JP2005300983A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 用紙Pに担持されたトナー像を定着する定着装置であって、回動可能な定着ロール61と、外周面を定着ロール61に接触しながら移動可能であって、内周面に潤滑剤が塗布されたエンドレスベルト62と、エンドレスベルト62の内周面を押圧するように配置され、エンドレスベルト62を定着ロール61に圧接させる圧力パッド64と、エンドレスベルト62の内周面から漏洩する潤滑剤を拭き取る潤滑剤拭き取り部材85とを備えている。
【選択図】 図2
Description
しかし、荷重を大きくする方法や、弾性体層の厚さを厚くする方法では、ロールの撓みに起因するニップ幅の形状がロール軸に沿って不均一になることから、定着むらや紙しわが生じる等といった画像品質上の問題が発生する。また、ロール径を大きくする方法では、装置の大型化を招くとともに、ロールを室温から定着可能温度に上昇させるまでの時間(ウォームアップタイム)が長くなるという問題がある。
そして、この圧力部材とエンドレスベルトとの摺擦面に潤滑剤を供給するに際しては、エンドレスベルトの内周面に接触するように潤滑剤供給部材を配置して、潤滑剤供給部材からエンドレスベルトの内周面に潤滑剤を塗布し、エンドレスベルトの回動に伴って摺動部まで潤滑剤を搬送する方法が採用されている。
また、圧力部材とエンドレスベルトとの間は加圧されていることから、エンドレスベルトの内周面に塗布された潤滑剤の一部がエンドレスベルトと低摩擦部材との間の摺動部に入り込むことができずに摺動部入口領域で滞留し、エンドレスベルトが回動を重ねるのに伴って、この滞留した潤滑剤が摺動部入口領域において両端部側に拡がり、外部に漏洩する場合もある。
このようにして摺動部から潤滑剤が漏洩すると、漏洩した潤滑剤がエンドレスベルトの外周面側に回り込んで、搬送されてきた記録紙を汚損する可能性があった。
また、潤滑剤拭き取り部材は、ベルト部材の外周面における非通紙領域に接触して配置された構成とすることができる。さらに、潤滑剤拭き取り部材は、ベルト部材の端部エッジ面に接触して配置された構成とすることもできる。
さらにまた、ベルト部材の幅方向の移動を制限するベルトガイド部材をさらに備え、潤滑剤拭き取り部材は、このベルトガイド部材に配設されたことを特徴とすることもできる。
また、潤滑剤拭き取り部材は、フッ素樹脂からなる不織布または多孔質のフッ素樹脂からなる潤滑剤吸収材を備えたことを特徴とすることもできる。さらに、回動部材を加熱する加熱部材、またはベルト部材を加熱する加熱部材をさらに備えたことを特徴とすることもできる。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
定着ロール61の内部には、発熱源としてのハロゲンヒータ66が配設されている。一方、定着ロール61の表面には温度センサ69が接触して配置されている。画像形成装置の制御部40は、この温度センサ69による温度計測値に基づいてハロゲンヒータ66の点灯を制御し、定着ロール61の表面温度が所定の設定温度(例えば、150℃)を維持するように調整している。
ここで、図3はエンドレスベルト62が支持される構成を説明する断面構成図であり、用紙Pの搬送方向下流側から見た定着装置60の一方の端部領域を示している。
図3に示したように、エンドレスベルト62の内部に配置されたホルダ65の両端部にエッジガイド部材80が固設されている。エッジガイド部材80は、ニップ部Nとその近傍に対応する部分に切り欠きが形成された円筒状、すなわち断面がC形状のベルト走行ガイド部801、このベルト走行ガイド部801の外側に設けられ、エンドレスベルト62の外径よりも大きな外径で形成されたフランジ部802、さらにフランジ部802の外側に設けられ、エッジガイド部材80を定着装置60本体に位置決めして固定するための保持部803で構成されている。
また、フランジ部802は、ホルダ65の両端部において対向するように配置された両フランジ部802の内側面が、エンドレスベルト62の幅と略一致する間隔を持つように配置されている。そして、エンドレスベルト62が回動する際には、エンドレスベルト62の端部がフランジ部802の内側面に当接することによって、エンドレスベルト62の幅方向への移動(ベルトウォーク)が制限されている。このように、エンドレスベルト62は、エッジガイド部材80によって片寄りが規制されるように支持されている。
