御回路26は、CPU40の指示に基づいて、シークモータ21を駆動するための駆動信号、及びスピンドルモータ22を駆動するための駆動信号を生成する。各駆動信号は、それぞれシークモータ21及びスピンドルモータ22に出力される。
前記バッファRAM34には、光ディスク15に記録するデータ(記録用データ)、及び光ディスク15から再生したデータ(再生データ)などが一時的に格納される。このバッファRAM34へのデータの入出力は、前記バッファマネージャ37によって管理されている。
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいてバッファRAM34に蓄積されている記録用データをバッファマネージャ37を介して取り出し、データの変調及びエラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を生成する。ここで生成された書き込み信号はレーザ制御回路24に出力される。
前記レーザ制御回路24は、前記半導体レーザLDから出射されるレーザ光のパワーを制御する。例えば記録の際には、前記書き込み信号、記録条件、及び半導体レーザLDの発光特性などに基づいて、半導体レーザLDの駆動信号が生成される。
前記インターフェース38は、上位装置90(例えば、パソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)、SCSI(Small Computer System Interface)及びUSB(Universal Serial Bus)などの標準インターフェースに準拠している。
前記フラッシュメモリ39は、プログラム領域及びデータ領域を含んで構成されている。フラッシュメモリ39のプログラム領域には、CPU40にて解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。そして、データ領域には、記録条件や半導体レーザLDの発光特性などが格納されている。
前記CPU40は、フラッシュメモリ39のプログラム領域に格納されているプログラムに従って前記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータなどをRAM41及びバッファRAM34に保存する。
また、CPU40は、光ディスク15がセットされると、記録層の反射率、サーボ追従性、及び光ディスク15に記録されているディスク情報などに基づいて、光ディスク15の種類を判別し、その判別結果を信号Sselとして前記情報信号生成回路73及び再生信号処理回路28などのディスクの種類に依存する処理を行う回路に通知する。これにより、ディスクの種類に応じたトラックエラー信号が情報信号生成回路73から出力される。また、上位装置からアクセス要求があると、再生信号処理回路28は、前述したように、ディスクの種類に応じて同期信号及びアドレス情報を検出する。そして、検出された同期信号及びアドレス情報に基づいて、対物レンズ60の位置決めがなされ、光ディスク15への記録及び再生が行なわれる。
以上の説明から明らかなように、本第1の実施形態に係る光ピックアップ装置23では、I/Vアンプ71と情報信号生成回路73とによって情報信号生成手段が構成されている。
また、本第1の実施形態に係る光ディスク装置20では、再生信号処理回路28と、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって、処理装置が構成されている。なお、CPU40によるプログラムに従う処理の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
以上説明したように、本第1の実施形態に係る光ピックアップ装置23によると、半導体レーザLD(光源)から出射された光束は、対物レンズ60を介して光ディスク15の記録層に集光される。光ディスク15で反射され対物レンズ60を介した戻り光束は、光ディスク60の半径方向に対応する方向Drad(第1方向)の分割線DL1(第1分割線)と、該分割線DL1に直交する方向(第2方向)の分割線DL2(第2分割線)とによって分割された4つの部分領域(HGa、HGb、HGc、HGd)を有するホログラムHGで回折される。各部分領域からの回折光は、受光器PD(光検出器)を構成する複数の受光素子(PDa、PDb、PDc、PDd)で個別に受光され、受光量に応じた受光量信号がI/Vアンプ71を介して情報信号生成回路73に供給される。情報信号生成回路73では、方向Dradに関して分割線DL2の一側にある2つの部分領域(HGc、HGd)にそれぞれ対応する2つの受光量信号の和信号と、方向Dradに関して分割線DL2の他側にある2つの部分領域(HGa、HGb)にそれぞれ対応する2つの受光量信号の和信号との差から、ウォブル信号を生成するとともに、4つの部分領域にそれぞれ対応する4つの受光量信号の和信号から、RF信号を生成している。すなわち、光ディスク15がDVD+R、DVD+RW、DVD−R、DVD−RW、及びDVD−ROMのいずれであっても、戻り光束の大部分を利用して、アドレス情報を含む信号が生成されるため、光ディスクにおけるアドレス情報をそれぞれ精度良く検出することが可能となる。従って、結果として複数種類の光ディスクに対応することができる。
