JP2005302157A - 記録媒体駆動装置並びにパッキン部材およびカバーユニット - Google Patents

Abstract

【課題】ベースおよびカバーの締結時にベースやカバーの歪みの発生を確実に回避することができる記録媒体駆動装置を提供する。
【解決手段】 記録媒体駆動装置１１は、ベース１３と、ベース１３の受け面２２に受け止められるカバー１５とを備える。カバー１５は締結機構１６に基づき受け面２２に結合される。弾性部材３９は受け面２２およびカバー１５の間に挟み込まれる。弾性部材３９は、締結機構１６の占有空間４３に沿って配置される。弾性部材３９は占有空間４１を途切れなく囲む。こうした記録媒体駆動装置１１では、ベース１４およびカバー１５の締結時、締結機構１６はベース１３の受け面２２に向かってカバー１５を押し付ける。弾性部材３９は占有空間４３を途切れなく囲むことから、弾性部材３９は均一に弾性変形する。その結果、ベース１３やカバー１５では歪みの発生は確実に回避されることができる。
【選択図】図６

Description

本発明は、ハードディスク駆動装置（ＨＤＤ）といった記録媒体駆動装置に関し、特に、ベースと、ベースの受け面に受け止められて、ベースとの間で収容空間を区画するカバーと、ベースの受け面にカバーを結合する締結機構とを備える記録媒体駆動装置に関する。

ＨＤＤでは、ベースおよびカバーで区画される収容空間へ塵埃の進入は阻止されなければならない。塵埃の進入の阻止にあたって、ベースの受け面およびカバーの間にはパッキンが挟み込まれる。パッキンは収容空間を途切れなく囲む。
特開平０９−２８２８６０号公報

締結機構は、カバーを貫通するねじを備える。ねじはパッキンの外側でベースの受け面にねじ込まれる。ねじはベースの受け面に向かって強くカバーを押し付ける。その結果、パッキンの内側ではパッキンを支点にカバーが持ち上げられる。ＨＤＤの外形は歪んでしまう。

本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、ベースおよびカバーの締結時にベースやカバーの歪みの発生を確実に回避することができる記録媒体駆動装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、そういった記録媒体駆動装置の実現に大いに役立つパッキン部材およびカバーユニットを提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明によれば、ベースと、ベースの受け面に受け止められて、ベースとの間で収容空間を区画するカバーと、ベースの受け面にカバーを結合する締結機構と、ベースの受け面およびカバーの間で、締結機構の占有空間に沿ってこの占有空間を途切れなく囲む弾性部材とを備えることを特徴とする記録媒体駆動装置が提供される。

こういった記録媒体駆動装置では、ベースおよびカバーの締結時、締結機構はベースの受け面に向かってカバーを押し付ける。弾性部材は締結機構の占有空間を途切れなく囲むことから、弾性部材は均一に弾性変形する。その結果、ベースやカバーでは歪みの発生は確実に回避されることができる。締結機構は、カバーに形成される窪みと、窪み内でカバーに形成される貫通孔と、窪み内に受け入れられて、貫通孔を突き抜ける締結部品とを備えればよい。

こうした記録媒体駆動装置は、ベースの受け面およびカバーの間に挟み込まれ、収容空間を途切れなく囲むパッキンをさらに備えてもよい。こうしたパッキンに基づき収容空間では密閉状態が確立されることができる。しかも、締結機構がベースの受け面に向かってカバーを押し付ける際、パッキンは均一に弾性変形する。ベースやカバーでは歪みの発生は回避されることができる。

弾性部材およびパッキンは一体成型に基づき形成されればよい。弾性部材およびパッキンはカバーに接着されればよい。こうして弾性部材やパッキンがカバーに接着されれば、弾性部材やパッキンはベースの内向き面に予め位置決めされなくてもよい。カバーはベースに容易に結合されることができる。また、パッキンは、収容空間の輪郭に沿って描き出される内側の輪郭線と、この内側の輪郭線に対応して描かれる外側の輪郭線とを備えればよい。内側および外側の輪郭線は相互に平行に規定されてもよい。

