JP2009070419A - 抽出光学系、光ピックアップ装置、光ディスク装置及び情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】信号光と迷光とを含む光束から信号光を効率良く抽出する。
【解決手段】偏光ビームスプリッタ54で−Z方向に反射された戻り光束は、集光レンズ61で収束光となり、ビームスプリッタ70を透過して分離光学素子62に入射する。分離光学素子62に入射した信号光は、その大部分が反射板63に入射し、反射板63で反射されて、往路と同じ光路を通ってビームスプリッタ70に入射する。ビームスプリッタ70で−X方向に反射された信号光は、検出レンズ58で集光され、受光器59で受光される。一方、分離光学素子62に入射した迷光は、対象記録層が記録層L0の場合には、遮光部62aによって遮光され、対象記録層が記録層L1の場合には、反射板63で反射されてから遮光部62aによって遮光される。
【選択図】図10
【解決手段】偏光ビームスプリッタ54で−Z方向に反射された戻り光束は、集光レンズ61で収束光となり、ビームスプリッタ70を透過して分離光学素子62に入射する。分離光学素子62に入射した信号光は、その大部分が反射板63に入射し、反射板63で反射されて、往路と同じ光路を通ってビームスプリッタ70に入射する。ビームスプリッタ70で−X方向に反射された信号光は、検出レンズ58で集光され、受光器59で受光される。一方、分離光学素子62に入射した迷光は、対象記録層が記録層L0の場合には、遮光部62aによって遮光され、対象記録層が記録層L1の場合には、反射板63で反射されてから遮光部62aによって遮光される。
【選択図】図10
Description
本発明は、抽出光学系、光ピックアップ装置、光ディスク装置及び情報処理装置に係り、さらに詳しくは、信号光と迷光とが含まれる光束から信号光を抽出する抽出光学系、該抽出光学系を有する光ピックアップ装置、該光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置及び該光ディスク装置を備えた情報処理装置に関する。
近年、デジタル技術の進歩及びデータ圧縮技術の向上に伴い、音楽、映画、写真及びコンピュータソフトなどの情報(以下「コンテンツ」ともいう)を記録するための媒体として、DVD(digital versatile disc)などの光ディスクが注目されるようになり、その低価格化とともに、光ディスクを情報記録の対象媒体とする光ディスク装置が普及するようになった。
ところで、コンテンツの情報量は、年々増加する傾向にあり、光ディスクの記録容量の更なる増加が期待されている。そこで、光ディスクの記録容量を増加させる手段の一つとして、記録層の多層化が考えられ、複数の記録層を有する光ディスク(以下「多層ディスク」ともいう)及び該多層ディスクをアクセス対象とする光ディスク装置の開発が盛んに行われている。
多層ディスクでは、記録層と記録層との間隔が広いと、球面収差の影響により目的とする記録層からの信号が劣化するおそれがあるため、記録層と記録層との間隔を狭くする傾向にある。しかしながら、記録層と記録層との間隔が狭くなると、いわゆる層間クロストークにより、多層ディスクからの戻り光束には、目的とする記録層での反射光(以下「信号光」ともいう)だけでなく、目的とする記録層以外の記録層での反射光(以下「迷光」ともいう)も高いレベルで含まれることとなる.
そこで、多層ディスクを再生するときに、層間クロストークを低減させる装置が提案された(例えば、特許文献1参照)。
ところで、従来の光ピックアップ装置では、光ディスクの偏芯に追従するために、差動プッシュプル法を用いたトラッキング法が使われている(例えば、非特許文献1参照)。差動プッシュプル法は、光源からの光束を3ビームに分割して光ディスクに照射し、光ディスクで反射した光束を光検出器で検出する方法である。
また、多層ディスクを再生する際に差動プッシュプル法を用いると、光量の小さい信号と光量の大きい迷光とが光検出器の受光面上で干渉し、コヒーレントクロストークを引き起こすことが知られている(例えば、非特許文献2参照)。
今後、多層ディスクにおける記録層の数が増加し、それに伴って、記録層と記録層との間隔が更に狭くなることが予想される。そこで、光検出器で受光される光束に含まれる迷光の更なる低減が望まれている。しかしながら、特許文献1に開示されている装置では、検出器に入射する迷光を更に減少させるには、ピンホールの径を更に小さくする必要があるため、検出器に入射する信号光も減少するという不都合があった。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、信号光と迷光とが含まれる光束から信号光を効率良く抽出することができる抽出光学系を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、複数の記録層を有する光ディスクから所望の信号を精度良く取得することができる光ピックアップ装置を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、複数の記録層を有する光ディスクからの情報の再生を精度良く行うことができる光ディスク装置を提供することにある。
また、本発明の第4の目的は、複数の記録層を有する光ディスクに対して、安定したアクセスを行うことができる情報処理装置を提供することにある。
本発明は、第1の観点からすると、信号光と迷光とが含まれる光束から前記信号光を抽出する抽出光学系であって、前記光束を集光する第1光学素子と;前記第1光学素子の光軸に直交する方向に平行な反射面を有し、該反射面が前記信号光の集光位置に配置されている反射部材と;前記反射部材に対して前記第1光学素子側にある迷光の集光位置に配置され、集光位置での迷光のビームスポットと同程度の大きさの第1の領域と、該第1の領域の周囲に設けられた第2の領域とを有し、前記第1の領域は光を遮光し、前記第2の領域は光を透過させ、前記信号光のみを前記第1光学素子に向けて出力する第2光学素子と;を備える第1の抽出光学系である。