また、情報信号生成回路73では、ダブルナイフエッジ法を用いてフォーカスエラー信号を生成している。これにより、ウォブル信号のS/N比を低下させることなく、従来と同等の精度のフォーカスエラー信号を生成することができる。
また、情報信号生成回路73では、光ディスク15がDVD+R、又はDVD+RW、又はDVD−R、又はDVD−RWのときには、PP法でトラックエラー信号を生成し、光ディスク15がDVD−ROMのときには、DPD法でトラックエラー信号を生成しているため、光ディスクの種類に応じたトラックエラー信号を得ることができる。
また、本第1の実施形態に係る光ディスク装置20によると、S/N比の高いウォブル信号及びRF信号が光ピックアップ装置23から出力されるため、光ディスク15が、DVD+R、DVD+RW、DVD−R、DVD−RW、及びDVD−ROMのいずれであっても、アドレス情報が精度良く検出され、その結果対物レンズ60の位置決めを精度良く行なうことができる。従って、大型化を招くことなく、複数種類の光ディスクに対して、安定したアクセスが可能となる。
また、ホログラムを用いているため、装置の小型化、軽量化及び薄型化を実現することができる。
また、光ピックアップ装置23から、光ディスクの種類に応じたトラックエラー信号が得られるため、光ディスク15の半径方向に関する対物レンズの位置ずれを精度良く補正することができる。
ところで、近年光ディスクの高密度化に対応して光源波長の短波長化が図られている。すなわち、780nm(CD用)→660nm(DVD用)→405nm(Blu-ray用)と短くなってきている。一例として図7(A)〜図7(C)に示されるように、波長が短くなるにつれて受光素子上のスポット径が小さくなるため、一例として図8に示されるように、フォーカス感度が高くなる。フォーカス感度が高いとフォーカス引き込み範囲が狭くなるため、光ピックアップ装置における各部品の組み付け位置のばらつきを小さく抑えなければならない。さらに、振動に起因してフォーカス外れが起こり易くなる。そこで波長が短くなった場合にはフォーカス感度を低くすることが好ましい。受光素子上では、一例として図9(A)〜図9(C)に示されるように、光スポットの中心部は周辺部に比べてデフォーカス時の位置変動が小さいので、中心部の光を使うことによりフォーカス感度を低くすることが可能である。そこで、前記ホログラムHGに代えて、一例として図10に示されるように、前記部分領域HGa及びHGdよりも大きさが小さい部分領域HGa’及びHGd’が設けられているホログラムHG’を用いれば、受光素子上のスポット径を大きくすることが可能である。この場合には、一例として図11に示されるように、部分領域HGa’からの回折光は受光素子PDaで受光され、部分領域HGd’からの回折光は受光素子PDdで受光される。なお、この場合には、戻り光束の一部が利用されなくなるが、光量の大きいトラックパターン部分は利用しているため、各信号への影響は小さい。
《第2の実施形態》
以下、本発明の第2の実施形態を図12〜図18に基づいて説明する。この第2の実施形態は、光ディスク装置が2つの記録層を有する光ディスク(2層ディスク)に対応している点が、前述した第1の実施形態と異なっている。そこで、以下においては、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用い、その説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
一例として図12に示されるように、光ディスク15は、光束の入射側から順に、基板L0、記録層M0、中間層ML、記録層M1、基板L1などを有している。また、記録層M0と中間層MLとの間にはシリコン、銀、アルミニウムなどで形成された半透過膜MB0があり、記録層M1と基板L1との間には銀、アルミニウムなどで形成された金属反射膜MB1がある。また、本第2の実施形態では、一例としてDVD系の規格に準拠した2層ディスクが光ディスク15に用いられるものとする。