以上のような記録媒体駆動装置の実現にあたって、記録媒体駆動装置のベースおよびカバーの間に挟み込まれ、ベースおよびカバーで区画される収容空間を途切れなく囲むパッキンと、ベースおよびカバーの間に挟み込まれ、ベースおよびカバーを結合する締結機構の占有空間に沿ってこの占有空間を途切れなく囲む弾性部材とを備えることを特徴とする記録媒体駆動装置向けパッキン部材が提供されればよい。

以上のような記録媒体駆動装置の実現にあたって、カバーと、カバーに形成されて、所定の締結部品を受け入れる貫通孔と、カバーに接着されて、貫通孔を途切れなく囲む弾性部材とを備えることを特徴とする記録媒体駆動装置向けカバーユニットが提供されればよい。こうしたカバーユニットによれば、カバーユニットは容易にベースに結合されることができる。カバーユニットは、弾性部材に一体化されつつカバーに接着され、カバーの外周に沿って途切れなく一回りするパッキンを備えてもよい。

以上のように本発明によれば、ベースおよびカバーの締結時にベースやカバーの歪みの発生を確実に回避することができる記録媒体駆動装置を提供することができる。さらに本発明によれば、そういった記録媒体駆動装置の実現に大いに役立つパッキン部材およびカバーユニットを提供することができる。

以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。

図１は本発明の第１実施形態に係る記録媒体駆動装置すなわちハードディスク駆動装置（ＨＤＤ）１１の外観を概略的に示す。このＨＤＤ１１は箱形の筐体すなわちハウジング１２を備える。ハウジング１２はベース１３を備える。ベース１３は例えばアルミニウムといった金属材料から鋳造に基づき成形されればよい。ベース１３にはカバーユニット１４が結合される。

カバーユニット１４は、水平面に沿って広がるカバー１５を備える。カバー１５は例えばステンレス鋼といった金属材料からプレス加工に基づき成形されればよい。ベース１３およびカバーユニット１４の結合にあたって締結機構１６が用いられる。締結機構１６は、カバー１５に形成される窪み１７と、例えばねじ１８といった締結部品とを備える。ねじ１８は窪み１７内に受け入れられる。

図２に示されるように、ベース１３は、水平面に沿って広がる底板１９と、底板１９の周縁から立ち上がる側壁２１とを備える。側壁２１の上端面には水平面に沿って広がる受け面２２が規定される。受け面２２にはねじ孔２３が形成される。こうしたねじ孔２３には前述のねじ１８がねじ込まれる。

側壁２１内には内部空間すなわち収容空間が区画される。収容空間には記録媒体としての１枚以上の磁気ディスク２４が収容される。磁気ディスク２４はスピンドルモータ２５の回転軸に装着される。スピンドルモータ２５は例えば５４００ｒｐｍや７２００ｒｐｍ、１００００ｒｐｍといった高速度で磁気ディスク２４を回転させることができる。

収容空間にはヘッドアクチュエータ２６がさらに収容される。このヘッドアクチュエータ２６はアクチュエータブロック２７を備える。アクチュエータブロック２７は、垂直方向に延びる支軸２８に回転自在に連結される。アクチュエータブロック２７には、支軸２８から水平方向に延びる複数のアクチュエータアーム２９が区画される。こういったアクチュエータブロック２７は例えば鋳造に基づきアルミニウムから成型されればよい。

個々のアクチュエータアーム２９の先端には、アクチュエータアーム２９から前方に延びるヘッドサスペンション３１が取り付けられる。ヘッドサスペンション３１の先端にはいわゆるジンバルばね（図示されず）が接続される。ジンバルばねの表面に浮上ヘッドスライダ３２は固定される。こうしたジンバルばねの働きで浮上ヘッドスライダ３２はヘッドサスペンション３１に対してその姿勢を変化させることができる。