ベルトガイド部材63は、エンドレスベルト62の内部に配置されたホルダ65に取り付けられ、エンドレスベルト62がスムーズに回動することができるように、摩擦係数の小さな材質で形成されている。また、エンドレスベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率の低い材質で形成するのが好ましい。
なお、かかる圧力パッド64と低摩擦シート68とは、金属製のホルダ65に支持されている。
耐熱性弾性体層612は、耐熱性の高い弾性体で構成され、特に、硬度が15〜45°(JIS−A)程度のゴム、エラストマー等の弾性体を用いるのが好ましい。具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。
剥離ニップ部材64bは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、または鉄、アルミニウム、SUS等の金属で形成されている。剥離ニップ部材64bの形状としては、ニップ部Nにおける外面形状が一定の曲率半径を有する凸状曲面に形成されている。
なお、低摩擦シート68は、表面に孔がなく浸潤性、透過性のない材質で形成されることが望ましい。低摩擦シート68を表面に孔がなく浸潤性、透過性のない材質で形成することで、潤滑剤が低摩擦シート68に滲み込むことを抑制できるので、摺動部において潤滑剤が失われず、潤滑剤の安定的な維持を可能とする。また、潤滑剤がプレニップ部材64aに滲み込んで膨潤し、ニップ圧が低下することを防ぐこともできる。
ここで、低摩擦シート68は、圧力パッド64のエンドレスベルト62内周面側に配置される構成であれば、低摩擦シート68を圧力パッド64と別体に構成しても、圧力パッド64と一体的に構成しても、いずれでもよい。
潤滑剤拭き取り部材85は、アミノ変性シリコーンオイル等の潤滑剤を吸収して保持できる潤滑剤吸収材によって主要部が構成されている。そして、潤滑剤拭き取り部材85は、圧力パッド64上に配置された低摩擦シート68とエンドレスベルト62との摺動部の両端部から漏れ出て、エンドレスベルト62の内周面に付着した潤滑剤を、潤滑剤吸収材によって拭き取って内部に保持するように機能する。
ところが、圧力パッド64とエンドレスベルト62との間には押圧力が作用しているため、エンドレスベルト62と低摩擦シート68との間の摺動部に入り込むことができない潤滑剤も存在する。そのため、この摺動部に入り込めない潤滑剤が摺動部の入口領域に徐々に滞留して、この滞留した潤滑剤が摺動部入口領域において両端部側に次第に移動していき、低摩擦シート68の両端部からエンドレスベルト62の内周面を経て、エンドレスベルト62の外周面に潤滑剤が漏洩する場合がある。
また、低摩擦シート68とエンドレスベルト62との摺動部内に供給された潤滑剤においても、圧力パッド64とエンドレスベルト62との間の押圧力によって外側に押し出される力が働くことから、摺動部の内部においても両端部側に移動する潤滑剤が存在する。そのため、低摩擦シート68の両端部からエンドレスベルト62の内周面へ潤滑剤が漏れ出て、同様にエンドレスベルト62の外周面に漏洩することもある。
なお、低摩擦シート68を配設しない場合や、低摩擦シート68を圧力パッド64と一体的に構成した場合には、圧力パッド64の端部から両側部側(外側)に潤滑剤が漏洩することとなるため、圧力パッド64の端部よりも外側の領域を含む領域に潤滑剤拭き取り部材85を配置する。その際には、漏洩源である圧力パッド64の端部、またはその下流側近傍に潤滑剤拭き取り部材85を配置するのが好適である。
なお、潤滑剤拭き取り部材85において、潤滑剤吸収材としてフェルトのような軟らかい材質のものを使用する場合には、潤滑剤吸収材の変形を抑制するため潤滑剤拭き取り部材85のエンドレスベルト62回動方向下流側に背板を設け、潤滑剤吸収材を補強するように構成するのが好ましい。