そこで、光ピックアップ装置23は、光ディスク15の2つの記録層のうちアクセス対象の記録層(以下「対象記録層」と略述する)にレーザ光を集光する。
ここで、光ディスク15からの戻り光束について説明する。
対象記録層が記録層M0のときには、一例として図13(A)に示されるように、半導体レーザLDから出射された光束は、対物レンズ60によって記録層M0に集光される。そして、半透過膜MB0で反射された光束(以下「第1反射光束」ともいう)Lr1は信号光として対物レンズ60に入射する。一方、半透過膜MB0を透過し、金属反射膜MB1で反射された光束(以下「第2反射光束」ともいう)Lr2は、フレアとして対物レンズ60に入射する。
対象記録層が記録層M1のときには、一例として図13(B)に示されるように、半導体レーザLDから出射された光束は、対物レンズ60によって記録層M1に集光される。そして、金属反射膜MB1で反射された光束(第2反射光束Lr2)は信号光として対物レンズ60に入射する。一方、半透過膜MB0で反射された光束(第1反射光束Lr1)はフレアとして対物レンズ60に入射する。すなわち、対象記録層がいずれの記録層であっても、戻り光束には信号光成分とフレア成分とが含まれている。
特に、対象記録層が記録層M0のときには、一例として図14に示されるように、フレア成分(ここではLr2)はホログラムHG近傍で集光する。フレア成分が、均等に各部分領域に入射すれば、情報信号生成回路73でキャンセルされるが、対物レンズ60のレンズシフトなどで光軸ずれがあると、フレアの光スポットは移動し、各部分領域に入射するフレア成分は不均等になり、情報信号生成回路73でのキャンセルは困難となる。
そこで、本第2の実施形態では、一例として図15(A)に示されるように、ホログラムHGの中央近傍にフレア成分を透過させるための新たな領域(特定領域)Faを設けている。この領域Faの大きさは、一例として図15(B)に示されるように、ホログラムHGにおけるフレアのスポット径よりも大きくなるように設定されている。なお、領域Faの形状は円形でなくても良い。そして、第1の実施形態と同様に、受光素子PDaは部分領域HGaからの回折光を受光し、受光素子PDbは部分領域HGbからの回折光を受光し、受光素子PDcは部分領域HGcからの回折光を受光し、受光素子PDdは部分領域HGdからの回折光を受光する(図16参照)。また、情報信号生成回路73では、第1の実施形態と同様にして、各信号が生成される。従って、情報信号生成回路73で生成された各信号にフレアに起因するノイズが含まれるのを抑制することができる。
一方、対象記録層が記録層M1のときには、一例として図17及び図18に示されるように、ホログラムHGにおけるフレア成分(ここではLr1)のスポット径は、信号光成分(ここではLr2)のスポット径よりも大きくなる。この場合には、フレア成分の全てを除去することはできないが、対物レンズ60のレンズシフトなどで光軸ずれがあった場合でも大きい光スポットがわずかに動くので、各部分領域には常にほぼ均等にフレアが入る。すなわち、各受光素子で受光される回折光に含まれるフレア量もほぼ均等になり、情報信号生成回路73の減算器での減算時にほぼキャンセルされる。従って、情報信号生成回路73で生成された各信号にフレアに起因するノイズが含まれるのを抑制することができる。
以上説明したように、本第2の実施形態に係る光ピックアップ装置23によると、第1の実施形態におけるホログラムHGの中央近傍にフレア成分を透過させるための新たな領域(特定領域)Faを設けているため、光ディスクが2層ディスクであり、アクセス対象の記録層がいずれの記録層であっても、情報信号生成回路73で生成される各信号に及ぼす層間クロストークの影響を低減することができる。従って、前述した第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、本第2の実施形態に係る光ディスク装置20によると、光ディスクが2層ディスクであっても、前述した第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
なお、上記第2の実施形態では、特定領域として、フレア成分を透過させるための領域Faを設ける場合について説明したが、これに限らず、例えば図19に示されるように、領域Faとほぼ同じ位置に、回折方向が前記4つの部分領域と異なる部分領域HGeを設けても良い。
この場合に、一例として図20及び図21に示されるように、部分領域HGeからの回折光を受光するための新たな受光素子PDeを受光器PDに設けても良い。そして、情報信号生成回路73における前記加算器299に代えて、図22に示されるように、受光素子PDeからの信号に対応するI/Vアンプ71の出力信号(Seとする)を更に加算する加算器299’を用いても良い。これにより、RF信号における光利用効率を向上させることができる。