これによれば、信号光と迷光とが含まれる光束は第1光学素子で集光され、第2光学素子及び反射部材により、信号光のみが第1光学素子に向けて出力される。従って、信号光と迷光とが含まれる光束から信号光を効率良く抽出することが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、信号光と迷光とが含まれる光束から前記信号光を抽出する抽出光学系であって、前記光束を集光する第1光学素子と;前記第1光学素子の光軸に直交する方向に平行な反射面を有し、該反射面が前記信号光の集光位置に配置されている反射部材と;前記反射部材に対して前記第1光学素子側にある迷光の集光位置に配置され、集光位置での迷光のビームスポットと同程度の大きさの第1の領域と、該第1の領域の周囲に設けられた第2の領域とを有し、前記第1の領域及び前記第2の領域は、互いに光学軸が直交し、いずれも透過光に1/4波長の位相差を与え、前記信号光と前記迷光の偏光状態が互いに異なる状態で、前記第1光学素子に向けて出力する第2光学素子と;を備える第2の抽出光学系である。
これによれば、信号光と迷光とが含まれる光束は第1光学素子で集光され、第2光学素子及び反射部材により、信号光と迷光の偏光状態が互いに異なる状態で、第1光学素子に向けて出力される。従って、信号光と迷光とが含まれる光束から信号光を効率良く抽出することが可能となる。
本発明は、第3の観点からすると、複数の記録層を有する光ディスクに光束を照射し、前記光ディスクからの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、光源と;前記光源から射出された光束を前記複数の記録層のうちアクセス対象の記録層に集光する対物レンズと;前記光ディスクで反射され前記対物レンズを介した戻り光束の光路上に配置され、前記アクセス対象の記録層で反射された反射光を信号光とし、前記複数の記録層のうち前記アクセス対象の記録層以外の記録層で反射された反射光を迷光とし、前記戻り光束から前記信号光を抽出する本発明の抽出光学系と;前記抽出光学系で抽出された前記信号光を受光し、受光量に応じた信号を生成する光検出器と;を備える光ピックアップ装置である。
これによれば、本発明の抽出光学系を備えているため、迷光が極めて少ない戻り光束が光検出器で受光される。従って、複数の記録層を有する光ディスクから所望の信号を精度良く取得することが可能となる。
本発明は、第4の観点からすると、複数の記録層を有する光ディスクに対して、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生が可能な光ディスク装置であって、本発明の光ピックアップ装置と;前記光ピックアップ装置の光検出器の出力信号を用いて、前記光ディスクに記録されている情報の再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置である。
これによれば、本発明の光ピックアップ装置を備えているため、その結果として、複数の記録層を有する光ディスクからの情報の再生を精度良く行うことが可能となる。
本発明は、第5の観点からすると、本発明の光ディスク装置と;前記光ディスク装置を制御する制御装置と;を備える情報処理装置である。
これによれば、本発明の光ディスク装置を備えているため、結果として、複数の記録層を有する光ディスクに対して、安定したアクセスを行うことが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図16に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る光ディスク装置20の概略構成が示されている。
この図1に示される光ディスク装置20は、光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、該光ピックアップ装置23を光ディスク15の半径方向に駆動するためのシークモータ21、レーザ制御回路24、エンコーダ25、駆動制御回路26、再生信号処理回路28、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、フラッシュメモリ39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、本実施形態では、光ディスク装置20は多層ディスクに対応しているものとする。
光ディスク15は、一例として図2に示されるように、光束の入射側から順に、基板M0、記録層L0、中間層ML、記録層L1、基板M1を有している。また、記録層L0と中間層MLとの間には金や誘電体などで形成された半透明膜MB0があり、記録層L1と基板M1との間にはアルミニウムなどで形成された反射膜MB1がある。中間層MLには、照射される光束に対して透過率が高く、基板の屈折率に近い屈折率を有する紫外線硬化型の樹脂材料が用いられている。
すなわち、光ディスク15は片面2層ディスクである。なお、各記録層にはスパイラル状又は同心円状の案内用の溝を有するトラックが、それぞれ形成されている。そして、光ディスク15は、記録層L0が記録層L1よりも光ピックアップ装置23に近くなるように光ディスク装置20にセットされる。そこで、光ディスク15に入射した光束の一部は半透明膜MB0で反射され、残りは半透明膜MB0を透過する。そして、半透明膜MB0を透過した光束は反射膜MB1で反射される。ここでは、一例として、光ディスク15はHD DVD系の情報記録媒体であるものとする。
光ピックアップ装置23は、光ディスク15の2つの記録層のうちアクセス対象の記録層(以下、便宜上「対象記録層」と略述する)にレーザ光を照射するとともに、光ディスク15からの反射光を受光するための装置である。
この光ピックアップ装置23は、一例として図3に示されるように、光源ユニット51、カップリングレンズ52、グレーティング71、偏光ビームスプリッタ54、1/4波長板55、対物レンズ60、集光レンズ61、ビームスプリッタ70、分離光学素子62、反射板63、検出レンズ58、受光器59、及び対物レンズ60を駆動するための駆動系(図示省略)などを備えている。
光源ユニット51は、光ディスク15に対応する波長が約405nmのレーザ光を射出する光源としての半導体レーザを含んで構成されている。なお、本実施形態では、光源ユニット51から出力されるレーザ光の最大強度射出方向を+X方向とする。また、一例として、光源ユニット51からは、偏光ビームスプリッタ54に対してP偏光の光束が出力されるものとする。
この光源ユニット51の+X側には、カップリングレンズ52が配置され、光源ユニット51から出力された光束を略平行光とする。
グレーティング71は、カップリングレンズ52の+X側に配置され、カップリングレンズ52からの略平行光を0次光、+1次回折光(以下、便宜上「+1次光」と略述する)、−1次回折光(以下、便宜上「−1次光」と略述する)の3ビームに分割する。すなわち、グレーティング71は、入射光を3ビーム化する。ここでは、一例として、グレーティング71は、入射光の80%を0次光に、10%を+1次光に、10%を−1次光にするものとする。また、以下では、便宜上、+1次光と−1次光を合わせて「±1次光」ともいう。