浮上ヘッドスライダ３２にはいわゆる磁気ヘッドすなわち電磁変換素子（図示されず）が搭載される。この電磁変換素子は、例えば、薄膜コイルパターンで生成される磁界を利用して磁気ディスク２４に情報を書き込む薄膜磁気ヘッドといった書き込み素子と、スピンバルブ膜やトンネル接合膜の抵抗変化を利用して磁気ディスク２４から情報を読み出す巨大磁気抵抗効果（ＧＭＲ）素子やトンネル接合磁気抵抗効果（ＴＭＲ）素子といった読み出し素子とで構成されればよい。

浮上ヘッドスライダ３２には、磁気ディスク２４の表面に向かってヘッドサスペンション３１から押し付け力が作用する。磁気ディスク２４の回転に基づき磁気ディスク２４の表面で生成される気流の働きで浮上ヘッドスライダ３２には浮力が作用する。ヘッドサスペンション３１の押し付け力と浮力とのバランスで磁気ディスク２４の回転中に比較的に高い剛性で浮上ヘッドスライダ３２は浮上し続けることができる。

こういった浮上ヘッドスライダ３２の浮上中にヘッドアクチュエータ２６が支軸２８回りで回転すると、浮上ヘッドスライダ３２は磁気ディスク２４の半径線に沿って移動することができる。その結果、浮上ヘッドスライダ３２上の電磁変換素子は最内周記録トラックと最外周記録トラックとの間でデータゾーンを横切ることができる。こうして浮上ヘッドスライダ３２上の電磁変換素子は目標の記録トラック上に位置決めされる。ヘッドアクチュエータ２６の回転は例えばボイスコイルモータ（ＶＣＭ）といった動力源３３の働きを通じて実現されればよい。

ヘッドサスペンション３１の先端には、ヘッドサスペンション３１の先端から前方に延びるロードタブ３４が固定される。ロードタブ３４はヘッドアクチュエータ２６の揺動に基づき磁気ディスク２４の半径方向に移動することができる。ロードタブ３４の移動経路上にはランプ部材３５が配置される。ランプ部材３５およびロードタブ３４は協働でいわゆるロードアンロード機構を構成する。ランプ部材３５は例えば硬質プラスチック材料から成型されればよい。

図３はカバーユニット１４の構造を概略的に示す。カバー１５にはねじ１８を受け入れる貫通孔３６が形成される。貫通孔３６は締結機構１６を構成する。貫通孔３６は窪み１７内に配置される。窪み１７や貫通孔３６の位置はベース１３のねじ孔２３の位置に対応する。カバーユニット１４は、カバー１５の裏面に接着されるパッキン部材３７を備える。カバー１５の裏面はベース１３内の収容空間に向き合わせられる。パッキン部材３７の接着にあたって例えば熱融着が実施されればよい。

パッキン部材３７は、カバー１５の外周に沿って途切れなく一回りするパッキン３８を備える。パッキン３８には弾性部材３９が一体化される。弾性部材３９は、カバー１５の窪み１７および貫通孔３６を途切れなく囲む。ここでは、弾性部材３９は例えば環状に形成されればよい。ただし、貫通孔３６を途切れなく囲む限り弾性部材３９はその他の形状に形成されてもよい。弾性部材３９は例えばパッキン３８の外側に配置されればよい。こうしたパッキン部材３７は例えばポリウレタンといった弾性樹脂材料から一体成型に基づき形成されればよい。