なお、フレアはデフォーカス状態で受光素子PDeに入射するので、受光素子PDe上では大きな光スポットとなる。信号のノイズを低減するためには、この光スポットが受光素子PDe以外の受光素子にかからないようにする必要がある。そこで、一例として図23に示されるように、半導体レーザLDと受光素子PDeとの距離を、半導体レーザLDと他の受光素子との距離と異なるようにしても良い。また、特に、フレアのスポット径が大きい場合には、一例として図24に示されるように、半導体レーザLDと各受光素子との距離がそれぞれ異なるようにしても良い。
また、上記第2の実施形態では、光ディスクの記録層が2つの場合について説明したが、これに限定されるものではなく、記録層が3つ以上であっても良い。
《第3の実施形態》
以下、本発明の第3の実施形態を図25〜図27に基づいて説明する。この第3の実施形態は、光ディスク15がDVD+R、又はDVD+RW、又はDVD−R、又はDVD−RWのときにDPP法(差動プッシュプル法)を用いてトラックエラー信号を生成する点が、前述した第1の実施形態と異なっている。そこで、以下においては、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用い、その説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
第3の実施形態では、一例として図25に示されるように、半導体レーザLDから出射される光束を1つの主ビーム(0次光)と2つの副ビーム(±1次回折光)に分割するためのグレーティングGTが、受発光ユニット51とホログラムHGとの間の光路上に配置されている。なお、グレーティングGTは、光ディスク15の記録層において、トラッキング方向に関してトラックピッチの1/2だけ0次光の光スポットからずれた位置に、+1次回折光の光スポット及び−1次回折光の光スポットがそれぞれ形成されるように設定されている。
従って、ホログラムHGには、0次光の戻り光束(以下、便宜上「第1戻り光束」ともいう)、+1次回折光の戻り光束(以下、便宜上「第2戻り光束」ともいう)、及び−1次回折光の戻り光束(以下、便宜上「第3戻り光束」ともいう)がそれぞれ入射する。
また、受光器PDは、一例として図26に示されるように、第1の実施形態における4つの受光素子(PDa、PDb、PDc、PDd)に加え、8つの受光素子(PDaA、PDbA、PDcA、PDdA、PDaB、PDbB、PDcB、PDdB)を備えている。ここでは、ホログラムHGからの第1戻り光束の回折光は4つの受光素子(PDa、PDb、PDc、PDd)で受光され、ホログラムHGからの第2戻り光束の回折光は4つの受光素子(PDaA、PDbA、PDcA、PDdA)で受光され、ホログラムHGからの第3戻り光束の回折光は4つの受光素子(PDaB、PDbB、PDcB、PDdB)で受光されるように配置されている。なお、受光素子PDa、PDaA及びPDaBは部分領域HGaからの回折光を受光し、受光素子PDb、PDbA及びPDbBは部分領域HGbからの回折光を受光し、受光素子PDc、PDcA及びPDcBは部分領域HGcからの回折光を受光し、受光素子PDd、PDdA及びPDdBは部分領域HGdからの回折光を受光するものとする。
I/Vアンプ71は、受光器PDからの光電変換信号をそれぞれ電圧信号に変換するとともに、所定のゲインで増幅する。ここでは、受光領域PDa1からの信号に対応する電圧信号をSa1、受光領域PDa2からの信号に対応する電圧信号をSa2、受光素子PDbからの信号に対応する電圧信号をSb、受光素子PDcからの信号に対応する電圧信号をSc、受光領域PDd1からの信号に対応する電圧信号をSd1、受光領域PDd2からの信号に対応する電圧信号をSd2とする。また、受光素子PDaAからの信号に対応する電圧信号をSaA、受光素子PDbAからの信号に対応する電圧信号をSbA、受光素子PDcAからの信号に対応する電圧信号をScA、受光素子PDdAからの信号に対応する電圧信号をSdAとする。さらに、受光素子PDaBからの信号に対応する電圧信号をSaB、受光素子PDbBからの信号に対応する電圧信号をSbB、受光素子PDcBからの信号に対応する電圧信号をScB、受光素子PDdBからの信号に対応する電圧信号をSdBとする。