偏光ビームスプリッタ54は、グレーティング71の+X側に配置されている。この偏光ビームスプリッタ54は、入射する光束の偏光状態に応じてその反射率が異なっている。ここでは、偏光ビームスプリッタ54は、P偏光に対する反射率が小さく、S偏光に対する反射率が大きくなるように設定されている。すなわち、光源ユニット51から出力された光束の大部分は、偏光ビームスプリッタ54を透過することができる。この偏光ビームスプリッタ54の+X側には、1/4波長板55が配置されている。
この1/4波長板55は、入射した光束に1/4波長の光学的位相差を付与する。1/4波長板55の+X側には、対物レンズ60が配置され、1/4波長板55を介した光束を対象記録層に集光する。
駆動系は、フォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータを有している。フォーカシングアクチュエータは、対物レンズ60の光軸方向であるフォーカス方向に対物レンズ60を微少駆動するためのアクチュエータである。ここでは、便宜上、対象記録層が記録層L0のときのフォーカス方向に関する対物レンズ60の最適位置を「第1レンズ位置」といい、対象記録層が記録層L1のときのフォーカス方向に関する対物レンズ60の最適位置を「第2レンズ位置」ということとする。なお、対物レンズ60が第2レンズ位置にあるときには、第1レンズ位置にあるときよりも、対物レンズ60と光ディスク15との間隔は狭くなる(図4(A)及び図4(B)参照)。
トラッキングアクチュエータは、トラッキング方向に対物レンズ60を微少駆動するためのアクチュエータである。
ここで、光ディスク15からの戻り光束について説明する。
対象記録層が記録層L0のときには、一例として図4(A)に示されるように、対物レンズ60は第1レンズ位置に位置決めされる。これにより、光源ユニット51から出力された光束は、対物レンズ60によって記録層L0に集光される。そして、半透過膜MB0で反射された光束は信号光として対物レンズ60に入射する。一方、半透過膜MB0を透過した光束は金属反射膜MB1で反射され、迷光として対物レンズ60に入射する。
対象記録層が記録層L1のときには、一例として図4(B)に示されるように、対物レンズ60は第2レンズ位置に位置決めされる。これにより、光源ユニット51から出力された光束は、対物レンズ60によって記録層L1に集光される。そして、金属反射膜MB1で反射された光束は信号光として対物レンズ60に入射する。一方、半透過膜MB0で反射された光束は迷光として対物レンズ60に入射する。
すなわち、対象記録層がいずれの記録層であっても、戻り光束には半透過膜MB0で反射された光束(以下「第1反射光」ともいう)と金属反射膜MB1で反射された光束(以下「第2反射光」ともいう)とが含まれることとなる。ここでは、対象記録層が記録層L0のときには、第1反射光が信号光であり、第2反射光が迷光である。一方、対象記録層が記録層L1のときには、第2反射光が信号光であり、第1反射光が迷光である。迷光は再生信号処理回路28で各種信号を検出する際にS/N比を低下させる要因となるため、戻り光束に含まれる信号光のみを抽出する必要がある。
集光レンズ61は、偏光ビームスプリッタ54の−Z側に配置され、偏光ビームスプリッタ54で反射された戻り光束を集光する。
ビームスプリッタ70は、集光レンズ61の−Z側に配置されている。ビームスプリッタ70は、集光レンズ61からの戻り光束を透過させ、分離光学素子62を介して入射する戻り光束を−X方向に反射する。
分離光学素子62は、ビームスプリッタ70の−Z側であって、対象記録層が記録層L0のときに、記録層L1からの迷光が集光する位置に配置されている。この分離光学素子62は、一例として図5に示されるように、遮光部62aと透過部62bとを有し、集光レンズ61の光軸の延長線上に遮光部62aが設けられている。また、遮光部62aは、集光位置における迷光のビームスポットと同程度の大きさを有している。
遮光部62aは、光学ガラス中に光吸収物質を分散させて作られる吸収型フィルタ、ガラス基板上にクロム膜をコートして作られる反射型フィルタ、及び偏光フィルタなどを用いて形成することができる。
反射板63は、集光レンズ61の光軸に直交する方向に平行な反射面を有し、分離光学素子62の−Z側であって、反射面が信号光の集光位置に配置されている。
集光レンズ61で集光された信号光と迷光の集光点について図6を用いて説明する。なお、図6では、説明を分かりやすくするため、光学系は対物レンズ60と集光レンズ61のみを図示し、対物レンズ60の光軸方向をZ軸方向としている。
信号光の集光位置をC、記録層L0からの迷光の集光位置をA、記録層L1からの迷光の集光位置をBとし、ACの間隔をS、BCの間隔をT、対物レンズ60の焦点距離をf1、集光レンズ61の焦点距離をf2、記録層L0と記録層L1の間隔をΔ、中間層MLの屈折率をnとすると、レンズの縦倍率の関係より、次の(1)式及び(2)式が得られる。
T=(2・Δ/n)・(f2/f1)2 ……(1)
S=(2・Δ/n)・(f2/f1)2 ……(2)
S=(2・Δ/n)・(f2/f1)2 ……(2)
ところで、T=Sであり、信号光の集光位置Cに反射板63を置くことにより、記録層L0からの迷光の集光位置と反射板63で反射された記録層L1からの迷光の集光位置を一致させることができる。
そこで、分離光学素子62と反射板63との間隔Lは、次の(3)式が成り立つように設定すれば良い。
L=S=T
=2・(Δ/n)・(f2/f1)2 ……(3)
=2・(Δ/n)・(f2/f1)2 ……(3)
上記間隔Lは、光ディスク15の記録層の間隔Δで決定される。そこで、間隔Δにばらつきがあると、迷光の集光点はZ軸方向にばらつくこととなる。
迷光の集光点がZ軸方向にずれた状態で、対物レンズ60がトラッキングを行うと、分離光学素子62への迷光の入射位置はトラッキング方向に対応する方向(ここでは、X軸方向)に移動することになる。
この場合には、一例として図7及び図8に示されるように、分離光学素子62における遮光部62aを、トラッキング方向に対応する方向(ここでは、X軸方向)を長手方向とする長方形、あるいは前記トラッキング方向に対応する方向を長軸方向とする楕円形とすることにより、迷光の集光点がZ軸方向にずれた状態で、対物レンズ60がトラッキングを行っても、信号光と迷光とを精度良く分離することができる。
検出レンズ58は、ビームスプリッタ70の−X側に配置され、ビームスプリッタ70で反射された戻り光束を集光する。