カバーユニット１４はベース１３の受け面２２に受け止められる。こうしてパッキン部材３７は、図４に示されるように、受け面２２上に配置される。こうしてパッキン部材３７はベース１３の受け面２２およびカバー１５の間に挟み込まれる。パッキン３８は、収容空間の輪郭に沿って描き出される内側の輪郭線４１と、この内側の輪郭線４１に対応して描かれる外側の輪郭線４２とを備える。ここでは、内側および外側の輪郭線４１、４２は相互に平行に規定される。こうしてパッキン３８は収容空間を途切れなく囲む。収容空間では密閉状態が確立される。

図５から明らかなように、窪み１７の輪郭はねじ１８の頭の外径よりも大きく設定される。ねじ１８の頭は窪み１７で受け止められる。その一方で、ねじ１８の軸は貫通孔３６を突き抜ける。こうしてねじ１８はベース１３のねじ孔２３にねじ込まれる。図６を併せて参照し、弾性部材３９は締結機構１６の占有空間４３に沿って配置される。その結果、弾性部材３９は占有空間４３を途切れなく囲む。弾性部材３９に基づきベース１３およびカバー１５の間には所定の遊びが確保される。

次に、ベース１３にカバーユニット１４を結合する場面を想定する。結合に先立って、カバーユニット１４は用意される。まず、カバー１５はプレス加工に基づき成型される。パッキン部材３７は所定の形状に一体成型される。パッキン部材３７はカバー１５の裏面に接着される。弾性部材３９は窪み１７に容易に位置決めされる。こうしてパッキン３９も同時に位置決めされることができる。パッキン部材３７の接着にあたって例えば熱融着が実施されればよい。その他、パッキン部材３７は例えば接着剤に基づきカバー１５に接着されてもよい。

その後、カバーユニット１４はベース１３に重ね合わせられる。貫通孔３６からねじ１８はベース１３のねじ孔３１にねじ込まれる。所定の締結力が確立されるまでねじ１８がねじ込まれると、ねじ１８の頭はベース１３の受け面２２に向かって強く窪み１７すなわちカバー１５を押し付ける。弾性部材３９は締結機構１６の占有空間４３を途切れなく囲むことから、弾性部材３９およびパッキン３８はねじ１８回りで均一に弾性変形する。カバー１５では歪みの発生は回避されることができる。同様に、ベース１３では歪みの発生は回避される。

その一方で、ねじ回りで少しでも弾性部材やパッキンが途切れると、その途切れに向かって弾性部材およびパッキンは大きく撓む。ねじ回りで弾性部材およびパッキンは不均一に弾性変形してしまう。ベースやカバーは歪んでしまう。歪みに基づき規定の外径サイズは維持されることができない。加えて、スピンドルモータやヘッドアクチュエータ、ランプ部材といった部品の位置精度は十分に確保されることができない。ＨＤＤの品質は悪化してしまう。今後、ＨＤＤの薄型化が進行することが考えられる。ベースやカバーの剛性の低下が予想される。ベースやカバーの歪みは確実に回避されなければならない。

（付記１） ベースと、ベースの受け面に受け止められて、ベースとの間で収容空間を区画するカバーと、ベースの受け面にカバーを結合する締結機構と、ベースの受け面およびカバーの間で、締結機構の占有空間に沿ってこの占有空間を途切れなく囲む弾性部材とを備えることを特徴とする記録媒体駆動装置。

（付記２） 付記１に記載の記録媒体駆動装置において、前記締結機構は、カバーに形成される窪みと、窪み内でカバーに形成される貫通孔と、窪み内に受け入れられて、貫通孔を突き抜ける締結部品とを備えることを特徴とする記録媒体駆動装置。

（付記３） 付記１に記載の記録媒体駆動装置において、前記ベースの受け面およびカバーの間に挟み込まれ、前記収容空間を途切れなく囲むパッキンをさらに備えることを特徴とする記録媒体駆動装置。