情報信号生成回路73は、一例として図27に示されるように、第1の実施形態における8つの加算器(281、282、283、284、285、286、297、299)、4つの減算器(287、288、295、296)、切換スイッチ289、DPD信号生成回路290、ハイパスフィルタ(HPF)291、2つのローパスフィルタ(LPF)(292、298)に加え、5つの加算器(301、302、305、306、309)と、3つの減算器(303、307、310)などを有している。
情報信号生成回路73は、第1の実施形態と同様にして、PP信号Spp、位相差信号Sdpd、フォーカスエラー信号Sfe、及びRF信号Srfを生成する。
また、加算器301はI/Vアンプ71の出力信号SaAとSbAとを加算し、加算器302はI/Vアンプ71の出力信号ScAとSdAとを加算する。減算器303は加算器302の出力信号から加算器301の出力信号を減算する。加算器305はI/Vアンプ71の出力信号SaBとSbBとを加算し、加算器306はI/Vアンプ71の出力信号ScBとSdBとを加算する。減算器307は加算器305の出力信号から加算器306の出力信号を減算する。
そして、加算器309は減算器303の出力信号と減算器307の出力信号とを加算する。減算器310は減算器287の出力信号(PP信号Spp)から加算器309の出力信号を減算する。この減算器310の出力信号(以下「DPP信号」ともいう)Sdppは、{(Sc+Sd1+Sd2)−(Sa1+Sa2+Sb)}−{(ScA+SdA)−(SaA+SbA)}−{(ScB+SdB)−(SaB+SbB)}である。
第3の実施形態では、切換スイッチ289はCPU40からの信号Sselに基づいて、DPP信号Sdpp及び位相差信号Sdpdの一方を選択する。ここでは、光ディスク15がDVD+R、又はDVD+RW、又はDVD−R、又はDVD−RWのときにDPP信号Sdppが選択され、光ディスク15がDVD−ROMのときに位相差信号Sdpdが選択されるように設定されている。従って、光ディスク15がDVD+R、又はDVD+RW、又はDVD−R、又はDVD−RWのときにはDPP法で生成されたトラックエラー信号が出力され、光ディスク15がDVD−ROMのときにはDPD法で生成されたトラックエラー信号が出力される。
以上説明したように、本第3の実施形態に係る光ピックアップ装置23によると、3ビーム方式においても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、本第3の実施形態に係る光ディスク装置20によると、前述した第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態において、ホログラムとして、入射光の偏光方向により回折効率が異なる偏光ホログラムを用いても良い。偏光ホログラムは無偏光のホログラムに比べて回折効率が大きいため信号成分を大きくすることができる。これにより、光利用効率を更に向上させることができる。但し、この場合には、受発光ユニット51と対物レンズ60との間の光路上に1/4波長板を配置する必要がある。なお、偏光ホログラムとしては、液晶を用いたもの、複屈折結晶を用いたもの、及び有機延伸膜を用いたものなどがある。
また、上記各実施形態において、ホログラムとして、ブレーズホログラムを用いても良い。偏光ホログラムを用いたときと同様に信号成分を大きくすることができる。
また、上記各実施形態において、フォーカスエラー信号及びトラックエラー信号の少なくとも一方の信号を再生信号処理回路28で生成しても良い。
また、上記各実施形態において、DVD−ROMに対応する必要がなければ、加算器285、286、DPD信号生成回路290、減算器288、及び切換スイッチ289はなくても良い。この場合には、PP信号SppがLPF292に入力される。さらに、RF信号Srfを再生信号処理回路28で生成しても良い。
また、上記各実施形態では、情報の記録及び再生が可能な光ディスク装置について説明したが、これに限らず、情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生が可能な光ディスク装置であれば良い。
また、上記各実施形態では、光ピックアップ装置が1つの半導体レーザを備える場合について説明したが、これに限らず、例えば互いに異なる波長の光束を発光する複数の半導体レーザを備えていても良い。この場合に、例えば波長が約405nmの光束を発光する半導体レーザ、波長が約660nmの光束を発光する半導体レーザ及び波長が約780nmの光束を発光する半導体レーザの少なくとも1つを含んでいても良い。