受光器59は、検出レンズ58の−X側に配置されている。この受光器59は、一例として図9に示されるように、+1次光を受光する受光領域59a、0次光を受光する受光領域59b、−1次光を受光する受光領域59bを有し、再生信号処理回路28にてRF信号、ウォブル信号及びサーボ信号などを検出するのに適した複数の信号(光電変換信号)を出力する。
上記のように構成される光ピックアップ装置23の作用を、図10(対象記録層が記録層L0の場合)及び図11(対象記録層が記録層L1の場合)を用いて説明する。なお、図10及び図11では、信号光を実線で示し、迷光を破線で示している。また、±1次光については、煩雑さを避けるため図示を省略している。
光源ユニット51から出力された直線偏光(ここではP偏光)の光束は、カップリングレンズ52で略平行光となり、グレーティング71で3ビーム(0次光及び±1次光)化され、偏光ビームスプリッタ54に入射する。グレーティング71からの各光束の大部分は偏光ビームスプリッタ54をそのまま透過し、1/4波長板55で円偏光とされ、対物レンズ60を介して光ディスク15の対象記録層である記録層L0に3つの微小スポットとして集光される。
「対象記録層が記録層L0の場合」
光ディスク15からは、記録層L0からの信号光と記録層L1からの迷光とが生じ、これらの光束は、往路とは反対回りの円偏光となり、戻り光束として対物レンズ60で再び略平行光とされ、1/4波長板55で往路と直交した直線偏光(ここではS偏光)とされる。そして、この戻り光束は偏光ビームスプリッタ54に入射する。偏光ビームスプリッタ54に入射した戻り光束は、S偏光であるため、偏光ビームスプリッタ54で−Z方向に反射され、信号光が平行光で、迷光が収束光で集光レンズ61に入射する。
光ディスク15からは、記録層L0からの信号光と記録層L1からの迷光とが生じ、これらの光束は、往路とは反対回りの円偏光となり、戻り光束として対物レンズ60で再び略平行光とされ、1/4波長板55で往路と直交した直線偏光(ここではS偏光)とされる。そして、この戻り光束は偏光ビームスプリッタ54に入射する。偏光ビームスプリッタ54に入射した戻り光束は、S偏光であるため、偏光ビームスプリッタ54で−Z方向に反射され、信号光が平行光で、迷光が収束光で集光レンズ61に入射する。
集光レンズ61からの信号光は、ビームスプリッタ70を透過して分離光学素子62に入射する。分離光学素子62に入射する信号光は、ビームスポットが遮光部62aの大きさよりもかなり大きいため、その大部分は分離光学素子62を透過して反射板63に入射する。そして、反射板63が信号光の集光位置に配置されているため、反射板63で反射された信号光は、往路と同じ光路を通ってビームスプリッタ70に入射する。ビームスプリッタ70で−X方向に反射された信号光は、検出レンズ58で集光され、受光器59で受光される。
集光レンズ61からの迷光は、ビームスプリッタ70を透過して分離光学素子62に入射する。分離光学素子62は、記録層L1からの迷光の集光位置に配置され、集光レンズ61の光軸の延長線上に遮光部62aが設けられているため、迷光は遮光部62aによって遮光される。
すなわち、戻り光束に含まれる信号光のみが受光器59で受光されるため、S/N比の高い光電変換信号が出力されることとなる。
「対象記録層が記録層L1の場合」
光ディスク15からは、記録層L1からの信号光と記録層L0からの迷光とが生じ、これらの光束は、往路とは反対回りの円偏光となり、戻り光束として対物レンズ60で再び略平行光とされ、1/4波長板55で往路と直交した直線偏光(ここではS偏光)とされる。そして、この戻り光束は偏光ビームスプリッタ54に入射する。偏光ビームスプリッタ54に入射した戻り光束は、S偏光であるため、偏光ビームスプリッタ54で−Z方向に反射され、信号光が平行光で、迷光が発散光で集光レンズ61に入射する。
光ディスク15からは、記録層L1からの信号光と記録層L0からの迷光とが生じ、これらの光束は、往路とは反対回りの円偏光となり、戻り光束として対物レンズ60で再び略平行光とされ、1/4波長板55で往路と直交した直線偏光(ここではS偏光)とされる。そして、この戻り光束は偏光ビームスプリッタ54に入射する。偏光ビームスプリッタ54に入射した戻り光束は、S偏光であるため、偏光ビームスプリッタ54で−Z方向に反射され、信号光が平行光で、迷光が発散光で集光レンズ61に入射する。
集光レンズ61からの信号光は、対象記録層が記録層L0の場合と同様にして、受光器59で受光される。
集光レンズ61からの迷光は、ビームスプリッタ70を透過して分離光学素子62に入射する。この場合には、迷光の集光位置が反射板63の−Z側となるため、迷光のビームスポットは信号光のビームスポットよりも大きく、迷光の大部分は分離光学素子62を透過して反射板63に入射する。反射板63で反射された迷光は、収束光として分離光学素子62に再度入射する。このときには、分離光学素子62が集光位置に配置されていることとなり、迷光は遮光部62aで遮光される。
この場合も、戻り光束に含まれる信号光のみが受光器59で受光されるため、S/N比の高い光電変換信号が出力されることとなる。
図1に戻り、再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号(複数の光電変換信号)に基づいて、サーボ信号(フォーカスエラー信号やトラックエラー信号など)、アドレス情報、同期情報及びRF信号などを取得する。ここでは、受光器59からS/N比の高い光電変換信号が出力されるため、サーボ信号、アドレス情報、同期情報及びRF信号などを精度良く取得することができる。
例えば、中間層厚20μmの片面2層のHD DVDディスクにおいて、受光器59の出力信号から得られた差動プッシュプル信号の一例が図12に示されている。なお、比較例として、偏光ビームスプリッタ54で反射された戻り光束が、直接、検出レンズ58に入射する場合に、受光器59の出力信号から得られた差動プッシュプル信号が図13に示されている。
比較例では、±1次光で生成される差動プッシュプル信号(SPP)が迷光の干渉の影響により乱れていることが分かる。一方、本実施形態で得られた差動プッシュプ信号(SPP)は、メインプッシュプル信号(MPP)と同期しており,非常に精度の良い差動プッシュプル信号が得られている。なお、図12及び図13の縦軸は規格化されており、例えば、受光器59がトラッキング方向に直交する方向の分割線によって2つの受光領域に分割され、各受光領域の出力信号をSa、Sbとすると、縦軸は(Sa−Sb)/(Sa+Sb)である。