（付記４） 付記３に記載の記録媒体駆動装置において、前記弾性部材およびパッキンは一体成型に基づき形成されることを特徴とする記録媒体駆動装置。

（付記５） 付記４に記載の記録媒体駆動装置において、前記弾性部材およびパッキンはカバーに接着されることを特徴とする記録媒体駆動装置。

（付記６） 付記１に記載の記録媒体駆動装置において、前記パッキンは、前記収容空間の輪郭に沿って描き出される内側の輪郭線と、この内側の輪郭線に対応して描かれる外側の輪郭線とを備えることを特徴とする記録媒体駆動装置。

（付記７） 記録媒体駆動装置のベースおよびカバーの間に挟み込まれ、ベースおよびカバーで区画される収容空間を途切れなく囲むパッキンと、ベースおよびカバーの間に挟み込まれ、ベースおよびカバーを結合する締結機構の占有空間に沿ってこの占有空間を途切れなく囲む弾性部材とを備えることを特徴とする記録媒体駆動装置向けパッキン部材。

（付記８） カバーと、カバーに形成されて、所定の締結部品を受け入れる貫通孔と、カバーに接着されて、貫通孔を途切れなく囲む弾性部材とを備えることを特徴とする記録媒体駆動装置向けカバーユニット。

（付記９） 付記８に記載の記録媒体駆動装置向けカバーユニットにおいて、前記弾性部材に一体化されつつカバーに接着され、カバーの外周に沿って途切れなく一回りするパッキンを備えることを特徴とする記録媒体駆動装置向けカバーユニット。

図１は、本発明に係る記録媒体駆動装置すなわちハードディスク駆動装置（ＨＤＤ）の外観を概略的に示す斜視図である。 図２は、ＨＤＤの内部構造を概略的に示す平面図である。 図３は、本発明に係るカバーユニットの構造を概略的に示す平面図である。 図４は、ベースの受け面にパッキン部材を配置した状態を概略的に示す平面図である。 図５は、図４の５−５線に沿った拡大部分断面図であり、ベースおよびカバーの結合状態を示す図である。 図６は、弾性部材および締結機構の関係を示す拡大部分平面図である。

符号の説明

１１ 記録媒体駆動装置（ハードディスク駆動装置）、１３ ベース、１４ カバーユニット、１５ カバー、１６ 締結機構、１７ 窪み、１８ 締結部品（ねじ）、２２ 受け面、３６ 貫通孔、３７ パッキン部材、３８ パッキン、３９ 弾性部材、４１ 内側の輪郭線、４２ 外側の輪郭線、４３ 占有空間。

Claims (5)

1. ベースと、ベースの受け面に受け止められて、ベースとの間で収容空間を区画するカバーと、ベースの受け面にカバーを結合する締結機構と、ベースの受け面およびカバーの間で、締結機構の占有空間に沿ってこの占有空間を途切れなく囲む弾性部材とを備えることを特徴とする記録媒体駆動装置。
2. 請求項１に記載の記録媒体駆動装置において、前記締結機構は、カバーに形成される窪みと、窪み内でカバーに形成される貫通孔と、窪み内に受け入れられて、貫通孔を突き抜ける締結部品とを備えることを特徴とする記録媒体駆動装置。
3. 請求項１に記載の記録媒体駆動装置において、前記ベースの受け面およびカバーの間に挟み込まれ、前記収容空間を途切れなく囲むパッキンをさらに備えることを特徴とする記録媒体駆動装置。
4. 記録媒体駆動装置のベースおよびカバーの間に挟み込まれ、ベースおよびカバーで区画される収容空間を途切れなく囲むパッキンと、ベースおよびカバーの間に挟み込まれ、ベースおよびカバーを結合する締結機構の占有空間に沿ってこの占有空間を途切れなく囲む弾性部材とを備えることを特徴とする記録媒体駆動装置向けパッキン部材。
5. カバーと、カバーに形成されて、所定の締結部品を受け入れる貫通孔と、カバーに接着されて、貫通孔を途切れなく囲む弾性部材とを備えることを特徴とする記録媒体駆動装置向けカバーユニット。

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