ここで、図6は、潤滑剤拭き取り部材85をエンドレスベルト62の外周面に接触するように配設した構成を説明する図であり、定着装置60の一方の端部領域を下流側から示している。図6に示したように、潤滑剤拭き取り部材85は、ニップ部Nの下流側近傍であって、長手方向両端部の非通紙領域において、エッジガイド部材80のフランジ部802に固定されている。そして、潤滑剤拭き取り部材85のエンドレスベルト62を介したエンドレスベルト62の内周面側には、ベルト走行ガイド部801が位置している。すなわち、図7(エッジガイド部材80の内側面側を示した平面図)に示すように、潤滑剤拭き取り部材85はベルト走行ガイド部801によってバックアップされてエンドレスベルト62の外周面に接触するので、エンドレスベルト62の外周面に対して適度な押圧をしながら、この外周面上に漏れ出た潤滑剤を効果的に拭き取ることができる。
ここで、図8は、潤滑剤拭き取り部材85をエンドレスベルト62の端部エッジ面に接触するように配設した構成を説明する図であり、定着装置60のエッジガイド部材80の内側面側を示した平面図である。図8に示したように、潤滑剤拭き取り部材85は、エッジガイド部材80のフランジ部802に内挿されるように配設されるとともに、ベルト走行ガイド部801の外側に円環状に形成されている。そして、潤滑剤拭き取り部材85は、エンドレスベルト62の回動に際してエンドレスベルト62の端部エッジ面が接触するように配置されている。このように構成することで、エンドレスベルト62の内周面からエンドレスベルト62の端部に拡がった潤滑剤を、エンドレスベルト62の端部エッジ面において拭き取ることができるので、エンドレスベルト62の外表面に潤滑剤が漏洩するのを抑制することが可能となる。
また、潤滑剤拭き取り部材85をエンドレスベルト62の端部エッジ面に接触するように配設した構成では、エンドレスベルト62の回動に伴ってエンドレスベルト62に対するスラスト力が大きく働く場合があり、その際にはエンドレスベルト62の端部エッジ面における摺動抵抗が大きくなって、エンドレスベルト62に歪みや破損が生じ易くなる。そのため、エンドレスベルト62と潤滑剤拭き取り部材85との摺動抵抗を小さいレベルに維持するように、潤滑剤拭き取り部材85を構成する潤滑剤吸収材としては、摩擦係数が低く形成されているPTFE不織布からなるゴアテックス(登録商標)メンブレンや、フッ素樹脂を多孔質に形成したものが特に好ましい。
このように構成することで、低摩擦シート68(または圧力パッド64)の端部からエンドレスベルト62に潤滑剤が漏洩しても、潤滑剤拭き取り部材85によって拭き取ることができるので、漏洩した潤滑剤がエンドレスベルト62の外周面側の通紙領域に拡がることを抑えることができる。そのため、定着装置60に搬送されてきた用紙Pが、潤滑剤で汚損されることがなく、高品質の画像の提供を長期に亘って維持することが可能となる。
実施の形態1では、加熱手段として発熱源を有する定着ロール61を用い、加圧手段として圧力パッド64が押圧されたエンドレスベルト62を用いた定着装置60が搭載された画像形成装置について説明した。実施の形態2では、図1に示した画像形成装置に搭載する定着装置であって、加熱手段として発熱源が押圧された定着ベルトを用い、加圧手段として加圧ロールを用いた定着装置について説明する。尚、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
セラミックヒータ82は、加圧ロール91側の面がほぼフラットに形成されている。そして、定着ベルト92を介して加圧ロール91に押圧される状態で配置され、ニップ部Nを形成している。したがって、セラミックヒータ82は圧力部材としても機能している。ニップ部Nを通過した用紙Pは、ニップ部Nの出口領域(剥離ニップ部)において定着ベルト92の曲率の変化によって定着ベルト92から剥離される。
さらに、定着ベルト92内周面とセラミックヒータ82との間には、定着ベルト92の内周面とセラミックヒータ82との摺動抵抗を小さくするため、低摩擦シート68が配設されている。この低摩擦シート68は、セラミックヒータ82と別体に構成しても、セラミックヒータ82と一体的に構成しても、いずれでもよい。