再生信号処理回路28で得られたサーボ信号は駆動制御回路26に出力され、アドレス情報はCPU40に出力され、同期信号はエンコーダ25や駆動制御回路26などに出力される。さらに、再生信号処理回路28は、RF信号に対して復号処理及び誤り検出処理などを行い、誤りが検出されたときには誤り訂正処理を行った後、再生データとしてバッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。また、再生データに含まれるアドレス情報はCPU40に出力される。
図1に戻り、駆動制御回路26は、再生信号処理回路28からのトラックエラー信号に基づいて、トラッキング方向に関する対物レンズ60の位置ずれを補正するためのトラッキングアクチュエータの駆動信号を生成する。また、駆動制御回路26は、再生信号処理回路28からのフォーカスエラー信号に基づいて、対物レンズ60のフォーカスずれを補正するためのフォーカシングアクチュエータの駆動信号を生成する。ここで生成された各アクチュエータの駆動信号は光ピックアップ装置23に出力される。これにより、トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。さらに、駆動制御回路26は、CPU40の指示に基づいて、シークモータ21を駆動するための駆動信号、及びスピンドルモータ22を駆動するための駆動信号を生成する。各モータの駆動信号は、それぞれシークモータ21及びスピンドルモータ22に出力される。
バッファRAM34には、光ディスク15に記録するデータ(記録用データ)、及び光ディスク15から再生したデータ(再生データ)などが一時的に格納される。このバッファRAM34へのデータの入出力は、バッファマネージャ37によって管理されている。
エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいて、バッファRAM34に蓄積されている記録用データをバッファマネージャ37を介して取り出し、データの変調及びエラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を生成する。ここで生成された書き込み信号はレーザ制御回路24に出力される。
レーザ制御回路24は、光源ユニット51の半導体レーザの発光パワーを制御する。例えば記録の際には、前記書き込み信号、記録条件、及び半導体レーザの発光特性などに基づいて、半導体レーザの駆動信号がレーザ制御回路24にて生成される。
インターフェース38は、上位装置90(例えば、パソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)、SCSI(Small Computer System Interface)及びUSB(Universal Serial Bus)などの標準インターフェースに準拠している。
フラッシュメモリ39には、CPU40にて解読可能なコードで記述された各種プログラム、記録パワーや記録ストラテジ情報を含む記録条件、及び光源ユニット51の半導体レーザの発光特性などが格納されている。
CPU40は、フラッシュメモリ39に格納されている上記プログラムに従って前記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータなどをRAM41及びバッファRAM34に保存する。
次に、上位装置90からアクセス要求があったときの、光ディスク装置20における処理について図14を用いて簡単に説明する。図14のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。
上位装置90の主制御装置(図示省略)は、ユーザから記録要求があると記録要求コマンドを発行し、再生要求があると再生要求コマンドを発行する。
上位装置90から記録要求コマンド又は再生要求コマンド(以下、「要求コマンド」と総称する)を受信すると、図14のフローチャートに対応するプログラムの開始アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、処理がスタートする。
最初のステップ401では、所定の線速度(又は角速度)で光ディスク15が回転するように駆動制御回路26に指示するとともに、上位装置90から要求コマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。
次のステップ403では、要求コマンドから指定アドレスを抽出し、その指定アドレスから、対象記録層が記録層L0であるか記録層L1であるかを特定する。
次のステップ405では、特定された対象記録層に関する情報を駆動制御回路26などに通知する。
次のステップ409では、指定アドレスに対応する目標位置近傍に光スポットが形成されるように、駆動制御回路26に指示する。これにより、シーク動作が行なわれる。なお、シーク動作が不要であれば、ここでの処理はスキップされる。
次のステップ411では、要求コマンドに応じて記録又は再生を許可する。
次のステップ413では、記録又は再生が完了したか否かを判断する。完了していなければ、ここでの判断は否定され、所定時間経過後に再度判断する。完了していれば、ここでの判断は肯定され、処理を終了する。
ところで、比較のために、偏光ビームスプリッタ54で反射された戻り光束が、直接、検出レンズ58に入射するときの信号光及び迷光の光路が、図15(対象記録層が記録層L0の場合)及び図16(対象記録層が記録層L1の場合)に示されている。なお、図15及び図16では、信号光を実線で示し、迷光を破線で示している。また、±1次光については、煩雑さを避けるため図示を省略している。
対象記録層が記録層L0の場合には、偏光ビームスプリッタ54で−Z方向に反射された戻り光束は、信号光が平行光で、迷光が収束光で検出レンズ58に入射する。迷光は、信号光よりも+Z側で集光した後、発散状態で、信号光全体を覆うようにして光検出器59に入射する。特に、0次光の迷光は、±1次光の受光領域(59a、59c)にかぶってしまう。従って、迷光が、RF信号、ウォブル信号及びサーボ信号などの検出信号に影響を及ぼすことになる。
また、対象記録層が記録層L1の場合には、偏光ビームスプリッタ54で−Z方向に反射された戻り光束は、信号光が平行光で、迷光が発散光で検出レンズ58に入射する。迷光は、信号光よりも−Z方向に集光するため、信号光全体を覆うようにして光検出器59に入射する。特に、0次光の迷光は、±1次光の受光領域(59a、59c)にかぶってしまう。従って、迷光が、RF信号、ウォブル信号及びサ−ボ信号などの検出信号に影響を及ぼすことになる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ピックアップ装置23では、集光レンズ61とビームスプリッタ70と分離光学素子62と反射板63とによって、抽出光学系が構成されている。