本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図1における光ピックアップ装置の構成を説明するための図である。 図3(A)及び図3(B)は、それぞれ図2でのホログラムを説明するための図である。 図2での受光器の構成を説明するための図である。 ホログラムの部分領域と受光器の受光素子との関係を説明するための図である。 図2での情報信号生成回路を説明するための図である。 図7(A)〜図7(C)は、それぞれ光源波長と受光素子上におけるスポット径との関係を説明するための図である。 光源波長とフォーカスエラー信号との関係を説明するための図である。 図9(A)〜図9(C)は、それぞれフォーカス状態と受光素子上でのスポット形状との関係を説明するための図である。 図2でのホログラムの変形例を説明するための図である。 図10のホログラムの部分領域と受光器の受光素子との関係を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態で用いられる2層ディスクを説明するための図である。 図13(A)及び図13(B)は、それぞれ対象記録層以外の記録層からの反射光(フレア)を説明するための図である。 対象記録層が記録層M0のときの信号光とフレアを説明するための図である。 図15(A)及び図15(B)は、それぞれ第2の実施形態におけるホログラムを説明するための図である。 図15(A)のホログラムの部分領域と受光器の受光素子との関係を説明するための図である。 対象記録層が記録層M1のときの信号光とフレアを説明するための図である。 対象記録層が記録層M0のときの、ホログラム上における信号光とフレアを説明するための図である。 第2の実施形態におけるホログラムの変形例を説明するための図である。 図19のホログラムに対応して用いることができる受光器の構成を説明するための図である。 図19のホログラムの部分領域と図20の受光器の受光素子との関係を説明するための図である。 図19のホログラムと図20の受光器が用いられるときの情報信号生成回路を説明するための図である。 図20の受光器の変形例1を説明するための図である。 図20の受光器の変形例2を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を説明するための図である。 図25での受光器の構成を説明するための図である。 図25での情報信号生成回路を説明するための図である。
符号の説明
15…光ディスク、20…光ディスク装置、28…再生信号処理回路(処理装置の一部)、40…CPU(処理装置の一部)、60…対物レンズ、71…I/Vアンプ(情報信号生成手段の一部)、73…情報信号生成回路(情報信号生成手段の一部)、Fa…領域(特定領域)、HG…ホログラム、HGa、HGb、HGc、HGd…部分領域、HGe…部分領域(特定領域)、LD…光源、PD…受光器(光検出器)。

Claims (15)

  1. スパイラル状又は同心円状のトラックが蛇行して形成された記録層を有する光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置であって、
    光源と;
    前記光源から出射された光束を前記光ディスクの記録層に集光する対物レンズと、前記光ディスクで反射され前記対物レンズを介した戻り光束の光路上に配置され、前記光ディスクの半径方向に対応する第1方向の第1分割線と前記第1方向に直交する第2方向の第2分割線とによって分割された4つの部分領域を有するホログラムとを含む光学系と;
    前記ホログラムの各部分領域からの回折光を個別に受光し、受光量に応じた受光量信号をそれぞれ生成する複数の受光素子を含む光検出器と;
    前記4つの部分領域に対応する受光量信号を用い、前記光ディスクにおけるアドレス情報が含まれる信号を生成する情報信号生成手段と;を備える光ピックアップ装置。
  2. 前記アドレス情報が含まれる信号は、ウォブル信号であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記情報信号生成手段は、前記第1方向に関して前記第2分割線の一側にある2つの部分領域にそれぞれ対応する2つの受光量信号の和信号と、前記第1方向に関して前記第2分割線の他側にある2つの部分領域にそれぞれ対応する2つの受光量信号の和信号との差信号を用いて、前記ウォブル信号を生成することを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記光ディスクは、複数の記録層を有する多層ディスクであり、