また、定着ベルト92は、原形が円筒形状に形成された無端ベルトであり、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性樹脂やSUS、ニッケル等の金属で形成されたベース層921と、このベース層921の加圧ロール91側の面または両面に被覆されたフッ素樹脂等からなる離型層922とから構成されている。
さらに、ニップ部Nの下流側近傍には、定着ベルト92から剥離された用紙Pを完全に定着ベルト92から分離し、画像形成装置の排出部へ向かう排紙通路に誘導するための剥離補助部材70が配設されている。剥離補助部材70は、剥離バッフル71が定着ベルト92の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ベルト92と近接する状態でバッフルホルダ72によって保持されている。
このように構成することで、低摩擦シート68の端部から定着ベルト92に潤滑剤が漏洩しても、潤滑剤拭き取り部材85によって拭き取ることができるので、漏洩した潤滑剤が定着ベルト92の通紙領域に拡がることを抑えることができる。そのため、定着装置90に搬送されてきた用紙Pが、潤滑剤で汚損されることがなく、高品質の画像の提供を長期に亘って維持することが可能となる。
Claims (10)
- 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
回動可能な回動部材と、
外周面を前記回動部材に接触しながら移動可能であって、内周面に潤滑剤が塗布されたベルト部材と、
前記ベルト部材の内周面を押圧するように配置され、当該ベルト部材を前記回動部材に圧接させる圧力部材と、
前記ベルト部材の内周面から漏洩する潤滑剤を拭き取る潤滑剤拭き取り部材と
を備えたことを特徴とする定着装置。 - 前記潤滑剤拭き取り部材は、前記圧力部材の長手方向に亘る領域の外側において、前記ベルト部材の内周面に接触して配置されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記圧力部材と前記ベルト部材との間に、当該圧力部材と当該ベルト部材との摺動抵抗を低減する低摩擦部材をさらに備え、前記潤滑剤拭き取り部材は、当該低摩擦部材の幅方向に亘る領域の外側において、当該ベルト部材の内周面に接触して配置されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記潤滑剤拭き取り部材は、前記圧力部材に配設されたことを特徴とする請求項2または3記載の定着装置。
- 前記潤滑剤拭き取り部材は、前記ベルト部材の外周面における非通紙領域に接触して配置されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記潤滑剤拭き取り部材は、前記ベルト部材の端部エッジ面に接触して配置されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記ベルト部材の幅方向の移動を制限するベルトガイド部材をさらに備え、前記潤滑剤拭き取り部材は、当該ベルトガイド部材に配設されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記潤滑剤拭き取り部材は、フッ素樹脂からなる不織布または多孔質のフッ素樹脂からなる潤滑剤吸収材を備えたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記回動部材を加熱する加熱部材、または前記ベルト部材を加熱する加熱部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、
前記定着手段は、
回動可能な回動部材と、
前記回動部材に接触しながら移動可能なベルト部材と、
前記ベルト部材の内周面を押圧するように配置され、当該ベルト部材を前記回動部材に圧接させる圧力部材と、
前記ベルト部材と前記圧力部材との摺動部に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材と、
前記ベルト部材の内周面から漏洩する潤滑剤を拭き取る潤滑剤拭き取り部材と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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