また、本実施形態に係る光ディスク装置20では、再生信号処理回路28と、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって、処理装置が構成されている。なお、CPU40によるプログラムに従う処理の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
また、光ディスク装置20と上位装置90とによって、情報処理装置が実現されている。そして、上位装置90の主制御装置(図示省略)によって、制御装置が実現されている。
以上説明したように、本実施形態に係る光ピックアップ装置23によると、光源ユニット51から出力された直線偏光(ここではP偏光)の光束は、カップリングレンズ52、グレーティング71、偏光ビームスプリッタ54、1/4波長板55、及び対物レンズ60を介して光ディスク15の対象記録層に複数の微小スポットとして集光される。光ディスク15からの戻り光束(信号光+迷光)は、往路と直交した直線偏光(ここではS偏光)となって偏光ビームスプリッタ54に入射する。偏光ビームスプリッタ54で−Z方向に反射された戻り光束は、集光レンズ61で収束光となり、ビームスプリッタ70を透過して分離光学素子62に入射する。
分離光学素子62に入射した信号光は、その大部分が反射板63に入射し、反射板63で反射されて、往路と同じ光路を通ってビームスプリッタ70に入射する。ビームスプリッタ70で−X方向に反射された信号光は、検出レンズ58で集光され、受光器59で受光される。一方、分離光学素子62に入射した迷光は、対象記録層が記録層L0の場合には、遮光部62aによって遮光され、対象記録層が記録層L1の場合には、反射板63で反射されてから遮光部62aによって遮光される。このように、戻り光束に含まれる信号光のみが受光器59で受光されるため、受光器59からは、S/N比の高い光電変換信号が出力されることとなる。従って、複数の記録層を有する光ディスクから所望の信号を精度良く取得することが可能となる。
また、本実施形態に係る光ディスク装置20によると、S/N比の高い光電変換信号が光ピックアップ装置23から出力されるため、複数の記録層を有する光ディスクへのアクセスを精度良く安定して行うことが可能となる。従って、複数の記録層を有する光ディスクからの情報の再生を精度良く行うことができる。
そして、本実施形態に係る情報処理装置によると、複数の記録層を有する光ディスクに対して、安定したアクセスを行うことが可能となる。
なお、上記実施形態において、前記光ピックアップ装置23に代えて、図17に示される光ピックアップ装置23Aを用いても良い。この光ピックアップ装置23Aでは、検出レンズ58及び光検出器59が偏光ビームスプリッタ54の+Z側に配置され、前記反射板63に代えて、反射板64が用いられている。すなわち、集光レンズ61とビームスプリッタ70と分離光学素子62と反射板64とによって、抽出光学系が構成されている。
反射板64は、反射型の1/2波長板であり、その光学軸は、信号光(ここでは、S偏光)の偏光方向に対して45°傾斜した方向に設定されている。
上記反射型の1/2波長板としては、一例として図18に示されるように、表面が入射光の波長よりも短いピッチの微細な凹凸形状をしたものが使われる。この凹凸形状により、入射/反射した光の複屈折が変わり、1/2波長の光学的位相差が付与される。
光ピックアップ装置23Aにおいて、対象記録層が記録層L0の場合が図19に示され、対象記録層が記録層L1の場合が図20に示されている。なお、図19及び図20では、信号光を実線で示し、迷光を破線で示している。また、±1次光については、煩雑さを避けるため図示を省略している。
信号光の大部分は、分離光学素子62を透過し、反射板64に入射する。反射板64に入射した信号光は、1/2波長の光学的位相差が付与されP偏光となって反射される。そして、反射板64で反射された信号光は、往路と同じ光路を通って偏光ビームスプリッタ54に入射する。偏光ビームスプリッタ54に入射した信号光は、P偏光であるため、その大部分が偏光ビームスプリッタ54を透過し、検出レンズ58で集光され、受光器59で受光される。
迷光は、前記光ピックアップ装置23と同様に、遮光部62aによって遮光される。
従って、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、上記実施形態において、前記光ピックアップ装置23に代えて、図21に示される光ピックアップ装置23Bを用いても良い。この光ピックアップ装置23Bは、上記光ピックアップ装置23Aにおいて、前記反射板63を用い、該反射板63と分離光学素子62との間に、1/4波長板65を配置したものである。すなわち、集光レンズ61とビームスプリッタ70と分離光学素子62と1/4波長板65と反射板63とによって、抽出光学系が構成されている。
1/4波長板65の光学軸は、信号光(ここでは、S偏光)の偏光方向に対して45°傾斜した方向に設定されている。1/4波長板65には、ツイストネマティック型液晶、サブ波長格子、フォトニック結晶、及び水晶などを用いることができる。
光ピックアップ装置23Bにおいて、対象記録層が記録層L0の場合が図22に示され、対象記録層が記録層L1の場合が図23に示されている。なお、図22及び図23では、信号光を実線で示し、迷光を破線で示している。また、±1次光については、煩雑さを避けるため図示を省略している。
信号光の大部分は、分離光学素子62を透過し、1/4波長板65に入射する。1/4波長板65に入射した信号光は、円偏光となって反射板63に入射する。そして、反射板63で反射された信号光は、往路と同じ光路を通って1/4波長板65に入射し、P偏光となって、分離光学素子62を介して偏光ビームスプリッタ54に入射する。偏光ビームスプリッタ54に入射した信号光は、P偏光であるため、その大部分が偏光ビームスプリッタ54を透過し、検出レンズ58で集光され、受光器59で受光される。
迷光は、前記光ピックアップ装置23と同様に、遮光部62aによって遮光される。