    前記ホログラムは、前記複数の記録層のうち、前記対物レンズの光軸方向に関してアクセス対象の記録層よりも遠方に位置する記録層からの光を透過あるいは前記4つの部分領域とは異なる方向に回折させる特定領域を、更に有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記特定領域の大きさは、前記ホログラム位置における、前記遠方に位置する記録層からの光のスポット径よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記情報信号生成手段は、前記4つの部分領域にそれぞれ対応する4つの受光量信号の和信号を用いて、再生情報が含まれる信号を更に生成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記光検出器は、前記特定領域からの透過光あるいは回折光を受光する受光素子を更に有し、
    前記情報信号生成手段は、前記4つの部分領域及び前記特定領域にそれぞれ対応する5つの受光量信号の和信号を用いて、再生情報が含まれる信号を更に生成することを特徴とする請求項4又は5に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記光源と前記光検出器は、同一の筐体内に収納され、パッケージ化されていることを特徴とする請求項7に記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記特定領域からの透過光あるいは回折光を受光する受光素子と前記光源との距離は、前記4つの部分領域からの回折光を受光する受光素子と前記光源との距離と、異なることを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記光検出器において、前記第1方向に関して前記第2分割線の一側にある2つの部分領域からの回折光を個別に受光する2つの受光素子は、それぞれ前記第1方向の分割線によって分割された2つの部分受光領域を有し、該部分受光領域毎に受光量に応じた受光量信号をそれぞれ生成する分割受光素子であり、
    前記情報信号生成手段は、前記分割受光素子で生成された受光量信号を用いて、フォーカス方向に関する前記対物レンズの位置ずれ情報が含まれる信号を、更に生成することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  11. 前記第1方向に関して前記第2分割線の一側にある2つの部分領域の面積は、前記第1方向に関して前記第2分割線の他側にある2つの部分領域の面積よりもそれぞれ小さいことを特徴とする請求項10に記載の光ピックアップ装置。
  12. 前記情報信号生成手段は、前記第1方向に関して前記第2分割線の一側にある2つの部分領域にそれぞれ対応する2つの受光量信号の和信号と、前記第1方向に関して前記第2分割線の他側にある2つの部分領域にそれぞれ対応する2つの受光量信号の和信号との差信号を用いて、前記光ディスクの半径方向に関する前記対物レンズの位置ずれ情報が含まれる信号を、更に生成することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  13. 前記ホログラムは、入射光の偏光方向により回折効率が異なる偏光ホログラムであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  14. 前記情報信号生成手段は、前記第1方向に関して前記第2分割線の一側に位置するとともに前記第2方向に関して前記第1分割線の一側に位置する部分領域に対応する受光量信号と、前記第1方向に関して前記第2分割線の他側に位置するとともに前記第2方向に関して前記第1分割線の他側に位置する部分領域に対応する受光量信号との和信号と、前記第1方向に関して前記第2分割線の一側に位置するとともに前記第2方向に関して前記第1分割線の他側に位置する部分領域に対応する受光量信号と、前記第1方向に関して前記第2分割線の他側に位置するとともに前記第2方向に関して前記第1分割線の一側に位置する部分領域に対応する受光量信号との和信号と、の位相差に関する情報を含む信号を、更に生成することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  15. 光ディスクに光を照射し、情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、
    請求項1〜14のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置と;
    前記光ピックアップ装置を構成する情報信号生成手段の出力信号を用いて、前記光ディスクに記録されている情報の再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。
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