従って、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、上記実施形態において、前記光ピックアップ装置23に代えて、図24に示される光ピックアップ装置23Cを用いても良い。この光ピックアップ装置23Cは、上記光ピックアップ装置23Bにおいて、前記分離光学素子62と前記1/4波長板65に代えて、前記分離光学素子62の透過部62bに、1/4波長の光学的位相差を入射光に付与する機能を追加した分離光学素子62´を用いている。すなわち、集光レンズ61とビームスプリッタ70と分離光学素子62´と反射板63とによって、抽出光学系が構成されている。
なお、分離光学素子62´の光学軸は、信号光(ここでは、S偏光)の偏光方向に対して45°傾斜した方向に設定されている。
光ピックアップ装置23Cにおいて、対象記録層が記録層L0の場合が図25に示され、対象記録層が記録層L1の場合が図26に示されている。なお、図25及び図26では、信号光を実線で示し、迷光を破線で示している。また、±1次光については、煩雑さを避けるため図示を省略している。
信号光の大部分は、分離光学素子62´で円偏光となって反射板63に入射する。そして、反射板63で反射された信号光は、往路と同じ光路を通って分離光学素子62´に入射し、分離光学素子62´でP偏光となって、偏光ビームスプリッタ54に入射する。偏光ビームスプリッタ54に入射した信号光は、P偏光であるため、その大部分が偏光ビームスプリッタ54を透過し、検出レンズ58で集光され、受光器59で受光される。
迷光は、前記光ピックアップ装置23と同様にして、分離光学素子62´の遮光部62aによって遮光される。
従って、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、上記実施形態において、前記光ピックアップ装置23に代えて、図27に示される光ピックアップ装置23Dを用いても良い。この光ピックアップ装置23Dは、上記光ピックアップ装置23Cにおいて、前記分離光学素子62´に代えて、変更光学素子66を用いている。すなわち、集光レンズ61とビームスプリッタ70と変更光学素子66と反射板63とによって、抽出光学系が構成されている。
この変更光学素子66は、一例として図28に示されるように、入射光に−1/4波長の光学的位相差を付与する第1領域66aと、入射光に+1/4波長の光学的位相差を付与する第2領域66bとを有し、集光レンズ61の光軸の延長線上に第2領域66bが設けられている。また、第2領域66bは、集光位置における迷光のビームスポットと同程度の大きさを有している。なお、第1領域66a及び第2領域66bの光学軸は、互いに直交し、信号光(ここでは、S偏光)の偏光方向に対して45°傾斜した方向に設定されている。変更光学素子66の各領域には、ツイストネマティック型液晶、サブ波長格子、フォトニック結晶、及び水晶などを用いることができる。
光ピックアップ装置23Dにおいて、対象記録層が記録層L0の場合が図29に示され、対象記録層が記録層L1の場合が図30に示されている。なお、図29及び図30では、信号光を実線で示し、迷光を破線で示している。また、±1次光については、煩雑さを避けるため図示を省略している。
信号光の大部分は、変更光学素子66の第1領域66aで−1/4波長の光学的位相差を付与され円偏光となって反射板63に入射する。そして、反射板63で反射された信号光は、往路と同じ光路を通って変更光学素子66に入射し、第1領域66aで再度−1/4波長の光学的位相差を付与されてP偏光となって、偏光ビームスプリッタ54に入射する。偏光ビームスプリッタ54に入射した信号光は、P偏光であるため、その大部分が偏光ビームスプリッタ54を透過し、検出レンズ58で集光され、受光器59で受光される。
対象記録層が記録層L0の場合、変更光学素子66に入射した迷光は、第2領域66bで+1/4波長の光学的位相差を付与され円偏光となって反射板63に入射する。反射板63で反射された迷光は、変更光学素子66に入射し、第1領域66aで−1/4波長の光学的位相差を付与されてS偏光となって、偏光ビームスプリッタ54に入射する。偏光ビームスプリッタ54に入射した迷光は、S偏光であるため、偏光ビームスプリッタ54で反射され、検出レンズ58には入射しない。
対象記録層が記録層L1の場合、変更光学素子66に入射した迷光は、第1領域66aで−1/4波長の光学的位相差を付与され円偏光となって反射板63に入射する。反射板63で反射された迷光は、変更光学素子66に入射し、第2領域66bで+1/4波長の光学的位相差を付与されてS偏光となって、偏光ビームスプリッタ54に入射する。偏光ビームスプリッタ54に入射した迷光は、S偏光であるため、偏光ビームスプリッタ54で反射され、検出レンズ58には入射しない。
従って、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、上記実施形態において、前記光ピックアップ装置23に代えて、図31に示される光ピックアップ装置23Eを用いても良い。この光ピックアップ装置23Eは、上記光ピックアップ装置23Dにおいて、前記カップリングレンズ52と前記集光レンズ61の機能を1つの集光レンズ80で実現したものである。これにより、光学系の小型化が可能となる。
光ピックアップ装置23Eにおいて、対象記録層が記録層L0の場合が図32に示されている。なお、図32では、信号光を実線で示し、迷光を破線で示している。また、±1次光については、煩雑さを避けるため図示を省略している。
なお、上記実施形態では、対物レンズ60が無限系である場合について説明したが、これに限らず、対物レンズ60が有限系であっても良い。この場合であっても、上記実施形態及び各変形例と同じ構成で信号光を効率良く抽出することができる。
また、上記実施形態では、情報の記録及び再生が可能な光ディスク装置について説明したが、これに限らず、情報の記録、再生及び消去のうち、少なくとも情報の再生が可能な光ディスク装置であれば良い。
また、上記実施形態では、光ディスクが2つの記録層を有する場合について説明したが、これに限らず、3つ以上の記録層を有していてもよい。例えば対象記録層が2つの記録層に挟まれていると、戻り光束には、信号光の集光位置よりも手前で集光する迷光と、信号光の集光位置よりも遠方で集光する迷光とが含まれることとなるが、この場合でも、信号光を効率良く抽出することができる。
また、上記実施形態では、光ディスクがHD DVD系の場合について説明したが、これに限らず、光ディスクがCD系、DVD系,及びBlu−rayに対応した次世代の情報記録媒体であっても良い。
また、上記実施形態では、光ピックアップ装置が1つの半導体レーザを備える場合について説明したが、これに限らず、例えば互いに異なる波長の光束を発光する複数の半導体レーザを備えていても良い。この場合に、例えば波長が約405nmの光束を発光する半導体レーザ、波長が約660nmの光束を発光する半導体レーザ及び波長が約780nmの光束を発光する半導体レーザの少なくとも1つを含んでいても良い。すなわち、光ディスク装置が互いに異なる規格に準拠した複数種類の光ディスクに対応する光ディスク装置であっても良い。この場合に、少なくともいずれかの光ディスクが複数の記録層を有する光ディスクであっても良い。
以上説明したように、本発明の抽出光学系によれば、信号光と迷光とを含む光束から信号光を効率良く抽出するのに適している。また、本発明の光ピックアップ装置によれば、複数の記録層を有する光ディスクから所望の信号を精度良く取得するのに適している。また、本発明の光ディスク装置によれば、複数の記録層を有する光ディスクへのアクセスを精度良く安定して行うのに適している。また、本発明の情報処理装置によれば、複数の記録層を有する光ディスクに対して、安定したアクセスを行うのに適している。
15…光ディスク、20…光ディスク装置、23…光ピックアップ装置、23A…光ピックアップ装置、23B…光ピックアップ装置、23C…光ピックアップ装置、23D…光ピックアップ装置、23E…光ピックアップ装置、28…再生信号処理回路(処理装置の一部)、40…CPU(処理装置の一部)、51…光源ユニット、52…カップリングレンズ、54…偏光ビームスプリッタ、55…1/4波長板、58…検出レンズ、59…受光器、60…対物レンズ、61…集光レンズ(第1光学素子)、62…分離光学素子(第2光学素子)、62´…分離光学素子(第2光学素子)、62a…遮光部(第1の領域)、62b…透過部(第2の領域)、63…反射板(反射部材)、64…反射板(反射部材)、65…1/4波長板、66…変更光学素子(第2光学素子)、66a…第1領域(第1の領域)、66b…第2領域(第2の領域)、70…ビームスプリッタ、71…グレーティング、L0…記録層(複数の記録層の一部)、L1…記録層(複数の記録層の一部)。
Claims (10)
- 信号光と迷光とが含まれる光束から前記信号光を抽出する抽出光学系であって、
前記光束を集光する第1光学素子と;
前記第1光学素子の光軸に直交する方向に平行な反射面を有し、該反射面が前記信号光の集光位置に配置されている反射部材と;
前記反射部材に対して前記第1光学素子側にある迷光の集光位置に配置され、集光位置での迷光のビームスポットと同程度の大きさの第1の領域と、該第1の領域の周囲に設けられた第2の領域とを有し、前記第1の領域は光を遮光し、前記第2の領域は光を透過させ、前記信号光のみを前記第1光学素子に向けて出力する第2光学素子と;を備える抽出光学系。 - 前記反射部材は、反射型の1/2波長板であることを特徴とする請求項1に記載の抽出光学系。
- 前記第2光学素子と前記反射部材との間に配置された1/4波長板を、更に備えることを特徴とする請求項1に記載の抽出光学系。
- 前記第2の領域は、入射した光束に1/4波長の光学的位相差を付与することを特徴とする請求項1に記載の抽出光学系。
- 信号光と迷光とが含まれる光束から前記信号光を抽出する抽出光学系であって、
前記光束を集光する第1光学素子と;
前記第1光学素子の光軸に直交する方向に平行な反射面を有し、該反射面が前記信号光の集光位置に配置されている反射部材と;
前記反射部材に対して前記第1光学素子側にある迷光の集光位置に配置され、集光位置での迷光のビームスポットと同程度の大きさの第1の領域と、該第1の領域の周囲に設けられた第2の領域とを有し、前記第1の領域及び前記第2の領域は、互いに光学軸が直交し、いずれも透過光に1/4波長の位相差を与え、前記信号光と前記迷光の偏光状態が互いに異なる状態で、前記第1光学素子に向けて出力する第2光学素子と;を備える抽出光学系。 - 前記信号光と迷光とが含まれる光束は、複数の記録層を有する光ディスクからの対物レンズを介した光束であり、
前記第2光学素子と前記反射部材の間隔Lは、前記対物レンズの焦点距離f1、前記第1光学素子の焦点距離f2、前記複数の記録層における記録層間隔Δ、前記複数の記録層における記録層間の媒質の屈折率nを用いて、L=2・(Δ/n)・(f2/f1)2を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の抽出光学系。 - 前記信号光と迷光とが含まれる光束は、複数の記録層を有する光ディスクからの対物レンズを介した光束であり、
前記第1の領域は、前記対物レンズのトラッキング方向に対応する方向を長手方向とする長方形、あるいは前記トラッキング方向に対応する方向を長軸方向とする楕円形であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の抽出光学系。 - 複数の記録層を有する光ディスクに光束を照射し、前記光ディスクからの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、
光源と;
前記光源から射出された光束を前記複数の記録層のうちアクセス対象の記録層に集光する対物レンズと;
前記光ディスクで反射され前記対物レンズを介した戻り光束の光路上に配置され、前記アクセス対象の記録層で反射された反射光を信号光とし、前記複数の記録層のうち前記アクセス対象の記録層以外の記録層で反射された反射光を迷光とし、前記戻り光束から前記信号光を抽出する請求項1〜7のいずれか一項に記載の抽出光学系と;
前記抽出光学系で抽出された前記信号光を受光し、受光量に応じた信号を生成する光検出器と;を備える光ピックアップ装置。 - 複数の記録層を有する光ディスクに対して、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生が可能な光ディスク装置であって、
請求項8に記載の光ピックアップ装置と;
前記光ピックアップ装置の光検出器の出力信号を用いて、前記光ディスクに記録されている情報の再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。 - 請求項9に記載の光ディスク装置と;
前記光ディスク装置を制御する制御装置と;を備える情報処理装置。
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JP2011023066A (ja) * | 2009-07-15 | 2011-02-03 | Victor Co Of Japan Ltd | 光ピックアップ装置 |
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